特許第6703570号(P6703570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6703570計時器または宝飾品のための取り外し可能なブレスレット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703570
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】計時器または宝飾品のための取り外し可能なブレスレット
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/14 20060101AFI20200525BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20200525BHJP
   A44C 11/00 20060101ALI20200525BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   A44C5/14 E
   G04B37/16 Q
   A44C5/14 G
   A44C5/14 J
   A44C5/14 L
   A44C11/00
   A44C5/00 501A
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-154521(P2018-154521)
(22)【出願日】2018年8月21日
(65)【公開番号】特開2019-37771(P2019-37771A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2018年8月21日
(31)【優先権主張番号】17188055.2
(32)【優先日】2017年8月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・フランソワ
【審査官】 前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第01653058(US,A)
【文献】 特開平03−259792(JP,A)
【文献】 米国特許第01532511(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第109452734(CN,A)
【文献】 登録実用新案第3041587(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/14
A44C 5/00
A44C 11/00
G04B 37/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのバーを備え、時計または宝飾品用のバーと共に組み立てられるように構成された少なくとも1つのブレスレット部分(1)を含む、取り外し可能なブレスレットまたはリストバンド(100)を備える計時器または宝飾品ピース(1000、2000)であって、
前記バーは所与の形状および所与の寸法であり、
前記ブレスレット(100)は、前記少なくとも1つのブレスレット部分(1)の端部に、前記所与の形状および前記所与の寸法と相補的な形状および寸法を有し、前記バーを収容するように構成されたチャンバ(2)を含み、かつ前記チャンバ(2)内の適切な位置に前記バーが収容された時に変形して当該バーが当該適切な位置に達したことをユーザーに知らせる可撓性小片を設けたフールプルーフシステムを前記チャンバ(2)に備え、
前記チャンバ(2)は前記ブレスレット部分(1)の第1の側面上に、前記バーの挿入または取出しのための横方向に延びた開口部(3)を含み、
前記ブレスレット部分(1)は、弾性リターン手段(5)に対して、前記ブレスレット部分(1)の長手方向(DL)であって前記横方向に実質的に直角な方向に移動可能な舌状部(4)を含み、更に前記舌状部(4)を制御するためのプッシャ(6)を含み、
前記プッシャ(6)は、前記長手方向(DL)と前記横方向の両方に実質的に直角の方向(DT)に移動可能であり前記プッシャ(6)方向運動を前記舌状部(4)の長手方向運動に変換するための、前記舌状部(4)の第2のプロファイル(8)と協働するように構成された第1のプロファイル(7)を含み、
前記ブレスレット(100)は、前記プッシャ(6)を前記ブレスレット部分(1)内に保持するための、前記第1の側面上に構成された閉鎖手段(9)を含み、
前記計時器または宝飾品ピース(1000、2000)は、第1の形状および寸法の第1のバー(101)と、第1のブレスレット部分(11)であって、前記第1のブレスレット部分(11)の第1のチャンバ(21)が前記第1のバー(101)を受容するように寸法決めされている、第1のブレスレット部分(11)とを含み、
前記計時器または宝飾品ピース(1000、2000)は、前記第1のバーとは異なる第2の形状および寸法を有する第2のバー(102)と、第2のブレスレット部分(12)であって、前記第2のブレスレット部分(12)の第2のチャンバ(22)が前記第2のバー(102)を受容するが前記第1のバー(101)は受容しないように寸法決めされている、第2のブレスレット部分(12)とを含み、
前記第1のチャンバ(21)は前記第2のバー(102)を受容することができない、
計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項2】
