【実施例1】
【0014】
実施例1に係る物品陳列什器につき、
図1から
図7を参照して説明する。以下、
図1の画面左側を物品陳列什器の正面側(前方側)とし、
図1の画面右側を物品陳列什器の背面側(後方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0015】
本実施例の物品陳列什器1は、例えば、デパートやスーパーマーケット等の売り場やレストラン等に設置され、ワインの品質を維持することができる適正な温度及び湿度等に庫内環境が管理された状態で複数のワインボトル5,5,…を陳列することができるようになっている。
【0016】
図1に示されるように、物品陳列什器1は、ワインの品質を維持することができる適正な温度及び湿度等に庫内環境を管理可能な冷蔵ショーケース2と、冷蔵ショーケース2の庫内に設けられ複数のワインボトル5,5,…を陳列可能な複数の陳列棚部3,3,…と、から主に構成されている。
【0017】
図1及び
図2に示されるように、冷蔵ショーケース2は、前面が開放された略コ字形を成す断熱構造の外箱21と、該外箱21の内方に設けられ同じく前面が開放された略コ字形を成す断熱構造の内箱22と、から構成されるケース本体20と、ケース本体20の下方に内蔵される図示しない冷却装置と、から主に構成されている。尚、内箱22は、後述する吹出口22aを有する上壁と、後述する背面側の壁部22bと、図示しない一対の側壁及び底板と、から構成され、前面が開放された箱状体となっている。また、冷蔵ショーケース2の外箱21の下面側には四隅にアジャスタ4,4,…が設けられており、アジャスタ4,4,…の高さをそれぞれ調整することにより、設置場所に関わらず冷蔵ショーケース2を水平な状態で設置できるようになっている。
【0018】
尚、冷却装置は、図示しない圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張弁と、これらを接続する冷媒配管により構成され、冷蔵ショーケース2内において蒸気圧縮式の冷凍サイクルを繰り返し行うことにより内箱22の内方に形成される庫内を冷却しているものである。また、冷却装置は、図示しない制御装置によりワインの保管に適正な庫内温度が維持されるように冷凍サイクルの調整が行われている。
【0019】
ケース本体20は、外箱21と内箱22との間に図示しない通風路が形成されており、該通風路には、上述した冷凍サイクルを構成する蒸発器が配設され、該蒸発器により冷却された通風路内の空気は、図示しない送風機により内箱22の内方に形成される庫内へと送られている。尚、内箱22の内方上部には、通風路と連通する吹出口22a(
図2参照)が形成されており、通風路から送られてくる冷気が吹出口22aから庫内に送り込まれる構造になっている。
【0020】
また、ケース本体20の開口前面には、観音開き式に開閉される開き戸23,23が取り付けられている。開き戸23,23は、透明のガラス板23a,23aと、開閉用の把持部23b,23bと、から構成され、開き戸23,23が閉められ、ケース本体20の前面の開口が閉塞された状態において、庫内温度の変化をできる限り抑えられるように庫内の気密性が保たれるように取り付けられている。尚、ワインの保管は暗所が好ましいことから、ガラス板23a,23aには、庫内で陳列されるワインボトル5,5,…が視認できる程度の遮光性を有するものが使用されてもよい。また、透明のガラス板23a,23aに遮光シートを貼り付けるようにしてもよい。
【0021】
図2に示されるように、冷蔵ショーケース2の庫内を構成する内箱22の背面側の壁部22bは、左右一対の支柱と、板材と、から主に構成され、壁部22bの支柱には、前面の左右側端縁にそれぞれ複数の係止孔22c,22c,…が上下に所定間隔置きに設けられている。係止孔22c,22c,…には、後述する陳列棚部3を構成するブラケット30の後端に設けられる係止片30b,30b,…が係止可能となっており、該係止片30b,30b,…を係止孔22c,22c,…に係止させることにより、陳列棚部3,3…を内箱22の壁部22bに対して所望の高さ、傾斜角度、数で取り付けられるようになっている。
【0022】
図2及び
図3に示されるように、陳列棚部3は、内箱22の壁部22bの前面左右側端縁に設けられる係止孔22c,22c,…に係止される左右一対のブラケット30,30と、該ブラケット30,30によって支持される棚部材31と、から構成されている。
【0023】
図2及び
