(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703058
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】低電圧基準電流発生器、及びそれを用いたメモリ装置
(51)【国際特許分類】
G11C 7/14 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
G11C7/14
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-166015(P2018-166015)
(22)【出願日】2018年9月5日
(65)【公開番号】特開2020-21529(P2020-21529A)
(43)【公開日】2020年2月6日
【審査請求日】2018年9月5日
(31)【優先権主張番号】16/054,586
(32)【優先日】2018年8月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501361415
【氏名又は名称】マクロニックス インターナショナル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】楊 尚輯
【審査官】
境 周一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−219901(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第01855379(EP,A1)
【文献】
米国特許第07728655(US,B1)
【文献】
特開2006−294141(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0071011(US,A1)
【文献】
米国特許第06304108(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 5/00−29/56
G06F 12/00−12/128
H01L 27/10−27/11597
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧ノードと基準電圧ノードとの間に接続された入力回路部であって、基準ビット線回路、基準メモリセルおよび出力ノードを有する電流シンクと、前記出力ノードと前記電源電圧ノードとの間に接続された第1の抵抗器とを含み、前記基準ビット線回路は、前記基準メモリセルと前記出力ノードとの間に接続され、前記基準ビット線回路は、バイアス電圧を受ける、入力回路部と、
前記電源電圧ノードと負荷との間に接続された出力回路部であって、第2の抵抗器と、前記第2の抵抗器に接続された第1の通電端子、第2の通電端子、及びゲートを有する制御トランジスタとを含み、出力基準電流が前記第2の通電端子において生成される、出力回路部と、
前記入力回路部中の前記電流シンクの前記出力ノードに接続された第1の入力と、前記出力回路部中の前記第2の抵抗器と前記制御トランジスタの前記第1の通電端子との間の第2のノードに接続された第2の入力と、前記出力回路部中の前記制御トランジスタの前記ゲートに接続された出力とを有し、前記出力基準電流を制御する増幅器とを備え、
前記電流シンクの前記出力ノードは電圧VAを有し、
前記電源電圧ノードに印加される電源電圧と前記電圧VAとの間の差に基づいて、前記第1の抵抗器の抵抗値がセットされ、
前記増幅器は、オペアンプを含み、
前記出力基準電流は、前記電流シンクの電流に基づいて生成される基準電流回路。
【請求項2】
前記電源電圧ノードに印加される前記電源電圧と前記電圧VAとの前記差は、導電ダイオードで接続されたMOSトランジスタ上のゲート−ソース間電圧VGSより小さい請求項1に記載の基準電流回路。
【請求項3】
前記第1の抵抗器の抵抗は、前記第1の抵抗器両端の電圧降下が0.5V未満となるものである請求項1に記載の基準電流回路。
【請求項4】
前記第1の抵抗器の抵抗は、前記第1の抵抗器両端の電圧降下が50mVから100mVの範囲内となるものである請求項1に記載の基準電流回路。
【請求項5】
カレントミラーを含み、前記出力回路部上の前記負荷は、前記カレントミラー内の基準トランジスタを備える請求項1に記載の基準電流回路。
