【実施例1】
【0015】
実施例1に係る間仕切パネル装置につき、
図1から
図9を参照して説明する。以下、
図2の画面手前側を間仕切パネル装置の正面側(前方側)とし、
図2の画面奥側を間仕切パネル装置の背面側(後方側)とし、その前方側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。
【0016】
本実施例の間仕切パネル装置1は、例えば、オフィスや展示会場、会議室等の室内空間を区画するために設置され、
図1に示されるように、室内空間に天井Cに亘って設置されるレール3(誘導路)に沿って移動可能な吊支部材30,30により上端を吊支される複数の間仕切パネル2,2,…(間仕切パネル体)から主に構成され、レール3の一方の端部に設けられる格納レール31の位置に格納された間仕切パネル2,2,…をレール3に沿って側壁Wに設けられる移動規制端部5の方向に所定の位置まで手動で順次移動させることによって、間仕切パネル2,2,…を一列に連接させて天井Cから床の床面Fに亘って室内空間を仕切ることができるようになっている。
【0017】
尚、移動規制端部5とは、間仕切パネル装置1を構成する間仕切パネル2,2,…の内、先頭に設置される間仕切パネル2が当接し、先頭の間仕切パネル2の移動を規制する端部を構成する所定の側壁部や支柱等のことである。また、間仕切パネル2,2,…に設けられる電気回路70,70,…及びこれらの電気回路70,70,…及び電源6等により構成される電力供給回路7の詳細は後述する。
【0018】
また、
図2に示されるように、間仕切パネル装置1を構成する間仕切パネル2,2,…の内、最後尾の間仕切パネル2’は、側壁Wに設けられる側部閉塞機構4(押圧機構)から左右方向に進出退入可能に移動する側部閉塞部材4aによって間仕切パネル2’の側部2aと側部閉塞機構4との隙間が閉塞されるようになっている。尚、間仕切パネル2’の側部2aと側部閉塞機構4との隙間が側部閉塞部材4aにより閉塞される際に、側部閉塞部材4aによって間仕切パネル2’が移動規制端部5の方向に押圧されることにより、一列に連接された間仕切パネル2,…,2’がそれぞれ移動規制端部5の方向に押圧され、隣接する間仕切パネル2,2,…,2’同士を密着させて遮音性や遮蔽性が高められるようになっている。尚、側部閉塞機構4における側部閉塞部材4aの左右方向への移動は作動スイッチの操作等により動作する電動機を用いた機構等により電動で行われる。
【0019】
間仕切パネル2は、パネル材20a,20aを表裏に備えたパネル本体20と、表裏のパネル材20a,20aの間にパネル本体20の上下端部20b,20b’から所定の高さ範囲に形成される上下の格納部20c,20c’と、該格納部20c,20c’に一組ずつ格納される閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’と、から主に構成されている。
【0020】
間仕切パネル2は、パネル本体20の上下端部20b,20b’とレール3の下面3a(天井面)及び床の床面Fとの隙間が後述する密閉部材22,22’により閉塞される(
図4参照)と同時に所定の位置に固定されることにより、複数の間仕切パネル2,2,…により仕切られた室内空間における遮音性や遮蔽性が確保できるようになっている。尚、本実施例における天井面は、天井C側の隙間を閉塞する際に密閉部材22が当接する面、すなわち、天井Cに設けられる部材(ここではレール3)の一部の下面3aを指す。また、本実施例における床面についても同様である。
【0021】
また、パネル本体20は、表面に焼付塗装等が施された鋼板に石膏ボードが裏打ちされたパネル材20a,20aによって表裏面が形成され、上述した上下の格納部20c,20c’間に形成されるパネル部20dには、グラスウール等の充填材20eが挟み込まれることにより遮音性が高められている。尚、パネル材20a,20aにおけるパネル部20dの構成部分については、ガラスパネル等から構成されてもよい。
【0022】
また、密閉部材22,22’によるレール3の下面3a及び床の床面Fとの隙間の閉塞は、閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作によって行われ、上述した側部閉塞機構4による側方の閉塞と併せて、間仕切パネル装置1によって仕切られる室内空間の遮音性や遮蔽性を確保できるようになっている。
【0023】
尚、上述した閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作は、側部閉塞機構4に配設される給電コネクタ72(電極)から最後尾の間仕切パネル2’の側部2aに設けられる受電コネクタ71(電極)を介して電力が供給され後述する電気回路70に電気が流れることにより行われる。また、間仕切パネル2の側部2a,2a’の上方には、同じ高さ位置に一組の受電コネクタ71及び給電コネクタ72が設けられており、隣接する間仕切パネル2,2,…の間で対向するそれぞれの側部2a,2a’に設けられる受電コネクタ71及び給電コネクタ72が接続されることにより電源6からの電力が隣接する間仕切パネル2,2,…に順に供給されるようになっている。
【0024】
次いで、間仕切パネル2における閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’の構造について
図3及び
