(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記超音波ブレードの中心の長手方向軸が湾曲した道に沿って延在するように前記超音波ブレードが湾曲しており、前記第1の弧状区間が前記超音波ブレードの湾曲の内側の領域に配置され、前記第2の弧状区間が前記超音波ブレードの前記湾曲の外側の領域に配置される、請求項4に記載の装置。
前記窪みが、第2の直交面上で第3の半径を持つ第3の弧状区間を更に含み、前記第2の直交面が、前記第1の直交面に平行であり、前記第2の直交面が、前記第1の直交面から離間している、請求項1に記載の装置。
前記第1の弧状区間が、近位では、前記超音波ブレードの長さに沿った第1の位置で終わり、前記第3の弧状区間が、近位では、前記超音波ブレードの長さに沿った第2の位置で終わり、前記第2の位置が前記第1の位置に対して近位である、請求項6に記載の装置。
前記エンドエフェクタが、クランプアームを更に備えており、前記クランプアームが、前記超音波ブレードに向かうように、かつそれから離れるように選択的に枢動可能である、請求項1に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本技術の特定の実施例に関する以下の説明は、本技術の範囲を限定するために使用されるべきではない。本技術の他の実施例、機構、態様、実施形態、及び有利点は、例として、本技術を実施するために想到される最良の形態の1つである、以下の説明から、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書で説明される本技術は、全て本技術から逸脱することなく、他の種々の明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0011】
更に、本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数も、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は複数とも組み合わせることができることを理解されたい。したがって、下記に述べる教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立であると考えられるべきでない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0012】
開示内容の明確さのために、用語「近位」及び「遠位」は、人又はロボットである外科器具オペレータに対するものと本明細書では定義される。用語「近位」は、人又はロボットである外科器具オペレータにより近く、かつ外科器具の外科エンドエフェクタからより遠くの、要素の位置を指す。用語「遠位」は、外科器具の外科エンドエフェクタにより近く、かつ人又はロボットである外科器具オペレータからより遠くの、要素の位置を指す。
【0013】
I.代表的な超音波外科器具
図1は、代表的な超音波外科器具(10)を図示する。器具(10)の少なくとも一部は、以下の教示の少なくとも一部にしたがって構築可能及び動作可能である場合がある。米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同許第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、米国特許公開第2006/0079874号、同第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2009/0105750号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、米国特許出願第13/538,588号、同第13/657,553号、及び/又は同第61/410,603号。前述の特許、公開、及び出願のそれぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。その中に記載され、以下により詳細に記載されるように、器具(10)は、実質的に同時に、組織を切断し、組織(例えば、血管など)を封止又は溶接するように動作可能である。また、器具(10)がHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの様々な構造的及び機能的な類似点を有し得ることを理解されたい。更に、器具(10)は、本明細書で引用され参照されることによって本明細書に組み入れられる他の参考文献のいずれかに教示される装置と様々な構造的かつ機能的類似点を有することがある。
【0014】
本明細書に引用される参照の教示と、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示と、器具(10)に関する以下の教示との間に何らかの重複が存在する範囲で、本明細書の任意の記述を、認められた従来技術とみなす意図はない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参照及びHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの教示の範囲を超えるであろう。
【0015】
本実施例の器具(10)は、ハンドルアセンブリ(20)と、シャフトアセンブリ(30)と、エンドエフェクタ(40)と、を備えている。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)と、一対のボタン(26)とを含む本体(22)を備えている。ハンドルアセンブリ(20)は、ピストルグリップ(24)に向かうように及びそれから離れるように枢動可能なトリガ(28)もまた含む。しかしながら、はさみグリップ構成などが挙げられるがこれに限定されない様々な他の好適な構成を使用することができる。エンドエフェクタ(40)は、超音波ブレード(100)と、枢動クランプアーム(44)と、を含む。クランプアーム(44)は、ピストルグリップ(24)に向かうトリガ(28)の枢動に応答してクランプアーム(44)が超音波ブレード(100)に向かって枢動することができるように、及びピストルグリップ(24)から離れるトリガ(28)の枢動に応答してクランプアーム(44)が超音波ブレード(100)から離れるように枢動することができるように、トリガ(28)に連結される。本明細書の教示を考慮すれば、クランプアーム(44)をトリガ(28)と連結することができる様々な適切な方法が、当業者に明らかであろう。いくつかのバージョンでは、クランプアーム(44)及び/又はトリガ(28)を
図1に示す開位置に付勢するために、1つ又は2つ以上の弾力的部材を使用する。
【0016】
超音波トランスデューサアセンブリ(12)は、ハンドルアセンブリ(20)の本体(22)から近位に延在する。トランスデューサアセンブリ(12)は、ケーブル(14)を介して発電機(16)に連結される。トランスデューサアセンブリ(12)は、発電機(16)から電力を受電し、圧電原理によってその電力を超音波振動に変換する。発電機(16)は、電源と、トランスデューサアセンブリ(12)を通じた超音波振動の生成に特に適したトランスデューサアセンブリ(12)に電力プロファイルを提供するように構成された制御モジュールと、を含むことができる。あくまで一例として、発電機(16)は、Ethicon Endo−Surgery,Inc.(オハイオ州Cincinnati)により販売されているGEN 300を備えることができる。追加として、又は代替として、発電機(16)は、2011年4月14日に公開された「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題する米国特許公開第2011/0087212号の教示の少なくとも一部にしたがって構成することができる。また、発電機(16)の機能性の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(20)に組み込むことができ、ハンドルアセンブリ(20)はケーブル(14)を省略するように更に電池又は他の搭載された電源を含むこともまたできると理解されたい。なお、発電機(16)が有することができる他の好適な形体、及び発電機(16)が提供することができる種々の機構並びに動作性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかとなるであろう。
【0017】
トランスデューサアセンブリ(12)によって生成される超音波振動は、超音波ブレード(100)に到達するようにシャフトアセンブリ(30)を通じて延在する音響導波管(150)(
図11〜12に示す)に沿って伝達される。したがって、ブレード(100)は、特に組織がクランプアーム(44)とブレード(100)の間で締め付けられているときに、組織を通って効果的に切断し封着するように動作可能である。導波管(150)は、導波管(150)を通じて伝達される機械的振動を増幅するように構成することができると理解されたい。更に、導波管(150)は、導波管(150)に沿って縦振動のゲインを制御するように動作可能な機構、及び/又はシステムの共振周波数に合わせて導波管(150)を整調するための機構を含むことができる。ボタン(26)は、トランスデューサアセンブリ(12)を選択的に作動することにより超音波ブレード(100)を作動するように動作可能である。本実施例では、低電力で超音波ブレード(100)を作動するボタンと、高電力で超音波ブレード(100)を作動するボタンとの、2つのボタン(26)が提供される。しかしながら、任意の他の好適な数のボタン及び/又は別の方法で選択可能な電力レベルが提供されてもよいことを理解されたい。
【0018】
本実施例では、組織による負荷が音響アセンブリに与えられていないときに好ましい共振周波数f
