特許第6703622号(P6703622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツングの特許一覧

特許6703622薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル
<>
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000002
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000003
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000004
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000005
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000006
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000007
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000008
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000009
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000010
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000011
  • 特許6703622-薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703622
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】薄型センサ及び薄型センサを有する電気化学的セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20200525BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20200525BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20200525BHJP
   H01M 10/0585 20100101ALN20200525BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M10/48 P
   H01M10/48 301
   H01M2/10 Y
   H01M2/20 Z
   !H01M10/0585
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-554554(P2018-554554)
(86)(22)【出願日】2017年4月10日
(65)【公表番号】特表2019-516219(P2019-516219A)
(43)【公表日】2019年6月13日
(86)【国際出願番号】EP2017058500
(87)【国際公開番号】WO2017182307
(87)【国際公開日】20171026
【審査請求日】2018年10月17日
(31)【優先権主張番号】62/324,089
(32)【優先日】2016年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/324,103
(32)【優先日】2016年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク コティック
【審査官】 松村 駿一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2016−505808(JP,A)
【文献】 特開2014−143903(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102171907(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/48
H01M 2/20
H01M 10/0585
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学的セルであって、
セルの外面の第1の部分を形成し、かつ、正のセル端子を提供する単一の正極と、
前記セルの外面の第2の部分を形成し、かつ、負のセル端子を提供する単一の負極と、
前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータであって、前記正極と前記負極と前記セパレータとが、積層された構成により配置されている、セパレータと、
前記正極の周縁部と前記負極の周縁部とを接続し、かつ、前記正極の周縁部と前記負極の周縁部との間にシールを形成したシーリング材料層と、
回路基板と、前記回路基板上に支持された電子装置とを有するセンサ装置であって、センサと通信装置とを有する、センサ装置と、
を備え、
前記センサ装置は、前記正極及び前記負極のうちの一方と物理的に接触しておりかつ電気的に接続されており、
