(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、冬期や寒冷地の地域では、車両のウインドシールドガラス上に霜付の起きる使用環境がある。ウインドシールドガラス上に霜がついた状態では視界が確保できないため、発進前に霜を取り除く必要がある。
【0006】
上述の特許文献1を含む一般的なワイパ・ウォッシャ装置では、霜が付く環境でウォッシャを噴射しても簡単に霜を取り除くことができない。そこで、通常は、空調装置のデフロスターの使用や、温水をウインドシールドガラスにかけて霜を溶かすなどの方法により、霜取りをしていた。そのため、霜を取り除くまでに時間が必要となり、ユーザの負担となっていた。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮し、簡単に霜を取り除くことが可能なワイパ・ウォッシャ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、ワイパブレードによる払拭面の払拭動作を行わせるワイパモータと、ウォッシャ液を噴射させるウォッシャポンプと、前記払拭面の霜取りが指示された場合に、前記払拭動作及びウォッシャ液の噴射を予め定めた組み合わせで行う霜取り動作を行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する制御部と、を備え
、前記制御部は、前記ウォッシャ液を前記払拭面に噴射して予め定めた第1の速度で前記払拭動作を行う第1工程と、前記払拭動作及びウォッシャ液の噴射の各々を所定時間停止させる第2工程と、前記第1の速度又は前記第1の速度と異なる第2の速度で前記払拭動作を行う第3工程とを前記霜取り動作として順に行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する。
【0009】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、ワイパモータによってワイパブレードによる払拭面の払拭動作が行われ、ウォッシャポンプによってウォッシャ液が噴射される。
【0010】
そして、制御部では、例えば、スイッチ等によって霜取りが指示された場合に、払拭動作及びウォッシャ液の噴射を予め定めた組み合わせで行う払拭面の霜取り動作を行うよう、ワイパモータ及びウォッシャポンプが制御される。このように、払拭動作とウォッシャ液の噴射との組み合わせによる霜取り動作を行うことにより、単なる雨滴の払拭と異なり簡単に霜を取り除くことができる。
【0011】
また
、前記制御部は、
前記ウォッシャ液を前記払拭面に噴射して予め定めた第1の速度で前記払拭動作を行う第1工程と、前記払拭動作及びウォッシャ液の噴射の各々を所定時間停止させる第2工程と、前記第1の速度又は前記第1の速度と異なる第2の速度で前記払拭動作を行う第3工程とを前記霜取り動作として順に行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する。
【0012】
すなわち、第1工程によりウォッシャ液を噴射して第1の速度で払拭動作を行うことで、払拭面の霜に対して払拭範囲に亘ってウォッシャ液を塗り広げる。また、第2工程により払拭動作及びウォッシャ液の噴射の各々を停止することで、塗り広げられたウォッシャ液を霜に浸透させることができる。そして、第3工程により第1の速度又は第1の速度と異なる第2の速度で払拭動作を行うことで、ウォッシャ液が浸透した霜を削ぎ取ることができる。従って、簡単に霜を取り除くことができる。
【0013】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記制御部は、前記第3工程において、前記第2の速度が前記第1の速度よりも遅い前記払拭動作の速度に設定されている。
【0014】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、第3工程において、第2の速度が第1の速度よりも遅い払拭動作の速度に設定されることで、第1の速度より早い速度とする場合よりも霜を確実に取り除くことができる。
【0015】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記制御部は、前記ウォッシャ液を前記払拭面に噴射して前記第1の速度及び第2の速度の少なくとも一方の速度よりも速い第3の速度で前記払拭動作を行う第4工程を、前記第3工程の後に続いて行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する。
【0016】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、第4工程によりウォッシャ液を噴射して第1の速度及び第2の速度の少なくとも一方の速度よりも速い第3の速度で払拭動作を、第3工程の後に続いて行うことで、第1〜第3工程で取り除かれた霜の清掃を行うとともに、第1工程よりも更に払拭速度を増速させて慣性力でワイパブレードの先端側にもウォッシャ液を塗り広げて霜取りを行うことができる。
