(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1のホルダは、前記バックプレートの背面側に配置されるとともに、前記第1のホルダ及び前記第2のホルダの相対移動方向に延在する直線方向に沿って前記バックプレートにスライド可能に支持されたスライドプレートを有することを特徴とする請求項2又は3に記載のコネクタ着脱装置。
前記スライドプレートは、前記第2のホルダに対する離間方向にスライドされた際に閉鎖状態にある1対のクランプの側面に当接して該閉鎖状態をロックする1対のロック部を有することを特徴とする請求項4に記載のコネクタ着脱装置。
前記スライドプレートは、前記第2のホルダに対する近接方向にスライドされた際に前記1対のクランプの前記突片を前記第2のホルダ側に押圧して前記クランプを開放方向へ回動させる1対の押圧部を有することを特徴とする請求項4又は5に記載のコネクタ着脱装置。
前記移動手段を作動させ、前記第1のホルダと前記第2のホルダの相対位置を離間方向へ変化させることにより、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの前記嵌合を解除し抜去する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載のコネクタ着脱方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記文献記載の装置は、着脱プレート(5,6,19,20)を挿入ガイド(2,11)の凹部(3,4,17,18)に遊嵌させることにより装着する構造であるため、着脱プレート(5,6,19,20)は挿入ガイド(2,11)内でがたつく虞があり、コネクタ同士を精度高く連結することができない場合がある。
【0007】
本発明は、上記従来の問題を解消し、コネクタの装置への取り付け及び装置からの取り外しを容易に行うことができ、しかもコネクタをがたつきなく保持してコネクタ同士を精度よく連結することができるコネクタの着脱装置及び着脱方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明のコネクタ着脱装置は、互いに着脱可能な第1のコネクタ及び第2のコネクタの接続と抜去とを行うコネクタ着脱装置であって、第1のコネクタを保持する第1のホルダと、第1のホルダに対向して配置されるとともに、第2のコネクタを保持する第2のホルダと、第1のコネクタと第2のコネクタとの相対位置を変化させて接続及び抜去を行うように、第1のホルダ及び第2のホルダの少なくとも一方を移動させる移動手段と、を備え、少なくとも第1のホルダは、第1のコネクタの側方に開閉自在に配置され、開放された状態では、第2のホルダに対向する側からの第1のコネクタの導入を可能とし、閉鎖された状態では第1のコネクタの少なくとも側面に係合する1対のクランプを有するものである。
【0009】
なお、本発明のコネクタ着脱装置にあっては、第1のホルダは、1対のクランプの、第2のホルダに対する遠位端部側を回動中心として1対のクランプを回動可能に支持するバックプレートを有し、各クランプの遠位端部には、第1のコネクタの導入時に該第1のコネクタに当接して該クランプを閉鎖方向に回動させる突片が形成されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明のコネクタ着脱装置にあっては、バックプレートは、第1のコネクタの導入を案内するガイド部を有することが好ましい。
【0011】
さらに、本発明のコネクタ着脱装置にあっては、第1のホルダは、バックプレートの背面側に配置されるとともに、第1のホルダ及び第2のホルダの相対移動方向に延在する直線方向に沿ってバックプレートにスライド可能に支持されたスライドプレートを有することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明のコネクタ着脱装置にあっては、スライドプレートは、第2のホルダに対する離間方向にスライドされた際に閉鎖状態にある1対のクランプの側面に当接して該閉鎖状態をロックする1対のロック部を有することが好ましい。
【0013】
