特許第6702934号(P6702934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6702934深さのある内側フレームを備えた消費者物品用の容器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702934
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】深さのある内側フレームを備えた消費者物品用の容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20200525BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20200525BHJP
   B65D 5/44 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   B65D85/10
   B65D5/66 321B
   B65D5/44 E
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-502995(P2017-502995)
(86)(22)【出願日】2015年8月13日
(65)【公表番号】特表2017-527497(P2017-527497A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】EP2015068617
(87)【国際公開番号】WO2016023967
(87)【国際公開日】20160218
【審査請求日】2018年8月13日
(31)【優先権主張番号】14181081.2
(32)【優先日】2014年8月14日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】シャトラン リュカ
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−522913(JP,A)
【文献】 特表2013−541473(JP,A)
【文献】 特表2009−513448(JP,A)
【文献】 米国特許第05439105(US,A)
【文献】 米国特許第05150720(US,A)
【文献】 英国特許出願公開第02151212(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D5/00−5/76
B65D67/00−79/02
B65D81/18−81/30
B65D81/38
B65D85/00−85/28
B65D85/575
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者物品のための容器であって、前記容器が、
ボックス前部壁と、ボックス後方壁と、前記ボックス前部壁と前記ボックス後方壁の間に延びる2つのボックス側壁とを含むボックス部分と、
内側フレーム前部壁および内側フレーム側壁を備える内側フレームとを備え、
前記内側フレーム前部壁が、前記ボックス前部壁に対して平行に、かつ所定の距離に配置され、
前記容器が少なくとも2つの対向する側端を含む追加的フラップをさらに備え、第一の側端が前記ボックス前部壁の上縁端に取り付けられており、第二の側端が前記内側フレーム前部壁の下縁端に接しており、
前記追加的フラップが前記ボックス前部壁の前記上縁端にヒンジで接続されており、
前記ボックス前部壁の前記上縁端と前記内側フレーム前部壁の前記下縁端との間に延びる前記追加的フラップが前記ボックス前部壁および前記内側フレーム前部壁と直交する向きとなるように、前記内側フレーム前部壁の前記下縁端が前記ボックス前部壁の前記上縁端と同じ高さである、容器。
【請求項2】
前記追加的フラップの長さが、前記ボックス前部壁と前記内側フレーム前部壁との間の距離に対応する、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記追加的フラップが、前記第二の側端にあるその外側の角の少なくとも一つで少なくとも一つの突出部を含み、前記追加的フラップが前記内側フレーム前部壁に向かって折り畳まれた時に、前記突出部が前記内側フレーム側壁の接続タブの後ろに位置する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の容器。
【請求項4】