【0017】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記制御部は、前記第4工程の後に続いて、再度前記第2工程及び前記第1工程を順に行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する。
【0018】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、前記第4工程の後に続いて、再度第2工程により払拭動作及びウォッシャ液の噴射の各々を停止することで、第4工程でワイパブレードの先端部にも塗り広げられたウォッシャ液を霜に浸透させることができる。そして、第1工程によりウォッシャ液を噴射して第1又は第2の速度で払拭動作を行うことで霜を削ぎ取って拭上げることができる。
【0019】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、
ワイパブレードによる払拭面の払拭動作を行わせるワイパモータと、ウォッシャ液を噴射させるウォッシャポンプと、前記払拭面の霜取りが指示された場合に、前記払拭動作及びウォッシャ液の噴射を予め定めた組み合わせで行う霜取り動作を行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ウォッシャ液を前記払拭面に所定時間噴射して前記ワイパブレードによる前記払拭動作を行う第1工程と、前記ワイパブレードによる前記払拭動作における往復の反転位置で前記払拭動作を所定時間停止させる第2工程と、前記ウォッシャ液の噴射を停止して前記払拭動作を行う第3工程と、を含む工程を前記霜取り動作として行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する。
【0020】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、第1工程により払拭面の霜に対して払拭範囲に亘ってウォッシャ液を塗り広げることができる。また、第2工程によりワイパブレードによる払拭動作における往復の反転位置で払拭動作を所定時間停止させることで、塗り広げられたウォッシャ液を霜に浸透させることができる。そして、第3工程により、ウォッシャ液の噴射を停止して払拭動作を行うことで、ウォッシャ液が浸透した霜を削ぎ取って拭上げることができる。従って、簡単に霜を取り除くことができる。
【0021】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記第2工程は、前記ワイパブレードの往復の前記払拭動作における2つの反転位置のうち少なくとも一方の反転位置で前記払拭動作を所定時間停止させる。
【0022】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、第2工程として、ワイパブレードの往復の払拭動作における2つの反転位置のうち少なくとも一方の反転位置で払拭動作を所定時間停止させることで、ウォッシャ液を霜に浸透させることができる。
【0023】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記第2工程は、前記ワイパブレードの往復の前記払拭動作における2つの連続する反転位置で前記払拭動作を所定時間停止させる。
【0024】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、第2工程として、ワイパブレードの往復の払拭動作における2つの連続する反転位置で払拭動作を所定時間停止させることで、ウォッシャ液を霜に確実に浸透させることができる。
【0025】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記第2工程は、前記ワイパブレードの往復の前記払拭動作における2つの反転位置の各々で前記払拭動作を所定時間停止させ、かつ、往路から復路への反転位置の停止時間を復路から往路への反転位置の停止時間より長い時間停止させる。
【0026】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、第2工程として、ワイパブレードの往復の払拭動作における2つの反転位置の各々で払拭動作を所定時間停止させ、かつ、往路から復路への反転位置の停止時間を復路から往路への反転位置の停止時間より長い時間停止させることで、往路から復路への反転位置においてワイパブレードに沿って流れ落ちるウォッシャ液により、霜を溶かしてワイパブレードと払拭面とを当接し易くすることができる。
【0027】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記制御部は、前記払拭動作を開始させずに前記ウォッシャ液を所定時間噴射する初期工程を前記霜取り動作の前に初期動作として行うよう、前記ワイパモータ及び前記ウォッシャポンプを制御する。
【0028】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、霜取り動作の前に初期動作としての初期工程により払拭動作を開始せずにウォッシャ液を所定時間噴射することでワイパブレードにウォッシャ液を滞留させて、続く第1工程によりウォッシャ液を塗り広げることができる。
