(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。全図を通じで同一の構成には同一の符号を付けてその重複説明は省略する。以下の実施形態においては、本発明に係る撮像装置を例に挙げて説明する。
【0010】
<第一実施形態>
第一実施形態は、表示中の画像データと撮像装置が選択した画像データとを、手動合成モード(ユーザによる合成指示後に合成する動作モード)、又は自動合成モード(撮像装置が自動で合成する動作モード)により合成する実施形態である。
【0011】
[撮像装置のハードウェア構成]
図1Aは、本発明の第一実施形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1Aにおいて、主制御部101は、CPU(Central Processing Unit)等で構成され、ROM(Read Only Memory)102あるいはRAM(Random Access Memory)103に記憶された各種の動作プログラムおよびデータに従って撮像装置1の全体を制御する。システムバス100は制御部101と撮像装置1内の各部との間でデータ送受信を行うためのデータ通信路である。
【0013】
ROM102は、撮像装置1を制御するための各種プログラムが格納されたメモリであり、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)やフラッシュROMのような書き換え可能なROMが用いられる。
【0014】
RAM103はROM102に記憶されたプログラムの実行時の一時記憶領域あるいは撮影した画像の一時記憶として使用される。
【0015】
ストレージ部104(画像記録部に相当する)は、撮像装置1の動作設定値等の情報を記憶するものであり、例えばフラッシュROMやSSD(Solid State Drive)のような不揮発性で書き換え可能なデバイスが用いられる。
【0016】
ROM102およびRAM103は主制御部101と一体構成であってもよい。また、ROM102は、
図1Aに示したような独立構成とはせず、ストレージ部104内の一部記憶領域を使用するようにしてもよい。
【0017】
外部記憶媒体インターフェース(I/F)105はSDカードのような撮像装置1に収納、取り出し可能な外部記録媒体106に情報を記録・読み出しのためのインターフェースである。
【0018】
外部インターフェース107は、撮像装置1の機能を拡張するためのインターフェース群であり、本実施形態では、USB(Universal Serial Bus)インターフェース(I/F)107a、映像出力インターフェース(I/F)107b、音声出力インターフェース(I/F)107cを有する。USBインターフェース107aはパソコンあるいはテレビ受信装置等の外部装置のUSBインターフェースに接続し、ストレージ部104あるいは外部記録媒体106に保存された画像データ等を外部装置で読込、表示等が可能となっている。映像出力インターフェース107bおよび音声出力インターフェース107cは、外部映像/音声出力機器に映像信号/音声信号の出力を行う。ここで、映像出力インターフェース107b、音声出力インターフェース107cはHDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)を用いて、映像と音声を一緒に出力するようにしてもよい。
【0019】
音声入力部108は、撮像装置1の周辺の音声を電気信号に変換するマイク、および電気信号に変換された音声をディジタル信号の音声データに変換するA/D変換器等で構成される。
【0020】
音声信号処理部109では音声入力部から入力された音声データに対して、フィルタ処理や外部記録媒体106に記録する動画像のフォーマットに従って音声データの変換する処理などを行う。
【0021】
撮像部110は、ズームやフォーカス動作のためのレンズを含む光学系、前記レンズをズームやフォーカス動作のために駆動する機構系、およびレンズから入力した被写体の光画像を電気信号に変換するCCDあるいはCMOS等の画像センサと電気信号に変換された画像をディジタル信号の画像データに変換するA/D変換器等の電気系のデバイスで構成される。
【0022】
画像信号処理部111は、撮像部110から入力された画像データに対してホワイトバランス調整、露出調整、ガンマ補正等の画像処理を行う。また、外部記録媒体106に記録するフォーマットに従って、例えば動画像の場合にはMPEG2あるいはH.264等の画像データに変換し、静止画像の場合にはJPEG、TIFF等の画像データに変換する処理などを行う。また、ストレージ部104あるいは外部記録媒体106に記憶した画像データの合成処理、顔認識処理、パターンマッチング処理などを行う。
【0023】
表示部112は撮像部110の画像センサで撮像している被写体の画像、ストレージ部104あるいは外部記録媒体106に記録されている画像、あるいは撮像装置1の各種設定を行うための画面等を表示する。
【0024】
操作部113は、撮像装置1に対する操作指示の入力を行う指示入力部であり、電源オン/オフボタン、シャッターボタン、再生ボタン、合成ボタン、各種設定を行うためのボタン等を有する。また、表示部112の表面にタッチパネルを設け、表示部112に表示したボタン等の位置とタッチパネルをタッチした位置を検出することで撮像装置1に対する操作指示の入力を行うようにしてもよい。
【0025】
計時部114は、例えばユーザが設定した日時・時刻からの経過時間をRTC(Real Time Clock)回路を用いて計測を行い、日時・時刻情報を出力するものであり、計時部114から取得した日時・時刻情報に基づいて画像データに日時・時刻情報を付加して記録を行う。
【0026】
GPS受信部115は複数のGPS衛星からの電波を受信するものであり、受信した信号に基づいて撮像装置1の位置(緯度、経度等)情報を取得することができる。この位置情報も、画像データに付加して記録される。
【0027】
電源部116はバッテリー(図示せず)を含み、主制御部101からの指示により、電源オン状態、電源オフ状態、電源オフ待機状態等の状態に応じて撮像装置1を構成する各部位への電源を供給する。
