特許第6702847号(P6702847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702847
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/8234 20060101AFI20200525BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 21/8244 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 27/11 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H01L27/088 A
   H01L29/78 301X
   H01L29/78 301C
   H01L27/11
   H01L27/088 B
   H01L29/78 618E
   H01L29/78 618C
   H01L29/58 G
   H01L21/28 301R
   H01L29/78 613B
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-226866(P2016-226866)
(22)【出願日】2016年11月22日
(65)【公開番号】特開2017-108119(P2017-108119A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年10月30日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0175226
(32)【優先日】2015年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石 城 大
(72)【発明者】
【氏名】梁 孟 松
(72)【発明者】
【氏名】ベ 金 鐘
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0097502(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0161756(US,A1)
【文献】 特表2010−503981(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0243733(US,A1)
【文献】 特表2012−527776(JP,A)
【文献】 特開2014−179604(JP,A)
【文献】 特開2005−340810(JP,A)
【文献】 特開2007−311762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8234
H01L 21/28
H01L 21/336
H01L 21/8244
H01L 27/088
H01L 27/11
H01L 29/423
H01L 29/49
H01L 29/78
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に提供され、第1方向に延長するゲート構造体、前記ゲート構造体を介して離隔されたソース/ドレーン領域、前記ソース/ドレーン領域を連結するチャンネル領域を各々含み、互に異なる閾値電圧を有する第1乃至第3トランジスタを含み、
前記第2及び第3トランジスタのチャンネル領域の各々は、前記基板と垂直になる方向に相互離隔され、前記ソース/ドレーン領域を各々連結する複数のチャンネル部分を含み、前記第1トランジスタのチャンネル領域は前記基板に連結された単一のチャンネル部分を含み、
前記第1乃至第3トランジスタのゲート構造体は、それぞれ第1ゲート電極、第2ゲート電極、及び第3ゲート電極を含み、
前記第2ゲート電極は、前記第2トランジスタのチャネル領域の前記複数のチャネル部分の間に延長され、
前記第3ゲート電極は、前記第3トランジスタのチャネル領域の前記複数のチャネル部分の間に延長され、
前記第1方向の前記第3トランジスタのチャンネル部分の各々の幅は、前記第2トランジスタのチャンネル部分の各々の幅よりも大きく、
前記基板の上面に垂直な第3方向の前記第3トランジスタのチャネル部分の各々の厚さは、前記第2トランジスタのチャネル部分の各々の厚さと同一であり、
前記第3トランジスタのチャネル部分の各々及び前記第2トランジスタのチャネル部分の各々は、前記厚さよりも幅が大きいことを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
前記第2トランジスタの閾値電圧は、前記第3トランジスタの閾値電圧よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記第1トランジスタの閾値電圧は、前記第2トランジスタの閾値電圧よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記第1トランジスタのチャンネル領域は、前記基板の上面から突出したフィン形状を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記第1トランジスタの閾値電圧は、前記第3トランジスタの閾値電圧よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記第1乃至第3ゲート電極の仕事関数は、同一であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記第3トランジスタのチャネル部分の各々は、前記第2トランジスタのチャネル部分の各々と同一レベルに配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体に係り、より詳しくは、電界効果トランジスタを含む半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
小型化、多機能化、及び/又は低い製造単価等の特性によって半導体素子は電子産業において重要な要素として脚光を浴びている。半導体素子は論理データを格納する半導体記憶素子、論理データを演算処理する半導体論理素子、及び記憶要素と論理要素とを含むハイブリッド(hybrid)半導体素子等に区分される。電子産業が高度に発展することによって、半導体素子の特性に対する要求が段々増加している。例えば、半導体素子に対する高信頼性、高速化、及び/又は多機能化等に対する要求が段々増加している。このような要求特性を充足させるために半導体素子内の構造は段々複雑になっており、また、半導体素子は段々高集積化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,330,143号公報
【特許文献2】米国特許第8,802,522号公報
【特許文献3】米国特許第8,472,239号公報
【特許文献4】米国特許第7,544,572号公報
【特許文献5】米国特許第9,219,119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は電気的特性がより向上した電界効果トランジスタを含む半導体素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概念による半導体素子は、基板上に提供され、第1方向に延長するゲート構造体、前記ゲート構造体を介して離隔されたソース/ドレーン領域、前記ソース/ドレーン領域を連結するチャンネル領域を各々含み、互に異なる閾値電圧を有する第1乃至第3トランジスタを含み、前記第2及び第3トランジスタのチャンネル領域の各々は前記基板と垂直になる方向に相互離隔され、前記ソース/ドレーン領域を各々連結する複数のチャンネル部分を含み、前記第1トランジスタのチャンネル領域は前記基板に連結された単一のチャンネル部分を含み、前記第1乃至第3トランジスタのゲート構造体は、それぞれ第1ゲート電極、第2ゲート電極、及び第3ゲート電極を含み、前記第2ゲート電極は、前記第2トランジスタのチャネル領域の前記複数のチャネル部分の間に延長され、前記第3ゲート電極は、前記第3トランジスタのチャネル領域の前記複数のチャネル部分の間に延長され、前記第1方向の前記第3トランジスタのチャンネル部分の各々の幅は前記第2トランジスタのチャンネル部分の各々の幅より大きく、前記基板の上面に垂直な第3方向の前記第3トランジスタのチャネル部分の各々の厚さは、前記第2トランジスタのチャネル部分の各々の厚さと同一であり、前記第3トランジスタのチャネル部分の各々及び前記第2トランジスタのチャネル部分の各々は、前記厚さよりも幅が大きい。