【0029】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記ウォッシャポンプは、前記ワイパブレードの下反転位置と上反転位置との間で往復回動されるワイパアームの往路回動時に前記ワイパブレードの往路回動側へウォッシャ液を噴射する第1ノズル、及び前記ワイパアームの復路回動時に前記ワイパブレードの復路回動側へウォッシャ液を噴射する第2ノズルに前記ウォッシャ液を圧送する。
【0030】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、第1ノズル及び第2ノズルによってワイパアームの往復のそれぞれの回動方向に応じてウォッシャ液を切替え噴射することができる。
【0031】
また、本発明のワイパ・ウォッシャ制御装置は、前記霜取り動作を指示する霜取り指示部を別個に備えている。
【0032】
上記構成のワイパ・ウォッシャ制御装置によれば、霜取りの指示を行うための専用の指示部を別個に備えることで、ワイパブレードの払拭動作や、ウォッシャ液の噴射の各々の指示とは区別して霜取り指示を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して本実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置の制御対象となる車両用ワイパ装置の全体を示す払拭面の外側から見た平面図である。
【0035】
図1に示すように、車両用ワイパ装置10は、略長尺状のワイパアーム12と、車両(自動車)の払拭面としてのウインドシールドガラスWGを払拭するワイパブレード14と、を含んで構成されている。また、車両用ワイパ装置10は、ワイパアーム12の先端部付近に設けられた第1メインノズル18及び第2メインノズル20と、含んで構成されている。
【0036】
ワイパアーム12は、アームヘッド12A、リテーナ12B、アームピース12C、及びアーム側連結部材12Dを含んで構成されている。アームヘッド12Aは、ワイパアーム12の基端部分を構成し、リテーナ12Bは、ワイパアーム12の長手方向中間部を構成し、アームピース12C及びアーム側連結部材12Dは、ワイパアーム12の先端部分を構成する。
【0037】
アームヘッド12Aは、略矩形柱状に形成されており、例えばアルミダイキャスト製とされている。このアームヘッド12Aの基端部には、固定部15が形成されており、固定部15には、略円柱形状のピボット軸17の先端部が締結固定されている。このピボット軸17は、車両のフレーム等に固定されたピボットホルダ(図示省略)に回動自在に支持されると共に、リンク機構を介してワイパモータ(図示省略)に連結されている。そして、ワイパモータの駆動力によってピボット軸17が往復回動することで、ワイパアーム12が、下反転位置(
図1に示される位置)と上反転位置(
図1の1点鎖線参照)との間を往復回動するようになっている。また、本実施形態では、下反転位置よりも
図1矢印B方向側(車両下側)の車両のエンジンフードとの間にワイパアーム12が隠れる位置が格納位置とされ、払拭動作の停止時には格納位置にワイパアーム12が格納されるようになっている。そのため、ワイパモータは、一方向に連続回転させるものではなく、上反転位置と下反転位置とで逆転させることにより、ワイパアーム12を往復回動する構成とされている。また、ワイパモータは、PWM(パルス幅変調)制御などによって回転数を制御する制御回路を備えた電気モータを使用している。なお、ワイパアーム12が、下反転位置から上反転位置へ向かう
図1の矢印A方向が往路回動方向とされており、上反転位置から下反転位置へ向かう
図1の矢印B方向が復路回動方向とされている。すなわち、ワイパブレード14の往路から復路への反転位置が上反転位置とされ、復路から往路への反転位置が下反転位置とされている。また、本実施形態では、上述のように格納位置にワイパアーム12を格納するため、ワイパモータを正転及び逆転に駆動する構成例を説明するが、格納位置(停止位置)を下反転位置としてワイパモータを一方向に回転する構成を適用してもよい。
【0038】
一方、ワイパブレード14は、略長尺状に形成されると共に、ワイパアーム12と長手方向に並んで配置されており、ワイパブレード14の長手方向中央部が、連結レバー19を介してワイパアーム12のアーム側連結部材12Dの先端部に連結されている。これにより、払拭面Sに対して直交する方向から見て、ワイパブレード14が、ワイパアーム12(のアーム側連結部材12Dを除く部分)に対して、往路回動方向側に配置されている。
【0039】
また、第1メインノズル18及び第2メインノズル20からは、ウォッシャ液が噴射される。本実施形態では、後述するウォッシャスイッチ36(
図3参照)が操作されてウォッシャ液を噴射する場合、ワイパアーム12の往路回動時には、
図2(A)に示すように、第1メインノズル18からワイパブレード14の往路回動側へウォッシャ液を噴射する。一方、ワイパアーム12の復路回動時には、
図2(B)に示すように、第2メインノズル20からワイパブレード14の往路回動側へウォッシャ液を噴射するようになっている。また、往路回動方向へ回動して上反転位置に到達する直前、及び復路回動方向へ回動して下反転位置に到達する直前の各々の予め定めた位置(
