特許第6703632号(P6703632)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6703632細胞傷害性ベンゾジアゼピン誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703632
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】細胞傷害性ベンゾジアゼピン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20200525BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20200525BHJP
【FI】
   C07D487/04 152
   C07D487/04CSP
   !C07B61/00 300
【請求項の数】7
【全頁数】205
(21)【出願番号】特願2019-82629(P2019-82629)
(22)【出願日】2019年4月24日
(62)【分割の表示】特願2017-182007(P2017-182007)の分割
【原出願日】2012年2月15日
(65)【公開番号】特開2019-142928(P2019-142928A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年5月23日
(31)【優先権主張番号】61/483,499
(32)【優先日】2011年5月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/443,062
(32)【優先日】2011年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/443,092
(32)【優先日】2011年2月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504039155
【氏名又は名称】イミュノジェン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100128750
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 しのぶ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フィシュキン,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】チャリ,ラビ・ヴイ・ジェイ
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/091150(WO,A1)
【文献】 特表2010−535195(JP,A)
【文献】 特表2010−533703(JP,A)
【文献】 特許第5826863(JP,B2)
【文献】 特許第6216356(JP,B2)
【文献】 特許第6526138(JP,B2)
【文献】 Kamal, Ahmed et al,Design, synthesis, and evaluation of mixed imine-amine pyrrolobenzodiazepine dimers with efficient DNA binding affinity and potent cytotoxicity,Bioorganic & Medicinal Chemistry ,2004年,12(20),5427-5436
【文献】 Kamal, Ahmed et al,Synthesis of pyrrolo[2,1-c][1,4]benzodiazepine antibiotics: oxidation of cyclic secondary amine with TPAP,Tetrahedron,1997年,53(9),3223-3230
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
によって表される化合物。
【請求項2】
以下の構造式:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
によって表される化合物3bを調製する方法であって、以下の構造式:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
によって表される化合物3aを、パラジウム触媒の存在下で水素と反応させ、化合物3bを形成することを含む、前記方法。
【請求項3】
パラジウム触媒が、パラジウム炭素(Pd/C)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
反応が、メタノール中で行われる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
反応が、室温で行われる、請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
反応が、室温で一晩行われる、請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
シリカゲルクロマトグラフィーにより化合物3bを精製することをさらに含む、請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、2011年2月15日に出願された米国特許仮出願第61/443,062号、および2011年5月6日に出願された米国特許仮出願第61/483,499号、および2011年2月15日に出願された米国特許仮出願第61/443,092号の、出願日に関しての利益を米国特許法第119条(e)の下で主張するものである。なお、図面、式、明細書および特許請求の範囲の全てを含む、これらの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の分野
本発明は新規細胞傷害性化合物、ならびにこれらの細胞傷害性化合物および細胞結合剤を含む細胞傷害性複合体に関連する。より具体的には、本発明は、医薬、特に抗増殖剤として有用である新規ベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、それらの中間産物、それらの複合体、およびそれらの薬学的に許容可能な塩に関連する。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
ベンゾジアゼピン誘導体は様々な障害の治療に有用な化合物であり、抗てんかん薬(イミダゾ[2,1‐b][1,3,5]ベンゾチアジアゼピン類、米国特許第4,444,688号;米国特許第4,062,852号)、抗菌薬(ピリミド[1,2‐c][1,3,5]ベンゾチアジアゼピン類、英国特許第1476684号)、利尿薬および降圧薬(ピロロ(1,2‐b)[1,2,5]ベンゾチアジアゼピン5,5ジオキシド、米国特許第3,506,646号)、抗高脂血症薬(国際公開第03091232号)、抗うつ薬(米国特許第3,453,266号)などの医薬;骨粗鬆症(特許第2138272号)の治療に有用な化合物を含む。
【0004】
近年、ピロロベンゾジアゼピン類(PBD)、(N‐2‐イミダゾリルアルキル置換1,2,5‐ベンゾチアジアゼピン‐1,1‐ジオキシド、米国特許第6,156,746号)、ベンゾ‐ピリドまたはジピリドチアジアゼピン(国際公開第2004/069843号)、ピロロ[1,2‐b][1,2,5]ベンゾチアジアゼピン類およびピロロ[1,2‐b][1,2,5]ベンゾジアゼピン誘導体(国際公開第2007/015280号)、国際公開第00/12508号、国際公開第2005/085260号、国際公開第2007/085930号、oおよび欧州特許第2019104号に記載されているも
のなどのトメイマイシン誘導体(例えば、ピロロ[1,4]ベンゾジアゼピン類)のようなベンゾジアゼピン誘導体が抗腫瘍剤として作用することが動物腫瘍モデルで示されている。ベンゾジアゼピンは細胞増殖と分化に影響することも知られている(Kamal A., et al., Bioorg Med Chem. 2008 Aug 15;16(16):7804−10 (およびその中で引用されている参照文献); Kumar R, Mini Rev Med Chem. 2003 Jun;3(4):323−39 (およびその中で引用されている参照文献); Bednarski J J, et al., 2004; Sutter A. P, et al., 2002; Blatt N B, et al., 2002), Kamal A. et al., Current Med. Chem., 2002; 2; 215−254, Wang J−J., J.Med. Chem., 2206; 49:1442−1449, Alley M.C. et al., Cancer Res.
2004; 64:6700−6706, Pepper C. J., Cancer Res 2004; 74:6750−6755, Thurston D.E.
and Bose D.S., Chem Rev 1994; 94:433−465; and Tozuka, Z., et al., Journal of Antibiotics, (1983) 36; 1699−1708。PBD類の一般的な構造は米国特許出願公開第20070072846号に記載されている。PBD類はそれらの芳香族A環およびピロロC環の両方における置換基の数と種類の点およびC環の飽和度の点で様々である。副溝に付加物を形成し、DNAを架橋するそれらの能力のため、それらはDNAのプロセッシングに干渉することが可能であり、したがって、抗増殖剤としてそれらを使用する可能性がでる。
【0005】
臨床試験に入った最初のピロロベンゾジアゼピンであるSJG−136(NSC694501)は、DNA鎖間架橋を引き起こす強力な細胞傷害剤である(S.G Gregson et al., 2001, J. Med. Chem., 44: 737−748; M.C. Alley et al., 2004, Cancer Res., 64: 6700−6706; J.A. Hartley et al., 2004, Cancer Res., 64: 6693−6699; C. Martin et al., 2005, Biochemistry., 44: 4135−4147; S. Arnould et al., 2006, Mol. Cancer Ther., 5: 1602−1509)。SJG−136第I相臨床試験の結果により、この薬品は極めて低用量で毒性を持つこと(45μg/mの最大忍容用量、ならびに、血管漏出症候群、末梢性浮腫、肝毒性および疲労を含む、いくつかの悪性の副作用が認められた)が明らかになった。全ての用量で、循環リンパ球におけるDNA損傷が認められた(D. Hochhauser et al., 2009, Clin. Cancer Res., 15: 2140−2147)。したがって、毒性が少なく、様々な細胞増殖性疾患状態、例えば、癌の治療にとって、なお治療上の活性が有る改良型ベンゾジアゼピン誘導体の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本技術分野で開示される細胞傷害性ベンゾジアゼピン二量体は、それらの遊離型の、または、水和物、アルコキシル化物もしくはスルホン化物など、可逆的に保護された形態の、2つのイミン官能基を有する。これらの二イミン官能基の存在がDNAを架橋をもたらす(S.G. Gregson et al., 2001, J. Med. Chem., 44: 737−748)。本発明は部分的には、2つのイミン官能基(例えば
、1つのイミン官能基および1つのアミン官能基)が無く、したがって、DNAを架橋することができないインドリノベンゾジアザペン二量体などの新規細胞傷害性ベンゾジアゼピン誘導体の細胞結合剤複合体が、当技術分野において以前に開示されているDNAを架橋することができるベンゾジアゼピン誘導体と比較して、ずっと高い治療指数(最大忍容用量の最小有効用量に対する比)をインビボで示すという予期せぬ発見に基づいている。
【0007】
したがって、本発明の1つの目的は、細胞傷害性化合物を細胞結合剤(CBA、以下を参照のこと)に共有結合させることができる、それに結合した反応性基を有する結合基を含むその細胞傷害性化合物を提供することであり、前記細胞傷害性化合物は以下の式:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つ、またはその薬学的に許容可能なその塩によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、そして、それが単結合であるときXは−H、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、またはアミン保護部分であることを条件とし;
Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基であり;または、
Yはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ‐、ジ‐、トリ‐、およびテトラ‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、また
は陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル(RO)PS(OR)、RS−、RSO、RSO、RSO、チオスルファート(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(ORk’)(S)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(Rk’C(=O)NOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSO、または陽イオンと共に形成される、HOCHSONaなどのHOCHSOの塩)、またはそれらの混合物であり、式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、Rは、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり、Rk’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはアリール、ヘテロシクリール、またはヘテロアリールであり、好ましくは、Yはバイサルファイト、ハイドロサルファイトもしくはメタバイサルファイトまたはそれらの塩(例えば、ナトリウム塩)の付加物であり;
Mは−Hまたは陽イオンであり;
Rは、それぞれの出現に関して、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、またはO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より独立して選択され;
R’とR’’はそれぞれ、−H、−OH、−OR、−NHR、−NR、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から独立して選択され;
は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキル、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり;
nは1から24までの整数であり;
WはC=O、C=S、CH、BH、SOおよびSOから選択され;
X’は−H、アミン保護基、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
Y’は−H、オキソ基、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、任意選択的に置換された6員〜18員のアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
、R、R、R、R’、R’、R’およびR’はそれぞれ、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状ア
ルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NCO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’、およびそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基からなる群より独立して選択され;
は−H、−R、−OR、−SR、−NR’R’’、−NO、ハロゲン、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり;
ZとZ’は−(CHn’−、−(CHn’−CR−(CHna’−、−(CHn’−NR−(CHna’−、−(CHn’−O−(CHna’−および−(CHn’−S−(CHna’−から独立して選択され;
n’とna’は同一であるか異なっており、そして、0、1、2および3から選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ−H、−OH、−SH、−COOH、−NHR’、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド単位、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキルから独立して選択され;
は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−から独立して選択され;
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、オキソ(−C(=O)−)、−CRR’O−、−CRR’−、−S−、−CRR’S−、−NRおよび−CRR’N(R)−から独立して選択され;
は、それぞれの出現に関して、独立して−H、または1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
DとD’は同一であるか異なっており、そして、独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、およびポリエチレングリコール単位(−OCHCH−からなる群より選択され;
Lは存在しないか、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、ポリエチレングリコール単位(−OCHCH−、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキルもしくはアルケニル、またはフェニル基、O、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する3員〜18員の複素環または5員〜18員のヘテロアリール環であり、前記のアルキルまたはアルケニルは、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基で任意選択的に置換され;フェニルまたは複素環またはヘテロアリール環は任意選択的に置換され得るが、置換基が、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり得る。
【0008】
ある特定の実施形態では、Xは、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基ではない。ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表し、Yは−Hではない。
【0009】
ある特定の実施形態では、前記化合物は以下の化合物:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれの1つでもない。
【0010】
ある特定の実施形態では、Yは−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基である。
【0011】
本発明の第2の目的は、本発明の新規ベンゾジアゼピン化合物またはそれらの誘導体との細胞結合剤の複合体を提供することである。これらの複合体は、標的細胞に特異的に送達され、そして、細胞傷害性を有する治療薬として有用である。
【0012】
具体的には、本発明の複合体は細胞傷害性化合物および細胞結合剤(CBA)を含むこ
とができ、その細胞傷害性化合物は、前記細胞傷害性化合物を前記CBAに共有結合させる結合基を含み、前記細胞傷害性化合物は以下の式:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つ、または薬学的に許容可能なその塩によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、そして、それが単結合であるときXは−H、前記結合基、またはアミン保護部分であることを条件とし;
Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリン)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基であり;または、
Yはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ‐、ジ‐、トリ‐、およびテトラ
‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、または陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル(RO)PS(OR)、RS−、RSO、RSO、RSO、チオスルファート(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(ORk’)(S)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(Rk’C(=O)NOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSO、または陽イオンと共に形成される、HOCHSONaなどのHOCHSOの塩)、またはそれらの混合物であり、式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換され、Rは、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり、Rk’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはアリール、ヘテロシクリール、またはヘテロアリールであり、好ましくは、Yはバイサルファイト、ハイドロサルファイトもしくはメタバイサルファイトまたはそれらの塩(例えば、ナトリウム塩)の付加物であり;
Mは−Hまたは陽イオンであり;
Rは、それぞれの出現に関して、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、またはO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より独立して選択され;
R’とR’’はそれぞれ、−H、−OH、−OR、−NHR、−NR、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から独立して選択され;
は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキル、または前記結合基であり;
nは1から24までの整数であり;
WはC=O、C=S、CH、BH、SOおよびSOから選択され;
X’は−H、アミン保護基、前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
Y’は−H、オキソ基、前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、任意選択的に置換された6員〜18員のアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
、R、R、R、R’、R’、R’およびR’はそれぞれ、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状ア
ルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NCO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’および前記結合基からなる群より独立して選択され;
は−H、−R、−OR、−SR、−NR’R’’、−NO、ハロゲンまたは前記結合基であり;
ZとZ’は−(CHn’−、−(CHn’−CR−(CHna’−、−(CHn’−NR−(CHna’−、−(CHn’−O−(CHna’−および−(CHn’−S−(CHna’−から独立して選択され;
n’とna’は同一であるか異なっており、そして、0、1、2および3から選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ−H、−OH、−SH、−COOH、−NHR’、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド単位、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキルから独立して選択され;
は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−から独立して選択され;
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、オキソ(−C(=O)−)、−CRR’O−、−CRR’−、−S−、−CRR’S−、−NRおよび−CRR’N(R)−から独立して選択され、
は、それぞれの出現に関して、独立して−H、または1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
DとD’は同一であるか異なっており、そして、独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、およびポリエチレングリコール単位(−OCHCH−からなる群より選択され;
Lは存在しないか、前記結合基、ポリエチレングリコール単位(−OCHCH−、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキルもしくはアルケニル、フェニル基、O、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する3員〜18員の複素環または5員〜18員のヘテロアリール環であり、前記結合基によって前記のアルキルまたはアルケニルが任意選択的に置換され;フェニルまたは複素環またはヘテロアリール環は任意選択的に置換され得るが、前記の置換基が前記結合基であり得る。
【0013】
ある特定の実施形態では、Xは前記結合基ではない。ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表し、Yは−Hではない。
【0014】
ある特定の実施形態では、Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間の
アミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基である。ある特定の実施形態では、Yは−Hではない。
【0015】
ある特定の実施形態では、前記複合体の化合物は以下の化合物:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つ(波線の結合は、それを介して化合物がCBAに連結する結合を表す)ではない。
【0016】
本発明は、新規ベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体またはそれらの複合体(および/または、それらの溶媒和化合物、水和物および/または塩)、および担体(薬学的に許容可能な担体)を含む組成物(例えば、医薬組成物)も包含する。本発明は、新規ベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体またはそれらの複合体(および/または、それらの溶媒和化合物、水和物および/または塩)、および担体(薬学的に許容可能な担体)を含み、第2の治療薬をさらに含む組成物(例えば、医薬組成物)をさらに包含する。本組成物は、哺乳類動物(例えば、ヒト)における異常な細胞増殖の抑制または細胞増殖障害の治療に有用である。本組成物は、哺乳類動物(例えば、ヒト)における癌、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植拒絶反応、狼瘡、筋炎、感染症、AIDSなどの免疫不全、および炎症性疾患のような症状の治療に有用である。
【0017】
本発明は、治療上有効量の新規ベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、またはそれらの複合体(および/または、それらの溶媒和化合物および塩)、またはそれらの組成物を単独で、または第2の治療薬と組み合わせて哺乳類動物(例えば、ヒト)に投与することを含む、前記哺乳類動物における異常な細胞増殖の抑制方法または細胞増殖障害の治療方法を包含する。本発明は、哺乳類の細胞、生物、または関連する病的状態のインビトロ、インサイチュおよびインビボでの診断または治療のための新規ベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体、およびそれらの複合体の合成方法および使用方法を包含する。
【0018】
本発明の化合物、それらの誘導体またはそれらの複合体、およびそれらを含む組成物は、例えば、異常な細胞増殖を特徴とする障害(例えば、癌)の治療または減殺に有用である。本発明の化合物および複合体の他の応用には、哺乳類動物(例えば、ヒト)における癌、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植拒絶反応、狼瘡、筋炎、感染症、AIDSなどの免疫不全および炎症性疾患などの症状の治療が含まれるが、これに限定されない。
【0019】
本明細書で使用される場合、基(例えば、R、L、X’など)が前記結合基、もしくはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基である、または、前記結合基、もしくはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基ではないと言及されるとき、それは、その基が前記結合基もしくはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基を含む、または、前記結合基もしくはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基を含まないことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の複合体化に適切なベンゾジアゼピン化合物と対応する連結可能な化合物の合成スキームを示す。
図2】同上
図3】同上
図4】同上
図5】同上
図6】同上
図7】本発明の代表的なPEG修飾型リンカー含有化合物の合成スキームを示す。
図8】本発明の代表的なメチルチオリンカー含有化合物の合成スキームを示す。
図9】本発明の代表的な第三級アミンを含有する化合物の合成スキームを示す。
図10】同上
図11】本発明の代表的なペプチドリンカー含有化合物の合成スキームを示す。
図12A】本発明の一段階複合体化方法に適切な代表的化合物の合成スキームを示す。
図12B】本発明の一段階複合体化方法に適切な代表的化合物の合成スキームを示す。
図13】同上
図14】同上
図15】同上
図16】同上
図17】同上
図18】同上
図19】同上
図20】二段階モノイミン二量体合成のスキームを示す。
図21】二段階二還元型二量体合成のスキームを示す。
図22】代表的な抗体‐薬品複合体の一段階合成のスキームを示す。
図23】代表的な抗体‐薬品複合体の二段階合成のスキームを示す。
図24】Namalwa細胞株、KB細胞株およびHL60/QC細胞株に対するメチルジチオ二量体1dのインビトロ細胞傷害性を示す。
図25図25は様々な細胞株に対するhuMy9−6−SPDB−1f複合体のインビトロ細胞傷害性と特異性を示す。複合体の作製のための複合体化反応に亜硫酸水素ナトリウムを添加したことに留意されたい。
図26】huFOLR1−SPDB−1f複合体のインビトロ細胞傷害性と特異性を示す。
図27図27は、二量体の複合体化が抗体の結合親和性を低下させないことを示す。複合体の作製のための複合体化反応に亜硫酸水素ナトリウムを添加したことに留意されたい。
図28】huMy9−6複合体のインビボ抗腫瘍活性を示す。複合体の作製のための複合体化反応に亜硫酸水素ナトリウムを添加したことに留意されたい。
図29】My9−6−SPDB−1f複合体の抗原陽性細胞に対するインビトロ細胞傷害性を示す。複合体の作製のための複合体化反応に亜硫酸水素ナトリウムを添加したことに留意されたい。
図30】チオエーテル含有リンカージスルフィドである27e〜hの作製スキームを示す。
図31】二量体28c〜fの作製スキームを示す。
図32】フェニル結合二量体である29b〜cの作製スキームを示す。
図33】モノイミン二量体の別の二段階合成スキームを示す。
図34】抗原結合部位のブロッキングを施した、および、施していないHL60/QC(抗原)細胞に対する(A)huMy9−6−SPDB−1f、(B)huMy9−6‐スルフォSPDB−1fおよび(C)huMy9−6−BMPS−1fのインビトロ細胞傷害性を示す。3つの実験全て(34A、34Bおよび34C)で、複合体の作製のために亜硫酸水素ナトリウムが複合体化反応に添加されたことに留意されたい。
図35】COLO205(抗原)細胞に対する(A)chB38.1−SPDB−1f、および(B)chB38.1‐スルフォSPDB−1fのインビトロ細胞傷害性を示す。両方の実験で、複合体の作製のために亜硫酸水素ナトリウムが複合体化反応に添加されたことに留意されたい。
図36】HL60/QC担持マウスでのhuMy9−6−SPDB−1fのインビボ効力を示す。亜硫酸水素ナトリウムが複合体化反応に添加されたことに留意されたい。
図37】KB腫瘍担持マウスでのhuFOLR1−SPDB−1fのインビボ効力を示す。
図38】化合物1の合成スキームを示す。
図39】5‐エチル‐2‐メチルピリジンボラン(PEMB)を用いる化合物1dの合成スキームを示す。
図40】ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(STAB)を用いる化合物1の合成スキームを示す。
図41】化合物31a〜cの合成スキームを示す。
図42】化合物32c、dの合成スキームを示す。
図43】化合物1iおよび12aの合成スキームを示す。
図44-1】抗原結合部位のブロッキングを施した、および、施していない(A)huMy9−6−SPDB−1f、(B)huMy9−6‐スルフォSPDB−1fおよび(C)huMy9−6−BMPS−1fのOCI−AML3(抗原)細胞に対する抗増殖活性の比較を示す。3つの実験全てで、複合体の作製のために亜硫酸水素ナトリウムが複合体化反応に添加されたことに留意されたい。
図44-2】抗原結合部位のブロッキングを施した、および、施していない(A)huMy9−6−SPDB−1f、(B)huMy9−6‐スルフォSPDB−1fおよび(C)huMy9−6−BMPS−1fのOCI−AML3(抗原)細胞に対する抗増殖活性の比較を示す。3つの実験全てで、複合体の作製のために亜硫酸水素ナトリウムが複合体化反応に添加されたことに留意されたい。
図45】IBD単量体の調製に使用される4‐(ベンジルオキシ)‐5‐メトキシ‐2‐ニトロ安息香酸の別の合成スキームを示す。
図46】(5‐((2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アミノ)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(1b)の別の合成スキームである。
図47】(5‐((2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アミノ)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(1b)の別の合成スキームである。
図48】二段階モノ‐イミン二量体合成の別の合成スキームである。
図49】様々な細胞株に対する様々な複合体の効力を示す。表に記載されるIC50値の単位はnMである。
図50】MOLM−13腫瘍担持マウスでのhuMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1fのインビボ効力を示す。
図51】NB4腫瘍担持マウスでのhuMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1fのインビボ効力を示す。
図52】HL60/QC腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−BMPS−1fのインビボ効力を示す。
図53】MOLM−13腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−BMPS−1fのインビボ効力を示す。複合体の作製のための複合体化反応に亜硫酸水素ナトリウムを添加したことに留意されたい。
図54】スルホン化葉酸/細胞傷害性化合物複合体の代表的合成スキームを示す。
図55】異なるリンカーを有する、いくつかの代表的なスルホン化薬品‐抗体複合体を示す。
図56】HL60/QC腫瘍腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−薬品2のインビボ効力を示す。複合体の作製のための複合体化反応に亜硫酸水素ナトリウムを添加したことに留意されたい。
図57】MOLM−13腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−薬品2のインビボ効力を示す。複合体の作製のための複合体化反応に亜硫酸水素ナトリウムを添加したことに留意されたい。
図58】亜硫酸水素ナトリウムを使用せずに、および、使用して調製したHuMy9−6−薬品2複合体のCD33抗原発現HL60細胞に対する類似したインビトロ細胞傷害性を示す。
図59】亜硫酸水素ナトリウムを使用せずに、および、使用して調製した抗CD22抗体‐薬品2複合体のCD22抗原発現BJAB細胞に対する類似したインビトロ細胞傷害性を示す。
図60】非常に反応性が高い4−ニトロPy‐スルフォ‐SPDBリンカーを使用するhuMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1dの調製を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明のある特定の実施形態を詳細に参照するが、その例は添付の構造および式において例示説明される。本発明は列挙される実施形態と一体となって記述されるが、それらは本発明をそれらの実施形態に限定することを意図していないものと理解される。逆に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得るあらゆる代替、改変および同等物を包含することを意図する。当業者は、本発明の実施において使用され得る、本明細書に記載されるものと類似または同等の多くの方法と材料を認識する。
【0022】
明白に否認されない限り、または、明白に妥当ではないかぎり、本発明の様々な態様の下で記載されるもの(例えば、化合物、化合物−リンカー分子、複合体、組成物、作製法および使用法)および明細書の様々な部分の下で記載されるもの(実施例においてのみ記載される実施形態を含む)を含む、本明細書に記載される実施形態のいずれをも本発明の1つ以上の他の実施形態と組み合わせることができることが理解されなければならない。実施形態の組合せは、多項従属形式のクレームによって請求される特定の組合せに限定されない。
【0023】
定義
「直鎖または分岐アルキル」は、本明細書で使用される場合、1〜20個の炭素原子からなる飽和型の直鎖または分岐鎖一価炭化水素ラジカルを意味する。アルキルの例には、メチル、エチル、1‐プロピル、2‐プロピル、1‐ブチル、2‐メチル‐1‐プロピル(−CHCH(CH)、2‐ブチル、2‐メチル‐2‐プロピル、1‐ペンチル、2‐ペンチル、3‐ペンチル、2‐メチル‐2‐ブチル、3‐メチル‐2‐ブチル、3‐メチル‐1‐ブチル、2‐メチル‐1‐ブチル、1‐ヘキシル)、2‐ヘキシル、3‐ヘキシル、2‐メチル‐2‐ペンチル、3‐メチル‐2‐ペンチル、4‐メチル‐2‐ペンチル、3‐メチル‐3‐ペンチル、2‐メチル‐3‐ペンチル、2,3‐ジメチル‐2‐ブチル、3,3‐ジメチル‐2‐ブチル、1‐ヘプチル、1‐オクチルなどが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、このアルキルは1〜10個の炭素原子を有する。より好ましくは、このアルキルは1〜4個の炭素原子を有する。
【0024】
「直鎖または分岐アルケニル」は、少なくとも一か所の不飽和部位、すなわち、炭素間二重結合を有する、2〜20個の炭素原子からなる直鎖または分岐鎖一価炭化水素ラジカルであって、「cis」配座および「trans」配座、または代わりに、「E」配座および「Z」配座を有するラジカルを含むアルケニルラジカルを意味する。例にはエチレニルまたはビニル(−CH=CH)、アリル(−CHCH=CH)、などが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、このアルケニルは2〜10個の炭素原子を有する。より好ましくは、このアルキルは2〜4個の炭素原子を有する。
【0025】
「直鎖または分岐アルキニル」は、少なくとも一か所の不飽和部位、すなわち、炭素間三重結合を有する、2〜20個の炭素原子からなる直鎖または分岐一価炭化水素ラジカルを意味する。例にはエチニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、ヘキシニルなどが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、このアルキニルは2〜10個の炭素原子を有する。より好ましくは、このアルキニルは2〜4個の炭素原子を有する。
【0026】
「炭素環式化合物」、「カルボシクリール(carbocyclyl)」および「炭素環」という用語は、単環式環として3〜12個の炭素原子を有する、または、二環式環として7〜12個の炭素原子を有する、一価非芳香族飽和環または部分的不飽和環を意味する。7〜12個の原子を有する二環式炭素環式化合物は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系として配置されることができ、そして、9個または10個の環原子を有する二環式炭素環式化合物はビシクロ[5,6]もしくは[6,6]系として、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンおよびビシクロ[3.2.2]ノナンなどの架橋系として配置されることができる。単環式炭素環式化合物の例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンテ−1−ニル、1−シクロペンテ−2−ニル、1−シクロペンテ−3−ニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセ−1−ニル、1−シクロヘキセ−2−ニル、1−シクロヘキセ−3−ニル、シクロヘキサジニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
「環状アルキル」および「シクロアルキル」という用語は互換的に使用され得る。それらは一価の飽和炭素環ラジカルを意味する。好ましくは、この環状アルキルは3〜7員の単環式環ラジカルである。より好ましくは、この環状アルキルはシクロヘキシルである。
【0028】
「環状アルケニル」という用語は、環構造内に少なくとも1つの二重結合を有する炭素環ラジカルを意味する。
【0029】
「環状アルキニル」という用語は、環構造内に少なくとも1つの三重結合を有する炭素環ラジカルを意味する。
【0030】
「アリール」は、親芳香族環系の単一の炭素原子から水素原子を1つ除去することによって得られる、6〜18個の炭素原子からなる一価の芳香族炭化水素ラジカルを意味する。いくつかのアリール基は「Ar」という例示的な構造で表される。アリールには、飽和環、部分的不飽和環または芳香族炭素環式環または複素環に融合した芳香族環を含む二環式ラジカルが含まれる。典型的なアリール基には、ベンゼン(フェニル)、置換ベンゼン類、ナフタレン、アントラセン、インデニル、インダニル、1、2−ジヒドロナフタレン、1、2、3、4−テトラヒドロナフチルなどから得られるラジカルが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、アリールはフェニル基である。
【0031】
「ヘテロ環」、「ヘテロシクリール」および「複素環」という用語は、本明細書で互換的に使用され、そして、少なくとも1つの環原子が窒素、酸素、リンおよびイオウから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子がCであり、1つ以上の環原子が下に記載される1つ以上の置換基により任意選択的に独立して置換されている、3〜18個の環原子からなる、飽和または部分的不飽和(すなわち、環内に1つ以上の二重結合および/または三重結合を有する)炭素環ラジカルを意味する。ヘテロ環は3〜7個の環員(2〜6個の炭素原子ならびにN、O、PおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子)を有する単環または7〜10個の環員(4〜9個の炭素原子ならびにN、O、PおよびSから選択される1〜6個のヘテロ原子)を有する二環、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、
[5,6]または[6,6]系であり得る。ヘテロ環はPaquette, Leo A.; 「Principles of Modern Heterocyclic Chemistry」(W.A. Benjamin、ニューヨーク、1968年)、特に第1、3、4、6、7および9章;「The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs」(John Wiley & Sons、ニューヨーク、1950年〜現在)、特に第13、14、16、19および28巻;ならびにJ. Am. Chem. Soc.(1960年)第82巻:頁5566に記載されている。「ヘテロシクリール」には、飽和環、部分的不飽和環、または芳香族炭素環または複素環と融合したヘテロ環ラジカルであるラジカルも含まれる。複素環の例には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニルおよびアザビシクロ[2.2.2]ヘキサニルが含まれるが、これらに限定されない。スピロ部分もこの定義の範囲内に含まれる。環原子がオキソ(=O)部分で置換されている複素環基の例はピリミジノニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。
【0032】
「ヘテロアリール」という用語は、5員または6員の環の一価の芳香族ラジカルを意味し、そして、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する、5〜18個の原子からなる縮合環系(そのうちの少なくとも1つが芳香族である)を包含する。ヘテロアリール基の例はピリジニル(例えば、2−ヒドロキシピリジニルを含む)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば、4−ヒドロキシピリミジニルを含む)、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フラタジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニルおよびフロピリジニルである。
【0033】
ヘテロ環基またはヘテロアリール基は、可能である場合、炭素(炭素結合型)または窒素(窒素結合型)で結合し得る。限定するものではないが、例を挙げると、炭素結合ヘテロ環またはヘテロアリールは、ピリジンの2、3、4、5もしくは6位、ピリダジンの3、4、5もしくは6位、ピリミジンの2、4、5もしくは6、ピラジンの2、3、5もしくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールもしくはテトラヒドロピロールの2、3、4もしくは5位、オキサゾール、イミダゾールもしくはチアゾールの2、4もしくは5位、イソオキサゾール、ピラゾールもしくはイソチアゾールの3、4もしくは5位、アジリジンの2もしくは3位、アゼチジンの2、3もしくは4位、キノリンの2、3、4、5、6、7もしくは8位、またはイソキノリンの1、3、4、5、6、7もしくは8位で結合される。
【0034】
限定するものではないが、例を挙げると、窒素結合ヘテロ環またはヘテロアリールは、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダ
ゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾールまたはO‐カルボリンの9位で結合される。
【0035】
ヘテロアリールまたはヘテロ環に存在するヘテロ原子にはNO、SOおよびSOなどの酸化型が含まれる。
【0036】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語はF、Cl、BrまたはIを指す。
【0037】
上で記載されたアルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、カルボシクリール(carbocyclyl)、アリール、ヘテロシクリールおよびヘテロアリールはもう1つ(例えば、2、3、4、5、6またはそれ以上)の置換基で任意選択的に置換され得る。
【0038】
置換基が「置換されている」と記述される場合、置換基の炭素、酸素、イオウまたは窒素に水素置換基の代わりに非水素置換基が存在する。したがって、例えば、置換アルキル置換基は、アルキル置換基の水素置換基の位置に少なくとも1つの非水素置換基が存在するアルキル置換基である。説明すると、モノフルオロアルキルはフルオロ置換基で置換されたアルキルであり、そして、ジフルオロアルキルは2つのフルオロ置換基で置換されたアルキルである。置換基に1つより多くの置換がある場合、各非水素置換基は(別段の記述がない限り)同一でも異なっていてもよいことが理解されるべきである。
【0039】
置換基が「任意選択的に置換され」ていると記述される場合、その置換基は(1)置換されていない、または(2)置換されている、のどちらかであり得る。置換基の炭素が置換基のリストのうちの1つ以上で任意選択的に置換されていると記述される場合、その炭素に結合する水素のうちの1つ以上(水素がある範囲で)が独立して選択された任意選択的な置換基で、別々および/または共に、置換され得る。置換基の窒素が置換基のリストのうちの1つ以上で任意選択的に置換されていると記述される場合、その窒素に結合する水素のうちの1つ以上(水素がある範囲で)がそれぞれ、独立して選択された任意選択的な置換基で置換され得る。1つの例となる置換基は−NR’R’’として示され得るが、式中、R’とR’’は、それらが結合する窒素原子と共に複素環を形成し得る。R’とR’’が結合する窒素原子と共にR’とR’’から形成された複素環は部分的または完全に飽和され得る。1つの実施形態では、複素環は3〜7個の原子からなる。別の実施形態では、複素環はピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、ピリジルおよびチアゾリルからなる群より選択される。
【0040】
本明細書は「置換基」、「ラジカル」および「基」という用語を互換的に使用する。
【0041】
一群の置換基が置換基のリストのうちの1つ以上によって任意選択的に置換されていると集合的に記述される場合、その基には(1)非置換可能置換基、(2)任意選択的な置換基で置換されていない置換可能置換基、および/または(3)任意選択的な置換基のうちの1つ以上で置換される置換可能置換基が含まれ得る。
【0042】
置換基が最大で特定の数の非水素置換基で任意選択的に置換されていると記述される場合、その置換基は(1)置換されていないか、または(2)最大でその特定の数もしくはその置換基の置換可能な位置の最大の数までのどちらか少ない方の数の非水素置換基で置換されているかのどちらかであり得る。したがって、例えば、置換基が最大で3つの非水素置換基で任意選択的に置換されているヘテロアリールと記述される場合、3つ未満の置換可能位置を有する任意のヘテロアリールは、最大で、そのヘテロアリールが有する置換
可能な位置の数だけの非水素置換基によって任意選択的に置換されるであろう。そのような置換基は、非限定的な例では、1個から10個までの炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR100、NR101102、−NO、−NR101COR102、−SR100、−SOR101で表されるスルフオキシド、−SO101で表されるスルホン、スルホネート−SOM、スルファート−OSOM、−SONR101102で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR101、−OCOR101、−OCONR101102およびポリエチレングリコール単位(−OCHCH101から選択され得るが、式中、MはHまたは陽イオン(NaまたはKなど)であり;R101、R102およびR103はそれぞれ、H、1個から10個までの炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、nが1から24までの整数であるポリエチレングリコール単位(−OCHCH−R104、6個から10個までの炭素原子を有するアリール、3個から10個までの炭素原子を有する複素環および5〜10個の炭素原子を有するヘテロアリールから独立して選択され;そして、R104はH、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、R100、R101、R102、R103およびR104で表される前記の基のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロ環は、ハロゲン、−OH、−CN、−NOおよび1〜4個の炭素原子を有する非置換型の直鎖または分岐アルキルから独立して選択される1つ以上(例えば、2、3、4、5、6またはそれ以上)の置換基で任意選択的に置換される。好ましくは、上で記載された任意選択的に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、環状アルキル、環状アルケニル、環状アルキニル、カルボシクリール(carbocyclyl)、アリール、ヘテロシクリールおよびヘテロアリールの置換基にはハロゲン、−CN、−NR102103、−CF、−OR101、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリール、−SR101、−SOR101、−SO101および−SOMが含まれる。
【0043】
「化合物」または「細胞傷害性化合物」、「細胞傷害性二量体」および「細胞傷害性二量体化合物」という用語が互換的に使用される。それらは、それらの構造もしくは式もしくは任意のその誘導体が本発明で開示されている、または、それらの構造もしくは式もしくは任意のその誘導体が参照により組み込まれている、化合物を含むことが意図されている。その用語はまた、本発明で開示される全ての式の立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和化合物、代謝物、塩(例えば、薬学的に許容可能な塩)およびプロドラッグおよび化合物のプロドラッグの塩を含む。その用語はまた、任意の溶媒和化合物、水和物、および前述のいずれの多形体をも含む。本願で説明される発明のある態様における「立体異性体」、「幾何異性体」、「互変異性体」、「溶媒和化合物」、「代謝物」、「塩」「プロドラッグ」、「プロドラッグの塩」、「複合体」、「複合体の塩」、「溶媒和化合物」、「水和物」、または「多形体」の特定の列挙は、「化合物」という用語が、これらの他の形態が列挙されることなく使用される場合、本発明の他の態様におけるこれらの形態の排除を意図するものであると解釈されないものとする。
【0044】
「複合体」という用語は、本明細書で使用される場合、細胞結合剤に結合した本明細書に記載される化合物またはその誘導体を指す。
【0045】
「細胞結合剤に結合可能な」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される化合物もしくはその誘導体であって、それらの化合物もしくはその誘導体を細胞結合剤に結合させるのに適切な少なくとも1つの結合基またはその前駆体結合基を含むものを指す。
【0046】
所与の基の「前駆体」という用語は、任意の脱保護化、化学修飾またはカップリング反
応によってその基になることができる任意の基を意味する。
【0047】
「細胞結合剤に結合した」という用語は、適切な結合基またはその前駆体を介して細胞結合剤に結合した、本明細書に記載される化合物(例えば、式(I)〜(IV)および(VIII)〜(XI)の化合物ならびに本明細書に記載される薬品‐リンカー化合物)またはそれらの誘導体のうちの少なくとも1つを含む複合体分子を意味する。
【0048】
「キラル」という用語は、鏡像のパートナーの重ね合わせができない特質を有する分子を指すが、「アキラル」という用語は、鏡像のパートナーに重ね合わせることができる分子を指す。
【0049】
「立体異性体」という用語は、同一の化学的構成と連結性を有するが、それらの原子の方向が空間的に異なり、単一の結合での回転によって相互変換されることができない化合物を指す。
【0050】
「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラリティーの中心を持ち、そして、その分子が互いの鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは異なる物性、例えば、融点、沸点、分光特性および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は結晶化、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高分解能の分析法で分離し得る。
【0051】
「エナンチオマー」は、重ね合わさることができない互いの鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。
【0052】