【0028】
撮像装置1は、撮像部110を備えるものであればデジタルカメラや携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ナビゲーション装置等、であっても良いし、PDA(Personal Digital Assistants)やノート型PC(Personal Computer)であってもよい。通信機能を備えた音楽プレーヤや携帯型ゲーム機等、またはその他の携帯用ディジタル機器であっても良い。また、ウェラブルなスマートウォッチ、スマートグラス等でもよい。
【0029】
[撮像装置のソフトウェア構成]
図1Bは、第一実施形態に係る撮像装置のソフトウェア構成図を示す図であり、ROM102、RAM103およびストレージ部104におけるソフトウェアの構成を示す。
【0030】
図1Bにおいて、主制御部101がROM102に記憶されたプログラムを実行することにより、基本動作実行部1021、位置情報取得部1022、撮像処理部1023、画像記録部1024、画像再生部1025、電源管理部1026、合成処理部1027、顔認識処理部1028を構成する。また、RAM103は、ROM102に記憶されたプログラムを実行する際に必要に応じてデータを一時的に保持する一時記憶領域1031、撮像処理部1023が撮像部110を介して撮影した画像を一時的に記憶する画像一時記憶領域1032を備えるものとする。
【0031】
ストレージ部104には、ROM102に記憶されたプログラムを実行する際の設定情報を記憶する設定情報記憶領域1041、及び撮像装置1で撮影した静止画像データや動画像データを記憶する画像記憶領域1042等も有する。
【0032】
なお、以下では、説明を簡単にするために、主制御部101がROM102に格納されたプログラム実行することにより各動作ブロックの制御を行うものとして記述する。
【0033】
基本動作実行部1021は、撮像装置1の各種設定や全体の動作を制御する。
【0034】
位置情報取得部1022はGPS受信部115で受信したGPS衛星からの信号に基づいて、撮像装置1の緯度、経度等の位置情報を取得する処理を行う。また、Wi−Fi(登録商標)受信機能を備え、Wi−Fiの電波受信レベルの情報を用いて位置情報の補正を行うことで精度を向上するようにしたり、Wi−Fiの電波受信レベルの情報を用いて位置情報を取得したりしてもよい。
【0035】
撮像処理部1023は、操作部113に含まれるシャッターボタンが押された場合に、撮像部110で撮像した被写体の画像データをRAM103の画像一時記憶領域1032に取り込む処理を行う。
【0036】
画像記録部1024は画像一時記憶領域1032に取り込まれた画像データをストレージ部104の画像記憶領域1042に記録する、あるいは外部記録媒体インターフェース105を介して外部記録媒体106に記録する処理を行う。
【0037】
画像再生部1025は、撮像部110の画像センサで撮像している被写体の画像をRAM103の画像一時記憶領域1032を介して表示部112に表示する処理を行う。また、ストレージ部104、あるいは外部記録媒体106に記録された画像データを読み出し、表示部112に表示する処理を行う。
【0038】
電源管理部1026は操作部113に含まれる電源ボタンにより撮像装置1を構成する各部位に供給する電源を制御する処理を行う。
【0039】
合成処理部1027は、操作部113に含まれる合成ボタンが押された場合や、合成した画像データの表示が選択された場合などに、ストレージ部104や外部記録媒体106に記憶された画像データを合成する処理を行う。
【0040】
顔認識処理部1028は、RAM103、ストレージ部104や外部記録媒体106に記憶された画像データの顔認識処理を行う。
【0041】
前記ROM102に記憶されたプログラムは、製品出荷の時点で、予めに格納された状態であってもよい。また製品出荷後に、パソコンによりインターネット上のサーバ装置等から取得したプログラムを、USBインターフェース部107aを介して格納したものであってもよい。
【0042】
なお、RAM103に画像一時記憶領域1032を設ける代わりに、撮像部110あるいは画像信号処理部111に画像データを一旦記憶するバッファメモリを設けるようにしてもよい。
【0043】
[撮像装置の外観図]
図2A、及び
図2Bを参照して第一実施形態に係る撮像装置の外観について説明する。
【0044】
図2Aは撮像装置1の正面図である。撮像装置1の正面には撮像部110を構成するレンズが配置されている。また、撮像装置1の上部には操作部113を構成する電源ボタン113−1、シャッターボタン113−2が配置されている。
【0045】
図2Bは撮像装置1の背面図である。撮像装置1の背面には表示部112と、操作部113を構成する選択/決定操作ボタン113−3、種々の設定・ファイル操作処理選択等を行うためのメニューボタン113−4、ストレージ部104あるいは外部記録媒体106に記録された画像データを再生するための再生ボタン113−5、画像データを合成するための合成ボタン113−6(合成指示操作部に相当する)が配置されている。表示部112にタッチセンサを備え、シャッターボタン113−2や選択/決定操作ボタン113−3、メニューボタン113−4、再生ボタン113−5、合成ボタン113−6の代わりに操作できるようにしてもよい。
【0046】
[撮像装置の全体動作]
図3は第一実施形態に係る撮像装置の全体の動作例を示すフローチャートである。
図3では、手動モード、すなわち画像合成の指示をユーザが入力操作、より具体的には以下の例における「画像合成ボタンの押下げ(S312;Yes)」を契機として画像合成処理(S313)が実行される場合の動作の流れについて説明する。
【0047】
まず電源管理部1026により電源ボタン113−1の押下の確認を行う。押下げされていなければ(S301;No)次のステップに遷移することなく本ステップで待機する。
【0048】
電源ボタン113−1が押された場合(S301;Yes)は、撮像装置1の起動処理を行う(S302)。起動すると、撮像部110の画像センサで撮像している被写体の画像を表示部112に表示する。
【0049】
