特許第6703452号(P6703452)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703452
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】電気めっき方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 21/00 20060101AFI20200525BHJP
   C25D 21/12 20060101ALI20200525BHJP
   C25D 17/12 20060101ALI20200525BHJP
   C25D 17/00 20060101ALI20200525BHJP
   C25D 7/06 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   C25D21/00 D
   C25D21/12 N
   C25D17/12 A
   C25D17/00 K
   C25D21/00 J
   C25D7/06 E
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-143360(P2016-143360)
(22)【出願日】2016年7月21日
(65)【公開番号】特開2018-12862(P2018-12862A)
(43)【公開日】2018年1月25日
【審査請求日】2019年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】506365131
【氏名又は名称】DOWAメタルテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596078717
【氏名又は名称】DOWAメタル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107548
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 浩一
(72)【発明者】
【氏名】冨谷 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】成枝 宏人
(72)【発明者】
【氏名】山田 章
(72)【発明者】
【氏名】倉橋 峻
【審査官】 國方 康伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−081777(JP,A)
【文献】 実開昭60−089278(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25D 5/00− 9/12
C25D 13/00−21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の帯板状の被めっき材をその幅方向が略鉛直方向になるようにめっき槽内でその長手方向に沿って搬送しながら、めっき槽内のめっき液中において、アノードバッグ内のアノードとアノードバッグ外の被めっき材との間に電流を流して被めっき材をめっきする、電気めっき方法において、アノードバッグ内に吸引管を導入し、この吸引管の吸引口の最下端の高さがアノードの最下端より鉛直方向上方の高さであって且つアノードの最下端から70mm以下の高さになるように吸引口を配置し、被めっき材をめっきする際に、めっき液の液面の高さの最大低下量を1〜60mmに維持しながら吸引口からめっき液の一部を吸引した後に、めっき液の吸引を停止することを交互に繰り返すことにより、めっき液の一部を間欠的に吸引してめっき槽から排出することを特徴とする、電気めっき方法。
【請求項2】
前記アノードが、前記アノードバッグ内のアノードケースに収容された複数のアノードボールであることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき方法。
【請求項3】
前記アノードが、前記アノードバッグ内において前記鉛直方向に対して略垂直で且つ被めっき材に対向する面に略平行な方向に互いに離間して配置された2つのアノードケースの各々に収容された複数のアノードボールであることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっき方法。
【請求項4】
前記吸引管の吸引口が、前記2つのアノードケースの側面の間に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の電気めっき方法。
【請求項5】
前記めっき液の一部を間欠的に吸引する際の前記めっき液のそれぞれの吸引の時間が前記めっき液のそれぞれの吸引停止の時間よりも短いことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の電気めっき方法。
【請求項6】
前記めっき液のそれぞれの吸引の時間が10〜250秒間であり、前記めっき液のそれぞれの吸引停止の時間が300〜2000秒間であることを特徴とする、請求項5に記載の電気めっき方法。
【請求項7】
前記アノードが、被めっき材の少なくとも一方の面に対向するように配置されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の電気めっき方法。
【請求項8】
前記めっきがSnめっきであることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の電気めっき方法。
【請求項9】
前記吸引管の吸引口が、鉛直方向に対して略垂直な方向で且つ前記被めっき材に対向する面に略平行な方向における前記アノードバッグの略中央部に配置されていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の電気めっき方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気めっき方法に関し、特に、めっき槽内のめっき液中においてアノードバッグ内のアノードとアノードバッグ外の被めっき材との間に電流を流して被めっき材をめっきする、電気めっき方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、めっき槽内のめっき液中において可溶性のアノードと被めっき材との間に電流を流して被めっき材を電気めっきする方法では、電気めっきの際にアノードがめっき液に溶解するときに発生するスラッジ(またはスライム)が被めっき材に付着するのを防止するために、アノードをアノードバッグ内に収容し、被めっき材をアノードバッグ外に配置している。
【0003】
しかし、電気めっきを連続的に長時間行うと、アノードバッグ内にスラッジが沈殿して、アノードバッグの目詰まりが生じる。そのため、アノードの電気反応により生じる変質しためっき液をアノードバッグ内外で入れ替えることができなくなり、アノードバッグの底部のめっき液の電導度が低下して、アノードの下端部付近からの電流が減少するため、被めっき材の下側部分のめっき皮膜の厚さが低下する。
【0004】