図3(b)に示されるように、略三角形のブラケット30は、棚部材31の左右端部に設けられる後述する側縁部材32の掛着部32cが上方から掛着される上縁部30aと、ブラケット30の後端に設けられる係止片30b,30b,…と、から主に構成されており、上縁部30aの後端側には、下向きL字状の切欠部30cが設けられている。尚、ブラケット30は、ステンレス板の打抜き加工により成形される。
【0024】
切欠部30cには、棚部材31の左右端部に設けられる後述する側縁部材32の突片32dが挿入可能となっており、切欠部30cに突片32dが嵌挿された状態において、突片32dは、下向きL字状の切欠部30cと接触することにより上方及び前方への移動が規制されるため、棚部材31がブラケット30に支持された状態で外れ難くなっている。尚、後述するように、ブラケット30は、内箱22の壁部22bに対して水平から下方に向けて傾斜するように取り付けられるため、棚部材31は、重力によってブラケット30に対して前方側に移動し、切欠部30cに突片32dが嵌挿された状態が維持されるので棚部材31がブラケット30に支持された状態でより外れ難くなっている。また、棚部材31をブラケット30から取り外す際には、棚部材31をブラケット30の後端側に向けて押し込んだ後に上方へ持ち上げることにより突片32dを切欠部30cから抜き取ることができるようになっている。
【0025】
係止片30b,30b,…は、ブラケット30の後端の所定の位置に上下に4つ設けられ、係止片30b,30b,…には、それぞれ固有の凹凸が形成されている。これによれば、
図4(a)ないし(c)に示されるように、内箱22の壁部22bに設けられる係止孔22c,22c,…に係止される係止片30b,30b,…の凹凸の組み合わせにより、内箱22の壁部22bに対するブラケット30の取り付け角度を適宜変更できるようになっている。
図4(a)は、内箱22の壁部22bに対して水平から下方に向けて8度、
図4(b)は、内箱22の壁部22bに対して水平から下方に向けて16度、
図4(c)は、内箱22の壁部22bに対して水平から下方に向けて24度、それぞれブラケット30の取り付け角度が変更された状態を示している。尚、本実施例において、陳列棚部3は、内箱22の壁部22bに対して水平から下方に向けて所定角度傾斜させた状態で取り付けられる態様として説明するが、陳列棚部3は、内箱22の壁部22bに対して水平に取り付けられてもよい。
【0026】
図2及び
図3(a)に示されるように、棚部材31は、ブラケット30の上縁部30aに掛着される左右一対の側縁部材32,32と、該側縁部材32,32を連結する複数の棒状部材33,33,…及び底部支持杆34と、から主に構成されている。
【0027】
図3(a)に示されるように、側縁部材32は、棚部材31の左右端を構成しており、先端が上方に向けて所定角度(本実施例では約45度)傾斜するように延出する延出部32aと、ブラケット30の上縁部30aに上方から掛着された状態でブラケット30に沿うように配置される基部32b(
図3(b)参照)と、基部32bの上縁から前後方向に所定の長さ延設される正面視下向きL字状の掛着部32cと、から主に構成されている。また、基部32bの後端側の側面からは、掛着部32cの内方で左右方向に突出し、ブラケット30の切欠部30cに嵌挿される突片32dが形成されている。尚、側縁部材32は、ステンレス板の打抜き加工及び曲げ加工等により成形される。
【0028】
延出部32aは、先端に向けて先細りするように形成され、左右一対の側縁部材32,32の延出部32a,32aは、先端側で底部支持杆34により連結されている。底部支持杆34の両端には、それぞれ図示しないネジ孔が設けられており、延出部32a,32aの先端近傍に穿設された図示しない孔から挿入されたボルト6,6により左右一対の延出部32a,32aにそれぞれ螺合されている(
図2参照)。尚、底部支持杆34は、側縁部材32,32の延出部32a,32aの先端近傍に溶接等によって取り付けられていてもよい。
【0029】
図4及び
図5に示されるように、底部5aを前面に向け、側部周面5bの前面側に貼られるラベル5cを上方に向けた状態で陳列棚部3に陳列されるワインボトル5は、底部5aを底部支持杆34により支持されるので、陳列棚部3に陳列されたワインボトル5が前方側に抜け落ちないようになっている。また、ワインボトル5は、底部支持杆34により底部5aをワインボトル5の軸方向の中心よりも上方の位置で支持されているので、ワインボトル5が底部支持杆34を越えて前方側に落下し難くなっている。尚、底部支持杆34の高さ位置は、ワインボトル5が前方側に抜け落ちない位置であればよく、例えば、ワインボトル5の底部の軸方向の中心の高さ位置であってもよい。さらに、ワインボトル5の底部5aが底部支持杆34のみで支持されているので、陳列されるワインボトル5の底部5aが見えやすくなり、ワインボトル5が棚部材31の所定の位置に載置されているかを判別しやすくなっており、落下等の危険性を低減することができる。尚、底部支持杆34は、ステンレスの押出し成形品であり、略円筒形状を成している。