oに合わせて音響アセンブリを整調するために、超音波ブレード(100)の遠位端は、導波管を通じて伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置づけられる。トランスデューサアセンブリ(12)が通電されると、超音波ブレード(100)の遠位端は、例えば、55.5kHzの既定の振動周波数f
oで、約10〜500マイクロメートルの範囲の最大振幅で、及び場合によっては、約20〜約200マイクロメートルの範囲で、縦に移動するように構成される。本実施例のトランスデューサアセンブリ(12)が作動すると、これらの機械的な振動が導波管を通じて超音波ブレード(100)に達し、それにより、共振超音波周波数で超音波ブレード(100)の振動を提供する。このようにして、組織が超音波ブレード(100)とクランプアーム(44)との間に固定されたとき、超音波ブレード(100)の超音波振動が組織を切断すると同時に隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることによって、比較的少量の熱分散による凝固効果を提供することができる。トランスデューサアセンブリ(12)と超音波ブレード(100)が通電されていないときは、クランプアーム(44)は超音波ブレード(100)に対して枢動して、組織を切断又は損傷することなく把持し、操作することができる。
【0019】
いくつかのバージョンでは、組織を焼灼するためにもまた、超音波ブレード(100)及びクランプアーム(44)を通じて電流を提供することができる。音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(12)のいくつかの構成を記述してきたが、音響伝達アセンブリ及びトランスデューサアセンブリ(12)の更に他の適切な構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。同様に、本明細書の教示を考慮することで、エンドエフェクタ(40)の他の好適な構成も、当業者に明らかになるであろう。
【0020】
本実施例では、シャフトアセンブリ(30)は、トランスデューサアセンブリ(12)と選択的に連結するように構成される。適切な連結を支援するために、シャフトアセンブリ(30)の周囲にトルクレンチ(図示せず)を含めることができる。そのようなトルクレンチは、連結中にトランスデューサアセンブリ(12)に対してシャフトアセンブリ(30)が回転する際にシャフトアセンブリ(30)の把持を容易にするように構成され得る。加えて、そのようなトルクレンチは、適切な締め付けでトランスデューサアセンブリ(12)とシャフトアセンブリ(30)の連結を提供する適切な量のトルクがいったん達成された後に、可聴の及び/又は触感的なフィードバックを提供するように構成され得る。例えば、トルクレンチは、いったん適切なレベルのトルク/締め付けが達成されたら、可聴のクリックと触感的なクリックとの組み合わせを提供することができる。本明細書の教示を考慮することで、トルクレンチの他の変化形態が当業者に明らかになるであろう。更に、所望によりトルクレンチを単純に省略してもよいことを理解されたい。
【0021】
いくつかのバージョンでは、シャフトアセンブリ(30)は、シャフトアセンブリ(30)によって画定される長手方向軸からエンドエフェクタ(40)が斜めに横方向に偏向することを可能にするために、関節セクションを含む。あくまで一例として、そのような関節セクションは、開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第第2012/0078247号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)の1つ又は2つ以上の教示に従って構成され得る。別の単なる説明のための例として、そのような関節セクションは、開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/538,588号及び/又は同第13/657,553号の1つ又は2つ以上の教示にしたがって構成され得る。勿論、シャフトアセンブリ(30)のいくつかのバージョンでは、単純に関節を全く含めなくてもよい。本実施例のシャフトアセンブリ(30)は、シャフトアセンブリ(30)の長手方向軸の周囲でシャフトアセンブリ(30)及びエンドエフェクタ(40)をハンドルアセンブリ(20)に対して回転するように動作可能である。しかしながら、ノブ(32)及びシャフトアセンブリ(30)の回転能力はあくまで任意であることを理解されたい。
【0022】
器具(10)の前述の構成要素及び動作性はあくまで例示である。器具(10)は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるであろう様々な他の方法で構成することができる。あくまで例として、器具(10)の少なくとも一部は、以下に列挙する教示の少なくとも一部にしたがって構成可能及び/又は動作可能であり得、それらの開示内容は全て、参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第5,322,055号、同第5,873,873号、同第5,980,510号、同第6,325,811号、同第6,773,444号、同第6,783,524号、同第2006/0079874号、同開第2007/0191713号、同第2007/0282333号、同第2008/0200940号、同第2009/0105750号、同第2010/0069940号、同第2011/0015660号、同第2012/0112687号、同第2012/0116265号、米国特許出願第13/538,588号、同第13/657,553号、及び/又は同第61/410,603号。器具(10)の追加的な変化形態を以下でより詳細に説明する。以下に説明する変化形態は本明細書に引用した参照のいずれかで言及される任意の器具にそのまま適用され得ることを理解されたい。
【0023】
II.代表的な超音波ブレードの構成
図2〜9は、器具(10)の超音波ブレード(100)をより詳細に示す。本実施例の超音波ブレード(100)は、機能的非対称及び最小限の不要な運動を有するテーパ形状の多機能湾曲ブレードの形状である。超音波ブレード(100)の湾曲したバージョンを提供することにより、対処すべき必要があり得る一連の工学的検討事項が導入されることを理解されたい。例えば、湾曲した超音波ブレード(100)は、エンドエフェクタ(40)に沿った質量の慎重な位置づけを含めて適切に平衡化される必要がある場合がある。適切な平衡化の別の観点として、作動中の超音波ブレード(100)が経験する直交方向の変位を別個に平衡化することが望まれる場合があり、このことは、ブレード(100)が湾曲しているときは特に困難であり得る。加えて、湾曲した超音波ブレード(100)は、ブレード(100)が作動状態であるときにブレード(100)が金属と接触した場合は特に、ブレード(100)の湾曲領域における高い応力により破壊されやすい場合がある。更に、湾曲した超音波ブレード(100)は比較的短い有効長をもたらす場合があり、このことは、ブレード(100)で施術し得る血管(又は他の組織構造)の大きさを制限する場合がある。(「有効長」は、ブレード(100)の遠位端(102)から、その遠位端(102)での変位の2分の1の変位までの長さと定義することができる)。本実施例のブレード(100)は前述の検討事項を考慮している。
【0024】
上記の工学的検討事項に対処することで、ブレード(100)の湾曲したテーパ形状の構成が、外科医の視界の改善などの外科的利益を提供し得ることもまた理解されたい。加えて、湾曲とテーパ形状を組み合わせることで、音速の増加及び質量の漸進的低減により、より長い有効長を提供することができる。また、テーパ形状は遠位端(102)により小さい表面をもたらすことができ、このことは、組織に与えられる局所的圧力を増すことにより穿刺/解剖能力を改善し得る。ロバスト性能は、ブレード(100)の露出した部分の曲げ応力に対する音響応力の比を制御することによって改善することができる。そのようにして、寿命の改善のために、他の金属材料との不慮の接触による損傷の影響を受けにくいブレード(100)にすることができる。
【0025】
本実施例のブレード(100)は導波管(150)の遠位端に配置されている。導波管(150)の近位端は、トランスデューサアセンブリ(12)に連結されている。そのようにして、ブレード(100)と導波管(150)は一緒に、音響トランスデューサアセンブリ(12)に音響的に連結される音響伝達アセンブリを画定する。あくまで例として、この音響伝達アセンブリは、長さ約36cm、長さ約23cm、又は任意の他の好適な長さであり得る。本実施例では、超音波ブレード(42)の遠位端(102)は、導波管(150)を通じて伝達される共振超音波振動に関連するアンチノードに対応する位置に位置づけられて、音響伝達アセンブリに組織の負荷が与えられていないときに好ましい共振周波数f
oに合わせて音響伝達アセンブリを整調する。ブレード(100)と導波管(150)は本実施例においては一体形成されるが、別の方法として、ブレード(100)と導波管(150)を別個の片として形成し、(例えば、ねじ山結合、干渉嵌合、溶接接合等などにより)合体させてもよい。ブレード(100)は、導波管(150)を通じて伝達される共振超音波振動に関連する最遠位のノードで近位に実際上は終端すると理解され得る。換言すると、ブレード(100)は最遠位のノードから最遠位のアンチノードまで延在する。
【0026】
トランスデューサアセンブリ(12)が通電されると、超音波ブレード(100)の遠位端(102)は、例えば、55.5kHzの既定の振動周波数f