前記内側フレーム前部壁が前記内側フレーム前部壁の剛性を高めるための補強手段を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記補強手段が前記内側フレーム前部壁の前記下縁端に取り付けられた補強用フラップであり、前記補強用フラップが上向きに180度折り畳まれ、前記内側フレーム前部壁の前記内側に接着される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記ボックス後方壁と前記内側フレーム前部壁の間にしっかりと保持される消費財のをさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
消費財の前記が内側ライナー内に包装される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器。
【請求項8】
前記消費財が紙巻たばこである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の容器。
【請求項9】
消費者物品用の容器を準備するためのプロセスであって、
(a)消費財のを提供する工程と、
(b)内側フレームを形成するためのブランクを提供する工程であって、前記内側フレームが内側フレーム前部壁および内側フレーム側壁を含む工程と、
(c)前記内側フレームブランクから内側フレームを形成する工程と、
(d)消費財の前記上に前記内側フレームを配置する工程と、
(e)前部壁、後方壁、および前記前部壁と前記後方壁の間に延びる2つの側壁、および少なくとも2つの対向する側端を持つ追加的フラップを含み、第一の側端が前記ボックス前部壁の上縁端に取り付けられている、ボックス部分を備えた、容器を形成するための主ブランクを提供する工程であって、前記追加的フラップが、前記ボックス前部壁の前記上縁端にヒンジで接続されている、工程と、
(f)前記内側フレームおよび消費財のの周りの前記主ブランクから容器を形成する工程と、
(g)二の側端が前記内側フレーム前部壁の前記下縁端と接するように、前記追加的フラップを折り畳む工程であって、前記ボックス前部壁の前記上縁端と前記内側フレーム前部壁の前記下縁端の間に延びる前記追加的フラップが前記ボックス前部壁および前記内側フレーム前部壁と直交する向きになるように、前記内側フレーム前部壁の前記下縁端が前記ボックス前部壁の前記上縁端と同じ高さである、工程とを含む、プロセス。
【請求項10】
前記追加的フラップが前記ボックス前部壁の前記上縁端と前記内側フレーム前部壁の前記下縁端との間の前記隙間を覆うように、前記追加的フラップが前記容器の前記内部に向けて90度折り畳まれる、消費者物品用の容器を準備するための請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記追加的フラップが、工程(f)の前に、すなわち前記容器が前記主ブランクから形成される前に90度折り畳まれる、消費者物品用の容器を準備するための請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記追加的フラップが工程(f)の後、すなわち前記容器が前記主ブランクから形成された後に90度折り畳まれる、消費者物品用の容器を準備するための請求項10に記載のプロセス。
【請求項13】
補強用フラップが前記内側フレーム前部壁の前記下縁端に取り付けられ、前記補強用フラップが上向きに180度折り畳まれ、前記内側フレーム前部壁の前記内側に接着される、消費者物品用の容器を準備するための請求項9〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費者物品を収納するための新しい容器に関連する。本発明の容器には、細長い消費者物品用の容器として特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
折り畳まれた層状ブランクから形成される容器内に消費者物品を包装することは周知である。例えば、紙巻たばこおよび葉巻たばこなどの細長い消費者物品は、一般に剛直なボックス型の容器に入れて販売されている。これらの容器は、リッドが容器の後方壁を横切って延びるヒンジ線でリッドがボックスに接続されているボックス部分を有するヒンジ付リッド容器でもよい。使用時、リッドはヒンジ線を中心として回転してパックを開き、ボックス内に保持されている喫煙物品へのアクセスを提供する。一部の場合に、容器は消費者物品の周りを部分的に包装する内側フレームをさらに含む。これは、容器に対してさらなる剛直性を提供するとともに、消費者物品を保護しうる。内側フレームがボックス部分の上縁端上に延びる場合、内側フレームは一般にそれに対してリッドを閉じることができるような表面も提供する。
