特許第6702845号(P6702845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702845
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】電子キーシステム
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20200525BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20200525BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   E05B49/00 K
   B60R25/24
   H04Q9/00 301B
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-212194(P2016-212194)
(22)【出願日】2016年10月28日
(65)【公開番号】特開2018-71190(P2018-71190A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岩下 明暁
(72)【発明者】
【氏名】大屋 佳之
(72)【発明者】
【氏名】内木 一輝
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3909226(JP,B2)
【文献】 特許第5425446(JP,B2)
【文献】 特許第5772536(JP,B2)
【文献】 特許第6003938(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0004917(US,A1)
【文献】 特開2005−98847(JP,A)
【文献】 特開2015−113644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00−49/04
B60R 25/24
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載機と、ユーザに携帯される電子キーとを備え、前記車載機からの複数の要求信号に対して前記電子キーからそれぞれ送信される応答信号に基づいて正規通信か否かの正否判定を行う電子キーシステムにおいて、
前記複数の要求信号のうちの少なくとも一を送信する送信アンテナの位置を基準として前記電子キーの位置を判別するキー位置判別部を備え、
前記車載機には、測距要求信号を送信するとともに該測距要求信号に対する測距応答信号を受信する測距要求部、及び前記測距要求信号を受信するとともに該測距要求信号に応じて前記測距応答信号を送信する測距応答部のいずれか一方が設けられ、
前記電子キーには、前記測距要求部及び前記測距応答部の他方が設けられ、
前記正否判定において正規通信であると判定する条件に、前記測距要求信号及び前記測距応答信号に基づいて測定した前記測距要求部から前記測距応答部までの測定距離が、前記キー位置判別部により前記電子キーが位置すると判別された前記送信アンテナの通信エリアから前記車載機に設けられる前記測距要求部及び前記測距応答部のいずれか一方までの距離に基づいて設定される閾値範囲内にあることを含む電子キーシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子キーシステムにおいて、
前記測距要求信号及び前記測距応答信号として、超広帯域無線の信号を用いる電子キーシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子キーシステムにおいて、
前記キー位置判別部は、前記車両における異なる位置に設けられる複数の前記送信アンテナを有する電子キーシステム。
【請求項4】
請求項3に記載の電子キーシステムにおいて、
前記複数の送信アンテナは、該送信アンテナと前記車載機に設けられる前記測距要求部及び前記測距応答部のいずれか一方との離間距離がそれぞれ異なるように前記車両に設けられる電子キーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子キーシステムでは、電子キー及び車両間でのIDコードを含む各種信号の送受信を通じたIDコード等の各照合に基づいて正規通信か否かの正否判定を行い、各照合が成立して正規通信であると判定されたときに車両ドア錠の施解錠、エンジン始動等を可能とするものがある。例えば特許文献1に示される電子キーシステムにおいては、車内に通信エリアを形成する車内アンテナと、車両周辺に通信エリアを形成する車外アンテナとが車両に設けられている。そして、車外通信エリアに存在する電子キーと車両との通信を通じてIDコードの照合等(車外照合)が成立したときには、ドアロックの施錠状態を切り替える制御がされる。一方、車内通信エリアに存在する電子キーと車両との通信を通じてIDコードの照合等(車内照合)が成立したときには、エンジンの始動が許可される。