oで、最大振幅が約10〜500マイクロメートルの範囲で、場合によっては、約20〜約200マイクロメートルの範囲で、縦に(x軸に沿って)移動するように構成される。本実施例のトランスデューサアセンブリ(12)が作動すると、これらの機械的な振動が導波管(150)を通じて超音波ブレード(100)に達し、それにより、共振超音波周波数で超音波ブレード(100)の振動を提供する。かくして、組織が超音波ブレード(100)とクランプアーム(44)との間に固定されたとき、超音波ブレード(100)の超音波振動が組織を切断すると同時に、隣接する組織細胞内のタンパク質を変性させることによって、比較的少量の熱分散による凝固効果を提供することができる。
【0027】
本実施例のブレード(100)は、その近位端から遠位端(102)に向かってテーパ形状である。ブレード(100)はまた、導波管(150)により画定される長手方向軸に対して遠位端(102)の中心が横方向に位置づけられるように湾曲している。実質的にx軸に沿っての及びx〜y平面内の縦の運動を維持するために、かつ又、横モードの振動の範囲を所望の55.5kHzの共振周波数の縦の振動モードから分離するために、特定の平衡機構が必要であり得ることを理解されたい。以下に更に詳述するように、導波管(150)は、ブレード(100)の遠位端(102)が最大動力生成で約73.5マイクロメートルの最大偏位でx軸に沿って振動するように(例えば、トランスデューサ(150)の偏位が約21.5マイクロメートルとなるように)、約3.5のゲインを提供するように構成された一連のゲイン段階を含む。
【0028】
ブレード(100)のテーパ形状は
図7〜9に最もよく示されており、図は、ブレード(100)の長さに沿った様々な場所での断面図一式を示している。具体的には、
図7は、導波管(150)の長手方向の軸に垂直の軸(PA)に沿って延びる平面に沿ったブレード(100)の近位断面を示している。
図8は、軸(PA)に対して斜めに配向された第1平面に沿ったブレード(100)の中間位置の断面を示している。
図9は、軸(PA)に対して斜めに配向された第2平面に沿ったブレード(100)の遠位断面を示している。本実施例では、
図7に示す断面におけるブレードの幅(100)は、約0.14センチメートル(0.055インチ)〜約0.18センチメートル(0.070インチ)、より特定すると、約0.15センチメートル(0.060インチ)〜約0.17センチメートル(0.065インチ)の間である。
図8に示す断面におけるブレード(100)の幅は、約0.11センチメートル(0.045インチ)〜約0.15センチメートル(0.060インチ)、より特定すると、約0.13センチメートル(0.050インチ)〜約0.14センチメートル(0.055インチ)の間である。
図9に示す断面におけるブレード(100)の幅は、約0.089センチメートル(0.035インチ)〜約0.127センチメートル(0.050インチ)、より特定すると、約0.10センチメートル(0.040インチ)〜約0.11センチメートル(0.045インチ)の間である。勿論、任意の他の好適な寸法を使用することができる。
【0029】
それらの湾曲及びテーパ形状のブレード(100)は、ベースが湾曲した円筒に作られる単純な放射状の切り込み及びより複雑な複合半径切り込みによって画定される。これらの切り込みは、複数の平衡機構(110、112、114、120)を画定する。具体的には、
図4に最もよく描かれているように、第1の平衡機構(110)は、第1の曲率半径(R1)を有する横方向の凹状切り込みにより形成される。あくまで一例として、第1の曲率半径(R1)は、約0.508センチメートル(0.200インチ)〜約0.635センチメートル(0.250インチ)の間、更に特定すると約0.572センチメートル(0.225インチ)とすることができる。勿論、第1の曲率半径(R1)として任意の他の好適な値を使用することができる。本実施例では、第1の平衡機能(110)はシャフトアセンブリ(30)の長手方向軸を通る直交するx〜y平面に沿って通過する第1の曲率半径(R1)によって画定される。第2の平衡機構(112)は、シャフトアセンブリ(30)の長手方向軸を通る直交するx〜y平面に沿って通過する第2の曲率半径(R2)を有する横方向の凹状切り込みによって形成される。あくまで一例として、第2の曲率半径(R2)は、約0.635センチメートル(0.250インチ)〜約0.699センチメートル(0.275インチ)の間、更に特定すると約0.681センチメートル(0.268インチ)とすることができる。勿論、第2の曲率半径(R2)として任意の他の好適な値を使用することができる。本実施例において、第2の平衡機構(112)は、ブレード(100)の長さに沿って第1の平衡機構(110)からオフセットしている。具体的には、第2の平衡機構(112)は、第1の平衡機構(110)より約0.005センチメートル(0.002インチ)〜約0.025センチメートル(0.010インチ)、より具体的には0.013センチメートル(0.005インチ)だけ、更に遠位に位置している。あるいは、任意の他の好適なオフセットを用いること(又はオフセットなしにすること)ができる。本実施例では、第2の平衡機構(112)は、第1の平衡機構(110)及び第1曲率半径(R1)に関連付けられる直交するx〜y平面と同じ、シャフトアセンブリ(30)の長手方向軸を通る直交するx〜y平面に沿って通過する第2の曲率半径(R2)によって画定される。
【0030】
第3の平衡機構(114)は、ブレード(100)の周囲で円周方向に延在し、第3の曲率半径(R3)を有する凹状切り込みによって形成される。あくまで一例として、第3の曲率半径(R3)は、1.52センチメートル(0.600インチ)〜約1.78センチメートル(0.700インチ)、更に特定すると約1.7センチメートル(0.650インチ)とすることができる。勿論、第3の曲率半径(R3)として任意の他の好適な値を使用することができる。
【0031】
第4の平衡機構(120)は、
図4及び7〜8に最もよく描かれている。第4の平衡機構(120)は、ブレード(100)の1つの角の、長手方向に延在する凸面窪みとして形成される。平衡機構(120)の窪みは、x〜y平面に沿って通過する第4の曲率半径(R4)とy〜z面に沿って通過する第5の曲率半径(R5)とによって画定される。あくまで一例として、第4の曲率半径(R4)は、約3.43センチメートル(1.350インチ)〜約3.620センチメートル(1.425インチ)、より具体的には約3.543センチメートル(1.395インチ)とすることができる。あるいは、第4の曲率半径(R4)として任意の他の好適な値を用いることができる。本実施例では、第4の曲率半径(R4)が辿るx〜y平面は、第1及び第2の曲率半径(R1、R2)が辿るx〜y平面と平行であるが、離間している。また、あくまで一例として、第5の曲率半径(R5)は、約0.15センチメートル(0.060インチ)〜約0.17センチメートル(0.065インチ)、より具体的には約0.16センチメートル(0.062インチ)とすることができる。あるいは、第5の曲率半径(R5)として任意の他の好適な値を用いることができる。第4の平行機構(120)は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,773,444号に記載されているようにブレード(100)の運動を平衡化するように構成され得る。加えて、第4の平衡機構(120)は、組織を後ろに切るために及び/又は他の目的のために使用することができるエッジ(122)を提供する。クランプアーム(44)を有する器具(10)のいくつかのバージョンでは、超音波ブレード(100)は、エッジ(122)がクランプアーム(44)に向かって面するように配向される。クランプアーム(44)を有する器具(10)のいくつかの他のバージョンでは、超音波ブレード(100)は、エッジ(122)がクランプアーム(44)に背を向けるように配向される。
【0032】
図4が示すように、第2の平衡機構(112)の横方向の凹状切り込みは、遠位端(102)まで延在する凸状曲面に移行する。この凸状曲面は、シャフトアセンブリ(30)の長手方向軸を通る直交するx〜y平面に沿って通過する第6の曲率半径(R6)によって画定される。あくまで例として、第6の曲率半径(R6)は約3.673cm(1.446インチ)とすることができる。勿論、第6の曲率半径(R6)として任意の他の好適な値を使用することができる。
【0033】
図10は、導波管(150)の遠位端に位置することができる代表的な代替超音波ブレード(200)を示す。本実施例のブレード(200)は、上述のブレード(100)と実質的に同様であり、遠位端(202)と複数の平衡機構(210、212、214、220)を備えている。いくつかのバージョンでは、ブレード(100)の長さは約36センチメートルであり、一方、ブレード(200)の長さは約23センチメートルである。もちろん、任意の他の好適な寸法が使用され得る。ブレード(200)に関連付けられる曲率半径の差は、ブレード(100)より短い長さをブレード(200)が有することを考慮して選択することができる。
【0034】