前記センサ装置の少なくとも第1の部分は、前記セルの外側に配置されている、
電気化学的セル。
【請求項2】
前記センサ装置は、前記センサに電気的に接続された導電性センサ接触パッドを有する第2の部分を有し、
前記センサ装置の前記第2の部分は、前記セルの外面に配置されている、
請求項1に記載の電気化学的セル。
【請求項3】
前記センサ装置の前記第1の部分は、前記通信装置に電気的に接続された導電性接触パッドを有する、
請求項2に記載の電気化学的セル。
【請求項4】
前記センサ接触パッドは、全体が前記セル内に配置されている、
請求項2に記載の電気化学的セル。
【請求項5】
前記センサ接触パッドは、前記シーリング材料層に埋め込まれている、
請求項2に記載の電気化学的セル。
【請求項6】
前記センサ装置は、前記センサに電気的に接続された導電性センサ接触パッドを有する第2の部分を有し、
前記センサ装置の前記第2の部分は、前記正極と前記負極との間に配置されており、かつ、前記正極及び前記負極の両方に物理的に接触している、
請求項1に記載の電気化学的セル。
【請求項7】
前記センサ接触パッドは、前記正極に電気的に接続された第1のセンサ接触パッドと、前記負極に接続された第2のセンサ接触パッドとを有する、
請求項6に記載の電気化学的セル。
【請求項8】
前記センサ装置の前記第1の部分は、送信機に電気的に接続された導電性送信機接触パッドと、受信機に電気的に接続された導電性受信機接触パッドとを有する、
請求項1に記載の電気化学的セル。
【請求項9】
前記回路基板は、フレキシブルである、
請求項1に記載の電気化学的セル。
【請求項10】
前記電子装置は、バッテリセル監視機能及びバッテリセル制御機能のうちの少なくとも一方を行うように構成された集積回路である、
請求項1に記載の電気化学的セル。
【請求項11】
バッテリモジュールであって、
積層された構成に配置された電気化学的セルと、
センサ装置であって、各センサ装置は、前記電気化学的セルうちの所定の1つに電気的に接続されており、各センサ装置は、通信ネットワークを自動的に形成するために、隣接する電気化学的セルのセンサ装置と物理的に接触し、かつ、隣接する電気化学的セルのセンサ装置と電気接続を形成する、センサ装置と、
を備え
各電気化学的セルは、
セルの外面の第1の部分を形成し、かつ、正のセル端子を提供する単一の正極と、
前記セルの外面の第2の部分を形成し、かつ、負のセル端子を提供する単一の負極と、
前記正極と前記負極との間に配置されたセパレータであって、前記正極と前記負極と前記セパレータとが、積層された構成により配置されている、セパレータと、
前記正極の周縁部と前記負極の周縁部とを接続し、かつ、前記正極の周縁部と前記負極の周縁部との間にシールを形成したシーリング材料層と、
を備え、
各センサ装置は、回路基板と、前記回路基板上に支持されたセンサとを有し、
前記センサ装置は、前記正極及び前記負極のうちの一方と物理的に接触しておりかつ電気的に接続されており、
前記センサ装置の少なくとも第1の部分は、前記セルの外側に配置されている、
バッテリモジュール。
【請求項12】
各センサ装置は、回路基板と、前記回路基板の第1の側に支持された通信装置とを有し、前記通信装置は、送信器及び受信機のうちの少なくとも一方を有し、
各センサ装置は、前記回路基板の前記第1の側に配置された導電性の第1の接触パッドと、前記回路基板の第2の側に配置された導電性の第2の接触パッドとを有し、
前記第1の接触パッドは、前記通信装置に電気的に接続されており、
前記第1の接触パッド及び前記第2の接触パッドは、前記第1の側から前記第2の側まで前記回路基板を貫通したバイアによって電気的に接続されており、
1つの電気化学的セルの前記第1及び第2の接触パッドのうちの一方は、隣接する電気化学的セルの前記第1及び第2の接触パッドのうちの1つに物理的に接触しかつ電気的に接続されており、通信ネットワークの少なくとも一部が自動的に形成されている、
請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項13】
各センサ装置は、前記センサ装置が接続された前記電気化学的セルのうちの所定の1つによって電力を供給される、
請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項14】
各センサ装置は、隣接するセンサ装置の間の直列接続の形成により電力を供給されるように構成されている、
請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項15】
前記電気化学的セルのうちの所定の1つの前記センサ装置は、前記電気化学的セルのうちの前記所定の1つの前記正極及び前記負極のうちの一方の外面に配置されており、かつ、前記正極及び前記負極のうちの一方と物理的に接触しており、
前記電気化学的セルのうちの前記所定の1つの前記センサ装置は、隣接する電気化学的セルの前記正極及び前記負極のうちの他方に物理的に接触しており、
前記センサ装置は、前記電気化学的セルのうちの前記所定の1つ及び前記隣接する電気化学的セルによって電力を供給される、
請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項16】
