【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本発明は、以下を含むパックを提供する
(i)酸素が存在しないことにより、その中に保持された嫌気性硬化性組成物が硬化するのを防止するのに十分な酸素透過性を有する容器本体を有する容器、および
(ii)前記容器内に保持された嫌気性硬化性組成物
を含むパックであって、
前記容器本体は、熱可塑性澱粉成分とポリエチレンとの混合物から形成されたプラスチック材料から構成されていることを特徴とするパック。
【0010】
これは、容器本体を形成するための代替的な材料として望ましい。これは望ましい特性を有する。さらに、熱可塑性デンプン成分に使用されるデンプンは、再生可能なソースから供給されてもよい。
【0011】
この材料は、嫌気的に硬化可能な材料の広範囲の配合物と適合性があることが判明した。
【0012】
前記材料は、嫌気性硬化性製品を保存するための望ましい特性を示す。特に、容器本体を形成する材料の性能は、より従来の材料の性能に匹敵することが判明した。
【0013】
さらに、材料には汎用性がある。例えば、ボトルの形態で容器を形成するのに十分な剛性を有することができる。絞り出し可能な容器本体を形成することができる。例えば、分注ノズルのような分注装置が任意に取り付けられるような、絞り出し可能な形態の容器本体であることができる。例えば、キャップとノズルとを含む分配組み立て品を提供することができる。
【0014】
本発明のパックは、異なる種類の容器を構築するのに適した良好な保存安定性を示すことが判明した
【0015】
さらに、広範囲の材料のブレンドを利用することができる
【0016】
例えば、熱可塑性デンプン成分中のデンプンは、容器本体を形成するために使用されるブレンドの重量の6%〜33%の量で存在することができる。
【0017】
熱可塑性デンプン成分中のデンプンは、容器本体を形成するために使用されるブレンドの重量の13%〜32%の量で存在することができる。任意選択で、熱可塑性デンプンは、20%〜30%の量で存在する。例えば、熱可塑性デンプン成分中のデンプンは、前記容器本体を形成するために使用される前記ブレンドの重量の23%〜30%の量で存在してもよい。
【0018】
熱可塑性デンプン成分中のデンプンは、容器本体を形成するために使用されるブレンドの重量の約26%の量で存在してもよい。
【0019】
熱可塑性デンプン成分中のデンプンは、熱可塑性デンプン成分の形態で利用することができる。すなわち、デンプンは、1種以上の他の材料と共に利用され得る。例えば、熱可塑性デンプン成分は、可塑剤とブレンドされたデンプンであってもよい。これは、デンプンをより容易に混合可能にするために望ましいかもしれない。例えば、熱可塑性デンプン成分は、(熱)可塑性材料のような非デンプン物質と混合可能であることが望ましい。望ましくは、デンプンは天然由来のものである。
【0020】
任意の適切な可塑剤を使用することができる。例えば、多官能性アルコールまたは多官能性アルコールの組合せを使用することができる。好適な多官能性アルコールとしては、グリセロールおよびソルビトールおよびこれらの組合せが挙げられる。
【0021】
熱可塑性デンプン成分中では、配合されるべきポリマーとデンプン成分を相溶化するために、相溶化剤(compatabiliser)を利用することもできる。例えば、相溶化剤は、熱可塑性デンプン成分をポリエチレンと相溶させることができる。例えば、相溶化剤は、デンプンと相溶性のある基およびそれがブレンドされる熱可塑性剤(プラスチック)と相溶性のある基を有するポリマーであってもよい。1種のモノマーが、デンプンが相溶化されるポリマーと性質が類似しており、共重合されるコモノマーが澱粉と相容性である(例えば、デンプンのヒドロキシル基と反応性であるようなデンプンと反応性を有すること)コポリマーが望ましい。この点で、ポリマー主鎖がポリマーと相溶性のモノマーであり、コモノマーがペンダント基として主鎖に結合する、グラフト化またはランダム共重合体を使用することができる。
【0022】
本発明において、任意の相溶化剤は、ポリエチレンと相溶性のある骨格(バックボーン)を有することが望ましい。例えば、骨格は、ポリエチレン骨格であってもよい。任意の適切なペンダントコモノマーを使用することができる。コモノマーとしては、カルボン酸、カルボン酸無水物、アクリル酸のエステルを用いることができる。本発明における好適な相溶化剤は、ポリエチレン−コ−アクリル酸である。
【0023】
混合を容易にするために、デンプンと任意に可塑化剤とを、後に配合されるべきポリマーの一部の量と、予めブレンドしてもよい。例えば、熱可塑性デンプン成分を、ポリエチレンとブレンドすることができる。
【0024】
国際特許公開WO2011/020170に記載され請求されている方法は、本発明の熱可塑性デンプンを調製するのに適している。
【0025】
使用時に、デンプン成分を超える成分を含む熱可塑性デンプン成分を使用する場合において、デンプンの量について本明細書で与えられる値は、デンプンのみを指し、その他の成分を含まない。
【0026】
