特許第6702892号(P6702892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702892
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】内側列癒合プレート
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   A61B17/80
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-574138(P2016-574138)
(86)(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公表番号】特表2017-518140(P2017-518140A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】US2015034783
(87)【国際公開番号】WO2015195399
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2018年5月31日
(31)【優先権主張番号】14/310,265
(32)【優先日】2014年6月20日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】コバヤシ・ケネス・アイ
(72)【発明者】
【氏名】シラボ・マーク
(72)【発明者】
【氏名】ハーグ・ルネ
(72)【発明者】
【氏名】ワイコスキー・シェリー
【審査官】 槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0092981(US,A1)
【文献】 特表2013−525026(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0012328(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0172942(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0330321(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側列骨プレートであって、
前記内側列骨プレートが足の内側列に沿って所望の位置に配設される時に、舟状骨に沿って延在する第1の部分であって、前記第1の部分がその中を延在する少なくとも2つの第1の可変角度穴を具備し、前記第1の可変角度穴の各々が、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中を通して骨固定要素を受容するように構成されている、第1の部分と、
前記内側列骨プレートが前記所望の位置にある時に内側楔状骨に沿って延在するように前記第1の部分から遠位方向に延在する第2の部分であって、前記第2の部分が、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中に骨固定要素を受容するように構成された少なくとも1つの第2の可変角度穴、及び前記第2の部分を貫いて延在する第1の圧迫スロットを具備する、第2の部分と、
前記所望の位置で前記内側列の第1中足骨に沿って延在するように前記第2の部分から遠位方向に延在する第3の部分であって、前記第3の部分は、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中に骨固定要素を受容するように構成された第3の可変角度穴、及び前記第3の部分を貫いて延在する第2の圧迫スロットを具備する、第3の部分と、を備え、前記第3の部分が、前記内側列骨プレートの長手方向軸を貫いて延在してかつ前記第3の可変角度穴の前記中心軸と実質的に垂直である平面においてカーブに沿って延在し、前記第3の部分の前記カーブが前記内側列の天然の弯曲と実質的に一致し、
前記内側列骨プレートが前記内側列に沿った前記所望の位置にある時、前記内側列の距骨に沿って延在するように前記第1の部分から近位方向に延在する第4の部分を更に備え、前記第4の部分が、2つの第4の可変角度穴を具備し、前記2つの第4の可変角度穴の各々がその中心軸に対して使用者が選択した角度でその中を通して骨固定要素を受容するように構成されている、内側列骨プレート。
【請求項2】
前記第1の部分の長手方向縁部間の距離が前記内側列骨プレートの残りの長さの長手方向縁部間の距離よりも大きい、請求項1に記載の内側列骨プレート。
【請求項3】
前記第1の部分が3つの可変角度穴を具備し、前記可変角度穴の各々が前記内側列骨プレートの長手方向軸L1に実質的に垂直に延在する軸に沿って位置合わせされている、請求項1に記載の内側列骨プレート。
【請求項4】
前記第2の部分が2つの第2の可変角度穴を具備する、請求項1に記載の内側列骨プレート。
【請求項5】