図4を用いて説明する。尚、パネル本体20の上下の格納部20c,20c’にそれぞれ格納される閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’の構成は、略同一であることから、上方の格納部20cに格納される閉塞部材21及び進退機構26の構成について説明し、下方の格納部20c’に格納される閉塞部材21’及び進退機構26’の構成についての説明は省略する。
【0025】
図3及び
図4に示されるように、閉塞部材21は、パネル本体20の左右方向に亘って延びる密閉部材22と、該密閉部材22の下方に設けられ後述する進退機構26のリンク部28により軸支される支持部材23と、密閉部材22と支持部材23とを上下方向に接離可能に連結する一対の弾性部材24,24と、密閉部材22と支持部材23との間に設けられるリミットスイッチ25(移動完了検知手段)と、から主に構成されている。
【0026】
密閉部材22は、パネル本体20と左右方向に略同一寸法を成し、パネル本体20の格納部20cから上方に向けて進出可能になっている。また、密閉部材22の前後上端は、内方に折り曲げられた屈曲部22a,22aがそれぞれ形成され、この屈曲部22a,22a上に弾性を有するゴム等で形成された緩衝部材220,220が固着されており、この緩衝部材220,220の上端面220a,220aが、密閉部材22をパネル本体20の格納部20cから上方に向けて進出させた場合にレール3の下面3aに当接し、密閉部材22の側面部によりパネル本体20の上端部20bとレール3との隙間を閉塞できるようになっている(
図4(c)参照)。尚、密閉部材22の内部には、図示しない吸音材が設けられており、閉塞時の遮音性が高められている。
【0027】
支持部材23は、密閉部材22よりも左右方向に短寸を成し、密閉部材22の下方に設けられ、密閉部材22をパネル本体20の格納部20cに退入させた場合には、支持部材23の上面23aの左右端部に設けられる一対の弾性部材24,24によって密閉部材22との間に所定の上下間隔が保持されるようになっている。また、支持部材23は、後述する進退機構26のリンク部28により左右方向の重心を外した一点の軸支部分で回動可能に軸支されている。
【0028】
弾性部材24,24は、上下方向に付勢するコイル状の圧縮バネ24a,24aと、該圧縮バネ24a,24aに軸通されるボルト形状の軸芯24b,24bと、から構成されており、軸芯24b,24bの下端は、支持部材23の左右端近傍に下方側から上端側が上方に突出するように螺着されている。また、圧縮バネ24a,24aの下端は、溶接等により支持部材23の上面23aに固定されている。
【0029】
また、弾性部材24,24の上端は、密閉部材22の底部22bに左右方向に所定間隔置いて穿設される図示しない貫通孔に挿入されて上方に突出しており、該突出位置に上方から取付けられる押圧部材22d,22dによって圧縮バネ24a,24aの上端が押圧された状態が常に維持されている。
【0030】
リミットスイッチ25は、密閉部材22の底部22bに穿設された図示しない設置孔を上方から閉塞するように取付けられており、後述する電気回路70の切り替えを行うマイクロスイッチ25c(切替スイッチ,
図6参照)を内蔵するスイッチ本体25aと、設置孔から密閉部材22の下方に突出し上下方向に回動可能なヒンジ・レバー形の作動体25bと、該作動体25bの動作により操作されるプッシュプランジャ形のアクチュエータ(図示略)と、から構成されている。また、作動体25bの先端は、支持部材23の軸支部分から遠い位置に設けられる弾性部材24の近傍に向けて延びており、密閉部材22と支持部材23との隙間が左右方向に亘って全て閉塞した場合にのみ作動体25bが回動してアクチュエータが操作されるようになっている(
図4(c)参照)。
【0031】
進退機構26は、電源6から供給される電力により駆動する直動モータ27(電動機)と、直動モータ27の動力を閉塞部材21の支持部材23に伝達するリンク部28と、から主に構成されている。
【0032】
直動モータ27は、回転運動を直線運動に変換する図示しない台形ネジを内蔵するシリンダ27aと、台形ネジの先端に取付けられシリンダ27aの端部から左右方向に直線的に進退可能に設けられるロッド27bと、から構成されている。また、運動伝達の精度が高い台形ネジを使用した直動モータ27によりロッド27bを動作させているため、ロッド27bを正確な位置で停止させることができ、電力の供給が停止された際の停止位置で保持されるようになっている。
【0033】
リンク部28は、略入字状を成しており、一方の端部を直動モータ27のロッド27bの先端に回動可能に連結され、他方の端部を支持部材23の軸支部分に回動可能に連結されており、直動モータ27のロッド27bの左右方向の直線運動を受けて、支持部材23の軸支部分を略上下方向に直線運動させるように力の方向の変換を行うことができるようになっている。
【0034】
次いで、パネル本体20の上方の格納部20cに格納される閉塞部材21及び進退機構26による閉塞動作について
図4を用いて説明する。
【0035】
図4(a)に示されるように、閉塞部材21及び進退機構26による閉塞動作が開始されると、先ず、電源6から供給される電力を受けて進退機構26を構成する直動モータ27が駆動されロッド27bが左方向に進出し、これに伴ってリンク部28により支持部材23の軸支部分が略上下方向に直線運動するように力の方向の変換が行われ、支持部材23の軸支部分が上方に持ち上げられる。このとき、リンク部28は、支持部材23の軸支部分に回動可能に連結されているため、支持部材23が自重により軸支部分を支点に回動することにより閉塞部材21は左右方向に傾斜した状態となる。
【0036】
