特許第6703334号(P6703334)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6703334-封入体及び付着補助剤を含む洗剤組成物 図000016
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703334
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】封入体及び付着補助剤を含む洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/83 20060101AFI20200525BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20200525BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20200525BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20200525BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20200525BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20200525BHJP
   D06L 1/12 20060101ALI20200525BHJP
   D06M 23/12 20060101ALI20200525BHJP
   D06M 15/267 20060101ALI20200525BHJP
   D06M 15/285 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   C11D1/83
   C11D3/37
   C11D17/08
   C11D3/50
   C11D1/04
   C11D3/386
   D06L1/12
   D06M23/12
   D06M15/267
   D06M15/285
【請求項の数】24
【全頁数】43
(21)【出願番号】特願2018-555979(P2018-555979)
(86)(22)【出願日】2017年5月8日
(65)【公表番号】特表2019-515085(P2019-515085A)
(43)【公表日】2019年6月6日
(86)【国際出願番号】US2017031524
(87)【国際公開番号】WO2017200786
(87)【国際公開日】20171123
【審査請求日】2018年10月25日
(31)【優先権主張番号】62/339,118
(32)【優先日】2016年5月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】フォッサム、ルネ・ダイアナ
(72)【発明者】
【氏名】アプルゲイト、グレゴリー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲ、アン・コンプトン
(72)【発明者】
【氏名】グレイ、ロン・モンゴメリー
(72)【発明者】
【氏名】フライター、クリスティ・リン
【審査官】 井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/049388(WO,A1)
【文献】 国際公開第2016/022785(WO,A1)
【文献】 特表2009−537649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00 − 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体洗剤組成物であって、
A)前記液体洗剤組成物の10重量%〜50重量%の界面活性剤系であって、前記界面活性剤系は、i)アニオン性サルフェート界面活性剤と、ii)アニオン性スルホネート界面活性剤と、iii)非イオン性界面活性剤とを含み、
前記アニオン性サルフェート界面活性剤と前記アニオン性スルホネート界面活性剤とは2:1〜3:1の重量比で存在し、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とは2:1〜3:1の重量比で存在する、界面活性剤系と、
B)前記液体洗剤組成物の0.1重量%〜5重量%の封入体であって、前記封入体は、コアと、該コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、前記コアは、有益剤を含封入体と、
C)カチオン性付着補助ポリマーであって、前記カチオン性付着補助ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウム塩を含むカチオン性モノマーから誘導されるカチオン性構造単位を含む非多糖類ポリマーであり、かつ5〜30キロダルトンの重量平均分子量を有する、カチオン性付着補助ポリマーと、
D)セルラーゼ酵素と、
を含み、
前記液体洗剤組成物は、任意で、0.3%以下のシリコーンを含む、液体洗剤組成物。
【請求項2】
前記カチオン性モノマーが、塩化ジアリルジメチルアンモニウムを含む、請求項1に記載の液体洗剤組成物。
【請求項3】
前記液体洗剤組成物が、前記液体洗剤組成物の0.01重量%2重量%の前記カチオン性付着補助ポリマーを含む、請求項1又は2に記載の液体洗剤組成物。
【請求項4】
前記液体洗剤組成物が、前記液体洗剤組成物の0.05重量%〜0.25重量%の前記カチオン性付着補助ポリマーを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項5】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、15〜30キロダルトンの重量平均分子量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項6】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、30mol%〜100mol%、又は50mol%〜100mol%、又は55mol%〜95mol%、又は70mol%〜85mol%のカチオン性構造単位を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項7】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、非イオン性構造単位を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項8】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、5mol%〜60mol%、又は15mol%〜30mol%の前記非イオン性構造単位を含む、請求項7に記載の液体洗剤組成物。
【請求項9】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、(メタ)アクリルアミド、ビニルホルムアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C1〜C12アルキルアクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアルキレングリオールアクリレート、C1〜C12アルキルメタクリレート、C1〜C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーから誘導される非イオン性構造単位を含む、請求項7又は8に記載の液体洗剤組成物。
【請求項10】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、(メタ)アクリルアミドから誘導される非イオン性構造単位を含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項11】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、アクリルアミド/DADMAS、アクリルアミド/DADMAS/アクリル酸ポリビニルホルムアミド/DADMAS、ポリ(DADMAS)及びこれらの混合物からなる群から選択され、請求項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項12】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、アクリルアミド/DADMASを含む、請求項1に記載の液体洗剤組成物。
【請求項13】
前記カチオン性付着補助ポリマーが、2meq/g〜12meq/gの算出カチオン電荷密度を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項14】
前記液体洗剤組成物が、前記液体洗剤組成物の0.1重量%〜1重量%の前記封入体を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項15】
前記有益剤が、香料原料を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項16】
前記封入体の前記壁が、前記壁の外側表面上にコーティングを含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項17】
前記コーティングが、カチオン性効率ポリマーを含み、前記カチオン性効率ポリマーは、前記カチオン性付着補助ポリマーとは異なる、請求項16に記載の液体洗剤組成物。
【請求項18】
前記カチオン性効率ポリマーが、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の液体洗剤組成物。
【請求項19】
前記壁が、アミノプラストコポリマー、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される壁材料を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項20】
前記液体洗剤組成物が、外部構造化剤を更に含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項21】
前記液体洗剤組成物が、脂肪酸又はその塩を更に含む、請求項1〜20のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項22】
前記液体洗剤組成物が、増白剤、洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、ポリエーテルアミン、アミン、色相染料、又はこれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含、請求項1〜21のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項23】
前記液体洗剤組成物が、前記液体洗剤組成物の10重量%〜30重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の液体洗剤組成物。
【請求項24】
布地を処理する方法であって、前記方法が洗浄工程を含み、前記洗浄工程は、布地を、請求項1〜23のいずれか一項に記載の洗剤組成物と接触させることを含み、所望により、前記布地を処理する方法が、柔軟化工程を更に含み、前記柔軟化工程は、前記布地を柔軟化組成物と接触させることを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、界面活性剤系と、封入体と、カチオン性付着補助ポリマーとを含む洗剤組成物に関する。本開示は更に、そのような組成物の製造方法及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、衣類を洗濯するとき、布地の見た目が清潔であり、かつ洗いたて感などの他の利点を有することを望むことが多い。従来の洗剤は、布地から汚れ及び染みを除去するように設計されており、他の有益剤を布地に効果的に付着させることができないために、消費者が望む所望の利点を有していない場合がある。カチオン性付着ポリマーを使用して、布地への有益剤の付着効率を増大させることができる。しかし、典型的に高分子量を有する従来の付着ポリマーを含む従来の洗剤は、カチオン性付着ポリマーを含まない従来の洗剤ほど洗浄しないか、又は白さ効果を維持しないということが見出された。従来のカチオン性付着ポリマーは、有益剤だけを付着させるのではなく、洗浄水に由来する汚れも布地に付着させ、これによって、布地を黒ずませ、及び/又は染み除去効果を失うことになる。例えば、従来のカチオン性ポリマーは、洗剤中のアニオン性界面活性剤と相互作用するため、粘土を凝集させることがあり、これにより粘土を再付着させる。
【0003】
ポリマー付着補助剤の存在下で洗浄を提供する別の態様は、酵素の使用である。市販の酵素は、酵素の1%以下で、微量のセルラーゼを含み得るが、ただしセルラーゼは酵素混合物中の主要又は目的の酵素ではない。したがって、本開示の洗剤組成物は、例えば微量濃度で、例えば組成物の0.005重量%以下の濃度で存在するセルラーゼを含んでもよい。典型的には、セルラーゼは、特定のカチオン性多糖類ポリマー(例えばカチオン性ヒドロキシエチルセルロース)のようなセルロース/多糖類系分子と相溶性ではない。セルラーゼ不純物が存在する場合、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースポリマーは、酵素に作用され、付着補助剤としての効果がなくなる。カチオン性ヒドロキシエチルセルロースと相溶性であるようにプロテアーゼ混合物から微量のセルラーゼを除去することは、酵素のコストがより高くなり、セルラーゼ不純物を含む洗剤組成物をカチオン性ヒドロキシエチルセルロースを含む洗剤組成物と再混合するプロセス中に、無駄を回避することが困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、良好な染み除去と良好な洗いたて感効果の両方を提供する洗剤の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、界面活性剤系と、封入体と、カチオン性付着補助ポリマーとを含む液体洗剤組成物に関する。
【0006】
本開示は、界面活性剤系と、封入体と、カチオン性付着補助ポリマーとを含む液体洗剤組成物に関し、この洗剤組成物は、洗剤組成物の約8重量%〜約50重量%の界面活性剤系を含み、この界面活性剤系は、約1:1〜約4.5:1の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、このアニオン性界面活性剤は、約1:1〜約20:1の重量比で、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを含み、この洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%〜約5重量%の封入体を含み、この封入体は、コアと、このコアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、このコアは、有益剤を含み、このカチオン性付着補助ポリマーは、非多糖類ポリマーであり、かつ約5〜約200キロダルトンの重量平均分子量により特徴付けられ、この液体洗剤組成物は、任意で、0.3%以下のシリコーンを含む。
【0007】
本開示は、界面活性剤系と、封入体と、カチオン性付着補助ポリマーとを含む液体洗剤組成物に関し、この洗剤組成物は、洗剤組成物の約8重量%〜約30重量%の界面活性剤系を含み、この界面活性剤系は、約1:1〜約3.8:1の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、この洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%〜約5重量%の封入体を含み、この封入体は、コアと、このコアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、このコアは、有益剤を含み、このカチオン性付着補助ポリマーは、非多糖類ポリマーであり、かつ約15〜約50キロダルトンの重量平均分子量により特徴付けられ、このカチオン性付着補助ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(APTAS)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(MAPTAS)、第四級化ビニルイミダゾール(QVi)、及びこれらの混合物から選択されるカチオン性モノマーから誘導されるカチオン性構造単位を含み、このカチオン性付着補助ポリマーは、(メタ)アクリルアミドから誘導される非イオン性構造単位を更に含み、このカチオン性構造単位及び非イオン性構造単位は、約60:40〜約85:15のモル比でカチオン性付着補助ポリマー中に存在し、この液体洗剤組成物は、任意で、0.3%以下のシリコーンを含む。
【0008】
本開示はまた、布地を処理する方法に関し、この方法は洗浄工程を含み、この洗浄工程は、布地を、本明細書に記載の洗剤組成物と接触させることを含む。この方法は、柔軟化工程を更に含み、洗浄工程は、布地を柔軟化組成物と接触させることを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、制限的であることを意図したものではない。
図1】本開示による封入体10の概略図を示す。
図2】本開示による封入体10の概略図を示し、封入体10はコーティング40を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、カチオン性ポリマーと、封入体と、界面活性剤系とを含む布地処理組成物に関する。本開示の布地ケア組成物は、洗浄及び/又は白さの効果と、洗いたて感及び/又は封入体付着効果の両方を提供することを目的とする。これらの効果は、封入体を備える組成物に使用するための、特定の低分子量カチオン性付着ポリマーと、特定の界面活性剤系とを選択することによって提供される。