前記2つの第2の可変角度穴が、前記内側列骨プレートの長さに沿って互いにオフセットし、かつ前記内側列骨プレートの長手方向軸からオフセットする、請求項4に記載の内側列骨プレート。
【請求項6】
前記第3の部分が、その近位部分を貫く第1の第3の可変角度穴と、その遠位部分を貫く第2の第3の可変角度穴と、を具備する、請求項1に記載の内側列骨プレート。
【請求項7】
前記第4の部分の長手方向縁部間の距離が前記内側列骨プレートの残りの長さの長手方向縁部間の距離よりも大きい、請求項に記載の内側列骨プレート。
【請求項8】
前記第4の部分が前記2つの第4の可変角度穴の間に第3の圧迫スロットを備える、請求項に記載の内側列骨プレート。
【請求項9】
前記内側列骨プレートが、前記足の背内側から前記内側列に沿って配設されるように成形されている、請求項1に記載の内側列骨プレート。
【請求項10】
前記内側列骨プレートが、前記足の足底側から前記内側列に沿って配設されるように成形されている、請求項1に記載の内側列骨プレート。
【請求項11】
前記内側列骨プレートが前記内側列に沿った前記所望の位置に配設される時、前記第1の部分が、前記内側列骨プレートの長手方向軸から遠ざかって前記足の外側面に向けて横方向に延在する、請求項1に記載の内側列骨プレート。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
シャルコー足及び重篤な関節炎などの状態は、骨を脆弱化させ、かつ/又は関節の崩壊を引き起こす場合がある。骨の脆弱化及び/又は関節の崩壊は、最終的には不安定な内側柱といった足の変形を引き起こす場合がある。これらの状態は、歩行を著しく困難にする場合がある。いくつかの場合では、足の変形は、足の骨(例えば、内側柱の骨)を互いに対して固定するように設計された骨プレートを用いて治療することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、プレートが足の内側列に沿って所望の位置に配設される時に、舟状骨に沿って延在する第1の部分であって、第1の部分がその中を延在する少なくとも2つの第1の可変角度穴を具備し、第1の可変角度穴の各々が、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中を通して骨固定要素を受容するように構成されている、第1の部分と、プレートが所望の位置にある時に内側楔状骨に沿って延在するように第1の部分から遠位方向に延在する第2の部分であって、第2の部分が、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中に骨固定要素を受容するように構成された少なくとも1つの第2の可変角度穴、及び第2の部分を貫いて延在する第1の圧迫スロットを具備する、第2の部分と、所望の位置で内側列の第1中足骨に沿って延在するように第2の部分から遠位方向に延在する第3の部分であって、第3の部分は、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中に骨固定要素を受容するように構成された第3の可変角度穴、及び第3の部分を貫いて延在する第2の圧迫スロットを具備する、第3の部分と、を備える内側列骨プレートに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】本発明の第1の例示的実施形態による骨プレートの斜視図である。
図2図1の骨プレートの頂面図である。
図3図1の骨プレートの底面図である。
図4】本発明の第2の例示的実施形態による骨プレートの斜視図である。
図5図4の骨プレートの頂面図である。
図6図4の骨プレートの底面図である。
図7】本発明の第3の例示的実施形態による骨プレートの斜視図である。
図8図7の骨プレートの側面図である。
図9図7の骨プレートの頂面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本発明を、以下の説明及び添付の図面を参照して更に理解することができ、添付の図面において、類似の構成要素は同じ参照番号で指し示されている。本発明は足の変形を治療するためのプレートに関し、具体的には、関節の癒合を提供して内側列を安定化する骨プレートに関する。本発明の例示的実施形態は、プレートに沿って配設された複数の可変角度穴及び複数の圧迫穴を具備し、内側列の関節に独立して圧迫を提供する骨プレートについて説明する。本例示的実施形態で説明されかつ示されるプレートは、特に患者の左足又は右足のいずれかに適用するために構成されてもよい。特に、左足構造のために設計されたプレートと右足構造のために設計されたプレートとは互いに鏡像であり得る。更に、当業者であれば理解するように、本例示的実施形態は圧迫ワイヤの使用について説明しているが、圧迫ポスト、圧迫ピン、骨固定要素、又はその他の好適な要素をプレートの圧迫スロットに挿入して内側列の関節に圧迫を加えてもよいことにも注意されたい。更に、当業者であれば理解するように、説明される可変角度穴のいずれもが、必要に応じて固定角度ロック穴又は非ロック穴に交換することが可能である。