図4(b)に示されるように、直動モータ27の駆動が継続されロッド27bが左方向にさらに進出していくと、支持部材23が上方に持ち上げられて軸支部分を支点に左右方向の傾斜がさらに大きくなり、支持部材23の軸支部分の上方に設けられる密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aの左方の端部近傍がレール3の下面3aに接触した状態になる。
【0037】
さらに、直動モータ27の駆動が継続されると、上述した密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aの左方の端部近傍がレール3の下面3aに接触した状態で下方から押圧力が作用し、支持部材23の軸支部分から近い位置に設けられる弾性部材24の圧縮バネ24aによる付勢力と上記押圧力との均衡が取れた段階で接触部分を支点として密閉部材22が反時計回りに回動し、支持部材23の軸支部分から離れた右方側の端部が上方に持ち上げられるようになる。
【0038】
直動モータ27の駆動が継続されロッド27bが左方向にさらに進出していくと、支持部材23の軸支部分から離れた側の端部が上方に持ち上げられていき、上述した密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aとレール3の下面3aとの接触部分を支点として密閉部材22が回動し、
図4(c)に示されるように、密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aがレール3の下面3aに当接する。
【0039】
また、密閉部材22に固着された緩衝部材220の上端面220a,220aとレール3の下面3aとが面同士で当接した時点では、直動モータ27の駆動は継続されており、密閉部材22及び支持部材23は、上方にさらに押圧され、密閉部材22と支持部材23との上下の隙間が左右方向に亘って全て閉塞される。これに伴いリミットスイッチ25の作動体25bが回動してアクチュエータが操作され、スイッチ本体25aに内蔵されたマイクロスイッチ25cによって後述する電気回路70の切り替えが行われることにより直動モータ27への電力の供給が遮断され、直動モータ27の駆動が停止することで閉塞部材21及び進退機構26による閉塞動作が完了する。
【0040】
次いで、隣接する間仕切パネル2,2,…における各電気回路70,70,…同士の接続について説明する。尚、ここでは、最後尾の間仕切パネル2’の側部2a’に設けられる給電コネクタ72と隣接する間仕切パネル2の側部2aに設けられる受電コネクタ71との接続について説明する。また、側部閉塞機構4の給電コネクタ72は、間仕切パネル2の側部2a’に設けられる給電コネクタ72と略同一構成であるため、その説明は省略する。
【0041】
図5(a)に示されるように、隣接する間仕切パネル2,2’の対向する側部2a,2a’上方には、同じ高さ位置で対向するように受電コネクタ71と給電コネクタ72が図示しないネジ等で取付けられている。受電コネクタ71は、側面視略T字状の複数のピンコンタクト71c,71c,…を有しており、当該ピンコンタクト71c,71c,…は、前述した電気回路70の入力端子71a,71bが接続された接続部71g,71g,…に接離可能に接続されている。また、給電コネクタ72は、複数のソケットコンタクト72c,72c,…を有しており、ソケットコンタクト72c,72c,…は、前述した電気回路70の出力端子72a,72bに接続されている。
【0042】
ピンコンタクト71c,71c,…は、受電コネクタ71の外枠を構成するベース部材71dの内部に向けて没入可能に取付けられているとともに、ピンコンタクト71c,71c,…の頭部71e,71e,…が、ソケットコンタクト72c,72c,…側に向けて付勢されるようにベース部材71dと頭部71e,71e,…との間に押しバネ71f,71f,…が配設されている。これにより、
図5(a)に示す状態では、ピンコンタクト71c,71c,…の内側端部が入力端子71a,71bとの接続部71gに非接触の状態となっている。
【0043】
図5(b)に示されるように、ソケットコンタクト72c,72c,…にピンコンタクト71c,71c,…の頭部71e,71e,…が接触した段階では、ソケットコンタクト72c,72c,…と隣接する電気回路70の入力端子71a,71bとは電気的に接続されていない。ここで言う、ソケットコンタクト72c,72c,…にピンコンタクト71c,71c,…の頭部71e,71e,…が接触した段階とは、間仕切パネル2,2,…,2’を手動で順次移動させ、一列に連接させた状態であり、間仕切パネル2,2,…,2’が側部閉塞機構4によって移動規制端部5の方向へ押圧される前の段階である。
【0044】
そして、
図5(c)に示されるように、間仕切パネル2,2,…が側部閉塞機構4によって移動規制端部5の方向へ押圧されると、ソケットコンタクト72c,72c,…にピンコンタクト71c,71c,…が接触した状態からピンコンタクト71c,71c,…が押圧され、ピンコンタクト71c,71c,…の内側端部が入力端子71a,71bとの接続部71g,71g,…に接触する所定の位置まで没入した段階となる。この段階において、ソケットコンタクト72c,72c,…と隣接する電気回路70の入力端子71a,71b,…とが、ピンコンタクト71c,71c,…及び接続部71g,71g,…を介して電気的に接続されるようになる。すなわち、隣接する間仕切パネル2,2における電気回路70,70同士が接続され、1つの回路となる。尚、側部閉塞機構4に配設される給電コネクタ72は、最後尾の間仕切パネル2’の受電コネクタ71と接続可能となっている。また、本発明における電力供給回路7とは、間仕切パネル2,2,…,2’が側部閉塞機構4によって移動規制端部5の方向へ押圧されることにより隣接する間仕切パネル2,2,…の電気回路70,70,…同士が電気的に接続され、かつ側部閉塞機構4の電源6を有する電気回路70’と最後尾の間仕切パネル2’の電気回路70とが電気的に接続され、電源6から電力を供給可能な状態に電気的に接続された電気回路70,70,…,70’のことである(
