(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の光路であって、前記光路に光学的に接続された光学窓を通して分析中の流体試料の中に光を方向付け、前記光学窓を通して前記流体試料から光を受け取るように構成された、第1の光路と;
前記第1の光路を通して前記流体試料の中に、第1の波長の光を放出するように構成された、第1の光学エミッタと;
前記第1の光路に光学的に連結され、かつ前記第1の光路を通して前記流体試料から光を受け取るように構成された、第1の光学検知器と
を備える、光学センサであって、
前記光学センサは、前記光学センサに連結され、前記第1の光路内に少なくとも部分的に配置された光学エミッタアセンブリであって、前記第1の光路の中に、及び前記光学窓に向かって、第2の波長の光を放出するように構成された第2の光学エミッタを備える、光学エミッタアセンブリを更に備え、
前記第1の光路内の前記光学エミッタアセンブリは、前記第1の光学エミッタからの光の一部分が、前記光学窓に到達することを阻止する、光学センサ。
前記光学エミッタアセンブリは、前記第1の光路を通って前記第1の光学検知器に向かって前記第2の光学エミッタから光が放出されることを実質的に防ぐためのシールドを更に備える、請求項1又は2に記載のセンサ。
前記第2の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部分を受け取るように構成され、前記光学エミッタアセンブリ内に位置付けられた、第2の参照光学検知器を更に備え、前記第2の光学エミッタは、前記実質的に囲まれた容積の中に前記第2の波長の光を放出するように構成され、前記第2の参照光学検知器は、前記実質的に囲まれた容積内に配置される、請求項5に記載のセンサ。
前記第2の光学エミッタと前記光学窓の間に配置されたコリメーティングレンズであって、前記第2の光学エミッタから放出された前記光を前記光学窓に向かって実質的に視準するように構成されたコリメーティングレンズを更に備える、請求項1に記載のセンサ。
前記第1の光路に約90度の角度で交差する第2の光路を更に備え、前記第1の光学エミッタは、前記第2の光路の中に光を放出するように構成される、請求項1に記載のセンサ。
前記第1の光路と前記第2の光路の間の交差部に位置付けられた第1の部分的に反射性の光学窓であって、前記第1の光学エミッタによって放出された光の少なくとも一部分を前記第1の光路の中に及び前記流体試料に向かって方向付けるように構成された、第1の部分的に反射性の光学窓を更に備える、請求項8に記載のセンサ。
前記光学エミッタアセンブリは、前記第1の部分的に反射性の光学窓と前記光学窓の間の前記第1の光路において前記光学センサに取り外し可能に取り付けられる、請求項9に記載のセンサ。
前記光学センサは、前記第1の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部分を受け取るように構成された第1の参照光学検知器と、前記第2の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部分を受け取るように構成された第2の参照光学検知器と、を更に備え、前記流体試料の前記少なくとも1つの特質を判断することは、前記第1の参照光学検知器から検知された前記光及び前記第2の参照光学検知器から検知された前記光に更に基づく、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
前記光学センサは、取り外し可能な光学エミッタアセンブリを更に備え、前記取り外し可能な光学エミッタアセンブリは、前記第2の光学エミッタ及び前記第2の参照光学検知器を備える、請求項19に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の発明を実施するための形態は、本質的に例示的なものであり、発明の範囲、適用性、または構成を限定することを決して意図されない。むしろ、以下の説明は、本発明の実施例を実現するためのいくつかの実用的な例解を提供する。構造、材料、寸法、及び製造プロセスの実施例が、選択された要素のために提供され、全ての他の要素が、本発明の分野の当業者に既知のものを採用する。当業者は、言及される実施例の多くが、様々な適切な代替案を有することを理解するであろう。
【0020】
光学センサが、産業プロセスを監視することを含む、様々な適用に使用される。ある光学センサは、産業プロセスにおいて流体の光学特質を定期的に分析するために使用される携帯型の手持ち式デバイスとして、実装することができる。あるいは、ある光学センサは、産業プロセスにおいて流体の光学特質を連続的に分析するためにオンラインで装備することができる。いずれの場合においても、光学センサは、流体試料を光学的に分析して、流体の異なる特質、例えば、流体内の1つ以上の化学種の濃度などを判断してもよい。
【0021】
一実施例として、光学センサは、産業用クリーニング及び消毒用途に使用されることが多い。産業用クリーニング及び消毒プロセスの間、水が、典型的には、産業用配管システムを通してポンピングされ、パイプ内に存在する製品の配管システム及びパイプの内側に蓄積されたあらゆる汚染を押し流す。水はまた、配管システムを消毒及び滅菌するように機能する消毒剤を含有してもよい。クリーニング及び消毒プロセスは、新しい製品及び/またはシステム上で前に処理されたものとは異なる製品を受け取るように配管システムを準備することができる。
【0022】
光学センサは、産業用クリーニング及び消毒プロセスの間に、配管システムを通って流れる水を押し流す及び/または消毒する特質を監視するために使用することができる。連続的または断続的のいずれかに基づいて、水の試料が、配管システムから抽出され、光学センサに送達される。光学センサ内で、光は、水試料の中に放出され、水試料の特質を評価するために使用される。光学センサは、例えば、水試料内にわずかに残りの製品が存在するかまたは全く存在しないかを判断することによって、配管システム内に残っている製品がパイプの外に十分に押し流されたかを判断してもよい。光学センサはまた、例えば、水試料の中に放出された光に応答して、消毒剤によって放出された蛍光性信号を測定することによって、水試料内の消毒剤の濃度を判断してもよい。配管システムを適切に消毒するために水試料内に消毒剤の不十分な量が存在することが判断される場合、消毒剤の量が、増やされ、システムの適切な消毒を確保する。
【0023】
光学センサは様々な異なる構成を有することができるが、一部の実施例では、光学センサが、単一光学レンズを有するように設計され、その単一光学レンズを通して、光が、流体試料の中に放出され、かつまた、流体試料から受け取られる。光学センサは、センサの種々の電子構成要素を含有する筐体を含んでもよいし、また、単一光学レンズへの及び単一光学レンズからの光運動を制御するための光路を有してもよい。かかる配設は、所望のプロセス流体を光学的に分析するために様々な機械的パイプ及びプロセス継手を通して容易に装備することができるコンパクトな光学センサの設計を容易にし得る。
【0024】
図1は、流体システム例100を例解する概念図であり、それは、蛍光特性を有する化学溶液、例えば、蛍光特性を呈する消毒剤溶液などを生産するために使用されてもよい。流体システム100は、光学センサ102、貯蔵器104、コントローラ106、及びポンプ108を含む。貯蔵器104は、希釈剤、例えば、水などと混合され得、化学溶液を生じるか、または特徴付けられるべき試料のための任意の他の供給源であり得る濃縮した化学剤を貯蔵してもよい。光学センサ102は、流体経路110に光学的に接続され、流体経路を通って移動する溶液の1つ以上の特質を判断するように構成される。
【0025】
流体経路110は、限定されるものではないが、パイプ、タンク、バルブ、T字管、及び接合部などを含む、流体システム100を通して流体試料を運ぶ単一流体容器または容器の組み合わせとすることができる。一部の事例では、流体経路110の1つ以上の構成要素は、光学センサ102を受け入れるようなもしくはさもなければ光学センサ102と係合するようなサイズのインターフェースまたは開口部を画定することができる。動作中、光学センサ102は、コントローラ106と通信することができ、コントローラ106は、光学センサによって生成された流体特質情報に基づいて、流体システム100を制御することができる。
【0026】
コントローラ106は、光学センサ102及びポンプ108に通信可能に接続される。コントローラ106は、プロセッサ112及びメモリ114を含む。コントローラ106は、接続116によって、ポンプ108と通信する。光学センサ102によって生じた信号は、有線または無線接続によって、コントローラ106に通信され、それは、
図1の実施例では、有線接続118として例解される。メモリ114は、コントローラ106を動かすためのソフトウェアを記憶し、かつまた、プロセッサ112によって、例えば、光学センサ102から生成されたまたは受け取られたデータを記憶してもよい。プロセッサ112は、メモリ114に記憶されたソフトウェアを動かして、流体システム100の動作を管理する。
【0027】
以下により詳細に説明されるように、光学センサ102は、流体経路110を通って流れる流体の試料を光学的に分析するように構成される。光学センサ102は、流体試料によって放出された蛍光発光を測定するように位置付けられた及び構成された光学検知器を含んでもよい。一部の構成では、単一光学検知器が、試料からの散乱及び蛍光の両方を測定するために使用することができ、センサ102において、単一光路を介して、散乱された光及び蛍光を発した光の両方を受け取ることができる。単一光路は、追加的に、散乱及び蛍光を試料に誘発させる光を方向付けるように使用することができ、それによって、センサ102及び試料の間にコンパクトかつ空間効率なインターフェースを提供する。センサ102及び試料の間に単一光学連通点を提供することはまた、例えば、流体経路110の1つ以上の構成要素、例えば、パイプにおけるT字構成などと簡単にインターフェースを取ることができるセンサを提供することによって、流体システム100の中へのセンサ102の実装を簡素化することができる。
【0028】
図1の実施例では、流体システム100が、蛍光特性を有する化学溶液を生じるかまたはさもなければ受け取るように構成される。流体システム100は、貯蔵器104内に貯蔵されたかまたは貯蔵器104から受け取られた1つ以上の濃縮した化学剤を、水または別の希釈流体と組み合わせて、化学溶液を生産することができる。一部の事例では、貯蔵器が適切な試料を直ちに提供する際には、希釈は必要ではない。流体システム100によって生産され得る化学溶液の例は、クリーニング剤、消毒剤、産業用冷却塔のための冷却水、殺生剤、例えば、農薬など、耐食剤、耐スケール剤、防汚剤、洗濯用洗剤、定置洗浄(CIP)クリーナー、塗床材、車両ケア組成物、水ケア組成物、ボトル洗浄組成物などを含むが、それらに限定されない。
【0029】
流体システム100によって生じられたかまたは流体システム100を通って流れる化学溶液は、光学センサ102によって、溶液の中に方向付けられた光エネルギーに応答して、蛍光放射線を放出し得る。光学センサ102は、次いで、放出された蛍光放射線を検知して、放出された蛍光放射線の大きさに基づいて、溶液の種々の特質、例えば、溶液内の1つ以上の化学化合物の濃度などを判断することができる。一部の実施形態では、光学センサ102が、光エネルギーを溶液に方向付けて、光学センサ102内の光路を介して溶液から蛍光放射線を受け取ることができ、光学センサ102のためのコンパクトな設計を可能にする。
【0030】
光学センサ102が蛍光発光を検知することを可能にするために、流体システム100によって生じられた及び光学センサ102によって受け取られた流体は、その蛍光特質を呈するモジュールを含んでもよい。一部の実施例では、流体が、1つ以上の電子供与性置換基、例えば、−OH、−NH
2、及び−OCH
3などを有する多環式化合物ならびに/またはベンゼン分子を含み、それらは、蛍光特質を呈し得る。用途に応じて、これらの化合物は、化合物によって溶液に付与される機能的特性(例えば、クリーニング及び消毒特性)の理由で、自然に流体システム100によって生じた化学溶液内に存在してもよい。
【0031】
自然に蛍光を発する化合物に加えてまたは代えて、流体システム100によって生じた及び光学センサ102によって受け取られた流体は、蛍光トレーサを含んでもよい(それはまた、蛍光マーカとも称され得る)。蛍光トレーサは、特に、蛍光を発する特性を流体に付与するために流体に組み込むことができる。蛍光トレーサ化合物の例は、ナフタレンジスルホナート(NDSA)、2−ナフタレンスルホン酸、アシッドイエロー(Acid Yellow)7,1,3,6,8−ピレンテトラスルホンナトリウム塩、及びフルオレセインを含むが、それらに限定されない。
【0032】
流体システム100によって生じた流体の特定の組成と独立して、システムは、任意の適切な様式で流体を生じることができる。コントローラ106の制御下で、ポンプ108は、貯蔵器104の外へと、濃縮した化学剤のある定義された量を機械的にポンピングすることができ、化学剤を水と組み合わせて、意図された用途に適した液体溶液を生じることができる。流体経路110は、次いで、液体溶液を意図された吐出位置まで運ぶことができる。一部の実施例では、流体システム100は、ある期間、例えば、5分を超える期間、30分を超える期間、またはそれどころか24時間を超える期間などにわたって、連続的に液体溶液の流れを生じてもよい。流体システム100は、流体経路110を通過する溶液の流れが、ある期間にわたって実質的にまたは完全に途切れなくすることができるという点で、溶液を連続的に生じ得る。
【0033】