図10に示す例では、ブレード(200)の平衡機構(210、212)は、平衡機構(110、112)と同じ曲率半径を有することを含めて、ブレード(100)のそれぞれ対応する平衡機構(110、112)とほぼ同一である。ブレード(200)の平衡機構(220)もまたブレード(100)の平衡機構(120)と同様であるが、平衡機構(220)は、平衡機構(120)を画定するそれぞれ対応する曲率半径(R4、R5)と異なる曲率半径(R7、R8)によって画定される。具体的には、平衡機構(220)の窪みは、x〜y平面に沿って通過する第7の曲率半径(R7)と、y〜z平面に沿って通過する第8の曲率半径(R8)とによって画定される。あくまで一例として、第7の曲率半径(R7)は、約3.531センチメートル(1.390インチ)〜約3.8センチメートル(1.500インチ)、更に特定すると、約3.607センチメートル(1.420インチ)とすることができる。いくつかの他のバージョンでは、第7の曲率半径(R7)は、約3.543センチメートル(1.395インチ)である。あるいは、第7の曲率半径(R7)として任意の他の好適な値を用いることができる。また、あくまで一例として、第8の曲率半径(R8)は、約2.54センチメートル(1.000インチ)〜約3.048センチメートル(1.200インチ)、更に特定すると約2.794センチメートル(1.100インチ)とすることができる。いくつかの他のバージョンでは、第8の曲率半径(R8)は、約3.543センチメートル(1.395インチ)である。あるいは、第8の曲率半径(R8)として任意の他の好適な値を用いることができる。
【0035】
図10のブレード(200)は、約3.81cm(1.500インチ)の第9の曲率半径(R9)により画定される周囲で円周方向に延在する平衡機構(214)もまた有する。あるいは、第9の曲率半径(R9)として任意の他の好適な値を用いることができる。平衡機構(212)の横方向の凹状切り込みは、遠位端(202)まで延在する凸状曲面に移行する。この凸状曲面は、シャフトアセンブリ(30)の長手方向軸を通る直交するx−y平面に沿って通過する第10の曲率半径(R10)によって画定される。あくまで例として、第10の曲率半径(R10)は約3.543cm(1.395インチ)とすることができる。勿論、第10の曲率半径(R10)として任意の他の好適な値を使用することができる。上述のように、場合によっては、約36cmの長さを有する超音波ブレードをブレード(100)にしたがって構成し、一方、約23cmの長さを有する超音波ブレードをブレード(200)にしたがって構成する。あるいは、いずれかのブレード(100、200)の構成を任意の他の好適な超音波ブレードの長さと組み合わせることができる。
【0036】
図11〜12は、本実施例の導波管(150)をより詳細に示す。導波管(150)は、可とう性、半可とう性、又は剛性であってもよい。導波管(150)はまた、当該技術分野で周知のように、導波管(150)を通してブレード(100)に伝達される機械振動を増幅するように構成され得る。導波管(150)は、更に、導波管(150)に沿った縦振動のゲインを制御するための特徴、及びシステムの共振周波数に導波管(150)を整調するための特徴を有してもよい。具体的には、導波管(150)は、任意の好適な断面寸法を有することができる。例えば、導波管導波管(150)は、縦振動のゲインを制御するように、様々なセクションでテーパ形状にされてもよい。導波管(150)は例えば、システムの波長の1/2(nλ/2)の整数倍にほぼ等しい長さを有してもよい。導波管(150)及びブレード(100)は、好ましくは、チタン合金(例えば、Ti−6Al−4V)、アルミニウム合金、サファイア、ステンレススチール、又は他の任意の音響的に適合性のある材料のような、超音波エネルギーを効率的に伝播する材料から構築される中実シャフトから作製され得る。導波管(150)は、更に、導波管(150)の長手方向軸に対してほぼ垂直に内部を通って延在する少なくとも1つの放射状孔又はアパーチャ(図示せず)を含むことができる。そのようなアパーチャは、ノードに位置づけることができる。当該技術分野で周知のように、導波管(150)の超音波ノードの近くで音響伝達アセンブリの上に近位のOリング(図示せず)及び遠位のOリング(130)(
図2〜6を参照)を組み立てる。
【0037】
図11〜12に更に示すように、導波管(150)は平衡機構(160)を更に含む。平衡機構(160)は、円筒形の導波管(150)の横の平坦な表面として形成される。平衡機構(160)は、共振周波数(例えば55.5kHz)から両方向に、好ましい縦モードから離れるように横モードの範囲を広げるように機能する。いくつかのバージョンでは、平衡機構(160)は導波管(150)上に180度離間配置され、約6.604センチメートル(2.600インチ)〜約7.112センチメートル(2.800インチ)、更に特定すると約6.858センチメートル(2.700インチ)の長さにかけて延在する。平衡機構(160)の中心線は、約17.78cm〜約18.29cm(7.000〜約7.200インチ)、更に特定すると約18.16cm(7.148インチ)である。あるいは、任意の他の好適な寸法が使用され得る。
【0038】
III.代表的な制御回路
場合によっては、器具(10)は、トランスデューサ(12)及び超音波ブレード(100)を選択的に通電するためのスイッチを提供する足ペダル(使用せず)を含むことがある。あるいは、オペレータはボタン(26)をスイッチとして使用して、トランスデューサ(12)及び超音波ブレード(100)を選択的に通電することができる。しかしながら、そのような例のいくつかでは、発電機(16)とボタン(26)の間の回路に、ケーブル(114)の抵抗及び/又は接点の抵抗に大幅な変動がある場合がある。そのような可変抵抗は、発電機(16)がスイッチの閉鎖状態(例えば、ボタン(26)が押圧されたとき)を検出するのを困難にする場合がある。抵抗の変動は、クリーニングプロセスによりハンドルアセンブリ(20)の接点に残された残留物が原因である場合、及び/又は他の因子による場合がある。回路のバージョンによっては、そのような危険因子の影響をはるかに受けにくい場合がある。例えば、回路のバージョンのいくつかは、実時間での可変抵抗の影響を実際的に無効にすることができる。そのような回路の様々な例をより詳細に以下に説明するが、更に他の例が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0039】
いくつかのバージョンでは、発電機(16)はEthicon Endo−Surgery,Inc.が販売するGEN11発電機を備えている。発電機(16)は、定電流源(例えば、約500Hzなどの低周波数で交流する約±16mAなど)として作動し、発電機(16)の面でのハンドスイッチ線に対する電圧降下を測定することによって、ハンドルアセンブリ(20)におけるスイッチ(開/閉)の状態を決定することができる。電圧降下は、ケーブル(14)における抵抗及び/又はハンドルアセンブリ(20)における接点での抵抗により引き起こされる未知の電圧降下を含む場合があり、その電圧降下は、器具の回転及び器具使用中の接触力の変化などの因子のために経時的に変化し得る。以下に説明する実施例は、発電機(16)が、既知の電圧降下を生成するハンドルアセンブリ(20)における既知の基準構成要素の測定をスイッチ状態の測定と近いタイミングで行うことによって、この未知の電圧降下を決定し減算することを可能にする。
【0040】
図13は、上述のように、抵抗の変動を考慮するように器具(10)に組み入れることが可能な、あくまで一例としての回路(200)を示す。回路(200)は、基準抵抗器(210)とEEPROM(212)とを含み、それらが共になって、回路(200)の正脚に配置された基準機構を提供する。基準抵抗器(210)及びEEPROM(212)によって形成されるこの基準機構を、発電機(16)からの呼びかけ信号の正の半サイクルで読み取ることができる。EEPROM(212)は基準抵抗器(210)によって生成される電圧降下にEEPROM(212)が有意に影響を与えないような低電流を流すと理解されたい。回路(200)は、スイッチのセット(220)、それぞれ対応する抵抗器(222)、及び一対のダイオード(224)もまた含んでいる。スイッチ(220)は、ボタン(26)、トリガ(28)、及び/又は、ハンドル組立体(20)の他の可動の機構によって、作動される。スイッチ(220)、抵抗器(222)、及びダイオード(224)は、回路(200)の負脚に配置される。したがって、スイッチ(220)、抵抗器(222)、及びダイオード(224)は、発電機(16)からの呼びかけ信号の負の半サイクルで読み取られる。発電機(16)は、スイッチ(220)の状態の測定と近いタイミングで、基準抵抗器(210)からの既知の電圧降下に基づいてスイッチ(220)、抵抗器(222)、及びダイオード(224)からの電圧降下を決定し減算するように動作可能である。
【0041】
図14は、上述のように、抵抗の変動を考慮するように器具(10)に組み入れることが可能な、あくまで一例としての別の回路(300)を示す。回路(300)は、基準ツェナーダイオード(310)とEEPROM(312)とを含み、それらが共に、回路(300)の正脚に配置された基準機構を提供する。基準ツェナーダイオード(310)及びEEPROM(312)によって形成されるこの基準機構を、発電機(16)からの呼びかけ信号の正の半サイクルで読み取ることができる。EEPROM(312)はツェナーダイオード(310)によって生成される電圧降下にEEPROM(312)が有意に影響を与えないような低電流を流すと理解されたい。回路(300)は、スイッチのセット(320)、それぞれ対応するダイオード(322)、及び追加の一対のダイオード(324)もまた含んでいる。スイッチ(320)は、ボタン(26)、トリガ(28)、及び/又はハンドル組立体(20)の他の可動の機構によって作動される。スイッチ(320)及びダイオード(322、324)は、回路(300)の負脚に配置される。したがって、スイッチ(320)及びダイオード(322、324)は、発電機(16)からの呼びかけ信号の負の半サイクルで読み取られる。発電機(16)は、スイッチ(320)の状態の測定と近いタイミングで、基準ツェナーダイオード(310)からの既知の電圧降下に基づいてスイッチ(320)及びダイオード(322、324)からの電圧降下を決定し減算するように動作可能である。
【0042】