電源管理部1026により電源ボタン113−1の押下の確認を行う。電源ボタン113−1が押された場合(S303;Yes)は、撮像装置1の終了処理を行う(S304)。
【0050】
電源ボタン113−1が押されていない場合(S303;No)は、撮像処理部1023により、シャッターボタン113−2の押下の確認を行う。シャッターボタン113−2が押された場合(S305;Yes)は、撮像部110は被写体の画像データを撮像して取得し(S306)、RAM103の画像一時記憶領域1032に記憶する。また、撮像した機種、絞り値、画素数、ISO感度、撮影日時、位置情報などの付加情報も画像一時記憶領域1032に記憶する。そして画像一時記憶領域1032に記憶した画像データ及び付加情報を、画像記録部1024により、ストレージ部104あるいは外部記録媒体106に記録する(S307)。そして、撮像部110で撮像し、画像一時記憶領域1032に記憶した画像データが表示部112に表示される(S309)。
【0051】
シャッターボタン113−2が押されなかった場合(S305;No)は、画像再生部1025により再生ボタン113−5の押下の確認を行う。再生ボタン113−5が押された場合(S308;Yes)は、ストレージ部104や外部記録媒体106に記録された画像データを、画像再生部1025により再生し、表示部112に表示する(S309)。再生・表示する画像は再生ボタン113−5を押して表示部112に表示させることができる。この表示部112に表示された画像データ、及びユーザが撮影して生成され表示部112に表示された画像データ(S306)が、第一の画像データに相当する。
【0052】
図6Aは撮像装置1による撮影直後の表示部112の表示例を示す図である。山を背景に人物Aが撮影されている。撮影した画像データの表示時間は例えば3秒程度であり、ユーザが変更できるようにしてもよい。所定時間を経過すると画像データの表示が消えるが、再生ボタン113−5が押された場合は再び表示する。
【0053】
再生ボタン113−5が押されなかった場合(S308;No)は、合成処理部1027により合成ボタン113−6の押下の確認を行う。合成ボタン113−6が押された場合(S312;Yes)は、撮像部110で撮像し、画像一時記憶領域1032を介してストレージ部104や外部記録媒体106に記録された画像データを合成処理部1027により合成(S313)し、合成された画像データが表示部112に表示される(S315)。
【0054】
図6Bは撮像装置1により合成された画像データの表示例を示す図である。山を背景に撮影された人物Aを含む画像に、同じ山を背景に撮影された人物Bが合成されている。
【0055】
選択/決定操作ボタン113−3により合成した画像データをストレージ部104や外部記録媒体106に記録する選択・決定が行われると(S317:Yes)、画像記録部1024は、合成処理部1027で合成した画像データをストレージ部104や外部記録媒体106に記録する(S318)。
【0056】
図7Aは撮像装置1により合成された画像データを記録するか否かの選択画面の表示例を示す図である。ユーザは選択/決定操作ボタン113−3により「はい」「いいえ」を選択し、決定する。
【0057】
選択/決定操作ボタン113−3により合成した画像データをストレージ部104や外部記録媒体106に記録しない選択・決定が行われた場合(S317:No)、または合成ボタンの押下げがされない場合(S312;No)、画像再生処理(S315)の後、若しくは画像再生処理(S309)の後、ステップS303へ戻る。
【0058】
図7Bは画像を合成できなかった場合の表示例を示す図である。画像を合成できなかった場合(S313による画像合成処理の結果、合成ができなかった場合)は、
図7Aの代わりに
図7Bに示す画面が表示部112に表示される。
【0059】
以上のS301〜S318の処理を行うことで画像の記録、再生、および合成を行う。
【0060】
なお、独立した合成ボタン113−6ではなく、メニューボタン113−4や選択/決定操作ボタン113−3で合成処理を選択して実行するようにしてもよい。また、予め重要人物を登録しておき、この人物を撮影した場合は、合成動作を自動的に行うようにしてもよい。また、シャッターボタン113−2を押す代わりに、タッチセンサを備えた表示部112に表示された被写体に触れることで撮影した場合、被写体が人物であれば当該人物を重要人物に登録してもよい。また、撮影した人物が画像の中心から所定値以上、あるいは所定の割合以上ずれていた場合、例えば中心から20%以上ずれていた場合に合成動作を自動的に行うようにしてもよい。
【0061】
次に、人物を撮影した際に合成処理を自動的に行う、所謂自動合成モードにおける画像合成処理について
図4を参照して説明する。
図4は第一実施形態に係る撮像装置1の別の動作例(自動合成モード)を示すフローチャートである。
【0062】
図4のS401〜S409は
図3のS301〜S309と同様であるため、説明を省略する。
【0063】
合成処理部1027は、自動合成モードか否かの確認を行う(S412)。自動合成モードは予めメニューボタン113−4や選択/決定操作ボタン113−3で設定しておく。従って、メニューボタン113−4や選択/決定操作ボタン113−3は、モード設定部に相当する。
【0064】
自動合成モードの場合(S412;Yes)、合成処理部1027は撮像部110で撮像し、画像一時記憶領域1032を介してストレージ部104や外部記録媒体106に記録された画像データを合成する(S413)。合成処理部1027は画像一時記憶領域1032にて合成処理を行う。
【0065】
表示部112は合成した画像データの表示の有無を選択するための画面を表示する。ユーザが選択/決定操作ボタン113−3により合成した画像データを表示するか否かの選択・決定を行う(S414;Yes)。
【0066】
図8は、撮像装置1により別の画像と合成した画像データを表示するか否かの選択画面の表示例を示す図である。ユーザは選択/決定操作ボタン113−3により「はい」「いいえ」を選択し、決定する。別の画像と合成できない場合は、表示しない。
【0067】
S415〜418:
図3のS315〜S318と同様であるため、説明を省略する。
