特許第6702980号(P6702980)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702980
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】接合された容器と取っ手を備えた容器束
(51)【国際特許分類】
   B65D 23/10 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   B65D23/10 A
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-534644(P2017-534644)
(86)(22)【出願日】2016年1月7日
(65)【公表番号】特表2018-501159(P2018-501159A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2016050236
(87)【国際公開番号】WO2016113182
(87)【国際公開日】20160721
【審査請求日】2018年11月2日
(31)【優先権主張番号】102015100342.2
(32)【優先日】2015年1月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598125028
【氏名又は名称】カーハーエス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー・マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン・ウーヴェ
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0308043(US,A1)
【文献】 独国特許発明第102011106759(DE,B3)
【文献】 独国特許出願公開第102011107265(DE,A1)
【文献】 米国特許第03388791(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 23/10
B65D 21/02
B65B 17/02
B65B 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着箇所により互いに接続されている少なくとも四つの容器(4)を備えた容器束(2)において、
各容器(4)が第一整列部の少なくとも一つの接着箇所(10)を備え、二つ或いはそれより多くの容器(4)が第二整列部の一つの接着箇所(12)を備えており、
第一整列部の接着箇所(10)が、容器(4)の下位グループ(6)をばらばらにならないようにまとめており、
第二整列部の接着箇所(12)が、容器(4)の下位グループ(6)の間に取付けられていること
一つの取っ手(8)の少なくとも一部が、二つの容器(4)の上端部に架かっていること、及び、
第二整列部の接着箇所(12)が、容器(4)の下側半分だけに配置されていることを特徴とする容器束(2)。
【請求項2】
第一整列部の接着箇所(10)が、容器(4)の下側半分に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の容器束(2)。
【請求項3】
第一整列部の接着箇所(10)が、第二整列部の接着箇所(12)よりも強い接着強度を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の容器束(2)。
【請求項4】
それらの容器(4)が各々第一整列部の接着箇所(10)により接続されている容器(4)の下位グループが、容器(4)の列として形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の容器束(2)。
【請求項5】
第二整列部の接着箇所(12)が、選択された、二つの下位グループ(6)の間の特に末端にある容器(4)にだけ配置されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の容器束(2)。
【請求項6】
第一及び第二の容器(4)ならびに第三及び第四の容器(4)が、第一整列部の接着箇所(10)により接続されていること、
及び第一及び第三の容器(4)ならびに第二の及び第四の容器(4)が、第二整列部の接着箇所(12)により互いに接続されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の容器束(2)。
【請求項7】
請求項1〜のいずれか一つに記載の容器束(2)を製造するための方法であって、この方法が以下の工程、すなわち、
−容器(4)の第一及び第二のグループを準備する工程と、
−第一及び第二のグループの容器(4)に第一整列部の接着点(10)を塗布する工程と、
