【文献】
東幸太,“ゲーム・クリエイターをめざす人の必見の講座 超入門! ゲーム・アルゴリズム”,マイコンBASIC Magazine,日本,電波新聞社,2000年 8月 1日,第19巻, 第8号,pp.82〜85
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ユーザ位置と前記施設位置との間が前記第1距離である場合に前記表示制御手段が前記案内情報を表示させる第1透過度は、前記ユーザ位置と前記施設位置との間が前記第1距離よりも長い第2距離である場合に前記表示制御手段が前記案内情報を表示させる第2透過度よりも低い、
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のウェアラブル端末。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の説明及び参照する図面の記載において、同一又は類似の構成には、それぞれ同一又は類似の符号が付されている。
【0013】
図1乃至
図7は、実施形態を説明するための図である。以下、これらの図を参照しながら、以下の流れに沿って実施形態を説明する。まず「1.」で実施形態に係るウェアラブル端末の使用形態等の概要を説明する。その上で、「2.」で当該ウェアラブル端末の外観を、「3.」で、ウェアラブル端末を使用するユーザ視野の具体例を説明する。「4.」ではウェアラブル端末の機能構成を、「5.」では当該ウェアラブル端末の処理の流れを、「6.」では、ウェアラブル端末を実現可能なハードウェア構成の具体例を説明する。「7.」以降では、本実施形態に係る効果等を説明する。
【0014】
(1. 概要)
まず、
図1を参照しながら、本実施形態に係るウェアラブル端末100の動作や使用形態の具体例を説明する。
図1の例では、ユーザUはウェアラブル端末100を装着しており、ユーザUの周囲には施設C1や施設C2(以下、総称して施設Cとも呼ぶ。)が存在する。ユーザUの装着するウェアラブル端末100は、表示装置110を備えている。表示装置110には、ユーザUの向き及び施設Cまでの距離に応じて、施設Cに関する案内情報が表示される。このとき、ユーザUの視野を考えると、一部の領域(例えばユーザ視野の上部領域。以下、当該領域を実環境視野領域ともいう。)では案内情報の重畳なしに実環境を視認することができ、視野の一部領域(例えば視野の下部領域。以下、当該領域を案内表示領域ともいう。)では、表示装置110により施設Cに関する案内情報を確認できる。
【0015】
これによりユーザUは、実環境を見る際に、実環境に応じた案内情報をウェアラブル端末100上で確認することができる。より具体的には、例えば施設C1の方向を向くと施設C1の情報が、施設C2の方向を見ると施設C2の情報が見える。これによりユーザUは、自分の向いている方向に施設Cが存在することや施設Cの概要説明等を、実世界と照らし合わせながら把握することができる。また本実施形態においては、ユーザUから施設Cまでの距離に応じて、案内情報の表示態様を変える。案内情報の表示方法の詳細については、
図3a、
図3b、
図4等を参照しながら後述する。
【0016】
(2. ウェアラブル端末の外観)
次に、
図2を参照しながら、ウェアラブル端末100の外観の具体例を説明する。
図2に示すように、本実施形態に係るウェアラブル端末100は、ユーザUの頭部に装着する眼鏡型の端末であり、ユーザUの視野の一部を覆うように情報を表示するための表示装置110a及び110b(本実施形態では、総称して表示装置110ともいう。)が設けられる。
【0017】
ウェアラブル端末100は、表示装置110と、フロント部120と、テンプル部130a及び130b(以下、総称してテンプル部130ともいう。)と、支持部材140a及び140b(以下、総称して支持部材140ともいう。)と、ケーブル145とを有する。なお、フロント部120及びテンプル部130は、通常の眼鏡と同様の機構であり、当該眼鏡の機構に対して、表示装置110及び支持部材140を追加することで、ウェアラブル端末100は各種情報の処理や提示等の機能を実現している。
【0018】
表示装置110は、ユーザUに情報を提示するための表示機能を有する装置である。ウェアラブル端末100の装着時には、フロント部120を挟んでユーザUの顔面とは反対側に表示装置110が位置する。
図2に示すように、表示装置110は支持部材140と一体的に形成されており、例えば支持部材140内に含まれる制御部により、表示装置110に対する表示制御がなされる。なお、表示位置の調整のため、表示装置110は支持部材140に対して回動自在に設けられても良い。
【0019】
フロント部120は、リム部121a及び121b(以下、総称してリム部121ともいう。)、ブリッジ部123、パッド部125a及び125b(以下、総称してパッド部125ともいう。)を含む。ユーザUによるウェアラブル端末100の装着時には、フロント部120はユーザUの顔面前方に位置する。