【0011】
驚くべきことに、特定の低分子量カチオン性付着ポリマーと、界面活性剤系における特定の比率の界面活性剤との特定の組み合わせを選択することにより、微量のセルラーゼを含む酵素混合物と相溶性である、洗浄及び洗いたて感の効果を提供する洗剤組成物を配合することが可能であることが見出された。理論に束縛されるものではないが、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との特定の組み合わせが、カチオン性付着補助剤と相互作用して、洗浄プロセスを通じてカプセル保持を強化すると考えられる。
【0012】
本開示の組成物の成分及びプロセスは、以下により詳細に記載されている。
【0013】
本明細書で使用するところの「分子量」という用語は、ポリマー組成物中のポリマー鎖の重量平均分子量を指す。更に、本明細書で使用するところの「重量平均分子量」(「Mw」)は、以下の等式を用いて計算される:
Mw=(Σi Ni Mi)/(Σi Ni Mi)
式中、Niは、分子量Miを有する分子の数である。重量平均分子量は、試験方法の項で述べられる方法によって測定しなければならない。
【0014】
本明細書で使用するところの「mol%」とは、ポリマー中の特定のモノマー構造単位の相対モル比率(%)を指す。本開示の意味の範囲内では、カチオン性ポリマー中に存在する全てのモノマー構造単位の相対モル比率の総和は100mol%となる点が理解されよう。
【0015】
本明細書で使用するところの「〜から誘導される」なる用語は、ある化合物又はかかる化合物の任意の誘導体(すなわち1つ以上の置換基を有する)から生成され得るポリマー中のモノマー構造単位を指す。好ましくは、そのような構造単位は、対象となる化合物から直接生成される。例えば、「(メタ)アクリルアミドから誘導される構造単位」なる用語は、(メタ)アクリルアミド、又は1つ以上の置換基を有する任意のその誘導体から生成され得るポリマー中のモノマー構造単位を指す。好ましくは、そのような構造単位は、(メタ)アクリルアミドから直接生成される。本明細書で使用するところの「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド(「Aam」)又はメタアクリルアミドのいずれかを指す。(メタ)アクリルアミドは、本明細書で「(M)AAm」と略記される。別の例として、「ジアリルジメチルアンモニウム塩から誘導される構造単位」なる用語は、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、又は1つ以上の置換基を有する任意のその誘導体から直接生成され得るポリマー中のモノマー構造単位を指す。好ましくは、そのような構造単位は、そのようなジアリルジメチルアンモニウム塩から直接生成される。更に別の例として、「アクリル酸から誘導される構造単位」なる用語は、アクリル酸(AA)、又は1つ以上の置換基を有する任意のその誘導体から生成され得るポリマー中のモノマー構造単位を指す。好ましくは、そのような構造単位は、アクリル酸から直接生成される。
【0016】
本明細書で使用するところの「アンモニウム塩」又は「アンモニウム塩類」なる用語は、塩化アンモニウム、フッ化アンモニウム、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、重硫酸アンモニウム、アルキル硫酸アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、アルキルリン酸水素アンモニウム、ジアルキルリン酸アンモニウム、などからなる群から選択される様々な化合物を指す。例えば、本明細書に述べられるジアリルジメチルアンモニウム塩としては、これらに限定されるものではないが、塩化ジアリルジメチルアンモニウム(DADMAC)、フッ化ジアリルジメチルアンモニウム、臭化ジアリルジメチルアンモニウム、ヨウ化ジアリルジメチルアンモニウム、重硫酸ジアリルジメチルアンモニウム、アルキル硫酸ジアリルジメチルアンモニウム、リン酸二水素ジアリルジメチルアンモニウム、アルキルリン酸水素ジアリルジメチルアンモニウム、ジアルキルリン酸ジアリルジメチルアンモニウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、アンモニウム塩は塩化アンモニウムであるが、必ずしもそうでなくともよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用されるときの「a」及び「an」という冠詞は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するところの「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」なる用語は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み、それらから本質的になり、又はそれらからなることができる。
【0018】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」なる用語が使用され得る。これは、指示される物質が最小限の量であり、組成物の一部をなすように組成物に意図的に添加されない、又は、好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される物質が意図的に含まれる他の物質のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する、組成物を含むことを意味する。指示される物質は、もしある場合は、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%のレベルで存在してもよい。
【0019】
本明細書で使用するとき、「布地ケア組成物」という語句には、布地を処理するよう設計された組成物及び配合物が含まれる。かかる組成物としては、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地用柔軟化組成物、布地用強化組成物、布地用消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤若しくは組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地トリートメント、アイロン助剤、単位用量処方、遅延送達処方、多孔性基材若しくは不織シート表面又は内部に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者には明白である場合がある他の好適な形態が挙げられるが、これらに限定されない。かかる組成物を、洗濯前処理、洗濯後処理として使用してもよく、又は洗濯動作のすすぎサイクル若しくは洗浄サイクル中に加えてもよい。
【0020】
本明細書で使用するところの「カチオン性ポリマー」なる用語は、正味カチオン電荷を有するポリマーを意味する。更に、本明細書に記載のカチオン性ポリマーは、典型的には、ポリマー形成モノマー(例えば、(メタ)アクリルアミドモノマー、DADMASモノマー等)から既知の方法に従って合成されることが、理解されよう。本明細書で使用するとき、得られるポリマーは、カチオン性ポリマーの「重合部分」と見なされる。ただし、合成反応が完了した後、ポリマー形成モノマーの一部は未反応のままであってもよく、及び/又はオリゴマーを形成してもよい。本明細書で使用するとき、未反応のモノマー及びオリゴマーは、カチオン性ポリマーの「非重合部分」と見なされる。本明細書で使用するところの「カチオン性ポリマー」なる用語は、別途記載のない限り、重合部分と非重合部分の両方を含む。いくつかの態様において、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの非重合部分を含む。いくつかの態様において、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの約50重量%未満、又は約35重量%未満、又は約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約10重量%未満、又は約5重量%未満、又は約2重量%未満の非重合部分を含む。この非重合部分は、ポリマー形成モノマー、カチオン性ポリマー形成モノマー、若しくはDADMACモノマー、及び/又はこれらのオリゴマーを含み得る。いくつかの態様において、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの約50重量%超、又は約65重量%超、又は約80重量%超、又は約85重量%超、又は約90重量%超、又は約95重量%超、又は約98重量%超の重合部分を含む。更に、ポリマー形成モノマーは、いったん重合した後、変性させて重合繰り返し/構造単位を形成し得ることが理解されよう。例えば、重合酢酸ビニルを加水分解して、ビニルアルコールを形成してもよい。
【0021】
本明細書で使用するとき、「電荷密度」は、ポリマー自体の正味電荷密度を指し、モノマー原料とは異なり得る。ホモポリマーの電荷密度は、繰り返し(構造)単位当たりの正味電荷数を、繰り返し単位の分子量で除することにより計算され得る。正電荷は、ポリマーの主鎖及び/又はポリマーの側鎖に位置してよい。一部のポリマー(例えばアミン構造単位を有するポリマー)では、電荷密度はキャリアのpHに依存する。これらのポリマーについて、電荷密度はpH7でのモノマーの電荷に基づいて計算される。「CCD」はカチオン電荷密度を指し、「ACD」はアニオン電荷密度を指す。典型的には、電荷は、重合した構造単位に対して決定されるものであり、必ずしも親単量体に対して決定されるものではない。
【0022】
本明細書で使用するところの「カチオン電荷密度」(CCD)なる用語は、ポリマー1グラム当たりに存在する正味正電荷の量である。カチオン電荷密度(ポリマー1グラム当たりの電荷の当量単位)は、下記の式に従って計算することができる:
【0023】
【数1】
式中、Qc、Qn、及びQaはそれぞれ、カチオン性、非イオン性、及びアニオン性の繰り返し単位(任意で)の電荷のモル当量である。Mol%c、mol%n、及びmol%aはそれぞれ、カチオン性、非イオン性、及びアニオン性の繰り返し単位(任意で)のモル比であり、MWc、MWn、及びMWaはそれぞれ、カチオン性、非イオン性、及びアニオン性の繰り返し単位(任意で)の分子量である。1グラム当たりの電荷の当量を、1グラム当たりの電荷のミリ当量(meq/g)に換算するには、当量に1000を掛ける。ポリマーが、複数のタイプのカチオン性繰り返し単位、複数のタイプの非イオン性繰り返し単位、及び/又は複数のタイプのアニオン性繰り返し単位を含む場合は、当業者はそれに従って方程式を調節することができる。
【0024】
例として、カチオン性ホモポリマー(モル比=100%又は1.00)で、モノマー分子量161.67g/molの場合、CCDは、次のように計算される:ポリマー電荷密度=(1)×(1.00)/(161.67)×1000=6.19meq/g。分子量161.67のカチオン性モノマーと、分子量71.079の中性コモノマーとを、モル比1:1で有するコポリマーは、(1×0.50)/[(0.50×161.67)+(0.50×71.079)]1000=4.3meq/gとして計算される。分子量161.67のカチオン性モノマー、分子量71.079の中性コモノマー、及び中和された分子量94.04g/molのアニオン性コモノマーとを、モル比80.8:15.4:3.8で有するターポリマーは、カチオン電荷密度5.3meq/gを有する。
【0025】
特に明記しない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源中に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0026】
本明細書における全ての温度は、特に断らない限り、摂氏(℃)を単位とする。特に規定がない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で行う。
【0027】
本開示の全ての実施形態において、全ての比率(%)は、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。別途記載のない限り、全ての比は重量比である。
【0028】
本明細書全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明示的に記載されているかのように含むことになる。
【0029】
本明細書に述べられ、かつ特許請求される、組成物及び方法のパラメータのそれぞれの値を決定するには、本出願の試験方法の項に開示される試験方法が使用されなければならない点は理解されよう。
【0030】
液体洗剤組成物
本開示は、洗剤組成物に関する。この洗剤組成物は布地ケア組成物であり得る。この組成物は、洗濯前処理として、又は洗浄サイクル中に使用することができる。この液体洗剤組成物は、強力洗濯洗剤であり得る。TIDE、GAIN、及びARIELは、The Procter & Gamble Company(Cincinnati,Ohio,USA)から市販されている強力洗濯洗剤のブランド名の例である。
【0031】
この洗剤組成物は液体であってもよい。この液体洗剤は、約1〜約2000センチポアズ(1〜2000mPa・s)、又は約200〜約800センチポアズ(200〜800mPa・s)の粘度を有し得る。粘度は、ブルックフィールド粘度計、2番スピンドルを使用し、60RMP/sで25℃にて測定される。
【0032】
洗剤組成物は、単位用量形態であってもよい。単位用量物品は、特定用途のための、物品内に含有される組成物の、単一で使用が容易な用量を提供することを意図している。単位用量形態は、パウチ又は水溶性シートの形態であり得る。パウチは、少なくとも1つの、又は少なくとも2つの、又は少なくとも3つの区画を含み得る。典型的に、洗剤組成物は、この区画のうち少なくとも1つの区画に含まれる。区画は重ねて配置される方向、即ち、これらの区画が共通の壁を共有し、一方が他方の上部に位置するように配置されてよい。少なくとも1つの区画は、別の区画と重なり合っていてもよい。あるいは、区画は並列の方向に、即ち一方が他方の隣に配向されるように位置してよい。区画は「タイヤ及びリム」配置で配向されてもよい。即ち、第1区画が第2区画の隣に位置するが、第1区画は第2区画を少なくとも部分的に取り囲み、第2区画を完全に包囲しない。あるいは、1つの区画が別の区画内に完全に包囲されてもよい。
【0033】
単位用量形態は、区画を形成し、かつ洗剤組成物をカプセル化する水溶性フィルムを含み得る。好ましいフィルム材料は、ポリマー材料である。例えば、水溶性フィルムはポリビニルアルコールを含み得る。フィルム材料を、当該技術分野において公知の、例えば、ポリマー材料の注型成形、吹込成形、押出成形又は吹込押出成形によって得ることができる。好適なフィルムには、Monosol(Merrillville,Indiana,USA)によって商品参照番号M8630、M8900、M8779、M8310、及びM9467として供給されているものが挙げられる。フィルム及び/又はその中に含まれる組成物は、摂取を防ぐために、安息香酸デナトニウムなどの嫌悪剤を含んでもよい。
【0034】
洗剤組成物は水を含み得る。本組成物は、組成物の約1重量%〜約80重量%の水を含み得る。組成物が強力液体洗剤組成物である場合、組成物は典型的には、約40%〜約80%の水を含む。組成物がコンパクト液体洗剤である場合、組成物は典型的には、約20%〜約60%、又は約30%〜約50%の水を含む。組成物が単位用量形態、例えば、水溶性フィルムに封入される場合、組成物は典型的には、20%未満、又は15%未満、又は12%未満、又は10%未満、又は8%未満又は5%未満の水を含む。組成物は、組成物の約1重量%〜20重量%、又は約3重量%〜約15重量%、又は約5重量%〜約12重量%の水を含んでもよい。
【0035】
界面活性剤系
本開示の洗剤組成物は、界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、洗浄効果を提供することが知られている。しかし、特定の界面活性剤系を注意深く選択することにより、特定の封入体と組み合わせて使用する場合に、付着効果をも提供できることが見出されている。
【0036】
本開示の洗剤組成物は、所望の洗浄特性をもたらすのに充分な量の界面活性剤系を含み得る。この洗剤組成物は、組成物の約8重量%から、又は約10重量%から、又は約15重量%から、又は約20重量%から、約50重量%まで、又は約30重量%まで、又は約25重量%まで、又は約20重量%までの界面活性剤系を含み得る。
【0037】
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される洗浄性界面活性剤を含んでもよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、汚れた布地に洗浄、染み除去、又は洗濯効果をもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。本明細書で使用するとき、脂肪酸及びその塩が、界面活性剤系の一部となることが理解され、より具体的には、アニオン性界面活性剤の一部となることが理解されよう。
【0038】
アニオン性界面活性剤/非イオン性界面活性剤の組み合わせ
界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを、ある重量比で含み得る。アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比を慎重に選択することにより、所望のレベルの洗浄効果及びカプセル付着効果を提供するのに役立ち得る。
【0039】