【0003】
ところで、近年の通信技術の発達により、車両から遠く離れた位置に存在する電子キーと車両との間で不正に通信がされるおそれがある。例えば、電子キー及び車両間に電波をリレーする中継機を設けることで、電子キーが車外通信エリアを外れて遠方に存在する場合であっても、電子キー及び車両間の通信を不正に成立させる手口が想定されている。このような中継機を利用した不正通信に対しては種々の対策が講じられており、例えば上記特許文献1では、以下のような対策を講じている。
【0004】
具体的には、中継機は、車両に搭載された車載機からの要求信号を受信して電子キーに送信する要求信号リレーユニットと、該要求信号に対する電子キーからの応答信号を受信して車両に送信する応答信号リレーユニットとを備えている。
【0005】
電子キーシステムを構成する車載機は、第1要求信号(例えば、LF帯)を車室内外に設定される第1通信エリア内に送信し、該第1要求信号に対する電子キーからの応答信号を受信したときに第2要求信号(例えば、UHF帯)を第2通信エリア内に送信する。電子キーは、第1要求信号及び第2要求信号に対する応答信号として両要求信号の少なくとも一方と同一周波数帯の信号を送信する。
【0006】
ここで、中継器の要求信号リレーユニットと応答信号リレーユニットとが互いに近接した状態では、送受信する信号が同一周波数帯であると、妨害電波が発生して不正通信の成立が防止される。この点を踏まえ、上記構成では、第1要求信号に対する応答信号に基づいて電子キーの車両に対する位置を判別し、この判別された位置に基づいて第2要求信号を送信する第2通信エリアの範囲を設定している。これにより、中継器の要求信号リレーユニットと応答信号リレーユニットとを離間させた状態では、要求リレーユニットが第2要求信号を受信し難くすることで、通信の不正成立が生じることを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−153420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上記従来の構成においては、第2通信エリア内で妨害電波が発生しない程度に要求信号リレーユニットと応答信号リレーユニットとを互いに離間させて配置した場合には、依然として不正通信が成立するおそれがある。また多くの場合、第2要求信号としてUHF帯の信号を用いることから、電波の到達距離が比較的長く、第2通信エリアが比較的広い。その結果、要求信号リレーユニットと応答信号リレーユニットとを互いに離間させて配置させることが可能であり、この点においてなお改善の余地が残されていた。
【0009】
本発明の目的は、中継器を介した通信の不正成立を生じ難くすることができる電子キーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する電子キーシステムは、車両に搭載される車載機と、ユーザに携帯される電子キーとを備え、前記車載機からの複数の要求信号に対して前記電子キーからそれぞれ送信される応答信号に基づいて正規通信か否かの正否判定を行うものにおいて、前記複数の要求信号のうちの少なくとも一を送信する送信アンテナの位置を基準として前記電子キーの位置を判別するキー位置判別部を備え、前記車載機には、測距要求信号を送信するとともに該測距要求信号に対する測距応答信号を受信する測距要求部、及び前記測距要求信号を受信するとともに該測距要求信号に応じて前記測距応答信号を送信する測距応答部のいずれか一方が設けられ、前記電子キーには、前記測距要求部及び前記測距応答部の他方が設けられ、前記正否判定において正規通信であると判定する条件に、前記測距要求信号及び前記測距応答信号に基づいて測定した前記測距要求部から前記測距応答部までの測定距離が、前記キー位置判別部により前記電子キーが位置すると判別された前記送信アンテナの通信エリアから前記車載機に設けられる前記測距要求部及び前記測距応答部のいずれか一方までの距離に基づいて設定される閾値範囲内にあることを含む。
【0011】
中継器を介して不正通信を行う場合には、中継器と車両(車載機)から離れた位置にある電子キーとの間で測距要求信号及び測距応答信号を送受信することから、中継器を介して送受信した測距要求信号及び測距応答信号に基づいて測定される測定距離は、通信エリアに存在している中継器と車載機との間の距離とは異なるものとなる。つまり、中継器を介して不正通信を行う場合には、通常、演算される測定距離が送信アンテナの通信エリアから車載機に設けられる測距要求部及び測距応答部のいずれか一方までの距離よりも長くなる。したがって、上記構成のように測定距離が通信エリアから車載機に設けられる測距要求部及び測距応答部のいずれか一方までの距離に基づく閾値範囲内にあることを正規通信であると判定する条件に含むことで、中継器を介した通信の不正成立を生じ難くすることができる。