一部の実施例では、流体経路110を通って流れる流体の特質を監視することは、流体が、意図された下流での適用のために適切に構築されることを確保するのに役立つことができる。流体経路110を通って流れる流体の特質を監視することはまた、例えば、新しい流体溶液を生じるために使用されるパラメータを調節するために、フィードバック情報を提供することができる。これらの及び他の理由のために、流体システム100は、システムによって生じた流体の種々の特質を判断するためのセンサを含むことができる。センサは、流体経路110と直接に係合して、流体特質を監視することができるか、または、代わりに、流体経路110とは別個に流体システム100から流体を受け取ることができる。
【0034】
図1の実施例では、流体システム100が、光学センサ102を含む。光学センサ102は、任意の数の手法、例えば、流体経路110内のパイプにおけるT字構成とインターフェースを取ること、流体が定期的に流れるタンクもしくは他の流体容器のポートに挿入されることなど等で、流体経路110と係合することができる。光学センサ102は、流体経路110を通って流れる流体の1つ以上の特質を判断してもよい。特質の例は、流体内の1つ以上の化学化合物の濃度(例えば、貯蔵器104から追加される1つ以上の活性剤の濃度、及び/もしくは流体システム100における配管から押し流される1つ以上の材料の濃度)、流体の温度、流体の伝導率、流体のpH、流体が光学センサを通って移動する際の流量率、ならびに/またはシステムであって、そのシステムから流体試料が分析されるシステムが適切に動作することを確保するのに役立ち得る流体の他の特質を含むが、それらに限定されない。光学センサ102は、検知された特質情報を、接続118によって、コントローラ106に通信してもよい。
【0035】
光学センサ102は、コントローラ106または流体システム100内の1つ以上の他のコントローラによって制御されてもよい。例えば、光学センサ102は、光学センサを制御して、光を分析中の流体の中に放出し、かつまた、流体から戻って受け取られた光を検知するデバイスコントローラ(
図1に例解されない)を含んでもよい。デバイスコントローラは、光学センサの他の構成要素に物理的に隣接して、例えば、光学センサの光源及び検知器を収容する筐体の内側などに、位置付けられてもよい。かかる実施例では、コントローラ106が、光学センサ102のデバイスコントローラに通信可能に連結されたシステムコントローラとして機能してもよい。システムコントローラ106は、デバイスコントローラから受け取られた及び/またはデバイスコントローラによって生成された光学特質データに基づいて、流体システム100を制御してもよい。他の実施例では、光学センサ102が、別個のデバイスコントローラを含まないが、代わりに、流体システム100もまた制御するコントローラ106によって制御される。したがって、光学センサ102は、コントローラ106によって制御されるように一般に説明されるが、流体システム100は、本開示における光学センサ102及びコントローラ106に属させる機能を果たすために、単独でまたは組み合わせて働く1つ以上(例えば、2つ、3つ、またはそれ以上)のコントローラを含んでもよいことを認識されたい。コントローラとして説明されるデバイスは、プロセッサ、例えば、マイクロプロセッサなど、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または任意の他の同等の集積もしくは個別の論理回路、ならびにかかる構成要素の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0036】
図1に例解される実施例では、コントローラ106のプロセッサ112は、光学センサ102から判断された光学特質情報を受け取って、判断された特質情報をメモリ114に記憶された1つ以上の閾値、例えば、1つ以上の濃度閾値などと比較することができる。比較に基づいて、コントローラ106は、例えば、検知された特質が特質についての対象値に一致するように、流体システム100を調節してもよい。一部の実施例では、コントローラ106は、ポンプ108を開始及び/または停止するか、あるいはポンプ108の速度を増加及び/または減少させて、流体経路110を通って流れる化学化合物の濃度を調節する。ポンプ108の開始またはポンプ108の動作速度の増加は、流体内の化学化合物の濃度を上げることができる。ポンプ108の停止またはポンプ108の動作速度の減少は、流体内の化学化合物の濃度を下げることができる。一部の追加的な実施例では、コントローラ106は、例えば、水の流れを制御するポンプを開始または停止することによって、あるいはポンプが動作する速度を増加または減少させることによって、判断された特質情報に基づいて、貯蔵器104内の化学化合物と混合する水の流れを制御してもよい。
図1の流体システム例100には例解されないが、コントローラ106はまた、熱交換器、加熱器、及び/または冷却器に通信可能に連結されてもよく、光学センサ102から受け取られた特質情報に基づいて、流体経路110を通って流れる流体の温度を調節する。
【0037】
更に他の実施例では、光学センサ102は、光学センサのフローチャンバを通って流れない流体の固定容積の1つ以上の特質を判断するために使用されてもよい。例えば、光学センサ102は、光学センサを流体システム100から手動で抽出される流体試料で充填することを必要とする、オフラインの監視ツールとして(例えば、手持ち式センサとして)実装されてもよい。代わりに、光学センサ102は、流体の固定容積を受け取って保持するように構成された流体システム100の一部分、例えば、流れ停止デバイス、または流体を受け取って、光学センサ102に係合するためのその他の外部容器などに係合することができる。一部の実施形態では、コントローラ106は、ポンプ及び/またはバルブのシステムを制御して、センサ102が装備されているかかる固定容器の中に測定されるべき有限量の試料を方向付けることができる。
【0038】
図1の実施例における流体システム100はまた、貯蔵器104、ポンプ108、及び流体経路110を含む。貯蔵器104は、後続の送達のための化学剤を貯蔵する任意の種類の入れ物であってもよく、例えば、タンク、手提げ、ボトル、及び箱を含む。貯蔵器104は、液体、固体(例えば、粉末)、及び/またはガスを貯蔵してもよい。ポンプ108は、貯蔵器104から流体を供給する任意の形態のポンピング機構であってもよい。例えば、ポンプ108は、蠕動ポンプもしくは連続ポンプの他の形態、容積式ポンプ、または特定用途に適切な任意の他の種類のポンプを含んでもよい。貯蔵器104が固体及び/またはガスを貯蔵する実施例では、ポンプ108は、ガス及び/または固体化学剤を意図された吐出場所まで送達するように構成された異なる種類の計測デバイスと交換されてもよい。流体システム100における流体経路110は、任意の種類の可撓性もしくは非可撓性管類、配管、または導管であってもよい。
【0039】
図1の実施例では、光学センサ102は、流体経路110を通って流れる流体の特質(例えば、化学化合物の濃度、温度など)を判断し、コントローラ106は、判断された特質及び、例えば、メモリ114に記憶された対象特質に基づいて、流体システム100を制御する。
図2は、流体経路110を通って流れる流体の特質を監視するために流体システム100内に装備することができる光学センサ例202のブロック図である。センサ202は、流体システム100において光学センサ102として使用されてもよいし、またはセンサ202は、流体システム100以外で他の用途において使用されてもよい。
【0040】
図2の実施例では、センサ202が、筐体203、第1の光学エミッタ220、第2の光学エミッタ224、光学窓228、及び光学検知器234を含む。筐体203は、第1の光学エミッタ220、第2の光学エミッタ224、及び光学検知器234を収容する。光学窓228は、筐体203の外面に位置付けられており、筐体の内部及び筐体の外面に接触する流体試料230における流体の間に液密な光透過型バリアを提供する。動作中、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224は、光学窓228を通って、分析中の流体試料230の中に、方向付けられる光を放出する。光学窓228に隣接する流体に影響を及ぼす第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224によって放出された光に応答して、流体は、光を散乱し得、及び/または蛍光発光を生じ得る。散乱された光及び/または蛍光発光は、光学窓228を通過することができ、光学検知器234によって検知される。
【0041】
光学窓228への及び光学窓228からの光伝送を制御するために、光学センサ202は、光学センサの種々の構成要素を分析中の流体試料230に光学的に接続する少なくとも1つの光路226を含む。光路226は、光が光学エミッタから、光学レンズ228を通して、及び流体試料230の中に誘導されるように、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224によって放出された光を誘導してもよい。光路226はまた、光が光学検知器234に誘導されるように、光学窓228を通して、流体試料230から受け取られた光を誘導してもよい。そのように構成されるとき、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224は、光路226の中に光を方向付けるように筐体203の内側に位置付けられてもよく、光学検知器234は、光路から光を受け取るように、筐体の内側に位置付けられてもよい。かかる配設は、光学センサ202が単一光学レンズと共に構成されることを可能にし得、それを通して、複数の光源が、光を放出し、及びそれを通して、光はまた、分析中の流体試料から受け取られ、検知される。これは、例えば、センサが、分析用の流体を含有するプロセス機器の部品の中にフィットする機械的なパイプを通して挿入されるのに十分にコンパクトであるように、光学センサ202のサイズを最小限にすることに役立ち得る。
【0042】
光学センサ202は、筐体203の内側に収容された種々のエミッタ及び検知器構成要素を、光学窓228を介して分析中の流体試料に光学的に接続する任意の適切な数の光路を含むことができる。
図2の実施例では、光学センサ202は、概念上、第1の光路226及び第2の光路236を有するように例解される。第2の光路236は、第1の光路226に光学的に接続され、かつまた、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224に光学的に接続される。第2の光路236は、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224から光を受け取ることができ、光を第1の光路226に誘導することができ、それは、結果として、光学窓228を通して、分析中の流体試料230の中に光を誘導する。一部の代替の実施形態では、1つの光学エミッタが、光を第2の光路236の中に放出することができ、その一方で、第2の光学エミッタが、光を第1の光路226の中に直接的に放出するように構成される。例えば、一部の実施形態では、第1の光学エミッタ220が、第2の光路236の中に光を放出するように構成される一方で、第2の光学エミッタ224が、光学接続225を介して、光を第1の光路226に直接的に放出するように構成される。
図2の図は、光学接続を示すことを意図され、必ずしも文字通り忠実な光学経路を例解しないことに留意されたい。例えば、一部の実施形態では、第2の光学エミッタ224が、第1の光路226に最も近く位置付けられ、光学接続225は、第2の光路236の文字通り忠実なバイパスである必要はない。むしろ、光学接続225は、単に、第2の光学エミッタ224が、第1の光路226に直接的に光学的に連結され得る一方で、第1の光学エミッタ220が、第2の光路236を介して、第1の光路226に光学的に連結されることを例解する。追加的な光路を用いて光学センサ202を構成することによって、光学センサ内の種々の光エミッタ及び検知器が、第1の光路226に直接的に隣接して位置付けられずに、分析中の流体試料に光学的に接続されることができる。
【0043】
光学センサ202内の光路は、光が光学センサを通って運ばれることを可能にするチャネル、光伝導性管類(例えば、光ファイバライン)の区分、またはダクトであってもよい。光路はまた、光学センサの筐体203の中に機械加工または鋳造されてもよい。異なる実施例では、光路が、光学的に不透明な材料によって、取り囲まれてもよいし、または取り囲まれなくてもよく、例えば、光路を通る光運動を制限し、かつ光が光路の側面から漏れることを防ぐ。光学センサ202が複数の光路を含むとき、別の光路との1つの光路の交差部が、画定され得、そこで、1つの光路を通って直線的に移動する光が、他の光路を通って移動する方向への変更が必要とされる。
【0044】
図2の実施例では、光学センサ202が、少なくとも1つの光源を含み、例解される実施例では、2つの光源、すなわち、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224を用いて示される。第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224のそれぞれは、光源であり、任意の適切な光源、例えば、レーザ、ランプ、LEDなど等を使用して実装することができる。一部の実施形態では、第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224が、光の実質的に視準されていないビームを光路226の中に放出するように構成される。この場合では、光学センサ202が、動作の間により高い光学効率を達成するために、第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224からの光を視準するための光学構成要素を含むことができる。
【0045】