【0020】
リム部121a及び121bは、開口部127a及び127b(以下、総称して開口部127ともいう。)の周りに周状に形成される部材である。開口部127は、ユーザUが実環境や表示装置110の表示内容を視認するために設けられる。開口部127には、ユーザUの視力を矯正するためのレンズが嵌め込まれても良い。リム部121a及び121bは、ブリッジ部123を介して水平方向に互いに隣接する。
【0021】
なお、リム部121は必ずしも周状に形成される必要はなく、特にウェアラブル端末100がレンズを持たない場合等には、開口部127a及び127bを設けずに、リム部121及びブリッジ部123により、両側のテンプル部130を直線状に接続しても良い。
【0022】
また、ウェアラブル端末100がレンズを含む場合には、リム部121をフロント部120に持たせずに、当該レンズをテンプル部130及びブリッジ部123で支持しても良い。また、一眼のレンズを用いる場合には、ブリッジ部123も不要であり、当該一眼のレンズをテンプル部130a及び130bで支持すれば良い。
【0023】
パッド部125は、ユーザUの顔面にウェアラブル端末100を装着させるための部材であり、リム部121及び/又はブリッジ部123に固定される。ユーザUによるウェアラブル端末100の装着時には、パッド部125はユーザUの鼻梁の両側でウェアラブル端末100を支持する。ウェアラブル端末100は、パッド部125と、後述のテンプル部130が有するモダン部131a及び131b(以下、総称してモダン部131ともいう。)とによりユーザUの顔面に係止及び/又は支持されることにより装着される。
【0024】
テンプル部130は、フロント部120をユーザUの顔面両側で支持するために設けられる略直線状の部材である。
図2においてテンプル部130は、フロント部120から奥行き方向に延出している。持運びの便利等のため、テンプル部130はフロント部120に対して回動自在に取り付けられても良い。テンプル部130は、前述のとおりモダン部131を有する。
【0025】
モダン部131は、前述のとおり、ユーザUの顔面にウェアラブル端末100を装着させるための部材であり、モダン部131は、テンプル部130のフロント部120とは反対側に、鉛直方向下部及び内側方向に緩やかな弧を描くように形成される。ユーザUによるウェアラブル端末100の装着時には、モダン部131はユーザUの耳の鉛直方向上部に係止される。
【0026】
支持部材140は表示装置110を支持するための部材であり、当該支持部材140はテンプル部130により物理的に支持されている。ユーザUに表示装置110の位置を調整可能とするため、支持部材140はテンプル部130に対して回動自在に設けられても良い。支持部材140の内部には、制御装置や、GPS(Global Positioning System)により位置情報を取得するための位置情報取得装置、方向等を取得するための方位センサ等を持つことが可能である。
【0027】
支持部材140a及び140bは、ケーブル145により互いに接続される。支持部材140a及び140b内部の各装置は、ケーブル145を介して互いに通信可能であり、当該通信により、表示装置110a及び110bの表示内容を連携させることが可能である。
【0028】
なお、ケーブル145を独立して設けられる必要は必ずしもない。例えば、
図2のフロント部120に、支持部材140a及び140b内部の各装置が通信可能な通信線を埋め込んでも良い。或いは、支持部材140a及び140b内部の各装置が無線で通信することも考えられる。これらの場合には、ケーブル145は不要である。
【0029】
また、
図2の例では、ウェアラブル端末100は通常の眼鏡に相当するフロント部120及びテンプル部130に対して、表示装置110及び支持部材140を加えることにより実現しているが、ウェアラブル端末100の実現方法はこれに限られるものではない。例えば表示装置110をフロント部120に支持させても良いし、フロント部120と支持部材140、表示装置110を一体的に形成しても良い。また、開口部127a及び127bのように2つの開口部を設けずとも、一眼型のゴーグルのように開口部127を1つとすることも考えられる。更に、ウェアラブル端末100をユーザUに装着させる方法も、必ずしもパッド部125及びモダン部131によらずとも、フロント部120を顔面に密着させるためのフォームと、頭部に周状に固定するためのストラップとにより装着させることも考えられる。
【0030】
(3. 案内を提示する際のユーザ視野の具体例)
以下、
図3a、
図3b及び
図4を参照しながら、本実施形態に係るウェアラブル端末100での案内情報の表示装置110への表示例を説明する。
図3a、
図3b、及び