図2(A)、(B)の二点鎖線の位置)でウォッシャ液の噴射を停止する。そして、各反転位置で噴射するノズルを切り替えて噴射を再開することにより、無駄なウォッシャ液の噴射を防止している。
【0040】
図3は、本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置の構成を示すブロック図である。
【0041】
ワイパ・ウォッシャ制御装置50は、ワイパモータ32、ウォッシャポンプ34、及び制御部としてのコントローラ30を備えている。
【0042】
ワイパモータ32は、駆動されることによりワイパアーム12を往復回動させる。又、ウォッシャポンプ34は、第1メインノズル18及び第2メインノズル20の各々へウォッシャ液を圧送することにより各々のノズルからウォッシャ液を噴射させる。ワイパモータ32及びウォッシャポンプ34は、それぞれコントローラ30に接続されており、コントローラ30によって各々の駆動が制御される。
【0043】
また、コントローラ30には、車両側に設けられたウォッシャスイッチ36、ワイパスイッチ38、霜取りスイッチ40、及びシフトポジションセンサ42が更に接続されている。
【0044】
ウォッシャスイッチ36は、ウォッシャ液を噴射させるための指示を行うスイッチであり、乗員によってウォッシャスイッチ36が操作された場合に操作結果がコントローラ30に入力される。
【0045】
本実施形態では、ウォッシャスイッチ36が乗員によって操作されてウォッシャ液の噴射が指示された場合、ウォッシャスイッチ36の操作結果がコントローラ30に入力される。ウォッシャスイッチ36の操作結果がコントローラ30に入力されると、コントローラ30では、ウォッシャスイッチ36の操作結果に基づいて、ウォッシャポンプ34を直ちに駆動してウォッシャ液を所定量噴射させてから、ワイパモータ32の駆動を開始する。すなわち、ウォッシャスイッチ36が操作された場合には、ウォッシャ液の噴射とワイパブレード14による払拭動作とを連動して行うようにコントローラ30がワイパモータ32及びウォッシャポンプ34を制御する。
【0046】
ワイパスイッチ38は、ワイパブレード14による払拭動作を開始させるための指示を行うスイッチであり、乗員によってワイパスイッチ38が操作された場合に操作結果がコントローラ30に入力される。ワイパスイッチ38は、ワイパブレード14による払拭動作の速度を複数の速度で動作させる指示が可能とされている。ワイパスイッチ38の操作結果がコントローラ30に入力されると、コントローラ30では、ワイパスイッチ38の操作結果に基づいて、指示された速度でワイパモータ32を駆動してワイパブレード14による払拭動作を開始する。なお、本実施形態では、ワイパスイッチ38を操作した場合のワイパブレード14による払拭動作の速度は、間欠動作、低速、中速、及び高速の4種類の速度を有するものを一例として説明する。
【0047】
霜取りスイッチ40は、寒冷地等でウインドシールドガラスWGの表面に張り付いた霜を取り除くために、ウォッシャ液の噴射とワイパブレード14による払拭動作とを予め定めた組み合わせで行う霜取り動作(上記雨滴の払拭や汚れの除去とは異なり、霜を効率的に除去する動作モード、詳細は後述)の指示を行うためのスイッチである。本実施形態では、ワイパブレード14の払拭動作及びウォッシャ液の噴射の各々指示とは区別して霜取り指示を行うために、ウォッシャスイッチ36やワイパスイッチ38とは別個に、霜取り用の専用のスイッチを設けている。乗員によって霜取りスイッチ40が操作された場合に操作結果がコントローラ30に入力される。霜取りスイッチ40の操作結果がコントローラ30に入力されると、コントローラ30では、霜取りスイッチ40の操作結果に基づいて、予め定めた霜取り動作を行うよう、ウォッシャポンプ34及びワイパモータ32の駆動を制御する。
【0048】
シフトポジションセンサ42は、車両のトランスミッションのシフトポジションを検出して検出結果をコントローラ30に入力する。コントローラ30は、シフトポジションセンサ42の検出結果に基づいて、シフトポジションがパーキング(P)レンジの場合に、上述の霜取り動作を開始可能としている。言い換えれば、シフトポジションがパーキング(P)レンジ以外の場合には、上記霜取り動作の開始を印紙するようになっている。
【0049】
ここで、霜取りスイッチ40を操作することによって行われる上述の霜取り動作について詳細に説明する。
図4は、本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置50による霜取り動作を説明するための図である。
【0050】
本実施形態では、霜取りスイッチ40が操作されて、シフトポジションがPレンジの場合に、
図4に示すように、ウォッシャポンプ34及びワイパモータ32の動作がコントローラ30によって制御される。
【0051】
