特許第6702993号(P6702993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6702993センターツーエンド繊維酸化炉用の吐出ノズルプレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702993
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】センターツーエンド繊維酸化炉用の吐出ノズルプレート
(51)【国際特許分類】
   D06B 23/00 20060101AFI20200525BHJP
   F27D 7/02 20060101ALI20200525BHJP
   D01F 9/12 20060101ALI20200525BHJP
   F27B 9/04 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   D06B23/00 Z
   F27D7/02 A
   D01F9/12
   F27B9/04
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-544548(P2017-544548)
(86)(22)【出願日】2015年11月6日
(65)【公表番号】特表2018-504534(P2018-504534A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】US2015059387
(87)【国際公開番号】WO2016073815
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2018年8月13日
(31)【優先権主張番号】62/076,746
(32)【優先日】2014年11月7日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/923,931
(32)【優先日】2015年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517159873
【氏名又は名称】デスパッチ インダストリーズ リミティド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(72)【発明者】
【氏名】ハンス エル.メルガード
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル エム.ラフ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ベンソン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ブ
【審査官】 橋本 有佳
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−231859(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0001087(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/015343(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06B1/00−23/30
D06C3/00−29/00
D06G1/00−5/00
D06H1/00−7/24
D06J1/00−1/12
D01F9/08−9/32
F27B9/00−9/40
F27D7/00−15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を加熱する炉であって、該炉は、該炉内で該炉の第1の端部と第2の端部との間に配置され、間に隙間を有して互いに積み重ねられた複数のプレナムを備える供給構造部を備え、前記プレナムは、加熱システムと流体連通し、
少なくとも1つのプレナムは、複数の通路が形成されている少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つのプレナムは、加熱ガスの少なくとも一部を前記複数の通路から該炉の内部に向けるように構成されており、
前記少なくとも1つのプレナムに形成されている前記複数の通路のそれぞれは、それぞれのテーパー断面形状を有し、
前記少なくとも1つのプレナムの前記少なくとも1つの側壁に形成されている前記通路のそれぞれは、それぞれの入口開口部と、それぞれの出口開口部とを有し、
前記通路のうちの少なくとも1つに関して、前記それぞれの入口開口部は、前記それぞれの出口開口部よりも大きく、
前記少なくとも1つのプレナムの前記少なくとも1つの側壁に形成されている前記通路のうちの少なくとも1つは、前記それぞれの入口開口部から延在するテーパー部と、該テーパー部の端部から前記それぞれの出口開口部まで延在する直線部とを有する、炉。
【請求項2】
