(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の位置は、当該指紋像から特定可能な当該指紋像の基準点の位置であり、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の位置は、当該指紋像から特定可能な当該指紋像の基準点の位置であることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
か一つに記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる表示装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明にかかる表示装置の一動作例を示す説明図である。表示装置100は、例えば、利用者によるタッチパネル型のディスプレイへの指でのタッチ操作によって得られる指紋像に基づいて、タッチパネル型のディスプレイに対する指の押しの強さを検出することができるコンピュータである。
【0012】
表示装置100は、タッチパネル型のディスプレイを有する。タッチパネル型のディスプレイをタッチパネル101とも称する。タッチパネル101は、表示の機能と操作入力を受け付ける機能との2つの機能を有する。また、例えば、表示装置100は、タッチパネル101を有する装置であるため、表示装置100としては、例えば、スマートフォンやPDAなどの携帯端末装置などが挙げられる。
【0013】
上述したように、スマートフォンやPDAなどの携帯端末装置において、タッチパネル101や圧力センサを組み合わせて、タッチパネル101に対する圧力の強さを検出し、検出した強さにより携帯端末装置の動作を変化させる技術がある。ここで、タッチパネル101に対する圧力の強さを押し感とも称する。
【0014】
従来技術では、タッチパネル101に対する圧力の強さを検出するために、装置に圧力センサを搭載すると、装置の縮小化が困難となる。例えば、圧力センサがタッチパネル101の面に対して平行に敷き詰められると、装置は圧力センサにより厚くなり、装置の小型化や薄型化が困難となる。
【0015】
ここで、指は弾性変形が発生する。そのため、指の表面がタッチパネル101に接触した状態のままであっても、指の骨は移動できる。このため、タッチパネル101に接触した状態のままで、指がタッチパネル101を押下する場合、指の表面のタッチパネル101への接触面積が大きくなる。一方、指の表面がタッチパネル101から解放される場合、指の表面のタッチパネル101への接触面積は小さくなる。また、近年、タッチパネル101の高解像度化が進んでおり、タッチパネル101から指紋の画像などの指紋像が得られる場合がある。ここで、指紋とは、指先の隆線により形成される紋様や、隆線により形成される模様が物体の表面に付着した跡である。
【0016】
そこで、本実施の形態では、タッチパネル101への指の接触により得る各時刻における指紋像の位置に変化がない場合に、指紋像の面積変化の指標値をタッチパネル101への指の押し感として検出する。これにより、圧力センサが無くとも指の押し込み量を検出することができるため、表示装置100の縮小化を図ることができる。
【0017】
まず、表示装置100は、第1時刻において、タッチパネル101に対する指の接触による操作を受け付けることにより得られるタッチパネル101上の当該指の指紋像を表す第1指紋情報111を取得する。そして、表示装置100は、第1時刻よりも後の第2時刻において、タッチパネル101に対する指の接触による操作を受け付けることにより得られるタッチパネル101上の当該指の指紋像を表す第2指紋情報112を取得する。ここで、第1時刻と第2時刻は連続する時刻である。第1時刻と第2時刻は、例えば、タッチパネル101に対する操作の開始から終了するまでの間の連続する時刻である。
【0018】
ここで、指紋情報とは、タッチパネル101に付された指紋を象った指紋像を表す情報である。指紋像を表す情報は、例えば、指紋の画像を表す画像情報であってもよいし、指紋の隆線の位置を表す位置情報であってもよいし、指紋像の基準点の位置や指紋像の領域の面積や当該領域の形状などを表す情報であってもよい。
【0019】
表示装置100は、第1指紋情報111が表す指紋像i1の位置と、第2指紋情報112が表す指紋像i2の位置と、の差異が所定範囲内であるか否かを判断する。指紋像の位置については、例えば、指紋像の外形の淵の位置であってもよいし、指紋像の中心位置であってもよいし、指紋像の全体の位置であってもよい。
【0020】
表示装置100は、例えば、X軸方向において指紋像i1の位置から指紋像i2の位置までの移動量が第1閾値以内であり、かつY軸方向において指紋像i1の位置から指紋像i2の位置までの移動量が第2閾値以内であるかを判断してもよい。ここで、いずれかの位置は、特に限定しないが、例えば、後述する
図3に示すような指紋像の基準点であってもよい。また、表示装置100は、例えば、タッチパネル101を模した画面上に指紋像i1と指紋像i2を配置した場合の重なり度合が所定範囲内であるか否かを判断してもよい。また、表示装置100は、指紋像i1のいずれかの位置と、指紋像i1のいずれかの位置との距離が所定範囲内であるか否かを判断してもよい。これにより、表示装置100は、第1指紋情報111が表す指紋像i1の位置と、第2指紋情報112が表す指紋像i2の位置と、の差異が所定範囲内であるか否かを判断することができる。
【0021】
表示装置100は、例えば、指紋像i1の位置と指紋像i2の位置との差異が所定範囲内であると判断した場合に、指紋像i1の領域と、指紋像i2の領域と、の面積の差異を表す評価値を導出する。表示装置100は、例えば、指紋像i1の領域の面積と、指紋像i2の領域の面積と、の差分値を評価値として導出してもよい。
【0022】
差分値については、例えば、指紋像i2の領域の面積から指紋像i1の領域の面積を減算した値であってもよい。また、差分値については、例えば、X軸方向における指紋像i2の領域の長さと指紋像i1の領域の長さとの差分値と、Y軸方向における指紋像i2の領域の長さと指紋像i1の領域の長さとの差分値と、によって算出されてもよい。
【0023】
そして、表示装置100は、例えば、導出した評価値を出力する。具体的に、表示装置100は、例えば、評価値を、指の押し込み量として、OS(Operation System)などへ出力してもよい。
【0024】
このように、圧力センサ無しでタッチパネル101に対する指の押しの強さを検出することができる。したがって、表示装置100の縮小化を図ることができる。また、例えば、装置の部品数が減ることにより、装置の設計やデザインに自由度の向上を図ることができる。また、装置の部品数を減らすことにより、装置の低廉化を図ることができる。
【0025】
図2は、指によるタッチパネルを押下時のタッチ領域例を示す説明図である。指がタッチパネル101に軽く接触した場合などは、
図2(1)に示すように、指紋像の領域面積は小さい。指によりタッチパネル101を押下した場合などは、
図2(2)に示すように、指紋像の領域面積は大きくなる。
【0026】
指は弾性変形が発生するため、指の表面がタッチパネル101に接触した状態のままであっても、指の骨が移動すると、
図2(1)から