前記電気化学的セルのうちの所定の1つのセンサ装置の一部分は、前記正極と前記負極との間に配置されており、かつ、前記正極及び前記負極の両方と接触しており、前記センサ装置は、前記センサ装置が接続された前記電気化学的セルのうちの前記所定の1つによって電力を供給される、請求項11に記載のバッテリモジュール。
【請求項17】
前記バッテリモジュールは、モジュールハウジングを有し、前記電気化学的セルは、前記モジュールハウジング内に配置されている、
請求項11に記載のバッテリモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、概して、共通の支持材料上に固体装置又は一連の固体装置を有し、かつ、バッテリセル状態を検出しかつセル制御機能を能動的に行う薄型センサを有する電気化学的セルに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
バッテリパックは、可搬式電子機器から、更新可能な電力システム、及び、環境に優しい車両にまで至る様々な技術のための電力を提供する。例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV)は、燃料効率を高めるために燃焼機関に関連してバッテリパック及び電気モータを使用する。バッテリパックは、複数のバッテリモジュールから形成されており、各バッテリモジュールは、複数の電気化学的セルを有する。バッテリモジュール内において、セルは、二次元又は三次元の配列で配置されており、直列又は並列に電気的に接続されている。同様に、バッテリパック内のバッテリモジュールは、直列又は並列に電気的に接続されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
いくつかの態様において、薄型センサ装置は、共通のキャリヤに配置された固体装置又は一連の固体装置を有する。固体装置は、センサ装置が、電圧及び温度などのバッテリセル状態を検出することを可能にし、また、バッテリセルの直列ストリングにおける充電状態バランシングを可能にするために、ドレインバッテリセルエネルギなどの機能を能動的に行う能力を提供する。いくつかの実施の形態において、センサ装置は、少なくとも部分的にセルに埋め込まれているものとしてもよい。他の実施の形態において、センサ装置は、セルの外面に配置されている。
【0004】
いくつかの態様において、単一電極対電気化学的セルは、内方へ面した側にペーストされた第1の活性材料を有するアノード箔基板と、内方へ面した側にペーストされた第2の活性材料を有するカソード箔基板と、アノードとカソードとの間に配置されたセパレータシートと、箔の周縁部に沿って配置された、ホットメルトシーラント又は感圧接着剤などのシーリング材料と、シーリング材料によって基板の間にシールされた電解質とを有する。基板は、不透過性の層、エンクロージャ及び電極として作用する。したがって、本明細書において用いられるとき、“基板”及び“電極”という用語は置き換えることができる。電極の間のシーリング材料層は、電極を所定の位置に固定し、かつ、電極の間の電気的短絡を防止するために、電極の周囲に沿って延在している。単一電極対電気化学的セルは、極めて薄く、したがって、セルをバッテリマネジメントシステム(BMS)に接続するために、検出リード及び個別装置をどのようにして実際に取り付けるかという問題を生じる。これは、いくつかの慣用的な検出リードが、単一電極対電気化学的セルよりも大幅に嵩高であり、セル状況を検出することを困難にしているからである。
【0005】
いくつかの実施の形態において、この困難性を解決するセンサ装置は、少なくとも1つの半導体と、フレキシブルな回路基板とを有する。これらは、バッテリセルセンシングエレクトロニクスを、小さな薄型回路基板に外部に取り付けるために使用される。小さな薄型回路基板は、電子装置と通信するための従来の通信システム及び方法も維持する。加えて、通信ネットワークは、外部配線を加えることなく、組立てプロセス中に自動的に形成される。
【0006】
いくつかの実施の形態において、この困難性を解決するセンサ装置は、共通のキャリヤに配置された固体装置又は一連の固体装置を含む。固体装置は、センサ装置が、電圧及び温度などのバッテリセル状態を検出することを可能にし、また、バッテリセルの直列ストリングにおける充電状態バランシングを可能にするために、ドレインバッテリセルエネルギなどの機能を能動的に行う能力を提供する。
【0007】
いくつかの実施の形態において、この困難性を解決するセンサ装置は、少なくとも1つの半導体と、フレキシブルな回路基板とを有する。これらは、バッテリセルセンシングエレクトロニクスを、小さな薄型回路基板に取り付けるために使用される。小さな薄型回路基板は、電子装置と通信するための従来の通信システム及び方法も維持する。特に、センサ装置のセンサ部分は、BMSへの個別の又は直接的な配線を実施する必要なく、超薄バッテリセル内へ直接的に配置されている。いくつかの実施の形態において、センサ部分は、電極の間に存在するために、電極を接合するために使用されるシーリング材料内に埋め込まれている。
【0008】