前記テーパー部を有する前記通路のうちの前記少なくとも1つは、前記それぞれの入口開口部に沿って湾曲縁部又はベベル縁部を更に有する、請求項に記載の炉。
【請求項3】
ハニカム材料は、前記少なくとも1つのプレナムの外面に配置されない、請求項1に記載の炉。
【請求項4】
前記少なくとも1つの側壁の厚さは、少なくとも0.25インチである、請求項1に記載の炉。
【請求項5】
炉を用いて繊維を加熱する方法であって、
加熱ガスを、前記炉の内部に配置され、間に隙間を有して互いに積み重ねられた複数のプレナムを備える供給構造部に供給することと、
前記加熱ガスの少なくとも一部を、少なくとも1つのプレナムの少なくとも1つの側壁に形成されているテーパー断面形状を有する通路から、前記炉の前記内部に向けることと、
を含み、
前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路から前記炉の前記内部に向けることは、
前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路の入口開口部内に向けることと、
前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路の出口開口部から前記炉の前記内部に向けることと、
を含み、
前記通路のうちの少なくとも1つに関して、それぞれの前記入口開口部は、それぞれの前記出口開口部よりも大きく、
前記少なくとも1つのプレナムの前記少なくとも1つの側壁に形成されている前記通路のうちの少なくとも1つは、前記それぞれの入口開口部から延在するテーパー部と、該テーパー部の端部から前記それぞれの出口開口部まで延在する直線部とを有する、方法。
【請求項6】
前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路の入口開口部内に向けることは、前記加熱ガスの少なくとも一部を、前記通路の入口開口部に沿って形成されている湾曲縁部又はベベル縁部に沿って向けることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路の入口開口部内に向けることは、前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路のテーパー部内に向けることを含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路の出口開口部から前記炉の前記内部に向けることは、前記加熱ガスを前記炉の前記内部に吐出する前に、前記加熱ガスの少なくとも一部を前記通路の直線部内に向けることを含む、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2014年11月7日に出願された米国仮特許出願第62/076746号の利益を主張する。上記出願は、本明細書に引用することにより本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
酸化炉は、前駆体(アクリル繊維、ピッチ繊維又はセルロース繊維等)から炭素繊維を製造するのに一般的に用いられる。1つの一般的な処理方法は、前駆体材料の繊維セグメントを1つ又は複数の酸化炉に通して連続的に引っ張ることを含む。
【0003】
酸化炉のそれぞれは、それぞれの酸化チャンバーを備え、その中で繊維セグメントの酸化が行われる。各繊維セグメントは、炭素繊維前駆体として第1の酸化炉内へ引っ張り入れ、その後、各酸化炉を通って複数回のパスが行われた後、酸化された繊維セグメントとして最後の酸化炉を出ることができる。繊維セグメントを炉の酸化チャンバーに通して引っ張るために、ロールスタンド及びテンショナーが用いられる。各酸化炉は、熱気の循環流によって、セグメントを、温度がおよそ300℃に近付くまで加熱する。
【0004】
そのような炉の一例は、ミネソタ州ミネアポリス所在のDespatch Industries社から入手可能なDespatch炭素繊維酸化炉である。そのような炉についての記載は、本発明の譲受人に譲渡された特許文献1に見ることができる。特許文献1に記載の炉は、「センターツーエンド(center-to-ends)」酸化炉である。センターツーエンド酸化炉において、熱気は、チャンバーの中央から炉の酸化チャンバーに供給され、チャンバーの端部に向かって流れる。
【0005】
通常、そのようなセンターツーエンド酸化炉は、チャンバーの中央に位置する中央供給構造部を備える。中央供給構造部は、互いに積み重ねられた複数の供給プレナムを含む。積み重ねられた供給プレナム間には隙間が設けられ、繊維セグメントがプレナム間を通過することが可能である。各プレナムは、その端部のうちの一方又は双方を通して加熱空気を受け取るダクト構造部を備える。各プレナムは、対応するダクト構造部の対向する側壁のそれぞれに形成されている一連の穴を有する。これらの一連の穴は、本明細書において「ノズル」とも称する。各プレナムは、加熱空気を受け取り、加熱ガスの流れを、加熱ガスのおおよそ水平かつ平行なストリームの形でノズルから出して酸化チャンバーの両端部の方に向けるように構成されている。