本明細書で使用される立体化学的な定義と約束事は全般的に、S.P. Parker編, McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms (1984年) McGraw−Hill Book Company,ニューヨーク;およびEliel, E. and Wilen, S.,「Stereochemistry of Organic Compounds」,John Wiley
& Sons, Inc.,ニューヨーク、1994年に従う。本発明の化合物は不斉中心またはキラル中心を含むことができ、したがって、異なる立体異性形態で存在することができる。ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物などのそれらの混合物を含むが、これらに限定されないあらゆる立体異性形態の本発明の化合物が本発明の部分を形成することが意図される。多くの有機化合物が、光学活性が有る形態で存在する、すなわち、それらは平面偏光の平面を回転させる能力を有する。光学活性が有る化合物の記述では、DおよびL、またはRおよびSという接頭辞を使用して、その分子のキラル中心についてのその分子の絶対配置を表す。dおよびl、または(+)および(−)という接頭辞を使用して、平面偏光の化合物による回転の徴候を明示し、(−)またはlはその化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdという接頭辞を有する化合物は右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、それらが鏡像であることを除いて、同一である。特定の立体異性体はエナンチオマーとも称され得るが、そのような異性体の混合物は、しばしば、エナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50の混合物はラセミ混合物またはラセミ体と称され、化学反応またはプロセスで立体選択または立体特異性が無かった場合に生じうるものである。「ラセミ混合物」および「ラセミ体」という用語は、光学活性が無い2つのエナンチオマーの等モルの混合物を指す。
【0053】
「互変異性体」または「互変異性体形態」という用語は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能である、様々なエネルギーの構造異性体を指す。例えば、(プロトトロピー互変異性体としても知られる)プロトン互変異性体はケト‐エノール異性体化およびイミン‐エナミン異性体化など、プロトンの移動を介した相互変換を含む。原子価互変異性体は
結合電子のいくつかの再編成による相互変換を含む。
【0054】
「プロドラッグ」という用語は、本願で使用される場合、酵素処理によって、または加水分解によってさらに活性が有る親型に活性化される、または変換されることが可能である、本発明の化合物の前駆体または誘導体型を指す。例えば、Wilman, 「Prodrugs in Cancer Chemotherapy」 Biochemical Society Transactions,第14巻、頁375〜382, 615th Meeting Belfast(1986年)およびStella et al.,「Prodrugs: A Chemical Approach to Targeted Drug Delivery」, Directed Drug Delivery, Borchardtら(編)頁247〜267,Humana Press(1985年)を参照のこと。本発明のプロドラッグには、より活性が有る細胞傷害性有利薬品に変換され得る、エステル含有プロドラッグ、ホスフェート含有プロドラッグ、チオホスフェート含有プロドラッグ、スルファート含有プロドラッグ、ペプチド含有プロドラッグ、D−アミノ酸修飾化プロドラッグ、グリコシル化プロドラッグ、β‐ラクタム含有プロドラッグ、任意選択的に置換されたフェノキシアセトアミド含有プロドラッグ、任意選択的に置換されたフェニルアセトアミド含有プロドラッグ、5−フルオロシトシンおよび他の5−フルオロウリジンプロドラッグが含まれるが、これらに限定されない。本発明で使用するためのプロドラッグ形態に誘導体化され得る細胞傷害性薬の例には、本発明の化合物および上で記載されたような化学療法剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
「プロドラッグ」という用語は、生物学的条件下(インビトロまたはインビボ)で加水分解し、酸化し、または別の方法で反応して本発明の化合物を提供することができる化合物の誘導体を包含することも意味する。プロドラッグは、生物学的条件下でそのような反応が起きた時にだけ活性型になってよく、または、それらの未反応型で活性を有していてもよい。本発明で企図されるプロドラッグの例には、生物による加水分解が可能なアミド、生物による加水分解が可能なエステル、生物による加水分解が可能なカルバメート、生物による加水分解が可能なカーボナート、生物による加水分解が可能なウレイド、および生物による加水分解が可能なホスフェート類似体などの生物による加水分解が可能な部分を含む、本明細書で開示される式のいずれか1つの化合物の類似体または誘導体が含まれるが、これらに限定されない。プロドラッグの他の例には、−NO、−NO、−ONOまたは−ONO部分を含む、本明細書で開示される式のいずれか1つの化合物の誘導体が含まれる。プロドラッグは通常、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery(1995年)頁172〜178、頁949〜982(Manfred E. Wolff編、第5版)によって記載されるような方法など、周知の方法を用いて調製され得る。Goodman and GilmanのThe Pharmacological basis of Therapeutics,第8版、McGraw−Hill, Int.編、1992年の「Biotransformation of Drugs」も参照のこと。
【0056】
本発明のプロドラッグの1つの好ましい形態は、本発明の化合物/複合体のイミン結合とイミン反応性試薬の間で形成される付加物を含む、本発明の(任意のリンカー基を含む、または含まない)化合物および複合体を包含する。本発明のプロドラッグの別の好ましい形態は、式(I)〜(IV)のものなど、NとCの間の二重線
【化12】
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が単結合を表すとき、XはHまたはアミン保護基であり、そして、化合物がプロドラッグになる前記化合物を包含する。本発明のプロドラッグは、本明細書に記載される一方の、または、両方の形態の(例えば、前記化合物/複合体のイミン結合とイミン反応性試薬の
間に形成された付加物を含み、および/または、Xが−Hであるとき、脱離基であるYを含む)プロドラッグを含み得る。
【0057】
「イミン反応性試薬」という用語は、イミン基と反応することができる試薬を意味する。イミン反応性試薬の例にはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ、ジ、トリおよびテトラ‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、または陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル((RO)PS(OR)、RSH、RSOH、RSOH、RSOH)、様々なアミン(ヒドロキシルアミン(例えば、NHOH)、ヒドラジン(例えば、NHNH)、NHO−R、R’NH−R、NH−R)、NH−CO−NH、NH−C(=S)−NHチオスルファート(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(OR)(SH)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(RC(=O)NHOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ヒドラジド(RCONHNH)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSOH、または陽イオンと共に形成されるHOCHSOの塩、例えば、HOCHSONa)、グリケート化ヌクレオチド(GDP−マンノースなど)、フルダラビン、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されず、式中、RとRi’はそれぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換されており;RとRi’は、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ;Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;そして、Rは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、アリール、ヘテロシクリールまたはヘテロアリールである(好ましくは、Rは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;より好ましくは、Rはメチル、エチルまたはプロピルである)。好ましくは、その陽イオンは、NaまたはKなどの一価陽イオンである。好ましくは、前記のイミン反応性試薬はサルファイト、ヒドロキシルアミン、尿素およびヒドラジンから選択される。より好ましくは、前記のイミン反応性試薬はNaHSOまたはKHSOである。
【0058】
本明細書において使用される場合、そして、別段の指示がない限り、「生物による加水分解が可能なアミド」、「生物による加水分解が可能なエステル」、「生物による加水分解が可能なカルバメート」、「生物による加水分解が可能なカーボナート」、「生物による加水分解が可能なウレイド」および「生物による加水分解が可能なホスフェート類似体」という用語は、それぞれ、(1)化合物の生物活性を損なわず、そして、その化合物にインビボで有利な特質、例えば、取込、作用期間または作用の発現を付与するか、または(2)それ自体は生物学的に不活性であるが、生物学的に活性が有る化合物にインビボで変換されかのどちらかであるアミド、エステル、カルバメート、カーボナート、ウレイドまたはホスフェート類似体を意味する。生物による加水分解が可能なアミドの例には低級アルキルアミド、α‐アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミドおよびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが含まれるが、これらに限定されない。生物による加水分解が可能なエステルの例には低級アルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステルおよびコリンエステルが含まれるが、これらに限定されない。生物による加水分解が可能なカルバメートの例には低級アルキルアミン、置換エチレンジアミン、アミノ酸、ヒドロキシアルキルアミン、複素環アミンおよび複素芳香族アミン、およびポリエーテールアミンが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい
プロドラッグとプロドラッグの塩は、そのような化合物が哺乳類に投与されると、本発明の化合物の生物利用能を増大させるプロドラッグとプロドラッグの塩である。
【0059】
「薬学的に許容可能な塩」という句は、本明細書で使用される場合、本発明の化合物の薬学的に許容可能な有機塩または無機塩を指す。例示的な塩には硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩、硝酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチジン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩「メシル酸塩」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p‐トルエンスルホン酸塩、パモ酸(すなわち、1,1’‐メチレン‐ビス‐(2‐ヒドロキシ‐3‐ナフトエート))の塩、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)の塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)の塩、およびアンモニウム塩が含まれるが、これらに限定されない。薬学的に許容可能な塩は、酢酸イオン、コハク酸イオンまたは他の対イオンなどの別の分子の包含を伴い得る。対イオンは親化合物の電荷を安定化させる任意の有機または無機部分であり得る。さらに、薬学的に許容可能な塩はその構造に1つより多くの荷電した原子を有し得る。複数の荷電原子が薬学的に許容可能な塩の一部である例は、複数の対イオンを有し得る。したがって、薬学的に許容可能な塩は1つ以上の荷電原子および/または1つ以上の対イオンを有し得る。
【0060】
本発明の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容可能な塩を、当技術分野で利用可能な任意の適切な方法、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸のようなピラノシジル酸、クエン酸もしくは酒石酸のようなαヒドロキシ酸、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸のようなアミノ酸、安息香酸もしくはケイ皮酸のような芳香族酸、p‐トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸のようなスルホン酸などのような有機酸で遊離塩基を処理することによって、調製することができる。
【0061】
本発明の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容可能な塩を、任意の適切な方法、例えば、アミン(第一級、第二級または第三級)、水酸化アルカリ金属もしくは水酸化アルカリ土類金属などのような無機塩基または有機塩基で遊離酸を処理することによって、調製することができる。適切な塩の代表的な例にはグリシンおよびアルギニンのようなアミノ酸、アンモニア、ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンのような第一級、第二級および第三級アミンおよび環状アミンから得られる有機塩、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムから得られる無機塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書で使用される場合、「溶媒和化合物」という用語は、非共有結合性分子間力によって結合した、化学量論的または非化学量論的な量の溶媒、例えば、水、イソプロパノール、アセトン、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸およびエタノールアミン、ジクロロメタン、2‐プロパノールなどをさらに含む化合物を意味する。本化合物の溶媒和化合物または水和物は、少なくとも1モル当量のヒドロキシル溶媒、例えば、メタノール、エタノール、1‐プロパノール、2‐プロパノールまたは水を化合物に添加してイミン部分の溶媒和または水和を引き起こすことによって、容易に調製される。
【0063】
本願では「異常な細胞増殖」および「細胞増殖障害」という用語が互換的に使用される。「異常な細胞増殖」は、本明細書で使用される場合、別途指示されない限り、正常な調節機構から独立した(例えば、接触阻害を喪失した)細胞増殖を指す。これには、例えば
、(1)変異型チロシンキナーゼの発現または受容体型チロシンキナーゼの過剰発現により増殖する腫瘍細胞(腫瘍);(2)異常なチロシンキナーゼの活性化が生じている他の細胞増殖性疾患の良性細胞および悪性細胞;(3)受容体型チロシンキナーゼにより増殖するあらゆる腫瘍;(4)異常なセリン/トレオニンキナーゼの活性化により増殖するあらゆる腫瘍;ならびに(5)異常なセリン/トレオニンキナーゼの活性化が生じている他の細胞増殖性疾患の良性細胞および悪性細胞の異常増殖が含まれる。
【0064】
「癌」および「癌性」という用語は、制御されない細胞増殖を典型的に特徴とする哺乳類動物での生理状態を指す、または説明する。「腫瘍」は1つ以上の癌細胞および/または良性細胞もしくは前癌細胞を含む。癌の例には、癌腫、リンパ腫、芽腫、肉腫および白血病またはリンパ系腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。そのような癌のより具体的な例には扁平細胞癌(例えば、扁平上皮細胞癌)、肺小細胞癌、肺非小細胞癌(「NSCLC」)、肺の腺癌および肺扁平上皮癌を含む肺癌、腹膜の癌、肝細胞癌、胃腸癌を含む胃部または胃の癌、膵臓癌、神経膠芽腫、子宮頚部癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、大腸癌、直腸癌、大腸直腸癌、子宮内膜または子宮の癌、唾腺癌、腎臓または腎臓部の癌、前立腺癌、陰門癌、甲状腺癌、肝臓癌、肛門癌、陰茎癌、急性白血病、頭部/脳および頸部の癌、リンパ器官の癌、ならびに白血病(急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMOL)、有毛細胞性白血病(HCL)、T細胞性前リンパ球性白血病(T−PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、成人T細胞白血病)、リンパ腫(小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ホジキンリンパ腫(結節性硬化症、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球豊富型ホジキンリンパ腫、リンパ球減少性または非減少性ホジキンリンパ腫、および結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫)、非ホジキンリンパ腫(全てのサブタイプ)、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症など)、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞腫瘍(形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、モノクローナル免疫グロブリン沈着病、重鎖病)、節外周辺帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、節性周辺帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞性リンパ腫、血管内大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、節外NK/T細胞リンパ腫(鼻型)、腸疾患型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、芽球型NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫/セザリー症候群、原発性皮膚CD30陽性Tリンパ球増殖症、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫(分類不能)、未分化大細胞型リンパ腫)、多発性骨髄腫(形質細胞骨髄腫またはカーレル病)を含む血液系腫瘍が含まれる。
【0065】
「治療薬」は、抗体、ペプチド、タンパク質、酵素などの生物学的薬剤または化学療法剤の両方を包含する。
【0066】
「化学療法剤」は癌の治療に有用な化学的化合物である。化学療法剤の例にはエルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スーテント(SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、PTK787/ZK222584(Novartis)、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、Sanofi)、5‐FU(5‐フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラ
パチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SCH66336)、ソラフェニブ(BAY43−9006、 Bayer Labs)、およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU5271;Sugen)、チオテパおよびシトキサン(登録商標)シクロホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、イムプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル類;ベンゾドパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドパ(meturedopa)およびウレドパ(uredopa)などのアジリジン類;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロメラミンを含むエチレンイミン類およびメチラメラミン類(methylamelamines);アセトゲニン類(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成類似体であるトポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼルシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン類(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体KW−2189およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブチル、クロルナファジン、クロロホスファミド(chlorophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベムビチン(novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード類;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン(ranimnustine)などのニトロソウレア類;エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特に、カリケアマイシンガンマIIおよびカリケアマイシンオメガII(Angew Chem. Intl. Ed. Engl. (1994) 33:183−186);ダイネミシンAを含むダイネミシン;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルジノスタチンクロモフォアおよび関連のクロモプロテインエンジイン抗生物質クロモフォア)、アクラシノマイシン類、アクチノマイシン、オートラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン類、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン類、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6‐ジアゾ‐5‐オキソ‐L‐ノルロイシン、アドリアマイシン(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ‐ドキソルビシン、シアノモルホリノ‐ドキソルビシン、2‐ピロリノ‐ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン類、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン類、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;メトトレキサートおよび5‐フルオロウラシル(5‐FU)などの抗代謝剤類;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6‐メルカプトプリン、チアムニプリン(thiamniprine)、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6‐アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルウリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン類;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤類;フロリン酸(frolinic acid)などの葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルシン;ジアジコン;エルフォルミチン(elformithine);酢酸エリプチニウム;anエポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア
;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);メイタンシンおよびアンサマイトシン類などのメイタンシノイド類;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール(mopidanmol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメト(phenamet);ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2‐エチルヒドラジン;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、ユージーン、オレゴン);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’‐トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン類(特に、T−2毒素、ベラキュリン(verracurin)A、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド類、例えば、TAXOL(登録商標)(パクリタキセル;Bristol−Myers Squibb Oncology、プリンストン、ニュージャージー)、ABRAXANE(登録商標)(クレモホール‐フリー)、パクリタキセルのアルブミン処理ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners、シャンバーグ、イリノイ)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル;Rhone−Poulenc Rorer、アントニー、フランス);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6‐チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどのプラチナ類似体;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ナベルビン(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(ゼローダ(登録商標));イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド類;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸および誘導体が含まれる。
【0067】
また、「化学療法剤」の定義に含まれるものは、(i)例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4‐ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストンおよびファレストン(登録商標)(クエン酸トレミフェン)を含む、腫瘍へのホルモン作用を調節または阻害するように作用する、抗エストロゲン剤および選択的エストロゲン受容体修飾因子(SERM)などの抗ホルモン剤類;(ii)例えば、4(5)‐イミダゾール類、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、ホルメスタン(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca)などの、副腎でのエストロゲン産生を調節する酵素であるアロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤;(iii)フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリドおよびゴセレリン、ならびにトロキサシタビン(1,3‐ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)などの抗アンドロゲン剤;(iv)プロテインキナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖での関与があるとされているシグナル伝達経路の遺伝子、例えば、PKC‐α、RalfおよびH‐Rasの発現を阻害するもの;(vii)VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤などのリボザイム;(viii)遺伝子治療用ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標)などのワクチン;PROLEUKIN(登録商標)rIL‐2;LURTOTECAN(登録商標)などのトポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)ベバシズマブ(アバスチン(登録商標)、Genentech)などの抗血管新生剤;ならびに(x)上記のいずれかの薬学的
に許容可能な塩、酸および誘導体である。他の抗血管新生剤にはMMP‐2(マトリックスメタロプロテアーゼ2)阻害剤、MMP‐9(マトリックスメタロプロテアーゼ9)阻害剤、COX‐II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤、およびVEGF受容体型チロシンキナーゼ阻害剤が含まれる。本化合物/組成物と組み合わせて使用することができる、そのような有用なマトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤の例は国際公開第96/33172号、国際公開第96/27583号、欧州特許第818442号、欧州特許第1004578号、国際公開第98/07697号、国際公開第98/03516号、国際公開第98/34918号、国際公開第98/34915号、国際公開第98/33768号、国際公開第98/30566号、欧州特許第606,046号、欧州特許第931,788号、国際公開第90/05719号、国際公開第99/52910号、国際公開第99/52889号、国際公開第99/29667号、国際公開第99/07675号、欧州特許第945864号、米国特許第5,863,949号、米国特許第5,861,510号、および欧州特許第780,386号に記載され、それらの文献全ての全体が参照により本明細書に組み込まれる。VEGF受容体型チロシンキナーゼ阻害剤の例には4‐(4‐ブロモ‐2‐フルオロアニリノ)‐6‐メトキシ‐7‐(1‐メチルピペリジン‐4‐イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474;国際公開第01/32651号中の実施例2)、4‐(4‐フルオロ‐2‐メチルインドール‐5‐イルオキシ)‐6‐メトキシ‐7‐(3‐ピロリジン‐1‐イルプロポキシ)−キナゾリン(AZD2171;国際公開第00/47212号中の実施例240)、バタラニブ(PTK787;国際公開第98/35985号)およびSU11248(スニチニブ;国際公開第01/60814号)、ならびにPCT国際公開第97/22596号、国際公開第97/30035号、国際公開第97/32856号および国際公開第98/13354号において開示されるものなどの化合物が含まれる。
【0068】
本化合物と組み合わせて使用することができる化学療法剤の他の例にはPI3K(ホスホイノシチド‐3キナーゼ)の阻害剤、例えば、Yaguchi et al (2006) Jour. of the Nat. Cancer Inst. 98(8):545−556;米国特許第7,173,029号;米国特許第7,037,915号;米国特許第6,608,056号;米国特許第6,608,053号;米国特許第6,838,457号;米国特許第6,770,641号;米国特許第6,653,320号;米国特許第6,403,588号;国際公開第2006/046031号;国際公開第2006/046035号;国際公開第2006/046040号;国際公開第2007/042806号;国際公開第2007/042810号;国際公開第2004/017950号;米国特許出願公開第2004/092561号;国際公開第2004/007491号;国際公開第2004/006916号;国際公開第2003/037886号;米国特許出願公開第2003/149074号;国際公開第2003/035618号;国際公開第2003/034997号;米国特許出願公開第2003/158212号;欧州特許第1417976号;米国特許出願公開第2004/053946号;特開2001‐247477号;特開081‐75990号;特開08‐176070号;米国特許第6,703,414号;および国際公開第97/15658号において報告されるものが含まれ、それらの文献全ての全体が参照により本明細書に組み込まれる。そのようなPI3K阻害剤の具体的な例にはSF−1126(PI3K阻害剤、Semafore Pharmaceuticals)、BEZ−235(PI3K阻害剤、Novartis)、XL−147(PI3K阻害剤、Exelixis、 Inc.)が含まれる。
【0069】
化学療法剤には、本明細書において参照されるブランド医薬品のジェネリック医薬品またはバイオシミラー、または、製剤、プロドラッグ、送達手段(持続性放出、生物粘着性被覆、標的送達など)および剤形が改善されたそれらの改良薬のいずれも含まれ得る。
【0070】
「代謝物」は、特定の化合物、その誘導体、またはその複合体、またはその塩の身体に
おける代謝を通して作製される産物である。化合物、その誘導体、またはその複合体の代謝物は当技術分野において公知の日常的な技術を用いて特定され得るし、本明細書に記載される試験のような試験を用いてそれらの活性が決定される。そのような産物は、例えば、投与された化合物の酸化、ヒドロキシル化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素切断などから生じ得る。したがって、本発明は、本発明の化合物、その誘導体、またはその複合体の代謝物を包含し、本発明の化合物、その誘導体、またはその複合体を、それらの代謝産物を生じるのに十分な期間、哺乳類と接触させることを含む処理によって作製される化合物、その誘導体、またはその複合体を包含する。
【0071】
「薬学的に許容可能な」という句は、その物質または組成物が、製剤を含む他の成分、および/または、それで処理される哺乳類と化学的および/または毒物学的に適合性を持たなくてはならないということを示す。
【0072】
「保護基」または「保護部分」という用語は、他の官能基が化合物、その誘導体またはその複合体に対して反応している間に特定の官能基をブロックまたは保護するために一般に使用される置換基を指す。例えば、「アミン保護基」または「アミノ保護部分」は、化合物のアミノ官能基をブロックまたは保護する、アミノ基に結合した置換基である。そのような基は当技術分野において周知であり(例えば、P. Wuts and T. Greene,2007年、Protective Groups in Organic
Synthesis,第7章、J. Wiley & Sons,ニュージャージー)、そして、メチルカルバメートおよびエチルカルバメートなどのカルバメート、FMOC、置換エチルカルバメート、1,6‐β‐脱離で切断されるカルバメート(「自己犠牲型」とも称される)、尿素、アミド、ペプチド、アルキルおよびアリール誘導体によって代表される。適切なアミノ保護基にはアセチル、トリフルオロアセチル、t‐ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)および9‐フルオレニルメチレノキシカルボニル(Fmoc)が含まれる。保護基の一般的な説明とそれらの使用については、P.G.M. Wuts & T.W. Greene,Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons,ニューヨーク、2007年を参照のこと。
【0073】
「脱離基」という用語は、置換または転置の間に分離する荷電部分または非荷電部分を指す。そのような脱離基は当技術分野において周知であり、そして、ハロゲン、エステル、アルコキシ、ヒドロキシル、トシレート、トリフラート、メシレート、ニトリル、アジド、カルバメート、ジスルフィド、チオエステル、チオエーテルおよびジアゾニウム化合物を含むが、これらに限定されない。
【0074】
「二官能性架橋剤」、「二官能性リンカー」または「架橋剤」という用語は、2つの反応性基を有し;そのうちの1つが細胞結合剤と反応することができ、他方が細胞傷害性化合物と反応して2つの部分を一つに連結する修飾剤を指す。そのような二官能性架橋剤は当技術分野において周知である(例えば、Isalm and Dent in Bioconjugation 第5章、頁218〜363,Groves Dictionaries Inc.,ニューヨーク、1999年を参照のこと)。例えば、チオエーテル結合を介する連結を可能にする二官能性架橋剤にはマレイミド基を導入するためのN‐スクシンイミジル‐4‐(N‐マレイミドメチル)‐シクロヘキサン‐1‐カルボキシラート(SMCC)、またはヨードアセチル基を導入するためのN‐スクシンイミジル‐4‐(ヨードアセチル)‐アミノベンゾエート(SIAB)が含まれる。マレイミド基またはハロアセチル基を細胞結合剤に導入する他の二官能性架橋剤は当技術分野において周知であり(米国特許出願第2008/0050310号、同第20050169933号を参照のこと。米国イリノイ州61105の私書箱117、Pierce Biotechn
ology Inc.から入手可能である)、そして、ビス‐マレイミドポリエチレングリコール(BMPEO)、BM(PEO)、BM(PEO)、N‐(β‐マレイミドプロピルオキシ)スクシンイミドエステル(BMPS)、γ‐マレイミド酪酸N‐スクシンイミジルエステル(GMBS)、ε‐マレイミドカプロン酸N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル(EMCS)、5‐マレイミド吉草酸NHS、HBVS、SMCCの「長鎖」類似体(LC‐SMCC)であるN‐スクシンイミジル‐4‐(N‐マレイミドメチル)‐シクロヘキサン‐1‐カルボキシ‐(6‐アミドカプロエート)、m‐マレイミドベンゾイル‐N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、4‐(4‐N‐マレイミドフェニル)‐酪酸ヒドラジドまたは塩酸塩(MPBH)、N‐スクシンイミジル3‐(ブロモアセトアミド)プロピオネート(SBAP)、N‐スクシンイミジルヨードアセテート(SIA)、κ‐マレイミドウンデカノイン酸N‐スクシンイミジルエステル(KMUA)、N‐スクシンイミジル4‐(p‐マレイミドフェニル)‐ブチレート(SMPB)、スクシンイミジル‐6‐(β‐マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH)、スクシンイミジル‐(4‐ビニルスルホニル)ベンゾエート(SVSB)、ジチオビス‐マレイミドエタン(DTME)、1,4‐ビス‐マレイミドブタン(BMB)、1,4ビスマレイミジル‐2,3‐ジヒドロキシブタン(BMDB)、ビス‐マレイミドヘキサン(BMH)、ビス‐マレイミドエタン(BMOE)、スルフォスクシンイミジル4‐(N‐マレイミド‐メチル)シクロヘキサン‐1‐カルボキシラート(スルフォ‐SMCC)、スルフォスクシンイミジル(4‐ヨード‐アセチル)アミノベンゾエート(スルフォ‐SIAB)、m‐マレイミドベンゾイル‐N‐ヒドロキシスルフォスクシンイミドエステル(スルフォ‐MBS)、N‐(γ‐マレイミドブトリルオキシ)スルフォスクシンイミドエステル(スルフォ‐GMBS)、N‐(ε‐マレイミドカプロイルオキシ)スルフォスクシンイミドエステル(スルフォ‐EMCS)、N‐(κ‐マレイミドウンデカノイルオキシ)スルフォスクシンイミドエステル(スルフォ‐KMUS)、およびスルフォスクシンイミジル4‐(p‐マレイミドフェニル)ブチレート(スルフォ‐SMPB)を含むが、これらに限定されない。
【0075】
ヘテロ二官能性架橋剤は、2つの異なる反応性基を有する二官能性架橋剤である。アミン反応性N‐ヒドロキシスクシンイミド基(NHS基)およびカルボニル‐反応性ヒドラジン基の両方を含有するヘテロ二官能性架橋剤はまた本明細書に記載される細胞傷害性化合物を細胞結合剤(例えば、抗体)と連結するために使用され得る。そのような市販されているヘテロ二官能性架橋剤の例にはスクシンイミジル6‐ヒドラジノニコチンアミドアセトンヒドラゾン(SANH)、スクシンイミジル4‐ヒドラジドテレフタレートヒドロクロリド(SHTH)およびスクシンイミジルヒドラジニウムニコチネートヒドロクロリド(SHNH)が含まれる。酸不安定性結合を担持する複合体も本発明のヒドラジン担持ベンゾジアゼピン誘導体を用いて調製され得る。使用することができる二官能性架橋剤の例にはスクシンイミジル‐p‐ホルミルベンゾエート(SFB)およびスクシンイミジル‐p‐ホルミルフェノキシアセテート(SFPA)が含まれる。
【0076】
ジスルフィド結合を介した細胞結合剤の細胞傷害性化合物との結合を可能にする二官能性架橋剤は当技術分野において公知であり、そして、それらにはジチオピリジル基を導入するためのN‐スクシンイミジル‐3‐(2‐ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、N‐スクシンイミジル‐4‐(2‐ピリジルジチオ)ペンタノエート(SPP)、N‐スクシンイミジル‐4‐(2‐ピリジルジチオ)ブタノエート(SPDB)、N‐スクシンイミジル‐4‐(2‐ピリジルジチオ)2‐スルフォブタノエート(スルフォ‐SPDB)が含まれる。ジスルフィド基を導入するために使用され得る他の二官能性架橋剤は、当技術分野において公知であり、そして、米国特許第6,913,748号、同第6,716,821号および米国特許出願公開第20090274713号および同第20100129314号に記載される。それらの全てが参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、チオール基を導入する、2‐イミノチオラン、ホモシステインチオラクトン
またはS‐アセチルコハク酸無水物などの架橋剤もまた使用され得る。
【0077】
本明細書で定義される、「リンカー」、「リンカー部分」、または「結合基」は、細胞結合剤および細胞傷害性化合物などの2つの基を一つに連結する部分を指す。通常、それが連結する2つの基が結合する条件ではそのリンカーは実質的に不活性である。二官能性架橋剤は、1つの反応性基がまず細胞傷害性化合物と反応してリンカー部分と2つ目の反応性基を担持する化合物をもたらすことができ、次にその2つ目の反応性基が細胞結合剤と反応することができるように、リンカー部分の各末端に1つずつ、2つの反応性基を含み得る。あるいは、二官能性架橋剤の1つの末端がまず細胞結合剤と反応してリンカー部分と2つ目の反応性基を担持する細胞結合剤をもたらすことができ、次にその2つ目の反応性基が細胞傷害性化合物と反応することができる。結合部分は、特定の部位での細胞傷害性部分の放出を可能にする化学結合を含有し得る。適切な化学結合は当技術分野において周知であり、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、酸不安定性結合、光不安定性結合、ペプチダーゼ不安定性結合およびエステラーゼ不安定性結合を含む(例えば、米国特許第5,208,020号;第5,475,092号;第6,441,163号;第6,716,821号;第6,913,748号;第7,276,497号;第7,276,499号;第7,368,565号;第7,388,026号および第7,414,073号を参照のこと)。ジスルフィド結合、チオエーテル結合およびペプチダーゼ不安定性結合が好ましい。本発明で使用することができる他のリンカーには、米国特許出願公開第20050169933号に詳細が記載されているもののような非切断可能リンカー、または荷電リンカーまたは親水性リンカーが含まれ、そして、荷電リンカーまたは親水性リンカーは米国特許出願公開第2009/0274713号、米国特許出願公開第2010/01293140号および国際公開第2009/134976号に記載される。それらのそれぞれが参照により本明細書に明白に組み込まれる。
【0078】
1つの実施形態では、1つの末端に1つの反応性エステルなどの反応性基を有する結合基は下記から選択される:
−O(CR2021(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−O(CR2021(CR26=CR27m’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−O(CR2021(アルキニル)n’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−O(CR2021(ピペラジノ)t’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−O(CR2021(ピロロ)t’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−O(CR2021A”m”(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−S(CR2021(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−S(CR2021(CR26=CR27m’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−S(CR2021(アルキニル)n’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−S(CR2021(ピペラジノ)t’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−S(CR2021(ピロロ)t’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−S(CR2021A”m”(CR2223(OCHCH(CR
41p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−NR33(C=O)p”(CR2021(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−NR33(C=O)p”(CR2021(CR26=CR27m’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−NR33(C=O)p”(CR2021(アルキニル)n’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425−(CO)X’’、
−NR33(C=O)p”(CR2021(ピペラジノ)t’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−NR33(C=O)p”(CR2021(ピロロ)t’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−NR33(C=O)p”(CR2021A”m”(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(CR26=CR27m’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(アルキニル)n’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(ピペラジノ)t’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021A”m”(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(CR29=N−NR30n”(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(CR29=N−NR30n”(CR26=CR27m’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(CR29=N−NR30n”(アルキニル)n’(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
−(CR2021(CR29=N−NR30n”A”m”(CR2223(OCHCH(CR4041p”Y’’(CR2425(CO)X’’、
式中、
m、n、p、q、m’、n’、t’は1から10までの整数、または任意選択的に0であり;
t、m”、n”およびp”は0または1であり;
X”はOR36、SR37、NR3839から選択され式中、R36、37、38、39はH、または1個から20個までの炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、および/またはポリエチレングリコール単位−(OCHCHであり、R37は、t=1のとき、任意選択的にチオール保護基であり、COX’’は、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシフタルイミドエステル、N‐ヒドロキシスルフォ‐スクシンイミドエステル、パラ‐ニトロフェニルエステル、ジニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルおよびそれらの誘導体から選択される反応性エステルを形成し、前記誘導体はアミド結合形成を
促進し;
Y’’は存在しないか、O、S、S−SもしくはNR32から選択され、式中、R32はRについて上で与えられたものと同じ定義を有し、または
Y”がS−Sではなく、そして、t=0のとき、X”はマレイミド基、ハロアセチル基またはSR37から選択され、式中、R37は上記と同じ定義を有し;
A”はグリシン、アラニン、ロイシン、バリン、リシン、シトルリンおよびグルタミン酸から選択されるアミノ酸であるか、または、2と20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドであり;
20、R21、R22、R23、R24、R25、R26およびR27は同一または異なっており、そして、H、または1個から5個までの炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり;
29とR30は同一または異なっており、そして、−H、または1個から5個までの炭素原子を有するアルキルであり;
33はH、もしくは1個から12個までの炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位R−(OCHCHであり、または、R33は−COR34、−CSR34、−SOR34、もしくは−SO34であり、式中、R34はH、または1個から20個までの炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位−(OCHCHであり;ならびに
40とR41の一方が、任意選択的に、負に荷電した、または正に荷電した官能基であり、そして、他方がH、または1〜4個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニルである。
【0079】
上記の結合基のいずれも本発明のいずれの化合物、薬品‐リンカー化合物または複合体にも存在することができ、本明細書に記載される式のいずれかの結合基を置換することを含む。
【0080】
「アミノ酸」という用語は、RaaとRaa’がそれぞれ独立して、H、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリールである、NH−C(Raa’aa)−C(=O)OHで表される天然のアミノ酸または非天然のアミノ酸を指す。「アミノ酸」という用語は、アミノ酸のアミノ末端および/またはカルボキシ末端から1つの水素原子が除去されたときに対応する残基、例えば、−NH−C(Raa’aa)−C(=O)O−も指す。
【0081】
「陽イオン」という用語は、正の荷電を有するイオンを指す。陽イオンは一価(例えば、Na、Kなど)、二価(例えば、Ca2+、Mg2+など)または多価(例えば、Al3+など)であり得る。好ましくは、陽イオンは一価である。
【0082】
「治療上有効量」という用語は、対象で所望の生物学的反応を誘発する、活性化合物または複合体の量を意味する。そのような反応には、治療されている疾患もしくは障害の症状の緩和、疾患の症状もしくは疾患自体の防止、抑制もしくは再発の遅延化、治療が無いときと比較した対象の寿命の増加、または疾患の症状もしくは疾患自体の進行の防止、抑制もしくは遅延化が含まれる。有効量の決定は、特に本明細書で提供される詳細な開示に照らして、十分に当業者の能力の範囲内である。化合物Iの毒性と治療効力は、細胞培養と実験動物の標準薬学的手順によって決定され得る。対象に投与される本発明の化合物もしくは複合体または他の治療薬の有効量は、多発性骨髄腫のステージ、分類および状態、ならびに一般健康状態、年齢、性別、体重および薬品耐性などの対象の特徴に依存する。投与される本発明の化合物もしくは複合体または他の治療薬の有効量は投与経路および剤形にも依存する。投与量および投与間隔は個々に調節されて、所望の治療効果を維持する
のに十分な活性化合物の血漿中レベルをもたらすことができる。
【0083】
細胞傷害性化合物
本発明は、本明細書に記載される細胞傷害性化合物(例えば、式(I)、(II)、(III)および(IV)の化合物)を対象とする。1つの実施形態では、本発明の細胞傷害性化合物は、下記の但し書きで具体的に否認されているものなど、米国特許出願公開第2010/0203007号(その教示の全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるいずれの化合物も含まない。
【0084】
第1の特定の実施形態では、本発明は、細胞傷害性化合物を細胞結合剤(CBA)に共有結合させることができる、それに結合した反応性基を有する結合基を含む前記細胞傷害性化合物を提供し、前記細胞傷害性化合物は、以下の式(I)、(II)、(III)または(IV):
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つ、または薬学的に許容可能なその塩によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、そして、それが単結合であるときXは−H、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、またはアミン保護部分であることを条件とし;好ましくは、NとCの間の二重線
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表し;
Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基であり、式中、Mは−HまたはNaもしくはKなどの陽イオンである。好ましくは、Mは−HまたはNaである。好ましくは、Yは−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHから選択される。より好ましくは、Yは−SOMまたは−OHであり;または
Yはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ‐、ジ‐、トリ‐、およびテトラ‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、または陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル(RO)PS(OR)、RS−、RSO、RSO、RSO、チオスルファート(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(ORk’)(S)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(Rk’C(=O)NOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSO、または陽イオンと共に形成される、HOCHSONaなどのHOCHSOの塩)、またはそれらの混合物であり、式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換され;Rは、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ;Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;Rk’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、アリール、ヘテロシクリール、またはヘテロアリールであり;好ましくは、Yはバイサルファイト、ハイドロサルファイトもしくはメタバイサルファイトまたはそれらの塩(例えば、ナトリウム塩)の付加物であり;
Rは、それぞれの出現に関して、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、またはO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より独立して選択され;
R’とR”は同一であるか異なっており、そして、−H、−OH、−OR、−NHR、−NR、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から独立して選択され;
は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキル、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり;
nは1から24までの整数であり;
WはC=O、C=S、CH、BH、SOおよびSOから選択され;