【0068】
自動合成モードに設定されていない場合(S412;No)、又は合成した画像データを表示しない場合(S414;No)、S403へ戻る。
【0069】
以上のS401〜S418の処理を行うことで自動合成モードにおいて画像の記録、再生、および合成が行われる。
【0070】
[画像合成処理]
次に、S313とS411の画像合成処理について説明する。
【0071】
図5は合成処理部1027の動作例を示すフローチャートである。
【0072】
合成処理部1027はストレージ部104の画像記憶領域1042又は外部記録場以外106に記憶された画像データの中から、表示部112に表示されている画像と同一撮影日で、一番新しい画像を検索する(S501)。以下、検索した画像を「検索画像」、表示部112に表示されている画像を「表示画像」と称する。
【0073】
合成処理部1027は、位置情報取得部1022により取得した位置情報により、検索画像の撮影場所が表示画像の撮影場所と同じか否かの確認を行う(S502)。
【0074】
撮影場所が同じ場合(S502;Yes)は、検索画像の撮影日時と表示画像の撮影日時が所定時間内か否かの確認を行う(S503)。所定時間は例えば3分程度であり、ユーザが変更できるようにしてもよい。
【0075】
撮影日時が所定時間内の場合(S503;Yes)は、パターンマッチングにより検索画像の背景が表示画像の背景と同じか否かの確認を行う(S504)。
【0076】
背景が同じ場合(S504;Yes)は、顔認識処理部1028により、表示画像に含まれている人物と同じ人物が検索画像に含まれているか否かの確認を行う(S505)。
【0077】
同じ人物が含まれていない場合(S505;No)は、検索画像と表示画像とを重ね合わせた場合に表示画像内において、表示画像に撮像されていた人物の位置と、検索画像から抽出して表示画像に合成しようとする人物の位置とが重なるか否かの確認を行う(S506)。少しでも人物が重なる場合はYesとする他、顔が重なる場合のみYesとする等、判定レベルを設定できるようにしてもよい。
【0078】
検索画像と表示画像の撮影場所と同じ(S502;Yes)、かつ撮影日時が所定時間内(S503;Yes)、かつ背景が同じ(S504;Yes)、かつ同じ人物が含まれない(S505;No)、かつ人物の位置が重ならない場合(S506;No)は、検索画像の人物を輪郭検出により抜き出し、表示画像に貼り付けて合成する(S507)。あるいは、表示画像の人物を輪郭検出により抜き出し、検索画像に貼り付けて合成する。
【0079】
検索画像と表示画像の撮影場所が同じではない場合(S502;No)、あるいは撮影日時が所定時間内ではない場合(S503;No)、あるいは背景が同じではない場合(S504;No)、あるいは同じ人物が含まれる場合(S505;Yes)、あるいは人物が重なる場合(S506;Yes)は、同一撮影日の別の画像があるか否かの確認を行う(S508)。
【0080】
別の画像がある場合(S508;Yes)は、次に新しい画像を検索(S509)してS502に戻り、処理を継続する。別の画像がない場合(S508;No)は、処理を終了する。なお、S502及びS503の順序は変えてもよく、これらのステップは、第二の画像データの候補を検索する処理に相当する。
【0081】
以上のS501〜S509の処理を行うことで、表示画像に貼り付ける画像を検索して人物を抜き出して合成する。
【0082】
更に、撮像装置に地磁気センサを搭載して、撮像装置の向きが同じか否かを上記判定に加えてもよい。
【0083】
また、GPSを搭載していない撮像装置の場合、S502を省略することで、合成処理を実行してもよい。
【0084】
図9は第一実施形態に係る画像データの検索と合成の一例を示す説明図である。
【0085】
画像データ901〜905は、北緯35°24′53″、東経138°51′31″にて、2015.03.15の10:02:00〜10:02:55に順に撮影された画像データである。画像データ901、902、904、905は同じ背景であり、画像データ903のみ背景が異なる。
【0086】
日時情報は計時部114により取得し、位置情報はGSP受信部115により取得する。
【0087】
画像データ901、902は、人物Aにより人物Bが撮影された画像データであり、画像データ903は、人物Aあるいは人物Bにより鳥が撮影された画像データである。画像データ904、905は、人物Bにより人物Aが撮影された画像データである。
【0088】
一般に、ユーザは満足できる画像データが得られるまで撮影を繰り返す。画像データ901、902はどちらも人物Aにより人物Bが撮影された画像データであるが、画像データ901の人物Bには笑みがないため、人物Aにより画像データ902が撮影し直されたことを示す。同様に、画像データ904、905はどちらも人物Bにより人物Aが撮影された画像データであるが、画像データ904の人物Aには笑みがないため、人物Bにより画像データ905が撮影し直されたことを示す。また、画像データ903は一連の撮影(画像データ901から905の撮影の期間を意味する)中に突然現れた鳥が撮影されたことを示す。
【0089】
撮像装置1のシャッターボタン113−2が押されると被写体を撮影し、表示部112に撮影した画像を表示する。そして、合成ボタン113−6が押されると画像を合成する。
【0090】
画像データ906は画像データ902、905から合成された画像データである。
【0091】
前述の
図6Aは撮像装置1による画像データ905の撮影直後、あるいは撮影後に再生ボタン113−5が押された後の表示部112の表示例である。ここで、撮像装置1の合成ボタン113−6が押されると、
図5のフローチャートに従って画像データ903を検索し、画像データ902と905を合成して、画像データ906を生成する。
図6Bは撮像装置1が合成した画像データ906の表示例である。
【0092】