さらに、本発明のコネクタ着脱装置にあっては、スライドプレートは、第2のホルダに対する近接方向にスライドされた際に1対のクランプの突片を第2のホルダ側に押圧してクランプを開放方向へ回動させる1対の押圧部を有することが好ましい。
【0014】
加えて、本発明のコネクタ着脱装置にあっては、1対のクランプは第1のコネクタの正面部に係合する前壁を有することが好ましい。
【0015】
また、上記課題を解決するための本発明のコネクタ着脱方法は、上記コネクタ着脱装置を用いて第1及び第2のコネクタの接続と抜去とを行うコネクタ着脱方法であって、第1のホルダの開放状態にある1対のクランプの間に、第2のホルダに対向する側から第1のコネクタを導入する工程と、1対のクランプを閉鎖し、該クランプを第1のコネクタの少なくとも側面に係合させることにより第1のホルダへ第1のコネクタを装着する工程と、移動手段を作動させ、第1のホルダと第2のホルダの相対位置を近接方向へ変化させることにより、第1のコネクタと第2のコネクタとを嵌合させ接続を行う工程と、を含むものである。
【0016】
なお、本発明のコネクタ着脱方法にあっては、移動手段を作動させ、第1のホルダと第2のホルダの相対位置を離間方向へ変化させることにより、第1のコネクタと第2のコネクタとの嵌合を解除し抜去を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1のコネクタの側面に係合するクランプを設けるとともに該クランプを側方に開閉自在に構成したことから、第1のホルダへの第1のコネクタの取り付け及び取り外しを容易に行うことができ、しかもクランプが閉鎖した状態では第1のコネクタの側面に係合するためがたつきなく第1のコネクタを保持することができるため、第1のコネクタと第2のコネクタとを精度よく連結することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら以下で説明する。
【0020】
図1に示すコネクタ着脱装置1は、着脱可能な2つのコネクタ20、40同士の接続と抜去とを行なうコネクタ着脱装置であって、特に特殊環境下、例えば原子力発電所のように原子炉が配置された放射線環境下で、好適にはマニピュレータ(ロボット)などを用いた遠隔操作であっても両コネクタ20、40同士の着脱動作を行なうことができる構成を有している。
【0021】
<コネクタ>
図示例では、2つのコネクタ20、40のうち一方のコネクタ20は、コネクタ着脱装置1内に不動に固定される固定側コネクタ20であり、他方のコネクタ40はコネクタ着脱装置1内に固定側コネクタ20に対し接近および離隔移動することができるように取り付けられた移動側コネクタ40である。また、この実施形態においては、移動側コネクタ40が本発明における「第1のコネクタ」に対応し、固定側コネクタ20が本発明における「第2のコネクタ」に対応する構成とし、第1のコネクタとしての移動側コネクタ40をマニピュレータ等のロボットを用いてコネクタ着脱装置1に取り付け又は取り外す例について説明するが、これとは逆の構成としてもよい。
【0022】
第2のコネクタとしての固定側コネクタ20は、複数の第1信号伝達部材22と、第1保持部材24と、第1ケース部材26と、第1位置決め手段28とで主に構成され、また、移動側コネクタ40は、複数の第2信号伝達部材42と、第2保持部材44と、第2ケース部材46と、第2位置決め手段48とで主に構成されている。また、固定側コネクタ20は、特殊環境(放射線環境)下で、固定側コネクタ20が接続されたケーブルの絶縁被覆等が劣化しにくい位置、例えば原子炉が設置された建屋内でかつ原子炉から離れた壁、天井、床などの位置に固定され、固定側コネクタ40が連結されたケーブルは、部屋の外側に位置する配線に接続されているか、あるいは、部屋の内側で鉛等の遮蔽板によって囲われている場所(空間)に位置する配線に接続されている。
【0023】
第1のコネクタとしての移動側コネクタ40は、原子炉等に関連して各種測定を行う複数のセンサ等に接続されたケーブルの一端に接続されるコネクタであって、センサ、ケーブルおよび移動側コネクタ40を含むセンサユニットを構成している(