【0006】
前記第2トランジスタの閾値電圧は前記第3トランジスタの閾値電圧より大きい。前記第1トランジスタのチャンネル領域は前記基板と垂直になる方向に相互離隔され、前記ソース/ドレーン領域を各々連結する複数のチャンネル部分を含み、前記第1方向の前記第2トランジスタのチャンネル部分の各々の幅は前記第1トランジスタのチャンネル部分の各々の幅より大きい。
【0007】
前記第1トランジスタの閾値電圧は前記第2トランジスタの閾値電圧より大きい。前記第1トランジスタのチャンネル領域は前記基板の上面から突出したフィン形状を有すること。前記第1トランジスタの閾値電圧は前記第3トランジスタの閾値電圧より小さい。前記第1乃至第3トランジスタは互いに同一の導電形のトランジスタであってもよい。
【0008】
前記第1方向と交差する第2方向の前記第3トランジスタの前記チャンネル部分の各々の長さは前記第2トランジスタの前記チャンネル部分の各々の長さと同一である。前記第2トランジスタのチャンネル部分の各々の厚さは互いに同一である。前記第2トランジスタのチャンネル部分の各々の厚さと前記第3トランジスタのチャンネル部分の各々の厚さは同一である。前記第2トランジスタのチャンネル部分の個数は第3トランジスタのチャンネル部分の個数と同一である。前記第1乃至第3トランジスタの前記ゲート構造体は各々第1乃至第3ゲート電極を含み、前記第1乃至第3ゲート電極の仕事関数は同一である。
【0009】
基板上に提供され、第1方向に延長するゲート構造体、前記ゲート構造体を介して離隔されたソース/ドレーン領域、前記ソース/ドレーン領域を連結するチャンネル領域を各々含み、互に異なる閾値電圧を有する第1乃至第3トランジスタを含み、前記第1トランジスタのチャンネル領域は前記基板の上面から突出したフィン形状を有し、前記第2及び第3トランジスタのチャンネル領域の各々は前記基板と垂直になる方向に相互離隔され、前記ソース/ドレーン領域を各々連結する複数のチャンネル部分を含むことができる。
【0010】
前記第1トランジスタの閾値電圧は前記第2トランジスタの閾値電圧より小さい。前記第1方向の前記第3トランジスタの前記チャンネル部分の各々の幅は前記第2トランジスタの前記チャンネル部分の各々の幅より大きい。前記第3トランジスタの閾値電圧は前記第2トランジスタの閾値電圧より小さい。前記第2トランジスタと前記第3トランジスタは各々第2ゲート電極と第3ゲート電極とを含み、前記第3ゲート電極の仕事関数は前記第2ゲート電極の仕事関数より大きい。前記第2ゲート電極の閾値電圧は前記第3ゲート電極の閾値電圧より大きい。
【0011】
前記第1乃至第3トランジスタは互いに同一の導電形のトランジスタであってもよい。前記第1方向と交差する第2方向の前記第3トランジスタの前記チャンネル部分の各々の長さは前記第2トランジスタの前記チャンネル部分の各々の長さと同一である。前記第2トランジスタのチャンネル部分の各々の厚さは互いに同一である。
【0012】
前記第2トランジスタのチャンネル部分の各々の厚さと前記第3トランジスタのチャンネル部分の各々の厚さとは同一である。前記第2トランジスタのチャンネル部分の個数は第3トランジスタのチャンネル部分の個数と同一である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、互に異なる閾値電圧を有する複数のトランジスタが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
図2A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図2B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図2C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図3A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図3B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図3C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図4A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図4B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図4C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図5A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図5B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図5C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図6A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図6B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図6C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図7A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図7B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図7C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図8A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図8B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図8C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図9】本発明の実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
図10A図9のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図10B図9のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図10C図9のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図11A図9のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図11B図9のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図11C図9のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図12A図9のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図12B図9のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図12C図9のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図13A図9のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図13B図9のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図13C図9のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図14A図9のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図14B図9のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図14C図9のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図15】本発明の実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。
