特許第6703489号(P6703489)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6703489ねじり荷重が加えられる棒形状の構成要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703489
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】ねじり荷重が加えられる棒形状の構成要素
(51)【国際特許分類】
   F16F 1/366 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   F16F1/366
【請求項の数】13
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-562832(P2016-562832)
(86)(22)【出願日】2015年4月13日
(65)【公表番号】特表2017-514077(P2017-514077A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2015057979
(87)【国際公開番号】WO2015158661
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年2月16日
(31)【優先権主張番号】102014207151.8
(32)【優先日】2014年4月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501186597
【氏名又は名称】ティッセンクルップ アクチェンゲゼルシャフト
(73)【特許権者】
【識別番号】516306197
【氏名又は名称】ティッセンクルップ フェダーン ウント スタビリサトーレン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ハッフェンバック,ヴェルナー
(72)【発明者】
【氏名】キーレ,ヨルン
(72)【発明者】
【氏名】レッペル,マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー,イェンス
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0084181(US,A1)
【文献】 特開昭57−011742(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/014481(WO,A1)
【文献】 特開平07−042778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C41/00−41/36
41/46−41/52
70/00−70/88
F16F1/00−6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリックス材料が含浸された繊維強化材の多数の層を備え、該層のそれぞれが、引張荷重繊維のみまたは圧縮荷重繊維のみを備える、繊維複合材料のばね線を備えるねじりばねにおいて、引張荷重層群および圧縮荷重層群が存在し、少なくとも2つの群の群剛性が異なり、前記引張荷重層群および前記圧縮荷重層群のそれぞれにおいて、前記ばね線の内側に位置する層の層壁厚が前記ばね線の外側に位置する層の層壁厚よりも厚いことを特徴とするねじりばね。
【請求項2】
同じ荷重方向の群の前記群剛性が異なることを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項3】
異なる荷重方向の群の前記群剛性が異なることを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項4】
前記群剛性が、異なる繊維材料の使用に起因して異なることを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項5】
前記群剛性が、繊維材料としての混合繊維の使用に起因して異なることを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項6】
前記群剛性が、異なる層における異なる繊維角度の使用に起因して異なることを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項7】
前記群剛性が、集合の少なくとも2つの群間において、前記ばね線の内側から外側にかけて低下することを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項8】
前記ばね線の内側から外側にかけて低下する群剛性を有する前記引張荷重層群および前記圧縮荷重層群の質量が、芯質量を無視した前記ばね線の質量の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、および特に好ましくは少なくとも95%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のねじりばね。
