特許第6702856号(P6702856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6702856埋め込み型デバイス用高信頼性ワイヤ溶接
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702856
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】埋め込み型デバイス用高信頼性ワイヤ溶接
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/375 20060101AFI20200525BHJP
   A61N 1/05 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   A61N1/375
   A61N1/05
【請求項の数】14
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-512113(P2016-512113)
(86)(22)【出願日】2014年5月5日
(65)【公表番号】特表2016-517752(P2016-517752A)
(43)【公表日】2016年6月20日
(86)【国際出願番号】US2014036864
(87)【国際公開番号】WO2014179816
(87)【国際公開日】20141106
【審査請求日】2017年4月25日
(31)【優先権主張番号】61/819,459
(32)【優先日】2013年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515055524
【氏名又は名称】アルフレッド イー. マン ファウンデーション フォー サイエンティフィック リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, シグマー
【審査官】 宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0015694(US,A1)
【文献】 特表2004−505437(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0256694(US,A1)
【文献】 特開昭59−191577(JP,A)
【文献】 特開2009−241116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/32 − A61N 1/39
A61N 1/05
H01R 43/02
B23K 26/21 − B23K 26/324
B23K 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み型パルス発生器にリード線を接続する方法であって、前記埋め込み型パルス発生器は、
生体適合性筐体と、
前記生体適合性筐体から延在し、それぞれが長手方向軸を含む複数の生体適合性ワイヤと、
貫通接続部であって、前記貫通接続部と前記生体適合性筐体とが共に密閉容積を画定し、前記生体適合性ワイヤは、前記貫通接続部を介して延在する、貫通接続部と、
を含み、前記方法は、
前記生体適合性ワイヤの1つ及び接続部品が接触するように前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記接続部品を配置することと、
前記生体適合性ワイヤの1つ及び前記接続部品を共に抵抗溶接することと、
前記抵抗溶接することの後に、前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記接続部品を共にエネルギービーム溶接することと、
を含み、
前記エネルギービーム溶接することは、
エネルギービームの一部が前記生体適合性ワイヤの前記1つの縁部の接線であるように、前記エネルギービームを前記縁部に向けることと、
前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部を前記接続部品に溶接することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記接続部品は、重ね継手を形成するように配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
エネルギービーム溶接することは、レーザー溶接することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部を前記接続部品に溶接することによって形成される熱影響域は、前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部から延在する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部を前記接続部品に溶接することによって形成される前記熱影響域は、前記生体適合性ワイヤの前記1つの第2の縁部に延在する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部及び前記接続部品を非導電性材料で密閉することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記非導電性材料は、反応樹脂を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接続部品は、長手方向軸を含む第2の生体適合性ワイヤを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記第2の生体適合性ワイヤを含む前記接続部品を配置することは、前記生体適合性ワイヤ及び前記第2の生体適合性ワイヤの前記長手方向軸が非平行であるように、前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記第2の生体適合性ワイヤのいずれのものの一部を重ね合わせることを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記生体適合性ワイヤの前記長手方向軸と前記第2の生体適合性ワイヤの前記長手方向軸との角度が、30度〜150度である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記接続部品は、少なくとも1つのコネクタを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記接続部品は、第1のコネクタ及び第2のコネクタを含み、前記生体適合性ワイヤの第1群が前記第1のコネクタと接続し、生体適合性ワイヤの第2群が前記第1のコネクタを超えて延在し、前記第2のコネクタに接続する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ワイヤの前記第2群を前記第2のコネクタに溶接する前に、ワイヤの前記第2群と前記第1のコネクタとの間に絶縁障壁を形成することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
抵抗溶接することは、前記生体適合性ワイヤの少なくとも1つ及び前記接続部品を抵抗溶接機の少なくとも1つの電極と接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年5月3日出願の米国仮出願第61/819,459号、発明の名称「HIGH RELIABILITY WIRE WELDING FOR IMPLANTABLE DEVICES」の利益を主張し、その全内容が、参照によって本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
埋め込み型パルス発生器及び他の電子デバイスなど、一部の医療用装置では、長い年月の間に小型化してきているものもある。これらの埋め込み型デバイスのサイズの最小化には、全身における埋め込み易さの向上、埋め込み後の回復時間の短縮及び埋め込みによって発生する合併症の減少などの有益性がある。しかし、これらのデバイスの小型化にも課題がある。例えば、さまざまな構成部品、下位構成部品及び、埋め込み型デバイス及び/又は関連デバイス又は付属品の他の要素間での電気的接続は、多くの場合、小領域及び小容量で行われる必要がある場合がある。これらの小領域及び小容量により、アクセス及び/又は可視度の制約する場合がある。しかし、小容量でのこれらの接続が困難であっても、接続は、頑強かつ耐久性のあるようにする必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の一態様は、リード線の埋め込み型パルス発生器への接続方法に関する。一部の実施形態では、埋め込み型パルス発生器は、生体適合性筺体、生体適合性筺体から延在し、長手方向軸を含み得る、複数の生体適合性ワイヤ、及び貫通接続部を備え得る。一部の実施形態では、貫通接続部と生体適合性筺体とが共に、密閉容積を画定し、一部の実施形態では、生体適合性筺体ワイヤは、貫通接続部を介して延在する。この方法には、生体適合性ワイヤの1つが接続部品と接触するように、生体適合性ワイヤの1つ及び接続部品を配置すること、生体適合性ワイヤの1つ及び接続部品を共に抵抗溶接すること、並びに生体適合性ワイヤの1つ及び接続部品を共にエネルギービーム溶接することが含まれる。
【0004】