図2(2)に示すように、指の表面の接触面積は大きくなる。本実施の形態では、上述したように、指の押下具合に応じて指紋像の領域面積が変わることを利用して、指紋像の領域の面積の変化量を、タッチパネル101への押しの強さの指標に用いる。
【0027】
図3は、指紋像の基準点の一例を示す説明図である。タッチパネル101への指の接触により得られる指紋像の情報は、例えば、X軸方向とY軸方向との各々における座標値によって表わされる。指紋像の基準点は、指紋の特徴に基づき定義可能な位置である。具体的には、基準点は、例えば、指紋の隆線の中心が分岐する点や指紋の隆線の端点などが挙げられる。指紋像の基準点の座標は、(X
R,Y
R)によって表す。
【0028】
図4は、指紋像の領域の定義例を示す説明図である。指紋像の領域は、例えば、X軸方向における領域の位置の最大値X
maxおよび領域の位置の最小値X
min、Y軸方向における領域の位置の最大値Y
maxおよび領域の位置の最小値Y
minなどによって定義される。また、指紋像の領域面積は、例えば、ARによって表わす。最大値X
maxについては、領域に含まれる座標値のうちX軸方向における最大値である。最大値X
maxについては、領域に含まれる座標値のうちY軸方向における最大値である。最小値X
minについては、領域に含まれる座標値のうちX軸方向における最小値である。最小値Y
minについては、領域に含まれる座標値のうちY軸方向における最小値である。
【0029】
(表示装置のハードウェア構成例)
図5は、表示装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5において、表示装置100は、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、不揮発メモリ504と、を有する。さらに、表示装置100は、無線通信回路505と、各種センサ507と、オーディオI/F508と、タッチパネル101と、を有する。CPU501と、ROM502と、RAM503と、不揮発メモリ504と、各種センサ507と、オーディオI/F508と、タッチパネル101と、の各部は、バス500によって接続される。
【0030】
ここで、CPU501は、表示装置の全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。不揮発メモリ504は、書き込み可能なメモリであって、所定のデータを保持する。例えば、書き込みか可能な不揮発メモリ504としては、フラッシュメモリが挙げられる。
【0031】
アンテナ506は、他の装置と無線通信する電波を送受信する。無線通信回路505は、アンテナ506を介して受信した無線電波を受信信号として出力し、送信信号を無線電波としてアンテナ506を介して送信する。
【0032】
タッチパネル101は、表示の機能と操作入力を受け付ける機能との2つの機能を有するタッチパネル型のディスプレイである。タッチパネル101は、コンピュータなどの外部から受けた画像情報をディスプレイなどで表示する。ディスプレイは、例えば、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイなどを採用することができる。
【0033】
また、タッチパネル101は、ディスプレイなどの画面に表示された絵やピクトグラムなどの点または領域に利用者が手や指で触れることによって、触れられた画面位置の情報を感知してCPU501などへ情報信号として出力する。具体的に、タッチパネル101は、タッチパネル101の画面を複数に区切った領域ごとに接触を検出し、検出結果として接触情報を出力する。ここで、タッチパネル101は、タッチパネル101に指で触れると発生する微弱な電流、つまり静電容量(電荷)の変化をセンサで感知し、タッチした位置を把握する。例えば、正の数が大きい領域ほど、微弱な電流の量が多い領域であることを示す。
【0034】
接触情報は、例えば、不揮発メモリ504などの記憶装置に記憶される。ここで、タッチパネル101の画面を複数に区切った領域の各々がドットであり、区切った領域の数が多いほど、解像度が高くなる。本実施の形態では、タッチパネル101の解像度が高ければ、接触情報を指紋情報として扱うことが可能であると判断する。ここで、指紋情報は、数値の情報であってもよいし、
図1に示したように数値に基づく指紋の画像を表す情報であってもよい。
【0035】
各種センサ507は、例えば、近接センサと、照度センサと、加速度センサと、などが挙げられる。オーディオI/F508としては、例えば、マイクやスピーカなどが挙げられる。マイクは、音を電気信号に変換する機能を有する。スピーカは、電気信号を物理振動に変えて、音楽や音声などの音を生み出す機能を有する。例えば、CPU501は、マイクとスピーカとを利用して通話の機能を実現する。
【0036】
(表示装置100の機能的構成例)
図6は、表示装置の機能的構成例を示すブロック図である。表示装置100は、タッチパネル101と、制御部600と、を有する。
【0037】
タッチパネル101は、例えば、表示部601と受け付け部602を有する。表示部601は、例えば、各種情報を出力する。受け付け部602は、タッチ操作を受け付ける。
【0038】
制御部600は、例えば、
図5に示すCPU501がアクセス可能なROM502、RAM503、不揮発メモリ504などの記憶装置に記憶されたプログラムにコーディングされている。そして、CPU501が記憶装置から該プログラムを読み出して、プログラムにコーディングされている処理を実行する。これにより、制御部600の処理が実現される。また、制御部600の処理結果は、例えば、RAM503、ROM502、不揮発メモリ504などの記憶装置に記憶される。
【0039】
制御部600は、取得部611と、第1判断部612と、第2判断部613と、第3判断部614と、導出部615と、出力部616と、を有する。
【0040】
取得部611は、第1時刻において、受け付け部602によって指の接触による入力を受け付けることにより得られる当該指の指紋像i1を表す第1指紋情報111を取得する。また、取得部611は、第1時刻における指紋像i1の位置および領域を表す第1指紋情報111を取得してもよい。ここで、取得部611は、指紋像i1に基づいて指紋像i1の位置および領域を特定することにより第1指紋情報111を取得してもよい。
【0041】
また、取得部611は、第1時刻よりも後の第2時刻において、受け付け部602によって指の接触による入力を受け付けることにより得られる当該指の指紋像i2を表す第2指紋情報112を取得する。取得部611は、第1時刻よりも後の第2時刻において、受け付け部602によって指の接触による入力を受け付けることにより得られる当該指の指紋像i2を表す第2指紋情報112を取得する。
【0042】
第1時刻と第2時刻とは連続する時刻である。第1時刻と第2時刻との間の時間間隔は、例えば、タッチパネル101から指紋情報が得られる最小の時間間隔であってもよいし、定められた時間間隔であってもよい。
【0043】
指紋像の位置については、例えば、指紋像内のいずれかの位置である。指紋像の位置は、例えば、指紋像に含まれるいずれかの隆線の位置であってもよいし、上述したような指紋像の基準点の位置であってもよいし、特に限定しない。以下詳細な説明では、指紋像の基準点の位置を、指紋像の位置として用いる。
【0044】
また、指紋像の領域については、例えば、
図4に示したように、各軸方向における最大値や最小値によって表されてもよいし、面積によって表されてもよい。