【請求項9】
前記ばね線の内側から外側にかけて低下する群剛性を有する前記引張荷重層群および前記圧縮荷重層群の質量が、芯質量を無視した前記ばね線の質量の最大で50%、好ましくは最大で40%、および特に好ましくは最大で25%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のねじりばね。
【請求項10】
前記ばね線が、ベース繊維タイプの混合物を有する非耐荷重性として分類される層をさらに備え、
前記ベース繊維タイプの混合物を有する前記非耐荷重性として分類される層に関して、前記ベース繊維タイプのそれぞれが、少なくとも10%の割合(質量に関係する)で混合繊維層内にあることを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項11】
前記ばね線が、非耐荷重性として分類される層をさらに備え、
前記非耐荷重性として分類される層の質量が、芯質量を無視した前記ばね線の質量の最大で25%、好ましくは15%、および特に好ましくは5%であることを特徴とする、請求項3に記載のねじりばね。
【請求項12】
前記ばね線が、円形断面、楕円形断面、または多角形断面を有することを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【請求項13】
前記ばね線が、
a.中空の、または
b.前記ばね線の軸方向に一方向繊維を有する繊維強化材料からなる、または
c.繊維強化材を有さない材料からなる
芯を備えることを特徴とする、請求項1に記載のねじりばね。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、すべての材料層の耐荷力の改善された利用を保証するねじりばね(特に、繊維強化プラスチックの棒ばねまたは巻きばねとしての)およびこのようなばねを設計するための方法である。
【背景技術】
【0002】
ばねは、しばしば自動車両のシャーシに使用される。この結果、ばねは、軽量構造への努力において求められる要求(まず最初の考慮事項として、ばねのないこれらの質量体において傾注される)を同じように受ける。これに関連して、繊維複合材料(FCM:fiber composite material)の使用が、既に何度も提案されている。これは、特に、炭素繊維強化プラスチック(CRP:carbon fiber reinforced plastic)またはガラス繊維強化プラスチック(GRP:glass fiber reinforced plastic)のねじりばねに当てはまる。ここで特に問題となるのは、これらの構成要素を、関わりのある荷重に適するように生産する一方で、低コストで生産することである。
【0003】
さらなる困難は、繊維が、いずれの場合も引張力または圧縮力しか伝達し得ず、この結果、ばね線の巨視的せん断応力を、引張成分および圧縮成分(応力に関するモールの理論によれば、応力の主軸に関して、棒軸に対して+−45°)に分けなければならないことである。
【0004】
今日知られているFCMばねは、棒軸に対して+/−45°の角度をなす繊維の巻線によって可能な限り好都合に材料内の引張力および圧縮力の分布に対応することを目的としている。
【0005】
また、+45°のみの引張繊維巻線が知られており、この場合、せん断応力成分は、マトリックス材料または芯内の圧縮応力によって負担される。
【0006】
適切なばねの構造設計における目的は、ばね材料全体が荷重に関して均一に利用されるように使用されることである。したがって、材料内に特定の脆弱な箇所があってはならないこと、それどころか、材料全体が、均一な最大荷重下でその荷重限界に達すべきであることが目指される。これは、材料の可能な最良の利用に相当し、したがって、軽量構造の達成可能な最良の程度に相当する。
【0007】
欧州特許第0637700号明細書は、ばね構造であって、棒軸の周囲に+−30°〜+−60°の角度で巻かれる炭素繊維が使用されるばね構造について記載している。特徴的な構成は、使用される引張繊維の数が圧縮繊維の数と異なることである。特に、圧縮繊維の数が、引張繊維に比べて増加される。これの目的は、繊維のより均一な荷重であり、これにより、使用される材料のより良い特有の利用がもたらされる。材料は、引張方向の繊維および圧縮方向の繊維が異なる量比(または、異なる層厚さ)で使用されることの結果としてより良く利用されるが、ばね線の直径への材料利用の依存性が解消されない。
【0008】