いくつかの態様において、電気化学的セルは、セルの外面の第1の部分を形成し、かつ、正のセル端子を提供する単一の正極と、セルの外面の第2の部分を形成し、かつ、負のセル端子を提供する単一の負極とを有する。電気化学的セルは、正極と負極との間に配置されたセパレータを有し、正極と負極とセパレータとは、積層された構成に配置されている。電気化学的セルは、正極の周縁部と負極の周縁部とを接続し、かつ、正極の周縁部と負極の周縁部との間にシールを形成するシーリング材料層と、センサ装置とを有し、センサ装置は、回路基板と、回路基板に支持された電子装置とを有し、電子装置は、センサと、通信装置とを有する。センサ装置は、正極及び負極のうちの一方と物理的に接触しており、かつ、正極及び負極のうちの一方に電気的に接続されており、センサ装置の少なくとも第1の部分は、セルの外側に配置されている。
【0009】
電気化学的セルは、以下の特徴のうちの1つ又は複数を有しているものとしてもよい。センサ装置は、センサに電気的に接続された導電性センサ接触パッドを有する第2の部分を有し、センサ装置の第2の部分は、セルの外面に配置されている。センサ装置の第1の部分は、通信装置に電気的に接続された導電性接触パッドを有する。センサ接触パッドは、全体がセル内に配置されている。センサ接触パッドは、シーリング材料層に埋め込まれている。センサ装置は、センサに電気的に接続された導電性センサ接触パッドを有する第2の部分を有し、センサ装置の第2の部分は、正極と負極との間に配置されており、かつ、正極及び負極の両方に物理的に接触している。センサ接触パッドは、正極に電気的に接続された第1のセンサ接触パッドと、負極に接続された第2のセンサ接触パッドとを有する。センサ装置の第1の部分は、送信機に電気的に接続された導電性送信機接触パッドと、受信機に電気的に接続された導電性受信機接触パッドとを有する。回路基板はフレキシブルである。電子装置は、バッテリセル監視機能及びバッテリセル制御機能のうちの少なくとも一方を行うように構成された集積回路である。
【0010】
いくつかの態様において、バッテリモジュールは、積層された構成により配置された電気化学的セルと、センサ装置とを有する。各センサ装置は、電気化学的セルのいずれか1つに電気的に接続されており、各センサ装置は、通信ネットワークを自動的に形成するために、隣接する電気化学的セルのセンサ装置と物理的に接触し、かつ、隣接する電気化学的セルのセンサ装置との電気接続を形成している。
【0011】
バッテリモジュールは、以下の特徴のうちの1つ又は複数を有しているものとしてもよい。各センサ装置は、回路基板と、回路基板の第1の側に支持された通信装置とを有し、通信装置は、送信器及び受信機のうちの少なくとも一方を有し、各センサ装置は、回路基板の第1の側に配置された導電性の第1の接触パッドと、回路基板の第2の側に配置された導電性の第2の接触パッドとを有し、第1の接触パッドは、通信装置に電気的に接続されており、第1の接触パッド及び第2の接触パッドは、第1の側から第2の側まで回路基板を貫通したバイアによって電気的に接続されており、1つの電気化学的セルの第1及び第2の接触パッドのうちの一方は、隣接する電気化学的セルの第1及び第2の接触パッドのうちの1つに物理的に接触しかつ電気的に接続されており、通信ネットワークの少なくとも一部が自動的に形成されている。
【0012】
バッテリモジュールは、また、以下の特徴のうちの1つ又は複数を有しているものとしてもよい。各センサ装置は、センサ装置が接続された電気化学的セルのいずれか1つによって電力を供給される。各センサ装置は、隣接するセンサ装置の間の直列接続の形成により電力を供給されるように構成されている。各電気化学的セルは、セルの外面の第1の部分を形成し、かつ、正のセル端子を提供する単一の正極と、セルの外面の第2の部分を形成し、かつ、負のセル端子を提供する単一の負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有し、正極、負極及びセパレータは、積層された構成により配置されている。各電気化学的セルは、正極の周縁部と負極の周縁部とを接続し、かつ、正極の周縁部と負極の周縁部との間にシールを形成するシーリング材料層を有し、各センサ装置は、回路基板と、回路基板に支持されたセンサとを有する。センサ装置は、正極及び負極のうちの一方に物理的に接触しかつ電気的に接続されており、センサ装置の少なくとも第1の部分は、セルの外側に配置されている。
【0013】
バッテリモジュールは、また、以下の特徴のうちの1つ又は複数を有しているものとしてもよい。電気化学的セルのうちの所定の1つのセンサ装置は、電気化学的セルのうちの所定の単一の正極及び負極のうちの一方の外面に配置されており、かつ、正極及び負極のうちの一方と物理的に接触しており、電気化学的セルのうちの所定の1つのセンサ装置は、隣接する電気化学的セルの正極及び負極のうちの他方に物理的に接触しており、装置は、電気化学的セルのうちの任意の独特の1つ及び隣接する電気化学的セルによって電力を供給される。電気化学的セルのうちの任意の独特の1つのセンサ装置の一部分は、正極と負極との間に配置されており、かつ、正極及び負極の両方と接触しており、装置は、センサ装置が接続された電気化学的セルのうちの所定の1つによって電力を供給される。バッテリモジュールは、モジュールハウジングを有し、電気化学的セルは、モジュールハウジング内に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】バッテリモジュールを有するバッテリパックの概略的な断面図であり、各バッテリモジュールは、4つの単一電極対セルを有する。
図2】単一電極対セルの断面図である。