図5には、第1指紋情報111と第2指紋情報112とに含まれるパラメータ例について説明する。
【0045】
図7は、各指紋情報に含まれるパラメータの一覧を示す説明図である。ここで、本実施の形態の説明に用いるパラメータについて説明する。
図1で説明したように本実施の形態では、各時刻における指紋像の情報を取得する。パラメータの各単位は、ドットである。ドットは、タッチパネル101を複数に区切った各領域である。
【0046】
ここでの第1指紋情報111は、1回目の指紋像i1の取得時における各パラメータの値を含む。ここで、1回目の指紋像i1の取得時におけるタッチ操作を、1回目のタッチ操作とも称する。また、2回目の指紋像i2の取得時におけるタッチ操作を、2回目のタッチ操作とも称する。ここで、1回目のタッチ操作から2回目のタッチ操作とは一連のタッチ操作である。
【0047】
1回目のタッチ操作におけるX軸方向のパラメータは、最大値X
1max、最小値X
1min、Xの幅X
1L、基準点X
1Rである。1回目のタッチ操作におけるY軸方向のパラメータは、最大値Y
1max、最小値Y
1min、Yの幅Y
1L、基準点Y
1Rである。1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域面積は、例えば、AR
1である。
【0048】
第2指紋情報112は、2回目のタッチ操作における各パラメータの値を含む。2回目のタッチ操作におけるX軸方向のパラメータは、例えば、最大値X
2max、最小値X
2min、Xの幅X
2L、および基準点X
2Rである。2回目のタッチ操作におけるY軸方向のパラメータは、例えば、最大値Y
2max、最小値Y
2min、Yの幅Y
2L、および基準点Y
2Rである。2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域面積は、例えば、AR
2である。
【0049】
つぎに、
図6に示す第1判断部612は、例えば、第1指紋情報111が表す指紋像i1の位置と、取得した第2指紋情報112が表す指紋像i2の位置と、の差異が所定範囲内であるか否かを判断する。所定範囲については予め利用者や表示装置100の開発者などによって定められる。ここでは、所定範囲として、X軸方向の第1閾値とY軸方向の第2閾値とを定める。第1閾値はΔXthとも表す。第2閾値はΔYthとも表す。
【0050】
具体的に、第1判断部612は、例えば、第1時刻における基準点の座標値(X
1R,Y
1R)と、第2時刻における基準点の座標値(X
2R,Y
2R)とに基づいて、各軸方向の移動量を算出する。X軸方向における移動量であるX移動量は、|X
1R‐X
2R|であり、Y軸方向における移動量であるY移動量は、|Y
1R‐Y
2R|である。そして、制御部600は、例えば、X移動量が第1閾値ΔXth以内であり、かつY移動量が第2閾値ΔYth以内であるか否かを判断する。
【0051】
第1判断部612は、例えば、X移動量が第1閾値ΔXth以内であり、かつY移動量が第2閾値ΔYth以内である場合に、指紋像i1の位置と、指紋像i2の位置と、の差異が所定範囲内であると判断する。第1判断部612は、例えば、X移動量が第1閾値ΔXth以内でない、またはY移動量が第2閾値ΔYth以内でない場合に、指紋像i1の位置と、指紋像i2の位置と、の差異が所定範囲内でないと判断する。
【0052】
導出部615は、所定範囲内であると判断した場合に、第1指紋情報111が表す指紋像i1の領域と、第2指紋情報112が表す指紋像i2の領域と、の差異を表す評価値を導出する。
【0053】
導出部615は、複数の方向の各々について、指紋像i2の領域の当該方向についての位置の最大値から指紋像i1の領域の当該方向についての位置の最大値を減算した値と、指紋像i1の領域の当該方向についての位置の最小値から指紋像i2の領域の当該方向についての位置の最小値を減算した値と、の差分値を導出する。複数の方向は、例えば、タッチパネル101上に定義された方向であり、例えば、X軸方向とY軸方向である。X軸方向についての差分値はL
Xとも表す。Y軸方向における評価値はL
Yとも表す。複数の方向の各々について導出される差分値は長さの変化量とも称する。
【0054】
導出部615は、例えば、長さの変化量L
Xを以下式(1)によって導出する。導出部615は、例えば、長さの変化量L
Yを以下式(2)によって導出する。
【0055】
L
X=(X
2max−X
1max)−(X
1min−X
2min)・・・式(1)
L
Y=(Y
2max−Y
1max)−(Y
1min−Y
2min)・・・式(2)
【0056】
そして、導出部615は、長さの変化量L
Xと、長さの変化量L
Yと、に基づいて、面積の差分値を、領域の差異を表す評価値として導出する。そして、領域の面積の差異を表す評価値はL
Pとも表す。また、領域の面積の差異を表す評価値は押し込み量とも称する。導出部615は、例えば、L
Xを以下式(1)によって導出する。導出部615は、例えば、L
Yを以下式(2)によって導出する。導出部615は、例えば、L
Pを以下式(3)によって導出する。
【0057】
L
P=√(L
X2+L
Y2)・・・式(3)
【0058】
また、導出部615は、面積の差分値を押し込み量L
Pとして算出してもよい。導出部615は、押し込み量L
Pを以下式(4)によって導出する。
【0060】
そして、出力部616は、導出した評価値を出力する。具体的に、出力部616は、長さの変化量L
X,L
Yと押し込み量L
Pとを関連付けてCPU501が実行するOSなどに受け渡す。
【0061】
また、第2判断部613は、所定範囲内であると判断された場合に、第1指紋情報111が表す指紋像i1の領域が、第2指紋情報112が表す指紋像i2の領域よりも広いか否かを判断する。これにより、第2判断部613は、第1時刻から第2時刻における操作が押し込み操作であるかリリース操作であるかを判断する。第2判断部613は、第1指紋情報111が表す指紋像i1の領域が、第2指紋情報112が表す指紋像i2の領域よりも広くなった場合に、第1時刻から第2時刻における操作を押し込み操作であると判断する。一方、第2判断部613は、第1指紋情報111が表す指紋像i1の領域が、第2指紋情報112が表す指紋像i2の領域よりも広くなっていない場合に、第1時刻から第2時刻における操作をリリース操作であると判断する。
【0062】
第2判断部613は、例えば、長さの変化に基づいて領域の増大を判定することにより押し込み操作またはリリース操作のいずれかを判定してもよい。具体的に、第2判断部613は、例えば、複数の方向の各々について、2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域の当該方向についての長さが、1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域の当該方向についての長さよりも大きいか否かを判断する。これにより、第2判断部613は、第2指紋情報112が表す指紋像i2の領域が、第1指紋情報111が表す指紋像i1の領域よりも広いか否かを判断する。複数の方向の各々については、例えば、タッチパネル101上に定義されたX軸方向とY軸方向である。
【0063】
より具体的に、第2判断部613は、例えば、長さX
2Lが長さX
1Lよりも長く、かつ長さY
2Lが長さY
