(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スマートフォン等のコンピュータによって受信されるユーザへの通知は、種々雑多であり、その重要度は通知毎に大きく異なる場合がある。そのため、コンピュータで受信した全ての通知を電子時計によりユーザに通知すると、必ずしも重要でない情報までユーザに通知されることとなり、煩わしさを感じる場合がある。
【0006】
ここで、ユーザが電子時計を操作して、通知の重要度に応じたフィルタを設定することも考えられるが、操作手段が限られる電子時計にあっては、フィルタの設定に必要とされる複雑な操作が困難である場合がある。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンピュータから電子
時計に通知する情報について、容易にフィルタを設定することのできる
通知システム、電子時計、及び通知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決すべく本出願において開示される発明は種々の側面を有しており、それら側面の代表的なものの概要は以下の通りである。
【0009】
(1)電子時計は、コンピュータにユーザへの通知があることを示す通知存在情報を受信する受信部と、前記コンピュータの記憶部に記憶され、前記通知存在情報についてのユーザへの通知の要否を示すフィルタ情報による判断結果に基づいて、ユーザへの通知を行う通知部と、を有する。
【0010】
(2)(1)において、前記通知存在情報について、前記フィルタ情報に基づいてユーザへの通知の要否を判断する通知要否判断部に送信する送信部をさらに有し、前記受信部は、前記通知要否判断部による判断結果を受信し、前記通知部は、前記判断結果に基づいて、ユーザへの通知を行う、電子時計。
【0011】
(3)(1)において、前記通知存在情報について、前記フィルタ情報に基づいてユーザへの通知の要否を判断する通知要否判断部をさらに有し、前記受信部は、前記フィルタ情報を受信し、前記通知部は、前記判断結果に基づいて、ユーザへの通知を行う、電子時計。
【0012】
(4)(1)又は(2)において、前記受信部は、ユーザへの通知の態様である通知態様を受信し、前記通知部は、前記通知態様により、ユーザへの通知を行う、電子時計。
【0013】
(5)(1)又は(3)において、ユーザへの通知の態様である通知態様を決定する通知態様決定部をさらに有し、前記通知部は、前記通知態様により、ユーザへの通知を行う、電子時計。
【0014】
(6)(4)又は(5)において、前記通知態様は、音、振動、指針位置及び指針動作の少なくともいずれかである、電子時計。
【0015】
(7)(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記通知部によるユーザへの通知に対するユーザの入力を受け付けるユーザ入力受付部と、前記ユーザ入力受付部により受け付けられたユーザの入力を、前記コンピュータに送信するユーザ入力送信部と、電子時計。
【0016】
(8)(1)〜(7)のいずれかにおいて、前記通知存在情報について、前記フィルタ情報に基づいてユーザへの即時通知の要否を判断する速報性判断部をさらに有し、通知部は、前記速報性判断部の判断結果に基づいて、ユーザへの通知を行う、電子時計。
【0017】
(9)通知システムは、(1)〜(8)のいずれかに記載の電子時計と、ユーザへの通知を受信した場合に、ユーザへの通知があることを示す通知存在情報を前記電子時計に送信する送信部を有するコンピュータと、を含む。
【0018】
(10)コンピュータは、ユーザへの通知を受信した場合に、ユーザへの通知があることを示す通知存在情報を(1)〜(8)のいずれかに記載の電子時計に送信する送信部を有する。
【0019】
(11)(10)において、前記通知存在情報について、前記フィルタ情報に基づいてユーザへの通知の要否を判断する通知要否判断部をさらに有し、前記送信部は、前記通知要否判断部による判断結果を、前記電子時計に送信する、コンピュータ。
【0020】
(12)(10)において、前記送信部は、前記フィルタ情報を、前記電子時計に送信する、コンピュータ。
【0021】
(13)通知方法は、コンピュータにユーザへの通知があることを示す通知存在情報を前記コンピュータから電子時計に送信し、前記通知存在情報を前記電子時計により受信し、前記コンピュータの記憶部に記憶され、前記通知存在情報についてのユーザへの通知の要否を示すフィルタ情報による判断結果に基づいて、前記電子時計により、ユーザへの通知を行う。
