【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成の符号を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0008】
第1の発明は、
壁材(22)と下地フレーム(23)とを有する複数の外壁パネル(21)を横並びに固定して構成される建物外壁部(20)に適用され、隣り合う前記外壁パネルにおいて前記壁材及び前記下地フレームの間に形成される目地(27)の止水構造であって、
上部が前記壁材と前記下地フレームとの間に固定されるとともに、下部が前記壁材の下方に垂れ下がって設けられる壁下シート(33)と、
前記外壁パネルの間に形成される目地の下方において隣り合う前記壁材の前記各壁下シートに跨がるようにして屋外側から貼り付けられる止水シート(36)と、
前記目地において、少なくとも目地奥側の先端部が前記下地フレームの間に入り込むようにして設けられる定形シール(32)と、
を備え、
前記止水シートは、伸縮変形可能なシート材よりなり、前記壁材の下端に沿って貼り付けられており、
前記定形シールは、前記壁材より下方に延びる部位を有し、当該部位により前記止水シートを前記壁材の裏面よりも奥側に押し込んだ状態で取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
上記の止水構造では、隣り合う外壁パネルにより形成される目地に、下地フレーム間の隙間に入り込むようにして定形シールが取り付けられている。また、目地の下方において、各壁下シートに跨がるようにしてそれら各壁下シートに止水シートが貼り付けられている。また特に、定形シールは、壁材より下方に延びる部位を有し、当該部位により止水シートを壁材の裏面よりも奥側に押し込んだ状態で取り付けられている。かかる場合、壁材の下方領域において止水シートの伸縮性を利用して止水シートを定形シールに密着させることができ、ひいては壁下シート間における止水性能の向上を図ることができる。このとき、目地の下方は左右の壁下シートの分かれ目となっており、定形シールにより止水シートを押し込み変形させる上で好適である。その結果、簡易な構成を用いつつも止水を適切に行わせることができる。
【0010】
第2の発明は、前記止水シートは、上部に突起部(36a)を有しており、その突起部が前記目地内に入り込む構成となっていることを特徴とする。
【0011】
止水シートの上部に形成された突起部が目地内に入り込む構成としたため、目地内においても止水シートを定形シールに密着させることができる。これにより、定形シールに対して止水シートを密着させる領域(上下長さ)を大きくすることができ、止水性能の一層の向上を実現できる。
【0012】
第3の発明は、前記下地フレームは、前記壁材よりも下方に延びる部位を有しており、前記止水シートは、前記壁下シートの屋外側において前記下地フレームに対して壁厚み方向に重複する範囲で貼り付けられていることを特徴とする。
【0013】
止水シートを、壁下シートの屋外側において下地フレームに対して壁厚み方向に重複する範囲で貼り付ける構成としたため、止水シートが、外壁パネル間に挟まれた状態で奥側に伸張変形するものとなっている。この場合、止水シートは、定形シールを取り囲むように変形することとなり、定形シールに対する止水シートの密着性を高めることができる。これにより、止水性能の一層の向上を実現できる。
【0014】
第4の発明は、前記目地内に、隣り合う前記壁材の間に配置される一次シール部材(31)と、隣り合う前記下地フレームの間に配置される二次シール部材(32)とが設けられる止水構造であって、前記定形シールは、前記二次シール部材により構成されていることを特徴とする。
【0015】
目地内に一次シール部材と二次シール部材とが設けられる止水構造において、定形シールが二次シール部材により構成されるものとした。この場合、一次シール部材及び二次シール部材を用いた簡易な構成を用いつつも、優れた止水構造を実現できる。
【0016】
第5の発明は、複数の建物ユニット(15)を連結して構築されるユニット式建物(10)において、前記各建物ユニットに固定された前記外壁パネルより構成される前記建物外壁部に適用され、前記建物ユニットどうしを連結することに伴い前記外壁パネル間に前記目地が形成され、その目地内に前記一次シール部材と前記二次シール部材とが設けられていることを特徴とする。
【0017】
ユニット式建物においては、複数の建物ユニットを連結することに伴い外壁パネル間の目地が形成される。ここで、ユニット境界部の目地では他の部位の目地とは異なり、下地フレーム間の隙間が比較的大きくなることを考慮しつつ、目地内に一次シール部材と二次シール部材とを設けることで適正な止水構造を実現できる。この場合、上述の定形シールを二次シール部材として設けることとしたため、ユニット境界部の目地において一層適正な止水構造を実現できる。ユニット式建物の施工に際しては、止水処理に関する作業性を大いに向上させることができる。
【0018】
第6の発明は、
壁材(22)と下地フレーム(23)とを有する複数の外壁パネル(21)を横並びに固定して構成される建物外壁部(20)に適用され、隣り合う前記外壁パネルにおいて前記壁材及び前記下地フレームの間に形成される目地(27)に対して止水処理を実施する外壁目地の止水処理方法であって、
前記外壁パネルは、上部が前記壁材と前記下地フレームとの間に固定されるとともに、下部が前記壁材の下方に垂れ下がって設けられる壁下シート(33)を備えており、
伸縮変形可能なシート材よりなる止水シート(36)を、前記外壁パネルの間に形成される目地の下方において隣り合う前記壁材の前記各壁下シートに跨がるようにして、前記壁材の下端に沿って屋外側から貼り付けるシート貼付処理と、
その後、定形シール(32)を、前記定形シールの下端部が前記壁材よりも下方となり、かつ、当該下方となる部位により前記止水シートを前記壁材の裏面よりも目地奥側に押し込んだ状態で、前記目地内に取り付けるシール取付処理と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
上記の止水処理方法では、隣り合う外壁パネルにより形成される目地に、下地フレーム間の隙間に入り込むようにして定形シールが取り付けられる。また、目地の下方において、各壁下シートに跨がるようにしてそれら各壁下シートに止水シートが貼り付けられる。また特に、定形シールの取り付けに際しては、下端部が壁材よりも下方となり、かつ、当該下方となる部位により止水シートを壁材の裏面よりも目地奥側に押し込んだ状態で、定形シールが目地内に取り付けられる。かかる場合、壁材の下方領域において止水シートの伸縮性を利用して止水シートを定形シールに密着させることができ、ひいては壁下シート間における止水性能の向上を図ることができる。このとき、目地の下方は左右の壁下シートの分かれ目となっており、定形シールにより止水シートを押し込み変形させる上で好適である。その結果、簡易な構成を用いつつも止水を適切に行わせることができる。
【0020】
第7の発明は、前記下地フレームは、前記壁材よりも下方に延びる部位を有しており、前記シート貼付処理では、前記壁下シートの屋外側において前記下地フレームに対して壁厚み方向に重複する範囲で前記止水シートを貼り付けることを特徴とする。
【0021】
止水シートを、壁下シートの屋外側において下地フレームに対して壁厚み方向に重複する範囲で貼り付ける構成としたため、止水シートが、外壁パネル間に挟まれた状態で奥側に伸張変形するものとなっている。この場合、止水シートは、定形シールを取り囲むように変形することとなり、定形シールに対する止水シートの密着性を高めることができる。これにより、止水性能の一層の向上を実現できる。