1Lよりも長ければ、2回目のタッチ操作時の領域が1回目のタッチ操作時の領域よりも広くなったと判断する。これにより、第2判断部613は、操作が指の押し込み操作であると判断する。また、第2判断部613は、例えば、長さX
2Lが長さX
1Lよりも短い、または長さY
2Lが長さY
1Lよりも短い場合、2回目のタッチ操作時の領域が1回目のタッチ操作時の領域よりも狭くなったと判断する。これにより、第2判断部613は、操作がリリース操作であると判断する。
【0064】
また、第2判断部613は、例えば、面積の変化により押し込み操作またはリリース操作を判定してもよい。より具体的に、第2判断部613は、例えば、面積AR
2が面積AR
1より大きい場合に、押し込み操作であると判断する。そして、第2判断部613は、例えば、面積AR
2が面積AR
1以下である場合に、リリース操作であると判断する。
【0065】
図8は、指の押し込み操作の場合の指紋像の変化例を示す説明図である。
図8に示すように、座標値Y
1Rと座標値Y
2Rが同じであり、座標値X
1Rと座標値X
2Rが同じである。このため、指紋像の位置の差異は所定範囲内であると判断される。これに対して、タッチ領域が全体に広がっているため、第2判断部613は、押し込み操作であると判断する。また、
図8の例における詳細な値の例を
図9に示す。
【0066】
図9は、押し込み操作時における各パラメータの具体例を示す説明図である。第1閾値および第2閾値は3とする。座標値Y
1Rと座標値Y
2Rが「10」で同じであり、座標値X
1Rと座標値X
2Rが「13」で同じである。このため、X移動量およびY移動量は0であり、第2判断部613は、X移動量が第1閾値以下であり、Y移動量が第2閾値以下であるため、指紋像の位置の差異が所定範囲内であると判断する。
【0067】
1回目のタッチ操作についての最小値X
1minが「10」であり、最大値X
1maxが「17」であるため、長さX
1Lが「7」である。2回目のタッチ操作についての最小値X
2minが「8」であり、最大値X
2maxが「19」であるため、長さX
2Lが「11」である。
【0068】
また、1回目のタッチ操作についての最小値Y
1minが「5」であり、最大値Y
1maxが「20」であるため、長さY
1Lが「15」である。2回目のタッチ操作についての最小値Y
2minが「3」であり、最大値Y
2maxが「22」であるため、長さY
2Lが「19」である。このため、第2判断部613は、長さX
2Lが長さX
1Lより大きく、かつ長さY
2Lが長さY
1Lより大きいため、押し込み操作と判断する。
【0069】
また、面積によって領域が広がったか否かを判断する場合、面積AR
2が70であり、面積AR
1が50である。このため、第2判断部613は、面積AR
2が面積AR
1より大きいため、押し込み操作と判断する。
【0070】
また、
図9の例では、長さの変化量L
Xは「(19−17)−(8−10)」により「4」である。
図9の例では、長さの変化量L
Yは「(22−20)−(3−5)」により「4」である。
【0071】
また、
図9の例では、押し込み量L
Pは「√(4
2+4
2)」により「約2.8」である。出力部616は、押し込み操作であるという判定結果と、(L
X,L
Y,L
P)とをOSへ通知する。
【0072】
また、
図8や
図9の例では、全体に領域が広がった例であるが、指紋像の位置は移動せずに、各方向に増加する場合などがある。そこで、予め定めた方向に増加した場合、導出部615は、その方向と、押し込み量と、を弾性変形ベクトルとして抽出してOSへ渡してもよい。
【0073】
導出部615は、複数の方向の各々について導出した長さの変化量に基づいて、複数の方向を含む各方向から、第1時刻から第2時刻における操作の方向を特定する。複数の方向は上述したようにX軸方向とY軸方向が挙げられる。X軸方向とは、X軸方向のプラス方向である。Y軸方向とは、Y軸方向のプラス方向である。複数の方向を含む各方向は、例えば、タッチパネル101上に定義された方向であり、特に限定しない。ここでは、X軸方向のプラス方向と、Y軸方向のプラス方向と、X軸方向のマイナス方向と、Y軸方向のマイナス方向と、を挙げる。
【0074】
X軸方向のプラス方向は、例えば、右方向とも称する。X軸方向のマイナス方向は、例えば、左方向とも称する。Y軸方向のプラス方向は、例えば、上方向とも称する。Y軸方向のマイナス方向は、例えば、下方向とも称する。
【0075】
図10は、弾性変形ベクトルの抽出例を示す説明図である。本実施の形態では、
図10(1)〜(4)に示すように、上述した4方向を予め定義しておき、いずれの方向への移動であるかが抽出される。
【0076】
図10(1)の例では、指紋像i1から指紋像i2で位置は移動しないが、上方向に指紋像の領域が増加する。導出部615は、例えば、長さの変化量L
Yがプラス値の場合に、上方向に移動したと判断する。
【0077】
図10(2)の例では、指紋像i1から指紋像i2で位置は移動しないが、Y軸のマイナス方向に指紋像の領域が増加する。導出部615は、例えば、長さの変化量L
Yがマイナス値の場合に、下方向に移動したと判断できる。
【0078】
図10(3)の例では、指紋像i1から指紋像i2で位置は移動しないが、X軸のマイナス方向に指紋像の領域が増加する。導出部615は、例えば、長さの変化量L
Xがマイナス値の場合に、左方向に移動したと判断できる。
【0079】
図10(4)の例では、指紋像i1から指紋像i2で位置は移動しないが、Z軸のプラス方向に指紋像の領域が増加する。導出部615は、例えば、長さの変化量L
Xがプラス値の場合に、右方向に移動したと判断できる。
【0080】
押し込み量L
Pは上述例と同じである。ここでは、導出部615によっていずれの方向に移動したかについて判断したが、これに限らず、OSが、通知された長さの変化量L
Xと長さの変化量L
Yに基づいていずれの方向に移動したかを判断してもよい。
【0081】
つぎに、スライド/フリック操作である場合について説明する。
図6に示す第1判断部612は、指紋像の位置がずれたと判断した場合、2回目のタッチ操作がスライド/フリック操作であると判断する。ここで、スライド/フリック操作とは、指がタッチパネル101に触れたままスライドさせる操作である。
【0082】
図11は、スライド/フリック操作の場合の指紋像の変化例を示す説明図である。1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点の座標値は(X
1R,Y
1R)である。2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点の座標値は(X
2R,Y
2R)である。第1判断部612は、
図11に示すように、1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点から2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点までの各移動量が所定範囲内でないため、スライド/フリック操作であると判定する。
【0083】
図12は、スライド/フリック操作時における各パラメータの具体例を示す説明図である。1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点の座標値(X
1R,Y
1R)が(13,10)である。2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点の座標値(X