まず、霜取り動作の初期工程(初期動作)としてウォッシャ液拡散工程を行う。具体的には、ワイパブレード14による払拭動作を行わずにウォッシャ液のみをワイパブレード14の往路回動側に所定時間噴射するように、コントローラ30がウォッシャポンプ34を制御する。これにより、ワイパブレード14が停止位置に停止している状態でウォッシャ液をワイパブレード14に滞留させて乾拭きすることなくワイパブレード14の長手方向にしっかりと行きわたらせる。この霜取りスイッチ40が操作されたときの初期工程でのウォッシャ液の噴射時間は、車両が停止しシフトポジションがPレンジにあることから、ウォッシャスイッチ36が操作されてワイパブレード14による払拭動作を行わずにウォッシャ液のみを噴射する場合の時間よりも長い時間に設定されている。例えば、ウォッシャスイッチ36が操作されてワイパブレード14による払拭動作を行わずにウォッシャ液のみを噴射する場合の時間が300〜500msであるとすると、所定時間としては、1000ms程度の時間を適用する。
【0052】
続いて、第1工程としてウォッシャ液塗り広げ工程を行う。具体的には、ウォッシャ液の噴射とワイパブレード14による払拭動作とを行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32の駆動、速度、時間などを制御する。これにより、ウインドシールドガラスWGにおけるワイパブレード14による払拭範囲の霜に対してウォッシャ液を塗り広げる。このときのワイパブレード14による払拭速度は、ワイパスイッチ38が操作されて「低速」モードが選択されたときに動作する速度よりも遅い第1の速度でワイパブレード14による払拭動作を行う。また、第1の速度でのワイパブレード14による払拭動作は、1往復行うようにコントローラ30がワイパモータ32を制御する。このとき、コントローラ30は、上述したように、上反転位置及び下反転位置の各々の到達前の予め定めた位置でウォッシャ液の噴射を停止し、各反転位置で噴射するノズルを切り替えてから噴射を再開することにより、無駄なウォッシャ液の噴射を防止している。なお、第1の速度としては、低速の半分程度の速度等を適用することができ、例えば、低速時のワイパモータ32の回転速度を42rpmとした場合に、第1の速度は22rpmを適用する。また、コントローラ30は、ワイパモータ32の出力軸の回転位置に応じた信号をワイパモータ32に設けられた不図示の位置検出器から入力してワイパブレード14の払拭位置を判断している。
【0053】
続いて、第2工程としてウォッシャ液浸透工程を行う。具体的には、ウォッシャ液の噴射を停止すると共に、下反転位置でワイパブレード14による払拭動作を停止したまま所定時間待機するようにコントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。これにより、ウォッシャ液をウインドシールドガラスWG上の霜に浸透させる。なお、ウォッシャ液を霜に浸透させる時間は、例えば、初期工程のウォッシャ拡散工程の所定時間と同じ時間を適用できる。
【0054】
次に、第3工程として霜削ぎ取り工程を行う。具体的には、ウォッシャ液を噴射せずにワイパブレード14の払拭速度を上述の第1の速度として、通常の雨滴を払拭する場合の上記「低速」よりも遅い速度でワイパブレード14を1往復行うように、コントローラ30がワイパモータ32を制御する。これにより、ウインドシールドガラスWG表面とワイパブレード14との接触を高めて(摩擦を大きくして)摺接させ、ウインドシールドガラスWG上の霜を削ぎ取り、除去する。なお、第3工程の霜削ぎ取り工程においてウォッシャ液も噴射するようにしてもよい。また、第3工程でのワイパブレード14の払拭速度を、上述の第1の速度よりもさらに遅い第2の速度として払拭動作させても良い。その場合、ウインドシールドガラスWG表面とワイパブレード14との間の接触がさらに高まって摺接するので、一層、霜の削ぎ取り効果が得られる。
【0055】
続いて、第4工程としてブレード先端塗り広げ工程を行う。第4工程は、ウインドシールドガラスWGの上部に車載カメラ等を備える場合を考慮して行う。具体的には、ウインドシールドガラスWGの上部へウォッシャ液を塗り広げるために、ウォッシャ液の噴射とワイパブレード14による払拭動作とを行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。このときのワイパブレード14による払拭速度は、例えば、ワイパスイッチ38が操作されて「低速」モードが選択されたときに動作する第3の速度(上記第1の速度よりも速い払拭速度)でワイパブレード14による払拭動作を行う。このとき、コントローラ30は、上述したように、上反転位置及び下反転位置の各々に到達する直前の予め定めた位置でウォッシャ液の噴射を停止し、各反転位置で噴射するノズルを切り替えてから噴射を再開することにより、無駄なウォッシャ液の噴射を防止している。このように第4工程のブレード先端塗り広げ工程では、第1工程よりも速い払拭速度(第3の速度)で払拭動作が行われるので、慣性力によってワイパブレード14の先端までウォッシャ液が塗り広げられ、第1工程よりも広範囲にウォッシャ液が塗り広げられる。また、ウォッシャ液の塗り広げと共に、上記第1乃至第3工程で取り除かれた霜の清掃をも行うことができる。
【0056】