図10参照)。そして、移動側コネクタ40は、放射線量が高い原子炉等から比較的近い位置で使用されるため、移動側コネクタ40が接続されているケーブルが劣化しやすい環境下にあり、移動側コネクタ40を含めたセンサユニット全体としてケーブル劣化を考慮した比較的早期の交換が必要になる。センサユニット全体を交換する方法としては、例えば
図10に示すように、マニピュレータを用いた遠隔操作によって、移動側コネクタ40を固定側コネクタ20から分離した後に、マニピュレータに移動側コネクタ40を把持させ、そのままセンサユニット全体を引きずりながら、原子炉建屋内に予め用意した遮蔽空間(Box)、あるいは原子炉から離れた場所に設けたセンサユニット交換場所までマニピュレータに搬送させてから、マニピュレータの把持を開放して使用済みのセンサユニットを遮蔽空間またはセンサユニット交換場所に置き、次いで、マニピュレータに、新品のセンサユニットを構成する移動側コネクタ40の突状把持部54を把持させ、移動側コネクタ40を持ち上げた状態で引きずりながらコネクタ着脱装置1の可動ホルダ80の位置まで搬送させて、可動ホルダ80に移動側コネクタ40を取り付けることによる方法でセンサユニット全体を交換することが望ましい。
【0024】
この実施形態では、
図2に示すように、固定側コネクタ20が、4段×5列の合計20芯からなる複数の第1信号伝達部材22を露出した状態で配列したプラグ光コネクタとして構成し、移動側コネクタ40が、固定側コネクタ20の第1信号伝達部材22に対応する位置に配列された複数の第2信号伝達部材42を有し、各第2信号伝達部材42が筒状部材で覆われた状態で存在するレセプタクル光コネクタとして構成した場合を示す。なお、本発明では、固定側コネクタ20をレセプタクル光コネクタとして構成し、移動側コネクタ40をプラグ光コネクタとして構成することも可能である。
【0025】
固定側コネクタ20の第1信号伝達部材22は、光ファイバ(図示せず)と、この光ファイバを内挿固定したセラミックス製のフェルールとで主に構成され、フェルールの先端に、移動側コネクタ40の第2信号伝達部材42と接触する第1接触部22aを有する。
【0026】
第1保持部材24は、複数の第1信号伝達部材22を所定の配列状態を保持するために設けられ、例えば金属製のブロックとして構成することができる。
【0027】
第1ケース部材26は、第1保持部材24の周りを少なくとも包囲し、両コネクタ20、40の嵌合接続時に、移動側コネクタ40の第2ケース部材46と嵌合連結される金属製のシェル部分であって、第1保持部材24とは、
図4に示すように、例えばバネ材のような第1弾性材32を介して弾性的に連結されていて、第1信号伝達部材22が保持されている第1保持部材24が、第1ケース部材26の内部空間において、例えば両矢印方向Fに揺動する、いわゆるフローティング構造を採用することができ、これによって、両コネクタ20、40の嵌合接続時に、第1信号伝達部材22の第1接触部22aが、破損することなく移動側コネクタ40の第2信号伝達部材42との正確な位置決め接触をすることが可能になる構成としている。なお、第1保持部材24のフローティング構造は、
図4では、第1保持部材24の両側狭幅面のみに1対のバネ材32を配置して、第1ケース部材26の両側壁に対して接近・離隔する方向(両矢印方向F)にだけ揺動するように構成しているが、さらに、バネ材32を第1保持部材24の両側広幅面にも1対の他のバネ材を配置して、第1ケース部材26の両矢印方向Fだけではなく、この両矢印方向に直交する方向にも揺動するように構成することもできる。
【0028】
第1位置決め手段28は、第1保持部材24および第1ケース部材26のいずれかに一体的に形成され、
図2では第1保持部材24に位置決め穴として形成され、両コネクタ20、40の嵌合接続時に、移動側コネクタ40の第2位置決め手段48に嵌合することによって、固定側コネクタ20の第1信号伝達部材22と、移動側コネクタ40の第2信号伝達部材42との正確な位置決め接触を可能にするために設けられている。
【0029】