図15は、上述のように、抵抗の変動を考慮するために器具(10)に組み入れることが可能な、あくまで別の一例としての回路(400)を示す。回路(400)は、上述の回路(300)と実質的に同じであり、すなわち、回路(400)は、基準ツェナーダイオード(410)、EEPROM(412)、スイッチ(420)、及びダイオード(422、424)を含んでおり、それらは全て、回路(300)のツェナーダイオード(310)、EEPROM(312)、スイッチ(320)、及びダイオード(322、324)の配置と同様に配置されている。回路(300)とは異なり、この実施例の回路(400)は、ターンオン遅延回路(430)を更に含んでいる。ターンオン遅延回路(430)は、発電機(16)の呼びかけ信号サイクルタイムの約4分の1に設定され、したがって、発電機(16)は、負の半サイクルの最初の半分の間は基準機構(すなわちツェナーダイオード(410)及びEEPROM(412))だけを観察し、次いで、負の半サイクルの残りの半分の間に、基準機構と並行して、スイッチ(420)及びダイオード(422、424)を観察する。いくつかのバージョンでは、ターンオン遅延回路(430)は、Philips PMV65XP pチャネルFETを駆動するMaxim MAX6895シーケンサーを含むことができる。ターンオン回路(430)の他の好適な構成は、本願の教示を考慮することで当業者にとって明らかとなるであろう。
【0043】
図16は、上述のように、抵抗の変動を考慮するために器具(10)に組み入れることが可能な、あくまで一例としての回路(500)を示す。回路(500)は、上述の回路(200)と実質的に同じであり、すなわち、回路(200)は、基準抵抗器(510)、EEPROM(512)、スイッチ(520)、抵抗器(522)、及びダイオード(524)を含んでおり、それらは全て、回路(200)の基準抵抗器(210)、EEPROM(212)、スイッチ(220)、抵抗器(222)、及びダイオード(224)の配置と同様に配置されている。回路(200)とは異なり、この実施例の回路(500)は、ターンオン遅延回路(530)を更に含んでいる。ターンオン遅延回路(530)は、発電機(16)の呼びかけ信号サイクルタイムの約4分の1に設定され、したがって、発電機(16)は、負の半サイクルの最初の半分の間は基準機構(すなわち基準抵抗器(510)及びEEPROM(522))だけを観察し、次いで、負の半サイクルの残りの半分の間に、基準機構と並行して、スイッチ(520)、抵抗器(522)、及びダイオード(524)を観察する。いくつかのバージョンでは、ターンオン遅延回路(530)は、Philips PMV65XP pチャネルFETを駆動するMaxim MAX6895シーケンサーを含むことができる。ターンオン回路(530)の他の好適な構成は、本願の教示を考慮することで当業者にとって明らかとなるであろう。
【0044】
図17は、上述のように、抵抗の変動を考慮するために器具(10)に組み入れることが可能な、あくまで別の一例としての回路(600)を示す。回路(600)は、上述の回路(500)と実質的に同じであり、すなわち、回路(600)は、基準抵抗器(610)、EEPROM(612)、スイッチ(620)、抵抗器(622)、及びダイオード(624)を含んでおり、それらは全て、回路(500)の基準抵抗器(510)、EEPROM(512)、スイッチ(520)、抵抗器(522)、及びダイオード(524)の配置と同様に配置されている。回路(600)は、上述のターンオン遅延回路(530)と同じように構成され得、動作可能であり得る、ターンオン遅延回路(630)もまた含む。しかしながら、本実施例において、ターンオン遅延回路(630)は、スイッチ(620)ラダーの反対側の端に挿入される。ターンオン遅延回路(630)のそのような位置づけは、n−チャネルFET又は本質的にオープンドレンの集積回路(例えば、Zetex ZSCT1555低電圧555タイマー)を採用する出力段階の使用を可能にし得る。
【0045】
図18は、ターンオン遅延回路(430、530、630)の代表的な入力及び出力波形を示す。具体的には、信号Aは、ターンオン遅延回路(430、530、630)に関しての入力信号を表し、信号Bは、ターンオン遅延回路(430、530、630)に関しての出力信号を表している。
【0046】
図19は、上述のように、抵抗の変動を考慮するために器具(10)に組み入れることが可能な、あくまで別の一例としての回路(700)を示す。回路(700)は、上述の回路(400)と実質的に同じであり、すなわち、回路(300)は、基準ツェナーダイオード(710)、EEPROM(712)、スイッチ(720)、及びダイオード(722、724)を含んでおり、それらは全て、回路(400)のツェナーダイオード(410)、EEPROM(412)、スイッチ(420)、及びダイオード(422、424)の配置と同様に配置されている。回路(400)とは異なり、本実施例の回路(700)は、ターンオン遅延回路(430)の代わりにトグル回路(730)を更に含んでいる。本実施例のトグル回路(730)はフリップフロップ型回路であり、負の半サイクルの間に第2のパルスによってトリガされ、正の半サイクルの正のパルスによってリセットされる。図示していないが、別の方法として、トグル回路(730)を(例えば、回路(600)のターンオン遅延回路(630)の配置と同様に)スイッチ(720)ラダーの反対側の端に位置づけてもよいと理解されたい。
図20は、トグル回路(730)の代表的な入力及び出力波形を示す。具体的には、信号Cはトグル回路(730)に関しての入力信号を表し、信号Dはトグル回路(730)に関しての出力信号を表す。
【0047】
なお、上述の回路(200、300、400、500、600、700)は、あくまで説明のための例であることを理解されたい。様々な他の適切な構成要素、特徴、及び技術を、基準機構のみに、次いで、基準機構と並行してスイッチラダーにか、又はスイッチラダーのみにかのいずれかにおいて、交互にスイッチするために使用することができる。また、スイッチ(220、320、420、520、620、720)の数を変えてもよく、3つより多くのスイッチ(220、320、420、520、620、720)又は3つより少ないスイッチ(220、320、420、520、620、720)を使用することができると理解されたい。
【0048】
IV.代表的な使い捨て機構
器具(10)のいくつかのバージョンの少なくとも1つ又は2つ以上の部分は、消毒し、再使用することができる。例えば、回路など、ハンドルアセンブリ(20)内の電気構成要素を回収し再使用することが望ましい場合がある。しかしながら、ハンドルアセンブリ(20)の外側ハウジング、ボタン(26)など、ハンドルアセンブリ(20)のその他の部分は、再使用することが望ましくない場合がある。したがって、ハンドルアセンブリ(20)内のいくつかの構成要素を回収し再使用することができ、なおかつ、ハンドルアセンブリ(20)のその他の部分を回収し再使用しなくてもよいようなハンドルアセンブリ(20)を構成することが望ましい場合がある。いくつかの設定では、器具(10)の少なくとも一部分は、外科手術に器具(10)を使用した後に再使用することができる。いくつかの他の設定では、器具(10)の少なくとも一部分は、器具(10)が製造施設を出る前にさえ、再使用することができる。例えば、器具(10)が品質管理試験に不合格となった場合に、器具(10)の1つ以上の構成要素(例えば、品質管理試験での不合格結果に影響を及ぼさなかったもの)を回収し、別の器具(10)を構築するために再使用することができる。選択的な再使用性を提供するために、ハンドルアセンブリ(20)に組み込むことができる構成のいくつかの例を、以下でより詳細に説明するが、更にその他の例も、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであろう。
【0049】
器具(10)のいくつかのバージョンでは、回路の少なくとも一部は、積層板として形成されるフレックス回路を含むことができる。この積層板の外層の1つ又は2つ以上の領域は、回収プロセス中にハウジングが解体されるときに、フレックス回路から1つ又は2つ以上の層が引き離されてフレックス回路が損傷を受けるように、ハウジングアセンブリ(20)のハウジングに接着することができる。そのような層の引き離しは、フレックス回路を動作不能にする場合がある。そのような例のいくつかでは、回路の外層全体が、ハンドルアセンブリ(20)のハウジングに接着される。いくつかの他の例では、重要な回路構成要素の近くの回路の部分のみが、ハンドルアセンブリ(20)のハウジングに接着される。別の変化形態として、回路の1つ又は2つ以上の構成要素は、フレックス回路の可とう性の積層板を必ずしもハンドルアセンブリ(20)のハウジングに接着せずに、ハンドルアセンブリ(20)のハウジングに接着してもよい。いくつかのそのようなバージョンでは、フレックス回路の可とう性の積層板を穿孔するかないしは別の方法で脆弱にしてもよく、回収の試み中にハンドルアセンブリの部分が引き離されるときに、その接着された回路構成要素からフレックス回路を引き離すことができると同時に、その接着された回路構成要素がハンドルアセンブリのハウジングと共に残るように、制御された破壊領域を提供することができる。また別の、単なる説明のための例として、ハンドルアセンブリ(20)の回路の1つ又は2つ以上の領域を、水、アルコール、又は他の流体に敏感にして、回収の試み中に使用され得る水、アルコール、又は他の流体とそのような領域が接触したときに回路が破壊されるようにしてもよい。例えば、水、アルコール、又は他の流体と接触すると層剥離するように回路の積層板を構成することができる。
【0050】