【0005】
図1〜3に示すように、本発明の例示的実施形態による骨プレート100は、長手方向軸L1に沿って近位端102から遠位端104まで延在し、具体的には、患者の足の内側列10に沿って延在するように構成される。一例示的実施形態では、プレート100の長さは、患者の内側列10の舟状骨12、内側楔状骨14、及び第1中足骨16に及ぶように設計される。プレート100が内側列10に沿って所望の位置に配設される時、プレート100は、舟状骨12に沿って延在する第1の部分106と、所望の位置で内側楔状骨14に沿って延在する第2の部分108と、第1中足骨16に沿って延在する第3の部分110と、を具備する。骨プレート100は、プレート100が内側列10に沿った所望の位置にある時、内側列10に背を向けた第1の表面118から骨プレート100を貫いて、所望の位置で内側列10に面する第2の表面120まで延在する、複数の開口部112を更に備える。各開口部112は、中心軸に沿って、プレート100を第1の表面118から第2の表面まで貫いて延在する。各開口部112は、プレートの部分106、108、110を骨12、14、16の対応する部分に固定するため、骨固定要素122を受容するようにサイズ決め及び形状決めされる。各開口部112は、例えば、可変角度穴であってもよい。当業者が理解するように、可変角度穴は、角形成の許容される範囲内で使用者が選択した(穴の中心軸に対する)任意の角度で、その中に骨固定要素122を受容するように構成される。プレート100は、プレート100の第2の部分108を貫いて延在する第1の圧迫スロット114、及び第3の部分110を貫いて延在する第2の圧迫スロット116を更に備える。第1及び第2の圧迫スロット114、116は、内側列10の舟状骨−第1楔状骨関節18及び足根中足関節20をそれぞれ独立して圧迫できるように、プレート100に沿って開口部112に対して配設される。
【0006】
プレート100の第1の部分106は、プレートの残りの部分の幅よりも大きな幅(例えば、長手方向軸L1から最も離れたプレート100の長手方向縁部間の距離)を有して、第1の部分106が複数の開口部112をその中に並列して(即ち長手方向軸L1を横断する方向に)配置させて含むことを可能にする。一例示的実施形態では、第1の部分106は、長手方向軸L1と実質的に垂直な軸に沿って互いに隔離される3つの開口部112a、112b、112cを含む。本実施形態の第1の部分106は、第1の部分106が載置される舟状骨12の表面形状と実質的に一致するように予成形される。プレートを患者の解剖学的構造に合わせるために、必要に応じて使用者がプレートの任意の部分を更に成形し得ることを当業者は理解するであろう。
【0007】
上述したように、第2の部分108は、所望の位置で内側楔状骨14の一部分上に延在するように、第1の部分106から遠位方向に延在する。一例示的実施形態では、楔状部分108は、その近位部分を貫通する2つの開口部112d、112eを具備し、各開口部112はプレート100の長さに沿って互いにオフセットし、長手方向軸L1に対して互いにオフセットする。具体的には、開口部112のうちの第1の開口部112dは、長手方向軸L1の第1の側に、開口部112のうちの第2の開口部112eよりもわずかに遠位に配設されてもよく、一方で開口部112のうちの第2の開口部112eは、長手方向軸L1の、第1の側と対向する第2の側に配設される。第1の圧迫スロット114は第2の部分108内の開口部112d、112eの遠位に形成され、第2の部分108を貫いて第1の表面118から第2の表面120まで延在する。圧迫スロット114は長手方向軸L1と実質的に平行な軸に沿って細長く、例えばワイヤ、ポスト、ピン、及び/又は固定要素の一部分を嵌合するように構成された鉗子を用いて舟状骨−第1楔状骨関節18を圧迫することができるように、圧迫ワイヤ、ポスト、ピン、及び/又は骨固定要素をその中に受容するようにサイズ決めされる。
【0008】
上述したように、第3の部分110は第1の部分108から遠位方向に延在して、第1中足骨16の一部分上の所望の位置で延在する。本実施形態の第3の部分110は、第3の部分110の近位部分を貫く第1の開口部112fと、第1の開口部112fから遠位にある第2の開口部112gとを具備する。第2の圧迫スロット116は開口部112f、112gの間に配置され、第3の部分を第1の表面118から第2の表面120まで貫いて延在する。第2の圧迫スロット116は長手方向軸L1に沿って細長く、かつ圧迫ワイヤ、ポスト、ピン、ねじ、又はその他の骨固定要素をその中に受容するようにサイズ決めされ、また本実施形態では、長手方向軸L1を通って延在し、かつ開口部112fの中心軸に実質的に垂直な平面においてカーブに沿って延在する。本実施形態における第3の部分110のカーブは舟状骨12及び内側楔状骨14に対する第1中足骨16の天然の弯曲と実質的に一致する。
【0009】
上述の通り、第1及び第2の圧迫スロット114、116はプレート100の長さに沿って開口部112を介して互いに隔離され、舟状骨−楔状骨関節18及び足根中足関節20に独立して圧迫を提供する。