一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの1つ及び接続部品を配置して、重ね継手を形成する。本方法の一部の実施形態では、エネルギービーム溶接することは、レーザー溶接することであってもよい。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤのエネルギービーム溶接することは、エネルギービームの一部がその縁部に接するように、生体適合性ワイヤの1つの縁部にエネルギービームを向けること、及び生体適合性ワイヤの1つの縁部を接続部品に溶接することを含むことができる。
【0005】
本方法の一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの1つの縁部と接続部品とを溶接することによって形成される熱影響域は、生体適合性ワイヤの1つの縁部から延在する。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの1つの縁部と接続部品とを溶接することによって形成される熱影響域は、生体適合性ワイヤの1つの第2の縁部に延在する。代表的な一実施形態では、本方法には、非導電性材料で生体適合性ワイヤの1つと接続部品との溶接部を密閉することを含み、一実施形態では、非導電性材料は、反応樹脂であってもよい。
【0006】
本方法の一部の実施形態では、接続部品は、長手方向軸を有し得る第2の生体適合性ワイヤを備えてもよい。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの1つ及び第2の生体適合性ワイヤである接続部品を配置することには、生体適合性ワイヤの1つ及び第2の生体適合性ワイヤのいずれもの一部が、生体適合性ワイヤ及び第2の生体適合性ワイヤの長手方向軸が非平行であるように、重ね合わせることを含む。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤ長手方向軸と第2の生体適合性ワイヤの長手方向軸間の角度は、30度〜150度である。
【0007】
一部の実施形態では、接続部品は、少なくとも1つのコネクタを含み得る。代表的な一実施形態では、接続部品は第1のコネクタ及び第2のコネクタであってもよい。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの第1群は、第1のコネクタに接続され、生体適合性ワイヤの第2群は、第1のコネクタを超えて延在し、第2のコネクタに接続される。一部の実施形態では、本方法には、ワイヤの第2群を第2のコネクタに溶接する前に、ワイヤの第2群と第1のコネクタとの間に絶縁障壁を生じさせることを含む。一部の実施形態では、抵抗溶接することは、生体適合性ワイヤの少なくとも1つ及び接続部品を抵抗溶接機の少なくとも1つの電極に接触させることが含まれてもよい。一部の実施形態では、ワイヤは、0.05mm〜0.5mmの直径を有し得る。
【0008】
本開示の一態様は、埋め込み型パルス発生器に関する。埋め込み型パルス発生器は、生体適合性筺体及び生体適合性筺体から延在する複数の生体適合性ワイヤを備える。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤのそれぞれは、長手方向軸を有し得る。埋め込み型パルス発生器は、貫通接続部を備え得る。一部の実施形態では、貫通接続部と生体適合性筺体とが共に、密封容積を画定する。代表的な一実施形態では、生体適合性ワイヤは、貫通接続部を介して延在する。埋め込み型パルス発生器は、生体適合性ワイヤの1つに溶接された導電性接続部品を備え得る。一部の実施形態では、導電性接続部品は、第1の溶接部及び第2の溶接部を介して、継手にて生体適合性ワイヤの1つと接合される。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの1つの長手方向軸から、又は、生体適合性ワイヤの端部にてオフセットされる。
【0009】
埋め込み型パルス発生器の一部の実施形態では、複数の生体適合性ワイヤは、プラチナイリジウム合金から作製され得る。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの1つと導電性接続部品の継手は、重ね継手となり得る。埋め込み型パルス発生器のいくつかの実施形態は、生体適合性ワイヤ及び生体適合性ワイヤの1つと接続部品との継手を密閉するキャップを備える。一部の実施形態では、キャップは非導電性であり、また一部の実施形態では、キャップは、体液に対して透過であり得る。一部の実施形態では、キャップは、反応樹脂であり得る。
【0010】
埋め込み型パルス発生器の一部の実施形態では、接続部品は、長手方向軸を有する第2の生体適合性ワイヤであってもよい。一部の実施形態では、継手の第1の溶接部で、生体適合性ワイヤの1つの長手方向軸は、第2の生体適合性ワイヤの長手方向軸と非平行である。
【0011】
一部の実施形態では、接続部品は、少なくとも1つのコネクタを含み得る。一部の実施形態では、接続部品は第1のコネクタ及び第2のコネクタであってもよい。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤの第1群は、第1のコネクタに接続し、生体適合性ワイヤの第2群は、第1のコネクタを超えて延在し、第2のコネクタに接続する。
【0012】
本開示の一態様は、リード線の埋め込み型パルス発生器への接続方法に関する。一部の実施形態では、埋め込み型パルス発生器は、生体適合性筺体、生体適合性筺体から延在し、それぞれの生体適合性ワイヤが長手方向軸を有する生体適合性ワイヤのアレイ及び貫通接続部を備え得る。一部の実施形態では、貫通接続部と生体適合性筺体とが共に、密封容積を画定する。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤは、貫通接続部を介して延在する。本方法には、生体適合性ワイヤのアレイの生体適合性ワイヤのそれぞれと接続部品とを抵抗溶接すること及び生体適合性ワイヤのアレイの生体適合性ワイヤのそれぞれと接続部品とをエネルギービーム溶接することを含むことができる。
【0013】
一部の実施形態では、接続部品は複数の第2のワイヤであってもよい。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤのアレイの生体適合性ワイヤのそれぞれは、第2のワイヤの固有の1つに接続される。一部の実施形態では、接続部品は複数の接点を有するコネクタであってもよい。一部の実施形態では、生体適合性ワイヤのアレイの生体適合性ワイヤのそれぞれは、複数の接点の固有の1つに接続される。一部の実施形態では、抵抗溶接ことは、生体適合性ワイヤの少なくとも1つ及び接続部品を抵抗溶接機の少なくとも1つの電極に接触することが含まれてもよい。一部の実施形態では、ワイヤは、0.05mm〜0.5mmの直径を有する。
【0014】
本開示の更なる適用可能領域は、以下に記載する詳細な説明により明らかになるであろう。さまざまな実施形態を示すが、発明を実施するための形態及び特定の実施例は、図示のみを目的にすることを意図しているが、本開示の範囲を必ずしも制限することを意図するものではないことは、理解されたい。
例えば、本願発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
埋め込み型パルス発生器とリード線との接続方法であって、前記埋め込み型パルス発生器は、
生体適合性筐体と、
前記生体適合性筐体から延在し、それぞれが長手方向軸を含む複数の生体適合性ワイヤと、
貫通接続部であって、前記貫通接続部と前記生体適合性筐体とが共に密閉容積を画定し、前記生体適合性ワイヤは、前記貫通接続部を介して延在する、貫通接続部と、
を含み、前記方法は、
前記生体適合性ワイヤの1つ及び接続部品が接触するように前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記接続部品を配置することと、
前記生体適合性ワイヤの1つ及び前記接続部品を共に抵抗溶接することと、
前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記接続部品を共にエネルギービーム溶接することと、
を含む方法。
(項目2)
前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記接続部品は、重ね継手を形成するように配置される、項目1に記載の方法。
(項目3)
エネルギービーム溶接することは、レーザー溶接することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記生体適合性ワイヤをエネルギービーム溶接することは、
エネルギービームの一部が前記生体適合性ワイヤの前記1つの縁部の接線であるように、前記エネルギービームを前記縁部に向けることと、
前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部を前記接続部品に溶接することと、