米国特許第5603490号明細書は、引張方向の繊維のみを使用し、圧縮荷重繊維を使用しないことを提案している。繊維は、引張荷重のみが加えられるように巻かれなければならない。中空形状の断面を有するばねの場合、これは、せん断応力に起因して直ちに不具合をもたらす。このため、応力を吸収する圧縮安定性のある芯がこの場合必要とされる。しかしながら、芯内の静水圧応力の一定の状態および巻かれた繊維外被内のせん断応力の状態は、プラスチックマトリックス(エポキシ)の不都合なクリープをもたらす。したがって、この解決策は、例えば車両構造の用途(車両の重量に起因する連続荷重)には使用され得ない。繊維の一方向のみの使用により、繊維の、引張荷重への潜在力が最適に使用されることになるが、この場合、せん断応力の大部分は、圧縮繊維による支持の欠如に起因してプラスチックマトリックスを介して伝達されなければならず、これにより、強いクリープ効果が、連続荷重下で発生することとなる。
【0009】
国際公開第2014/014481号パンフレットは、繊維構造であって、層および芯内の繊維の数が共通の基本数の倍数である繊維構造を提案している。また、ばねにおける多数の異なる材料(例えば、ガラス、炭素、または混合物)の使用が開示されている。加えて、棒軸に対する、繊維プライの個々の繊維の角度が交互してもよい(特に、正の角度と負角度との間で)ことが開示されている。ばねの芯は、一方向繊維からなってもよいが、中実の芯または中空の芯も開示されている。形状記憶を有する材料の芯も提案されている。ばね材料が混合材料から構成されてもよいことに言及してはいるが、指示が与えられておらず、この結果、混合タイプの構造の手順および効果が不明瞭なままである。繊維は、共通の基準基本数の整数倍の数で層状に配置されるべきであるが、同じように、効果が不明瞭なままである。この配置は、繊維が整数倍の数でしか層内に存在せず、その結果、最適な層厚さの適合が行われないという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第0637700号明細書
【特許文献2】米国特許第5603490号明細書
【特許文献3】国際公開第2014/014481号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来技術の上記のタイプのばね構造は、使用される材料を効果的に利用しないため、最適な程度の軽量構造を達成しない。
【0012】
したがって、目的は、ねじり荷重が加えられるばね線内の繊維の配置であって、ばね線の断面領域のすべてにおける繊維のすべてが、可能な最高の、質量に関係するエネルギー蓄積密度を達成するために、荷重に関して可能な限り効果的にまたは均一に利用される、ねじり荷重が加えられるばね線内の繊維の配置を生み出すことである。特に、本発明の目的は、このようなばねを設計するための方法を提案することである。巻きばねにおいて、ばね線(ばね棒ともいう)は、螺旋状に巻かれる。ばね(具体的には、巻きばね)は、ばね軸を有し、ばね軸の周囲に、ばね線は、螺旋状に導かれる。ばね線の断面は、好ましくは環状であるが、楕円形もしくは多角形または何らかの他の断面であってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、目的は、請求項1に記載のばね構造によって達成される。本発明に係るばねを設計するための好適な方法は、請求項16に開示されている。好適な実施形態は、従属請求項に開示されている。
【0014】
特に、この目的は、以下の3つの部分的な目的を達成することによって達成される。
・ばね線の内側層は、幾何学的条件からそれらがほとんど伸ばされない場合であっても、荷重に関して同じように耐荷重性である(すなわち、高度に利用される)べきである。
・引張プライおよび圧縮プライは、荷重に関して均一に利用されるべきである。
・繊維プライ間で、マトリックスは、マトリックスのクリープ、したがって、全体としてのばねのクリープを防止するために、可能な最小のせん断力または可能な最低の応力を伝達するべきである。
【0015】
ねじり荷重が加えられる棒形状の構成要素の領域(例えば、ばね板またはばね拘束に適合された領域など)は、荷重導入要素を有さないばね支持構造を備えるに過ぎない。
【0016】
以下の所定の意味を有する以下の用語が、以下で使用される。
【0017】
−引張方向:符号+
【0018】
−圧縮方向:符号−
【0019】
−棒軸:−ばね線軸もしくはばね棒軸または単に棒軸と呼ばれる、ばね線の長手方向範囲に沿った、ばね線の中心の軸。
【0020】
−繊維角度α:−繊維角度は、棒軸に対する繊維配向の角度差を示す。
【0021】
−プライL:−プライは、多数の層の組み合わせであってもよい(例えば、多軸不織布、螺旋巻線、および編布を備えるプライは、一般に、異なる繊維配向を有する2つの層(いずれの場合も、+層および−層(例えば、+−45°の))を含む)。プライの層は、通常、互いに接続される(例えば、圧着されるか、または編まれるか、または縫われるか、または材料接着剤によって固定される)。
−一方、UD(一方向)不織布を備えるプライは、一般に、整列した繊維の配向において1つの層しか含まない。
