(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロックデバイス(20)は、前記部材(10)に配置され、前記ロックデバイス(20)を作動するために、前記並進軸(Y)周りに回転するように作動される作動ハンドル(21)をさらに備える、請求項1に記載の支持ヘッド。
前記ロックデバイス(20)は、前記作動ハンドル(21)に固定的に連結され、前記作動ハンドル(21)と前記押進要素(23)の間に動作可能に介在し、前記並進軸(Y)に沿って前記押進要素(23)を付勢する一対のピン(125)をさらに備える、請求項2に記載の支持ヘッド。
前記ピン(125)は、前記並進軸(Y)および前記ロック軸(X)に対して垂直な前後軸(Z)の方向に互いに離間し、前記押進要素(23)の二つの前後方向の対向する周辺部(230、231)で前記押進要素(23)と当接するように配置される、請求項3に記載の支持ヘッド。
前記摩擦デバイス(200)は、前記部材(10)に配置され、前記摩擦デバイス(200)を作動するために前記並進軸(Y)周りに回転するように作動可能なハンドル(121)を備える、請求項4に記載の支持ヘッド。
前記摩擦デバイス(200)は、前記ハンドル(121)に固定的に連結され、前記押進要素(23)に当接して前記並進軸(Y)に沿って前記押進要素(23)を移動するために、前記並進軸(Y)の方向に、前記ハンドル(121)の回転に応じて対応するナットねじ(250)内を移動するねじ(25)をさらに備える、請求項5に記載の支持ヘッド。
前記少なくとも一つの溝(30、32、36、37)の前記ベース部(30’、32’、36’、37’)は、5°〜30°の間の角度(α)で傾いている、請求項7に記載の支持ヘッド。
前記少なくとも一対の案内部(50)の各々の前記溝(30、32、36、37)の両方の前記ベース部(30’、32’、36’、37’)は、前記ロック軸(X)に対して傾いている、請求項1〜8の何れか1項に記載の支持ヘッド。
前記一対の案内部(50)の前記溝の前記ベース部(30’、32’、36’、37’)は、前記ロック軸(X)に対して同一の角度(α)で傾いている、請求項9に記載の支持ヘッド。
前記押進要素には、前記第一の案内要素(34)と前記第二の案内要素(35)に夫々向けられた両方の前記ベース面(S1、S2)に少なくとも一つの溝(30、32)が設けられる、請求項1〜10の何れか1項に記載の支持ヘッド。
前記ベース面(S1、S2)の一方に画定された溝(30、32)のベース部(30’、32’)は、互いに一致し、かつ反対側のベース面(S2、S1)に画定された溝(32、30)のベース部(32’、30’)の傾きとは逆の傾きを有する、請求項11に記載の支持ヘッド。
前記第一の案内要素(34)には、前記押進要素(23)とは反対側であり、前記第二の関節要素(4)を当接して受容することを意図し、前記第二の関節要素(4)とぴったりと嵌合して接続されるように形成された押圧面(34’)が設けられる、請求項1〜12の何れか1項に記載の支持ヘッド。
前記第一の案内要素(34)と前記第二の関節要素(4)の間に動作可能に介在し、前記第二の関節要素(4)を受容することを意図し、かつ前記第二の関節要素(4)とぴったりと嵌合して接続されるように形成された当接面(15A)が設けられた当接要素(15)をさらに備える、請求項1〜13の何れか1項に記載の支持ヘッド。
前記少なくとも一つの溝は、前記並進軸(Y)および前記ロック軸(X)に対して垂直な前後軸(Z)に沿って延在する、請求項1〜14の何れか1項に記載の支持ヘッド。
前記少なくとも一つの転動部材は、少なくとも一つの転動円筒(31、33)または少なくとも一つのボールを備える、請求項1〜15の何れか1項に記載の支持ヘッド。
前記ロック軸(X)に沿って前記第二の案内要素(35)の位置を制御するための制御デバイス(350)をさらに備える、請求項1〜16の何れか1項に記載の支持ヘッド。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面は、本発明に従って構成された光学機器またはビデオ撮影機器用の方向付けが可能な支持ヘッド1を示している。
【0017】
ヘッド1は、ビデオ撮影機器を支持するため、および三脚などの一般的なスタンドに対してこの機器を方向付けするために構成されており、スタンドの機能は、地面上でしっかりと支持を行うことである。上述の機器およびスタンドは両方ともそれ自体は従来からあるものであるため、添付図面には示さない。