図3】センサ装置の平面図である。
図4図3のセンサ装置の下面図である。
図5】セルと組み立てられた、図3のセンサ装置の概略的な断面図である。
図6】セルスタックの一部の分解された断面図であり、セルスタックの各セルは図3のセンサ装置を有し、センサ装置は、隣接するセルのセンサ装置が互いに接触するように配置されており、接触位置は点線で表されている。
図7】センシング装置が互いに上下に配置されたときに自動的に形成される通信ネットワークの図である。
図8】代替的な実施の形態のセンサ装置の平面図である。
図9図8のセンサ装置の下面図である。
図10】セルと組み立てられた、図8のセンサ装置の概略的な断面図である。
図11】セルスタックの一部の分解された断面図であり、セルスタックの各セルは図8のセンサ装置を有し、センサ装置は、隣接するセルのセンサ装置が互いに接触するように配置されており、接触位置は点線で表されている。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
図1及び図2を参照すると、バッテリモジュール6は、電気的に相互接続され、かつ、バッテリモジュールハウジング8内に組織化された形式で格納された電気化学的セル20を有する発電及び記憶装置である。例えば、セル20は、セルスタック10を形成するために互いに上下に配置されているものとしてもよい。セル20は、バッテリモジュールハウジング8内において直列又は並列に電気的に接続されているものとしてもよいが、積層された配列自体が、スタック10のセル20の間の直列電気接続を形成する。複数のバッテリモジュール6が、バッテリパック2を形成するようにバッテリパックハウジング4に配置されているものとしてもよく、バッテリパックハウジング8内において、バッテリモジュール6は、直列又は並列に電気的に接続されている。モジュールのセル20の間及び/又はセル20と他の装置との間の通信ネットワークを形成するために使用することができるフレキシブルなセンサ装置40が、各セル20に固定されている。フレキシブルなセンサ装置40は、後で詳細に説明する。
【0016】
単層セル20は、成層化された導体−セパレータ−導体構成により配置された、単一の正極22と、単一のセパレータ30と、単一の負極26とを有するリチウムイオンセルである。正極22は、第1の導電性材料から形成され、かつ、内方へ面した側に配置された第1の活性材料層24を有する第1の箔基板を有する。例えば、正極22は、銅箔から形成されているものとしてもよく、内方へ面した側に配置されたグラファイト活性材料層24を有する。負極26は、第2の導電性材料から形成され、かつ、内方へ面した側に配置された第2の活性材料層28を有する第2の箔基板を有する。例えば、負極26は、アルミニウム箔から形成されているものとしてもよく、内方へ面した側に配置されたリチウム化金属酸化物活性材料層28を有しているものとしてもよい。
【0017】
セル20は、正極22及び負極26の間に配置されたセパレータ30を有する。セパレータ30は、電解質に提供されたイオン電荷キャリヤの通過も許容しながら電気的短絡を防止するために正極22及び負極26を離隔しておくために機能し、かつ、セル20内の電流の通過の間に回路を閉じるために必要とされる、透過性の膜である。セパレータ30は、例えば、3層ポリプロピレン−ポリエチレン−ポリプロピレン膜などの電気的に絶縁性の材料から形成されている。
【0018】
ホットメルトシーラント又は感圧接着剤などのシーリング材料層36が、正極22及び負極26の周縁部23,27に沿って配置されており、電解質は、シーリング材料によって正極22と負極26との間にシールされている。シーリング材料層36は、基板を所定の位置に固定し、かつ、基板の間の電気的短絡を防止するために、周縁部に沿って、正極22及び負極26を形成する基板の間に配置されている。
【0019】
セル20は、正極22及び負極26と、セパレータ30との積層された配列により形成されているので、セル20は、いくつかの慣用的なセルに対して極めて薄い。セル厚さの非制限的な例として、いくつかの実施の形態において、セル20は、0.5mm乃至1.5mmの範囲の、正極外面と負極外面との間の距離に対応する厚さを有しているものとしてもよい。他の実施の形態において、セル20は、0.2mm乃至0.5mmの範囲の厚さを有しているものとしてもよい。
【0020】
例示された実施の形態においては、4つのセル20が、積層された構成によりモジュールハウジング8内に配置されている。しかしながら、セルスタック10は、特定の用途によって要求されるように、より多数又はより少数のセルを有しているものとしてもよい。例えば、いくつかの実施の形態において、セルスタック10は、約100個以上のセル20を有しているものとしてもよい。モジュールハウジング8は、正(+)のバスバー52及び負(−)のバスバー54を有する。
【0021】
図3乃至図5を参照すると、センサ装置40は、モジュール6のセル20のうちの少なくとも1つに接続されている。センサ装置40は、電圧及び温度などのバッテリセル状態の検出を可能にし、かつ、また、バッテリセルの直列ストリングにおけるチャージバランシングの状態を可能にするために、バッテリセルエネルギのドレイニングなどの機能を能動的に行う能力を提供するフレキシブルな薄型装置である。加えて、センサ装置40は、複数のセル20が積層された構成により配置されたときに、それぞれのセンサ装置40が、手作業による接続、溶接などを必要とせずに自動的に通信ネットワークを形成するように構成されている。これらの特徴及びその他の特徴は、後で詳細に説明される。