複数の光源を用いる光学センサ202を構成することは、例えば、流体試料230の中に異なる波長において光を放出するために、有用であり得る。例えば、第1の光学エミッタ220は、流体試料230の中に第1の波長範囲内の光を放出して、流体内に蛍光発光を生じるように構成されてもよい。第2の光学エミッタ224は、第1の波長範囲とは異なる第2の波長範囲内で光を放出して、流体試料230によって散乱された光の量を測定するように構成されてもよい。
【0046】
光学センサ202内に含まれる特定数の光源と独立して、光学センサは、光学窓228を含み、それを通して、光は、流体試料230の中に方向付けられ、流体試料230から受け取られる。一部の実施例では、光学窓228は、分析中の流体試料の中に方向付けられた光及び/または流体試料から受け取られた光を集束する。かかる実施例では、光学窓228は、光学レンズと称され得る。他の実施例では、光学窓228は、光を集束させずに、流体試料の中に方向付けられた光及び/または流体試料から受け取られた光を通過させる。したがって、光学窓228はまた、本開示において光学レンズ228とも称されるが、本開示に従う光学センサは、光を集束するまたは集束しない光学窓を有することができることを認識されたい。
【0047】
光学窓228は、光路226に光学的に接続され、一部の実施例では、光路の終端部において物理的に接続される。異なる実施例では、光学窓228が、流体試料230の中に光を方向付けること及び流体試料230から光を受け取ることができる単一レンズまたは複数レンズのシステムで形成される。光学窓228は、筐体203に一体化する(永久的に取り付けられる)ことができるか、または筐体から取り外し可能とすることができる。一部の実施例では、光学窓228は、光路226内に位置付けられたボールレンズによって形成された光学レンズであり、光路を封止し、流体試料230からの流体が光路に進入することを防ぐ。かかる実施例では、ボールレンズが、筐体203の外面から遠位に、例えば、流体の動いている流れの中に、延在してもよい。光学レンズ228は、ガラス、サファイヤ、または他の適切な光学的に透明な材料から作製することができる。
【0048】
簡潔に上述したように、光路226は、光路に光学的に接続された光学窓228を通して光を方向付けるように、かつまた、光学窓228を通して流体試料からの光を受け取るように構成される。分析中の流体試料から受け取られた光を検知するために、光学センサ202は、光路226に光学的に接続された少なくとも1つの光学検知器234を含む。光学検知器234は、光を検知するための任意の適切な検知器、例えば、固態フォトダイオードまたは光電子増倍管などを使用して、実装されることができる。光学検知器234は、波長の狭帯域に敏感であってもよく、したがって、波長の狭帯域のみを検知してもよい。代わりに、光学検知器234は、光波長の広範囲に敏感であってもよく、したがって、その広範囲を検知してもよい。
【0049】
動作の間、光は、光路226に光学的に接続された光学窓228を介して流体試料230の中に放出される。窓228は、追加的に、流体試料230からの光、例えば、試料から散乱された光、または例えば蛍光などの機構によって、試料によって放出された光などを集めることができる。かかる光は、流体試料230から窓228を介して光路226の中に再び方向付けることができ、光学検知器234によって受け取ることができる。
【0050】
光学エミッタによって放出された光及び/またはセンサ202内の光学検知器によって検知された光の波長を制御するために、光学センサは、光学フィルタを含んでもよい。例えば、光の一定の波長のみが、流体試料230の中に放出されるように、ならびに/または流体試料から受け取られ、光学検知器234によって検知されるように、光学フィルタが、光学エミッタによって放出された及び/または光学検知器によって受け取られた光の波長をフィルタリングすることができる。
【0051】
例えば、センサ202は、流体試料230から受け取られる望まれない光が、光学検知器234に影響を及ぼすことを防ぐように構成された光学フィルタ232を含んでもよい。特定の波長または波長帯域の検知が所望されるものの、光学検知器234がより広い帯域またはさもなければ多数の波長に敏感である場合、フィルタ232は、所望の帯域の外側の光が、光学検知器234に影響を及ぼすことを防ぐように機能することができる。フィルタ232は、通過することを許されない光を吸収または反射することができる。
【0052】
一部の実施形態によれば、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224の一方は、以下により詳細に説明されるように、センサ202との使用のために所望のものまたは有用なものより広い帯域の波長を放出してもよい。したがって、センサ202は、第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224と流体試料230の間に配置されたフィルタ222を含むことができる。フィルタ222は、光の一定の波長が、光路226を介して流体試料230に到達することを防ぐように構成されてもよい。かかるフィルタ222は、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224の一方または両方のいずれかからの光を少なくとも部分的にフィルタリングするように位置付けられ得る。例えば、
図2では、光学フィルタ222は、第1の光学エミッタ220及び第2の光路236の間に配置されて示される。
【0053】
動作の間、光学センサ202は、第1の光学エミッタ220を制御して、流体試料230の中に第1の波長(例えば、波長範囲)において光を放出し、第2の光学エミッタ224を制御して、流体試料の中に第2の波長(例えば、波長範囲)において光を放出し、及び光学検知器234において流体試料から光を受け取ることができる。一部の実施形態によれば、第1の光学エミッタ220は、分析中の流体試料230内の分子が蛍光を発することを引き起こすのに十分な波長において光を放出するように構成される。流体試料230によって蛍光を発した光は、光学窓228によって集められ、かつ放出ビームとして光路226の中に方向付けられてもよい。追加的に、第2の光学エミッタ224は、分析中の流体試料230によって光散乱を引き起こすのに十分な波長において、光を放出するように構成されてもよい。かかる光散乱は、流体試料230が混濁したときに起こり得、例えば、光反射性の粒子を含有する。流体試料230によって散乱された光は、光学窓228によって収集され、及び光路226の中に散乱ビームとして再び方向付けられてもよい。
【0054】
波長は変えることができるが、一部の実施例では、第1の光学エミッタ220は、約225ナノメートル(nm)〜約700nm、例えば、約250nm〜約350nm、または約265nm〜約290nmの範囲にある波長内で光を放出するように構成される。第2の光学エミッタ224は、約750nm〜約1200nm、例えば、約800nm〜約900nmなどの範囲にある波長における光を放出してもよい。例えば、第1の光学エミッタ220は、紫外(UV)スペクトル内の光を放出してもよく、一方で、第2の光学エミッタ224が、赤外(IR)スペクトル内の光を放出する。他の波長が、考察され、かつ可能であり、本開示は、これに関して限定されないことを認識されたい。
【0055】
分析中の流体試料230から発出する光(例えば、蛍光発光、光散乱)を検知するために、
図2のセンサ202は、更に、光学検知器234を含む。光学検知器234は、光路226に光学的に接続され、分析中の流体試料230から光学窓228を通して伝送される蛍光発光ビーム及び散乱された光ビームの少なくとも一部分を受け取ってもよい。筐体203に進入すると、蛍光発光ビーム及び散乱された光ビームの受け取られた部分が、測定及び/または分析のために光路226を介して光学検知器に方向付けられてもよい。一部の実施形態では、ビームの強度が、光学検知器234によって測定され、及び試料についての情報、例えば、その中に含有される特定の構成要素(例えば、蛍光を発する化合物及び/または蛍光を発しない化合物)の濃度などを判断するために使用される。流体試料から受け取られ、かつ光学検知器234によって検知された、散乱された光及び蛍光発光によって運ばれた、分析中の流体試料についての情報は、例えば、流体試料を特徴付けるために及び/または流体試料を含有するシステムを制御するために、情報の異なるチャネルを提供してもよい。
【0056】
例えば、光学センサ202は、光学検知器234によって検知された光散乱情報を使用して、光学センサによって検知された蛍光発光の量及び/または測定された蛍光発光に基づく計算を調節あるいは訂正してもよい。分析中の流体試料の濁度は、流体試料によって生じられた及び/または光学検知器234によって受け取られた蛍光発光の大きさに影響を及ぼし得る。光学センサ202は、流体試料によって散乱された光の量に比例し得る、流体試料における濁度の量を測定することによって、及び濁度測定に基づいて、測定された蛍光発光の大きさを調節することによって、これらの濁度の影響を補償してもよい。別の構成では、光学センサ202は、測定された蛍光(例えば、濃度)に基づいて、計算を調節して、測定された濁度を組み込むことができる。加えて、光学検知器234は、第2の光学エミッタ224によって放出された光に応答して、流体試料230によって散乱された光の量を測定して、流体試料の他の特質を判断してもよい。例えば、光学センサ202は、流体試料によって散乱された光の量、例えば、メモリに記憶された較正データに基づいて、流体試料における非蛍光種(例えば、汚染物質)の濃度を判断してもよい。例えば、分析中の流体試料230が蛍光を発しない化学化合物(複数可)の第1の濃度を有する場合、光学検知器234は、散乱された光の第1の大きさを検知してもよい。しかしながら、流体試料が、蛍光を発しない化学化合物(複数可)の第1の濃度よりも大きい第2の濃度を有する場合、光学検知器234は、散乱された光の第1の大きさよりも大きい第2の大きさを検知してもよい。
【0057】
光学センサ202は、第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224によって放出された光に応答して流体試料230から受け取られた光を検知するために少なくとも1つの、及び任意選択的には複数の、光学検知器を含む。分析中の流体試料230の中に、第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224によって放出された光の量を測定するために、光学センサ202はまた、少なくとも1つの参照光学検知器を含んでもよい。参照光学検知器は、筐体203の内側に位置付けられてもよく、第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224によって放出された光を測定するように構成されてもよい。第1の光学エミッタ220及び/または第2の光学エミッタ224によって放出された光に応答して、流体試料230から受け取られる光の量は、第1及び第2の光学エミッタによって本来放出される光の量に基づいて、変動し得る。したがって、参照光学検知器によってなされた光測定は、光学検知器234によってなされた光測定を調節するために使用することができる。
【0058】
図2の実施形態では、光学センサ202が、参照光学検知器として機能することができる第2の光学検知器238を含む。第2の光学検知器238は、第2の光路236と光学的に連通し、そこから光を受け取るように構成される。一部の実施形態では、第2の光学検知器238が、交互の順番で、第1の光学エミッタ220及び第2の光学エミッタ224の両方からの光を受け取るように構成される。かかる光は、センサの動作条件を判断するために、センサを較正するために、またはセンサと関連付けられた任意の他の有用な機能を果たすために、第2の光学検知器238において測定することができる。例示的な実施形態では、第2の光学検知器238は、第1の光学エミッタ220から受け取られた光を検知することができ、次いで、第2の光学エミッタ224から受け取られた光を検知することができる。光学センサ202は、次いで、2つの光学エミッタから放出された光の間の相対強度または強度比を判断してもよい。この情報は、分析中の流体試料について判断された情報を補足する、例えば、第1の光学検知器234によって受け取られた光に基づいて、判断された流体特質を調節することなどのために使用することができる。
【0059】
光学センサ202は、分析中の流体試料230の少なくとも1つの光学特質を測定するように構成される。光学センサ202によって生成された光学特質情報を補足するために、センサは、分析中の流体試料230の非光学特質を測定するように構成された1つ以上の非光学センサを含んでもよい。非光学センサハードウェア/ソフトウェアは、筐体203内に収容されてもよいし、分析中の流体試料の非光学特性を測定するために、(例えば、光学レンズ228に隣接して)筐体の外面を通って延びる接触子を含んでもよい。例として、光学センサ202は、温度センサ、pHセンサ、導電率センサ、及び/または流量率センサを含んでもよい。使用されるとき、温度センサは、センサに隣接した流体の温度を感知してもよく、pHセンサは、センサに隣接した流体のpHを判断してもよく、伝導率センサは、センサに隣接した流体の導電率を判断してもよく、流量センサは、センサを超えて流れる流体の率を監視してもよい。一実施例では、光学センサ202が、温度センサ及び導電率センサの両方を含む。光学センサ202は、追加的なまたは異なる非光学センサを含んでもよく、本開示は、任意の特定の種類の非光学センサを利用する光学センサに限定されない。
【0060】
図2のセンサ202は、いくらかの異なる物理的構成を有することができる。いくつかのかかる実施例は、2013年9月27日に出願され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる特許出願第14/039,683号に説明される。