を含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部を前記接続部品に溶接することによって形成される前記熱影響域は、前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部から延在する、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記縁部を前記接続部品に溶接することによって形成される前記熱影響域は、前記生体適合性ワイヤの前記1つの第2の縁部に延在する、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記生体適合性ワイヤの前記1つと前記接続部品の前記溶接部を非導電性材料で密閉することを更に含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記非導電性材料は、反応樹脂である、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記接続部品は、長手方向軸を含む第2の生体適合性ワイヤを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記第2の生体適合性ワイヤを含む前記接続部品を配置することは、前記生体適合性ワイヤ及び前記第2の生体適合性ワイヤの前記長手方向軸が非平行であるように、前記生体適合性ワイヤの前記1つ及び前記第2の生体適合性ワイヤのいずれものの一部を重ね合わせることを含む、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記生体適合性ワイヤの前記長手方向軸と前記第2の生体適合性ワイヤの前記長手方向軸との角度が、30度〜150度である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記接続部品は、少なくとも1つのコネクタを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記接続部品は、第1のコネクタ及び第2のコネクタを含み、前記生体適合性ワイヤの第1群が前記第1のコネクタと接続し、生体適合性ワイヤの第2群が前記第1のコネクタを超えて延在し、前記第2のコネクタに接続する、項目1に記載の方法。
(項目14)
ワイヤの前記第2群を前記第2のコネクタに溶接する前に、ワイヤの前記第2群と前記第1のコネクタとの間に絶縁障壁を形成することを更に含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
抵抗溶接することは、前記生体適合性ワイヤの少なくとも1つ及び前記接続部品を抵抗溶接機の少なくとも1つの電極と接触させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
前記ワイヤは、0.05mm〜0.5mmの直径を含む、項目1に記載の方法。
(項目17)
埋め込み型パルス発生器であって、
生体適合性筺体と、
前記生体適合性筺体から延在し、それぞれが長手方向軸を含む、複数の生体適合性ワイヤと、
貫通接続部であって、前記貫通接続部と前記生体適合性筺体とが共に、密閉容積を画定し、前記生体適合性ワイヤは、前記貫通接続部を介して延在する、貫通接続部と、
導電性接続部品であって、前記導電性接続部品は、第1の溶接部及び第2の溶接部を介して、継手で前記生体適合性ワイヤの1つのに連結され、前記第2の溶接部は、前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記長手方向軸から又は前記生体適合性ワイヤの前記端部でオフセットされる、導電性接続部品と、
を備える、埋め込み型パルス発生器。
(項目18)
前記複数の生体適合性ワイヤは、プラチナイリジウム合金を含む、項目15に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目19)
前記生体適合性ワイヤの前記1つと前記導電性接続部品との前記継手は、重ね継手を含む、項目15に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目20)
前記生体適合性ワイヤ及び前記生体適合性ワイヤの前記1つと前記接続部品との前記継手を密閉するキャップを更に備える、項目15に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目21)
前記キャップは、非導電性である、項目18に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目22)
前記キャップは、体液に透過可能である、項目18に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目23)
前記キャップは、反応樹脂を含む、項目18に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目24)
前記接続部品は、長手方向軸を有する第2の生体適合性ワイヤを含む、項目15に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目25)
前記継手の前記第1の溶接で、前記生体適合性ワイヤの前記1つの前記長手方向軸は、前記第2の生体適合性ワイヤの前記長手方向軸と非平行である、項目22に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目26)
前記接続部品は、少なくとも1つのコネクタを含む、項目15に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目27)
前記接続部品は、第1のコネクタ及び第2のコネクタを含み、前記生体適合性ワイヤの第1群が前記第1のコネクタと接続し、生体適合性ワイヤの第2群が前記第1のコネクタを超えて延在し、前記第2のコネクタに接続する、項目15に記載の埋め込み型パルス発生器。
(項目28)
リード線の埋め込み型パルス発生器への接続方法であって、前記埋め込み型パルス発生器は、
生体適合性筐体と、
前記生体適合性筐体から延在し、それぞれが長手方向軸を含む、生体適合性ワイヤのアレイと、
貫通接続部であって、前記貫通接続部と前記生体適合性筐体とが共に密閉容積を画定し、前記生体適合性ワイヤは、前記貫通接続部を介して延在する貫通接続と、
を含み、
生体適合性ワイヤの前記アレイの前記生体適合性ワイヤのそれぞれを接続部品に抵抗溶接することと、
生体適合性ワイヤの前記アレイの前記生体適合性ワイヤのそれぞれを接続部品にエネルギービーム溶接することと、
を含む方法。
(項目29)
前記接続部品が、複数の第2のワイヤを含み、生体適合性ワイヤの前記アレイの前記生体適合性ワイヤのそれぞれが前記第2のワイヤの固有の1つに接続される、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記接続部品が、複数の接点を有するコネクタを含み、生体適合性ワイヤの前記アレイの前記生体適合性ワイヤのそれぞれが前記複数の接点の固有の1つに接続される、項目28に記載の方法。
(項目31)
抵抗溶接することは、前記生体適合性ワイヤの少なくとも1つ及び接続部品を抵抗溶接機の少なくとも1つの電極に接触させことを含む、項目28に記載の方法。
(項目32)
前記ワイヤは、0.05mm〜0.5mmの直径を含む、項目28に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】埋め込み型神経刺激システムの一実施形態の略図である。
図2】埋め込み型パルス発生器(IPG)の一実施形態の斜視図である。
図3】埋め込み型パルス発生器(IPG)の接続ワイヤの斜視図である。
図4】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤの1つを第2のワイヤに接続するプロセスの一実施形態を示す図である。
図5】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤの1つを第2のワイヤに接続するプロセスの一実施形態を示す図である。
図6】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤの1つを第2のワイヤに接続するプロセスの一実施形態を示す図である。
図6A】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤの1つを第2のワイヤに接続するプロセスの一実施形態を示す図である。
図7】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤ及びコネクタ積層体の一実施形態の斜視図である。
図8】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤの1つをコネクタに接続するプロセスの一実施形態を示す図である。
図9】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤの1つをコネクタに接続するプロセスの一実施形態を示す図である。
図10】埋め込み型パルス発生器の接続ワイヤの1つをコネクタに接続するプロセスの一実施形態を示す図である。
【0016】
添付の図面では、類似の構成部品及び/又は機構は、同一の参照ラベルを有してもよい。参照ラベルを明細書中で使用する場合、その説明を同じ参照ラベルを有する類似の構成部品のいずれか1つに適用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に記載する実施形態のいくつかは、神経因性疼痛の治療用神経刺激システムの構成部品の文脈で記載される。欧米(EU及び米国)の人口のかなりの割合が、神経障害性疼痛(神経損傷による慢性難治性疼痛)に冒されている。多くの人々では、この痛みが激しい。神経に関わる慢性難治性疼痛を有する患者が数多く存在する。神経障害性疼痛は、治療が非常に困難であり、部分的に痛みが軽減されるのは、患者の半数のみであり得る。このように、個々の患者に対する最適な治療を決定することが課題として残されている。従来の治療としては、特定の抗うつ剤、抗てんかん剤、及びオピオイドが挙げられる。ただし、これらの薬剤の副作用は有害である場合がある。これらの場合のいくつかは、FESなどの電気刺激は、薬剤関連の副作用なしでこの疼痛の効果的な治療をもたらす可能性がある。
