特許第6703573号(P6703573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6703573推定装置、推定方法、及び推定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703573
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】推定装置、推定方法、及び推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20200525BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20200525BHJP
   B60R 11/04 20060101ALI20200525BHJP
   B60S 3/00 20060101ALN20200525BHJP
【FI】
   G06Q30/02 328
   B60R11/02 Z
   B60R11/04
   !B60S3/00
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-162160(P2018-162160)
(22)【出願日】2018年8月30日
(65)【公開番号】特開2020-32907(P2020-32907A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2019年3月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 安昭
(72)【発明者】
【氏名】二宮 一浩
(72)【発明者】
【氏名】西岡 孝章
【審査官】 海江田 章裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/160201(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0066513(US,A1)
【文献】 特開2002−149797(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/110077(WO,A1)
【文献】 特開平11−139262(JP,A)
【文献】 特開2013−190416(JP,A)
【文献】 特開2004−118659(JP,A)
【文献】 特開2003−337856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
B60R 11/02
B60R 11/04
B60S 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載された撮像部によって生成された画像であって、前記移動体の外部の画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された画像に基づいて、前記移動体が使用された度合いである使用感を推定する推定部と、
前記推定部による推定結果に基づいて、前記移動体の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を前記移動体のユーザに通知する通知部と、
を備え
前記通知部は、
天気予報情報に基づいて、所定期間、晴れの天気が続く予報である場合、又は所定期間、降水確率が所定の確率以下である場合、前記洗車優待情報を通知することを決定する
ことを特徴する推定装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記取得部により取得された画像に基づいて、前記移動体の状態が洗車に適した状態であるかを推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記取得部により取得された画像間の比較結果に基づいて、前記移動体の状態が洗車に適した状態であるかを推定することを特徴とする請求項2に記載の推定装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記取得部により取得された画像の輝度値の分布に基づいて、前記移動体の状態が洗車に適した状態であるかを推定することを特徴する請求項2に記載の推定装置。
【請求項5】
前記通知部は、
前記天気予報情報に基づいて、前記洗車優待情報を通知しないと決定した場合、洗車に関する提案を通知することを特徴とする請求項に記載の推定装置。
【請求項6】
前記移動体の位置情報を取得する位置取得部を更に備え、
前記通知部は、
前記位置取得部により取得された位置情報に基づいて、前記移動体の現在位置に対応する住所を特定し、
前記移動体の現在位置に対応する住所と、前記洗車優待情報を提供する前記店舗の住所とに基づいて、前記洗車優待情報を選択することを特徴とする請求項に記載の推定装置。
【請求項7】
移動体に搭載された撮像部によって生成された画像であって、前記移動体の外部の画像を取得する取得部と、
前記取得部により取得された画像に基づいて、前記移動体が使用された度合いである使用感を推定する推定部と、
前記推定部による推定結果に基づいて、前記移動体の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を前記移動体のユーザに通知する通知部と、
を備え、
前記取得部は、
前記撮像部により撮像された前記移動体の室内の画像をさらに取得し、
前記推定部は、
前記取得部により取得された前記移動体の室内の画像に基づいて、当該移動体の室内が清掃を要する状態であるか否かをさらに推定し、
前記通知部は、
前記推定部により、前記移動体が洗車に適した状態であり、かつ前記移動体の室内が清掃を要する状態であると推定された場合、前記移動体の室内清掃を実施している前記店舗により提供される前記洗車優待情報を通知することを特徴とする推定装置。
【請求項8】
通信部を更に備え、
前記通知部は、前記通信部を介して、前記洗車優待情報を配信する情報配信装置から前記洗車優待情報を取得し、取得した前記洗車優待情報を通知することを特徴とする請求項に記載の推定装置。
【請求項9】
推定装置が実行する推定方法であって、
移動体に搭載された撮像部によって生成された画像であって、前記移動体の外部の画像を取得するステップと、
前記移動体の外部の画像に基づいて、当該移動体の状態が洗車に適した状態であるかを推定するステップと
前記推定するステップによる推定結果に基づいて、前記移動体の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を前記移動体のユーザに通知するステップと、