図21〜25は、器具(10)に組み入れることが可能な代表的なハンドルハウジングアセンブリ(1000)を示す。本実施例のアセンブリ(1000)は、第1のハウジング部材(1010)と、第2のハウジング部材(1030)と、保持部材(1050)と、を含む。
図21に最もよく示されているように、ハウジング部材(1010)は、複数の柱(1012)とソケット(1014)と、を含んでいる。
図21に同じく最もよく示されているように、ハウジング部材(1030)は、複数のソケット(1032)と柱(1034)とを含んでいる。柱(1012、1034)は、ハウジング部材(1010、1030)を一緒に固定するために、対応するソケット(1014、1032)に挿入されるように構成されている。あくまで一例として、柱(1012、1034)は、対応するソケット(1014、1032)にプレス嵌めすることができる、及び/又は超音波溶接を使用してソケット(1014、1032)に固定することができる、及び/又はソケット(1014、1032)に熱かしめすることができる、及び/又はソケット(1014、1032)に接着剤で接着することができる、及び/又はソケット(1014、1032)に別の方法で固定することができる。
図22〜23に最もよく示されているように、ハウジング部材(1010、1030)は、相補形の実継ぎ機構(1018、1038)もまた含む。いくつかの他のバージョンでは、実継ぎ機構(1018、1038)の代わりに相補形の相接ぎ機構又はいくつかの他の種類の構造体を用いる。実継ぎ機構(1018、1038)は、干渉嵌め合い、超音波溶接、熱かしめ、接着剤などによって一緒に固定することができる。
【0051】
図22〜23に最もよく示されているように、ハウジング部材(1010、1030)はそれぞれ、V字型の切り欠きの形状の脆弱化されたストリップ(1016、1036)を含む。脆弱化されたストリップ(1016、1036)は、ハウジング部材(1010、1030)が引き離されるときに、脆弱化されたストリップ(1016、1036)に沿った破壊を促進するように薄くされた壁を提供する。換言すれば、接合されているハウジング部材(1010、1030)を引き離すことによって、接合されているハウジング部材(1010、1030)を分離しようとすると、ハウジング部材(1010、1030)の一方又は両方が、そのそれぞれの脆弱化ストリップ(1016、1036)を破壊することができる。したがって、一方のハウジング部材(1010、1030)の断片は、他方のハウジング部材(1010、1030)に接合されたまま残ることができ、一方で、断片化されたハウジング部材(1010、1030)の残りの部分は、他方のハウジング部材(1010、1030)から解放され得る。この破壊/断片化は、両方のハウジング部材(1010、1030)の再使用を防ぐことができる。破壊されたハウジング部材(1010、1030)の、より小さい断片は、実継ぎ機構(1018、1038)の間で、及び/又はソケット(1014)と柱(1034)の間で、及び/又は別の方法で固定されている関係のために、他方のハウジング部材(1010、1030)に接合されたまま残ることができる。ハウジング部材(1010、1030)に制御された破壊を提供することが可能なその他の好適な方法は、本明細書を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0052】
図25に最もよく示されているように、本実施例の保持部材(1050)は、一般に、第1の枝(1052)と、第2の枝(1054)と、第3の枝(1056)とを有する「Y」形状を有する。第1の枝(1052)は、屈曲部(1058)及びエッジ(1072)で終わる窪み(1070)を含んでいる。第2及び第3の枝(1054、1056)はそれぞれに対応する柱(1060)を有する。
図21及び24に最もよく示されているように、保持部材(1050)は、ハウジング部材(1010、1030)の保持部材機構(1020、1040)に適合するように構成される。
図23に示すように、ハウジング部材(1010)の保持部材機構(1020)は、六角形の輪郭を有する一対のソケット(1022)を含む。ソケット(1022)は、干渉嵌め合いによって柱(1060)を受容するように構成される。勿論、ソケット(1022)は、任意の他の好適な構成を有することができ、ソケット(1022)に柱(1060)を固定するために、超音波溶接、熱かしめ、接着剤などもまた使用することができる。
図22及び24に示すように、ハウジング部材(1030)の保持部材機構(1040)は、一対のスナップラッチ部材(1042)を備えている。スナップラッチ部材(1042)がハウジング部材(1030)に対しての保持部材(1050)の位置付けを維持するのを支援することができるように、スナップラッチ部材(1042)の後側の位置に保持部材(1050)をスライドさせることができる。図のように、保持部材(1050)の屈曲部(1058)は、枝(1054、1056)がスナップラッチ部材(1042)の後側に位置づけられたときにスナップラッチ部材(1042)の間及び前側を通る。
【0053】
本実施例において、1つ又は2つ以上のスイッチアセンブリ(図示せず)はボタン(26)の後側に位置づけられ、ボタン(26)の作動に応答するスイッチ回路を含んでいる。窪み(1070)は、そのようなスイッチアセンブリの一部分を受容する大きさを有する。具体的には、スイッチアセンブリは、スイッチアセンブリが窪み(1070)内に受容された状態で第1の枝(1052)の屈曲部(1058)とスナップラッチ部材(1042)との間でスライドさせることができる。スナップラッチ部材(1042)は、ハウジング部材(1030)に対して定位置にスイッチアセンブリを保持するのを助ける。ハウジング部材(1010)に画定された一対のリブ(1043)もまた、ハウジング部材(1030)に対してスイッチアセンブリを保持する。したがって、スイッチアセンブリの1つの外方のエッジがスナップラッチ部材(1042)によって保持される一方で、反対側の、窪み(1070)内に定置されたスイッチアセンブリの外方のエッジは、保持部材(1050)によって保持される。保持部材(1050)がハウジング部材(1010)に固定されているので、保持部材(1050)とスナップラッチ部材(1042)はハウジング部材(1010、1030)が引き離されるにつれてスイッチアセンブリの外方のエッジ上に対向する力を及ぼすであろうことを理解されたい。スイッチアセンブリのこれらの対向する表面は、スイッチアセンブリを(例えばせん断によって)切断/破壊するか、ないしは別の方法でそれを動作不能にすることができる。したがって、ハウジング部材(1010、1030)を引き離すことによってハウジングアセンブリ(1000)を解体しようとすれば、ボタン(26)の後側に位置するスイッチアセンブリもまた、その行為によって破壊されるであろう。スイッチアセンブリは、リジッド回路基板、フレキシブル回路、ワイヤ、従来のスイッチなど、任意の好適な構成要素を備えることができる。場合によっては、エッジ(1072)は、スイッチアセンブリの切断を容易にするために鋭利である。
【0054】
本実施例では、スナップラッチ部材(1042)がスイッチアセンブリをハウジング部材(1030)に対して保持することが可能であるが、別の方法でスイッチアセンブリをハウジング部材(1030)に対して保持することも可能であることを理解すべきである。例えば、スイッチアセンブリの少なくとも一部を、(例えば、スピン溶接、超音波溶接、熱かしめ、接着剤等を用いて)ハウジング部材(1030)に溶接することができる。あくまで説明のための別の実施例では、第2の保持機構を保持部材(1050)の窪み(1070)の周囲の上に重ねることができる。また別の、あくまで説明のための実施例では、スイッチアセンブリをハウジング部材(1030)に接着することができる。スイッチアセンブリを固定することが可能な他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮して、当業者には明らかとなるであろう。
【0055】
図26は、器具(10)に組み入れることが可能な代表的なハンドルハウジングアセンブリ(1100)を示す。本実施例のアセンブリ(1100)は、第1のハウジング部材(1110)と、第2のハウジング部材(1130)とを含む。ハウジング部材(1110)は、複数の柱(1112)とソケット(1114)と、を含んでいる。ハウジング部材(1130)は、複数のソケット(1132)と柱(1134)と、を含んでいる。柱(1112、1134)は、ハウジング部材(1110、1130)を一緒に固定するために、対応するソケット(1114、1132)に挿入されるように構成されている。あくまで一例として、柱(1112、1134)は、対応するソケット(1114、1132)にプレス嵌めすることができる、及び/又は超音波溶接を使用してソケット(1114、1132)に固定することができる、及び/又はソケット(1114、1132)に熱かしめすることができる、及び/又はソケット(1114、1132)に接着剤で接着することができる、及び/又はソケット(1114、1132)に別の方法で固定することができる。
【0056】