移動側コネクタ40は、第2信号伝達部材42が、光ファイバ(図示せず)と、この光ファイバを内挿固定したセラミックス製のフェルールとで構成され、フェルールの先端に、固定側コネクタ20の第1信号伝達部材22の第1接触部22aと接触する第2接触部42aを有する。なお、
図2では、第2信号伝達部材42の周りを覆うステンレス製の筒状部材50をさらに形成した場合を示しており、この構成によって、両コネクタ20、40の嵌合接続時に、固定側コネクタ20の第1信号伝達部材22は、第2信号伝達部材42の第2接触部42aに接触する位置まで、ステンレス鋼、真鍮、アルミニウム、亜鉛などの金属製の筒状部材50内に嵌入されるように構成されている。
【0030】
第2保持部材44は、複数の第2信号伝達部材42を所定の配列状態を保持するために設けられ、金属製のブロックとして構成することができる。
【0031】
第2ケース部材46は、第2保持部材44の周りを少なくとも包囲し、両コネクタ20、40の嵌合接続時に、固定側コネクタ20の第1ケース部材26と嵌合連結される金属製のシェル部分であって、第2保持部材44とは、例えばばね材のような第2弾性材(図示せず)を介して弾性的に連結されていて、第2信号伝達部材42が保持されている第2保持部材44が、第2ケース部材46の内部空間において揺動可能な構造、いわゆるフローティング構造を採用することができ、これによって、両コネクタ20、40の嵌合接続時に、第2信号伝達部材42の第2接触部42aが、破損することなく固定側コネクタ20の第1接触部22aとの正確な位置決め接触をすることが可能になる構成としている。また、第2ケース部材46の外面には、コネクタ着脱装置1を構成する、後述する可動ホルダ80の被係止部82に係止され、係止状態のまま被係止部82をスライド移動可能な係止部52を形成した外面を有する。
【0032】
第2位置決め手段48は、第1位置決め手段28と係合する形状をもち、第1位置決め手段28に対応する、第2保持部材44および第2ケース部材46のいずれかの部分に一体的に形成され、両コネクタ20、40の嵌合接続時に、固定側コネクタ20の第1位置決め手段28に嵌合することによって、固定側コネクタ20の第1信号伝達部材22と、移動側コネクタ40の第2信号伝達部材42との正確な位置決め接触を可能にするために設けられている。なお、
図2では、第1位置決め手段28を、固定側コネクタ20の第1保持部材24に位置決め穴として形成され、第2位置決め手段48を、移動側コネクタ40の第2保持部材44に金属製の位置決めピンとして一体的に形成された場合の構成を示している。この構成によって、特に多芯(例えば各20本以上)の第1および第2信号伝達部材22、42を配列した光コネクタの場合には、第1および第2接触部22a、42aが、破損することなくより正確な位置決め接触させることができる。
【0033】
また、移動側コネクタ40および固定側コネクタ20の少なくとも一方は、
図3に示す変形例のように、それぞれの嵌合口側に、開放可能に閉鎖される1対のシャッタ58を有するものでもよい。移動側コネクタ40および固定側コネクタ20が例えば光コネクタの場合、それぞれの信号伝達部材22、42の接触部22a、42aの表面にゴミ等の異物が付着すると、一方の光ファイバから他方の光ファイバへの光の伝送効率が劣るなどの不具合が生じやすい。しかしながら、特にマニピュレータを用いた遠隔操作では、接触部22a、42aに付着したゴミを取り除くことは難しいが、上記1対のシャッタ58を設けることによって、接触部22a、42aに極力ゴミ等の異物が付着するのを防止することができる。
【0034】
加えて、1対のシャッタ58は、コネクタ20、40同士が少なくとも嵌合接続動作に入るまでは閉鎖した状態とし、嵌合接続動作直前に開いて嵌合口を開放した後に、両コネクタ20、40が嵌合接続されるとともに、両コネクタ20、40の嵌合接続を解除する場合には、両コネクタの分離を行った直後に、前記シャッタ58が嵌合口を閉鎖する方向に移動する構造を有することが好ましい。なお、シャッタ58の開放方向は、接触部22a、42aが位置する両ケース部材26、46の内部にゴミ等の異物が侵入するのを極力防止するため、外向きの開放方向であることが好ましい。
【0035】
<コネクタ着脱装置>