を含み、
前記通知するステップは、
天気予報情報に基づいて、所定期間、晴れの天気が続く予報である場合、又は所定期間、降水確率が所定の確率以下である場合、前記洗車優待情報を通知することを決定する
ことを特徴とする推定方法。
【請求項10】
コンピュータに、
移動体に搭載された撮像部によって生成された画像であって、前記移動体の外部の画像を取得するステップと、
前記移動体の外部の画像に基づいて、当該移動体の状態が洗車に適した状態であるかを推定するステップと
前記推定するステップによる推定結果に基づいて、前記移動体の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を前記移動体のユーザに通知するステップと、
を実行させ
前記通知するステップは、
天気予報情報に基づいて、所定期間、晴れの天気が続く予報である場合、又は所定期間、降水確率が所定の確率以下である場合、前記洗車優待情報を通知することを決定する
ことを特徴とする推定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、推定装置、推定方法、及び推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗車サービスの割引を特別な設定変更をせずに、割引対象者を絞って与えることを目的として、洗車割引情報を含むバーコードを広告チラシ等の販促体などに印字する技術が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−221957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、洗車サービスの割引の提供方法には改善の余地がある。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、洗車サービスの割引提供方法を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る推定装置は、取得部と、推定部とを備える。取得部は、移動体に搭載された撮像部によって生成された画像であって、移動体の外部の画像を取得する。推定部は、前記取得部により取得された画像に基づいて、移動体が使用された度合いである使用感を推定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の態様の1つによれば、洗車サービスの割引提供方法を改善できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る優待情報DBの構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る住所変換DBの構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る推定部による推定処理の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る推定部による推定処理の一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る端末装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る端末装置が実行する処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、実施形態に係る端末装置が実行する処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、実施形態に係る端末装置が実行する処理手順の他の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、他の実施形態に係る洗車情報DBの構成例を示す図である。
図13図13は、他の実施形態に係る端末装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、端末装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る推定装置、推定方法、及び推定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する複数の実施形態により、本願に係る推定装置、推定方法、及び推定プログラムが限定されるものではない。また、以下に説明する複数の実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下に説明する複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
[1.処理の一例]
まず、図1を用いて、本願に係る推定装置の一つとして例示する端末装置100が実行する処理の一例を説明する。図1は、実施形態に係る処理の一例を示す図である。なお、端末装置100は、撮像機能を備える装置、例えば、いわゆるスマートフォンのような携帯端末、タブレット、ドライブレコーダ、カーナビゲーションシステムなどを含む。端末装置100は、本出願に係る提供装置の処理を実現するための機能を提供する特定のアプリケーションソフトウェアを実行する専用端末であってもよい。また、以下では、本願に係る推定装置の一つとして例示する端末装置100が、移動体の1つとして例示される車両10に搭載される場合について説明する。
【0011】
図1に示す例において、端末装置100は、車両10のフロントガラス10Gに据え付けられる。端末装置100の据え付け位置は、車両10の外部を撮像することができれば、特に限定される必要はなく、ダッシュボードの上、あるいはルームミラーに据え付けられてもよい。実施形態に係る端末装置100は、撮像部105により、車両10の外部の様子を撮像して記録するドライブレコーダとしての機能を兼ね備える。
【0012】
図1に示すように、端末装置100は、車両10に搭載された撮像部105により生成された画像であって、車両10の外部の画像を取得する(ステップS11)。そして、端末装置100は、取得した画像に基づいて、車両10が使用された度合いである使用感を推定する(ステップS12)。
【0013】
端末装置100は、車両10が使用された度合いである使用感として、たとえば車両10が洗車に適した状態であるかを推定する。端末装置100は、たとえば車両10が洗車に適した状態であると推定すれば、車両10の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を車両10の運転者(「ユーザ」の一例)に通知する。