【0006】
このようなノズルは、通常、プレナム構造体の側壁を形成する1対の比較的薄い金属シートに形成される。これらの金属シートは、本明細書において「ノズルシート」とも称される。図1及び図2は、ノズル102が形成されている従来のノズルシート100の一例の一部を示している。
【0007】
ノズルシート100は、通常、厚さが1/4インチ未満であり、炉内での使用に好適なアルミニウム又は類似の材料から作製される。ノズル102は、通常、シートに穿孔することによって各ノズルシート100に形成される。
【0008】
このようなノズルシートが比較的薄く、このシートに多数のノズルが存在するとすれば、薄いノズルシートを補強するために、また、ノズルから離れる空気がより均一かつ平行なストリームの形でノズルから離れるようにノズルから離れる空気の角度方向を制御するのを助けるために、通常、ヘクスハニカム材料シートが各ノズルシートの外面に積層される。図3は、ヘクスハニカム材料シート104の一部を示しており、図4は、図1及び図2に示すノズルシート100の外面に配置されたヘクスハニカム(六角ハニカム)材料104を示している。
【0009】
しかしながら、ヘクス材料シートの開口と、薄いノズルシートの対応するノズルとを正確に位置合わせすることは困難である可能性がある。ヘクス材料の開口とノズルシートのノズルとの位置がずれていると、ノズルから離れる空気が、より均一でなくより平行でないストリームの形でノズルから離れることにつながり得る。また、2枚のヘクス材料シートを各プレナムに付加することで、各プレナムの製造及び組立てのコストが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第4,515,561号
【発明の概要】
【0011】
1つの実施形態は、繊維を加熱する炉に関する。この炉は、炉内で炉の第1の端部と第2の端部との間に配置されている供給構造部を備える。供給構造部は、間に隙間を有して互いに積み重ねられた複数のプレナムを備える。プレナムは、加熱システムと流体連通する。少なくとも1つのプレナムは、複数の通路が形成されている少なくとも1つの側壁を有し、この少なくとも1つのプレナムは、加熱ガスの少なくとも一部を複数の通路から炉の内部に向けるように構成されている。上記少なくとも1つのプレナムに形成されている複数の通路のそれぞれは、それぞれのテーパー断面形状を有する。
【0012】
別の実施形態は、炉を用いて繊維を加熱する方法に関する。本方法は、加熱ガスを、炉の内部に配置されている供給構造部に供給することを含む。供給構造部は、間に隙間を有して互いに積み重ねられた複数のプレナムを備える。本方法は、加熱ガスの少なくとも一部を、少なくとも1つのプレナムの少なくとも1つの側壁に形成されているテーパー断面形状を有する通路から、炉の内部に向けることを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来のノズルシートの一例の一部を示す図である。
図2図1に示すノズルシートの断面図である。
図3】ヘクスハニカム材料シートの一部を示す図である。
図4図1及び図2に示すノズルシートの外面に配置された図3のヘクスハニカム材料を示す図である。
図5】炉の1つの例示的な実施形態の斜視図である。
図6】炉のチャンバーから頂壁を取り外した、図5に示す炉の斜視図である。
図7図5に示す炉の断面平面図である。
図8図5に示す炉の中央供給構造部の細部を示す図である。
図9】供給プレナムの1つの例示的な実施形態の断面平面図である。
図10図9に示す供給プレナムの1つの側壁の側面図である。
図11図10に示す側壁の一部をより詳細に示す図である。
図12図11に示す側壁の一部の断面図である。
図13図12に示すノズルのうちの1つの詳細図である。
図14】加熱ガスとの接触によって繊維を加熱する方法の例示的な一実施形態のフロー図である。
図15】ノズルの1つの代替的なテーパー断面形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図5図7は、後述するノズルプレートを使用することができる酸化炉500の1つの例示的な実施形態を示している。しかし、後述するノズルプレートは、他の酸化炉において使用することができることを理解されたい。
【0015】
図5図7に示されている酸化炉500は、上述のタイプの酸化プロセスを用いた炭素繊維の製造に使用するのに適している。例えば、図5図7に示されている酸化炉500の例示的な実施形態は、当業者には既知のように、1つ又は複数の炉(例えば、積重形態である)を使用する酸化プロセスにおいて用いることができる。
【0016】