−第一のグループの容器(4)を一つの第一の下位グループ(6)に接合しかつ第二のグループの容器(4)を一つの第二の下位グループ(6)に接合する工程であって、各下位グループ(6)は各々一つの接着点の無い容器(4)により補足されることができる工程と、
−第一の下位グループ(6)の少なくとも一つの容器(4)に第二整列部の少なくとも一つの接着点(12)を塗布する工程と、
−第一及び第二の下位グループ(6)を接合する工程と、
−少なくとも二つの容器(4)にわたり一つの取っ手(8)を架ける工程とを備えていることを特徴とする方法。
【請求項8】
第一及び第二の下位グループ(6)の末端にある容器(4)が、接合により第二整列部の接着点(12)に接続されていることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項9】
第一整列部の一つの接着点(10)を作るために、第二整列部の一つの接着点(12)を作るためによりも、多くの接着剤および/または大きな接着点が容器(4)上に塗布されることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
容器(4)を搬送するための手段と、接着剤を塗布するための手段と、容器(4)を接合して一つの容器束(2)を形成するための手段と、一つの取っ手(8)を取付けるための手段とを備えた、請求項1〜のいずれか一つに記載の容器束(2)を製造するための装置において、
容器(4)の第一及び第二のグループを編成するために、搬送するための手段が構成されていること、
第一整列部の接着点(10)を一つの容器(4)に塗布するために、接着剤を塗布するための第一の手段が構成されていること、
及び各々容器(4)の第一のグループを第一の下位グループ(6)に接合しかつ容器(4)の第二のグループを第二の下位グループ(6)に接合するたに、接合するための第一の手段が構成されていること、
接着剤を塗布するための第二の手段が、第二整列部の接着点(12)を容器(4)上に塗布するために構成されていること、
及び接合するための第二の手段が、第一及び第二の下位グループ(6)から容器束(2)を、第二整列部の接着点(12)から第二整列部の接着箇所(12)を作ることにより接合するために構成されていることを特徴とする装置。
【請求項11】
接着剤を塗布するための第一及び第二の手段が、第一及び第二整列部の接着点(10,12)を容器(4)の異なる個所に塗布するために構成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
容器(4)を接合するための手段は、第一整列部の接着点(10)を備えている容器(4)ならびに接着点を備えていない容器(4)が、下位グループ(6)に接合されるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着箇所により互いに接合されている少なくとも四つの容器を備えた容器束と、容器束を製造するための方法ならびに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1と特許文献2は、接着箇所により接続されている、少なくとも四つの容器を備えた容器束を開示している。特許文献3は、複数の容器から成る容器束を開示しており、これらの容器は少なくとも一つの第一の列と第二の列で配置されており、かつより強く負荷に耐え得てかつより弱く負荷に耐え得る接着箇所により接続されている。容器束の各容器は少なくとも一つのより強く負荷に耐え得る接着箇所を備えており、第一の列と第二の列の間にも、より強く負荷に耐え得る接着箇所が配置されている。より弱く負荷に耐え得る接着箇所は、特に末端にある容器を保護するのに使用される。接着箇所の配設は手間がかかっており、使用者にとっては、どのようにして或いはどの順序で容器が最小限の力のかけ方で容器束から外され得るのかが分からない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許第2331193号明細書
【特許文献2】米国特許第3902992号明細書
【特許文献3】米国特許第3388791号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、使用者が個々の容器をそこから最小の手間で外すことができる容器束を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の容器束、請求項8に記載の方法及び請求項11に記載の装置により解決される。
【0006】