画像データ901〜904は画像データ905と撮影場所が同じ(S502;Yes)で、かつ撮影日時が所定時間内(S503;Yes)である。画像データ904は画像データ905と同じ人物が含まれている(S505;Yes)。画像データ903は画像データ905と背景が異なる(S504;No)。画像データ901、902は画像データ905と背景が同じ(S504;Yes)、かつ同じ人物が含まれておらず(S505;No)、かつ人物が重ならない場合(S506;No)である。このうち、一番新しい画像データとして画像データ902を選択し、画像データ905と合成し、合成画像データ906を生成する。
図9の例では、画像905が第一の画像データ、画像902が第二の画像データに相当する。画像データ903は画像データ905と背景が異なるために除外されたが、撮像装置1がズーム機能付きのレンズを備える場合は、レンズ焦点距離が所定値以上に異なる画像データを除外してもよい。
【0093】
なお、背景を基準にして合成を行うことにより、各画像データの画角のずれを吸収することができる。例えば、画像データ902の人物Bを輪郭検出により抜き出し、背景を基準にして画像データ905に貼り付ける。あるいは、画像データ905の人物Aを輪郭検出により抜き出し、背景を基準にして画像データ902と合成してもよい。
【0094】
図10は第一実施形態に係る画像データの検索と合成の一例を示す説明図である。
【0095】
画像データ1001、1002は、北緯35°24′53″、東経138°51′31″にて、2015.03.16の10:02:00〜10:02:50に順に撮影された画像データである。画像データ1001、1002は同じ背景である。
【0096】
画像データ1001は、人物Aにより人物Bが撮影された画像データであり、画像データ1002は、人物Bにより人物Aが撮影された画像データである。
【0097】
画像データ1002の撮影後に撮像装置1の合成ボタン113−6が押されると画像を合成する。あるいは、自動合成モードでは撮影後に画像を自動的に合成する。
【0098】
合成画像データ1003は、画像データ1001、1002から合成された画像データである。
【0099】
合成画像データ1003をストレージ部104や外部記録媒体106に記録した後、あるいは記録せずに、人物Aにより人物Bが新たに撮影し直された画像が画像データ1004である。画像データ1001、1004はどちらも人物Aにより人物Bが撮影された画像データであるが、画像データ1001の人物Bには笑みがないため、人物Aにより画像データ1004が撮影し直されたことを示す。また、人物Bが人物Aを撮影し直すこともできる。
【0100】
画像データ1004の撮影後に撮像装置1の合成ボタン113−6が押されると再び画像を合成する。あるいは、自動合成モードでは撮影後に再び画像を自動的に合成する。
【0101】
画像データ1005は画像データ1002、1004から合成された画像データである。
【0102】
更に撮影し直すこともでき、撮影と合成を何度でも繰り返して所望の合成画像を取得することができる。
【0103】
以上により本実施形態では、撮像装置は合成の対象となる画像を撮影した後に合成ボタンが押されると、最適な画像を検索して合成を行うことができる。あるいは、撮像装置は撮影後に自動的に、最適な画像を検索して合成を行うことができる。
【0104】
合成の対象となる画像の撮影は何枚撮影されてもよく、撮像装置はその中から合成に最適な画像を検索する。また、合成対象となる複数の画像は、同一の背景を有していれば撮影タイミングに関らず合成対象とすることができる。そのため、一方の画像だけの撮り直しや、合成対象となる画像の撮影タイミングの間に、合成対象とならない画像を撮影した場合にも、合成対象とはならない画像を除外して合成処理を実行することができ。また、撮影と合成を何度でも繰り返して、所望の合成画像を取得することができる。これにより、複数人が一枚の画像に収まった合成画像を撮影する際の操作性を向上させることができる。なお、本実施形態では、より新しい画像を優先して選択する例を示したが、笑顔の人物や正面を向いた人物を含む画像を優先して選択してもよい。
【0105】
<第二実施形態>
第二実施形態は、ユーザが選択した画像データを用いて合成を行う実施形態である。
【0106】
[撮像装置の全体動作]
図11は第二実施形態に係る撮像装置の全体の動作例を示すフローチャートである。
【0107】
S1101〜S1108は
図3のS301〜S308と同様であるため、説明を省略する。
【0108】
撮像部110で撮像し、画像一時記憶領域1032に記憶した画像データが表示部112に表示される(S1109)。
【0109】
再生ボタン113−5が押された場合(S1108;Yes)、および選択/決定操作ボタン113−3により画像の変更が選択された場合(S1111;Yes)は、ストレージ部104や外部記録媒体106に記録された画像データを、画像再生部1025により再生し、表示部112に表示する(S1110)。ここで、選択/決定操作ボタン113−3はユーザがストレージ部104に記憶された画像を選択する操作部材として機能するので選択操作部に相当する。
【0110】
図13Aは再生ボタン113−5が押された場合の、表示部112の表示例を示す図である。
【0111】
ユーザが選択/決定操作ボタン113−3により、表示部112に表示する画像データを別の画像データに変更するか否かの選択を行うと、表示部112に表示されている画像データが別の画像データに代わる(S1111;Yes)。
【0112】
図13Bは別の画像データに変更された場合の撮像装置1による表示部112の表示例を示す図である。
【0113】
S1112は
図3のS312と同様であるため、説明を省略する。
【0114】
合成ボタン113−6が押された場合(S1112;Yes)、および選択/決定操作ボタン113−3により画像の変更が選択された場合(S1116;Yes)は、ストレージ部104や外部記録媒体106に記録された画像データを合成処理部1027により合成する(S1113:Yes)。合成は画像一時記憶領域1032にて行う。
【0115】
S1115は
図3のS315と同様であるため、説明を省略する。
【0116】
図14Aは合成ボタン113−6が押された場合の、表示部112の表示例である。
【0117】
ユーザは選択/決定操作ボタン113−3により、合成する画像データを別の画像データに変更するか否かの選択を行う(S1116)。
【0118】