【0030】
左右一対の側縁部材32,32の基部32b,32bは、前端から後端に亘って上下中央の所定位置で4本の棒状部材33,33,…(前端側の棒状部材33’を含む)によりそれぞれ連結されている。棒状部材33,33,…の両端には、それぞれ図示しないネジ孔が設けられており、基部32b,32bの所定位置に穿設された図示しない孔から挿入されたボルト6,6,…により基部32b,32bとそれぞれ螺合されている。尚、底部支持杆34は、側縁部材32,32基部32b,32bの所定位置に溶接等によって取り付けられていてもよい。
【0031】
4本の棒状部材33,33,…は、直線状に配置されており、棒状部材33,33,…の上部を結んで規定される面が棚部材31の実質的な載置面31a(
図2参照)(本発明の載置部の上面に形成される載置面)を形成しており、ワインボトル5の側部周面5bを下方から支持できるようになっている。また、載置面31aが棒状部材33,33,…により構成されるので、ワインボトル5の周面と載置面31aとの接触が少なくなり、ワインボトル5の側部周面5bや側部周面5bの背面側に貼られる図示しないラベルを傷つき難くすることができる。尚、
図3(b)に示されるように、4本の棒状部材33,33,…は、前方側が水平から下方に向けて若干傾斜するように直線状に設けられており、陳列棚部3が内箱22の壁部22bに対して水平に取り付けられた場合であっても4本の棒状部材33,33,…により形成される載置面31aが傾斜した状態となるので、重力によって前方側に移動するワインボトル5の底部5aを底部支持杆34によって常に支持できるようになっている。また、棒状部材33,33,…は、ステンレスの押出し成形品であり、略円筒形状を成している。
【0032】
また、棚部材31の載置面31aを形成する棒状部材33,33,…と底部支持杆34は、同一の側縁部材32,32に固定されているので、棚部材31の構造強度が高められ、ワインボトル5,5,…を安定して棚部材31に載置することができ、且つ、棚部材31を軽量化することができる。
【0033】
また、棚部材31の載置面31aが、前後に所定間隔置きに設けられる棒状部材33,33,…により構成されるので、棚部材31に陳列されるワインボトル5,5,…にディスプレイ用の照明光を拡散、あるいは透過させることができるので、ディスプレイ効果を高めた陳列を行うことができる。
【0034】
次いで、陳列棚部3に陳列されるワインボトル5の取り出し方法について
図6を参照して説明する。
図6(a)に示されるように、陳列棚部3の棚部材31の載置面31aに載置され、底部支持杆34によりワインボトル5の底部5aが支持されている状態において、ワインボトル5の側部周面5bは、棒状部材33,33,…によって載置支持されている。このとき、ワインボトル5の側部周面5bを載置支持する棚部材31の実質的な載置面31aの前端は、棚部材31の前方側に設けられる棒状部材33’の上部となっている。すなわち、底部支持杆34と棒状部材33’の間には、所定間隔αが形成されており、棚部材31の載置面31aに載置されたワインボトル5は、底部支持杆34と棒状部材33’の間に形成される所定間隔αを開口とし、棚部材31の載置面31aを延長した仮想載置面Sとの間に相当する空間Xから底部5aの一部が突出した状態で底部支持杆34により底部5aを支持された状態となっている。
【0035】
まず、陳列棚部3に陳列されるワインボトル5の取り出す際には、
図6(b)に示されるように、棚部材31の載置面31aに載置されたワインボトル5を取り出すためにワインボトル5の上部側を持ち上げることにより、空間Xにおいてワインボトル5の底部5a及び側部周面5bの下方側を仮想載置面Sから下方に向けて突出させながら回動させることができるので、ワインボトル5の底部5aの下方外縁が棚部材31の載置面31aに接触することなく円滑にワインボトル5の上端側を持ち上げることができる。また、このとき、ワインボトル5の底部5a側は下方に向けて下がった状態となるため、ワインボトル5の底部5aが下方側の棚板等に接触した場合と比べて、ワインボトル5を傾けるために必要なワインボトル5の上端の上方への動きを小さく抑えることができる。
【0036】
次に、