【0010】
プレート100を用いた例示的な外科的手技に従い、外科医又はその他の使用者が足の内側列10上の皮膚を切開する。関節18、20は、足根中足の軸に沿って骨を実質的に位置合わせすること、及び/又は骨切除若しくは骨移植によってすべての変形を矯正することで、癒合の準備を行うことができる。プレート100は、プレート100が載置される内側列10の骨の外表面の形状と実質的に一致するように予成形することが好ましい。当業者は理解するように、骨プレート100は、特異的な患者の解剖学的構造に適合させて、内側アーチの所望される矯正を提供するために更に成形してもよい。続いてプレート100を内側列10に沿って配設し、ここで第1の部分106は舟状骨12上に延在し、第2の部分108は内側楔状骨14上に延在し、第3の部分110は第1中足骨16上に延在する。プレート100が一旦配設されると、必要に応じて、骨固定要素122(例えば、可変角度ロックねじ)をプレート100の第1の部分106の開口部のうちの1つを通して舟状骨12内に挿入してもよい。具体的には、骨固定要素122を患者の足の外側面に最も近接する開口部112aに挿入することができる。続いて第1の圧迫ワイヤ又はポストを第1の部分106の残る開口部112b、112cのうちの1つに挿入し、一方で第2の圧迫ワイヤ又はポストを第1の圧迫スロット114に挿入する。圧迫鉗子又は任意の他の好適な圧迫装置を用いて第1及び第2の圧迫ワイヤ又はポストを介して舟状骨−第1楔状骨関節18を圧迫できるように、第2の圧迫ワイヤ又はポストを第1の圧迫スロット114の遠位端に挿入する。舟状骨−第1楔状骨関節18を所望通りに圧迫したら、骨固定要素122を第2の部分108の開口部112d、112eのうちの1つに挿入して、所望の圧迫を維持するために所定の位置にプレート100を固定する。
【0011】
第1の圧迫ワイヤ又はポストを所定の位置に残し、第2の圧迫ワイヤを第1の圧迫スロット114から取り外して、第3の圧迫ワイヤ又はポストを第2の圧迫スロット116に挿入する。第1の圧迫スロット114の圧迫ワイヤと同様に、第3の圧迫ワイヤ又はポストを第2の圧迫スロット116の遠位端に挿入して、圧迫の潜在力を最大化することができる。続いて、圧迫鉗子を用いて足根中足関節20に圧迫を加える。一旦足根中足関節20を所望通りに圧迫したら、骨固定要素122を第3の部分110の開口部112f、112gのうちの1つに挿入する。追加の骨固定要素122を残りの開口部112、116のうちのいずれかに挿入して、内側列10の骨に対してプレート100を更に固定してもよい。
【0012】
図4〜6に示す通り、骨プレート200は、近位端202から遠位端204へと長手方向に延在する骨プレート100と実質的に同様であり、また、プレート200が内側列10に沿って所望の位置に配設されると、第1の部分206は舟状骨12に沿って延在し、第2の部分208は内側楔状骨14に沿って延在し(a second portion 208 which extends along the medial cuneiform 14)、第3の部分210は第1中足骨16に沿って延在するように構造化される。プレート100と同様に、プレート200は、プレート200が所望の位置にある時、内側列10とは反対側に面する第1の表面218からプレート200を貫いて、内側列10に面する第2の表面220まで貫いて延在する、複数の開口部212を具備する。プレート100に関して上述したように、開口部212の一部又は全部が、その中に角形成の許容される範囲内で使用者が選択した(その中心軸に対する)任意の角度で骨固定要素222を受容するように構成された可変角度穴であってもよい。しかしながら、プレート200は、プレート100が所望の位置にある時に距骨22上に延在する第4の部分224を更に備える。舟状骨−楔状骨関節18及び足根中足関節20の圧迫に加えて、骨プレート200は更に距舟関節24の圧迫を提供する。
【0013】
第2の部分208は、例えば、開口部212d、212e、及び第1の圧迫スロット214を含み、プレート100に関して上述した第2の部分108と実質的に同様であってもよい。第3の部分210は、例えば、開口部212f、212g、及び第2の圧迫スロット216を含み、プレート100の第3の部分110と実質的に同様であってもよい。
【0014】
しかしながら、第4の部分224は近位端202から第1の部分206の近位端へと遠位方向に延在し、またプレート100の第1の部分106と実質的に同様にサイズ決め及び形状決めされている。具体的には、第4の部分224はプレート100の残りの部分よりも広い幅を有し、その中を貫いて第1の表面218から第2の表面220まで延在する複数の開口部212を具備し、ここで開口部212はプレート200の長手方向軸L2を横断する軸に沿って位置合わせされる。一例示的実施形態では、第4の部分224はその中を貫いて延在する2つの開口部212a、212bを含む。第1の開口部212aは第4の部分224の足の外側面に最も近接する一部分を貫いて延在し、一方で第2の開口部212bは、長手方向軸L2の第1の開口部212aと反対側にある第4の部分224の足の内側面に最も近接する一部分を貫いて延在する。第4の部分224は更に、開口部212a、212bの間に第3の圧迫スロット226を具備する。第3の圧迫スロット226はプレート200の長手方向軸L2と実質的に平行な軸に沿って細長く、この軸に沿った圧迫を提供する。