【発明の効果】
【0022】
上記本発明の(1)、(9)、(10)及び(13)の側面によれば、コンピュータから電子時計に通知する情報について、容易にフィルタを設定することのできる電子時計、通知システム、コンピュータ及び通知方法が得られる。
【0023】
また、上記本発明の(2)の側面によれば、記憶容量を低減し、消費電力を低く抑えた電子時計が得られる。
【0024】
また、上記本発明の(3)の側面によれば、ユーザへの通知の速度が向上した電子時計が得られる。
【0025】
また、上記本発明の(4)の側面によれば、ユーザが通知をより確実に認識でき、消費電力を低く抑えた電子時計が得られる。
【0026】
また、上記本発明の(5)の側面によれば、ユーザへの通知が素早く行なわれ、ユーザが通知をより確実に認識できる電子時計が得られる。
【0027】
また、上記本発明の(6)の側面によれば、ユーザの視覚、聴覚及び触覚に訴えて通知を行う電子時計が得られる。
【0028】
また、上記本発明の(7)の側面によれば、ユーザへの通知に応答できる電子時計が得られる。
【0029】
また、上記本発明の(8)の側面によれば、コンピュータがユーザへの通知を受けてから、電子時計が通知を行うまでのタイムラグが短縮された電子時計が得られる。
【0030】
また、上記本発明の(11)の側面によれば、電子時計の演算負荷を肩代わりするコンピュータが得られる。
【0031】
また、上記本発明の(12)の側面によれば、電子時計によるユーザへの通知の速度を向上させるコンピュータが得られる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子腕時計1の外観の一例を示す平面図である。本実施形態に係る電子腕時計1は、いわゆるアナログ時計の外観を有し、コンピュータである携帯端末30と近距離無線通信を行う。電子腕時計1は、外装(時計ケース)である胴内に文字板10を有する。文字板10上には、電子腕時計1が携帯端末30との接続を確立する処理を行っていることを表す接続処理表示11と、携帯端末30との接続が切断されたことを表すリンクロス表示12と、携帯端末30に電子メールの受信があったことを通知する電子メール受信表示13と、携帯端末30に電話の着信があったことを通知する電話着信表示14とを有する。接続処理表示11、リンクロス表示12、電子メール受信表示13及び電話着信表示14は、後述する秒針21により指し示される。
【0035】
文字板10には、副針により現在時刻を24時制で示す24時間表示15が設けられる。また、文字板10には、二次電池の充電残量を「0」〜「3」の4段階で示す充電残量表示16と、副針により現在の曜日を「日」〜「土」で示す曜日表示17と、副針によりアラーム設定の有無を「ON」又は「OFF」で示すアラーム設定表示部18と、副針により携帯端末30との近距離無線通信による接続状態を「ON」又は「OFF」で示す接続状態表示19と、が設けられる。また、文字板10上には、副針で「TME」を指すことにより時刻表示モードであることを示し、副針で「CHR」を指すことによりクロノグラフ表示であることを示し、副針で「ALM」を指すことによりアラーム設定表示であることを示し、副針で「L−TM」を指すことによりローカル時刻表示であることを示す、モード表示20が設けられる。また、文字板10上には、時刻を示す指針である秒針21、分針22及び時針23が設けられている。胴の側面には、電子腕時計1のユーザが種々の操作を行うための竜頭2及びプッシュボタン4が設けられている。
【0036】
電子腕時計1には、文字板10を覆うようにガラス等の透明材料により形成された風防が胴に取り付けられている。また、風防の反対側においては裏蓋が胴に取り付けられている。本明細書では、以降、電子腕時計1の風防が配置される方向(
図1における紙面手前方向)を表側、裏蓋が配置される方向(
図1における紙面奥方向)を裏側と呼ぶ。
【0037】
文字板10の裏側には、太陽電池が配置され、表側から入光した光により発電がなされる。そのため、文字板10はある程度光線を透過する材質で形成される。本実施形態に係る電子腕時計1は、太陽電池で発電した電力を二次電池に蓄え、秒針21等を駆動する。もっとも、電子腕時計1は、一次電池により駆動するものであってもよい。
【0038】