図3は、
図2の光学センサに使用され得る構成要素の配設例の概略図である。
図3は、流体試料の少なくとも1つの特性を測定するためのセンサ302を示す。
図2のセンサに類似して、センサ302は、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324を備える。第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324は、
図2に関して上記したものを含む、任意の適切な光源を含むことができる。動作の間、第1の光学エミッタ320は、第1の波長において光を放出することができる一方で、第2の光学エミッタ324は、第2の波長において光を放出することができる。第1の波長は、第2の波長と同じ波長または波長範囲であってもよいし、または第1の波長は、第2の波長とは異なる波長または波長範囲であってもよい。用途に応じて、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324は、紫外(UV)、赤外(IR)、及び/または可視光スペクトル内の光を放出することができる。上記で説明したような一部の実施例では、第1の波長は、分析中の流体試料(例えば、流体試料230)内に分子が励起及び蛍光を発することを引き起こし得、一方で、第2の波長は、分析中の流体試料から散乱し得る。
【0061】
追加的に、第1の光学エミッタ320及び/または第2の光学エミッタ324は、それらの一方または両方が、放出されることを望まれる光の第1または第2の波長に加えて、不必要なまたは望まれない光を放出するようなものであってもよい。かかる光が、望ましくなく測定に影響を及ぼすことを防ぐために、センサ302は、分析中の試料の中に第1の光学エミッタ320によって放出された光を制限するように構成された第1の光学フィルタ322を含んでもよい。
図3の実施形態は、第1の光学エミッタ320及び部分的に反射性の光学窓342の間に位置付けられた第1の光学フィルタ322を示す。第1の光学フィルタ322は、流体試料が蛍光を放出するときに、例えば、流体試料によって放出された蛍光の範囲内の光の実質的に全ての波長をフィルタリングによって除去するように構成されることができる。かかるフィルタ322は、蛍光発光と同じ波長範囲内の光の散乱に起因して、センサ内の検知器334による誤った蛍光検知を排除するのに役立つことができる。例えば、第1の光学エミッタ320が、分析中の流体試料によって生じられた蛍光発光の波長内の光を放出した場合、光学検知器334は、流体試料によって生じられた蛍光発光及び第1の光学エミッタ320によって放出された光及び光学検知器334に散乱し戻された光のいずれも検知してもよい。光学フィルタ322は、蛍光発光の波長範囲内の第1の光学検知器334によって放出された光をフィルタリングによって除去することができる。
【0062】
図3の実施例におけるセンサ302はまた、センサの種々のハードウェア/ソフトウェア構成要素を収容する筐体303を含み、センサを通る光運動を制御する。一部の実施形態では、筐体303が、第1の光学エミッタ320及び/または第2の光学エミッタ324のうちの全てあるいは一部分を含み、一方で、他の実施形態では、それらのエミッタが、筐体303の外部に位置する。
【0063】
図2に示された概略的なセンサの場合のように、
図3に示される実施形態は、光学検知器334、光を流体試料の中に方向付ける及び光を流体試料から受け取るための光学窓328(例えば、光学レンズ328)、ならびに光路326を含む。例解される実施例では、光学レンズ328が、光路326に光学的に接続されるのではなくて、物理的に別個に示される。他の実施例では、レンズ328は、光路の終端部に物理的に接続される(例えば、取り付けられる)。
【0064】
光学センサ302を通る光運動を制御するために、光学センサが、少なくとも1つの光路を含み、それは、例解される実施例では、3つの光路、すなわち、第1の光路326、第2の光路336、及び第3の光路327として示される。光路は、センサを通して光運動を制御する有界チャネル、チューブ、導管、または空洞を画定し得る。エミッタ及び光学センサ302の検知器は、光を光路の中に方向付ける及び/または光路から光を受け取るように、光路の周りに配設されてもよい。例えば、
図3における第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324は、光学レンズ328、その後、分析中の流体試料に光学的に接続される第1の光路326の中に、光を方向付けるように構成される。更に、
図3における光学検知器334は、分析中の流体試料から伝播する及び光学レンズ328を通って移動する第1の光路326からの光を受け取るように構成される。
【0065】
光学センサ302は、いくらかの異なる光路構成を有することができ、その構成は、例えば、センサに含まれる光学エミッタ及び検知器の数に基づいて、変えることができる。
図3の実施例では、光学センサ302が、光学レンズ328及び第1の光学検知器334の間に位置付けられた第1の光路326を含む。光学レンズ328(例えば、レンズの光心)を通って直線的に移動する光は、第1の光路326を通って移動することができ、第1の光学検知器334(例えば、検知器の光心)に影響を及ぼすことができる。かかる実施例では、第1の光路326が、経路の長さに沿って延び、かつ光学レンズ328の中心(例えば、光心)及び第1の光学検知器334の中心(例えば、検知器の光心)を通って延びる主軸340を画定し得る。第1の光路326は、筐体303内に収容される他の構成要素に対して検知器の単一光学窓(例えば、光学レンズ328)に光学的に接続されてもよい。
【0066】
第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324は、光を第1の光路326の中に、その後、分析中の流体試料の中に放出するように構成される。一部の実施例では、第1の光学エミッタ320及び/または第2の光学エミッタ324は、光を直接的に第1の光路326の中に、例えば、第1の光路に交差する中間光路の中に放出することなく、放出する。他の実施例では、第1の光学エミッタ320及び/または第2の光学エミッタ324は、光を第1の光路326に光学的に接続された中間光路の中に放出する。すなわち、第1の光学エミッタ320及び/または第2の光学エミッタ324は、光を間接的に第1の光路326の中に放出してもよい。
【0067】
図3における光学センサ302では、第1の光学エミッタ320が、光を第1の光路326まで延びる第2の光路336の中に放出するように位置付けられる。更に、例解される実施形態では、第2の光学エミッタ324は、第2の光路336まで延び、ひいては、第1の光路326まで延びる、第3の光路327の中に、光を放出するように位置付けられる。第2の光路336は第1の光路326に交差し、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324から伝送する光の少なくとも一部分が、第2の光路を通って、第1の光路の中に、及び光学レンズ328を通って、移動することを可能にする。第3の光路327は第2の光路に交差し、第2の光学エミッタ324から伝送する光の少なくとも一部分が、第3の光路を通って、第2の光路の中に、第1の光路の中に、及び光学レンズ328を通って、移動することを可能にする。
【0068】
構成は変えることができるが、
図3における第2の光路336は、約90度の角度において、第1の光路326に交差する。更に、第3の光路327は、約90度の角度において、第2の光路336に交差する。一部の実施例では、第3の光路327が、第1の光路326に平行に延在するが、他の実施例では、第3の光路は、第1の光路に平行に延在しない。光学エミッタ及び光学センサ302の光学検知器を単一光学レンズ328に光学的に接続された交差する光路の周りに配設することによって、センサは、様々な化学的及び流体プロセスにおいて簡単に装備されるコンパクトな設計を提供することができる。
【0069】
光学センサ302が光運動を制御するために交差する光路を含む実施例では、光学センサはまた、1つの交差する光路から受け取られた光を別の交差する光路の中に方向付ける光学要素(例えば、反射体、部分的に反射性の光学窓)を含んでもよい。光学要素は、光学レンズ328に対する及び/または光学検知器に対する光運動の方向を制御するのに役立つことができる。
【0070】
図3の例解される実施例では、センサが、第1の光路326及び第2の光路336の交差部に位置付けられる部分的に反射性の光学窓344を含む。部分的に反射性の光学窓344は、第2の光路336から第1の光路326へと第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324によって放出された光の少なくとも一部分を反射するように構成される。一部の実施形態では、部分的に反射性の光学窓344が、更に、光を流体試料及びレンズ328から光学検知器334へと伝送するように構成される。したがって、部分的に反射性の光学窓は、入射光の一部分を伝送するのみならず反射するように構成することができる。第1の光路を通る光移動の方向に対する部分的に反射性の光学窓344の角度は、例えば、第1の光路326が第2の光路336に交差する角度に基づいて、変動し得る。しかしながら、第1の光路326が約90度の角度において第2の光路336に交差する
図3では、部分的に反射性の光学窓344が、例えば、第1の光路326及び第2の光路336の両方を通る光移動の方向に対して、約45度の角度において、配向される。
【0071】
種々の実施形態によれば、部分的に反射性の光学窓344は、入射光の0%〜100%を反射または伝送するように構成することができ、反射及び伝送パーセンテージは、波長に依存する。任意の適切な光学要素は、部分的に反射性の光学窓344として使用されることができる。かかる部分的に反射性の光学窓344は、例えば、2色性フィルタ、または任意の他の適切な光学構成要素を備えることができる。
【0072】
動作中、
図3の部分的に反射性の光学窓344は、第2の光路336から第1の光路326の中に(例えば、約90度)第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324からの光を反射するように構成される。これは、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324によって放出された光の方向を、第2の光路336の長さに沿う移動から、第1の光路326の長さに沿う移動へと、変化させることができる。部分的に反射性の光学窓344は、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324によって放出された光の少なくとも一部分を、例えば、分析中の流体試料の中に、反射してもよいが、部分的に反射性の光学窓はまた、流体試料から受け取られた光の少なくとも一部分が、部分的に反射性の光学窓を通過することを可能にする。例えば、分析中の流体試料によって散乱された光及び/または流体試料によって生じられた蛍光発光は、第1の光路326の中に進入し得、部分的に反射性の光学窓344を通って(例えば、光学窓によって反射または吸収されることなく)少なくとも部分的に伝送し得、光学検知器334によって検知される。このようにして、部分的に反射性の光学窓344は、光学エミッタから受け取られた光を流体試料の中に反射することができ、光学検知器334によって検知されるべき流体試料から受け取られた光を伝送することができる。
【0073】
一部の実施形態では、センサ302は、第2の光路336に沿って、第1の光学エミッタ320から部分的に反射性の光学窓344の反対側に位置付けられたビームダンプ346を更に含む。ビームダンプ346は、それに入射したあらゆる光を吸収または捕捉するように構成される。例えば、一部の実施形態では、部分的に反射性の光学窓344を通って第2の光路336から伝送されるあらゆる光は、ビームダンプ346に伝送され、そこで、その光は吸収され、光学検知器334によって検知されることを防止される。
【0074】
図3における光学センサ302はまた、第1の参照光学検知器338を含み、それは、例えば、第1の320光学エミッタ及びまたは第2の324光学エミッタ320のための参照光学検知器として機能し得る。例解される実施形態では、第1の参照光学検知器338が、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324のうちの少なくとも1つによって放出された光を受け取るように位置付けられる。場所は変えることができるが、例解される実施例では、第2の光学検知器338が、第2の光学エミッタ324から第2の光路336の反対側に位置付けられる。特に、第2の光学検知器338は、第2の光学エミッタ324の反対側の、第3の光路327の終端部に位置付けられる。
図3に例解される例示的な実施形態では、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324は、互いに実質的に垂直に配向され、第1の光学エミッタ320は、第2の光路336とほぼ同軸であり、第2の光学エミッタ324は、第3の光路327とほぼ同軸である。他の実施例では、第2の光学エミッタ324が、光学センサ302内の他の場所に位置付けられ得、本開示は、
図3の特定の構成に限定されないことを認識されたい。一実施例として、第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324の位置は、第1の光学エミッタが、
図3に示される第2の光学エミッタによって占拠される位置にあるように、かつ第2の光学エミッタが、第1の光学エミッタによって占拠される位置にあるように、交換してもよい。
【0075】