【0018】
ヘッド1は、作業者によって選択された所望の位置におけるスタンドに対するビデオ撮影機器の方向付けを可能にするように互いに接続された、第一の関節要素2と第二の関節要素3を備えている。
【0019】
ここで説明する本発明の好適な形として、第一の関節要素2と第二の関節要素3の間の接続はボール型である。
【0020】
第一の関節要素2は、取り付け手段8を設けたベース7を備え、取り付け手段8に対してスタンドが固定でき、垂直軸X周りの回転が可能なシェル状部材10が固定されている。
【0021】
第二の関節要素3は、球体のボール4を備え、ロッド5が球体のボール4から半径方向に延出し、球体のボール4とは反対側のロッド5の端部には、ビデオ撮影機器を取り外し可能に固定する追加の(additional)取り付け手段9を設けたプレート6が固定されている。
【0022】
取り付け手段8と追加の取り付け手段9は、当分野では既知であり、詳細には説明しない。
【0023】
シェル状部材10は内部が中空で、受容空洞11を画定するように形成されており、受容空洞11内には、球体のボール4が受容され、係合した状態で保持される。
【0024】
受容空洞11には、ベース7とは反対側に開口12が設けられ、開口12を介してボール4の突起部5が延出し、開口12は、第一の関節要素2に対する第二の関節要素3の方向付けの可能性を干渉によって制限している。
【0025】
開口12の輪郭は、さらに、機器をいわゆる「縦長」形態(添付図面には示されず)にするために一般的に使用されるベース7の軸に対して実質的に垂直な形態におけるロッド5の動きを可能にするように、ベース7の方に延在する凹み13を有している。
【0026】
開口12の内側の縁、すなわち、受容空洞11側の縁は、ボール4のための当接面114を構成することができ、受容空洞11内でボール4をロックするためにボール4を当接状態で受容するように形成されている。
【0027】
図示の形態では、当接面114とボール4の間に介在させて、以下で更によく説明するように、受容空洞11内にボール4をロックするために使用時にそれらの間にクランプされることを意図した当接リング14がさらに設けられている。
【0028】
図示しない一形態では、この当接リングは設けられなくてもよく、ボール4は、シェル状部材10の当接面114に対してクランプされる。
【0029】
シェル状部材10の内側には、ボール4を当接状態で受容することを意図し、かつボール4に対してぴったりと嵌合して接続されるように成形された支持壁15Aを設けたボール4用の支持要素15が、設けられている。
【0030】
支持要素15は、図示の形態では、位置決め時のボールの良好なスライドを確実にするため、および位置決め時の部品の摩耗を制限するために、プラスチック材からリング形状に形成される。
【0031】
したがって、ボール4の受容空洞11は、シェル状部材10の内部側壁16、支持要素15の支持壁15A、および当接リング14を境界とする。
【0032】
ヘッド1は、さらに、シェル状部材10に取り付けられ、シェル状部材10の内側に部分的に受容され、以下に詳細に説明するように、第一および第二の関節要素2、3を所望の相対的形態でロックし、またはそれらのロックを解除して、それらが動けるようにするために作動され得るロックデバイス20を備えている。
【0033】
ロックデバイス20は、シェル状部材10に配置され、
図1〜
図4に示す解放形態Wと
図5に部分的に示されただけのロック形態W’の間で、提示の図面では垂直軸Xに対応するロック軸に沿ってボール4を移動させるようにロックデバイスを作動するために、回転するように制御され得る作動ハンドル21を備えている。
【0034】
作動ハンドル21は、ロックデバイス20の作動やロック解除を行うためにロック軸Xに対して垂直な横断軸Y周りに回転されることを意図している。解放形態Wでは、球体のボール4は、受容空洞11内で回転することができる状態で支持壁15Aおよび当接面114にスライド可能に支持され、ロック形態W’では、球体のボール4は、当接リング14と支持要素15の間、またはこのリングがない場合には当接面114と支持要素15との間でクランプされ、受容空洞11内の所望の位置でロックされる。
【0035】