【0014】
このようにして、端末装置100は、車両10が使用された度合いである使用感として、たとえば車両10が洗車に適した状態であるかを推定し、車両10が洗車に適した状態であると推定されたとき、洗車優待情報を車両10の運転者に通知できるので、洗車サービスの割引提供方法を改善できる。
【0015】
[2.通信システムの構成]
図2を用いて、実施形態に係る通信システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
【0016】
図2に示すように、通信システム1は、複数の端末装置100と、サーバ20Aと、サーバ20Bとを含む。
【0017】
各端末装置100は、ネットワークNを介して、サーバ2020Aおよびサーバ20Bと接続される。ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。
【0018】
各端末装置100は、車両10に搭載される。各端末装置100は、サーバ20A(「情報配信装置」の一例)から定期的に配信される洗車優待情報を取得し、取得した洗車優待情報を保存する。各端末装置100は、サーバ20Bから定期的に配信される天気予報情報を取得し、取得した天気予報情報を保存する。
【0019】
サーバ20Aは、車両の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を蓄積する。サーバ20Aは、ネットワークNを介して、各端末装置100に対して洗車優待情報を定期的に配信する。サーバ20Bは、ネットワークNを介して、各端末装置100に対して天気予報情報を定期的に配信する。天気予報情報は、週間などの所定期間の天気予報、降水の確率の他、花粉、黄砂、粉塵などの飛来に関する情報を含んでよい。
【0020】
[3.端末装置の構成]
図3を用いて、実施形態に係る端末装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る端末装置100の構成例を示す図である。
【0021】
図3に示すように、端末装置100は、操作部101と、音声取得部102と、出力部103と、表示部104と、撮像部105と、通信部106と、位置取得部107と、記憶部108と、制御部109とを備える。
【0022】
[操作部101について]
操作部101は、例えば、ボタンやスイッチであり、端末装置100の各種操作に用いられる。
【0023】
[音声取得部102および出力部103について]
音声取得部102は、たとえばマイクロフォンであり、車両10に乗車中に運転者が発する音声などの取得に用いられる。音声取得部102は、たとえば、取得した音声を音声信号に変換して、制御部109に出力できる。出力部103は、たとえばスピーカであり、各種音声などの出力に用いられる。出力部103は、たとえば、制御部109からの音信号を音として出力できる。
【0024】
[表示部104について]
表示部104は、例えば、ディスプレイであり、各種情報を表示できる。表示部104は、上述した操作部101と協働して、タッチ操作による入力および各種情報の表示を実現するタッチパネルとして構成されてもよい。
【0025】
[撮像部105について]
撮像部105は、レンズ等の光学系と、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子とを有する撮像ユニットである。撮像部105は、車両10の外部の様子を撮像する。
【0026】
[通信部106について]
通信部106は、たとえば、通信インターフェイスであり、所定の通信規格をサポートする通信モジュール等によって実現される。通信部106がサポートする無線通信の規格として、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格、及び近距離無線の通信規格が例示される。
【0027】
セルラーフォンの通信規格には、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(登録商標)(Wideband code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System For Mobile communications)、PHS(Personal Handy-phone System)等が含まれる。近距離無線の通信規格には、WiMAX(登録商標)(Worldwide interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(登録商標)(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等を含んでよい。
【0028】
通信部106は、通信ネットワークと有線または無線で接続され、通信ネットワークを介して、たとえばサーバ20などの他の装置との間で情報の送受信を行う。通信部106は、サーバ20から配信される洗車優待情報を受信できる。通信部106が接続する通信ネットワークは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等を含む。
【0029】
[位置取得部107について]
位置取得部107は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムに用いられる信号を衛星から受信するためのアンテナを備えたGPS受信機であり、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信できる。位置取得部107は、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号を制御部109に送出する。端末装置100は、位置取得部107から取得する処理後の信号を用いて、端末装置100の現在位置を所定の時間間隔で特定する測位機能を有する。
【0030】
[記憶部108について]
記憶部108は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の非一過的(non-transitory)な任意の記憶装置によって実現される。記憶部108は、画像情報108aと、優待情報DB(Data Base)108bと、天気予報情報108cと、住所変換DB(Data Base)108dとを記憶する。
【0031】
[画像情報108aについて]
画像情報108aは、撮像部105により撮像された車両10の前方の画像情報を含む。画像情報108aは、制御部109により記録される。画像情報108aは、撮像部105により撮像された車両10の室内の画像情報を含んでよい。