図4は、それぞれ、ウェアラブル端末100を装着した際の、ユーザUの視野の具体例を表す図である。
【0031】
図3aに示すように、ユーザUの視野は、開口部127を介して実環境を視認できる実環境視野領域40と、表示装置110により案内情報31a及び31b(以下、総称して案内情報31ともいう。)が表示される案内表示領域30とを含む。なお、
図3a、
図3b及び
図4の例では、案内表示領域30は実環境視野領域40よりも鉛直方向下部にあるが、これに限られるものではない。例えば、案内表示領域30を実環境視野領域40の上部や左部、右部に来るようにしても良い。案内表示領域30と実環境視野領域40との位置関係は、ウェアラブル端末100における表示装置110の配置位置に応じて決まる。以下の例では、案内表示領域30が実環境視野領域40よりも鉛直方向下部に来る場合を中心に説明する。
【0032】
実環境視野領域40は、ユーザUが実環境を視認するための領域である。
図3a、
図3b及び
図4の例では、実環境視野領域40には何も記載していないが、実際には、道路や建築物、自動車や人物等の移動体、空、地面等の実環境が、実環境視野領域40においてユーザUに視認される。
【0033】
案内表示領域30は、表示装置110により表示される案内情報31をユーザUが視認するための領域である。ここで、案内表示領域30は、非透過型の表示領域である。すなわち、案内表示領域30上においては、ユーザUは実環境を確認することはできない。つまり、案内情報31は実環境には重畳されない。
【0034】
ここで、案内表示領域30に表示される案内情報31は、ユーザUの周囲にある施設Cの情報である。例えば2km以内など、所定距離内にある施設Cの情報が、案内表示領域30に施設C毎に表示される。
【0035】
ここで、案内情報31には、画像33、距離情報35、及び方向表示画像37が含まれる。画像33は、施設Cの外観を示す写真画像である。画像33には、施設Cの外観を写真以外にも、例えばトイレ等の施設Cの機能を示すアイコン画像等を用いることも可能である。
【0036】
距離情報35は、ユーザUの位置、即ちウェアラブル端末100のユーザ位置から施設Cの施設位置までの距離を示す情報である。ユーザ位置は、例えばウェアラブル端末100が有するGPS機能により特定することが可能である。また施設位置は、例えば図示しないサーバ等から逐次取得される、ユーザ位置周辺の施設Cに係る位置情報(緯度経度情報)により特定することが可能である。ユーザ位置から施設位置までの距離は、直線距離を用いることが可能である。若しくは、ユーザUが道路や鉄道等を経由して実際に施設Cに到着するまでに必要となる移動経路距離とすることも考えられる。
【0037】
方向表示画像37は、施設Cがある方向をユーザUに示すための画像である。案内情報31の水平方向の中心が、施設Cの方向と略一致するように案内情報31を配置する場合には、方向表示画像37には固定画像を用いることが可能である。
【0038】
なお、案内情報31に含まれる内容は、画像33、距離情報35、及び方向表示画像37に限られるものではない。例えば、施設Cの施設名称等を案内情報31に含ませたり、或いは距離情報35を案内情報31に含ませなかったりすることも考えられる。
ここで、案内情報31の表示位置は、各々の案内情報31に対応する施設CまでのユーザUからの距離、及びユーザUから見た施設Cの方向に応じて決まる。
【0039】
案内情報31の水平方向の位置は、ユーザUから見た施設Cの方向に応じて決まる。具体的には、ユーザUの位置と施設Cの位置とを結ぶ直線状に案内情報31が表示されるように、ウェアラブル端末100は案内情報31の表示位置を制御する。これによりユーザUは、表示されている案内情報31に係る施設Cがどちらの方向にあるかを直感的に把握することが可能である。
【0040】
案内情報31の鉛直方向の位置は、ユーザUから施設Cまでの距離、即ちウェアラブル端末100から施設Cまでの距離に応じて決まる。具体的には、例えば距離が近い施設C1に関する案内情報31aを実環境視野領域40に近い位置に、それよりも距離が遠い施設C2に関する案内情報31bを、実環境視野領域40から遠い位置に表示する。また、
図3aの例では、施設C1に関する案内情報31aを、それよりも距離の遠い施設C2に関する案内情報31よりも大きく表示している。この他、距離の近い施設C1に関する案内情報31aの透過度を、距離の遠い施設C2に関する案内情報31の透過度よりも低くすることも考えられる。
【0041】
このような表示方法により、ユーザUは施設Cまでの距離が近いか遠いかを視覚的に容易に把握することができる。また近い施設Cの情報の方がユーザUにとってはより参照するニーズが高いと考えられるので、参照必要性の高い案内情報31をより実環境視野領域40に近い位置に配置することで、ユーザUは視線を大きく動かさずとも案内情報31を視認できる。つまり、ユーザUの利便性を向上させることができる。また、水平方向に同列に全ての案内情報31を並べると、案内情報31を配置しきれない可能性があるが、このように距離に応じて鉛直方向の位置をずらすことで、水平方向の配置位置に余裕を持たせることができる。