前記閉鎖手段(9)は、前記プッシャ(6)を前記ブレスレット部分(1)内に恒久的に閉じ込めるように構成されている、可撓性材料でできているオーバーモールドされたリップ(10)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項3】
前記オーバーモールドされたリップ(10)は、前記弾性リターン手段(5)を前記ブレスレット部分(1)内に恒久的に閉じ込めるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項4】
前記オーバーモールドされたリップ(10)は、前記舌状部(4)を前記ブレスレット部分(1)内に恒久的に閉じ込めるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項5】
前記オーバーモールドされたリップ(10)は、前記ブレスレット部分(1)と一体であることを特徴とする、請求項2に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項6】
前記プッシャ(6)は、前記閉鎖手段(9)に接触して協働するように構成された停止手段(69)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項7】
前記フールプルーフシステムは、前記チャンバ(2)の可撓性の壁内に構成されるか、または前記チャンバ(2)の一側面の境界を定めている可撓性リップ(24)により支えられている少なくとも1つのノッチ(30)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。]
【請求項8】
前記舌状部(4)は、前記ブレスレット(100)内に設けられたインサート(40)のクレビス内で、前記長手方向(DL)にのみ移動可能なスライドを形成していることを特徴とする、請求項記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項9】
前記インサート(40)の前記クレビスは、前記プッシャ(6)内に設けられた相補的なガイド手段(66)の移動をガイドするように構成された、前記方向(DT)に延びる方向ガイド手段(46)を含むことを特徴とする、請求項8に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項10】
前記弾性リターン手段(5)は、前記インサート(40)の前記クレビスの壁(41)と、前記舌状部(4)の支持面(42)との間に閉じ込められていることを特徴とする、請求項8に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項11】
チャンバ(2)が前記インサート(40)の前記クレビス内に構成されていることを特徴とする、請求項8に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項12】
前記インサート(40)の前記クレビスは少なくとも1つの前記可撓性リップ(24)を含むことを特徴とする、請求項に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項13】
請求項1に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)であって、第1のホーン上の前記第1のバー(101)と、第2のホーン上の第2のバー(102)とを含み、それにより前記第1のホーンに取り付けられるように構成された第1の上側ブレスレット部分(11)と、前記第2のホーンに取り付けられるように構成された第2の下側ブレスレット部分(12)とを区別し、前記ピースは時計(1000)であることを特徴とする、計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【請求項14】
請求項1に記載の計時器または宝飾品ピース(1000、2000)であって、第1のホーン上の前記第1のバー(101)と、第2のホーン上の第2のバー(102)とを含み、それにより前記第1のホーンに取り付けられるように構成された第1の上側ブレスレット部分(11)と、前記第2のホーンに取り付けられるように構成された第2の下側ブレスレット部分(12)とを区別し、前記ピースは宝飾品ピース(2000)であることを特徴とする、計時器または宝飾品ピース(1000、2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は少なくとも1つのバーを備え、時計または宝飾品用のバーと共に組み立てられるように構成された少なくとも1つのブレスレット部分を含む、取り外し可能なブレスレットまたはリストバンドを備える計時器または宝飾品ピースに関し、バーは所与の形状および所与の寸法の幾何学的エンベロープの内部に内接しており、ブレスレットは、少なくとも1つのブレスレット部分の端部に、所与の形状および所与の寸法と相補的な形状および寸法を有し、バーを収容するように構成されたチャンバを含み、チャンバはブレスレット部分の第1の側面上に、バーの挿入または取出しのための横方向の開口部を含み、ブレスレット部分は、弾性リターン手段に対して、ブレスレット部分の長手方向に移動可能な舌状部を含み、更に舌状部を制御するためのプッシャを含み、プッシャは、長手方向に実質的に直角な横方向に、かつブレスレット部分の厚さまたは奥行きに沿って移動可能であり、プッシャの横方向運動を舌状部の長手方向運動に変換するための、舌状部の第2のプロファイルと協働するように構成された第1のプロファイルを含み、ブレスレットは、プッシャをブレスレット部分の奥行き内に保持するための、第1の側面上に構成された閉鎖手段を含む。