【0012】
上記電子キーシステムにおいて、前記測距要求信号及び前記測距応答信号として、超広帯域無線の信号を用いることが好ましい。
上記構成によれば、車載機に設けられる測距要求部及び測距応答部のいずれか一方から電子キーに設けられる測距応答部及び測距要求部の他方までの測定距離を高精度に測定できる。
【0013】
上記電子キーシステムにおいて、前記キー位置判別部は、前記車両における異なる位置に設けられる複数の前記送信アンテナを有することが好ましい。
測定距離が電子キーの位置する送信アンテナの通信エリアから車載機に設けられる測距要求部及び測距応答部のいずれか一方までの距離に基づく閾値範囲内にあることを正規通信であると判定する条件に含む構成では、通信エリアの範囲が狭い方が閾値範囲を狭く設定できるため、精度よく正否判定を行うことができる。この点、上記構成によれば、キー位置判別部が複数の送信アンテナを有するため、一の送信アンテナの通信エリアを広げなくとも、車両周りの広範囲に亘って電子キーの位置を判別できる。これにより、車両に対して様々な方向から近づく電子キーを持った正規ユーザとの間で精度よく正否判定を行うことができる。
【0014】
上記電子キーシステムにおいて、前記複数の送信アンテナは、該送信アンテナと前記車載機に設けられる前記測距要求部及び前記測距応答部のいずれか一方との離間距離がそれぞれ異なるように前記車両に設けられることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、電子キーの位置を判別した送信アンテナ毎に閾値範囲が異なるため、中継器を介した通信の不正成立を好適に生じ難くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、中継器を介した無線通信の不正成立を生じ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】電子キーシステムの構成図。
図2】車載機及び送信アンテナの位置関係と通信エリアを示す車両周辺の模式図。
図3】車外通信時における車両周辺の模式図。
図4】電子キー及び車載機間での車外照合時における正否判定の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、電子キーシステムの一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示されるように、電子キーシステム1は、運転者によって携帯される電子キー10と、車両2に配設される一つの車載機20とを備えている。電子キーシステム1においては、電子キー10と車載機20との間で自動的に相互通信が行われ、その相互通信が車外及び車内にて成立したことを条件としてドア錠の施解錠及びエンジンの始動が制御される。
【0019】
先ず電子キー10の構成について説明する。
電子キー10は、無線通信機能を有し、車載機20との相互通信を通じて、各種車載機器の制御を行う。電子キー10は、電子キー制御部11と、UHF帯の要求信号を受信するUHF受信部12と、UHF帯の応答信号を送信するUHF送信部13と、LF帯の要求信号を受信するLF受信部14と、測距応答部としてのキー側UWB送受信ユニット15を備えている。キー側UWB送受信ユニット15は、超広帯域(UWB:Ultra Wide Band)の測距要求信号Sdcを受信するUWB受信部16と、超広帯域の測距応答信号を送信するUWB送信部17とを有している。これらUHF受信部12、UHF送信部13、及びキー側UWB送受信ユニット15は、それぞれ電子キー制御部11に電気的に接続されている。
【0020】
ここで、要求信号は車載機20から送信され、応答信号は要求信号に応答して電子キー10から送信される。要求信号及び応答信号は、それぞれ単一の信号ではなく、複数の信号からなる。すなわち、要求信号はウェイク信号Swkと、ビークルID信号Sviと、チャレンジ信号Sccとを含み、応答信号はアック信号Sacと、レスポンス信号Sreとを含む。
【0021】
LF受信部14は、車載機20から送信されるLF帯のウェイク信号Swkを受信すると、ウェイク信号Swkを復調する等、電気的に処理しつつ受信信号を生成し、この受信信号を電子キー制御部11へ出力する。電子キー制御部11は、この受信信号がウェイク信号Swkである旨認識すると、UHF送信部13を介してUHF帯のアック信号Sacを車両2側へ返信する。なお、LF受信部14には、LF受信アンテナ14aが一体で構成される。
【0022】
