(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記承認された単極拍動を分割することが、前記承認された単極拍動間のユークリッド距離に従うk平均法クラスタリングによって実施される、請求項14に記載の装置。
前記心内電位図の前記選択された拍動を分割することが、前記選択された拍動間のユークリッド距離に従うk平均法クラスタリングによって実施される、請求項18に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、本発明の様々な原理が完全に理解されるように、多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、これらの全ての詳細が本発明の実施に必ずしも必要ではないことが、当業者には理解されよう。この場合、一般的な概念を不要に覆い隠すことのないよう、周知の回路、制御論理、並びに従来のアルゴリズム及び処理に対するコンピュータプログラム命令の詳細については、詳しく示していない。
【0024】
システム概要
ここで図面を見て、
図1を最初に参照すると、これは、本発明に開示する実施形態に従う、生体被験者21の心臓12における電気的活動の領域を検出するためのシステム10の描画図である。このシステムは、典型的には医師であるオペレータ16によって経皮的に挿入される、カテーテル14などのプローブを含み、プローブは、患者の血管系を通って、心臓の心室若しくは血管構造に入る。オペレータ16は、カテーテルの遠位先端部18を、診断すべき標的部位において心臓壁と接触させる。ユニポーラ及びバイポーラ電位図は、カテーテルの遠位部分のマッピング電極を用いて記録される。次いで、上記の米国特許第6,226,542号及び同第6,301,496号、並びに本発明の同一出願人による同第6,892,091号(本開示は参照によって本明細書に組み込まれる)に開示される方法に従って、電位図に基づく電気的活性化マップが作成される。
【0025】
システム10は、以下に説明する機能を実行するための好適なソフトウェアでプログラムされた汎用又は組込み型コンピュータプロセッサを備えることができる。したがって、システム10の、本明細書の他の図に示されている部分は、別個の機能ブロックを複数含むものとして示されているが、これらのブロックは必ずしも別個の物体ではなく、むしろ例えば、プロセッサが利用できるメモリに格納されている異なる計算タスク又はデータオブジェクトを表し得る。これらのタスクは、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサで動作するソフトウェアで実行することができる。ソフトウェアは、1つ又は複数のプロセッサに、CD−ROM又は不揮発性メモリのような有形の非一時的媒体で提供され得る。あるいは、又は加えて、システム10は、デジタル信号プロセッサ又は実配線ロジックを含んでもよい。
【0026】
カテーテル14は、典型的には、焼灼のために、オペレータ16がカテーテルの遠位端部を所望の通りに方向転換、位置決め、及び方向決めすることを可能にする好適なハンドル制御を有するハンドル20を備える。オペレータ16を補助するために、カテーテル14の遠位部分は、コンソール24内に位置する位置決めプロセッサ22に信号を提供する位置センサ(図示されず)を含む。カテーテル14は、同一出願人による米国特許第6,669,692号(参照によりその開示が本明細書に組み込まれる)に記載の焼灼カテーテルから準用して適合されてもよい。コンソール24は、典型的には、ECGプロセッサ26及びディスプレイ30を含む。
【0027】
位置決めプロセッサ22は、カテーテル14の位置及び配向座標を測定する。一実施形態では、システム10は、カテーテル14の位置及び配向を決定する磁気式位置追跡システムを含む。システム10は通常、磁場生成コイル28などの1組の外部ラジエータを備えており、それらの外部ラジエータは、患者の体外の一定の既知の位置に配置されている。コイル28は、心臓12の近辺に電磁場を生成させる。これらの電磁場は、カテーテル14内に位置する磁場センサによって検知される。
【0028】
