特許第6703325号(P6703325)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703325
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】分離式昇降搬送車及び入浴装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/00 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   A61H33/00 310L
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-196672(P2015-196672)
(22)【出願日】2015年10月2日
(65)【公開番号】特開2017-64298(P2017-64298A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月20日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103471
【氏名又は名称】オージー技研株式会社
(72)【発明者】
【氏名】春田 信一
(72)【発明者】
【氏名】池上 省吾
【審査官】 松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭50−136997(JP,A)
【文献】 特開2007−215823(JP,A)
【文献】 特開平11−290382(JP,A)
【文献】 特開2002−330828(JP,A)
【文献】 実開平06−057347(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/00
A61G 1/00−1/06,7/012,13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車部と、前記台車部から分離可能で入浴者を搭載する搭載部と、前記搭載部を昇降する昇降部とを備えた搬送車であって、
前記昇降部に、前記昇降部を昇降する昇降部駆動機構を備え、
前記昇降部駆動機構は、前記昇降部と離間可能に前記昇降部を支持しており、前記昇降部が下降移動している時に、前記昇降部に下降に反する方向へ所定以上の負荷が加わると、前記昇降部駆動機構と前記昇降部が離間し、
前記昇降部が、一定距離、前記昇降部駆動機構から離間したことを検出する離間検出部として、離間伝達ブロックとリミットスイッチとを備え、前記離間伝達ブロックの全体と前記リミットスイッチの全体とは、間に仕切りを介することなく設けられ、前記一定距離は前記離間伝達ブロックの設置位置により任意に設定できる、
ことを特徴とする分離式昇降搬送車。
【請求項2】
前記昇降部駆動機構は、直動式シリンダーと、機構枠体と、を備え、
前記直動式シリンダーが作動して伸縮すると、前記機構枠体が昇降し、
前記昇降部は前記機構枠体に載置され、前記機構枠体は、前記昇降部を下方から離間可能に支持している、
ことを特徴とする請求項1に記載の分離式昇降搬送車。
【請求項3】
前記離間検出部における前記検出に基づいて、前記昇降部駆動機構の下降を抑制する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の分離式昇降搬送車。
【請求項4】
前記昇降部が、前記離間検出部における前記検出に基づいて、前記昇降部駆動機構を前記検出部が少なくとも検出しなくなるまで上昇させる、ことを特徴とする請求項3に記載の分離式昇降搬送車。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の分離式昇降搬送車と、浴槽を備える、
ことを特徴とする入浴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車部と、台車部から分離可能で、かつ、要介助者等の入浴者を搭載する搭載部と、搭載部を上下方向に昇降する昇降部と、を備えた分離式昇降搬送車(以下、「搬送車」という。)に関する。
【背景技術】
【0002】
後記の特許文献1の搬送車(車椅子)においては、搭載部(乗座部)と台車部とが分離可能であり、昇降部(X字状のリンク式昇降体)が油圧シリンダーで駆動されると、搭載部が昇降するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3352580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の搬送車にあっては、昇降部や搭載部に障害物が干渉すると、搬送車全体の重量が障害物にかかる。この障害物には、周辺の機器や設備等がある。そのため、従来の搬送車では、昇降部等に障害物が干渉すると、油圧シリンダーの動力が障害物にかかる為、搬送車や障害物の破損や損傷を招いたり、あるいは、搬送車周辺の安全性が低下したりするおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、昇降部の下降中、昇降部や搭載部に障害物が干渉しても、障害物には搬送車全体の荷重が掛からないようにして、前記干渉による搬送車や障害物の破損や損傷等の防止、搬送先周辺の設備等の安全性の向上が図れる搬送車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、以下の手段を提供する。