この界面活性剤系は、約1:1〜約4.5:1の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み得る。アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比は、約1:1から、又は約2:1から、約4.5まで、又は約3.8:1まで、又は約3.6:1まで、又は約3:1まで、又は約約2.9:1まで、又は約2.7:1まで、又は約2:1までであり得る。好適なアニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤については、以下でより詳細に説明する。
【0040】
アニオン性界面活性剤
本開示の界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤を含み得る。洗浄組成物の界面活性剤系は、界面活性剤系の約1重量%〜約80重量%のアニオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤系は、界面活性剤系の約80重量%以下、又は約75重量%以下、又は約67重量%以下、又は約60重量%以下、又は約55重量%以下、又は約50重量%以下のアニオン性界面活性剤を含み得る。
【0041】
アニオン性界面活性剤は、布地などの表面を処理するために有用な従来のアニオン性界面活性剤を含み得る。界面活性剤系中に存在するアニオン性界面活性剤は、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを、ある重量比で含み得る。理論に束縛されるものではないが、界面活性剤系中に存在するサルフェート界面活性剤の量が、スルホネート界面活性剤の量以上である場合には、封入体付着効率を向上させることができると考えられる。アニオン性界面活性剤は、アルカリ金属塩又はアミン(例えば、モノエタノールアミン又はトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン)で中和することができる。
【0042】
アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤との重量比は、約1:1〜約20:1であり得る。アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とは、約1:1から、又は約1.5:1から、又は約2:1から、約20:1まで、又は約15:1まで、又は約10:1まで、又は約5:1まで、又は約2.5:1まで、又は約2:1までの重量比で存在してよく、この重量比は約2:1〜約3:1であり得る。アニオン性サルフェート界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤、又は更にはエトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤(「AES」)を、上述の比のいずれかで含み得る。アニオン性スルホネート界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤、又は更には直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤(「LAS」)を、上述の比のいずれかで含み得る。サルフェート界面活性剤及びスルホネート界面活性剤については、以下でより詳細に議論される。
【0043】
アニオン性サルフェート界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含み得る。このアルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、界面活性剤系の主要部分として存在してもよい。アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても知られる、エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含み得る。エトキシル化アルキルサルフェートの例としては、水溶性塩、特に約8個〜約30個の炭素原子を含有するアルキル基並びにスルホン酸及びその塩を分子構造の中に有する有機硫黄反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルキロールアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アシル基のアルキル部分が含まれる。)
【0044】
このアルキル基は、約8個〜約20個の炭素原子、あるいは、約10個から、又は約12個から、約18個まで、又は約16個まで、又は約14個までの炭素原子を有し得る。アニオン性アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、アルコキシル化C10〜C16、好ましくはC12〜C16、より好ましくはC12〜C14のサルフェート界面活性剤を含み得る。
【0045】
このアルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、アルコキシル化アルキルサルフェートの混合物であってよく、この混合物は、約8個〜約30個、又は約8個〜約20個、又は約10個〜約16個、又は約12個〜約16個、又は約12個〜約14個の炭素原子の範囲内の平均(算術平均)炭素鎖長を有する。
【0046】
アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、約1モル〜約5モルのアルコキシ基の平均(算術平均)アルコキシル化度を有してもよい。エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、約1モル〜約5モル、又は約1〜約4、又は約1〜約3、又は約1.5〜約3のエトキシ基の平均(算術平均)エトキシル化度を有してもよい。換言すれば、サルフェート界面活性剤は、約1〜約5、又は約1〜約4、又は約1〜約3、又は約1.5〜約3の平均エトキシル化度を有し得る。平均エトキシル化度は、約1.8であってよく、あるいは約3であってもよい。
【0047】
アニオン性アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、約1.5〜約3のエトキシル化度を有する、C12〜C15、又は更にはC12〜C14のサルフェート界面活性剤であり得る。
【0048】
アニオン性サルフェート界面活性剤は、高級C〜C20脂肪族アルコールの硫酸化によって生成れるもののような、非アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含み得る。一級アルキルサルフェート界面活性剤は、一般式:ROSOを有し得、式中、Rは典型的には、直鎖C〜C20ヒドロカルビル基であり(この基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい)、Mは、水溶化カチオンである。いくつかの例では、Rは、C10〜C15アルキルであり、Mは、アルカリ金属である。他の例では、Rは、C12〜C14アルキルであり、Mは、ナトリウムである。本明細書に記載の洗剤組成物は、(任意で)界面活性剤系の5重量%以下の非アルコキシル化アルキルサルフェート界面活性剤を含み得る。
【0049】
アニオン性スルホネート界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤を含み得る。アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートのアルカリ金属塩及び/又は(アルキロール)アミン塩を含み得、ここにおいてこのアルキル基は、約9〜約15個の炭素原子を直鎖(線状)又は分枝鎖の構成で含有する。アルキル基は、直鎖であり得る。そのような直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として既知である。直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約11〜14個の平均炭素原子数を有し得る。線状直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、アルキル基中に約11.8個の炭素原子の平均炭素原子数を有してもよく、C11.8 LASと略称される場合がある。本明細書に記載の洗剤組成物は、(任意で)界面活性剤系の5重量%以下のアルキルスルホネート界面活性剤(例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤などの、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤)を含み得る。
【0050】
本開示の洗剤組成物は、脂肪酸及び/又はその塩を含み得る。理論に束縛されるものではないが、本発明の組成物において、脂肪酸及び/又はその塩がカチオン性付着補助ポリマーと相互作用し、付着に寄与し得ると考えられる。しかし、本発明の組成物において、脂肪酸は必要でない場合があり、脂肪酸レベルを最小に抑えるための、又は脂肪酸を完全に除去するための、加工、コスト、及び安定性の利点があり得る。
【0051】
この組成物は、組成物の約0.1重量%、又は約0.5重量%から、又は約1重量%から、約20重量%まで、又は約10重量%まで、又は約8重量%まで、又は約5重量%まで、又は約4重量%まで、又は約3重量%まで、又は約2重量%までの脂肪酸及び/又はその塩を含み得る。この組成物は、組成物の約0.1重量%〜約4重量%の脂肪酸及び/又はその塩を含み得る。この洗剤組成物は、脂肪酸及び/又はその塩を実質的に含まない(又は更には含有量が0%である)場合がある。
【0052】
好適な脂肪酸及び塩としては、式R1COOMを有するものが挙げられ、式中、R1は炭素原子数4〜30の一級又は二級アルキル基であり、Mは水素カチオン又は別の可溶化カチオンである。酸形態において、Mは水素カチオンである。塩形態において、Mは水素ではない可溶化カチオンである。脂肪酸又は塩は、脂肪酸又は塩のpKaが非水性液体組成物のpHより低くなるように選択することができる。組成物は、6〜10.5、又は6.5〜9、又は7〜8のpHを有し得る。
【0053】
R1で表されるアルキル基は、鎖長の混合物を表してもよく、飽和又は不飽和であってもよいが、R1基の少なくとも3分の2は、炭素原子数8〜18個の鎖長を有することが好ましい。好適なアルキル基源の非限定的な例としては、ココヤシ油、タロー、トール油、菜種油由来、オレイン酸、アルキルコハク脂肪酸、パーム核油、及びこれらの混合物に由来する脂肪酸が挙げられる。ただし、臭気を最小限に抑えるために、一級飽和カルボン酸を用いることがしばしば望ましい。
【0054】
可溶化カチオンM(Mは水素カチオンではない場合)は、一般に一価部分であることが好ましいが、製品に水溶性を付与する任意のカチオンであり得る。本開示で使用するための好適な可溶化カチオンの例としては、アルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)、及びアミン(例えばモノエタノールアミン)、トリエタノールアンモニウム、アンモニウム、及びモルホリニウムが挙げられる。使用時には、脂肪酸の大部分が中和塩形態で組成物中に組み込まれるが、しばしば、組成物中に遊離脂肪酸を残存させることが好ましい。これは、特に低含水率(例えば20%未満)であるときの、組成物の粘度維持の助けになるからである。
【0055】
非イオン性界面活性剤
本開示の界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤をも含み得る。非イオン性界面活性剤は、界面活性剤系の約1重量%から約50重量%まで、又は約40重量%まで、又は約33重量%まで、又は約25重量%まで、又は約20重量%まで、又は約10重量%までのレベルで界面活性剤系に存在し得る。
【0056】
本明細書で有用な好適な非イオン性界面活性剤は、任意の従来の非イオン性界面活性剤を含み得る。これらとしては、アルコキシル化非イオン性界面活性剤及びアミンオキシド界面活性剤が挙げられ得る。
【0057】
アルコキシル化非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールを含んでもよい。非イオン性界面活性剤は、式R(OCOH(式中、Rは、約8〜約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、及びアルキル基が約8〜約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5〜約15である)のものであり得る。非イオン性界面活性剤は、非イオン性アルコキシル化脂肪族アルコール界面活性剤であってよく、好ましくは非イオン性エトキシル化脂肪族アルコール界面活性剤であってよい。非イオン性界面活性剤は、平均として約12〜約14個の炭素原子を有し、平均エトキシル化度がアルコール1モル当たり約7〜約9モルのエチレンオキシドであり得る。
【0058】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の他の非限定例としては、C12〜C18アルキルエトキシレート(NEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤(Shell)など)、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレート(ここで、アルコキシレート単位はエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の混合物である)、C12〜C18アルコール、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC〜C12アルキルフェノール縮合物(Pluronic(登録商標)(BASF)など)、C14〜C22中鎖分枝状アルコール、C14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート(BAEx、式中、xは1〜30である)、アルキル多糖類、アルキルポリグリコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びエーテル末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0059】
封入体
本開示の洗剤組成物は、封入体を含み得る。図1に示すように、封入体10は、コア30と、コア30を少なくとも部分的に囲む壁20とを含み得る。コア30は、香料などの有益剤を含んでもよい。壁20は、外側表面25を含み得る。図2に示すように、外側表面25は、コーティング40を含み得る。コーティング40は効率ポリマーを含み得る。これらの要素については、以下でより詳細に議論される。
【0060】
本組成物は、組成物の約0.1重量%から、又は約0.2重量%から、又は約0.3重量%から、又は約0.4重量%から、又は約0.5重量%から、約5重量%まで、又は約2.5重量%まで、又は約2重量%まで、又は約1重量%までの封入体を含み得る。本組成物は、組成物の約0.1重量%〜約1重量%の封入体を含むことができる。
【0061】
封入体は壊れやすいものであってよい。封入体の粒径は、マルバーン粒子径測定装置を使用するなどの当該技術分野では周知の一般的な方法によって測定することができる。封入体は、約10μm〜約500μmまで、又は約200μmまで、又は約100μmまで、又は約50μmまで、又は約30μmまでの平均粒径を有し得る。複数の封入体が集合体を形成してもよい。
【0062】
封入体は、約2〜約10、約3〜約9、又は約4〜約8の範囲のpHでカチオン電荷を有し得る。
【0063】
封入体は、少なくとも部分的にコアを囲むことができる壁を有してもよい。壁は、ポリエチレン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アクリル、アミノプラスト、ポリオレフィン、多糖類、例えば、アルギネート及び/若しくはキトサン、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、非水溶性無機材料、シリコーン、及びこれらの混合物からなる群から選択される壁材料を含むことができる。壁材料は、アミノプラスト、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0064】
壁材料は、アミノプラストを含み得る。アミノプラストは、ポリ尿素、ポリウレタン及び/又はポリウレアウレタンを含み得る。アミノプラストは、アミノプラストコポリマー、例えば、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物を含み得る。壁材料は、メラミンホルムアルデヒドを含んでもよく、壁は、下記に述べるようなコーティングを更に含んでもよい。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを含み得る。封入体は、香料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒド、ポリ(アクリル酸)及びポリ(アクリル酸−co−ブチルアクリレート)を含む壁とを含み得る。
【0065】
封入体の外壁は、コーティングを含んでもよい。特定のコーティングは、布地などの対象面上への封入体の付着性を向上させることができる。封入体は、約1:200〜約1:2、約1:100〜約1:4、又は更には約1:80〜約1:10のコーティングと壁との重量比を有し得る。
【0066】
コーティングは、効率ポリマーを含み得る。コポリマーは、カチオン性効率ポリマーを更に含み得る。カチオン性ポリマーは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、塩化ポリジアリルジメチルアンモニウムとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。コーティングは、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含み得る。