【0018】
脊髄刺激装置は、慢性疼痛を制御するため、脊髄にパルス電気信号を送るために使用されるデバイスである。電気刺激は、純粋な電気治療であり、薬剤が原因となるような副作用をもたらさないため、疼痛の治療として薬剤よりも電気刺激の使用を好む医師及び患者が増えている。脊髄刺激(SCS)による疼痛の軽減の正確な機序は不明である。初期のSCS臨床試験は、疼痛は、ゲートコントロールセオリーに基づいたものであり、2種の求心性神経線維によって伝達されると仮定されている。その1つは、大きい有髄Aδ線維であり、迅速に激痛のメッセージを伝送する。もう1つは、小さい無髄「C」線維であり、慢性の拍動痛メッセージを伝達する。3つ目のタイプの神経線維は、Aβと呼ばれる「非侵害受容性」であり、痛刺激を伝達しない。ゲートコントロールセオリーでは、Aδ及びC痛覚線維によって伝達される信号は、非侵害受容性Aβ線維の活性化/刺激によって妨害されるため、個人の痛覚を阻害することができると断言している。このように、神経刺激は、脳に到達する前に疼痛メッセージをブロックすることによって、疼痛を軽減する。
【0019】
SCSは主に、腰椎術後疼痛症候群、阻血による難治性疼痛を有する慢性疼痛症候群の治療に使用される。更に広い部分では、すべてのSCS患者の30%〜40%においてSCSの複雑な問題が報告されている。このため、患者の疼痛管理の総合的なコストが増加し、SCSの有効性が減少する。よくある複雑な問題としては、感染症、出血、神経組織の損傷、誤った区画へのデバイスの配置、ハードウェアの誤動作、リード線の移動、リード線の破損、リード線の切断、リード線の浸食、移植組織部位の疼痛、発生器の過熱、及び荷電器の過熱が挙げられる。よくある複雑な問題の発生率は、驚くほど高く、リード線拡張接続問題、リード線の破損、リード線の移動及び感染が挙げられる。
【0020】
末梢神経障害、電気的刺激により治療可能な別の状態は、遺伝性又は後天性のいずれかであってもよい。後天的末梢神経障害の原因としては、神経への物理的障害(外傷)、ウィルス、腫瘍、毒素、自己免疫反応、栄養失調、アルコール依存症、糖尿病、並びに血管及び代謝疾患が挙げられる。後天的末梢神経障害は、全身性疾患によるもの、外傷によるもの、及び神経組織に影響する感染症又は自己免疫疾患によるものという3つの広いカテゴリに分類される。後天的末梢神経障害の一例は三叉神経痛であり、三叉神経に対する損傷(頭部及び顔面の大きい神経)によって顔面の片側に一時的に閃光のように猛烈な痛みをもたらす。
【0021】
末梢神経障害性疼痛を抱える患者には、高い割合で、さまざまな理由からSCSの効果がない。ただし、これらの患者の多くは、対応する末梢神経に対する直接的な電気刺激によって、許容できるレベルに疼痛を軽減することができる。この療法は、末梢神経刺激(PNS)と呼ばれる。FDA承認PNSデバイスは、米国市場では入手できなかったが、標準的脊髄刺激(SCS)デバイスは、多くの場合、この状態を治療するために、疼痛専門医師により使用される承認適応症外デバイスである。市販のSCSデバイスのかなりの部分は、PNSの適応外使用であってもよい。
【0022】
現在の市販のSCSシステムは、脊髄を刺激するために設計されており、末梢神経刺激用ではないため、SCSに関してよりも、PNSに関するSCSシステムの使用に関連した、デバイスの複雑な問題がより多く存在する。現在のSCSデバイス(発生器)は、大きく、嵩高である。SCSがPNSに使用される場合、SCS発生器は一般に、腹部又は殿部の上の腰部に埋め込まれ、長いリード線が、腕、脚、又は顔にある標的末梢神経に到達するように、複数の関節をまたいでトンネリングされる。過剰なトンネリング及び関節の横断は、外科手術後の痛みの増加及びデバイスの故障率の上昇につながる。加えて、剛性のリード線は、皮膚びらん及び穿通を引き起こす場合があり、リード線故障率は埋め込みの最初の数年以内で非常に高くなる。多くの又はほとんどの複雑な問題は、結果として置換手術、場合によっては複数の置換手術を行うことになる。
【0023】
埋め込み型神経刺激システム100の一例は、図1に示し、埋め込み型神経刺激システム100は、例えば、末梢埋め込み型神経刺激システム100であってもよい。一部の実施形態では、埋め込み型神経刺激システム100は、例えば、末梢神経から起因する、慢性の激しい、治療抵抗性の神経障害性疼痛を抱える患者の治療に使用することができる。一部の実施形態では、埋め込み型神経刺激システム100を使用して、標的末梢神経又は脊髄の後方の硬膜外腔のいずれかに刺激を与えることができる。
【0024】
埋め込み型神経刺激システム100は、1つ又は複数のパルス発生器を含む場合がある。パルス発生器は、さまざまな形状及びサイズである場合があり、さまざまな材料から作製される場合がある。一部の実施形態では、1つ又は複数のパルス発生器は、痛みを制御するために神経に送達される1つ又は複数の非切除性電気パルスを生成することができる。一部の実施形態では、これらのパルスは、0〜100,000mA、0〜10,000mA、0〜1,000mA、0〜100mA、0〜50mA、0〜25mA及び/又は任意の他の範囲又は中間範囲のパルス振幅を有する。1つ以上のパルス発生器は、プロセッサ及び/又はメモリを備え得る。一部の実施形態では、プロセッサは、埋め込み型神経刺激システム100の他の構成部品に命令を提供し、埋め込み型神経刺激システム100の他の構成部品から情報を受信することができる。プロセッサは、記憶された命令に従って機能することができ、その記憶された命令は、プロセッサ及び/又は他の内容物注入システム100の他の構成部品に関連付けられたメモリ内に位置付けてもよい。プロセッサは、記憶された命令に従って、決定を行う。プロセッサは、Intel(登録商標)又はAdvanced Micro Devices,Inc.(登録商標)からのマイクロプロセッサなど、マイクロプロセッサを備えてもよい。
【0025】
一部の実施形態では、プロセッサの動作を命令する記憶された命令は、ハードウェア、ソフトウェア、スクリプト言語、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語及び/又はその任意の組み合わせによって実行してもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、スクリプト言語及び/又はマイクロコードで実装する場合には、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体などの機械可読媒体に記憶されてもよい。コードセグメント又は機械実行可能命令は、手続き、関数、サブプログラム、プログラム、ルーティン、サブルーティン、モジュール、ソフトウェアパッケージ、スクリプト、クラス、又は命令、データ構造、及び/若しくはプログラム文の任意の組み合わせを表し得る。コードセグメントは、情報、データ、引数、パラメータ及び/若しくはメモリコンテンツの受け渡し及び/若しくは受信によって、別のコードセグメント又はハードウェア回路と繋がってもよい。情報、引数、パラメータ、データなどは、メモリ共有、メッセージの受け渡し、トークンの受け渡し、ネットワーク伝送など、任意の好適な手段によって受け渡し、転送又は送信が行われてもよい。
【0026】
一部の実施形態では、パルス発生器の1つ又は双方のメモリは、記憶された命令を含む記憶媒体であってもよい。メモリは、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気RAM、コアメモリ、磁気ディスク記憶媒体、光学的記憶媒体、フラッシュメモリデバイス及び/又は情報を記憶するための他の機械可読媒体など、データを記憶するための1つ以上のメモリを指してもよい。一部の実施形態では、メモリは、プロセッサ内又はプロセッサ外に実装されてもよい。一部の実施形態では、メモリは、任意の型の長期記憶媒体、短期記憶媒体、非揮発性記憶媒体又は他の記憶媒体であってもよく、メモリの特定の型又はメモリの数又はメモリが記憶される媒体の型などに制限するものではない。一部の実施形態では、メモリは、例えば、揮発性メモリ又は非揮発性メモリの片方又は双方を備えてもよい。1つの特定の実施形態では、メモリは、RAMメモリなどの揮発性部分及びフラッシュメモリなどの非揮発性部分を備えてもよい。
【0027】
一部の実施形態では、パルス発生器の片方は、外部パルス発生器102又は埋め込み型パルス発生器104であってもよい。外部パルス発生器102を使用して、埋め込み型神経刺激システム100を使用した治療、及び/又は埋め込み型パルス発生器104の埋め込みに対する患者の適合性を評価することができる。
【0028】
一部の実施形態では、パルス発生器の片方は、埋め込み型パルス発生器104であってもよく、埋め込み型パルス発生器104を体内に埋め込みできるような大きさ及び形状であってもよく、埋め込み型パルス発生器104を体内に埋め込みできるような材料で作製することができる。一部の実施形態では、埋め込み型パルス発生器104は、体内の所望の場所に埋め込み型パルス発生器104を定置できるようなサイズ及び形状にすることができ、一部の実施形態では、(後述する)リード線が関節をまたいでトンネリングされないように、及び/又は延長ケーブルが不要であるように、末梢神経に隣接して定置される。