このような問題を解決するために、めっき槽中のアノードバッグ内のスラッジ(またはスライム)を除去する方法として、めっき槽中のアノードを取り囲むアノードバッグの底部にスライム吸引口を設けて、めっき液とともにスライムを吸い出す方法(例えば、特許文献1参照)や、アノードケースから飛散および沈降したスラッジを吸い取る吸引部をアノードケースの左側および右側の少なくとも一方と、底部の外側または内側に設置する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−286299号公報(段落番号0004−0006)
【特許文献2】特許4445354号公報(段落番号0008)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1および2の方法では、アノードバッグの底部に堆積したスラッジをめっき液とともに吸引して、フィルタによりスラッジを除去しためっき液をアノードバッグ内に戻すように構成されているため、多量のスラッジが吸引されて、フィルタの寿命が短くなる。また、スラッジを吸引して除去するために大きな配管をアノードバッグの底部に設置する必要があり、めっき槽内に大きなスペースが必要になる。
【0007】
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、めっき槽内のめっき液中においてアノードバッグ内のアノードとアノードバッグ外の被めっき材との間に電流を流して被めっき材をめっきする、電気めっき方法において、アノードバッグの底部に堆積したスラッジを除去しなくても、アノードバッグ内のめっき液の電導度の低下を抑制して、被めっき材に形成されるめっき皮膜の厚さの変化を抑制することができる、電気めっき方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、長尺の帯板状の被めっき材をその幅方向が略鉛直方向になるようにめっき槽内でその長手方向に沿って搬送しながら、めっき槽内のめっき液中において、アノードバッグ内のアノードとアノードバッグ外の被めっき材との間に電流を流して被めっき材をめっきする、電気めっき方法において、アノードバッグ内に吸引管を導入し、この吸引管の吸引口の最下端の高さがアノードの最下端から鉛直方向上方に70mm以下の高さになるように吸引口を配置し、被めっき材をめっきする際に、めっき液の液面の高さの最大低下量を1〜60mmに維持しながら吸引口からめっき液の一部を吸引した後に、めっき液の吸引を停止することを交互に繰り返すことにより、めっき液の一部を間欠的に吸引してめっき槽から排出することによって、アノードバッグの底部に堆積したスラッジを除去しなくても、アノードバッグ内のめっき液の電導度の低下を抑制して、被めっき材に形成されるめっき皮膜の厚さの変化を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明による電気めっき方法は、長尺の帯板状の被めっき材をその幅方向が略鉛直方向になるようにめっき槽内でその長手方向に沿って搬送しながら、めっき槽内のめっき液中において、アノードバッグ内のアノードとアノードバッグ外の被めっき材との間に電流を流して被めっき材をめっきする、電気めっき方法において、アノードバッグ内に吸引管を導入し、この吸引管の吸引口の最下端の高さがアノードの最下端から鉛直方向上方に70mm以下の高さになるように吸引口を配置し、被めっき材をめっきする際に、めっき液の液面の高さの最大低下量を1〜60mmに維持しながら吸引口からめっき液の一部を吸引した後に、めっき液の吸引を停止することを交互に繰り返すことにより、めっき液の一部を間欠的に吸引してめっき槽から排出することを特徴とする。
【0010】
この電気めっき方法において、アノードが、アノードバッグ内のアノードケースに収容された複数のアノードボールであるのが好ましい。あるいは、アノードが、アノードバッグ内において鉛直方向に対して略垂直で且つ被めっき材に対向する面に略平行な方向に互いに離間して配置された2つのアノードケースの各々に収容された複数のアノードボールでもよい。この場合、吸引管の吸引口が、2つのアノードケースの側面の間に配置されているのが好ましい。また、めっき液の一部を間欠的に吸引する際のめっき液のそれぞれの吸引の時間がめっき液のそれぞれの吸引停止の時間よりも短いのが好ましい。この場合、めっき液のそれぞれの吸引の時間が10〜250秒間であり、前記めっき液のそれぞれの吸引停止の時間が300〜2000秒間であるのが好ましい。また、アノードが、被めっき材の少なくとも一方の面に対向するように配置されるのが好ましい。また、吸引管の吸引口が、鉛直方向に対して略垂直な方向で且つ被めっき材に対向する面に略平行な方向におけるアノードバッグの略中央部に配置されるのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、めっき槽内のめっき液中においてアノードバッグ内のアノードとアノードバッグ外の被めっき材との間に電流を流して被めっき材をめっきする、電気めっき方法において、アノードバッグの底部に堆積したスラッジを除去しなくても、アノードバッグ内のめっき液の電導度の低下を抑制して、被めっき材に形成されるめっき皮膜の厚さの変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による電気めっき方法の実施の形態に使用する電気めっき装置のめっき槽内のアノードとカソードとの位置関係を概略的に示す図である。
図2図1の電気めっき装置のアノードを概略的に示す図である。
図3A図1電気めっき装置のアノードと吸引管を概略的に示す平面図である。
図3B図1の電気めっき装置のアノードと吸引管を概略的に示す側面図である。
図4図1の電気めっき装置のアノードケースと吸引管との位置関係を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明による電気めっき方法の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1図4に示すように、本発明による電気めっき方法の実施の形態では、めっき槽10内のめっき液12中に複数(図示した実施の形態では4つ)のアノードバッグ14を浸漬し、各々のアノードバッグ14内に1つまたは複数(図示した実施の形態では2つ)のアノードケース16を収容し、各々のアノードケース16内に複数の可溶性のアノードボール18を収容し、各々のアノードバッグ14内に吸引管22を導入し、この吸引管22の1つまたは複数(図示した実施の形態では3つ)の吸引口22aを(アノードボール18を収容した)アノードケース16の側面(好ましくは、被めっき材20と対向しない側面)の下端部付近に対向して配置し、アノードバッグ14内のアノード(各々のアノードケース16内に収容された複数のアノードボール18)と、めっき槽10内のめっき液12中(のアノードバッグ14外)に導入するカソードとしての被めっき材20との間に電流を流して被めっき材20をめっきする際に、めっき槽10中のアノードバッグ12内のめっき液12の液面の高さの最大低下量を1〜60mm(好ましくは5〜55mm)に維持しながら吸引口22aからめっき液12の一部を吸引した後に、めっき液12の吸引を停止することを交互に繰り返すことにより、めっき液12の一部を間欠的に吸引してめっき槽10から排出する。