【0032】
[優待情報DB108bについて]
優待情報DB108bは、サーバ20Aから配信される洗車優待情報で構成される。図4は、実施形態に係る優待情報DB108bの構成例を示す図である。図4に示すように、優待情報DB108bは、店舗ごとに、洗車に関する優待情報の内容と、店舗住所とを対応付けて構成される。
【0033】
[天気予報情報108cについて]
天気予報情報108cは、サーバ20Bから配信される天気予報情報を記憶したものである。天気予報情報108cは、降水の確率の他、花粉、黄砂、粉塵などの飛来に関する情報を含んでよい。
【0034】
[住所変換DB108dについて]
住所変換DB108dは、位置取得部107に基づいて算出された車両10の位置情報を住所情報に変換するための参照情報で構成される。図5は、実施形態に係る住所変換DB108dの構成例を示す図である。図5に示すように、住所変換DB108dは、緯度の情報と、経度の情報と、住所の情報と、備考の情報とを対応付けて構成される。
【0035】
[制御部109について]
制御部109は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(算出プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。制御部109は、取得部109aと、推定部109bと、通知部109cとを有する。
【0036】
[取得部109aについて]
取得部109aは、車両10に搭載された撮像部105によって生成された画像であって、車両10の外部の画像を取得する。
【0037】
[推定部109bについて]
推定部109bは、取得部109aにより取得された画像に基づいて、車両10が使用された度合いである使用感を推定する。たとえば推定部109bは、取得部109aにより取得された画像、すなわち撮像部105により撮像された車両10の外部の画像に基づいて、当該車両10が洗車に適した状態であるかを推定できる。図6および図7は、実施形態に係る推定部109bによる推定処理の一例を示す図である。
【0038】
図6に示すように、推定部109bは、取得部109aにより取得された画像間の比較結果に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを推定できる。たとえば推定部109bは、撮像部105により撮像されたフロントガラス10Gの画像間の比較結果に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを推定できる。すなわち、推定部109bは、撮像部105により撮像されたフロントガラス10Gの中から基準画像を設定し、設定した基準画像と、基準画像の後に記録されたフロントガラス10Gの画像との差分を算出する。
【0039】
たとえばフロントガラス10Gの画像として、画像gr1,画像gr2、画像gr3が順に記録されたと仮定すると、最初に記録された画像gr1を基準画像に設定する。そして、推定部109bは、画像gr2が記録されたタイミングで、基準画像に設定した画像gr1と画像gr2との差分d1を算出する。推定部109bは、算出した差分d1に基づいて、フロントガラス10Gの状態から車両10の外装の汚れ具合を間接的に判断し、車両10が洗車に適した状態であるかを推定する。
【0040】
たとえばフロントガラス10Gの画像に含まれる領域A1および領域A2のうち、ワイパーが行き届かない領域A1には、洗車や降雨などによりフロントガラス10Gが洗い流されるまでの間、ほこりや粉塵などが付着して、積み重なっていくことが予想される。このため、差分d1が大きくなるほど、車両10の外装の汚れが進んでいると推定できる。推定部109bは、差分d1が閾値を超えている場合、推定部109bは、車両10が洗車に適した状態であると推定できる。たとえば閾値は、フロントガラス10Gの画像全体の面積のうちの一定割合に基づいて設定できる。
【0041】
推定部109bは、車両が洗車に適した状態であると判定されるまで、画像が記録されたタイミングで、車両10が洗車に適した状態であるかを推定する処理を反復して実行できる。推定部109bは、たとえば画像gr3が記録されると、基準画像に設定した画像gr1と画像gr3との差分d2を算出することにより、車両10が洗車に適した状態であるかを推定できる。推定部109bは、推定結果を通知部109cに出力する。
【0042】
また、図7に示すように、推定部109bは、取得部109aにより取得された画像の輝度値の分布に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを推定できる。たとえば推定部109bは、フロントガラス10Gの画像の輝度値の分布に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを推定できる。すなわち、推定部109bは、フロントガラス10Gの画像として画像gr1が記録されると、画像gr1をグレースケールに変換して、たとえば256階調の輝度値ヒストグラムB1を算出することにより、フロントガラス10Gの状態から間接的に車両10の外装の汚れ具合を判断し、車両10が洗車に適した状態であるかを推定する。
【0043】
たとえばフロントガラス10Gの画像に含まれる領域A1および領域A2のうち、ワイパーが行き届かない領域A1には、洗車や降雨などによりフロントガラスG1が洗い流されるまでの間、ほこりや粉塵などが付着して、積み重なっていくことが予想される。このため、フロントガラス10Gが汚れるほど、輝度値ヒストグラムにおいて、ワイパーが行き届かない領域A1に対応する画素の輝度値は小さくなるものと推定される。推定部109bは、ワイパーが行き届かない領域A1に対応する画素の輝度値が小さくなるほど、車両10の外装の汚れが進んでいると推定できる。推定部109bは、輝度値ヒストグラムにおいて、予め設定した閾値を下回る輝度値を有する画素数が一定数を超えている場合、推定部109bは、車両10が洗車に適した状態であると推定できる。
【0044】
また、輝度値の分布は、フロントガラス10Gが汚れるほど、ワイパーが行き届かない領域A1に対応する画素の輝度値と、ワイパーが行き届く領域A2に対応する画素の輝度値のそれぞれにピークを持つパターンを描くことが予想される。そこで、推定部109bは、予め設定した参照パターンと、フロントガラス10Gの画像から算出した画素の輝度値の分布のパターンとが一定の確度をもって類似していると判定できる場合、車両10が洗車に適した状態であると推定することもできる。