X’は、−H、−OH、アミン保護基、それに結合した前記反応性基を有する前記結
合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール(例えば、フェニル)、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より選択される。好ましくは、X’は−H、−OH、−Me、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基である。より好ましくは、X’は−Hであり;
Y’は、−H、オキソ基、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、任意選択的に置換された6員〜18員のアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より選択される。好ましくは、Y’は−Hまたはオキソから選択される。より好ましくは、Y’は−Hであり;
、R、R、R、R’.R’.R’およびR’はそれぞれ、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NCO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’、およびそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基からなる群より独立して選択される。好ましくは、R、R、R’およびR’のうちの1つが、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり、残りが−Hであり;
は−H、−R、−OR、−SR、−NR’R’’、−NO、ハロゲン、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、−ORまたは−SRであり、式中、Rは−H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。好ましくは、Rは−OMeまたは−SMeである。さらにより好ましくは、Rが−OMeであり;
ZとZ’は−(CHn’−、−(CHn’−CR−(CHna’−、−(CHn’−NR−(CHna’−、−(CHn’−O−(CHna’−および−(CHn’−S−(CHna’−から独立して選択され;
n’とna’は同一であるか異なっており、そして、0、1、2および3から選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ−H、−OH、−SH、−COOH、−NHR’、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド単位、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキルから独立して選択され;
は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−から独立して選択され;
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、オキソ(−C(=O)−)、−CRR’O−、−CRR’−、−S−、−CRR’S−、−N(R)−および−CRR’N(R)−から独立して選択される。好ましくは、AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−および−S−から選択される。より好ましくは、AとA’は−O−であり;
は、それぞれの出現に関して、独立して−H、または1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
DとD’は同一であるか異なっており、そして、独立して、存在しないか、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、およびポリエチレングリコール単位(−OCHCH−、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択され、前記のアルキル、アルケニルおよびアルキニルは、ハロゲン、−OR、−NR’COR’’、−SRおよび−COR’からなる群より独立して選択される1つ以上の(例えば、2、3、4、5、6またはそれ以上の)置換基で任意選択的に置換され;
好ましくは、DとD’は同一であるか異なっており、そして、1個から10個までの炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルから独立して選択される。より好ましくは、DとD’は1〜4個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルである。さらにより好ましくはDとD’は同一であるか異なっており、そして、1〜4個の炭素原子を有する直鎖アルキルから選択され;
Lは存在しないか、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、ポリエチレングリコール単位(−OCHCH−、1〜10個の炭素原子(例えば、1〜6個の炭素原子)を有する直鎖、分岐または環状アルキルまたはアルケニル、フェニル基、O、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する3員〜18員の複素環または5員〜18員のヘテロアリール環であり、前記のアルキルまたはアルケニルは、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基で任意選択的に置換され;フェニルまたは複素環またはヘテロアリール環は任意選択的に置換され得るが、置換基が、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり得る。
【0085】
ある特定の実施形態では、Xは、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基ではない。ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表し、Yは−Hではない。
【0086】
ある特定の実施形態では、本発明の細胞傷害性化合物は以下の化合物:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つではない。
【0087】
ある特定の実施形態では、Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基である。好ましくは、Yは亜硫酸水素ナトリウム付加物、ヒドロ亜硫酸ナトリウム付加物、またはメタ重亜硫酸ナトリウム付加物である。ある特定の実施形態では、Yは−Hではない。
【0088】
ある特定の実施形態では、Lは存在しないか、任意選択的に置換されたフェニル基および任意選択的に置換されたピリジル基から選択され、前記のフェニル基およびピリジル基は、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基を担持し、または、Lは、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基を担持するアミン基(すなわち、−N(結合基)−)であり、または、Lは、1個から6個までの炭素原子を有し、そして、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基を担持する直鎖、分岐もしくは環状アルキルもしくは
アルケニルである。
【0089】
第2の特定の実施形態では、細胞傷害性二量体(I)、(II)、(III)および(IV)について、可変項目は下に記載されるとおりである。
NとCの間の二重線
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表し;
Yは−Hであり;
WはC=Oであり;
、R、R’、R’、RおよびR’は−Hであり;
またはR’の一方が、任意選択的に、結合基であり、他方が−Hであり;
は−OMeであり;
ZとZ’は−CH−であり;
X’は−Hであり;
Y’は−Hであり;
AとA’は−O−であり;可変項目の残りは第1の特定の実施形態に記載されたとおりである。
【0090】
第3の特定の実施形態では、式(I)、(II)、(III)および(IV)の細胞傷害性二量体は以下の式:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−H、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、またはアミン保護基から選択される(好ましくは、Xは−Hである)ことを条件とし;
Yは−H、−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、−SOM、−SOMまたは−OSOMから選択され、式中、Mは−H、またはNaもしくはKなどの陽イオンである。好ましくは、Yは−OH、−OMe、−OEt、−NHOHまたは−SOMから選択される。さらにより好ましくは、Yは−OHまたは−SOMであり、好ましくは、Mは−HまたはNaであり;
Rは−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはPEG基−(CHCHO)−Rであり、式中、nは1から24までの整数であり、そして、Rは1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
R’とR”は同一であるか異なっており、そして、−H、−OH、−OR、−NRRg’、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、6個から18個までの炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、O、S、NおよびPから選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環、PEG基−(CHCHO)−Rから選択され、式中、nは1から24までの整数であり、好ましくは、nは2、4または8であり;そして、Rg’は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはPEG基−(CHCHO)−Rであり;
X’は、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびフェニル、およびアミン保護基からなる群より選択される。好ましくは、X’は−H、−OHまたは−Meである。より好ましくは、X’は−Hであり;
Y’は、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択される。好ましくは、Y’は−Hまたは−Meから選択される。より好ましくは、Y’は−Hであり;
は−ORまたは−SRであり、式中、Rは1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。好ましくは、Rは−OMeまたは−SMeである。さらにより好ましくは、Rは−OMeであり;
AとA’は−O−および−S−から選択される。好ましくは、AとA’は−O−であり;
L’、L’’およびL’’’は同一であるか異なっており、そして、L’、L’’およびL’’’のうちの1つだけが、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であることを条件として、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’、およびそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基から独立して選択される。好ましくは、L’は、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基である。あるいは、L’、L’’また
はL”’のうちの1つが、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり、残りが−Hである。より好ましくは、L’は、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり、L’’とL’’’が−Hであり;
Gは−CH−または−N‐から選択され;可変項目の残りは第1の特定の実施形態に記載されたとおりである。
【0091】
ある特定の実施形態では、Xは、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基ではない。ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表し、Yは−Hではない。
【0092】
ある特定の実施形態では、AとA’が共に−O−であり、Rは−OMeであり、そして、Gは−CH−である。
【0093】
第4の特定の実施形態では、式(IA)、(IIA)、(IIIA)または(IVA)の細胞傷害性二量体について、L’は式:
−W’−R−V−R−J
によって表され、式中、
W’とVは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、−CRe’−、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CH−S−、−CHO−、−CHNR−、−O−(C=O)O−、−O−(C=O)N(R)−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−C(=O)−N(R)−、−N(R)−C(=O)O−、−N(C(=O)R)C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−(O−CH−CH−、−SS−、または−C(=O)−、またはアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドから選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、6〜10個の炭素原子を担持するアリール、またはO、NもしくはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を担持する3員〜8員の複素環であり;
とRe’は同一であるか異なっており、そして、−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rから選択され、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルである。好ましくは、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
nは1から24までの整数であり;および
Jは、それに結合した前記反応性基を含み、そして、マレイミド、ハロアセタミド、−SH、−SSR、−CHSH、−CH(Me)SH、−C(Me)SH、−NHRc1、−CHNHRc1、−NRc1NH、−COOHおよび−COEから選択され、−COEは、これらに限定されないが、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシスルフォスクシンイミドエステル、ニトロフェニル(例えば、2または4‐ニトロフェニル)エステル、ジニトロフェニル(例えば、2,4‐ジニトロフェニル)エステル、スルフォ‐テトラフルオロフェニル(例えば、4‐スルフォ‐2,3,5,6‐
テトラフルオロフェニル)エステルおよびペンタフルオロフェニルエステルから選択される反応性エステルを表し、そして、式中、Rc1は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキルであり、および
はフェニル、ニトロフェニル(例えば、2または4‐ニトロフェニル)、ジニトロフェニル(例えば、2または4‐ニトロフェニル)、カルボキシニトロフェニル(例えば、3‐カルボキシ‐4‐ニトロフェニル)、ピリジルまたはニトロピリジル(例えば、4‐ニトロピリジル)から選択される。
【0094】
ある特定の実施形態では、Jは−SH、−SSR、マレイミドまたはN‐ヒドロキシスクシンイミドエステルである。
【0095】
ある特定の実施形態では、Re’は−Hまたは−Meであり;Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH−CH−O)−Rであり;nは2から8までの整数であり;好ましくは、Rは−H、−Meまたは−CHCH−NMeであり、そして、可変項目の残りは第4の特定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0096】
ある特定の実施形態では、Vはアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドである。ある特定の実施形態では、Vはバリン−シトルリン、グリシン‐グリシン‐グリシン、またはアラニン‐ロイシン‐アラニン‐ロイシンである。
【0097】
ある特定の実施形態では、
W’は−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
はH、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH−CH−O)−Rであり;
は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
Vは存在しないか、−(O−CH−CH−、−C(=O)−NH−、−S−、−NH−C(=O)−であり;
は存在しないか、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;および
Jは−SH、−SSRまたは−COE(好ましくは、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル)である。可変項目の残りは第4の特定の実施形態に記載されたとおりである。
【0098】
ある特定の実施形態では、
W’は−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
はH、Meまたは−(CH−CH−O)−Meであり;
nは2から6までの整数であり;
は、1〜6個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルであり;
VとRは存在せず;および
Jは−COE、好ましくは、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステルである。可変項目の残りは第4の特定の実施形態に記載されたとおりである。
【0099】
第5の特定の実施形態では、L’は以下の式:
−W’−[CR1’’2’’−V−[Cy]0〜1−[CR3’’4’’−COE
によって表され、式中、
1’’、R2’’およびR3’’はそれぞれ独立して、−H、または1〜4個の炭素原子を担持する直鎖もしくは分岐アルキル、好ましくは、−Meであり;
4’’は−H、1〜4個の炭素原子を担持する直鎖もしくは分岐アルキル(好まし
くは、−Me)、−SOHまたは−SOであり、式中、Mは薬学的に許容可能な陽イオンであり;
aは0から5までの(例えば、0から2、3、4または5まで)の整数であり、そして、bは0から6まで(例えば、0から3、4、5または6まで)の整数であり;ならびに
Cyは、Nヘテロ原子を担持する任意選択的に置換された5員の複素環であり、好ましくは、Cyは
【化24】
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である。
【0100】
ある特定の実施形態では、W’は−N(R)−である。
【0101】
ある特定の実施形態では、例えば、第4および/または第5の特定の実施形態では、Rは−(CH−CH−O)2〜6−Rであり、式中、Rは−H、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキルである。
【0102】
ある特定の実施形態では、例えば、第4および/または第5の特定の実施形態では、Vは−S−または−SS−である、
【0103】
第6の実施形態では、例えば、第4および/または第5の特定の実施形態では、L’は以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−[CR3’’4’’−COE
によって表される。
【0104】
ある特定の実施形態では、前記化合物は、
【化25】
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【化26】
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のいずれかであり、Yは−Hまたは−SOMであり、そして、Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである。ある特定の実施形態では、Yは−SOMである。
【0105】
第7の実施形態では、例えば、第4および/または第5の特定の実施形態では、L’は以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−Cy−[CR3’’4’’−COE
によって表される。
【0106】
ある特定の実施形態では、前記化合物は、
【化27】
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のいずれか1つであり、Yは−Hまたは−SOMであり、そして、Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである。ある特定の実施形態では、Yは−SOMである。
【0107】
第8の特定の実施形態では、式(I)、(II)、(III)および(IV)の細胞傷害性二量体は以下の式:
【化28】
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によって表され、式中、
W’は存在しないか、−O−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−S−または−CH−S−、−CHNR−から選択され;
は存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルから選択され;
は−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルである。好ましくは、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
は−H、−SRであり;
はR、または、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシフタルイミドエステル、N‐ヒドロキシスルフォ‐スクシンイミドエステル、パラ‐ニトロフェニルエステル、ジニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルから選択される反応性エステルを担持する、1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキルであり;
はフェニル、ニトロフェニル、ジニトロフェニル、カルボキシニトロフェニル、
ピリジルまたはニトロピリジルから選択され;および
nは1から24までの整数であり;そして、可変項目の残りは第3の特定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0108】
好ましくは、Rは−Hまたは−Meであり、そして、nは2から8までの整数である。好ましくは、Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;そして、可変項目の残りは第3、第4および/または第5の特定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0109】
第9の特定の実施形態では、式(I)、(II)、(III)および(IV)の細胞傷害性二量体は以下の式:
【化29】
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【化30】
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によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化31】
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は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−H、それに結合した前記反応性基を有する
前記結合基、またはアミン保護基から選択される(好ましくは、Xは−Hまたはアミン保護基であり;より好ましくは、Xは−Hである)ことを条件とし;
Yは−H、−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、−SOM、−SOMまたは−OSOMから選択され(例えば、Yは−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、−SOM、−SOMまたは−OSOMである)、式中、Mは−HまたはNaもしくはKなどの陽イオンであり;
Rは−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはPEG基−(CHCHO)−Rであり、式中、nは1から24までの整数であり、そして、Rは1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
R’とR”は同一であるか異なっており、そして、−H、−OH、−OR、−NRRg’、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、6個から18個までの炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、O、S、NおよびPから選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環、PEG基−(CHCHO)−Rから選択され、式中、nは1から24までの整数であり、好ましくは、nは2、4または8であり;そして、Rg’は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはPEG基−(CHCHO)−Rであり;
X’は、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、フェニル、およびアミン保護基からなる群より選択され;
Y’は、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択され;
AとA’は−O−および−S−から選択され;
W’は存在しないか、−O−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−S−または−CH−S−、−CHNR−から選択され;
は存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルから選択され;
は−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;
Gは−CH−または−N‐から選択され;
は−Hであるか、以下の式:
【化32】
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【化33】
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のいずれか1つから選択され、式中、
qは1から5までの整数であり;
nが2から6までの整数であり;
Dは−Hまたは−SOMであり;
Mは−H、またはNaもしくはKなどの陽イオンである。
【0110】
ある特定の実施形態では、Zが以下の式:
【化34】
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【化35】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つによって表される。
【0111】
ある特定の実施形態では、W’は−N(R)−である。
【0112】
ある特定の実施形態では、Rは−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキルである。
【0113】
ある特定の実施形態では、Rは−Hまたは−Meであり、nは4であり、そして、qは2である。
【0114】
ある特定の実施形態では、Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
【0115】
ある特定の実施形態では、Rは−(CH−(CR)−であり得、式中、RとRはそれぞれH、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルから独立して選択され;そして、pは0、1、2または3である。
【0116】
ある特定の実施形態では、RとRは同一であるか異なっており、そして、−Hおよび−Meから選択され;そして、pは1である。
【0117】
第10の特定の実施形態では、第9の特定の実施形態において記載される式(VIII)、(IX)、(X)および(XI)の化合物では、可変項目は下に記載されるとおりである。
NとCの間の二重線
【化36】
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は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hであり、Yは−H、−OHまたは−SOMであることを条件とし;
Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオン(例えば、Na)であり;
X’とY’は共に−Hであり;
AとA’は共に−O−であり;
は−OMeであり;および
は1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
【0118】
関連の実施形態では、Yは−OHまたは−SOMである。
【0119】
別の実施形態では、第9の特定の実施形態において記載される式(VIII)、(IX)、(X)および(XI)の化合物では、可変項目は下に記載されるとおりである。
W’は−O−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−N(COR)−、−S−または−CH−Sであり;
は存在しないか、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルから選択され;
は−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、第一、第二もしくは第三級アミノ基を任意選択的に担持する、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、またはピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり;
nは1から24までの整数であり;そして、可変項目の残りは第9の特定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0120】
好ましくは、Rは−Hまたは−Meであり、そして、nは2から8までの整数である。好ましくは、Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
【0121】
好ましくは、Rは−(CH−(CR)−であり、式中、RとRはそれぞれ、H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルから独立して選択され;pは0、1、2または3である。より好ましくは、RとRは同一であるか異なっており、そして、−Hおよび−Meから選択され;そして、pは1である。
【0122】
別の好ましい実施形態では、前記リンカーは、上で示された式(a1)、(a4)、(a5)、(a10)および(a11)から選択された式のいずれか1つによって表され;そして、可変項目の残りは第10の特定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0123】
第11の特定の実施形態では、第8の特定の実施形態に記載された式(IB)、(IIB)、(IIIB)および(IVB)の化合物について、可変項目は下に記載されるとおりである。
NとCの間の二重線
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hであり、Yは−H、−OHまたは−SOMである(例えば、Yは−OHまたは−SOMである)ことを条件とし;
Mは−HまたはNaであり;
X’とY’は共に−Hであり;
AとA’は共に−O−であり;
は−OMeであり;
は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;そして、可変項目の残りは第3、第4または第5の特定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0124】
好ましくは、Rは−(CH−(CR)−であり、式中、RとRはそれぞれ、H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルから独立して選択され;pは0、1、2または3である。より好ましくは、RとRは同一であるか異なっており、そして、−Hおよび−Meから選択され;そして、pは1である。
【0125】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも、NとCの間の二重線
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表し得る。
【0126】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも、NとCの間の二重線
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表し得るが、Xは−H、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、またはアミン保護基であり(例えば、Xは−Hまたはアミン保護基であり);そして、Yは−H、−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環、−SOM、−SOMおよびスルファート−OSOMから選択される(例えば、Yは−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環、−SOM、−SOMおよびスルファート−OSOMである)。
【0127】
ある特定の実施形態では、Yは−H、−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHから選択される(例えば、Yは−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHである)。
【0128】
ある特定の実施形態では、Yは−H、−SOMまたは−OHである(例えば、Yは−SOMまたは−OHである)。
【0129】
ある特定の実施形態では、Mは−H、NaまたはKである。
【0130】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも、Wは、存在するときは、C=Oである。
【0131】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも、ZとZ’は、存在するときは、−CHである。
【0132】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも、X’は、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびフェニル、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基およびアミン保護基からなる群より選択される。
【0133】
ある特定の実施形態では、X’は−H、−OH、−Me、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基である。
【0134】
ある特定の実施形態では、X’は−Hである。
【0135】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも、Y’は、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択される。
【0136】
ある特定の実施形態では、Y’は−Hまたはオキソである。
【0137】
ある特定の実施形態では、Y’は−Hである。
【0138】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも
、AとA’は同一であるか異なっており、そして、O、S、NRおよびオキソ(C=O)から選択される。AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−および−S−から選択され得る。好ましくは、AとA’が共に−O−である。
【0139】
上記の特定の実施形態(例えば、第1〜第11の特定の実施形態)のうちのいずれでも、DとD’は、存在するときは、同一であるか異なっており、そして、nが1から24までの整数であるポリエチレングリコール単位(−OCHCH、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、または1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニルから独立して選択され、前記のアルキル、アルケニルおよびアルキニルが、ハロゲン、−OR、−NR’COR’’、−SRおよび−COR’からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。好ましくは、DとD’は1〜4個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルである。
【0140】
第12の実施形態では、第1、第3および第9の実施形態に記載されるような本発明の細胞傷害性化合物は以下によって表される。
NとCの間の二重線
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表し;
Yは−Hであり;
WはC=Oであり;
、R、R’、R’、RおよびR’は−Hであり;
またはR’の一方が、任意選択的に、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり、そして、他方が−Hであり;
は−OMeであり;
ZとZ’は−CHであり;
X’は−Hであり;
Y’は−Hであり;ならびに
AとA’は−O−である。
【0141】
第13の実施形態では,本発明の細胞傷害性化合物は、
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
または薬学的に許容可能なその塩である。
【0142】
1つの実施形態では、本発明本明細書に記載される方法で化合物29bを使用することができる。好ましい実施形態では、細胞増殖障害、例えば、癌の治療に化合物29bを使用することができる。
【0143】
別の実施形態では、化合物29bを、ベンゾジアゼピン化合物、例えば、本明細書に記載されるベンゾジアゼピン誘導体に感受性を示す細胞株を特定するための細胞株のスクリ
ーニングに使用することができる。
【0144】
薬品化合物および薬品‐リンカー化合物
上述の細胞傷害性化合物は、それに結合した反応性基を有する結合基を含むが、その化合物は、いわゆる薬品‐リンカー化合物を形成するために二官能性架橋試薬を「無リンカー」化合物と反応させることから生じることができる。あるいは、本来、薬品−リンカー化合物と同一であるが、リンカー部分を持たない薬品化合物もまた本発明によって包含される。
【0145】
したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、結合基を持たないが、二官能性架橋剤と反応して本発明の化合物、例えば、上述の第1〜第12の特定の実施形態のいずれか1つを形成する、または本発明の細胞結合剤複合体(例えば、以下に記載されるもの)を形成する可能性があり得る細胞傷害性化合物を提供する。本発明の例示的な無リンカー細胞傷害性化合物には上記の第13の特定の実施形態の化合物29bが含まれる。本発明の無リンカー細胞傷害性化合物は以下の式(I’)、(II’)、(III’)または(IV’):
【化42】
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のうちのいずれか1つ、または薬学的に許容可能なその塩によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化43】
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は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−H、
または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、そして、それが単結合であるときXは−Hまたはアミン保護部分であることを条件とし;好ましくは、NとCの間の二重線
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表し;
Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基であり、式中、Mは−HまたはNaもしくはKなどの陽イオンである。好ましくは、Mは−HまたはNaである。好ましくは、Yは−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHから選択される。より好ましくは、Yは−SOMまたは−OHであり;または、
Yはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ‐、ジ‐、トリ‐、およびテトラ‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、または陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル(RO)PS(OR)、RS−、RSO、RSO、RSO、チオスルファート(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(ORk’)(S)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(Rk’C(=O)NOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSO、または陽イオンと共に形成される、HOCHSONaなどのHOCHSOの塩)、またはそれらの混合物であり、式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換され;Rは、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ;Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;Rk’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、アリール、ヘテロシクリール、またはヘテロアリールであり;好ましくは、Yはバイサルファイト、ハイドロサルファイトもしくはメタバイサルファイトまたはそれらの塩(例えば、ナトリウム塩)の付加物であり;
Rは、それぞれの出現に関して、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、またはO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より独立して選択され;
R’とR”は同一であるか異なっており、そして、−H、−OH、−OR、−NHR、−NR、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、ならびにO、S、NおよびPから独立して選
択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から独立して選択され;
は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキルであり;
nは1から24までの整数であり;
WはC=O、C=S、CH、BH、SOおよびSOから選択され;
X’は、−H、−OH、アミン保護基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール(例えば、フェニル)、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より選択される。好ましくは、X’は−H、−OHまたは−Meである。より好ましくは、X’は−Hであり;
Y’は、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、任意選択的に置換された6員〜18員のアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より選択される。好ましくは、Y’は−Hまたはオキソから選択される。より好ましくは、Y’は−Hであり;
、R、R、R、R’.R’.R’およびR’はそれぞれ、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NCO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’および−OCONR’R’’からなる群より独立して選択される。好ましくは、R、R、R’およびR’のうちの1つ、2つ、3つ、または全てが−Hであり;
は−H、−R、−OR、−SR、−NR’R’’、−NO、ハロゲン、−ORまたは−SRであり、式中、Rは−H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。好ましくは、Rは−OMeまたは−SMeである。さらにより好ましくは、Rは−OMeであり;
ZとZ’は−(CHn’−、−(CHn’−CR−(CHna’−、−(CHn’−NR−(CHna’−、−(CHn’−O−(CHna’−および−(CHn’−S−(CHna’−から独立して選択され;
n’とna’は同一であるか異なっており、そして、0、1、2および3から選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ−H、−OH、−SH、−COOH、−NHR’、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド単位、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキルから独立して選択され;
は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−から独立して選択され;
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、オキソ(−C(=O)−)、−CRR’O−、−CRR’−、−S−、−CRR’S−、−N(R)−および−C
RR’N(R)−から独立して選択される。好ましくは、AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−および−S−から選択される。より好ましくは、AとA’は−O−であり;
は、それぞれの出現に関して、独立して−H、または1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
L’、L’’およびL’’’は同一であるか異なっており、そして、−H、ハロゲン、任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、−NO、または−CNから独立して選択され;
Gは−CH−または−N‐から選択される。
【0146】
ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表し、Yは−Hではない。
【0147】
ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hまたはアミン保護基から選択される(好ましくは、Xは−Hである)ことを条件とし;WはC=Oであり;R、R、R、R、R1’、R2’、R3’およびR4’は−Hであり;ZとZ’は−CH−であり;AとA’は共に−O−であり;Wは−(C=O)−であり;Gは−CH−であり;Rは−H、または任意選択的に置換されたC〜C10直鎖、C〜C10分岐もしくはC〜C環状アルキル、−O−アルキルもしくは−O−ハロアルキル、例えば、−OMeであり;X’は、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、フェニル、およびアミン保護基からなる群より選択され;そして、Y’は、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択される。
【0148】
好ましくは、Yが−Hではないとき、Yは−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、−SOM、−SOMまたは−OSOMから選択され、式中、Mは−H、またはNaもしくはKなどの陽イオンである。好ましくは、Yは−H、−OH、−OMe、−OEt、−NHOHまたは−SOMから選択される(例えば、Yは−OH、−OMe、−OEt、−NHOHまたは−SOMである)。さらにより好ましくは、Yは−H、−OHまたは−SOMであり(例えば、Yは−OHまたは−SOMであり)、好ましくは、Mは−HまたはNaである。
【0149】
ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hまたはアミン保護基から選択される(好ましくは、Xは−Hである)ことを条件とし;WはC=Oであり;R、R、R、R、R1’、R2’、R3’、R4’、X’およびY’は−Hであり;ZとZ’は−CH−であり;AとA’は共に−O−であり;Wは−(C=O)−であり;Gは−CH−であり;Rは−H、または任意選択的に置換されたC〜C10直鎖、C〜C10分岐
もしくはC〜C環状アルキル、−O−アルキルもしくは−O−ハロアルキル、例えば、−OMeである。
【0150】
二官能性架橋剤は、当技術分野において公知の任意の二官能性リンカーであり得る。例えば、薬品‐リンカー化合物の作製に使用することができる二官能性リンカーは、細胞傷害性化合物とジスルフィド結合、チオエーテル結合、酸不安定性結合、光不安定性結合、ペプチダーゼ不安定性結合およびエステラーゼ不安定性結合を形成するものである(例えば、それらの全てが参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,208,020号;同第5,475,092号;同第6,441,163号;同第6,716,821号;同第6,913,748号;同第7,276,497号;同第7,276,499号;同第7,368,565号;同第7,388,026号および同第7,414,073号を参照のこと)。好ましくは、前記の二官能性架橋剤は、細胞傷害性化合物とジスルフィド結合、チオエーテル結合およびペプチダーゼ不安定性結合を形成するものである。本発明で使用することができる他の二官能性架橋剤には、米国特許出願公開第2005/0169933号に記載されているもののような非切断可能リンカー、または荷電リンカーまたは親水性リンカーが含まれ、そして、荷電リンカーまたは親水性リンカーは米国特許出願公開第2009/0274713号、米国特許出願公開第2010/01293140号および国際公開第2009/134976号に記載される。それらのそれぞれが参照により本明細書に明白に組み込まれる。本発明の(薬品‐リンカー)化合物の作製に使用することができる二官能性架橋剤には、その教示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、サーモサイエンティフィック・ピアース・架橋技術ハンドブック(Thrmo Scientific Pierce Crosslinking Technical Handbook)に記載されるものも含まれる。
【0151】
細胞傷害性化合物の合成
図1〜11に、本発明の細胞傷害性二量体化合物を調製する代表的な製法が示されている。図1中の化合物1cの合成について記載されるもののような、ハロゲン、トリフレート、メシレート、またはトシレートなどの2つの脱離基を有するリンカー化合物と単量体を反応させることによって二量体が調製された。還元可能な、または還元不可能な結合を介した細胞結合剤への結合を可能にするチオール部分またはジスルフィド部分を担持する代表的な二量体の合成が図1〜5、7、8および10に示されている。図1で、短ポリエチレングリコール部分とアルキルジスルフィドを含有するリンカーが化合物1aの還元的アミノ化を介して調製された。化合物1bのその対応するメシレートへの変換とIBD(インドリノベンゾジアゼピン)単量体単位との結合によって二量体1cが産生され、それはモノ‐イミンに還元され、遊離チオールに変換され、そして、化合物2と結合して本発明の化合物1gを産生した。図3では、修飾型のIBD単量体が調製され、結合して、還元イミンがリンカーに変換されている本発明の二量体を産生した。図4は、短ポリエチレングリコール部分とアミドジスルフィドを有し、チオール4cに還元され、そして、反応性エステルに変換された二量体について記述する。図5は、本発明のモノ‐イミンチオール5iに変換されたのちに反応性エステルに変換された、ピリジルジスルフィド含有リンカー5eの合成について記述する。メチルエステルを、これらに限定されないが、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシフタルイミドエステル、N‐ヒドロキシスルフォ‐スクシンイミドエステル、パラ‐ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルなどの脱離基の対応する反応性エステルに変換することによって調製される、細胞結合剤と反応することができるリンカーを有する代表的な二量体の合成が図6、9および11に示されている。
【0152】
図1および12〜19に、細胞結合剤との一段階複合体化に適切な本発明の細胞傷害性二量体化合物の代表的な製法が示されている。これらの例の全てにおいて、これらに限定されないが、一方の側にチオピリジル、マレイミド、ヨーダイド、ブロミド、またはトシ
レートなどの反応性基を、そして、これらに限定されないが、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシフタルイミドエステル、N‐ヒドロキシスルフォ‐スクシンイミドエステル、パラニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステルなどの細胞結合剤との反応に適切な反応性置換基を有する二官能性架橋試薬とチオール部分含有二量体が反応する。
【0153】
図20〜21に、本発明の代表的な細胞傷害性二量体化合物の調製の別の合成方法が示されている。図20では、二段階結合方法によってモノ還元二量体(すなわち、1つのイミン基を有する)の合成が達成されるが、その方法では、還元型の単量体が最初にリンカーに結合し、次にIBD単量体と結合するか、反応性リンカーとの結合で、還元型単量体とIBD単量体の両方の混合物を使用して前記二量体が調製される。二還元型二量体は前述の第2合成経路の副産物である可能性があるが、図21により直接的な経路が示されており、その経路では、リンカーによって両方に直接的に還元型単量体が結合する。
【0154】
細胞結合剤
本発明の複合体の治療薬としての有効性は適切な細胞結合剤の注意深い選択に依存する。細胞結合剤は現在公知の、または知られることになるあらゆる種類のものでよく、そして、それにはペプチドと非ペプチドが含まれる。一般に、これらは抗体(特に、モノクローナル抗体)、リンホカイン、ホルモン、成長因子、ビタミン(例えば、それの細胞表面受容体、例えば、葉酸受容体に結合することができる葉酸など)、栄養輸送分子(例えば、トランスフェリン)、または他の任意の細胞結合分子もしくは物質であり得る。
【0155】
ある特定の実施形態では、前記細胞結合剤はタンパク質またはポリペプチド、またはタンパク質もしくはポリペプチドを含む化合物である。好ましくは、前記のタンパク質またはポリペプチドは、側鎖−NH基を有する1つ以上のリシン残基を含む。あるいは、または、加えて、前記のタンパク質またはポリペプチドは1つ以上のシステイン残基を含む。システイン残基の側鎖−SH基は完全なものであっても、還元され得るジスルフィド結合中のものであってもよい。好ましくは、ジスルフィド結合の還元は前記のタンパク質またはポリペプチドの細胞結合機能に有意な負の影響を与えない(例えば、抗体またはその抗原結合部分の場合、ジスルフィド結合の還元が軽鎖/重鎖の解離を有意に増加することがない)。
【0156】
リシン側鎖−NH基および/またはシステイン側鎖−SH基は前記リンカーに共有結合することができ、それは次に本発明の二量体化合物に結合し、そうして前記細胞結合剤を本発明の二量体化合物に複合体化する。各タンパク質系細胞結合剤は、二官能性架橋剤を介した本発明の化合物の連結に利用できる、複数のリシン側鎖−NH基および/またはシステイン側鎖−SH基を含み得る。
【0157】
使用することができる細胞結合剤のより具体的な例には、
ポリクローナル抗体;
モノクローナル抗体;
抗体断片、例えば、Fab、Fab’、およびF(ab’)、Fv、ミニボディ、ジアボディ、トリボディ、テトラボディ(Parham, J. Immunol. 131:2895−2902 (1983); Spring et al. J. Immunol. 113:470−478 (1974); Nisonoff et al. Arch. Biochem. Biophys. 89:230−244 (1960), Kim et al., Mol, Cancer Ther., 7: 2486−2497 (2008), Carter, Nature Revs., 6: 343−357 (2006));
インターフェロン(例えば、α、β、γ);
リンホカイン、例えば、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6;
ホルモン、例えば、インスリン、TRH(チロトロピン放出ホルモン)、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)、アンドロゲンおよびエストロゲンなどのステロイドホルモン;
成長因子およびコロニー刺激因子、例えば、EGF、TGF−α、FGF、VEGF、G−CSF、M−CSFおよびGM−CSF(Burgess, Immunology Today 5:155−158 (1984));
トランスフェリン(O’Keefe et al. J. Biol. Chem.