【0015】
被めっき材20は、長尺の帯板状の銅や銅合金などからなる圧延板であり、めっき槽10の長手方向に沿って且つその幅方向が略鉛直方向になるようにめっき槽10内で搬送されるようになっている。
【0016】
アノードバッグ14とアノードケース16は、それぞれめっき槽10の上方で略水平に延びる銅製のアノードバー26からチタン製の板材24を介して吊り下げられ、めっき槽10内の被めっき材20の両面から所定の間隔で離間してその少なくとも一方の面(図示した実施の形態では両面)に対向するように(被めっき材20と略平行に)配置されている。
【0017】
アノードバッグ14は、めっき液12が通過可能で且つ(電気めっきの際に生成されて沈降した)スラッジ28を通過させない材質からなり、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、サラン(登録商標)、テフロン(登録商標)などの織布バッグなどからなる。
【0018】
アノードケース16は、図4に示すように、内部に(長さ100〜2000mm程度、幅20〜100mm程度、高さ100〜600mm程度の)略直方体の空間を画定するチタン製バスケット(上面が開口し、側面がメッシュで、底面が板状の筐体)からなり、内部に複数のアノードボール18を収容し且つめっき液およびスラッジ28が通過できるようになっている。アノードボール18は、被めっき材20上に形成するめっき皮膜と同じ金属、例えば、Snめっきの場合はSn、Niめっきの場合はNiからなる略球状体である。なお、アノードケース16の底面には、電気めっきにより小さくなったアノードボール18を通過させず且つめっき液が通過可能な大きさの液抜き穴が形成されている。
【0019】
アノードケース16の側面に対向するように、鉛直方向に対して略垂直で且つ被めっき材20に対向する面に略平行な方向におけるアノードバッグ14の略中央部に(図示した実施の形態ではアノードバッグ14内に収容された2つのアノードケース16の対向する側面の間に)吸引管22の(1つまたは複数の)吸引口22aが配置され、吸引口22aの最下端の高さがアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に70mm以下(好ましくは60mm以下)の高さになるように配置されている。なお、吸引口22aの最上端の高さがアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に70mm以下の高さになるのが好ましい。
【0020】
アノードケース16の側面は、対向するアノードバッグ14の側面から所定の間隔(好ましくは5〜10mmの間隔)で離間し、アノードケース16の底面は、アノードバッグ14の底面から所定の間隔(好ましくは30mm以上、さらに好ましくは50mm程度の間隔)で離間している。このようにアノードケース16の底面がアノードバッグ14の底面から所定の間隔で離間していることにより、吸引管22の吸引口22aがアノードバッグ16により塞がれるのを防止することができるとともに、アノードバッグ14の底面にスラッジ28が堆積しても、そのスラッジ28とアノードケース14の間に間隙ができ、スラッジ28の吸引を抑制することができる。吸引管22の吸引口22aからのめっき液12の吸引は、めっき液12の吸引と吸引停止をそれぞれ一定時間で交互に繰り返すように間欠的に行われ、めっき液12の吸引時間(好ましくは10〜250秒間)がめっき液12の吸引停止時間(好ましくは300〜2000秒間)よりも短くなっている。なお、吸引管22により吸引した(アノードバッグ14内の)めっき液12は、(図示しない)フィルタを通してめっき液調整槽で成分調整され、めっき槽10内(のアノードバッグ14外)に戻されて、めっき液12の吸引停止時間内に、アノードバッグ14内に浸透して、アノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さが初期の高さに戻るようになっている。
【0021】
本発明による電気めっき方法の実施の形態では、めっき槽10内のめっき液12中のアノードバッグ14内に導入した吸引管22の吸引口22aの最下端の高さがアノード(アノードケース16内に収容されたアノードボール18)の最下端から鉛直方向上方に70mm以下(好ましくは60mm以下)の高さになるように、吸引管22の吸引口22aを複数のアノードの隣接する2つのアノードの側面の間に配置するとともに、被めっき材20をめっきする際に、めっき槽10中のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量を1〜60mmに維持しながら吸引口22aからめっき液12の一部を吸引してめっき槽10から排出しているので、アノードバッグ14の底部に堆積したスラッジ28の吸引を抑制して、アノードの下端部付近のめっき液12を効果的に吸引することができるため、アノードバッグ14外のめっき液12をアノードバッグ14内に供給して、アノードの電気反応により生じる変質しためっき液12をアノードバッグ14内外で入れ替えることができ、アノードバッグ14の底部のめっき液12の電導度の低下を抑制(アノードバッグ14内のめっき液12の深さ方向の電導度差を低減)し、アノードの下端部付近からの電流の減少を抑制し、被めっき材20の下側部分のめっき皮膜の厚さの低下を抑制して、めっき槽10の鉛直方向におけるめっき皮膜の厚さの変化を抑制することができるとともに、スラッジを吸引して除去するための大きな配管をアノードバッグの底部に設置する必要がなく、多量のスラッジの吸引を防止してフィルタの寿命が短くなるのを防止することができる。
【0022】
なお、本発明による電気めっき方法の実施の形態は、スラッジの発生量が多いSnめっきに適用するのが好ましい。
【実施例】
【0023】
以下、本発明による電気めっき方法の実施例について詳細に説明する。
【0024】
[実施例1]
図1〜4に示す電気めっき装置において、硫酸第一錫(SnSO)70g/Lと硫酸(HSO)75g/Lと(レベリング剤として)クレゾールスルホン酸30g/Lと(界面活性剤として)ポリオキシエチレンアルキルアミン2mL/Lとを含有する水溶液からなるSnめっき液を約300Lの容量のめっき槽10に入れ、アノードケース16の長手方向の長さを500mm、幅を60mm、高さを400mmとし、アノードケース16の底面とアノードバッグ14の底面との間隔を50mm程度とし、アノードボール18として直径50mmのSnボールを使用し、リール・ツー・リール方式で幅250mm、厚さ0.25mmの長尺の帯板状のCuからなる圧延板を被めっき材20として搬送しながら、電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。
【0025】