【0029】
一部の実施形態では、パルス発生器によって生成された電極パルスは、1つ若しくは複数の神経110、及び/又は1つ若しくは複数のリード線を介して1つ若しくは複数の神経110に送達される場合がある。リード線は、電極又は電極の接触部分などの導電部分、及び非導電部分を含む場合がある。リード線は、さまざまな形状を有する場合があり、さまざまなサイズである場合があり、さまざまな材料から作製される場合がある。サイズ、形状及び材料は、適用例又はその他の要因によって規定される場合がある。
【0030】
一部の実施形態では、リード線は陽極リード線106及び/又は陰極リード線108を含む場合がある。一部の実施形態では、陽極リード線106及び陰極リード線108は互いに同一のリード線である可能性があるが、パルス発生器から異なる極性のパルスを受けることがある。
【0031】
一部の実施形態では、リード線をパルス発生器に直接接続でき、一部の実施形態では、コネクタ112及びコネクタケーブル114を介してリード線をパルス発生器に接続することができる。コネクタ112は、リード線をコネクタケーブル114に電気的に接続することができるデバイスを含む場合がある。同様に、コネクタケーブルは、別個の電気パルスを陽極リード線106及び陰極リード線108に伝送することができる任意のデバイスである場合がある。
【0032】
一部の実施形態では、埋め込み型神経刺激システム100は、埋め込み型パルス発生器104が体内に埋め込まれる場合、埋め込み型パルス発生器104を再充電するように構成できる、充電器116を含む場合がある。充電器116は、さまざまな形状、サイズ、及び機能を含む場合があり、さまざまな材料から作製される場合がある。パルス発生器102、104と同様に、充電器116は、プロセッサ及び/又は上述のものと類似の特性を有するメモリを備え得る。一部の実施形態では、充電器116は、誘導結合具を介して埋め込み型パルス発生器104を再充電することができる。
【0033】
一部の実施形態では、電気パルスの1つ又は複数の特性をコントローラによって制御することができる。一部の実施形態では、これらの特性は、例えば、周波数、強度、パターン、持続時間、又は電気パルスのタイミング及び規模のその他の観点を含む場合がある。一実施形態では、これらの特性は、例えば、電圧、電流などを含む場合がある。一実施形態では、第1電気パルスは第1特性を有し、第2電気パルスは第2特性を有する場合がある。この電気パルスの制御は、1つ又は複数の電気パルスプログラム、計画、又はパターンの生成を含む場合があり、一部の実施形態では、1つ又は複数の既存の電気パルスプログラム、計画、又はパターンの選択を含む場合がある。図1に示されている実施形態では、埋め込み型神経刺激システム100は、臨床医用プログラマー118であるコントローラを含む。臨床医用プログラマー118を使用して、1つ若しくは複数のパルスプログラム、計画、若しくはパターンの生成、及び/又は1つ若しくは複数の生成したパルスプログラム、計画、あるいはパターンの選択を行うことができる。一部の実施形態では、臨床医用プログラマー118を使用して、例えば、外部パルス発生器102及び埋め込み型パルス発生器104の片方又は双方を含む、パルス発生器の動作をプログラミングすることができる。臨床医用プログラマー118は、有線及び/又は無線でパルス発生器と通信できるコンピューティングデバイスを含む場合がある。一部の実施形態では、臨床医用プログラマー118は、パルス発生器及びリード線の動作及び/又は有効性を示す、パルス発生器からの情報を受信するように、更に構成することができる。
【0034】
一部の実施形態では、埋め込み型神経刺激システム100のコントローラは、患者リモートデバイス120を含む場合がある。患者リモートデバイス120は、有線又は無線接続を介してパルス発生器と通信できる、コンピューティングデバイスを含む場合がある。患者リモートデバイス120を使用して、パルス発生器をプログラミングすることができ、一部の実施形態では、患者リモートデバイス120は、臨床医用プログラマー118によって生成される1つ又は複数のパルス発生プログラム、計画、又はパターンを含む場合がある。一部の実施形態では、患者リモートデバイス120を使用して、既存のパルス発生プログラム、計画、又はパターンの1つ又は複数の選択と、例えば、パルス発生プログラム、計画、又はパターンの1つ又は複数の選択されたものの期間の選択と、を行うことができる。
【0035】
有利なことに、上記の概説した埋め込み型神経刺激システム100の構成部品を使用して、患者の痛みを緩和する電気パルスの発生を制御及び提供することができる。
【0036】
ここで図2を参照すると、埋め込み型パルス発生器(IPG)104の一実施形態の斜視図が示されている。埋め込み型パルス発生器104は、本体200又は筐体を備え得る。本体200は、気密密閉されるように又は気密密閉可能なように(例えば、本体200の内部が、本体200外側の周囲環境から密封分離されるなど)構成され得る。本体200は、埋め込み型パルス発生器104の他の構成部品と共に、埋め込み型パルス発生器104の内容量を画定する。一部の実施形態では、こうした埋め込み型パルス発生器104の内容量は、例えば、1つ又は複数のバッテリー又は再充電可能バッテリーなどの、1つ又は複数のエネルギー格納デバイス、上述と類似の特徴を有する1つ又は複数のプロセッサ及び/又はメモリを収容し得る。一部の実施形態では、埋め込み型パルス発生器104の本体200は、例えば、生体適合性金属などの生体適合性材料を含んでもよい。特定の一実施形態では、埋め込み型パルス発生器104の本体200は、チタニウムであってもよい。
【0037】
埋め込み型パルス発生器104は、キャップ202を備え得る。一部の実施形態では、キャップ202により埋め込み型パルス発生器104の1つ又は複数の構成部品を覆う及び/又は保護することができる。キャップ202は、キャップ202によって覆われるかつ/又は保護される埋め込み型パルス発生器の1つ又は複数の構成部品に基づくサイズ及び形状であってよい。一部の実施形態では、キャップ202は、1つ又は複数のワイヤ、コネクタ、継手などを覆うことができる。キャップ202は、体液に対して透過性及び/又は非透過性であり得る生体適合性材料を含み得る。一部の実施形態では、例えば、キャップ202は、ポリマー、複合体、例えばエポキシなどの反応性樹脂であり得る。場合によっては、キャップ202は、ワイヤ、コネクタ、継手又はキャップ202内に収容される他の要素に対してある程度の保護を提供し得るが、キャップ202内部の空間は、キャップ202外の環境に対して、気密密閉又は密閉されることはない。
【0038】
図示する実施形態では、キャップ202は、図3に示す貫通接続プレート204を介して、埋め込み型パルス発生器104の本体200に接続される。一部の実施形態では、貫通接続プレート204は、本体200と連結して、埋め込み型パルス発生器の内容積を画定し得る。一部の実施形態では、貫通接続プレート204は、例えば、溶接部又は溶接継手、機械的コネクタなどの1つ又は複数を介して密閉によって本体200に接続され得る。一部の実施形態では、貫通接続プレート204は、貫通接続プレート204の周辺部がキャップ202及び本体200の片方又は双方の周辺部に整合するようなサイズ及び形状であり得る。
【0039】
埋め込み型パルス発生器104は、図2に示すとおり、1つ又は複数のコネクタレセプタクル206を備え得る。一部の実施形態では、1つ又は複数のコネクタレセプタクル206と、例えば、リード線106、108及び/又はコネクタケーブル114との着脱可能な接続を可能にするように構成され得る。一部の実施形態では、コネクタレセプタクル206は、リード線106、108及び/若しくはコネクタケーブル114に係合する並びに/又は電気的接続するように構成される1つ又は複数の機構を備え得る。一部の実施形態では、コネクタレセプタクル206は、キャップ202を介して、接触することができる。
【0040】
ここで図3を参照すると、埋め込み型パルス発生器104の貫通接続アセンブリ208及び接続ワイヤ212の一実施形態の斜視図が示されている。一部の実施形態では、貫通接続アセンブリ208は、埋め込み型パルス発生器104の内容積を気密密閉し、画定するために本体200と協働するように構成される1つ又は複数の機構を備え得る。貫通接続アセンブリ208は、上述の貫通接続プレート204及び貫通接続コア210を備え得る。貫通接続コア210は、さまざまな形状及びサイズである場合があり、さまざまな材料から作製される場合がある。一部の実施形態では、貫通接続コア214は、絶縁材料及び/又は生体適合性材料から作製されてもよく、一部の実施形態では、貫通接続コア214は、例えば、ポリマー、複合対及び/又はセラミック材料であってもよい。場合によっては、貫通接続コア214は、いくつかの分離した又は別個の貫通接続コア(図3に示すように、例えば、複数のワイヤに対して単一の貫通接続コア214であるものと反対に、貫通接続部を通過する各ワイヤの分離した又は別個の貫通接続コア)であってもよい。
【0041】