【0067】
コーティングは、ポリビニルホルムアミドを含み得る。ポリビニルホルムアミドは、約5%〜約95%、約7%〜約60%、又は更には約10%〜約40%の加水分解度を有し得る。
【0068】
効率ポリマーの1つ以上が、約1,000Da〜約50,000,000Da、約5,000Da〜約25,000,000Da、約10,000Da〜約10,000,000Da、又は更には約340,000Da〜約1,500,000Daの平均分子質量を有し得る。効率ポリマーの1つ以上が、効率的なポリマー1g当たり約1meq〜約23meq、効率的なポリマー1g当たり約1.2meq〜16meq、効率的なポリマー1g当たり約2meq〜約10meq、又は更には効率的なポリマー1g当たり約1meq〜約4meqの電荷密度を有し得る。
【0069】
封入体のコアは、有益剤を含み得る。適当な有益剤としては、香料原料、シリコーンオイル、ワックス、炭化水素、高級脂肪酸、エッセンシャルオイル、脂質、皮膚冷却剤、ビタミン、日焼け止め剤、酸化防止剤、グリセリン、触媒、漂白剤粒子、二酸化ケイ素粒子、悪臭軽減剤、臭気制御材料、キレート剤、帯電防止剤、柔軟剤、昆虫及びガ駆除剤、着色剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、ドレープ及びフォーム調整剤、平滑剤、しわ抑制剤、衛生化剤、消毒剤、細菌抑制剤、カビ抑制剤、白カビ抑制剤、抗ウィルス剤、乾燥剤、耐汚染剤、汚れ放出剤、布地リフレッシュ剤及び洗いたて感維持剤、塩素漂白臭気抑制剤、染料固定剤、染料移染防止剤、色保持剤、光学的増白剤類、色復元/再生剤、抗退色剤、白色増強剤、抗磨耗剤、耐磨耗剤、布地一体化剤、摩耗防止剤、けば立ち防止剤、抑泡剤、消泡剤、紫外線保護剤、日褪せ阻害剤、抗アレルギー剤、酵素、防水剤、布地快適剤、耐収縮剤、耐伸剤、伸縮回復剤、スキンケア剤、グリセリン、及び天然活性物質、抗菌活性物質、制汗剤活性物質、カチオン性ポリマー、染料、並びにこれらの混合物が挙げられ得る。有益剤は、香料原料を含み得る。
【0070】
封入体は、香料原料を含むコアと、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含む壁とを含み得、壁は、壁の外表面上にコーティングを更に含み、コーティングはポリビニルアルコールなどの効率ポリマーを含む。
【0071】
適当な封入体は、Encapsys社(米国、ウイスコンシン州アップルトン)から入手することができる。洗剤組成物は、異なる封入体の混合物、例えば、異なる壁材料及び/又は有益剤を有する封入体の混合物を含み得る。
【0072】
本洗剤組成物は、ホルムアルデヒド捕捉剤を更に含んでもよい。このような捕捉剤は、特定の封入体、特にホルムアルデヒドを含みかつ/又はホルムアルデヒドを放出する封入体において、又は封入体と使用するうえで有用であり得る。適当なホルムアルデヒドスカベンジャーとしては、亜硫酸水素ナトリウム、尿素、システイン、システアミン、リシン、グリシン、セリン、カルノシン、ヒスチジン、グルタチオン、3,4−ジアミノ安息香酸、アラントイン、グリコウリル、アントラニル酸、アントラニル酸メチル、メチル4−アミノベンゾエート、エチルアセトアセタート、アセトアセトアミド、マロンアミド、アスコルビン酸、1,3−ジヒドロキシアセトン二量体、ビウレット、オキサミド、ベンゾグアナミン、ピログルタミン酸、ピロガロール、メチルガラート、エチルガラート、プロピルガラート、トリエタノールアミン、スクシンアミド、チアベンダゾール、ベンゾトリアゾール、トリアゾール、インドリン、スルファニル酸、オキサミド、ソルビトール、グルコース、セルロース、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアミン)、ヘキサンジオール、エチレンジアミン−N,N’−ビスアセトアセトアミド、N−(2−エチルヘキシル)アセトアセトアミド、N−(3−フェニルプロピル)アセトアセトアミド、リリアル、ヘリオナール、メロナール、トリプラール、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、2−ペンタノン、ジブチルアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルアミン、ヒドロキシシトロネロール、シクロヘキサノン、2−ブタノン、ペンタンジオン、デヒドロ酢酸、キトサン、又はこれらの混合物が挙げられ得る。
【0073】
カチオン性付着補助ポリマー
本開示の液体洗剤組成物は付着補助剤を含み得る。付着補助ポリマーは、非多糖類付着補助ポリマーであり得る。付着補助ポリマーは、カチオン性付着補助ポリマーであり得る。理論に束縛されるものではないが、付着補助ポリマーは、布地上に封入体を付着及び保持するのに役立つよう、アニオン性界面活性剤及び/又は脂肪酸での分離相を形成することによって、標的表面(例えば布地)への封入体の付着を促進する簡明にするために、本明細書で使用するとき、カチオン性付着補助ポリマーは、ベースの洗剤混合物に封入体を添加する前に封入体上のコーティング(例えば、封入体プレミックス中に存在するコーティング)として存在し得る効率ポリマーとは異なるポリマーであることが理解されよう。
【0074】
カチオン性ポリマーは、布地の白さ及び/又は洗浄の損失に寄与することが知られており、このことが、こうしたポリマーのより幅広い使用を制限する要因となっている。しかしながら、出願者らは、本明細書に記載されているポリマーのカチオン電荷及び分子量を特定の範囲内で制御することによって、布地の白さ/洗浄損失を最小限に抑えることができ、特に、本明細書に開示される界面活性剤系の存在下で、従来のカチオン性ポリマーに比べて、封入体付着効果が維持又は改善されることを見出した。
【0075】
更に、製品粘度は、カチオン性ポリマーの分子量及びカチオン成分により影響を受け得る。また、本開示のポリマーの分子量は、製品粘度への影響を最小限にし、高分子量及び/又は広い分子量分布に伴う製品不安定性及びねばつきを回避するように選択される。よって、本開示のカチオン性ポリマーは、典型的には、比較的高い電荷密度及び比較的低い分子量を特徴とする。
【0076】
布地ケアでの使用に一般的な多くのカチオン性ポリマーは、例えば、1000キロダルトン以上の高い分子量を有する。これに対して、本明細書に記載のカチオン性ポリマーは、比較的低い重量平均分子量を有する。このカチオン性ポリマーは、約5キロダルトン〜約200キロダルトンの重量平均分子量を有し得る。カチオン性ポリマーは、約10キロダルトンから、又は約15キロダルトンから、又は約18キロダルトンから、又は約20キロダルトンから、約200キロダルトンまで、又は約100キロダルトンまで、又は約50キロダルトンまで、又は約30キロダルトンまでの重量平均分子量を有し得る。重量平均分子量を測定する方法は、以下の試験方法の項で提供される。
【0077】
洗剤組成物において洗浄及び/又は白さ効果を維持するためには、比較的低いカチオン電荷密度(例えば4meq/g未満)を有するカチオン性ポリマーを採用することが、当業者には知られている。しかしながら驚くべきことに、本組成物は、良好な洗浄及び/又は白さ効果を維持しながら、比較的高い電荷密度(例えば4meq/g超)のカチオン性ポリマーを使用することができることが見出された。このため、本明細書に記載のカチオン性ポリマーは、約4meq/gから、又は約5meq/gから、又は約5.2meq/gから、約12meq/gまで、又は約10meq/gまで、又は約8meq/gまで、又は約7meq/gまで、又は約6.5meq/gまでのカチオン電荷密度を特徴とし得る。本明細書に記載のカチオン性ポリマーは、約4meq/g〜約12meq/g、又は約4.5meq/g〜約7meq/gのカチオン電荷密度を特徴とし得る。カチオン電荷密度が高すぎると、カチオン性ポリマーの粘度によって、配合の問題を生じる場合があるため、カチオン電荷密度には、ある上限が望ましいことがある。
【0078】
洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.01重量%から約2重量%まで、若しくは約1.5重量%まで、若しくは約1重量%まで、若しくは約0.75重量%まで、若しくは約0.5重量%まで、若しくは約0.3重量%まで、又は約0.05重量%〜約0.25重量%のカチオン性ポリマーを含み得る。
【0079】
本明細書に記載のカチオン性ポリマーは、任意のシリコーン由来の構造単位を、実質的に含まないか、又は全く含まなくてよい。このような制限は、洗剤組成物自体にシリコーンを含有させることを除外するものではなく、また本明細書に記載のカチオン性ポリマーが、このような洗剤組成物中又は洗浄液中に含まれるシリコーンと錯体を形成することを除外するものでもないことが、理解されよう。
【0080】
本開示の組成物は、特に、組成物が、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、及び/又はプロテアーゼなどの酵素組成物を含む場合は、多糖類系カチオン性ポリマー(例えばカチオン性ヒドロキシエチレンセルロース)を実質的に含まなくてよい。このような多糖類系ポリマーは、典型的に、セルラーゼ酵素による分解を受けやすく、このセルラーゼ酵素はしばしば、市販されている酵素中に微量存在する。よって、多糖類系カチオン性ポリマーを含む組成物は典型的に、たとえセルラーゼが意図的に添加されていない場合であっても、概して酵素との配合が不可である。したがって、いくつかの態様において、本発明の組成物は、非多糖類系カチオン性ポリマーである。
【0081】
カチオン性ポリマーは、構造単位を含み得る。構造単位は、非イオン性、カチオン性、アニオン性、又はこれらの混合物であり得る。本明細書に記載のポリマーは、非カチオン性の構造単位を含んでもよいが、このポリマーは依然として、正味カチオン電荷を有することを特徴とする。
【0082】
カチオン性ポリマーは、1つのタイプのみの構造単位からなっていてよく、すなわち、ポリマーはホモポリマーである。カチオン性ポリマーは、2つのタイプの構造単位からなっていてよく、すなわち、ポリマーはコポリマーである。カチオン性ポリマーは、3つのタイプの構造単位からなっていてよく、すなわち、ポリマーはターポリマーである。カチオン性ポリマーは、2つ以上のタイプの構造単位を含み得る。構造単位は、第1の構造単位、第2の構造単位、第3の構造単位、などとして記述することができる。構造単位(又はモノマー)は、不規則な形式、又はブロックごとの形式で、カチオン性ポリマーに組み込まれ得る。
【0083】
カチオン性ポリマーは、非イオン性構造単位を含み得る。カチオン性ポリマーは、約5mol%〜約60mol%、又は約15mol%〜約40mol%、又は約15mol%〜約30mol%の非イオン性構造単位を含み得る。いくつかの態様において、カチオン性ポリマーは、(メタ)アクリルアミド、ビニルホルムアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C〜C12アルキルアクリレート、C〜C12ヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアルキレングリオールアクリレート、C〜C12アルキルメタクリレート、C〜C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーから誘導される非イオン性構造単位を含む。
【0084】
カチオン性ポリマーは、カチオン性構造単位を含み得る。カチオン性ポリマーは、約20mol%〜約100mol%、又は約30mol%〜約100mol%、又は約50mol%〜約100mol%、又は約55mol%〜約95mol%、又は約60mol%〜約85mol%、又は約70mol%〜約85mol%のカチオン性構造単位を含み得る。
【0085】
カチオン性ポリマーは、カチオン性モノマーから誘導されるカチオン性構造単位を含み得る。カチオン性モノマーは、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリル(methacyl)アミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩、アクリルアミドアルキル(alkyll)トリアルキルアンモニウム(amminium)塩、ビニルアミン、ビニルイミン、ビニルイミダゾール、第四級化ビニルイミダゾール、ジアリルジアルキルアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0086】
カチオン性構造単位は、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAM)、[2−(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウム塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(APTAS)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(MAPTAS)、第四級化ビニルイミダゾール(QVi)、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0087】
カチオン性ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(APTAS)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(MAPTAS)、第四級化ビニルイミダゾール(QVi)、及びこれらの混合物から誘導されるカチオン性モノマーを含み得る。典型的に、DADMAS、APTAS、及びMAPTASは、塩化物を含む塩である(すなわちDADMAC、APTAC、及び/又はMAPTAC)。
【0088】
カチオン性ポリマーは、アニオン性構造単位を含み得る。カチオン性ポリマーは、約0.01mol%〜約15mol%、又は約0.05mol%〜約10mol%、又は約0.1mol%〜約5mol%、又は約1mol%〜約4mol%のアニオン性構造単位を含み得る。ポリマーは、アニオン性構造単位を0%含んでよく、すなわちアニオン性構造単位を実質的に含まない。アニオン性構造単位は、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドプロピルメタンスルホン酸(AMPS)、及びそれらの塩、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性モノマーから誘導され得る。
【0089】
カチオン性ポリマーは、アクリルアミド/DADMAS、アクリルアミド/DADMAS/アクリル酸、アクリルアミド/APTAS、アクリルアミド/MAPTAS、アクリルアミド/QVi、ポリビニルホルムアミド/DADMAS、ポリ(DADMAS)、アクリルアミド/MAPTAS/アクリル酸、アクリルアミド/APTAS/アクリル酸、及びこそれらの混合物から選択される。
【0090】
組成物はカチオン性ポリマーを含み得、このカチオン性ポリマーは、(i)約5mol%〜約50mol%、又は約15mol%〜約30mol%の、(メタ)アクリルアミドから誘導される第1の構造単位と、(ii)約50mol%〜約95mol%、又は約70mol%〜約85mol%の、カチオン性モノマーから誘導される第2の構造単位と、を含み、このカチオン性モノマーはDADMACから誘導されてよく、このカチオン性ポリマーは、約15キロダルトン〜約50キロダルトンの重量平均分子量により特徴付けられる。
【0091】
外部構造化剤系
本開示の液体洗剤組成物は、外部構造化剤系を含み得る。構造化剤系は、例えば、注ぐのに好適な粘度、相安定性、及び/又は懸濁能力を提供するために、組成物に対して十分な粘度を提供するために使用することができる。外部構造化剤系は特に、封入体を懸濁させるのに有用であり得る。
【0092】
本開示の組成物は、0.01重量%〜5重量%、又は更には0.1重量%〜1重量%の外部構造化剤系を含み得る。外部構造化剤系は、以下の(i)及び(ii)からなる群から選択されてもよい:
(i)非ポリマー系結晶質のヒドロキシ官能性構造化剤及び/又は
(ii)ポリマー系構造化剤。
【0093】
このような外部構造化剤系は、組成物の洗浄性界面活性剤の任意の構造化効果とは独立に、すなわちこのような効果以外により、液体洗濯洗剤組成物を安定化させるのに十分な降伏応力又は低せん断粘度を付与することができるようなものであってよい。これらは、液体洗濯洗剤組成物に21℃、20s−1にて1〜1500cpsの高せん断粘度及び5000cpsを超える低せん断粘度(21℃、0.05s−1にて)を付与することができる。粘度は、直径40mm及びギャップサイズ500μmで、平板の鋼製スピンドルを用いるTA instruments製のAR 550レオメータを使用して測定される。20s−1での高せん断粘度、及び0.5s−1での低せん断粘度は、21℃で3分間の0.1s−1〜25s−1の対数せん断速度掃引から得ることができる。
【0094】
本組成物は、約0.01〜約1重量%の非ポリマー結晶質のヒドロキシル官能性構造化剤を含んでもよい。このような非ポリマー系結晶質のヒドロキシル官能性構造化剤は、結晶化可能なグリセリドを含んでもよく、洗濯洗剤組成物の最終的な1回容量への分散を補助するためにこのグリセリドを事前乳化することもできる。好適な結晶化可能なグリセリドとしては、液体洗剤組成物内で結晶化させることができるという条件で、硬化ヒマシ油又は「HCO」又はこれらの誘導体が挙げられる。
【0095】