【0003】
容器が保持する消費者物品によって占められている容積よりもサイズが大きい内容積を持つ容器を提供するニーズがある。この過剰な内容積によって、未開封の容器の搬送中に物品が容器内部でずれたり揺すられたりすることになりうる。消費者物品が自由に動き回り、容器の搬送中に簡単に揺すられることになりうる。紙巻たばこの場合、これは、一部のルースなたばこ材料がたばこロッドから落ちたり、一部の紙巻たばこが破損したりすることになりうる。
【0004】
第US 5,439,105号は、パック部分およびパック部分に旋回できるように接続されたリッドを持つ、薄い厚紙で作成されたヒンジリッドパックを開示している。カラー前部壁およびカラー側方タブで構成される一体型のカラーは、パック部分内に配置されている。カラーは、パック部分から部分的に突き出し、閉じた状態にあるリッドで囲まれている。カラー側方タブは、パック部分の側壁の内側の領域内に延びる。カラー前部壁の少なくとも中央部分の領域は、パック部分の前部壁に対して後退し、またパック部分の内部に2つの直立したチャンバーが創出されるように、パック部分の内部に、前部壁からある距離で、かつ前部壁に平行に配置される。少なくとも一つの物品は、カラー前部壁によって互いに分離され、かつパック部分の高さ全体に沿って延びる、それぞれの直立したチャンバー内に収容される。
【0005】
第US 5,150,720号は、パック内容物がパックの内部スペースよりも深さが浅い状況に特に適切な、紙巻たばこ用のヒンジリッドパックを開示している。充填用の部品は、パック内に配置されたカラーからカラー前部壁を適切に折り畳むことにより形成される、保持用本体の形態で提供される。カラー前部壁の上部は、保持用の壁がパック内容物と隣接するように、内向きに後退している。カラー前部壁に接続されているカラー側方タブは、パックの内部スペースの深さ全体を横切って延び、保持用の側壁に接続される。
【0006】
第GB 2 151 212 A号は、紙巻たばこ用のヒンジリッドパックを開示している。パックは、リッド部分、ボックス部分および内側フレームを含む。完全なパックは、単一のブランクから形成される。内側フレームは、いわゆるZ折りでボックス前部壁に直接接続される第一および第二の主なパネルを含む。したがって、内側フレーム前部壁およびボックス前部壁は平行に配置され、かつ互いに直接隣接する。
【0007】
第EP 2 433 881 A1号は、その中に切り抜きを持つボックス前部壁を備えたボックス部分を含むヒンジリッド容器を開示している。容器は、ボックス内に取り付けられかつフレーム前部壁を持つ従来的な内側フレームをさらに含むが、ここでフレーム前部壁の一部はボックス前部壁内の切り抜き部分を貫通して露出されている。ヒンジリッドは、閉位置と開位置の間で旋回可能であり、リッド前部壁にヒンジで接続され、リッド前部壁の内部表面に向かって内向きに折り畳まれた追加的リッドフラップを備える。ヒンジ付リッドを閉じると、追加的リッドフラップがボックス前部壁の切り抜き部分に入り込み、内側フレーム前部壁に当たる。それによって、容器が適切に閉じたことを示す音が発生する。ヒンジリッドを開くと、追加的リッドフラップが切り抜き部分から解放された時に類似した音が発生する。
【0008】
発生する音の可聴性を高めるために、追加的スペーサーフラップがボックス前部壁の上縁端に提供される。スペーサーフラップは、ボックス前部壁に向かって内向きに折り畳まれ、また適切な接着剤によってフレーム前部壁に取り付けられる。ボックス前部壁、スペーサーおよびフレーム前部壁は、それゆえ実質的に並列に配置される。スペーサーフラップの提供は、発生する音の可聴性を高めることを目指しており、容器の内容積の有意な減少にはつながらない。さらに、この文書は、スペーサーフラップの第二の端または下縁端が、内側フレーム前部壁の下縁端に接するとは教示していない。第一の消費者物品が容器から除去される前に、消費者物品が容器の内容積の所定部分内に効果的に保持されるように、消費者物品用の改良型の容器を提供することが望ましい。
【0009】
こうした改良型の容器のための単純な解決策を持つことがさらに望ましいが、この解決策は、容器の製造のための従来的な製造用機械類の使用を許容するものである。