ロックデバイス20は、シェル状部材10内に受容され、並進軸(translation axis)Yに沿って部材10内でスライド可能な押進要素(pushing element)23と、ボール4のロックおよびロック解除時に作動ハンドル21から押進要素23への運動を伝達するために、ハンドル21と押進要素23の間に動作可能に介在させた二つの円柱状ピン125と、を備えている。
【0036】
二つの円柱状ピン125は、並進軸Yおよびロック軸Xに対して垂直な前後軸(longitudinal axis)Zの方向に互いに離間し、前後方向の反対側に位置する二つの異なる周辺部230、231において押進要素23に当接するように配置されている。これにより、円柱状ピン125の効果の結果として、押進要素23の移動の最適化が可能になる。
【0037】
ロックデバイス20は、さらに、ロックデバイス20からは独立して作動させることができ、以下に更によく説明するように、ボール4それ自体に対して加えられる摩擦を調整するように受容空洞11内でのボール4のスライド動作に対して摩擦を用いて作用することを意図した摩擦デバイス200を備えている。
【0038】
摩擦デバイス200は、ハンドル121と、ハンドル121から押進要素23への運動を伝達するためにハンドル121と押進要素23の間に動作可能に介在させたねじ25と、を備えている。
【0039】
摩擦デバイス200のねじ25は、並進軸Yおよびロック軸Xに対して垂直な前後軸Zの方向に二つの円柱状ピン125の間に介在させている。
【0040】
この配置により、本発明のヘッドにおけるロックデバイス20と摩擦デバイス200の必要な空間を減少することができる。
【0041】
この配置により、さらに、作動ハンドル21とハンドル121を同軸的に配置できる。
【0042】
摩擦デバイス200は、さらに、ねじ25が受容されているナットねじ250と、ナットねじ250とハンドル121の間に介在し、ナットねじ250とハンドル121の間に並進軸Yに平行な押圧力を加えることを意図した押圧ばね300と、を備えている。
【0043】
押圧ばね300は、並進軸Y周りのハンドル121の回転に対して摩擦を用いて作用するために、互いに離れたナットねじ250とハンドル121を付勢するように、予め緊張した状態にある。
【0044】
ハンドル121は、作動ハンドル21に対して作動ハンドル21内で回転可能であり、以下に更によく説明するように、ボール4に加えられる摩擦力を調整するために摩擦デバイス200を作動するために、ロック軸Xに対して垂直な横断的な並進軸Y周りに回転されることを意図している。
【0045】
この位置により、ロックデバイス20と摩擦デバイス200の作業者による作動が特に単純になる。
【0046】
ねじ25は、ハンドル121に固定的に連結され、その回転に続いて並進軸Yに沿って並進されるが、二つの円柱状ピン125は、作動ハンドル21に固定的に連結され、作動ハンドル21の回転に続いて並進軸Yに沿って並進移動される。
【0047】
摩擦デバイス200が作動されることにより、以下に更によく説明するように、ボール4の予期しないかつ望ましくない移動を防止しつつボール4に所望の圧力を加えるために、並進軸Yに沿って押進要素23を移動することができる。これにより、ボール4の作動およびロックやロック解除を向上させることができ、より正確にすることができる。
【0048】
ロックデバイス20は、第一の案内要素34と第二の案内要素35をさらに含み、第一の案内要素34と第二の案内要素35は、並進軸Yに対して固定され、押進要素23がロック軸Xに沿ってそれらの間に介在されるように、シェル状部材10の内側に配置されている。
【0049】
第一の案内要素34は、押進要素23と支持リング15の間に動作可能なように介在され、以下に更によく説明するように、ボール4のロックやロック解除を行うため、かつ支持リング15と相互作用するために、ロック軸Xに沿って並進移動させることができる。
【0050】
第二の案内要素35は、押進要素23とベース7の間に介在され、部材10に対して固定されている。
【0051】
有利には、ロック軸Xに対する第二の案内要素35の位置は、適切な調整デバイスを用いて調整されることができ、この調整デバイスは、図示の形態では、ねじ付きフェルール350を備えている。ねじ付きフェルール350に作用することにより、ロック軸Xに沿って第二の案内要素35の位置を固定することができ、その結果、解放形態Wにおけるボール4の位置、すなわち、解放形態Wとロック形態W’においてボール4に印加される圧力を変化させることができる。