【0022】
センサ装置40は、フレキシブル回路基板44の形式のキャリヤと、回路基板44に支持された電子装置42とを有する。電子装置42は、1つ又は複数の集積回路(IC)又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよいが、これらに限定されない。例示された実施の形態においては、ICの形式の1つの電子装置42が設けられている。電子装置42は、温度、バッテリ電圧等を検出するように構成された1つ又は複数のセンサと、センサによって生ぜしめられた情報を、バッテリモニタリングシステム(BMS)(図示せず)などの外部装置へ送信する送信機と、BMSからの命令を含む情報を受信する受信機とを有する。
【0023】
例示された実施の形態においては、回路基板44は、薄い、フレキシブルな、電気的に絶縁性の材料から形成されている。加えて、回路基板44は、平面図で見たとき概して矩形である。回路基板44は、層状構造を有しているものとしてもよく、少なくとも2つの層から形成されているものとしてもよい。
【0024】
センサ、送信機及び受信機はそれぞれ、回路基板44の互いに反対の側47,48のそれぞれにおいて、対応する電気的接触パッド60,62,64を有する。電気的接触パッド60,62,64は、銅などの導電性材料から形成されており、回路基板44の最も外側の層の、外方へ面した面に設けられている。
【0025】
センサ接触パッド60は、センサ装置40が電圧センシング及び/又は温度センシングを行うことを可能にする。加えて、センサ接触パッド60が、センサ装置40がセルからエネルギを引き出すことを可能にし、これにより、IC42に電力を供給する及び/又はIC42を放電することによってセル20をバランスさせる。特に、センサは、回路基板44の第1の面47に配置された第1のセンサ接触パッド60(1)と、回路基板44の第2の面48に配置された第2のセンサ接触パッド60(2)とを有する。第1のセンサ接触パッド60(1)は、回路基板44を貫通したバイア61によって第2のセンサ接触パッド60(2)に電気的に接続されている。第1及び第2のセンサ接触パッド60(1),60(2)は、後でさらに説明するように、正極24及び負極26のうちの一方の基板への電気接続可能にする。第1のセンサ接触パッド60(1)は、回路基板44の第1の面47に設けられた導電性の第1のトレース51によって電子装置42に電気的に接続されている。
【0026】
送信機接触パッド62及び受信機接触パッド64は、センサ装置40が、セルスタック10の他のセンサ装置及びBMSなどの主制御装置とシリアル通信することを可能にする。加えて、送信機接触パッド62及び受信機接触パッド64は、セルスタック10内の通信ネットワークの形成を可能にする。
【0027】
送信機は、回路基板の第1の面47に配置された第1の送信機接触パッド62(1)と、回路基板の第2の面48に配置された第2の送信機接触パッド62(2)とを有する。第1のセンサ送信機接触パッド62(1)は、回路基板44を貫通したバイア63によって第2の送信機接触パッド62(2)に電気的に接続されている。第1及び第2の送信機接触パッド62(1),62(2)は、セルスタック10における上側及び/又は下側のセルなどの隣接するセル20に取り付けられた同じセンサ装置40の送信機への電気接続及びその送信機との通信を可能にする。第1の送信機接触パッド62(1)は、回路基板44の第1の面47に設けられた導電性の第2のトレース53によって電子装置42に電気的に接続されている。
【0028】
同様に、受信機は、回路基板の第1の面47に配置された第1の受信機接触パッド64(1)と、回路基板の第2の面48に配置された第2の受信機接触パッド64(2)とを有する。第1の受信機接触パッド64(1)は、回路基板44を貫通したバイア65によって第2の受信機接触パッド64(2)に電気的に接続されている。第1及び第2の受信機接触パッド64(1),64(2)は、セルスタック10における上側のセル及び/又は下側のセルなどの隣接するセル20に取り付けられた同じセンサ装置40の受信機への電気接続及びその受信機との通信を可能にする。第1の受信機接触パッド64(1)は、回路基板44の第1の面47に設けられた導電性の第3のトレース55によって電子装置42に電気的に接続されている。
【0029】
センサ装置40は、第1のセンサ接触パッド60(1)と電子装置42との間において、回路基板の第1の面47に配置された正極66を有する。正極66は、例えば、回路基板の第1の面47に形成された導電性の第4のトレース57によって、第1のセンサ接触パッド60(1)に電気的に接続されている。加えて、センサ装置40は、第2のセンサ接触パッド60(2)と電子装置42との間において、回路基板の第2の面48に配置された負極68を有する。負極68は、例えば、回路基板の第2の面48に形成された導電性の第5のトレース58と、バイア59とによって、電子装置42に電気的に接続されている。フレキシブルな回路基板44は、回路基板の第1の面47に配置された正極66を、回路基板の第2の面48に配置された負極68から電気的に隔離している。