図14Bは別の画像データに変更された場合の撮像装置1による表示部112の表示例である。S1116で選択した画像データ1404は変更せずに、これと合成する画像データ1401〜1403を変更する。
【0119】
S1117〜S1118は
図3のS317〜S318と同様であるため、説明を省略する。
【0120】
以上のS1101〜S1118の処理を行うことで画像の記録、再生、および合成を行う。
【0121】
[画像合成処理]
次に、S1113の画像合成処理について説明する。
図12は第二実施形態に係る合成処理部の動作例を示すフローチャートである。
【0122】
ユーザによる画像変更指示があったか否かの確認を行う(S1200)。
【0123】
ユーザによる画像変更指示がなかった場合(S1200;No)は、表示部に表示されている画像と同一撮影日で、一番新しい画像を検索する(S1201)。
【0124】
S1202〜S1209は、
図5のS502〜S509と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
ユーザによる画像変更指示があった場合(S1200;Yes)、あるいは検索画像と表示画像の撮影場所が同じではない場合(S1202;No)、あるいは撮影日時が所定時間内ではない場合(S1203;No)、あるいは背景が同じではない場合(S1204;No)、あるいは同じ人物が含まれる場合(S1205;Yes)、あるいは合成する人物が重なる場合(S1206;Yes)は、同一撮影日の別の画像があるか否かの確認を行い(S1208)、別の画像がある場合(S1208;Yes)は、次に新しい画像を検索(S1209)してS1202に戻り、処理を継続する。別の画像がない場合(S1208;No)は、処理を終了する。
【0126】
以上のS1200〜S1209の処理を行うことで、表示画像に貼り付ける画像を検索して合成する。
【0127】
図15は第二実施形態に係る画像データの検索と合成の一例を示す説明図である。
【0128】
画像データ1501〜1505は、北緯35°24′53″、東経138°51′31″にて、2015.03.15の10:02:00〜10:02:55に順に撮影された画像データである。画像データ1501〜1505は同じ背景である。画像データ1501〜1503は、人物Aにより人物Bが撮影された画像データであり、画像データ1504、1505は、人物Bにより人物Aが撮影された画像データである。
【0129】
撮像装置1のシャッターボタン113−2が押されると被写体を撮影し、表示部112に撮影した画像を表示する。そして、合成ボタン113−6が押されると画像を合成する。
【0130】
画像データ1506は画像データ1502、1504から合成された画像データである。
【0131】
以上により、本実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を得るとともに、更に、合成する画像をユーザが自由に選択することができる。
【0132】
<第三実施形態>
第三実施形態は、登録人物のみを合成後の画像に加え、未登録人物を合成後の画像から削除する実施形態である。
【0133】
[撮像装置の全体動作]
図16は第三実施形態に係る撮像装置の全体の動作例を示すフローチャートである。
【0134】
S1601〜S1612は
図3のS301〜S312と同様であるため、説明を省略する。
【0135】
図18Aは撮像装置1による撮影直後、あるいは再生ボタン113−5を押された場合の表示部112の表示例を示す図である。山を背景に人物Aが撮影されているが、未登録人物C、Dも撮影されている。人物A、Bは、予め重要人物として登録しておく。また、シャッターボタン113−2の代わりにタッチセンサを備えた表示部112に表示された人物に触れることで撮影した場合、当該人物を重要人物に登録してもよい。
【0136】
合成ボタン113−6が押された場合(S1612;Yes)は、撮像部110で撮像し、画像一時記憶領域1032に記憶した画像データと、ストレージ部104や外部記録媒体106に記録された画像データを合成処理部1027により合成する(S1613)。合成は画像一時記憶領域1032にて行い、合成により登録人物を加え、未登録人物を削除する。
【0137】
図18Bは撮像装置1により合成された画像データの表示例を示す図である。山を背景に撮影された人物Aを含む画像に、同じ山を背景に撮影された人物Bが合成されている。そして、未登録人物C、Dは削除されている。
【0138】
S1615〜S1618は
図3のS315〜S318と同様であるため、説明を省略する。
【0139】
以上のS1601〜S1618の処理を行うことで画像の記録、再生、および合成を行う。
【0140】
[画像合成処理]
次に、S1613の画像合成処理について説明する。
【0141】
図17は第三実施形態に係る合成処理部の動作例を示すフローチャートである。
【0142】
S1701〜S1706は
図5のS501〜S506と同様であるため、説明を省略する。
【0143】
検索画像と表示画像の撮影場所が同じ(S1702;Yes)、かつ撮影日時が所定時間内(S1703;Yes)、かつ背景が同じ(S1704;Yes)、かつ同じ人物が含まれない(S1705;No)、かつ人物が重ならない場合(S1706;No)は、検索画像の登録人物を輪郭検出により抜き出し、表示画像に貼り付けて合成する。あるいは、表示画像の登録人物を輪郭検出により抜き出し、検索画像に貼り付けて合成する(S1707)。
【0144】
更に、表示画像の未登録人物の存在する位置の検索画像の背景を抜き出し、表示画像に貼り付ける(背景データの合成を行う)ことで未登録人物を削除する。あるいは、検索画像の未登録人物の存在する位置の表示画像の背景を抜き出し、検索画像に貼り付けることで未登録人物を削除する。
【0145】
S1708〜S1709は
図5のS508〜S509と同様であるため、説明を省略する。
【0146】
画像を合成後(S1707)、または同一撮影日の別の画像が無い場合(S1708;No)、合成処理部1027は合成した画像データに未登録の人物が存在するか否かの確認を行う(S1710)。
【0147】