【0007】
(1)本発明に係る搬送車は、台車部と、前記台車部から分離可能で入浴者を搭載する搭載部と、前記搭載部を昇降する昇降部とを備えた搬送車であって、前記昇降部に、前記昇降部を昇降する昇降部駆動機構を備え、前記昇降部駆動機構は、前記昇降部と離間可能に前記昇降部を支持しており、前記昇降部が下降移動している時に、前記昇降部に下降に反する方向へ所定以上の負荷が加わると、前記昇降部駆動機構と前記昇降部が離間し、前記昇降部が、一定距離、前記昇降部駆動機構から離間したことを検出する離間検出部として、離間伝達ブロックとリミットスイッチとを備え、前記離間伝達ブロックの全体と前記リミットスイッチの全体とは、間に仕切りを介することなく設けられ、前記一定距離は前記離間伝達ブロックの設置位置により任意に設定できる、ことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、昇降部駆動機構は、前記昇降部と離間可能に前記昇降部を支持しているので、例えば下降時に障害物に干渉されて下降できなくなっても、昇降部駆動機構は離間して、単独で下降できる。その結果、障害物には、昇降部や搭載部の自重や搭載部上の入浴者の体重が掛かるだけで済み、搬送車全体の重量や、昇降部を降下させる為の昇降部駆動機構の動力は掛からない。
【0009】
以上により、上記構成によれば、昇降部や搭載部に障害物が干渉しても、障害物には、搬送車全体の荷重、また昇降部を降下させる為の昇降部駆動機構の動力が掛からずに済むため、搬送車や障害物の破損を防止でき、搬送車周辺の安全性が向上する。
【0010】
(2)本発明において、好ましい実施態様では、前記昇降部駆動機構は、直動式シリンダーと、機構枠体と、を備え、前記直動式シリンダーが作動して伸縮すると、前記機構枠体が昇降し、前記昇降部は前記機構枠体に載置され、前記機構枠体は、前記昇降部を下方から離間可能に支持している、ことを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、昇降部や搭載部に障害物が干渉しても、昇降部は機構枠体に載置されているだけなので、障害物には搬送車全体の荷重、また昇降部を降下させる為の昇降部駆動機構の直動式シリンダーの動力が掛からずに済むため、搬送車や障害物の破損を防止でき、搬送車周辺の安全性が向上する。
【0012】
(3)本発明において、好ましい実施態様では、前記離間検出部における前記検出に基づいて、前記昇降部駆動機構の下降を抑制する。
【0013】
この構成によれば、離間検出部で昇降部が昇降部駆動機構から一定距離離間したことが検出されると、昇降部駆動機構の下降が抑制される。
【0014】
そのため、前記検出する離間の距離を短く設定すると、昇降部が昇降部駆動機構まで下降可能な距離が短くなる。そのため、障害物との干渉が無くなって、昇降部が昇降部駆動機構上に下降して当接する際の衝撃は極めて小さくて済む。そのため、障害物の干渉排除後における昇降部の下降に対して、入浴者の安全を維持できると共に、搬送車の破損を防ぐことができる。
【0015】
(4)本発明において、好ましい実施態様では、前記昇降部が、前記離間検出部における前記検出に基づいて、前記昇降部駆動機構を前記検出部が少なくとも検出しなくなるまで上昇させる、ことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、離間検出部で昇降部が昇降部駆動機構から一定距離離間したことが検出されると、昇降部駆動機構が少なくとも検出しなくなるまで上昇される。
【0017】
そのため、昇降部や搭載部に障害物が干渉しなくなった状態となる為、障害物の排除が容易となる。
【0018】
(5)本発明に係る入浴装置は、前記搬送車と、浴槽を備える。
【0019】
この構成によれば、前記搬送車と、浴槽を備え、安全に入退浴を行う事ができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、昇降部に下降に反する方向へ所定以上の負荷が加わると昇降部駆動機構は昇降部から離間するよう昇降部の内部に設けられている。そのため、昇降部の下降中、障害物が干渉した場合、昇降部駆動機構が下降しても昇降部は下降しない。その結果、障害物には昇降部や搭載部の荷重は掛かっても、搬送車全体の重量、また昇降部を降下させる為の昇降部駆動機構の動力が掛からずに済む。それにより、前記干渉による搬送車や障害物の破損が防止でき、また、搬送上の安全性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】搬送車が浴槽に横付けされて接続された状態で示す斜視図である。
図2】昇降部が下限位置にある搬送車の斜視図である。