【0030】
加えて、電子装置42及び接触パッド60,62,64は全て、薄型エレメントであり、これにより、センサ装置40は、全体として薄い。任意の電子装置42の接触パッド、例えば、受信機64の接触パッド64(1),64(2)の接触面の間の距離に対応するセンサ装置厚さtsは、比較的小さい。例えば、いくつかの実施の形態において、センサ装置厚さtsは、単一電極対セル20の厚さの2倍未満である。例えば、他の実施の形態において、センサ装置厚さtsは、単一電極対セル20の厚さ以下である。例えば、さらに別の実施の形態において、センサ装置厚さtsは、シーリング材料層36の厚さ未満である。
【0031】
例えば、いくつかの実施の形態において、センサ装置40の厚さは、セル20の厚さ以下であり、セル20自体は、その単一電極対構造により薄い。
【0032】
接触パッド60,62,64は、回路基板44の第1の端部45における接触パッド(例えば、送信機及び受信機の接触パッド62(1),62(2),64(1),64(2))が通信のために構成され、回路基板44の反対側の第2の端部46における接触パッド(例えば、センサ接触パッド60(1),60(2))が、セル電圧センシング及び温度センシングなどのセンシング機能並びに送電のために構成されるように、回路基板44に配置されている。
【0033】
図5を参照すると、センサ装置40は、センサ装置40全体がセル20の外側にあるように、セル20に接続されている。特に、センサ接触パッド60(1),60(2)を含むセンサ装置40の部分は、セル周縁部23に沿ってセル20の上に位置しており、第2のセンサ接触パッド60(2)は、セル20の、外方へ面した面に電気的に接続されている。例示された実施の形態において、第2のセンサ接触パッド60(2)は、正極22に電気的に接続されている。なぜならば、セル20は、正極22が最も上になる向きで積層されているからである。端子66,68と、電子装置42と、送信機及び受信機の接触パッド62(1),62(2),64(1),64(2)とに対応する部分を含むセンサ装置40の残余部分は、セル20の上に位置せず、代わりに、セル20の側方に配置されている。
【0034】
図6を参照すると、バッテリセル20の間に直列電気接続を形成するために、セル20は互いに上下に積層され、これにより、センシング装置40は、通信目的のために互いに電気接触を形成することができる。例えば、第1のセル20a及び第2のセル20bが、第1のセル20aが第2のセル20bの上に位置し、かつ、第2のセル20bに隣接するように直列に積層された場合、対応するセンシング装置(例えば、第1のセンサ装置40a及び第2のセンサ装置40b)は自動的に整列する。
【0035】
整列した構成において、第1のセンサ装置40aの第1のセンサ接触パッド60(1)は、隣接する、上に位置するセル20cの電極、例えば、負極26に接触するのに対して、第1のセンサ装置40aの第2のセンサ接触パッド60(2)は、第1のセル20aの電極、例えば、正極22に接触する。第2のセンサ装置40bの第1のセンサ接触パッド60(1)は、第1のセル20aの電極、例えば、負極26に接触するのに対して、第2のセンサ装置40bの第2のセンサ接触パッド60(2)は、隣接する、下に位置するセル20dの電極、例えば、正極22に接触する。
【0036】
対応するセンサ装置40を有するセル20が直列に積層されると、セル20の間に配置され、かつ、センサ接触パッド60(1),60(2)によってセル20に接続されたセンシング装置40は、セル20から電力を引き出すことができる。これにより、バッテリセル直列接続は、センサ装置40に電力を供給するために使用されてもよく、センサ装置40が、センシング機能と、充電状態(SOC)をバランスさせるためにバッテリセルの制御された電気的ドレイニングなどの制御機能とを行うことを可能にする。
【0037】
整列した構成において、第1のセンサ装置40aの第1の送信器接触パッド62(1)は、隣接する、上に位置するセル20cのセンサ装置40cの第2の送信器接触パッド62(2)と接触するのに対して、第1のセンサ装置40aの第2の送信器接触パッド62(2)は、第2のセンサ装置40bの第1の送信器接触パッド62(1)と接触する。加えて、第2のセンサ装置40bの第2の送信器接触パッド62(2)は、隣接する、下に位置するセル20dのセンサ装置40dの第1の送信器接触パッド62(1)と接触する。
【0038】
同様に、第1のセンサ装置40aの第1の受信機接触パッド64(1)は、隣接する、上に位置するセル20cのセンサ装置40cの第2の受信機接触パッド64(2)と接触するのに対して、第1のセンサ装置40aの第2の受信機接触パッド64(2)は、第2のセンサ装置40bの第1の受信機接触パッド64(1)と接触する。加えて、第2のセンサ装置40bの第2の受信機接触パッド64(2)は、隣接する、下に位置するセル20dのセンサ装置40dの第1の受信機接触パッド64(1)と接触する。
【0039】