図16A図15のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図16B図15のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図16C図15のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図17A図15のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。
図17B図15のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。
図17C図15のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
図18】本発明の実施形態によるチャンネル領域の形状を説明するための断面図である。
図19】本発明の実施形態にトランジスタを含むCMOS SRAMセル(CMOS SRAM cell)の等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の長所及び特徴、そしてそれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば、明確になる。しかし、本発明は以下に開示する実施形態に限定されず、互に異なる多様な形態に具現でき、単に本実施形態は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供され、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書の全文に掛けて同一参照符号は同一の構成要素を表す。
【0016】
本明細書において、導電性膜、半導体膜、又は絶縁性膜等の所定の物質膜が他の物質膜又は基板“上”にあると言及される場合に、その所定の物質膜は他の物質膜又は基板上に直接形成されるか、又はこれらの間にその他の物質膜が介在されることも意味する。また、本明細書の多様な実施形態において第1、第2、第3等の用語が物質膜又は工程段階を記述するために使用されるが、これは単にいずれかの特定物質膜又は工程段階を他の物質膜又は他の工程段階と区別させるために使用するだけであり、膜がこのような用語によって限定されない。
【0017】
本明細書において使用する用語は実施形態を説明するためであり本発明を制限しない。本明細書において、単数形は特別に言及しない限り、複数形も含む。明細書に使用される‘含む(comprises)及び/又は含む(comprising)’は言及する構成要素、段階、動作及び/又は素子、1つ以上の他の構成要素、1つ以上の他の段階、1つ以上の他の動作及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。
【0018】
また、本明細書に記述する実施形態は本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は平面図を参考にして説明する。図面において、膜及び領域の厚さは技術的内容の効果的な説明のために誇張されたものである。したがって、製造技術及び/又は許容誤差等によって例示図の形態が変形される。したがって、本発明の実施形態は図示した特定形態に制限されず、製造工程によって生成される形態の変化も含む。例えば、直角に図示した蝕刻領域はラウンドされるか、或いは所定曲率を有する形態であり得る。したがって、例示された領域は概略的な属性を有し、例示された領域の模様は素子の領域の特定形態を例示するためであり、発明の範疇を制限するためではない。
【0019】
図1は本発明の実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。図2A図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。図2B図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。図2C図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。
【0020】
図1及び図2A乃至図2Cを参照すれば、基板100上に第1乃至第3トランジスタTR1、TR2、及びTR3が提供される。基板100は半導体基板である。一例として、基板100はシリコン基板又はゲルマニウム基板であるか、或いはSOI(Silicon On Insulator)基板である。
【0021】
基板100はトランジスタ領域TAを含む。トランジスタ領域TAは第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3を含み、データを格納するための複数のメモリセルが形成されるメモリセル領域の一部である。一例として、基板100上に6つのトランジスタで構成された複数の6TSRAMセルを構成するメモリセルトランジスタが配置され、第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3の各々は6つのトランジスタの中の1つである。トランジスタ領域TAは第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3を含み、半導体素子のロジック回路を構成するロジックトランジスタが配置されるロジックセル領域の一部である。他の例として、トランジスタ領域TAはプロセッサコア又はI/O端子を構成するロジックトランジスタが形成される領域であり、第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3の各々はプロセッサコア又はI/O端子を構成するロジックトランジスタの中の1つである。しかし、本発明の実施形態はこれに制限されない。
【0022】
第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3の各々は第1方向d1に延長するゲート構造体、ゲート構造体を介して離隔されたソース/ドレーン領域SD、及びソース/ドレーン領域を連結するチャンネル領域を含む。ゲート構造体はゲート電極、ゲート電極の側壁及び下面に沿って延長されるゲート絶縁膜、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と離隔されるゲートスペーサーGS、及びゲート電極とゲート絶縁膜とを覆うゲートキャッピングパターンGPを含む。ゲートスペーサーGSの下面はゲート絶縁膜の下面と実質的に同一のレベルに位置する。ゲート絶縁膜の上面及びゲート電極の上面はゲートキャッピングパターンGPの下面と接する。
【0023】
ゲート電極は導電性金属窒化物及び/又は金属を含む。一例として、ゲート電極はTiN、WN、及びTaNのような金属窒化物とTi、W、Taのような金属とを含む。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3の各々の第1乃至第3ゲート電極GE1乃至GE3は互いに仕事関数が同一である。一例として、第1乃至第3ゲート電極GE1乃至GE3は互いに同一物質により形成された層であってもよい。
【0024】
第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は各々第1乃至第3ゲート絶縁パターンGI1乃至GI3を含む。ゲート絶縁パターンGI1乃至GI3はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸化窒化膜、又は高誘電膜の中の少なくとも1つを含む。高誘電膜はハフニウム酸化膜(HfO)、アルミニウム酸化膜(AlO)又はタンタル酸化膜(TaO)のようにシリコン酸化膜より誘電率が大きい。ゲートスペーサーGSとゲートキャッピングパターンGPとは各々シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜の中の少なくとも1つを含む。
【0025】