また、電子キー制御部11には、不揮発性のメモリ11aが設けられ、そのメモリ11aには電子キー10に固有のIDコード、測距コード及び暗号鍵が記憶されている。当該暗号鍵は、チャレンジ信号に含まれる暗号化されたチャレンジコードの復号化、及び測距応答信号Sdrの暗号化に利用される。なお、チャレンジコードの暗号化に利用する暗号鍵、及び測距応答信号Sdrの暗号化に利用する暗号鍵は、同一鍵であっても、別の鍵であってもよい。
【0023】
UHF受信部12は、車載機20から送信されるUHF帯のビークルID信号Svi及びチャレンジ信号Sccを受信すると、これら信号Svi,Sccを復調する等、電気的に処理しつつ受信信号を生成し、これらの受信信号を電子キー制御部11へ出力する。電子キー制御部11は、UHF受信部12から受信信号が入力されると、その受信信号に含まれる受信データを読み取る。
【0024】
電子キー制御部11は、受信データに基づき受信した無線信号がビークルID信号Sviである旨認識すると、UHF送信部13を介してUHF帯のアック信号Sacを車両2側へ返信する。また、電子キー制御部11は、受信データに基づき受信した無線信号がチャレンジ信号Sccである旨認識すると、メモリ11aに登録されたIDコード及びレスポンスコードを含むレスポンス信号SreをUHF送信部13へ出力する。そして、UHF送信部13は、レスポンス信号Sre電気的に処理しつつUHF帯の無線信号に変調し、車両2側へ送信する。なお、レスポンスコードはチャレンジコードを、暗号鍵を用いて演算して暗号化したコードである。なお、UHF受信部12には、UHF受信アンテナ12aが一体で構成され、UHF送信部13には、UHF送信アンテナ13aが一体で構成される。
【0025】
UWB受信部16は、車載機20から送信されたインパルス信号からなる測距要求信号Sdcを受信可能である。インパルス信号は、パルス幅が2ns以下で帯域幅が500MHz以上の非常に短いパルス信号として規定される。このインパルス信号を利用して距離の測定を行う場合について、電磁波の速さをC、帯域幅をBとすると、距離分解能△rは△r=C/2Bで表わされ、帯域幅として500MHzを選択すると、約0.3mの距離分解能が得られる。UWB受信部16は、インパルス信号を受信すると、その信号を復調する等、電気的に処理しつつ受信信号を生成し、この受信信号を電子キー制御部11に出力する。
【0026】
電子キー制御部11は、UWB受信部16から受信信号が入力されると、自信のメモリ11aに記憶された測距コードを暗号化するとともに、この暗号化した測距コード及び測距応答信号Sdrの生成に要した時間を示すデータを含む測距応答信号Sdrを生成し、測距応答信号SdrをUWB送信部17に出力する。そして、UWB送信部17は、電子キー制御部11から測距応答信号Sdrが入力されると、この測距応答信号Sdrを電気的に処理しつつ超広帯域の無線信号に変調し、車両2側に送信する。なお、UWB受信部16には、UWB受信アンテナ16aが一体で構成され、UWB送信部17には、UWB送信アンテナ17aが一体で構成される。
【0027】
次に車載機の構成について説明する。
車載機20は、各種車載機器を制御する車載制御部21と、LF帯の信号を送信するLF送信部22と、UHF送受信ユニット23と、測距要求部としての車載UWB送受信ユニット24とを備えている。UHF送受信ユニット23は、UHF帯の信号を送信するUHF送信部25と、UHF帯の信号を受信するUHF受信部26とを有する送受信アンテナユニットであり、車載UWB送受信ユニット24は超広帯域の信号を送信するUWB送信部27と、超広帯域の信号を受信するUWB受信部28とを有する送受信アンテナユニットである。これらLF送信部22、UHF送受信ユニット23、及び車載UWB送受信ユニット24は、それぞれ車載制御部21に電気的に接続されている。
【0028】
また、車載制御部21には、ドアハンドルに設けられてユーザの該ドアハンドルへの接触の有無を検出するドアハンドルセンサ32と、エンジン始動時に操作されるエンジンスイッチ33と、自動で車両ドアの施解錠を行うドアロック装置34と、車両2のエンジンの始動制御を行うエンジン制御装置35とが電気的に接続されている。
【0029】
図2に示すように、LF送信部22は、車両2の運転席及び助手席の車両ドアのドアハンドル36,37の内部、トランクのドアハンドル38の内部及び車内に設けられる。LF送信部22は、車載制御部21からウェイク信号Swkが入力されると、このウェイク信号Swkを電気的に処理しつつLF帯の無線信号に変調し、その無線信号を予め設定された間欠周期で、そのLF送信アンテナ22aを介して車両2の周辺に形成される通信エリア41に送信する。この車外の通信エリア41は、ドアハンドル36〜38に設けられるLF送信部22を中心とした底辺が車体に沿う半円状に形成される。また、車内に設けられるLF送信部22は、車室内全域に形成される通信エリア(図示略)にウェイク信号Swkを送信する。なお、ウェイク信号Swkは、待機状態にある電子キー10を起動状態とする指令信号である。また、LF送信部22にはLF送信アンテナ22aが一体で構成される。
