(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6703329
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】アルコール類販売システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20200525BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-231044(P2018-231044)
(22)【出願日】2018年12月10日
【審査請求日】2018年12月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518155889
【氏名又は名称】株式会社OPE
(74)【代理人】
【識別番号】100163533
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 義信
(72)【発明者】
【氏名】村田 明穂
【審査官】
小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−157354(JP,A)
【文献】
特開2007−269491(JP,A)
【文献】
特開2008−269452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バー等の飲食店において顧客に所望のアルコール類を販売するシステムにおいて、
飲食店をあたかも顧客の所有として顧客がバーテンダーになってカクテル等を作り顧客の仲間に提供することを疑似体験できるシステムであって、
アルコール類と、生果物を含むアルコール類以外の必要な材料を混合して作成されるカクテル等のアルコール類を作成するレシピが格納された記憶手段と、
該記憶手段に記憶されたレシピから所望のレシピを選択する選択入力手段と、
該選択入力手段の入力により選択されたレシピとして必要なアルコール類の種類及び量と、生果物を含むアルコール類以外の必要な材料と、使用するグラスの種類と、作り方として前記材料及び前記アルコール類の混合する順番とを表示する表示手段を有する表示器と、
前記選択されたレシピで用いるアルコール類の少なくとも一部を、複数の前記アルコール類を収納するアルコール類の容器の棚内で指示する指示手段と、
前記顧客自身が前記レシピに基づいてカクテル類を作るためのカウンターと、
を備え、
前記カウンターは、顧客のグループ毎に分割され、前記選択入力手段と、前記表示手段とが配置されていることを特徴とするアルコール類の販売システム。
【請求項2】
前記アルコール類の少なくとも1種はガラス製の瓶内に収納されており、
該瓶には該瓶の内容物を特定する内容物特定コードが付設されており、
前記指示手段は、
アルコール類の容器の前記棚にこの内容物特定コードを読み込む読み込み手段と、
該読み込み手段が読み込んだデータに基づいて前記瓶の近傍で点灯する発光手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のアルコール類の販売システム。
【請求項3】
前記飲食店は分割形状に形成された複数のカウンターを備え、
該複数のカウンターは互いに間隔を置いて配置されており、かつ選択的に各カウンター間に仕切りを配設できるものであり、
前記各カウンターにこのカウンターを使用する使用者またはその代表者を特定する入力手段を設けたことを特徴とする、請求項1または2に記載のアルコール類の販売システム。
【請求項4】
前記入力手段は、指認証システム、磁気カードリーダ、ICカードリーダ、2次元コードリーダ、スマートフォンの少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項3に記載のアルコール類の販売システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルコール類の販売システムであって、
RFIDタグが取付けられたグラスと、
前記グラスに注入されたアルコール類の量を計量する手段と、
アルコール類の種類を特定するためにアルコール類の容器に付設されたアルコール類特定コードと、
前記アルコール類特定コードの読み取り手段と、
前記RFIDタグおよび前記読み取り手段と通信する演算手段とを更に備え、
前記演算手段には前記RFIDタグに基づいて前記グラスを使用する使用者または使用者グループが記憶されており、
前記演算手段は、計量したアルコール類の量と前記読み取り手段が読み取った前記アルコール類特定コードから前記グラスに注入されたアルコール類の料金を演算して、使用者または使用者グループに自動課金することを特徴とするアルコール類の販売システム。
【請求項6】