簡略化のため図には示されていないが、通常、システム10には、他の要素も含まれる。例えば、システム10は、ECG同期信号をコンソール24に提供するために、1つ又は2つ以上の体表面電極から信号を受信するように連結される心電図(ECG)モニタを備えることができる。また、システム10は通常、被験者の身体の外面に取り付けられた、外部から貼付された基準パッチ、又は心臓12に対して一定の位置に維持された、心臓12の中に挿入され内部に配置されたカテーテル、のいずれかの上に基準位置センサを含む。焼灼部位を冷却するためにカテーテル14を通して液体を循環させるための従来のポンプ及びラインが、提供されてもよい。
【0029】
システム10の上記の特徴を具体化する1つのシステムは、Biosense Webster,Inc.(3333 Diamond Canyon Road,Diamond Bar,CA 91765)から入手可能な、CARTO(登録商標)3 Systemである。このシステムは、本明細書に記載されている本発明の原理が具現化されるように、当業者が修正をほどこすことができる。ユニポーラ及びバイポーラ電位図を得るための好適な多電極バスケット並びにスプラインカテーテルは既知である。このようなスプラインカテーテルの例は、Pentaray(登録商標)NAVカテーテルであり、Biosense Websterから入手可能である。
【0030】
心室遠距離場の解除
第1の実施形態
心室遠距離場作用を除去するための時間アンサンブル平均化(TEA)アルゴリズムの一実施形態は、以下のように要約され得る:
1.Rピーク検出アルゴリズムを使用して、BS ECGチャネル(リードII又はV2)のうちの一方にQRS群を特定する。
2.Rピーク検出タイムスタンプ辺りで単極ICチャネル(UEGM
N)上に記録された単極拍動を抽出する。
3.全ての抽出された拍動を単一平均拍動に平均化する。
4.抽出された拍動とタイムラグの関数としての単一平均拍動(テンプレート)との間の類似性の測定を決定するように、抽出された拍動をその平均と相互相関させる。
5.整列させ選択する:平均拍動ピーク位置に対する相互相関に従って関連する抽出された拍動を整列させる。
6.相互相関最大差が10ミリ秒よりも小さく、相互相関ピーク振幅が90%を超える、即ち、平均拍動のピーク振幅と抽出された拍動との間の差が10%未満である場合に、拍動を承認する。
7.整列して承認された拍動の平均を再計算する。
8.各Rピーク検出タイムスタンプで拍動を複製することによって、UEGM
nの推定VFF投射を構築する。
9.単極チャネルからVFF’
estを差し引くことによってUEGM
nチャネルから推定されたVFFを低減させる。
【0031】
工程2〜9を、全てのUEGMチャネルで実行する。
【0032】
ここで
図2を参照すると、同図は、本発明の実施形態に従う、心内単極チャネルからの心室遠距離場作用の除去を示すブロック図である。本明細書の
図2及び他の図面は、いくつかの別個の機能的なブロックを示す。これらのブロックは、例えば、電子論理回路又はデジタル信号プロセッサなどの指示された措置を行う物理的な実体を表してもよい。あるいは、ブロックは、プロセッサ22(
図1)などのプロセッサにアクセス可能なメモリ内に記憶された異なる計算タスク又はデータオブジェクトを表してもよい。これらのタスクは、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサで動作するソフトウェアで実行することができる。ソフトウェアは、1つ又は複数のプロセッサに、CD−ROM又は不揮発性メモリのような有形の非一時的媒体で提供され得る。
【0033】
図2に示される順序は、複数の電極を有するマッピングカテーテルのそれぞれの関連する電極に対して繰り返される。ブロック32は、時間アンサンブル平均化アルゴリズム(TEA)として本明細書に参照されるプロセスを表し、それは、2つの入力信号:典型的には別のECGチャネルからであるが、体表面ECGチャネル(BSECG)からである必要のない、第1の入力34、及び単極心内電極信号(UEGM
n)である第2の入力36を承認する。他のECGチャネルは、例えば、食道のECGリード、又は更には別の心内カテーテルECGであり得る。入力36は、カテーテル上の2つ以上の隣接する電極からの信号を含み得る。テンプレートは、複数の電極からの信号を蓄積することによって作成される。典型的には、500〜600の拍動を評価する。複数の電極を同時に使用することによって、時間を節約し、正確性を増加させる。隣接する電極は、典型的に、互いに2〜4mm内に存在する。しかしながら、この距離は、必須ではない。ブロック32は、入力36の心室遠距離場構成要素の推定値である推定された心室遠距離場出力38(VFF’