260:932−937 (1985));
ビタミン、例えば、葉酸;
III型フィブロネクチン(FN3)リピートのコンセンサス配列に基づく足場タンパク質(セントリンとしても知られる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0255056号を参照のこと);
デザイナーアンキリンリピートタンパク質(DARPin;参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20040132028号;同第20090082274号;同第20110118146号;同第20110224100号)、参照により本明細書に組み込まれるC.Zahnd et al.2010,Cancer Res.,70;1595−1605);および
フィブロネクチンドメイン足場タンパク質(Adnectins:参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第20070082365号;同第20080139791号)
が含まれる。
【0158】
モノクローナル抗体技術によって、特定のモノクローナル抗体の形態の非常に特異的な細胞結合剤を作製することが可能になる。目的の抗原、例えば、完全な標的細胞、標的細胞から単離した抗原、ウイルス全体、弱毒化したウイルス全体、およびウイルスコートタンパク質などのウイルスタンパク質を用いてマウス、ラット、ハムスターまたは他の任意の哺乳類動物を免疫することによって産生されるモノクローナル抗体を作製する技術が当技術分野において特によく知られている。鋭敏化ヒト細胞も使用することができる。モノクローナル抗体を作製する別の方法は、scFv(単鎖可変領域)、具体的には、ヒトscFvのファージライブラリーの使用である(例えば、Griffithsら、米国特許第5,885,793号および同第5,969,108号;McCaffertyら、国際公開第92/01047号;Limingら、国際公開第99/06587号を参照のこと)。さらに、キメラ抗体およびヒト化抗体を使用することができるように、米国特許第5,639,641号に開示される表面付替抗体(resurfaced antibody)を使用することができる。適切な細胞結合剤の選択は、標的とされる特定の細胞集団に依存する、選択の問題であるが、適切なものが利用できる場合は、一般に、ヒトモノクローナル抗体が好ましい。
【0159】
例えば、モノクローナル抗体MY9はCD33抗原に特異的に結合するIgG抗体であり{J.D. Griffin et al 8 Leukemia Res., 521 (1984)}、そして、急性骨髄性白血病(AML)の疾患におけるように、標的細胞がCD33を発現する場合、それを使用することができる。細胞結合剤は、特異的または非特異的に細胞に結合することができる任意の化合物であり得る。一般に、これらは抗体(特に、モノクローナル抗体および抗体断片)、インターフェロン、リンホカイン、ホルモン、成長因子、ビタミン、栄養輸送分子(例えば、トランスフェリン)、または他の任意の細胞結合分子もしくは物質であり得る。
【0160】
細胞結合剤が抗体である場合、それは、ポリペプチドであって、成長因子などのリガンドであり得る抗原に結合する。例示的な抗原には、レニン;ヒト成長ホルモンおよびウシ
成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク質;α‐1‐アンチトリプシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;濾胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;vmc因子、第IX因子、組織因子(TF)およびヴォン・ヴィレブランド因子などの凝血因子;プロテインC;心房ナトリウム排出増加因子などの抗凝血因子;肺表面活性剤;ウロキナーゼ、またはヒト尿もしくは組織型プラスミノーゲン活性化因子(t‐PA)などのプラスミノーゲン活性化因子;ボンベシン;トロンビン;造血性成長因子;腫瘍壊死因子‐αおよび‐β;エンケファリナーゼ;RANTES(regulated on activation normally T‐cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP‐1‐α);ヒト血清アルブミンなどの血清アルブミン;ミュラー管抑制因子;リラキシンA鎖;リラキシンB鎖;プロリラキシン;マウスゴナドトロピン‐関連ペプチド;β‐ラクタマーゼなどの微生物性タンパク質;DNase;IgE;CTLA‐4などの細胞傷害性Tリンパ球関連抗原(CTLA);インヒビン;アクチビン;血管内皮細胞増殖因子(VEGF);ホルモンまたは成長因子の受容体;プロテインAまたはD;リウマチ因子;骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン‐3、‐4、‐5もしくは‐6(NT‐3、NT4、NT‐5もしくはNT‐6)などの神経栄養因子、またはNGF‐βなどの神経成長因子;血小板由来増殖因子(PDGF);aFGFおよびbFGFなどの線維芽細胞増殖因子;線維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2);上皮成長因子(EGF);TGF‐β1、TGF‐β2、TGF‐β3、TGF‐β4またはTGF‐β5を含む、TGF‐αおよびTGF‐βなどのトランスフォーミング増殖因子(TGF);インスリン様成長因子‐Iおよび‐II(IGF‐IおよびIGF‐II);des(1‐3)‐IGF‐I(脳IGF‐I)、インスリン様成長因子結合タンパク質、メラノトランスフェリン、EpCAM、GD3、FLT3、PSMA、PSCA、MUC1、MUC16、STEAP、CEA、TENB2、EphA受容体、EphB受容体、葉酸受容体、FOLR1、メソテリン、cripto、αβ、インテグリン、VEGF、VEGFR、EGFR、トランスフェリン受容体、IRTA1、IRTA2、IRTA3、IRTA4、IRTA5;CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD14、CD19、CD20、CD21、CD22、CD25、CD26、CD28、CD30、CD33、CD36、CD37、CD38、CD40、CD44、CD52、CD55、CD56、CD59、CD70、CD79、CD80、CD81、CD103、CD105、CD134、CD137、CD138、CD152などのCDタンパク質、または米国特許出願公開第20080171040号もしくは米国特許出願公開第20080305044号に記載され、参照によりそれらの全体が組み込まれる、1つ以上の腫瘍関連抗原もしくは細胞表面受容体に結合する抗体;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン‐α、‐β、および‐γなどのインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M‐CSF、GM‐CSFおよびG‐CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL‐1〜IL‐10;スーパーオキサイド・ディスムターゼ;T細胞受容体;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;例えば、HIVの外被の一部などのウイルス抗原;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;調節性タンパク質;CD11a、CD11b、CD11c、CD18、ICAM、VLA‐4およびVCAMなどのインテグリン;HER2、HER3またはHER4受容体などの腫瘍関連抗原;エンドグリン、c‐Met、c‐kit、1GF1R、PSGR、NGEP、PSMA、PSCA、LGR5、B7H4、ならびに前述のポリペプチドのいずれかの断片などの分子が含まれる。
【0161】
さらに、骨髄細胞に結合するGM‐CSFを、急性骨髄性白血病による疾患性細胞に対する細胞結合剤として使用することができる。移植片拒絶の防止のため、移植片対宿主病の治療および予防のため、ならびに急性T細胞白血病の治療のため、活性化T細胞に結合するIL‐2を使用することができる。メラニン形成細胞に結合するMSHを黒色腫の治
療のために使用することができ、黒色腫に向けられる抗体も同様に使用できる。卵巣腫瘍および他の腫瘍で発現する葉酸受容体を標的とするために葉酸を使用することができる。肺および頭部頸部などの扁平癌を標的とするために上皮成長因子を使用することができる。神経芽腫および他の種類の腫瘍を標的とするためのソマトスタチンを使用することができる。
【0162】
細胞結合剤として、それぞれ、エストロゲン(もしくはエストロゲン類似体)またはアンドロゲン(もしくはアンドロゲン類似体)を用いて乳腺および精巣の癌を標的とすることに成功することができる。
【0163】
1つの実施形態では、前記細胞結合剤はヒト化モノクローナル抗体である。別の実施形態では、前記細胞結合剤は、米国特許第7,342,110号および同第7,557,189号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるhuMy9‐6、または他の関連抗体である。別の実施形態では、前記細胞結合剤は、米国特許仮出願第61/307,797号、同第61/346,595号、同第61/413,172号および米国特許出願第13/033,723号(米国特許出願公開第2012‐0009181A1号として公開された)に記載される抗葉酸受容体抗体である。これらの刊行物全ての教示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0164】
ある特定の実施形態では、前記細胞結合剤は、米国特許第7,342,110号および同第7,557,189号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるhuMy9‐6またはその関連抗体など、本明細書において開示される抗体と抗原結合にとって重要な配列を共有するモノクローナル抗体またはその抗原結合部分であり得る。これらの派生抗体は、本明細書に記載される抗体と比較して実質的に同じ、または同一の(1)軽鎖および/もしくは重鎖CDR3領域;(2)軽鎖および/もしくは重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3領域;または(3)軽鎖および/もしくは重鎖領域を有し得る。これらの領域内の配列は、CDR領域内の置換を含む、保存的アミノ酸置換を含有し得る。好ましくは、1、2、3、4または5つ以下の保存的置換が存在する。ある特定の実施形態では、派生抗体は、本明細書に記載される抗体に少なくとも約90%、95%、99%または100%同一である軽鎖領域および/または重鎖領域を有する。これらの派生抗体は、本明細書に記載される抗体と比較して実質的に同じ結合特異性および/または標的抗原に対する親和性を有し得る。好ましくは、派生抗体のK値および/またはkoff値は本明細書に記載される抗体の10倍以内(高いか低い)、5倍以内(高いか低い)、3倍以内(高いか低い)、または2倍以内(高いか低い)である。これらの派生抗体は完全ヒト抗体、またはヒト化抗体、またはキメラ抗体であり得る。派生抗体は、当技術分野で認められる方法に従って作製され得る。
【0165】
1つの実施形態では、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1に特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であって、前記抗体は(a)GYFMN(配列番号1)を含む重鎖CDR1;RIHPYDGDTFYNQXaaFXaaXaa(配列番号2)を含む重鎖CDR2;およびYDGSRAMDY(配列番号3)を含む重鎖CDR3;ならびに(b)KASQSVSFAGTSLMH(配列番号4)を含む軽鎖CDR1;RASNLEA(配列番号5)を含む軽鎖CDR2;およびQQSREYPYT(配列番号6を含む軽鎖CDR3を含み;式中、XaaはK、Q、HおよびRから選択され;XaaはQ、H、NおよびRから選択され;そして、XaaはG、E、T、S、AおよびVから選択される。好ましくは、前記の重鎖CDR2配列はRIHPYDGDTFYNQKFQG(配列番号7)を含む。
【0166】
別の実施形態では、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1に特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であって、
QVQLVQSGAEVVKPGASVKISCKASGYTFTGYFMNWVKQSPGQSLEWIGRIHPYDGDTFYNQKFQGKATLTVDKSSNTAHMELLSLTSEDFAVYYCTRYDGSRAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号8)
というアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0167】
別の実施形態では、抗葉酸抗体は、2010年4月7日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA‐10772およびPTA‐10773または10774を有するプラスミドDNAによってコードされるヒト化抗体またはその抗原結合断片である。
【0168】
別の実施形態では、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1に特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であって、
DIVLTQSPLSLAVSLGQPAIISCKASQSVSFAGTSLMHWYHQKPGQQPRLLIYRASNLEAGVPDRFSGSGSKTDFTLNISPVEAEDAATYYCQQSREYPYTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号9);またはDIVLTQSPLSLAVSLGQPAIISCKASQSVSFAGTSLMHWYHQKPGQQPRLLIYRASNLEAGVPDRFSGSGSKTDFTLTISPVEAEDAATYYCQQSREYPYTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号10)
というアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。
【0169】
別の実施形態では、抗葉酸受容体抗体は、ヒト葉酸受容体1に特異的に結合するヒト化抗体またはその抗原結合断片であって、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号9または配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む。好ましくは、前記の抗体は、配列番号8のアミノ酸配列を有する重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む(huFOLR1)。
【0170】
別の実施形態では、抗葉酸受容体抗体は、2010年4月7日にATCCに寄託され、ATCC寄託番号PTA‐10772およびPTA‐10773または10774を有するプラスミドDNAによってコードされるヒト化抗体またはその抗原結合断片である。
【0171】
別の実施形態では、抗葉酸受容体抗体は、
QVQLVQSGAEVVKPGASVKISCKASGYTFTGYFMNWVKQSPGQSLEWIGRIHPYDGDTFYNQKFQGKATLTVDKSSNTAHMELLSLTSEDFAVYYCTRYDGSRAMDYWGQGTTVTVSS(配列番号11)に対して少なくとも約90%、95%、99%または100%同一である重鎖可変ドメイン、および
DIVLTQSPLSLAVSLGQPAIISCKASQSVSFAGTSLMHWYHQKPGQQPRLLIYRASNLEAGVPDRFSGSGSKTDFTLNISPVEAEDAATYYCQQSREYPYTFGGGTKLEIKR(配列番号12);またはDIVLTQSPLSLAVSLGQPAIISCKASQSVSFAGTSLMHWYHQKPGQQPRLLIYRASNLEAGVPDRFSGSGSKTDFTLTISPVEAEDAATYYCQQSREYPYTFGGGTKLEIKR(配列番号13)に対して少なくとも約90%、95%、99%または100%同一である軽鎖可変ドメインを含むヒト化抗体またはその抗原結合断片である。
【0172】
細胞結合剤‐薬品複合体
本発明はまた、ジスルフィドリンカー、チオエーテルリンカー、アミド結合リンカー、ペプチダーゼ不安定性リンカー、酸不安定性リンカー、エステラーゼ不安定性リンカーを含むが、これらに限定されない様々なリンカーを介して本発明の1つ以上の細胞傷害性化合物に結合した細胞結合剤を含む細胞結合剤‐薬品複合体も提供する。
【0173】
本発明の代表的な複合体は、抗体/細胞傷害性化合物、抗体断片/細胞傷害性化合物、上皮成長因子(EGF)/細胞傷害性化合物、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)/細胞傷害性化合物、甲状腺刺激ホルモン(TSH)/細胞傷害性化合物、ソマトスタチン/細胞傷害性化合物、葉酸/細胞傷害性化合物、エストロゲン/細胞傷害性化合物、エストロゲン類似体/細胞傷害性化合物、アンドロゲン/細胞傷害性化合物およびアンドロゲン類似体/細胞傷害性化合物である。代表的な葉酸/細胞傷害性化合物複合体は以下に図示されるが、2つの薬品単量体のうちの一方のイミン結合に任意選択的な−SONa付加物を有する。この複合体の代表的な合成スキームは図54に示される。
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0174】
好ましい実施形態では、本発明は、インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物(例えば、式(I)〜(IV)、(IA)〜(IVA)および(IB)〜(IVB)の化合物)および共有結合を介して結合した前記細胞結合剤を含む複合体を提供する。多数の方法で腫瘍/望まれない増殖細胞の部位で前記リンカーが切断されて、その標的に細胞傷害性薬剤を送達させることができる。例えば、低pH(ヒドラゾン)、還元的環境(ジスルフィド)、タンパク質分解(アミド/ペプチド結合)によって、または酵素反応(エステラーゼ/グリコシダーゼ)を介して前記リンカーを切断することができる。
【0175】
好ましい態様において、本発明の代表的な細胞傷害性複合体は抗体/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、抗体断片/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、上皮成長因子(EGF)/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、甲状腺刺激ホルモン(TSH)/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、ソマトスタチン/インドリノベンゾジア
ゼピン二量体化合物、葉酸/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、エストロゲン/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、エストロゲン類似体/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、前立腺特異的膜抗原(PSMA)阻害剤/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、マトリプテース阻害剤/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、デザインド・アンキリンリピートタンパク質(DARPin)/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、アンドロゲン/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物、およびアンドロゲン類似体/インドリノベンゾジアゼピン二量体化合物である。
【0176】
したがって、第14の特定の実施形態では、本発明は細胞傷害性化合物と細胞結合剤(CBA)を含む複合体を提供し、前記細胞傷害性化合物を前記CBAに共有結合する結合基を前記細胞傷害性化合物が含み、そして、前記細胞傷害性化合物が以下の式:
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つ、または薬学的に許容可能なその塩によって表され。式中、
NとCの間の二重線
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、そして、それが単結合であるときXは−H、前記結合基、またはアミン保護部分であることを条件とし;
Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換され
た5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリン)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基であり;または、
Yはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ‐、ジ‐、トリ‐、およびテトラ‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、または陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル(RO)PS(OR)、RS−、RSO、RSO、RSO、チオスルファート(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(ORk’)(S)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(Rk’C(=O)NOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSO、または陽イオンと共に形成される、HOCHSONaなどのHOCHSOの塩)、またはそれらの混合物であり、式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換され;Rは、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ;Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;Rk’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、アリール、ヘテロシクリール、またはヘテロアリールであり;好ましくは、Yはバイサルファイト、ハイドロサルファイトもしくはメタバイサルファイトまたはそれらの塩(例えば、ナトリウム塩)の付加物であり;
Mは−Hまたは陽イオンであり;
Rは、それぞれの出現に関して、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、またはO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より独立して選択され;
R’とR’’はそれぞれ、−H、−OH、−OR、−NHR、−NR、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から独立して選択され;
は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキル、または前記結合基であり;
nは1から24までの整数であり;
WはC=O、C=S、CH、BH、SOおよびSOから選択され;
X’は−H、アミン保護基、前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する
任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
Y’は−H、オキソ基、前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、任意選択的に置換された6員〜18員のアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
、R、R、R、R’、R’、R’およびR’はそれぞれ、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NCO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’および前記結合基からなる群より独立して選択され;
は−H、−R、−OR、−SR、−NR’R’’、−NO、ハロゲンまたは前記結合基であり;
ZとZ’は−(CHn’−、−(CHn’−CR−(CHna’−、−(CHn’−NR−(CHna’−、−(CHn’−O−(CHna’−および−(CHn’−S−(CHna’−から独立して選択され;
n’とna’は同一であるか異なっており、そして、0、1、2および3から選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ−H、−OH、−SH、−COOH、−NHR’、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド単位、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキルから独立して選択され;
は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−から独立して選択され;
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、オキソ(−C(=O)−)、−CRR’O−、−CRR’−、−S−、−CRR’S−、−NRおよび−CRR’N(R)−から独立して選択され;
は、それぞれの出現に関して、独立して−H、または1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
DとD’は同一であるか異なっており、そして、独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、およびポリエチレングリコール単位(−OCHCH−からなる群より選択され;
Lは存在しないか、前記結合基、ポリエチレングリコール単位(−OCHCH−、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキルもしくはアルケニル、またはフェニル基、O、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する3員〜18員の複素環または5員〜18員のヘテロアリール環であり、前記結合基によって前記のアルキルまたはアルケニルが任意選択的に置換され;フェニルまたは複素環またはヘテロアリール環は任意選択的に置換され得るが、前記の置換基が前記結合基であり得る。
【0177】
ある特定の実施形態では、Xは前記結合基ではない。ある特定の実施形態では、NとCの間の二重線
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
は単結合を表し、Yは−Hではない。
【0178】
ある特定の実施形態では、Yは−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基である。
【0179】
ある特定の実施形態では、前記化合物は以下の化合物:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つではない。
【0180】
ある特定の実施形態では、本発明の複合体は以下のもの:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
を包含し、式中、CBAは前記細胞結合剤であり、rは1から10までの整数であり、Yは−H、バイサルファイト、ハイドロサルファイト、もしくはメタバイサルファイトの付加物、またはその塩、または−SOMであり、そして、Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである。
【0181】
ある特定の実施形態では、Lは存在しないか、任意選択的に置換されたフェニル基および任意選択的に置換されたピリジル基から選択され、前記のフェニル基およびピリジル基は前記結合基を担持し、または、Lは前記結合基を担持するアミン基(すなわち、−N(結合基)−)であり、または、Lは、1個から6個までの炭素原子を有し、そして、前記結合基を担持する直鎖、分岐もしくは環状アルキルもしくはアルケニルである。
【0182】
第15の特定の実施形態では、前記化合物が以下の式:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つによって表され、式中、
L’、L’’およびL’’’は同一であるか異なっており、そして、L’、L’’およびL’’’のうちの1つだけが前記結合基であることを条件として、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SOM、スルファート−OSOM、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’から独立して選択され;そして、
Gは−CH−または−N‐から選択される。残りの基は上の第14の特定の実施形態に記載されたとおりである。
【0183】
ある特定の実施形態では、L’、L’’またはL”’のうちの1つが前記結合基であり、残りが−Hである、好ましくは、L’が前記結合基であり、そして、L’’とL’’’が−Hである。
【0184】
ある特定の実施形態では、AとA’は共に−O−であり、Rは−OMeであり、そして、Gは−CH−である。
【0185】
第16の特定の実施形態では、L’は以下の式:
−W’−R−V−R−J
によって表され、式中、
W’とVは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、−CRe’−、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CH−S−、−CHO−、−CHNR−、−O−(C=O)O−、−O−(C=O)N(R)−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−C(=O)−N(R)−、−N(R)−C(=O)O−、−N(C(=O)R)C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−(O−CH−CH−、−SS−、または−C(=O)−、またはアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドから選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、6〜10個の炭素原子を担持するアリール、またはO、NもしくはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を担持する3員〜8員の複素環であり;
とRe’は同一であるか異なっており、そして、−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rから選択され、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;好ましくは、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
nは1から24までの整数であり;および
Jは前記CBAに共有結合し、そして、スクシンイミド、アセトアミド、−S−、−SS−、−CHS−、−CH(Me)S−、−C(Me)S−、−NRc1−、−CHNRc1−、−NRc1N‐、および−C(=O)−から選択され、式中、Rc1は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキルである。
【0186】
ある特定の実施形態では、Jは−S−、−SS−、スクシンイミド、または−C(=O)−である。
【0187】
ある特定の実施形態では、Re’は−Hまたは−Meであり;Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH−CH−O)−Rであり;nは2から8までの整数であり;そして、Rは−H、−Meまたは−CHCH−NMeであり、そして、可変項目の残りは第15の特定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0188】
ある特定の実施形態では、Vはアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドであ
る。
【0189】
ある特定の実施形態では、Vはバリン−シトルリン、グリシン‐グリシン‐グリシン、またはアラニン‐ロイシン‐アラニン‐ロイシンである。
【0190】
ある特定の実施形態では、
W’は−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
はH、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH−CH−O)−Rであり;
は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
Vは存在しないか、−(O−CH−CH−、−C(=O)−NH−、−S−、−NH−C(=O)−であり;
は存在しないか、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;および
Jは−S−、−SS−、または−C(=O)−であり、そして、残りの基は第16の特定の実施形態で定義されたとおりである。
【0191】
ある特定の実施形態では、
W’は−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
は−H、−Meまたは−(CH−CH−O)−Meであり;
nは2から6までの整数であり;
は、1〜6個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルであり;
VとRは存在せず;および
Jは−C(=O)−である。残りの基は第16の特定の実施形態で定義されたとおりである。
【0192】
第17の特定の実施形態では、第16の特定の実施形態におけるL’は以下の式:
−W’−[CR1’’2’’−V−[Cy]0〜1−[CR3’’4’’−C(=O)−
によって表され、式中、
1’’、R2’’およびR3’’はそれぞれ独立して、−H、または1〜4個の炭素原子を担持する直鎖もしくは分岐アルキル、好ましくは、−Meであり;
4’’は−H、1〜4個の炭素原子を担持する直鎖もしくは分岐アルキル(好ましくは、−Me)、−SOHまたは−SOであり、式中、Mは薬学的に許容可能な陽イオンであり;
aは0から5までの(例えば、0から2、3、4または5まで)の整数であり、そして、bは0から6まで(例えば、0から3、4、5または6まで)の整数であり;ならびに
Cyは、Nヘテロ原子を担持する任意選択的に置換された5員の複素環であり、好ましくは、Cyは
【化60】
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である。
【0193】
ある特定の実施形態では、例えば、第16または第17の特定の実施形態では、W’は
−N(R)−である。
【0194】
ある特定の実施形態では、例えば、第16または第17の特定の実施形態では、Rは−(CH−CH−O)2〜6−Rであり、式中、Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
【0195】
ある特定の実施形態では、例えば、第16または第17の特定の実施形態では、Vは−S−または−SS−である。
【0196】
第18の特定の実施形態では、第16または第17の特定の実施形態におけるL’は以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−[CR3’’4’’−C(=O)−
によって表される。
【0197】
ある特定の実施形態では、例えば、第16〜第18の特定の実施形態では、前記複合体は:
【化61】
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【化62】
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であり、式中、rは1から10までの整数であり、Yは−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMであり)、そして、Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである。
【0198】
ある特定の実施形態では、例えば、第16〜第18の特定の実施形態では、前記抗体はhuMy9−6である。
【0199】
第19の特定の実施形態では、第16または第17の特定の実施形態におけるL’は以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−Cy−[CR3’’4’’−C(=O)−
によって表される。
【0200】
ある特定の実施形態では、例えば、第16、第17および第19の特定の実施形態では、前記複合体は:
【化63】
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【化64】
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であり、式中、rは1から10までの整数であり、Yは−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMであり)、そして、Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである。
【0201】
ある特定の実施形態では、例えば、第16、第17および第19の特定の実施形態では、前記抗体はhuMy9−6である。
【0202】
第20の特定の実施形態では、前記化合物は以下の式:
【化65】
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によって表され、式中、
W’は存在しないか、−O−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−S−、−CH−S−または−CHNR−から選択され;
は存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルから選択され;
は−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;
は前記CBAに結合し、そして、結合または−SR−のどちらかであり;
はR、またはN‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシフタルイミドエステル、N‐ヒドロキシスルフォ‐スクシンイミドエステル、パラ‐ニトロフェニルエステル、ジニトロフェニルエステルおよびペンタフルオロフェニルエステルから選択される反応性エステルを担持する、1〜4個の炭素原子を有する置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
はフェニル、ニトロフェニル、ジニトロフェニル、カルボキシニトロフェニル、ピリジルまたはニトロピリジルから選択され;および
nは1から24までの整数であり;そして、可変項目の残りは第8または第15の特
定の実施形態に先に記載されたとおりである。
【0203】
第21の特定の実施形態では、前記化合物は以下の式:
【化66】
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【化67】
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によって表され、式中、
W’は存在しないか、−O−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−S−、−CH−S−または−CHNR−から選択され;
は存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルから選択され;
は−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;
nは2から6までの整数であり;
は前記CBAに結合し、そして、結合:
【化68】
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【化69】
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から選択され、式中、
qは1から5までの整数であり;および
Mは−H、またはNaもしくはKなどの陽イオンである。
【0204】
ある特定の実施形態では、Zが以下の式:
【化70】
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のいずれか1つによって表される。
【0205】
ある特定の実施形態では、W’は−N(R)−である。
【0206】
ある特定の実施形態では、Rは−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキルである。
【0207】
ある特定の実施形態では、Rは−Hまたは−Meであり、nは4であり、そして、qは2である。
【0208】
ある特定の実施形態では、Rは1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
【0209】
ある特定の実施形態では、Rは−(CH−(CR)−であり、式中、RとRはそれぞれH、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルから独立して選択され;そして、pは0、1、2または3である。
【0210】
ある特定の実施形態では、RとRは同一であるか異なっており、そして、−Hおよび−Meから選択され;そして、pは1である。
【0211】
第22の特定の実施形態では、第21の特定の実施形態において記載された式(VIII)、(IX)、(X)および(XI)の複合体では、可変項目は下に記載されるとおり
である。
NとCの間の二重線
【化71】
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は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hであり、Yは−H、−OHまたは−SOMである(例えば、Yは−OHまたは−SOMである)ことを条件とし;
Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオン(例えば、Na)であり;
X’とY’は共に−Hであり;
AとA’は共に−O−であり;
は−OMeであり;および
は1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
【0212】
第23の特定の実施形態では、第20の特定の実施形態において記載される式(IB)、(IIB)、(IIIB)および(IVB)の化合物について、可変項目は下に記載されるとおりである。
NとCの間の二重線
【化72】
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は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hであり、Yは−H、−OHまたは−SOMである(例えば、Yは−OHまたは−SOMである)ことを条件とし;
Mは−HまたはNaであり;
X’とY’は共に−Hであり;
AとA’は共に−O−であり;
は−OMeであり;
は1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである。
【0213】
好ましくは、Rは−(CH−(CR)−であり、式中、RとRはそれぞれ、−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルから独立して選択され;pは0、1、2または3である。より好ましくは、RとRは同一であるか異なっており、そして、−Hおよび−Meから選択され;そして、pは1である。
【0214】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、NとCの間の二重線
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表し得る。
【0215】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、NとCの間の二重線
【化74】
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は単結合を表し得るが、Xは−H、前記結合基またはアミン保護基であり(例えば、Xは−Hであり);そして、Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環、−SOM、−SO
およびスルファート−OSOMから選択される。ある特定の実施形態では、Yは−Hではない。
【0216】
ある特定の実施形態では、Yは−H、−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHから選択される(例えば、Yは−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHである)。
【0217】
ある特定の実施形態では、Yは−H、−SOMまたは−OHである(例えば、Yは−SOMまたは−OHである)。
【0218】
ある特定の実施形態では、Mは−H、NaまたはKである。
【0219】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、Wは、存在するときは、C=Oである。
【0220】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、ZとZ’は、存在するときは、−CH−である。
【0221】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、X’は、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびフェニル、前記結合基およびアミン保護基からなる群より選択される。
【0222】
ある特定の実施形態では、X’は−H、−OH、−Meまたは前記結合基である。
【0223】
ある特定の実施形態では、X’は−Hである。
【0224】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、Y’は、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択される。
【0225】
ある特定の実施形態では、Y’は−Hまたはオキソである。
【0226】
ある特定の実施形態では、Y’は−Hである。
【0227】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、−S−、−N(R)−、およびオキソ(C=O)から選択される。
【0228】
ある特定の実施形態では、AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−および−S−から選択される。
【0229】
ある特定の実施形態では、AとA’は−O−である。
【0230】
上記の本発明の複合体についての特定の実施形態、例えば、第14〜第23の特定の実施形態のいずれでも、DとD’は、存在するときは、同一であるか異なっており、そして、nが1から24までの整数であるポリエチレングリコール単位(−OCHCH、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、または1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニルから独立して選択され
、前記のアルキル、アルケニルおよびアルキニルが、ハロゲン、−OR、−NR’COR’’、−SRおよび−COR’からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。
【0231】
ある特定の実施形態では、DとD’は1〜4個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルである。
【0232】
第24の特定の実施形態では、第14、第15または第21の特定の実施形態において記載されたような本発明の複合体は以下によって表される。
NとCの間の二重線
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
は二重結合を表し;
Yは−Hであり;
WはC=Oであり;
、R、R’、R’、RおよびR’は−Hであり;
またはR’の一方が任意選択的に前記結合基であり、そして、他方が−Hであり;
は−OMeであり;
ZとZ’は−CHであり;
X’は−Hであり;
Y’は−Hであり;ならびに
AとA’は−O−である。
【0233】
ある特定の実施形態では、記載された実施形態、例えば、第14〜第24の特定の実施形態のいずれか1つの複合体は1〜10個の細胞傷害性化合物、2〜9個の細胞傷害性化合物、3〜8個の細胞傷害性化合物、4〜7個の細胞傷害性化合物、または5〜6個の細胞傷害性化合物を含むことができ、各細胞傷害性化合物は、前記細胞傷害性化合物を前記CBAに連結する前記結合基を含み、そして、前記複合体上の各細胞傷害性化合物が同一である。
【0234】
複合体の実施形態、例えば、第14〜第24の特定の実施形態のいずれでも、前記細胞結合剤は、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、微生物感染細胞、寄生生物感染細胞、自己免疫細胞、活性化細胞、骨髄細胞、活性化T細胞、B細胞またはメラニン形成細胞;CD4、CD6、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD44、CD56、EpCAM、CanAg、CALLAもしくはHer‐2抗原を発現する細胞;Her‐3抗原を発現する細胞;またはインスリン成長因子受容体を発現する細胞、上皮成長因子受容体を発現する細胞、および葉酸受容体を発現する細胞から選択される標的細胞に結合し得る。
【0235】
複合体の実施形態、例えば、第14〜第24の特定の実施形態のいずれでも、前記細胞結合剤は抗体、単鎖抗体、前記標的細胞に特異的に結合する抗体断片、モノクローナル抗体、単鎖モノクローナル抗体、または標的細胞に特異的に結合するモノクローナル抗体断片、キメラ抗体、前記標的細胞に特異的に結合するキメラ抗体、ドメイン抗体、前記標的細胞に特異的に結合するドメイン抗体断片、リンホカイン、ホルモン、ビタミン、成長因子、コロニー刺激因子、または栄養輸送分子であり得る。
【0236】
前記抗体は表面付替抗体(resurfaced antibody)、表面付替単鎖抗体、または表面付替抗体断片であり得る。
【0237】
前記抗体はモノクローナル抗体、単鎖モノクローナル抗体、またはそのモノクローナル抗体断片であり得る。
【0238】
前記抗体はヒト化抗体、ヒト化単鎖抗体またはヒト化抗体断片であり得る。
【0239】
本発明は、本明細書に記載される複合体のいずれかと薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物をさらに提供する。
【0240】
本発明は、二官能性リンカーに共有結合した対象化合物のいずれかを含む薬品‐リンカー化合物をさらに提供する。