−しかしながら、多数のプライが、層を形成してもよい(同じ角度配向を有する多数の互いに隣接するUDプライは、UD層を形成する)。
−プライは、一般に、無機強化繊維(例えば、玄武岩繊維、ガラス繊維)、金属強化繊維(例えば、鋼繊維)、有機強化繊維(例えば、炭素繊維、アラミド繊維)、または天然繊維(例えば、麻繊維)からなる。
−プライは、指定プライ壁厚LWを有する。
−プライはまた、強化繊維を有さない均質プラスチックプライであってもよく、これは、非耐荷重性として分類される(例えば、配置における外側の端)。
−プライはまた、繊維が優先方向なしに配置される短または長繊維強化プラスチックプライであってもよく、これは、非耐荷重性として分類される。
−プライはまた、金属材料プライからなってもよい(例えば、金属シートの端にあるプライ)。
−プライ番号iは、内側から外側にかけて大きくなる。
【0022】
−層S:連続/織物繊維強化層の場合、層Sの繊維のすべては、均一な角度配向αを有する。
−しかしながら、層内には、互いに平行なまたは互いに混合された異なる材料Mの繊維が存在してもよい。
−層はまた、強化繊維を有さない均質プラスチックプライ、短もしくは長繊維強化プラスチックプライを有するプライ、または金属プライなどであってもよい。
−層番号jは、内側から外側にかけて大きくなる。
−20°〜70°(引張方向+において)または−20°〜−70°(圧縮方向−において)(好ましくは、30°〜60°(引張方向+において)または−30°〜−60°(圧縮方向−において))の範囲の繊維角度を有する層は、耐荷重層と呼ばれる。
−耐荷重層は、繊維の方向において引張(符号+)応力または圧縮(符号−)応力のどちらかを主に吸収する働きをする。
−20°〜70°(引張方向+において)または−20°〜−70°(圧縮方向−において)の角度範囲外の角度を有するすべての層は、非耐荷重性として分類される。
【0023】
−断面積ASj:−各層は、指定断面積ASjを有する。
−断面に対して垂直なのが、棒軸である。
−例えば、環状断面の場合、断面積の計算は、円環の領域面積に関する式を使用することによって実行される。
【0024】
−層軸:−各層は、棒軸に対して繊維角度αをなして延び、かつ棒軸に沿って螺旋状に層が前進すると共に回転する軸を有する。
【0025】
−層直径D:−対応する層の内径および外径の算術的に平均化された直径。
−圧着されたプライ(例えば、編布)のように2つの層が得られる場合、両方の層は、同じ層直径を有する。
【0026】
−層剛性ESj:層剛性ESjは、棒軸に対して+/−45°の配向に変換された、各層の繊維およびマトリックスの構成要素のすべての単一または混合されたモジュール(古典積層理論(例えば、Puck、Tsai、Niederstadt、Geier)の混合則による)に対応する。
−絶対値のみが使用される。
−層剛性ESjに関する計算式:
【数1】
Sj−層剛性、E−材料Mの繊維に関して長手方向の剛性、E−材料Mの繊維の方向に対して横方向の剛性、G12−材料Mの剛性率、ν12−材料Mの大きなポアソン比、ν21−材料Mの小さなポアソン比。
【0027】
−群G:−重なり合った、1つの荷重方向(引張配列または圧縮配列)の1つ以上の耐荷重層は、それぞれ群Gを形成する。
−群形成は、使用される材料またはプライの関連性とは無関係である。
−非耐荷重性として分類された層またはプライは、重なり合いの状態の評価において考慮に入れられず、したがって、物理的に接触してない層であっても、重なり合うと見なされ得る。
−群のカウントは、内側から開始される。
【0028】
−群軸:引張配列または圧縮配列に応じて、各群は、棒軸に対して+45°(引張)または−45°(圧縮)をなして延び、かつ棒軸に沿って螺旋状に層が前進すると共に回転する群軸を有する。
【0029】
−群剛性EGk:群剛性EGkは、各群の繊維およびマトリックスの構成要素のすべての、群軸の方向に変換され、かつ面積加重された単一または混合されたモジュール(古典積層理論(例えば、Puck、Tsai、Niederstadt、Geier)の混合則による)に対応する。
−絶対値のみが使用される。
−群剛性EGkに関する計算式:
【数2】
Gk−群kの群剛性、ESj−層jの層剛性、ASj−層jの断面積
【0030】
−群引張剛性FGk:−群剛性と群の指定断面積との積
−群引張剛性FGkに関する計算式:
【数3】
Gk−群kの群引張剛性、EGk−群kの群剛性、ASj−層jの断面積。
【0031】
−対P:−重なり合った2つの群は、それぞれ対を形成する(群形成は、必ず、対が群軸+45°および−45°を有する2つの群から常になるという効果がある)。
−非耐荷重性として分類された層またはプライは、重なり合いの状態の評価において考慮に入れられず、したがって、物理的に接触してない群であっても、重なり合うと見なされ得る。
−対形成は、最も内側の群から開始され、外側に向けて連続して続けられる。
−既にうまく対が割り当てられた群は、これに重なる別の群と対を形成し得ない。