【請求項6】
前記入力回路部上の前記電流シンクは、メモリ用の基準セルを備え、
さらに、カレントミラーを含み、
前記出力回路部上の前記負荷は、前記メモリ内のメモリセル用の感知回路に結合された出力トランジスタを有するカレントミラー内の基準トランジスタを備える請求項1に記載の基準電流回路。
【請求項7】
前記出力回路部内の前記制御トランジスタは、p型トランジスタを含む請求項1に記載の基準電流回路。
【請求項8】
ビット線に結合された複数のメモリセルと、
前記ビット線に結合された複数のセンスアンプと、
前記センスアンプと前記メモリセルとの間の前記ビット線上のビット線調整トランジスタと、
基準電流発生器とを備えるメモリ装置であって、
前記基準電流発生器は、
電源電圧ノードと基準電圧ノードとの間に接続された入力回路部であって、出力ノードを有する電流シンクと、前記出力ノードと前記電源電圧ノードとの間に接続された第1の抵抗器とを含み、前記電流シンクが、基準ビット線回路及び基準メモリセルを含み、前記基準ビット線回路は、前記基準メモリセルと前記出力ノードとの間に接続され、前記基準ビット線回路は、バイアス電圧を受ける、入力回路部と、
前記電源電圧ノードと負荷との間に接続された出力回路部であって、第2の抵抗器と、前記第2の抵抗器に接続された第1の通電端子、第2の通電端子、及びゲートを有する制御トランジスタとをみ、出力基準電流が前記第2の通電端子において生成される、出力回路部と、
カレントミラーの基準回路部を備える前記負荷と、
前記入力回路部中の前記電流シンクの前記出力ノードに接続された第1の入力、前記出力回路部中の前記第2の抵抗器と前記制御トランジスタの前記第1の通電端子との間の第2のノードに接続された第2の入力、及び前記出力回路部中の前記制御トランジスタの前記ゲートに接続された出力を有し、前記出力基準電流を制御する増幅器とを含み、
前記増幅器は、オペアンプを含み、
前記カレントミラーは、複数の出力回路部を含み、前記複数のセンスアンプ中のセンスアンプは、前記カレントミラー中の前記複数の出力回路部の各出力回路部を含み、
前記電流シンクの前記出力ノードは電圧VAを有し、
前記電源電圧ノードに印加される電源電圧と前記電圧VAとの間の差に基づいて、前記第1の抵抗器の抵抗値がセットされ、
前記出力基準電流は、前記電流シンクの電流に基づいて生成される、メモリ装置。
【請求項9】
前記電源電圧ノードに印加される前記電源電圧と前記電圧VAとの前記差は、導電ダイオードで接続されたMOSトランジスタ上のゲート−ソース間電圧VGSより小さい請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項10】
前記第1の抵抗器の抵抗は、前記第1の抵抗器両端の電圧降下が0.5V未満となるものである請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項11】
前記第1の抵抗器の抵抗は、前記第1の抵抗器両端の電圧降下が50mVから100mVの範囲内となるものである請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項12】
前記出力回路部中の前記制御トランジスタは、p型トランジスタを含む請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項13】
前記電源電圧ノードに印加される前記電源電圧は、1.2V未満である請求項8に記載のメモリ装置。
【請求項14】
前記メモリセルは、不揮発性メモリセルを含む請求項8に記載のメモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路メモリ装置に用いられる基準電流発生器を含む基準電流発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
基準電流発生器は、様々な回路に用いられる。基準電流発生器に用いられる一般的な回路技術は、カレントミラーの基準回路部(基準レッグ)を電流シンクに接続し、カレントミラーの出力回路部(出力レッグ)を使用して基準電流を電流シンクの特性の関数として生成することを含む。例えば、メモリ装置では、基準電流を用いて生成された基準電流又は電圧を、選択されたメモリセルからの対応する出力と比較して、記憶データを検出するセンスアンプが設計されている。この例では、基準電流発生器の電流シンクは、ビット線又はメモリセルのみをメモリ内でエミュレートする回路を備える。