なお、各々のアノードバッグ14内の2つのアノードケース16の対向する側面の間(アノードバッグ14内の長手方向中央部)に吸引管22の3つの吸引口22aを配置し、吸引口22aの最下端(吸引管22の先端の吸引口22a)をアノードケース16内のアノードボール18の最下端(から鉛直方向上方に0mmの高さ)に配置するとともに、吸引口22aの最上端(吸引管22の先端付近の側面部の吸引口22aの最上端)をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に20mmの高さに配置(直径10mmの吸引口22aを吸引管22の先端から鉛直方向上方に10mm離間して配置)して、電気めっきの際に、めっき液12の吸引時間を120秒、吸引停止時間を840秒として、めっき液12を吸引流量5L/分で間欠的に吸引した。この吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は20mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0026】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、アノードバッグ14外の上澄み(約100mL)を採取して電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12(約100mL)を採取して電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は211mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ28mS/cm、30mS/cmおよび38mS/cmであった。なお、電導度は、電導度計(メトラー・トレド株式会社製のSeven2Go)を使用し、サンプル中にセンサを設置して、電磁誘導法により測定時間数十秒で測定した。
【0027】
また、被めっき材20の両面のそれぞれのSnめっき皮膜(の幅方向端部から10mmの周縁部を除いた部分)の厚さを幅方向に5mm間隔の位置で測定して、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差(それぞれの面のSnめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差の大きい方の値)を求めたところ、0.2μmであり、厚さの差が小さかった。なお、Snめっき皮膜の厚さは、蛍光X線膜厚計(SSIナノサイエンス株式会社製のSFT3300S)を使用し、励起法により直径0.5mmの範囲を15秒間で測定した。
【0028】
[実施例2]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引時間を60秒、吸引停止時間を420秒とし、めっき液12の吸引流量を4L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は20mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0029】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は220mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ35mS/cm、30mS/cmおよび28mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.2μmであり、厚さの差が小さかった。
【0030】
[実施例3]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を2L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は10mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0031】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は216mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ82mS/cm、40mS/cmおよび77mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.3μmであり、厚さの差が小さかった。
【0032】
[実施例4]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を10L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は50mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0033】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は217mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ19mS/cm、10mS/cmおよび22mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.2μmであり、厚さの差が小さかった。
【0034】
[実施例5]
吸引管22の吸引口22aの最下端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に50mmの高さに配置(吸引口22aの最上端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に70mmの高さに配置)した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は20mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0035】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は230mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ73mS/cm、43mS/cmおよび65mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.3μmであり、厚さの差が小さかった。
【0036】
[実施例6]
吸引管22の吸引口22aの最下端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に20mmの高さに配置(吸引口22aの最上端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に40mmの高さに配置)し、電気めっきの際に、めっき液12の吸引時間を45秒、吸引停止時間を315秒として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は10mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0037】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は224mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ40mS/cm、37mS/cmおよび40mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.3μmであり、厚さの差が小さかった。