ハウジング部材(1110)は、一対の尖った先(1152)を備える一体化された保持機構(1150)を含む。尖った先(1152)は、ボタン(26)の作動に応答するスイッチ回路を含むことができるスイッチアセンブリの一部分を受容するように構成された間隙を画定する。スイッチアセンブリを尖った先(1152)に接着するために接着剤を使用することができる。ハウジングアセンブリ(1100)が解体される場合、スイッチアセンブリは保持機構(1150)に保持され得る。保持機構(1150)でのスイッチアセンブリの接着によって、いくつかのハウジングアセンブリ(1100)の組み立てを行っている者は、後に解体されることになるであろう既に組み立てられたハウジングアセンブリ(1100)をすばやく識別することができることを理解されたい。これは、その組み立てを行っている者がハウジングアセンブリ(1100)をスクラップとして廃棄するよう促すきっかけとなり得る。加えて、スイッチアセンブリをハウジング部材(1130)の隣接する領域に接着するために接着剤を使用することができる。したがって、ハウジング部材(1110、1130)を引き離すことによってハウジングアセンブリ(1100)が解体されると、スイッチアセンブリは引き裂かれて、動作不能となり得る。この場合も、2つの引き裂かれたスイッチアセンブリの断片がそれぞれのハウジング部材(1110、1130)に接着されたまま残っていれば、いくつかのハウジングアセンブリ(1100)の組み立てを行っている者は、後に解体される、既に組み立てられたハウジングアセンブリ(1100)を、すばやく識別することが可能である。
【0057】
場合によっては、ハンドルアセンブリ(20)の破壊を最小限に留めながらハンドルアセンブリ(20)を慎重に解体することが望ましい場合がある。例えば、ハンドルアセンブリ(20)の少なくとも一部分及び/又はハンドルアセンブリ(20)の内部の何かを壊さずに回収するためにこれを行う場合がある。ハンドルアセンブリ(20)のいくつかのバージョンを用いて、ハンドルアセンブリ(20)に1つ又は2つ以上の穴を慎重に開けることによってこれを達成することができる。例えば、
図27が示す実施例では、柱(1034、1134)とソケット(1014、1114)に対応するハウジング部材(1010、1110)の場所に穴(1200)を開けることによって、柱(1034、1134)とソケット(1014、1114)を効果的に分離することが可能である。
図28が示す実施例では、柱(1060)とソケット(1022)に対応するハウジング部材(1030)の場所に穴(1210、1220)を開けることによって、柱(1060)とソケット(1022)を効果的に分離する。勿論、柱(1012、1112)とソケット(1032、1132)に関連する場所を含む、ハウジング部材(1010、1030、1110、1130)の多くの他の場所に穴を開けることができる。それらの掘削穴は、最小限の力でハウジング部材(1010、1110)をハウジング部材(1030、1130)から分離することを可能にすることができる、及び/又はハウジング部材(1010、1030、1110、1130)の構造的完全性を実質的に維持することができる、及び/又はハウジング部材(1010、1030、1110、1130)の内部の構成要素への損傷を最小限にすることができる。掘削穴を有するハウジング部材(1010、1030、1110、1130)を再使用する場合は、充填するか、カバーするか、ないしは別の方法で、掘削穴に対処することができる。
【0058】
図29〜30は、管(1320)内に配設された超音波ブレード(1310)を含む代表的な超音波ブレードアセンブリ(1300)を示す。超音波ブレード(1310)は、ブレード(1310)の遠位端(1312)が管(1320)に対して露出するように配置されている。管(1320)は、管の内径(1320)とブレード(1310)の外径との間に円筒状の間隙が画定されるように、ブレード(1310)の外径より実質的に大きい内径を有する。環状オーバーモールド(1330)は、ブレード(1310)を管(1320)に対して支持するために、ブレード(1310)の外側の周りに配置されている。あくまで一例として、オーバーモールド(1330)はプラスチック材料又はエラストマー材料から形成され得る。オーバーモールド(1330)は、ブレード(1310)を介して伝達される共振超音波振動に関連するノードに対応する長手方向の位置に位置づけることができる。オーバーモールド(1330)の配置及び/又は特性は、ブレード(1310)に対する管(1320)の実質的な音響的隔離を提供する。1つのオーバーモールド(1330)が示されているが、いくつかのオーバーモールドを使用してもよいことを理解されたい。また、オーバーモールド(1330)以外の機構を使用してもよいことを理解されたい。あくまで一例として、オーバーモールド(1330)の代わりに、ノードに位置する1つ又は2つ以上のOリングを使用してもよい。
【0059】
管(1320)は、管(1320)に「U」字形に切り込まれた遠位方向に向かうタブ(1322)を含んでいる。
図30に最もよく示されているように、タブ(1322)は、管(1320)内に内方及び遠位方向に向けられている。本実施例では、タブ(1322)は、超音波ブレード(1310)と接触しない。いくつかの他のバージョンでは、タブ(1322)は、ブレード(1320)を介して伝達される共振超音波振動に関連するノードで、超音波ブレード(1310)と接触する。タブ(1322)は、超音波ブレードアセンブリ(1300)の組み立て中にブレード(1310)とオーバーモールド(1330)が管(1320)を通じて遠位に挿入されたときに、その通り道から逸れるようにタブ(1322)が偏向するが、オーバーモールド(1330)がタブ(1322)をクリアした後に
図30に示す位置にタブ(1322)が戻るように、弾力性である。しかしながら、超音波ブレードアセンブリ(1300)の分解中にブレード(1310)とオーバーモールド(1330)が管(1320)を通って近位に後退した場合は、タブ(1322)はオーバーモールド(1330)を通ってオーバーモールド(1330)を引き裂くかないしは別の方法で破壊するであろう。誰かが後でブレード(1310)とオーバーモールド(1330)を再使用しようと試みることがあれば、再構築された超音波ブレードアセンブリ(1300)は、破壊されたオーバーモールド(1330)のために漏出試験に不合格になるであろう。
【0060】
器具(10)のいくつかのバージョンでは、トランスデューサアセンブリ(12)により画定される長手方向軸を中心にハンドルアセンブリ(20)に対してトランスデューサアセンブリ(12)を回転可能にするコネクタハウジングによってハンドルアセンブリ(20)内でトランスデューサアセンブリ(12)を支持することができる。
図31〜3
2は、コネクタハウジング(1400)をハンドルアセンブリ(20)に連結するために使用することができる代表的な機構と共に、そのようなコネクタハウジング(1400)の一実施例を示す。具体的には、本実施例のコネクタハウジング(1400)は、開口部(1412)を画定する保持ボス(1410)を含んでいる。ハンドルのハウジングの半体の1つは保持クリップ(1420)を含んでおり、ハンドルのハウジングのもう一方の半体は一対の保持フランジ(1430)を含んでいる
。保持クリップ(1420)は一対の棘つきアーム(
図示せず)を含んでいる。棘つきアー
ムは、保持ボス(1410)の開口部(1412)を通って嵌るように構成され、それにより、
図31から
図32への移行に示されているように、コネクタハウジング(1400)と、それに付随するハンドルのハウジングの半体との間にスナップ嵌めを提供する。フランジ(1430)は、コネクタハウジング(1400)を部分的に包囲し、それにより、コネクタハウジング(1400)の動きをある程度拘束するが、なおもコネクタハウジング(1400)がハンドルアセンブリの内部である程度浮動することを可能にする。
【0061】
別の実施例では、第1のクラムシェル半体(
図示せず)と第2のクラムシェル半体(
図示せず)とが合体して、上述のコネクタハウジング(1400)と同様のコネクタハウジング(
図示せず)を包囲している。合体された半
体は、把持ピン、接着剤、超音波溶接、その他のいくつかの溶接形態、又は任意の他の好適な手法でハンドルアセンブリ(20)と連結することができる。合体された半
体は、ハンドルアセンブリ(20)に対して動いてもよく、動かなくてもよい。しかしながら、合体された半
体は、必要に応じて、合体された半
体に対してコネクタハウジン
グが浮動することを可能にし得る。あくまで説明のための別の変化形態では、合体された半
体の代わりにシリコーン部材をコネクタハウジン
グとハンドルアセンブリ(20)の間に介在させることができる。そのようなシリコーン部材は、ハンドルアセンブリ(20)の内部にコネクタハウジン
グを実質的に保持するが、ハンドルアセンブリ(20)に対するコネクタハウジン
グのある程度の動き(すなわち浮動)をなおも可能にすることができる。コネクタハウジングがハンドルアセンブリと連結され得る他の好適な方法が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。これらのコネクタハウジングの連結機能を任意の上述の特徴と組み合わせて使用して、使用済みのスイッチアセンブリ又はシュラウドを認識する方法を提供することができる。
【0062】
V.その他
本明細書に記載される器具のいずれのバージョンも、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々な他の特徴を含んでもよいことを理解されたい。単なる例として、本明細書に記載の器具のいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴の一つ以上を含むことができる。また、本明細書の教示は本明細書の引用文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用することができ、したがって、本明細書の教示は、本明細書の引用文献のいずれの教示とも、数多くの方法で、容易に組み合わせることができることも理解されたい。本明細書の教示を取り入れることができる他の種類の器具は当業者には明らかであろう。
【0063】