図7を参照すると、セル20が積層された構成になっているときに、通信ネットワークが自動的に形成され、その結果、センシング装置40が、整列した構成において互いに上下に配置される。整列した構成において、隣接したセンサ装置40a,40bの送信機接触パッド62が電気的接触を形成し、センサ装置を互いに通信させ、直列ネットワークを形成することができる。同様に、隣接したセンサ装置40a,40bの受信機接触パッド64が電気的接触を形成し、センサ装置を互いに通信させ、直列ネットワークを形成することができる。いくつかの実施の形態において、送信機及び受信機は、センサ装置40がネットワークノードである、1つのコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)90により接続される。セルスタック10の隣接するセンサ装置40の間の電気的接続は、通信ネットワーク90及びセンサ装置40のための個々のスタブを自動的に形成する。有利には、通信ネットワーク90は、外部配線を加えることなく、組立てプロセス中に自動的に形成される。通信ネットワーク90は、セルの間の通信及びBMS80を含む他の装置との通信を可能にする。
【0040】
図8及び図9を参照すると、代替的な実施の形態のセンサ装置140は、電圧及び温度などのバッテリセル状態の検出を可能にし、かつ、また、バッテリセル20の直列ストリングにおける充電状態バランシングを可能にするために、バッテリセルエネルギのドレイニングなどの機能を能動的に行う能力を提供するフレキシブルな薄型装置である。加えて、センサ装置140は、複数のセル20が積層された構成により配置されたときに、それぞれのセンサ装置140が、手作業による接続、溶接などを必要とせずに自動的に通信ネットワークを形成するように構成されている。これらの特徴及びその他の特徴は、後で詳細に説明される。
【0041】
図8及び図9に示されたセンサ装置140は、図3及び図4に関して上記で説明したセンサ装置40と共通の多くの要素を含み、共通の要素は共通の参照符号を有する。図8乃至図10の代替的な実施の形態のセンサ装置140は、正極66及び負極68と、対応するトレース57,58とが省略されており、センサ接触パッド60(1),60(2)と電子装置42との間の電気的トレースの配置が変更されている点において、前述のセンサ装置40と異なる。特に、センサ装置140は、回路基板の第1の面47に配置され、かつ、第1のセンサ接触パッド60(1)を電子装置42に接続した第1のトレース51を有する。加えて、センサ装置140は、回路基板の第1の面47に配置され、かつ、第1のセンサ接触パッド60(1)を電子装置42に電気的に接続した第6のトレース67と、回路基板の第2の面48に配置され、かつ、第2のセンサ接触パッド60(2)をバイア59によって電子装置42に電気的に接続した第7のトレース69とを有する。
【0042】
図10を参照すると、図8及び図9のセンサ装置140は、さらに、図8乃至図10のセンサ装置140が、センサ装置140の一部がセル20内にあるのに対し、センサ装置140の残余部分がセル20の外側へ突出するように、セル20に接続されているという点で、前述のセンサ装置40と異なる。特に、第1及び第2のセンサ接触パッド60(1),60(2)を含むセンサ装置40の部分が、セル周縁部23に隣接するようにセル内にある。第1のセンサ接触パッド60(1)は、電極のうちの一方、例えば正極22の、内方へ面した面に接触しかつ電気的に接続されている。加えて、第2のセンサ接触パッド60(2)は、他方の電極、例えば負極26の、内方へ面した面に接触しかつ電気的に接続されている。これにより、センサ装置140は、センサ装置140が接続されたセル20によって直接的に電力を供給される。この構成において、センサ装置140は、1つのセル20、例えば、センサ装置140が取り付けられたセルからその電力の全てを引き出す。なぜならば、センサ接触パッド60(1),60(2)が、セル基板22,26の間に位置し、かつ、セル基板22,26と直接的に接触しているからである。
【0043】
いくつかの実施の形態において、第1及び第2のセンサ接触パッド60(1),60(2)は、シーリング材料層36内に埋め込まれている。特に、第1及び第2のセンサ接触パッド60(1),60(2)は、シーリング材料層36によってセル20内の電解質から隔離されている。
【0044】
図10及び図11を参照すると、電子装置42に対応する部分と、送信機及び受信機の接触パッド62(1),62(2),64(1),64(2)とを含むセンサ装置140の残余部分は、セル20の外側に位置し、セル20の側方に配置されている。この構成は、図6及び図7に関して上述したように、各セル20がセンサ装置140を有し、かつ、積層された構成に配置されたとき、通信ネットワークの自動的な形成を可能にする。任意のセル20aのセンサ装置140aと、隣接するセル20bのセンサ装置140bとの間の物理的接触のみが、通信ネットワーク90を提供する。
【0045】
いくつかの実施の形態において、隣接するセル20の間の良好な接触を保証するために、積層方向でセルスタックに外力が加えられる。
【0046】
上述の実施の形態は、例として示されており、これらの実施の形態が様々な変更及び代替的形式を有しているものとしてもよいことが理解されるべきである。さらに、請求項は、開示された特定の形式に限定されることは意図されておらず、むしろ、この開示の思想及び範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物をカバーすることが意図されていることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11