【0052】
押進要素は、図示の形態では、外側縁23Aと、第一の案内要素34および第二の案内要素35の方に夫々向けられた二つの対向するベース面S1、S2と、を境界とするプレート23である。
【0053】
プレート23は、ロックデバイス20の解放形態Wとロック形態W’に夫々対応する第一の位置と第二の位置の間で、第一の案内要素34と第二の案内要素35に対して並進軸Yに沿って夫々並進移動させることができる。
【0054】
並進軸Yに沿って、プレート23は、一方の側の円柱状ピン125およびねじ25とその反対側の当接ばね24との間に動作可能に介在し、円柱状ピン125およびねじ25は、ばね24に関して並進軸Yに沿う相互に反対側の位置でプレート23に接続されている。
【0055】
ばね24の第一の端部24Aは、プレート23の縁23Aに設けられた凹み26内に受容され、第二の端部24Bは側壁16に当接しており、ばね24は、ロックデバイス20を解放形態Wに移動させるように、すなわち、プレート23を第一の位置に移動させるように、プレート23に付勢力を加えるように予め圧縮されている。
【0056】
プレート23の第一および第二のベース面S1、S2には、少なくとも第一の溝30および少なくとも第二の溝32が夫々設けられ、これらの溝は、並進軸Yおよびロック軸Xに対して垂直な前後軸Zに沿って延在し、少なくとも第一および第二の転動部材を夫々スライドするように受容することを意図している。
【0057】
図示しない形態において、これらの溝は、並進軸Yを横断し、かつロック軸Xに対して垂直な軸に沿って延在することができる。
【0058】
図示の形態では、第一および第二のベース面S1、S2には、並進軸Yに沿うプレート23の並進移動の際、溝30、32内で夫々転動する二つの第一の転動円筒31および二つの第二の転動円筒33を受容する二つの第一の溝30および二つの第二の溝32が夫々設けられている。
【0059】
二つの第一の溝30および二つの第二の溝32は、ヘッド1の寸法に基づいて選択された距離だけ並進軸Yに沿って相互に離間している。第一の案内要素34には、ボール4の方に向けられ、リング15と相互作用することを意図した押圧面34’と、プレート23の方に向けられた反対側のスライド面S3と、が設けられている。第二の案内要素35には、ベース7に支持されたベース面35’と、プレート23の方に向けられた反対側のスライド面S4と、が設けられている。
【0060】
図示しないヘッドの一形態において、第一の案内要素34と支持要素15は、一体的に形成され、すなわち、第一の案内要素34は、ボール4用の支持要素15としても機能する。
【0061】
その場合、ボール4の方に向けられた第一の案内要素の押圧面34’は、空洞11内でボール4をクランプするため、および/または、ボール4が空洞11内でスライドできるようにするために、ボール4と直接相互作用することを意図している。
【0062】
有利には、その形態では、第一の案内要素34の押圧面34’は、ボール4にぴったりと嵌合して接続されるように形成される。
【0063】
第一の案内要素34および第二の案内要素35のスライド面S3、S4には、第一および第二の転動円筒31、33を夫々スライドするように受容するために、対応する第一および第二の溝30、32と協働することを意図した追加の第一の溝36および追加の第二の溝37が設けられている。
【0064】
第一の溝30と追加の第一の溝36および第二の溝32と追加の第二の溝37は、相互に対向する位置に配置され、第一および第二の転動円筒31、33の転動動作のための案内対50を形成している。
【0065】
案内対50を設けることにより、プレート23と第一の案内要素34および第二の案内要素35との間で相互のスライド、すなわち、ロックデバイス20の作動をより容易にすることができ、その動作をより正確にすることができる。
【0066】
さらに、案内対50と転動部材を設けることにより、ロックデバイス20の動作時に滑り摩擦ではなく転動摩擦の生成が引き起こされる。
【0067】
したがって、摩擦による効率の損失および本発明のロックデバイスの動作に必要な力が低減される。
【0068】