【0042】
もしユーザUが、
図3aの表示状態において、顔面の向いている方向を水平方向に動かすと、ユーザUから施設Cへの相対的な方向が変わるため、それに応じて案内情報31の水平方向の表示位置も移動する。また、ユーザUが施設Cへ近づく若しくは施設Cから遠ざかると、案内情報31の鉛直方向の表示位置も徐々に移動する。
【0043】
ユーザUが顔面の向きを変えることにより、施設C1に関する案内情報31aが案内表示領域30の略中心(例えば中心から±5度以内)に移動した場合には、案内表示領域30には、
図3bに示されるように当該案内情報31aに関する詳細な情報が表示される。
図3bの例では、施設C1の画像33と共に、施設C1に関する説明情報39が示されている。説明情報39には、例えば、施設C1の施設名称、距離、説明文等を含むことができる。
【0044】
なお、案内情報31の案内表示領域30への表示方法は
図3aに示される以外にも、種々考えられる。
図4は、案内情報31の表示方法に係る第2の具体例を示す図である。
図4の例では、案内表示領域30が、鉛直方向の上部、即ち実環境視野領域40に近い側から順に、第1領域30a、第2領域30b、及び第3領域30cに分かれている。第1領域30a、第2領域30b、及び第3領域30cは、それぞれ水平方向に延びる矩形の領域である。なお、
図4の例では、鉛直方向に3つの領域が並んでいるがこれに限られるものではない。例えば2つや4以上の領域を設けることも考えられる。
【0045】
案内情報31は、対応する施設Cまでの距離に応じて、第1領域30a、第2領域30b、及び第3領域30cのいずれかに配置される。例えば、施設Cまでの距離が300m未満であれば第1領域30aに、施設Cまでの距離が300m以上600m未満であれば第2領域30bに、施設Cまでの距離が600m以上であれば第3領域30cに、対応する案内情報31を配置すれば良い。
図4の例では、200m離れた施設C1に係る案内情報31aが第1領域30aに、500m離れた施設C2に係る案内情報31bが第2領域30bに配置されている。
もしユーザUが移動し、施設Cまでの距離が近づいたり遠ざかったりすれば、対応する案内情報31が表示される案内表示領域30内の領域も変更される。
或いは、第1領域30a内に案内情報31が表示される場合には案内情報31が鉛直方向に対しては固定的に表示され(即ち鉛直方向に移動しない)、第2領域30b及び第3領域30c内に案内情報31が表示される場合には、鉛直方向に対してなめらかに案内情報31が移動するように表示されても良い。すなわち、領域ごとに表示制御内容を変えることも考えられる。
【0046】
なお、
図3aや
図4の表示例において、ユーザUから施設Cへの相対的な方向が一致している場合には、最も距離の近い施設Cに関する案内情報31を最も実環境視野領域40に近い上部に配置し、次に距離の近い施設Cに関する案内情報31をその下部に配置する、というように垂直方向の表示位置を決めることも考えられる。
【0047】
若しくは、ユーザUから施設Cへの相対的な方向が一致している場合には、鉛直方向の表示位置は距離に応じたものとしつつ、距離に応じて案内情報31に対して設定する透過度を変えることも考えられる。例えば、距離の近い施設Cに関する案内情報31に対する透過度を低く、距離の遠い施設Cに関する案内情報31に関する透過度を高く設定することで、より距離の近い施設Cに関する案内情報31を視認しやすくなる。ユーザUが特定の案内情報31を選択する際には、例えば左右フリック操作等を入力デバイスに対して入力すれば良い。
【0048】
(4. 機能構成の具体例)
以下、
図5を参照しながら、本実施形態に係るウェアラブル端末100の機能構成を説明する。
図5は、本実施形態に係るウェアラブル端末100の機能構成を示すブロック図である。ウェアラブル端末100は、大きく分けて制御部150とデータベース(DB)160とを含む。また制御部150は、現在位置取得部151、方向取得部152、施設位置情報取得部153、相対位置算出部154、及び表示制御部155を含む。
【0049】
現在位置取得部151は、ウェアラブル端末100を装着したユーザUの現在位置を特定する。ユーザUの現在位置を特定する手法としては、例えば、GPS(Global Positioning System)を構成する衛星から、逐次発信される電波を受信することにより、ユーザUのいる現在位置を、例えば緯度経度として取得することが考えられる。この他、例えば、周辺にある携帯電話の基地局や無線LAN等から発信される信号等を利用して現在位置を特定することも考えられる。