【0045】
推定部109bは、車両が洗車に適した状態であると判定されるまで、画像が記録されたタイミングで、車両10が洗車に適した状態であるかを推定する処理を反復して実行できる。推定部109bは、たとえばフロントガラスG1の画像として画像gr2が記録されると、画像gr2の輝度値の分布B2を算出でき、たとえばフロントガラスG1の画像として画像gr3が記録されると、画像gr3の輝度値の分布B3を算出できる。推定部109bは、推定結果を通知部109cに出力する。
【0046】
推定部109bにより実行される推定処理は、上述した処理の他、パターンマッチングによる処理、SVM(Support Vector Machine)やその他の機械学習、並びにDNN(Deep Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、CNN(Convolutional Neural Network)等の種々の深層学習により獲得された認識モデルによる処理などの既知の技術を用いて実行されてもよい。
【0047】
[通知部109cについて]
通知部109cは、推定部109bによる推定結果に基づいて、車両10の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を車両10のユーザに通知する。たとえば通知部109cは、推定部109bによる推定結果が洗車に適した状態であるという結果である場合、記憶部108に記憶されている優待情報DB108bから洗車優待情報を取得して、取得した洗車優待状態を表示部104に出力することにより、車両10のユーザに通知する。
【0048】
通知部109cは、天気予報情報108cに基づいて、洗車優待情報を通知するか否かを決定することもできる。通知部109cは、推定部109bによる推定結果が洗車に適した状態であるという結果である場合、天気予報情報108cに基づいて、たとえば所定期間、晴れの天気が続く予報であることを条件に、洗車優待情報を通知することを決定できる。すなわち、洗車をしても、降雨などによって直ぐに洗車の効果が失われてしまうことに配慮する趣旨である。
【0049】
通知部109cは、たとえば天気が崩れなかったときの一般的な洗車の効果持続日数に基づいて所定期間を設定できる。
【0050】
通知部109cは、所定期間、晴れの天気が続く予報であることを条件とする例には特に限定される必要はなく、たとえば降水確率に着目して、所定期間、降水確率が所定の確率以下であることを条件として、洗車優待情報を通知することを決定してもよい。
【0051】
通知部109cは、天気予報情報108cに基づいて、洗車優待情報を通知しないことを決定した場合、洗車に関する提案を通知することもできる。たとえば通知部109cは、天気が崩れる予報なので本日は洗車に適していない旨、あるいは明後日以降、晴れの天気が続くので洗車は明後日以降に行うのが良い旨などを通知できる。通知部109cは、音声および画像などにより提案を実行できる。
【0052】
通知部109cは、車両10の現在位置に対応する住所と、洗車優待情報を提供する店舗の住所とに基づいて、優待情報DB108bに記録されている洗車優待情報の中から、車両10のユーザに通知する洗車優待情報を選択することもできる。たとえば通知部109cは、推定部109bによる推定結果が洗車に適した状態であるという結果である場合、位置取得部107により取得された位置情報に基づいて、車両10の現在位置を算出する。続いて、通知部109cは、住所変換DB108dを参照して、車両10の現在位置を住所に変換する。そして、通知部109cは、優待情報DB108bに記録される洗車優待情報の中から、車両10の現在位置の住所の近くにある店舗が提供する洗車優待情報を選択する。たとえば通知部109cは、車両10の現在位置の住所から、予め設定される範囲内に住所がある店舗の洗車優待情報を選択できる。予め設定される範囲内は、車両10による移動で5分圏内などの現在位置からの移動時間、あるいは車両10の現在位置から3キロ圏内などの現在位置からの移動距離などに基づいて任意に設定できる。
【0053】
通知部109cは、天気予報情報108cに基づいて洗車優待情報を提供することを決定した後、車両10の現在位置に対応する住所と、洗車優待情報を提供する店舗の住所とに基づいて、車両10のユーザに通知する洗車優待情報を選択することもできる。たとえば通知部109cは、天気予報情報108cに基づいて、洗車優待情報を通知することを決定すると、位置取得部107により取得された位置情報に基づいて、車両10の現在位置を算出する。続いて、通知部109cは、住所変換DB108dを参照して、車両10の現在位置を住所に変換する。そして、通知部109cは、優待情報DB108bに記録される洗車優待情報の中から、車両10の現在位置の住所の近くにある店舗が提供する洗車優待情報を選択する。たとえば通知部109cは、車両10の現在位置の住所から、予め設定される範囲内に住所がある店舗の洗車優待情報を選択できる。予め設定される範囲内は、車両10による移動で5分圏内などの現在位置からの移動時間、あるいは車両10の現在位置から3キロ圏内などの現在位置からの移動距離などに基づいて任意に設定できる。
【0054】
通知部109cによる通知を音声により実行する場合、音声合成処理により実行されてよい。たとえば通知部109cは、洗車優待情報を通知するか否かの判定結果に応じて、洗車に関する提案に対応する文字情報を生成し、生成した文字情報を音声信号に変換することにより、洗車に関する提案に対応した音声の通知を実現できる。
【0055】
[4.処理手順]
図8を用いて、実施形態に係る端末装置による処理の手順の一例について説明する。図8は、実施形態に係る端末装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。図8に示す処理は、端末装置100の起動中、所定のタイミングで繰り返し実行されてよい。
【0056】
図8に示すように、制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報を取得する(ステップS101)。制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報、すなわち車両10の前方の画像(フロントガラスG1の画像)に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを判定する(ステップS102)。
【0057】