光学センサ302が、第2の光路336に交差する第3の光路327を含む実施例では、センサが、第2の光路336及び第3の光路327の交差部に位置付けられた部分的に反射性の光学窓342を含んでもよい。部分的に反射性の光学窓342は、第3の光路から第2の光路336の中に第2の光学エミッタ324によって放出された光の少なくとも一部分を反射するように、かつまた第2の光学エミッタ324によって放出され、第2の光学検知器338によって受け取られる光の少なくとも一部分を伝送するように、構成されてもよい。加えて、部分的に反射性の光学窓342は、第1の参照光学検知器338によって受け取られるべき第1の光学エミッタ320によって放出された光の少なくとも一部分を第2の光路から第3の光路327の中に反射するように、かつまた第1の光学エミッタ320によって放出された光の少なくとも一部分を伝送して、第1の光路326の中へと第2の光路336を通過させるように構成してもよい。任意の適切な光学要素は、部分的に反射性の光学窓342として使用することができる。かかる部分的に反射性の光学窓342は、例えば、2色性フィルタ、石英窓、及び/またはサファイヤ窓を含むことができる。一部の実施形態では、部分的に反射性の光学窓342が、反射防止コーティングを含む。
【0076】
第2の光路336を通る光移動の方向に対する部分的に反射性の光学窓342の角度は、例えば、第2の光路336が第3の光路327に交差する角度に基づいて、変動し得る。しかしながら、第2の光路336が、約90度の角度において、第3の光路327に交差する
図3において、部分的に反射性の光学窓342は、例えば、第2の光路336を通る光移動の方向に対して、約45度の角度に配向される。特に、例解される例示的な実施形態では、部分的に反射性の光学窓342は、第2の光路336及び第3の光路327、ならびに第1の光学エミッタ320及び第2の光学エミッタ324に対して、実質的に45°に配向される。この配設では、部分的に反射性の光学窓342は、第1の光学エミッタ320によって放出された光の一部分を第2の光路336から第3の光路327の中に反射するように、及び第2の光学エミッタ324によって放出された光の少なくとも一部分を第3の光路327の中に伝送するように構成される。
図3に示される部分的に反射性の光学窓342はまた、第1の光学エミッタ320から放出された光の一部分を第2の光路336の中に第1の光路326に向かって伝送するように、かつ第2の光学エミッタ324から放出された光の一部分を第3の光路327から第2の光路336の中に及び第1の光路326に向かって反射するように機能することができる。
【0077】
図4は、
図3に例解される光学センサを通る光の流れの実施例を例解する概念図である。説明の簡単さのために、
図4は、第1の光学エミッタ420及び第2の光学エミッタ424から同時に発出する光と、また、第1の光学検知器434及び参照光学検知器438によって同時に受け取られる光を例解する。実際には、第1の光学エミッタ420及び第2の光学エミッタ424は、同時にまたは異なる時間に放出してもよい。更に、第1の光学エミッタ420及び第2の光学エミッタ424の一方または両方が放出している間、あるいはそれらのエミッタの一方または両方が、分析中の流体試料の中に光を放出していない期間に、第1の光学検知器434及び参照光学検知器438が、光を受け取ってもよい。したがって、
図4は、センサ402において同時に起こる際の種々の光の流れを例解するが、本開示に係る光学センサは、かかる動作例に限定されないことを認識されたい。
【0078】
光学センサ402の実施例では、光が、第1の波長において第1の光学エミッタ420から第2の光路436の中に放出される。第1の光学エミッタ420からの光は、流体試料内に蛍光を励起するように構成され得、それゆえ、例解の目的のために、励起ビーム490を生じると称される。
図4の実施例におけるセンサ402内で、励起ビーム490が、第2の光路436の中に放出され、そこで、それは、部分的に反射性の光学窓442に直面する。励起ビーム490の一部分は、部分的に反射性の光学窓442によって反射され、第1の参照光学検知器438によって検知されてもよい。励起ビーム490の別の部分は、部分的に反射性の光学窓442を通過して、第2の光路436を通って移動し続けてもよい。
【0079】
動作中、光はまた、第2の波長において第2の光学エミッタ424から第3の光路427の中に放出される。第2の光学エミッタ424からの光は、流体試料から散乱するように構成されてもよく、それゆえ、例解の目的のために、散乱ビーム492を生じると称される。
図4の実施例におけるセンサ402内で、散乱ビーム492は、第3の光路427の中に放出され、そこで、それは、部分的に反射性の光学窓442に直面する。散乱ビーム492の一部分は、第2の光路に向かって部分的に反射性の光学窓442によって反射されてもよい。散乱ビーム492の別の部分は、部分的に反射性の光学窓442を通過して、第3の光路427を通って移動し続けて、第2の光学検知器438によって検知されてもよく、その第2の光学検知器438は、参照光学検知器として機能し得る。
【0080】
図4の実施例において第2の光路436を通って移動する励起ビーム490及び散乱ビーム492の部分は、部分的に反射性の光学窓444に直面する。部分的に反射性の光学窓444に直面する励起ビーム490及び散乱ビーム492の一部分は、第1の光路光路426の中に部分的に反射性の光学窓によって反射されてもよい。第1の光路426の中に反射されたこれらのビームは、第1の光路及び分析中の流体試料の間に配置された光学レンズ428を介して、流体試料に方向付けられる。一部の実施例では、部分的に反射性の光学窓444に直面する励起ビーム490及び散乱ビーム492の別の部分は、ビームダンプ446の中へと部分的に反射性の光学窓を通過してもよい。ビームダンプ446は、第2の光路436から第1の光路426の反対側に位置付けられた光学センサ402の光学的な吸収領域であってもよい。ビームダンプは、その領域の中に方向付けられた光を吸収してもよく、例えば、光が、第1の光路426の中に戻って反射すること及び光学検知器434によって検知されることを防ぐのに役立つ。
【0081】
前に説明したように、光学レンズ428を介して流体試料の中に移動する励起ビーム490は、試料内に蛍光を励起し得、一方で、流体試料の中に移動する散乱ビーム492は、例えば、試料内の懸濁材料、例えば、油または微粒子などによって、散乱し得る。一部の実施例では、励起ビーム490に応答して流体試料によって放出された蛍光は、励起ビーム490または散乱ビーム492のいずれかによって包含される波長または複数波長とは異なる第3の波長にある。分析中の流体試料に応じて、第3の波長は、例えば、約285nm〜約385nmなどの範囲(例えば、300nmよりも大きい、例えば、315nmなどの波長)における、UVまたは近UVスペクトルにあってもよい。蛍光を発した光及び散乱された光は、光学レンズ428によって捕捉することができ、センサ402の第1の光路426の中に再び方向付けられ得る。一部の実施形態では、光学レンズ428は、蛍光を発した及び散乱された光をそれぞれ、放出ビーム494及び散乱されたビーム496の中に実質的に視準するように機能し、それらは、部分的に反射性の光学窓444に向かって、光路426を再び通って移動する。
【0082】
図4の構成では、部分的に反射性の光学窓444は、分析中の流体試料における蛍光を発する分子によって生じられた放出ビーム494の少なくとも一部分、かつまた流体試料によって引き起こされた光散乱によって生じられた散乱されたビーム496の少なくとも一部分を伝送してもよい。放出ビーム494及び散乱されたビーム496は、光学レンズ428を介して光学センサ402に進入し、部分的に反射性の光学窓444に直面する前に第1の光路426を通って移動してもよい。部分的に反射性の光学窓444に影響を及ぼした後、放出ビーム494及び散乱されたビーム496の少なくとも一部分は、部分的に反射性の光学窓を通過して、光学検知器434によって検知されてもよい。
【0083】
一部の実施形態では、部分的に反射性の光学窓444は、分析中の流体試料を光学的に特徴付けるのに望ましいより多くの光または光の波長を第1の光学検知器434に伝送してもよい。例えば、流体試料に到達し、流体試料によって散乱される励起ビーム490の一部分が、第1の光学検知器434に到達し得、流体試料によって放出された蛍光発光に対応するものとして検知され得るように、部分的に反射性の光学窓444は、励起ビーム490の一部分が、そこを通過することを可能にし得る。光学検知器434によって受け取られた及び検知された光を制御するのに役立つように、光学センサ402は、不要な光をフィルタリングによって除去するために、光学レンズ428及び第1の光学検知器434の間に配置された光学フィルタ432を含んでもよい。
図4の実施形態では、光学フィルタ432が、部分的に反射性の光学窓444及び第1の光学検知器434の間に位置付けられる。一部の実施形態では、光学フィルタ432は、第1の光学エミッタ420によって放出された光の実質的に全ての波長(及び、他の実施例では、光の全ての波長)をフィルタリングによって除去するように設計される。これは、蛍光発光を生じない第1の光学エミッタ420によって放出された光が、光学検知器434によって検知されること、ならびに蛍光発光(例えば、光学レンズ428に向かってではなくて、光学検知器434に向かって移動する第1の光学エミッタ420からの光、及び/または蛍光発光を生じるのではなくて、流体試料において散乱する光学エミッタからの光)として特徴付けられることを防ぐのに役立ち得る。光学フィルタ432は、第1の光学エミッタ420からの光に応答して、流体試料から放出された蛍光発光の実質的に全ての(及び、他の実施例では、全ての)波長、ならびに第2の光学エミッタ424からの光に応答して流体試料によって散乱された光の波長を伝送してもよい。
【0084】
第1の光学検知器434は、その上への入射光の強度及び/または他の特性を検知あるいは測定するように構成することができる。説明されるように、第1の光学検知器434は、部分的に反射性の光学窓444を通して流体試料から散乱されたビーム496及び伝送された放出ビーム494の少なくとも一部分を受け取ってもよい。一部の実施形態、例えば、
図3に示されるものなどでは、第1の光学検知器434は、放出ビーム494及び散乱されたビーム496の両方からの光を検知するように構成された単一検知器を備えることができる。かかる配設では、光学センサ402は、第1の光学エミッタ420及び第2の光学エミッタ424を制御して、励起ビーム490及び散乱ビーム492を交互に放出してもよい。(例えば、第2の光学エミッタ424が光を放出していないときに)第1の光学エミッタ420によって放出された光に応答して光学検知器434によって検知された光は、流体試料内に生じられた蛍光発光に起因し得る。逆に、(例えば、第1の光学エミッタ420が光を放出していないときに)第2の光学エミッタ424によって放出された光に応答して光学検知器434によって検知された光は、流体試料によって引き起こされた光散乱に起因し得る。このようにして、単一検知器は、分析中の流体試料から伝播する放出ビーム494及び散乱されたビーム496の両方を検知して分解することができる。
【0085】
前に説明されたように、第1の光学検知器は、流体試料から蛍光を発した光及び少なくとも1つの放出ビーム494として受け取られた光を検知することができる。一部の実施形態では、放出ビーム494の強度が測定され、試料の特質、例えば、蛍光体の濃度を計算することができる。一実施例では、第1の光学エミッタ420からの光が放出して、流体試料に入射する間に、試料からの蛍光を発した光が測定される。別の実施例では、試料からの蛍光を発した光は、第1の光学エミッタ420からの光が放出を中止した後に、受け取られて測定される。これらの実施例では、流体試料によって放出された蛍光は、第1の光学エミッタ420からの放出の持続期間を越えて存続し得る。したがって、第1の光学検知器434は、第1の光学エミッタ420からの光の放出を中止した後に、流体試料からの蛍光発光を受け取ってもよい。一部の実施例では、光学センサ402は、第1の光学エミッタ420による光放出を中止した後、第1の光学検知器434によって検知された蛍光発光の大きさ、及び時間を経たその大きさの変化に基づいて、分析中の流体試料の特質を判断してもよい。例えば、光学センサ402は、流体試料についての蛍光減衰曲線(例えば、時間の関数として蛍光強度)を測定することによって、時間分解蛍光分光法を行ってもよい。これは、第1の光学エミッタ420が光の放出を中止するときから、第1の光学検知器434が、流体からの蛍光発光の検知を中止するときまで、分析中の流体試料からの蛍光発光発出を測定することを含んでもよい。蛍光発光の検知に加えて、流体試料から散乱された光及び散乱されたビーム496の形態でセンサに戻った光はまた、光学検知器434によって検知することができる。
【0086】
一部の実施例では、分析中の流体試料によって放出された蛍光の量は、第1の光学エミッタ420によって試料の中に方向付けられた励起光の量に依存する。同様に、流体試料によって散乱された光の量は、第2の光学エミッタ424によって試料の中に方向付けられた散乱光の量に依存し得る。かかる例では、第1の光学エミッタ420及び/または第2の光学エミッタ424によって放出された光の強度は、例えば、第2の光学検知器438によって、測定することができる。光学センサ402は、次いで、第1の光学エミッタ420及び/または第2の光学エミッタ424によって放出された光の大きさに基づいて、第1の光学検知器434によって検知される蛍光発光及び/または散乱された光の大きさを調節することができる。
【0087】
一部の状況では、