【0038】
[比較例1]
めっき液12の吸引を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。
【0039】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は217mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ133mS/cm、135mS/cmおよび128mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.7μmであり、厚さの差が大きかった。
【0040】
[比較例2]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を0.5L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は0mmであった。
【0041】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は220mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ128mS/cm、115mS/cmおよび122mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。
【0042】
[比較例3]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を15L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が70mmと大きかった。
【0043】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は219mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ13mS/cm、12mS/cmおよび15mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。なお、本比較例では、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が80mmと大きかったため、被めっき材20の上側に流れる電流が小さくなって、被めっき材20の上側のSnめっき皮膜が薄くなり、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差が大きくなったと考えられる。
【0044】
[比較例4]
吸引管22の吸引口22aの最下端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に100mmの高さに配置(吸引口22aの最上端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に120mmの高さに配置)し、電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を10L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は50mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0045】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は226mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ121mS/cm、60mS/cmおよび108mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。
【0046】
[比較例5]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を10L/分として連続的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面にSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引によりアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が100mmと大きくなり過ぎたため、電気めっきを中止した。なお、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は228mS/cmであった。
【0047】
[比較例6]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を2L/分として連続的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面にSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引によりアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が100mmと大きくなり過ぎたため、電気めっきを中止した。なお、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は243mS/cmであった。
【0048】
[比較例7]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を0.5L/分として連続的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は0mmであった。
【0049】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は238mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ126mS/cm、90mS/cmおよび124mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。
【0050】
これらの実施例および比較例の条件および結果を表1および表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【符号の説明】
【0053】
10 めっき槽
12 めっき液
14 アノードバッグ
16 アノードケース
18 アノードボール
20 被めっき材
22 吸引管
22a 吸引口
24 板材
26 アノードバー
28 スラッジ
図1
図2
図3A
図3B
図4