【0010】
本発明による容器の構成要素の相対的位置を描写するために使用される「前部」、「後部」、「上部」、「下部」、「上方」、「下方」、「側面」、「側方」、「上部」、「底部」という用語およびその他の用語は、ボックス部分の開放端が上部にあり、消費財が前部の上縁端から出し入れ可能な、直立位置にある容器について言及するものである。「側面」および「側方」という用語は、容器をその直立位置で前部から見たときの容器の側壁に言及して使用される。
【発明の概要】
【0011】
本発明によれば、消費者物品用の容器が提供されている。容器は、ボックス前部壁、ボックス後方壁、およびボックス前部壁とボックス後方壁の間に延びる2つのボックス側壁を含むボックス部分を備える。容器は、内側フレーム前部壁および内側フレーム側壁を備える内側フレームをさらに備えるが、ここで内側フレーム前部壁は、ボックス前部壁と平行に、また所定の距離に配置される。容器は、少なくとも2つの対向する側端を持つ追加的フラップをさらに備えるが、第一の側端はボックス前部壁の上縁端に取り付けられており、第二の側端は内側フレーム前部壁の下縁端に接している。
【0012】
本発明の容器では、容器の有効な容量は、容器内で潜在的に利用可能なスペースよりも小さなサイズの消費者物品の照合部を包装するために簡単に適合されうる。内側フレーム前部壁の位置を修正することにより、容器の容量は、容器内に包装される消費者物品の照合部のサイズに簡単に調節されうる。ボックス前部壁と内側フレーム前部壁の間の隙間は、容器のブランクに提供される、追加的フラップによって覆われる。本発明の容器に使用されるブランクのさらなる修正は必要ない。従って、既に存在する従来的な機械類を、本発明の容器の製造用に主に使用することができる。
【0013】
追加的フラップの第二の側端と内側フレーム前部壁の下縁端の間の接触は直接的な接触であり、これは追加的フラップが内側フレーム前部壁の下縁端に隣接することを意味する。その上、追加的フラップは、内側フレーム前部壁の下縁端が追加的フラップと接触している内側フレーム前部壁の唯一の部分であるように、内側フレーム前部壁の下縁端に下方から接触する。
【0014】
追加的フラップの長さは、基本的にボックス前部壁の上縁端と内側フレーム前部壁の下縁端との間の距離に対応するように設計されることが好ましい。安定性および扱いやすさの理由で、追加的フラップはボックス前部壁の上縁端と内側フレーム前部壁の下縁端との間の距離よりもわずかに大きな長さを持ちうる。追加的フラップの長さは、追加的フラップの第二の側端(または遠端)が内側フレーム前部壁の下縁端の下に安全にロックされることを確保するために、ボックス前部壁の上縁端と内側フレーム前部壁の下縁端との間の距離よりも例えば約1ミリメートル大きくしうる。このようにすることで、消費者が内側フレーム前部壁に不注意に圧力をかけた時、または容器のわずかな変形が発生した時に、追加的フラップが内側フレーム前部壁の下縁端の下から外れるのを防止できる。
【0015】
内側フレーム前部壁とボックス前部壁の間の所定距離は、1ミリメートル〜容器の深さの半分、好ましくは3ミリメートル〜容器の深さの三分の一、より好ましくは6ミリメートル〜容器の深さの三分の一、特に好ましくは8ミリメートル〜容器の深さの三分の一である。
【0016】
本発明の内側フレームの構造では、消費者物品を保持するのに使用される容積は、容器の内容積よりも少なくとも10パーセント、好ましくは少なくとも20パーセント、さらに好ましくは少なくとも40パーセント、特に好ましくは少なくとも50パーセント小さい。
【0017】
好ましい一つの実施形態において、追加的フラップは、ボックス前部壁の上縁端にヒンジで接続される。ブランク材料の自然な弾性から、ヒンジで接続された追加的フラップは、容器の内部に向けて曲げられた後で、ボックス前部壁に対して共直線の向きに戻る傾向にある。この自然な弾性は、追加的フラップが内側フレーム前部壁の下縁端にきっちりと隣接するよう確保する。同時に、内側フレーム前部壁は、追加的フラップがさらに上向きに曲がるのを防止する。
【0018】
さらに好ましい実施形態において、内側フレーム前部壁の下縁端は、ボックス前部壁の上縁端と内側フレーム前部壁の下縁端との間に延びる追加的フラップがボックス前部壁および内側フレーム前部壁に直交する向きになるように、ボックス前部壁の上縁端と実質的に同じ高さである。この実施形態は、魅力的なデザインを持つだけでなく、また消費者は容器が消費者物品の包装に実際に必要なよりも大きいことにほとんど気付かない。