制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態である場合(ステップS102,Yes)、車両10のユーザに洗車優待情報を通知して(ステップS103)、図8に示す処理を終了する。
【0058】
制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態ではない場合(ステップS102,No)、図8に示す処理を終了する。
【0059】
図9を用いて、実施形態に係る端末装置100による処理の手順の他の一例について説明する。図9は、実施形態に係る端末装置100が実行する処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図9に示す処理手順は、天気予報情報を用いた処理手順を含む点が、図8に示す処理手順とは異なる。
【0060】
図9に示すように、制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報を取得する(ステップS201)。制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報、すなわち車両10の前方の画像(フロントガラスG1の画像)に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを判定する(ステップS202)。
【0061】
制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態である場合(ステップS202,Yes)、天気予報情報108cから天気予報情報を取得する(ステップS203)。
【0062】
制御部109は、天気予報情報に基づいて、晴れの天気が所定期間続くか否かを判定する(ステップS204)。
【0063】
制御部109は、判定の結果、晴れの天気が所定期間続く場合(ステップS204,Yes)、車両10のユーザに洗車優待情報を通知して(ステップS205)、図9に示す処理を終了する。
【0064】
一方、制御部109は、判定の結果、晴れの天気が所定期間続かない場合(ステップS204,No)、車両10のユーザに洗車に関する提案を通知して(ステップS206)、図9に示す処理を終了する。
【0065】
上記ステップS202において、制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態ではない場合(ステップS202,No)、図9に示す処理を終了する。
【0066】
図10を用いて、実施形態に係る端末装置100による処理の手順の他の一例について説明する。図10は、実施形態に係る端末装置100が実行する処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理手順は、位置情報を用いた処理手順を含む点が、図8に示す処理手順とは異なる。
【0067】
図10に示すように、制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報を取得する(ステップS301)。制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報、すなわち車両10の前方の画像(フロントガラスG1の画像)に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを判定する(ステップS302)。
【0068】
制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態である場合(ステップS302,Yes)、位置取得部107から位置情報を取得する(ステップS303)。
【0069】
制御部109は、位置情報に基づいて、車両10の現在位置に対応する住所を特定する(ステップS304)。
【0070】
制御部109は、車両10の現在位置に基づく住所と、洗車優待情報を提供する店舗の住所とに基づいて、優待情報DB108bから洗車優待情報を選択する(ステップ305)。
【0071】
制御部109は、選択した洗車優待情報を車両10のユーザに通知して(ステップS306)、図10に示す処理を終了する。
【0072】
上記ステップS302において、制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態ではない場合(ステップS302,No)、図10に示す処理を終了する。
【0073】
図11を用いて、実施形態に係る端末装置100による処理の手順の他の一例について説明する。図11は、実施形態に係る端末装置100が実行する処理手順の他の一例を示すフローチャートである。図11に示す処理手順は、天気予報情報を用いた処理手順に加えて、位置情報を用いた処理手順を含む点が、図9に示す処理手順とは異なる。
【0074】
図11に示すように、制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報を取得する(ステップS401)。制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報、すなわち車両10の前方の画像(フロントガラスG1の画像)に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを判定する(ステップS402)。
【0075】
制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態である場合(ステップS402,Yes)、天気予報情報108cから天気予報情報を取得する(ステップS403)。
【0076】
制御部109は、天気予報情報に基づいて、晴れの天気が所定期間続くか否かを判定する(ステップS404)。
【0077】
制御部109は、判定の結果、晴れの天気が所定期間続く場合(ステップS404,Yes)、位置取得部107から位置情報を取得する(ステップS405)。
【0078】
制御部109は、位置情報に基づいて、車両10の現在位置に対応する住所を特定する(ステップS406)。
【0079】
制御部109は、車両10の現在位置に基づく住所と、洗車優待情報を提供する店舗の住所とに基づいて、優待情報DB108bから洗車優待情報を選択する(ステップ407)。
【0080】
制御部109は、車両10のユーザに洗車優待情報を通知して(ステップS408)、図11に示す処理を終了する。
【0081】
上記ステップS404において、制御部109は、判定の結果、晴れの天気が所定期間続かない場合(ステップS404,No)、車両10のユーザに洗車に関する提案を通知して(ステップS409)、図11に示す処理を終了する。
【0082】