【0241】
本発明は、細胞結合剤に結合した、対象化合物または対象薬品‐リンカー化合物のいずれかを含む複合体をさらに抵抗する。
【0242】
本発明は、治療上有効量の本発明の(任意のリンカー基を有する、または有さない)化合物または複合体のいずれか、および第2の化学療法剤を哺乳類動物に投与することを含む、前記哺乳類動物において異常な細胞増殖を阻害する、または細胞増殖障害、自己免疫障害、破骨性障害、感染性疾患、ウイルス性疾患、線維性疾患、神経変性障害、膵臓病もしくは腎臓病を治療する方法をさらに提供する。
【0243】
ある特定の実施形態では、前記の化合物または複合体は:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、rは1から10までの整数であり、Yは−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMであり)、そして、Mは−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである。
【0244】
ある特定の実施形態では、哺乳類動物に第2の化学療法剤を連続的または順次に投与する。
【0245】
ある特定の実施形態では、前記方法は、癌、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植拒絶反応、狼瘡、筋炎、感染症および免疫不全から選択される症状を治療するためのものである。
【0246】
ある特定の実施形態では、前記の方法または複合体は癌を治療するためのものである。
【0247】
ある特定の実施形態では、前記の癌は、乳癌、大腸癌、脳の癌、前立腺癌、腎臓癌、膵臓癌、卵巣癌、頭部頸部の癌、黒色腫、大腸直腸癌、胃癌、扁平上皮癌、肺小細胞癌、非肺小細胞癌、精巣癌、メルケル細胞癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、リンパ器官の癌および白血病(急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リン
パ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMOL)、有毛細胞性白血病(HCL)、T細胞性前リンパ球性白血病(T−PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、成人T細胞白血病)、リンパ腫(小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ホジキンリンパ腫(結節性硬化症、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球豊富型ホジキンリンパ腫、リンパ球減少性または非減少性ホジキンリンパ腫、および結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫)、非ホジキンリンパ腫(全てのサブタイプ)、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症など)、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞腫瘍(形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、モノクローナル免疫グロブリン沈着病、重鎖病)、節外周辺帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、節性周辺帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞性リンパ腫、血管内大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、節外NK/T細胞リンパ腫(鼻型)、腸疾患型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、芽球型NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫/セザリー症候群、原発性皮膚CD30陽性Tリンパ球増殖症、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫(分類不能)、未分化大細胞型リンパ腫)、多発性骨髄腫(形質細胞骨髄腫またはカーレル病)を含む血液系腫瘍から選択される。
【0248】
細胞結合剤‐薬品複合体の作製
本発明の細胞傷害性化合物またはそれらの誘導体を前記細胞結合剤に結合させるために、前記細胞傷害性化合物は、それに結合した反応性基を有する結合部分を含み得る。1つの実施形態では、まず、前記細胞傷害性化合物と二官能性架橋試薬を反応させて、それに結合した1つの反応性基を有する結合部分を担持する前記化合物(すなわち、薬品‐リンカー化合物)をもたらすことができ、次にその化合物を細胞結合剤と反応させることができる。あるいは、二官能性架橋試薬の一端をまず細胞結合剤と反応させて、それに結合した1つの反応性基を有する結合部分を担持する細胞結合剤をもたらし、次にそれを細胞傷害性化合物と反応させることができる。結合部分は、特定の部位での細胞傷害性部分の放出を可能にする化学結合を含有し得る。適切な化学結合は当技術分野において周知であり、そして、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、酸不安定性結合、光不安定性結合、ペプチダーゼ不安定性結合およびエステラーゼ不安定性結合を含む(例えば、米国特許第5,208,020号;第5,475,092号;第6,441,163号;第6,716,821号;第6,913,748号;第7,276,497号;第7,276,499号;第7,368,565号;第7,388,026号および第7,414,073号を参照のこと)。ジスルフィド結合、チオエーテル結合およびペプチダーゼ不安定性結合が好ましい。本発明で使用することができる他のリンカーには、米国特許出願公開第2005/0169933号に詳細が記載されているもののような非切断可能リンカー、または荷電リンカーまたは親水性リンカーが含まれ、そして、荷電リンカーまたは親水性リンカーは米国特許出願公開第2009/0274713号、米国特許出願公開第2010/01293140号および国際公開第2009/134976号に記載される。それらのそれぞれが参照により本明細書に明白に組み込まれる。
【0249】
式(I)〜(IV)、(IA)〜(IVA)および(IB)〜(IVB)の化合物は、R、R、R、R、R’、R’、R’、R’、L’、L’’、L’’’、またはX(存在するとき)を介して連結され得る。これらのうち、R’、R’、R’、L’、L’’、L’’’が好ましい結合可能基であり、R’、R’およびL’が最も好ましい結合可能基である。式(I)〜(IV)、(IA)〜(IVA)および(IB)〜(IVB)の化合物の結合基の例は上に記載されている。
【0250】
1つの実施形態では、ジチオピリジル基を導入するためのN‐スクシンイミジル‐3‐(2‐ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)またはN‐スクシンイミジル‐4‐(2‐ピリジルジチオ)ブタノエート(SPDB)などのモル過剰の抗体修飾剤と共に水性緩衝液中の抗体溶液をインキュベートすることができる。次に、化合物2aなどのチオール含有細胞傷害性化合物と修飾抗体を反応させてジスルフィド結合型抗体‐インドリノベンゾジアゼピン二量体複合体を作製する。その後、その両方が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7、811、572号および米国特許出願公開第2006/0182750号に記載されるものなど、当技術分野において公知の任意の精製方法を用いて細胞結合剤‐薬品複合体を精製することができる。例えば、接線流濾過、吸着クロマトグラフィー、吸着濾過、選択的沈殿、非選択的濾過、またはそれらの組合せを用いて前記細胞結合剤‐薬品複合体を精製することができる。好ましくは、前記複合体の精製のために、接線流濾過(TFF、直交流濾過、限外濾過および透析濾過としても知られる)および/または吸着クロマトグラフィー樹脂を使用する。
【0251】
あるいは、2‐イミノチオラン、L‐ホモシステインチオラクトン(または誘導体)、またはN‐スクシンイミジル‐S‐アセチルチオアセテート(SATA)などのスルフヒドリル基を導入するモル過剰の抗体修飾剤と共に抗体をインキュベートすることができる。その修飾型抗体を次に適切なジスルフィド含有細胞傷害剤と反応させてジスルフィド結合型抗体‐細胞傷害剤複合体を作製する。次に、上述の方法で抗体‐細胞傷害剤複合体を精製することができる。米国特許第7,772485号および同第7.855,275号に開示されるシステイン操作抗体など、チオール部分を導入するために細胞結合を操作することもできる。
【0252】
別の実施形態では、マレイミド基を導入するためのN‐スクシンイミジル‐4‐(N‐マレイミドメチル)‐シクロヘキサン‐1‐カルボキシラートまたはヨードアセチル基を導入するためのN‐スクシンイミジル‐4‐(ヨードアセチル)‐アミノベンゾエート(SIAB)などのモル過剰の抗体修飾剤と共に水性緩衝液中の抗体溶液をインキュベートすることができる。次に、その修飾型抗体をチオール含有細胞傷害剤と反応させてチオエーテル結合型抗体‐細胞傷害性複合体を作製する。次に、上述の方法により抗体‐細胞傷害性複合体を精製することができる。
【0253】
抗体分子当たりの結合した細胞傷害性分子の数を、280nmと330nmでの吸光度の比を測定することにより、分光測光的に判定することができる。本明細書に記載される方法によって、平均1〜10個の細胞傷害性化合物/抗体分子を連結することができる。抗体分子当たり結合した細胞傷害性化合物の平均数は2〜5が好ましく、2.5〜4.0が最も好ましい。
【0254】
N‐ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)エステルで末端が終わっているリンカーを含む細胞傷害剤、例えば、化合物1gおよび10を抗体と反応させてhuMy9−6−SPDB−1fまたはhuMy9−6−BMPS−1fなどのアミド直接結合型複合体を作製することができる。その後、上述の任意の方法によるゲル濾過によって抗体‐細胞傷害剤複合体を精製することができる。
【0255】
図22および23に、本発明の細胞結合剤‐薬品複合体を調製するための代表的な製法が示されている。一段階複合体化方法か二段階複合体化方法のどちらかによって本発明の細胞傷害性二量体化合物を細胞結合剤と複合体化することができる。図22aおよび22bにおいて代表的な例が説明され、そこではN‐ヒドロキシスクシンイミドエステルなどのリンカーを有する二量体化合物を抗体などの細胞結合剤と直接反応させて所望の複合体を作製する。図22cでは、結合可能二量体1gがまず亜硫酸水素ナトリウムで処理されて修飾型二量体化合物26をもたらし、その後、抗体が添加されて本発明の複合体huM
y9−6−SBDP−1fが形成された。
【0256】
図23に二段階複合体化方法の代表的な例が示されているが、そこでは、まず、二官能性架橋剤で抗体を修飾し、遊離チオール部分を有する二量体化合物との反応に適切な所望の数のリンカーを有する抗体がもたらされる。この例では、まず、SPDBで抗体huMy9−6を修飾してジチオピリジル部分を含有する、リンカーを有する抗体を産生した。その後、化合物2aなどの遊離チオールにその修飾型抗体を曝露して所望の複合体huMy9−6−SPDB−2aを作製した。
【0257】
本発明の薬品‐リンカー化合物および複合体の合成方法は、2011年2月15日に出願された米国特許仮出願第61/443,092号、および本願と同日に出願され、その出願日に関しての利益を主張する“METHODS OF PREPARATION OF CONJUGATES”という表題の米国実用特許出願にも記載されている。それらの出願の、図面、式、合成スキーム、明細書および特許請求の範囲を含む、内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0258】
本発明の代表的な化合物および複合体の構造が表1〜8に示される。本明細書に記載される方法に従ってこれらの化合物および複合体を調製することができる。
【表1】
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【表2】
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【表3】
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【表4】
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【表5】
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【表6】
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【表7】
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【表8】
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【0259】
化合物および複合体のインビトロ細胞傷害性
様々な癌細胞株の増殖をインビトロで抑制する、本発明の細胞傷害性化合物および細胞結合剤‐薬品複合体の能力についてそれらを評価することができる。例えば、これらの化合物および複合体の細胞傷害性の評価にヒト大腸癌株COLO205、横紋筋肉腫細胞株RH−30、および多発性骨髄腫細胞株MOLP−8などの細胞株を使用することができる。評価する予定の細胞を化合物または複合体に1〜5日間曝露し、公知の方法による直接的測定法で細胞の生存率を測定することができる。そこで、その測定法の結果からIC
50値を計算することができる。あるいは、または、加えて、本発明の化合物または複合体での処理に対して感受性を表し得る癌の種類を決定するための基準の1つとして、米国国立癌研究所によって記述されるもの(参照により本明細書に組み込まれるVoskoglou−Nomikos et al.、 2003、 Clinical Cancer Res. 9: 42227−4239、を参照のこと)などのインビトロ細胞株感受性スクリーニングを用いることができる。
【0260】
本発明の抗体‐細胞傷害性薬剤複合体のインビトロ効力と標的特異性の例は図25〜26に示されている。複合体の全てが、低ピコモル濃度範囲のIC50で抗原陽性癌細胞に対して非常に細胞傷害性である。同じ複合体に曝露したとき、抗原陰性細胞株は生存したままであった。インドリノベンゾジアゼピン二量体は、非複合体化抗体huMy9−6(抗CD33)を用いてブロックすると160倍効力が低い標的特異的効力を示し、そして、非複合体化抗体FOLR1(抗葉酸受容体抗体)を用いてブロックすると40倍効力が低い標的特異的効力を示した。例えば、huMy9−6−SPDB−1f複合体は10.5pMのIC50値で抗原陽性HL60/QC細胞を殺滅したが、過剰な非複合体化huMy9−6抗体の添加によりこの細胞傷害性効果が低減し(IC50=1.69nM)、これにより抗原特異性を実証された(図25A)。さらに、huMy9−6−SPDB−1f複合体はまた、21pMのIC50値と190pMのIC50値でHL60/ATCC細胞株とNB−4細胞株の両方に対しても非常に効力がある(図25Bおよび25C)。
【0261】
同様に、huFOLR1−SPDB−1f複合体は極めて効力が高く、抗原陽性KB細胞に対するIC50値は55pMであった(図26)。この細胞傷害性効果は過剰な非複合体化huFOLR1抗体の添加によって40倍超減少したが、これは抗原の特異性を示している。
【0262】
非複合体化huMy9−6抗体とhuMy9−6−SPDB−1f複合体の両方のHL60/QC細胞株に対する結合を比較することによって、抗体結合に対する複合体化の効果を測定した(図27)。裸抗体に対して、複合体の結合能に変化がないことがFACS分析により明らかになったが、このことは、細胞傷害性薬剤の抗体への複合体化によって結合が損なわれていないことを示している。
【0263】
一例では、細胞結合剤/細胞傷害性薬剤複合体のインビボ効力を測定した。ヒトHL60/QC腫瘍を担持するヌードマウスをhuMy9−6−SPDB−1f複合体で処置し、そして、複数の用量で有意な腫瘍退縮が観察されたが、未処置のマウスでは腫瘍が急速に増殖した(図28)。最大忍容用量よりも少なくとも35倍低い、20μg/kgもの低用量で活性が観察された。
【0264】
忍容性に対するイミン飽和の効果が表9に示されている。ジ‐イミンhuFOLR1‐薬品1を複数の用量で試験したが、それらの全てが高い毒性を示すことがわかり、50μg/kgで試験した最低の用量の群でのみ生存マウスが残った。対照的に、部分的に還元したモノ−イミンhuFOLR1−薬品2とhuFOLR1−SPDB−IGN(huFOLR1−SPDB−1f)複合体は有意に改善された忍容性を有することがわかり、huFOLR1−SPDB−IGN(huFOLR1−SPDB−1f)複合体は560μg/kgという試験した最も高い用量で100%の動物生存を示した。
【0265】
組成物と使用法
本発明は、本明細書に記載される新規ベンゾジアゼピン化合物(例えば、インドリノベンゾジアゼピンまたはオキサゾリジノベンゾジアゼピン)、それらの誘導体またはそれらの複合体(および/またはそれらの溶媒和化合物、水和物および/または塩)、および担
体(薬学的に許容可能な担体)を含む組成物(例えば、医薬組成物)を包含する。本発明は、本明細書に記載される新規ベンゾジアゼピン化合物、それらの誘導体またはそれらの複合体(および/またはそれらの溶媒和化合物、水和物および/または塩)、および担体(薬学的に許容可能な担体)を含み、第2の治療薬をさらに含む組成物(例えば、医薬組成物)も包含する。本組成物は哺乳類動物(例えば、ヒト)における異常な細胞増殖の抑制または細胞増殖障害の治療に有用である。本組成物は哺乳類動物(例えば、ヒト)におけるうつ病、不安障害、ストレス障害、恐怖症、パニック障害、神経不安、精神障害、疼痛および炎症性疾患の治療にも有用である。
【0266】
本発明は、治療上有効量の本明細書に記載される新規ベンゾジアゼピン化合物(例えば、インドリノベンゾジアゼピンまたはオキサゾリジノベンゾジアゼピン)、それらの誘導体またはそれらの複合体(および/またはそれらの溶媒和化合物および塩)またはそれらの組成物を単独で、または第2の治療薬と組み合わせて哺乳類動物(例えば、ヒト)に投与することを含む、前記哺乳類動物における異常な細胞増殖を阻害する、または細胞増殖障害を治療する方法を包含する。
【0267】
本発明は、治療を必要とする対象に上述の複合体のいずれかの有効量を投与することを含む治療方法も提供する。
【0268】
同様に、本発明は、本発明の細胞傷害性化合物‐細胞結合剤(例えば、細胞結合剤に結合したインドリノベンゾジアゼピンまたはオキサゾリジノベンゾジアゼピン二量体)、それらの塩または溶媒和化合物のいずれかを含む有効量の細胞傷害剤と標的細胞または標的細胞を含有する組織を接触させることを含む、選択された細胞集団において細胞死を誘導する方法を提供する。標的細胞は、前記細胞結合剤が結合することができる細胞である。
【0269】
所望により、他の抗腫瘍剤などの他の活性薬剤を前記複合体と併せて投与することができる。
【0270】
適切な薬学的に許容可能な担体、希釈剤および添加剤は周知であり、そして、臨床的状況が是認するように、当業者によって決定され得る。
【0271】
適切な担体、希釈剤および/または添加剤の例には(1)1mg/mL〜25mg/mLのヒト血清アルブミンを含有する、または含有しないダルベッコリン酸緩衝生理食塩水、約pH7.4(2)0.9%生理食塩水(0.9%(重量/体積)NaCl)、および(3)5%(重量/体積)ブドウ糖が含まれ、そして、トリプタミンなどの抗酸化剤およびツイーン20などの安定化剤も含有され得る。
【0272】
選択された細胞集団において細胞死を誘導する方法はインビトロ、インビボ、またはエクスビボで実施され得る。
【0273】
インビトロでの使用の例には、病気の細胞もしくは悪性細胞を殺滅するための同じ患者への自己骨髄移植前の自己骨髄の処理;コンピテント細胞を殺滅し、移植片対宿主病(GVHD)を予防するための骨髄移植前の骨髄の処理;標的抗原を発現しない所望のバリアント以外の細胞を殺滅するための細胞培養物の処理;または望まない抗原を発現するバリアントを殺滅するための細胞培養物の処理が含まれる。
【0274】
非臨床的なインビトロでの使用についての条件は当業者によって容易に決定される。
【0275】
臨床的なエクスビボでの使用の例は、癌もしくは自己免疫疾患の治療での自己移植前に骨髄から腫瘍細胞もしくはリンパ系細胞を除去すること、またはGVHDを予防するため
に移植前に自己もしくは同種異系の骨髄もしくは組織からT細胞および他のリンパ系細胞を除去することである。次のように処理が実行され得る。患者または他の個体から骨髄を採取し、その後、約10μMから1pMまでの濃度範囲で本発明の細胞傷害剤が添加されている血清含有培地中で、約37℃、約30分〜約48時間それを培養する。濃度と培養時間、すなわち、用量の正確な条件は当業者によって容易に決定される。培養後、血清含有培地で骨髄細胞を洗浄し、そして、公知の方法に従ってそれを患者の静脈内に戻す。患者が骨髄の採取と処理細胞の再注入の時点の間に一連の除去的化学療法または全身放射線照射などの他の治療を受ける状況では、標準的な医療器具を使用して処理骨髄細胞を液体窒素中に凍結保存する。
【0276】
臨床的なインビボでの使用について、本発明の細胞傷害剤は、無菌性とエンドトキシンレベルについて試験された液剤または凍結乾燥粉剤として供給される。複合体の投与についての適切なプロトコルの例は次のとおりである。複合体は4週間の間、毎週静脈内ボーラス注入で投与される。ボーラスの用量が50〜1000mLの通常生理食塩水中に投与されるが、それに5〜10mLのヒト血清アルブミンを添加することができる。投与量は静脈内投与あたり10μg〜200mg(1日当たり100ng〜20mg/kgの範囲)である。4週間の治療の後、患者は毎週治療を受け続けることができる。投与経路、添加剤、希釈剤、投与量、投薬期間などに関する特定の臨床プロトコルは、臨床的状況が是認するように、当業者によって決定され得る。
【0277】
選択された細胞集団において細胞死を誘導するインビボ方法またはエクスビボ方法に従って治療され得る健康状態の例には、例えば、肺(小細胞および非小細胞)の癌、乳癌、大腸癌、脳の癌、前立腺癌、腎臓癌、膵臓癌、卵巣癌、頭部および頸部の癌、皮膚癌(黒色腫)、メルケル細胞癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫およびリンパ器官の癌;全身性狼瘡、リウマチ性関節炎および多発性硬化症などの自己免疫疾患;腎臓移植拒絶反応、肝臓移植拒絶反応、肺移植拒絶反応、心臓移植拒絶反応および骨髄移植拒絶反応などの移植片拒絶反応;移植片対宿主病;CMV感染症、HIV感染症、AIDSなどのようなウイルス感染症;およびジアルジア症、アメーバ症、住血吸虫症および当業者によって判定されるような他のものなどの寄生生物感染症を含む、あらゆる種類の悪性病変が含まれる。
【0278】
癌治療法とそれらの用量、投与経路および推奨される使用法は当技術分野において公知であり、Physician’s Desk Reference(PDR)のような文献に記載されている。PDRは、様々な癌の治療に使用されてきている薬剤の投与量を開示する。治療上有効な投与計画およびこれらの前述の化学療法剤の投与量は治療される特定の癌、その疾患の程度、および当該分野の医師に知られている他の要因に依存し、そして、医師によって決定され得る。PDRの内容は、その全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。当業者はPDRを再吟味し、以下のパラメータのうちの1つ以上を用いて、本発明の教示に従って使用され得る化学療法剤および複合体の投与計画と投薬量を決定することができる。これらのパラメータには、
総合索引
製造会社別索引
製品別索引(薬品会社による薬品名または商標による薬品名による)
薬効別索引
一般的/化学的索引(商標によらない一般的薬品名)
薬品のカラー画像
FDAの表示に準じた製品情報
化学的情報
機能/作用
効能と禁忌
治験、副作用、警告
が含まれる。
【0279】
類似体および誘導体
細胞傷害剤技術の当業者は、本明細書に記載される細胞傷害剤の各々が、結果生じる化合物が出発化合物の特異性および/または活性をなお保持するように修飾され得ることを容易に理解する。当業者は、これらの化合物の多くを、本明細書に記載される細胞傷害剤の代わりに使用することができることも理解する。したがって、本発明の細胞傷害剤には本明細書に記載される化合物の類似体および誘導体が含まれる。
【0280】
発明を実施するための形態および下記の実施例において引用される全ての参照文献は、それらの全体が参照により明確に組み込まれる。
【実施例】
【0281】
これから、非限定的な例を参照することにより本発明を例示する。別段の言及がない限り、パーセント、比、部など全ては重量によるものである。全ての試薬をニュージャージー州のAldrich Chemical Co.または他の供給業者から購入した。Bruker 400 MHz機器で核磁気共鳴(H NMR)スペクトルを取得し、エレクトロスプレーイオン化を用いるBruker Daltonics Esquire
3000機器でマススペクトルを取得した。
【0282】
実施例1
【化81】
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化合物1b:
無水1,2‐ジクロロメタン(20mL)中のアニリン1a(1.55g、5.18mmol)と2‐(メチルジチオ)‐イソブチルアルデヒド(0.7mL、5.18mmol)の撹拌溶液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.1g、5.18mmol)と塩化亜鉛粉末(353mg、2.59mmol)を添加し、続いて無水硫酸マグネシウム(800mg)を添加した。混合物を室温で(rt)6時間撹拌し、次に、2番目の2‐(メチルジチオ)‐イソブチルアルデヒド(0.7mL、5.18mmol)とナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.1g、5.18mmol)を添加した。室温で一晩それを撹拌し続けた。反応混合物をセライトで濾過し、そして、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を濃縮し、そして、残余をシリカゲルクロマトグラフィー(Combiflash、40gカラム、ジクロロメタン/MeOH)で精製して化合物1bを無色の油として産生した(487mg収率=22%)。未反応の出発物質アニリン1a(1.02g)も65%の収率で回収された。 1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 6.76 (s, 2H), 6.63 (s,
1H), 4.55 (s, 4H), 3.65-3.51 (m, 14H), 3.35 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 1.33 (s, 6H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ 149.0, 142.35, 114.0, 111.1, 71.98, 70.7, 70.6, 70.5, 67.6, 65.5, 59.75, 59.1, 53.9, 51.9, 26.6, 25.7, 20.75; MS (m/z): 実測値 456.2 (M + Na)+. 図1を参照のこと。
【0283】
【化82】
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化合物1c:
無水ジクロロメタン(3.5mL)中の化合物1b(243mg、0.56mmol)の撹拌溶液にトリエチルアミン(234μl、1.68mmol)を添加した。混合物を−10℃にまで冷却し、注射筒を介してメタンスルホニルクロリド(113μl、1.46mmol)をゆっくりと15分にわたって添加した。その溶液を−10〜−7℃で60分間撹拌し続け、そして、氷/水を加えて反応の停止処理をした。酢酸エチルでそれを希釈し、そして、冷水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、高真空下で濃縮し、薄黄色がかった油としてメシレートを産生した(340mg)。酢酸エチル/ジクロロメタン混液が入った10mLの丸底フラスコにそのメシレートを移し、高真空下で濃縮した。IBD単量体(412mg、1.4mmol)を添加し、続いて無水ジメチルホルムアミド(3mL)と無水炭酸カリウム(232mg、1.68mmol)を添加した。得られた黄色がかった混合物を室温で一晩撹拌した。それをジクロロメタンで希釈し、そして、ブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、そして、シリカゲルカラムに負荷し、そして、ジクロロメタン/メタノール混液(15:1、次に10:1)で溶出した。化合物1cを含有する画分を合わせ、濃縮して705mgの粗生成物を生じ、それを分取逆相HPLC(C18カラム、アセトニトリル/水混液で溶出)でさらに精製して黄色がかったふわふわした固形物として化合物1cを産生した(181mg、収率=33%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.28 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 7.59 (s, 2H), 7.31-7.26 (m, 4H), 7.12 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.87-6.80 (m, 5H), 5.18 (dd, J1 = 20.8 Hz, J2= 12.4 Hz, 4H), 4.50-4.47 (m, 2H), 3.99 (s, 6H), 3.75-3.48 (m, 18H), 3.37 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 1.32 (s, 6H); MS (m/z): 実測値 1025.9 (M
+ H2O + Na)+, 1043.9 (M + 2H2O + Na)+, 983.8 (M - H)-, 1055.8 (M + 4H2O - H)-.
図1を参照のこと。
【0284】
【化83】
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化合物1d:
無水ジクロロメタン(0.3mL)と無水エタノール(0.6mL)中の化合物1c(112mg、0.114mmol)の撹拌溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.9mg、0.023mmol)を0℃で添加した。5分後に氷浴を取り外し、そして、混合物を室温で3時間撹拌し、次に0℃まで冷却し、そして、飽和塩化アンモニウムで反応を抑制し、ジクロロメタンで希釈し、分離して、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、そして、セライトで濾過し、そして、濃縮した。残渣を逆相HPLC(C18カラム、アセトニトリル/水混液)で精製した。対応する画分をジクロロメタンで抽出し、そして、濃縮して生成物1d、1eおよび未反応の出発物質1cを得た。化合物1d:37.1mg(収率=33%)、 MS (m/z): 実測値 1010.4 (M + Na)+, 1028.4
(M + H2O + Na)+, 1040.3 (M + 3H2O - H)-; 化合物1e:6.4mg(収率=5.7%)、 MS (m/z): 実測値 1012.4 (M + Na)+; 化合物1c:44.1mg(収率=39%)
図1を参照のこと。
【0285】
【化84】
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化合物1g:
アセトニトリル(3mL)とメタノール(3mL)中の化合物1d(23.6mg、0.024mmol)の撹拌溶液に新しく調製したTCEP溶液(17mgのTCEP塩酸を飽和炭酸水素ナトリウムでpH6〜6.5に中和し、次に0.5mLのリン酸緩衝液pH6.5で希釈した)を室温で添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、次にジクロロメタンと脱イオン水で希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、濾過した。濾液を高真空下で濃縮し、薄黄色がかった泡として22mgの化合物1fを産生した。同じ方法に従って、19mgの1dから別の18mgの1fが調製された。混合した40mg(0.042mmol)の化合物1fを無水ジクロロメタン(0.5mL)に溶解し、そして、撹拌した。この撹拌溶液にSPDB NHSエステル2(34.6mg、純度80%、0.085mmol)とジイソプロピルエチルアミン(15μl、0.085mmol)を添加した。室温で一晩それを撹拌し続け、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をし、そして、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(C18カラム、アセトニトリル/水混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、そして、濃縮して白色の固形物として化合物1gを産生した(29.7mg、収率=60%)。1H NMR (400 Hz, CD3CN): δ 8.28-8.25 (m, 1H), 8.20-8.17 (m, 1H), 7.87-7.84 (m, 1H), 7.49 (d, J = 4.4 Hz,
1H), 7.39 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.31-7.19 (m, 4H), 7.13-7.01 (m, 2H), 6.92-6.87 (m, 3H), 6.77 (bs, 1H), 6.31-6.29 (m, 1H), 5.16-5.09 (m, 2H), 5.00 (d, J = 4.4 Hz, 2H), 4.94 (bs, -NH), 4.48-4.43 (m, 1H), 4.40-4.34 (m, 1H), 3.90 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 3.77 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 3.64-3.39 (m, 18H), 3.26 (d, J = 4.4 Hz, 3H), 2.82-2.70 (m, 8H), 2.17 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 2.08-2.01 (m, 3H), 1.30 (d, J = 4.4
Hz, 6H); MS (m/z): 実測値 1025.9 (M + H2O + Na)+, 1043.9 (M + 2H2O + Na)+, 983.8 (M - H)-, 1055.8 (M + 4H2O - H)-; MS (m/z), 実測値 1179.5 (M + Na)+. 図1を参照のこと。
【0286】
実施例2
【化85】
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化合物1e:
無水1,2‐ジクロロメタン(0.2mL)中の化合物1c(8mg、0.0081mmol)の撹拌溶液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3.8mg、0.018mmol)を添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌し、その後、混合物をジクロロメタンで希釈し、そして、飽和炭酸水素ナトリウムで反応の停止処理をし、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、濾過した。濾液を濃縮し、そして、残余を逆相HPLC(C18カラム、アセトニトリル/水混液)で精製し、白色の固形物として化合物1eを産生した(4.7mg、収率=58%)。 MS (m/z),
実測値 1012.4 (M + Na)+, 1024.2 (M + 2H2O - H)-. 図2を参照のこと。
【0287】
【化86】
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化合物2a:
アセトニトリル(1mL)とメタノール(3mL)中の化合物1e(12mg、0.012mmol)の撹拌溶液に新しく調製したTCEP溶液(11mgのTCEP塩酸を飽和炭酸水素ナトリウムでpH約6.5に中和し、次に0.4mLのリン酸緩衝液pH6.5で希釈した)を室温で添加した。混合物を室温で3.5時間撹拌し、その後、ジクロロメタンと脱イオン水で希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、濾過した。濾液を濃縮し、そして、残余を逆相HPLC(C18カラム、アセトニトリル/水混液)で精製し、白色の固形物として化合物2aを産生した(4.9mg、収率=43%)。MS (m/z), 実測値 966.4 (M + Na)+, 978.2 (M +
2H2O - H)-. 図2を参照のこと。
【0288】
実施例3
【化87】
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化合物3b:
メタノール(15mL)中の化合物3a(830mg、1.9mmol)の溶液にPd/C(10%、204mg、0.19mmol)を添加した。真空によりフラスコ内の空気を除去し、その後、気球中の水素で置換した。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をセライトで濾過し、そして、セライト/Pd/炭素をジクロロメタンとメタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、そして、残渣をジクロロメタンで希釈し、そして、数サイクルの間蒸発させ、その後、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール混液)により精製して薄黄色がかった固形物として化合物3bを産生した(558mg、収率=98%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.22 (dd, J1 = 8.0 Hz, J2 = 7.6 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.02 (dd, J1 = 7.2 Hz, J2= 7.6 Hz, 1H), 6.16 (s, 1H), 4.37 (tt, J1 = 10.4 Hz, J2 = 7.2 Hz, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.49-3.36 (m, 3H), 2.73 (dd, J1 = 16.8 Hz, J2 = 3.6 Hz, 1H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ 167.0, 150.4, 142.6, 141.2, 140.8, 129.9, 127.7, 124.8, 123.96, 117.4, 113.7, 112.5, 104.7, 57.3, 56.3, 54.7, 33.0; MS (m/z), 実測値 295.1 (M - H)-. 図3を参照のこと。
【0289】
【化88】
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化合物3c:
無水1,2‐ジクロロエタン(2mL)中の2‐(メチルジチオ)‐イソブチルアルデヒド(113mg、0.75mmol)と化合物3b(148mg、0.5mmol)の溶液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(212mg、1.0mmol)を添加した。混合物を室温で2日間撹拌した。この間にさらに2部の2‐(メチルジチオ)‐イソブチルアルデヒド(1部当たり0.05mL、0.5mmol)を1部のナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(106mg、0.5mmol)と併せて添加した。飽和炭酸水素ナトリウムで反応の停止処理をし、ジクロロメタンと水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、そして、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Combiflash、24gカラム、ヘキサン/酢酸エチル混液)で精製し、白色のふわふわした固形物として化合物3cを産生した(92.5mg、収率=43%)。未反応の出発物質3bも回収した(49.3mg、収率=33%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.30 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.28 (dd, J1 = 6.8 Hz, J2 = 7.6 Hz, 1H), 7.25-7.20 (m, 2H), 7.07 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.17 (s, 1H), 4.36-4.28 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 3.78 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 3.46-3.34 (m, 3H), 2.90 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 2.73 (dd, J1 = 16.4 Hz, J2 = 2.8 Hz, 1H), 2.34 (s, 3H), 1.17 (s, 3H), 1.05 (s, 3H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ
167.2, 149.0, 142.5, 142.2, 141.9, 129.9, 128.0, 125.3, 124.5, 124.1, 117.1, 112.0, 108.5, 64.8, 61.4, 58.1, 56.3, 53.4, 32.0, 26.3, 25.7, 25.4; MS (m/z), 実測値 453.3 (M + Na)+, 429.2 (M - H)-. 図3を参照のこと。
【0290】
【化89】
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化合物3d:
【0291】
無水ジメチルホルムアミド(3mL)中のIBD単量体(125mg、0.425mmol)と1,5‐ジヨードペンタン(0.63mL、4.25mmol)の撹拌溶液に炭酸カリウム(59mg、0.425mmol)を添加し、そして、混合物を室温で一晩撹拌した。反応溶液をジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄し、そして、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。それを濾過し、そして、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル混液)で精製し、黄色がかった泡として化合物3dを産生した(94mg、収率=45%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.27 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.27 (dd, J1 = 8.4 Hz, J2 = 7.6 Hz,
2H), 7.10 (dd, J1 = 7.6 Hz, J2 = 7.2 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 4.48 (dt, J1 = 10.8
Hz, J2 = 4.4 Hz, 1H), 4.15-4.07 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.70 (dd, J1 = 16.8 Hz, J2 = 10.8 Hz, 1H), 3.49 (dd, J1 = 16.8 Hz, J2= 4.0 Hz, 1H), 3.22 (t, J = 7.2 Hz,
2H), 1.96-1.87 (m, 4H), 1.64-1.57 (m, 2H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ 164.0, 163.2, 151.4, 148.3, 142.2, 140.3, 129.6, 128.3, 124.9, 120.5, 117.0, 112.0, 110.6, 68.8, 56.4, 55.1, 33.3, 32.7, 28.0, 27.2, 6.6; MS (m/z), 実測値 513.3 (M + Na)+, 543.2 (M + 3H2O - H)-. 図3を参照のこと。
【0292】
【化90】
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化合物3e:
無水ジメチルホルムアミド(1mL)中の出発物質3c(91mg、0.21mmol)および3d(94mg、0.19mmol)の撹拌溶液に炭酸カリウム(29mg、0.21mmol)を添加し、そして、混合物を室温で一晩撹拌した。反応溶液をジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄し、そして、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。それを濾過し、濃縮し、そして、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル混液)で精製し、黄色がかった泡として化合物3eを産生した(89.1mg、収率=58%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.32-8.28 (m, 2H), 7.91 (bs, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.36-7.21 (m, 5H), 7.15-7.05 (m, 2H), 6.85 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 4.53-4.48 (m, 1H), 4.37-4.31 (m, 1H), 4.21-4.03 (m, 4H), 3.98 (s, 3H), 3.88 (s, 3H), 3.86-3.70 (m, 2H), 3.55-3.35 (m, 4H), 2.93 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 2.73 (dd, J1 = 16.4 Hz, J2 = 2.4 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.03-1.96 (m, 3H), 1.77-1.67 (m, 3H), 1.21 (s,
3H), 1.06 (s, 3H); MS (m/z), 実測値 815.3 (M + Na)+. 図3を参照のこと。
【0293】
【化91】
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化合物3g:
アセトニトリル(2mL)とメタノール(4mL)中の化合物3e(33.1mg、0.042mmol)の撹拌溶液に新しく調製したTCEP溶液(36mgのTCEP塩酸を飽和炭酸水素ナトリウムでpH約6.5に中和し、次に0.4mLのリン酸緩衝液pH6.5で希釈した)を室温で添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、その後、ジクロロメタンと脱イオン水で希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、濾過した。濾液を高真空下で濃縮し、黄色がかった固形物として31mgの化合物3fを産生した。それを無水ジクロロメタン(0.5mL)に溶解した。その後、SPDB NHSエステル2(26mg、純度80%、0.063mmol)とジイソプロピルエチルアミン(11μl、0.063mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し続け、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をし、そして、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(C18カラム、アセトニトリル/水混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、そして、濃縮して黄色がかった固形物として化合物3gを産生した(15.2mg、収率=38%)。MS (m/z), 実測値 984.3 (M + Na)+, 1014.2 (M + 3H2O - H)-. 図3を参照の
こと。
【0294】
実施例4
【化92】
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化合物4b:
無水エタノール(720μL)と無水ジクロロメタン(360μL)中の化合物4a(111mg、0.108mmol)の撹拌溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。50μLの無水エタノール中の水素化ホウ素ナトリウム(0.817mg、0.022mmol)を0℃で添加した。反応物を外界温度で2時間撹拌した。混合物を氷浴中で0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をし、そして、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、セライトで濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、そして、粗生成物をRP−HPLC(C18、脱イオン水/アセトニトリル混液)で精製して化合物4bを産生した(43mg、38%)。1H NMR
(400 Hz, CDCl3): δ8.26 (d, 1H, J = 8.0Hz), 8.18 (d, 1H, J = 8.0Hz), 7.77 (d, 1H, J = 4.4 Hz), 7.51 (s, 1H), 7.41 (s, 2H), 7.17 (m, 6H), 7.03 (t, 1H, J = 7.2Hz), 6.96 (t, 1H, J = 7.2Hz), 6.76 (s, 1H), 6.04 (s, 1H), 5.13 (m, 4H), 4.38 (m, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 3.79 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 3.51 (m, 8H), 3.43 (m, 6H), 3.25 (s, 3H), 2.73 (dd, 1H, J = 3.6, 16.4Hz), 2.22 (s, 3H), 2.04 (m, 2H), 1.81 (m, 2H), 1.18 (s, 6H); MS (m/z) 実測値, 1051.9 (M+Na), 1069.9 (M+Na+H2O).
