特許第6702826号(P6702826)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702826
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】無停電電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20200525BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H02J9/06 120
   G06F1/26 303
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-162536(P2016-162536)
(22)【出願日】2016年8月23日
(65)【公開番号】特開2017-85870(P2017-85870A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2018年12月18日
(31)【優先権主張番号】201510715092.6
(32)【優先日】2015年10月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】318004903
【氏名又は名称】クラウド ネットワーク テクノロジー シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】▲セン▼ 弘州
(72)【発明者】
【氏名】魏 ▲ショウ▼科
(72)【発明者】
【氏名】劉 敬堂
(72)【発明者】
【氏名】▲イン▼ 耀慶
【審査官】 羽鳥 友哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−023593(JP,A)
【文献】 特開平06−225479(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 9/06
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置に給電することに用いられ、メイン給電ユニット、サブ給電ユニット及び無停電電源を備え、前記メイン給電ユニットは、商用電力を前記無停電電源及び前記サブ給電ユニットに給電する無停電電源システムにおいて、
前記サブ給電ユニットには、サブ静止切換スイッチが設置されており、前記サブ静止切換スイッチの第一入力端子は、前記無停電電源の出力を受け取り、前記サブ静止切換スイッチの第二入力端子は、前記商用電力に接続し、前記サブ静止切換スイッチの出力端子と前記無停電電源の出力端子とは、前記電子装置に接続し、前記無停電電源が正常に作動する際、前記サブ静止切換スイッチは、前記サブ静止切換スイッチの第一入力端子を前記サブ静止切換スイッチの出力端子に接続し、前記無停電電源が不正常に作動する際、前記サブ静止切換スイッチは、前記サブ静止切換スイッチの第二入力端子を前記サブ静止切換スイッチの出力端子に接続し、
前記無停電電源は、給電モジュールを含み、前記給電モジュールの内部には、直交変換器、静止電力切換スイッチが設置されており、前記静止電力切換スイッチの第1入力端子は、前記直交変換器に接続し、前記静止電力切換スイッチの第2入力端子は、前記給電モジュールの入力端子に接続し、前記静止電力切換スイッチの出力端子は、前記給電モジュールの出力端子接続しており、前記静止電力切換スイッチの第1入力端子及び第2入力端子が両方とも入力がある場合、前記静止電力切換スイッチの出力端子は前記静止電力切換スイッチの第1出力端子に接続することを特徴とする無停電電源システム。
【請求項2】
前記メイン給電ユニットは、第一自動切換スイッチを備え、前記第一自動切換スイッチは、前記商用電力に接続するメイン入力端子、発電装置に接続するサブ入力端子、及び前記無停電電源に接続する出力端子を備え、前記メイン入力端子及び前記サブ入力端子がそれぞれ入力する際、前記出力端子は、前記メイン入力端子に接続し、前記メイン入力端子が入力せず、前記サブ入力端子だけ入力する際、前記出力端子は、前記サブ入力端子に接続することを特徴とする請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項3】
前記メイン給電ユニットは、第一サージ防護装置を備え、前記第一サージ防護装置は、前記第一自動切換スイッチの出力端子に接続して、前記第一自動切換スイッチの出力端子の出力電圧及び出力電流が突変する際、前記メイン給電ユニットを保護することを特徴とする請求項2に記載の無停電電源システム。