上述した構造を有する、固定側コネクタ20と移動側コネクタ40とを嵌合接続するのに適したコネクタ着脱装置1は、
図1及び
図5に示すように、本発明における第2のホルダとしての固定ホルダ60と、本発明における第1のホルダとしての可動ホルダ80と、移動手段としての移動機構100と、を主に備えている。
【0036】
(固定ホルダ)
固定ホルダ60は、
図1及び
図5に示すように、固定側コネクタ20を装着して保持するための部材であって、コネクタ着脱装置1のベースプレート61にねじや溶接等で固定されている。ベースプレート61は、例えば壁、床、天井等にボルトや溶接等で固定することができる。固定ホルダ60は固定側コネクタ20の外形に対応した形状の凹部62が形成されるとともに該凹部62の開口側を覆うカバー63を有しており、該凹部62内に固定側コネクタ20が配置され、カバー63が取り付けられた状態では固定側コネクタ20はがたつきなく固定ホルダ60内に保持される。なお、固定ホルダ60の具体的な構成としては、コネクタ着脱装置1内の所定の位置および向きに、固定側コネクタ20を装着できかつ保持できる構成であればよく、特に限定はしない。
【0037】
(可動ホルダ)
可動ホルダ80は、
図1及び
図5に示すように、固定ホルダ60に対向して配置されている。可動ホルダ80は、ベースプレート61と平行に配置された2本のリニアシャフト64に案内されて固定ホルダ60に対する接近および離隔する一軸方向Xへの移動が可能な可動ブロック81を有する。
【0038】
可動ホルダ80は、移動側コネクタ40の側方に開閉自在に配置され開放された状態では固定ホルダ60に対向する側からの移動側コネクタ40の導入を可能とし、閉鎖された状態では移動側コネクタ40の少なくとも側面に係合して移動側コネクタ40の横方向W及縦方向(一軸方向X)の位置決めおよび保持を行なう1対のクランプ86を有している。また、各クランプ86には、移動側コネクタ40の正面部に係合する前壁86aが設けられている。さらに、各クランプ86の、固定ホルダ60に対する遠位端部には、移動側コネクタ40の導入時に該コネクタ40に当接して該クランプ86を閉鎖方向に回動させる突片86bが設けられている。
【0039】
また、可動ホルダ80は、1対のクランプ86の背面側でかつ可動ブロック81の前面側に配置されたバックプレート84を有している。バックプレート84の前面側には、クランプ86の、固定ホルダ60に対する遠位端部に対応して配置され、該クランプ86を回動可能に支持する軸部87が形成されている。バックプレート84は、可動ブロック81にネジ等で固定され、可動ブロック81と一緒に一軸方向Xに移動可能である。
【0040】
バックプレート84はコネクタ取付部材としての機能をも有している。すなわち、バックプレート84には、
図7に示すように、移動側コネクタ40の第2ケース部材46の外面に設けた係止部52に対応した形状をもち、係止部52を分離可能にスライド移動させて係合連結されるガイド部としてのガイド溝82が形成されている。
【0041】
このガイド溝82は、バックプレート84の、固定ホルダ60に対する近位端部から遠位端部側へ向けて延びる切欠きとして形成されており、ガイド溝82の溝幅は、該近位端部側において僅かに広く形成されている。これにより、移動側コネクタ40の係止部52をガイド溝82内にスムーズに挿入することができる。また、この実施形態では、移動側コネクタ40の係止部52が、第2ケース部材46の外面から突出して形成され、板状部52aとこの板状部52a上に形成した円形係合部52bとからなる突状係止部として構成されているため、ガイド溝82には、内側へ張り出して板状部52aと円形係合部52bとの間に係合する段部がされており、これにより移動側コネクタ40をバックプレート84に取り付けることができる。
【0042】
また、
図1、
図5及び
図6に示すように、バックプレート84には、移動側コネクタ40の装着方向L側(固定ホルダに対する遠位端部側)において正面側に突出し、移動側コネクタ40の装着時にはクランプ86、86の、固定ホルダに対する遠位側端面(突片86bの外面)が当接し、また、両コネクタ20、40の嵌合接続時には移動側コネクタ40からの嵌合押圧力をクランプ86、86を介して受け止める当接ブロック88が形成されている。