本発明による容器束は、接着箇所により互いに接続されている少なくとも四つの容器を備えている。本発明によれば、各容器は、第一整列部の少なくとも一つの接着箇所を備え、二つ或いはそれより多くの容器は、第二整列部の一つの接着箇所を備えている。第一整列部の接着箇所は、容器の下位グループをばらばらにならないようにまとめており、第二整列部の接着箇所は、容器の下位グループの間に取付けられており、そして一つの取っ手の少なくとも一部は、二つの容器の上端部に架けられている。請求項1による容器束は、容器の下位グループから、普通は容器の列から構成されている。一つの下位グループの容器は、第一整列部の接着箇所により接合されている。次いで少なくとも二つの下位グループは、接合されて容器束を形成しており、しかも第二整列部の接着箇所により接合されている。二整列部の接着箇所は、第一整列部の接着箇所よりも容易に剥がすことができる。すなわち第二整列部の接着箇所を剥がすために、第一整列部の接着箇所の場合よりも小さい力が加えられ得る。本発明による容器束から容器を外す際に、本発明による容器束はまず第一に下位グループに解体される。その理由は第二整列部の接着箇所が最初に曲げられかつ外されることにある。次いで使用者は簡単な方法で個々の容器をその都度下位グループから外すことができる。接着箇所の数と接着剤の使用は最小である。個々の容器は容器束から極めて上手く外すことができる。その理由は、外すべき個々の容器に上手く手を付けることができる容器の使用者にとって使いやすい下位グループが利用可能であることにある。
さらに本発明による容器束は、二つの容器の上端部に架ける取っ手を備えている。取っ手が好ましくは異なる下位グループに属する二つの容器架けることにより、搬送中に取っ手は容器束を安定させる。容器束をより快適に携帯できるように、本発明のさらに好ましい構成によれば、取っ手は伸ばしてスリングにされることができる。この目的で、取っ手は容器束の製造後に折畳まれるか或いは巻かれかつ引っ張りながら容器束に架ける。次いでこの折畳みと巻き込みは、使用者により解除されることができ、携帯する際に容器束にかかる引く力は、接着で接続される容器が確実にグループで保持される程度に大きい。
【0007】
本発明の好ましい構成によれば、第一整列部の接着箇所は容器の下側半分に配置されている。
容器間の第一整列部の接着箇所が低ければ低いほど、容器束から一つの容器を外す際のてこの効果は大きい。本発明のさらに適合した構成によれば、容器束は、第二整列部の接着箇所が容器の下側半分に配置されていることを特徴とする。第一及び第二整列部の全接着箇所が容器の下側半分に付されている容器束は、本発明の特に有利な構成である。たとえ取っ手が異なる下位グループの二つだけの容器にかかっていても、特に取っ手が容器束を上端部に十分な安定性を備えているので、このような容器束は、安定性があり、かつ搬送中に作用する力に耐性があることがわかる。覆うフィルム或いはボール紙を使わないことにより、使いやすくかつ経済的な荷造りが保証される。
【0008】
本発明の有利な構成によれば、第一整列部の接着箇所は、第二整列部の接着箇所よりも大きな接着強度を備えている。僅かな接着強度は異なる方法で作られることができる。それは例えば接着剤の選定或いは接着箇所の大きさもしくは最小化により作られる。代替的に第二整列部の接着箇所は、容器束を解体する際に使用者により僅かな力で外せる形状、例えば容器の高さに対して平行に長手方向に延びる形状を備えている。
【0009】
本発明の範囲内においては、下位グループが複数の容器であり、下位グループの容器が各々第一整列部の接着箇所により接続されており、容器の列として形成されているのが好ましい。容器の列から形成されている容器束は、まず第一に容器束を作る際に簡単に操作され得る。他方、下位グループが列状に形成されていると、容器束は特に簡単に外し得る。
【0010】
本発明の特に経済的な構成において、第二整列部の接着箇所は、選択される、特に二つの下位グループ間の末端にある容器にだけ配置されている。たとえ選択される、特に末端にある、異なる下位グループの容器だけが第二整列部の接着箇所により接続されていても、第一整列部の接着箇所により互いに接続されている複数の下位グループから成る容器束が、極めて安定して組立てられることができるのがわかったのは意外である。下位グループは基本的強度を容器束の構造にもたらし、この構造により、異なる下位グループの末端にある容器間でだけ、五つより多くの容器を備えた下位グループの場合に、選択される、末端に無い容器に第二整列部の接着箇所が配置されていることが可能になる。従って、第一及び第二の容器ならびに第三及び第四の容器が、第一整列部の接着箇所により接続されていること、及び第一及び第三の容器ならびに第二及び第四の容器が、第二整列部の接着箇所により互いに接続されているのがさらに好ましい。
【0011】