トランジスタ領域TAはNMOSFET領域又はPMOSFET領域である。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は互いに同一の導電形のトランジスタである。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は各々第1乃至第3活性領域ACT1乃至ACT3を含む。第1乃至第3活性領域ACT1乃至ACT3の各々は第1乃至第3チャンネル領域CH1、CH2、及びCH3及びチャンネル領域を介して離隔されたソース/ドレーン領域SDを含む。ソース/ドレーン領域SDは各々その下の基板100をシード層として形成されたエピタキシァルパターンである。トランジスタ領域TAがNMOSFET領域である場合、ソース/ドレーン領域SDは第1乃至第3チャンネル領域CH1、CH2、及びCH3に引張性ストレインを提供する物質を含む。一例として、ソース/ドレーン領域SDはSiより格子常数が小さいSiC層、又は基板100と実質的に同一の格子常数を有するSi層を含む。トランジスタ領域TAがPMOSFET領域である場合、ソース/ドレーン領域SDは第1乃至第3チャンネル領域CH1、CH2、及びCH3に圧縮性ストレインを提供する物質を含む。一例として、ソース/ドレーン領域SDはSiより格子常数が大きいSiGe層を含む。ソース/ドレーン領域SD上に層間絶縁膜123が提供される。ゲート構造体は層間絶縁膜123内に提供される。層間絶縁膜123の上面はゲートキャッピングパターンGPの上面と実質的に共面をなす。層間絶縁膜123はシリコン酸化膜又はシリコン酸化窒化膜を含む。
【0026】
第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は互に異なる閾値電圧を有する。一例として、第3トランジスタTR3の閾値電圧は第1トランジスタTR1の閾値電圧より大きくて、第2トランジスタTR2の閾値電圧は第3トランジスタTR3の閾値電圧より大きい。一例として、第2トランジスタTR2の閾値電圧は約0.30V乃至0.59Vであり、第3トランジスタTR3の閾値電圧は0.21V乃至0.29Vであり、第1トランジスタTR1の閾値電圧は0.15V乃至0.20Vであるが、これに限定されない。
【0027】
第1乃至第3チャンネル領域CH1乃至CH3の不純物濃度は実質的に同一である。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3のゲート絶縁パターンは以下の製造方法において説明するように同一物質により同時に形成される。
【0028】
第2チャンネル領域CH2と第3チャンネル領域CH3の各々は基板100と垂直になる方向に相互離隔される複数のチャンネル部分を含む。一例として、第2チャンネル領域CH2は3つの第2チャンネル部分NS2を含み、第3チャンネル領域CH3は3つの第3チャンネル部分NS3を含む。第2及び第3チャンネル部分NS2、NS3の各々の個数は3個に限定されない。
【0029】
第2チャンネル部分NS2及び第3チャンネル部分NS3は基板100の上面と離隔される。第2チャンネル部分NS2の個数と第3チャンネル部分NS3の個数は同一である。第2チャンネル部分NS2の各々と同一レベルに位置する第3チャンネル部分NS3の各々は同一半導体層から形成されて実質的に同一のレベルに位置し、同一の厚さを有する。一例として、第2チャンネル部分NS2及び第3チャンネル部分NS3はSi、SiGe、及びGeの中の少なくとも1つを含む。第2チャンネル部分NS2は互いに同一の厚さを有するが、これに限定されない。同様に、第3チャンネル部分NS3は互いに同一の厚さを有するが、これに限定されない。
【0030】
第2ゲート電極GE2は、第2チャンネル部分NS2の間、及び第2チャンネル部分NS2の中の基板100に最も隣接した1つと基板100との間に延長される。ソース/ドレーン領域SDと第2チャンネル部分NS2との間にバリアー絶縁パターン106が提供される。
第3ゲート電極GE3は、第3チャンネル部分NS3の間、及び第3チャンネル部分NS3の中の基板100に最も隣接した1つと基板100との間に延長される。ソース/ドレーン領域SDと第3チャンネル部分NS3との間にバリアー絶縁パターン106が提供される。
バリアー絶縁パターン106は第2チャンネル部分NS2又は第3チャンネル部分NS3を介して相互離隔される。
【0031】
第2ゲート絶縁パターンGI2は第2ゲート電極GE2と第2チャンネル部分NS2との間に延長される。第3ゲート絶縁パターンGI3は第3ゲート電極GE3と第3チャンネル部分NS3との間に延長される。即ち、第2及び第3トランジスタTR2、TR3はゲート電極によってその外周面が囲まれたチャンネル領域を含むゲートオールアラウンド(Gate−All−Around)形電界効果トランジスタである。
【0032】
第3チャンネル部分NS3の各々の幅は実質的に同一であり、第2チャンネル部分NS2の各々の幅は実質的に同一である。第3チャンネル部分NS3の各々の第1方向(即ち、チャンネル幅方向d1)の第3幅W3は第2チャンネル部分NS2の各々の第2幅W2より大きい。一例として、第3幅W3は第2幅W2の約1.2倍乃至3倍である。第3チャンネル部分NS3の第1方向d1と交差する第2方向(即ち、チャンネル横方向d2)の長さは第2チャンネル部分NS2第2方向d2の長さと実質的に同一である。
【0033】
第3幅W3と第2幅W2との差によって、第2トランジスタTR2の閾値電圧が第3トランジスタTR3の閾値電圧より大きい。即ち、ナノサイズレベルによりチャンネル幅が減る場合、量子拘束効果(quantum confinement effect)によって電荷のエネルギー状態が高くなってエネルギーバンドギャップが広くなる。それによって、第2トランジスタTR2の閾値電圧が第3トランジスタTR3の閾値電圧より高くなる。
【0034】
第1トランジスタTR1の第1チャンネル領域CH1は基板100の上面から突出したフィン形状(fin shape)を有する。第1チャンネル領域CH1は第2及び第3チャンネル領域CH2、CH3と同一の物質を含む。第1チャンネル領域CH1の第1方向d1の第1幅W1は第2幅W2より小さいか、或いは同一であるが、これに限定されない。第1トランジスタTR1の閾値電圧は第2及び第3トランジスタTR2、TR3の閾値電圧より低い。
【0035】
本発明の実施形態によれば、1つの半導体素子に互に異なる閾値電圧を有する複数のトランジスタを提供する。一例として、チャンネル部分の幅が異なり、閾値電圧が互に異なる複数のトランジスタを提供する。また、基板と垂直になる方向に相互離隔される複数のチャンネル部分を含むトランジスタとフィン形状のチャンネル部分を含むトランジスタを共に提供して閾値電圧が互に異なる複数のトランジスタを提供する。
【0036】
図3A、4A、5A、6A、7A、8Aは図1のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。図3B、4B、5B、6B、7B、8Bは図1のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。図3C、4C、5C、6C、7C、8Cは図1のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。以下、図1及び図3A乃至図8Cを参照して本発明の実施形態による半導体素子の製造方法を説明する。
【0037】
図1図3A乃至図3Cを参照すれば、基板100のトランジスタ領域TAに犠牲層101及び第1半導体層102が交互に反複して積層される。犠牲層101及び第1半導体層102は3回反複積層されると図示したが、これに限定されない。一例として、犠牲層101は第1半導体層102に対して蝕刻選択性を有する物質を含む。即ち、所定の蝕刻レシピーを使用して犠牲層101を蝕刻する工程において、犠牲層101は第1半導体層102の蝕刻を最少化しながら、蝕刻される物質により形成される。このような蝕刻選択性(etch selectivity)は第1半導体層102の蝕刻速度に対する犠牲層101の蝕刻速度の比率を通じて定量的に表現される。一実施形態によれば、犠牲層101は第1半導体層102に対して1:10乃至1:200の蝕刻選択比を提供する物質の中の1つである。一例として、犠牲層101はSiGe、Si、及びGeの中の1つであり、第1半導体層102はSiGe、Si、及びGeの中の他の1つである。
【0038】
犠牲層101及び第1半導体層102は基板100をシード層(seed layer)とするエピタキシァル成長(epitaxial growth)工程によって形成される。一例として、エピタキシァル成長工程は化学気相蒸着(Chemical Vapor Deposition、CVD)工程又は分子ビームエピタキシ(Molecular Beam Epitaxy、MBE)工程である。犠牲層101及び第1半導体層102は同一のチャンバーにおいて連続的に形成される。犠牲層101及び第1半導体層102は基板100上に選択的に成長(selective epitaxial growth)されず、基板100の全面にコンフォーマルに成長される。犠牲層101及び第1半導体層102は実質的に同一の厚さに形成できるが、これに限定されない。