図8及び
図9参照)。
【0045】
次いで、電力供給回路7において隣接する電気回路70,70(70A,70B)間の電気の流れについて
図6〜
図8を用いて説明する。尚、ここでは、電源6と接続される最後尾の間仕切パネル2’の電気回路70Aと、該間仕切パネル2’に隣接する間仕切パネル2の電気回路70Bと、の間の電気の流れについて例示する。さらに尚、
図6〜
図8においては、電気回路70Aの出力端子72a,72a’及び72bと電気回路70Bの入力端子71a,71a’及び71bとは、離間して図示されているが電気的に接続されている状態として説明する。側部閉塞機構4の出力端子72a,72a’及び72bと、電気回路70Aの入力端子71a,71a’及び71bについても同様である。
【0046】
各間仕切パネル2,2’に設けられる電気回路70の構造については、
図6〜
図8に示されるように、電気回路70は、受電コネクタ71に設けられる一対の入力端子71a,71a’と入力端子71bと、給電コネクタ72に設けられる一対の出力端子72a,72a’と出力端子72bと、入力端子71aと出力端子72aとの間を接続する第1ライン73(第1直通ライン)と、入力端子71bと出力端子72bとの間を接続する第2ライン74(第2直通ライン)と、第1ライン73と第2ライン74とを接続する2つの第1分岐ライン76及び第2分岐ライン77と、から主に構成されている。尚、一対の入力端子とは、+極と−極の入力端子が一対の関係であることを意味しており、入力端子71a,71a’は、ひとまとまりの+極の入力端子に、また入力端子71bは−極の入力端子に対応している。一対の出力端子についても同様である。
【0047】
また、第1ライン73から分岐ライン730が分岐し、電磁リレー75(リレー,受信部)の端子部730aが接続されている。さらに入力端子71a’は、電磁リレー75のコイル部75bを介して入力端子71bに接続されている。
【0048】
電磁リレー75は、上流側の端子部730aと下流側の端子部730bとの間で動作する可動部75aと、コイル部75bと、を備えている。可動部75aは、コイル部75bが非通電状態のときに、端子部730aと端子部730bとを接続せず、コイル部75bが通電状態のときに、端子部730aと端子部730bとを電気的に接続する。すなわち、電磁リレー75は、入力端子71a’から電気が流れることによりコイル部75bが通電状態となり、入力端子71aと、第1分岐ライン76及び第2分岐ライン77に接続される間仕切パネル2における上下の直動モータ27,27’及び上下のマイクロスイッチ25c,25c’と導通状態とされる。
【0049】
第1分岐ライン76及び第2分岐ライン77において、マイクロスイッチ25c,25c’(送信部)は、両方のマイクロスイッチ25c,25c’からの通電状態(移動完了状態信号)を確認した際に導通する論理装置78(通知制御部)を介して出力端子72a’に接続されている。
【0050】
また、マイクロスイッチ25c,25c’は、出力端子72a’側と直動モータ27,27’側とに回路を切り換え可能となっている。詳しくは、マイクロスイッチ25c,25c’は、間仕切パネル2’の上下の隙間が閉塞部材21,21’により閉塞されていない状態(例えば、電気回路70A,70B同士が電気的に接続された直後等)にあっては、直動モータ27,27’側に回路を接続させ、閉塞部材21,21’が閉塞完了状態となっているときにのみ出力端子72a’側に回路を接続させることができるようになっている。
【0051】
図6に示されるように、電気回路70Aにおいては、第1ライン73を介して入力端子71aから出力端子72aに電流が流れ得るようになっており、電気回路70Aに電気的に接続される電気回路70Bに電流が流れ、電気回路70Aと同様に第1ライン73を介して入力端子71aから出力端子72aに電流が流れ得るように構成されている。このとき、電気回路70Bにおいては、入力端子71a’から電気が流れていないためコイル部75bは非通電状態であり、電磁リレー75は、入力端子71aと、第1分岐ライン76及び第2分岐ライン77に接続される間仕切パネル2における上下の直動モータ27,27’及び上下のマイクロスイッチ25c,25c’との通電状態を非導通状態にしている。
【0052】
電気回路70Aにおいては、入力端子71a’からコイル部75bに電源6からの電流が流れて該コイル部75bが励磁され、可動部75aが、端子部730aと端子部730bとを接続し、入力端子71aと電磁リレー75の下流側とを通電可能状態とする。これにより、電源6の+極から流れる電気は、分岐ライン730と第1分岐ライン76及び第2分岐ライン77とを介して直動モータ27,27’に流れ、第2ライン74を介して電源6の−極に戻るようになっている。
【0053】
図7に示されるように、間仕切パネル2’の片側の閉塞部材のみが閉塞動作を完了した場合(例えば、