本発明の意味における容器とは、各々金属、ガラス、合成樹脂および/または材料複合体、典型的には例えばPET瓶または合成樹脂、アルミホイルおよび紙から成る材料複合体から成る瓶類、缶類、チューブ類、袋類である。本発明の意味における容器には、全て材料が、特にこのような、液状の又は粘着性の製品を満たすのに適している材料が含まれている。すでにグループにまとめられた容器(マルチパック)も、本発明の意味における容器に含まれている。容器束の容器は非入れ子位置に配置されているのが好ましい。すなわち容器束の一列の容器は、容器束の隣接した列の間隙内には配置されていない。本発明による容器は、任意の横断面、すなわち長円形、円形或いは多角形の横断面を備えていてもよい。容器の形状は袋状、ピラミッド状或いは直方体状であってもよいが、多くは円筒形であってもよい。
【0012】
先に記載された特徴を備えた容器束を製造するための本発明による方法は、以下の工程、すなわち
−容器の第一及び第二のグループを準備する工程と、
−第一及び第二のグループの容器に第一整列部の接着点を塗布する工程と、
−第一のグループの容器を一つの第一の下位グループに接合しかつ第二のグループの容器を一つの第二の下位グループに接合する工程であって、各下位グループ各々一つの接着点の無い容器により補足されることができる工程と、
−第一の下位グループの少なくとも一つの容器に第二整列部の少なくとも一つの接着点を塗布する工程と、
−第一及び第二の下位グループを接合する工程とを備えている。
【0013】
まず第一に、第一のグループ及び第二のグループの個々の容器が準備され、両グループの容器には第一整列部の接着点が塗布される。接着点を備えた複数の容器は、接合されて第一の下位グループと第二の下位グループを形成し、一般的には瓶または缶の列を形成する。各下位グループは末端にある容器により補足されることができ、この末端にある容器は第一整列部の接着点を備えておらず、ただ単に接着箇所を形成することによって下位グループの隣接している容器に固定されるにすぎない。
【0014】
容器上に塗布される接着剤から成る接着点から、二つの容器間に接着箇所を作ることは、両方の容器を相並べて押し当てるか或いは押付けることにより行われ、接着点の接着剤は両容器を接着箇所で接合する。本発明の意味における接着剤とは、あらゆる物質、すなわち二つの容器間の接着接合を作るのに適している全ての材料或いは化合物、特に流体状態あるいは粘性状態で加えられた場合に、自己融着接着点(selbstklebenden Klebepunkt)を形成するような物質、材料あるいは化合物であるが、例えば圧力、放射線、或いは温度を加えることにより、または化学硬化もしくは架橋結合を用いて接着箇所を形成するような物質、材料あるいは化合物でもある。代表的な接着剤は、低粘度状態で処理されかつ放射線により硬化されるUV硬化型接着剤あるいは塗布後に冷却しかつ材料特有の温度を下回ると接着強度を失う熱接着剤であり、従って熱接着剤は接着箇所を直接作るのにだけ適している。発明の意味における接着剤とは、例えば、接着箇所が二つの容器間で製作可能であるように接着剤により被覆されている少なくとも一つの担持材料から成るような多層材料でもある。これらの多層材料は、両面で付着するか或いは接着して形成されているパッドとして構成されているのが一般的である。
【0015】
一つの接着点により構成されている容器は、点状に或いは線状にもしくは複数の点および/または複数の線から成る模様の状態で塗布されている接着剤も備えている。その接着強度により容器を手で容器束から分離することが可能である接着剤が選ばれるのが好ましい。特にUV硬化型接着剤は適している。その理由は、接着剤が接着箇所で作り出す接着強度が接着剤の組成と硬化の強さにより上手く調節されることができる。本発明による容器束は、第一及び第二整列部の接着箇所により互いに接続されている。接着箇所は容器束を互いに直接接合するのが好ましい。
【0016】
接着剤の塗布は、それ自体公知の方法でノズルにより行われ、これらのノズルは、ほぼ液状の接着剤を容器上に直接一つ或いは複数の接着点を形成するために塗布又は吹きかける。接着剤を緒付した後、例えば複数の容器に当接するクランプストリップの効果により容器は接合され、従って、接着点が第一の容器上に付けられている箇所に、接着点無しで第二の容器が当接することにより接着箇所が生じる。同様にして、第二の容器は、第一の容器が当接する箇所に接着点を有することができ、従って、一つの接着箇所は二つの接着点から形成されていてもよい。
【0017】
まず第一に、第二整列部の接着点が、選ばれる、特に末端にある容器が塗布されることにより、すなわちすでに第一及び第二のグループ上に準備されるか或いは最初に下位グループに接合される容器のどちらかが塗布されることにより、第一及び第二の下位グループは接合されて容器束を形成する。次いで、それ自体公知の方法で、例えばクランプストリップにより接し合って押圧することにより、下位グループを接合しかつ第二整列部の接着点から接着箇所を形成することにより、容器束は製造される。その後引続き、取っ手が好ましくは中央に配置された少なくとも二つの容器にわたり架けられ、容器は好ましくは異なる下位グループに所属している。
【0018】