図4を参照のこと。
【0295】
【化93】
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化合物4c:
メタノール(4.45mL)とアセトニトリル(2.225mL)中の化合物4b(40mg、0.039mmol)の撹拌溶液にリン酸ナトリウム緩衝液(0.89mL、pH6.5)中のTCEP塩酸(39.0mg、0.136mmol)を添加した。混合物を外界温度で18時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、そして、水とブラインで洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、濃縮した。RP−HPLC(C18、脱イオン水/アセトニトリル混液)による精製とジクロロメタンでの抽出により、化合物4cが産生した(26.5mg、64%)。MS (m/z) 実測
値, 1006.0 (M+Na). 図4を参照のこと。
【0296】
【化94】
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化合物4d:
無水ジクロロメタン(800μL)中の化合物4c(24mg、0.024mmol)
の撹拌溶液にPBA(11.18mg、0.049mmol)とジイソプロピルエチルアミン(20.18μL、0.116mmol)を添加した。外界温度で18時間撹拌した後に反応物をジクロロメタンで希釈し、そして、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をした。層を分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。PTLC(5%メタノール/ジクロロメタン混液)による精製によって化合物4dが産生した(17mg、63%)。MS (m/z) 実測値,
1123.9 (M+Na) 1139.9 (M+K); 1099.8 (M-H) 117.9 (M-H+H2O). 図4を参照のこと。
【0297】
【化95】
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化合物4e:
無水ジクロロメタン(1.0mL)中の化合物4d(15mg、0.014mmol)とN‐ヒドロキシスクシンイミド(4.70mg、0.041mmol)の混合物にEDC.HCl(7.83mg、0.041mmol)を添加した。外界温度で18時間撹拌した後に反応物をジクロロメタンで希釈し、そして、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をした。混合物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。粗生成物をRP−HPLC(C18、脱イオン水/アセトニトリル混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、そして、濃縮して化合物4eを産生した(13mg、80%)。MS (m/z) 実測値, 1220.8 (M+Na) 1238.8 (M+Na+H2O), 1254.8 (M+K+H2O). 図4を参照のこと。
【0298】
実施例5
【化96】
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化合物5a:
無水エタノール(40mL)中のケリダム酸水和物(3.0g、15.56mmol)と硫酸(0.6mL、11.26mmol)の混合物を20時間還流した。反応物を外界温度まで冷却し、炭酸ナトリウム水溶液で中和し、その後、濃塩酸で酸性化した。水を添加し、そして、混合物をジクロロメタンで抽出した。抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5%メタノール/ジクロロメタン混液)で精製して白色の固形物としてジエチル4‐ヒドロキシピリジン‐2,6‐ジカルボキシレート(5a)を産生した(2.5g、68%)。図5を参照のこと。
【0299】
【化97】
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化合物5c:
無水ジクロロメタン(55.5mL)中の4‐メチル‐4‐(メチルジスルファニル)ペンタン‐1‐オール(5b)(2.0g、11.09mmol)の溶液を氷浴中で0℃まで冷却した。トリエチルアミン(5.41mL、38.8mmol)と塩化トルエンスルホニル(3.17g、16.64mmol)を0℃で添加した。反応物を外界温度で3時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで抽出し、そして、ブラインで洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン混液)による精製により4‐メチル‐4‐(メチルジスルファニル)ペンチル4‐メチルベンゼンスルホン酸(5c)が産生した(1.5g、40%)。5b: 1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ3.42 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.77 (bs, 1H),
1.43 (m, 4H), 1.09 (s, 6H). 5c: 1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ7.66 (d, 2H, J=7.6Hz), 7.22 (d, 2H, J=8.0Hz), 3.90 (t, 2H, J = 6.4Hz), 2.32 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 1.60 (m, 2H), 1.44 (m, 2H), 1.11 (s, 6H). 図5を参照のこと。
【0300】
【化98】
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化合物5d:
無水ジメチルホルムアミド(6.5mL)中の4‐メチル‐4‐(メチルジスルファニル)ペンチル4‐メチルベンゼンスルホン酸(5c)(0.48g、1.435mmol)とジエチル4‐ヒドロキシピリジン‐2,6‐ジカルボキシレート(5a)(0.343g、1.435mmol)の撹拌溶液に炭酸カリウム(0.297g、2.152mmol)を添加した。反応物を90℃で18時間撹拌した。その後、それを外界温度にまで冷却し、そして、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をした。混合物を酢酸エチルで3回抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(30%ヘキサンs/酢酸エチル)による精製によってジエチル4‐(4‐メチル‐4‐(メチルジスルファニル)ペンチルオキシ)ピリジン‐2,6‐ジカルボキシレート(5d)が産生した(300mg、52%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 7.70 (s, 2H), 4.40 (q, 4H, J = 7.2, 14.4Hz), 4.07 (t, 2H, J=6. Hz), 2.35 (s, 3H), 1.86 (m, 2H), 1.70 (m, 2H), 1.38 (t, 6H, J=7.2Hz), 1.27 (s, 6H); MS (m/z), 実測値 424.1 (M+Na), 440.1 (M+K). 図5を参照のこと。
【0301】
【化99】
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化合物5e:
無水エタノール(7.0mL)中のジエチル4‐(4‐メチル‐4‐(メチルジスルファニル)ペンチルオキシ)ピリジン‐2,6‐ジカルボキシレート(5d)(270mg、0.672mmol)の撹拌溶液に塩化カルシウム(224mg、2.017mmol)と水素化ホウ素ナトリウム(76mg、2.017mmol)を添加した。反応物を外界温度で90分間撹拌させ、その後、水でその反応を停止処理し、減圧下で濃縮してエタノールを除去した。その後、混合物をジクロロメタンで2回抽出した。有機抽出物を混合し、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして、セライトで濾過した。濾液を
減圧下で濃縮し、そして、粗生成物を10%メタノール/ジクロロメタン混液で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーで精製して(4‐(4‐メチル‐4‐(メチルジスルファニル)ペンチルオキシ)ピリジン‐2,6‐ジイル)ジメタノール(5e)を産生した(75mg、35%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 6.63 (s, 2H), 4.60 (s, 4H), 3.95 (t, 2H, J = 6.2Hz), 3.54 (bs, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.82 (m, 2H), 1.66 (m, 2H), 1.26 (s, 6H); MS (m/z), 実測値 340.1 (M+Na). 図5を参照のこと。
【0302】
【化100】
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化合物5f:
無水ジクロロメタン(1.6mL)中の(4‐(4‐メチル‐4‐(メチルジスルファニル)ペンチルオキシ)ピリジン‐2,6‐ジイル)ジメタノール(5e)(51mg、0.161mmol)の撹拌溶液をアセトン/氷浴中で−5℃まで冷却した。トリエチルアミン(0.112mL、0.803mmol)とメタンスルホニルクロリド(0.031mL、0.402mmol)を添加した。混合物を−5℃で60分間撹拌した。反応を氷冷水で抑制し、冷酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を氷冷水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮してジメシレートを産生した。無水ジメチルホルムアミド(3.8mL)中のジメシレート中間産物(179mg、0.378mmol)とIBD単量体(256mg、0.869mmol)の撹拌混合物に炭酸カリウム(261mg、1.890mmol)とヨウ化カリウム(31.4mg、0.189mmol)を添加した。反応物を外界温度で18時間撹拌させた。混合物の反応を水で抑制し、そして、ジクロロメタンで3回抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、濃縮した。粗生成物をアセトニトリルに再溶解し、そして、RP−HPLC(C18、脱イオン水/アセトニトリル混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮して化合物5fを産生した(65mg、20%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.20 (d, 2H, J = 8.0Hz), 7.78 (m, 2H), 7.53 (s, 2H), 7.20 (m, 4H), 7.04
(t, 2H, J = 7.4Hz), 6.91 (m, 2H), 6.80 (s, 2H), 5.22 (s, 4H), 4.40 (m, 2H), 3.94 (s, 6H), 3.93 (m, 2H), 3.63 (m, 2H), 3.42 (dd, 2H, J = Hz), 2.32 (s, 3H), 1.80
(m, 2H), 1.64 (m, 2H), 1.24 (s, 6H); MS (m/z), 実測値 892.3 (M+Na) 910.3 (M+Na+H2O) 928.3 (M+Na+2H2O). 図5を参照のこと。
【0303】
【化101】
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化合物5gおよび5h:
無水エタノール(600μL)と無水ジクロロメタン(300μL)中の化合物5f(74mg、0.085mmol)の溶液を氷浴中で0℃に冷却した。50μL無水エタノール中の水素化ホウ素ナトリウム(0.644mg、0.017mmol)を0℃で添加した。混合物を外界温度で2時間撹拌させ、その後、0℃まで冷却した。飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をし、そして、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をブライ
ンで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトで濾過し、そして、減圧下で濃縮した。粗生成物をジメチルホルムアミドに再溶解し、そして、RP−HPLC(C18、脱イオン水/アセトニトリル混液)で精製した。化合物5gおよび5hを含有する画分を別々に混合し、そして、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、濃縮して化合物5g(20mg、27%)と化合物5hを産生した。5g: 1H
NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.25 (m, 1H), 8.18 (m, 1H), 7.77 (m, 1H), 7.51 (ss, 1H), 7.40 (ss, 1H), 7.18 (m, 4H), 7.08 (m, 1H), 7.03 (m, 1H), 6.92 (m, 2H), 6.86 (ss, 1H) 5.98/6.06 (ss, 1H), 5.24 (m, 4H), 4.40 (m, 1H), 4.30 (m, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.92 (m, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.62 (m, 1H), 3.37 (m, 4H), 2.65 (m or dd, 1H), 2.32 (ss, 3H), 1.77 (m, 2H), 1.64 (m, 2H), 1.24 (s, 6H). 5h: 1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.24 (d, 2H, J = 8.0Hz), 7.39 (s, 2H), 7.14 (m, 4H), 6.97 (m, 2H), 6.93
(m, 2H), 6.15 (ss, 2H), 5.25 (s, 4H), 4.37 (m or t, 2H, J=9.8Hz), 4.2 (bs, 2H),
3.94 (m, 2H), 3.83 (s, 6H), 3.40 (m, 6H), 2.72 (dd, 2H, J = Hz), 2.32 (s, 3H), 1.79(m, 2H), 1.64 (m, 2H), 1.24 (s, 6H). 図5を参照のこと。
【0304】
【化102】
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化合物5i:
メタノール(5.25mL)とアセトニトリル(1.750mL)中の化合物5g(20mg、0.023mmol)の撹拌溶液にリン酸ナトリウム緩衝液(0.7mL、pH6.5)中のTCEP.HCl(19.72mg、0.069mmol)を添加した。混合物を外界温度で3時間撹拌し、その後、ジクロロメタンと水で希釈した。層を分離し、そして、有機層をブラインで洗浄した。粗生成物をRP−HPLC(C18、脱イオン水/アセトニトリル混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、そして、蒸発させて化合物5iを産生した(7mg、37%)。MS (m/z), 実測値 848.3 (M+Na) 866.3 (M+Na+H2O) 880.3 (M+Na+MeOH). 図5を参照のこと。
【0305】
【化103】
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化合物5j:
無水ジクロロメタン(113μL)中の化合物5i(7mg、8.47μmol)と2,5‐ジオキソピロリジン‐1‐イル4‐(ピリジン‐2‐イルジスルファニル)ブタノエート(8.64mg、0.021mmol)の撹拌溶液にジイソプロピルエチルアミン(3.69μL、0.021mmol)を添加した。外界温度で18時間の撹拌の後、飽和塩化アンモニウム溶液で反応の停止処理をし、そして、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取RP−HPLC(C18、脱イオン水/アセトニトリル混液)で精製した。生成物を含有する画分をジクロロメタンで抽出し、濾過し、そして、蒸発させて化合物5jを産生した(3mg、34%)。MS (m/z), 実測値 1063.3 (M+Na) 1081.3 (M+Na+H2O). 図5を参照のこと。
【0306】
実施例6
抗体−SPDB−薬品複合体の調製:
96〜98%DMA水溶液中で化合物1gを3モル当量の亜硫酸水素ナトリウム(新しく調製したNaHSO水溶液)と25℃で4〜5時間前処理した。複合体化について、10〜15%のN,N‐ジメチルアセトアミド(DMA)を含有する、85〜90%のPBS、pH7.4の水性緩衝液または50mM HEPES、pH8.5の水性緩衝液の中で2mg/mLのヒト化抗体を5〜7モル当量の(NaHSOで前処理した)化合物1gと25℃で6時間反応させ、次に、G25ゲル濾過カラムでpH7.4のPBS中に精製して未反応または加水分解した薬品化合物を除去した。10mMヒスチジン、250mMグリシン、1%ショ糖、pH6.5緩衝液にヒト化抗体−SPDB−薬品複合体を透析した。280nmと320nmでのUV吸光度測定によって、および、280nm(215,000M−1cm−1)と320nm(9137M−1cm−1)での前記の薬品と抗体の吸光係数を用いて、前記複合体の薬品抗体比(DAR)が2.2〜2.9であると測定された。TSK−GelG300SWXLカラム(7.8mm×300mm、5μmの粒径)を使用するSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)によって、複合体における単量体のパーセンテージが90%よりも高いと決定された。単量体の複合体ピークが連結した薬品分子を有することも、SECにおける単量体ピークのUV吸光度に基づいて示された。遊離(非複合体化)薬品測定については、複合体をアセトン抽出してタンパク質を除去し、乾燥し、移動相を加えて元に戻し、そして、VYDAC208TP C8逆相HPLCカラム(4.6×250mm、7μmの粒径)に注入し、そして、標準物質と比較した。複合体中の遊離薬品化合物のパーセンテージは、複合体化した薬品化合物の0.5%未満と決定された。図22を参照のこと。
【0307】
ヒト化抗体−SPDB−2a複合体の調製:
5%DMA(体積/体積)を含有するpH7.4の95%PBS中で4〜6モル当量のSPDBヘテロ二官能性リンカーを用いて8mg/mLのヒト化抗体を25℃で1.5時間誘導体化し、次に、G25脱塩カラムでクエン酸緩衝液(2mM EDTA、150mM NaClを含有する35mMクエン酸緩衝液、pH5.5)中に精製して未反応のリンカーを除去した。(抗体とジチオスレイトールで遊離されるSpyの全体を測定するために)50mMのジチオスレイトールを添加せずに、および、添加して、280nmおよび343nmでのUV吸光度を用いてLAR(リンカー抗体比)を測定し、2.7〜4.1のLARと決定された。85%のクエン酸緩衝液、15%DMA(体積/体積)中で連結型SPDB当たり2モル当量の化合物2a(塩酸塩)と2mg/mLのSPDB‐修飾型抗体を外界温度で20時間反応させ、次に、G25脱塩カラムでpH7.4のPBS中に精製して非複合体化薬品化合物を除去した。280nmと350nmでのUV分光測光によって最終ヒト化抗体−SPDB−2a複合体のDARを測定し、そして、約1.7〜2.1のDARであると計算された。SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)カラムを使用するHPLCによって、複合体における単量体のパーセンテージと単量体上の結合した薬品化合物を決定した。図23を参照のこと。
【0308】
実施例7
遊離薬品と複合体のインビトロ効力:
使用した一般的方法:非複合体化遊離薬品化合物または薬品複合体の試料を96ウェル平底組織培養プレートに添加し、そして、所望のモル範囲を包含するために段階希釈を用いて用量設定を行った。抗原陽性(抗原)細胞または抗原陰性(抗原)細胞を、対応する各細胞株に対する各薬品濃度について試料が3組存在するように特定の細胞密度のウェルに添加した。その後、5%COの雰囲気下、37℃でプレートを細胞株に依存して4〜5日間インキュベートした。COLO205(1,000細胞/ウェル)、Namalwa(3,000細胞/ウェル)、HEL92.1.7(3,000細胞/ウェル)は4日間;RH30(1,000細胞/ウェル)、HL60/QC(5,000細胞/ウェ
ル)、Ramos(10,000細胞/ウェル)、KB(2,000細胞/ウェル)、BJAB(2,000細胞/ウェル)、NB4(3,000細胞/ウェル)は5日間、RPMI8226(8,000細胞/ウェル)は6日間。
【0309】
次に、インキュベーション期間の最後にWST−8ベースの細胞生存度測定法を用いて細胞傷害性効力を測定し、そして、WST−8を用いて現像することにより(2〜7時間)生存細胞を測定した。各ウェルの吸光度を測定し、各濃度での細胞の生存度をプロットし、(複合体の)細胞傷害性および/または抗原特異性を明らかにした。
【0310】
上述の一般的方法を用いて非複合体化遊離薬品化合物の細胞傷害性を7つの細胞株、すなわちHeLa細胞混入細胞であるKB、急性骨髄性白血病細胞株であるHL60/QC、バーキットリンパ腫細胞株であるNamalwa、急性前骨髄球性白血病細胞株であるNB4、赤白血病細胞株であるHEL92.1.7、多発性骨髄腫細胞株であるRPMI8226、およびB細胞白血病細胞株であるBJABに対して測定した。図24および表10に示される結果は、広範囲の細胞種にわたるこれらの化合物の高い効力を示している。殺滅効果の特異性を示すために、過剰量のブロッキング用非複合体化抗体を添加して、および、添加せずに抗体‐薬品複合体の効力と特異性を抗原発現細胞に対して測定した。MY9−6−薬品複合体は3つの異なる抗原発現細胞、すなわちHL60/ATCC、HL60/QCおよびNB−4に対して、NB4細胞では抗原が非常に低発現であったにも関わらず、非常に効力が高かった。過剰な非複合体化抗体を添加することによって特異的な効力をブロックすることができたが、これは、細胞殺滅効果が抗原特異的であることを示している。同様に、huFOLR1−薬品複合体は抗原発現KB細胞の特異的な殺滅に効果的であった。図25および26に結果が示されている。
【表9】
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【0311】
HL60/QC(抗原)細胞、HL60/ATCC(抗原)細胞およびNB−4(抗原)細胞に対するhuMY9−6−SPDB−1f(図25);KB(抗原)細胞に対するhuFOLR1−SPDB−1f(図26);抗原陽性HL60/QC細胞、HL60/ATCC細胞、NB−4細胞およびHEL92.1.7細胞に対するhuMY9−6−SPDB−1f(図29);HL60/QC(抗原)細胞に対するhuMy9−
6−SPDB−1f、huMy9−6−スルフォSPDB−1fおよびhuMy9−6−BMPS−1f(図34);COLO205(抗原)細胞に対するchB38.1−SPDB−1fおよびchB38.1−スルフォSPDB−1f(図35);OCI−AML3(抗原)細胞に対するhuMy9−6−SPDB−1f、huMy9−6−スルフォSPDB−1fおよびhuMy9−6−BMPS−1f(図44)を含む、様々な細胞株と本発明の様々な複合体を使用して同様の結果が得られてもいる。また、IC50値(nM)として表される、様々な細胞株に対する様々な複合体の効力について図49を参照のこと。図25、29、34、35および44では、亜硫酸水素ナトリウムの存在下で複合体が調製されたことに留意のこと。
【0312】
亜硫酸水素ナトリウムなどのイミン反応性試薬を使用して、および使用せずに調製した対象複合体のインビトロ効力の測定値を比較するために、インサイチュスルホン化方法を用い、亜硫酸水素ナトリウムを使用して、および、使用せずにhuMy9−6−BMPS−1f、huMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1fおよびhuMy9−6−薬品2を調製した(その場合、まず、亜硫酸水素ナトリウム、および反応性基を担持する二官能性架橋剤と本発明の各化合物を混合し、次に、さらに精製することなく、反応混合物を前記細胞結合剤としてのhuMy9−6モノクローナル抗体と反応させた)。HL60−QC細胞に対する複合体のIC50が下に示されている。イミン反応性基(例えば、亜硫酸水素ナトリウム)の複合体調製ステップへの包含が対象複合体のインビトロ効力に負の影響を与えないことがデータにより示されている。
【表10】
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【0313】
huMy9−6との複合体化の前の亜硫酸水素ナトリウム(5モル当量、22時間、4℃、90:10のDMA:水混液、pH5.5)での薬品化合物の前処理が、(1μMの非複合体化huMy9−6での抗原ブロッキングによる)複合体の抗原依存的または抗原非依存的インビトロ効力に有意な影響を与えなかったことは明らかである。
【0314】
実施例8
抗体‐薬品複合体の結合は非修飾型抗体の結合に類似している:
フローサイトメトリーを用いて、抗原発現HL60/QC細胞に対するhuMY9−6−薬品複合体の結合をそれに対する非修飾型huMY9−6抗体の結合と比較した。簡単に説明すると、抗原陽性細胞を複合体または非修飾型抗体と4℃で保温し、次に二次抗体‐FITC複合体と4℃で保温し、ホルムアルデヒド(PBS中1%)で固定し、そして、フローサイトメトリーにより分析した。複合体の結合と非修飾型抗体の結合の間に有意な差は観察されなかった。図27に例が示されているが、その例では、huMY9−6−薬品複合体は、非修飾型抗体のものと類似した高親和性で抗原陽性細胞に結合した。
【0315】
実施例9
HL60/QC腫瘍担持ヌードマウスでのhuMY9−6−SPDB−1f複合体のインビボ効力:
この研究では、ヒト急性骨髄性白血病モデルであるHL60/QC腫瘍担持メスヌードマウスでhuMY9−6−SPDB−1fの抗腫瘍活性を調査した。5週齢のメス無胸腺ヌードマウスの右肩の領域にマウス当たり2×10細胞のHL60/QC腫瘍細胞をマウス当たり0.1mLの体積で皮下接種した。腫瘍細胞の接種から8日後にマウスを腫瘍体積によって複数の群に無作為に割り当てた(1群当たりn=6)。無作為化の当日に処置を開始し、そして、群はPBS(200μL/注射)を投与された対照群または様々な用量のhuMY9−6−SPDB−1f(5〜100μg/kg)での単回処置を包含した(50μg/kgの1fの用量は2.5mg/kgの抗体の用量に対応した)。全ての処置が十分に忍容され、平均体重喪失はPBS対照マウスで見られる喪失と類似していた。時間に対する平均腫瘍体積が示されているが(図28および36)、そのデータはhuMY9−6−SPDB−1f複合体の用量依存的抗腫瘍活性を示す。最小有効用量は20μg/kgと推定されたが、それは最大忍容用量よりも約35倍低い。
【0316】
実施例10
メスCD−1マウスでhuFOLR−1複合体の忍容性を調査した。試験開始前の7日間動物を観察してそれらに疾患または病気が無いことが分かった。複合体をマウスに単回静脈内注射によって投与し、そして、体重喪失、罹患率または死亡率についてその動物を毎日モニターした。表9は、huFOLR1−薬品1について、50μg/kgという試験した最小の用量でのみ複合体が忍容されたことを示す。対照的に、モノ‐イミン複合体huFOLR1−薬品2とhuFOLR1−SPDB−1fの両方が、それぞれ、198μg/kg未満および560μg/kg超という最大忍容用量でより充分に忍容されることが分かった。
【表11】
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【表12】
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【表13】
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【0317】
実施例11
【化104】
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化合物10:
無水ジクロロメタン(0.3mL)中の化合物1f(18mg、0.019mmol)とN‐(β‐マレイミドプロピルオキシ)スクシンイミド(BMPS)エステル(9.2mg、0.034mmol)の撹拌溶液に無水ジイソプロピルエチルアミン(5μL、0.029mmol)を添加した。混合物を室温で27時間撹拌し、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をし、そして、ジクロロメタンで希釈した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(C18カラム、CHCN/HO混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、そして、蒸発させて白色の固形物として化合物10を産生した(7.6mg、収率=33%)。MS (m/z): 実測値 1208.3 (M + H)+. 図1
3を参照のこと。
【0318】
実施例12
【化105】
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化合物12:
無水ジクロロメタン(0.3mL)中の化合物1f(16.5mg、0.018mmol)とスルフォ−SPDB(14.2mg、0.036mmol)の撹拌溶液に無水ジイソプロピルエチルアミン(9μL、0.054mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、そして、減圧下で濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(C18カラム、CHCN/HO混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、そして、蒸発させて黄色がかった泡として6.6mgの化合物12を産生した。水層を凍結乾燥して白色の固形物としてさらに0.5mgの化合物12を産生した。MS (m/z): 実測値 1235.0 (M-H)-. 図15を参照のこと。
【0319】
実施例13
ヒト化抗体−スルフォSPDB−1f複合体の調製
50mM HEPES(4‐(2‐ヒドロキシエチル)‐1‐ピペラジンエタンスルホン酸)(pH8.5)緩衝液および15%(体積/体積)DMA(N,N‐ジメチルアセトアミド)共溶媒中に2.5mg/mLのhuMy9−6抗体と10モル当量の(5倍過剰な90:10のDMA:水混液中の亜硫酸水素ナトリウムを使用して調製した)10を含有する反応物を25℃で6時間複合体化させた。反応後、NAP脱塩カラム(IllustraセファデックスG‐25DNAグレード、GE Healthcare)を使用して複合体を精製し、そして、緩衝液を250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%ショ糖、0.01%ツイーン、50μM亜硫酸水素ナトリウム製剤緩衝液に交換した。Slide‐a‐Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000MWCO)を利用して、同じ緩衝液中、室温で4時間透析を行った。精製した複合体が2.4のDAR(1fについてε330nm=15,484cm−1−1およびε280nm=30,115cm−1−1、ならびにMy9−6抗体についてε280nm=146,000cm−1−1のモル吸光係数を用いる紫外‐可視分光法による)、96.7%の単量体の割合(サイズ排除クロマトグラフィーによる)、1%未満の非複合体化遊離薬品化合物(アセトン抽出/逆相HPLCによる)、および1.4mg/mLの最終タンパク質濃度を有することが分かった。
【0320】
実施例7に記載される一般的方法に従って抗体−スルフォSPDB−1f複合体のインビトロ効力を測定したが、図34および35にそのデータが示されている。抗体−スルフォSPDB−1f複合体は抗体−SPDB−1f複合体と同等以上の効力を有する。
【0321】
共有結合性イミン反応物質、例えば、亜硫酸水素ナトリウムの使用が抗体‐化合物複合体の仕様(例えば、単量体の割合(%)および薬品負荷)を改善する。1つの実験では、90%DMSO/10%PBS(pH7.4)混液中のNHS−BMPS−1fに対して5モル当量のイミン反応物質を使用して25℃で4時間付加物形成を行った。次に、反応混合物をhuMy9−6抗体(4モル当量のIGN、2mg/ml、10%(体積/体積)DMSO、50mM HEPES緩衝液(pH8.5)、5時間、25°C)に添加した。ヒドロ亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、またはメタ重亜硫酸ナトリウムを使用して作成した複合体は同様のIGN/抗体比および単量体の割合(%)を有したが、付加処理無しで作製した複合体では薬品取込が非常に低くなった。下記の表を参照のこと。
【表14】
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【0322】
実施例14
ヒト化抗体−BMPS−1f複合体の調製
50mM HEPES(4‐(2‐ヒドロキシエチル)‐1‐ピペラジンエタンスルホン酸)(pH8.5)緩衝液および15%(体積/体積)DMA(N,N‐ジメチルアセトアミド)共溶媒中に2.0mg/mLのhuMy9−6抗体と5モル当量の(5倍過剰な90:10のDMA:水混液中の亜硫酸水素ナトリウムを使用して調製した)12を含有する反応物を25℃で6時間反応させた。反応後、NAP脱塩カラム(IllustraセファデックスG‐25DNAグレード、GE Healthcare)を使用して複合体を精製し、そして、緩衝液を250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%ショ糖、0.01%ツイーン、50μM亜硫酸水素ナトリウム製剤緩衝液に交換した。Slide‐a‐Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000MWCO)を利用して、同じ緩衝液中、室温で4時間透析を行った。精製した複合体が2.8のDAR(1fについてε330nm=15,484cm−1−1およびε280nm=30,115cm−1−1、ならびにMy9−6抗体についてε280nm=146,000cm−1−1のモル吸光係数を用いる紫外‐可視分光法による)、91.7%の単量体の割合(サイズ排除クロマトグラフィーによる)、1%未満の非複合体化遊離薬品化合物(アセトン抽出/逆相HPLCによる)、および1.2mg/mLの最終タンパク質濃度を有することが分かった。
【0323】
実施例7に記載される一般的方法に従って抗体−BMPS−1f複合体のインビトロ効力を測定したが、図34および35にそのデータが示されている。抗体−BMPS−1f複合体は抗体−SPDB−1f複合体と同等の効力を有する。
【0324】
実施例15
KB腫瘍担持ヌードマウスにおけるhuFOLR1−SPDB−1f複合体のインビボ効力:
この研究では、ヒト子宮頚部癌モデルであるKB腫瘍担持メスヌードマウスでhuFOLR1−SPDB−1fの抗腫瘍活性を調査した。6週齢のメス無胸腺ヌードマウスの右肩の領域にマウス当たり1×10細胞のKB細胞をマウス当たり0.1mLの体積で皮下接種した。腫瘍細胞の接種から6日後にマウスを腫瘍体積によって複数の群に無作為に割り当てた(1群当たりn=6)。無作為化の翌日に処理を開始し、そして、群はPBS(200μL/注射)を投与された対照群または様々な用量のhuFOLR1−SPDB−1f(20〜200μg/kg)での単回処理を包含した(50μg/kgの結合型薬品の用量は2.8mg/kgの抗体の用量に対応した)。全ての処理が十分に忍容され、試験群のいずれにおいても体重喪失が見られなかった。時間に対する平均腫瘍体積が示されているが(図37)、そのデータはhuFOLR1−SPDB−1f複合体の用量依存的抗腫瘍活性を示す。最小有効用量は50μg/kg未満と推定されたが、それは最大忍
容用量よりも約14倍低い。
【0325】
MOLM−13腫瘍担持マウスでのhuMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1f(図50);NB4腫瘍担持マウスでのhuMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1f(図51);HL60/QC腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−BMPS−1f(図52);MOLM−13腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−BMPS−1f(図53);HL60/QC腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−薬品2(図56);およびMOLM−13腫瘍担持マウスでのhuMy9−6−薬品2(図57)を含む、様々な他の癌モデルに対して本発明の他の複合体を使用して同様のインビボの結果が得られてもいる。図53、54、56および57では、亜硫酸水素ナトリウムの存在下で複合体が調製されたことに留意のこと。
【0326】
イミン反応性基を使用して、または使用せずに調製した対象複合体のインビボ効力を比較するために、50μMの亜硫酸水素ナトリウムを使用して、または使用せずにhuMy9−6−薬品2を製剤し、そして、HL60−QC腫瘍移植片を担持するマウスを処理するためにその複合体を使用した。下のデータは、50μMの亜硫酸水素ナトリウムを使用して、または使用せずに製剤した複合体は約20μg/kgの薬品用量で同等のT/C%を示したことを示しており、このことは、亜硫酸水素ナトリウムの複合体の調製ステップへの包含が対象複合体のインビボ効力に負の影響を与えないことを示している。
【表15】
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【0327】
実施例16
【化106】
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化合物27b:
(5‐((2‐メルカプト‐2‐メチルプロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール:(5‐(メルカプトメチル)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(0.163g、0.885mmol)を小バイアル瓶中のメタノール(3mL)に溶解し、そして、撹拌子を加えた。この溶液にトリエチルアミン(0.016mL、0.118mmol)、続いて2,2‐ジメチルチイラン(0.058mL、0.590mmol)を添加し、そして、結果産生した混合物に封をして、室温で一晩(16時間)撹拌した。その後、反応物を濃縮し、ジクロロメタンに再溶解し、シリカPTLCプレート(1000ミクロン)に負荷し、そして、ジクロロメタン中の10%メタノール溶液を用いてプレートを展開した。生成物に対応するバンドをかき取り、無水の酢酸エチルを使用して濾過し、そして、濃縮して(5‐((2‐メルカプト‐2‐メチルプロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ジメタノールを産生した(0.095g、0.349mmol、収率59.1%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 7.26 (s, 3H), 4.69 (s, 4H), 3.82 (s, 2H
), 2.74 (s, 2H), 2.17 (s, 1H), 2.12 (br s, 2H), 1.43 (s, 6H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ 141.6, 138.9, 126.7, 124.3, 65.0, 49.0, 45.4, 38.4, 31.5; MS (m/z), 予測値: 272.4, 実測値 295.0 (M+Na). 図30を参照のこと。
【0328】
【化107】
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化合物27c:
(5‐((2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール:エタノール(5mL)と1.0Mのリン酸カリウム緩衝液(pH7)(5.00mL)に(5‐((2‐メルカプト‐2‐メチルプロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(0.120g、0.440mmol)を溶解し、そして、氷浴中でそれを冷却した(沈殿が形成されるがそれを無視した)。S‐メチルメタンスルホノチオエート(0.083mL、0.881mmol)を添加し、そして、室温まで徐々に(30分にわたって)温めつつ混合物を一晩撹拌した。反応物をジクロロメタンで希釈し、そして、有機層を取り出し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして、減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、そして、500ミクロンのPTLCプレートに負荷し、そして、ヘキサン中の66%酢酸エチル溶液で展開した。生成物に対応するバンドを削り取り、酢酸エチルを使用して濾過し、そして、濃縮して(5‐((2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ジメタノールを産生した(0.091g、0.286mmol、収率64.9%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 7.27 (s, 3H), 4.71 (s, 4H), 3.78 (s, 2H), 2.77 (s, 2H), 2.41 (s, 3H), 1.94 (br s, 2H), 1.38 (s, 6H); 13C NMR (400 Hz,
CDCl3): δ 141.6, 139.0, 126.7, 124.2, 65.0, 51.8, 44.0, 38.2, 26.7, 25.3; MS (m/z), 予測値: 341.5, 実測値 341.1 (M+Na). 図30を参照のこと。
【0329】
【化108】
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化合物27d:
無水ジクロロメタン(1.75mL)中の(5‐((2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(80mg、0.251mmol)をブライン/氷浴中で−5℃まで冷却した。トリエチルアミン(105μL、0.753mmol)、続いてメタンスルホニルクロリド(50.7μL、0.653mmol)を−5℃で添加した。反応物を−5℃で1時間撹拌し、その後、冷酢酸エチルで希釈し、そして、氷を添加した。混合物を分液漏斗に移し、冷酢酸エチルを使用して抽出した。有機抽出物を氷冷水で洗浄し、その後、無水の硫酸マグネシウムと硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。結果産生した(5‐((2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ビス(メチレン)ジメタンスルホン酸をさらに精製することなく使用した。
【0330】
無水N,N‐ジメチルホルムアミド(1.75mL)中のIBD単量体(177mg、0.602mmol)を(5‐((2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピルチオ)メチル)‐1,3‐フェニレン)ビス(メチレン)ジメタンスルホン酸(119mg、0.251mmol)に外界温度で添加した。炭酸カリウム(173mg、1.253mmol)を添加し、そして、反応物を外界温度で20時間撹拌させた。反応混合物を水で反応停止処理し、そして、ジクロロメタンで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、高減圧下で濃縮した。粗生成物フラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(無水DCMa2%MeOH/DCM混液)で
精製した。生成物を含有する画分を混合し、濃縮し、そして、半分取RP−HPLC(C18、A=脱イオン水、B=ACN、20mL/分)で精製した。所望の生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、濃縮して所望の生成物を産生した(46mg、21%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.19 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.77 (m, d, J = 4.4 Hz, 2H), 7.50 (s, 2H), 7.34 (s, 1H), 7.31 (s, 2H), 7.19 (m, 4H), 7.03 (t, J = 7.2, 7.6 Hz, 2H), 6.77 (s, 2H),
5.14 (m, 4H), 4.40 (m, 2H), 3.91 (s, 6H), 3.70 (m, 2H), 3.63 (m, 2H), 3.41 (m, 2H), 2.65 (s, 2H), 2.29 (s, 3H), 1.26 (s, 6H). MS (m/z), 計算値 893.2 (M+Na)+; 実測値 893.2 (M + Na)+, 911.2 (M + H2O + Na)+,929.2 (M + 2H2O + Na)+, 945.1 (M +
2H2O + K)+. 図30を参照のこと。
【0331】
【化109】
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化合物27eおよび27f:
無水ジクロロメタン(225μL)とエタノール(450μL)中の化合物27d(50mg、0.057mmol)の冷却溶液(0℃)に水素化ホウ素ナトリウム(0.651mg、0.017mmol)を添加した。反応物を0℃で5分間撹拌し、その後、外界温度で2.5時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をし、そして、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、セライトで濾過し、そして、濃縮した。粗生成物を半分取RP−HPLC(C18、A=脱イオン水、B=ACN、20mL/分)で精製した。所望の生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、濃縮してモノ還元アミン27e(11mg、22%):MS (m/z), 計算値 895.3 (M+Na)+ 実測値 895.2 (M + Na)+,913.2 (M + H2O + Na)+, 929.2 (M + H2O + K)+ 、および二還元型アミン27f(5mg、10%):MS (m/z), 計算値 897.3 (M+Na)+, 実測値 897.3 (M + Na)+を産生した。図30を参照のこと。
【0332】
【化110】
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化合物27g:
メタノール(733μL)とアセトニトリル(880μL)中の化合物27e(10mg、0.011mmol)の撹拌溶液に緩衝液6.5(147μL)中のトリス(2‐カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(9.85mg、0.034mmol)を添加した。
混合物を外界温度で3時間撹拌した。反応物をジクロロメタンで希釈した。水を添加し、そして、層を分離した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮して化合物27gを産生した(9mg、95%)。MS (m/z), 計算値 849.3 (M+Na)+; 実測値 849.2 (M + Na)+,867.2 (M + K)+. 図30を参照のこと。
【0333】
【化111】
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化合物27h:
無水ジクロロメタン(0.4mL)中の化合物27g(9mg、10.88μmol)と2,5‐ジオキソピロリジン‐1‐イル4‐(ピリジン‐2‐イルジスルファニル)ブタノエート(9.3mg、0.023mmol)の撹拌溶液に無水ジイソプロピルエチルアミン(9μl、0.054mmol)を添加し、そして、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で反応停止処理し、そして、ジクロロメタンで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして、減圧下で濃縮した。残渣を分取逆相HPLC(C18カラム、CHCN/HO混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、ジクロロメタンで抽出し、そして、蒸発させて化合物27hを産生した(5mg、44%)。MS (m/z), 計算値 1064.3 (M + Na)+; 実測値 1064.1 (M + Na)+, 1082.1 (M + H2O + Na)+,1098.1 (M + H2O + K)+. 図30を参照のこと
【0334】
実施例17
【化112】
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化合物28b:
無水ジクロロメタン(1.7mL)中に(5‐(メチル(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アミノ)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(52mg、0.172mmol)を溶解し、そして、アセトン/氷浴中で−5まで冷却した。まず、トリエチルアミン(0.120mL、0.862mmol)、続いてメタンスルホニルクロリド(0.040mL、0.517mmol)を添加した。アセトン/氷浴中で混合物を1時間撹拌した。その後、反応物を冷酢酸エチルで希釈し、そして、冷水で3回洗浄し、その後、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。ジメシレートを濾過し、減圧下で濃縮し、そして、完全に乾燥するまで高減圧下に置いた。生成物を次のステップに直接使用した。
【0335】
無水N,N‐ジメチルホルムアミド(1.5mL)中のIBD単量体(115mg、0.39mmol)を外界温度で(5‐(メチル(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アミノ)‐1,3‐フェニレン)ビス(メチレン)ジメタンスルホン酸(72mg、0.156mmol)に添加した。炭酸カリウム(108mg、0.780mmol)を添加し、そして、反応物を外界温度で20時間撹拌させた。撹拌しながら混合物に水(10mL)を直接添加した結果、白色の沈殿物が形成した。混合物を濾過し、そ
して、固形物を水でさらに複数回洗浄した。その後、固形物をジクロロメタンに溶解し、水で抽出し、その後、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮して化合物28bを産生した(104mg、78%)。さらに処理することなくその化合物を次のステップに使用した。MS (m/z), 実測値 912.1 (M + 2H2O + Na). 図3
1を参照のこと。
【0336】
【化113】
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化合物28cおよび28d:
ジクロロメタン(0.4mL)とエタノール(0.8mL)の無水混合物に化合物28b(55mg、0.064mmol)を溶解し、そして、氷浴中で0℃まで冷却した。その後、エタノール(100μl)中に溶解した水素化ホウ素ナトリウム(0.731mg、0.019mmol)溶液を添加し、そして、混合物を5分間撹拌し、そして、氷浴を取り外した。反応物を2時間撹拌させ、飽和塩化アンモニウムとジクロロメタンを添加することにより低温で反応の停止処理をし、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。残渣を半分取RP−HPLC(C18、A=脱イオン水、B=ACN、20mL/分)で精製した。所望の生成物を含有する画分をジクロロメタンで抽出し、そして、濃縮してモノ‐イミン28c(19mg、32%):MS (m/z), 予測値: 855.1, 実測値: 896.2 (M + H2O + Na) 、およびジ‐還元アミン28d(22mg、38%):MS (m/z), 予測値: 857.1, 実測値: 880.2 (M + Na)+を産生した。図31を参照のこと。
【0337】
実施例18
【化114】
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化合物29bおよび29c:
ジクロロメタン(0.25mL)とエタノール(0.5mL)の無水混合物に化合物29a(60mg、0.043mmol)を溶解し、そして、氷浴中で0℃まで冷却した。その後、エタノール(50μl)中に溶解した水素化ホウ素ナトリウム(0.493mg、0.013mmol)溶液を添加し、そして、混合物を5分間撹拌し、そして、氷浴を取り外した。反応物を3時間撹拌させ、飽和塩化アンモニウムとジクロロメタンを添加することにより低温で反応の停止処理をし、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。残渣を半分取RP−HPLC(C18、A=脱イオン水、B=ACN、20mL/分)で精製した。所望の生成物を含有する画分をジクロロメタンで抽出し、そして、濃縮してモノ‐イミン29b(20mg、33%):MS (m/z), 予測値: 715.7, 実測値: 715.2 (M + Na)+, 733.2 (M
+ H2O + Na)+, 749.2 (M + H2O + K)+ 、およびジ‐還元アミン29c(12mg、20%):MS (m/z), 予測値: 694.7, 実測値: 717.2 (M + Na)+を産生した。図32を参照のこと。
【0338】
実施例19
【化115】