これにより、本発明のロックデバイス20は高い動作効率を有し、かつ高い経時的な耐久性を有することになり、その効率は、長期間にわたって維持されることになる。
【0069】
さらに、案内対50を設けることにより、転動部材の完全性が保たれ、位置を安定させることができる。
【0070】
図4および
図5から更によく分かるように、各溝30、32、36、37には、転動部材31、33を受容するように形成され、作動ハンドル21の方に向けられた近位縁40、42、46、47と、反対側の遠位縁50、52、56、57とを境界とする円柱状の凹面状の輪郭を有するベース部30’、32’、36’、37’が設けられ、これらの縁は、並進軸Yから離間し、以下に更によく説明するように、プレート23の並進移動時に転動部材31、33の転動の停止要素を画定している。
【0071】
各溝30、32、36、37のベース部30’、32’、36’、37’は、以下に更によく説明するように、移動軸Yに沿ってプレート23を移動することにより、ロックデバイス20の全体的な空間要求がロック軸Xに沿って変化するように、ロック軸Xに対して移動軸Yを中心として、好ましくは5°〜30°の間の角度α傾いている。
【0072】
各案内対50の溝のベース部30’、32’、36’、37’は、相互に一致し、かつ図示の形態では互いに平行である傾きを有している。
【0073】
プレート23のベース面S1、S2に画定された溝30、32のベース部30’、32’は、相互に一致し、かつ反対側のベース面S2、S1の溝32、30のベース部32’、30’の傾きとは逆の傾きを有している。
【0074】
各案内対50の溝は、解放形態Wおよびロック形態W’において、転動円筒31、33が溝30、32、36、37の二つの異なる対向する縁の間でクランプされるように配置されている。
【0075】
特に、
図4に示すように、解放形態Wでは、第一および第二の転動円筒31、33は、追加の第一の溝36および追加の第二の溝37の近位縁46、47と第一および第二の溝30、32の遠位縁50、52との間で夫々クランプされる。その位置では、ベース面35’と押圧面34’は、ロック軸Xにおいて5mm〜20mmの間の距離H1の箇所に配置されている。
【0076】
並進軸Y周りに作動ハンドル21を回転させることにより、並進軸Yに沿う円柱状ピン125の移動が生じ、円柱状ピン125は、プレート23に付勢力を加え、
図4の矢印F1が指示する方向への並進軸Yに沿うプレート23自体の移動を引き起こす。したがって、プレート23は、シェル状部材10の側壁16の方に付勢され、第一の案内要素34および第二の案内要素35に対して並進移動させられる。
【0077】
この並進移動は、追加の第一の溝36および追加の第二の溝37の夫々に対する第一および第二の溝30、32の並進軸Yに沿う移動と、その結果としての溝のベース部30’、32’、36’、37’上での転動円筒31、33自体の転動を生じる。
【0078】
特に、
図5に示すように、ロック形態W’では、第一および第二の転動円筒31、33は、第一および第二の溝30、32の近位縁40、42と追加の第一および第二の溝の遠位縁56、57の間でクランプされる。
【0079】
この位置では、ベース面35’と押圧面34’は、ロック力を受ける部品の材料の弾性の結果としてロック軸Xにおいて距離H1よりも大きいと考えられる追加の距離H2の箇所に配置される。
【0080】
既に述べたように、各案内対50の溝のベース部は、ロック軸Xに対して傾いているため、プレート23の並進移動に続いて、並進軸Yに加えてロック軸Xに沿う転動円筒31、33の移動も生じる。
【0081】
解放形態Wからロック形態W’へは、第一の転動円筒31は、ボール4から離れる方へ並進移動され、第二の転動円筒33は、ベース7から離れる方へ並進移動される。
【0082】
第二の案内要素35が固定されているため、この移動により、ボール4の方へのロック軸Xに沿うプレート23および第一の案内要素34の並進移動が引き起こされる。
【0083】
その結果、第一の案内要素34は、空洞11の内側で関節をクランプしてロックするように、リング15に対して、またはボール4に対して直接、押圧力を加える。
【0084】
既に述べたように、各案内対50の溝のベース部がロック軸Xに対して傾いているため、矢印F1の方向への並進軸Yに沿うプレート23の漸進的な並進移動により、ボール4に加えられる圧力、すなわち、ボール4自体に作用するロック力の漸進的な増加が引き起こされる。