次に、第4工程の値に続く第5工程として、第2工程と同様のウォッシャ液浸透工程を行う。すなわち、ウォッシャ液を霜に浸透させるために、ウォッシャ液の噴射を停止すると共に、下反転位置でワイパブレード14による払拭動作を停止したまま所定時間待機するようにコントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。
【0057】
そして、第5工程の後に続いて第6工程として霜削ぎ取り拭上げ工程を行う。具体的には、ワイパブレード14の先端部における霜を削ぎ取るために、第3工程と同様、ウォッシャ液を噴射せずにワイパブレード14の払拭速度を上述の第1の速度でワイパブレード14を1往復行うように、コントローラ30がワイパモータ32を制御する。すなわち、ウインドシールドガラスWG表面とワイパブレード14との接触を高めて(摩擦を大きくして)摺接させ、ウインドシールドガラスWG上、特に、上部に配置された車載カメラの位置に対応する部分(ワイパブレード14の先端部で払拭される部位)の霜を削ぎ取り、除去する。なお、第6工程の霜削ぎ取り工程においてウォッシャ液も噴射するようにしてもよい。また、第3工程同様、第6工程でのワイパブレード14の払拭速度を、上述の第1の速度よりもさらに遅い第2の速度として払拭動作させても良い。
【0058】
このように、本実施形態では、上述の初期工程から第6工程までを1サイクルとしてワイパブレード14による払拭動作とウォッシャ液の噴射とを組み合わせた霜取り動作を行うことにより、ウインドシールドガラスWG表面の霜を容易に取り除くことができる。
【0059】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置50で行われる具体的な処理の流れについて説明する。
図5は、本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置50において、霜取りスイッチ40が操作されて霜取りが指示された場合にコントローラ30で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0060】
まず、ステップ100では、コントローラ30がシフトポジションセンサ42の検出結果からシフトがPレンジであるか否かを判定する。該判定が否定された場合には肯定されるまで待機してステップ102へ移行する。なお、当該判定は、車速センサの情報を取得して、車速が所定車速以下であるか否かをステップ100の代わりに判定してもよい。或いは、Pレンジかつ所定の低車速以下であるか否かを判定してもよい。
【0061】
ステップ102では、霜取り動作を行うように、コントローラ30がワイパモータ32及びウォッシャポンプ34の制御を開始してステップ104へ移行する。すなわち、初期工程、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程、第5工程、及び第6工程を順に開始する。これにより、初期工程により、ウォッシャ液をワイパブレード14に滞留させてウインドシールドガラスWGに拡散することができる。また、第1工程により、ウインドシールドガラスWGのワイパブレード14による払拭範囲の霜に対してウォッシャ液を塗り広げることができる。また、第2工程により、塗り広げられたウォッシャ液を霜に浸透させることができる。また、第3工程により、ワイパブレード14のウインドシールドガラスWG表面との間の接触を高め(摩擦を大きくし)てウインドシールドガラスWG上の霜を削ぎ取ることができる。また、第4工程により、払拭速度を高めて塗り広げ時の慣性力でウインドシールドガラスWGの上部へもウォッシャ液を塗り広げることができる。また、第5工程により、ウインドシールドガラスWGの上部の霜に対してウォッシャ液を浸透させることができる。そして、第6工程により、ウインドシールドガラスWGの上部の霜を削ぎ取って拭上げることができる。従って、一連の霜取り動作により簡単に霜取りを行うことができる。なお、霜取り動作を行う場合には、コンビネーションメータ等にインジケータ等を設けて霜取り動作中であることを報知してもよい。また、霜取り動作と同時に空調装置のデフロスター(DEF)を作動させてもよい。デフロスターを同時に作動させることで、ウインドシールドガラスWGへの空調風の吹き出しによっても、霜を解凍して霜取り動作を補助することができる。
【0062】
ステップ104では、霜取りスイッチ40がオフされたか否かをコントローラ30が判定する。該判定が肯定された場合にはステップ106へ移行し、否定された場合にはステップ108へ移行する。
【0063】
ステップ106では、 コントローラ30が、以降の霜取り動作の制御を停止した後に、ワイパブレード14による払拭動作を1往復してワイパアーム12が格納位置へ移動するように、ワイパモータ32を制御して一連の処理を終了する。これにより、霜取り動作を終了する際には、1往復の仕上げ拭きが行われることになり、視界を良好にすることができる。
【0064】
一方、ステップ108では、1サイクルの霜取り動作が終了したか否かをコントローラ30が判定する。すなわち、上述の初期工程、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程、第5工程、及び第6工程を全て終了したか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ104に戻って上述の処理を繰り返し、肯定された場合に一連の処理を終了する。