合成した画像データに未登録の人物が存在する場合(S1710;Yes)、合成処理部1027は別の画像があるか否かの確認を行う(S1711)。
【0148】
別の画像がある場合(S1711;Yes)は、別の画像を検索して抽出し(S1712)、別の画像がない場合(S1711;No)は、処理を終了する。
【0149】
合成処理部1027は検索画像の撮影場所と合成した画像の撮影場所が同じか否かの確認を行う(S1713)。
【0150】
撮影場所が同じ場合(S1713;Yes)、合成処理部1027は検索画像の撮影日時と合成した画像の撮影日時が所定時間内か否かの確認を行う(S1714)。所定時間は例えば3分程度であり、ユーザが変更できるようにしてもよい。
【0151】
撮影日時が所定時間内の場合(S1714;Yes)、合成処理部1027は検索画像の背景と表示画像の背景が同じか否かの確認を行う(S1715)。
【0152】
背景が同じ場合(S1715;Yes)、合成処理部1027は未登録の人物を削除し(S1716)、S1710に戻る。
【0153】
未登録人物を含まない場合(S1710;No)、または同一撮影日の別画像がない場合(S1711;No)、処理を終了する。
【0154】
以上のS1700〜S1716の処理を行うことで、表示画像に貼り付ける画像を検索して登録人物を抜き出して合成し、未登録人物を削除する。
【0155】
図19は画像データの検索と合成の一例を示す説明図である。
【0156】
画像データ1901〜1903は、北緯35°24′53″、東経138°51′31″にて、2015.03.16の10:02:00〜10:02:50に順に撮影された画像データである。画像データ1901〜1903は同じ背景である。
【0157】
画像データ1901、1902は、人物Aにより人物Bが撮影された画像データであるが、画像データ1902には更に未登録人物Dも撮影されている。画像データ1901の人物Bには笑みがないため、人物Aにより画像データ1902が撮影し直されたことを示す。画像データ1903は、人物Bにより人物Aが撮影された画像データであるが、未登録人物C、Dも撮影されている。人物A、Bは、予め重要人物として登録しておく。また、シャッターボタン113−2の代わりにタッチセンサを備えた表示部112に表示された人物に触れることで撮影した場合、当該人物を重要人物に登録してもよい。
【0158】
撮像装置1のシャッターボタン113−2が押されると被写体を撮影し、表示部112に撮影した画像を表示する。そして、合成ボタン113−6が押されると画像を合成する。
【0159】
画像データ1904は画像データ1902、1903から登録人物の合成と未登録人物Cの削除が行われた画像データである。
【0160】
例えば、画像データ1902の人物Bを輪郭検出により抜き出し、背景を基準にして画像データ1903に貼り付けることにより、画像データ1902に人物Bを合成する。更に画像データ1903の未登録人物Cの存在する位置の画像データ1902の背景を画像データ1903の未登録人物Cに貼り付けることで未登録人物Cを削除することができる。または、画像データ1903の人物Aを輪郭検出により抜き出し、背景を基準にして画像データ1902と合成し、合成後の画像データ1904を生成してもよい。どちらか一方あるいは両方の画像データに未登録人物が存在する場合は、未登録人物が多い方の画像データから登録人物を抜き出し、登録人物が少ない方の画像データに貼り付けるとよい。
【0161】
次に、画像データ1904の未登録人物Dの存在する位置の画像データ1901の背景を画像データ1904の未登録人物Dに貼り付けることで未登録人物Dを削除する。
【0162】
画像データ1905は画像データ1904、1901から未登録人物Dの削除を行った画像データである。
【0163】
以上により、本実施形態によれば第一実施形態と同様の効果を得るとともに、更に、登録人物のみを画像に加え、未登録人物を削除することができる。なお、本実施形態では、登録人物を画像に加え、未登録人物を削除する例を示したが、登録人物を画像に加えずに、未登録人物を削除することもできる。
【0164】
<第四実施形態>
第四実施形態は、人物が撮像されていない背景のみの画像(以下「背景画像」という)を撮像した場合はその背景画像を、背景画像が無い場合はネットワーク上で公開されている背景が撮像された画像データを検索し、それらの背景画像を用いて未登録人物を削除する実施形態である。
【0165】
[撮像装置のハードウェア構成]
図20Aにおいて、
図1Aと同じ処理部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0166】
図20Aは、第四実施形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図20Aに示す撮像装置1は無線通信部120を有しており、アクセスポイント装置2を介して外部ネットワーク3と接続され、外部ネットワーク3上のサーバ装置4とデータの送受信を行う。アクセスポイント装置2との接続はWi−Fi(登録商標)等による無線接続で行われるものとする。アクセスポイント装置2は移動体通信事業者の基地局であってもよい。また、撮像装置1が直接アクセスポイント2とデータの送受信を行うのではなく、スマートフォンや携帯端末を介してデータの送受信を行ってもよい。
【0167】
サーバ装置4は位置情報ありの画像データ、位置情報なしの画像データを複数有しており、撮像装置1はアクセスポイント装置2、ネットワーク3を介して各種画像データを取得することができる。
【0168】
[撮像装置のソフトウェア構成]
図20Bは本実施例の撮像装置1のソフトウェア構成図であり、
図1Bと同じ処理部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0169】
図20Bに示す第四実施形態に係る撮像装置のソフトウェア構成図を示す図である。ROM部102に無線接続処理部1029を有しており、無線通信部120を制御することにより、アクセスポイント装置2との無線接続処理を行う。また、位置情報取得部1022により、本体のストレージ104あるいは外部記録媒体106に記録された画像ファイルのメタデータの位置情報を更新する処理を行う。