前記アルコール類特定コードの前記読み取り手段は、バーコードリーダ、ICタグリーダ、2次元コードリーダ、RFIDタグリーダの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項5に記載のアルコール類の販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノンアルコールを含むアルコール類の販売および享受が可能なアルコール類販売システムおよび方法に係り、特にシェア形態を利用してノンアルコールを含むアルコール類の販売および享受が可能なアルコール類販売システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バーやスナック等の飲食店では、客は単身でまたは複数人のグループで来店し、飲食店で働くバーテンダーのような飲食提供者から、ノンアルコールを含む所望のアルコール類の提供を受ける。その際客は、飲食店に設けられたカウンターおよび/またはテーブル周りの椅子に着座するか立ったままで飲食の提供を受ける。
【0003】
このような一般的な飲食店に対し、より飲食店との馴染み感を増す、および客自身の飲食におけるモチベーションを向上させる他の形態の飲食店が模索されている。その一つが、客が飲食店から一方的にサービスを受けるだけでなく、客自身が一部主体的に飲食の提供に参加する参加型の飲食店であり、いわば「俺のバー」とでも呼ぶべきものである。
【0004】
「俺のバー」は、飲食業経営に不慣れな飲食客が、個人で飲食店を経営することや他人と一緒に共同経営することが、現実的に多くの困難を伴うことの問題を一部解消するものであり、そこでは、客がある所定時間、飲食店を自分の所有物として疑似体験しながらアルコール類の提供を享受できる。
【0005】
従来の飲食店の例が、特許文献1に記載されている。この公報に記載の飲食店では、お客が商品を注文する際には大声を上げて注文する必要が無く、好きな商品を気兼ねなく簡単に注文できるとともに注文とともに料金が提示される。そのために、飲食店では、客側に商品の入力手段を備えた移動体および/または固定端末を設け、飲食店側に設けた入力手段を備えた移動体および/または固定端末との間で、有線または無線通信網を用いて通信している。これにより、予算オーバや食べ過ぎ等の弊害を無くしている。
【0006】
ボトルキープ方式の飲食店における残量飲料の管理方法の例が、特許文献2、3に記載されている。特許文献2に記載のものは、最新の通信技術に適応した店舗で酒類を販売するシステムであり、各店舗には、客が購入して未消費となった酒類の残量と客に提示する酒類の提供量とを計量する計量装置と、計量装置を制御する店舗コンピュータとが設置されている。本部の管理コンピュータと店舗コンピュータはネットワークを介して接続されている。管理コンピュータは計量装置の計量値をデータベース化し、客はネットワークを介して管理コンピュータにアクセス可能なように、携帯用通信端末器を所持する。
【0007】
特許文献3には、店舗にとらわれることなくキープした酒を飲むことができ、またキープした以外の酒を飲むことが可能になるシステムが開示されている。このシステムでは、ボトルの酒類残量を検出する残量検出手段と、残量を管理単位に変換する手段と、変換した酒類の量を記憶するDB記録手段と、DB記録手段から残量を読み取るDB読取手段と、読み取った残量を顧客の希望酒類の量に変換する変換手段と、酒類を提供する提供手段を備える。
【0008】
飲食店におけるボトル管理の例が、特許文献4に記載されている。この公報に記載のボトル位置指示装置は、ボトルを任意の空いた保管区画に保管しても簡単にかつ安価に特定して指示できる。そのために、各保管区画にボトルに取付けられたコード担持体の顧客識別コートを読み取るコードリーダを設けるとともに、入力された顧客の識別情報に応答して、顧客に割り当てられた顧客識別コードを創出する入力手段と、コードリーダが読み取った顧客識別コードを検索して送出された顧客識別コードに一致する顧客識別コードを読み取ったコードリーダを特定するコード検索手段と、特定されたコードリーダに対応する発光体を選択する発光体選択手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−256526号公報
【特許文献2】特開2016−206892号公報
【特許文献3】特開2001−325338号公報
【特許文献4】特開2006−206215号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】「カクテル事典315種」、稲保幸、新星出版社、2003年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