【0039】
図1図4A乃至図4Cを参照すれば、以下第1トランジスタが形成される領域(以下、第1トランジスタ領域)において犠牲層101及び第1半導体層102が除去される。犠牲層101及び第1半導体層102の除去は以下第2トランジスタが形成される領域(以下、第2トランジスタ領域)及び第3トランジスタが形成される領域(以下、第3トランジスタ領域)を覆うマスクパターンを形成した後、マスクパターンを蝕刻マスクとする乾式及び/又は湿式蝕刻工程を含む。それによって、第1トランジスタ領域の基板100が露出される。
【0040】
第1トランジスタ領域に第2半導体層110が形成される。第2半導体層110は露出された基板100をシードとして選択的エピタキシァル成長工程を遂行して形成される。第2及び第3トランジスタ領域はマスクパターン又は別個のマスクパターンによって覆っているので、エピタキシァル成長が進行されない。一例として、第2半導体層110は第1半導体層102と同一物質により形成できるが、これに限定されない。第2半導体層110は第2及び第3トランジスタ領域に形成された構造物の最上面レベルまで形成できるが、これより低い高さに形成されることもできる。マスクパターンは以後、アッシング工程を通じて除去される。
【0041】
図1図5A乃至図5Cを参照すれば、第2半導体層110が形成された結果物上にパターニング工程が遂行されて第1乃至第3トランジスタ領域に各々第1乃至第3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3が形成される。犠牲層101及び第1半導体層102は各々予備犠牲パターン103及び第1半導体パターン104になる。第1予備チャンネル領域PCH1は第1幅W1を有し、基板100と直接連結される。第2及び第3予備チャンネル領域PCH2、PCH3は各々第2幅W2及び第3幅W3を有する。パターニング工程はマスクパターン(図示せず)を利用する異方性乾式蝕刻工程を含む。第3幅W3は第2幅W2より大きい。一例として、第3幅W3は第2幅W2の約1.2倍乃至3倍である。第1幅W1は第2幅W2より小さいが、これに限定されない。パターニング工程を遂行した後、第1乃至第3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3上に各々キャッピング絶縁膜121が形成される。一例として、キャッピング絶縁膜121は熱酸化工程により形成される。一例として、第1予備チャンネル領域PCH1上のキャッピング絶縁膜121はシリコン酸化膜を含み、第2及び第3予備チャンネル領域PCH2、PCH3上のキャッピング絶縁膜121はシリコン−ゲルマニウム酸化膜を含む。これとは異なり、キャッピング絶縁膜121は蒸着工程により形成されることもできる。
【0042】
図1図6A乃至図6Cを参照すれば、第1乃至第3トランジスタ領域の各々にダミーゲート131が形成される。ダミーゲート131は第1方向d1に延長されるライン又はバー(bar)形状である。ダミーゲート131上にゲートマスクパターン135が提供される。ダミーゲート131及びゲートマスクパターン135を形成することは基板100上にダミーゲート膜及びゲートマスク膜を順次に形成すること、及びこれらを順次にパターニングすることを含む。ダミーゲート膜はポリシリコンを含む。ゲートマスク膜はシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を含む。パターニング工程の時、キャッピング絶縁膜121の一部も共に蝕刻される。
【0043】
ダミーゲート131の側壁上にゲートスペーサーGSが形成される。ゲートスペーサーGSはシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜の中の少なくとも1つを含む。ゲートスペーサーGSはCVD又はALDのような蒸着工程においてスペーサー層を形成した後、異方性蝕刻工程を遂行して形成される。
【0044】
ゲートマスクパターン135及びゲートスペーサーGSを蝕刻マスクとして予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3をパターニングする。パターニング工程によって第1トランジスタ領域に第1チャンネル領域CH1が形成される。パターニング工程によって第2予備チャンネル領域PCH2がパターニングされる。その結果、第2予備チャンネル領域PCH2の予備犠牲パターン103及び第1半導体パターン104は各々犠牲パターン105及び第2チャンネル部分NS2になる。また、第3予備チャンネル領域PCH3の予備犠牲パターン103及び第1半導体パターン104は各々犠牲パターン105及び第3チャンネル部分NS3になる。
【0045】
第2方向d2の第2チャンネル部分NS2の長さは第3チャンネル部分NS3の長さと実質的に同一である。第2方向d2の第1チャンネル領域CH1の長さは第2及び第3チャンネル部分NS2、NS3の長さと実質的に同一である。
【0046】
犠牲パターン105の一部が水平的に除去されてリセス領域RSが形成される。リセス領域RSの形成は犠牲パターン105に対して蝕刻選択性ある蝕刻ソースにより遂行される。一例として、第1チャンネル領域CH1、第2及び第3チャンネル部分NS2、NS3がSiを含み、犠牲パターン105がSiGeを含む場合、リセス領域RSの形成は過酢酸(peracetic acid)を含む蝕刻液を使用して遂行される。
【0047】
リセス領域RSの各々にバリアー絶縁パターン106が形成される。バリアー絶縁パターン106は第2チャンネル部分NS2又は第3チャンネル部分NS3を介して互いに離隔される。バリアー絶縁パターン106はシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜の中の少なくとも1つを含む。バリアー絶縁パターン106の形成はリセス領域RSが形成された結果物上に絶縁膜をコンフォーマルに形成した後、異方性蝕刻工程を遂行することを含む。
【0048】
図1図7A乃至図7Cを参照すれば、ダミーゲート131の各々の両側にソース/ドレーン領域SDが形成される。ソース/ドレーン領域SDは各々その下の基板100をシード層とする選択的エピタキシァル工程によって形成される。トランジスタ領域TAがNMOSFET領域である場合、ソース/ドレーン領域SDはチャンネル領域に引張性ストレインを提供する物質を含む。一例として、ソース/ドレーン領域SDはSiより格子常数が小さいSiC層、又は基板100と実質的に同一の格子常数を有するSi層を含む。トランジスタ領域TAがPMOSFET領域である場合、ソース/ドレーン領域SDはチャンネル領域に圧縮性ストレインを提供する物質を含む。一例として、ソース/ドレーン領域SDはSiより格子常数が大きいSiGe層を含む。
【0049】
図1図8A乃至図8Cを参照すれば、基板100上に層間絶縁膜123が形成される。続いて、ダミーゲート131の上面が露出されるまで層間絶縁膜123を平坦化する工程が遂行される。平坦化工程はエッチバック(etch back)及び/又はCMP(chemical mechanical polishing)工程を含む。層間絶縁膜123を平坦化する時、ゲートマスクパターン135が共に除去される。一例として、層間絶縁膜123はシリコン酸化膜又はシリコン酸化窒化膜を含む。
【0050】
平坦化工程によって露出されたダミーゲート131が選択的に除去される。キャッピング絶縁膜121はダミーゲート131の除去と同時に又は別個に除去される。ダミーゲート131の除去によって第1チャンネル領域CH1、第2及び第3予備チャンネル領域PCH2、PCH3の上面が露出される。
【0051】
第2及び第3予備チャンネル領域PCH2、PCH3から犠牲パターン105が選択的に除去される。一例として、犠牲パターン105がSiGeを含み、第2及び第3チャンネル部分NS2、NS3がSiを含む場合、選択的蝕刻工程は過酢酸(peracetic acid)を含む蝕刻液を使用して遂行される。蝕刻液はフッ化水素酸(HF)水溶液及び純水(deionized water)をさらに含む。第1チャンネル領域CH1は第2及び第3チャンネル部分NS2、NS3と同一の物質を含む。ソース/ドレーン領域SDはバリアー絶縁パターン106によってカバーされて保護される。