【0003】
電流シンクとカレントミラーの基準回路部は、いずれも最小動作電圧を有する。したがって、商用回路に用いられる電源電圧がこれらの最小動作電圧の合計より小さい場合、このアーキテクチャを有する基準電流発生器は、動作しなくなる。特に、電源電圧が約1.2Vを下回り、さらには1V以下に低下する場合に、この問題が発生する。
【0004】
したがって、低電源電圧レベルで動作可能な基準電流発生器を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
低電源電圧で動作可能な基準電流回路が記載されている。
【0006】
電源電圧ノードと基準電圧ノードとの間に接続された入力回路部(入力レッグ)を有する基準電流回路を含む例が記載され、前記入力回路部は、電流シンクと、電流シンクの出力と電源電圧ノードとの間に接続された第1の抵抗器とを含む。電流シンクは、電流シンクの出力と基準電圧ノードとの間に必要な最小動作電圧を有する。この例では、基準電流回路は、電源電圧ノードと基準電流出力を受ける負荷との間に接続された出力回路部を有する。出力回路部は、第2の抵抗器と、第2の抵抗器に接続された第1の通電端子、第2の通電端子、ゲートを有する制御トランジスタとを含む。負荷は、電流通信において制御トランジスタの第2の通電端子と接続されている。オペアンプなどの増幅器は、入力回路部の電流シンクの出力ノードに接続された第1の入力と、第2の抵抗器と出力回路部内の制御トランジスタの第1の通電端子との間の第2ノードに接続された第2の入力とを有する。増幅器の出力は、制御トランジスタのゲートに接続される。その結果、増幅器は電流シンクの出力ノードの電圧が出力回路部の第2のノードの電圧と一致するように、制御トランジスタのゲートを駆動する。これにより、出力回路部の電流が、出力回路部の第2の抵抗器両端の電圧降下を入力回路部の第1の抵抗器両端の電圧降下と一致させる値になる。その結果、出力回路部の電流は、入力回路部の電流シンクの電流に比例する。
【0007】
抵抗器の値は、電流シンクの出力ノードが電圧VAを有し、電源電圧ノードに印加される電源電圧と電圧VAとの差が導電ダイオードで接続されたMOSトランジスタ上に形成されるゲート−ソース間電圧VGSより小さく、典型的には約0.6Vであるように設定することができる。また、その差は、0.5V未満であってもよい。
【0008】
第1及び第2の抵抗器の大きさは、抵抗器両端の電圧降下がミリボルト範囲以下の電圧を含めて比較的小さくなるように選択することができる。このようにして、低い電圧の電源電圧に対しても、電圧VAを電流シンクの最小動作電圧より高く維持することができる。
【0009】
また、基準電流発生器の出力回路部の負荷がカレントミラー内の基準トランジスタを備える例を説明する。このようにして、基準電流発生器の出力回路部によって供給される基準電流は、複数の他の回路にわたってミラーリングされ得る。本明細書で説明する例では、基準電流発生器の出力回路部によって供給される基準電流は、メモリ装置内の感知回路に結合されたカレントミラーの複数の出力回路部にわたってミラーリングされる。また、電流シンクは、メモリ装置内のビット線又はメモリセル上で電流をエミュレートする電流を生成することができる。本発明の他の態様及び利点は、以下の図面、詳細な説明及び特許請求の範囲を検討することによって理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、従来技術の装置の典型的な基準電流発生器を含むメモリ装置の概略図である。
【
図2】
図2は、本明細書で説明する低電圧基準電流発生器の一例をモリ装置の概略図である。
【
図3】
図3は、本明細書で説明する低電圧基準電流発生器を含む集積回路メモリ装置の簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1〜3を参照して本発明の実施形態の詳細な説明を提供する。
【0012】