【0085】
ばね24の押圧力の下でのプレート23の反対方向への並進は、夫々の溝内での転動円筒31、33の転動動作と、ボール4およびベース7の方へのそれらの並進移動と、を引き起こす。
【0086】
第二の案内要素35が固定されているため、この移動により、ボール4から離れる方へのロック軸Xに沿うプレート23および第一の案内要素34の並進移動が引き起こされる。
【0087】
第一の案内要素34は、ボール4に押圧力を加えず、または、受容空洞11内でボール4を方向付けすることができるように作業者によって克服され得る限定された力をボール4に加える。
【0088】
その場合、各案内対50の溝のベース部の傾きの結果として、明らかに、ボール4に加えられる圧力も、並進軸Yに沿うプレート23の移動に従って漸進的に減少する。したがって、受容空洞11内のボール4の突然かつ予期しないロック解除は生じない。
【0089】
さらに、ロックデバイス20から独立して作動され得る摩擦デバイス200の存在により、ボール4の突然の落下または望ましくない移動を防止するように、ロックデバイス20の解放形態Wでボール4に加えられる圧力の制御および変更が可能になる。
【0090】
並進軸Y周りにハンドル121を回転させることにより、対応するナットねじ250へのねじのねじ込みが変更され、それにより、並進軸Yに沿ってねじ25自体の移動を引き起こす。
【0091】
プレート23に対抗して、すなわち、
図4の矢印F1が指示する方向にねじ25を移動するようにハンドル121を回転することにより、ねじ25がプレート23に加える付勢力は漸進的に増加する。したがって、プレート23は、並進軸Yに沿って矢印F1が指示する方向に、すなわち、シェル状部材10の側壁16の方へ付勢される。したがって、プレート23は、第一の案内要素34および第二の案内要素35に対して並進移動させられる。
【0092】
上述したことと同様に、プレート23のこの並進移動により、追加の第一および第二の溝36、37に夫々関する第一および第二の溝30、32の並進軸Yに沿う移動と、その結果としてのそれらの溝のベース部30’、32’、36’、37’上での転動円筒31、33自体の転動が生じる。
【0093】
転動円筒31、33は、各溝の近位縁40、42、46、47によって移動され、したがって、上記したことと同様に、ベース面35’と押圧面34’の間の距離は増加し、したがって、ボール4に加えられる圧力が増加する。
【0094】
したがって、ハンドル121を適切に回転させることにより、ロックデバイス20の解放形態においてボール4に加えられる圧力を調整することができる。
【0095】
それにより、ハンドル121に作用することにより、ロックデバイス20の解放形態における夫々の溝内の転動部材の位置が調整される。
【0096】
したがって、摩擦デバイス200は、受容空洞11内の所望の位置からボール4を動かすために、解放形態Wにおいてロックデバイス20によってボール4に加えられなければならない力を制御する。
【0097】
この力は、ヘッドに固定される機器の特性および重量に応じて制御され得る。
【0098】
これにより、ロックデバイス20がロック解除された後、機器が所望の位置から予期せず落下または移動することが防止される。
【0099】
ロックデバイス20が解放形態Wにあるとき、ねじ25は、ボール4に所望の圧力を加えるように並進軸Yに沿って所望の位置にプレート23を付勢するために、プレート23を接触し、プレート23に対して付勢されている。
【0100】
ロックデバイス20をロックするために、作業者は、作動ハンドル21を回してピン125を移動させ、ピン125は、さらに、シェル状部材10の内部側壁16の方へプレート23を付勢する。円柱状ピン125の付勢力により、プレート23の並進移動が生じ、結果的にねじ25からプレート23が分離する。
【0101】
この構成において、ナットねじ250に作用する押圧ばね300により、ハンドル121の不慮の分離動作が防止できる。
【0102】
ロックデバイス20が解放形態Wに戻るように移動されるとき、プレート23は、ばね24の作用の結果として、プレート23のための当接要素として機能するねじ25に対して並進軸に沿って付勢され、それにより、内壁16から離れる方へのプレート23のさらなる並進移動が防止される。