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化合物30a:
アセトン(30mL)に(5‐((2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アミノ)‐1,3‐フェニレン)ビス(メチレン)ジメタンスルホン酸(0.566g、0.960mmol)を溶解し、そして、アセトン(2mL)に溶解したヨウ化ナトリウム(0.544g、3.63mmol)の溶液を激しく撹拌しながら添加した。反応をTLC(ヘキサン中の50%酢酸エチル溶液)でモニターし、2時間後に反応物を濾過し、減圧下で濃縮し、そして、ジクロロメタンを残留物に添加した。後に残った固形の塩を濾過し、濾液を濃縮し、そして、酢酸エチル:ヘキサン:ジクロロメタンの3:5:2混合物を使用して、結果生じた残渣をシリカゲルで精製して3、5‐ビス(ヨードメチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)‐N‐(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アニリンを黄色の油として産生した(0.505g、0.773mmol、収率74.5%)。 1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 6.75 (s, 2H), 6.73 (s, 1H), 4.38
(s, 4H), 3.63 (m, 14H), 3.40 (s, 3H), 2.50 (s, 3H), 1.38 (s, 6H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ 148.7, 140.3, 117.3, 113.4, 71.9, 70.7, 70.6, 67.2, 59.8, 59.1, 53.5, 53.4, 51.8, 26.5, 25.6, 6.11; MS (m/z), 計算値 676.0 (M + Na)+; 実測値 675.8 (M + Na)+. 図33を参照のこと。
【0339】
【化116】
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化合物30b:
小バイアル瓶中のアセトン(4ml)にIBD単量体(0.060g、0.204mmol)を溶解し、撹拌子を加え、続いて3,5‐ビス(ヨードメチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)‐N‐(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アニリン(0.167g、0.255mmol)と炭酸カリウム(0.070g、0.510mmol)を添加した。バイアル瓶に蓋をし、そして、室温で一晩撹拌した。固形物を濾過により除去し、そして、濾液を濃縮した。残渣をジクロロメタンに溶解し、水で抽出し、そして、有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮して108mgの粗生成物を産生した。シリカゲルで粗生成物を精製したが、ジ‐ヨード出発物質を除去するために30%酢酸エチルを使用し、続いてジクロロメタン中の10%メタノールを使用して所望の生成物30bを産生した(21mg、0.026mmol、13%)。MS (m/z), 予測値: 819.1, 実測値: 858.0 (M + K)+,
890.0 (M + CH3OH + K)+. 図33を参照のこと。
【0340】
化合物1d:
小バイアル瓶中のアセトン(2ml)に還元型単量体3b(4.16mg、0.014mmol)を溶解し、撹拌子を加え、続いて30b(10mg、0.012mmol)と炭酸カリウム(4.21mg、0.030mmol)を添加した。バイアル瓶に封をし、そして、室温で一晩撹拌した。反応物を濃縮してアセトンを除去し、その後、ジクロロメ
タンに再溶解し、水で抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。残渣を逆相C18 HPLCで精製して1d(2.1mg、2.125μmol、収率17.42%)を得た。MS (m/z): 実測値1010.4 (M + Na)+, 1028.4 (M + H2O + Na)+. 図33を参照のこと。
【0341】
実施例20 化合物1の合成
【化117】
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化合物1:
イソプロピルアルコール(IPA)(20mL)と脱イオン水(10mL)中の化合物1f(226mg、0.24mmol)の撹拌懸濁液に亜硫酸水素ナトリウム(50mg、0.48mmol)を添加した。混合物を室温で2時間激しく撹拌した。ドライアイス/アセトンを使用してそれを凍結し、そして、凍結乾燥した。得られた白色のふわふわした固形物をCHCN/HO混液に溶解し、そして、逆相HPLC(C18カラム、CHCN/HO混液)で精製した。所望の生成物を含有する画分を混合し、そして、ドライアイス/アセトンを使用して凍結し、そして、凍結乾燥して白色のふわふわした固形物として所望の化合物1を産生した(179.6mg、5=71.6%)。MS (m/z): 実測値 1022.0 (M - H)-. 図38を参照のこと。
【0342】
実施例21 化合物9cの合成
【化118】
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化合物9c:
CHCN(3mL)中の化合物1c(60mg、0.061mmol)の撹拌溶液に新しく調製したTCEP溶液(49mg、0.17mmolのTCEP塩酸塩を飽和炭酸水素ナトリウムでpH約6.5まで中和し、その後、0.5mLのリン酸緩衝液(pH6.5)で希釈した)を室温で添加した。MeOH(2.5mL)を添加し、そして、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンと脱イオン水で希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、そして、濾過した。濾液を取り除き、そして、高真空下で薄黄色がかった泡として60mgの化合物1hを産生した。MS (m/z): 実測値 940.1 (M + H)+. それをメタノール(1.0mL)とCH
CN(1.4mL)に溶解し、続いてヨード酢酸(24mg、0.13mmol)、脱イオン水(0.1mL)および炭酸カリウム(27mg、0.19mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した(LCMSでモニターした)。それを飽和塩化アンモニウムで溶液を酸性にして反応停止処理をし、その後、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、ブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、そして、取り除いて化合物9cを産生した(57.8mg、収率=91%)。それをさらに精製することなく次のステップに直接使用した。MS (m/z): 実測値 998.1 (M + H)+. 図12Aを参照のこと。
【0343】
【化119】
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化合物9a:
無水ジクロロメタン(0.2mL)と無水エタノール(0.6mL)中の化合物9c(57.8mg、0.058mmol)の撹拌溶液にNaBH(2.5mg、0.066mmol)を0℃で添加した。氷浴を取り外し、そして、混合物を室温で3時間撹拌し、その後、飽和塩化アンモニウムで反応停止処理し、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、そして、セライトで濾過し、そして、取り除いた。残渣を逆相HPLC(C18カラム、CHCN/HO混液)で精製した。生成物画分をジクロロメタンで抽出し、そして、それを取り除いて化合物9aを産生した(13.0mg、収率=22%)。MS (m/z): 実測値 1000.0 (M + H)+, 1015.9 (M + H2O - H)-. 図12Aを参照のこと。
【0344】
【化120】
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化合物9a:
メタノール(1.0mL)とCHCN(1.4mL)中の遊離チオール1f(45mg、0.048mmol)とヨード酢酸(18mg、0.096mmol)の溶液に脱イオン水(0.1mL)と炭酸カリウム(20mg、0.14mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した(LCMSでモニターした)。飽和塩化アンモニウムで溶液を酸性にして反応の停止処理をし、その後、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、ブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、そして、それを取り除いた。残渣を分取逆相HPLC(C18、CHCN/HO混液)で精製した。純粋な生成物の画分(MSに基づく)をジクロロメタンで抽出し、それを取り除いて所望の酸9aを産生した(18mg、収率=38%)。MS (m/z): 実測値 1000.1 (M + H)+. 図12Bを参照
のこと。
【0345】
実施例22 化合物1dの合成
【化121】
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化合物1d:
無水ジクロロメタン(1.2mL)と無水エタノールまたは無水メタノール(0.1mL)中の化合物1c(178mg、0.18mmol)の撹拌溶液に5‐エチル‐2‐メチルピリジンボラン(PEMB、0.017mL、0.11mmol)を滴下しながら添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、そして、88%ギ酸で反応停止処理をした。飽和
NaHCOでそれを塩基性にし、そして、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、そして、セライトで濾過し、そして、それを取り除いた。残渣をCHCN/HO/88%HCOOH(5:1:0.05)混液に溶解し、そして、逆相HPLC(C18、CHCN/HO混液)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をジクロロメタンで抽出し、そして、それを取り除いて化合物1dを産生した(56mg、収率=31%)。MS (m/z): 実測値 988.1 (M + H)+. 図39を参照のこと。
【0346】
【化122】
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化合物1d:
無水1,2‐ジクロロエタン(0.8mL)中の化合物1c(71mg、0.072mmol)の撹拌溶液にナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(14mg、0.65mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌し、そして、飽和NaHCOで反応停止処理をし、そして、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、そして、セライトで濾過し、そして、それを取り除いた。残渣をCHCN/HO/88%HCOOH(5:1:0.05)混液に溶解し、そして、逆相HPLC(C18、CHCN/HO混液)で精製した。純粋な生成物を含有する画分をジクロロメタンで抽出し、そして、それを取り除いて化合物1dを産生した(17mg、収率=24%)。MS (m/z): 実測値 988.1 (M + H)+.未反応の出発物質1cも回収した(24mg、収率=34%)。図40を参照のこと。
【0347】
実施例23 化合物31cの合成
【化123】
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化合物31a:
メタノール(1.0mL)とCHCN(1.0mL)中の化合物1f(57.8mg、0.061mmol)と4‐ブロモ酪酸メチル(22mg、0.12mmol)の溶液に脱イオン水(0.1mL)と炭酸カリウム(17mg、0.12mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、飽和塩化アンモニウムで反応停止処理をし、そして、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、ブラインで洗浄した、無水NaSO上で乾燥し、濾過し、そして、それを取り除いた。残渣を分取逆相HPLC(C18、CHCN/HO混液)で精製して黄色がかった泡として所望の生成物31aを産生した(14mg、収率=22%)。MS (m/z): 実測値 1042.1 (M + H)+. 図41を参照のこ
と。
【0348】
【化124】
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化合物31b:
無水1,2‐ジクロロエタン(1.5mL)中のメチルエステル31a(14mg、0.013mmol)の溶液に水酸化トリメチルスズ(36mg、0.2mmol)を添加した。混合物を80℃の油浴中で一晩、出発物質が完全に消費されるまで撹拌した。それを室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、ブライン/数滴の5%塩酸およびブラインで洗浄し、乾燥し、そして、濾過した。濾液を取り除き、そして、それをシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/MeOH)で精製して黄色がかった固形物として酸31bを産生した(10.2mg、収率=74%)。MS (m/z): 実測値 1028.2 (M + H)+, 1044.1 (M + H2O -H)-. 図41を参照のこと。
【0349】
【化125】
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化合物31c:
無水ジクロロメタン(0.5mL)中の酸31b(10.2mg、0.0099mmol)の溶液にN‐ヒドロキシスクシンイミド(3.4mg、0.03mmol)とPL−DCC(26mg、0.04mmol、1.55mmol/g)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、そして、濾過して樹脂を取り除いた。樹脂をジクロロメタンと次に酢酸エチルで洗浄した。濾液を取り除き、そして、残渣を逆相HPLC(C18、CHCN/HO混液)で精製した。生成物を含有する画分を混合し、そして、凍結乾燥して白色の固形物としてNHSエステル31cを産生した(3.6mg、収率=32%)。MS (m/z): 実測値 1125.1 (M + H)+. 図41を参照のこと。
【0350】
実施例24 化合物32cの合成
【化126】
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化合物32a:
無水テトラヒドロフラン(4.0mL)中のアニリン1a(339mg、1.1mmol)の撹拌溶液にBoc無水物(272mg、1.2mmol)を添加した。混合物を室温で3日間撹拌し続けた。反応混合物を減圧下で濃縮し、そして、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/MeOH混液)で精製して無色の油として化合物32aを産生した(405mg、収率=90%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 7.00 (s, 2H),
6.97 (s, 1H), 4.38 (s, 4H), 4.12 (s, 2h), 3.64 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 3.48-3.44 (m, 8H), 3.40-3.38 (m, 2H), 3.21 (s, 3H), 1.31 (s, 9H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ 154.65, 142.3, 142.1, 124.1, 122.7, 80.2, 71.6, 70.3, 70.1, 69.9, 68.5, 63.9,
58.65, 49.4, 28.1. 図42を参照のこと。
【0351】
【化127】
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化合物32b:
無水ジクロロメタン中の化合物32a(51mg、0.128mmol)の撹拌溶液にトリエチルアミン(0.053mL、0.383mmol)を−5〜−10℃で添加した。その後、注射筒を使用して塩化メタンスルホニル(0.026mL、0.332mmol)をゆっくりと15分間で添加した。混合物を−5〜−10℃で1時間撹拌した(TLC、DCM/MeOH(10:1)混液)。反応を氷/水で停止処理をし、冷AcOEtで希釈し、分離し、そして、有機層を冷水で洗浄し、無水NaSO/MgSO上で乾燥し、濾過し、そして、それを取り除いた。ジクロロメタンを含む小反応フラスコに残渣を移し、それを取り除き、そして、強く吸引した。それを無水DMF(0.8mL)に溶解し、続いてIBD単量体(90mg、0.31mmol)とカリウム(53mg、0.38mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。それをジクロロメタンで希釈し、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、それを取り除いた。残渣を逆相HPLC(C18、CHCN/HO混液)で精製して黄色がかった固形物として化合物32bを産生した(56mg、46%)。%). 1H NMR (400 Hz,
CDCl3): δ 8.29 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.87 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 7.60 (s, 2H), 7.38-7.36 (m, 3H), 7.33-7.27 (m, 4H), 7.13 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 6.88 (s, 2H), 5.21
(dd, J1 = 20.0 Hz, J2 = 12.4 Hz, 4H), 4.49 (dt, J1= 11.2 Hz, J2 = 4.0 Hz, 2H), 3.99 (s, 6H), 3.83 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 3.76-3.48 (m, 14H), 3.35 (s, 3H), 1.43 (s, 9H); MS (m/z): 実測値 992.2 (M + H2O + Na)+, 1010.2 (M + 2H2O + Na)+. 図42を参照のこと。
【0352】
【化128】
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化合物32c:
無水ジクロロメタン(0.3mL)と無水エタノール(0.9mL)中の化合物32b(56mg、0.059mmol)の撹拌溶液にNaBH(2.7mg、0.07mmol)を0℃で添加した。氷浴を取り外し、そして、混合物を室温で3時間撹拌し、その後、飽和塩化アンモニウムで反応の停止処理をし、ジクロロメタンで希釈し、分離し、そして、有機層をブラインで洗浄し、無水NaSO上で乾燥し、そして、セライトで濾過し、そして、それを取り除いた。残渣を逆相HPLC(C18カラム、CHCN/HO混液)で精製した。回収された出発物質32bは重量が12mgであり、それを再度還元条件に供し、そして、逆相HPLCで精製した。純粋な生成物を含有する全ての画分をジクロロメタンで抽出し、そして、それを取り除いて薄黄色がかった固形物として化合物32cを産生した(20.7mg、収率=37%)。MS (m/z): 実測値 954.2 (M + H)+. 図42を参照のこと。
【0353】
実施例25
メスCD−1マウスでhuMy9−6複合体の忍容性を調査した。試験開始前の7日間動物を観察してそれらに疾患または病気が無いことが分かった。複合体をマウスに単回静脈内注射によって投与し、そして、体重喪失、罹患率または死亡率についてその動物を毎日モニターした。表10は、300μg/kg未満の用量でhuMy9−6−SPDB−1cジ−イミンジスルフィド含有複合体が忍容されたことを示す。対照的に、モノ‐イミンジスルフィド複合体huMy9−6−SPDB−1fとhuMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1fは、それぞれ、729μg/kg超および750μg/kg未満の最大忍容用量でより十分に忍容されることが分かった。
【表16】
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【表17】
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【表18】
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【表19】
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【0354】
実施例26
【化129】
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化合物33b:
化合物33a(20g、77mmol)を無水ジクロロメタン(100mL)中に濃い懸濁液として添加し、そして、0℃まで冷却した。酢酸(191mL)を添加し、透明な溶液がもたらされ、それを冷却するまで0℃で撹拌した。滴下漏斗を介して硝酸(26mL、581mmol)を滴下しながらゆっくりと添加した。氷浴を取り外し、そして、溶液を室温で撹拌し続けた。3時間後、反応物を脱イオン水で希釈し、そして、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして、濾液を減圧下で濃縮した。酢酸エチルとヘキサンを使用して粗残渣を再結晶化した。固形物を濾過し、そして、ヘキサンで洗浄して黄色のふわふわした固形物として化合物33bを産生した(13.8g、収率=59%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 7.48-7.43 (m, 6H), 7.25 (s, 1H), 5.25 (s, 2H), 4.02 (s, 3H), MS (m/z): 326.1 (M + Na)+. 図45を参照のこと。
【0355】
実施例27
【化130】
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3,5‐ビス(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)アニリン:
DMF(96ml)中の(5‐アミノ‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(11.78g、77mmol)、2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル4‐メチルベンゼンスルホン酸(15.3g、48.1mmol)と炭酸カリウム(13.28g、96mmol)の混合物を20時間還流した。反応物を外界温度まで冷却し、そして、ジクロロメタンで希釈した。混合物をセライトで濾過し、そして、減圧下で濃縮した。結果生じたオレンジ色の油をジクロロメタン(240ml)に溶解し、そして、t‐ブチルジメチルシリルクロリド(18.09g、120mmol)とイミダゾール(9.80g、144mmol)を添加した。反応物を外界温度で20時間撹拌し、その時点でそれをジクロロメタンで希釈し、そして、セライトで濾過した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/Hex混液)による精製によって3,5‐ビス(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)アニリンが産生した(13g、52%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ6.52 (s, 1H), 6.40 (s, 2H), 4.56 (s, 4H), 3.60 (t, 2H, J = 5.2 Hz), 3.56 (m, 6H), 3.46
(m, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.20 (t, 2H, J = 5.2 Hz), 0.84 (s, 18H), 0.00 (s, 12H).
MS (m/z): 実測値 550.1 (M + Na)+. 図46を参照のこと。
【0356】
【化131】
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3,5‐ビス(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)‐N‐(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アニリン:
無水1,2‐ジクロロエタン(50ml)中の3,5‐ビス(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)アニリン(6.7g、12.69mmol)の溶液に2‐(メチルジチオ)イソブチルアルデヒド(2.74ml、19.04mmol)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(2.8g、1当量)、塩化亜鉛(II)(0.865g、6.35mmol)および硫酸マグネシウム(2.292g、19.04mmol)を添加した。混合物を外界温度で5時間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(2.8g、1当量)を添加した。反応物を外界温度で20時間撹拌し続けた。混合物をセライトで濾過し、ジクロロメタンですすぎ、そして、減圧下で濃縮し、その後、酢酸エチルと水で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして、コンビフラッシュ(EtOAc/Hex混液)で精製して3,5‐ビス(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)‐N‐(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アニリンを産生した(3.5g、40%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 6.73 (s, 2H), 6.59 (s, 1H), 4.56 (s, 4H), 3.65-3.51 (m, 14H), 3.30 (s, 3H), 2.38 (s, 3H), 1.28 (s, 6H), 0.84 (s, 18H), 0.00 (s, 12H). MS (m/z): 実測値 684.2 (M + Na)+.
図46を参照のこと。
【0357】
【化132】
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(5‐((2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アミノ)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(1b):
無水THF(65ml)中の3,5‐ビス(((tert‐ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)‐N‐(2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)‐N‐(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アニリン(3.5g、5.29mmol)の撹拌溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(THF中の1M)(10.57ml、10.57mmol)を氷浴中0℃で滴下しながら添加した。添加に続けて混合物を外界温度で2時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウムで反応停止処理をし、そして、酢酸エチルで抽出した。抽出物を水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM混液)による精製によって(5‐((2‐(2‐(2‐メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピル)アミノ)‐1,3‐フェニレン)ジメタノールが産生した(2g、87%)。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 6.76 (s, 2H), 6.63 (s, 1H), 4.55 (s, 4H), 3.65-3.51 (m, 14H), 3.35 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 1.33 (s, 6H); 13C NMR (400 Hz, CDCl3): δ 149.0, 142.35, 114.0, 111.1, 71.98, 70.7, 70.6, 70.5, 67.6, 65.5, 59.75, 59.1, 53.9, 51.9, 26.6, 25.7, 20.75;
MS (m/z): 実測値 456.2 (M + Na)+. 図46を参照のこと。
【0358】
実施例28
【化133】
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(5‐(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピルアミノ)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール:
無水エタノール(82ml)中で完全に溶解するまで(3時間)、(5‐アミノ‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(2.5g、16.32mmol)と2‐(メチルジチオ)イソブチルアルデヒド(2.347ml、16.32mmol)を外界温度で撹拌した。氷浴中で混合物を0℃まで冷却し、そして、水素化ホウ素ナトリウム(0.741g、19.59mmol)を添加した。反応物を0℃で1時間撹拌し、その後、冷5%塩酸溶液を使用してゆっくりと反応停止処理をした。混合物をジクロロメタンで希釈し、そして、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を使用してpHをpH=8に調節し、その後、ジクロロメタンで抽出し、次にブラインで洗浄した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、そして、減圧下で濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/DCM混液)による精製によって白色の固形物として(5‐(2‐メチル‐2‐(メチルジスルファニル)プロピルアミノ)‐1,3‐フェニレン)ジメタノール(3g、65%)が産生した。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ6.62 (s, 1H), 6.54 (s, 2H), 4.53 (s, 4H), 3.13
(s, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.32 (s, 6H). 図47を参照のこと。
【0359】
実施例29
【化134】
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tert‐ブチル9‐ヒドロキシ‐8‐メトキシ‐6‐オキソ‐12a,13‐ジヒドロ‐6H‐ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2‐a]インドール‐11(12H)‐カルボキシレート:
メタノール(5.06ml)中の9‐ヒドロキシ‐8‐メトキシ‐11,12,12a,13‐テトラヒドロ‐6H‐ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2‐a]インドール‐6‐オン3b(0.3g、1.012mmol)の溶液に二炭酸ジ‐tert‐ブチル(0.265g、1.215mmol)、トリエチルアミン(0.212ml、1.519mmol)およびDMAP(6.18mg、0.051mmol)を添加した。外界温度での撹拌の5時間後に反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタンに再溶解し、そして、セライトで濾過した。シリカゲルクロマトグラフィー(20%EtOAc/DCM混液)による精製によって白色の固形物としてtert‐ブチル9‐ヒドロキシ‐8‐メトキシ‐6‐オキソ‐12a,13‐ジヒドロ‐6H‐ベンゾ[5,6][1,4]ジアゼピノ[1,2‐a]インドール‐11(12H)‐カルボキシレート(0.21g、52%)が産生した。1H NMR (400 Hz, CDCl3): δ 8.25 (d, J = 8.0Hz, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.18 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 7.2Hz, 1H), 6.98 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.39 ( s, 1H), 4.37 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.42 (m, 3H), 2.74 (dd, J = 3.6, 16.4 Hz, 1H), 1.47 (s, 9H). 図48を参照のこと。
【0360】
実施例30
【化135】
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50mM HEPES(4‐(2‐ヒドロキシエチル)‐1‐ピペラジンエタンスルホン酸)(pH8.5)緩衝液および10%(体積/体積)DMA(N、N‐ジメチルアセトアミド)共溶媒中に2.0mg/mLのhuMy9−6抗体と5モル当量の(5倍過剰な90:10のDMA:水混液中の亜硫酸水素ナトリウムを使用して調製した)化合物31cを含有する反応物を25℃で6時間複合体化させた。反応後、NAP脱塩カラム(IllustraセファデックスG‐25DNAグレード、GE Healthcare)を使用して複合体を精製し、そして、緩衝液を250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%ショ糖、0.01%ツイーン20、50μM亜硫酸水素ナトリウム製剤緩衝液(pH6.2)に交換した。Slide‐a‐Lyzer透析カセット(ThermoScientific 20,000MWCO)を利用して、同じ緩衝液中、室温で4時間透析
を行った。
【0361】
精製した複合体は抗体当たり平均3.1のIGN分子(化合物1についてε330nm=15,484cm−1−1およびε280nm=30,115cm−1−1のモル吸光係数、ならびにMy9−6抗体についてε280nm=207,000cm−1−1のモル吸光係数を用いる紫外‐可視分光法による)、98%の単量体の割合(サイズ排除クロマトグラフィーによる)、0.2%未満の非複合体化薬品(二重カラム逆相HPLC分析による)、および0.4mg/mlのタンパク質濃度を有することが分かった。
【0362】
二つの異なる薬品負荷で31cを有するhuMy9−6の複合体についてのインビトロ効力の測定値が下に示された。両方の複合体が1.3〜1.8pMの間のIC50値で抗原陽性HL60−QC細胞に対して高い効力を有した。1μMの非複合体化huMy9−6での抗原のブロッキングにより効力が有意に減少したが、これは細胞傷害性効果の抗原特異性を示している。
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
実施例31
腫瘍担持ヌードマウスでの様々な複合体のインビボ効力
この研究では、様々な腫瘍を担持する免疫不全マウス(ヌードマウスまたはSCIDマウス)、好ましくは、メスヌードマウスで本発明のいくつかの複合体の抗腫瘍活性を調査する。いくつかの場合では、加えて、または代わりにヌードラットを使用することができる。試験される複合体には、本明細書に記載される複合体のうちの任意の1つ以上が含まれる。ヌードマウスに接種するために使用され得る様々な腫瘍細胞株にはHL60/QC、MOLM−13、NB4、HEL92.1.7、OCI−AML3、KBおよび/または疾患適応症(例えば、癌)の適切なモデルとして当技術分野において認識される他の任意の癌細胞株が含まれる。インビボ評価に適切な腫瘍細胞株の選択に適用され得るいくつかの基準にはa)腫瘍細胞での標的抗原の発現、およびb)非複合体化薬品に対する腫瘍細胞のインビトロでの感受性が挙げられる。例えば、本発明の化合物での治療に適切であり得る癌の種類を決定するために、インビトロでの細胞株の感受性スクリーニング、例えば、米国国立癌研究所によって記載される60細胞株によるスクリーニング(参照により本明細書に組み込まれる、Voskoglou−Nomikos et al., 2003, Clinical Cancer Res. 9; 42227−4239を参照のこと)を指針の1つとして用いることができる。それに従って、様々な腫瘍細胞株に対する様々な複合体の、IC50値(nM)により表される効力が測定される。
【0364】
実施例15に概説されるものと実質的に同一のプロトコルを用いて様々な腫瘍細胞株をヌードマウスまたはSCIDマウスに接種する。例えば、6週齢のメス無胸腺ヌードマウスの右肩の領域にマウス当たり約1×10〜5×10細胞(通常、1×10細胞)の腫瘍細胞をマウス当たりおよそ0.1〜0.2mLの体積で皮下接種する。腫瘍の平均サイズが約100mmに達したとき(通常、腫瘍細胞の接種後6〜8日)、マウスを腫瘍体積によって複数の群に無作為に割り当てる(例えば、1群当たりn=5〜8)。無作為化の翌日に処理を開始し、そして、群は適切なビヒクル(200μL/注射)を投与された対照群または様々な用量の上述の薬品複合体(5〜700μg/kg)での単回処理
を包含する(50μg/kgの結合型薬品の用量は約2mg/kgの抗体の用量に対応した)。複数の投与スケジュール(例えば、第1日、3日、5日、または、第1日、4日、7日での処理)を使用することもできる。
【0365】
時間に対する腫瘍体積の中央値および平均値が測定され、そのデータが対象複合体の用量依存的抗腫瘍活性を示す。その後、最小有効用量が計算され、最大忍容用量と比較される。
【0366】
実施例32
4‐ニトロPy‐スルフォ‐SPDBリンカーを使用するhuMy9−6‐スルフォ‐SPDB−1dの調製
6mg/mLのhuMy9−6抗体と5モル当量の反応性が高いN‐スクシンイミジル‐4‐(4‐ニトロピリジル‐2‐ジチオ)ブタノエートリンカー(エタノール中の20mMストック)を含む反応物をpH8の50mM EPPS緩衝液中、25℃で3時間インキュベートした。NAP脱塩カラム(IllustraセファデックスG25、DNAグレード、GE Healthcare)を使用して未反応のリンカーを除去した。紫外‐可視分光法(2‐チオ‐4‐ニトロピリドンについて、ε394nm=14205cm−1−1)による抗体濃度とDTT遊離ニトロピリジン‐2‐チオン濃度に基づいて、抗体に対するリンカーの比(LAR)は約2.3と決定された。
【0367】
リンカーで修飾したhuMy9−6をpH8.5の50mM HEPES緩衝液、10%(体積/体積)DMA中に2mg/mLの濃度まで希釈し、そして、リンカーあたり2モル当量の化合物1d(DMA中の5mMのストック;抗体あたり4.6当量)と25℃で30分間反応させた。394nmでの吸光度の増加をUVによりモニターすることによって、ジスルフィド交換反応の完了を判定した。
【0368】
反応後、脱塩カラム(G‐25セファデックス、ファイングレード、GE Healthcare)を使用して複合体を精製し、そして、pH6.2の250mMグリシン、10mMヒスチジン、1%ショ糖、0.01%ツイーン20、50μM亜硫酸水素ナトリウムに緩衝液を交換した。
【0369】
精製した複合体は抗体当たり平均2.1の連結した化合物1d分子(化合物1dについてε330nm=15,484cm−1−1およびε280nm=30,115cm−1−1のモル吸光係数、ならびにhuMy9−6抗体についてε280nm=207,000cm−1−1のモル吸光係数を用いる紫外‐可視分光法による)、98%の単量体の割合(サイズ排除クロマトグラフィーによる)、1%未満の非複合体化化合物1d(アセトン抽出/逆相HPLCによる)、70%のタンパク質収率、そして、32%の総化合物1d収率を有することが分かった。図60を参照のこと。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]
細胞傷害性化合物であって、細胞結合剤(CBA)に細胞傷害性化合物を共有結合することができる、それに結合した反応性基を有する結合基を含み、前記細胞傷害性化合物が以下の式:
【化1a】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つ、または薬学的に許容可能なその塩によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化2a】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、そして、それが単結合であるときXは−H、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、またはアミン保護部分であることを条件とし;
Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基であり;または、
Yはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ‐、ジ‐、トリ‐、およびテトラ‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、また
は陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル(RO)PS(OR)、RS−、RSO、RSO、RSO、チオスルファート(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(ORk’)(S)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(Rk’C(=O)NOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSO、または陽イオンと共に形成される、HOCHSONaなどのHOCHSOの塩)、またはそれらの混合物であり、式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換され;Rは、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ;Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;Rk’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、アリール、ヘテロシクリール、またはヘテロアリールであり;
Mは−Hまたは陽イオンであり;
Rは、それぞれの出現に関して、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、またはO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より独立して選択され;
R’とR’’はそれぞれ、−H、−OH、−OR、−NHR、−NR、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から独立して選択され;
は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキル、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり;
nは1から24までの整数であり;
WはC=O、C=S、CH、BH、SOおよびSOから選択され;
X’は−H、アミン保護基、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
Y’は−H、オキソ基、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、任意選択的に置換された6員〜18員のアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
、R、R、R、R’、R’、R’およびR’はそれぞれ、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、
−NR’R’’、−NO、−NCO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’、およびそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基からなる群より独立して選択され;
は−H、−R、−OR、−SR、−NR’R’’、−NO、ハロゲン、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり;
ZとZ’は−(CHn’−、−(CHn’−CR−(CHna’−、−(CHn’−NR−(CHna’−、−(CHn’−O−(CHna’−および−(CHn’−S−(CHna’−から独立して選択され;
n’とna’は同一であるか異なっており、そして、0、1、2および3から選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ−H、−OH、−SH、−COOH、−NHR’、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド単位、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキルから独立して選択され;
は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−から独立して選択され;
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、オキソ(−C(=O)−)、−CRR’O−、−CRR’−、−S−、−CRR’S−、−NRおよび−CRR’N(R)−から独立して選択され、
は、それぞれの出現に関して、独立して−H、または1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
DとD’は同一であるか異なっており、そして、独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびアミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、およびポリエチレングリコール単位(−OCHCH−からなる群より選択され;
Lは存在しないか、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、ポリエチレングリコール単位(−OCHCH−、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルまたはアルケニル、またはフェニル基、O、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する3員〜18員の複素環または5員〜18員のヘテロアリール環であり、前記のアルキルまたはアルケニルは、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基で任意選択的に置換され;フェニルまたは複素環またはヘテロアリール環は任意選択的に置換され得るが、前記の置換基が、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり得;
前記化合物が、
【化3a】
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【化4a】
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【化5a】
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のいずれか1つではないことを条件する、
細胞傷害性化合物。
[態様2]
Yが−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基である、態様1に記載の化合物。
[態様3]
Lは存在しないか、任意選択的に置換されたフェニル基および任意選択的に置換されたピリジル基から選択され、前記のフェニル基およびピリジル基は、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基を担持し、または、Lが、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基を担持するアミン基(すなわち、−N(結合基)−)であり、または、Lが、1個から6個までの炭素原子を有し、そして、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基を担持する直鎖、分岐もしくは環状アルキルもしくはアルケニルである、態様1または2に記載の化合物。
[態様4]
前記化合物が以下の式:
【化6a】
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のいずれか1つによって表され、式中、
L’、L’’およびL’’’は同一であるか異なっており、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SOM、スルファート−OSOM、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’、およびそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基から独立して選択され;L’、L’’およびL’’’のうちの1つだけが、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であることを条件とし、そして
Gが−CH−または−N−から選択される、
態様1または2に記載の化合物。
[態様5]
L’、L’’またはL”’のうちの1つがそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり、残りが−Hである、態様4に記載の化合物。
[態様6]
L’がそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり、そして、L’’とL’’’が−Hである、態様5に記載の化合物。
[態様7]
AとA’が共に−O−であり、Rが−OMeであり、そして、Gが−CH−である、態様5または6に記載の化合物。
[態様8]
L’が以下の式:
−W’−R−V−R−J
によって表され、式中、
W’とVは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、−CRe’−、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CH−S−、−CHO−、−CHNR−、−O−(C=O)O−、−O−(C=O)N(R)−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−C(=O)−N(R)−、−N(R)−C(=O)O−、−N(C(=O)R)C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−(O−CH−CH−、−SS−または−C(=O)−、またはアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドから選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、6〜10個の炭素原子を担持するアリール、またはO、NもしくはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を担持する3員〜8員の複素環であり;
とRe’は同一であるか異なっており、そして、−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rから選択され、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;好ましくは、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
nは1から24までの整数であり;
Jは、それに結合した前記反応性基を含み、そして、マレイミド、ハロアセタミド、−SH、−SSR、−CHSH、−CH(Me)SH、−C(Me)SH、−NHRc1、−CHNHRc1、−NRc1NH、−COOHおよび−COEから選択され、−COEは、限定されないが、N‐ヒドロキシスクシンイミドエステル、N‐ヒドロキシスルフォスクシンイミドエステル、ニトロフェニル(例えば、2または4‐ニトロフェニル)エステル、ジニトロフェニル(例えば、2,4−ジニトロフェニル)エステル、スルフォ‐テトラフルオロフェニル(例えば、4‐スルフォ‐2,3,5,6‐テトラフルオロフェニル)エステルおよびペンタフルオロフェニルエステルから選択される反応性エステルを表し、式中、Rc1は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキルであり、ならびに
がフェニル、ニトロフェニル(例えば、2または4‐ニトロフェニル)、ジニトロフェニル(例えば、2または4‐ニトロフェニル)、カルボキシニトロフェニル(例えば、3‐カルボキシ‐4‐ニトロフェニル)、ピリジルまたはニトロピリジル(例えば、4‐ニトロピリジル)から選択される、
態様5、6または7に記載の化合物。
[態様9]
Jが−SH、−SSR、マレイミドまたはN‐ヒドロキシスクシンイミドエステルである、態様8に記載の化合物。
[態様10]
e’が−Hまたは−Meであり;
が1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH−CH−O)−Rであり;