図1に示した電子腕時計1のデザインは一例である。ここで示したもの以外にも、例えば、胴を丸型でなく角型にしてもよいし、竜頭2やプッシュボタン4の有無、数、配置は任意である。また、本実施形態では、指針を秒針21、分針22、時針23及び3本の副針の計6本としているが、これに限定されず、各種の表示を行う指針を追加又は削除したり、日付表示を追加したりしてもよい。
【0039】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る通知システム100の機能ブロック図である。本実施形態に係る通知システム100は、電子腕時計1と携帯端末30を含む。携帯端末30は、フィルタ情報記憶部31と、通知要否判断部32と、通知態様決定部33と、端末通信部34と、電話部35と、電子メール部36とを有する。また、電子腕時計は、ユーザ入力受付部40と、時計通信部41と、通知部42とを有する。端末通信部34と時計通信部41は、無線通信を行う。本実施形態に係る通知システム100において、端末通信部34と時計通信部41は、近距離無線通信により通信を行う。なお、本実施形態に係る携帯端末30はスマートフォンであるが、タブレットPC等の持ち運び可能なコンピュータであってもよい。また、通知システム100に含まれるコンピュータは、持ち運び可能なコンピュータに限られず、据え置き型のコンピュータであってもよい。
【0040】
フィルタ情報記憶部31は、携帯端末30(コンピュータ)で編集され、携帯端末30にユーザへの通知があることを示す通知存在情報についてのユーザへの通知の要否を示すフィルタ情報を記憶する。携帯端末30にユーザの通知がある場合とは、電話回線を介して電話部35に着信があった場合や、インターネット回線を介して電子メール部36に電子メールの受信があった場合である。
【0041】
フィルタ情報記憶部31に記憶されるフィルタ情報は、電話部35に着信又は電子メール部36に受信があった場合に、ユーザに通知するか否かを示す情報を含んでよい。電話部35に着信又は電子メール部36に受信があった場合に、ユーザに通知するか否かを示す情報は、電話や電子メールの送信者に関する重要度を示す情報であってもよいし、電子メールの内容に関する重要度を示す情報であってもよいし、電話や電子メールに対する即時応答の要否に関する情報であってもよい。
【0042】
通知要否判断部32は、通知存在情報について、フィルタ情報に基づいてユーザへの通知の要否を判断する。また、通知態様決定部33は、ユーザへの通知の態様である通知態様を決定する。ここで、通知態様とは、ユーザの視覚、聴覚及び触覚を介した通知の態様をいう。
【0043】
端末通信部34は、電話部35や電子メール部36によりユーザへの通知を受信した場合に、ユーザへの通知があることを示す通知存在情報を電子腕時計1に送信する端末送信部34aと、電子腕時計1から通知存在情報やユーザ入力情報を受信する端末受信部34bと、を含む。
【0044】
電話部35は、電話回線を通じた電話の送受信を行う。なお、電話部35は、インターネット回線を通じたものであってもよいし、その他の回線を通じたものであってもよい。電子メール部36は、電子メールの送受信を行う。携帯端末30は、インターネット回線を利用するSNS(Social Networking Service)アプリケーション部を含んでもよく、SNSアプリケーションからユーザへの通知があった場合に、電子腕時計1に通知存在情報を送信することとしてもよい。SNSアプリケーション部は、携帯端末30において実行されるSNSアプリケーションを制御し、ユーザからの投稿を受け付けたり、ユーザへの通知を行う。
【0045】
電子腕時計1のユーザ入力受付部40は、後述する通知部42によるユーザへの通知に対するユーザの入力を受け付ける。ユーザの入力は、竜頭2やプッシュボタン4の操作の他、ジェスチャーによるものを含んでよい。ジェスチャーは、電子腕時計1を装着した手首を振る動作等のユーザの特定の動作を検出するものである。電子腕時計1は、ジェスチャー検出のために加速度センサを含んでよく、手首を振る回数等のユーザの複数のジェスチャーを区別して検出するものであってよい。
【0046】
時計通信部41は、携帯端末30の通知要否判断部32に、通知存在情報を送信する時計送信部41aと、携帯端末30(コンピュータ)にユーザへの通知があることを示す通知存在情報を受信する時計受信部41bと、ユーザ入力受付部40により受け付けられたユーザの入力を、携帯端末30(コンピュータ)に送信するユーザ入力送信部41cと、を含む。時計受信部41bは、通知要否判断部32による判断結果を受信し、ユーザへの通知の態様である通知態様も受信する。