【0103】
ハンドル121に作用することによって制御されるねじ25の位置により、解放形態Wにおいてプレート23が到達することができる位置が決定され、したがって、その形態においてボール4に加えられる圧力が決定される。
【0104】
さらに、本発明のヘッドでは、ロックフェルール350に作用することによってロック軸Xに沿って第二の案内要素35の位置を制御することにより、ロックデバイス20の解放形態Wおよびロック形態W’においてボール4に加えられる圧力の追加の制御を行うことができる。
【0105】
摩擦デバイス200および/またはロックフェルール350に作用することによって、ボール4に加えられる圧力を制御して変更することが可能であり、また、溝30、32内の転動部材31、33の夫々の位置を制御すること、および溝30、32において転動部材31、33自体が移動可能な範囲を制限することができる。
【0106】
特に、転動部材31、33の位置は、解放形態Wでは、転動部材31、33が追加の第一の溝36および追加の第二の溝37の近位縁46、47および第一および第二の溝30、32の遠位縁50、52に対して当接しないように、および/または、ロック形態W’では、転動部材31、33が、第一および第二の溝30、32の近位縁40、42と追加の第一および第二の溝の遠位縁56、57の間でクランプされないように、上記したいずれかの方法で制御できる。
【0107】
これにより、ロックデバイス20が解放形態Wにあるときにボール4に加えられる摩擦、またはボール4をその位置およびロック位置W’から移動させるために加える必要がある力の制御が可能になる。
【0108】
特に重い機器を伴うヘッドの使用時には、例えば、ロック解除デバイス20のロック解除に続いてその機器の落下または望ましくない移動を防止することができるように、加えられる摩擦を増加することができる。
【0109】
図示しないヘッドの形態においては、並進軸Yに沿ってプレート23を並進移動させることにより、ロック軸Xに沿う第一の案内要素34の移動が生じるように、プレート23の一方のベース面S1、S2の溝のみ、またはプレート23の溝30、32のみ、または第一および/または第二の案内要素34、35の溝のみ、がロック軸Xに対して傾いたベース部を有している。
【0110】
各案内対50の両方の溝に傾いたベース部を設けることにより、ロックデバイス20の効率をさらに上昇させることができ、プレート23の同一の並進路に対して関節4のより大きな移動を得ることができる。
【0111】
したがって、この形態は、寸法の小さなヘッドに特に適している。
【0112】
溝30、32、36、37のベース部30’、32’、36’、37’の傾き角度αの値を変更することにより、ロック軸Xに沿う関節4の特定の移動を得るために必要なプレート23の移動が変更される。
【0113】
したがって、この値は、ロックデバイスの効率および敏しょう性を含む要求事項に基づいて選択される。
【0114】
図示しない別の形態においては、プレート23は、一つのベース面のみに一つ以上の溝が設けられてもよく、すなわち、転動部材は、このプレートと第一および第二の案内要素の間に介在できる。
【0115】
図示しないヘッドの形態において、プレートひいては第一および第二の案内要素は、各ベース面に、一つ以上の転動部材を受容することを意図した一つの溝を設けられてもよい。
【0116】
図示しない別の形態においては、プレートは、各ベース面に、少なくとも一つの転動部材をスライドするように受容することを夫々意図した三つ以上の溝が設けられている。
【0117】
プレートの各ベース面における溝の数、位置および距離は、ヘッドの寸法および/または機械的強度を含む要件に基づいて選択される。
【0118】
図示しない別の形態においては、円筒とは異なる転動部材、例えばボールが設けられてよい。その場合、一つ以上のボールが各溝に導入されてもよい。
【0119】
各溝には、転動部材、特に円筒またはボールを受容することを夫々意図した複数の溝部が画定されていてもよい。
【0120】
転動部材は、好ましくは、鋼から製造される。
【0121】
前後軸Zに沿って延在する転動円筒31、33または前後軸Zに沿って隣り合う複数の転動部材を設けることにより、さらに、ヘッドの様々な部分の不規則な移動を防止しながら、解放形態Wとロック形態の間の移動を向上させることができる。