例えば、ポリエチレンは、前記容器本体を形成するために使用される前記ブレンドの重量の66%〜94%の量で存在し得る。任意に、ポリエチレンは、前記容器本体を形成するために使用される前記ブレンドの重量の67%〜87%の量で存在する。ポリエチレンは、容器本体を形成するために使用されるブレンドの重量の70%〜80%の量で存在してよい。例えば、ポリエチレンは、容器本体を形成するために使用されるブレンドの重量の約74%の量で存在し得る。
【0027】
ポリエチレンが熱可塑性デンプン成分中で利用される場合、本明細書でポリエチレンの量について与えられる値は、容器内に存在するポリエチレンの全量を指す。(量が、例えば相溶化剤して存在し得るポリエチレンの任意のコポリマーを含まないという疑いを避けるためである。)
【0028】
容器本体の酸素透過性は、(4mm)の肉厚に基づいて24時間で少なくとも2.4cm
3である
【0029】
本発明のパックは、好適な粘度範囲にわたる材料を収容することができる。例えば、嫌気性硬化性組成物の粘度は、約10センチポアズから約8000センチポアズであってよい。
【0030】
好適には、ポリエチレンはLDPE系材料である。
【0031】
所望であれば、容器本体が形成されるブレンドは、可塑剤を含むことができる。
【0032】
上述したように、いくつかの最終用途では、前記容器本体は、前記嫌気性硬化性組成物を分注するために絞り出し可能であることが望ましい。例えば、絞り出し可能なボトルの形態をとってもよい。
【0033】
容器は、前記容器から嫌気性生成物を分注(ディスペンス)するために、分注(ディスペンス)ノズルをさらに備えることができ、分注ノズルは、容器本体のクロージャ(密閉部)の一部を任意に形成していてよい。
【0034】
容器は、容器から嫌気性製品を分注するための分注クロージャをさらに備えることができる。このようなクロージャには、ノズルが組み込まれていてよい。
【0035】
容器本体は、顔料によって着色されてもよい。例えば、顔料は、容器本体を形成する成分とブレンドされてもよい。これは、その中に含まれる製品の保存安定性を損なうことなく行うことができる。
【0036】
前記嫌気性硬化性材料は、(メタ)アクリレート類、チオーレン(thiolene)類、シロキサン類、ビニル類、およびもちろんこれらの組合せからなる群より選択されるモノマーを含むことができる。
【0037】
前記嫌気性硬化性モノマーは、(メタ)アクリレートモノマーであってよい。嫌気性硬化性組成物中において、(メタ)アクリレート成分として使用するのに適した(メタ)アクリレートモノマーは、多種多様な材料から選択することができる。例えば、H
2C=CGCO
2R
1、ただし式中、Gは水素、ハロゲンまたは1〜約4個の炭素原子を有するアルキル基であることができ、R
1は、1〜約16個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、アラルキルまたはアリール基から選択されることができ、これらの任意のものは任意に、シラン、ケイ素、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、尿素、ウレタン、カーボネート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、スルホンなどにより、それぞれの場合で置換または中断されていてもよい。
【0038】
本発明のパックに使用するのに適した追加の(メタ)アクリレートモノマーは、限定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなジ又はトリ官能(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(HPMA)、ヘキサンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート(TRIEGMA)、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ジ−(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジグリセロールテトラメタクリレート、テトラメチレンジメタクリレート、エチレンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートモノマー;エトキシル化ビスフェノール−A(メタ)アクリレート(EBIPMA)のようなビスフェノール−Aモノおよびジ(メタ)アクリレート;およびエトキシル化ビスフェノール−Fなどのビスフェノール−Fモノおよびジ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートモノマーを挙げることができる。
【0039】
本明細書で使用することができるさらに他の(メタ)アクリレートモノマーは、例えば、米国特許第5,605,999号明細書(Chu)(その開示は、参照により本明細書に明示的に組み入れられる)に教示され特許請求されている、シリコーン(メタ)アクリレート部分(SiMA)を含むものである。
【0040】
もちろん、(メタ)アクリレートモノマーの組合せのようなモノマーの組合せも使用することができる。
【0041】
(メタ)アクリレート成分は、組成物の約10〜約90重量%の量で含むべきであり、例えば、組成物の総重量を基準にして約60〜約90重量%のである。
【0042】
本発明の実施形態を、例としてのみのために、添付図面を参照しながら説明する。