【請求項4】
前記メイン給電ユニットは、電力計を備え、前記電力計は、前記第一自動切換スイッチの出力端子に接続して、前記第一自動切換スイッチの出力端子の出力電圧及び出力電流を測量することを特徴とする請求項2に記載の無停電電源システム。
【請求項5】
記給電モジュールの内部には、整流器がさらに設置されており、前記整流器は、前記商用電力を直流電流に変換し、前記直交変換器は、直流電流を安定的な交流電流に出力することを特徴とする請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項6】
前記無停電電源は、バッテリーモジュールを備え、前記整流器が切換した直流電流を前記バッテリーモジュールに給電して充電し、前記商用電力が停電した場合、前記バッテリーモジュールが給電することを特徴とする請求項5に記載の無停電電源システム。
【請求項7】
前記給電モジュールは、電池を備え、前記電池は、前記整流器及び前記直交変換器に電力を提供することを特徴とする請求項5に記載の無停電電源システム。
【請求項8】
前記サブ給電ユニットは、第二自動切換スイッチを備え、前記第二自動切換スイッチは、前記無停電電源に接続するメイン入力端子、発電装置に接続するサブ入力端子、及び前記サブ静止切換スイッチの第一入力端子に接続する出力端子を備え、前記メイン入力端子及び前記サブ入力端子がそれぞれ入力する際、前記第二自動切換スイッチの出力端子は、前記メイン入力端子に接続し、前記メイン入力端子が入力せず、前記サブ入力端子だけ入力する際、前記第二自動切換スイッチの出力端子は、前記サブ入力端子に接続することを特徴とする請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項9】
前記サブ給電ユニットは、第二サージ防護装置を備え、前記第二サージ防護装置は、前記サブ静止切換スイッチの出力端子に接続して、前記サブ静止切換スイッチの出力端子の出力電圧或いは出力電流が突変する際、前記サブ給電ユニットを保護することを特徴とする請求項8に記載の無停電電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関し、特に無停電電源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子及び通信システムの動作過程中、無停電的に電源を提供することは、電子及び通信システムの正常動作を維持するための基本条件である。しかし、従来の商用電源システムは、配電線の切断及び短絡による事後の影響を受けて、電源が降圧するか、或いは給電が停止する異常状態が発生するので、給電品質に影響を与える。したがって、無停電電源(uninterruptible power supply,UPS)システムは、ユーザ端末に採用されて、電源異常の問題を解決する。しかし、無停電電源も故障が発生して、電子及び通信システムの動作が中断される恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、無停電電源が故障した場合にも給電できる無停電電源システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明の無停電電源システムは、電子装置に給電することに用いられ、メイン給電ユニット、サブ給電ユニット及び無停電電源を備え、メイン給電ユニットは、商用電力を無停電電源及びサブ給電ユニットに給電し、サブ給電ユニットは、サブ静止切換スイッチが設置されており、サブ静止切換スイッチの第一入力端子は、無停電電源の出力を受け取り、サブ静止切換スイッチの第二入力端子は、商用電力に接続し、サブ静止切換スイッチの出力端子と無停電電源の出力端子とは、電子装置に接続し、無停電電源が正常に作動する際、サブ静止切換スイッチは、サブ静止切換スイッチの第一入力端子をサブ静止切換スイッチの出力端子に接続し、無停電電源が不正常に作動する際、サブ静止切換スイッチは、サブ静止切換スイッチの第二入力端子をサブ静止切換スイッチの出力端子に接続する。
【発明の効果】
【0005】
本発明の無停電電源システムは、無停電電源が故障した場合にも正常に給電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る無停電電源システムの構造図である。
図2図1は無停電電源システムの回路図である。