一部の実施形態では、貫通接続コア210は、コネクタワイヤ212が延在し得る、複数の穴214を備え得る。一部の実施形態では、複数の穴214は、本体200の内容積の外側にある本体202の内容積から延在し得る。複数の穴214は、コネクタワイヤ212の1つ又は複数が複数の穴214のそれぞれを通過することができるような、コネクタワイヤ212のサイズ及び形状に基づくサイズ及び形状であってもよい。一部の実施形態では、複数の穴214は、貫通接続コア210の気密密閉を損なうことなく、コネクタワイヤ212の1つ又は複数が複数の穴214のそれぞれを通過することができるような、コネクタワイヤ212のサイズ及び形状に基づくサイズ及び形状であってもよい。一部の実施形態では、ワイヤ212が通過する穴214は、密閉することができる。一部の実施形態では、ワイヤ212が通過する穴214の密閉には、有利にも、本体200の内容積の密閉及び/又は気密密閉が可能である。一部の実施形態では、穴214は、例えば、貫通接続コアとワイヤ212とを接続するろう接継手であってもよい密閉部により密閉することができる。一部の実施形態では、ろう接継手は、例えば、金のろう接継手であってもよい。
【0042】
貫通接続コア210は、密閉により、密閉部216を介して、貫通接続プレート204に接続することができる。貫通接続プレート204に対して貫通接続コア210を密閉することによって、本体200の内容積の密閉及び/又は気密密閉を容易にすることができる。本体の内容積の気密密閉及び/又は密閉は、本体200の内容積内に配置された埋め込み型パルス発生器104の1つ又は複数の構成部品を保護し得る。一部の実施形態では、密閉部216は、生体適合性であってもよい。一部の実施形態では、密閉部216は、貫通接続プレート204と貫通接続コア210とを接続するろう接継手であってもよい。一部の実施形態では、ろう接継手は、例えば、金のろう接継手であってもよい。
【0043】
図3を参照すると、ワイヤ212は、貫通接続コア210内で、穴214を通過して延在している。一部の実施形態では、ワイヤ212は、埋め込み型パルス発生器104の構成部品の1つ又は複数に接続することができ、その構成部品は、本体200の内容積中に収容される。一部の実施形態では、ワイヤ212により、本体200の内容積に収容される構成部品からリード線106、108及び/又はコネクタケーブル114に1つ又は複数のパルスを送達させることができる。
【0044】
ワイヤ212は、さまざまな材料から作製されてもよい。一部の実施形態では、ワイヤ212は、生体適合性であってもよく、例えば、プラチナイリジウム合金であってもよい。一部の実施形態では、ワイヤ212のプラチナイリジウム合金は、プラチナ60%〜100%、プラチナ70%〜95%、プラチナ80%〜90%、プラチナ約80%、プラチナ約90%及び/又は任意の他の100分率又は中間的100分率のプラチナであってもよい。一部の実施形態では、ワイヤ212のプラチナイリジウム合金は、イリジウム40%〜0%、イリジウム30%〜5%、イリジウム20%〜10%、イリジウム約20%、イリジウム約10%及び/又は任意の他の100分率又は中間的100分率のイリジウムであってもよい。一部の実施形態では、及び本明細書で使用するとき、ほぼ変更される値の範囲20%、10%、5%又は1%がほぼ定義される。
【0045】
ワイヤ212は、さまざまな形状及びサイズであってもよい。一部の実施形態では、ワイヤの212の形状及びサイズは、ワイヤ212を通過する予期される又は予期される最高電流、費用及び埋め込み能力の考慮に基づいて選択され得る。一部の実施形態では、ワイヤ212は、円筒状であってもよく、例えば、0.001mm〜5mm、0.01mm〜1mm、0.05mm〜0.5mm、0.1mm〜0.3mm、約0.2mm、及び/又は任意の他の直径又は中間直径若しくは、直径範囲の直径を有し得る。一部の実施形態では、ワイヤ212は、ワイヤ212が貫通接続アセンブリ208を通過して及び本体200の内容積の外側を延在するような長さを有し得る。換言すると、ワイヤ212は、ワイヤ212が貫通接続アセンブリ208の外側表面を超えて延在するような長さを有し得る。一部の実施形態では、貫通接続アセンブリ208の外側表面を超えるワイヤ212の1つ又は複数のの延在部の長さは、0.1cm〜10cm、0.5cm〜5cm、約3cm、約2cm、約1cm、及び/又は貫通接続アセンブリ208の外側表面を超える任意の他の長さ又は中間長さであってもよい。
【0046】
一部の実施形態では、ワイヤ212の1つ又は複数は、接続部品に接続され得る。一部の実施形態では、接続部品としては、例えば、別のワイヤ、コネクタ、コネクタレセプタクルなどを挙げることができる。1つ又は複数のワイヤ212を接続部品に接続する方法の詳細は、図4〜6を参照した一実施形態及び図8〜10を参照した別の実施形態を用いて以下に示す。
【0047】
図4図6は、埋め込み型パルス発生器104のワイヤ212を1つ又は複数の第2のワイヤに接続するプロセスの一実施形態を示す。一部の実施形態では、図4図6に示すプロセスは、永久にリード線106、108又は接続ワイヤ114を埋め込み型パルス発生器104に取り付けることを所望する場合に実施され得る。
【0048】
図4は、埋め込み型パルス発生器104の一部の一実施形態を示す斜視図である。埋め込み型パルス発生器104は、本体200、貫通接続プレート204及び複数のワイヤ212を備える。図4には、第1のワイヤ212−Aを示し、第1のワイヤ212−Aは、端部300を備える。図4に示すように、第2のワイヤ302を第1のワイヤ212−Aの一部に重ねり合わせるように配置するとき、本プロセスを開始する。第2のワイヤ302は、さまざまな形状及びサイズであってもよく、さまざまな材料から作製される場合がある。一部の実施形態では、第2のワイヤ302は、同一の性質を有し得る、及び/又は、例えば、第1のワイヤ212−Aを含む、ワイヤ212と同一の材料から作製され得る。このため、一実施形態では、第2のワイヤ302は、生体適合性であってもよく、円筒形状であってもよい。
【0049】
第2のワイヤ302は、第2のワイヤ302の端部304が第1のワイヤ212−Aと交差して延在し、接合部306、継手又は重なり部分を形成するように配置されてもよい。一部の実施形態では、接合部306での第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の長手方向軸は、第1のワイヤ212−Aの長手方向軸と第2のワイヤ302の長手方向軸との間の角度307が180度でないように、平行でなくてもよい。一部の実施形態では、第1のワイヤ212−Aの長手方向軸と第2のワイヤ302の長手方向軸との間の角度307は、20°〜160°、30°〜150°、45°〜135°、60°〜120°、80°〜100°、約25°、約30°、約45°、約60°、約90°、約120°、約150°及び/又は任意の他の中間値であってもよい。
【0050】
接合部306又は重なり部分が形成されるように第2のワイヤ302を第1のワイヤ212−Aに対して配置した後、本プロセスは、第2のワイヤ302が第1の抵抗溶接を介して、第1のワイヤ212−Aに接続されている図5に進む。一部の実施形態では、及び図5に示すように、抵抗溶接(第1の溶接)は、抵抗溶接機308によって得られる。一部の実施形態では、抵抗溶接は、第1のワイヤ212−Aと第2のワイヤの302の接合部306又は重なり部分に電流を通すように構成され得る。一部の実施形態では、抵抗溶接機308は、第1の電極310及び第2の電極312を備え得る。一部の実施形態では、第1の電極310及び第2の電極312は、それぞれ、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方と接触するように構成される。一部の実施形態では、第1の電極310及び第2の電極312は、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方に力を加えて、第1のワイヤ212−Aと第2のワイヤ302との間に所望の接触力を得るために、それぞれ、更に構成される。
【0051】
第1の電極310及び第2の電極312は、さまざまな形状及びサイズであってもよい。一部の実施形態では、第1の電極310及び第2の電極312は、一度にワイヤ212の単一のものを溶接することができるようなサイズ及び形状であってもよく、一部の実施形態では、第1の電極310及び第2の電極312は、一度に複数のワイヤ212を溶接することが可能なサイズ及び形状であってもよい。一部の実施形態では、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302と接触する第1の電極310及び第2の電極312の接触面は、例えば、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、20倍、40倍、又はワイヤ212−A、ワイヤ302の片方又は双方の直径を超える任意の他の因数又は中間因数の寸法(例えば、幅又は直径)を有し得る。一部の実施形態では、この寸法は、例えば、0.2mm、0.5mm、1mm、2mm、4mm、又は他の任意の寸本又は中間寸法であってもよい。
【0052】
抵抗溶接機308は、第1の電極210から第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方に、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方から第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の他方に、及び第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の他方から第2の電極312に所望の電流が通過するように構成され得る。一部の実施形態では、電極310及び電極312のいずれか1つとワイヤ212−A及びワイヤ302のいずれか1つとの間、又はワイヤ212−Aとワイヤ302の双方との間の物理的接触点がインタフェースである。一部の実施形態では、抵抗溶接は、最も高い抵抗を有するインタフェースにて形成される。一部の実施形態では、最も高い抵抗を有するインタフェースが確実にワイヤ212−A及びワイヤ302が互いに接触するインタフェースであるようにするには、ワイヤ212−A及びワイヤ302の1つと接触する電極310及び電極312の一部である電極310及び電極312の接触面は、抵抗が低くなるように構成され得る。一部の実施形態では、接触面は、例えば、接触面とワイヤ212−A及びワイヤ302との間の低抵抗接触が可能であるように研磨されていてもよい。