本洗剤組成物は、約0.01重量%〜5重量%の天然由来及び/又は合成のポリマー系構造化剤を含んでもよい。好適な天然に誘導されたポリマー系構造化剤としては:セルロース繊維、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なセルロース繊維は、約50〜約100,000、好ましくは約300〜約10,000のアスペクト比(長さ対幅比)を有する繊維を含んでよく、かつ、鉱物繊維、発酵由来セルロース繊維、単子葉又は双子葉植物由来の繊維(例えば野菜、果実、種子、茎、葉及び/又は木材由来セルロース繊維)、及びこれらの混合物を含み得る。市販の例は、FMC製のAvicel(登録商標)、Fiberstar製のCitri−Fi、Herbafood製のHerbacel、及びCP Kelco製のCellulon PXである。好適な合成ポリマー系構造化剤としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート及び疎水変性ポリアクリレート、疎水変性エトキシル化ウレタン、疎水変性非イオン性ポリオール、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、又はこれらの混合物であってよい。ポリアクリレートは、不飽和一炭酸又は二炭酸と、(メタ)アクリル酸のC〜C30アルキルエステルとのコポリマーであり得る。このようなコポリマーは、商品名Carbopol(登録商標)Aqua 30でNoveon incから入手可能である。
【0096】
添加剤
本開示の洗剤組成物は、布地ケア効果を提供する添加剤などの、他の好適な添加剤を含み得る。本開示の組成物は、1つの特定の界面活性剤が豊富に含まれる界面活性剤系を有し得るため、そのような添加剤は、より幅広い洗浄プロファイル、又はその他の消費者に関連する効果(例えば柔らかさ効果など)を提供するのに、特に望ましい可能性がある。好適な添加剤には、酵素、増白剤、洗浄用ポリマー(例えばアルコキシル化ポリアルキレンイミン)、汚れ放出ポリマー、ポリエーテルアミン、色相染料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。典型的な使用量レベルは、低い場合は組成物の0.001重量%(光学的増白剤又は色相染料の場合)から、組成物の50重量%以下(ビルダー又は溶媒)までの範囲にわたる。いくつかの好適な添加剤については、以下でより詳細に議論される。
【0097】
酵素
本開示の洗浄組成物は、酵素を含み得る。布地の洗濯の際に遊離する染料移行を防止するため、並びに布地を修復するための、タンパク質系、炭水化物系、又はトリグリセリド系の染みの基質からの除去を含む多様な目的のために、酵素を洗浄組成物に含めることができる。好適な酵素としては、植物、動物、細菌、真菌、及び酵母起源質のような任意の好適な起源物質からのプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、マンナナーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載の洗浄組成物中で使用され得る他の酵素としては、ヘミセルラーゼ、グルコアミラーゼ、キシラナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、βグルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、又はこれらの混合物が挙げられる。酵素の選択は、pH活性及び/又は安定性の最適条件、熱安定性、及び活性洗剤、ビルダーなどに対する安定性のような要因に影響される。
【0098】
組成物は、少なくとも2つの、又は少なくとも3つの、又は少なくとも4つの酵素を含み得る。組成物は、少なくともアミラーゼ及びプロテアーゼを含み得る。
【0099】
マンナナーゼ、プロテアーゼ、及びセルラーゼは、それぞれ、Mannaway、Savinase、及びCellucleanの商標名でNovozymes(Denmark)から購入することができ、これらはそれぞれ、1グラム当たり4mg、15.8mg、及び15.6mgの活性酵素を提供し得る。
【0100】
市販の酵素は、酵素混合物の1%以下で、微量のセルラーゼを含み得るが、ただしセルラーゼは酵素混合物中の支配的又は目的の酵素ではない。したがって、本開示の洗剤組成物は、例えば微量濃度で、例えば組成物の0.005重量%以下の濃度で存在するセルラーゼを含み得る。典型的には、セルラーゼは、特定のカチオン性多糖類ポリマー(例えばカチオン性ヒドロキシエチルセルロース)のようなセルロース/多糖類系分子と相溶性ではない。セルラーゼ不純物が存在する場合、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースポリマーは、酵素に作用され、付着補助剤としての効果がなくなる。カチオン性ヒドロキシエチルセルロースと相溶性であるようにプロテアーゼ混合物から微量のセルラーゼを除去することは、酵素のコストがより高くなり、セルラーゼ不純物を含む洗剤組成物を、カチオン性ヒドロキシエチルセルロースを含む洗剤組成物と再混合するプロセス中に、無駄を回避することが困難になる。よって、微量のセルラーゼを含有する酵素混合物と相溶性の、カチオン性付着補助剤を含む洗剤組成物を提供することが有用である。
【0101】
酵素は、通常、「洗浄に有効な量」を提供するのに十分な濃度で洗浄組成物中に組み込まれる。語句「洗浄に有効な量」は、汚れた素材(例えば、布地、硬質表面など)に対して、洗浄、染み除去、汚れ除去、増白、脱臭、又は洗いたて感の改善効果を生じることが可能な量を指す。いくつかの態様において、洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.0001重量%〜約5重量%、又は約0005重量%〜約3重量%、又は約0.001重量%〜約2重量%の活性酵素を含み得る。酵素は、別個の単一原料として、又は2つ以上の酵素の混合物として、加えることができる。
【0102】
増白剤
本明細書に記載の洗剤組成物は、光学的増白剤を含み得る。光学的増白剤は、蛍光増白剤としても知られ、当該技術分野において既知である。本発明の洗剤組成物は、組成物の約0.005重量%から、又は約0.01重量%から、約5重量%まで、又は約1重量%まで、又は約0.5重量%までの増白剤を含んでもよい。
【0103】
光学的増白剤は、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5員及び6員複素環、ベンゼン又はこれらの誘導体、及びこれらの混合物を含む化合物から選択される実質的に不溶性の化合物であり得る。増白剤は、ベンゾキサゾール(benzoxozol)、ピラゾール、トリアゾール、トリアジン、イミダゾール、フラン基又はこれらの混合物を含む。
【0104】
好適な増白剤には、4,4’−ビス{[4−アニリノ−6モルフォリノ−s−トリアジン−2−イル]アミノ}−2,2’−スチルベンジスルホネート二ナトリウム、4,4’−ビス−(2−スルホスチル)ビフェニル二ナトリウム、及び、4,4’−ビス[{4,6−ジ−アニリノ−s−トリアジン−2−イル]−アミノ}−2,2’スチルベンジスルホネート二ナトリウムが挙げられる。市販されている増白剤は、Ciba Geigyから販売されているBrightener 15、Brightener 36、及びBrightener 49が挙げられる。
【0105】
洗浄ポリマー
組成物は、洗浄ポリマーを含み得る。例えば、洗剤組成物は、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性とが釣り合い得る両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含んでよい。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基とを含んでもよい。これらは例えば、アルコキシル化ポリアルキレンイミンを含み得る。このような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びこれらを硫酸化したものが挙げられるが、これらに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も包含させることができる。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを、様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例としては、NH当たり20EO基までエトキシル化されている600g/モルのポリエチレンイミンコアがあり、BASFより入手可能である。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、内側ポリエチレンオキシドブロックと、外側ポリプロピレンオキシドブロックとを有し得る。本明細書に記載の洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%〜約10重量%、いくつかの例では、約0.1重量%〜約8重量%、他の例では、約0.1重量%〜約6重量%のアルコキシル化ポリアミンを含み得る。
【0106】
汚れ放出ポリマー(SRP)
本開示の洗剤組成物は、汚れ放出ポリマーを含み得る。いくつかの態様において、洗剤組成物は、以下の構造(I)、(II)、又は(III):
(I) −[(OCHR−CHR−O−OC−Ar−CO−]
(II) −[(OCHR−CHR−O−OC−sAr−CO−]
(III) −[(OCHR−CHR−OR
(式中、
a、b及びcは、1〜200であり、
d、e及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSOMeにより置換された1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラアルキルアンモニウム(アルキル基は、C〜C18アルキル又はC〜C10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
、R、R、R、R、及びRは、独立に、H又はC〜C18のn−若しくはイソ−アルキルから選択され、
は、直鎖若しくは分枝鎖C〜C18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C〜C30アルケニル、又は5〜9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はC〜C30アリール基、又はC〜C30アリールアルキル基である]のうちの1つにより定義される構造を有する1種以上の汚れ放出ポリマーを含んでもよい。
【0107】
好適な汚れ放出ポリマーは、Repel−o−texポリマー(例えば、Rhodiaにより供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6)などのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Texcareポリマー(例えば、Clariantにより供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325など)が挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0108】
アミン
本明細書に記載の洗浄組成物は、アミンを含有し得る。アミンの非限定例としては、エーテルアミン、環状アミン、ポリアミン、オリゴアミン(例えばトリアミン、ジアミン、ペンタアミン、テトラアミン)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の組成物は、オリゴアミン、エーテルアミン、環状アミン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアミンを含み得る。
【0109】
この洗浄組成物は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、又は0.2重量%〜約5重量%、又は約0.5重量%〜約4重量%、又は約0.1重量%〜約4重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%のアミンを含み得る。このアミンは、それが使用される洗浄媒体のpHに依存してプロトン化に供され得る。
【0110】
好適なオリゴアミンの例としては、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。エーテルアミン及び環状アミンについては、以下でより詳細に説明する。
【0111】
好適なエーテルアミンは、式(A)で表すことができる。
【0112】
【化1】
式中、各R基は独立に、H、メチル基、及びエチル基からなる群から選択され、少なくとも1つのR基がメチル基であり、xは約2〜約300の範囲であり、xは、ポリマーを構成する繰り返し単位又は基礎構築ブロックの平均数を示し、xは整数又は分数であり得、xは約2〜約20、又は約2〜約10の範囲であり得る。
【0113】
好適なエーテルアミンは、式(I)で表すことができる。
【0114】
【化2】
式中、R〜Rのそれぞれは、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、R〜Rのうちの少なくとも1つはHとは異なり、典型的には、R〜Rのうちの少なくとも1つは、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、独立に、2〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキレンから選択され、Z〜Zのそれぞれは、独立に、OH又はNHから選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的には、Z及びZのそれぞれはNHであり、x+yの合計は、約2〜約200、又は約2〜約20、又は約2〜約10、又は約2〜約8、又は約3〜約8、又は約4〜約6の範囲内であり、x≧1かつy≧1であり、x+yの合計は、約2〜約200、又は約2〜約20、又は約2〜約10、又は約2〜約8、又は約3〜約8、又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1かつy≧1である。
【0115】
式(I)のエーテルアミンにおいて、A〜Aのそれぞれは、独立に、エチレン、プロピレン、又はブチレンから選択され得る。典型的に、A〜Aのそれぞれはプロピレンである。A及びAのそれぞれは、独立に、2〜18個の炭素原子、2〜10個の炭素原子、又は2〜5個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル基から選択され得、A、A、A、及びAのそれぞれは、独立して、2〜18個の炭素原子、又は2〜10個の炭素原子、又は2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルカンジイル基から選択され得る。式(I)のエーテルアミンに関して、R、R、R、及びRのそれぞれはHであってよく、R及びRのそれぞれは、独立に、C1〜C16アルキル又はアリールから選択されてよい。典型的に、R、R、R、及びRのそれぞれはHであってよく、R及びRのそれぞれは、独立に、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から選択されてよい。式(I)のエーテルアミンに関して、Rはエチル基であってよく、R、R、R、及びRのそれぞれはHであってよく、Rはブチル基であってよい。式(I)のエーテルアミンに関して、R及びRのそれぞれはHであってよく、R、R、R、及びRのそれぞれは、独立に、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はHから選択されてよい。
【0116】
好適なエーテルアミンは、式(II)で表すことができる。
【0117】
【化3】
〜R12のそれぞれは、独立に、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、又はアリールアルキルから選択され、R〜R12のうちの少なくとも1つはHとは異なり、典型的には、R〜R12のうちの少なくとも1つは、2〜8個の炭素原子を有するアルキル基であり、A〜Aのそれぞれは、独立に、2〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキレンから選択され、Z〜Zのそれぞれは、独立に、OH又はNHから選択され、Z〜Zのうちの少なくとも1つは、NHであり、典型的には、Z及びZのそれぞれはNHであり、x+yの合計は、約2〜約200、又は約2〜約20、又は約2〜約10、又は約2〜約8、又は約3〜約8、又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1かつy≧1であり、x+yの合計は、約2〜約200、又は約2〜約20、又は約2〜約10、又は約2〜約8、又は約3〜約8、又は約2〜約4の範囲内であり、x≧1かつy≧1である。
【0118】
式(II)のエーテルアミンに関して、A〜Aのそれぞれは、独立に、エチレン、プロピレン、又はブチレンから選択され得る。典型的にA〜Aのそれぞれはプロピレンであってよい。Aは、2〜18個の炭素原子、又は2〜10個の炭素原子、又は2〜5個の炭素原子を有する直鎖アルカンジイル基から選択され得、A及びAのそれぞれは、独立に、2〜18個の炭素原子、又は2〜10個の炭素原子、又は2〜5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルカンジイル基から選択され、式(II)のエーテルアミンに関して、R、R、R11、及びR12のそれぞれはHであってよく、R及びR10のそれぞれは、独立に、C1〜C16アルキル又はアリールから選択されてよく、典型的に、R、R、R11、及びR12のそれぞれはHであってよく、R及びR10のそれぞれは、独立に、ブチル基、エチル基、メチル基、プロピル基、又はフェニル基から選択されてよい。式(II)のエーテルアミンに関して、Rはエチル基であり、R、R、R11、及びR12のそれぞれはHであってよく、R10はブチル基であってよい。式(II)のエーテルアミンに関して、R及びRのそれぞれはHであってよく、R、R10、R11、及びR12のそれぞれは、独立に、エチル基、メチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、又はHから選択されてよい。