図3図2は無停電電源システムの給電モジュールの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面に基づいて、本発明に係る無停電電源システムについて詳細に説明する。図1を併せて参照すると、本発明に係る無停電電源システムは、電子装置90に給電することに用いられる。該無停電電源システムは、メイン給電ユニット10、サブ給電ユニット30、発電装置50及び無停電電源70を備える。
【0008】
図2を併せて参照すると、メイン給電ユニット10は、第一接続箱11、第一自動切換スイッチ12、電力計13及び第一サージ防護装置14を備える。第一自動切換スイッチ12は、メイン入力端子M、サブ入力端子S及び出力端子Oを備える。第一自動切換スイッチ12において、メイン入力端子M及びサブ入力端子Sがそれぞれ入力する際、出力端子Oは、メイン入力端子Mに接続する。メイン入力端子Mが入力せず、サブ入力端子Sだけ入力する際、出力端子Oは、サブ入力端子Sに接続する。
【0009】
第一 接続箱11には、第一空気遮断器111及び第二空気遮断器112が設けられ、第一空気遮断器111は、商用電力と第一自動切換スイッチ12のメイン入力端子Mとを接続させ、第二空気遮断器112は、発電装置50と第一自動切換スイッチ12のサブ入力端子Sとを接続させる。電力計13は、第一自動切換スイッチ12の出力端子Oに接続して、出力端子Oの出力電圧及び出力電流を測量する。第一サージ防護装置14は、第一自動切換スイッチ12の出力端子Oに接続して、第一自動切換スイッチ12の出力端子Oの出力電圧及び出力電流が突変する際、メイン給電ユニット10を保護する。
【0010】
図2及び図3を併せて参照すると、無停電電源70は、給電モジュール71及びバッテリーモジュール72を備える。給電モジュール71は、入力端子711、出力端子712及びバッテリー接続端子713を備える。給電モジュール71の内部には、整流器714、直交変換器715、静止電力切換スイッチ716及び電池717が設置されている。電池717は、給電モジュール71の整流器714及び直交変換器715の正常の動作ために電力を提供する。整流器714は、交流電流を直流電流に変換し、直交変換器715は、直流電流を安定的な交流電流に出力する。静止電力切換スイッチ716は、第一入力端子A、第二入力端子B及び出力端子Cを備える。第一入力端子A及び第二入力端子Bがそれぞれ入力する際、出力端子Cは、第一入力端子Aに接続する。第一入力端子Aが入力せず、第二入力端子Bだけ入力する際、出力端子Cは、第二入力端子Bに接続する。静止電力切換スイッチ716の切換時間は、短くて、ほぼ4秒である。
【0011】
給電モジュール71の入力端子711は、整流器714に接続し、整流器714は、入力した交流電流を直流電流に切換し、直交変換器715は、整流器714に接続して、直流電流を安定的な交流電流に切換し、且つ該交流電流を静止電力切換スイッチ716の第一入力端子Aに出力する。静止電力切換スイッチ716の第二入力端子Bは、直接に給電モジュール71の入力端子711に接続し、静止電力切換スイッチ716の出力端子Cは、給電モジュール71の出力端子712に接続し、給電モジュール71のバッテリー接続端子713は、整流器714をバッテリーモジュール72に接続させる。したがって、整流器714が切換した直流電流をバッテリーモジュール72に給電して充電する。
【0012】
給電モジュール71の内部には、無停電電源点検スイッチ719が設けられ、無停電電源点検スイッチ719は、常開型スイッチであり、且つ給電モジュール71の入力端子711と出力端子712との間に接続する。無停電電源70を点検する際、無停電電源点検スイッチ719をオンして、給電モジュール71の内部及びバッテリーモジュール72に対して停電の点検を行う。
【0013】
図3を併せて参照すると、給電モジュール71の出力端子712は、電子装置90と接続して、電子装置90に給電する。本実施形態において、電子装置90は、サーバキャビネット、サーバ冷却システム、或いは他の電子装置を備える。
【0014】
給電モジュール71の出力端子712は、サブ給電ユニット30に接続し、サブ給電ユニット30は、第二接続箱31、第二自動切換スイッチ32及びサブ静止切換スイッチ33を備える。第二自動切換スイッチ32の構造は、第一自動切換スイッチ12の構造と同じであり、サブ静止切換スイッチ33の構造は、静止電力切換スイッチ716の構造と同じである。サブ静止切換スイッチ33の切換時間は短くて、ほぼ4秒である。
【0015】