【0053】
図5に示すように、一部の実施形態では、第1の電極310及び第2の電極312は、第1のワイヤ212−Aと第2のワイヤ302との接合部306の反対面となるように、配置されてもよい。有利にも、このような配置により、所望の抵抗溶接を得るために必要な力を容易に生み出すことができるようになる。第1の電極310及び第2の電極312を配置した後、第1の電極310及び第2の電極312をワイヤ212−A及びワイヤ302に接触させることができ、所望の力を第1の電極310及び第2の電極312によって発生させることができ、所望の電流は、第1の電極310から第2の電極に通過させることができ、第1の電極310及び第2の電極312は、ワイヤ212−A及びワイヤ302から取り外すことができる。
【0054】
第1の電極310及び第2の電極312を第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302から取り外した後、本プロセスは、図6に示すように進めてもよく、第1のワイヤ212−Aと第2のワイヤ302とが共にエネルギービーム溶接される。一部の実施形態では、例えば、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の抵抗溶接することにより、第1のワイヤ212−Aと第2のワイヤ302を接続させることができるが、抵抗溶接の質を評価するのは困難であり得る。一部の実施形態では、エネルギービーム溶接することにより、得られた溶接部の質を簡素に評価することが可能であるが、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302のサイズにより、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302を適切に保持して、エネルギービーム溶接することを可能にすることが困難になる可能性がある。これらの溶接技術を組み合わせることにより、有利にも、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の位置の固定が容易になり、及び容易に評価し得る溶接が得られるといった、相乗効果が得られる。一部の実施形態では、例えばエネルギービーム溶接することにより、良好な溶接が得られ、肉眼で見ることができるとき、溶接ビーズが作製され得る。このため、溶接は、いかなる装置も使用することなく、目視で評価され得る。
【0055】
一部の実施形態では、例えば、レーザー溶接機のレーザービームを含む、エネルギービーム溶接機のエネルギービーム314は、第1のワイヤ212−Aと第2のワイヤ302との接合部の一部、又はすべてに向ける、又は別の方法で向けることができる。このエネルギービーム314には、中心線軸を含み得る。一部の実施形態では、エネルギービーム溶接機のエネルギービーム314は、図5の工程に従って得られた第1の抵抗溶接部に向けられてもよく、一部の実施形態では、エネルギービーム溶接機のエネルギービーム314は、図5の工程に従って得られた抵抗溶接部からオフセットされ得る。一部の実施形態では、例えば、0.01mm、0.05mm、0.1mm、0.12mm、0.2mm、0.3mm、0.5mm、0.6mm、0.8mm、1mm(ミリメートル)、3mm、5mm、又は他の距離若しくは中間距離だけ、抵抗溶接(第1の溶接)から離れた場所にエネルギービーム314を向けることができる。
【0056】
一部の実施形態では、エネルギービーム314が配置され、エネルギービーム溶接部(第2の溶接部)を改善し得る。一部の実施形態では、エネルギービーム314が第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方を切断しないように、このような配置を行うことができる。一部の実施形態では、エネルギービーム314を第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の端部300、304以外の第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の部分に向けられ、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の部分にエネルギービーム314によって送達させたパワーにより、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の断面にて、その部分で、すべての材料が溶解すると、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方は、切断され得る。
【0057】
一部の実施形態では、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の切断は、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の端部300、304の片方又は双方にエネルギービームを向けることによって、阻止することができる。一部の実施形態では、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の切断は、エネルギービーム314が向けられる第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の部分での断面において、エネルギービーム314によって、すべての材料が溶解することがないように、エネルギービーム314を向けることによって阻止することができる。一部の実施形態では、エネルギービーム314の中心線軸が第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の長手方向軸の片方又は双方からオフセットされるように、エネルギービーム314を向けることによって、このような阻止が達成され得る。あるいは、一部の実施形態では、エネルギービーム314の一部のみが第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方に衝突するように、エネルギービーム314を向けることができる。一部の実施形態では、例えば、エネルギービーム314の中心線軸を含む、エネルギービーム314の一部が、エネルギービーム314が衝突する第1のワイヤ212−Aの部分及び/又は第2のワイヤ302の部分の一部に対して接線であるか、又はほぼ接線であるように、エネルギービーム314を向けることができ、一部の実施形態では、この方法には、エネルギービームが第1のワイヤ212−A及び/又は第2のワイヤ302の片方の一部又は双方の一部の周辺部の半分に衝突しないように、かつ/又は第1のワイヤ212−A及び/又は第2のワイヤ302の片方の一部又は双方の一部の全幅に衝突しないように、エネルギービーム314を向けることを含むことができる。一部の実施形態では、エネルギービーム314を向けることには、エネルギービーム314を事前に配置すること及び例えば、エネルギービーム314に対して、所望の配向及び位置を有する治具又は取付け具に埋め込み型パルス発生器を設置することなど、埋め込み型パルス発生器104を所望の位置に移動させることを含み得る。
【0058】
エネルギービーム314を向けた後、エネルギービーム314を起動させることができ、第2のエネルギービーム溶接を完了させることができる。一部の実施形態では、図6Aに示すように、エネルギービーム314は、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の周縁部に接触させることができ、エネルギービーム314と第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の周縁部との接触点から延在する溶融域316及び/又は熱影響域を形成することができる。一部の実施形態では、溶融域316は、第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の溶接部分であってもよい。一部の実施形態では、溶融域316及び/又は熱影響域は、エネルギービーム314と第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の周縁部の接触点から第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の反対側の周縁部に対して延在する場合があり、一部の実施形態では、溶融域316及び/又は熱影響域は、エネルギービーム314と第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の周縁部の接触点から第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の片方又は双方の反対側の周縁部に対して、一部、延在する場合がある。