【0047】
通知部42は、フィルタ情報による判断結果に基づいて、ユーザへの通知を行う。通知部42は、携帯端末30の通知態様決定部33により決定された通知態様により、ユーザへの通知を行う。ここで、通知態様は、音、振動、指針位置及び指針動作の少なくともいずれかであり、これらの組み合わせであってもよい。通知部42は、音によりユーザへの通知を行うアラーム部42aと、振動によりユーザへの通知を行う振動部42bと、指針位置や指針動作によりユーザへの通知を行う運針部42cと、を含む。通知態様決定部33は、重要な通知であれば、音、振動、指針位置及び指針動作を組み合わせた通知態様としてユーザに感知されやすいようにして、比較的重要でない通知であれば、振動、指針位置及び指針動作を組み合わせた通知態様として静寂性を保つようにして、さらに重要度の低い通知であれば、指針位置及び指針動作を組み合わせた通知態様としてユーザを煩わさないようにしてもよい。なお、本実施形態に係る電子腕時計1において、運針部42cによる通知は、秒針により電子メール受信表示13や電話着信表示14を指すことで行なわれるが、運針部42cによる通知はこれに限られない。運針部42cは、円盤やレトログラードにより通知を行ってもよい。
【0048】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る通知システム100における通知方法を示すフローチャートである。同図では、携帯端末30で行なわれる処理を左側に示し、電子腕時計1で行なわれる処理を右側に示している。
【0049】
携帯端末30の電話部35に着信があるか又は電子メール部36に受信があると(S1)、携帯端末30にユーザへの通知があることを示す通知存在情報を、端末送信部34aにより電子腕時計1に送信する(S2)。通知存在情報は、電子腕時計1の時計受信部41bにより受信され(S3)、時計送信部41aにより電子腕時計1へ送信される(S4)。この際、ユーザへの通知は行なわれない。電話部35や電子メール部36は、その機能が携帯端末30のメーカーにより用意されており、通知要否判断部32等の他の機能ブロックとの連携が自由に行えない場合がある。そのため、本実施形態に係る携帯端末30は、通知存在情報を電子腕時計1に送信し、携帯端末30に送り返させることで、間接的に、電話部35や電子メール部36と、通知要否判断部32等の他の機能ブロックとの連携を実現している。
【0050】
本実施形態に係る携帯端末30において、電話部35を制御するアプリケーションと電子メール部36を制御するアプリケーションは、フィルタ情報記憶部31を制御するアプリケーション、通知要否判断部32を制御するアプリケーション及び通知態様決定部33を制御するアプリケーションのいずれとも異なるアプリケーションである。それぞれのアプリケーションは、個別にインストールされ、個別にアップデートされる。そのため、本実施形態に係る携帯端末30は、アプリケーションの仕様変更や機能追加に柔軟に対応できる。本実施形態に係る携帯端末30によれば、電話部35を制御するアプリケーションと電子メール部36を制御するアプリケーションが携帯端末30のメーカーによりアップデートされる場合であっても、フィルタ情報記憶部31を制御するアプリケーション、通知要否判断部32を制御するアプリケーション及び通知態様決定部33を制御するアプリケーションを独立してアップデートすることができ、保守管理が容易となる。
【0051】
電子腕時計1から送り返された通知存在情報は、端末受信部34bにより受信され(S5)、通知要否判断部32により、フィルタ情報に基づいてユーザへの通知が必要であるか否かが判断される(S6)。ユーザへの通知が必要でないと判断された場合、通知が不要であるという判断結果を端末送信部34aにより電子腕時計1に送信する(S7)。電子腕時計1は、時計受信部41bにより判断結果を受信し(S8)、ユーザへの通知が不要との判断結果に従って、処理を終了する。なお、携帯端末30の通知要否判断部32によりユーザへの通知が不要であると判断された場合、当該判断結果を電子腕時計1に送信せず、処理を終了することとしてもよい。一方、通知要否判断部32によりユーザへの通知が必要であると判断された場合、通知態様決定部33により、ユーザへの通知態様が決定される(S9)。そして、通知要否判断部32による判断結果(通知が必要であるという判断結果)及び通知態様決定部33により決定された通知態様を、端末送信部34aにより電子腕時計1に送信する(S10)。電子腕時計1は、時計受信部41bにより判断結果及び通知態様を受信し(S11)、当該通知態様に従って、通知部42によりユーザへの通知を行う(S12)。