簡潔及び明確にするために、酸化炉において用いられる種々の従来の特徴が図及び以下の記載から省かれていることが、当業者には理解されよう。そのような特徴の例として、限定はしないが、炉500内のガスの流れを調整するのに用いられるバッフル、ダクト、ベーン、通気孔等、望ましくないプロセスガスの周囲環境への放出を低減する附室部(vestibules)及び排気機能部、及び/又は、絶縁部、ルーバー、及び炉500の熱効率を向上する他の熱的機能部が挙げられる。図5図7に示されている例示的な炉500は、そのような特徴を備えることができることを理解されたい。
【0017】
図5図7に示されている例示的な実施形態では、炉500は、炉チャンバー502を備え、その中で繊維セグメントの酸化が行われる。この例示的な実施形態では、炉チャンバー502は、複数の壁によって画定される。酸化チャンバー502を画定する壁は、頂壁504と、底壁506と、チャンバー502のそれぞれの側面512及び514に沿った2つの側壁508及び510と、チャンバー502のそれぞれの端部520及び522にある2つの端壁516及び518とを含む。繊維のためのそれぞれの入口は、端壁516及び518のそれぞれに形成されている。各入口は、チャンバー502の第1の側面512と第2の側面514との間に延在する複数のスロットによって形成され、酸化炉500によって加熱される繊維セグメントは、これらの複数のスロットに通して引っ張られる。これらの入口及びスロットは、従来どおり形成することができる。
【0018】
また、炉500は、加熱システム524を備える。加熱システム524は、加熱ガスをチャンバー502内に供給するのに用いられる。この例示的な実施形態では、使用されるガスは、周囲空気である。
【0019】
加熱システム524は、様々な方法で実現することができる。図5図7に示されている例示的な実施形態では、加熱システム524は、少なくとも1つのヒーター526(図7に示されている)と、ガスをヒーター526に通して引き入れるブロワー528(図7に示されている)と、ブロワー528に動力をもたらすモーター530とを用いて実現される。各ヒーター526は、様々な方法で実現することができる。例えば、各ヒーター526は、1つ又は複数の加熱素子を用いて実現することができる。また、各ヒーター526は、間接ガスヒーター、電気ヒーター、又はそれらの組合せを用いて実現することができる。各ヒーター526は、他の方法で実現することができる。
【0020】
加熱システム524は、例えば、1つ又は複数の好適なコントローラー(比例積分微分(PID)コントローラー等)を用いて制御することができる。
【0021】
炉500は、チャンバー502の内部においてチャンバー502の端部520及び522間に配置される供給構造部532を備える。図5図7に示されている例示的な実施形態において、炉500は、加熱ガスが酸化チャンバー502の中央からチャンバー502の端部520及び522に向けて供給される、センターツーエンド酸化炉である。この例示的な実施形態では、供給構造部532は、チャンバー502の内部において、端部502及び522間のチャンバー502の中央又は中央付近に配置され、本明細書において「中央供給構造部532」とも称される。
【0022】
図5図7に示されている例示的な実施形態では、中央供給構造部532は、間に隙間を有して互いに積み重ねられた複数の供給プレナム534を含む。
【0023】
中央供給構造部532は、図8により詳細に示されている。積み重ねられた供給プレナム534間には隙間536(図8に示されている)が設けられ、繊維セグメントがプレナム534間を通過することが可能である。
【0024】
供給プレナム534に関するより多くの詳細は、図9図13の記載に関連して後述する。
【0025】
プレナム534は、加熱システム524から加熱ガスを受け取るために、その端部のうちの一方又は双方が供給ダクト538(図6及び図7に示されている)と流体連通している。図5図7に示されている例示的な実施形態では、各プレナム534は、その端部の一方を通して加熱空気を受け取るように構成されている(ただし、他の実施形態において、各プレナムは、その端部の双方を通して加熱空気を受け取ることを理解されたい)。
【0026】
供給ダクト538には、プレナム534を出る加熱ガスの速度が実質的に均一になるように加熱ガスの流れを調整するために、適切なテーパーが付いているか、又は調整可能なスロット若しくは他の機能部(図示せず)を設けることができる。
【0027】
また、各炉500は、酸化チャンバー502内に2つの戻し構造部540を備える。1つの戻し構造部540は、第1の端壁516付近に位置し、もう1つの戻し構造部540は、第2の端壁518付近に位置する。戻し構造部540のそれぞれは、複数の戻しチャネルを有し、これらの複数の戻しチャネルは、それぞれ積み重なって、中央供給構造部532の対応するプレナム534の位置に概ね対応するように位置付けられている。戻しチャネル間には隙間が設けられ、繊維セグメントが戻しチャネル間を通過することが可能である。
【0028】
各戻し構造部540の戻しチャネルは、中央供給構造部532からこの戻し構造部540へ向けられたガスの少なくとも一部を受け取るように構成されている。すなわち、各戻し構造部540は、中央供給構造部532におけるプレナム534の1つの側面からこの戻し構造部540へ向けられたガスを受け取る。