図6の状態から間仕切パネル2’の下側の閉塞部材21’が閉塞動作を完了し、間仕切パネル2’の上側の閉塞部材21が閉塞動作を継続中の場合)にあっては、第2分岐ライン77のマイクロスイッチ25c’が出力端子72a’側に接続される回路を形成するとともに、第1分岐ライン76のマイクロスイッチ25cは、引き続き直動モータ27側に接続される回路を形成する。したがって、電流は、第1分岐ライン76を介して直動モータ27に流れる。尚、このとき、論理装置78には、第2分岐ライン77のマイクロスイッチ25c’が電気的に接続されており、第1分岐ライン76のマイクロスイッチ25cは電気的に接続されていないため、該論理装置78は、出力端子72a’側に導通しておらず、出力端子72a’に対して電流が流れていない。
【0054】
図8に示されるように、間仕切パネル2’の上下の隙間が閉塞部材21,21’により閉塞された状態にあっては、第1分岐ライン76及び第2分岐ライン77においてマイクロスイッチ25c,25c’が共に出力端子72a’側に電気的に接続される。このとき、論理装置78には、第1分岐ライン76のマイクロスイッチ25c及び第2分岐ライン77のマイクロスイッチ25c’の両方が電気的に接続されるため、該論理装置78は、出力端子72a’側に導通することにより、入力端子71aと出力端子72a’とを通電可能状態とする。
【0055】
電気回路70Aにおいて、入力端子71aから出力端子72a’に電流が流れることにより、電気回路70Bにおいて、入力端子71a’から電気が流れるようになるため、コイル部75bは通電状態となり、電磁リレー75は、入力端子71aと、第1分岐ライン76及び第2分岐ライン77に接続される間仕切パネル2における上下の直動モータ27,27’及び上下のマイクロスイッチ25c,25c’との通電状態を導通状態にすることができる。
【0056】
次いで、間仕切パネル装置1の間仕切パネル2,2,…,2’による室内空間の閉塞工程について説明する。本実施例における間仕切パネル装置1は、先ず、間仕切パネル装置1を構成する全ての間仕切パネル2,2,…,2’をレール3に沿って移動規制端部5の方向に手動で順次移動させて一列に連接された状態にする(
図1及び
図2参照)。このとき、側部閉塞機構4の給電コネクタ72と最後尾の間仕切パネル2’の受電コネクタ71においては、ソケットコンタクト72c,72c,…とピンコンタクト71c,71c,…を介して接続部71g,71g…とが電気的に接続されておらず、間仕切パネル装置1を構成する全ての間仕切パネル2,2,…,2’において閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作が行われていない状態となっている(
図9(a)参照)。
【0057】
次に、側部閉塞機構4によって最後尾の間仕切パネル2’が移動規制端部5の方向に押圧されることにより(
図2参照)、最後尾の間仕切パネル2’の受電コネクタ71が側部閉塞機構4の給電コネクタ72の接続部分により押圧され、ソケットコンタクト72c,72c,…とピンコンタクト71c,71c,…とが電気的に接続された状態となり、側部閉塞機構4の電源6を有する電気回路70’と最後尾の間仕切パネル2’の電気回路70Aとが通電可能状態となる(
図5(c)参照)。尚、このとき、間仕切パネル装置1を構成する全ての間仕切パネル2,2,…,2’において隣接する間仕切パネル2,2’及び間仕切パネル2,2間で受電コネクタ71と給電コネクタ72とが押圧されてソケットコンタクト72c,72c,…とピンコンタクト71c,71c,…を介して接続部71g、71g…とが電気的に接続され、隣接する間仕切パネル2,2,…,2’全ての電気回路70A,70B,…が導通状態となっている。尚、導通状態とは、電磁リレー75が動作した場合に隣接する間仕切パネル2,2,…,2’の電気回路70A,70B,…同士が通電可能となることを意味する。
【0058】
次に、最後尾の間仕切パネル2’において電源6から供給される電力により上下の直動モータ27,27’がそれぞれ駆動して閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作が開始され、間仕切パネル2の上下の隙間が閉塞部材21,21’により閉塞される(
図4(c)参照)。このとき、上下の閉塞部材21,21’が閉塞完了状態となると、マイクロスイッチ25c,25c’により前述した電気回路70Aの切り替えが行われ(
図6〜
図8参照)、上下の直動モータ27,27’への電力の供給が遮断されることにより直動モータ27,27’の駆動が停止し、閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作が完了する。また、このとき、論理装置78によりマイクロスイッチ25c,25c’の両方が電気的に接続されていると判定されることにより、論理装置78が出力端子72a’側に導通して出力端子72a’に電気が流れ、隣接する間仕切パネル2,2’間の電気回路70A,70B間で電気が流れるようになり、給電コネクタ72及び受電コネクタ71を介して最後尾の間仕切パネル2’に隣接する間仕切パネル2に電源6からの電力が供給されるようになる。
【0059】
このように、リミットスイッチ25,25’による閉塞部材21,21’の閉塞完了状態の検知とマイクロスイッチ25c,25c’による電気回路70の切り替えが行われ、上下の直動モータ27,27’の駆動停止と、隣接する間仕切パネル2,2,…への電力の供給とが順次行われることにより、