【0052】
ダミーゲート131及び犠牲パターン105の除去によって第1乃至第3トランジスタ領域に各々第1乃至第3トレンチTC1乃至TC3が形成される。第1トレンチTC1は第1チャンネル領域CH1の上面とゲートスペーサーGSとによって定義された領域である。第2トレンチTC2は第2チャンネル部分NS2、ゲートスペーサーGS、及びソース/ドレーン領域SDによって定義される。第2トレンチTC2は第2チャンネル部分NS2の間、及び第2チャンネル部分NS2の中の最下層と基板100との間に延長される。第3トレンチTC3は第3チャンネル部分NS3、ゲートスペーサーGS、及びソース/ドレーン領域SDによって定義される。第3トレンチTC3は第3チャンネル部分NS3間、及び第3チャンネル部分NS3中の最下層と基板100との間に延長される。以下、第2チャンネル部分NS2は第2チャンネル領域CH2と称され、第3チャンネル部分NS3は第3チャンネル領域CH3と称される。
【0053】
図1図2A乃至図2Cを再び参照すれば、トレンチTC1乃至TC3の各々内にゲート絶縁膜及びゲート電極が形成される。一例として、第1トレンチTC1内には第1ゲート絶縁パターンGI1及び第1ゲート電極GE1が形成され、第2トレンチTC2内には第2ゲート絶縁パターンGI2及び第2ゲート電極GE2が形成され、第3トレンチTC3内には第3ゲート絶縁パターンGI3及び第3ゲート電極GE3が形成される。具体的に、トレンチTC1乃至TC3内にゲート絶縁膜及びゲート導電膜を順に形成した後、平坦化工程を遂行してトレンチTC1乃至TC3の各々内にゲート絶縁パターン及びゲート電極を形成する。一例として、ゲート絶縁膜はシリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、及びシリコン酸化膜より誘電率が高い高誘電膜の中の少なくとも1つにより形成される。一例として、ゲート導電膜はドーピングされた半導体、導電性金属窒化物及び金属の中の少なくとも1つにより形成される。
【0054】
第2ゲート絶縁パターンGI2及び第2ゲート電極GE2は第2チャンネル部分NS2の間及び第2チャンネル部分NS2の中の最下層と基板100との間に延長される。第3ゲート絶縁パターンGI3及び第3ゲート電極GE3は第3チャンネル部分NS3の間及び第3チャンネル部分NS3の中の最下層と基板100との間に延長される。
【0055】
ゲート絶縁パターンGI1乃至GI3及びゲート電極GE1乃至GE3の上部をリセスし、リセスされた領域にゲートキャッピングパターンGPが各々形成される。一例として、ゲートキャッピングパターンGPはシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜の中の少なくとも1つにより形成される。
【0056】
図9は本発明の実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。図10A図9のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。図10B図9のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。図10C図9のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。説明を簡単にするために重複する構成に対する説明は省略する。
【0057】
図9及び図10A乃至図10Cを参照すれば、基板100上に第1乃至第3トランジスタTR1、TR2、及びTR3が提供される。基板100はトランジスタ領域TAを含む。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は互いに同一の導電形のトランジスタである。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は各々第1乃至第3活性領域ACT1乃至ACT3を含む。第1乃至第3活性領域ACT1乃至ACT3の各々は第1乃至第3チャンネル領域CH1、CH2、及びCH3及びチャンネル領域を介して離隔されたソース/ドレーン領域SDを含む。ソース/ドレーン領域SDは各々その下の基板100をシード層として形成されたエピタキシァルパターンである。
【0058】
第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は互に異なる閾値電圧を有する。一例として、第2トランジスタTR2の閾値電圧は第3トランジスタTR3の閾値電圧より大きくて、第1トランジスタTR1の閾値電圧は第2トランジスタTR2の閾値電圧より大きい。一例として、第1トランジスタTR1の閾値電圧は約0.30V乃至0.59Vであり、第2トランジスタTR2の閾値電圧は0.21V乃至0.29Vであり、第3トランジスタTR3の閾値電圧は0.15V乃至0.20Vであるが、これに限定されない。
【0059】
第1乃至第3チャンネル領域CH1乃至CH3の不純物濃度は実質的に同一である。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3のゲート絶縁膜は以下の製造方法により説明するように同一物質により同時に形成される。
【0060】
第1乃至第3チャンネル領域CH1乃至CH3の各々は基板100と垂直な方向に相互離隔される複数のチャンネル部分を含む。一例として、第1チャンネル領域CH1は3つの第1チャンネル部分NS1を含み、第2チャンネル領域CH2は3つの第2チャンネル部分NS2を含み、第3チャンネル領域CH3は3つの第3チャンネル部分NS3を含む。第1乃至3チャンネル部分NS1乃至NS3の各々の個数は3個に限定されない。第1乃至3チャンネル部分NS1乃至NS3の各々の個数は同一であるが、これに限定されない。第1乃至3チャンネル部分NS1乃至NS3は基板100の上面と離隔される。第1乃至第3チャンネル部分NS1乃至NS3は同一物質により形成される。一例として、第1乃至第3チャンネル部分NS1乃至NS3はSi、SiGe及びGeの中の少なくとも1つを含む。第1ゲート電極GE1は第1チャンネル部分NS1間、及び第1チャンネル部分NS1の中の基板100に最も隣接した1つと基板100との間に延長される。ソース/ドレーン領域SDと第1チャンネル部分NS1との間にバリアー絶縁パターン106が提供される。バリアー絶縁パターン106は第1チャンネル部分NS1を介して相互離隔される。
【0061】
第1チャンネル部分NS1の各々の第1方向d1の第4幅W4は第2チャンネル部分NS2の各々の第2幅W2より小さい。一例として、第2幅W2は第4幅W4の約1.2倍乃至3倍である。第3チャンネル部分NS3の各々の第1方向d1の第3幅W3は第2チャンネル部分NS2の各々の第2幅W2より大きい。一例として、第3幅W3は第2幅W2の約1.2倍乃至3倍である。第1乃至第3チャンネル部分NS1乃至NS3の各々の第2方向d2の長さは実質的に同一である。
【0062】
第2乃至第4幅W2乃至W4の差によって、第1トランジスタTR1の閾値電圧が第2トランジスタTR2の閾値電圧より大きくて、第2トランジスタTR2の閾値電圧が第3トランジスタTR3の閾値電圧より大きい。
【0063】
本発明の実施形態によれば、1つの半導体素子に互に異なる閾値電圧を有する複数のトランジスタを提供する。一例として、チャンネル部分の幅が異なり、閾値電圧が互に異なる複数のトランジスタを提供する。
【0064】
図11A、12A、13A、14Aは図9のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。図11B、12B、13B、14Bは図9のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。図11C、12C、13C、14Cは図9のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。以下、図9及び図11A乃至図14Cを参照して本発明の実施形態による半導体素子の製造方法を説明する。
【0065】