【0052】
本実施形態に係る通知システム100によれば、電子腕時計1に比べて複雑な編集操作が行える携帯端末30においてフィルタ情報を設定・編集できるため、フィルタ情報の設定・編集が容易となる。その結果、通知すべき情報か否かの判断がより精緻に行なわれ、必ずしも通知が必要でない情報については電子腕時計1により通知しないように設定でき、ユーザが大量の通知により煩わされることがなくなる。
【0053】
また、本実施形態に係る通知システム100によれば、通知要否の判断を携帯端末30で行うため、比較的大容量のフィルタ情報と、負荷の大きい複雑な演算を用いて通知要否の判断を行うことができる。そのため、同等の処理を電子腕時計1にて行う場合と比較して、電子腕時計1の記憶容量や演算負荷を低減することができ、ひいては電子腕時計1の消費電力を低減することができ、電子腕時計1を小型化することもできる。
【0054】
また、本実施形態に係る通知システム100によれば、通知態様の決定を携帯端末30で行うため、負荷の大きい複雑な演算を用いて通知態様の決定を行うことができる。そのため、同等の処理を電子腕時計1にて行う場合と比較して、電子腕時計1の演算負荷を低減しつつ、ユーザが通知をより確実に認識できるようにすることができる。
【0055】
また、本実施形態に係る電子腕時計1の通知部42は、アラーム部42a、振動部42b及び運針部42cを含むことで、ユーザの視覚、聴覚及び触覚に訴えて通知を行うことができ、より多彩な通知態様を実現することができる。通知部42は、アラーム部42a、振動部42b及び運針部42cを組み合わせることで、通知の重要度に応じた通知態様によりユーザへの通知を行うことができる。
【0056】
通知部42によりユーザへの通知があった場合に、ユーザ入力受付部40は、ユーザの入力を受け付ける(S13)。ユーザ入力受付部40は、ユーザが自動車の運転中である場合等、携帯端末30を操作出来ない事情がある場合に、電話や電子メールの発信者に返信を行いたい場合に特に有用となる。
【0057】
ユーザの入力があった場合、ユーザ入力送信部41cにより、ユーザ入力情報を携帯端末30に送信する(S14)。ユーザ入力受付部40がユーザの複数種類のジェスチャーを認識する場合、ユーザ入力情報は、複数種類のジェスチャーに対応した複数種類の情報のうちいずれかとなる。例えば、後述する定型メッセージを複数種類設定し、複数種類のジェスチャーにより、いずれの定型メッセージを再生するか選択できるようにしてよい。
【0058】
携帯端末30は、端末受信部34bによりユーザ入力情報を受信し(S15)、電話部35により定型メッセージを発信する(S16)。本実施形態では、電話部35により、電話に出られない旨を告げる定型メッセージを発信することとする。電話部35による返信の他、電子メール部36により定型メッセージを返信することとしてもよい。
【0059】
本実施形態に係る通知システム100によれば、ユーザへの通知を電子腕時計1により示すだけでなく、当該通知に対して電子腕時計1により応答できるため、通知の際に必ずしも携帯端末30を操作せずともよく、利便性の高い通知システム100が得られる。
【0060】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る通知システム100の機能ブロック図である。本実施形態に係る通知システム100は、第1の実施形態に係る通知システム100と比較して、携帯端末30の機能ブロック及び電子腕時計1の機能ブロックで相違する点がある。本実施形態に係る携帯端末30は、通知要否判断部32及び通知態様決定部33を含まず、電子腕時計1は、通知要否判断部44及び通知態様決定部45を含む。また、電子腕時計1は、時計記憶部43を含む。その他の点については、本実施形態に係る携帯端末30及び電子腕時計1と、第1の実施形態に係る携帯端末30及び電子腕時計1とは、共通の機能ブロックを有する。
【0061】