図9(b)に示されるように、一列に連接された間仕切パネル2,2,…,2’に閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作を最後尾の間仕切パネル2’から先頭側に順次行わせて、間仕切パネル装置1を構成する全ての間仕切パネル2,2,…,2’を上下の閉塞部材21,21’により閉塞できるようになっている(
図9(c)参照)。尚、
図9(b)においては、最後尾の間仕切パネル2’及び最後尾から2番目の間仕切パネル2の閉塞動作が完了し、最後尾から3番目の間仕切パネル2の閉塞動作が行われている状態を示している。
【0060】
これによれば、レール3に沿って一列に連接された複数の間仕切パネル2,2,…,2’が側部閉塞機構4によって同時に押圧されることにより、間仕切パネル2,2,…同士の側部2a,2a’が上下左右に亘って精度良く位置決めされた状態で、側部閉塞機構4の電源6を有する電気回路70’と最後尾の間仕切パネル2’の電気回路70Aの間、及び隣接する間仕切パネル2,2,…,2’同士の電気回路70A,70B,…間において出力端子72a,72a’及び72bと入力端子71a,71a’及び71bとが電気的に接続されて電源6から電力が供給可能な電力供給回路7が形成され、間仕切パネル2,2,…,2’にそれぞれ設けられる上下の直動モータ27,27’を駆動させて閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作を順次行うことができ、間仕切パネル装置1による室内空間の遮蔽性を確実に高めることができる。
【0061】
また、隣接する間仕切パネル2,2,…の直動モータ27,27’に順次電力を供給することにより閉塞部材21,21’及び進退機構26,26’による閉塞動作を順次行うことができるため、1つの間仕切パネル2における閉塞動作に必要な電力の供給により全ての間仕切パネル2,2,…の閉塞動作を完了させることができ、電源6を小型化することができる。また、電源6の容量として、1つの電気回路70の直動モータ27,27’を駆動するものを準備すればよいため、設置される間仕切パネル2,2,…,2’の数を考慮する必要がない。
【0062】
また、間仕切パネル2は、閉塞部材21,21’の閉塞完了状態と連携して上述した電気回路70の切り替えを行うマイクロスイッチ25c,25c’を電気回路70に有していることにより、間仕切パネル2の数や連接される順序に関わらず、間仕切パネル装置1全体を管理する制御機構を設けることなく、簡単な回路構成により全ての間仕切パネル2,2,…の閉塞動作を実現することができる。
【0063】
また、電気回路70は、1つの回路に直動モータ27とマイクロスイッチ25cを複数組(本実施例においては、上下2組)備えており、複数のマイクロスイッチ25c,25c’,…と出力端子72a’との間に、マイクロスイッチ25c,25c’,…により切り替えられた入力信号の論理積を出力端子72a’に出力する論理装置78が設けられているため、間仕切パネル2の閉塞動作に必要な直動モータ27を複数有している場合であっても、当該間仕切パネル2における全ての閉塞動作が完了するまでは、隣接する間仕切パネル2に電力が供給されないため、電源6を小型化することができる。尚、1つの電気回路70に3以上の直動モータとマイクロスイッチを設ける場合には、論理装置は全てのマイクロスイッチの論理積をとるようにすればよい。
【0064】
また、入力端子71aと直動モータ27,27’及びマイクロスイッチ25c,25c’との電気的な接続は、リミットスイッチ25の検知結果に応じて動作する電磁リレー75により行われるため、リミットスイッチ25による閉塞完了検知までは、電磁リレー75が非導通状態とされるため、隣接する間仕切パネル2への電力の供給を確実に防ぐことができ、隣接する間仕切パネル2による電圧降下を抑えることができる。尚、本実施例において電気回路70の入力端子71aと直動モータ27,27’及びマイクロスイッチ25c,25c’との電気的な接続を行うためのリレーは、電磁リレー75に限らず、例えば、ソリッドステートリレーによって行われてもよい。
【0065】
また、入力端子71aと出力端子72aが直通の第1ライン73で接続され、同様に、入力端子71bと出力端子72bが直通の第2ライン74で接続されているため電気回路90における接触抵抗がなく、すなわち、受電コネクタ71及び給電コネクタ72の接続以外での接触抵抗がなくなり、複数の電気回路70,70,…が接続されても電圧降下が少ない。また、電源6から高い電圧をかけ、間仕切パネル2毎に図示しないDC/DCコンバータを設け、所定の電圧に変換させる構成とすることもでき、この構成では電圧降下があった場合においても、常に一定の電圧を直動モータに供給することができる。
【0066】
尚、閉塞状態信号は、電気信号である必要はなく、受信部、送信部、通知制御部を電気回路70の構成に含まず、それぞれ別体で設けるようにしてもよい。
【0067】
また、受電コネクタ71及び給電コネクタ72は、レール3に吊支される間仕切パネル2の上方に設けられているため、すなわち、相対的に不動であるレール3の近傍に設けられているため、受電コネクタ71及び給電コネクタ72の接触位置が前後にずれ難くなっている。また、受電コネクタ71及び給電コネクタ72を設ける位置は、レール3に近いほど間仕切パネル2,2’の上下前後のずれ量が少なくなり好ましく、例えば、間仕切パネル2,2’の高さ方向の半分よりも上方の位置、さらに好ましくは上方の直動モータ27に対応する高さ位置に設けるとよい。
【0068】