【0002】
本発明は計時器または宝飾品の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
時計または宝飾品ブレスレットは重要なアクセサリであり、利用者が快適に着用でき、かつ、あらゆる状況において、特にこれらの物品が高い加速度にさらされ得るプロ使用またはスポーツ使用の最中に、時計または宝飾品ピースが確実に固定されていることを保証しなければならない。
【0004】
ブレスレットは時計または宝飾品ピースの審美性に極めて大きく寄与し、これらに特徴的な外観を提供し、利用者のスタイルまたは利用者が着ている衣服のスタイルを表し、このことから、この物品がカスタム化できるように設計され、利用者が自分で交換することを意図した、取り外し可能なブレスレットの利点は明らかである。
【0005】
しかし、完全な審美性、完璧に確実な固定、高い堅牢性、および利用者による、特に特別な工具を必要としない交換容易性の組み合わせを成功させたブレスレットを見いだすことはまれである。
【0006】
NELSONによる米国特許出願第1653058A号は、その側部を介して操作可能な閉鎖用舌状部を有するブレスレットの端部フックについて開示している。
【0007】
MINUTOLIによる米国特許出願第3036353A号は、ばね仕掛けのプッシャを用いた締め具機構に類似した、ブレスレット端部の接続機構について開示している。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、これら全ての要求事項を満足する締結システムが設けられたブレスレットを規定することを提案し、接続バーを有する、時計または宝飾品ピース用の最も一般的なケース用に設計され、特に宝飾品ではバーは一般には宝飾品ピースの本体から分解することができないので、もし分解が可能な場合は、このバーの分解は防止される。
【0009】
この目的のために、本発明は、請求項1による、少なくとも1つのバーを備え、ブレスレットを備える計時器または宝飾品ピースに関する。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明を読み、添付図面を参照すると明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるブレスレットの端部の概略的斜視図を示し、特に既存のブレスレット部分に適合し易いインサートの形で形成され、バーを閉じ込めるように構成されたチャンバを備え、チャンバは舌状部によって閉じることのできる開口部を含み、舌状部の移動量はばね式のプッシャにより制御され、インサートはブレスレットが交換可能な開位置にある状態を示す。
図2】各側面から突出したバーと協働して、図1のインサートによって形成された組立部品の概略上面図である。
図3】ブレスレットを交換できる開位置にある、図2の組立部品の側面図である。
図4図2のAA断面に沿った、同じ組立部品の断面図であり、プッシャがリターンスプリングを圧縮しチャンバ内の開口部から舌状部を開放している。
図5図2のBB断面に沿った、同じ組立部品の断面図であり、動程内をガイドされるプッシャを示す。
図6】同じインサートの概略図の上面から見た分解斜視図を示す。
図7】同じインサートの概略図の底面から見た分解斜視図を示す。
図8図1と同一であるが、ユーザによる意図的な操作無しでは、バーが舌状部を越えて移動できない閉位置にあり、リターンスプリングが最大に伸張した状態にある。
図9図2と同一であるが、ユーザによる意図的な操作無しでは、バーが舌状部を越えて移動できない閉位置にあり、リターンスプリングが最大に伸張した状態にある。
図10図3と同一であるが、ユーザによる意図的な操作無しでは、バーが舌状部を越えて移動できない閉位置にあり、リターンスプリングが最大に伸張した状態にある。
図11図4と同一であるが、ユーザによる意図的な操作無しでは、バーが舌状部を越えて移動できない閉位置にあり、リターンスプリングが最大に伸張した状態にある。
図12図5と同一であるが、ユーザによる意図的な操作無しでは、バーが舌状部を越えて移動できない閉位置にあり、リターンスプリングが最大に伸張した状態にある。
図13図6と同一であるが、ユーザによる意図的な操作無しでは、バーが舌状部を越えて移動できない閉位置にあり、リターンスプリングが最大に伸張した状態にある。
図14図7と同一であるが、ユーザによる意図的な操作無しでは、バーが舌状部を越えて移動できない閉位置にあり、リターンスプリングが最大に伸張した状態にある。
図15】バー、およびインサートチャンバの対応するハウジングの特定の輪郭を示し、同一のブレスレットの上側部分と下側部分とを区別している。
図16】バー、およびインサートチャンバの対応するハウジングの特定の輪郭を示し、同一のブレスレットの上側部分と下側部分とを区別している。
図17図4と同様の断面図であり、交差斜線で示すオーバーモールドされたリップを備える実施形態を示し、インサート内で舌状部の全部または一部が固定化されている。
図18図4と同様の断面図であり、交差斜線で示すオーバーモールドされたリップを備える実施形態を示し、インサート内で舌状部とリターンスプリングの全部または一部が固定化されている。
図19図4と同様の断面図であり、交差斜線で示すオーバーモールドされたリップを備える実施形態を示し、インサート内で舌状部とプッシャとリターンスプリングの全部または一部が固定化されている。