2R,Y
2R)が(23,20)である。
【0084】
ここで、第1閾値および第2閾値を「3」とする。X変化量(|X
1R−X
2R|)が「10」であり、Y変化量(|Y
1R−Y
2R|)が「10」であるため、第1判断部612は、指紋像の位置の差異が所定範囲内でないと判断する。このため、第1判断部612は、指紋像の位置の差異が所定範囲内でないため、第1時刻から第2時刻までのタッチ操作がスライド/フリック操作であると判定する。
【0085】
また、指を押しながらスライド/フリック操作を行う場合がある。そこで、第3判断部614は、指紋像の位置の差異が所定範囲内でないと判断された場合に、第2指紋情報112が示す指紋像の領域が、第1指紋情報111が示す指紋像の領域よりも大きくなったか否かを判断する。そして、第3判断部614は、第2指紋情報112が示す指紋像の領域が、第1指紋情報111が示す指紋像の領域よりも大きくなったと判断した場合に、押し込みながらのスライド/フリック操作であると判断する。
【0086】
図13は、押し込み操作かつスライド/フリック操作の場合の指紋像の変化例を示す説明図である。1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点の座標値は(X
1R,Y
1R)である。2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点の座標値は(X
2R,Y
2R)である。第1判断部612は、
図13に示すように、1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点から2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点までの移動量が閾値以上であるため、スライド/フリック操作であると判定する。
【0087】
図13に示すように、第3判断部614は、1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域が、2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域よりも大きくなっているため、押し込みながらのスライド/フリック操作であると判定する。
【0088】
図14は、押し込みながらのスライド/フリック操作時の各パラメータの具体例を示す説明図である。1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点の座標値(X
1R,Y
1R)が(13,10)である。2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点の座標値(X
2R,Y
2R)が(35,45)である。
【0089】
ここで、第1閾値および第2閾値を「3」とする。X変化量(|X
1R−X
2R|)が「22」であり、Y変化量(|Y
1R−Y
2R|)が「35」であるため、第1判断部612は、指紋像の位置の差異が所定範囲内でないと判断する。このため、第1判断部612は、指紋像の位置の差異が所定範囲内でないため、スライド/フリック操作であると判断する。
【0090】
つぎに、1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域の面積AR
1が「50」であり、2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域の面積AR
2が「70」である。このため、第3判断部614は、例えば、1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域が2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域よりも大きくなったと判断し、2回目のタッチ操作が押し込みながらのスライド/フリック操作であると判定する。ここでは、面積により領域が大きくなったか否かを判断したが、上述したように、X軸方向の長さとY軸方向の長さにより領域が大きくなったか否かを判断してもよい。
【0091】
また、第3判断部614は、1回目のタッチ操作における指紋像i1と、2回目のタッチ操作における指紋像i2と、が同じであるか否かを判断してもよい。第1指紋情報111や第2指紋情報112は、指紋を特定可能な情報である。
【0092】
図15は、指紋の一致および不一致例を示す説明図である。
図15(1)の例では、第3判断部614は、1回目のタッチ操作における指紋像i1が2回目のタッチ操作における指紋像i2と同じである場合、同じ指によるスライド/フリック操作であると判定する。指紋像の一致判定方法については、従来技術であるため、特に限定しない。
【0093】
また、
図15(2)の例では、第3判断部614は、1回目のタッチ操作における指紋像i1が2回目のタッチ操作における指紋像i2と異なる場合、スライド/フリック操作でなく、別の指による操作であると判定する。
【0094】
また、例えば、第1判断部612は、指紋像の位置の差異が所定範囲内であるか否かを判定する前に、1回目のタッチ操作における指紋像i1と、2回目のタッチ操作における指紋像i2と、が同じであるか否かを判定してもよい。制御部600は、例えば、指紋像が同じでない場合には、以降の判定について行わないようにしてもよい。
【0095】
図16は、弾性変形ベクトルのアプリケーションへの適用例を示す説明図である。上述したように、出力部616は、弾性変形ベクトルとして、押し込み量L
Pと、長さの変化量L
X,L
Yに応じた押し込み方向と、をOSへ渡す。そして、OSが、例えば、当該弾性変形ベクトルに基づいてスクロールを実行する。
【0096】
図16(1)の例では、押し込み方向が右方向であるため、押し込み量L
Pに応じた移動量だけ右方向に表示中の画面をスクロールさせる。
図16(2)の例では、押し込み方向が左方向であるため、押し込み量L
Pに応じた移動量だけ左方向に表示中の画面をスクロールさせる。
【0097】
図16(3)の例では、押し込み方向が上方向であるため、押し込み量L
Pに応じた移動量だけ上方向に表示中の画面をスクロールさせる。
図16(4)の例では、押し込み方向が下方向であるため、押し込み量L
Pに応じた移動量だけ下方向に表示中の画面をスクロールさせる。図示省略するが、押し込み量LPと、圧力センサに基づく圧力の強さとの対応関係をテーブル化しておき、制御部600は、押し込み量LPを圧力の強さに変換してOSへ渡してもよい。これにより、従来のOSの機能などを変更せずに利用できる。
【0098】
図17は、スライド/フリック操作のアプリケーションへの適用例を示す説明図である。
図17(1)〜(4)には、OSが、スライド/フリック操作時の基準点の移動量に応じて各方向に画面をスクロールさせる例を示す。
【0099】
図17(1)に示すように、2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点のY座標値から、1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点のY座標値を減算した値が、プラス値であれば、スライド/フリック操作の方向は上方向である。このため、OSが、減算した値に応じた移動量だけ上方向に表示中の画面をスクロールさせる。
【0100】