【0030】
ここで、車載制御部21は、各LF送信部22を介して異なるタイミングでウェイク信号Swkを送信するため、アック信号Sacの返信タイミングに基づき電子キー10が車内及び車外の何れに存在するかだけでなく、電子キー10が何れの車両ドア周辺に形成される通信エリア41内に存在するかが判断可能となる。つまり、本実施形態では、LF送信アンテナ22aが送信アンテナに相当し、車載制御部21及びLF送信部22により、LF送信アンテナ22aの位置を基準として電子キー10の位置を判別するキー位置判別部が構成される。そして、車載制御部21は、電子キー10が存在する通信エリア41から車載UWB送受信ユニット24までの距離に基づいて、後述する距離照合を行う際の基準となる閾値範囲42を設定する。
【0031】
詳しくは、例えば図3に示すように、運転席のドアハンドル36のLF送信アンテナ22a周りに形成される通信エリア41に電子キー10が存在する場合、該通信エリア41から車載UWB送受信ユニット24までの距離のうち、最も短くなる距離を下限とし、最も長くなる距離を上限とする車載UWB送受信ユニット24周りの範囲を閾値範囲42として設定する。なお、助手席のドアハンドル37に設けられたLF送信アンテナ22a周りに形成される通信エリア41に電子キー10が存在する場合、トランクのドアハンドル38に設けられたLF送信アンテナ22a周りに形成される通信エリア41に電子キー10が存在する場合も同様に閾値範囲42が設定される。
【0032】
図2に示すように、UHF送受信ユニット23及び車載UWB送受信ユニット24は、車内における左後方に設けられており、車載UWB送受信ユニット24は、各LF送信部22のLF送信アンテナ22aまでの離間距離がそれぞれ異なっている。つまり、各LF送信部22は、各LF送信アンテナ22aと車載UWB送受信ユニット24との離間距離がそれぞれ異なるように配置されている。本実施形態では、車載UWB送受信ユニット24と運転席のドアハンドル36に設けられたLF送信アンテナ22aとの離間距離L1が最も長く、助手席のドアハンドル37に設けられたLF送信アンテナ22aとの離間距離L2、トランクのドアハンドル38に設けられたLF送信アンテナ22aとの離間距離L3の順で短くなる。
【0033】
また、図1に示すように、UHF送受信ユニット23及び車載UWB送受信ユニット24は、車外及び車内に存在する電子キー10との通信が可能である。
UHF送信部25は、車載制御部21からビークルID信号Svi及びチャレンジ信号Sccが入力されると、これらの信号Svi,Sccを電気的に処理しつつUHF帯の無線信号に変調し、予め設定された間欠周期でUHF送信アンテナ25aを介して車両2の周囲を広く覆う通信エリア(図示略)に送信する。車載制御部21は、チャレンジ信号Sccを発信する際、自身が持つ暗号鍵によってチャレンジコードを暗号化することにより、自らもレスポンスコードを生成する。なお、チャレンジ信号Sccは、乱数として用いるチャレンジコードを含む。また、UHF受信部26は、UHF受信アンテナ26aを介して電子キー10から送信されるアック信号Sac及びレスポンス信号Sreを受信すると、これらの信号Sac,Sreを復調する等、電気的に処理しつつ受信信号を生成し、この受信信号を車載制御部21へ出力する。なお、UHF送信部25にはUHF送信アンテナ25aが一体で構成され、UHF受信部26にはUHF受信アンテナ26aが一体で構成される。
【0034】
UWB送信部27は、車載制御部21から測距応答信号Sdrが入力されると、この測距応答信号Sdrを電気的に処理しつつ超広帯域の無線信号に変調し、UWB送信アンテナ27aを介して車両2の周囲を広く覆う通信エリア(図示略)に送信する。また、UWB受信部28は、UWB受信アンテナ28aを介して電子キー10から送信される測距応答信号Sdrを受信すると、この信号を復調する等、電気的に処理しつつ受信信号を生成し、この受信信号を車載制御部21へ出力する。なお、UWB送信部27には、UWB送信アンテナ27aが一体で構成され、UWB受信部28には、UWB受信アンテナ28aが一体で構成される。
【0035】
車載制御部21は、不揮発性のメモリ21aを備え、メモリ21aには対応する電子キー10に設定されたIDコードと同一のIDコード、同じく電子キー10に設定された測距コードと同一の測距コード及び暗号鍵が記憶されている。暗号鍵は、レスポンスコードの演算及び測距応答信号Sdrの復号化に利用される。なお、測距応答信号Sdrの復号化に利用する暗号鍵と、レスポンスコードの演算に利用される暗号鍵は、同一鍵であっても、別の鍵であってもよい。そして、車載制御部21は、IDコード照合、レスポンス照合及び距離照合に基づいて電子キー10との間の正規通信か否かの正否判定を行う。