【0050】
方向取得部152は、ユーザUの向いている方向を特定する。方向を特定する手段は種々考えられるが、例えば、地磁気センサや加速度センサ等を組み合わせて方向を特定することが考えられる。
【0051】
施設位置情報取得部153は、施設Cの位置を示す施設位置情報161や、当該施設Cに係る案内情報163等を、図示しないサーバから受信する。この際、例えば施設位置情報取得部153は、現在位置取得部151が取得したユーザUの現在位置を当該サーバに送信することにより、ユーザUの周囲にある施設Cに係る施設位置情報161や案内情報163のみを取得するようにしても良い。
【0052】
相対位置算出部154は、現在位置取得部151が取得したユーザUの現在位置、方向取得部152が取得したユーザUの向き、及び施設位置情報取得部153が取得した施設Cの施設位置情報161に基づき、各々のユーザUの位置及び方向からの、施設Cの施設位置への相対位置を算出する。相対位置には、ユーザUの現在の向きから見た施設Cの施設位置への方向、及び、ユーザUの現在位置から施設Cの施設位置までの相対距離、が含まれる。なお、相対距離については、ユーザ位置から施設位置までの直線距離(ユークリッド距離)とすることができる。或いは、例えばユーザUが通りうる道路や鉄道等の経路情報も予め有していれば、相対位置算出部154は、ユーザUの現在位置から施設Cに至る必要移動距離を算出することも可能である。
【0053】
表示制御部155は、表示装置110に表示させる表示内容を決める。特に表示制御部155が含む案内情報提供部156は、案内表示領域30に案内情報31を表示させる。この際、案内表示領域30が案内情報31を表示させる表示位置は、相対位置算出部154が算出した、ユーザUの現在の位置及び向きから施設Cの施設位置までの相対位置に応じて決まる。案内情報提供部156による案内情報31の表示位置の具体例については、
図3a、
図3b及び
図4を参照しながら先述したため、ここでは説明を省略する。
DB160は、施設位置情報161及び案内情報163を管理する。
【0054】
施設位置情報161は、緯度経度などで表現される施設Cの位置情報である。先述の通り、例えば施設位置情報取得部153が図示しないサーバから受信等することにより、DB160に格納される。或いは、製品出荷時等のタイミングで予めDB160に施設位置情報161を格納しておくことも考えられる。
【0055】
案内情報163は、施設Cに関する情報であり、例えば案内表示領域30への表示に使用される。案内情報163には、例えば施設Cの画像33、施設名称や説明文等を含むことができる。
【0056】
(5. 処理の流れ)
以下、
図6を参照しながら、本実施形態に係るウェアラブル端末100の処理の流れを説明する。なお、後述の各処理ステップは、処理内容に矛盾を生じない範囲で、任意に順番を変更して若しくは並列に実行することができ、また、各処理ステップ間に他のステップを追加しても良い。更に、便宜上1つのステップとして記載されているステップは複数のステップに分けて実行することもでき、便宜上複数に分けて記載されているステップを1ステップとして実行することもできる。
【0057】
まず現在位置取得部151は、GPS等によりユーザUの現在位置を取得する(S601)。また方向取得部152は、加速度センサや地磁気センサ等を用いて、ユーザUが向いている方向を特定する(S603)。
【0058】
また、施設位置情報取得部153は、ユーザUの現在位置周辺の施設位置情報161や案内情報163を取得する(S605)。この時、施設位置情報取得部153は、例えばサーバからこれらの情報を取得してもよいし、予めDB160にこれらの情報が格納されていれば、DB160から施設位置情報161や案内情報163を読み込んでも良い。
【0059】
相対位置算出部154は、S601乃至S605で取得したユーザUの位置及び方向、並びに施設Cの施設位置に基づき、ユーザUの位置及び方向から施設Cの施設位置への相対方向及び相対距離を算出する(S607)。案内情報提供部156は、当該算出した相対方向及び相対距離に基づき、表示装置110に案内情報31を表示させる(S609)。この時、特に案内情報31の表示制御内容は、
図3aや
図4に例示したように、施設Cまでの距離に応じて変えることができる。例えば、ユーザUからの距離が近い施設Cに関する案内情報31については、距離が遠い施設Cに関する案内情報31よりも、ユーザ視野において実環境視野領域40に近い位置に配置したり、大きく表示させたりすることができる。
【0060】
1以上の案内情報31が表示された状態において、その中の特定の案内情報31をユーザUが選択した場合には(S611のYes)、当該選択された案内情報31に係る施設Cの詳細情報を、案内情報提供部156は