本明細書に参照により援用するものとするすべての特許、刊行物、又は他の開示物は、その全体又は一部において、援用文献が既存の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲で本明細書に援用するものである点は認識されるべきである。このように、また必要な範囲で、本明細書に明確に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾するすべての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0064】
前述の装置の変形例は、ロボット支援された医療及び処置での用途だけでなく、医療専門家によって行われる従来の医療及び処置での用途を有することができる。単なる例としてのみ、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、当業者は、本明細書の様々な教示が、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる、「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題された2004年8月31日に公開された米国特許第6,783,524号の様々な教示と容易に組み合わせ得ることを理解するであろう。
【0065】
上述したものの変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計されてもよく、あるいは、それらは、複数回使用されるように設計されることもできる。諸形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。このような再調整には、装置の分解、それに続く特定の部品の洗浄及び交換、並びにその後の再組み立ての各工程の任意の組み合わせが含まれる。特に、装置の幾つかの変形物は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の幾つかの変形物は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は理解されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0066】
単に例として、本明細書で説明した形態は、手術の前及び/又は後に、滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はTYVEKバッグなど、閉められかつ密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線場に置かれてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管してもよい。装置はまた、これらに限定されるものではないが、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含む、当該技術分野では周知の任意の他の技術を使用して滅菌することもできる。
【0067】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そのような可能な改変の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば上記で検討した実施例、実施形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって必須のものではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0068】
〔実施の態様〕
(1) 組織に手術を施すための装置であって、
(a)本体と、
(b)電力を超音波振動に変換するように動作可能な超音波トランスデューサと、
(c)前記本体から遠位に延在するシャフトであって、長手方向軸を画定する、シャフトと、
(d)前記シャフトの遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記超音波トランスデューサと音響通信する超音波ブレードを備えており、前記超音波ブレードは複数の窪みを有する窪んだ領域を含み、前記窪んだ領域は、前記窪んだ領域の長さに沿って前記窪んだ領域の断面積が減少するようにテーパ形状である、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(2) 前記超音波ブレードの中心の長手方向軸が湾曲した道に沿って延在するように前記超音波ブレードが湾曲している、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記超音波ブレードが遠位先端を有しており、前記遠位先端が、前記シャフトが画定する前記長手方向軸に対して横方向にオフセットしている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記窪みが、弧状区間と、長手方向に延在する区間と、を含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記弧状区間が凹面である、実施態様4に記載の装置。
【0069】
(6) 前記窪みが、前記シャフトの前記長手方向軸を通る第1の直交面に沿って通過する(swept)第1の半径によって画定される第1の弧状区間を有する第1の窪みを含み、前記シャフトの前記長手方向軸が前記第1の直交面に沿って延在する、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記窪みが、前記第1の直交面に沿って通過する第2の半径によって画定される第2の弧状区間を有する第2の窪みを更に含む、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記第1及び第2の弧状区間が前記超音波ブレードの両側にある、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記超音波ブレードの中心の長手方向軸が湾曲した道に沿って延在するように前記超音波ブレードが湾曲しており、前記第1の弧状区間が前記超音波ブレードの湾曲の内側の領域に配置され、前記第2の弧状区間が前記超音波ブレードの前記湾曲の外側の領域に配置される、実施態様8に記載の装置。
(10) 前記窪みが、第2の直交面に沿って通過する第3の半径によって部分的に画定された第3の弧状区間を更に含み、前記第2の直交面が、前記第1の直交面に平行であり、前記第2の直交面が、前記シャフトの前記長手方向軸が前記第1の直交面に沿って延在しないように前記第1の直交面からオフセットしている、実施態様6に記載の装置。
【0070】
(11) 前記第3の弧状区間が、第3の直交面に沿って通過する第4の半径によって更に部分的に画定され、前記第3の直交面が、前記第1及び第2の直交面に垂直である、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記第1及び第3の弧状区間が共通のエッジを共有している、実施態様10に記載の装置。
(13) 前記第1の弧状区間が、近位では、前記超音波ブレードの長さに沿った第1の位置で終わり、前記第3の弧状区間が、近位では、前記超音波ブレードの長さに沿った第2の位置で終わり、前記第2の位置が前記第1の位置に対して近位である、実施態様10に記載の装置。
(14) 前記第3の弧状区間の一部分が、後切断エッジ(back-cutting edge)で終わる、実施態様10に記載の装置。
(15) 前記超音波ブレードが、前記超音波ブレードの周囲で円周方向に延在する凹面切り込みによって形成された平衡機構を更に備えている、実施態様1に記載の装置。
【0071】
(16) 前記エンドエフェクタが、クランプアームを更に備えており、前記クランプアームが、前記超音波ブレードに向かうように、かつそれから離れるように選択的に枢動可能である、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記超音波ブレードが、後切断エッジを含み、前記後切断エッジが前記クランプアームに面している、実施態様16に記載の装置。
(18) 装置であって、
(a)外科器具であって、前記外科器具の動作中に可変電圧降下を提供するように構成された1つ又は2つ以上の可変電圧降下機構を含む、外科器具と、
(b)前記外科器具と通信する電源であって、前記外科器具に電力を提供するように動作可能である、電源と、
(c)前記外科器具と通信する基準回路であって、前記電源と更に通信し、前記外科器具の動作中に既定の電圧降下を提供するように構成された1つ又は2つ以上の既定電圧降下機構を含む、基準回路と、を備え、
前記電源は、前記外科器具の動作中に、前記1つ又は2つ以上の既定電圧降下機構からの電圧降下に基づいて、前記1つ又は2つ以上の可変電圧降下機構からの電圧降下を減算する(subtract out)ように動作可能である、装置。
(19) 前記1つ又は2つ以上の既定電圧降下機構が、抵抗器又はダイオードを備えており、前記基準回路が、ターンオン遅延回路を更に備えている、実施態様18に記載の装置。
(20) 外科器具を操作する方法であって、
(a)前記外科器具から第1の電圧降下を検出することであって、前記第1の電圧降下が前記外科器具のスイッチの作動によりもたらされ、前記第1の電圧降下の値が未知である、ことと、
(b)前記外科器具から第2の電圧降下を検出することであって、前記第2の電圧降下の値が既定されるように、前記第2の電圧降下が、既定の電圧降下を提供するように構成された基準回路構成要素によって引き起こされ、前記第2の電圧降下を検出する動作が、前記第1の電圧降下を検出する動作と近いタイミングで実行される、ことと、
(c)前記外科器具に電力を提供することであって、前記外科器具に電力を提供する動作が、前記第2の電圧降下に基づいて前記第1の電圧降下を減算することを含む、ことと、を含む、方法。