est)を有する。ブロック40は、入力42から出力38を差し引く加算器である。ブロック40は、実質的に心室遠距離場作用を含まない信号44として入力42のフィルタ処理されたバージョンを出力する。
【0034】
ここで
図3を参照すると、同図は、本発明の実施形態に従う、ブロック32(
図2)に示されるTEAアルゴリズムの詳細なブロック図である。この手順は、ブロック46においてBSECG入力34のR波ピークの検出から開始される。R波群は、ピーク検出に基づいて時刻記録され、ブロック48に伝達される。この移動は、タイムスタンプ信号50として表される。
【0035】
ブロック48は、タイムスタンプ信号50及びUEGM
n入力36を承認する。UEGM
nチャネルの拍動は、参照としてタイムスタンプ信号50を用いて抽出される。ブロック48は、ブロック54、56への入力を形成する心内電極信号52を出力する。
【0036】
いくつかの心内拍動は、ブロック54で平均化されるが、そこでは、移動平均を表す最新のm心内拍動の移動平均からなるテンプレート信号58を生成する。mの値は、オペレータによって設定される。30秒の時間間隔にわたって拍動を平均化することが、好適である。
【0037】
心内電極信号52の拍動は、相関情報を含む心内電極信号60を出力するブロック56内のテンプレート信号58と相関させられる。テンプレート信号58との高相関を有する信号は、−3〜+3msの範囲の最良の相関を得るように保持され、テンプレートと整列する。高相関を示していない信号は、破棄される。
【0038】
心内電極信号60は、更なるプロセスにむけて心内拍動を整列させ選択するブロック62に入力される。ブロック62では、心室活動、即ち、心室遠距離場活動を示していない拍動は、それらのテンプレート信号58との相関が乏しいため、拒絶される。拒絶された拍動は、典型的に、心房活動のみを示す。ブロック62は、テンプレート信号58を高度に相関されている心内拍動信号64を出力する。
【0039】
心内拍動信号64は、最新のn心内拍動の移動平均を生成し、ブロック62で選択された拍動の移動平均を表すテンプレート信号68を出力するブロック66への入力である。nの値は、設定可能である。通常、値nは、心臓活動の30秒から選択される拍動を表す。
【0040】
UEGM
n入力36の心室遠距離場構成要素を推定する時間依存性信号は、ブロック70で生成され、推定された心室遠距離場出力38として出力される。
【0041】
第2の実施形態
心室遠距離場作用を除去するための時間アンサンブル平均化(TEA)アルゴリズムの別の実施形態は、以下のように要約され得る:
1.Rピーク検出タイムスタンプ辺りで単極ICチャネル(UEGMN)及びその隣接する電極上に記録された単極拍動を抽出する。
2.電極Nからの全ての抽出された拍動を単一拍動に平均値平均化して基準のテンプレートを生成する。
3.電極N及びその隣接する電極からの全ての抽出された拍動導関数において中央値フィルタを計算する。
4.全ての抽出された拍動導関数と中央値導関数テンプレートとの間の相互相関を計算する。
5.相関閾値未満の全ての拍動を拒絶する。
6.k平均法アルゴリズムを動作して残りの拍動間のユークリッド距離に基づいて残りの拍動をkクラスタに分割する。
7.各クラスタ拍動をkテンプレートに平均値平均化する。
8.テンプレートとの相互相関及びテンプレートを用いた低減後の最小RMに基づいて電極Nの各拍動当たりのVFF低減に対して最良のテンプレートを選択する。
9.選択されたテンプレートを使用して低減のための推定された(VFF’
est)信号を構築する。
10.単極チャネルからVFF’
estを差し引くことによってUEGMNチャネルから推定されたVFFを低減させる。
【0042】
ここで
図4を参照すると、同図は、本発明の代替的な実施形態に従う、心内単極チャネルからの心室遠距離場作用の除去を示すブロック図である。
図5に示される信号のうちのいくつかは、
図3のものと同一である。これらの信号の詳細は、簡略にするため繰り返さない。