【0032】
−群比率GV:−対を成す群には、以下のような群比率、すなわち、群軸−45°を有する群の群引張剛性によって割られた、群軸+45°を有する群の群引張剛性(この場合、群引張剛性は、群剛性の絶対値しか計算に含まれないため符号を有さない。)が割り当てられる。
【0033】
−対比率PV:−重なり合った2つの対には、以下のような対比率、すなわち、内側の対の剛性を、これに重なる対の剛性によって割ったものが割り当てられる。
【0034】
圧縮集合:−圧縮方向の群のすべては、圧縮集合を形成する。
−集合内の群は、内側から外側にかけて分類される。
【0035】
引張集合:−引張方向の群のすべては、引張集合を形成する。
−群は、内側から外側にかけて分類される。
【0036】
混合繊維 異なる材料のフィラメントから構成されるロービングまたは繊維束。
【0037】
設計方法およびばね線の繊維配置のさらなる考慮事項に関して、完成した構成要素における、計算されたまたは決定された繊維角度αの理想的な一致が考えられる。形成作業(例えば:伸ばしたばね線をばね軸に沿って螺旋状に巻くこと)、工場に固有の生産誤差(例えば:ワインディングマシンの回転速度のばらつき)、または完成した構成要素の処理作業(例えば:中間産物の手作業による運搬)に起因するずれに起因する、計算された値からの+方向および−方向のそれぞれへの角度のずれは、絶対角度差が20°未満、好ましくは10°未満、および特に最も好ましくは5°未満である限り、提出されている設計方法の発見には関連しない。
【0038】
本発明に係るばねを設計するための好ましい方法は、以下を行う。
【0039】
ばねの予備設計が、経験値に基づいておよび従来技術に従って実行される。このばねのパラメータは、本発明に係る方法に従ってばねを最適化するための開始パラメータとして使用される。
【0040】
以下に述べられる設計ステップのすべては、1回のループ処理で必要な設計基準のすべてを満たすために、それ自体で反復的にまたは全体的に繰り返して実行されなければならない。
【0041】
ステップ1:
第1のステップにおいて、2つの集合の一方において、互いに隣接する群の群剛性が内側から外側にかけて少なくとも1回は低下するように、ばね線の構造が作られる。集合のそれぞれにおいて、さらなる群は、好ましくは、内側から外側まで同じ群剛性または内側から外側にかけて低下する群剛性を有する。特に好ましくは、互いに隣接する群の群剛性が、両方の集合においてばね線の半径全体にわたって内側から外側にかけて低下する。
【0042】
これは、例えば、以下の可能性の1つまたは以下の可能性の2つもしくは3つの組み合わせによって達成される。
【0043】
可能性I:異なる繊維材料
−この可能性に関して、高剛性の繊維(例えば、UHM−CF)が、内側の群において使用され、中剛性の繊維(例えば、IM−CF)が、中間の群において使用され、硬い繊維(例えば、HT−CF)が、外側にさらに使用され、低剛性の繊維(例えば、GF)が、外側の群において使用される。
【0044】
可能性II:異なる繊維角度
−剛性の微調整は、層内の繊維角度によって達成されてもよく、これにより、同じ材料の多数の層の場合に、それにもかかわらず、剛性は、繊維角度によって内側から外側にかけて適合され得る。
【0045】
可能性III:異なる繊維の混合
−剛性の差が、繊維角度によってバランスをとるにはあまりに大きくなる場合、ベース繊維タイプの混合物を有する異なる材料が、1つの群あるいは群ごとの層においてさらに使用されてもよい。
【0046】
ステップ2:
次に、対が、内側から外側にかけて形成される。連続荷重の場合の、マトリックス材料のクリープの問題の原因は、一般に、ばねの群間における非常に高いせん断応力である。群間のせん断応力を回避するために、対の群は、同等の群引張剛性を有すべきである。これは、例えば断面積、繊維の体積含有率、繊維角度、または材料選択によって影響され得る。対の2つの群引張剛性は、群比率を計算するために使用される。群比率は、所定の範囲内になければならない。設計方法は、群比率GVが0.2≦GV≦5、好ましくは0.5≦GV≦2、および特に最も好ましくは0.75≦GV≦1.33の範囲内となることを実現する。
【0047】
妥当な群比率を達成するために、例えば、適合された断面積によって異なるタイプの繊維の異なる材料剛性を補償することが必要である。この目的のために、好ましい手順において、繊維剛性は、荷重に関する繊維の利用能力に対応するように選択される。したがって、UHM−CFは、例えば、低い圧縮荷重しか吸収し得ず、したがって、好ましくは 引張荷重層のために効果的に使用されてもよい。IM−CF繊維は、良い圧縮性を有し、したがって、圧縮荷重層にも使用されてもよい。したがって、例えば、UHM−CF繊維の引張荷重群およびIM−CF繊維の圧縮荷重群は、対を形成するが、いずれの場合もただ1つの層を有する。このとき、引張荷重群(UHM−CF)は、圧縮荷重群(IM−CF)よりも高い群剛性を有する。好ましい群比率を設定するために、層壁厚、したがって、断面積を適合させることが可能である。群剛性と指定断面積との積は、群引張剛性を成す。UHM−CF繊維およびIM−CF繊維からなる対に関して、層壁厚は、例えば、引張荷重群に関しては1mmであってもよく、圧縮荷重群に関しては1.5mmであってもよい。この結果として、引張荷重群および圧縮荷重群に関する群引張剛性は、指定断面積によって同様にされてもよく、群比率は、所望の範囲内の値を有する。この結果、実質的に群間にせん断応力がなく、ばね線は、その結果として好適なクリープ挙動を有する。