【0059】
第1のワイヤ212−A及び第2のワイヤ302の溶接後、エネルギービーム314を停止して、エネルギービーム溶接部(第2の溶接部)を冷却することができる。一部の実施形態では、このプロセスは、所望の数の第2のワイヤ302が埋め込み型パルス発生器104のワイヤ212に接続されるまで、繰り返すことができる。所望の数の第2のワイヤ302が埋め込み型パルス発生器104のワイヤ212に接続された後、キャップ202は、ワイヤ212の周辺に形成されるか、又はワイヤ212上、具体的には、ワイヤ212と第2のワイヤ302との接合部306付近に配置させることができる。一部の実施形態では、キャップ202は、例えば、エポキシなどの反応性生体適合性樹脂により形成され得る。
【0060】
ここで図7を参照すると、埋め込み型パルス発生器104の接続ワイヤ212とコネクタ積層体400の一実施形態の斜視図が示されている。一部の実施形態では、コネクタ積層体400は、貫通接続プレート204の最上部に取り付けられ得る。コネクタ積層体400は、埋め込み型パルス発生器104の一部又はすべてのワイヤ212に接続し得る1つ又は複数のコネクタを備え得る。一部の実施形態では、コネクタ及び/又はコネクタ積層体は、図2に示すコネクタレセプタクル206を備え得る。有利にも、コネクタ積層体400は、リード線106、108又はコネクタケーブル114を埋め込み型パルス発生器104との着脱可能な接続が可能である。
【0061】
一部の実施形態では、コネクタ積層体は、第1のコネクタ402及び第2のコネクタ404を備える。一部の実施形態では、第1のコネクタ402は、ワイヤ212の第1群に接続するように構成されてもよく、第2のコネクタ404は、ワイヤ212の第2群に接続するように構成されてもよい。コネクタ402、404は、さまざまな形状、サイズ及び/又はコネクタの種類であり得る。一部の実施形態では、コネクタ402、404は、本体200及び貫通接続プレート204の周縁部を超えて延在することなく、キャップ202内に封入させることのできるサイズ及び形状であり得る。
【0062】
コネクタ402、404は、複数の導体接点406及び/又は絶縁体408を備え得る。一部の実施形態では、導体接点406は、導電材料から作製され、コネクタ402部分、コネクタ406部分の周縁部周囲に延在する複数のリングを備え、絶縁体408は、絶縁材料から作製され、コネクタ402の部分、コネクタ406の部分の周縁部周囲に延在する複数のリングを備える。一部の実施形態では、導体接点406及び絶縁体408は、導体接点406のそれぞれが絶縁体408のいくつかに隣接し、絶縁体408のそれぞれが導体接点406のいくつかに隣接するように、交互になる様式で配置することができる。一部の実施形態では、ワイヤ212の1つは、導体接点406の1つに接続し得る。
【0063】
ここで図8〜10を参照すると、埋め込み型パルス発生器104の接続ワイヤ212の1つ以上をコネクタ402、404のうちの1つに接続するプロセスの一実施例が示されている。具体的には、図8〜10は、埋め込み型パルス発生器104の接続ワイヤ212の1つ以上を第2のコネクタ404の導体接点406の1つに接続するプロセスの一実施形態を示す。図8でプロセスを開始し、第1のワイヤ212−Aを所望の導体接点406の1つの近位に配置し、及び/又は所望の1つの導体接点406に接触して配置する。第1のワイヤ212−Aは、第1のワイヤ212−Aの端部300が第2のコネクタ404の一部に延在し、接合部、継手又は重なり部分を形成するように、配置し得る。
【0064】
一部の実施形態では、第1のワイヤ212−Aを上述のように配置することにより、例えば、第1のコネクタ402の導体接点406の1つを含む、第1のコネクタ402の一部に近位である又は第1のコネクタ402の一部に接触した、第1のワイヤ212−Aが所望でない位置となり得る。一部の実施形態では、第1のコネクタ402の一部の近位に又は接触して配置される第1のワイヤ212−Aの一部は、絶縁部品によって第1のコネクタ402から分離することができる。一部の実施形態では、絶縁部品は、絶縁材料から作製されたものであってもよく、この部品により、第1のコネクタ402と第1のワイヤ212−Aとの間での所望でない電気的接続を阻止することができる。一部の実施形態では、絶縁部品は、第1のワイヤ212−Aに形成されてもよく、一実施形態では、絶縁部品は、第1のコネクタ402の近位であるか、又は接触して配置される第1のワイヤ212−Aの一部の反応性樹脂コーティング剤を含む場合がある。一部の実施形態では、第1のワイヤ212−Aの一部の反応性樹脂コーティング剤は、キャップ202の形成に使用される反応性樹脂コーティング剤と同じ種類であってもよい。有利にも、キャップ202に使用するものと同じ反応性樹脂コーティング剤を第1のワイヤ212−Aの一部に使用すると、第1のワイヤ212−Aの一部の反応性樹脂コーティング剤とキャップ202の反応性樹脂との間の接着を容易に行うことができる。
【0065】
接合部又は重なり部分が形成されるように第1のワイヤ212−Aを第2のコネクタ404に対して配置した後、本プロセスは、図9に進み、抵抗溶接部(第1の溶接部)を介して二番目の第1のワイヤ212−Aを第2のコネクタに接続させる。一部の実施形態では、図9に示すように、抵抗溶接部(第1の溶接部)は、抵抗溶接機308によって形成され得る。一部の実施形態では、抵抗溶接機308は、電流が第1のワイヤ212−Aと第2のコネクタ404との接合部又は重なり部分を通過するように構成させることができる。一部の実施形態では、抵抗溶接機308は、第1のワイヤ212−Aの1つを第2のコネクタ404の所望の導体接点406に接触させるように、それぞれを構成することができる第1の電極310及び第2の電極312を備え得る。第1の電極310及び第2の電極312は、すべての性質及び属性を備えることができ、図4図6の上述の全機能を実施することができる。
【0066】
第1のワイヤ212−Aと第2のコネクタ404との間に抵抗溶接部(第1の溶接部)が形成された後、図10に示すように本プロセスを進め、第1のワイヤ212−Aと第2のコネクタ404の導体接点406の所望の1つとを共にエネルギービーム溶接させる。一部の実施形態では、これはエネルギービーム314を向けることによって、実施することができ、例えば、レーザー溶接機などのエネルギービーム溶接機410から第1のワイヤ212−Aの所望の場所、具体的には、第1のワイヤ212−Aと第2のコネクタ404との間の接合部の所望の場所で発生する。一部の実施形態では、エネルギービーム314は、図4〜6を参照して、上述のように向けることができる。ただし、第1のワイヤ212−Aの縁部に、及び第2のコネクタ404の導体接点406の適切なものの1つの任意の部分にエネルギービーム314を向けることができる場合を除く。
【0067】
エネルギービーム314を向けた後、エネルギービーム314が起動され、エネルギービーム溶接部(第2の溶接部)を完成させることができる。図6Aに関する検討と類似しているが、エネルギービーム溶接部(第2の溶接部)の形成により、エネルギービーム314と第1のワイヤ212−Aの周縁端部との接触点から延在する溶融域及び/又は熱影響域を形成させることができる。溶融域及び/又は熱影響域は、エネルギービーム314と第1のワイヤ212−Aの周縁端部との接触点から第1のワイヤ212−Aの反対側の周縁端部に対して延在する場合があり、一部の実施形態では、溶融域316及び/又は熱影響域は、エネルギービーム314と第1のワイヤ212−Aの周縁端部との接触点から第1のワイヤ212−Aの反対側の周縁端部に対して、一部、延在する場合がある。
【0068】
エネルギービーム溶接部(第2の溶接部)の完成後、エネルギービーム溶接機410を停止して、エネルギービーム溶接部(第2の溶接部)を冷却させることができる。一部の実施形態では、本プロセスは、所望の数のワイヤ212がすべて、埋め込み型パルス発生器104の第1のコネクタ402及び第2のコネクタ404の所望の導電性接点406に接続されるまで、繰り返すことができる。所望の数のワイヤ212がすべて、埋め込み型パルス発生器104の第1のコネクタ402及び第2のコネクタ404の所望の導電性接点406に接続された後、キャップ202は、ワイヤ212及びコネクタ積層体400の周囲に、具体的には、ワイヤ212とコネクタ積層体との接合部周囲に形成され得る。一部の実施形態では、キャップ202は、例えば、エポキシなどの反応性生体適合性樹脂により形成され得る。一部の実施形態では、キャップ202の完了後、埋め込み型パルス発生器104は、リード線106、108に接続され、患者に埋め込むことができる。
【0069】
前述の明細書では、本発明は、その特定の実施形態を参照して、記述されるが、当業者は、本発明はそれらに制限されるものではないことは理解されるだろう。上記の発明のさまざまな特徴及び態様は、個別に又は連結して使用され得る。更に、本発明は、本明細書のより広い趣旨及び範囲を逸脱することなく、本明細書に記載されているものを上回る任意の数の環境及び適用において利用され得る。したがって、明細書及び図面は、制限するというよりも、例示的であるとみなす。本明細書で使用されるとき、用語「を備える(comprising)」「を含む(including)」「を有する(having)」は、具体的には、オープンエンドな技術用語として読まれることを意図していることが認識されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9
図10