【0170】
[画像合成処理]
次に、画像合成処理について説明する。
図21は第四実施形態に係る合成処理部の動作例を示すフローチャートである。
【0171】
S2101〜S2110は
図17のS1701〜S1710と同様であるため、説明を省略する。
【0172】
画像データに未登録の人物が存在する場合(S2110;Yes)は、ストレージ部104の画像記憶領域1042に別の画像があるか否かの確認を行う(S2111)。
【0173】
別の画像がある場合(S2111;Yes)は、別の画像を検索し(S2112)、別の画像がない場合(S2111;No)は、S2117に進む。
【0174】
S2113〜S2116は、
図17のS1713〜S1716と同様であるため、説明を省略する。
【0175】
ストレージ部104の画像記憶領域1042に別の画像がない場合(S2111;No)は、アクセスポイント装置2を介して外部ネットワーク3と接続し、外部ネットワーク3上のサーバ装置4の画像を検索する(S2117)。そしてネットワーク上の画像を用いてS2116と同様の処理を行い、未登録人物を削除する(S2118)。
【0176】
以上のS2101〜S2118の処理を行うことで、表示画像に貼り付ける画像を検索して登録人物を抜き出して合成し、未登録人物を削除する。
【0177】
図22は第四実施形態に係る画像データの検索と合成の一例を示す説明図である。
【0178】
画像データ2201〜2203は、北緯35°24′53″、東経138°51′31″にて、2015.03.16の10:02:00〜10:02:50に順に撮影された画像データである。画像データ2201〜2203は同じ背景である。
【0179】
画像データ2201は、人物Aにより人物Bが撮影された画像データであるが、未登録人物Dも撮影されている。画像データ2202は、人物Bにより人物Aが撮影された画像データであるが、未登録人物C、Dも撮影されている。人物A、Bは、予め重要人物として登録しておく。また、シャッターボタン113−2の代わりにタッチセンサを備えた表示部112に表示された人物に触れることで撮影した場合、当該人物を重要人物に登録してもよい。
【0180】
撮像装置1のシャッターボタン113−2が押されると被写体が撮影され、表示部112に撮影された画像が表示される。そして、合成ボタン113−6が押されると画像が合成される。
【0181】
合成画像データ2203は画像データ2201、2202から登録人物の合成と未登録人物Cの削除が行われた画像データである。
【0182】
例えば、画像データ2201の人物Bを輪郭検出により抜き出し、背景を基準にして画像データ2202に貼り付けるとともに、画像データ2202の未登録人物Cの存在する位置の画像データ2201の背景を画像データ2202の未登録人物Cに貼り付けることにより未登録人物Cを削除する。あるいは、画像データ2202の人物Aを輪郭検出により抜き出し、背景を基準にして画像データ2201に貼り付ける。どちらか一方あるいは両方の画像データに未登録人物が存在する場合は、未登録人物が多い方の画像データから登録人物を抜き出し、登録人物が少ない方の画像データに貼り付けるとよい。
【0183】
そして、同じ背景で未登録人物Dが存在しない画像(背景画像)を撮影し直して貼り付けることにより、未登録人物Dを削除することができる。
【0184】
しかし、もしも未登録人物Dが長時間その場所を離れない場合は、同じ背景で未登録人物Dが存在しない画像(背景画像)を撮影することができない。
【0185】
そこで、ネットワーク上で公開されている画像データを検索し、検索した画像データ2204(北緯35°24′53″、東経138°51′31″にて、2015.03.10の09:30:00)を張り付けて未登録人物Dを削除する。画像データの検索はパターンマッチングで行い、類似の画像データを見つけ出す。撮影場所、撮影季節、撮影日時等を用いて検索してもよい。
【0186】
合成画像データ2205は、ネットワーク上で検索した画像データ2204を用いて合成画像データ2203から未登録人物Dの削除が行われた画像データである。
【0187】
合成画像データ2203の未登録人物Dの存在する位置の画像データ2204の背景を合成画像データ2203の未登録人物Dに貼り付けることにより未登録人物Dを削除する。
【0188】
以上により、本実施形態では第三実施形態と同様の効果を得るとともに、更に、ネットワーク上で公開されている画像データを検索し、検索した画像データを用いて未登録人物を削除することができる。
【0189】
また、ネットワーク上で公開されている画像データの撮影場所を基に、ユーザが同じ場所で撮影した画像データと合成できるようにしてもよい。
【0190】
以上、本発明の実施形態について説明したが、言うまでもなく、本発明の技術を実現する構成は上記実施形態に限られるものではなく、様々な変形例が考えられる。例えば、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成と置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。これらは全て本発明の範疇に属するものである。また、文中や図中に現れる数値やメッセージ等もあくまでも一例であり、異なるものを用いても本発明の効果を損なうことはない。
【0191】
また、各処理例で説明したプログラムは、それぞれ独立したプログラムでもよく、複数のプログラムが一つのアプリケーションプログラムを構成していてもよい。また、各処理を行う順番を入れ替えて実行するようにしてもよい。
【0192】
前述した本発明の機能等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、マイクロプロセッサユニット等がそれぞれの機能等を実現する動作プログラムを解釈して実行することによりソフトウェアで実現してもよい。ハードウェアとソフトウェアを併用してもよい。
【0193】
また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、必ずしも製品上の全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。