【0043】
時間アンサンブル平均のバージョンは、入力36及びタイムスタンプ信号50(
図3)を承認するブロック72で実施される。ブロック72の出力は、ブロック76(10Σ)の入力42(
図3)から差し引かれる推定された心室遠距離場信号74である。ブロック76は、実質的に心室遠距離場作用を含まない信号78として入力42のフィルタ処理されたバージョンを出力する。
【0044】
ここで
図5を参照すると、同図は、本発明の代替的な実施形態に従う、ブロック72(
図4)に示されるTEAアルゴリズムの詳細なブロック図である。ブロック80は、上述のようにタイムスタンプ信号50及び入力36を承認する。UEGM
nチャネルの拍動が、抽出される。しかしながら、ここで2つの出力が存在する:(1)信号82は、入力36から選択された単一の電極からの心内拍動を構成する。入力36がカテーテル上の2つ以上の隣接する電極からの信号を用いることが、想起され、(2)信号84は、信号82に対して選択された電極を中心に集中する9つの隣接する電極からの心内拍動を構成する。それぞれの電極に起因する信号84の構成要素は、任意の好適な通信プロトコルを用いて連続して又は同時に通信することができる。
【0045】
信号82は、ブロック86の平均値平均化に供されてテンプレート信号88を形成する。テンプレート信号88は、以下に説明されるブロック110においてプロセスされる。典型的に、テンプレート信号88は、記録間隔中の1つの電極の全ての拍動の平均を表し、典型的に、約500の拍動を含む。
【0046】
信号84は、時間に関して微分され、9つの電極のうちのそれぞれの導関数はブロック90内で中央値の平均化処理を受ける。中央値の平均化処理から生成される中央値テンプレート信号92は、ブロック90からの出力である。
【0047】
中央値テンプレート信号92として出力される導関数は、ブロック94の電極信号84のそれぞれの心内拍動と相関される。この相関は、9つの電極のうちのそれぞれからの信号を積算することを含む。相関結果は、信号96としてブロック98に出力されるが、ここで、所定の閾値未満の相関係数を有する心内拍動が、除外される。このような相関が乏しい拍動は、典型的には、心房活動の高い構成要素を有し、単離された心室遠距離場構成要素を得るためには不要なものである。信号84の残りの心内拍動は、信号100として出力される。
【0048】
この信号100は、選別された心内拍動がk平均法クラスタリングを用いてk群に分類され、各群の持続時間が50ミリ秒である、ブロック102への入力である。kの値は、現行の実施形態において3である。k平均法クラスタリングは、メートル法としてユークリッド距離を用いて観察されたデータを、相互に排他的なクラスタkに分割し、そのクラスタの指数を、クラスタが割り当てられたそれぞれの観察に戻す分割方法である。k群は、kクラスタ信号104として出力される。平均は、ブロック106でk群のそれぞれに対して計算される、Kテンプレート及び個々の選別された拍動は、信号108として出力される。
【0049】
個々の拍動及びそのクラスタ割り当てを伴うk−テンプレート信号108及びテンプレート信号88は、それぞれの選別された拍動が、k−テンプレート信号108又はテンプレート信号88のkテンプレートのうちの最も好適な1つと関連し、信号112として出力される、選択ブロック110に入力される。心室遠距離場推定値は、信号112を用いてブロック114で1拍動基準当たりに発生し、ブロック76(
図5)においてプロセスされる推定された心室遠距離場信号74として出力される。
【0050】
ここで
図6〜
図15を参照すると、これらの図は、本発明の実施形態に従う、
図4及び
図5の方法を実施するときに観察され得る波形の図である。
【0051】
図6は、入力36の単一心内電位図(UEGM
n)を表す。
【0052】
図7は、R波群を中心とする拍動の抽出後の、複数の電極からの信号84を表す。
【0053】
図8は、テンプレート信号88(
図5)として最も良く理解される基準のテンプレートを表す。
【0054】
図9は、ブロック80で生成された抽出された拍動の導関数の中央値平均化から得られるテンプレートである、中央値テンプレート信号92を表す。
【0055】
図10は、ブロック94の相関プロセスの出力である信号96を表す。
【0056】