【0119】
好適なエーテルアミンは、米国特許公開第2014/0296127(A1)号及び同第2015/0057212(A1)号に更に記述されている。
【0120】
好適な環状アミンは、式(B)で表すことができる:
【0121】
【化4】
【0122】
置換基「R」は、独立に、NH、H、及び1〜10個の炭素原子の直鎖、分枝鎖アルキル又はアルケニルから選択され得る。本発明の目的のため、「R」は、R1〜R5を含む。「R」のうちの少なくとも1つは、NHである必要がある。残りの「R」は、独立に、NH、H、及び1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分枝鎖のアルキル又はアルケニルから選択され得る。nは0〜3であるか、又はnは1である。
【0123】
色相剤
組成物は、布地色相剤(色合い剤、青味剤、又は白化剤と称される場合もある)を含み得る。典型的には、色相剤は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。色相剤は、単独又は組み合わせのいずれかで使用して、特定の色相の色合いを作り出し、かつ/又は異なるタイプの布地に色合いをつけることができる。これは、例えば赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色相剤は、任意の既知の化学的部類の染料から選択されてよく、これには、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、予め金属化されたアゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
他の添加剤
本明細書に記載の組成物は、洗濯プロセスに好適であり得る他の添加材料を含み得る。好適な添加剤には、ビルダー、キレート剤、移染阻害剤、分散剤、酵素安定剤、触媒材料、漂白剤、漂白剤触媒、漂白活性化剤、ポリマー分散剤、汚れ除去/再付着防止剤(例えばPEI600 EO20(ex BASF))、ポリマー汚れ放出剤、ポリマー分散剤、ポリマーグリース洗浄剤、増白剤、抑泡剤、染料、香料、構造弾性化剤、布地柔軟剤、キャリア、充填剤、ヒドロトロープ、有機溶剤、抗微生物剤及び/又は防腐剤、中和剤及び/又はpH調整剤、加工助剤、乳白剤、真珠光沢剤、顔料、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0125】
シリコーンは、布地の洗浄及び/又は白さの損失に寄与し得る。したがって、洗剤組成物は、0.3%未満のシリコーンを含み得る。洗剤組成物は、アミノシリコーンなどのシリコーンを実質的に含まなくてもよい(例えば、0.1%未満、0.01%未満、又は更には0%)。シリコーンは、抑泡剤として洗剤中に存在し得ることが認識される。このため、洗剤は、シリコーンを低濃度で含むことがあり、例えばこの濃度は、少なくともある程度の抑泡効果を提供するのに十分であるが、消費者が気付く可能性のある柔軟性効果を提供するには十分ではない。
【0126】
洗剤組成物の製造方法
本開示の洗剤組成物は、バッチ式又は連続的ループ方法を含む、従来の方法で製造することができる。外部構造化剤系を使用した場合、封入体を添加した後に、外部構造化剤系がベース洗剤に添加され、それから混合することができる。
【0127】
洗剤組成物の使用方法
本開示は、布地などの表面を前処理又は処理する方法に関するものであり、この方法は、表面(例えば、布地)を、本明細書に記載の洗剤組成物と接触させる工程を含む。接触工程は、水の存在下で起こってよく、水と洗剤組成物とで洗浄液を形成する。この接触は、洗浄工程中に起こってよく、この接触工程の前、工程中、又は工程の後に水を加えて、洗浄液を形成することができる。
【0128】
洗浄工程に続いて、すすぎ工程を行うことができる。すすぎ工程の間、布地を、布地柔軟剤組成物と接触させてもよく、この布地柔軟剤組成物は、布地柔軟化活性物質を含む。布地を布地柔軟剤組成物と接触させる工程は、水の存在下で起こってよく、例えば全自動洗濯機のすすぎサイクル中に起こり得る。
【0129】
任意の好適な洗濯機を用いてよく、例えば、トップロード式又はフロントロード式の全自動洗濯機を用いることができる。当業者は、関連の洗浄作業に好適な洗濯機を認識するであろう。本開示の組成物は、布地用添加剤、すすぎ補助剤等の他の組成物と組み合わせて使用してよい。
【0130】
本開示の柔軟剤組成物は、液体、ゲル、発泡体、又は固体(ビーズなど、例えば米国特許第7867968号に記述されているもの、又は乾燥機用バー)などの任意の好適な形態をとってよく、あるいは、この組成物は、例えば乾燥機シート(例えば米国特許第5,102,564号、同第5,578,234号、同第5,470,492号、国際公開第1999/015611号、米国特許出願第2007/0270327(A1)号に記述されているもの)などの柔軟性の基材と組み合わせて使用してもよく、これらは各々参照により本明細書に組み込まれる。
【0131】
典型的には、柔軟剤組成物は液体である。いくつかの態様において、柔軟剤組成物は、柔軟剤組成物の約60重量%〜約95重量%、好ましくは約65重量%〜約90重量%の水性液体キャリアを含む。好ましい水性キャリアは水であり、これは微量成分を含有し得る。
【0132】
好適な市販の布地柔軟剤も用いることができ、例えば、DOWNY(登録商標)及びLENOR(登録商標)(いずれもThe Procter & Gamble Companyから入手可能)、並びにSNUGGLE(登録商標)(The Sun Products Corporationから入手可能)を用いることができる。
【0133】
本明細書に記載の柔軟剤組成物は、布地柔軟化活性物質(「FSA」)を含む。「布地柔軟化活性物質」又は「FSA」なる用語は、最も広い意味で本明細書において使用され、布地を軟化するのに好適な任意の活性物質を含む。いくつかの態様において、柔軟剤組成物は、柔軟剤組成物の総重量に対して、約2%〜約25%、又は約3%〜約15%、又は更には約3%〜約7%の1つ以上の布地柔軟化活性物質を含む。いくつかの態様において、布地柔軟化活性物質は、カチオン性布地柔軟化活性物質である。典型的な布地柔軟化活性物質が下記に記述される。
【0134】
いくつかの態様において、本明細書に記載の方法のFSAは、第四級アンモニウム化合物、シリコーン、脂肪酸又はエステル、糖、脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコール、ポリグリセロールエステル、油性糖誘導体、ワックスエマルション、脂肪酸グリセリド、又はこれらの混合物を含む。
【0135】
いくつかの態様において、FSAは、すすぎ工程での布地の柔軟化に好適な第四級アンモニウム化合物である。1つの実施形態では、FSAは、脂肪酸とアミノアルコールとの反応生成物から形成され、これはモノ−、ジ−及び1つの実施形態ではトリエステル化合物の混合物を生じる。いくつかの態様において、FSAは、モノアルキル第四級アンモニウム化合物、ジアルキル第四級アンモニウム化合物、ジアミド第四級化合物、ジエステル第四級アンモニウム化合物、モノエステル第四級アンモニウム化合物、又はこれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない、1つ以上の柔軟剤第四級アンモニウム化合物を含む。
【0136】
いくつかの態様において、FSAは次のものからなる群から選択される第四級アンモニウム化合物を含む:
a)直鎖第四級アンモニウム化合物、
b)分枝鎖第四級アンモニウム化合物、
c)環状第四級アンモニウム化合物、
d)及びこれらの混合物、
この第四級アンモニウム化合物は、
0〜約95、好ましくは0〜約35、好ましくは0〜約20のヨウ素価を有する、1つ以上のC10〜C22脂肪酸部分、C16〜C20脂肪酸部分、又はC16〜C18脂肪酸部分、
対イオン、並びに、
アルキル部分、エステル部分、アミド部分、及びエーテル部分からなる群から選択される、上記第四級アンモニウム化合物の窒素に共有結合する1つ以上の部分、
を含む。
【0137】
ヨウ素価(IV)は、100gの脂肪酸の二重結合の反応により消費されるヨウ素の量(グラム)であり、ISO 3961の方法により測定される。
【0138】
代表的な第四級アンモニウム化合物としては、アルキル化第四級アンモニウム化合物、環状又は環式第四級アンモニウム化合物、芳香族第四級アンモニウム化合物、ジ第四級アンモニウム化合物、アルコキシル化第四級アンモニウム化合物、アミドアミン第四級アンモニウム化合物、エステル第四級アンモニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。布地柔軟剤活性物質の例は、米国特許第7,381,697号第3段落43行〜第4段落67行、同第7135451号第5段落1行〜第11段落40行、及び米国特許出願第2011/0239377(A1)号に記載されている。また、米国特許第4,424,134号、同第4,767,547号、同第5,545,340号、同第5,545,350号、同第5,562,849号、及び同第5,574,179号も参照のこと。
【0139】
上に開示した柔軟剤活性物質の組み合わせが、本発明での使用に好適であることが理解されるであろう。
【0140】
アニオンA−本明細書に記載されるカチオン性窒素塩において、任意の柔軟剤相溶性アニオンを含むアニオンAは、電気的中性をもたらす。ほとんどの場合、これらの塩において電気的中性をもたらすために使用されるアニオンは、強酸、特にハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、又はヨウ化物由来である。しかし、メチルサルフェート、エチルサルフェート、アセテート、ホルメート、サルフェート、カーボネートなど、その他のアニオンを使用してもよい。一態様において、アニオンAは、塩化物イオン又はメチルサルフェートを含み得る。いくつかの態様において、アニオンは、二重電荷を有し得る。この態様では、Aが、基の半分を表す。
【0141】
いくつかの態様において、布地柔軟化活性物質は、上述のようにシリコーンを含む。好ましいシリコーンには、ポリジメチルシリコーン(PDMS)、アミノシリコーン、シリコーンポリエーテル、カチオン性シリコーン、シリコーンポリウレタン、シリコーンポリ尿素、又はこれらの混合物及びこれらの混合物が挙げられる。
【0142】
本明細書に記載される柔軟剤組成物は、柔軟剤補助剤を含んでもよい。柔軟剤組成物は、塩、カチオン性ポリマー、香料及び/又は香料送達系(封入体香料など)、本明細書に記載される他の柔軟剤補助剤、又はこれらの混合物から選択される、柔軟剤補助剤を含み得る。
【0143】
好適な市販の布地柔軟剤を用いることができ、例えば、DOWNY(登録商標)及びLENOR(登録商標)(いずれもThe Procter & Gamble Companyから入手可能)、並びにSNUGGLE(登録商標)(The Sun Products Corporationから入手可能)のブランド名で販売されているものを用いることができる。
【0144】
更に、本開示の洗剤及び柔軟剤組成物は、表面を手で処理/洗浄する周知の方法にも使用することができる。
【0145】
多成分布地処理系
いくつかの態様において、本開示は多成分布地処理系に関するものであり、この系は、本明細書に記載の洗剤組成物を含む第1の成分を含み、この系は更に、本明細書に記載の柔軟剤組成物を含む第2の成分を含む。
【0146】
いくつかの態様において、第1の成分は、洗剤組成物を収容する第1の容器を更に含む。いくつかの態様において、第2の成分は、柔軟剤組成物を収容する第2の容器を更に含む。第1及び第2の容器は、任意の好適なタイプであってよく、例えば、瓶、箱、パウチ、又は多区画パウチの区画であってよい。いくつかの態様において、パウチは水溶性であってよく、また、ポリビニルアルコール(PVA)フィルムなどの水溶性フィルムを形成してもよい。好ましいフィルムは、商標名M8630、M8900、M8779、M9467、M8310にてMonosolにより供給されているもの、米国特許第6 166 117号、同第6 787 512号、米国特許出願第2011/0188784号に記載されたフィルム、並びに相当する溶解度と変形特性であるPVAフィルムである。更なる好ましいフィルムは、米国特許公開第2006/0213801号、国際公開第2010/119022号、及び米国特許第6 787 512号に記述されているものである。
【0147】
いくつかの態様において、第1の成分と第2の成分は互いに近位にある。本明細書で使用するとき、「近位」は物理的に近くにあることを意味すると理解され、例えば、約100センチメートル以下、又は約50センチメートル以下、又は約10センチメートル以下、又は約2センチメートル以下、又は0.1センチメートル以下(例えば、互いに接触しているか又はほぼ接触している)の距離で離間していると理解される。例えば、第1の成分と第2の成分とは、棚上又はディスプレイされているときに互いに近接していてもよく、配列を形成してもよい。いくつかの態様では、近位の第1及び第2の成分は、単一のパッケージ内(例えば、箱又はケースの中に)に収容される。いくつかの態様において、第1の成分と第2の成分は、単位化用量パウチの形態にそれぞれあり、これは、ケースなどの単一のパッケージ内に一緒に包装されてもよい。そのような場合、第1の成分パウチ及び第2の成分パウチは、好ましくは、消費者が2つのタイプのパウチを区別できるような、例えば異なる色又はラベルの指標を含む。
【0148】
いくつかの態様において、近位の第1及び第2の成分が連結される。例えば、第1及び第2の成分は、単一のパッケージ(例えば多室ボトル又は多区画パウチ)の別々の部分に収容されていてもよい。いくつかの態様では、第1及び第2の成分は多区画パウチ内に収容され、ここで洗剤組成物は第1の区画に収容され、柔軟剤組成物は第2の区画に収容される。この場合には、第1及び第2の区画は、溶解速度が異なっていてもよい。好ましくは、第1の区画は、第2の区画よりも速く溶解し、それによって、洗剤組成物が放出された後で、布地柔軟剤組成物が放出される。
【0149】
いくつかの態様において、第1及び第2の成分が取り外し可能に連結される。いくつかの態様において、いったん取り外された第1及び第2の成分は、再連結可能である。例えば、第1及び第2の成分は、共通の外側包装(例えばシュリンクラップ)により連結され得る。他の実施形態において、この系は、パウチ又は小袋の形態で、連結された第1及び第2の成分を含み、これらはベンダー又は消費者によって物理的に分離させることができる(例えばミシン目の線に沿って引き裂くことにより)。
【0150】
第1の成分と第2の成分とは、互いに相補的であってもよい。例えば、これらの成分は、色、形状、及び/又は図形に関して、同一、同様、又は関連していてよい。いくつかの態様において、第1の容器(又は第1の容器の表面)は、第2の容器(又は第2の容器の表面)に対して形状が補完的であってもよく、例えば、容器は、嵌合され、入れ子になり、又は隣接しているときに単一の物品としての視覚的印象を与え得る。
【0151】
組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、ここで以下のアルファベットを付した段落に記載する。これらの組み合わせは、説明を目的としたものであって、制限的であることを意図したものではない。
【0152】
A.界面活性剤系と、封入体と、カチオン性付着補助ポリマーとを含む液体洗剤組成物であって、洗剤組成物は、洗剤組成物の約10重量%〜約50重量%の界面活性剤系を含み、界面活性剤系は、約1:1〜約4.5:1の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、アニオン性界面活性剤は、約1:1〜約20:1の重量比で、アニオン性サルフェート界面活性剤とアニオン性スルホネート界面活性剤とを含み、洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%〜約5重量%の封入体を含み、封入体は、コアと、コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、コアは、有益剤を含み、カチオン性付着補助ポリマーは、非多糖類ポリマーであり、かつ約5〜約200キロダルトンの重量平均分子量により特徴付けられ、液体洗剤組成物は、任意で、0.3%以下のシリコーンを含む、液体洗剤組成物。
B.界面活性剤系が、約2:1〜約4.5:1、好ましくは約2:1〜約3:1の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含む、段落Aに記載の液体洗剤組成物。
C.アニオン性界面活性剤が、約1:1〜約10:1、好ましくは約1:1〜約5:1、より好ましくは約2.5:1の重量比で存在するアニオン性サルフェート界面活性剤及びアニオン性スルホネート界面活性剤を含む、段落A又はBに記載の液体洗剤組成物。
D.洗剤組成物が、洗剤組成物の約0.01重量%から、約2重量%まで、若しくは約1.5重量%まで、若しくは約1重量%まで、若しくは約0.75重量%まで、若しくは約0.5重量%まで、若しくは約0.3重量%まで、又は約0.05重量%〜約0.25重量%のカチオン性付着補助ポリマーを含む、段落A〜Cのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