図9図11A乃至図11Cを参照すれば、図3A乃至図3Cを参照して説明した成果物上にパターニング工程が遂行されて第1乃至第3トランジスタ領域に各々第1乃至第3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3が形成される。図3A乃至図3Cの犠牲層101及び第1半導体層102は各々予備犠牲パターン103及び第1半導体パターン104になる。第1乃至第3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3は互に異なる幅を有する。一例として、第1予備チャンネル領域PCH1は第4幅W4を有し、第2及び第3予備チャンネル領域PCH2、PCH3は各々第2及び第3幅W2、W4を有する。第3幅W3は第2幅W2より大きい。一例として、第3幅W3は第2幅W2の約1.2倍乃至3倍である。第2幅W2は第4幅W4より大きい。一例として、第2幅W2は第4幅W4の約1.2倍乃至3倍である。パターニング工程の遂行の後、第1乃至第3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3上に各々キャッピング絶縁膜121が形成される。
【0066】
図9図12A乃至図12Cを参照すれば、第1乃至第3トランジスタ領域の各々にダミーゲート131が形成される。ダミーゲート131は第1方向d1に延長されるライン又はバー(bar)形状である。ダミーゲート131上にゲートマスクパターン135が提供される。ダミーゲート膜はポリシリコンを含む。ゲートマスク膜はシリコン窒化膜又はシリコン酸窒化膜を含む。パターニング工程の時、キャッピング絶縁膜121の一部も共に蝕刻される。ダミーゲート131の側壁上にゲートスペーサーGSが形成される。ゲートスペーサーGSはシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜の中の少なくとも1つを含む。
【0067】
ゲートマスクパターン135及びゲートスペーサーGSを蝕刻マスクとして予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3をパターニングする。それ結果、第1乃至第3チャンネル部分NS1乃至NS3及び犠牲パターン105が形成される。犠牲パターン105の一部が水平的に除去されてリセス領域RSが形成される。リセス領域RSの各々にバリアー絶縁パターン106が形成される。
【0068】
図9図13A乃至図13Cを参照すれば、ダミーゲート131の各々の両側にソース/ドレーン領域SDが形成される。ソース/ドレーン領域SDは各々その下の基板100をシード層とする選択的エピタキシァル工程によって形成される。トランジスタ領域TAがNMOSFET領域である場合、ソース/ドレーン領域SDはチャンネル領域に引張性ストレインを提供する物質を含む。一例として、ソース/ドレーン領域SDはSiより格子常数が小さいSiC層、又は基板100と実質的に同一の格子常数を有するSi層を含む。トランジスタ領域TAがPMOSFET領域である場合、ソース/ドレーン領域SDはチャンネル領域に圧縮性ストレインを提供する物質を含む。一例として、ソース/ドレーン領域SDはSiより格子常数が大きいSiGe層を含む。
【0069】
図9図14A乃至図14Cを参照すれば、基板100上に層間絶縁膜123が形成される。続いて、ダミーゲート131の上面が露出されるまで層間絶縁膜123を平坦化する工程が遂行される。平坦化工程はエッチバック(etch back)及び/又はCMP(chemical mechanical polishing)工程を含む。層間絶縁膜123を平坦化する時、ゲートマスクパターン135が共に除去される。一例として、層間絶縁膜123はシリコン酸化膜又はシリコン酸化窒化膜を含む。
【0070】
平坦化工程によって露出されたダミーゲート131が選択的に除去される。キャッピング絶縁膜121はダミーゲート131の除去と同時に又は別個に除去される。ダミーゲート131の除去によって第1乃至3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3の上面が露出される。
【0071】
第1乃至第3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3から犠牲パターン105が選択的に除去される。一例として、犠牲パターン105がSiGeを含み、第2及び第3チャンネル部分NS2、NS3がSiを含む場合、選択的蝕刻工程は過酢酸(peracetic acid)を含む蝕刻液を使用して遂行される。蝕刻液はフッ化水素酸(HF)水溶液及び純水(deionized water)をさらに含む。ソース/ドレーン領域SDはバリアー絶縁パターン106によってカバーされて保護される。ダミーゲート131及び犠牲パターン105の除去によって第1乃至第3トランジスタ領域に各々第1乃至第3トレンチTC1乃至TC3が形成される。
【0072】
図9図10A乃至図10Cを再び参照すれば、トレンチTC1乃至TC3の各々内にゲート絶縁膜及びゲート電極が形成される。一例として、第1トレンチTC1内には第1ゲート絶縁パターンGI1及び第1ゲート電極GE1が形成され、第2トレンチTC2内には第2ゲート絶縁パターンGI2及び第2ゲート電極GE2が形成され、第3トレンチTC3内には第3ゲート絶縁パターンGI3及び第3ゲート電極GE3が形成される。具体的に、トレンチTC1乃至TC3内にゲート絶縁膜及びゲート導電膜を順に形成した後、平坦化工程を遂行してトレンチTC1乃至TC3の各々内にゲート絶縁パターン及びゲート電極を形成する。ゲート絶縁パターンGI1乃至GI3及びゲート電極GE1乃至GE3の上部をリセスし、リセスされた領域にキャッピングパターンGPが各々形成される。一例として、キャッピングパターンGPはシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、及びシリコン酸化窒化膜の中の少なくとも1つにより形成される。
【0073】
図15は本発明の実施形態による半導体素子を説明するための平面図である。図16A図15のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。図16B図15のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。図16C図15のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。説明を簡単にするために重複する構成に対する説明は省略する。
【0074】
図15及び図16A乃至図16Cを参照すれば、基板100上に第1乃至第3トランジスタTR1、TR2、及びTR3が提供される。基板100はトランジスタ領域TAを含む。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は互いに同一の導電形のトランジスタである。第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は各々第1乃至第3活性領域ACT1乃至ACT3を含む。第1乃至第3活性領域ACT1乃至ACT3の各々は第1乃至第3チャンネル領域CH1、CH2、及びCH3及びチャンネル領域を介して離隔されたソース/ドレーン領域SDを含む。ソース/ドレーン領域SDは各々その下の基板100をシード層として形成されたエピタキシァルパターンである。
【0075】
第2チャンネル領域CH2と第3チャンネル領域CH3との各々は基板100と垂直な方向に相互離隔される複数のチャンネル部分を含む。一例として、第2チャンネル領域CH2は3つの第2チャンネル部分NS2を含み、第3チャンネル領域CH3は3つの第3チャンネル部分NS3を含む。第2及び第3チャンネル部分NS2、NS3の各々の個数は3個に限定されない。第2チャンネル部分NS2の第1方向d1の第5幅W5と第3チャンネル部分NS3の第1方向d1の第6幅W6とは実質的に同一である。これとは異なり、第2チャンネル部分NS2の第1方向d1の第5幅W5と第3チャンネル部分NS3の第1方向d1の第6幅W6とは異なることができる。
【0076】
第1トランジスタTR1の第1チャンネル領域CH1は基板100の上面から突出したフィン形状を有する。第1チャンネル領域CH1は第2及び第3チャンネル領域CH2、CH3と同一の物質を含む。第1チャンネル領域CH1の第1方向d1の第1幅W1は第5幅W5より小さいか、或いは同一であるが、これに限定されない。
【0077】