図3】昇降部が上限位置にある搬送車の斜視図である。
図4図2に対応し要部を断面で示す搬送車の正面図である。
図5図3に対応し要部を断面で示す搬送車の正面図である。
図6】障害物が挟み込んだときの動作状態を示す部分拡大図である。
図7図6の一部のさらなる拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る搬送車を説明する。
【0023】
図1ないし図3を参照して、搬送車を説明する。図1は、搬送車が浴槽に横付けされて接続されている状態を示す。図2は昇降部が下限位置にある搬送車、図3は、昇降部が上限位置にある搬送車をそれぞれ示す。
【0024】
図1において、搬送車1は、浴槽2に横付け状態で接続されている。搬送車1は、台車部3と、台車部3から分離可能な搭載部4と、搭載部4を昇降する昇降部5と、を備える。図1では、図解の明瞭化のため、搭載部4は、搬送車1から浴槽2側へ移動した状態で示す。
【0025】
台車部3は、キャスター6と、台枠7と、台車ボックス8と、を有する。
【0026】
台車ボックス8には、昇降ペダル9と、浴槽ロック解除ペダル10とが設けられる。昇降ペダル9は、昇降部5を昇降操作するためのペダルである。台車部3は、浴槽2に接続されると、後述のロック機構でロックされる。浴槽ロック解除ペダル10は、そのロックを解除するためのペダルである。
【0027】
台車ボックス8内部に、昇降部5が、昇降可能に収納されている。昇降部5の上面には、搭載部4が設置される平行に対向する一対のガイドレール11が設けられている。
【0028】
昇降部5の上面には、コの字状の枠体(ロック部)13が設けられる。また、昇降の際に垂直に昇降するよう昇降部5には昇降ガイドローラー12が設けられている。
【0029】
一方、浴槽2の一方の側部における上縁には、台車部3と浴槽2とを接続するための接続部材15が装着される。接続部材15には前記枠体13に対応したコの字状の溝(被ロック部)14が形成されている。枠体13と溝14とで、台車部3と浴槽2とを接続状態にロックするロック機構を構成する。
【0030】
さらに、浴槽2側には、台車部3側のガイドレール11に対向して一対のガイドレール16が取り付けられている。
【0031】
ガイドレール11に搭載部4を設置した状態で、昇降部5を上限の高さ位置まで上昇させる。次いで、台車部3のガイドレール11と浴槽2のガイドレール16とを対向させた状態で、台車部3を浴槽2に横付け、台車部3の枠体13を浴槽2側の接続部材15の上面に乗り上げ、溝14に入り込ませる。これにより、台車部3は、浴槽2に接続される。
【0032】
この接続の状態は、台車部3と浴槽2とが、搭載部4を台車部3と浴槽2との間で相互に受け渡し可能な高さ位置で接続されている状態である。
【0033】
台車部3と浴槽2とが接続されている状態で、搭載部4を台車部3のガイドレール11に沿って浴槽2のガイドレール16上へ移動させて、搭載部4を台車部3から浴槽2へと受け渡す。
【0034】
浴槽2のガイドレール16上へ受け渡された搭載部4は、ガイドレール16に沿って、浴槽2の上方に案内される。搭載部4は、ガイドレール16の中央に移動すると、浴槽2内に下降され、入浴者を搭載部4に乗った状態で浴槽2に入浴させることができる。
【0035】
次に、図4および図5を参照して昇降部5を詳細に説明する。図4および図5は台車部3の一部および昇降部5が断面で示される図であり、図4は昇降部5が下限位置にあり、図5は昇降部5が上限位置にある。
【0036】
昇降部5は、四周の側部5aと上部5bとから下部が開口した矩形ボックス形状をなし、台車部3の台車ボックス8内に昇降可能に収納されている。昇降部5は、その上部5bの上面側に、ガイドレール11が設けられ、上部5bの下面側にリミットスイッチ20が固定されている。
【0037】
昇降部駆動機構21は、昇降部5および台車ボックス8の内部に収納される。そして、昇降部5は、図4に示す位置を下限位置、図5に示す位置を上限位置とし、両位置間を昇降する。昇降部5の下部側は、台車ボックス8の内部に位置している。そのため、昇降部5や搭載部4が障害物に干渉されても、昇降部駆動機構21は、障害物に干渉されることはない。
【0038】
昇降部駆動機構21は、直動式シリンダー22と、機構枠体24と、動滑車25(回転体)と、索条26(伝達部)と、制御ユニット28と、を備える。
【0039】
直動式シリンダー22は、電動式で、直動式シリンダー22を制御する制御ユニット28と共に、台車部3の底面に固定されている。直動式シリンダー22のロッド22aの先端に回転体25が回転可能に軸支されている。伝達部26は、その一端側が台車部3の底面に固定され、動滑車25に巻き掛けられて、その他端側が機構枠体24の一部である横枠24aに固定されている。直動式シリンダー22が作動してロッド22aが伸縮すると、動滑車25が昇降する。動滑車25の昇降により、索条26を介して、機構枠体24が昇降する。
【0040】