【0048】
さらに好ましい実施形態は、非常に薄く、したがって、構成要素の耐荷重挙動にほとんど寄与しない1つ以上の中間層または外側層の使用を考える。それらは、例えば、それらの繊維配向によって横方向の力に対するばねの剛性に寄与するか、または平均的な環境荷重に対する、端の層に相当する。しかしながら、本発明によれば、ばね線質量(芯は含まない)の最大で25%、好ましくは15%、特に好ましくは5%のみが、非耐荷重性として分類される層からなるべきである。
【0049】
また、好ましいのは、ばね線であって、ばね線の群が、引張集合および圧縮集合内に内側から外側かけて低下するまたは同じままである群剛性を有する群に関して、ばね線(芯は含まない)の質量全体の少なくとも50%、好ましくは75%、特に好ましくは95%の割合であるばね線の使用である。
【0050】
また、好ましいのは、ばね線であって、うまく対が割り当てられた、ばね線の群が、ばね線(芯は含まない)の質量全体の少なくとも50%、好ましくは75%、特に好ましくは95%の割合を有するばね線の使用である。
【0051】
また、好ましいのは、繊維強化材を有さない外側のプラスチックプライまたはマトリックス材料のプライの適用である。しかしながら、本発明に係る方法は、荷重が加えられる場合に弾性エネルギーの少なくとも75%、好ましくは85%、特に好ましくは95%が、外側プラスチックプライによってではなく、繊維複合材料によって蓄積されることを実現する。また、これは、外側プラスチックプライは断裂するが、繊維強化プライおよび存在していてもよい芯は損傷しないままである可能性を含む。
【0052】
本発明に係るばねの計算設計は、好ましくは、コンピュータ支援方法において実行される。本発明に係る方法は、設計後にばねが従来技術の方法によって生産されることを実現する。
【0053】
本発明によれば、耐荷重ばね断面(非耐荷重性の被覆などは無視される)は、その剛性特性に関して、ばね線の断面全体にわたり荷重に関して材料の均一な利用があるように適合される。これは、好ましくは、棒軸から始まって半径方向に低下する層剛性によって行われる。特に、群剛性は、内側プライの不足荷重または外側プライの過荷重を補償するために内側から外側にかけて低下する。ばねは、好ましくは、プライのすべての荷重限界に実質的に同時に達するように設計される。
【0054】
本発明に係るばねのばね棒は、好ましくは、円形断面を有する。しかしながら、楕円形または多角形の断面も可能である。ばねは、芯を有していてもよい。これは、好ましくは、繊維複合材料からなり、その場合、繊維は、棒軸と平行に一方向に延びる。さらに好ましい実施形態は、中空の芯を提供し、その場合、軸方向の中空空間は、繊維複合材料または強化されていないプラスチック包囲物によって囲まれる。また、好ましいのは、完全にプラスチックからなる芯または中空空間のみによって形成された芯である。
【0055】
また、互いに隣接する対が、互いにわずかしかずれていない対比率を成し、これにより、さらには対の間において可能な最低のせん断応力が発生し、この結果、ばね線が、可能な最低のクリープ性を有することが好ましい。この対比率は、2つの対の群の剛性から計算される。
【0056】
本発明に係るばねは、好ましくは、車両構造(自動車両および鉄道車両用の)において使用される。しかしながら、巻きばね(または一般にはねじりばね)のあらゆる使用領域での使用が考えられ、その場合、環境条件は、ばねのために使用される材料を許容不可能な程度まで攻撃しない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1a】本発明に係るねじりばねの一実施形態を概略的に示している。図1aにおいて、それは、芯を有する巻きばねとして示されている。
図1b】本発明に係るねじりばねの別の実施形態を概略的に示している。図1bにおいて、それは、芯を有さない巻きばねとして示されている。
図2】中実の芯(1)ならびに関連する層壁厚および層材料を有する様々な層(S〜S)を有する、図1aに示されているようなばねの断面A−Aを概略的に示している。
図3】管状の芯(1)ならびに関連する層壁厚および層材料を有する様々な層(S〜S)を有する、図1aに示されているようなばねの断面A−Aを概略的に示している。