【0036】
具体的には、車載制御部21は、UHF送信部25を通じて送信したチャレンジ信号Sccに応答して電子キー10から送信されたレスポンス信号SreがUHF受信部26を介して受信されると、そのレスポンス信号Sreに含まれるIDコードとメモリ21aに記録されたIDコードとのIDコード照合を行う。IDコード照合では、レスポンス信号Sreに含まれるIDコードとメモリ21aに記録されたIDコードとが一致する場合に、照合成立と判断する。
【0037】
また、車載制御部21は、レスポンス信号Sreに含まれるレスポンスコードと、自身が暗号鍵を通じて演算したレスポンスコードとを照らし合わせて、レスポンス照合を行う。レスポンス照合では、レスポンス信号Sreに含まれるレスポンスコードと、自身が暗号鍵を通じて演算したレスポンスコードとが一致する場合に、照合成立と判断する。
【0038】
さらに、車載制御部21は、測距要求信号Sdc及び測距応答信号Sdrに基づいて演算される測定距離と、電子キー10が存在する通信エリア41に基づいて設定される閾値範囲42とを照らし合わせて距離照合を行う。距離照合においては、車載制御部21は、測距応答信号Sdrを受信すると、測距応答信号Sdrに含まれる測距コード、及び電子キー10が測距要求信号Sdcを受信してから測距応答信号Sdrを発信するまでにかかった応答時間を暗号鍵を通じて演算する。そして、車載制御部21は、測距応答信号Sdrに含まれる測距コードと、自身のメモリ21aに記憶された測距コードとを照らし合わせて、測距応答信号Sdrが電子キー10からの応答により送信された信号であるか否かを判定する。そして、測距応答信号Sdrが電子キー10からの応答により送信された信号である場合には、測距要求信号Sdcの発信から測距応答信号Sdrの受信までにかかった往復時間、及び測距応答信号Sdrに含まれる応答時間に基づいて、車載UWB送受信ユニット24から電子キー10(キー側UWB送受信ユニット15)までの距離を測定する。距離照合では、測定距離が閾値範囲42内に含まれる場合に距離照合が成立したと判定する。
【0039】
以上のようにして、電子キー10が車外に存在する旨判断される場合に上記正否判定において正規通信であると判定すると、車外照合が成立したとして、車両ドアは解錠可能状態とされる。この解錠可能状態において、車載制御部21はユーザがドアハンドルに触れたとドアハンドルセンサ32を通じて検知したとき、ドアロック装置34を介して車両ドアを解錠する。
【0040】
一方、電子キー10が車内に存在する旨判断される場合に上記正否判定において正規通信であると判定すると、車内照合が成立したとして、エンジン始動許可状態とされる。このエンジン始動許可状態において、運転席近傍に設置されるエンジンスイッチ33が操作されると、その操作信号が車載制御部21に出力される。車載制御部21はエンジン始動許可状態において前記操作信号を検知すると、エンジン制御装置35に指令信号を出力する。エンジン制御装置35は、当該指令信号に基づき、図示しないセルモータを駆動させてエンジン制御を開始する。
【0041】
次に、電子キー10及び車載機20間での車外照合時における正否判定の処理手順について説明する。
図4に示すように、車載機20は、通信エリア41に電子キー10が存在するか否かを確認すべく、LF送信部22からLF帯のウェイク信号Swkを通信エリア41に断続的に発信させる(ステップS1)。電子キー10が通信エリア41に入り、ウェイク信号Swkを受信すると、電子キー10は待機状態から起動状態に動作状態が切り換わり、その旨を通知すべく車両2に向けてアック信号Sacを返信する(ステップS2)。
【0042】
車載機20は、アック信号Sacを受信すると、電子キー10が何れの通信エリア41に存在するかを判断し、UHF送信部25からビークルID信号Sviを送信する(ステップS3)。電子キー10は、ビークルID信号Sviを受け付けると、ビークルID信号Sviが自身に対応する車両2からのものであるか否かを確認するビークルID照合を通じて、車両2が正規の車両であるか否かの判定を行う。このように、ビークルID照合を行うことで、電子キー10の周囲に複数の車両が存在して、同複数の車両から要求信号を受信する状況になっても、正規車両のみとの間でビークルID信号Sviの受信以降の正否判定にかかる通信を行うことが可能になる。そして、電子キー10は、このビークルID照合が成立した事を認識すると、その旨を通知すべく車両2に向けてアック信号Sacを返信する(ステップS4)。
【0043】