動滑車25と索条26は、ロッド22aの昇降ストロークに対して、昇降部5の昇降動作を増幅する増幅機構を構成する。この増幅機構によって、ロッド22aの伸縮ストロークを短くすることができる。そのため、搭載部4の座面を低くし、また、昇降部5の昇降速度を早めることができる。
【0041】
昇降ペダル9が昇降操作されると、制御ユニット28は、昇降ペダル9の操作に応じて、直動式シリンダー22を駆動して、昇降部5を昇降させる。
【0042】
離間伝達ブロック23は、機構枠体24の一部である縦枠24bに固定されている。離間伝達ブロック23は、リミットスイッチ20とで、昇降部5と昇降部駆動機構21との離間を検出する離間検出部を構成する。リミットスイッチ20の接点20aは、離間伝達ブロック23に対してその下方位置で一定の距離離間している。
【0043】
昇降部5に障害物の干渉が無く、昇降部5が、図4の下限位置と図5の上限位置との間を昇降するときは、機構枠体24も昇降部5と共に昇降する。この昇降の状態では、リミットスイッチ20の接点20aと離間伝達ブロック23とは離間状態が保たれ、制御ユニット28には、リミットスイッチ20から離間検出信号は入力されない。
【0044】
次に、図6および図7に示すように、昇降部5が、その下降中に、ガイドレール11等に障害物を挟み込むなどして、下降できなくなると、昇降部駆動機構は昇降部から離間するよう設けられているため、昇降部駆動機構21のみが下降する。昇降部駆動機構21が、一定距離下降すると、離間伝達ブロック23が、リミットスイッチ20の接点20aに当接し、リミットスイッチ20がオン信号を出力する。
【0045】
このオン信号は、制御ユニット28に対して、離間検出信号として入力される。この離間検出信号は、昇降部駆動機構21が昇降部5から一定距離離間した位置に下降したことを示す信号である。制御ユニット28は、離間検出信号の入力に応答して直動式シリンダー22の下降を抑制する制御を行う。これにより、昇降部駆動機構21は、一定距離下降すると、それ以上の下降が抑制される。
【0046】
上記一定距離は、離間伝達ブロック23の設置位置により任意に設定できる。
【0047】
前記設置位置の設定により、上記一定距離を短く設定すれば、昇降部駆動機構21の下降距離が短くなる。そのため、障害物の干渉がなくなって昇降部5が下降しても、昇降部5が昇降部駆動機構21まで下降する距離は、短くなる。具体的には、昇降部5の上部5bの下面と機構枠体24の上端面との離間距離である。上記一定距離が短いと、昇降部が下降し、その上部5bが昇降部駆動機構21の機構枠体24に当接する際の衝撃を極めて小さくできる。これにより、障害物の干渉が排除されて昇降部5が下降する際において、搭載部4上の入浴者の安全性を高く維持できる。
【0048】
また、実施形態では、離間伝達ブロック23の状態をリミットスイッチ20で検出しているが、昇降部5と昇降部駆動機構21が離間した際に発生する伝達部26の変化をリミットスイッチ20で検出してもよい。
【0049】
この場合で言う伝達部26の変化とはたわみの事を言うが、伝達部の張力を計測し、変化を検出しても良い。
【0050】
以上説明したように、実施形態によれば、昇降部5に下降に反する方向へ所定以上の負荷が加わると昇降部駆動機構21は昇降部5から離間するよう昇降部の内部に設けられている。そのため、昇降部5の下降中にガイドレール11に障害物が噛み込むなどの干渉によって、昇降部5が下降できず、昇降部駆動機構21は下降して昇降部5から離間する。そのため、障害物には昇降部5や搭載部4の自重と入浴者の体重が掛かるだけで済み、これにより、障害物の破損を防止でき、また、搬送上の安全性を高くできる。
【0051】
また、離間を検知した場合、昇降部駆動機構21を少なくとも離間を検知しなくなるまで上昇させることで、障害物との干渉を解消でき、障害物を容易に排除することができる。
【0052】
実施形態では、直動式シリンダー22は、電動式であるが、油圧式、水圧式、空冷式でもよい。また、図示を略するが、直動式シリンダー22を、ネジシャフト式伸縮体、または、伸縮作動をなすアクチェーター等のメカニカルシリンダーに代えてもよい。また、必要に応じ複数本のシリンダーによって昇降させることもできる。
【0053】
更に、昇駆動機構21動滑車25と索条26、それぞれ複数の動滑車、索条で構成しても良い。また、それぞれスプロケットとチェーンの組み合わせでも良い。
【0054】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0055】
1 搬送車
2 浴槽
3 台車部
4 搭載部
5 昇降部
9 昇降ペダル
11 ガイドレール
12 昇降ガイドローラー
13 枠体(ロック部)
14 溝(被ロック部)
15 接続部材
16 ガイドレール
20 リミットスイッチ(離間検出部)
20a リミットスイッチの接点
21 昇降部駆動機構
22 直動式シリンダー
23 離間伝達ブロック(離間検出部)
24 機構枠体
25 回転体
26 伝達部
28 制御ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7