図17(2)に示すように、2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点のY座標値から、1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点のY座標値を減算した値が、マイナス値であれば、スライド/フリック操作の方向は下方向である。このため、OSが、減算した値に応じた移動量だけ下方向に表示中の画面をスクロールさせる。
【0101】
図17(3)に示すように、2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点のX座標値から、1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点のX座標値を減算した値が、プラス値であれば、スライド/フリック操作の方向は右方向である。このため、OSが、減算した値に応じた移動量だけ右方向に表示中の画面をスクロールさせる。
【0102】
図17(4)に示すように、2回目のタッチ操作における指紋像i2の基準点のX座標値から、1回目のタッチ操作における指紋像i1の基準点のX座標値を減算した値が、マイナス値であれば、スライド/フリック操作の方向は左方向である。このため、OSが、減算した値に応じた移動量だけ左方向に表示中の画面をスクロールさせる。
【0103】
図18は、各判定結果におけるアプリケーションへの適用例を示す説明図である。
図18の例では、OSは、画像を表示するアプリケーションを実行する。
図18(1)に示すように、OSは、例えば、押し込み操作であるという判定結果を受け付けた場合、押し込み量L
Pに応じて指紋像の基準点を中心に画像を拡大して表示する。一方、
図18(2)に示すように、OSは、例えば、リリース操作であるという判定結果を受け付けた場合、拡大や縮小などの特に何もしない。
【0104】
また、
図18(3)に示すように、OSは、例えば、押し込みながらのスライド/フリック操作であるという判定結果を受け付けた場合、指紋像の基準点の移動量に応じて表示中の画面をスライドさせつつ、指紋像の基準点を中心に画像を拡大して表示する。
【0105】
このように、押し込み量に判定結果を関連付けてOSへ受け渡すことにより、OSが各判定方法に応じて押し込み量を利用することが可能となる。
【0106】
(表示装置100が行う処理手順例)
図19は、表示装置が行う処理手順例1を示すフローチャートである。
図19には、X軸方向およびY軸方向についての指紋像の領域の長さに基づいて領域の大小を比較する例を挙げる。
【0107】
具体的に、表示装置100は、例えば、タッチパネル101に対する指のタッチ操作が開始されると、1回目についてのタッチパネル101押下時の指紋像を表す第1指紋情報111に基づいて、指紋像i1の大きさと基準点を算出する(ステップS1901)。
【0108】
表示装置100は、例えば、2回目についてのタッチパネル101押下時の指紋像を表す第2指紋情報112に基づいて、指紋像i2の大きさと基準点を算出する(ステップS1902)。表示装置100は、例えば、第1閾値ΔXth>X移動量、かつ第2閾値ΔYth>Y移動量であるか否かを判断する(ステップS1903)。
【0109】
第1閾値ΔXth>X移動量、かつ第2閾値ΔYth>Y移動量であると判断された場合(ステップS1903:Yes)、表示装置100は、例えば、長さX
2L>長さX
1L、かつ長さY
2L>長さY
1Lか否かを判断する(ステップS1904)。ステップS1904によれば、表示装置100は、2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域が1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域よりも大きいか否かを判断することができる。長さX
2L>長さX
1L、かつ長さY
2L>長さY
1Lであると判断された場合(ステップS1904:Yes)、表示装置100は、(L
X,L
Y,L
P)を算出する(ステップS1905)。表示装置100は、押し込み操作と判定し、(L
X,L
Y,L
P)をOSへ通知し(ステップS1906)、ステップS1913へ移行する。
【0110】
長さX
2L>長さX
1L、かつ長さY
2L>長さY
1Lでないと判断された場合(ステップS1904:No)、表示装置100は、例えば、(L
X,L
Y,L
P)を算出する(ステップS1907)。そして、表示装置100は、例えば、リリース操作と判定し、(L
X,L
Y,L
P)をOSへ通知し(ステップS1908)、ステップS1913へ移行する。
【0111】
一方、第1閾値ΔXth>X移動量、かつ第2閾値ΔYth>Y移動量でないと判断された場合(ステップS1903:No)、表示装置100は、例えば、長さX
2L>長さX
1L、かつ長さY
2L>長さY
1Lか否かを判断する(ステップS1909)。ステップS1909によれば、表示装置100は、2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域が1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域よりも大きいか否かを判断することができる。長さX
2L>長さX
1L、かつ長さY
2L>長さY
1Lであると判断された場合(ステップS1909:Yes)、表示装置100は、(L
X,L
Y,L
P)を算出する(ステップS1910)。そして、表示装置100は、押し込みながらのスライド/フリック操作と判定し、(L
X,L
Y,L
P)をOSへ通知し(ステップS1911)、ステップS1913へ移行する。
【0112】
長さX
2L>長さX
1L、かつ長さY
2L>長さY
1Lでないと判断された場合(ステップS1909:No)、表示装置100は、スライド/フリック操作と判定する(ステップS1912)。そして、表示装置100は、タッチパネル101に対するタッチが継続中か否かを判断する(ステップS1913)。タッチが継続中であると判断された場合(ステップS1913:Yes)、表示装置100は、ステップS1901へ戻り、再度同様の判定を行う。ステップS1913のYesの場合のつぎに、ステップS1901へ戻る例を挙げたが、これに限らない。例えば、ステップS1902へ戻り、前回算出した2回目のタッチ操作における指紋像i2の大きさと基準点を今回の1回目のタッチ操作における指紋像i1の大きさと基準点としてもよい。
【0113】
タッチが継続中でないと判断された場合(ステップS1913:No)、表示装置100は、一連の処理を終了する。
【0114】
図20は、表示装置が行う処理手順例2を示すフローチャートである。
図20には、X軸方向およびY軸方向についての指紋像の領域の面積に基づいて領域の大小を比較する例を挙げる。
【0115】
表示装置100は、例えば、タッチパネル101に対する指のタッチ操作が開始されると、1回目についてのタッチパネル101押下時の指紋像i1を表す第1指紋情報111に基づいて、指紋像i1の大きさと基準点を算出する(ステップS2001)。
【0116】
表示装置100は、例えば、2回目についてのタッチパネル101押下時の指紋像i2を表す第2指紋情報112に基づいて、指紋像i2の大きさと基準点を算出する(ステップS2002)。表示装置100は、例えば、第1閾値ΔXth>X移動量、かつ第2閾値ΔYth>Y移動量であるか否かを判断する(ステップS2003)。