【0029】
戻しダクト542は、各戻し構造部540と加熱システム524との間に流体連通を確立するのに用いられる。このようにして、戻し構造部540によって受け取った加熱ガスの少なくとも一部を、加熱システム524に向けて戻して加熱し、上述の供給ダクト538を介してプレナム534に供給する。
【0030】
図5図7に示されている例示的な実施形態では、戻しダクト542は、チャンバー502の壁の中に位置している。しかし、戻しダクト542は、他の方法で(例えば、戻しダクト542の少なくとも一部をチャンバー502の壁の外側に配置して)実現することができることを理解されたい。
【0031】
図5図7に関連して本明細書で記載されている例示的な実施形態では、供給プレナム534のそれぞれは、図9図13に示されているように実現される。各プレナム534は、プレナム534の第1の端部900において加熱ガスを供給される。加熱ガスは、供給ダクト538から供給される。
【0032】
各プレナム534は、概して矩形の断面をしており、チャンバー502の側壁508及び510間に、側壁508及び510から離間して水平に延在する。図10に示すように、各プレナム534の側壁904には、通路902が形成されている。これらの通路902は、本明細書において「ノズル」902とも称される。この例示的な実施形態では、各プレナム534の各側壁904は、図10図12に関してより詳細に後述するプレートを用いて実施される(これらのプレートは、本明細書において「ノズルプレート」904とも称される)。
【0033】
各ノズル902のためにノズルプレート904に形成されている通路は、プレナム534に供給される空気が進入する入口開口部908(図12及び図13)を有するとともに、供給される空気が出て炉500のチャンバー502に吐出される出口開口部910(図12及び図13)を有する。ノズル902の出口開口部910は、チャンバー502のそれぞれの端部520及び522に面する。
【0034】
ノズル902は、プレナム534の幅にわたって延在する。ノズル902は、受け取った加熱ガスの流れを、加熱ガスのおおよそ水平かつ平行なストリームの形で、酸化チャンバー502の端部520及び522に向けるように構成及び配置されている。ガスのストリームは、酸化チャンバー502のその部分を横切る各繊維セグメントと並ぶように向けられる。
【0035】
各プレナム534は、プレナム534のノズルプレート904間のプレナム534の内部に配置される1つ又は複数のバッフル906を備える。この例示的な実施形態では、バッフル906は、図9に示されているようなV字形に構成されており、V字形の先端部は端部900付近にあり、この場所で、加熱ガスがプレナム534に供給される。バッフル906のこのV字形構成は、概して、受け取った加熱ガスの流れをノズル902から外に均一に向けるように設計されている。
【0036】
図10は、プレナム534のノズルプレート904のうちの一方に形成されているノズル902を示している。この例示的な実施形態では、ノズル502は、双方のノズルプレート904において同じように形成されている(ノズルプレート904のうちの一方のノズル902しか示されていない)。図11は、図10に示すノズルプレート904の一部をより詳細に示している。図12は、図11に示すノズルプレート904の一部の断面図である。図13は、図12に示すノズル902のうちの1つの詳細図である。
【0037】
ノズル902は、例えば、ノズル902用の通路をドリル加工及び機械加工することによって及び/又は鋳造方法を用いてノズル902用の通路が形成されたノズルプレート904を生産することによって、ノズルプレート904に形成することができる。ノズル902は、他の方法でノズルプレート904に形成することができる。
【0038】
図12に示すように、この例示的な実施形態では、ノズルプレート904は、従来の穿孔ノズルシートよりもはるかに厚い。例えば、ノズルプレート904は、0.25インチよりも大きい厚さを有することができる。ノズルプレート904は、炉内での使用に好適なアルミニウム又は類似の材料から作製することができる。
【0039】
また、各ノズル902は、円形開口(図11に示す)及びテーパー断面形状(図12及び図13に示す)を伴ってノズルプレート904に形成される。各ノズル902のテーパー断面形状は、各ノズル902の対応する出口開口部910よりも大きい入口開口部908を含む。
【0040】
この例示的な実施形態では、各ノズル902のテーパー断面形状は、ノズル902の入口開口部908からノズルプレート904の幅の少なくとも一部にわたって延在するテーパー部912を含む。各ノズル902は、テーパー部912の端部からそのノズル904の出口開口部910まで延在する直線部914も有する。
【0041】