図1は、従来技術の装置の典型的な基準電流発生器を含むメモリ装置の概略図である。この図は、センスアンプSA0〜センスアンプSA127を含む複数の感知回路に結合された基準電流発生器10を示す。この例では、センスアンプの各々は、基準電流回路部(基準電流レッグ)に接続された第1の入力と、ビット線に接続された第2の入力とを有するコンパレータ(例えば、52、53)を含む。負荷抵抗器R1
0、R1
127及びR2
0、R2
127は、入力と電源電圧VDDが印加される電源電圧ノードとの間に接続される。
【0013】
ビット線は、調整トランジスタMN4
0、MN4
127(例えば、ビット線クランプトランジスタ)及び選択されたメモリセルMC
0、MC
127を含む。調整トランジスタMN4
0、MN4
127のゲートは、バイアス電圧発生回路51により生成されたバイアス電圧VBLRに接続される。このバイアス電圧VBLRは、供給電位に近く又は供給電位より高くすることができ、例えば、チャージポンプ(PUMP)を使用してバイアス電圧発生回路51に電力を供給する。選択されたメモリセルのゲートは、ワード線WLに接続される。このような構造は、当技術分野では既知の様々な構成を有することができるため、デコード回路構成要素及びメモリセルのアレイ構造については記載しない。
【0014】
センスアンプの基準電流回路部は、調整トランジスタMN3
0、MN3
127と、入力トランジスタMN1が基準電流発生器10の負荷として接続されたカレントミラー用の出力回路部トランジスタMN2
0、MN2
127とを含む。この例では、調整トランジスタMN3
0、MN3
127のゲートは、バイアス電圧VBLRに接続される。このようにして、基準電流発生器10の出力電流IRMはミラーリングされ、複数のセンスアンプに基準電流IR−SAを供給する。
【0015】
この例における基準電流発生器10は、電源電圧ノード(受信電源電圧VDD)とDCグランドに接続された基準ノードとの間に接続された入力回路部を含む。他の実施形態では、基準ノードをACグランド又は他のDC電圧基準に接続することができる。
【0016】
この例における入力回路部は、ダイオード接続されたpチャネルMOSトランジスタMP0と、トランジスタMN0及び基準メモリセルMRを含む電流シンクとを備える。MP0は、電源電圧ノードVDDに結合されたソースと、ダイオード構成で接続されたゲートとドレインとを有する。MP0両端のゲート−ソース電圧VGSは、典型的な回路構成要素において約0.6Vの大きさを有する。トランジスタMP0は、カレントミラー用の基準トランジスタであり、基準電流発生器10の出力回路部に出力トランジスタMP1を有する。典型的なカレントミラー構成におけるトランジスタMP0及びMP1の相対的な大きさに従って、カレントミラーの出力トランジスタMP1から出力される基準電流I
RMは、電流シンクにおける電流I
Rに比例する。
【0017】
トランジスタMN0のゲートは、バイアス電圧VBLRに接続される。基準メモリセルMRのゲートは、基準ワード線RWLに接続される。したがって、電流シンクは、メモリアレイ内のビット線をエミュレートするか、又は、メモリアレイ内のメモリセルをエミュレートする。したがって、電流シンク内の電流I
Rは、動作条件の範囲にわたってメモリセルを流れる電流と一致することができる。
【0018】
しかしながら、電流シンクは、いくつかの例では約0.8Vであり得る最小動作電圧を有する。したがって、電源電圧が1.4Vより低くなると、電流シンクの最小動作電圧とMP0の電圧降下の合計は、電源電圧VDDを超えることができる。
【0019】
電源電圧が1.2V及び1.0V以下に低下すると、基準電流発生器10は故障する。
【0020】
図2は、
図1のメモリ装置のようなメモリ装置の概略図であり、
図1を参照して説明した問題を解決する低電圧基準電流発生器を有する。
図2において
図1と同様の構成要素には同じ参照符号又はラベルを付し、以下では必ずしも再度説明しない。
【0021】
この例では、基準電流発生器100は、
図1のようなビット線をエミュレートする電流シンク内の電流I
Rに基づいて出力基準電流I
RMを生成する。しかしながら、基準電流発生器の入力回路部及び出力回路部は、実質的に修正される。
【0022】