電子腕時計1の時計記憶部43は、携帯端末30(コンピュータ)で編集され、携帯端末30にユーザへの通知があることを示す通知存在情報についてのユーザへの通知の要否を示すフィルタ情報を記憶する。また、通知要否判断部44は、通知存在情報について、フィルタ情報に基づいてユーザへの通知の要否を判断する。通知態様決定部45は、ユーザへの通知の態様である通知態様を決定する。
【0062】
本実施形態に係る電子腕時計1の時計受信部41bは、携帯端末30からフィルタ情報を受信する。携帯端末30から電子腕時計1へのフィルタ情報の送信は、任意のタイミングで行われてよく、ユーザが携帯端末30によりフィルタ情報を編集する度に携帯端末30から電子腕時計1にフィルタ情報を送信し、時計記憶部43に記憶されたフィルタ情報を自動更新することとしてもよい。
【0063】
本実施形態に係る電子腕時計1の通知部42は、通知要否判断部44の判断結果に基づいて、通知態様決定部45により決定された通知態様により、ユーザへの通知を行う。携帯端末30による判断結果に基づいてユーザへの通知を行うのではなく、通知要否を電子腕時計1にて判断する点が、本実施形態に係る通知システム100と第1の実施形態に係る通知システム100との違いである。
【0064】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る通知システム100における通知方法を示すフローチャートである。同図では、携帯端末30で行なわれる処理を左側に示し、電子腕時計1で行なわれる処理を右側に示している。
【0065】
携帯端末30の電話部35に着信があるか又は電子メール部36に受信があると(S20)、携帯端末30にユーザへの通知があることを示す通知存在情報を端末送信部34aにより、電子腕時計1へ送信する(S21)。通知存在情報は、電子腕時計1の時計受信部41bにより受信される(S22)。
【0066】
電子腕時計1は、通知存在情報を受信すると、通知要否判断部44により、フィルタ情報に基づいてユーザへの通知が必要であるか否かを判断する(S23)。ここで、ユーザへの通知が必要であると判断された場合、通知態様決定部45により、ユーザへの通知態様が決定される(S24)。そして、当該通知態様に従って、通知部42によりユーザへの通知を行う(S25)。
【0067】
通知部42によりユーザへの通知があった場合に、ユーザ入力受付部40は、ユーザの入力を受け付ける(S26)。ユーザの入力があった場合、ユーザ入力送信部41cにより、ユーザ入力情報を携帯端末30に送信する(S27)。携帯端末30は、端末受信部34bによりユーザ入力情報を受信し(S28)、電話部35により定型メッセージを発信する(S29)。本実施形態に係る通知システム100によれば、ユーザへの通知を電子腕時計1により示すだけでなく、当該通知に対して電子腕時計1により応答できるため、通知の際に必ずしも携帯端末30を操作せずともよく、利便性の高い通知システム100が得られる。
【0068】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る通知システム100におけるフィルタ情報の送信処理を示すフローチャートである。同図では、携帯端末30で行なわれる処理を左側に示し、電子腕時計1で行なわれる処理を右側に示している。
【0069】
携帯端末30は、ユーザから指示があった場合又はフィルタ情報の更新があった場合に、端末送信部34aによりフィルタ情報記憶部31に記憶されたフィルタ情報を、電子腕時計1に送信する(S30)。電子腕時計1は、時計受信部41bにより、フィルタ情報を受信し(S31)、時計記憶部43にフィルタ情報を記憶する(S32)。
【0070】
本実施形態に係る通知システム100によれば、電子腕時計1に比べて複雑な編集操作が行える携帯端末30によってフィルタ情報を設定・編集でき、フィルタ情報の設定・編集が容易となる。その結果、詳細に設定されたフィルタ情報により、重要度の低い情報については電子腕時計1により通知しないように設定でき、ユーザが大量の通知により煩わされることがなくなる。また、携帯端末30により編集したフィルタ情報を、予め電子腕時計1に記憶しておくことで、ユーザへの通知を高速で行うことができるようになる。