【0015】
第1の部分206は、第4及び第2の部分224、208の間を、第4の部分224から遠位方向に、かつ第2の部分208から近位方向に延在する。本実施形態の第1の部分206は、その中を貫いて第1の表面218から第2の表面220まで延在する複数の開口部212を含む。具体的には、本実施形態の第1の部分206は2つの開口部212を具備し、第1の開口部212hは第2の開口部212iからわずかに遠位で第1の部分206を貫いて延在し、第1の開口部212hは、長手方向軸L2の第1の側で、プレート200の一部分を貫いて延在し、第2の開口部212iは、長手方向軸L2の第1の側面の反対側にある第2の側で、プレート200の一部分を貫いて延在する。
【0016】
プレート200を用いる例示的な外科的手技は、プレート100に関して上述した例示的手法と実質的に同様である。プレート200は内側列10に沿って配設され、第4の部分224は距骨22に沿って延在し、第1の部分206は舟状骨12に沿って延在し、第2の部分208は内側楔状骨14に沿って延在し、第3の部分210は第1中足骨16に沿って延在する。プレート200を内側列に沿った所望の位置に配設したら、骨固定要素を開口部212のうちの1つに挿入する。具体的には、骨固定要素222を患者の足の外側面により近い開口部212aに挿入する。第1の圧迫ワイヤ又はポストをもう一方の開口部212bに挿入する。続いて、プレート100に関して上述したように、第2及び第3の圧迫ワイヤ又はポストを第1及び第2の圧迫スロット214、216に挿入して、舟状骨−楔状骨関節18及び足根中足関節20に圧迫を加える。
【0017】
舟状骨−楔状骨関節18及び足根中足関節20を圧迫したら、第4の圧迫ワイヤ又はポストを第3の圧迫スロット226に挿入する。関節の圧迫を最大化するために、第4の圧迫ワイヤを第3の圧迫スロット226の近位端に挿入する。圧迫鉗子又はその他の圧迫装置は、第1及び第4の圧迫ワイヤを用いて、内側列の天然の弯曲に対する方法で距舟関節24に圧迫を加えてもよい。一旦距舟関節24を所望通り圧迫したら、骨固定要素222を第4の部分224の開口部212a、212bのうちの1つに挿入する。続いて必要に応じて、追加の骨固定要素222を骨プレート200任意の残りの開口部212、216に挿入してもよい。
【0018】
図7〜9に示す通り、本発明の第3の例示的実施形態による骨プレート300は、下記に示す点を除けば上述のプレート200と実質的に同様である。プレート300は、長手方向軸に沿って近位端302から遠位端304まで延在し、所望の位置にある時にその第1の部分306が舟状骨12上に延在し、第2の部分308が内側楔状骨14上に延在し、第3の部分310が第1中足骨16上に延在するように構成される。しかしながら、プレート300は特に足底用に構成されている(即ち、足の底面に沿って)。プレート100と同様に、プレート300は、プレート300が所望の位置にある時、内側列10に背を向けた第1の表面318からプレート300を貫いて、内側列10に面する第2の表面320まで貫いて延在する、複数の開口部312を具備する。開口部312の一部又は全部が、角形成の許容される範囲内で使用者が選択した任意の角度(対応する開口部312の中心軸に対する)で、その中に骨固定要素322を受容するように構成された可変角度穴であってもよい。
【0019】
本実施形態による第1の部分306はプレート100の第1の部分106と実質的に同様であり、プレート300の残りの長さの幅よりも広い幅を有する。しかしながら、第1の部分306は、長手方向軸L3から横方向の一方向にのみ遠ざかるように延在する。具体的には、プレート300が内側列10の足底に沿って配設される時、第1の部分306のより広い幅は、プレート300がその上に配設される足の内側面に向かって横方向に延在する。本実施形態の第1の部分306は、プレート300の長手方向軸を横断する軸に沿って位置合わせされた2つの開口部312a、312bを具備する。開口部312aは長手方向軸L3からオフセットしている。開口部312bは長手方向軸からオフセットしていてもよく、又は長手方向軸L3上に配置されていてもよい。
【0020】
第2の部分308はプレート100の第2の部分108と実質的に同様であって、2つの開口部312d、312e、及び第1の圧迫スロット314を具備し、第3の部分310はプレート100の第3の部分110と実質的に同様であって、その近位部分及び遠位部分に2つの開口部312f、312gをそれぞれ具備し、開口部312f及び312gの間に第2の圧迫スロット316を備えている。しかしながら、第3の部分310は、プレート100のように骨の足底側の幾何学的形状とより密接に一致するように、開口部312fの中心軸に実質的に垂直な、プレート300の長手方向軸L3を通って延在する平面においてカーブに沿って延在しない。