図3の構成における第2の光学エミッタ324によって放出された光が、例えば、光路326、327、336を実質的に充満し得る。一部のかかる事例では、筐体303内の第2の波長の光が、流体試料からの散乱された光の測定値を干渉し得る。すなわち、種々の光路を通って移動する光は、光学検知器334において測定可能な背景信号を結果としてもたらすことができる。大き過ぎる背景信号は、システム内の測定値を不明瞭にし得る。例えば、第2の波長の光の検知された大きい背景信号は、試料、特に、最小限の散乱された光を伴う試料からの、散乱された光を正確に検知することを困難にさせ得る。散乱された光の測定の不正確さは、試料濁度の間違った測定値につながり得る。濁度測定の誤りは、例えば、濃度の蛍光定量的測定値の訂正の誤りにおけるそれ自体を顕在化し得る。
【0088】
一部の実施形態では、光学センサの構成要素が、システムにおける背景光を最小限にするまたは排除するように再び位置付けられ得る。
図5は、光学センサの代替の実施形態の断面図である。
図5のセンサ502は、
図3及び4の例解された実施形態と同様に、第1の光学エミッタ520、第1の光路526、第2の光路536、及び第3の光路537、部分的に反射性の光学窓542及び544、第1の光学検知器534、ならびに第1の参照光学検知器538を含む。例解された実施形態のセンサ502は、第1の光路526に配置された光学エミッタアセンブリ550を備える。光学エミッタアセンブリ550は、光を放出及び/または検知するように構成することができ、一部の実施形態では、第1の光路526を介して流体試料に向かって第2の波長の光を放出するように構成される。
図5のセンサ502は、更に、光学エミッタアセンブリ550及びセンサ/試料インターフェース(図示せず)間にコリメーティングレンズ561を含む。コリメーティングレンズ561は、光が、光学窓及び流体試料(図示せず)に直面する前に、そこを通過する際に、光学エミッタアセンブリ550からの光を実質的に視準することができる。
【0089】
一部の実施形態では、光学エミッタアセンブリが、センサに取り外し可能に取り付けられる。
図6及び7は、それぞれ、光学エミッタアセンブリを受け入れるためのセンサ及び光学エミッタアセンブリを例解する。
図6のセンサ602は、第1の光路626において、穴648を含む。穴648は、そこを通る光学エミッタアセンブリの少なくとも一部分を受け取るように構成することができる。例解される実施形態では、穴648は、部分的に反射性の光学窓644及びセンサ/試料インターフェース(図示せず)の間に位置付けられる。光学エミッタアセンブリが穴648を通って位置付けられるときに、そこから放出された光が、流体試料に直面する前に、実質的に視準され得るように、
図6のセンサ602のコリメーティングレンズ661は、穴648及びセンサ/試料インターフェースの間に位置付けられる。
【0090】
図7は、本発明の一部の実施形態に係る光学エミッタアセンブリの概略図である。図示されるように、光学エミッタアセンブリ750は、そこから延びる突起部767を含むエミッタ筐体765を備える。一部の実施形態では、センサの穴は、突起部767を受け入れるように構成される。例解される実施形態では、アセンブリ750が、光学エミッタアセンブリ750をセンサに固定するための複数の締結具749を含む。締結具749は、例えば、ネジ、ボルト、または任意の他の適切な締結部材を含むことができる。締結具749は、突起部767が筐体の穴の中に少なくとも部分的に延びるように、光学エミッタアセンブリ750をセンサ筐体に固定することができる。
【0091】
図8は、光学エミッタアセンブリ及び光学センサの筐体のアセンブリを例解する分解組立図である。分解組立図に図示されるように、光学エミッタアセンブリ850は、第2の光学エミッタ824からの放出を受け取るように構成された第2の光学エミッタ824及び第2の参照光学検知器839を含むことができる。第2の光学エミッタ824及び第2の参照光学検知器839は、図示されるように、光学エミッタアセンブリ850の筐体865a内に位置付けることができる。一部の実施形態では、筐体865aは、バックプレート865bによって、閉鎖される。バックプレート865bは、例えば、第2の光学エミッタ824及び第2の参照光学検知器839とインターフェースを取るための回路基板を備えることができる。一部の実施形態では、光学エミッタアセンブリ850が、センサ筐体803に取り外し可能に取り付けられ得る。
【0092】
光学エミッタアセンブリ850は、締結具849によって光学センサ802の筐体803に一緒に保持され得る。光学エミッタアセンブリ850は、穴848に最も近い筐体803に係合することができ、その穴を通って、突起部867が少なくとも部分的に延びる。図示されるように、第2の光学エミッタ824が、光を光学センサ802の筐体803の中に放出することができるように、突起部867は、第2の光学エミッタ824を受け入れるように構成することができる。一部の実施形態では、穴848が、光学エミッタアセンブリ850を受け入れるように構成された光学センサ802の受け入れ要素845内に位置付けられ得る。
【0093】
図9は、
図5の9−9線に沿う第1の光路に沿って取られた光学センサ及び取り付けられた光学エミッタアセンブリの断面図である。図示されるように、光学エミッタアセンブリ950は、締結具949によって光学センサ902の筐体903に固定される。前述したように、第2の光学エミッタ924が、部分的に反射性の光学窓944及びコリメーティングレンズ961の間でセンサ902の第1の光路926内にあるように、光学エミッタアセンブリ950が、位置付けられる。例解される実施形態では、第2の光学エミッタ924は、光学エミッタアセンブリ950の筐体965a内に囲まれる。一部の実施形態では、光学エミッタアセンブリ950の筐体965aは、複数の経路を画定する。図示されるように、筐体965aは、コリメーティングレンズ961及びその後、流体試料に向かって、第2の光学エミッタ924からの光を方向付けるように設計された第2のエミッタ経路973を画定する。筐体965aは、第2の参照光学検知器939に向かって第2の光学エミッタ924からの光を方向付けるように設計された第2のエミッタ参照経路975を画定することができる。例解される実施形態では、光学エミッタアセンブリ950の筐体965aが、さもなければ第2の光学エミッタ924を囲み、それによって、第2の光学エミッタ924からの光が、迷光を光学センサの光路の中に望ましくなく放出することを防ぐ。筐体965aは、追加的に、第2の参照光学検知器939に到達する迷光の量を低減することができ、それは、第2の光学エミッタ924から放出された光のより正確な参照測定値を結果としてもたらすことができる。
【0094】
第2の光学エミッタ924からの光が、センサを望ましくなく充満することを防ぐ多くの構成が認識される。例えば、センサ902及び/または光学エミッタアセンブリ950は、第2の光学エミッタ924及び光学検知器(例えば、
図5の534)の間に配置された1つ以上の光学シールドを含むことができる。一部の実施形態では、シールド(複数可)は、第2の光学エミッタ924及び部分的に反射性の光学窓944の間に配置することができる。一部の事例では、1つ以上のシールドは、光が、第2の光学エミッタから光学検知器に向かって放出されることを防ぐように機能する、光学エミッタアセンブリ950の筐体965aを備える。シールド(複数可)は、光が、第2の光学エミッタ924から光学検知器934に向かって放出されることを防ぐために、実質的に囲まれた容積、例えば、筐体965aなどを備えることができる。1つ以上のシールドは、光が、第2の光学エミッタから第1の光路を通って第1の光学検知器に向かって放出されることを実質的に防ぐように機能することができる。すなわち、第2の光学エミッタによって放出された光の一部分が、最初に、第1の光学検知器に向かって放出されてもよいが、光のかかる部分は、1つ以上のシールドによって、第1の光学検知器に到達することが防がれる。
【0095】
一部の実施形態では、光学エミッタアセンブリ950が、バックプレート965bを含み、それは、実質的に囲まれた容積を画定するように更に機能することができる。バックプレート965bは、筐体965aと組み合わせて、第2の光学エミッタ924及び第2の参照光学検知器939の一方または両方を囲むことができる。一部の実施形態では、バックプレート965bは、第2の光学エミッタ924及び第2の参照光学検知器939の一方または両方とインターフェースを取るために回路基板を備えることができる。例解される実施形態では、バックプレート965bが、それぞれ、第2の光学エミッタ924及び第2の参照光学検知器939と電気的にインターフェースを取るために、そこを通り抜ける導体925及び941を有するように示される。
【0096】
図10A及び10Bは、
図6の光学センサを通る光の流れの実施例を例解する概念図である。
図4に示されるように及び
図4を参照して上記に説明されるように、第1の光学エミッタ1020は、励起ビーム1090とも称される第1の波長の光を放出するように構成される。励起ビーム1090は、第2の光路1036の中に放出され、そこで、それが部分的に反射性の光学窓1042に直面し、それは、励起ビーム1090の一部分を第1の参照光学検知器1038に向かって反射する。励起ビーム1090の別の部分は、部分的に反射性の光学窓1042を通して第2の部分的に反射性の光学窓1044に伝送され、それは、励起ビーム1090の一部分を第1の光路1026の中に、ならびに光学窓1028及び流体試料(図示せず)に向かって、反射する。一部の構成では、流体試料に向かって第1の光路1026を通って伝播するが、励起ビームの一部分は、光路1026において光学エミッタアセンブリ1050に直面し得る。一部の実施形態では、光学エミッタアセンブリ1050が、励起ビームの一部分が、光学窓1028に到達することを阻止する。
【0097】
本明細書のどこかに記述したように、励起ビーム1090は、試料において蛍光流体を励起することができ、それは、放出ビーム1094として、光学窓1028を介してセンサ1002に進入することができる。放出ビーム1094は、光路1026を通って光学検知器1034まで移動することができ、そこで、そのビームは、分析され得る。励起ビームとして測定された蛍光発光の強度は、発光を励起する励起ビームの強度に依存し得るので、測定された放出ビーム1094が、第1の参照光学検知器1038において励起ビーム1090の測定された部分と比較され得る。比較は、流体試料についての情報、例えば、蛍光体の濃度などを提供するために使用することができる。
【0098】
一部の実施形態では、光学エミッタアセンブリ1050は、第2の波長の光を放出するように構成され、それは、散乱ビーム1092と称され得る。散乱ビーム1092は、光路1026、コリメーティングレンズ1061、及び光学窓1028を介して、光学エミッタアセンブリ1050から流体試料に向かって、方向付けることができる。散乱ビーム1092は、その後、試料から散乱することができる。散乱された光の一部分は、光学窓によって受け取られ得、散乱されたビーム1096として、光路1026の中に再び方向付けられ得る。散乱されたビーム1096は、分析のために光路1026を通して検知器1034に伝播することができる。測定された散乱されたビーム1096は、例えば、流体試料の濁度を判断するために使用することができる。濁度は、流体試料の蛍光に影響を与え得、したがって、蛍光計測測定値と、それゆえ、それに基づく濃度測定値とを訂正するために測定及び使用することができる。
【0099】
一部の実施形態に係る散乱ビームの光の流れが、
図10Bに例解される。例解された実施形態によれば、第2の光学エミッタ1024は、光学エミッタアセンブリの筐体1065aによって実質的に囲まれる。本明細書に使用される際、実質的に囲まれることは、筐体が光学エミッタを囲み、それにより、そこから放出された光が、単に、予め構成した経路を介して筐体から漏れることを表すように意図される。筐体は、第2のエミッタ経路1073及び第2のエミッタ参照経路1075を画定し、それを通して、第2の光学エミッタ1024から放出された光(すなわち、散乱ビーム1092)が伝播することができる。例えば、散乱ビームは、
図10Aに示されるように、第2のエミッタ経路1073を通って、筐体1065a及び光学エミッタアセンブリ1050の外へ、かつ流体試料に向かって、伝播することができる。散乱ビーム1092は、試料から散乱し得、散乱されたビーム1096としてセンサ1002の中に戻り得、前に説明したように、検知器1034によって検知され得る。
【0100】
記述したように、散乱されたビームの測定値は、試料の濁度に関する情報を提供することができ、それは、蛍光計測測定値を訂正するために使用することができる。しかしながら、一部の構成では、散乱されたビーム1096の測定値は、試料の濁度のみならず、散乱ビーム1092の強度にも依存する。したがって、
図10Bに示されるように、光学エミッタアセンブリ1050の筐体1065aは、第2のエミッタ参照経路1075を含み、それを介して、第2の光学エミッタ1024からの光が、第2の参照光学検知器1039に向かって、方向付けられる。第2の参照光学検知器1039は、第2の光学エミッタ1024によって放出された光の強度を判断することができる。かかる測定は、試料の濁度をより正確に判断するために、検知された散乱されたビーム1096と比較され得る。
【0101】
光学エミッタアセンブリ1050内に、第2の光学エミッタ1024及び第2の参照光学検知器1039を提供することは、不要な光が光学センサの光路に進入することを低減するように機能し得る。例えば、
図10Bの筐体1065aは、第2の光学エミッタ1024から放出された光が、流体試料に向かって第2のエミッタ経路1073のみを介して、散乱ビーム1092として筐体1065aを出ることを可能にする。追加的に、
図10Bの筐体1065aは、第2の参照光学検知器1039が、第2のエミッタ参照経路1075のみを介して光を受け取るように構成される。したがって、第2の参照光学検知器1039は、第2の光学エミッタ1024のみから光を受け取り、第2の参照光学検知器1039によって受け取られる雑音を低減する。