nが2から8までの整数であり;ならびに
が−H、−Meまたは−CHCH−NMeである、
態様8または9に記載の化合物。
[態様11]
Vがアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドである、態様8〜10のいずれか1項に記載の化合物。
[態様12]
Vがバリン‐シトルリン、グリシン‐グリシン‐グリシン、またはアラニン‐ロイシン‐アラニン‐ロイシンである、態様11に記載の化合物。
[態様13]
W’が−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
が−H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH−CH−O)−Rであり;
が、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
Vは存在しないか、−(O−CH−CH−、−C(=O)−NH−、−S−、−NH−C(=O)−であり;
は存在しないか、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;ならびに
Jが−SH、−SSRまたは−COEである、
態様8に記載の化合物。
[態様14]
W’が−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
が−H、−Meまたは−(CH−CH−O)−Meであり;
nが2から6までの整数であり;
が、1〜6個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルであり;
VとRが存在せず;ならびに
Jが−COEである、
態様8に記載の化合物。
[態様15]
−COEがN‐ヒドロキシスクシンイミドエステルである、態様13または14に記載の化合物。
[態様16]
L’が以下の式:
−W’−[CR1’’2’’−V−[Cy]0〜1−[CR3’’4’’−COE、
によって表され、式中、
1’’、R2’’およびR3’’はそれぞれ独立して−Hまたは−Meであり;
4’’は−H、−Me、−SOHまたは−SOであり、式中、Mが薬学的に許容可能な陽イオンであり;
aは0〜2の整数であり、bは0〜3の整数であり;ならびに
Cyは、Nヘテロ原子を担持する任意選択的に置換された5員の複素環であり、好ましくは、Cyが
【化7a】
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である、態様8に記載の化合物。
[態様17]
W’が−N(R)−である、態様8または16に記載の化合物。
[態様18]
は−(CH−CH−O)2〜6−Rであり、式中、Rが−H、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキルである、態様8、16または17に記載の化合物。
[態様19]
Vが−S−または−SS−である、態様8、16、17または18に記載の化合物。
[態様20]
L’が以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−[CR3’’4’’−COE
によって表される、態様8、16、17、18または19に記載の化合物。
[態様21]
【化8a】
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【化9a】
[この文献は図面を表示できません]
であって、
Yが−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMである)、そして、Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである、
態様8、16、17、18または19に記載の化合物。
[態様22]
L’が以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−Cy−[CR3’’4’’−COE
によって表される、態様8、16、17、18または19に記載の化合物。
[態様23]
【化10a】
[この文献は図面を表示できません]
【化11a】
[この文献は図面を表示できません]
であって、
Yが−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMである)、そして、Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである、
態様8、16、17、18、19または22に記載の化合物。
[態様24]
前記化合物が以下の式:
【化12a】
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および
【化13a】
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のいずれか1つによって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化14a】
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は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−H、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、またはアミン保護基から選択される(好ましくは、Xは−Hである)ことを条件とし;
Yは−H、−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、−SOM、−SOMまたは−OSOMから選択され、式中、Mは−H、またはNaもしくはKなどの陽イオンであり;
Rは−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはPEG基−(CHCHO)−Rであり、式中、nは1から24までの整数であり、そして、Rは1〜
4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
R’とR”は同一であるか異なっており、そして、−H、−OH、−OR、−NRRg’、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、6個から18個までの炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、O、S、NおよびPから選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環、nが1から24までの整数である、好ましくはnが2、4または8であるPEG基−(CHCHO)−Rから選択され;そして、Rg’は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはPEG基−(CHCHO)−Rであり;
X’は、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、フェニル、およびアミン保護基からなる群より選択され;
Y’は、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択され;
AとA’は−O−および−S−から選択され;
W’は存在しないか、−O−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−S−または−CH−S−、−CHNR−から選択され;
は存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルから選択され;
は−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;
Gは−CH−または−N−から選択され;
は−Hであるか、以下の式:
【化15a】
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および
【化16a】
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のいずれか1つから選択され、式中、
qは1から5までの整数であり;
nは2から6までの整数であり;
Dは−Hまたは−SOMであり;
Mは−H、またはNaもしくはKなどの陽イオンである、
態様1、2、4または8に記載の化合物。
[態様25]
が以下の式:
【化17a】
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のいずれか1つによって表される、態様24に記載の化合物。
[態様26]
W’が−N(R)−である、態様24または25に記載の化合物。
[態様27]
は−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rが−H、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキルである、態様26に記載の化合物。
[態様28]
が−Hまたは−Meであり、nが4であり、そして、qが2である、態様27に記載の化合物。
[態様29]
が1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである、態様28に記載の化合物。
[態様30]
は−(CH−(CR)−であり、式中、RとRはそれぞれ、−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルから独立して選択され;そして、pが0、1、2または3である、態様28に記載の化合物。
[態様31]
とRが同一であるか異なっており、そして、−Hおよび−Meから選択され;そして、pが1である、態様30に記載の化合物。
[態様32]
NとCの間の二重線
【化18a】
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が、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hであり、Yは−OHまたは−SOMであることを条件とし;
Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオン(例えば、Na)であり;
X’とY’が共に−Hであり;
AとA’が共に−O−であり;
が−OMeであり;ならびに
が1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである、
態様24〜31のいずれか1項に記載の化合物。
[態様33]
NとCの間の二重線
【化19a】
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が二重結合を表す、態様1〜32のいずれか1項に記載の化合物。
[態様34]
NとCの間の二重線
【化20a】
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が単結合を表し、Xが−H、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、またはアミン保護基であり;そして、Yが−H、−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環、−SOM、−SOMおよびスルファート−OSOMから選択される、態様1〜31のいずれか1項に記載の化合物。
[態様35]
Yが−H、−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHから選択される、態様34に記載の化合物。
[態様36]
Yが−H、−SOMまたは−OHである、態様35に記載の化合物。
[態様37]
Mが−H、NaまたはKである、態様34〜36のいずれか1項に記載の化合物。
[態様38]
Wが、存在するときは、C=Oである、態様1〜37のいずれか1項に記載の化合物。[態様39]
ZとZ’が、存在するときは、−CH−である、態様1〜38のいずれか1項に記載の化合物。
[態様40]
X’が、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびフェニル、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基、およびアミン保護基からなる群より選択される、態様1〜39のいずれか1項に記載の化合物。
[態様41]
X’が−H、−OH、−Me、またはそれに結合した前記反応性基を有する前記結合基である、態様40に記載の化合物。
[態様42]
X’が−Hである、態様41に記載の化合物。
[態様43]
Y’が、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択される、態様1〜42のいずれか1項に記載の化合物。
[態様44]
Y’が−Hまたはオキソである、態様43に記載の化合物。
[態様45]
Y’が−Hである、態様44に記載の化合物。
[態様46]
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、−S−、−NR−、およびオキソ−(C=O)−から選択される、態様1〜45のいずれか1項に記載の化合物。
[態様47]
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−および−S−から選択される、態様46に記載の化合物。
[態様48]
AとA’が−O−である、態様47に記載の化合物。
[態様49]
DとD’は、存在するときは、同一であるか異なっており、そして、nが1から24までの整数であるポリエチレングリコール単位(−OCHCH、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、または1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニルから独立して選択され、前記のアルキル、アルケニルおよびアルキニルが、ハロゲン、−OR、−NR’COR’’、−SRおよび−COR’からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される、態様1〜48のいずれか1項に記載の化合物。
[態様50]
DとD’が1〜4個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルである、態様49に記載の化合物。
[態様51]
NとCの間の二重線
【化21a】
[この文献は図面を表示できません]
が二重結合を表し;
Yが−Hであり;
WがC=Oであり;
、R、R’、R’、RおよびR’が−Hであり;
またはR’の一方が、任意選択的に、それに結合した前記反応性基を有する前記結合基であり、そして、他方が−Hであり;
が−OMeであり;
ZとZ’が−CHであり;
X’が−Hであり;
Y’が−Hであり;ならびに
AとA’が−O−である、
態様1、2、4または24に記載の化合物。
[態様52]
細胞傷害性化合物および細胞結合剤(CBA)を含む複合体であって、前記細胞傷害性化合物を前記CBAに共有結合する結合基を前記細胞傷害性化合物が含み、そして、前記細胞傷害性化合物が以下の式:
【化22a】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つ、または薬学的に許容可能なその塩によって表され、式中、
NとCの間の二重線
【化23a】
[この文献は図面を表示できません]
は、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−H、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルであり、そして、それが単結合であるときXは−H、前記結合基、またはアミン保護部分であることを条件とし;
Yは−Hであるか、−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリン)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリ
ペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基であり;または、
Yはサルファイト(HSO、HSO、または陽イオンと共に形成されるHSO、SO2−もしくはHSOの塩)、メタバイサルファイト(H、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、モノ‐、ジ‐、トリ‐、およびテトラ‐チオホスフェート(POSH、PO、POS、PS、または陽イオンと共に形成されるPO3−、PO3−、POS3−もしくはPS3−の塩)、チオホスフェートエステル(RO)PS(OR)、RS−、RSO、RSO、RSO、チオスルファート(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ジチオニト(HS、または陽イオンと共に形成されるS2−の塩)、ホスホロジチオエート(P(=S)(ORk’)(S)(OH)、または陽イオンと共に形成されるその塩)、ヒドロキサム酸(Rk’C(=O)NOH、または陽イオンと共に形成される塩)、ホルムアルデヒドスルホキシラート(HOCHSO、または陽イオンと共に形成される、HOCHSONaなどのHOCHSOの塩)、またはそれらの混合物であり、式中、Rは1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであって、−N(R、−COH、−SOHおよび−POHから選択される少なくとも1つの置換基で置換され;Rは、本明細書に記載されるアルキルの置換基で任意選択的にさらに置換されることができ;Rは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;Rk’は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、アリール、ヘテロシクリール、またはヘテロアリールであり;
Mは−Hまたは陽イオンであり;
Rは、それぞれの出現に関して、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、またはポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、またはO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環からなる群より独立して選択され;
R’とR’’はそれぞれ、−H、−OH、−OR、−NHR、−NR、−COR、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から独立して選択され;
は−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキル、または前記結合基であり;
nは1から24までの整数であり;
WはC=O、C=S、CH、BH、SOおよびSOから選択され;
X’は−H、アミン保護基、前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(CHCHO)−R、6〜18個の炭素原子を有する任意選択的に置換されたアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリール環、ならびにO、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
Y’は−H、オキソ基、前記結合基、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、任意選択的に置換された6員〜18員のアリール、窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含有する任意選択的に置換された5員〜18員のヘテロアリ
ール環、1〜6個のヘテロ原子を有する任意選択的に置換された3員〜18員の複素環から選択され;
、R、R、R、R’、R’、R’およびR’はそれぞれ、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NCO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SO、スルファート−OSO、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’および前記結合基からなる群より独立して選択され;
は−H、−R、−OR、−SR、−NR’R’’、−NO、ハロゲンまたは前記結合基であり;
ZとZ’は−(CHn’−、−(CHn’−CR−(CHna’−、−(CHn’−NR−(CHna’−、−(CHn’−O−(CHna’−および−(CHn’−S−(CHna’−から独立して選択され;
n’とna’は同一であるか異なっており、そして、0、1、2および3から選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ−H、−OH、−SH、−COOH、−NHR’、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド単位、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキルから独立して選択され;
は−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、ポリエチレングリコール単位−(OCHCH−から独立して選択され;
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、オキソ(−C(=O)−)、−CRR’O−、−CRR’−、−S−、−CRR’S−、−N(R)−および−CRR’N(R)−から独立して選択され、
は、それぞれの出現に関して、独立して−H、または1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖もしくは分岐アルキルであり;
DとD’は同一であるか異なっており、そして、独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびアミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、およびポリエチレングリコール単位(−OCHCH−からなる群より選択され;
Lは存在しないか、前記結合基、ポリエチレングリコール単位(−OCHCH−、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルまたはアルケニル、またはフェニル基、O、S、NおよびPから独立して選択される1〜6個のヘテロ原子を有する3員〜18員の複素環または5員〜18員のヘテロアリール環であり、前記結合基によって前記のアルキルまたはアルケニルが任意選択的に置換され;フェニルまたは複素環またはヘテロアリール環は任意選択的に置換され得るが、前記の置換基が前記結合基であり得る、
前記複合体。
[態様53]
Yが−OR、−OCOR’、−OCOOR’、−OCONR’R’’、−NR’R’’、−NR’COR’’、−NR’NR’R’’、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環(例えば、ピペリジン、テトラヒドロピロール、ピラゾール、モルホリンなど)、−NR’(C=NH)NR’R’’で表されるグアニジナム、アミノ酸、または、P’がアミノ酸もしくは2から20の間のアミノ酸単位を含有するポリペプチドである−NRCOP’で表されるペプチド、−SR、−SOR’、−SOM、−SOM、−OSOM、ハロゲン、シアノおよびアジドから選択される脱離基である、態様52に
記載の複合体。
[態様54]
前記化合物が以下の化合物:
【化24a】
[この文献は図面を表示できません]
【化25a】
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【化26a】
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のうちのいずれか1つではない、態様52または53に記載の複合体。
[態様55]
Lは存在しないか、任意選択的に置換されたフェニル基および任意選択的に置換されたピリジル基から選択され、前記のフェニル基およびピリジル基は前記結合基を担持し、または、Lが、前記結合基を担持するアミン基(すなわち、−N(結合基)−)であり、または、Lが、1個から6個までの炭素原子を有し、そして、前記結合基を担持する直鎖、分岐もしくは環状アルキルもしくはアルケニルである、態様52または53に記載の複合体。
[態様56]
前記化合物が以下の式:
【化27a】
[この文献は図面を表示できません]
のいずれか1つによって表され、式中、
L’、L’’およびL’’’は同一であるか異なっており、−H、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびポリエチレングリコール単位−(OCHCH−R、ハロゲン、グアニジニウム[−NH(C=NH)NH]、−OR、−NR’R’’、−NO、−NR’COR’’、−SR、−SOR’で表されるスルフオキシド、−SOR’で表されるスルホン、スルホネート−SOM、スルファート−OSOM、−SONR’R’’で表されるスルホンアミド、シアノ、アジド、−COR’、−OCOR’、−OCONR’R’’および前記結合基から独立して選択され;L’、L’’およびL’’’のうちの1つだけが前記結合基であることを条件とし、そして、
Gが−CH−または−N−から選択される、
態様52または53に記載の複合体。
[態様57]
L’、L’’またはL”’のうちの1つが前記結合基であり、残りが−Hである、態様56に記載の複合体。
[態様58]
L’が前記結合基であり、そして、L’’とL’’’が−Hである、態様57に記載の複合体。
[態様59]
AとA’が共に−O−であり、Rが−OMeであり、そして、Gが−CH−である、態様57または58に記載の複合体。
[態様60]
L’が以下の式:
−W’−R−V−R−J
によって表され、式中、
W’とVは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、−CRe’−、−O−、−O−C(=O)−、−C(=O)−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CH−S−、−CHO−、−CHNR−、−O−(C=O)O−、−O−(C=O)N(R)−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−C(=O)−N(R)−、−N(R)−C(=O)O−、−N(C(=O)R)C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−(O−CH−CH−、−SS−または−C(=O)−、またはアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドから選択され;
とRは同一であるか異なっており、そして、それぞれ独立して、存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、6〜10個の炭素原子を担持するアリール、またはO、NもしくはSから選択される1〜3個のヘテロ原子を担持する3員〜8員の複素環であり;
とRe’は同一であるか異なっており、そして、−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rから選択され、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;好ましくは、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
nは1から24までの整数であり; ならびに
Jは前記CBAに共有結合し、そして、スクシンイミド、アセトアミド、−S−、−SS−、−CHS−、−CH(Me)S−、−C(Me)S−、−NRc1−、−CHNRc1−、−NRc1N‐、および−C(=O)−から選択され、式中、Rc1が−H、または1〜4個の炭素原子を有する置換型もしくは非置換型の直鎖もしくは分岐アルキルである、
態様57、58または59に記載の複合体。
[態様61]
Jが−S−、−SS−、スクシンイミド、または−C(=O)−である、態様60に記載の複合体。
[態様62]
e’が−Hまたは−Meであり;
が1〜6個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH−CH−O)−Rであり;
nが2から8までの整数であり;ならびに
が−H、−Meまたは−CHCH−NMeである、
態様60または61に記載の複合体。
[態様63]
Vがアミノ酸、または2〜8アミノ酸を有するペプチドである、態様60〜62のいずれか1項に記載の複合体。
[態様64]
Vがバリン‐シトルリン、グリシン‐グリシン‐グリシン、またはアラニン‐ロイシン‐アラニン‐ロイシンである、態様63に記載の複合体。
[態様65]
W’が−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
が−H、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキル、または−(CH
−CH−O)−Rであり;
が、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;
Vは存在しないか、−(O−CH−CH−、−C(=O)−NH−、−S−、−NH−C(=O)−であり;
は存在しないか、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり;ならびに
Jが−S−、−SS−または−C(=O)−である、
態様60に記載の複合体。
[態様66]
W’が−O−、−N(R)−または−N(R)−C(=O)−であり;
が−H、−Meまたは−(CH−CH−O)−Meであり;
nが2から6までの整数であり;
が、1〜6個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルであり;
VとRが存在せず;ならびに
Jが−C(=O)−である、
態様60に記載の複合体。
[態様67]
L’が以下の式:
−W’−[CR1’’2’’−V−[Cy]0〜1−[CR3’’4’’−C(=O)−
によって表され、式中、
1’’、R2’’およびR3’’はそれぞれ独立して−Hまたは−Meであり;
4’’は−H、−Me、−SOHまたは−SOであり、式中、Mが薬学的に許容可能な陽イオンであり;
aは0〜2の整数であり、bは0〜3の整数であり;ならびに
Cyは、Nヘテロ原子を担持する任意選択的に置換された5員の複素環であり、好ましくは、Cyが
【化28a】
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である、
態様60に記載の複合体。
[態様68]
W’が−N(R)−である、態様60または67に記載の複合体。
[態様69]
は−(CH−CH−O)2〜6−Rであり、式中、Rが1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである、態様60、67または68に記載の複合体。[態様70]
Vが−S−または−SS−である、態様60、67、68または69に記載の複合体。[態様71]
L’が以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−[CR3’’4’’−C(=O)−によって表される、態様60、67、68、69または70に記載の複合体。
[態様72]
【化29a】
[この文献は図面を表示できません]
【化30a】
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【化31a】
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または
【化32a】
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であって、
rが1から10までの整数であり、Yが−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMであり)、そして、Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである、
態様60、67、68、69、70または71に記載の複合体。
[態様73]
前記抗体がhuMy9−6である、態様60、67、68、69、70、71または72に記載の複合体。
[態様74]
L’が以下の式:
−NR−[CR1’’2’’−S−Cy−[CR3’’4’’−C(=O)−
によって表される、態様60、67、68、69または70に記載の複合体。
[態様75]
【化33a】
[この文献は図面を表示できません]
【化34a】
[この文献は図面を表示できません]
【化35a】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化36a】
[この文献は図面を表示できません]
であって、
rが1から10までの整数であり、Yが−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMであり)、そして、Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである、
、態様60、67、68、69、70または74に記載の複合体。
[態様76]
前記抗体がhuMy9−6である、態様60、67、68、69、70、74または75に記載の複合体。
[態様77]
前記化合物が以下の式:
【化37a】
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によって表され、式中、
W’は存在しないか、−O−、−N(R)−、−N(R)−C(=O)−、−N(C(=O)R)−、−S−、−CH−S−または−CHNR−から選択され;
は存在しないか、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキルから選択され;
は−H、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニル、または−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rは−H、第二級アミノ基(例えば、−NHR101)もしくは第三級アミノ基(−NR101102)を任意選択的に担持する1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキル、または、ピペリジンもしくはモルホリンなどの5員もしくは6員の窒素含有複素環であり、式中、R101とR102は、それぞれ独立して、1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり;
nは2から6までの整数であり;
は前記CBAに結合し、そして、結合:
【化38a】
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【化39a】
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から選択され、式中、
qは1から5までの整数であり;そして、
Mは−H、またはNaもしくはKなどの陽イオンである、
態様56に記載の複合体。
[態様78]

【化40a】
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である、態様77に記載の複合体。
[態様79]
W’が−N(R)−である、態様77または78に記載の複合体。
[態様80]
は−(CH−CH−O)−Rであり、式中、Rが−H、1〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐環状アルキルである、態様79に記載の複合体。
[態様81]
が−Hまたは−Meであり、nが4であり、そして、qが2である、態様80に記載の複合体。
[態様82]
が1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである、態様81に記載の複合体。
[態様83]
は−(CH−(CR)−であり、式中、RとRはそれぞれH、または1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐アルキルから独立して選択され;そして、pが0、1、2または3である、態様81に記載の複合体。
[態様84]
とRは同一であるか異なっており、そして、HおよびMeから選択され;そして、pが1である、態様83に記載の複合体。
[態様85]
NとCの間の二重線
【化41a】
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が、単結合または二重結合を表し、それが二重結合であるときXは存在せず、Yは−Hであり、そして、それが単結合であるときXは−Hであり、Yは−OHまたは−SOMであることを条件とし;
Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオン(例えば、Na)であり;
X’とY’が共に−Hであり;
AとA’が共に−O−であり;
が−OMeであり;ならびに
が1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルである、
態様77〜84のいずれか1項に記載の複合体。
[態様86]
NとCの間の二重線
【化42a】
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が二重結合を表す、態様52〜85のいずれか1項に記載の複合体。
[態様87]
NとCの間の二重線
【化43a】
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が単結合を表し、Xが−H、前記結合基またはアミン保護基であり;そして、Yが−H、−OR、−OCOR’、−SR、−NR’R”、任意選択的に置換された5員または6員の窒素含有複素環、−SOM、−SOMおよびスルファート−OSOMから選択される、態様52〜84のいずれか1項に記載の複合体。
[態様88]
Yが−H、−SOM、−OH、−OMe、−OEtまたは−NHOHから選択される、態様87に記載の複合体。
[態様89]
Yが−H、−SOMまたは−OHである、態様88に記載の複合体。
[態様90]
Mが−H、NaまたはKである、態様87〜89のいずれか1項に記載の複合体。[態様91]
Wが、存在するときは、C=Oである、態様52〜90のいずれか1項に記載の複合体。
[態様92]
ZとZ’が、存在するときは、−CH−である、態様52〜91のいずれか1項に記載の複合体。
[態様93]
X’が、−H、−OH、1個から10個までの炭素原子を有する任意選択的に置換された直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニル、およびフェニル、前記結合基、およびアミン保護基からなる群より選択される、態様52〜92のいずれか1
項に記載の複合体。
[態様94]
X’が−H、−OH、−Meまたは前記結合基である、態様93に記載の複合体。
[態様95]
X’が−Hである、態様94に記載の複合体。
[態様96]
Y’が、−H、オキソ基、1個から10個までの炭素原子を有する置換型または非置換型の直鎖、分岐または環状アルキル、アルケニルまたはアルキニルからなる群より選択される、態様52〜95のいずれか1項に記載の複合体。
[態様97]
Y’が−Hまたはオキソである、態様96に記載の複合体。
[態様98]
Y’が−Hである、態様97に記載の複合体。
[態様99]
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−、−S−、−N(R)−、およびオキソ(C=O)から選択される、態様52〜98のいずれか1項に記載の複合体。[態様100]
AとA’は同一であるか異なっており、そして、−O−および−S−から選択される、態様99に記載の複合体。
[態様101]
AとA’が−O−である、態様100に記載の複合体。
[態様102]
DとD’は、存在するときは、同一であるか異なっており、そして、nが1から24までの整数であるポリエチレングリコール単位(−OCHCH、アミノ酸、2〜6アミノ酸を担持するペプチド、または1〜10個の炭素原子を有する直鎖、分岐もしくは環状アルキル、アルケニルもしくはアルキニルから独立して選択され、前記のアルキル、アルケニルおよびアルキニルが、ハロゲン、−OR、−NR’COR’’、−SRおよび−COR’からなる群より独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される、態様52〜101のいずれか1項に記載の複合体。
[態様103]
DとD’が1〜4個の炭素原子を担持する直鎖または分岐アルキルである、態様102に記載の複合体。
[態様104]
NとCの間の二重線
【化44a】
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が二重結合を表し;
Yが−Hであり;
WがC=Oであり;
、R、R’、R’、RおよびR’が−Hであり;
またはR’の一方が任意選択的に前記結合基であり、そして、他方が−Hであり;
が−OMeであり;
ZとZ’が−CH−であり;
X’が−Hであり;
Y’が−Hであり;ならびに
AとA’が−O−である、
態様52、53、56または77に記載の複合体。
[態様105]
前記複合体が1〜10個の細胞傷害性化合物を含み、各細胞傷害性化合物は、前記細胞傷害性化合物を前記CBAに連結する前記結合基を含み、そして、前記複合体上の各細胞傷害性化合物が同一である、態様52〜104のいずれか1項に記載の複合体。
[態様106]
前記細胞結合剤が、腫瘍細胞、ウイルス感染細胞、微生物感染細胞、寄生生物感染細胞、自己免疫細胞、活性化細胞、骨髄細胞、活性化T細胞、B細胞またはメラニン形成細胞;CD4、CD6、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD37、CD38、CD40、CD44、CD56、EpCAM、CanAg、CALLAもしくはHer‐2抗原を発現する細胞;Her‐3抗原を発現する細胞;またはインスリン成長因子受容体を発現する細胞、上皮成長因子受容体を発現する細胞、および葉酸受容体を発現する細胞から選択される標的細胞に結合する、態様52〜105のいずれか1項に記載の複合体。
[態様107]
前記細胞結合剤が抗体、単鎖抗体、前記標的細胞に特異的に結合する抗体断片、モノクローナル抗体、単鎖モノクローナル抗体、または標的細胞に特異的に結合するモノクローナル抗体断片、キメラ抗体、前記標的細胞に特異的に結合するキメラ抗体、ドメイン抗体、前記標的細胞に特異的に結合するドメイン抗体断片、リンホカイン、ホルモン、ビタミン、成長因子、コロニー刺激因子、または栄養輸送分子である、態様106に記載の複合体。
[態様108]
前記抗体が表面付替抗体(resurfaced antibody)、表面付替単鎖抗体または表面付替抗体断片である、態様107に記載の複合体。
[態様109]
前記抗体がモノクローナル抗体、単鎖モノクローナル抗体またはそのモノクローナル抗体断片である、態様107に記載の複合体。
[態様110]
前記抗体がヒト化抗体、ヒト化単鎖抗体またはヒト化抗体断片である、態様107に記載の複合体。
[態様111]
態様52〜110のいずれか1項に記載の複合体および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物。
[態様112]
哺乳類動物において異常な細胞増殖を阻害する、または細胞増殖障害、自己免疫障害、破骨性障害、感染性疾患、ウイルス性疾患、線維性疾患、神経変性障害、膵臓病もしくは腎臓病を治療する方法であって、治療上有効量の態様1〜51のいずれか1項に記載の化合物または態様52〜110のいずれか1項に記載の複合体、および、任意選択的に、化学療法剤を前記哺乳類動物に投与することを含む、前記方法。
[態様113]
前記化合物または前記複合体が
【化45a】
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【化46a】
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【化47a】
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【化48a】
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【化49a】
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であり、式中、rが1から10までの整数であり、Yが−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMであり)、そして、Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである、態様112に記載の方法。
[態様114]
哺乳類動物において異常な細胞増殖を阻害する、または細胞増殖障害、自己免疫障害、破骨性障害、感染性疾患、ウイルス性疾患、線維性疾患、神経変性障害、膵臓病もしくは腎臓病を治療する方法であって、治療上有効量の以下の式:
【化50a】
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の化合物と任意選択的に化学療法剤を前記哺乳類動物に投与することを含み、式中、Yは−Hまたは−SOMであり(例えば、Yは−SOMであり)、そして、Mが−Hまたは薬学的に許容可能な陽イオンである、方法。
[態様115]
前記の第2の化学療法剤を前記哺乳類動物に連続的または逐次的に投与する、態様112〜114のいずれか1項に記載の方法。
[態様116]
前記方法が、癌、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、移植片対宿主病(GVHD)、移植拒絶反応、狼瘡、筋炎、感染症および免疫不全から選択される病気を治療するためのものである、態様112〜115のいずれか1項に記載の方法。
[態様117]
前記方法が癌を治療するためのものである、態様112〜116のいずれか1項に記載の方法。
[態様118]
前記癌が、乳癌、大腸癌、脳の癌、前立腺癌、腎臓癌、膵臓癌、卵巣癌、頭部頸部の癌、黒色腫、大腸直腸癌、胃癌、扁平上皮癌、肺小細胞癌、非肺小細胞癌、精巣癌、メルケル細胞癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、リンパ器官の癌、および白血病(急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性単球性白血病(AMOL)、有毛細胞性白血病(HCL)、T細胞性前リンパ球性白血病(T−PLL)、大顆粒リンパ球性白血病、成人T細胞白血病)、リンパ腫(小リンパ球性リンパ腫(SLL)、ホジキンリンパ腫(結節性硬化症、混合細胞型ホジキンリンパ腫、リンパ球豊富型ホジキンリンパ腫、リンパ球減少性または非減少性ホジキンリンパ腫、および結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫)、非ホジキンリンパ腫(全てのサブタイプ)、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞性前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫(ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症など)、脾臓周辺帯リンパ腫、形質細胞腫瘍(形質細胞骨髄腫、形質細胞腫、モノクローナル免疫グロブリン沈着病、重鎖病)、節外周辺帯B細胞リンパ腫(MALTリンパ腫)、節性周辺帯B細胞リンパ腫(NMZL)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、縦隔(胸腺)大細胞型B細胞性リンパ腫、血管内大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、バーキットリンパ腫/白血病、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、アグレッシブNK細胞白血病、成人T細胞白血病/リンパ腫、節外NK/T細胞リンパ腫(鼻型)、腸疾患型T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫、芽球型NK細胞リンパ腫、菌状息肉腫/セザリー症候群、原発性皮膚CD30陽性Tリンパ球増殖症、原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫、リンパ腫様丘疹症、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、末梢性T細胞リンパ腫(分類不能)、未分化大細胞型リンパ腫)、多発性骨髄腫(形質細胞骨髄腫またはカーレル病)を含む血液系腫瘍から選択される、態様116または117に記載の方法。
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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図12A
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図12B
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図13
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図14
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図15
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図16
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図17
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図18
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図19
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図20
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図21
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図22
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図23
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図24
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図25
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図26
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図27
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図28
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図29
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図30
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図31
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図35
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図36
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図38
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図39
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図40
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図41
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図42
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図43
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図44-1】
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図44-2】
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図45
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図46
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図47
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図48
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図49
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図50
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図51
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図52
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図53
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図55
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図56
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図57
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図58
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図59
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図60
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]