第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3の各々は第1乃至第3ゲート電極GE1乃至GE3を含む。第1ゲート電極GE1と第2ゲート電極GE2は同一物質により形成される。一例として、第1ゲート電極GE1と第2ゲート電極GE2はTiN、TiAlN、及びTiAlCの中の1つを含む。第3ゲート電極GE3は第1及び第2ゲート電極GE1、GE2と仕事関数が異なる物質により形成される。一例として、第3ゲート電極GE3はTiN、TiAlN、及びTiAlCの中の他の1つを含む。
【0078】
第1乃至第3トランジスタTR1乃至TR3は互に異なる閾値電圧を有する。一例として、第3トランジスタTR3の閾値電圧は第2トランジスタTR2の閾値電圧より大きくて、第2トランジスタTR2の閾値電圧は第1トランジスタTR1の閾値電圧より大きい。第3ゲート電極GE3の仕事関数は第2ゲート電極GE2の仕事関数と異なり、それによって第2トランジスタTR2の閾値電圧は第3トランジスタTR3と異なる。一例として、第3トランジスタTR3の閾値電圧は約0.30V乃至0.59Vであり、第2トランジスタTR2の閾値電圧は0.21V乃至0.29Vであり、第1トランジスタTR1の閾値電圧は0.15V乃至0.20Vであるが、これに限定されない。
【0079】
図17A図15のA−A’線及びB−B’線に沿う断面図である。図17B図15のC−C’線及びD−D’線に沿う断面図である。図17C図15のE−E’線及びF−F’線に沿う断面図である。以下、図15及び図17A乃至図17Cを参照して本発明の実施形態による半導体素子の製造方法を説明する。
【0080】
図15図17A乃至図17Cを参照すれば、図4A乃至図4Cを参照して説明した成果物上にパターニング工程が遂行されて第1乃至第3トランジスタ領域に各々第1乃至第3予備チャンネル領域PCH1乃至PCH3が形成される。図4A及び図4Cの犠牲層101及び第1半導体層102は各々予備犠牲パターン103及び第1半導体パターン104になる。
【0081】
図4Aの第2半導体層110は第1幅W1を有するようにパターニングされる。第2及び第3予備チャンネル領域PCH2、PCH3は同一の幅を有する。一例として、第2予備チャンネル領域PCH2は第5幅W5を有し、第3予備チャンネル領域PCH3は第6幅W6を有する。第5幅W5と第6幅W6は実質的に同一である。これとは異なり、第5幅W5と第6幅W6とは異なることができる。パターニング工程の遂行の後、第1チャンネル領域CH1及び第2及び第3予備チャンネル領域PCH2、PCH3上に各々キャッピング絶縁膜121が形成される。
【0082】
以下、図6A乃至図6C図7A乃至図7C図8A乃至図8Cと同一の工程が遂行される。
【0083】
図15図16A乃至図16Cを再び参照して、第1乃至第3ゲート絶縁パターンGI1乃至GI3及び第1乃至第3ゲート電極GE1乃至GE3が形成される。第1ゲート電極GE1と第2ゲート電極GE2とは同一物質により同時に形成されて同一の仕事関数を有する。第3ゲート電極GE3は第1及び第2ゲート電極GE1、GE2と異なる仕事関数を有する物質により形成される。一例として、第1及び第2ゲート電極GE1、GE2はTiN、TiAlN、及びTiAlCの中の1つを含み、第3ゲート電極GE3はTiN、TiAlN、及びTiAlCの中の他の1つを含む。一例として、第3ゲート電極GE3は第1及び第2ゲート電極GE1、GE2を形成する間に、第3トランジスタ領域を絶縁膜によりマスキングし、絶縁膜を除去した後に形成される。
【0084】
図18は本発明の実施形態によるチャンネル領域の形状を説明するための断面図である。チャンネル領域CHは垂直的に離隔されたチャンネル部分NSを含む。チャンネル部分NSの外周面は角がラウンドされた形状を有する。このようなチャンネル部分NSの形状は表面加工処理を通じて形成される。一例として、表面加工処理はチャンネル部分NSの表面をHClを含むガスに露出させる工程及びH雰囲気においてアニーリングすることを含む。
【0085】
図19は本発明の実施形態にトランジスタを含むCMOS SRAMセル(CMOS SRAM cell)の等価回路図である。図19を参照して、CMOS SRAMセルは一対の駆動トランジスタ(driver transistors)TD1、TD2、一対の伝送トランジスタ(transfer transistors)TT1、TT2、及び一対の負荷トランジスタ(load transistors)TL1、TL2を含む。駆動トランジスタTD1、TD2はプルダウントランジスタ(pull−down transistor)であり、伝送トランジスタTT1、TT2はパストランジスタ(pass transistor)であり、負荷トランジスタTL1、TL2はプルアップトランジスタ(pull−up transistor)である。駆動トランジスタTD1、TD2及び伝送トランジスタTT1、TT2はNMOSトランジスターであり、負荷トランジスタTL1、TL2はPMOSトランジスタである。
【0086】
第1駆動トランジスタTD1と第1伝送トランジスタTT1とは互いに直列に連結される。第1駆動トランジスタTD1のソース領域は接地線Vssに電気的に連結され、第1伝送トランジスタTT1のドレーン領域は第11ビットラインBL1に電気的に連結される。第2駆動トランジスタTD2と第2伝送トランジスタTT2とは直列に連結される。第2駆動トランジスタTD2のソース領域は接地線Vssに電気的に連結され、第2伝送トランジスタTT2のドレーン領域は第2ビットラインBL2に電気的に連結される。
【0087】
第1負荷トランジスタTL1のソース領域及びドレーン領域は各々電源線Vcc及び第1駆動トランジスタTD1のドレーン領域に電気的に連結される。第2負荷トランジスタTL2のソース領域及びドレーン領域は電源線Vcc及び第2駆動トランジスタTD2のドレーン領域に電気的に連結される。第1負荷トランジスタTL1のドレーン領域、第1駆動トランジスタTD1のドレーン領域及び第1伝送トランジスタTT1のソース領域は第1ノードN1に該当する。第2負荷トランジスタTL2のドレーン領域、第2駆動トランジスタTD1のドレーン領域及び第2伝送トランジスタTT2のソース領域は第2ノードN2に該当する。第1駆動トランジスタTD1のゲート電極及び第1負荷トランジスタTL1のゲート電極は第2ノードN2に電気的に連結され、第2駆動トランジスタTD2のゲート電極及び第2負荷トランジスタTL2のゲート電極は第1ノードN1に電気的に連結される。第1及び第2伝送トランジスタTT1、TT2のゲート電極はワードラインWLに電気的に連結される。第1駆動トランジスタTD1、第1伝送トランジスタTT1、及び第1負荷トランジスタTL1は第1ハーフセルH1を構成し、第2駆動トランジスタTD2、第2伝送トランジスタTT2、及び第2負荷トランジスタTL2は第2ハーフセルH2を構成する。
【0088】
駆動トランジスタTD1、TD2、伝送トランジスタTT1、TT2、及び負荷トランジスタTL1、TL2の中の少なくとも3つは本発明の実施形態による互に異なる閾値電圧を有する第1乃至第3トランジスタにより構成される。
【0089】
以上、添付した図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明はその技術的思想や必須的な特徴を変形せずに、他の具体的な形態に実施されることもあり得る。したがって、以上において記述した実施形態はすべての面において例示的なものであり、限定的なものではない。
【符号の説明】
【0090】
100 基板
101 犠牲層
102 第1半導体層
103 予備犠牲パターン
104 第1半導体パターン
105 犠牲パターン
106 バリアー絶縁パターン
110 第2半導体層
121 キャッピング絶縁膜
123 層間絶縁膜
131 ダミーゲート
135 ゲートマスクパターン
ACT1、ACT2、ACT3 活性領域
CH1、CH2、CH3 チャンネル領域
GE1、GE2、GE3 ゲート電極
GI1、GI2、GI3 ゲート絶縁パターン
GP ゲートキャッピングパターン
GS ゲートスペーサー
H1、H2 ハーフセル
N1、N2 ノード
NS、NS1、NS2、NS3 チャンネル部分
PCH1、PCH2、PCH3 予備チャンネル領域
RS リセス領域
SDソース/ドレーン領域
TA トランジスタ領域
TC1、TC2、TC3 トレンチ
TD1、TD2 駆動トランジスタ
TL1、TL2 負荷トランジスタ
TR1、TR2、TR3 トランジスタ
TT1、TT2 伝送トランジスタ
W1、W2、W3、W4、W5、W6 幅
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18
図19