図20図4と同様の断面図であり、交差斜線で示すオーバーモールドされたリップを備える実施形態を示し、インサート内で舌状部とプッシャの全部または一部が固定化されている。
図21図4と同様の断面図であり、交差斜線で示すオーバーモールドされたリップを備える実施形態を示し、インサート内で舌状部とプッシャとリターンスプリングの全部または一部が固定化されている。
図22図4と同様の断面図であり、交差斜線で示すオーバーモールドされたリップを備える実施形態を示し、インサート内でプッシャとリターンスプリングの全部または一部が固定化されている。
図23】時計を示し、時計が装着されたブレスレットを含んでいる。
図24】宝飾品ピースを示し、宝飾品ピースが装着されたブレスレットを含んでいる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は計時器または宝飾品ピース、特に時計1000または宝飾品ピース2000に関し、接続バー101、102を備え、ブレスレット100を備え、ブレスレットをそのような時計1000の中へ、またはそのような宝飾品ピース2000の中へ組み込むための締結システムが設けられ、ブレスレットが交換されるとき、バーが時計1000または宝飾品ピース2000の中の所定位置に残ることができるように設計されている。
【0013】
この取り外し可能な計時器または宝飾品用のブレスレット100は、時計または宝飾品バーに組み立てられるように構成された、少なくとも1つのブレスレット部分1を含む。
【0014】
このバー101、102は所与の形状および所与の寸法の幾何学的エンベロープの内部に内接している。
【0015】
ブレスレット100は、ブレスレット部分1の端部に、上記所与の形状および上記所与の寸法と相補的な形状および寸法を有し、バー101、102を収容し閉じ込めるように構成されたチャンバ2を含む。
【0016】
ブレスレット100は、少なくとも直径に関しては比較的標準的なバーを有する、数多くの商用の時計ケースに取り付け可能な、汎用のブレスレットであってもよいが、物品を破損する可能性のある、いかなるブレスレットの組み立ても防止し、または平凡に見えることを防止するために、特別な形状を有するバーを備えた時計ケースまたは宝飾品ピースに特有のブレスレットであってもよい。
【0017】
図は、ブレスレットの端部にインサート40を含むブレスレット100の特定の場合を示し、これは連続的な製造ができ、かつ保管費用を削減できるという利点を有する。
【0018】
しかし、例えばセラミックまたは金属または他の材料でできているブレスレットは、インサートを有するブレスレットの場合に対するこの特定のかつ好ましい適用においては、端部が直接、後述のように装備されたブレスレット部分を明白に備えていてもよい。
【0019】
チャンバ2、特にインサート40の構造内に作成されたチャンバは、しかしこれに限定されないが、ブレスレット部分1の第1の側面上に、バーの挿入または取出しのための横方向の開口部3を含む。このブレスレット部分1は、弾性リターン手段5に対して、ブレスレット部分1の長手方向DLに移動可能な舌状部4を含み、更に舌状部4を制御するためのプッシャ6を含む。
【0020】
プッシャ6は、長手方向DLに実質的に直角な横方向DTに、かつブレスレット部分1の厚さまたは奥行きに沿って移動可能であり、舌状部4内に設けられた、第2のプロファイル8とそれに協働する用に構成された第1のプロファイル7を含み、プッシャ6の横方向運動を舌状部4の長手方向運動に、特に横方向DTと長手方向DLの両方に対して傾斜している平面上での運動に変換する。
【0021】
ブレスレット100は、第1の側面上に構成された閉鎖手段9を含み、プッシャ6をブレスレット部分1またはそのインサート40の奥行き内に保持する。
【0022】
より具体的には、閉鎖手段9は、エラストマ、ゴム、シリコーンまたは類似のものなどの、可撓性材料でできているオーバーモールドされたリップ10を含み、プッシャ6をブレスレット部分1またはそのインサート40の奥行き内に、恒久的に閉じ込めるように構成されている。
【0023】
より具体的には、図18図19図20図22に示すように、オーバーモールドされたリップ10は、弾性リターン手段5をブレスレット部分1またはそのインサート40の奥行き内に恒久的に閉じ込めるように構成されている。
【0024】
より具体的には、図17図18図19図20図21に示すように、オーバーモールドされたリップ10は、舌状部4をブレスレット部分1またはそのインサート40の奥行き内に恒久的に閉じ込めるように構成されている。
【0025】
特定の一実施形態では、オーバーモールドされたリップ10はブレスレット部分1と一体であり、特にブレスレット部分と、その内部に設けられるインサート40を共に固定する。
【0026】
オーバーモールドすることの代替は、ブレスレット部分を構成する、例えば皮、繊維、エラストマ、ゴム、シリコーンなどの材料の可撓性を用いることであり、ブレスレット部分にはその内部にポケットが形成され、その中にインサートが恒久的に閉じ込められる。
【0027】
両方の場合において、ユーザはブレスレット部分の「スキン」を通して、横方向DTへの圧力によりプッシャ6を操作することができる。ブレスレット部分の奥行き内に埋め込まれたプッシャ6は外部との接触はなく、意図せずに操作されることはない。
【0028】
より具体的には、図6図7図13および図14に示すように、プッシャ6は、閉鎖手段9に接触して協働するように構成された停止手段69を含む。従ってプッシャは、その位置に関わらずハウジングの内側に閉じ込められたままである。