【0065】
このように、本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置50では、上述の一連の霜取り動作を行うことで、手間をかけることなく簡単にウインドシールドガラスWG上の霜を除去することができる。
【0066】
なお、上記の実施形態における1サイクルの霜取り動作は、上記に限るものではない。例えば、第1工程、第2工程、及び第3工程までを1サイクルの霜取り動作としても霜取り効果を得ることができる。或いは、初期工程、第1工程、第2工程、及び第3工程までを1サイクルの霜取り動作としても霜取り効果を得ることができる。或いは、第1工程、第2工程、第3工程、及び第4工程までを1サイクルの霜取り動作としても霜取り効果を得ることができる。或いは、初期工程、第1工程、第2工程、第3工程、及び第4工程までを1サイクルの霜取り動作としても霜取り効果を得ることができる。或いは、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程、第5工程、及び第6工程を1サイクルの霜取り動作としても霜取り効果を得ることができる。
【0067】
また、上記の実施形態における1サイクルの霜取り動作は、
図6に示すような動作としてもよい。
図6には、本実施形態に係るワイパ・ウォッシャ制御装置による霜取り動作の変形例を説明するための図である。なお、
図6の1サイクルの霜取り動作は、一例として約1分以内の動作であるものとする。また、上記の実施形態では、ワイパブレード14による払拭動作の速度として、間欠動作、低速、中速、及び高速の4種類である場合を説明したが、
図6の霜取り動作では、さらに低速より遅い超低速を有するものとして説明する。なお、
図6では、ウォッシャ液の噴射は、噴射と停止のみを示し、噴射方向は、基本的には、ワイパブレード14の回動方向に噴射するものとする。
【0068】
図6の霜取り動作では、ウォッシャ液を払拭面に所定時間噴射してワイパブレード14による払拭動作を行う第1工程に対応する高速作動液噴射工程を行う。高速作動液噴射工程は、具体的には、ワイパブレード14による払拭動作を行わずにウォッシャ液のみをワイパブレード14の往路回動側に所定時間噴射する。その後、ウォッシャ液を噴射しながらのワイパブレード14による往復の払拭動作を高速で行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。また、ウォッシャ液の噴射は、始めにワイパブレード14の回動方向に噴射する。そして、ウォッシャ液を噴射しながらの払拭動作の際にはワイパブレード14の回動方向へウォッシャ液を噴射する。また、上反転位置及び下反転位置の各々の到達前の予め定めた位置でウォッシャ液の噴射を停止し、各反転位置で噴射するノズルを切り替えてから噴射を再開する。これにより、ワイパブレード14が停止位置に停止している状態でウォッシャ液をワイパブレード13の長手方向にしっかりと行きわたらせた後に、続く払拭動作により乾拭きすることなくガラス表面全体にウォッシャ液を行きわたらせることができる。
【0069】
続いて、ワイパブレードによる払拭動作における往復の反転位置で払拭動作を所定時間停止させる第2工程に対応する停止工程を行う。ここでの停止工程は、具体的には、下反転位置において、払拭動作及びウォッシャの噴射の各々を行わずに停止するように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。これにより、噴射したウォッシャ液をガラス表面に浸透させることができる。
【0070】
次に、ウォッシャ液を払拭面に所定時間噴射してワイパブレード14による払拭動作を行う第1工程に対応する中速作動液噴射工程を行う。中速作動液噴射工程は、具体的には、ウォッシャ液を噴射しながらのワイパブレード14による往路側への払拭動作を中速で行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。この時のウォッシャ液の噴射はワイパブレード14の回動方向であるワイパブレード14の往路側へ噴射する。
【0071】
続いて、ワイパブレードによる払拭動作における往復の反転位置で払拭動作を所定時間停止させる第2工程に対応する停止工程を再び行う。ここでの停止工程は、具体的には、上反転位置において、払拭動作及びウォッシャの噴射の各々を行わずに停止するように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。また、停止している時間は、下反転位置における停止工程の停止時間より長い時間停止する。これにより、噴射したウォッシャ液をガラス表面に浸透させると共に、ワイパブレード14に沿って噴射したウォッシャ液が流れ落ちることで、ワイパブレード14に沿って霜を溶かしてガラスにワイパブレード14を当接し易くする。
【0072】