【0102】
加えて、第2のエミッタ経路1073を介して流体試料に向かって第2の光学エミッタ1024から直接的に光を放出することは、流体試料において比較的強い散乱ビーム1092を結果としてもたらすことができる。比較によって、例えば、
図4におけるもののような構成では、散乱ビーム496が、潜在的に、部分的に反射性の光学窓442及び444によって分割され、放出された光の一部分のみが、流体試料に方向付けられる。それゆえ、例えば、
図10Bに示されるような構成では、流体試料に方向付けられる光の相対強度は、他の構成と比較されるときに、より大きい可能性がある。一部の状況では、受け取られる光の相対強度
【0103】
したがって、一部の構成では、第1の光路1026に配置された光学エミッタアセンブリ1050から試料に向かって散乱ビーム1092を放出することは、試料への散乱ビーム1092、及びそれゆえ、散乱されたビーム1096の信号強度を改善することができる。追加的に、光学エミッタアセンブリ1050の筐体1065a内に第2の参照光学検知器1039を位置付けることは、第2の参照光学検知器1039において検知される雑音の低減を結果としてもたらすことができる。一部の状況では、かかる構成は、流体試料の濁度の判断における改善された正確さに導くことができる。試料濁度の改善された測定は、前述したように、測定された蛍光からの濃度の判断における濁度訂正の正確さを向上させることができる。
【0104】
本開示に従う光学センサは、システム(例えば、
図1の流体システム100)の一部として使用されることができ、それにおいて、センサは、データをセンサから受け取るために及びデータをセンサに送信するためのコントローラに通信可能に連結される。コントローラは、一体化構成要素、例えば、マイクロコントローラなど、または外部構成要素、例えば、コンピュータなどを含んでもよい。コントローラは、第1及び第2の光学エミッタ、ならびに種々の光学検知器と通信することができる。コントローラは、第1及び第2の光学エミッタを制御して、それぞれ、第1の波長及び第2の波長における光を放出するように構成することができる。記述したように、第1の波長は、流体試料内で蛍光を励起してもよく、一方で、第2の波長は、流体試料から散乱してもよい。コントローラはまた、光学検知器を制御して、流体試料によって放出された蛍光発光と、また、試料によって散乱された光とを検知するように構成することができる。コントローラは、更に、検知された蛍光発光に基づいて、流体試料の少なくとも1つの特質を判断するように構成することができる。例えば、コントローラは、光学センサによって生成されたデータ及びコントローラと関連付けられたメモリに記憶された情報、例えば、数式に基づく計算、ルックアップテーブルにおいて見つけ出すこと、または当分野において既知の任意の他の方法などに基づいて、流体試料の特質を判断してもよい。
【0105】
一部の実施形態では、コントローラは、更に、1つ以上の追加的な測定値に基づいて、少なくとも1つの特質の判断を調節するように構成することができる。例えば、コントローラは、試料の測定された濁度に基づいて、少なくとも1つの特質の判断を調節することができ、それは、試料から散乱された検知された光から判断することができる。更に、コントローラは、1つ以上の参照光学検知器によって、光学エミッタから放出された光を検知して、参照測定値を定めるように構成することができる。コントローラは、試料からの検知された光を1つ以上の参照光学検知器において検知された光と比較して、相対測定値を判断することができ、その値は、少なくとも1つの特質を判断する際に使用することができる。
【0106】
一部の実施例では、第1の光源が、光を第1の参照光学検知器及び流体試料に方向付け、その場合、それは、蛍光を引き起こし、その蛍光は、第1の光学検知器によって検知される。第2の光源は、光を第2の参照光学検知器及び流体試料に方向付けるように構成することができ、その場合、その光は、流体試料から少なくとも部分的に散乱し、第2の光学検知器において検知される。コントローラは、第1の光学検知器において検知された光及び第1の参照光学検知器において検知された光を比較して、相対蛍光測定値を判断するように構成することができる。同様に、コントローラは、第2の光学検知器及び第2の参照光学検知器において検知された光を比較して、相対濁度測定値を判断することができる。かかる構成では、コントローラは、相対蛍光測定値及び相対濁度測定値の組み合わせに基づいて、流体試料の少なくとも1つの特質を判断することができる。
【0107】
第1及び第2の光学エミッタを交互に連続的に起動して動作させる適用では、コントローラが、各光学エミッタからの光放出の頻度及び持続期間を調整することができる。加えて、センサが、1つ以上の参照光学検知器を含む実施形態では、コントローラは、第1及び第2の光学エミッタからの光を検知することができ、この検知された光を使用して、第1の光学検知器によって検知された光を較正することができる。
【0108】
一部の実施例では、本開示に係る光学センサはまた、1つ以上の非光学センサを含む。例示的な非光学センサとして、pHセンサ、伝導率センサ、及び温度センサが挙げられるが、それらに限定されない。非光学センサからのデータは、分析中の試料の非光学的な特質を判断するために使用することができる。一部の実施形態では、1つ以上の非光学センサからのデータは、流体試料からの蛍光発光の測定値を調節して、試料の1つ以上の特質を判断するために使用することができる。例えば、温度センサは、蛍光への温度影響について訂正するためにセンサ本体内に、ならびに電子機器及び/または検知器上に搭載することができる。他の実施例では、非光学センサからのデータが、光学センサデータを使用して流体試料を監視すること及び/または流体プロセスを制御することに加えてあるいは代えて、流体試料を監視すること及び/または流体プロセスを制御するために使用されてもよい。
【0109】
記述したように、一定の実施形態では、本開示に係る光学センサは、1つ以上の波長における試料から蛍光を発した光及び更に別の波長における試料から散乱された光を検知してもよい。光学センサはまた、追加的な特質、例えば、流体試料の非光学的な特質などを検知してもよい。光学センサによって生成されたデータは、試料の少なくとも1つの特質を計算またはさもなければ判断するために使用することができる。かかるデータは、同時に、順々に交互に、または組み合わせて、受け取られ得、その組み合わせでは、全てではないが一部のデータが、同時に受け取られ得る。
【0110】
少なくとも1つの特質を判断することに寄与する受け取られたデータは、複数のチャネルにおいて受け取られ得る。チャネルは、1つ以上の蛍光チャネル及び散乱チャネルを備える光学チャネルとすることができるが、例えば、1つ以上の非光学センサから受け取られるデータなどのデータチャネルもまた含むことができる。光学チャネルは、例えば、波長帯域によって、画定され得る。したがって、一部の実施形態では、第1の蛍光を発した波長の形態で受け取られたデータは、第1の蛍光性チャネルにおいて受け取られたデータであり、一方で、試料から散乱された光の形態で受け取られたデータは、散乱チャネルにおいて受け取られたデータである。それゆえ、種々の実施形態では、光学センサは、第1の光路を介して光学チャネルの任意の組み合わせにおいて、同時に及び/または交互に、ならびに追加的に、1つ以上の非光学センサから非光学チャネルにおいて、データを受け取ることができる。加えて、前に説明したように、第1または第2の参照光学検知器は、第1の光学検知器において、測定値の較正のために使用される第1または第2の光学エミッタからの光を受け取ることができる。それゆえ、参照光学検知器において受け取られるデータは、1つ以上の較正チャネルにおいて受け取られることができる。一部の実施例では、第1及び第2の参照光学検知器は、電気的に並列に接続することができる。かかる実施形態では、第1及び第2の参照光学検知器のそれぞれは、単一参照チャネルにおいて、参照信号を提供することができる。
【0111】
光学センサが流体試料から受け取った蛍光発光を検知し、かつまた流体試料から受け取られた散乱された光を検知する単一光学検知器を含む適用では、第1及び第2の光学エミッタが、交互に連続的に起動及び停止してもよい。これは、光学検知器によって生成されたデータが、検知された蛍光発光に対応する蛍光発光データ及び検知された散乱された光に対応する散乱データに分解されることを可能にし得る。他の実施例では、光学センサは、流体試料から受け取られた蛍光発光を検知し、かつ流体試料から受け取られた散乱された光を検知する複数の光学検知器を含むことができる。例えば、光学センサは、流体試料から受け取られた蛍光発光を検知する1つの光学検知器、及び流体試料から受け取られた散乱された光を検知する別の光学検知器を含んでもよい。
【0112】
参照によって組み込まれる米国特許出願第14/039,683号に更に説明されるように、
図11A及び11Bは、光学センサ、例えば、
図2〜10の光学センサなどにおいて使用されることができる代替の光学検知器の配設例を例解する。一般に、
図5A及び5Bは、複数の光学検知器要素(例えば、1152、1153、1155、1156、1157)を光路1126に組み込むための種々の構成を例解する。組み込まれる適用に説明されるように及び本明細書のどこかに説明される他の構成に類似して、部分的に反射性の光学ウィドー(例えば、1151、1154、1157)及び光学フィルタ(例えば、1123)は、光をフィルタリングし、分離し、及び適切な光学検知器要素に方向付けるために使用することができる。例えば、蛍光を発した光及び散乱された光は、蛍光を発した及び散乱された光を同時に測定するために、部分的に反射性の光学窓によって、別個の光学検知器要素に方向付けられてもよい。多くの異なる構成が、可能であり、本開示の範囲内にある。参照によって組み込まれる米国特許出願第14/039,683号に更に説明されるように、本開示に係る光学センサは、特定の適用または構成における使用のための要件を満たすように修正することができる。例えば、
図12A〜12D(組み込まれる出願の
図6A〜6D)は、流体容器との使用のために種々の構成要素に取り付けられたセンサを例解する。かかる図面はまた、本開示に係る任意のセンサによって使用され得る異なるセンサ構成要素及び物理的配設を例解する。組み込まれる出願に説明されるように、種々のセンサ配設が、本発明の範囲から逸脱することなく、実装され得る。更に、本発明の実施形態は、搭載ディスク、プレス嵌めインサート、フランジなどによって、種々の流体容器に適合され得る。
【0113】
種々の実施形態及びセンサの構成が説明された。
図13は、本開示に係る光学分析技法のプロセスフロー図である。
図13は、センサが、第1の波長1381における光を第1の光学エミッから光路を通して、流体試料の中に、放出するプロセスを例解する。光路は、センサの筐体によって画定される。センサは、第1の参照光学検知器において、第1の光学エミッタによって放出された光を検知するように構成される1382。一部の実施形態では、蛍光発光は、第1の光学エミッタによって放出された光によって励起される。それゆえ、一部の構成では、センサはまた、光学検知器において、光路を通して、流体試料によって放出された蛍光発光を受け取る1383。センサは、第1の光学エミッタから放出された光を受け取られた蛍光発光と比較することができる1384。比較は、試料への第1の波長入射の光の強度に対する蛍光を発した光の量に関する情報を提供することができる。一部の実施例では、比較は、相対蛍光測定値を判断するために、行ってもよい。
【0114】
センサは、第2の光学エミッタから、光路を通して、流体試料の中に、第2の波長における光を放出するように構成することができる1385。一部の構成では、第2の波長の光が、第1の波長の光と同じ光路を介して試料に方向付けられる。センサは、第2の波長において放出された光を第2の参照光学検知器において検知することができる1386。センサはまた、光学検知器において、光路を通して、流体試料によって散乱された光を受け取ることができる1387。第1の波長の光を用いて上記で参照したプロセスに類似して、センサは、第2の光学エミッタから放出された光を受け取られた散乱された光と比較することができる1388。比較は、試料への第2の波長入射の光の強度に対する散乱された光の量に関する情報を提供することができる。一部の実施例では、比較は、相対濁度測定値を判断するために、行ってもよい。
【0115】
一部の実施形態では、センサは、比較された蛍光を発した及び散乱された光に基づいて、試料の少なくとも1つの特質を判断するように構成することができる1389。一部の実施例では、センサは、流体試料の成分の濃度を判断することができる。例えば、一部の事例では、流体試料からの相対蛍光測定値が、試料内の蛍光体の濃度を示している。しかしながら、一部の状況では、試料の濁度は、試料の蛍光性特性への影響を有し得る。相対濁度測定値は、試料の濁度を判断するために使用することができる。それゆえ、一部の実施例では、濁度を示している比較された散乱された光は、比較された蛍光を発した光に基づいて、蛍光体濃度の判断を調節するために使用することができる。一般に、相対蛍光測定値及び相対濁度測定値は、流体試料の少なくとも1つの特質を判断するために、組み合わせることができる。
【0116】
種々のステップが、
図13の方法に関して追加され得、省略され得、変更され得、または同時に行われ得ることが認識される。例えば、