飲食店を自分の所有として疑似体験する雰囲気で酒類の提供を享受することは、複数または単数の連れをつれて来店する客にとり、自己のグループ内の融和を高めまた自己の活動領域を広げる利点を有する。しかしながら、元来のバーの所有者または従業員や他の客グループとの関係において、金銭かつ提供する酒類を明瞭に区別する必要が生じる。それは特に、他のグループとの良好な関係を損なわない程度に自己のグループ内で完結できることが望まれる。
【0012】
上記特許文献1に記載の飲食店における商品の注文システムでは、客側に注文用の入力手段が設けられているので、お客は他のグループに遠慮することなくまた迷惑を掛けることなく商品を注文できる。しかしながらこの文献に記載のものでは、客のグループが擬似的に自己所有のバーのような飲食店を経験することはできず、サービスは一方的にサービス提供業者からしか得られない。
【0013】
上記特許文献2、3に記載のボトルキープ方式の店舗における残量管理システムでは、顧客は自己の所有に属する酒類の残量もしくはそれに対応する量を常時把握できるという利点を有しているが、いずれの公報においても酒類を客が主体的に提供するもしくはサービスすることについては開示されておらず、客がバーテンダー等を擬似的に体験することは困難である。また、カクテル等のレシピの必要な飲料を作成する場合の飲料作成方法およびそれに伴う簡単で確実な課金の方法については考慮されていない。
【0014】
上記特許文献4には、ボトルキープ方式の店舗においてキープされたボトルを迅速に判断し表示するシステムが開示されており、バーテンダー等を疑似体験する場合には好都合であると思われるが、バーテンダー等を疑似体験する際に必要となる上述したその他の点については十分配慮はされていない。
【0015】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、一人または複数からなるグループの客がバー等の飲食店を部分的に貸し切って、疑似バーテンダーのような飲食提供業務を実行できるようにすることにある。本発明の他の目的は、上記目的に加え、当該グループでの飲食提供における必要なレシピを簡単に提供するまたは課金を容易な方法で実行できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する本発明の特徴は、バー等の飲食店において顧客に所望のアルコール類を販売するシステムにおいて、複数の材料を混合して作成されるカクテル等のアルコール類を作成するレシピが格納された記憶手段と、該記憶手段に記憶されたレシピから所望のレシピを選択する選択入力手段と、該選択入力手段の入力により選択されたレシピを表示する表示手段を有する表示器と、前記選択したレシピで用いる材料の少なくとも一部を、前記複数の材料を収納する材料容器の棚内で指示する指示手段を備えることにある。
【0017】
そしてこの特徴において、前記材料の少なくとも1種はガラス製の瓶内に収納されており、該瓶には該瓶の内容物を特定するバーコードや磁気コード等で構成された内容物特定コードが付設されており、材料容器の前記棚にこの内容物特定コードを読み込む読み込み手段と、該読み込み手段が読み込んだデータに基づいて前記瓶の近傍で点灯する発光手段を設けることが望ましい。また、前記飲食店は分割形状に形成された複数のカウンターを備え、該複数のカウンターは互いに間隔を置いて配置されており、かつ選択的に各カウンター間に仕切りを配設できるものであり、前記各カウンターにこのカウンターを使用する使用者またはその代表者を特定する入力手段を設ける方が良い。さらに、上記特徴において、前記入力手段は、指認証システム、磁気カードリーダ、光カードリーダ、ICタグリーダ、2次元コードリーダ、RFIDタグリーダ、スマートフォンの少なくともいずれかを含むことが好ましい。
【0018】
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、バー等の飲食店において顧客に所望のアルコール類を販売するシステムにおいて、RFIDタグが取付けられたグラスと、前記グラスに注入されたアルコール類の量を計量する手段と、アルコール類の種類を特定するためにアルコール類の容器に付設されたアルコール類特定コードと、前記アルコール類特定コードの読み取り手段と、前記RFIDタグおよび前記読み取り手段と通信する演算手段を備え、前記演算手段には前記RFIDタグに基づいて前記グラスを使用する使用者または使用グループを記憶されており、前記演算手段は、計量したアルコール類の量と前記読み取り手段が読み取ったアルコール類特定コードから前記グラスに注入されたアルコール類の料金を演算して、使用者または使用者グループに自動課金することにある。
【0019】
そしてこの特徴において、前記アルコール類特定コードの読み取り手段は、バーコードリーダ、ICタグリーダ、2次元コードリーダ、RFIDタグリーダ、OCRの少なくともいずれかを含むことが望ましい。