上記ステップS402において、制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態ではない場合(ステップS402,No)、図11に示す処理を終了する。
【0083】
[5.変形例]
上述した端末装置100は、上述してきた実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。以下に、端末装置100の他の実施形態について説明する。
【0084】
上述した実施形態において、端末装置100は、車両10の室内を撮像した画像から車両10の室内が清掃を要する状態であるかを推定し、推定結果に基づいて、車両室内の清掃を実行可能な店舗により提供される洗車優待情報を通知してもよい。端末装置100の構成は、以下に説明する点が上述の実施形態とは相違する。
【0085】
撮像部105は、車両10の外部の様子を撮像する他、車両10の室内の様子を撮像する。撮像部105は、車両10の外部または車両10の室内に撮影方向の切り換える切換機能を備える。
【0086】
図12は、他の実施形態に係る優待情報DB108bの構成例を示す図である。優待情報DB108bは、店舗ごとに、洗車に関する洗車優待情報の内容と、洗車と合わせて室内清掃を実施しているか否かを示す情報と、店舗住所とを対応付けて構成される。
【0087】
取得部109aは、撮像部105により撮像された車両10の室内の画像を取得する。
【0088】
推定部109bは、車両10が洗車に適した状態であるかを推定する処理、並びに、車両10が室内清掃を要するかどうかを推定する処理をそれぞれ実行できる。推定部109bは、撮像部105により撮像された車両10の室内の画像の中から基準画像を設定し、設定した基準画像とその他の画像との差分を算出することにより、車両10の室内が清掃を要する状態であるか否かを推定できる。
【0089】
通知部109cは、推定部109bにより、車両10が洗車に適した状態であり、かつ室内清掃を要する状態であると推定されれば、室内清掃を実施している店舗により提供される洗車優待情報を優待情報DB108bから選択して、車両10のユーザに通知する。通知部109cは、推定部109bによる推定結果が、洗車に適した状態であるが、室内清掃を要する状態ではないと推定されれば、室内清掃を実施している店舗であるか否かに関係なく、洗車優待情報を車両10のユーザに通知する。
【0090】
図13を用いて、他の実施形態に係る端末装置100による処理の手順の一例について説明する。図13は、他の実施形態に係る端末装置100が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。図13に示す処理手順は、室内清掃を要する状態であるかを判定する手順を含む点が、上述した図8に示す処理手順とは異なる。
【0091】
図13に示すように、制御部109は、撮像部105により撮像された画像情報を取得する(ステップS501)。制御部109は、ステップS501で取得した画像情報、すなわち車両10の外部の画像(たとえば、フロントガラス10Gの画像)に基づいて、車両10が洗車に適した状態であるかを判定する(ステップS502)。
【0092】
制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態である場合(ステップS502,Yes)、ステップS501で取得した画像情報、すなわち車両10の室内の画像に基づいて、車両10の室内が清掃を要する状態であるか否かを推定する(ステップS503)。
【0093】
制御部109は、判定の結果、車両10の室内が清掃を要する状態である場合(ステップS503,Yes)、室内清掃を実施している店舗により提供される洗車優待情報を優待情報DB108bから選択して車両10のユーザに通知し(ステップS504)、図13に示す処理を終了する。
【0094】
制御部109は、判定の結果、車両10の室内が清掃を要する状態ではない場合(ステップS503,No)、室内清掃を実施している店舗であるか否かに関係なく、車両10のユーザに洗車優待情報を通知して(ステップS505)、図13に示す処理を終了する。
【0095】
上記ステップS502において、制御部109は、判定の結果、車両10が洗車に適した状態ではない場合(ステップS502,No)、図13に示す処理を終了する。
【0096】
図13に示す例において、端末装置100は、図9に示す処理手順と同様に、天気予報情報に基づいて、洗車優待情報を通知するか否かを決定する処理手順を実行してもよい。
【0097】
図13に示す例において、端末装置100は、図10に示す処理手順と同様に、車両10の現在位置に基づく住所と、洗車優待情報を提供する店舗の住所とに基づいて、優待情報DB108bから洗車優待情報を選択する処理手順を実行してもよい。
【0098】
図13に示す例において、端末装置100は、図11に示す処理手順と同様に、天気予報情報に基づいて、洗車優待情報を通知するか否かを決定する処理手順、並びに車両10の現在位置に基づく住所と洗車優待情報を提供する店舗の住所とに基づいて、優待情報DB108bから洗車優待情報を選択する処理手順をそれぞれ実行してもよい。
【0099】
[6.ハードウェア構成]
上述してきた実施形態および変形例に係る端末装置100は、たとえば図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、端末装置100を例に挙げて説明する。
【0100】
図14は、端末装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0101】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0102】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0103】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0104】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、たとえばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0105】
たとえば、コンピュータ1000が実施形態に係る端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部109が備える推定部109b及び通知部109cの各機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部108に記憶される情報と同様のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0106】