図11は、ブロック98で実施された選別及び選択の出力である信号100を表す。
【0057】
図12は、k−クラスタ信号104を表す。これは、ブロック102で実施された選別された拍動のk平均法クラスタリングを表す3つの波形図を含む。
【0058】
図13は、k−クラスタ信号104からブロック106によって形成された3つのテンプレートであるk−テンプレート信号108を表す。
【0059】
図14は、ブロック114で生成された推定された心室遠距離場信号74を表す。
【0060】
図15は、最終出力:即ち心室遠距離場構成要素を取り除いた心内電位図である信号78を表す。
【0061】
本発明が本明細書で具体的に示され説明されている内容に限定されるものではないことが当業者に理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、以上で述べた様々な特徴の組み合わせ及び一部の組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者が想到するであろう、従来技術にはない特徴の変形及び改変をも含むものである。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 遠距離場を低減する方法であって、
心電位図のQRS群のピークを検出する工程と、
それぞれの検出されたピークを含む所定の時間間隔内に起こる心内電位図の単極拍動を抽出する工程と、
前記抽出された単極拍動を平均化することによって第1の平均単極拍動を構築する工程と、
前記抽出された単極拍動と前記第1の平均単極拍動との間のそれぞれのタイムラグを決定することによって、前記抽出された単極拍動を前記第1の平均単極拍動と相互相関させる工程と、
前記抽出された単極拍動のうち、相互相関が所定の相関閾値を超えるものを承認する工程と、
前記承認された単極拍動から第2の平均単極拍動を構築する工程と、
前記抽出された単極拍動から前記第2の平均単極拍動を差し引くことによって心室遠距離場構成要素を決定する工程と、
前記心内電位図から前記心室遠距離場構成要素を差し引いて、前記心内電位図の局所構成要素を区別する工程と、
前記局所構成要素に対して反応して医療処置を制御する工程と、を含む、方法。
(2) 前記所定の相関閾値が、10ミリ秒以下のタイムラグを含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記所定の相関閾値が、前記抽出された単極拍動及び前記第1の平均単極拍動のピーク振幅間に10パーセント以下の差を含む、実施態様1に記載の方法。
(4) 第1の平均単極拍動を構築する工程が、前記抽出された単極拍動を微分することによって中央値導関数拍動を計算することを更に含み、相互相関させる工程が、前記抽出された単極拍動と前記中央値導関数拍動との間で実施される、実施態様1に記載の方法。
(5) 第2の平均単極拍動を構築する工程が、前記抽出された単極拍動を整列させることを含む、実施態様1に記載の方法。
【0063】
(6) 第2の平均単極拍動を構築する工程が、
前記承認された単極拍動を複数のクラスタに分割することと、
前記クラスタの各々に対してそれぞれのクラスタ固有平均単極拍動を構築することと、を含む、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記承認された単極拍動を分割することが、前記承認された単極拍動間のユークリッド距離に従うk平均法クラスタリングによって実施される、実施態様6に記載の方法。
(8) 心室遠距離場構成要素を決定する工程が、
それぞれの承認された単極拍動に対して前記クラスタ固有平均単極拍動のうちの最適なものを選択することと、
前記抽出された単極拍動から前記選択されたクラスタ固有平均単極拍動を差し引くことと、を含む、実施態様6に記載の方法。
(9) 装置であって、
電極を有する体内プローブであって、前記プローブが心臓の組織と接触するように構成されている、体内プローブと、
ディスプレイと、
プロセッサであって、前記電極から電気信号を受信して、前記電気信号において、前記電極が接触している前記組織に起因する局所構成要素を、前記信号への遠隔場の寄与と区別するように構成され、これは、
心電位図のQRS群のピークを検出する工程と、