【0020】
上記目的を達成する本発明のさらに他の特徴は、バー等の飲食店において顧客に所望のアルコール類を販売するアルコール類の販売方法において、入力手段を介して来店した顧客のデータを制御演算手段に入力し、制御演算手段は入力された顧客データに基づきキープされたボトルの有無を判断し、キープされたボトルがあればボトルラックにおける当該キープされたボトルの近傍に配置された発光手段を点灯させることにある。
【0021】
そしてこの特徴において、前記所望のアルコール類がカクテル等の複数の材料を混合する場合において、表示手段に所望のアルコール類のレシピを表示し、表示されたレシピに必要な材料であって少なくともアルコール類とリキュール類については、前記発光手段を点灯させて、それらが保管された棚内の当該材料の位置を報知することが好ましく、 前記演算手段がキープされたボトルがないと判断した場合に、前記演算手段は、顧客が使用するグラスに付設したグラス用のRFIDタグと、前記グラスに注入されたアルコール類の量を計量する手段と、アルコール類の種類を特定するためにアルコール容器に付設されたアルコール類特定コードを認識するRFIDタグを用いて、前記グラスに注入されたアルコール類の料金を演算して自動課金することが望ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、カウンターを備える飲食店において、カクテル等のアルコール飲料の作成方法を表示可能な表示手段と、該作成方法に使用するアルコールまたはリキュール類等を指示する指示手段を設けたので、カクテル等の作成に慣れていない顧客であっても容易にカクテル等のアルコール飲料を作成でき、疑似バーテンダーのような飲食提供業務を実行できる。また、上記表示手段と指示手段を有するバー等の飲食店において、カウンターを分割形状とすることにより、一人または複数からなるグループの客がバー等の飲食店を部分的に貸し切って、疑似バーテンダーのような飲食提供業務を実行できる。さらに、各グラスに注ぐアルコール類の量を分割テーブルと対応付けることにより、課金が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る飲食店のレイアウトの一例を示す模式上面図である。
【
図2A】本発明に係るボトルラックの一例を示す斜視図である。
【
図2B】個人データ入力からキープしたボトルを探すことを説明する図であり、
図2B(a)はその概略システム図、
図2B(b)はそのブロック図である。
【
図2C】ボトルとグラス類へのRFIDタグの取付けを示す図である。
【
図3】アルコール飲料の作成方法を説明する図であり、
図3(a)は準備する品物を示す図、
図3(b)は表示手段の表示例を示す図である。
【
図4】生ビールやワインの課金を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る飲食店の販売システムおよび方法の例を、図面を用いて説明する。以下の説明においてはバーを例に取り説明するが、飲食店はバーに限らずスナックやその他の飲食店にも適用できる。飲食店10は、複数に分割された形状のカウンター20(20a、20b、20c…)と選択的にテーブル30(30a、30b、30c…)を備える。各カウンター20a、20b、20c、…の間には、選択的に衝立(仕切り)40(40a、40b…)が配置されており、各カウンター20a、20b、20c…を取り囲む顧客50のグループを互いに隔離している。衝立40は、顧客50がグループごとにまとまって貸し切り感を与えるためのものであり、特に貸し切り感を必要としない場合には衝立40は不要である。ただし、衝立40がない場合でも、各カウンター20a、20b、20c…間には顧客50の内の一人が通り抜ける程度の隙間が形成されている。
【0025】
カウンター20の顧客席55の反対側には、カウンター20と間隔を置いてボトルラック70が配設されている。テーブル30が配置される場合には、テーブル30は顧客席55の背面側に配置される。ボトルラック70とカウンター20の間(以後カウンター内60とも称す)には、必要に応じてグラス類、シェーカやマドラー等の用具、リキュール類、およびフルーツ等またはつまみ等を格納する棚類62(62a、62b…)が配設されている。カウンター内60にはこの飲食店10の従業員または経営者であるバーテンダー12がおり、つまみやカクテルおよび各種アルコール類の提供と課金をするとともに、顧客50がバーテンダー12の代わりにアルコール類を作成することを補助する。バーテンダー12はカウンター20のカウンター内60側も使用できるが、それらがふさがっている場合に自分だけが使用するテーブル14を使用する。
【0026】
