【実施例】
【0023】
以下、本発明による電気めっき方法の実施例について詳細に説明する。
【0024】
[実施例1]
図1〜4に示す電気めっき装置において、硫酸第一錫(SnSO
4)70g/Lと硫酸(H
2SO
4)75g/Lと(レベリング剤として)クレゾールスルホン酸30g/Lと(界面活性剤として)ポリオキシエチレンアルキルアミン2mL/Lとを含有する水溶液からなるSnめっき液を約300Lの容量のめっき槽10に入れ、アノードケース16の長手方向の長さを500mm、幅を60mm、高さを400mmとし、アノードケース16の底面とアノードバッグ14の底面との間隔を50mm程度とし、アノードボール18として直径50mmのSnボールを使用し、リール・ツー・リール方式で幅250mm、厚さ0.25mmの長尺の帯板状のCuからなる圧延板を被めっき材20として搬送しながら、電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。
【0025】
なお、各々のアノードバッグ14内の2つのアノードケース16の対向する側面の間(アノードバッグ14内の長手方向中央部)に吸引管22の3つの吸引口22aを配置し、吸引口22aの最下端(吸引管22の先端の吸引口22a)をアノードケース16内のアノードボール18の最下端(から鉛直方向上方に0mmの高さ)に配置するとともに、吸引口22aの最上端(吸引管22の先端付近の側面部の吸引口22aの最上端)をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に20mmの高さに配置(直径10mmの吸引口22aを吸引管22の先端から鉛直方向上方に10mm離間して配置)して、電気めっきの際に、めっき液12の吸引時間を120秒、吸引停止時間を840秒として、めっき液12を吸引流量5L/分で間欠的に吸引した。この吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は20mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0026】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、アノードバッグ14外の上澄み(約100mL)を採取して電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12(約100mL)を採取して電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は211mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ28mS/cm、30mS/cmおよび38mS/cmであった。なお、電導度は、電導度計(メトラー・トレド株式会社製のSeven2Go)を使用し、サンプル中にセンサを設置して、電磁誘導法により測定時間数十秒で測定した。
【0027】
また、被めっき材20の両面のそれぞれのSnめっき皮膜(の幅方向端部から10mmの周縁部を除いた部分)の厚さを幅方向に5mm間隔の位置で測定して、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差(それぞれの面のSnめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差の大きい方の値)を求めたところ、0.2μmであり、厚さの差が小さかった。なお、Snめっき皮膜の厚さは、蛍光X線膜厚計(SSIナノサイエンス株式会社製のSFT3300S)を使用し、励起法により直径0.5mmの範囲を15秒間で測定した。
【0028】
[実施例2]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引時間を60秒、吸引停止時間を420秒とし、めっき液12の吸引流量を4L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は20mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0029】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は220mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ35mS/cm、30mS/cmおよび28mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.2μmであり、厚さの差が小さかった。
【0030】
[実施例3]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を2L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は10mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0031】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は216mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ82mS/cm、40mS/cmおよび77mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.3μmであり、厚さの差が小さかった。
【0032】
[実施例4]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を10L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は50mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0033】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は217mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ19mS/cm、10mS/cmおよび22mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.2μmであり、厚さの差が小さかった。
【0034】
[実施例5]
吸引管22の吸引口22aの最下端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に50mmの高さに配置(吸引口22aの最上端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に70mmの高さに配置)した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は20mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0035】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は230mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ73mS/cm、43mS/cmおよび65mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.3μmであり、厚さの差が小さかった。
【0036】
[実施例6]
吸引管22の吸引口22aの最下端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に20mmの高さに配置(吸引口22aの最上端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に40mmの高さに配置)し、電気めっきの際に、めっき液12の吸引時間を45秒、吸引停止時間を315秒として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は10mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0037】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は224mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ40mS/cm、37mS/cmおよび40mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.3μmであり、厚さの差が小さかった。
【0038】
[比較例1]
めっき液12の吸引を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。
【0039】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は217mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ133mS/cm、135mS/cmおよび128mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.7μmであり、厚さの差が大きかった。
【0040】
[比較例2]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を0.5L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は0mmであった。
【0041】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は220mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ128mS/cm、115mS/cmおよび122mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。
【0042】
[比較例3]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を15L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が70mmと大きかった。
【0043】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は219mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ13mS/cm、12mS/cmおよび15mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。なお、本比較例では、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が80mmと大きかったため、被めっき材20の上側に流れる電流が小さくなって、被めっき材20の上側のSnめっき皮膜が薄くなり、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差が大きくなったと考えられる。
【0044】
[比較例4]
吸引管22の吸引口22aの最下端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に100mmの高さに配置(吸引口22aの最上端をアノードケース16内のアノードボール18の最下端から鉛直方向上方に120mmの高さに配置)し、電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を10L/分として間欠的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は50mmであった。なお、この吸引後の吸引停止時間内にアノードバッグ14外のめっき液12がアノードバッグ14内に浸透してアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さは初期の高さに戻った。
【0045】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は226mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ121mS/cm、60mS/cmおよび108mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。
【0046】
[比較例5]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を10L/分として連続的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面にSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引によりアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が100mmと大きくなり過ぎたため、電気めっきを中止した。なお、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は228mS/cmであった。
【0047】
[比較例6]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を2L/分として連続的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面にSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引によりアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量が100mmと大きくなり過ぎたため、電気めっきを中止した。なお、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は243mS/cmであった。
【0048】
[比較例7]
電気めっきの際に、めっき液12の吸引流量を0.5L/分として連続的に吸引した以外は、実施例1と同様の方法により電気めっきを行って、被めっき材20の両面に厚さ1.0μmのSnめっき皮膜を形成した。なお、めっき液12の吸引時のアノードバッグ14内のめっき液12の液面の高さの最大低下量は0mmであった。
【0049】
このようにして電気めっきを行って、2週間経過後に、実施例1と同様の方法により、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度を測定するとともに、アノードバッグ14内の被めっき材20の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置(アノードケース16の底部付近)のめっき液12の電導度を測定したところ、アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度は238mS/cmであり、アノードバッグ内14の被めっき材の導入側、中央部および排出側の液面から鉛直方向下方に300mmの位置のめっき液12の電導度の(アノードバッグ14外のめっき液12の上澄み液の電導度に対する)低下量は、それぞれ126mS/cm、90mS/cmおよび124mS/cmであった。また、実施例1と同様の方法により、Snめっき皮膜の幅方向の厚さの最大値と最小値の差を求めたところ、0.6μmであり、厚さの差が大きかった。
【0050】
これらの実施例および比較例の条件および結果を表1および表2に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】