車載機20は、ビークルID信号Sviを発信した後に正常にアック信号Sacを受信すると、電子キー10との間でビークルID照合が成立したと認識し、通信エリア41内に存在する電子キー10が自身とペアをなすものである旨認識する。このとき、車載機20は、電子キー10が存在する通信エリア41との間の距離に基づいて閾値範囲42を設定する。そして、車載機20は、次にチャレンジ信号SccをUHF送信アンテナ25aから送信する(ステップS5)。電子キー10は、車両2からチャレンジ信号Sccを受信すると、自身のメモリ11aに記憶されたIDコード及びレスポンスコードを含むレスポンス信号Sreを車両2側に返信する(ステップS6)。
【0044】
車載機20は、レスポンス信号Sreを受信すると、レスポンス信号Sreに含まれるIDコードと、自身のメモリ21aに記憶されたIDコードとを照らし合わせてID照合を行う。また、車載機20は、電子キー10のレスポンスコードと、自身が演算したレスポンスコードとを照らし合わせて、レスポンス照合を実行する。そして、車載機20は、レスポンス照合及びIDコード照合が成立することを確認すると、UWB送信部27から測距コードを含む測距要求信号Sdcを送信する(ステップS7)。電子キー10は、車両2から測距要求信号Sdcを受信すると、自身のメモリ11aに記憶された測距コード及び測距応答信号Sdrの生成に要した応答時間を含む測距応答信号Sdrを車両2側に返信する(ステップS8)。
【0045】
車載機20は、測距応答信号Sdrを受信すると、測距応答信号Sdrに含まれる測距コードと、自身のメモリ21aに記憶された測距コードとを照らし合わせて照合を行う。そして、これらの測距コードが一致した場合には、応答時間及び往復時間に基づいて電子キー10までの距離を測定し、距離照合を行う。これらID照合、レスポンス照合及び距離照合が成立したこと以て正規通信であるとして車外照合が成立し、車両ドアが解錠可能状態とされる(ステップS9)。なお、車内照合の場合も、基本的には車外照合と同様にして行われ、車内照合が成立した場合にはエンジン始動許可状態とされる。
【0046】
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)電子キーシステム1では、正否判定において正規通信であると判定する条件に、車載UWB送受信ユニット24から電子キー10までの測定距離が閾値範囲42内であることを示す距離照合が成立することが含まれる。ここで、中継器を介して不正通信を行う場合には、中継器と車両2(車載機20)から離れた位置にある電子キー10との間で測距応答信号Sdrを送受信することから、中継器を介して送受信した測距要求信号Sdc及び測距応答信号Sdrに基づいて測定される測定距離は、通信エリア41に存在している中継器と車載UWB送受信ユニット24との間の距離とは異なるものとなる。つまり、中継器を介して不正通信を行う場合には、演算される測定距離がLF送信アンテナ22aの通信エリアから車載UWB送受信ユニット24までの距離よりも長くなる。そして、閾値範囲42は、電子キー10又は中継器の存在する通信エリア41から車載UWB送受信ユニット24までの距離に基づいて設定されるため、測定距離が閾値範囲42内にあることを正否判定において正規通信であると判定する条件に含むことで、中継器を介した通信の不正成立を生じ難くすることができる。
【0047】
(2)測距要求信号Sdc及び測距応答信号Sdrとして、超広帯域無線の信号を用いたため、車載UWB送受信ユニット24から電子キー10(キー側UWB送受信ユニット15)までの測定距離を高精度に測定できる。
【0048】
(3)LF送信部22のLF送信アンテナ22aを、車両2の運転席及び助手席の車両ドアのドアハンドル36,37の内部、トランクのドアハンドル38の内部及び車内に設けた。ここで、測定距離が電子キー10の位置するLF送信アンテナ22aの通信エリア41から車載UWB送受信ユニット24までの距離に基づく閾値範囲42内にあることを正規通信であると判定する条件に含む構成では、各通信エリア41の範囲が狭い方が閾値範囲42を狭く設定できるため、精度よく正否判定を行うことができる。この点、上記構成によれば、複数のLF送信アンテナ22aを車両の異なる位置に配置したため、一の送信アンテナの通信エリアを広げなくとも、車両周りの広範囲に亘って電子キー10の位置を判別できる。これにより、車両2に対して様々な方向から近づく電子キー10を持った正規ユーザとの間で精度よく正否判定を行うことができる。
【0049】
(4)各LF送信部22のLF送信アンテナ22aを、車載UWB送受信ユニット24までの離間距離がそれぞれ異なるように車両2に配置したため、電子キー10の存在を検出したLF送信アンテナ22a毎に閾値範囲42が異なる。これにより、中継器を介した通信の不正成立を好適に生じ難くすることができる。
【0050】
(5)車載UWB送受信ユニット24を、車両に1つだけ設ける構成としたため、コストの低減を図ることができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
【0051】