【0019】
さらに好ましい実施形態において、追加的フラップは、第二の側端にあるその外側の角のうち少なくとも一つで少なくとも一つの突出部を含むが、その突出部は、追加的フラップが内側フレーム前部壁に向けて折り畳まれた時に、内側フレーム側壁の接続タブの後に位置する。突出部は、追加的フラップの第二の側端にあるそれぞれの外側の角に提供されることが好ましい。突出部は接続タブの後にロックされ、従って追加的フラップに追加的な安定性が提供される。突出部は、長方形の形状を有してもよく、または丸い縁部を有してもよい。突出部の幅は、内側フレームブランク材料の厚さに対応することが好ましい。
【0020】
内側フレーム前部壁は、内側フレーム前部壁の剛性を高めるための補強手段を含むことが好ましい。有利な実施形態において、補強手段は、内側フレーム前部壁の下縁端に取り付けられた補強用フラップでもよく、補強用フラップは180度上向きに折り畳まれ、内側フレーム前部壁の内側に接着される。剛性をさらに高めるために、フラップを組み込むことができる。追加的な補強層は、内側フレーム自体と必ずしも同じ材料である必要はない。異なる材料の追加的な層は、内側フレーム前部壁に接着されうる。層は、厚紙、金属、プラスチックまたはその他の任意の適切な材料から作製されうる。
【0021】
本発明の容器で使用される内側フレームは、第US 5,150,720号で開示されている同等な容器で使用される内側フレームよりも複雑でなく、従って製造がより簡単である。
【0022】
容器は、消費者物品の照合部を含むことがさらに好ましく、これはボックス後方壁と内側フレーム前部壁の間にしっかりと保持される。消費者物品の照合部は、消費者物品の束が提供されるように、内側ライナー内に包装されることが好ましい。
【0023】
本発明は、消費者物品用の容器を準備するためのプロセスにも関する。プロセスは、消費者物品の照合部を提供する工程と、内側フレームを形成するためのブランクを提供する工程とを含み、内側フレームは内側フレーム前部壁および内側フレーム側壁を備える。内側フレームブランクから内側フレームを折り畳んだ後、内側フレームは消費財の照合部上に配置される。プロセスは、ボックス前部壁と、ボックス後方壁と、ボックス前部壁とボックス後方壁の間に延びる2つの側方のボックス側壁とを持つボックス部分を少なくとも含む容器を形成するための主ブランクを提供する工程をさらに含む。追加的フラップは、少なくとも2つの対向する側端を含むものが提供されるが、第一の側端はボックス前部壁の上縁端に取り付けられている。プロセスは、内側フレームおよび消費財の照合部を主ブランクの周りに折り畳み、また追加的フラップの第二の側端が内側フレーム前部壁の下縁端に隣接するように追加的フラップを折り畳むことにより、主ブランクから容器を形成する工程をさらに含む。
【0024】
追加的フラップは、追加的フラップがボックス前部壁の上縁端と内側フレーム前部壁の下縁端との間の隙間を覆うように、容器の内部に向けて90度折り畳まれることが好ましい。
【0025】
本発明のプロセスの一つの代替案において、追加的フラップは、容器のボックス前部壁が消費者物品の照合部および内側フレーム上に折り畳まれる前に90度折り畳まれる。主ブランクの材料に柔軟性がなく、そのために、ボックス前部壁が消費者物品の照合部および内側フレーム上に折り畳まれる時に、追加的フラップの第二の端が内側フレーム前部壁の下縁端の下にすでに達するように追加的フラップが前もって折り畳まれなければならない場合に、この代替案は特に有用である。
【0026】
プロセスの別の代替案において、追加的フラップは、容器のボックス前部壁が消費者物品の照合部および内側フレーム上に折り畳まれた後で90度折り畳まれる。容器のブランク材料が厚紙または紙といった柔軟性のある材料である時、この代替案は特に有用である。この材料の自然な弾性から、追加的フラップの第二の端を内側フレームの下縁端の下に押すためにそれに対して圧力がかけられた時に、追加的フラップはわずかに曲がる。
【0027】
少なくとも一つの補強用フラップが内側フレーム前部壁の下縁端に取り付けられ、プロセスが、少なくとも一つの補強用フラップを上向きに180度折り曲げる工程と、少なくとも一つの補強用フラップを内側フレーム前部壁の側部に接着する工程とをさらに含むことが好ましい。補強用フラップは、容器の内部に面した内側フレーム前部壁の側部に接着されることが好ましい。