【0029】
有益な一実施形態では、特にバーが適切に挿入されたか、取り外されたかをユーザが感じることができるように、チャンバ2は、チャンバ2の可撓性の壁内に構成されるか、またはチャンバ2の一側面の境界を定めている可撓性リップ24により支えられている少なくとも1つの隆起したノッチ30によって、開口部3から分離されている。
【0030】
閉鎖システムはまた、バーがチャンバ内部に適切に挿入され閉じ込められていて、システムが正しく閉鎖できることを確実にするためのフールプルーフシステムを含んでもよく、これは例えばチャンバ2の底部における湾曲した、可撓性の金属小片の形であって、バーが停止表面に至ったときに変形し、従ってバーがチャンバ内で適切な位置にあることを示す「カチッ」という音を発生させる。この小片は、バーがハウジングの底部にないときは開口部3を介して突出しており、バーがハウジングの底部にあるときは、小片が変形し、チャンバ2内部で後退し、開口部3を介して突出することはもはやない。この小片は形状記憶材料またはアモルファス金属で作製することができる。
【0031】
より具体的には、舌状部4はブレスレット100内に設けられたインサート40のブラケット内で、長手方向DLにのみ移動可能なスライドを形成する。
【0032】
より具体的には、インサート40のこのクレビスは、図3図6図7図13および図14に示すように、プッシャ6内に備えられた相補的なガイド手段66の移動をガイドするように構成された、横方向DTに延びる横方向ガイド手段46を含む。
【0033】
より具体的には、弾性リターン手段5は、特にばね、図の場合はつる巻きばねで形成されており、インサート40のクレビスの壁41と、舌状部4の支持面42との間に閉じ込められている。
【0034】
より具体的には、チャンバ2はインサート40のクレビスの奥行き内に構成されている。
【0035】
より具体的には、インサート40のクレビスは、少なくとも1つの可撓性リップ24を含み、挿入後にバーと接触して協働するように構成されている。
【0036】
インサート40は成形により、例えば金属粉末成形により作製することができる。弾性リターン手段5は、例えばジグザグばねの形でインサートの本体と一体であってもよい。
【0037】
当然、追加の安全装置を追加することもでき、例えばプッシャへのアクセスを可能にする前の、組込式ラッチによるクォータ回転ロック(航空用締結具「Rivkle]タイプまたは類似品」)があり、このラッチは製造者のロゴを含む場合があり、開けるためには特定の角度にする必要がある。
【0038】
上側ブレスレット部分と下側ブレスレット部分とを区別するために、本発明の特定の一実施形態では、ブレスレット100は、第1の幾何学的エンベロープの内部に内接している第1のバー101と、第1のブレスレット部分11であって、第1のブレスレット部分11の第1のチャンバ21が第1のバー101を受容するように寸法決めされている、第1のブレスレット部分11とを含み、ブレスレット100は、第1の幾何学的エンベロープとは異なる第2の幾何学的エンベロープの内部に内接している第2のバー102と、第2のブレスレット部分12であって、第2のブレスレット部分12の第2のチャンバ22が第2のバー102を受容するが第1のバー101は受容しないように寸法決めされている、第2のブレスレット部分12とを含み、異なる位置に配置された溝を含む、図15および図16の特定の例に示すように、第1のチャンバ21は第2のバー102を受容することができない。他の手段で区別することも可能であり、バーの直径による手段、断面の形状による(正方形、三角形、六角形など)手段がある。この特定の構成は偽造を防止する。
【0039】
このような区別した組立部品によって、左利きの人向けにブレスレットをデザインすることも可能である。
【0040】
本発明はより具体的には、そのようなブレスレット100を備える時計1000に関し、ブレスレットは、第1のホーン上に第1のバー101を受容し、第2のホーン上に第2のバー102を受容するように構成され、それにより第1のホーンに取り付けられるように構成された第1の上側部分11と、第2のホーンに取り付けられるように構成された第2の下側部分12とを区別している。
【0041】
本発明はより具体的には、そのようなブレスレット100を含む宝飾品ピース2000に関し、上で開示した全ての構成を明白に含んでもよく、特に、第1のホーン上に第1のバー101を受容し、第2のホーン上に第2のバー102を受容するように構成され、それにより第1のホーンに取り付けられるように構成された第1の上側部分11と、第2のホーンに取り付けられるように構成された第2の下側部分12とを区別している。
【符号の説明】
【0042】
1 ブレスレット部分
2 チャンバ
3 開口部
4 舌状部
5 弾性リターン手段
6 プッシャ
7 第1のプロファイル
8 第2のプロファイル
9 閉鎖手段
10 リップ
11 第1のブレスレット部分
12 第2のブレスレット部分
21 第1のチャンバ
22 第2のチャンバ
24 可撓性リップ
30 ノッチ
40 インサート
41 壁
42 支持面
46 横方向ガイド手段
66 ガイド手段
69 停止手段
100 ブレスレット
101 第1のバー
101 バー
102 第2のバー
102 バー
1000 時計
2000 宝飾品ピース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24