【0043】
また、バックプレート84の、クランプ86の側方にはクランプ85の開度(回動)を制限するピン状の開度ストッパ92が設けられている。
【0044】
可動ホルダは、
図1、
図5及び
図6に示すように、バックプレート84の背面側でかつ可動ブロック81の前面側に配置されるとともに、バックプレート84にスライド可能に支持されたスライドプレート94を有している。図示例では、バックプレート84の背面に一軸方向Xに沿って2本のレール93が敷設され、スライダプレート94の前面には各レール93上を走行するスライダ94が設けられている。スライドプレート94は、可動ブロック81の、リニアシャフト64に沿った移動とは独立し、可動ブロック81及びバックプレート84に対してレール93に沿ってスライド可能である。スライドプレート94の移動は、手動により直接的にもしくはマニピュレータ等のロボットを介して間接的、遠隔的に行うことができ、あるいは、図示しないアクチュエータを用いて行うこともできる。
【0045】
また、スライドプレート94は、固定ホルダ60に対する近接方向にスライドされた際にクランプ86の突片86bの外面を固定ホルダ60側に押圧して、クランプ86を押し開く押圧部としての突き出しピン90を有している。各突き出しピン90は、当接ブロック88に形成された開孔内に摺動可能に配置され、スライドプレート94の一軸方向Xに沿った移動と連動して該開孔から出没するよう構成されている。
【0046】
さらに、スライドプレート94には前方側へ突出し、固定ホルダ60から離れる側へスライドした際に閉鎖状態にあるクランプ86の側面に当接して該閉鎖状態をロックする1対のロック部94a、94aが設けられている。
【0047】
さらに、スライドプレート94には、作業者またはマニピュレータ等のロボットによって操作される操作部としてのつまみ96が形成されている。つまみ96の形状は移動側コネクタ40の突状把持部54と同じ形状とすることができる。したがって、バックプレート84に対する移動側コネクタ40の取り付けが完了した後に、作業者またはマニピュレータ等のロボットがつまみ96を把持して、スライドプレート94をバックプレート84に対して、固定ホルダ60から離れる方向にスライドさせると、スライドプレート94の1対のロック部94a、94aよって、1対のクランプ86、86を両側方から開かないように保持することができる。つまみ96を把持して、スライドプレート94をバックプレート84に対して反対方向にスライドさせると、ロック部94a、94aによるクランプ86、86のロックは解除される。
【0048】
このように構成された可動ホルダ80においては、可動ホルダ80に対する移動側コネクタ40の装着は遠隔操作で行なうことができる。この遠隔操作は、例えばマニピュレータ等のロボットを用いて行なうことができる。この遠隔操作は、
図10に示すように、原子炉の建屋から、数十メートル以上離れた場所の、例えば制御室内にいるオペレータ(人間)が、マニピュレータ(ロボット)に付いている小型カメラで撮影して映し出されたモニタ画像を見ながらマニピュレータの動作をコントロールして行うことができる。
【0049】
加えて、マニピュレータを用いた移動側コネクタ40の交換作業を行う場合には、コネクタ40の係止部52が設けられた側とは反対側の面にマニピュレータ等によって把持される突状把持部54を設けておくことが好ましい。このようにマニピュレータに突状把持部54を把持させることによって、移動側コネクタ40のケース部材46を直接把持させる場合と比べて、移動側コネクタ40が接続されているケーブルに対しねじれ力が作用しにくく、ねじれ等の好ましくない変形(くせ付け)を防止ないし抑制することができる。
【0050】
(移動機構)
移動機構100は、固定ホルダ60に対する可動ホルダ80の一軸方向Xの移動を生じさせ、かつ、固定側コネクタ20に対し移動側コネクタ40の嵌合接続状態を保持する押圧力、および固定側コネクタ20から移動側コネクタ40を分離する際に必要な分離力の双方を生じさせるために設けられている。
【0051】