図4】芯を有さず、かつ関連する層壁厚および層材料を有する様々な層(S1〜S)を有する、図1bに示されているようなばねの断面B−Bを概略的に示している。
図5】編織物および4mmの芯直径を有する例示的な実施形態1(表1および表2)の、本発明に係るばね構造の配置を概略的に示している。
図6】巻かれた織物(例えば、コイリングマシンにおいて)および3.5mmの芯直径を有する例示的な実施形態2(表3および表4)の、本発明に係るばね構造の配置を概略的に示している。
図7】編織物、UD不織布である4番目のプライ、およびばねの外側に位置する均質プラスチック外側プライを有する例示的な実施形態3(表5および表6)の、本発明に係るばね構造の配置を概略的に示している。
【0058】

表1は、編織物および4mmの芯直径を有する、本発明に係る設計方法の例示的な実施形態1を示している。
表2は、例示的な実施形態1のために使用されている繊維材料を、これらの特性と共に示している。特性は、従来技術から知られるものであり、ここでは集められているに過ぎない。
表3は、巻かれた織物(例えば、コイリングマシンにおいて)および3.5mmの芯直径を有する、本発明に係る設計方法の例示的な実施形態2を示している。
表4は、例示的な実施形態2のために使用されている繊維材料を、これらの特性と共に示している。特性は、従来技術から知られるものであり、ここでは集められているに過ぎない。
表5は、編織物、UD不織布である4番目のプライ、およびばねの外側に配置された均質プラスチック外側プライを有する、本発明に係る設計方法の例示的な実施形態3を示している。
表6は、例示的な実施形態3のために使用されている繊維材料を、これらの特性と共に示している。特性は、従来技術から知られるものであり、ここでは集められているに過ぎない。
【発明を実施するための形態】
【0059】
例示的な実施形態のすべてにおいて、断面積の計算は、円環の断面に関する式を使用することによって実行されている。それぞれの例示的な実施形態に関して、特定の状況が、ばね線の断面図、ばね線の特性値を記載した表、および指定材料の特性値を示す表によって説明されている。
【0060】
例示的な実施形態1(表1)は、編織物の6つのプライおよび直径4mmの中空の芯からなる、本発明に係るばねの単純な構成を示している。編布プライは、12の耐荷重層を形成している。規約に従って、プライは、引張荷重層および圧縮荷重層(両方とも同じ層半径を有する)に分かれている。図5において、ばね線の断面が概略的に示されている。例示のために、詳細において、圧縮荷重層は常に内側に示されている。それにもかかわらず、計算は、規約に従って実行されている(表1)。例示的な実施形態1は、耐荷重層として分類される層のみを有する。織物プライは、細分された層としてはこれらが棒軸に対して+45°および−45°の繊維角度を有するように配置されている。編布プライは、内側から外側にかけて表2に従った材料を有する。この場合、材料は、繊維に沿った材料剛性が内側から外側にかけて低下するように選択されている。この挙動は、層および内側から外側にかけての群剛性の低減に反映される、層軸の方向の変換(この場合、数値は変化させない)後も保持される。層は、交互に圧縮方向および引張方向にあり、各層が個々の群を形成する結果となっている。群が、圧縮荷重および引張荷重に応じて内側から外側にかけて分類されると、圧縮集合:(G、G、G、G、G、G11)が、圧縮荷重に関して得られ、引張集合(G、G、G、G、G10、G12)が、引張荷重に関して得られる。個々の集合は、この場合、内側から外側にかけて低下する群剛性を有する。対形成は、群引張剛性の関係が必要な範囲内にあるため、内側から始まり群のすべてに関してうまく進む。6つの対が形成され、すべてが、1の群比率を有する。例示的な実施形態1において、ばね線の質量の100%が、内側から外側にかけて低下するまたは同じままである群剛性を有する群にある。同時に、群のすべてに、対が割り当てられている。したがって、本発明によれば、例示的な実施形態1は、荷重に関して均一な材料利用および低クリープ性を有する好ましい実施形態である。
【0061】
例示的な実施形態2(表3および表4)において、例えば従来技術に係るコイリング工程において生産され得る、全部で14のプライを有し得る、本発明に係る、ばね線の配置が存在する。図6の図は、巻かれたプライおよび直径3.5mmの中空の芯を有する基本構造に対応する。最初の2つの層(SおよびS)(最初の2つの群(GおよびG)をも形成している)は、繊維剛性が荷重に関する繊維の利用能力に対応するように選択される場合を実際に示している。より高い圧縮強度を有するIM炭素繊維が、圧縮荷重層のために使用されており、UHM炭素繊維が、引張荷重層のために使用されている。2つの群が対形成において可能な限り小さいせん断応力を伴う挙動を示すようにするために、2つの群(GおよびG)の群引張剛性は、層壁厚を適合させることによって互いに近づけられており、これにより、これらの比率は、特に好ましい群比率の範囲内にある。