【0021】
当業者であれば、プレート300を用いた外科的手技はプレート100に関して上述した例示的手技と実質的に同様であることを理解するであろう。しかしながら、プレート300は、足の内側又は背内側ではなく足底(即ち、足の底面)に沿って配設される。舟状骨−楔状骨関節18及び足根中足関節20の圧迫は上述した方法と同じ方法で提供され、プレート300は、ほぼ上述した通りに骨固定要素322によって内側列10に固定される。
【0022】
当業者には、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な修正及び変更を行ってもよいことが明らかであろう。したがって、本発明は、本発明の修正物及び変更物を、それらが添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に含まれるならば包含するものとする。
【0023】
〔実施の態様〕
(1) 内側列骨プレートであって、
前記プレートが足の内側列に沿って所望の位置に配設される時に、舟状骨に沿って延在する第1の部分であって、前記第1の部分がその中を延在する少なくとも2つの第1の可変角度穴を具備し、前記第1の可変角度穴の各々が、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中を通して骨固定要素を受容するように構成されている、第1の部分と、
前記プレートが前記所望の位置にある時に内側楔状骨に沿って延在するように前記第1の部分から遠位方向に延在する第2の部分であって、前記第2の部分が、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中に骨固定要素を受容するように構成された少なくとも1つの第2の可変角度穴、及び前記第2の部分を貫いて延在する第1の圧迫スロットを具備する、第2の部分と、
前記所望の位置で前記内側列の第1中足骨に沿って延在するように前記第2の部分から遠位方向に延在する第3の部分であって、前記第3の部分は、その中心軸に対して使用者が選択した角度でその中に骨固定要素を受容するように構成された第3の可変角度穴、及び前記第3の部分を貫いて延在する第2の圧迫スロットを具備する、第3の部分と、を備える内側列骨プレート。
(2) 前記第1の部分の長手方向縁部間の距離が前記プレートの残りの長さの長手方向縁部間の距離よりも大きい、実施態様1に記載のプレート。
(3) 前記第1の部分が3つの可変角度穴を具備し、前記穴の各々が前記プレートの長手方向軸に実質的に平行に延在する軸に沿って位置合わせされている、実施態様1に記載のプレート。
(4) 前記第3の部分が、前記プレートの長手方向軸を貫いて延在してかつ前記第3の可変角度穴の前記中心軸と実質的に垂直である平面においてカーブに沿って延在し、前記第3の部分の前記カーブが前記内側列の天然の弯曲と実質的に一致する、実施態様1に記載のプレート。
(5) 前記第2の部分が2つの第2の可変角度穴を具備する、実施態様1に記載のプレート。
【0024】
(6) 前記2つの第2の可変角度穴が、前記プレートの長さに沿って互いにオフセットし、かつ前記プレートの長手方向軸からオフセットする、実施態様5に記載のプレート。
(7) 前記第3の部分が、その近位部分を貫く第1の第3の可変角度穴と、その遠位部分を貫く第2の第3の可変角度穴と、を具備する、実施態様1に記載のプレート。
(8) 前記プレートが前記内側列に沿った前記所望の位置にある時、前記内側列の距骨に沿って延在するように前記第1の部分から近位方向に延在する第4の部分を更に備え、前記第4の部分が、2つの第4の可変角度穴を具備し、前記2つの第4の可変角度穴の各々がその中心軸に対して使用者が選択した角度でその中を通して骨固定要素を受容するように構成されている、実施態様1に記載のプレート。
(9) 前記第4の部分の長手方向縁部間の距離が前記プレートの残りの長さの長手方向縁部間の距離よりも大きい、実施態様8に記載のプレート。
(10) 前記第4の部分が前記2つの第4の可変角度穴の間に第3の圧迫スロットを備える、実施態様8に記載のプレート。
【0025】
(11) 前記プレートが、前記足の背内側から前記内側列に沿って配設されるように成形されている、実施態様1に記載のプレート。
(12) 前記プレートが、前記足の足底側から前記内側列に沿って配設されるように成形されている、実施態様1に記載のプレート。
(13) 前記プレートが前記内側列に沿った前記所望の位置に配設される時、前記第1の部分が、前記プレートの長手方向軸から遠ざかって前記足の外側面に向けて横方向に延在する、実施態様1に記載のプレート。
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図9