特に、光コネクタの場合、両コネクタ22、40の嵌合接続状態では、第1および第2信号伝達部材22、42の接触部22a、42a同士を、光軸が一致するように付き合わせた接触状態で保持しなければならず、そのため、両コネクタ20、40は、ケース部材26、46と保持部材24、44との間を、それぞれ弾性材を介して弾性的に連結した構成が採用されており、通常、1対の信号伝達部材22、42同士の接触圧は、約1kg程度の弾性力(例えばばね力)が必要である。この場合、例えば各100本の信号伝達部材を有するような多芯光コネクタの場合だと、両コネクタ20、40の嵌合接続時には、約100kgのばね力を作用させることが必要になるが、遠隔操作の際に使用される、関節の付いた自走式のマニピュレータ(ロボット)だと、100kgの反力には耐えられず、また、回転動作を含む複雑な動作も困難となる。
【0052】
このため、このような場合には、移動機構100としては、倍力機構であるトグル機構を採用することがより好適である。かかる機構を採用することによって、マニピュレータによる操作であっても、移動機構100の操作レバー102を一方向に移動させて押し切る単純な動作だけで十分な力を得ることができ、両コネクタ20、40の嵌合接続状態を確実に保持することができる。なお、操作レバー102の形状は、特に限定はしない。一例として、
図1では操作レバー102を丸棒で構成したが、板状片で構成してもよい。操作レバー102を丸棒で構成することにより、例えばマニピュレータによって操作レバー102を操作させる場合であっても、マニピュレータによる操作レバー102の押し上げおよび押し下げを行なう際の動作が一軸上の動作だけとなって、簡易な構造で移動機構100を作動させることができるからである。なお、移動機構100により分離力を作用させる場合、分離に際して大きな反力を受けるような場合には、かかる反力を小さくするため、空気を充填したエアダンパー等の図示しない緩衝装置をさらに設けてもよい。
【0053】
(他の実施形態)
図11および
図12は、第2実施形態のコネクタ着脱装置1Aを示したものであって、かかるコネクタ着脱装置1Aは、移動手段として、例えばレール等に沿って一軸方向に移動させるエアシリンダ100Aを備えるものである。このコネクタ着脱装置1Aは、例えばマニピュレータが作動スイッチ(図示せず)を押すことによって、電気系統に接続されている移動手段としてのエアシリンダ100Aが作動し、移動側コネクタ40Aを装着した可動ホルダ80Aを固定ホルダ60Aに向かう一軸方向に移動させる構成とするとともに、両コネクタ20A、40Aの嵌合接続後は、固定側コネクタ20Aに回転可能に軸支したバックル30を、別のエアシリンダ104を作動させて押し上げ、下方変位したバックル30の先端フックを、移動側コネクタ40に突出して設けた被係合ピン56に係合させることにより、両コネクタ20、40の嵌合接続状態を保持するように構成にしたものである。
【0054】
<コネクタ着脱方法>
次に、本発明に従うコネクタ着脱装置を用いて行なうコネクタ着脱方法の一例について
図8および
図9を参照しながら説明する。
【0055】
コネクタ着脱方法は、コネクタ着脱装置1又は1Aを用い、嵌合接続可能な両コネクタ20、40又は20A、40A同士の接続と抜去を行う方法であり、以下の説明では、上述したような特殊環境を考慮し、マニピュレータ等のロボットを遠隔操作することによって行なう場合について説明する。
【0056】
最初に、固定側コネクタ20に対し、移動側コネクタ40を接近移動させるとともに嵌合接続する方法について説明する。
【0057】
両コネクタの嵌合接続は、まず遠隔操作されているマニピュレータによって、移動側コネクタ40の突状把持部54を把持し、把持した移動側コネクタ40を、コネクタ着脱装置1の可動ホルダ80の位置まで搬送する。移動側コネクタ40の装着前の可動ホルダ80は、1対のガイド部材86、86が、突き出しピン90の押し上げ作用によって開いた状態に維持されており、移動側コネクタ40は挿入装着しやすくなっている(
図8(a))。
【0058】
次に、マニピュレータによって把持された移動側コネクタ40は、移動側コネクタ40の突状係止部52が、可動ホルダ80のバックプレート84に形成したガイド溝82に係合するように、移動側コネクタ40をバックプレート84前面に突き当てた後(