さらに外側に位置するプライ5、6、および7は、2つの層を形成している。同じ繊維材料および棒軸に対して同じ繊維角度の技術的に可能な堆積に起因して、プライ6および7は、ただ1つの層(S)を形成している。層SおよびSは、重なり合う、1つの荷重方向の多数の耐荷重層であることから群Gとなっている。群7(G)は、方法が、1つの荷重方向の層(S、S、およびS10)が一緒に群化されることをどのように決定するのかを示している。これらの層は、異なる繊維材料および異なる繊維角度に起因する異なる大きさの層剛性を有する。群7の群剛性は、群に関連する層の面積平均の算術平均として計算されている。例示的な実施形態2において、引張荷重および圧縮荷重に関する集合は、内側から外側にかけて低下する群剛性を有し、その結果、荷重に関して均一な利用を有する。群引張剛性に基づいてうまく形成された対は、好ましい群比率の範囲内にある。
【0062】
例示的な実施形態3(表5および表6)において、本発明に係るばねのより複雑な構造が示されている。この構造は、図7の図に対応する。内側から外側にかけて、ばね線は、編織物の3つのプライ(L、L、L)、続いて、巻かれたプライ(L)、続いて、編織物の2つのプライ(LおよびL)、および続いて最後にプラスチックのみのプライ(L)から構成されている。編織物プライに関して、層および群の割り当ておよび対形成は、例示的な実施形態1と同様の方法で行われている。これからの逸脱は、使用される材料がさらに混合繊維(この場合、ベース繊維タイプの低アルカリガラスおよびHT炭素繊維の)を備える状況である。これらは、それらの質量分率において、異なる剛性(特に、繊維の長手方向において)をもたらすように構成されている。編織物における混合繊維の使用は、ガラス繊維と炭素繊維との間の剛性の大きな差がより良く補償されることを可能にする。例示的な実施形態1からの区別として、さらに重要な差は、非耐荷重性として分類され、その結果群を形成し得ないプライLおよびLである。プライ4は、ここでは、0°の繊維角度を有する炭素繊維プライからなる。これは、20°〜70°の範囲外または−20°〜−70°の範囲外の繊維角度を有し、したがって、非耐荷重性として分類される層である。このような層は、ばね軸の周囲に螺旋状に巻かれたばね線の横方向荷重不感性に対して好適な効果を有し、したがって、ある程度適切なものである。プライ7は、均質プラスチックプライとして引張方向または圧縮方向の荷重方向に優先的な繊維強化材を有さないため、同様に非耐荷重層である。むしろ、プライ7は、周囲との関連では、ばね線の外側の端を示す。ここでは、可能な機能は、平均的な環境の影響からの保護、可能な衝突保護(例えば、石の衝突)、トライボロジー抵抗(例えば、ばね板における摩擦抵抗保護層)、または接触腐食の防止である。非耐荷重層は、ばね線の断面の全質量に対して21%の質量分率を有する(存在する場合もあるばね線芯の質量は、計算の考慮に入れられない)。本発明に係るこの変形形態において、群剛性は、内側から外側にかけて低下しており、本方法は、群のすべてがうまく対を形成し、群が両方の要件に関して75%超の質量分率を示すことを決定しており、したがって、この例示的な実施形態3は、好ましい配置である。
【符号の説明】
【0063】
プライi(自然数の閉区間[1,I]上のカウントインデックスi)
LWプライiのプライ壁厚
層j(自然数の閉区間[1,J]上のカウントインデックスj)
α 層Sの棒軸に対する角度配向
1 ばね線の芯(存在していてもよい)
層Sの材料
層Sの層直径
層Sの層壁厚
Sj 層Sの層剛性
材料Mの繊維に関する長手方向の剛性
材料Mの繊維の方向に関する横方向の剛性
12 材料Mの剛性率
ν12 材料Mの大きなポアソン比
ν21 材料Mの小さなポアソン比
群k(自然数の閉区間[1,K]上のカウントインデックスk)
Sj 層Sの断面積
Gk 群Gの群剛性
Gk 群Gの群引張剛性
対n(自然数の閉区間[1,N]上のカウントインデックスn)
GV 群比率n(引張荷重群および圧縮荷重群から計算される)
ばね線外径
CF 炭素繊維
BF 玄武岩繊維
GF ガラス繊維
S2 より高い剛性を有するガラス繊維
E 通常の剛性を有するガラス繊維
UHM 非常に高い剛性(Ultra High Modulus)を有する炭素繊維
IM 高い剛性(Intermediate Modulus)を有する炭素繊維
HT 通常の剛性(High Tenacity)を有する炭素繊維

引用非特許文献
Helmut Schurmann:Konstruieren mit Faser−Kunststoff−Verbunden[structural design with fiber−plastic composites],first edition,Springer Verlag 2005
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7