また、側部閉塞機構4は、それ自身が電動で動作されるものであるため電源6を自身ないし近傍に設ける必要があるとともに、側部閉塞機構4は、最後尾の間仕切パネル2’に隣接して設けられるため、側部閉塞機構4と最後尾の間仕切パネル2’との配置関係は、間仕切パネル2,2,…,2’の枚数に拘わらず、同様であることから、側部閉塞機構4に電源6が配設されることにより移動規制端部5側等に別途電源を設ける必要がないため、設置・施行性に優れる。
【実施例2】
【0069】
次に、実施例2に係る間仕切パネル装置につき、
図10から
図14を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。また、電気回路70と同一構成の部分については、同一符号を用いて説明する。
【0070】
各間仕切パネル2,2’に設けられる電気回路90の構造について
図10を用いて説明する。
図10に示されるように、電気回路90は、受電コネクタ71に設けられる一対の入力端子71a,71bと、給電コネクタ72に設けられる一対の出力端子72a,72bと、入力端子71aと出力端子72aとの間を接続する第1ライン91と、入力端子71bと出力端子72bとの間を接続する第2ライン92と、第1ライン91と第2ライン92とを接続する2つの第1分岐ライン93及び第2分岐ライン94と、から主に構成されている。
【0071】
第1ライン91には、第1分岐ライン93及び第2分岐ライン94よりも下流側の位置に電磁リレー75が設けられている。この電磁リレー75は、第1ライン91における該電磁リレー75よりも上流側の端子部91aと該電磁リレー75よりも下流側の端子部91bとの間で動作する可動部75aと、コイル部75bと、を備えている。可動部75aは、コイル部75bが非通電状態のときに、端子部91aと端子部91bとを接続せず、コイル部75bが通電状態のときに、端子部91aと端子部91bとを電気的に接続する。すなわち、電磁リレー75は、入力端子71aと出力端子72aとの通電状態を非導通から導通状態に切り換える。
【0072】
第1分岐ライン93及び第2分岐ライン94には、間仕切パネル2’における上下の直動モータ27,27’と、上下のマイクロスイッチ25c,25c’と、がそれぞれ電気的に直列接続されており、マイクロスイッチ25c,25c’は、直動モータ27,27’の受電コネクタ71側に接続されている。また、マイクロスイッチ25c,25c’は、両方のマイクロスイッチ25c,25c’からの通電状態を確認した際に導通する論理装置78を介してコイル部75bに接続されている。
【0073】
また、マイクロスイッチ25c,25c’は、コイル部75b側と直動モータ27,27’側とに回路を切り換え可能となっている。詳しくは、マイクロスイッチ25c,25c’は、閉塞部材21,21’が閉塞完了状態となっていないときには、直動モータ27,27’側に回路を接続させ、閉塞部材21,21’が閉塞完了状態となっているときにのみコイル部75b側に回路を接続させることができるようになっている。
【0074】
次いで、電力供給回路9において隣接する電気回路90,90(90A,90B)間の電気の流れについて
図11〜
図13を用いて説明する。
図11に示されるように、間仕切パネル2’の上下の隙間が閉塞部材21,21’により閉塞されていない状態にあっては、第1ライン91において電磁リレー75により入力端子71aと出力端子72aとが通電不能状態となっているとともに、第1分岐ライン93及び第2分岐ライン94においてマイクロスイッチ25c,25c’が直動モータ27(上側)及び直動モータ27’(下側)にそれぞれ接続される回路を形成している。したがって、電源6の+極から流れる電気は、第1分岐ライン93及び第2分岐ライン94を介して直動モータ27,27’に流れ、第2ライン92を介して電源6の−極に戻るようになっている。
【0075】
図12に示されるように、間仕切パネル2’の片側の閉塞部材のみが閉塞動作を完了した場合(例えば、
図11の状態から間仕切パネル2’の下側の閉塞部材21’が閉塞動作を完了し、間仕切パネル2’の上側の閉塞部材21が閉塞動作を継続中の場合)にあっては、第2分岐ライン94のマイクロスイッチ25c’がコイル部75b側に接続される回路を形成するとともに、第1分岐ライン93のマイクロスイッチ25cは、引き続き直動モータ27側に接続される回路を形成する。したがって、電流は、第1分岐ライン93を介して直動モータ27に流れる。尚、このとき、論理装置78には、第2分岐ライン94のマイクロスイッチ25c’が電気的に接続されており、第1分岐ライン93のマイクロスイッチ25cは電気的に接続されていないため、該論理装置78は、コイル部75b側に導通しておらず、コイル部75bに対して電流が流れていない。
【0076】
また、
図13に示されるように、間仕切パネル2’の上下の隙間が閉塞部材21,21’により閉塞された状態にあっては、第1分岐ライン93及び第2分岐ライン94においてマイクロスイッチ25c,25c’が共にコイル部75b側に電気的に接続される。このとき、論理装置78には、第1分岐ライン93のマイクロスイッチ25c及び第2分岐ライン94のマイクロスイッチ25c’の両方が電気的に接続されるため、該論理装置78は、コイル部75b側に導通してコイル部75bに電流が流れる。
【0077】
また、コイル部75bに電流が流れると、該コイル部75bが励磁され、可動部75aが、第1ライン91の端子部91aと端子部91bとを接続し、入力端子71aと出力端子72aとを通電可能状態とする。このように電磁リレー75により、電気回路90Aから電気回路90Bに電流が流れるようになる。尚、コイル部75bの他端は、第2ライン92を介して電源6の−極に接続されている。