図8(b))、マニピュレータによって、移動側コネクタ40の突状係止部52を、バックプレート84のガイド溝82に係合させた状態で下方(固定ホルダ60から離れる方向)に移動させる。この移動途中で、1対のクランプ86、86は、その突片86bと移動側コネクタ40の外面部(下端部)との連係動作によって閉じる方向に軸部87周りに回転移動して、移動側コネクタ40の側面にクランプ86、86が接近するように動く(
図8(c))。
【0059】
そして、マニピュレータで把持したまま、移動側コネクタ40を、クランプ86の突片86b外面がバックプレート84の下端に連結されている当接ブロック88に突き当たるまで下方に移動させ、突き出しピン90が当接ブロック88内に埋没するまで下げる(
図8(d))。
【0060】
その後、マニピュレータによって、スライドプレート94のつまみ96を押し下げることによって、スライドプレート94をバックプレート84に対して相対的に下方(固定ホルダから離れる側)に移動させる(
図8(e))。これにより、スライドプレート94の両腕部分であるロック部94a、94aが、1対のクランプ86、86の側壁外面に対向するとともに当接するため、クランプ86、86の閉鎖状態がロックされ、これによって、可動ホルダ80に対する移動側コネクタ40の装着固定が完了する。
【0061】
そして、マニピュレータによる移動機構100の操作レバー102の押し上げ動作によって、移動機構100を作動させて、固定ホルダ60に対し可動ホルダ80を一軸方向Xの接近する向きに移動させることにより、まず、第2ケース部材46の第1ケース部材26に対する嵌合が開始され、次いで、移動側コネクタ40の第2位置決め手段48が、固定側コネクタ20の第1位置決め手段28に対する係合が開始され、さらに第1ケース部材26に弾性的に連結された第1保持部材24に保持されている複数の第1信号伝達部材22の第1接触部22aが、それぞれ対応する、第2ケース部材46に弾性的に連結された第2保持部材44に保持されている複数の第2信号伝達手段42の第2接触部42aに接触するようになって、第2ケース部材46の第1ケース部材26に対する嵌合が完了し、さらに、移動機構100による押圧力を発生させることにより、固定側コネクタ20に対する移動側コネクタ40の嵌合接続を行うことができる。
【0062】
次に、嵌合接続状態にある固定側コネクタ20から移動側コネクタ40を分離させて離隔移動する方法について説明する。
【0063】
まず、マニピュレータによる移動機構100の操作レバー102の押し下げ動作によって、可動ホルダ80を下方に移動させることによって、嵌合接続状態にある固定側コネクタ20から移動側コネクタ40を分離させる。
【0064】
次に、スライドプレート94のつまみ96をマニピュレータで押し上げることによって、スライドプレート94をバックプレート84に対して相対的に上方(固定ホルダ60側)に移動させ、1対のクランプ86、86が開くのを阻止していたスライドプレート94のロック部94a、94aによるロックを解除する。また、スライドプレート94の上方移動と連動して突き出しピン90がクランプ86の突片86aを押し上げるので、1対のクランプ86、86は軸部87周りに回動して開放される(
図9(a))。この状態で、マニピュレータで移動側コネクタ40の突状把持部54を把持して上方に持ち上げることによって、可動ホルダ80から移動側コネクタ40を取り外すことができ(
図9(b))、取り外した移動側コネクタ40は、マニプレータによって所定の位置まで搬送することができる。
【0065】
上述したところは、本発明の実施形態の一例を示したにすぎず、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、上述した実施形態では、上記2つのコネクタ20、40を光コネクタとして構成した場合を挙げて説明したが、本発明のコネクタ着脱装置1で着脱されるコネクタ20、40としては、光コネクタだけには限定されず、電気コネクタ等の他の構成を有するコネクタであってもよい。