【0028】
上述のいずれかの実施形態で、容器には、例えば、紙巻たばこ、葉巻たばこまたはシガリロなどの細長い喫煙物品が充填されることが好ましい。当然のことながら、寸法を適切に選択することにより、本発明による容器は、異なる数の従来サイズ、キングサイズ、スーパーキングサイズ、スリムまたはスーパースリムの紙巻たばこ用に設計しうる。ただし、本発明による容器は、喫煙物品以外の多様な消費財とも使用できる。
【0029】
本発明による容器は、閉位置と消費財を容器から取り出すことができる開位置との間でヒンジ線に沿って旋回可能なリッドを容器が含むように、ヒンジ付リッド式設計のものとしうる。これらの実施形態において、ヒンジリッドは、リッドが後方壁の一部をも含むように、ボックス部分の後方壁を横切って延びるヒンジ線に沿って旋回しうる。
【0030】
ヒンジ付リッド容器と同様に、当業者であれば、本発明が代替的なデザイン(軟質パックなど)の容器、すなわち、より薄くより簡単に変形可能な材料(紙など)でできた層状ブランクから構成されるボックス部分を含む容器にも適用されうることを理解する。さらに、本発明は、容器を開くためのスライド機構を持つ容器にも都合良く適用されうる。
【0031】
本発明による容器は、一般に従来的な方法で組み立てられる。すなわち、1つ以上の層状ブランクを消費財商品の周りで折り畳んで、容器を組み立てられた形状に保持するために層状ブランクの上にあるパネルをまとめてシールすることによる。これは、従来的な接着剤または粘着剤を使用して達成されうる。
【0032】
本発明による容器は、長軸方向の直角の端および横断する直角の端を持つ直方体の形状のボックス部分を含みうる。別の方法として、ボックス部分は一つ以上の長軸方向の丸み付きの端、横断する丸み付きの端、長軸方向の面取り付きの端または横断する面取り付きの端、またはその組み合わせを含みうる。
【0033】
ボックス部分の寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、異なる合計数の喫煙物品、または異なる配置の喫煙物品を保持するよう設計しうる。例えば、その寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、合計10〜20個の喫煙物品を保持するよう設計しうる。
【0034】
容器内の喫煙物品は、喫煙物品の合計数に応じて、異なる並べ方で配置しうる。例えば、喫煙物品は、6、7、8、9または10個の1列で配置しうる。別の方法として、喫煙物品は2列以上で配置しうる。2列以上の列は、同一の数の喫煙物品を含みうる。例えば、喫煙物品は、5、6、7、8、9もしくは10個の2列、5もしくは7個の3列、または4、5もしくは6個の4列で配置しうる。別の方法として、2列以上の列は、互いに異なる数の喫煙物品を含む少なくとも2列を含みうる。例えば、喫煙物品は、5個の1列および6個の1列(5−6)、6個の1列および7個の1列(6−7)、7個の1列および8個の1列(7−8)、5個の中央の1列および6個の両外側の2列(6−5−6)、5個の中央の1列および7個の両外側の2列(7−5−7)、6個の中央の1列および5個の両外側の2列(5−6−5)、6個の中央の1列および7個の両外側の2列(7−6−7)、7個の中央の1列および6個の両外側の2列(6−7−6)、9個の中央の1列および8個の両外側の2列(8−9−8)、または6個の中央の1列、5個の一方の外側の1列および7個の一方の外側の1列(5−6−7)で配置しうる。
【0035】
本発明による容器は、同一のタイプまたはブランドの、または異なるタイプまたはブランドの喫煙物品を保持しうる。さらに、フィルターなし喫煙物品および各種フィルターチップ付きの喫煙物品の両方を含みうるほか、異なる長さ(例えば、約40ミリメートル〜約180ミリメートル)、直径(例えば、約4ミリメートル〜約9ミリメートル)の喫煙物品も含みうる。さらに、喫煙物品は、味覚の強度、引き出し抵抗および合計粒子状物質の送達が異なりうる。
【0036】
本発明による容器の長さ、幅および奥行きは、閉位置での容器の結果的な全体的寸法が、20本の紙巻たばこの典型的な使い捨てヒンジリッドパックの寸法と類似するような寸法としうる。
【0037】
本発明による容器の高さは約60ミリメートル〜約150ミリメートルであることが好ましく、高さが約70ミリメートル〜約125ミリメートルであることがより好ましいが、ここで高さは、容器の上部壁から底部壁までを測定したものである。