E.カチオン性付着補助ポリマーが、約15〜約50キロダルトン、又は約18〜約30キロダルトンの重量平均分子量により特徴付けられる、段落A〜Dのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
F.カチオン性付着補助ポリマーが、約30mol%〜約100mol%、又は約50mol%〜約100mol%、又は約55mol%〜約95mol%、又は約70mol%〜約85mol%のカチオン性構造単位を含む、段落A〜Eのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
G.カチオン性付着補助ポリマーが、第四級化N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、第四級化N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、第四級化N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、第四級化N,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリル(methacyl)アミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩、アクリルアミドアルキル(alkyll)トリアルキルアンモニウム(amminium)塩、ビニルアミン、ビニルイミン、ビニルイミダゾール、第四級化ビニルイミダゾール、ジアリルジアルキルアンモニウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性モノマーから誘導されるカチオン性構造単位を含む、段落A〜Fのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
H.カチオン性モノマーが、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、第四級化N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、第四級化N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAM)、[2−(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウム塩、第四級化N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA)、第四級化N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(APTAS)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(MAPTAS)、第四級化ビニルイミダゾール(QVi)、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落A〜Gのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
I.カチオン性モノマーが、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(APTAS)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(MAPTAS)、第四級化ビニルイミダゾール(QVi)、及びこれらの混合物から選択される、段落A〜Hのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
J.カチオン性モノマーが、DADMAS、APTAS、及び/又はMAPTASの塩から選択され、塩は所望により塩化物を含む、段落A〜Iのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
K.カチオン性モノマーが、ジアリルジメチルアンモニウム塩、好ましくは塩化ジアリルジメチルアンモニウムを含む、段落A〜Jのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
L.カチオン性付着補助ポリマーが、非イオン性構造単位を含む、段落A〜Kのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
M.カチオン性ポリマーが、約5mol%〜約60mol%、又は約15mol%〜約40mol%の非イオン性構造単位を含む、段落A〜Lのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
N.カチオン性ポリマーが、(メタ)アクリルアミド、ビニルホルムアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、C〜C12アルキルアクリレート、C〜C12ヒドロキシアルキルアクリレート、ポリアルキレングリオールアクリレート、C〜C12アルキルメタクリレート、C〜C12ヒドロキシアルキルメタクリレート、ポリアルキレングリコールメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド、ビニルアルキルエーテル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるモノマーから誘導される非イオン性構造単位を含む、段落A〜Mのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
O.非イオン性構造単位が、(メタ)アクリルアミドから誘導される、段落A〜Nのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
P.カチオン性ポリマーが、アクリルアミド/DADMAS、アクリルアミド/DADMAS/アクリル酸、アクリルアミド/APTAS、アクリルアミド/MAPTAS、アクリルアミド/QVi、ポリビニルホルムアミド/DADMAS、ポリ(DADMAS)、アクリルアミド/MAPTAS/アクリル酸、アクリルアミド/APTAS/アクリル酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落A〜Oのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
Q.カチオン性ポリマーが、アクリルアミド/DADMASを含む、段落A〜Pのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
R.カチオン性付着補助ポリマーが、約2meq/g〜約12meq/g、好ましくは約4.5meq/g〜約7meq/gの算出カチオン電荷密度を有することを更に特徴とする、段落A〜Qのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
S.組成物が、約0.1%〜約1%の封入体を含む、段落A〜Rのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
T.有益剤が、香料原料を含む、段落A〜Sのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
U.封入体の壁が、壁の外側表面上にコーティングを含む、段落A〜Tのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
V.コーティングが、カチオン性効率ポリマーを含み、好ましくは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハライド、塩化ポリジアリルジメチルアンモニウムとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハライド、イミダゾリウムハライド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性効率ポリマーを含み、カチオン性効率ポリマーは、カチオン性付着補助ポリマーとは異なる、段落A〜Uのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
W.コーティングが、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、ポリアリルアミン、これらのコポリマー、及びこれらの混合物から選択されるカチオン性効率ポリマーを含み、好ましくはポリビニルホルムアミドを含み、カチオン性効率ポリマーは、カチオン性付着補助ポリマーとは異なる、段落A〜Vのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
X.壁が、アミノプラストコポリマー、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される壁材料を含む、段落A〜Wのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
Y.壁材料が、アミノプラストコポリマーを含み、好ましくは、メラミンホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物からなる群から選択されるアミノプラストコポリマーを含む、段落A〜Xのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
Z.組成物が、外部構造化剤を更に含む、段落A〜Yのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
AA.組成物が、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約4重量%の量で存在する、脂肪酸又はその塩を更に含む、段落A〜Zのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
BB.組成物が、酵素、増白剤、洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、ポリエーテルアミン、アミン、色相染料、又はこれらの組み合わせから選択される添加剤を更に含む、段落A〜AAのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
CC.組成物が酵素を含み、酵素がセルラーゼを含む、段落A〜BBのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
DD.布地を処理する方法であって、方法が洗浄工程を含み、洗浄工程は、布地を、段落A〜CCのいずれか1つに記載の洗剤組成物と接触させる工程を含む、方法。
EE.布地を処理する方法が、柔軟化工程を更に含み、柔軟化工程は、布地を柔軟化組成物と接触させる工程を含む、段落DDに記載の方法。
FF.界面活性剤系と、封入体と、カチオン性付着補助ポリマーとを含む液体洗剤組成物であって、洗剤組成物は、洗剤組成物の約10重量%〜約30重量%の界面活性剤系を含み、界面活性剤系は、約1:1〜約3.8:1の重量比で存在するアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤とを含み、洗剤組成物は、洗剤組成物の約0.1重量%〜約5重量%の封入体を含み、封入体は、コアと、コアを少なくとも部分的に囲む壁とを含み、コアは、有益剤を含み、カチオン性付着補助ポリマーは、非多糖類ポリマーであり、かつ約15〜約50キロダルトンの重量平均分子量により特徴付けられ、カチオン性付着補助ポリマーは、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(APTAS)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(MAPTAS)、第四級化ビニルイミダゾール(QVi)、及びこれらの混合物から選択されるカチオン性モノマーから誘導されるカチオン性構造単位を含み、カチオン性付着補助ポリマーは、(メタ)アクリルアミドから誘導される非イオン性構造単位を更に含み、カチオン性構造単位と非イオン性構造単位とは、約60:40〜約85:15のモル比でカチオン性付着補助ポリマー中に存在し、液体洗剤組成物は、任意で、0.3%以下のシリコーンを含む、液体洗剤組成物。
GG.カチオン性モノマーが、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、好ましくは塩化ジアリルジメチルアンモニウム(DADMAC)である、段落A〜FFのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
HH.カチオン性ポリマーが、約55mol%〜約95mol%、又は約60mol%〜約90mol%、又は約70mol%〜約85mol%のカチオン性構造単位を含む、段落A〜GGのいずれか1つに記載の液体洗剤組成物。
【0153】
試験方法
重量平均分子量の決定
本発明のポリマー材料の重量平均分子量(Mw)は、示差屈折率検出(RI)を用いたサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定される。適切な器具の1つとして、Agilent(登録商標)GPC/SECソフトウェア、バージョン1.2(Agilent、Santa Clara、USA)を使用したAgilent(登録商標)GPC−MDSシステムがある。互いに直列に直接連結された3つの親水性ヒドロキシル化ポリメチルメタクリレートゲルカラム(Waters(Milford、USA)により製造されたUltrahydrogel 2000−250−120)、及び孔径0.22μmのGVWP膜フィルター(MILLIPORE(Massachusetts、USA))を通して濾過した0.1M塩化ナトリウム及び0.3%トリフルオロ酢酸のDI水溶液を用いてSEC分離を行う。RI検出器は、基準値のドリフトを防止するために、周囲温度よりも約5〜10℃高い一定の温度に維持する必要がある。RI検出器を35℃に設定する。SECの注入体積は100μLとする。流速は0.8mL/分に設定する。試験ポリマー測定のための計算及び較正は、Polymer Standard Service(PSS,Mainz Germany)から入手した、10個セットの狭い分布のポリ(2−ビニルピリジン)標準に照らして実施され、このピーク分子量は、Mp=1110g/mol、Mp=3140g/mol、Mp=4810g/mol、Mp=11.5kg/mol、Mp=22kg/mol、Mp=42.8kg/mol、Mp=118kg/mol、Mp=256kg/mol、Mp=446kg/mol、及びMp=1060kg/molである。
【0154】
各試験試料は、濃縮ポリマー溶液を上記の0.1M塩化ナトリウム及び0.3%トリフルオロ酢酸のDI水溶液中に溶解して、1〜2mg/mLのポリマー濃度を有する試験試料を得ることにより調製する。この試料溶液を12時間静置して完全に溶解させた後、よく攪拌し、5mLの注射器を用いて孔径0.45μmのナイロン膜(WHATMAN(UK)製)に通してオートサンプラーのバイアル中に濾過する。ポリマー標準物質の試料を同様にして調製する。各試験ポリマーについて2つの試料溶液を調製する。各溶液を1回測定する。2回の測定の結果の平均をとって試験ポリマーのMwを計算する。
【0155】
各測定で、バックグラウンドとして0.1M塩化ナトリウム及び0.3%トリフルオロ酢酸のDI水溶液を最初にカラム上に注入する。補正試料(Mp=111.3k g/mol)の1mg/mLポリエチレンオキシド溶液)を、他の試料の測定に先立って6回分析してシステムの再現性及び精度を確認する。
【0156】
試験試料ポリマーの重量平均分子量(Mw)を器具に付属するソフトウェアを用い、狭い標準較正モデリングに適したメニューオプションを選択することにより計算する。3次多項式曲線を用いて、ポリ(2−ビニルピリジン)標準物質から測定したデータポイントに較正曲線を当てはめる。重量平均分子量を計算するために使用するデータ領域は、RI検出器により検出されたシグナルの強さに基づいて選択する。RIシグナルがそれぞれの基準値のノイズレベルの3倍よりも大きいデータ領域を選択し、Mwの計算に含める。他のデータ領域は全て破棄し、Mwの計算から除外する。較正範囲の外側にある領域では、較正曲線をMwの計算について外挿する。
【0157】
分子量の異なるポリマーの混合物を含有する試験試料の平均分子量を測定するために、選択されたデータ領域を多数の等間隔のスライスに分割する。選択された領域からの各スライスの高さすなわちYの値は特定のポリマー(i)の存在量(Ni)を表し、選択された領域からの各スライスのXの値はその特定のポリマー(i)の分子量(Mi)を表す。次いで、上記に述べた式、すなわち、Mw=(Σi Ni Mi2)/(Σi Ni Mi)に基づいて、試験試料の重量平均分子量(Mw)を計算する。
【0158】
布地処理方法
ヘッドスペース封入の試験の前に、以下に記載の手順の1つに従って、布地を調製及び処理する。布地は典型的に、製造者によってなされているいかなる仕上げ剤を「脱糊」及び/又は「剥離」し(下記Aを参照)、乾燥させてから、トップロード式洗濯機又はフロントロード式洗濯機のいずれか(以下、B1又はB2による)において、洗剤組成物で処理される。
【0159】
A.布地の調製方法布地は、以下の方法のうちの1つ又は両方に従って調製することができる。
【0160】
A1.布地の脱糊方法新しい布地は、トップロード式洗濯機(例えばKenmore 80シリーズ)において、ゼログレーンの水を用い、49℃(120°F)で2サイクル洗浄することにより、脱糊を行う。2回目のサイクルの後、全ての布地をKenmoreシリーズの乾燥機において綿/高温設定で45分間乾燥させる。
【0161】