【0117】
第1閾値ΔXth>X移動量、かつ第2閾値ΔYth>Y移動量であると判断された場合(ステップS2003:Yes)、表示装置100は、例えば、面積AR
2>面積AR
1か否かを判断する(ステップS2004)。ステップS2004によれば、表示装置100は、2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域が1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域よりも大きいか否かを判断することができる。
【0118】
AR
2>AR
1であると判断された場合(ステップS2004:Yes)、表示装置100は、(L
X,L
Y,L
P)を算出する(ステップS2005)。表示装置100は、押し込み操作と判定し、(L
X,L
Y,L
P)をOSへ通知し(ステップS2006)、ステップS2013へ移行する。
【0119】
面積AR
2>面積AR
1でないと判断された場合(ステップS2004:No)、表示装置100は、例えば、(L
X,L
Y,L
P)を算出する(ステップS2007)。そして、表示装置100は、例えば、リリース操作と判定し、(L
X,L
Y,L
P)をOSへ通知し(ステップS2008)、ステップS2013へ移行する。
【0120】
一方、第1閾値ΔXth>X移動量、かつ第2閾値ΔYth>Y移動量でないと判断された場合(ステップS2003:No)、表示装置100は、例えば、面積AR
2>面積AR
1か否かを判断する(ステップS2009)。ステップS2009によれば、表示装置100は、2回目のタッチ操作における指紋像i2の領域が1回目のタッチ操作における指紋像i1の領域よりも大きいか否かを判断することができる。
【0121】
面積AR
2>面積AR
1であると判断された場合(ステップS2009:Yes)、表示装置100は、(L
X,L
Y,L
P)を算出する(ステップS2010)。そして、表示装置100は、押し込みながらのスライド/フリック操作と判定し、(L
X,L
Y,L
P)をOSへ通知し(ステップS2011)、ステップS2013へ移行する。
【0122】
面積AR
2>面積AR
1でないと判断された場合(ステップS2009:No)、表示装置100は、スライド/フリック操作と判定する(ステップS2012)。そして、表示装置100は、タッチパネル101に対するタッチが継続中か否かを判断する(ステップS2013)。タッチが継続中であると判断された場合(ステップS2013:Yes)、表示装置100は、ステップS2001へ戻り、再度同様の判定を行う。ステップS2013のYesの場合のつぎに、ステップS2001へ戻る例を挙げたが、これに限らない。例えば、ステップS2002へ戻り、前回算出した2回目についての指紋像の大きさと基準点を今回の1回目についての指紋像の大きさと基準点としてもよい。
【0123】
タッチが継続中でないと判断された場合(ステップS2013:No)、表示装置100は、一連の処理を終了する。
【0124】
以上説明したように、表示装置100は、タッチパネル101へのタッチ操作時の指紋像の位置が時刻間でずれていない場合、当該時刻間における該指紋像の領域面積の変化量を指の押し込み量として検出する。これにより、圧力センサ無しで圧力検知して装置の縮小化を図ることができる。例えば、圧力センサがタッチパネル101の面に対して平行に敷き詰められるような場合であれば、圧力センサが無くなることにより、装置の小型化や薄型化を図ることができる。また、例えば、装置の部品数が減ることにより、装置の設計やデザインの自由度の向上を図ることができる。また、装置の部品数を減らすことにより、装置の低廉化を図ることができる。
【0125】
表示装置100は、指紋像の領域が広がった場合に押し込み操作であると判断し、指紋増の領域面積が小さくなった場合にリリース操作であると判断する。例えば、表示装置100は、領域面積の比較により領域が広がったか否かを判断することにより押し込み操作であるかリリース操作であるかを判断する。または、例えば、表示装置100は、領域の各方向についての長さの比較により領域が広がったか否かを判断することにより押し込み操作であるかリリース操作であるかを判断する。これにより、押し込み量を検出しつつ、操作の種類を簡単に判別でき、操作の種類に応じた装置の動作の変更の容易化を図ることができる。
【0126】
表示装置100は、複数の方向の各々について導出した差分値に基づいて、複数の方向を含む各方向から、第1時刻から第2時刻における前記操作の方向を特定する。これにより、押し込み操作時において操作の方向を自動で判別できる。したがって、押し込み量に応じて画面のスクロールなどのスライド操作時と同様の処理を行うことができる。また、押し込み操作に対して、更に詳細に操作を区別できるため、利用者の簡単な操作によって装置の動作の種類の数の増加を図ることができる。
【0127】
また、表示装置100は、指紋像の位置がずれた場合に、指のスライド操作であると判断する。これにより、スライド操作と押し込み操作とを簡単に区別することができ、操作の種類に応じた装置の動作の変更の容易化を図ることができる。
【0128】
また、表示装置100は、指紋像の位置がずれ、指紋像の領域が広がった場合に、押し込みながらのスライド操作であると判断し、押し込み量を検出する。また、例えば、表示装置100は、領域面積の比較により領域が広がったか否かを判断することにより押し込みながらのスライド操作であるかを判断する。または、例えば、表示装置100は、領域の各方向についての長さの比較により領域が広がったか否かを判断することにより押し込みながらのスライド操作であるかを判断する。これにより、スライド操作に対してさらに詳細に操作を区別できるため、利用者の簡単な操作によって装置の動作の種類の数の増加を図ることができる。
【0129】
また、表示装置100は、指紋像の位置として、指紋像から特定可能な指紋像の基準点の位置を利用し、指紋像がずれたか否かを判断する。これにより、指紋像の特徴量から判別可能であるため、指紋像がずれたか否かの判定の精度の向上を図ることができる。
【0130】
なお、本実施の形態で説明した表示装置100による押し込み量の検出方法は、予め用意されたプログラムを、タッチパネル101を有するコンピュータで実行することにより実現することができる。本プログラムは、不揮発メモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
【0131】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0132】
(付記1)タッチパネル式のディスプレイと、
第1時刻において、前記ディスプレイに対する指の接触による操作を受け付けることにより得られる前記ディスプレイ上の当該指の指紋像を表す第1指紋情報と、前記第1時刻よりも後の第2時刻において、前記ディスプレイに対する指の接触による操作を受け付けることにより得られる前記ディスプレイ上の当該指の指紋像を表す第2指紋情報と、を取得し、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の位置と、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の位置と、の差異が所定範囲内であるか否かを判断し、前記所定範囲内であると判断した場合に、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域と、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域と、の面積の差異を表す評価値を導出し、導出した前記評価値を出力する制御部と、