【0038】
本発明による容器の幅は約12ミリメートル〜約150ミリメートルであることが好ましく、幅が約70ミリメートル〜約125ミリメートルであることがより好ましいが、ここで幅は、容器の一方の側壁から他方の側壁までを測定したものである。
【0039】
本発明による容器の奥行きは約6ミリメートル〜約100ミリメートルであることが好ましく、奥行きが約12ミリメートル〜約25ミリメートルであることがさらに好ましいが、ここで奥行きは、容器の前部壁から後部壁までを測定したものである(ボックスとリッドの間のヒンジを含む)。
【0040】
容器の高さ対容器の奥行きの比は、約0.3対1〜約10対1であることが好ましく、約2対1〜約8対1であることがさらに好ましく、約3対1〜5対1であることが最も好ましい。
【0041】
容器の幅対容器の奥行きの比は、約0.3対1〜約10対1であることが好ましく、約2対1〜約8対1であることがさらに好ましく、約2対1〜3対1であることが最も好ましい。
【0042】
本発明による容器は、例えば、高密度または低密度のポリエチレン、ポリプロピレン、方向性ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、セルロースフィルム、または従来的な方法でのその組み合わせの透明高分子フィルムで、収縮包装またはそれ以外の方法でオーバーラップされる。本発明による容器がオーバーラップされる場合、オーバーラッパーは1つ以上のティアテープを含みうる。さらに、オーバーラッパーは画像、消費者情報またはその他のデータとともに印刷しうる。追加的外側ラッパーは有利なことに、例えば、取り扱い中の摩損に対して容器の表面を保護しうる。
【0043】
喫煙物品の群を収容するだけでなく、容器はさらに、例えば、マッチ、ライター、消火手段、口臭フレッシュまたは電子装置などのその他の消費者物品を含みうる。その他の消費者物品は、容器の外側に取り付けるか、容器内に喫煙物品に沿って容器の別の区画内に含めるか、またはその組み合わせとしうる。
【0044】
本発明による容器の外部表面は、製造元またはブランドのロゴ、商標、スローガンおよびその他の消費者情報およびしるしで、印刷、エンボス加工、デボス加工またはその他の方法で装飾しうる。
【0045】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、本発明による容器に使用される内側フレーム用の層状ブランクを示す。
図2図2は、折り畳んだ後の図1の内側フレームを示す。
図3図3は、紙巻たばこの照合部上に置かれた図2の内側フレームを示す。
図4図4は、図1および2の内側フレームで組み立てられるヒンジ付リッド容器用の層状ブランクを示す。
図5図5は、内側フレームおよび紙巻たばこの照合部の周りに形成される図4のブランクを示し、ここで追加的フラップはまだ折り畳まれていない。
図6図6は、追加的フラップが折り畳まれた後での、内側フレームおよび紙巻たばこの照合部の周りに形成される図4のパックブランクを示す。
図7図7は、内側フレーム前部壁およびボックス部分前部壁の上側端の断面図である。
図8図8は、内側フレーム前部壁およびボックス部分前部壁の上側端の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1および2は、折り畳み前(図1)および折り畳み後(図2)の内側フレーム用の層状ブランクを示す。層状ブランク10は、内側フレーム前部壁12および左右の内側フレーム側壁14を含む。左右の内側フレーム側壁14を折り目線16に沿って折り畳むことにより、内側フレーム前部壁12は、接続タブ14aの幅に対応した距離だけ、内側フレーム側壁14の前方端18から後退する。
【0048】
内側フレーム前部壁12の下側部分12bは、折り目線12c(図2では矢印で示す)に沿って上向きに180度折り畳まれ、内側フレーム前部壁12の上側部分12aに接着される補強用フラップを示す。従って、内側フレーム前部壁12は、内側フレーム材料の二重の層から形成され、内側フレーム10の堅さおよび安定性が増大する。
【0049】
図3は、消費者物品20の束上に配置された図2の内側フレーム10を示す。消費者物品20の束は内側ライナー22によってラップされ、一般的に長方形の形状を持つ。内側フレーム10の寸法は、消費者物品の束20の寸法に対応する。したがって、束20の幅は、内側フレーム側壁14内に滑らかにフィットするような幅である。束20の深さは、内側フレーム側壁14の後方の端14cと内側フレーム前部壁12の間の距離によって画定される内側フレーム10の深さに対応する。さらに、内側フレーム10の上縁端14bおよび束20の上側面24は、相互に対して整列される。