【0071】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る通知システム100の機能ブロック図である。本実施形態に係る通知システム100は、第1の実施形態に係る通知システム100と比較して、携帯端末30の機能ブロック及び電子腕時計1の機能ブロックで相違する点がある。本実施形態に係る電子腕時計1は、速報性判断部46及び通知態様決定部45を含む。また、電子腕時計1は、時計記憶部43を含む。その他の点については、本実施形態に係る携帯端末30及び電子腕時計1と、第1の実施形態に係る携帯端末30及び電子腕時計1とは、共通の機能ブロックを有する。
【0072】
速報性判断部46は、通知存在情報について、フィルタ情報に基づいてユーザへの即時通知の要否を判断する。速報性判断部46は、通知存在情報について、即時応答が求められるものであるか否かをフィルタ情報に基づいて判断する。即時応答が求められる例としては、通知存在情報が電話の着信を表すものである場合や、重要なメールの着信を表すものである場合が挙げられる。通知部42は、速報性判断部46の判断結果に基づいて、ユーザへの通知を行う。具体的には、速報性判断部46により即時応答が求められると判断された場合、通知部42によりユーザへの通知を行う。
【0073】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る通知システム100における通知方法を示すフローチャートである。同図では、携帯端末30で行なわれる処理を左側に示し、電子腕時計1で行なわれる処理を右側に示している。
【0074】
携帯端末30の電話部35に着信があるか又は電子メール部36に受信があると(S40)、携帯端末30にユーザへの通知があることを示す通知存在情報を端末送信部34aにより、電子腕時計1へ送信する(S41)。通知存在情報は、電子腕時計1の時計受信部41bにより受信される(S42)。
【0075】
電子腕時計1の速報性判断部46は、通知存在情報について、時計記憶部43に記憶されたフィルタ情報に基づいてユーザへの即時通知の要否を判断する(S43)。即時通知が必要であると判断された場合、通知態様決定部45により通知態様が決定され(S50)、通知部42によりユーザに通知される(S51)。
【0076】
一方、速報性判断部46により、即時通知が不要であると判断された場合、時計送信部41aにより通知存在情報が送信され(S44)、携帯端末30の端末受信部34bで受信される(S45)。そして、通知要否判断部32により、通知存在情報について、フィルタ情報記憶部31に記憶されたフィルタ情報に基づいてユーザへの通知の要否が判断される(S46)。通知が必要と判断された場合、通知態様決定部33により通知態様が決定され(S47)、通知要否判断部32による判断結果及び通知態様決定部33により決定された通知態様が、端末送信部34aにより送信される(S48)。判断結果及び通知態様は、時計受信部41bにより受信され(S49)、通知部42によりユーザに通知される(S51)。
【0077】
通知部42によりユーザへの通知があった場合に、ユーザ入力受付部40は、ユーザの入力を受け付ける(S52)。ユーザの入力があった場合、ユーザ入力送信部41cにより、ユーザ入力情報を携帯端末30に送信する(S53)。携帯端末30は、端末受信部34bによりユーザ入力情報を受信し(S54)、電話部35により定型メッセージを発信する(S55)。本実施形態に係る通知システム100によれば、ユーザへの通知を電子腕時計1により示すだけでなく、当該通知に対して電子腕時計1により応答できるため、通知の際に必ずしも携帯端末30を操作せずともよく、利便性の高い通知システム100が得られる。
【0078】
本実施形態に係る通知システム100によれば、即時通知の要否に関するフィルタ情報を時計記憶部43に記憶して、電子腕時計1では即時通知の要否のみを判断することで、電子腕時計1の記憶容量及び演算負荷を低減しつつ、一般的なフィルタ情報は携帯端末30のフィルタ情報記憶部31に記憶し、携帯端末30によって演算負荷の大きい通知要否判断を行うことで、携帯端末30がユーザへの通知を受けてから、電子腕時計1が通知を行うまでのタイムラグを短縮するとともに、電子腕時計1の記憶容量及び消費電力を低減することができる。
【0079】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。例えば、コンピュータがSNSアプリケーション部を有する場合、SNSアプリケーションが示すユーザへの通知の種別に応じて、電子時計の通知部による通知態様を決定することとしてもよい。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。