・上記実施形態では、測距応答信号Sdrに暗号化した測距コードを含めて送信したが、これに限らず、測距応答信号Sdrが電子キー10からの応答により送信された信号であるか否かを識別できればよく、測距応答信号Sdrの構成は適宜変更可能である。例えば、測距応答信号Sdrにレスポンスコードを含める構成としてもよく、この場合には測距コードを含めなくともよい。また、測距応答信号Sdrに暗号化していないコードを含めて送信してもよい。さらに、測距応答信号Sdrに電子キー10での応答時間を含めずに送信し、応答時間を伝達するための別の信号を送信してもよい。
【0052】
・上記実施形態では、複数のLF送信部22のLF送信アンテナ22aから車載UWB送受信ユニット24までの各離間距離が異なるように、各LF送信アンテナ22aを配置したが、各離間距離が同一となるように配置してもよく、その配置は適宜変更可能である。また、上記実施形態において、LF送信部22(LF送信アンテナ22a)を、例えば後部座席のドアハンドルに設けてもよく、その設置箇所は適宜変更可能である。さらに、LF送信部22のLF送信アンテナ22aを、複数設けず、例えば運転席のドアハンドル36のみに1つだけ設ける構成としてもよい。
【0053】
・上記実施形態では、レスポンス照合を行った後に距離照合を行ったが、これに限らず、例えばレスポンス照合の前に距離照合を行ってもよく、各照合の順序は適宜変更可能である。
【0054】
・上記実施形態では、電子キー10が存在する通信エリア41から車載UWB送受信ユニット24までの距離のうち、最も短くなる距離を下限とし、最も長くなる距離を上限とする車載UWB送受信ユニット24周りの範囲を閾値範囲42として設定した。しかし、これに限らず、例えば最も短くなる距離よりも長い距離を下限とし、最も長くなる距離よも短い距離を上限としてもよく、閾値範囲42の範囲は適宜変更可能である。
【0055】
・上記実施形態では、車載制御部21は、測距要求信号Sdc及び測距応答信号Sdrに基づいて測定距離を一値として演算したが、これに限らず、車載UWB送受信ユニット24から電子キー10までの測定距離を、誤差を考慮した幅を持つ範囲として演算してもよい。この場合、例えば測定距離の範囲が閾値範囲42に対して重複する領域を有することで、距離照合が成立したと判定することができる。
【0056】
・上記実施形態では、ビークルID信号Svi、チャレンジ信号Scc及びレスポンス信号SreをUHFの信号で通信したたが、これに限らず、例えばUWBの信号で通信してもよい。この場合には、例えばビークルID信号Svi、チャレンジ信号Scc及びレスポンス信号Sreを用いて電子キー10までの距離を測定してもよい。つまり、要求信号を測距要求信号Sdcとしても用い、応答信号を測距応答信号Sdrとしても用いることが可能である。
【0057】
・上記実施形態では、測距要求信号Sdc及び測距応答信号Sdrとして、超広帯域無線の信号を用いたが、距離を計測できれば、他の周波数帯の信号を用いてもよく、また光を用いてもよい。
【0058】
・上記実施形態において、複数の車載UWB送受信ユニット24を車両2の異なる位置に配置し、各車載UWB送受信ユニット24から電子キー10までの測定距離、及び各車載UWB送受信ユニット24の位置に応じた閾値範囲42を設定し、複数の距離照合を行うようにしてもよい。
【0059】
・上記実施形態では、車載UWB送受信ユニット24から測距要求信号Sdcを送信し、キー側UWB送受信ユニット15から測距応答信号Sdrを送信する構成、すなわち車載機20に測距要求部を設け、電子キー10に測距応答部を設ける構成とした。しかし、これに限らず、キー側UWB送受信ユニット15から測距要求信号Sdcを送信し、車載UWB送受信ユニット24から測距応答信号Sdrを送信する構成、すなわち電子キー10に測距要求部を設け、車載機20に測距応答部を設ける構成としてもよい。
【0060】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)前記車載機に設けられる前記測距要求部及び前記測距応答部のいずれか一方は、前記車両に1つだけ搭載される電子キーシステム。上記構成によれば、コストの低減を図ることができる。
【符号の説明】
【0061】
1…電子キーシステム、2…車両、10…電子キー、11…電子キー制御部、15…キー側UWB送受信ユニット(測距応答部)、16…UWB受信部、17…UWB送信部、20…車載機、21…車載制御部、22…LF送信部、22a…LF送信アンテナ(送信アンテナ)、23…UHF送受信ユニット、24…車載UWB送受信ユニット(測距要求部)、41…通信エリア、42…閾値範囲、L1〜L3…離間距離、Sac…アック信号、Scc…チャレンジ信号、Sdc…測距要求信号、Sdr…測距応答信号、Sre…レスポンス信号、Svi…ビークルID信号、Swk…ウェイク信号。
図1
図2
図3
図4