入力回路部は、電源電圧ノードと基準電圧ノードとの間に接続され、VDDを受ける電源電圧ノードと電流シンクの出力が接続されるノード「A」との間に接続された第1の抵抗器RAを含む。ノード「A」は、電流シンクの出力ノードと呼ばれ、「第1のノード」と呼ばれる。電流シンクは、そのゲートでバイアス電圧VBLRを受けるトランジスタMN0と、そのゲートで基準ワード線電圧RWLを受ける基準メモリセルMRとを備える基準ビット線回路である。
図2のような基準ビット線回路のいくつかの実施形態では、ノード「A」の最小動作電圧は、約0.8Vとすることができる。
【0023】
基準電流発生器100の出力回路部は、電源電圧ノードと、カレントミラーの基準トランジスタMN1を備える負荷との間に接続され、電圧VREFを生成する。出力回路部は、第2の抵抗器RB及びPチャネル制御トランジスタMPを含む。制御トランジスタは、第2の抵抗器RBにも接続されたノード「B」に接続された第1の通電ノードを有する。ノード「B」は、「第2ノード」とも呼ばれる。第2の抵抗器RBの他の端子は、電源電圧ノードに接続される。制御トランジスタMPは、出力基準電流IRMが生成される第2の通電端子を有する。
【0024】
基準電流発生器100は、高利得オペアンプとすることができる増幅器120を含む。増幅器120の非反転入力は、ノード「A」に接続され、増幅器120の反転入力は、ノード「B」に接続される。増幅器120の出力は、制御トランジスタMPのゲートに接続される。
【0025】
動作時には、等価回路において約0.8ボルトであるノード「A」の電圧が電流シンクの最小動作電圧を超える場合、トランジスタMN0及び基準メモリセルMRを含む電流シンクは、使用可能な基準電流IRを生成する。抵抗器RAは、供給電圧によって供給されるヘッドルームに従って設定される抵抗を有する。例えば、1.0Vの供給電圧では、電源電圧ノードからノード「A」への電圧降下が約200mV、いくつかの例では50mVから100mVになるように抵抗器RAを設定することができる。一般的に、抵抗器RA両端の電圧降下は、
図1の回路で使用されるようなダイオード接続されたMOSトランジスタのVGSより小さくすることができる。したがって、例えば、抵抗器RA両端の電圧降下は、約0.5ボルト以下であり得る。
【0026】
出力回路部は、基準電流I
Rに比例する基準電流I
RMを生成し、比例性は、抵抗器RA及び抵抗器RBの抵抗の相対値に依存する。比例性は、いくつかの回路実装については、(1/RA∝α1/RB)のように、抵抗RAとRBの逆数の比として表現することができる。
【0027】
増幅器120は、制御トランジスタMPのゲートに接続された出力を有し、ノード「B」の電圧がノード「A」の電圧と等しくなるよう、電流I
RMを制御するために動作する。
【0028】
したがって、基準電流発生器100は、約1.2V以下の電源電圧で動作することができ、いくつかの例では、約1V以下で動作することができる。
【0029】
基準電流発生器100は、電流シンクがビット線をエミュレートし、基準メモリセルを含む回路構成を備える集積回路メモリ装置の構成要素として説明される。
【0030】
基準電流発生器100の使用は、低電源電圧動作のために設計された集積回路メモリ装置に特に適する。基準電流発生器100は、出力回路部上の負荷がカレントミラーの基準トランジスタ(例えば、MN1)である回路にも適する。
【0031】
基準電流発生器100は、様々なタイプの電流シンクを有し、異なるタイプの負荷用の出力基準電流を使用する多種多様な回路に使用することもできる。
【0032】
本明細書で説明する例は、MOSトランジスタの使用に基づくものであり、電源電圧VDDが基準電圧(例えば、グランド)に対して正である実施形態のために構成されている。
【0033】
他の実施形態では、供給電圧は、基準電圧に対して負であり、使用されるトランジスタのタイプは、実装によって、nチャネルからpチャネル、又はその逆に変更することができる。
【0034】
他の実施形態は、同じ一般的な構成を有するバイポーラ接合トランジスタを使用して実施することができる。
【0035】
図3は、
図2を参照して説明したような低VDD基準電流発生器280を含む集積回路メモリ装置200の簡略ブロック図である。この例では、集積回路メモリ装置200は、3Dフラッシュメモリのような不揮発性メモリアレイ260を含むメモリ装置を備える。また、SRAM、DRAM、相変化メモリ、クロスポイントメモリ、金属酸化物メモリなどを含む他のタイプの不揮発性及び揮発性メモリ技術を使用することができる。