各カウンター20a、20b、20c…の顧客席55の反対側には、カウンター上面21より高さの低い天板22が設けられており、各種カクテルのレシピが格納された表示器80が載置されている。この天板22には、アルコール類や水、ソーダ等のガラス製の瓶(ボトル)およびアイスペール、リキュール、フルーツ等も載置でき、簡単なカクテルや水割り、ソーダ割り等をその場で作成できる。天板22の下側の空間には、グラス類、シェーカやマドラー等の用具、リキュール類、およびフルーツ等またはつまみ等を格納する棚類62を配設できる。
【0027】
カウンター内60またはそれに隣り合って、簡単な調理をする調理領域90が形成されている。調理領域90には冷蔵庫92や製氷機93が配設されている。また、新鮮な果物等の保管場所および洗い場になっている。なお、ビール類を提供するビールサーバ64は、本実施例では顧客が自由に利用できるよう顧客席側に配置されている。
【0028】
各カウンター20a、20b、20c…、およびテーブル30a、30b、30c…、には、顧客(使用者または代表者)50の入力手段110が設けられている。入力手段110は、指認証システムで用いるリーダ110aや、通勤等に使用するSuica(登録商標)等のICカードを利用できるICカードリーダまたは磁気カードリーダ110b、QRコード(登録商標)等の2次元コードのコードリーダまたはスマートフォンのアプリ等である(
図2B参照)。食事を終えた後に立ち寄る場合もある飲食店10なので、特段に準備する必要が無く個人に備わっている指を認証する指認証システムが最も便利であり、次いでスマートフォンである。
【0029】
入力手段110が読み取る顧客50の個人データ112は、カウンター内60の営業用テーブルに載置されたパーソナルコンピュータ等の演算制御手段120が備える記憶手段122に、顧客データ124として事前に記憶されている。顧客50が来店して入力手段110で個人データ112を入力することにより、演算制御手段120は記憶手段122の顧客データ124を照合し、顧客データ124が無い場合にはその場で顧客データ124を作成する。顧客データ124がある場合には、個人データ112が入力された入力手段110を有するカウンター20またはテーブル30が、当該顧客50を含むグループの専用席となる。なお顧客データ124は他人と区別できるものであればよく、最低限、仮名を含む名前である。
【0030】
次にボトルキープ制を採用している飲食店10の例を、
図2A〜
図2Cを用いて説明する。
図2Aはボトルラック70の一例の斜視図であり、
図2B(a)は、キープしたボトルを簡単に検出する方法を説明する図、
図2B(b)は、キープしたボトル74の検出を示す模式ブロック図である。
図2Cは、ボトルやグラス等の識別を説明するための図である。
【0031】
焼酎やウイスキー、ブランデー等の瓶入りのアルコール類100は、井桁状に構成された複数の空間72を有するボトルラック70内に保持されている。ボトルラック70内の各ボトル74には、バーコード130が貼付または付設されるかボトルキープ者の個人データ112が記憶されているRFIDタグ132を有するボトルタグ134が取付けられている。井桁状の空間72の各ボトル74の下側であって、カウンター内60に面する側には、LEDライト等の発光手段76が取付けられている。演算制御手段120に接続されたボトルラック70内のRFIDタグリーダ140が、演算制御手段120で照合された顧客データ124に対応する、ボトルラック70内のボトル74のID113を調べる。ボトル74のID113が検出されると、当該ボトル74のRFIDタグ132の発信信号に応じた、ボトル74の近傍である下側の発光手段76を点灯させる。
【0032】
図2B(b)を用いてこの手順を説明する。顧客が来店し、各カウンター20a、20b、20c…またはテーブル30a、30b、30c…の入力手段から個人データ112を入力すると、演算制御装置は個人データ112を予め記憶された顧客データ124と照合し、一致したデータがある場合にはそのデータに対応するボトル74のバーコード130またはRFIDタグ132(
図2C(a)参照)をボトルラック70内で検索する。そしてヒットしたボトル74の下側の発光手段76を点灯させる。これにより、顧客50が来店して個人データ112を提示するだけで、ボトルラック70内の顧客50のキープしたボトル74を容易に識別できる。識別されたボトル74は、来店した顧客50とバーテンダー12のいずれでも、対応するカウンター20へ運ぶことができる。なおボトル74のボトルタグ134には記名欄134aが形成されていて、予め顧客50の名前が記載されているので、バーテンダー12は目視で正しい顧客50のキープしたボトルであるか否かを判断できる。
【0033】
飲食店10がボトルキープ制を有しない場合、またはボトルキープ制があってもキープしたボトルを有さない顧客50が来店した場合について、
図3、
図4を用いて説明する。