A2.布地の予備調整方法。脱糊した布地は、トップロード式洗濯機(例えばKenmore 80シリーズ)において、1ガロン当たり6グレーンの水を用い、32℃で、洗剤と液体布地柔軟剤を用いて、3サイクル洗浄することにより、予備調整を行う。洗浄サイクルの開始時に、洗濯機のドラムに水を充填してから、洗剤(Tide(登録商標)、50g)を加え、次に、脱糊した2.5kgの綿100%タオル(30.5cm×30.5cm、RN37000−ITL、Calderon Textiles,LLC(6131 W 80th St Indianapolis IN 46278)から入手)を入れる。すすぎサイクル中に、すすぎ水が充填されたら、液体布地柔軟剤(Downy(登録商標)、25.5g)をドラムに加える。2回目のサイクルの後、全ての布地をKenmoreシリーズの乾燥機において綿/高温設定で45分間乾燥させる。
【0162】
B.布地の処理方法。布地は、以下の任意の方法のいずれかに従って処理することができる。
【0163】
B1.トップロード式洗濯機における洗剤による布地処理。脱糊した布地を、トップロード式National NA−FV8100洗濯機で標準洗浄設定を用いて、洗剤組成物での処理を行う。この洗濯機は、充填容量49Lで、12分間洗浄サイクル、すすぎサイクル2回、及び1〜3分間の脱水サイクルを使用する。洗浄及びすすぎサイクルには、27℃(81°)の水を使用する。洗浄及びすすぎサイクルには、1ガロン当たり6グレーンの水を使用する。洗浄サイクルの最初に水を充填した後、洗濯機ドラムに洗剤組成物(52.5g)を添加する。次に、2.9kgの脱糊済み綿100%タオル(30.5cm×30.5cm、RN37000−ITL、Calderon Textiles,LLC(6131 W 80th St Indianapolis IN 46278)から入手)を、洗濯機のドラムに入れる。処理された布地を、一定の温度及び湿度(相対湿度50%、21℃(70°F))の部屋で22〜26時間乾燥させる。
【0164】
B2.トップロード式洗濯機における洗剤及び布地柔軟剤による布地処理。脱糊した布地(A1により調製)を、B1に記述されているように、トップロード式National NA−FV8100洗濯機で標準洗浄設定を用いて、洗剤組成物での処理を行い、洗濯機ディスペンサーを介して、液体布地柔軟剤を加える(Lenor(登録商標)、23g)。処理された布地を、一定の温度及び湿度(相対湿度50%、21℃(70°F))の部屋で22〜26時間乾燥させる。布地は、合計3サイクル洗浄及び乾燥される。
【0165】
B3.トップロード式洗濯機における洗剤による布地処理。脱糊され予備調整された布地(A1及びA2に従って調製)を、トップロード式洗濯機(例えばKenmore 80シリーズ)の洗浄サイクルに、洗剤組成物を入れることにより、洗剤組成物での処理を行う。洗剤組成物(50g)を、洗濯機のドラムに入れ、脱糊した2.5kgの綿100%タオル(32cm×32cm、例えばRN37002LL、Calderon Textiles(Indianapolis,Indiana,USA)から入手)を洗濯機のドラムに入れる。脱糊した布地は、標準サイクルを用いて、1ガロン当たり6グレーンの水64.4Lで、洗浄温度32℃、すすぎ温度16℃で、処理を行う。処理された布地を、標準の米国の衣類乾燥機(例えばKenmoreシリーズの乾燥機)を使用して、綿/強の設定で45分間乾燥させる。
【0166】
嗅覚性能方法
処理された布地の香りの強さを評価するために、本明細書に記載の嗅覚性能方法を使用することができる。簡単に言うと、訓練を受けた評価者パネルが処理された布地の香りを嗅ぐ。各パネリストには、布地処理方法による別の布地が与えられ、香りの強さを評価する。訓練を受けたパネルは、20人の適格パネリストからなり、布地の香りの強さを評価する。これは、乾燥布地のにおい(DFO)及び擦布のにおい(RFO)の強度スコアを用い、0〜100の尺度で評価するもので、スコア「0」は、布地ににおい又は香りがないことを意味し、スコア「50」は、布地のにおい又は香りの強さが中程度であることを意味し、スコア「100」は布地に強いにおい又は香り強度があることを意味する(すなわち、スコア100は最も強いにおいを有する)。パネリストは、原液香料溶液の適切な強度を正しく検知し、処理された布地の強度傾向を正しく検知することで、適格となる。パネリストは、4回の評価のうち3回、0.5%、2%、及び5%の香料ジプロピレングリコール溶液で、香料溶液の強度の順序を正しくランク付けしなければならない。
【0167】
パネリストのスコアは、未処理布地を用いてベースライン(0スコア)としてアンカー付けられ、香りの強度スコアを表す香料アンカーは、低強度(10〜30)、中強度(40〜70)、及び高強度(80〜100)を表す。アンカーは、水/エタノール基剤(95%/5%)における原液香料を用いて製造される。原液香料(15g)を、Aquasolve(85g)と混合して香料を可溶化し、次に水/エタノール基剤に香料/Aquasolve混合物を、低(香料0.03%)、中(0.09%)、及び高(0.27%)の強度スケールレベルに相当する異なる濃度で添加する。アンカーレベル溶液は、パネル開始の15分前に、綿棒又は濾紙ストリップに塗布される。パネリストは綿棒のにおいを嗅ぎ、パネルの強度スケールにアンカー付ける。
【0168】
処理された布地は、21℃/相対湿度50%で、評価前に最低12時間、平衡化される。パネルは、21℃/相対湿度50%に制御された室内で行われ、試験布地は、評価前の30分間、パネルルーム内で平衡化される。各パネリストが個々の処理された布地のにおいを嗅ぎ、DFOを記録する。同じ布地を6回擦り合わせ、パネリストが再びにおいを嗅ぎ、RFOを記録する。20枚の異なる処理された布地のスコアが平均される。パネリストは異なる5つの処理サンプルのにおいを嗅ぎ、処理はパネリスト間で無作為化される。各パネルは、参照処理を含み、強度の差はこの参照と比較して行われる。DFO及びRFOの平均スコアが高いほど、布地のにおいがより強いことになる。
【0169】
泥汚れ除去方法
Black ToddClay(Accurate Product Development(Fairfield,OH)から入手可能)及びUS Clay(Empirical Manufacturing Company(Cincinnati,OH)から入手可能)を含有するCW120木綿の技術的汚れ見本が、トップロード式Kenmore 80シリーズ洗濯機の標準洗浄設定を使用して、本発明の洗剤組成物で処理される。洗濯機は、充填容量64Lで、洗浄に32℃(81°F)の水、すすぎサイクルに16℃の水を使用する。洗浄及びすすぎサイクルには、1ガロン当たり6グレーンの水を使用する。洗浄サイクルの最初に水を充填した後、洗濯機ドラムに洗剤組成物(46.5g)を添加する。次に、2枚のCW120汚れ見本と、脱糊した布地バラスト2.9kgをドラムに入れる。脱糊したバラストは、約50重量%の綿100%Tシャツ(Gildan T−shirts,TCS Apparel)、25重量%のポリエステル50%/綿50%の枕カバー(Standard Textile Company)、及び25重量%の綿86%/ポリエステル14%のタオル(Standard Textile Company)からなる。合計8枚のCW120の見本について、4つの異なる洗浄サイクルにおける2つの内部複製から、合計8枚の汚れ見本が平均される。処理された布地は、Kenmoreシリーズ乾燥機の綿/高温設定で乾燥させる。
【0170】
標準比色分析測定を使用して、洗浄前と後とのそれぞれの染みに対するL、a、及びb値を得た。L、a、b値から、洗浄前の初期汚れレベルと洗浄後の汚れレベルとを比較し、汚れていない布地部分に対応する初期バックグラウンドにより、汚れレベルが計算された。
【0171】
見本からの染み除去は次のように測定された。
【0172】
【数2】
ΔEinitial=洗浄前の汚れレベル−汚れていない、未洗浄の布地部分
ΔEwashed=洗浄後の汚れレベル−汚れていない、未洗浄の布地部分
【0173】
SRI値は、8枚の複製からの平均SRI値である。洗浄前の布地の染みレベル(ΔEinitial)は高いが、洗浄のプロセス中に染みが除去されて、洗浄後の染みレベル(ΔEwashed)は下がっている。染みがより良好に除去されればされるほど、ΔEwashedの値がより小さくなり、ΔEinitialとΔEwashedとの間の差(ΔEinitial−ΔEwashed)がより大きくなる。したがって、染み除去指数の値は、洗浄のパフォーマンスがより良好であれ大きくなる。
【実施例】
【0174】
下記の非限定的な実施例が、本開示による組成物を説明する。
【0175】
実施例1−例示的な配合物と、香料効果に対する付着補助剤の選択の効果
A.配合物液体洗剤組成物は、表1に示される比率で、記載される成分を混合することにより調製される。各組成物は、香料原料を含有した、コーティングされた封入体を含む。配合物1A、1B、1D、及び1Eは、比較配合物である。
【0176】
【表1】
BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
BASF(Ludwigshafenm,Germany)より入手可能な、−NH当たり20個のエトキシレート基を有する分子量600g/molのポリエチレンイミンコア
Elementis Specialties(Highstown,NJ)社よりThixinRの商品名で入手可能
Encapsys(Appleton,WI)から入手可能な、アミノ樹脂香料アコードのポリ(ビニルホルムアミドコーティング)の封入体
カチオン性ヒドロキシエトキシル化セルロース、分子量=約400キロダルトン
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
Dow Corning(Midland,MI)から入手可能
【0177】
B.嗅覚評価布地(綿100%タオル)が、上記B2の布地処理方法に従って、表1に示される、それぞれ配合物1A、1B、1C、1E、及び1Fで調製及び処理された。次に、乾燥布地は、上記の嗅覚性能方法に従って分析された。その擦布におい(RFO)の結果を表2に示す。
【0178】
【表2】
カチオン性ヒドロキシエトキシル化セルロース分子量=約400キロダルトン
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
【0179】
配合物1E及び1Fの擦布においの比較の結果からわかるように、本開示によるカチオン性付着補助剤を含む組成物は、多糖類付着補助ポリマーを含む比較組成物と比較して、改善された香料効果を提供する。更に、配合物1B及び1Cの結果からわかるように、香料効果は、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤の比を2.9:1にして、本開示のカチオン性付着補助剤と組み合わせることによって、更に改善され得る。
【0180】
実施例2−例示的な配合物と、粘土除去に対する付着補助剤の選択の効果
A.配合物液体洗剤組成物は、表3に示される比率で、記載される成分を混合することにより調製される。各組成物は、香料原料を含有する、コーティングされた封入体を含む。配合物2B及び2Eは、比較配合物である。
【0181】
【表3】
BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
BASF(Ludwigshafenm,Germany)より入手可能な、−NH当たり20個のエトキシレート基を有する分子量600g/molのポリエチレンイミンコア
Elementis Specialties(Highstown,NJ)社よりThixinRの商品名で入手可能
Encapsys(Appleton,WI)から入手可能な、アミノ樹脂香料アコードのポリ(ビニルホルムアミドコーティング)の封入体
カチオン性ヒドロキシエトキシル化セルロース、分子量=約400キロダルトン
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
Dow Corning(Midland,MI)から入手可能
アクリルアミド及びMAPTAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約88:12、分子量=約1100キロダルトン
【0182】
B.粘土除去分析。布地(綿100%)が、表3に示される、それぞれ配合物2A、2B、2D、及び2Eで、上記の泥汚れ除去方法に従い、処理された。布地は次に、上記に示される試験方法により、Black Todd Clay汚れ除去の分析が行われた。この結果を表4及び5に示す。
【0183】
【表4】
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
アクリルアミド及びMAPTAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約88:12、分子量=約1100キロダルトン
【0184】
表4に示す結果からわかるように、本開示による組成物は、無ポリマー対照組成物と比較して、Black Todd Clay汚れ除去について有意により良好な結果を提供する。更に、表4は、Black Todd Clay汚れ除去に関して、比較組成物が、無ポリマー対照組成物に比較して、有意に悪い結果を示している。
【0185】
【表5】
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
カチオン性ヒドロキシエトキシル化セルロース分子量=約400キロダルトン
【0186】
表5に示す結果からわかるように、本開示による組成物は、カチオン性多糖類を含む比較組成物に比べ、Black Todd Clay汚れ除去について、有意により良好な結果を提供する。
【0187】
実施例3−例示的な配合物と、香料効果及び泥汚れ除去に対する付着補助剤の選択の効果
A.配合物液体洗剤組成物は、表6に示される比率で、記載される成分を混合することにより調製される。各組成物は、香料原料を含有する、コーティングされた封入体を含む。配合物3Aは比較配合物である。
【0188】
【表6】
BASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
BASF(Ludwigshafenm,Germany)より入手可能な、−NH当たり20個のエトキシレート基を有する分子量600g/molのポリエチレンイミンコア
Elementis Specialties(Highstown,NJ)社よりThixinRの商品名で入手可能
Encapsys(Appleton,WI)から入手可能な、アミノ樹脂香料アコードのポリ(ビニルホルムアミドコーティング)の封入体
カチオン性ヒドロキシエトキシル化セルロース、分子量=約400キロダルトン
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
Dow Corning(Midland,MI)から入手可能
アクリルアミド及びMAPTAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約88:12、分子量=約1100キロダルトン
−NH当たり24個のエトキシレート基と−NH当たり16個のプロポキシレート基とを有する、分子量600g/molのポリエチレンイミンコアBASF(Ludwigshafen,Germany)より入手可能
【0189】
B.嗅覚評価布地(綿100%タオル)が、上記B3の布地調製方法に従って、表7に示される、それぞれ配合物3A、3B、及び3Cで調製及び処理された。乾燥布地は、上記の嗅覚性能方法に従って分析された。そのRFOの結果を表7に示す。
【0190】
【表7】
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
【0191】
配合物3B及び3Cの擦布においの比較の結果からわかるように、本開示による合成付着補助剤を含む組成物は、カチオン性付着補助ポリマーを含まない対照組成物と比較して、改善された香料効果を提供する。
【0192】
C.泥汚れ除去。下記の実施例において、布地(綿100%)を配合物3Eで処理し、付着補助ポリマーを表8に示すように変化させた。布地は次に、上記に示される試験方法により、Black Todd Clay汚れ除去の分析が行われた。この結果を表8に示す。
【0193】
【表8】
アクリルアミド及びDADMAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約30:70、分子量=約19キロダルトン
アクリルアミド及びMAPTAC構造単位を有するカチオン性コポリマー、モル百分率比約88:12、分子量=約1100キロダルトン
【0194】
表8に示すように、比較カチオン性ポリマーを含む比較組成物(3E−2)は、Black Todd Clay汚れ除去に関して、本開示による低分子量カチオン性ポリマーを含む本開示による組成物に比べて、優位に悪い結果を示している。
【0195】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、かかる各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0196】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願がその優先権又は利益を主張する全ての特許出願又は特許を含む、本願に引用される文献はいずれも、明示的に除外又は別の方法で限定されない限りにおいて、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(1つ又は複数)と組み合わせたときに、そのような任意の発明を教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより本明細書に援用された文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0197】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内に含まれるそのような全ての変更及び修正は、添付の特許請求の範囲にて網羅することを意図したものである。
図1
図2