【0078】
これによれば、出力端子72a,72bと入力端子71a,71bとの電気的な接続は、リミットスイッチ25の検知結果に応じて動作する電磁リレー75により行われるため、リミットスイッチ25による閉塞完了検知までは、電磁リレー75が非導通状態とされるため、隣接する間仕切パネル2への電力の供給を確実に防ぐことができ、隣接する間仕切パネル2による電圧降下を抑えることができる。
【0079】
次いで、前述した電気回路90の構成に基づいて本発明の電気回路の切り替え及び電気回路同士の電気的な接続を実施可能な電気回路90の変形例について
図14を用いて説明する。尚、ここでは、側部閉塞機構4の電源6を有する電気回路70’と電気的に接続される電気回路900との接続について例示する。また、電気回路900は、一組の直動モータ27及びマイクロスイッチ25cを備えているものとして説明し、電気回路90と同一構成の部分については、同一符号を用いて説明する。
【0080】
図14に示されるように、電気回路900は、一対の入力端子71a,71bと、一対の出力端子72a,72bと、入力端子71aとマイクロスイッチ25cとの間を接続する第1ライン80と、マイクロスイッチ25cと入力端子71bとの間を接続する第1分岐ライン81と、マイクロスイッチ25cと出力端子72bとの間を接続する第2分岐ライン82と、から主に構成されている。また、第1分岐ライン81には直動モータ27が接続されており、マイクロスイッチ25cは、直動モータ27の上流側に接続されている。
【0081】
マイクロスイッチ25cは、出力端子72b側と直動モータ27側とに回路を切り換え可能となっており、詳しくは、マイクロスイッチ25cは、通常時に直動モータ27側に回路を接続させ、閉塞部材21が閉塞完了状態となったときにのみ出力端子72a側に接続させることができるようになっている。
【0082】
これによれば、間仕切パネル2は、リミットスイッチ25による閉塞部材21の閉塞完了状態の検知と連携して上述した電気回路900の切り替えを行うマイクロスイッチ25cを電気回路900に有していることにより、間仕切パネル2の数や連接される順序に関わらず、間仕切パネル装置1全体を管理する制御機構を設けることなく、簡単な回路構成により全ての間仕切パネル2,2,…,2’の閉塞動作を実現することができる。
【0083】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0084】
尚、前記実施例において、間仕切パネル2,2,…,2’が閉塞動作を順次行う態様について説明したが、間仕切パネル2,2,…,2’が開放動作を順次行う態様とすることも可能であり、例えば、閉塞部材21,21’が格納部20c,20c’に完全に格納された状態(開放完了状態)を検知可能な開検知スイッチ(移動完了検知手段)を設け、開検知スイッチによる閉塞部材21,21’の開放完了状態の検知と連携して電気回路の切り替えを行うマイクロスイッチを電気回路に設けることにより、マイクロスイッチから送信される移動完了状態信号の受信に基づき間仕切パネル2,2,…,2’の直動モータ27,27’に順次電力を供給して間仕切パネル2,2,…,2’の上下の隙間を開放するように順次閉塞部材21,21’を移動させることができる。
【0085】
また、前記実施例において、間仕切パネル2,2,…,2’に電力を供給する電源6が最後尾の間仕切パネル2’が当接する側部閉塞機構4に設けられている態様として説明したが、これに限らず、電源6の位置や構成等は自由に構成されてよく、例えば、移動規制端部5側に電源が設けられるものであってもよく、この場合、移動規制端部5には、先頭の間仕切パネル2の側部2a’の上方に設けられる受電コネクタ71と対向する高さ位置に電源6が配設されており、該電源6から受電コネクタ71を介して間仕切パネル2に電力が供給されるようになっている。また、間仕切パネル装置1の端部を構成する間仕切パネル2自体が電源や充電器等の電力供給手段を有していてもよい。
【0086】
また、前記実施例において、電気回路には直流電流が流れる態様として説明したが、これに限らず、電気回路に流れる電流は交流電流であってもよい。
【0087】
また、前記実施例において、間仕切パネル2,2,…,2’は、閉塞部材21,21’が順次閉塞される態様として説明したが、これに限らず、各間仕切パネルには、閉塞部材21,21’の閉塞動作用の作動スイッチが設けられ、電気回路の接続等に不具合が生じた場合等には、個々に閉塞部材21,21’の閉塞を行えるようにしてもよい。
【0088】
また、前記実施例において、間仕切パネル2は、電源6から供給される電力により駆動する直動モータ27,27’の動作を受けて閉塞部材21,21’が閉塞動作を行う態様として説明したが、これに限らず、例えば、クランクハンドルを用いてウォームギアを連動させることにより電力が供給されない状態でも手動で閉塞部材21,21’の閉塞動作を行えるようにしてもよい。
【0089】
また、前記実施例においては、上下のリミットスイッチ25,25’にそれぞれ閉塞部材21,21’による閉塞が正常に行われなかった際に、これらの異常を検知して報知する報知手段を設けることにより、レール3の下面3aとの隙間や床面Fとの隙間への異物の挟まり等を把握することができる。
【0090】
また、前記実施例においては、隣接する間仕切パネル2,2の対向する側部2a,2a’に亘って凹凸嵌合する金属製のフレームや樹脂製の密閉部材等を設けることにより、遮音性や遮蔽性を高めるようにしてもよい。