図3は、アルコール類100のレシピを記憶した表示器80を備えるシステムの例であり、
図3(a)は分割カウンター20をカウンター内60の側から見た斜視図であり、
図3(b)は各分割カウンター20に配置した表示器80の表示内容の一例を示す図である。表示器80には予めカクテル類等の作成レシピが記憶されており、当日の飲食店10の材料等の準備状態に応じて作成可能なレシピに限定することが可能になっている。顧客50の内の一人(代表者)がカウンター内60側に回って、記憶されたレシピに基づいてアルコール類100を作成しようとする場合である。
【0034】
表示器80は表示手段(ディスプレイ)82を有している。ディスプレイ82は指示手段も兼ねており、タッチセンサの機能も有しているので入力手段としても使用される。ディスプレイ82では、はじめにレシピの題目一覧が表示されるので、題目一覧を用いて所望のアルコール類100の部分をタッチして選択入力する。すなわち、ディスプレイ82は選択入力手段の機能を有する。ディスプレイ82上に、所望のレシピ82aが表示される。
【0035】
例えば、所望のアルコール類が「ブルー・ラグーン・カクテル」であれば、材料としてウォッカ30ml、ブルーキュラソー20ml、レモンジュース20mlが表示される。それとともに、作り方として、(1)材料をシェークしてシャンパングラスに入れる、(2)氷を加えて、マラスキーノ・チェリー、オレンジ・スライス、レモン・スライスを飾る、(3)ストローを加える、等が指示される。
【0036】
初めに棚類62の中の用具棚62からアイスペール254、マドラー252、トング250、メジャー・カップ242、シェーカ246等を準備する。また、ミネラルウォーター248や炭酸水、氷等も必要に応じて準備する。
【0037】
この際、3種の材料の内で、アルコール類100であるウォッカ151とリキュールであるブルーキュラソー152はそれぞれ棚類62の中の材料容器の棚62aに置かれているが、種類が多い場合にはどの場所にあるのか探すのが容易ではない。本実施例では、各材料が収納されたボトル(アルコール容器)151、152にRFIDタグ133を貼付または付設し、表示器80にRFIDタグリーダ142を接続している。また材料容器の棚62aでは、
図2Aに示したボトルラックと同様に、各材料のボトル151、152、…に近接してRFIDタグリーダ(図示せず)と発光手段(図示せず)が配置されており、表示器80に接続されている。従ってディスプレイ82に所望のアルコール類100に使用する材料が表示されると、表示器80に接続された材料容器の棚62aのRFIDタグリーダは、使用する材料のボトル151、152…を検索および抽出し、当該材料のボトル151、152…に近接した発光手段を点灯させる。これにより、カクテルを作成するのに必要な材料を容易に揃えることができる。なお、生物である果物類やジュース類は、冷蔵庫92等から調達する。
【0038】
次にボトルキープをしていない顧客50が、生ビール202やワイン等を自分でジョッキ222やグラス224に注入または作成する場合を、
図4に示す。生ビール202は、ビールサーバ64からジョッキ222に注入される。各ジョッキ222の底面にはRFIDタグ226が取付けられており(
図2C参照)、ジョッキ222に生ビール202が注がれた時点で、ビールサーバ64に取付けたRFIDリーダ232はどのジョッキ222に生ビール202が注がれたかを識別し、演算制御手段120に送信する。その後生ビール202が満たされたジョッキ222がカウンター20またはテーブル30に運ばれる。カウンター20およびテーブル30にはRFIDリーダ228が取付けられていて、このカウンター20またはテーブル30を使用する顧客(使用者または使用者グループ)50の、入力手段110から入力された個人データ112に関連づけられている。RFIDリーダ228は、演算制御手段120に無線または有線で接続されて通信しているので、ジョッキ222がカウンター20またはテーブル30に持ち込まれた時点で、消費する顧客50のグループを特定できる。これにより、演算制御手段120は、カウンター20またはテーブル30のRFIDリーダ228の入力情報に基づき、顧客(使用者)50のグループに自動課金することが可能になる。
【0039】
グラスワインを消費する場合は生ビールの場合と同様である。ただし、グラスワインを消費するのがカウンター20の顧客50であれば、カウンター20の天板22側でボトル220からグラス224にワインを注ぐ。ワインの種類をボトル220に貼付または付設されたバーコード225またはRFIDタグ227から識別する。RFIDタグ229が貼付または付設されたグラス224を特定のカウンター20またはテーブル30に運ぶと、カウンター20またはテーブル30のRFIDリーダ228がグラスのRFIDタグ229を読み取り、演算制御手段120に課金情報として入力する。これにより自動課金が可能になる。