第二整列部の接着箇所は、原則的に90°の角度で、容器の周囲に第一の接着箇所の配設部に関連して付される。第二整列部の接着箇所は、第一整列部の接着箇所とは異なる。その理由は第二整列部が下位グループの間で、下位グループの容器間の第一整列部の接着箇所よりも弱い結合を作ることにある。第二整列部は例えばより小さいかあるいはより弱い接着強度を有する接着剤から成るか或いは第二整列部は小さい接着強度を作る形状配置を備えている。最後の構成は、例えば容器の高さに対して平行に配置され長手方向に延びる背着箇所であり、従って下位グループを外す際には極めて幅狭い接着箇所の強度だけが克服される必要がある。
【0019】
最後に、本発明は、容器を搬送するための手段と、接着剤を塗布するための手段と、容器を接合して一つの容器束を形成するための手段と、一つの取っ手を取付けるための手段とを備えた、本発明による容器束を製造するための装置を備えており、容器の第一及び第二のグループを編成するために、搬送するための手段が構成されており、第一整列部の接着点を一つの容器に塗布するために、接着剤を塗布するための第一の手段が構成されており、及び各々容器の第一のグループを第一の下位グループに接合しかつ容器の第二のグループを第二の下位グループに接合するために、接合するための第一の手段が構成されており、接着剤を塗布するための第二の手段が、第二整列部の接着点を容器上に塗布するために構成されており、及び接合するための第二の手段が、第一及び第二の下位グループから容器束を、第二整列部の接着点から第二整列部の接着箇所を作ることにより接合するために構成されている。
【0020】
接着点を作るための手段はそれ自体公知であり、ほとんどの場合、液状の接着剤を直接容器壁に塗布するか或いは吹きかけるかのどちらかであるノズルが使用される。本発明による装置のために、ノズルが例えば円形でかつ長手方向に延ばされた形状の第一及び第二の接着箇所を塗布するように移動可能なノズルのどちらかが使用されることができる。しかし、独立した接着剤を塗布するための第一及び第二の手段が、第一及び第二整列部の接着点を容器の異なる個所に塗布するために構成されているのが好ましい。この構成は、例えば、異なる接着強度を備えた第一及び第二整列部の接着箇所を作るために異なる接着剤が使用される場合に必要である。しかし異なる形状を備えた接着点を塗布する場合にも、接着点或いは接着箇所を作るための独立した手段が役立つことが判明する。代替的に接着点を作るための手段は両面で接着するパッドを塗布するための手段として構成されていてもよい。
【0021】
接合するための手段は同様に従来技術から公知である。大抵の場合、ストッパ、クランプストリップ或いはクランプレールもしくはグリッパが使用され、これらは接合すべき容器或いは下位グループを圧縮し、従って容器壁は相並んで当接しかつ接着剤は接着点において硬化されるか或いは架橋結合されて接着箇所を形成することができる。現在の所、接合するための二つの異なる手段を使用することが適している。その理由は、第一整列部の接着点を備えた容器から成る下位グループの接合が、容器束のための第二整列部の接着点を備えた下位グループの接合とは別の寸法を必要とすることにある。下位グループを接合するための複数の手段が、容器束を接合するための手段に作業上流部で接続されていてもよいことは有効である。
【0022】
最後に、本発明による装置は、それ自体公知である取っ手を取付けるための手段を備えており、これらの手段は、ほとんどの場合、プラスチック条片を取扱うための手段と容器束の二つの容器にプラスチック条片を貼り付けるための手段を備えている。貼り付けるための手段は、各々プラスチック条片の端部を一つずつ第一の容器と第二の容器の上端部に固定するように構成されているのが有利であり、第一の容器と第二の容器は好ましくは異なる下位グループに所属している。
【0023】
発明の詳細は以下に図を基にして説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明による容器束の平面図を示す。
図2】取っ手を取外した後の図1による本発明による容器束の平面図を示す。
図3】下位グループに解体された場合の図1による容器束の正面図を示す。
図4図1による容器束から解体された状態の、二つの下位グループの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は六つの容器4a,4b,4c,4d,4e,4fから成る容器束2を示す。容器は例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)から成る瓶あるいはアルミニウムから成る缶である。容器束2は二つの下位グループ6a,6bから構成されている。一つの下位グループ6a,6bは、第一の下位グループ6aとしての4a,4b及び4cと第二の下位グループ6bとしての4d,4e及び4fを備えた、各々一列で配置された三つの容器から構成されている。