コンピュータ1000は、CPU1100の代わりに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によって処理を実行してもよい。
【0107】
[その他]
上述した実施形態及び変形例において、端末装置100の推定部109b及び通知部109cの処理は、推定部109bおよび通知部109cと同様の処理機能を有するサーバなどの情報処理装置が実行してもよい。この場合、端末装置100は、撮像部105により撮像された画像を情報処理装置にアップロードし、情報処理装置から処理結果をダウンロードすることにより利用できる。
【0108】
上述した実施形態及び変形例において、端末装置100は、洗車優待情報を通知する際、優待情報の内容が同一のものがある場合、車両10のユーザが得られる利益が大きい洗車優待情報を選択して、通知するように制御してもよい。
【0109】
また、上述した実施形態では、端末装置100は、優待情報DB108bを備え、優待情報DB108bに記憶されている洗車優待情報を車両10の運転者に通知する例を説明したが、この例には特に限定される必要はない。たとえば通知部109cは、洗車優待情報を通知する際、通信部106を介して、洗車優待情報を配信するサーバ20Aから洗車優待情報を取得し、取得した洗車優待情報を通知してもよい。
【0110】
また、上述した実施形態および変形例において、位置取得部107は、GPS衛星以外の測位用人工衛星の信号を受信可能な受信機を備え、現在位置の演算処理を実行してもよい。端末装置100は、複数種類の測位衛星の受信機を備えてもよい。GPS衛星以外の測位用人工衛星として、GLONASS(Global Navigation Satellite System)の人工衛星、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)の人工衛星、COMPASSの人工衛星、GALILEOの人工衛星等が例示される。
【0111】
上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0112】
[7.効果]
上述してきたように、実施形態に係る端末装置100(推定装置の一例)は、取得部109aと、推定部109bとを備える。取得部109aは、車両10(「移動体」の一例)に搭載された撮像部105によって生成された画像であって、車両10の外部の画像を取得する。推定部109bは、取得部109aにより取得された画像に基づいて、車両19が使用された度合いである使用感を推定する。このため、実施形態に係る端末装置100は、車両10が使用された度合いである使用感に基づいて、たとえば洗車サービスの割引に関する情報を効率よく提供でき、洗車サービスの割引提供方法を改善できる。
【0113】
また、推定部109bは、取得部109aにより取得された画像に基づいて、車両10の状態が洗車に適した状態であるかを推定する。このため、実施形態に係る端末装置100は、車両10が洗車に適した状態であると推定されたとき、洗車サービスの割引に関する情報を車両10の運転者に通知できるので、洗車サービスの割引提供方法を改善できる。
【0114】
また、実施形態に係る端末装置100は、推定部109bによる推定結果に基づいて、車両10の洗車を業務の一部とする店舗により提供される洗車に関する洗車優待情報を車両10の運転者(「ユーザ」の一例)に通知する通知部109cをさらに備える。このため、実施形態に係る端末装置100は、車両10が洗車に適した状態であると推定されたとき、洗車優待情報を車両10の運転者に提供できる。
【0115】
また、推定部109bは、取得部109aにより取得された画像間の比較結果に基づいて、車両10の状態が洗車に適した状態であるかを推定する。このため、実施形態に係る端末装置100は、簡易な処理で車両10の状態が洗車に適した状態であるかを推定できる。
【0116】
また、推定部109bは、取得部109aにより取得された画像の輝度値の分布に基づいて、車両10の状態が洗車に適した状態であるかを推定する。このため、実施形態に係る端末装置100は、簡易な処理で車両10の状態が洗車に適した状態であるかを推定できる。
【0117】
また、通知部109cは、天気予報情報108cに基づいて、洗車優待情報を通知するか否かを決定する。このため、実施形態に係る端末装置100は、一定期間、天候が崩れることなく安定している場合など、洗車の効果を長続きさせることが可能な適切なタイミングで洗車優待情報を車両10の運転者に提供できる。
【0118】
また、通知部109cは、天気予報情報108cに基づいて、洗車優待情報を通知しないと決定した場合、洗車に関する提案を通知する。このため、実施形態に係る端末装置100は、近日中に天候が崩れることが予想される場合など、洗車には不向きなタイミングであることなど、洗車に際して有益な提案を車両10の運転者に提供できる。
【0119】
また、実施形態に係る端末装置100は、車両10の位置情報を取得する位置取得部107を更に備える。通知部109cは、位置取得部107により取得された位置情報に基づいて、車両10の現在位置に対応する住所を特定し、車両10の現在位置に対応する住所と、洗車優待情報を提供する店舗の住所とに基づいて、洗車優待情報を選択する。このため、実施形態に係る端末装置100は、車両10の運転者がより使いやすい洗車優待情報を提供できる。
【0120】
また、取得部109aは、撮像部105により撮像された車両10の室内の画像をさらに取得する。推定部109bは、取得部109aにより取得された車両10の室内の画像に基づいて、車両10の室内が清掃を要する状態であるか否かをさらに推定する。通知部109cは、推定部109bにより、車両10が洗車に適した状態であり、かつ車両10の室内が清掃を要する状態であると推定された場合、車両10の室内清掃を実施している店舗により提供される洗車優待情報を通知する。このため、実施形態に係る端末装置100は、車両10の運転者にとって、より満足感のある洗車優待情報を提供できる。
【符号の説明】
【0121】
10 車両
100 端末装置
101 操作部
102 音声取得部
103 出力部
104 表示部
105 撮像部
106 通信部
107 位置取得部
108 記憶部
109 制御部
109a 取得部
109b 推定部
109c 通知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14