図6(c)に示されるように、ワインボトル5の上端側をさらに持ち上げることにより、ワインボトル5の底部5aは、底部支持杆34に接触しながら摺動され、同時にワインボトル5の側部周面5bは、棒状部材33’に接触しながら摺動される。このとき、底部支持杆34と棒状部材33’の間に形成された所定間隔αは、ワインボトル5の底部5aの直径よりも小さく設けられているため、ワインボトル5が前方側に抜け落ちないようになっている。尚、
図6(c)においては、ワインボトル5の側部周面5bの下端が棒状部材33’に接触している状態で前方側に取り出す態様として図示しているが、
図6(c)に示される状態からワインボトル5の上端側をさらに持ち上げることにより、ワインボトル5の側部周面5bは、棒状部材33’に接触しなくなり、ワインボトル5の底部5aのみが底部支持杆34に接触し、底部支持杆34上にワインボトル5の底部5aが載置された状態となるので、ワインボトル5をそのまま前方側に取り出しやすくなっている。
【0037】
また、底部支持杆34及び棒状部材33’が略円筒形状であるため、ワインボトル5との接触部分が曲面を成しており、ワインボトル5と底部支持杆34及び棒状部材33’との接触が少なくなり、ワインボトル5を底部支持杆34及び棒状部材33’に接触させた状態で円滑に摺動させることができる。
【0038】
以上説明したように、本実施例における物品陳列什器1は、陳列棚部3に陳列されるワインボトル5を棚部材31の底部支持杆34及び棒状部材33,33,…により支持するとともに、棚部材31の実質的な載置面31aを構成し、載置面31aの前端に相当する棒状部材33’と底部支持杆34との間に形成された所定間隔αを開口として載置面31aの延長方向に空間Xが設けられているので、陳列棚部3に陳列されるワインボトル5を取り出すために、ワインボトル5の側部周面5bと棒状部材33’との接点を支点にしてワインボトル5を起き上がらせることにより、棒状部材33’と底部支持杆34との間に設けられる空間Xにおいて、ワインボトル5の底部5aの下方外縁を載置面31aよりも下方に突出させながら回動させワインボトル5の上端側を持ち上げることができるので、ワインボトル5の上端側への突出量が少なくなることで上方への移動軌跡を小さくでき、陳列棚部3の上下の取り付け間隔が狭くてもワインボトル5を取り出しやすくすることができる。
【0039】
また、陳列棚部3の左右端に陳列されるワインボトル5,5の側部周面5bの底部5a側は、陳列棚部3を構成する棚部材31の左右一対の側縁部材32,32の先端に設けられる延出部32a,32aによってそれぞれ支持されるので、棚部材31にワインボトル5,5,…を安定して載置することができる(
図5参照)。
【0040】
また、
図3及び
図5に示されるように、棚部材31は、側縁部材32,32の掛着部32cと、掛着部32cの内方に設けられる突片32dにより、内箱22の壁部22bに対して取り付けられた左右一対のブラケット30,30に掛着された状態を保持することができるため、陳列棚部3に陳列される物品の規格に合わせて棚部材31を変更しやすくなっている。
【0041】
次いで、棚部材31の変形例について
図7を参照して説明する。尚、変形例における棚部材の左右一対のブラケット及び側縁部材の構成は略同一であることから、一方のブラケット及び側縁部材の構成について説明し、他方の説明は省略する。また、
図7(a)は、棚部材31の変形例1を示しており、
図7(b)は、棚部材31の変形例2を示している。
【0042】
図7(a)に示されるように、変形例1の棚部材311は、ブラケット301の先端が上方に向けて所定角度傾斜するように延出部301aが延出しており、ブラケット301の延出部301a先端近傍は、底部支持杆34により連結されている。また、ブラケット301の前端側は、棒状部材33’により連結されている。また、ブラケット301の上縁部301bには、前述した側縁部材32における延出部32aの構成が省略された側縁部材321が掛着され、ブラケット301の前端側を連結する棒状部材33’及び3本の棒状部材33,33,…により棚部材311における実質的な載置面が形成されている。これによれば、棚部材311は、前述した棚部材31による構成と同様の作用・効果を得ることができる。
【0043】
図7(b)に示されるように、変形例2の棚部材312は、ブラケット302の先端が上方に向けて所定角度傾斜するように延出部302aが延出しており、ブラケット302の延出部302a先端近傍は、底部支持杆34により連結されている。また、ブラケット302の基部302bは、前端から後端に亘って上下中央の所定位置で4本の棒状部材33,33,…(前端側の棒状部材33’を含む)によりそれぞれ連結されており、ブラケット302を連結する4本の棒状部材33,33,…により実質的な載置面が形成されている。これによれば、棚部材312は、棚部材とブラケットが一体となっていることから、陳列される物品の規格に合わせて棚部材31を変更することができない点を除いて、前述した棚部材31による構成と同様の作用・効果を得ることができる。