前記電極を介して受信された心内電位図の単極拍動を抽出する工程であって、前記抽出された単極拍動が、それぞれの検出されたピークを含む所定の時間間隔内に起こる、抽出する工程と、
前記抽出された単極拍動を平均化することによって第1の平均単極拍動を構築する工程と、
前記抽出された単極拍動と前記第1の平均単極拍動との間のそれぞれのタイムラグを決定することによって、前記抽出された単極拍動を前記第1の平均単極拍動と相互相関させる工程と、
前記抽出された単極拍動のうち、相互相関が所定の相関閾値を超えるものを承認する工程と、
前記承認された単極拍動から第2の平均単極拍動を構築する工程と、
前記抽出された単極拍動から前記第2の平均単極拍動を差し引くことによって心室遠距離場構成要素を決定する工程と、
前記心内電位図から前記心室遠距離場構成要素を差し引いて、前記心内電位図の前記局所構成要素を区別する工程と、
前記局所構成要素を前記ディスプレイに出力する工程と、を実施することによって行われる、プロセッサと、を備える、装置。
(10) 前記所定の相関閾値が、10ミリ秒以下のタイムラグを含む、実施態様9に記載の装置。
【0064】
(11) 前記所定の相関閾値が、前記抽出された単極拍動及び前記第1の平均単極拍動のピーク振幅間に10パーセント以下の差を含む、実施態様9に記載の装置。
(12) 第1の平均単極拍動を構築する工程が、前記抽出された単極拍動を微分することによって中央値導関数拍動を計算することを更に含み、相互相関させる工程が、前記抽出された単極拍動と前記中央値導関数拍動との間で実施される、実施態様9に記載の装置。
(13) 第2の平均単極拍動を構築する工程が、前記抽出された単極拍動を整列させることを含む、実施態様9に記載の装置。
(14) 第2の平均単極拍動を構築する工程が、
前記承認された単極拍動を複数のクラスタに分割することと、
前記クラスタの各々に対してそれぞれのクラスタ固有平均単極拍動を構築することと、を含む、実施態様9に記載の装置。
(15) 前記承認された単極拍動を分割することが、前記承認された単極拍動間のユークリッド距離に従うk平均法クラスタリングによって実施される、実施態様14に記載の装置。
【0065】
(16) 心室遠距離場構成要素を決定する工程が、
それぞれの承認された単極拍動に対して前記クラスタ固有平均単極拍動のうちの最適なものを選択することと、
前記抽出された単極拍動から前記選択されたクラスタ固有平均単極拍動をそれぞれ差し引くことと、を含む、実施態様14に記載の装置。
(17) 方法であって、
被験者の心臓内にプローブを挿入する工程であって、前記プローブが、遠位セグメント及び前記遠位セグメント上に配置された単極心内電極を有する、挿入する工程と、
前記心内電極で前記心臓のある位置から心内電位図を受信すると同時に、第2の電極で別の電位図を受信する工程と、
他方の電位図のR波群と整合している前記心内電位図の拍動を平均化することによって第1のテンプレートを形成する工程と、
前記心内電位図の前記拍動と前記第1のテンプレートとの間のそれぞれの相関を計算する工程と、
前記それぞれの相関が所定の値を超える、前記心内電位図の拍動を選択する工程と、
前記心内電位図の前記選択された拍動から第2のテンプレートを形成する工程と、
前記第2のテンプレートに基づいて、前記心内電位図の遠距離場構成要素を表す信号を生成する工程と、
前記心内電位図から前記遠距離場構成要素を除去してフィルタ処理された心内電位図を産出する工程と、
前記フィルタ処理された心内電位図を報告する工程と、を含む、方法。
(18) 第2のテンプレートを形成する工程が、
前記心内電位図の前記選択された拍動を複数のクラスタに分割することと、
前記クラスタのそれぞれに対して複数のクラスタ固有の第2のテンプレートを構築することと、を含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記心内電位図の前記選択された拍動を分割することが、前記選択された拍動間のユークリッド距離に従うk平均法クラスタリングによって実施される、実施態様18に記載の方法。
(20) 生成する工程が、
それぞれの選択された拍動に対して前記クラスタ固有の第2のテンプレートのうちの最適なものを選択することと、
前記選択された拍動から前記最適なテンプレートを差し引くことと、を含む、実施態様18に記載の方法。