【0040】
ボトル220で提供するビールやワインの場合には、各ボトル220の底面に取り外し可能にRFIDタグを取付け、その後ジョッキ222の生ビール202と同様に、RFIDタグをカウンター20またはテーブル30に取付けたRFIDリーダ228で読み取る。その結果は無線または有線で通信して演算制御手段120に送られ、演算制御手段120は、当該カウンター20またはテーブル30を使用する顧客(使用者)50のグループに自動で課金する。瓶で提供するビールやワインは消費サイクルが短いので、RFIDタグは例えば粘着テープ等で取り外し可能に取り付けることが望ましい。
【0041】
図5に、ウイスキーの水割りを提供する例を示す。ウイスキーや焼酎、場合によっては日本酒は、量り売りすることがある。この場合、カウンター20の天板22に計量手段230を設けその上にグラス240を載置する。メジャー・カップ242を用いてウイスキーの所定量、例えばシングル、ダブル等の量をグラス240に注ぐ。計量手段230は注がれたウイスキーの量を計量し、その量を演算制御手段120にウイスキーの消費量として入力する。それとともに、アルコール類100の種類を入力する。その後氷や水をグラス240に入れる。なお計量手段230はカウンター20の天板22に埋め込み式に設けると、段差等がなく他の作業に支障をきたす恐れがない。
【0042】
ここでアルコール類の種類は、アルコール類特定コードとして使用するボトル74に貼付または付設したバーコード130またはRFIDタグ132をリーダで読み込むことで認識可能になる。ここで、アルコール類等の内容物特定コードとしては、その他に、2次元コード、ICタグを用いることができ、その場合は、当然にそれぞれに対応するリーダも用いることができる。また、グラス240の底面にはRFIDタグ229が取付けられているので、消費量はグラス240と対応付けられる。調製されたアルコール類100のグラス240が特定のカウンター20またはテーブル30に持ち込まれると、上記と同様の方法でグラス240は特定のカウンター20またはテーブル30に対応付けられる。そして、最終的に特定の顧客50のグループに対応付けられ、演算制御手段120は消費した顧客(使用者)50のグループに自動で課金できる。
【0043】
なお上記アルコール類の販売システムおよび方法の実施例においては、各表示器80と演算制御手段120は有線または無線で信号接続されている。従ってカクテル等の場合のように種類により価格が大幅に異なる場合であっても、レシピを使用してカクテルを作成した時点で当該グラスに入ったカクテルの料金を制御演算手段120が記憶でき、その後カウンター20またはテーブル30に運んだ時点で消費する顧客50のグループへ自動で課金できる。
【符号の説明】
【0044】
10…飲食店、12…バーテンダー、14…テーブル、20,20a,20b,20c,20x…カウンター、21…カウンター上面、22…天板、30,30a,30b,30c,30x…テーブル、40,40a,40b,40c…衝立、50…顧客、55…顧客席、60…カウンター内、62,62a,62b…棚類、64…ビールサーバ、70…ボトルラック、72…空間、74,75…ボトル、76…発光手段、80…表示器、82…表示手段(ディスプレイ)、82a…レシピ、90…調理領域、92…冷蔵庫、93…製氷機、100…アルコール類、110…入力手段、112…個人データ、113…ボトルID、120…演算制御手段(パソコン)、122…記憶手段(メモリ)、124…顧客データ、130…バーコード、132,133…RFIDタグ、134…ボトルタグ、134a…記名欄、140,142…RFIDリーダ、202…生ビール、220…ボトル、222…ジョッキ、224…グラス、225…バーコード、226,227,229…RFIDタグ、228…RFIDリーダ,230…計量手段、242…メジャー・カップ、244…アイスペール、246…シェーカ、248…ミネラルウォーター、250…トング、252…マドラー、254…アイスペール。
【要約】
【課題】
一人または複数からなるグループの客がバー等の飲食店を部分的に貸し切って、疑似バーテンダーのような飲食提供業務を実行できるようにする。
【解決手段】
バー等の飲食店において顧客に所望のアルコール類を販売するシステムは、複数の材料を混合して作成されるカクテル等のアルコール類を作成するレシピが格納された記憶手段と、記憶手段に記憶されたレシピから所望のレシピを選択する選択入力手段と、選択入力手段の入力により選択されたレシピを表示するディスプレイとを有する表示器と、ディスプレイに表示された、選択したレシピで用いる材料を、材料棚内で指示する指示手段を備える。疑似バーテンダーは表示器の指示に従い、所望のアルコール類を作成する。
【選択図】
図1