下位グループ6aと6bの容器は、非入れ子配置で容器束2に接合されている。中心に配置された容器4bと4eの上端部16の上方には取っ手8が架けられている。運ぶ人の手が容器の上端部16から邪魔されることなく取っ手8を握れるように、取っ手8は容器束2を運ぶためにループにより伸ばされることができる、合成樹脂製の帯状体から成る。
【0026】
図2図1の容器束であるが取っ手8を外した後の容器束を示す。加えて、図2は第一整列部の接着箇所をはっきりと示しており、これらの接着箇所は同じように印された接着点10a,10b及び10c,10dにより作られており、かつ各々第一の下位グループ6aの三つの容器4a〜4cと第二の下位グループ6bの容器4d〜4fを互いに接合している。第一整列部の接着点を容器4a,4b上に付すことにより、そして一列に準備された容器4a〜4cを接合して下位グループ6aを形成し並びに接着点を乾燥しかつ硬化させて接着箇所を形成することにより接着箇所が生じる。容器4cは接着点を備えておらずかつ下位グループ6aを接合する際に容器4bと接着点10bを介して接続される。下位グループ6bは同じようにして作られる。
【0027】
下位グループ6a,6bは、同じように印された接着点12a,12bから作られる第二整列部の接着箇所により接続されて容器束2を形成する。第二整列部の接着箇所12a,12bは、同じ接着剤から作られるが、第一整列部の接着箇所10a〜10dよりも明らかに大きさが小さい。容器壁14の周囲に関して、接着箇所12a,12bは第一整列部の接着箇所10a〜10dに対して90°だけずらされて配置されている。接着箇所12a,12bは、各々外側の容器4a,4c,4d及び4fの間に配置されている。この構成により、容器束2の経済的な製造が保証され、同時に製造は簡単になる。
【0028】
取っ手8を外すと、図3に示されたように、容器束2を二つの下位グループ6a,6bに解体することができる。図3に示されたように、第二整列部の接着箇所12aが、容器の下側半分における容器の高さに関連して、すなわち中心線14より低い位置に配置されていると、下位グループに解体することは、特に加える力が小さいことにより可能である。容器束2は容器の上端部16で掴むことにより解体されるので、容器の下側半分における接着箇所に特に大きなてこの力が作用する。従って、図1〜4に示された構成において、第一整列部の接着箇所10a〜10dも容器の下側半分において第二整列部の接着箇所の高さに取付られている。取っ手8が無くても、容器束2は第一および第二整列部の接着箇所によりくっついたままであり、取っ手8により、さらにもっと改善された安定性が付与されており、取っ手8が二つの容器4b,4eだけ架けられていても、取っ手は容器束2の下位グループ6を極めて効果的にまとめる。
【0029】
容器束が図3に示されたように下位グループに解体された後、図4に示されるように、容器4は図4の矢印により示唆されたように、例えば容器を回転させることにより各下位グループから個々に分離されることができる。
【0030】
取っ手8を外す工程を備えた、容器束2の解体の示された順序、下位グループを接合する接着箇所12を剥がすことによる容器束2の下位グループへの解体、および一般的には回転させることにより、同様にして容器4の上端部16にてこの力を作用させることにより、個々の容器4を剥がすことによる下位グループの後に続く解体により、その都度一つだけ接着箇所を剥がす必要があることは使用者にとって有利である。それにより、普通は二つの接着箇所により容器束の残りの容器と接続されている末端にある容器は、極めて小さな力をかけることでもってばらばらにすることができる。下位グループが容易に扱い易いユニットであり、このユニットから使用者がその都度容器束全体を保持し、持上げあるいは操作する必要なく個々の容器を解体することができることは有利である。従って例えば子供達のような非力な使用者でも容器束を小さな力をかけることでもってばらばらにすることができる。
【0031】
上記の容器束を形成するための製造方法は、取っ手を取付けるためのステーションを含むのが理想的であり、このステーションにおいて、容器束の容器は適当な保持兼把持手段によりさらに適所に保持されるか或いは支持される。このことは静止状態で行われるか或いは好都合には容器束を形成する容器グループを搬送する際に行われてもよい。従って、取付けるためのステーションは、理想的には硬化ステーションおよび乾燥ステーション或いは乾燥区間の一体化された構成要素であるか或いは硬化ステーションおよび乾燥ステーション或いは乾燥区間に沿って配置されている。
【符号の説明】
【0032】
2 容器束
4 容器
6 下位グループ
8 取っ手
10 第一整列部の接着箇所
12 第二整列部の接着箇所
14 容器壁/中心線
16 上側の瓶の端部
図1
図2
図3
図4