【0036】
他の実施形態では、集積回路メモリ装置200は、メモリアレイを含まないが、基準電流発生器を利用する任意のタイプの回路を備えることができ、それにはマイクロプロセッサ、グラフィックプロセッサユニット、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、無線受信機又は送信機などのアナログデバイス、又は他のタイプのデジタル、アナログ及び混合信号集積回路が含まれる。
【0037】
この例では、メモリアレイ260は、ライン262によってメモリアレイ260に結合される行デコーダ261、ライン259によってメモリアレイ260に結合されるプレーンデコーダ258、及びメモリアレイのビット線264に結合される列デコーダ263を含む周辺回路に結合される。アドレスは、例えば、アドレスジェネレータ(図示せず)を含み得るライン265に供給される。センスアンプ及びデータ入力構造(ブロック266)は、列デコーダ263及びビット線267を介して、メモリアレイにデータ入力及び出力経路を供給する。出力データは、オフチップ伝送のためにライン272に供給される。この例における入力データ271は、入力回路、プロセッサ、又は他のタイプの回路構成要素を含む回路上の他の回路構成要素274から得られる。
【0038】
ステートマシンを含む制御ロジック269が設けられて、メモリの動作に必要な制御信号及びタイミング信号を生成する。制御ロジック269の制御下で印加されメモリ動作中に必要とされる様々な電圧を生成するブロック268には、バイアス供給電源電圧及びチャージポンプが含まれる。
【0039】
この実施形態では、
図2を参照して上述したように実施される低VDD基準電流発生器280は、ページバッファ/センスアンプブロック266に結合される。いくつかの実施形態では、センスアンプブロックは、上記のような複数の感知回路を含むことができる。他の実施形態では、他のタイプの感知回路を利用することができる。また、基準電流発生器280は、基準電流を装置200の他の構成要素に供給することができる。
【0040】
集積回路メモリ装置200は、1.2V未満であり、いくつかの実装では約1V以下であり得る電圧VDDに結合された外部電源ノード250を有する。また、集積回路メモリ装置200は、DCグランドに結合された外部基準ノード249を有する。他の実施形態では、基準ノードをACグランド又は他のDC電圧基準に接続することができる。パワーオン検出回路251が集積回路上に設けられて、パワーオンイベントを検出し、制御ロジック269中のステートマシン及びチップ上の他の回路構成要素に供給される信号を生成する。
【0041】
メモリ内のビット線をエミュレートする電流シンクを用いて集積回路メモリで動作可能な基準電流発生器について説明する。このタイプの電流シンクの最小動作電圧は、0.8V以上に近づくことができる。したがって、電流シンクの供給電圧と最小動作電圧との間に利用可能なヘッドルームは、カレントミラー内の基準トランジスタの最小動作電圧よりも低い。本明細書で説明するように、低電源電圧回路構成で生じるこの問題は、抵抗器及びオペアンプに基づく基準電流発生器を使用して克服される。このようにして回路構成は、電流シンクの最小動作電圧よりも高く、いくつかの例では50mV〜100mVを含む0.2V以下のヘッドルームで動作することができる。
【0042】
本発明は、以上詳述した好ましい実施形態及び例を参照して開示されているが、これらの例は限定的ではなく、例示的なものであることが意図されることを、理解すべきである。当業者であれば、本発明の精神および添付の特許請求の範囲内で変更及び組み合わせを容易に想到することが意図されている。
【符号の説明】
【0043】
10 基準電流発生器
51 バイアス電圧発生回路
52、53 コンパレータ
100 基準電流発生器
120 増幅器
200 集積回路メモリ装置
249 外部基準ノード
250 外部電源ノード
251 パワーオン検出回路
258 プレーンデコーダ
259 ライン
260 メモリアレイ
261 行デコーダ
262 ライン
263 列デコーダ
264 ビット線
265 ライン
266 ブロック
267 ビット線
268 ブロック
269 制御ロジック
271 入力データ
272 ライン
274 他の回路