【0050】
図4は、本発明によるヒンジリッドパック用の層状ブランク30を示す。ブランク30およびそれから製造されるヒンジリッドパックは、ボックス部分31の領域内にボックス前部壁32を有し、後者はボックス底部壁34およびボックス後方壁36と隣接する。側方のボックス側壁38はそれぞれ互いに重なり合う2つの側方タブ38aおよび38bによって形成される。ボックス前部壁32に接続された側方タブ38bは、外側に位置する。
【0051】
ヒンジリッドパックのリッド部分40は、リッド後方壁42、リッド上部壁44およびリッド前部壁46で構成される。互いに重なり合うリッド側方タブ48a、48bは、リッド側壁48の形成に役立つ。リッド部分40は、ヒンジによる接続によって、リッド後方壁42の領域でボックス部分31の後方壁36に接続されている。
【0052】
追加的フラップ50は、ボックス前部壁32に隣接して提供されている。追加的フラップは、第一および第二の側端52、54を含む。追加的フラップ50は、ブランク30がパックに折り畳まれた時に、ボックス前部壁の上縁端32に対応するボックス前部壁32の端に隣接して提供される。図示した実施形態において、追加的フラップ50の第一の側端52は、ボックス前部壁32の上縁端にヒンジで接続されている。
【0053】
追加的フラップ50の第二の端54の角には、突出部54aが提供されている。ボックス部分が、紙巻たばこ束20および内側フレーム10上に折り畳まれた時、突出部は、接続タブ14aの後に位置し、追加的フラップ50を望ましい位置に維持することを助ける。
【0054】
図5では、図4のパックブランク30が内側フレーム10および消費者物品の束20の周りに形成されている。内側フレーム10の外側寸法は、容器のボックス部分31の内側寸法に対応する。消費者物品の束20は、内側フレーム側壁14、内側フレーム前部壁12およびボックス後方壁36によって画定されたスペース内にしっかりと保持される。図5では、ボックス前部壁32の上縁端に隣接して提供されている追加的フラップ50は、内側フレーム前部壁12に向かってまだ折り畳まれていない。
【0055】
図6は、図5に示す容器に対応しており、ここでは、追加的フラップ50が容器の内部に向かって90度折り畳まれている。追加的フラップ50の第二の側端52は、追加的フラップ50が内側フレーム前部壁12とボックス前部壁32の間の開口部を実質的に覆うように、内側フレーム前部壁12の下縁端12dに隣接する。
【0056】
図7および8は、内側フレーム前部壁12およびボックス前部壁32の断面図を示す。ボックス前部壁の上縁端32aは、内側フレーム前部壁12の下縁端12dと実質的に同じ高さである。追加的フラップ50を内側フレーム前部壁12に向かって90度折り畳むことにより、追加的フラップ50の第二の側端52が内側フレーム前部壁12の下縁端12dの下にロックされる。追加的フラップ50の長さは、内側フレーム前部壁12とボックス前部壁32の間の距離に対応する。
【0057】
追加的フラップ50の折り畳みは、製造プロセスの異なる工程で、すなわちボックス前部壁32が消費者物品20の束上に折り畳まれる前または折り畳まれた後で実施されうる。図1〜7に図示した模範的な製造プロセスにおいて、追加的フラップ50は、ボックス前部壁32が消費者物品の束20上に折り畳まれた後に折り畳まれる。容器の厚紙材料の自然な弾性から、追加的フラップ50は、それに対して図7で太い矢印で示される圧力がかけられた時にわずかに曲がる。最終的に、追加的フラップ50の第二の側端52は、内側フレーム前部壁12の下縁端12dに達し、その下にロックされる。
【0058】
別の方法として、追加的フラップ50は、ボックス前部壁32が消費者物品の束20上に折り畳まれる前に、少なくとも90度折り畳まれてもよい。ボックス前部壁32を折り畳んだ後、追加的フラップ50は、ボックス前部壁32に対してその共平面の位置に戻る傾向にある。ところが、追加的フラップ50の第二の側端52が図8に示す通り内側フレーム前部壁12の下縁端12dに隣接した時に、追加的フラップ50は止まる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8