各プレナム534に供給される空気は、プレナム534の側壁904に対して平行に移動しがちである。しかしながら、空気は、プレナム534を通過する際にバッフル906と相互作用し、結果として、空気がプレナム534を通過する際に、空気の少なくとも一部が各ノズル902の入口開口部908内に向けられる。
【0042】
この例示的な実施形態では、各ノズル902のテーパー部912は、入口開口部908に沿って湾曲縁部又はベベル縁部916を有する。湾曲縁部又はベベル縁部916は、ノズル902を通過して流れている空気をノズル902に進入させるのに役立つ。各ノズルのテーパー部912は、ノズル902に入る空気の向きを徐々に変え、その一方、各ノズル902の直線部914は、空気が均一なストリームの形でノズル902の出口開口部910から流れ出るように、空気を安定化させ整える。
【0043】
上記のようなヘクスハニカム材料シートを用いないことで、各ヘクス材料シートの開口と薄い穿孔ノズルシートの対応するノズルとを正確に位置合わせする困難な作業と、このような位置ずれによって生じ得る問題とを回避することができる。また、2枚のヘクスハニカム材料シートをプレナム534に付加しないことで、各プレナム534の製造及び組立てのコストを低減させることができる。
【0044】
さらに、より厚いノズルプレート904と組み合わせたノズル902のテーパー断面形状は、ヘクスハニカム材料シートを用いなくても、ノズル902から離れる空気が、より均一かつ平行な空気ストリームの形でノズル902から離れるのを助ける。
【0045】
さらに、穿孔シートを用いないことで、低減した静圧によって、結果として生じる空気流の同じ均一度を達成することができる。
【0046】
また、ヘクスハニカム材料シートを用いないことで、ノズル902の出口開口部910の形状及び構成を、ノズルプレート904上に積層されたヘクスハニカム材料の開口に適合させる必要がなくなる。
【0047】
図14は、加熱ガスとの接触により繊維を加熱する方法1400の例示的な一実施形態のフロー図である。図14に示されている方法1400の実施形態は、本明細書において、図5図13に関連して上述した酸化炉500及びノズルプレート904の例示的な実施形態を用いて実現されるように記載されている。しかし、他の実施形態を他の方法で実現することができることを理解されたい。
【0048】
方法1400は、加熱ガスを、炉500の内部に配置され、間に隙間536を有して互いに積み重ねられた複数のプレナム534を備える供給構造部532に供給すること(ブロック1402)を含む。この例示的な実施形態では、加熱ガスは、加熱システム528から供給ダクト538を介して各プレナム534に供給される。
【0049】
方法1400は、加熱ガスの少なくとも一部を、プレナム534のうちの少なくとも1つのプレナムの少なくとも1つの側壁904に形成されているテーパー断面形状を有するノズル902から、炉502の内部に向けること(ブロック1404)を更に含む。加熱ガスは、概ね水平方向の平行な加熱ガスストリームの形で、ノズル902から酸化チャンバー502の端部520及び522に向かって、酸化チャンバー502のその部分を横切る各繊維セグメントと並んで流れる。
【0050】
この例示的な実施形態では、加熱ガスの少なくとも一部は、ノズル902の入口開口部908内に向けられ、加熱ガスの少なくとも一部は、ノズル902の出口開口部910から炉500の内部に向けられる。また、この例では、ノズル902の入口開口部908内に向けられる加熱ガスの少なくとも一部は、入口開口部908に沿って形成されている湾曲縁部又はベベル縁部916に沿って、ノズル902のテーパー部912内に向けられる。さらに、この例では、ノズル902の出口開口部910から炉500の内部に向けられる加熱ガスの少なくとも一部は、炉500の内部に吐出される前に、ノズル902の直線部914内に向けられる。
【0051】
上述した実施形態は、単に例示であり、限定することを意図していない。
【0052】
ノズル902のテーパー断面形状は、他の方法で実施することができることを理解されたい。図15は、上述したプレナム534において用いることができるノズル1502の1つの代替的なテーパー断面形状を示している。ノズル1502は、図9図13に関して上述したノズル902と略同じであるが、下記の点が異なる。
【0053】
この例示的な実施形態では、ノズル1502のテーパー部1512は、ノズル1502の入口開口部1508からノズル1502の出口開口部1510まで延在し、直線部を含まない。また、図9図14に関して上述した実施形態と同様に、各ノズル1502のテーパー部1512は、入口開口部1508に沿って湾曲縁部又はベベル縁部1516を有する。
【0054】
他のテーパー断面形状を用いることができる。
【0055】
上述した例示的な実施形態では、各プレナム534には、片側から加熱ガスが供給される。一方で、他の実施形態では、中央供給構造部におけるプレナムには、両側からガスが供給される。
【0056】