図3bに具体例を示したような形態で表示装置110に表示させる(S613)。先述の通り、案内情報31の選択方法は、案内表示領域30の中心に案内情報31が来るようにユーザUが向きを変えたり、若しくはボタン操作やスワイプ操作等により選択したりする手法が考えられる。
ウェアラブル端末100は、このようなS601乃至S611の処理を、処理が終了するまで(S615のYes)繰り返す(S615のNo)。
【0061】
(6. ハードウェア構成)
以下、
図7を参照しながら、上述してきたウェアラブル端末100の内部処理をコンピュータにより実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。
【0062】
図7に示すように、ウェアラブル端末100は、制御部150、記憶部183、通信インタフェース(I/F)部187、方位センサ189、表示装置110、及び入力部191を含み、各部はバスライン193を介して接続される。
【0063】
制御部150は、CPU(Central Processing Unit。図示せず)、ROM(Read Only Memory。図示せず)、RAM(Random Access Memory)181等を含む。制御部150は、記憶部183に記憶される制御プログラム185を実行することにより、上述したウェアラブル端末100としての情報処理を実現可能に構成される。例えば、
図5を参照しながら説明した現在位置取得部151、方向取得部152、施設位置情報取得部153、相対位置算出部154、及び表示制御部155は、RAM181に一時記憶された上で、CPU上で動作する制御プログラム185として実現可能である。
【0064】
また、RAM181は、制御プログラム185に含まれるコードの他、DB160に格納される施設位置情報161や案内情報163の一部又は全部を一時的に保持する。更にRAM181は、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとしても使用される。
【0065】
記憶部183は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶部183は、一般的なコンピュータとしての機能を実現するためのオペレーティングシステム(OS)やアプリケーション、各種データを記憶する。また記憶部183は、制御プログラム185や、当該制御プログラム185が使用するデータを格納するDB160を記憶する。前述のとおり、
図5に示した現在位置取得部151、方向取得部152、施設位置情報取得部153、相対位置算出部154、表示制御部155は、制御プログラム185により実現することができる。
【0066】
通信I/F部187は、例えば外部サーバとの間で、無線などによりデータ通信を行うためのデバイスである。施設位置情報161や案内情報163の取得は、例えば通信I/F部187が施設位置情報取得部153による制御により逐次行うことができる。
【0067】
方位センサ189は、ウェアラブル端末100の方向、即ちユーザUの向いている方向を検出するためのセンサである。方位センサ189には、例えば地磁気センサや加速度センサ等を含むことができる。
【0068】
表示装置110は、前述のとおり、ユーザUに案内情報31などの各種情報を提示するためのディスプレイ装置である。表示装置110の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等が挙げられる。入力部191は、ユーザUからの操作入力を受け付けるためのデバイスである。入力部191の具体例としては、例えば各種ボタンやタッチパネル等を挙げることができる。
【0069】
(7. 本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係るウェアラブル端末100は、ユーザUの周囲にある施設Cに関する案内情報31を、実環境をユーザUに示さない、即ち非透過な案内表示領域30に表示する機能を有する。この際、ウェアラブル端末100は、ユーザUのユーザ位置と施設Cの施設位置との相対的な位置関係に応じて、案内情報31の表示態様を変える。具体的には、例えば案内情報31の水平方向の位置については、施設Cの方向と略一致するように調整される。また、案内情報31の鉛直方向の位置については、距離が近い施設Cに係る案内情報31を、例えば、実環境視野領域40の近くに、大きく表示する。これによりユーザUは、施設Cとの位置関係を視覚的に容易に把握できると共に、特に参照の度合いが高いと考えられる近くの施設Cの情報を、あまり視線を動かさずに確認することが可能である。
【0070】
(8. 付記事項)
なお、前述の各実施形態の構成は、組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は前述の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。