を有することを特徴とする表示装置。
【0133】
(付記2)前記制御部は、
取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いか否かを判断し、
取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いと判断した場合に、前記第1時刻から前記第2時刻における前記操作が前記ディスプレイに対する前記指の押し込み操作であると判定し、
取得した前記第2指紋情報が表す指紋模様の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広くないと判断した場合に、前記第1時刻から前記第2時刻における前記操作が前記ディスプレイに対する前記指の解放操作であると判定する、
ことを特徴とする付記1に記載の表示装置。
【0134】
(付記3)前記制御部は、
取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域の面積が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域の面積よりも大きいか否かを判断することにより、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いか否かを判断する、
ことを特徴とする付記2に記載の表示装置。
【0135】
(付記4)前記制御部は、
前記ディスプレイ上の複数の方向の各々について、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての長さが、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての長さよりも大きいか否かを判断することにより、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いか否かを判断する、
ことを特徴とする付記2に記載の表示装置。
【0136】
(付記5)前記制御部は、
前記ディスプレイ上の複数の方向の各々について、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての位置の最大値から取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての位置の最大値を減算した値と、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての位置の最小値から取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての位置の最小値を減算した値と、の差分値を導出し、
導出した前記評価値と、前記複数の方向の各々について導出した前記差分値と、を関連付けて出力する、
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の表示装置。
【0137】
(付記6)前記制御部は、
前記複数の方向の各々について導出した前記差分値に基づいて、前記複数の方向を含む各方向から、前記第1時刻から前記第2時刻における前記操作の方向を特定し、
導出した前記評価値と、特定した前記方向と、を関連付けて出力する、
ことを特徴とする付記5に記載の表示装置。
【0138】
(付記7)前記制御部は、
取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の位置と、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の位置と、の差異が前記所定範囲内でないと判断した場合、前記第1時刻から前記第2時刻における前記操作が前記ディスプレイに対する前記指のスライド操作であると判定する、
ことを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の表示装置。
【0139】
(付記8)前記制御部は、
取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の位置と、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の位置と、の差異が前記所定範囲内でないと判断した場合、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いか否かを判断し、
取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いと判断した場合に、前記第1時刻から前記第2時刻における前記操作が前記ディスプレイに対する前記指の押し込みながらのスライド操作であると判定し、
取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域の面積よりも広いと判断した場合に、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域と、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域と、の面積の差異を表す第2評価値を導出し、
導出した前記第2評価値と、前記第1時刻から前記第2時刻における前記操作の判定結果と、を関連付けて出力する、
ことを特徴とする付記7に記載の表示装置。
【0140】
(付記9)前記制御部は、
取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域の面積が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域の面積よりも大きいか否かを判断することにより、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いか否かを判断する、
ことを特徴とする付記8に記載の表示装置。
【0141】
(付記10)前記制御部は、
前記ディスプレイ上の複数の方向の各々について、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての長さが、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域の当該方向についての長さよりも大きいか否かを判断することにより、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の領域が、取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の領域よりも広いか否かを判断する、
ことを特徴とする付記8に記載の表示装置。
【0142】
(付記11)取得した前記第1指紋情報が表す指紋像の位置は、当該指紋像から特定可能な当該指紋像の基準点の位置であり、取得した前記第2指紋情報が表す指紋像の位置は、当該指紋像から特定可能な当該指紋像の基準点の位置であることを特徴とする付記1〜10のいずれか一つに記載の表示装置。