次に、ウォッシャ液を払拭面に所定時間噴射してワイパブレード14による払拭動作を行う第1工程に対応する中速作動液噴射工程を行う。ここでの中速作動液噴射工程は、具体的には、ウォッシャ液を噴射しながらのワイパブレード14による復路側への払拭動作を中速で行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。この時のウォッシャ液の噴射はワイパブレード14の回動方向であるワイパブレード14の復路側へ噴射する。このように、上反転位置における停止工程を行うことにより、ワイパブレード14とガラスとが当接し、霜を効率的に払拭することができる。
【0073】
続いて、ワイパブレードによる払拭動作における往復の反転位置で払拭動作を所定時間停止させる第2工程に対応する停止工程を再び行う。停止工程は、具体的には、下反転位置において、払拭動作及びウォッシャの噴射の各々を行わずに停止するように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。これにより、再び噴射したウォッシャ液をガラス表面に浸透させる。
【0074】
次に、ウォッシャ液を払拭面に所定時間噴射してワイパブレード14による払拭動作を行う第1工程に対応する超低速作動液噴射工程を行う。超低速作動液噴射工程は、具体的には、ウォッシャ液を噴射しながらのワイパブレード14による往路側への払拭動作を超低速で行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。この時のウォッシャ液の噴射は、ワイパブレード14の回動方向であるワイパブレード14の往路側へ噴射する。これにより、ガラスの霜をそぎ落とすことができる。特に、正面を撮影するためのカメラ等がガラスの上方部分にある場合には、カメラ付近に付着した霜をそぎ落とすことができ、カメラの撮影視界を確保することができる。
【0075】
続いて、ワイパブレードによる払拭動作における往復の反転位置で払拭動作を所定時間停止させる第2工程に対応する停止工程を再び行う。ここでの停止工程は、具体的には、上反転位置において、払拭動作及びウォッシャの噴射の各々を行わずに停止するように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。また、停止している時間は、下反転位置における停止工程の停止時間より長い時間停止する。
【0076】
次に、ウォッシャ液を払拭面に所定時間噴射してワイパブレード14による払拭動作を行う第1工程に対応する超低速作動液噴射工程を行う。ここでの超低速作動液噴射工程は、具体的には、ウォッシャ液を噴射しながらのワイパブレード14による復路側への払拭動作を超低速で行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。この時のウォッシャ液の噴射は、ワイパブレード14の回動方向であるワイパブレード14の復路側へ噴射する。これにより、ガラスの霜をそぎ落とすことができる。特に、正面を撮影するためのカメラ等がガラスの上方部分にある場合には、カメラ付近に付着した霜をそぎ落とすことができる。
【0077】
続いて、ワイパブレードによる払拭動作における往復の反転位置で払拭動作を所定時間停止させる第2工程に対応する停止工程を再び行う。停止工程は、具体的には、下反転位置において、払拭動作及びウォッシャの噴射の各々を行わずに停止するように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。
【0078】
そして、ウォッシャ液の噴射を停止して払拭動作を行う第3工程に対応する超低速拭上げ工程を行う。超低速拭上げ工程は、具体的には、ウォッシャ液を噴射せずに、ワイパブレード14による往復の払拭動作を行うように、コントローラ30がウォッシャポンプ34及びワイパモータ32を制御する。これにより、超低速でガラス表面全体を拭上げることができる。
【0079】
その後、格納位置にワイパブレード14を移動するように、コントローラ30がワイパモータ32を制御して1サイクルの霜取り動作を終了する。
【0080】
このような霜取り動作を上記の実施形態における霜取り動作の代わりに実行することで上記の実施形態と同様に、手間をかけることなく簡単にウインドシールドガラスWG上の霜を除去することができる。
【0081】
なお、
図6では、上反転位置及び下反転位置の双方の反転位置で第2工程に対応する停止工程を行う例を示したが、上反転位置又は下反転位置で第2工程に対応する停止工程を行うようにしてもよい。
【0082】
また、本実施形態では、ウォッシャ液を噴射するノズルをワイパアーム12に設けたワイパ装置を制御対象の一例として説明したが、これに限るものではない。例えば、ノズルをワイパアーム12ではなく、ワイパブレード14に設けたワイパ装置を制御対象としてもよい。或いは、車両のエンジンフード等に設けたノズルからウォッシャ液を噴射するウォッシャ装置と連動可能な一般的なワイパ装置を制御対象として上述の霜取り動作を行っても同様の効果を得ることができる。
【0083】
また、本実施形態では、下反転位置よりも車両下側の格納位置にワイパアーム12を移動する構成のワイパ装置を一例として説明したが、格納位置と下反転位置が同じ位置の構成のワイパ装置を適用してもよい。
【0084】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。