さらに、上述した例示的な実施形態では、全てのノズルの断面形状は同じである。しかしながら、他の実施形態ではそうではない場合があり、ノズルのサイズ及び形状は、所与のプレナム内のノズルによって様々とすることができ、また、所与の供給構造部内のプレナムによって様々とすることができる。また、上述した例示的な実施形態では、各プレナムは、2つの側壁を有し、双方の側壁に、上述したようなテーパー断面形状を有するノズルが形成されているものとして示されている。しかしながら、必ずしもそうである必要はない(例えば、側壁のうちの一方にのみ、上述したようなテーパー断面形状を有するノズルが形成されていてもよい)。さらに、上述した例示的な実施形態では、中央供給構造部における各プレナムは、同じ形態及び設計を有する。しかし、必ずしもそうである必要はなく、その代わりに、中央供給構造部に含まれる1つ又は複数のプレナムは、中央供給構造部に含まれる1つ又は複数の他のプレナムとは異なる形態及び/又は設計を有することができる。
【0057】
複数の実施形態を記載した。しかしながら、特許請求される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、記載の実施形態に対して種々の変更を行うことができることが理解されよう。
【0058】
例示的な実施形態
例1は、繊維を加熱する炉であって、炉は、炉内で炉の第1の端部と第2の端部との間に配置され、間に隙間を有して互いに積み重ねられた複数のプレナムを備える供給構造部を備え、プレナムは、加熱システムと流体連通し、
少なくとも1つのプレナムは、複数の通路が形成されている少なくとも1つの側壁を有し、上記少なくとも1つのプレナムは、加熱ガスの少なくとも一部を複数の通路から炉の内部に向けるように構成されており、
上記少なくとも1つのプレナムに形成されている複数の通路のそれぞれは、それぞれのテーパー断面形状を有する、炉を含む。
【0059】
例2は、上記少なくとも1つのプレナムの上記少なくとも1つの側壁に形成されている通路のそれぞれが、それぞれの入口開口部と、それぞれの出口開口部とを有する、例1の炉を含む。
【0060】
例3は、通路のうちの少なくとも1つに関して、それぞれの入口開口部が、それぞれの出口開口部よりも大きい、例2の炉を含む。
【0061】
例4は、上記少なくとも1つのプレナムの上記少なくとも1つの側壁に形成されている通路のうちの少なくとも1つが、それぞれの入口開口部から延在するテーパー部を有する、例2又は例3の炉を含む。
【0062】
例5は、テーパー部を有する通路のうちの上記少なくとも1つが、それぞれの入口開口部に沿って湾曲縁部又はベベル縁部を更に有する、例4の炉を含む。
【0063】
例6は、上記少なくとも1つのプレナムの上記少なくとも1つの側壁に形成されている通路のうちの少なくとも1つが、それぞれの入口開口部から延在するテーパー部と、テーパー部の端部からそれぞれの出口開口部まで延在する直線部とを有する、例2〜5のいずれかの炉を含む。
【0064】
例7は、ハニカム材料が、上記少なくとも1つのプレナムの外面に配置されない、例1〜6のいずれかの炉を含む。
【0065】
例8は、上記少なくとも1つの側壁の厚さが、少なくとも0.25インチである、例1〜7のいずれかの炉を含む。
【0066】
例9は、炉を用いて繊維を加熱する方法であって、
加熱ガスを、炉の内部に配置され、間に隙間を有して互いに積み重ねられた複数のプレナムを備える供給構造部に供給することと、
加熱ガスの少なくとも一部を、少なくとも1つのプレナムの少なくとも1つの側壁に形成されているテーパー断面形状を有する通路から、炉の内部に向けることと、
を含む、方法を含む。
【0067】
例10は、加熱ガスの少なくとも一部を上記通路から炉の内部に向けることが、
加熱ガスの少なくとも一部を上記通路の入口開口部内に向けることと、
加熱ガスの少なくとも一部を上記通路の出口開口部から炉の内部に向けることと、
を含む、例9の方法を含む。
【0068】
例11は、上記通路のうちの少なくとも1つに関して、それぞれの入口開口部が、それぞれの出口開口部よりも大きい、例10の方法を含む。
【0069】
例12は、上記通路のうちの少なくとも1つが、それぞれの入口開口部から延在するテーパー部を有する、例10又は例11の方法を含む。
【0070】
例13は、加熱ガスの少なくとも一部を上記通路の入口開口部内に向けることが、加熱ガスの少なくとも一部を、通路の入口開口部に沿って形成されている湾曲縁部又はベベル縁部に沿って向けることを含む、例10〜12のいずれかの方法を含む。
【0071】
例14は、加熱ガスの少なくとも一部を上記通路の入口開口部内に向けることが、加熱ガスの少なくとも一部を上記通路のテーパー部内に向けることを含む、例10〜13のいずれかの方法を含む。
【0072】
例15は、加熱ガスの少なくとも一部を上記通路の出口開口部から炉の内部に向けることが、加熱ガスを炉の内部に吐出する前に、加熱ガスの少なくとも一部を上記通路の直線部内に向けることを含む、例10〜14のいずれかの方法を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15