図13のプロセスに説明されるように、光は、流体試料の中に第1の波長及び第2の波長において放出され、ならびに単一光路を介して、流体試料から受け取られる。受け取られた光は、試料から散乱され得、及び一部の実施形態では、試料から散乱された第2の波長の光を含む。受け取られた光はまた、試料から蛍光を発した光の形態とすることができ、それは、第1の波長の光によって引き起こされ得る。前述したように、一部の実施形態では、センサは、試料によって散乱された及び試料から蛍光を発した光の違いを、それらが光学検知器に同時に入射する場合に、解明することができない。それゆえ、一部の実施形態では、第1の波長における光の放出が、第2の波長における光の放出1385の前に中止される。同じ理由のために、プロセスが繰り返される場合には、一部の実施形態では、第2の波長における光の放出が、第1の波長における光の放出1381の前に中止される。
【0117】
更なる実施形態では、第1の波長における光の放出が、光学検知器における有用な蛍光発光の受け取りの前に中止される。これは、例えば、試料が、異なる持続期間、蛍光を発する複数の蛍光種を含有する場合、1つの種からの蛍光が別の種からの蛍光よりも長く存続するように、行われ得る。長く存続する種からの蛍光が測定されることが望まれる一方で、短く存続する種からの蛍光が外部からのものである場合、第1の波長における光の放出を中止して、短く存続する種によって励起された蛍光が静まるのを待って、次いで、長く存続する種に起因し得る残りの蛍光発光を測定することが有利であり得る。光学検知器は、第1の波長の光が放出されている間に、試料から蛍光発光を受け取っていてもよいが、蛍光を発した光の測定値は、適切な時間まで無視してもよいし、または無視しなくてもよいことに留意されたい。
【0118】
図13に概説されたプロセスは、センサを備えるシステム内のコントローラによって行うことができることが認識される。コントローラは、第1または第2の光学エミッタのいずれかからの光の放出のタイミング及び持続期間、ならびに流体試料からの光の受け取りのタイミングを制御するためのプロセッサを含むことができる。すなわち、コントローラは、試料の少なくとも1つの特質を適切に判断できることを妨害し得る外部の光が存在するときに、受け取られた光を無視するようにプログラムすることができる。コントローラは、蛍光を発した光、散乱された光から受け取られたデータ、及びそれが受け取って、試料の少なくとも1つの特質を計算するまたはさもなければ判断するか、あるいはその特質の判断を調節する任意の他のデータを利用することができる。
【0119】
例示的なセンサが、説明された。一部の実施形態は、マルチチャネル蛍光定量的センサを備え、それにおいて、試料からの蛍光が、少なくとも1つの蛍光チャネルにおいて励起され、検知され、検知された蛍光は、試料の特質を判断するために使用される。他の要因、例えば、試料から散乱された光など、または追加的な非光学測定値は、蛍光検知を補足するために、及び試料の蛍光の潜在的な変動を考慮するために使用することができる。センサは、エミッタ及び検知器の制御を自動化するための、ならびに測定されたデータから試料の特質を計算するまたはさもなければ判断するためのコントローラを備えるシステムの一部分とすることができる。センサは、容器の中に固定され得、その容器内に、特徴付けられる流体試料が、存在するかまたは通って流れる。
【0120】
本開示に説明された技法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて、少なくとも部分的に、実装されてもよい。例えば、説明された技法の種々の態様は、1つ以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または任意の他の等価集積もしくは個別の論理回路、ならびにかかる構成要素の任意の組み合わせを含む、1つ以上のプロセッサ内に実装されてもよい。「プロセッサ」または「コントローラ」という用語は、一般に、単独で、あるいは他の論理回路、または任意の他の等価回路と組み合わせて、前述の論理回路のいずれかを言い得る。ハードウェアを備える制御ユニットはまた、本開示の技法の1つ以上を行ってもよい。
【0121】
かかるハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアは、本開示において説明された種々の動作及び機能を支援するために、同じデバイス内または別個のデバイス内に実装されてもよい。加えて、説明されたユニット、モジュール、または構成要素のいずれも、一緒に、あるいは個別であるが相互運用可能な論理デバイスとして別個に実装されてもよい。モジュールまたはユニットとしての異なる特徴の描写は、異なる機能的態様を強調することを意図され、かかるモジュールまたはユニットが、別個のハードウェアまたはソフトウェア構成要素によって実現される必要がないことを必ずしも暗示しない。むしろ、1つ以上のモジュールまたはユニットと関連付けられた機能は、別個のハードウェアもしくはソフトウェア構成要素によって果たされてもよいし、または共通もしくは別個のハードウェアまたはソフトウェア構成要素内に一体化されてもよい。
【0122】
本開示に説明された技法はまた、命令を含有する、非一時的なコンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータ可読記憶媒体などに具体化または符号化されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体内に埋め込まれたまたは符号化された命令は、プログラム可能なプロセッサ、または他のプロセッサに、例えば、命令が実行されるときに、方法を行わせ得る。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能な読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電子的に消去可能でプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク、CD−ROM、フロッピーディスク、カセット、磁気媒体、光学媒体、または他のコンピュータ可読媒体を含む、揮発性及び/または不揮発性メモリ形態を含んでもよい。
【0123】
以下の例は、流体試料内の構成要素の濃度を判断するために使用されるシステムにおける光学センサについての追加的な詳細を提供し得る。
以下の項目[1]〜[24]に、本発明の実施形態の例を列記する。
[1]
第1の光路であって、前記光路に光学的に接続された光学窓を通して分析中の流体試料の中に光を方向付け、前記光学窓を通して前記流体試料から光を受け取るように構成された、第1の光路と;
前記第1の光路を通して前記流体試料の中に、第1の波長の光を放出するように構成された、第1の光学エミッタと;
前記第1の光路に光学的に連結され、かつ前記第1の光路を通して前記流体試料から光を受け取るように構成された、第1の光学検知器と;
前記光学センサに連結され、前記第1の光路内に少なくとも部分的に配置された光学エミッタアセンブリであって、前記第1の光路の中に、及び前記光学窓に向かって、第2の波長の光を放出するように構成された第2の光学エミッタを備える、光学エミッタアセンブリと
を備える、光学センサ。
[2]
前記第1の光路内の前記光学エミッタアセンブリは、前記第1の光学エミッタからの光の一部分が、前記光学窓に到達することを阻止する、項目1に記載のセンサ。
[3]
前記第1の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部分を受け取るように構成された、第1の参照光学検知器と;
前記第2の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部分を受け取るように構成され、前記光学エミッタアセンブリ内に位置付けられた、第2の参照光学検知器と、
を更に備える、項目1に記載のセンサ。
[4]
前記光学エミッタアセンブリは、前記第1の光路を通って前記第1の光学検知器に向かって前記第2の光学エミッタから光が放出されることを実質的に防ぐためのシールドを更に備える、項目1〜3のいずれか一項に記載のセンサ。
[5]
前記光学エミッタアセンブリは、前記光学センサに取り外し可能に連結される、項目1〜4のいずれか一項に記載のセンサ。
[6]
前記シールドは、実質的に囲まれた容積を含む、項目1〜4のいずれか一項に記載のセンサ。
[7]
前記第2の光学エミッタは、前記実質的に囲まれた容積の中に前記第2の波長の光を放出するように構成され、前記第2の参照光学検知器は、前記実質的に囲まれた容積内に配置される、項目1〜6のいずれか一項に記載のセンサ。
[8]
前記第2の光学エミッタと前記光学窓の間に配置されたコリメーティングレンズであって、前記第2の光学エミッタから放出された前記光を前記光学窓に向かって実質的に視準するように構成されたコリメーティングレンズを更に備える、項目1に記載のセンサ。
[9]
前記第1の光路に約90度の角度で交差する第2の光路を更に備え、前記第1の光学エミッタは、前記第2の光路の中に光を放出するように構成される、項目1に記載のセンサ。
[10]
前記第1の光路と前記第2の光路の間の交差部に位置付けられた第1の部分的に反射性の光学窓であって、前記第1の光学検知器によって放出された光の少なくとも一部分を前記第1の光路の中に及び前記流体試料に向かって方向付けるように構成された、第1の部分的に反射性の光学窓を更に備える、項目1〜9のいずれか一項に記載のセンサ。
[11]
前記第2の光路内に配置された第2の部分的に反射性の光学窓であって、前記第1の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部を前記第1の参照光学検知器に向かって方向付けるように構成された第2の部分的に反射性の光学窓を更に備える、項目1〜10のいずれか一項に記載のセンサ。
[12]
前記光学エミッタアセンブリは、前記第1の部分的に反射性の光学窓と前記光学窓の間の前記第1の光路において前記光学センサに取り外し可能に取り付けられる、項目1〜10のいずれか一項に記載のセンサ。
[13]
分析中の流体試料と光学的に連通する光学センサを位置付けることであって、前記光学センサは、
第1の光学エミッタと、
第2の光学エミッタと、
第1の光路と、
光学検知器と、
前記光学センサ及び前記流体試料を光学的に連結する光学窓と
を備える、ことと;
前記第1の光学エミッタによって、前記第1の光路及び光学インターフェースを通して、前記流体試料の中に、第1の波長の光を放出することと;
前記流体試料によって放出された蛍光発光を、前記第1の光路を通して、前記光学検知器によって検知することと;
第2の光学エミッタによって、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光を、前記第1の光路を通して前記分析中の流体試料の中に放出することであって、前記第2の光学エミッタは第1の光路内に位置付けられている、ことと;
前記流体試料によって散乱された光を、前記第1の光路を通して、前記光学検知器によって検知することと、を含む、方法。
[14]
前記光路を通して前記第1の波長の光を放出することは、前記光学検知器と前記光学窓の間で前記第1の光路に約90度の角度で交差する第2の光路の中に前記第1の波長の光を方向付けることを含む、項目13に記載の方法。
[15]
前記光学センサは、前記第1及び第2の光路の交差部に配置された部分的に反射性の光学窓を更に備え、それにより:
前記第2の光路の中に方向付けられた前記第1の波長における前記光の少なくとも一部分が、前記部分的に反射性の光学窓によって、前記第1の光路の中に、及び前記流体試料へと反射され;かつ
前記流体試料から前記光学窓を通して前記第1の光路の中に方向付けられた前記光の少なくとも一部分が、前記部分的に反射性の光学窓を通して光学検知器まで伝送される、項目13又は14に記載の方法。
[16]
前記試料から検知された前記蛍光発光に基づいて、前記流体試料の少なくとも1つの特質を判断することを更に含む、項目13に記載の方法。
[17]
前記少なくとも1つの特質は、前記試料の蛍光体濃度である、項目13〜16のいずれか一項に記載の方法。
[18]
前記流体試料によって散乱され検知された前記光に基づいて、前記流体試料の前記濁度を判断することを更に含む、項目13〜16のいずれか一項に記載の方法。
[19]
前記流体試料の前記少なくとも1つの特質を判断することは、前記流体試料の前記判断された濁度に更に基づく、項目13〜18のいずれか一項に記載の方法。
[20]
前記光学センサは、前記第1の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部分を受け取るように構成された第1の参照光学検知器と、前記第2の光学エミッタから放出された前記光の少なくとも一部分を受け取るように構成された第2の参照光学検知器と、を更に備え、前記流体試料の前記少なくとも1つの特質を判断することは、前記第1の参照光学検知器から検知された前記光及び前記第2の参照光学検知器から検知された前記光に更に基づく、項目13〜19のいずれか一項に記載の方法。
[21]
前記光学センサは、取り外し可能な光学エミッタアセンブリを更に備え、前記取り外し可能な光学エミッタアセンブリは、前記第2の光学エミッタ及び前記第2の参照光学検知器を備える、項目13〜20のいずれか一項に記載の方法。
[22]
前記取り外し可能な光学エミッタアセンブリを前記第1の光路の近傍で前記光学センサに連結することを更に含む、項目13〜21のいずれか一項に記載の方法。
[23]
前記第1の光学検知器において検知された前記光及び前記第1の参照光学検知器において検知された前記光を比較して、相対蛍光測定値を判断することと;
前記第2の光学検知器及び前記第2の参照光学検知器において検知された前記光を比較して、相対濁度測定値を判断することと、
を更に含み、
前記試料から検知された前記蛍光発光に基づいて、前記流体試料の少なくとも1つの特質を判断することは、前記相対蛍光測定値及び前記相対濁度測定値を組み合わせることを含む、項目13〜20のいずれか一項に記載の方法。
[24]
前記第1の参照光学検知器及び前記第2の参照光学検知器は電気的に並列に接続され、参照信号を単一電気チャネルに提供する、項目13〜20のいずれか一項に記載の方法。