【実施例2】
【0044】
次に、実施例2に係る物品陳列什器につき、
図8を参照して説明する。実施例2は、実施例1の物品陳列什器の冷蔵ショーケース2の構成を変更し、室温で保管されるワインボトル5が陳列される物品陳列什器として使用されるものである。尚、前記実施例に示される構成部分と同一構成部分に付いては同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0045】
図7に示されるように、本実施例における物品陳列什器101は、背面以外が開放されるように構成された枠体102と、枠体102の背面の壁部102aに取り付けられ複数のワインボトル5,5,…を陳列可能な複数の陳列棚部3,3,…と、から主に構成されている。
【0046】
枠体102は、物品陳列什器101の背面を構成し、矩形枠に板材が嵌め込まれることにより構成される壁部102aと、該壁部102aの前方に立設する左右一対の支柱102b,102bと、該壁部102aの前面の上部左右両端と支柱102b,102bの上部をそれぞれ連結する上部連結杆102c,102cと、壁部102aの前面の下部左右両端と支柱102b,102bの下部をそれぞれ連結する下部連結杆102d,102dと、支柱102b,102bの下部を連結する前部連結杆102eと、壁部102a及び下部連結杆102d,102d及び前部連結杆102eにより囲まれる部分に設けられる底板102fと、前部連結杆102eの上部に取り付けられる前部保護板102gと、下部連結杆102d,102dの上部にそれぞれ取り付けられる側部保護板102h,102hと、から構成されている。
【0047】
枠体102は、背面以外が開放されるように構成されており、物品陳列什器101の陳列棚部3,3,…に陳列されるワインボトル5,5,…を前方及び側方から見ることができるようになっている。
【0048】
陳列棚部3,3,…の左右端に陳列されるワインボトル5,5,…の側部周面5bは、陳列棚部3,3,…を構成する左右一対の側縁部材32,32の先端に設けられ、上方に向けて所定角度傾斜するように延出する延出部32a,32aに支持されることにより、枠体102の外に出るような側方への移動が規制される(
図5参照)。これによれば、陳列棚部3,3,…に陳列されるワインボトル5,5,…は、底部5a側の側部周面5bのみを側縁部材32,32の延出部32a,32aにより支持されることで安定して陳列することができるので、陳列棚部3,3,…に陳列されるワインボトル5,5,…の側部を隠すような大きな側壁を設ける必要がなく、物品陳列什器101の側方から陳列棚部3,3,…に陳列されるワインボトル5,5,…の視認性を高めることができる(
図4及び
図6参照)。
【0049】
また、側縁部材32の延出部32aは、先端に向けて先細りするように形成されているので、延出部32aの面積を小さくすることができ、物品陳列什器101の側方から陳列棚部3,3,…に陳列されるワインボトル5,5,…の視認性をより高めることができる(
図3及び
図4参照)。
【0050】
また、側縁部材32の上縁は、棒状部材33,33,…が形成する載置面31aよりも上方に位置するように構成されているので、棚部材31の載置面31aに載置されるワインボトル5,5,…の側方への動きが規制され、ワインボトル5,5,…の側方への落下を防ぐことができる(
図3及び
図4参照)。
【0051】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0052】
例えば、前記実施例では、棚部材31の載置面31aが棒状部材33,33,…により形成されている態様として説明したが、これに限らず、載置面31aは面を有する板状の部材によって構成されてもよい。この場合にも載置面31aの前端が曲面を形成していることが好ましい。
【0053】
また、前記実施例では、空間Xを構成する棚部材31の載置面31aの仮想載置面Sが下方に開放している態様として説明したが、これに限らず、ワインボトル5の底部5a及び側部周面5bの下方側を突出させることができれば、空間Xを構成する棚部材31の載置面31aの仮想載置面Sが下方に開放していなくてもよく、例えば、棚部材31の載置面の前端には、下方に向けて所定寸法下げられた段部が設けられていてもよい。
【0054】
また、略円筒形状の物品であれば、陳列棚部3には、瓶や缶等が陳列されてもよい。