第二接続箱31には、第三空気遮断器311及び第四空気遮断器312が設けられる。第三空気遮断器311は、発電装置50を第二自動切換スイッチ32のサブ入力端子Sに接続させ、第二自動切換スイッチ32のメイン入力端子Mは、給電モジュール71の出力端子712に接続し、第二自動切換スイッチ32の出力端子Oは、サブ静止切換スイッチ33の第一入力端子Aに接続する。商用電力は、第四空気遮断器312によってサブ静止切換スイッチ33の第二入力端子Bに接続し、第二サージ防護装置34は、サブ静止切換スイッチ33の出力端子Cに接続して、サブ静止切換スイッチ33の出力電圧或いは出力電流が突変する際、サブ給電ユニット30を保護する。サブ静止切換スイッチ33の出力端子Cと給電モジュール71の出力端子712とは、電子装置90と並列に接続して、電子装置90に給電する。
【0016】
無停電電源システムが作動する際、商用電力が正常に給電する状況下で、商用電力は、メイン給電ユニット10の第一接続箱11及び第一自動切換スイッチ12によって、無停電電源70の給電モジュール71の入力端子711に給電する。整流器714は、商用電力を直流電流に切換して、バッテリーモジュール72に充電する。直交変換器715は、直流電流を安定的な交流電流に切換し、出力端子712は、安定的な交流電流を電子装置90及びサブ給電ユニット30に提供する。サブ給電ユニット30の第二自動切換スイッチ32及びサブ静止切換スイッチ33は、出力端子712が出力した電力を給電モジュール71と並列に接続している電子装置90に給電する。
【0017】
商用電力が停電した状況下で、無停電電源70のバッテリーモジュール72は、給電モジュール71に給電し、給電モジュール71の出力端子712は、バッテリーモジュール72の電力を電子装置90に給電し、且つバッテリーモジュール72が提供した電力を同時にサブ給電ユニット30にも給電する。サブ給電ユニット30の第二自動切換スイッチ32及びサブ静止切換スイッチ33は、出力端子712が出力した電力を給電モジュール71の出力端子712と並列に接続している電子装置90に給電するため、電子装置90が中断することを防止する。しかし、バッテリーモジュール72のエネルギー貯蔵が限られているため、商用電力が停電した後、発電装置50が作動し、発電装置50が発電した電力をメイン給電ユニット10の第一接続箱11及び第一自動切換スイッチ12によって無停電電源70の給電モジュール71の入力端子711に給電する。この際、無停電電源70のバッテリーモジュール72は、給電を中止し、且つ充電を始める。無停電電源70の給電モジュール71は、発電装置50が発電した電力を安定的に処理した後、出力端子712によって電子装置90に給電し、且つサブ給電ユニット30にも給電する。サブ給電ユニット30は、給電モジュール71の出力端子712と共に電子装置90と並列に接続し、且つ電子装置90に給電する。
【0018】
商用電力が正常に作動する状況下で、無停電電源70が故障した場合、商用電力が給電モジュール71の給電モジュール71によって電子装置90に給電することができない。この際、サブ給電ユニット30のサブ静止切換スイッチ33の第二入力端子Bは、サブ給電ユニット30のサブ静止切換スイッチ33の出力端子Cに接続して、商用電力をサブ給電ユニット30のサブ静止切換スイッチ33によって電子装置90に給電する。しかし、商用電力は、通常不安定なので、無停電電源システムは、無停電電源70が故障によって正常に作動できないことを検出した後、素早く発電装置50を作動させる。発電装置50が発電した電力をサブ給電ユニット30の第二自動切換スイッチ32及びサブ静止切換スイッチ33によって、電子装置90に給電する。
【0019】
本発明の無停電電源システムにおいて、無停電電源70が故障した際、サブ給電ユニット30のサブ静止切換スイッチ33は、短時間内に商用電力を直接に電子装置90に給電して、無停電電源70の原因で電子装置90の作動が中止することを防止する。
【符号の説明】
【0020】
10 メイン給電ユニット
11 第一接続箱
111 第一空気遮断器
112 第二空気遮断器
12 第一自動切換スイッチ
13 電力計
14 第一サージ防護装置
30 サブ給電ユニット
31 第二接続箱
311 第三空気遮断器
312 第四空気遮断器
32 第二自動切換スイッチ
33 サブ静止切換スイッチ
34 第二サージ防護装置
50 発電装置
70 無停電電源
71 給電モジュール
72 バッテリーモジュール
711 入力端子
712 出力端子
713 バッテリー接続端子
714 整流器
715 直交変換器
716 静止電力切換スイッチ
717 電池
719 無停電電源点検スイッチ
90 電子装置
A 第一入力端子
B 第二入力端子
C 出力端子
M メイン入力端子
S サブ入力端子
O 出力端子
図1
図2
図3