特許第6703649号(P6703649)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 福州大学の特許一覧 ▶ 福建省▲博▼屹▲環▼保科技有限公司の特許一覧

特許6703649ゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作および産業用練炭の生産方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703649
(24)【登録日】2020年5月12日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】ゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作および産業用練炭の生産方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 5/14 20060101AFI20200525BHJP
【FI】
   C10L5/14
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-538557(P2019-538557)
(86)(22)【出願日】2018年1月23日
(65)【公表番号】特表2019-534370(P2019-534370A)
(43)【公表日】2019年11月28日
(86)【国際出願番号】CN2018073743
(87)【国際公開番号】WO2018137597
(87)【国際公開日】20180802
【審査請求日】2019年3月29日
(31)【優先権主張番号】201710062500.1
(32)【優先日】2017年1月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519113491
【氏名又は名称】福州大学
(73)【特許権者】
【識別番号】519113505
【氏名又は名称】福建省▲博▼屹▲環▼保科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 明▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】蔡 明亮
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 以凡
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 桂芳
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 登周
【審査官】 森 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−021441(JP,A)
【文献】 米国特許第04615712(US,A)
【文献】 特開2007−039611(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)固形分が30%〜40%であるゴミ浸出液濃縮液を反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を80〜120℃に上げ、ゴミ浸出液濃縮液とスルホン化剤との質量比を10:1〜1.5でスルホン化剤を入れて2〜3h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を30〜50℃に制御するとともに、ゴミ浸出液濃縮液とアミノ化試薬との質量比を10:0.5〜0.9でアミノ化試薬を入れて3.5〜4.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液を得、
b)上記変性済みゴミ浸出液と、稲藁を水酸化ナトリウム溶液中に入れて混合し加熱乾燥させた変性稲藁を均一に混合させるとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤を得る、
ステップからなることを特徴とするゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作方法。
【請求項2】
前記ステップa)中のスルホン化剤は亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、アミノスルホン酸のうちの一種または一種以上を混合したものであることを特徴とする請求項1に記載のゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作方法。
【請求項3】
前記ステップa)中のアミノ化試薬はアンモニア水、重炭酸アンモニウム、尿素、トリエチルアミンのうちの一種または一種以上を混合したものであることを特徴とする請求項1に記載のゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作方法。
【請求項4】
前記ステップb)中の変性稲藁の変性方法は、風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分け、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.5%〜1.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60〜70℃で混合溶液を加熱乾燥させることによって、所要の変性稲藁を得ることを特徴とする請求項1に記載のゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作方法。
【請求項5】
前記ステップb)中の変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1〜2:1の質量比で均一に混合することを特徴とする請求項1に記載のゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の製作方法により製作された練炭粘着剤、石炭粉、石油コークス、硫黄定着剤及び水を以下の重量部によって均一に混合した後、圧出成型することによって、産業用練炭を作ることであって、前記産業用練炭の原料成分およびその重量部は以下の通り:
石炭粉 45〜55部
石油コークス 12〜20部
練炭粘着剤 11〜18部
硫黄定着剤 4〜9部
水 8〜10部
であることを特徴とする産業用練炭の生産方法。
【請求項7】
前記原料成分中、石炭粉の粒径は2mm未満、石油コークスの粒径は5mm未満であることを特徴とする請求項6に記載の練炭粘着剤を利用した産業用練炭の生産方法。
【請求項8】
前記原料成分中、硫黄定着剤は生石灰、石灰石、酸化マグネシウム、ソーダのうちの一種または一種以上を混合したものであることを特徴とする請求項6に記載の練炭粘着剤を利用した産業用練炭の生産方法。
【請求項9】
前記製作された産業用練炭の落下強さは≧85%、冷間圧縮強さは≧560N、防水時間は≧5h、カロリー値は≧5289Kcal/kgであることを特徴とする請求項6に記載の練炭粘着剤を利用した産業用練炭の生産方法。
【請求項10】
ボイラー用石炭または冶金用石炭として使用するための、請求項6〜9のいずれか1項に記載の生産方法により生産された産業用練炭の応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は練炭製作分野に関するものであり、特にゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作および産業用練炭の生産方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
中国経済の速やかな発展につれ、エネルギー不足の問題も次第に深刻化しており、中国のエネルギー消費量はすでに世界総量の1/5を超え、米国を上回って世界最大のエネルギー消費国となっているが、中国の「不足するオイル・ガス資源、豊富な石炭資源」のエネルギー構成及び比較的低い産業装備レベルによって、石炭が中国のエネルギー消費構造中の主導的な地位を占めており、さらに、中国の社会経済の発展、都市化の歩みが加速するにつれ、中国の都市ゴミの数量も急に増え、大量の都市生活ゴミの処理においては、大量のゴミを露天で堆積するか、埋め立てるのが一般的な処理方法となっており、大量の土地を占めるだけでなく、土壌や地下水、大気に対する大きな2次汚染を発生させるため、厳しい環境問題となっている。
【0003】
ゴミの好気性発酵中には豊かなフミン酸が生じるが、フミン酸は無定形の有機高分子化合物であり、そのアルカリ溶液は親水性のリバーシブル・コロイドであり、大きな表面積を有するだけでなく、コロイドの粘着性と強い附着力を持っているので、練炭の粘着剤として使用することができる。そのため、ゴミ処理中に生じる生産物を合理的に開発利用することは、中国のエネルギー利用環境と人類の生態環境およびエネルギーの高品位利用にとって重要な意義がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既存技術の問題を解決するために、本発明は操作が簡単で、処理プロセスが制御し易いゴミの滲出液を利用した練炭粘着剤の製作および産業用練炭の生産方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作方法は以下のステップからなる。
a)固形分が30%〜40%であるゴミ浸出液濃縮液を反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を80〜120℃に上げ、ゴミ浸出液濃縮液とスルホン化剤との質量比が10:1〜1.5のスルホン化剤を入れて2〜3h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を30〜50℃に制御するとともに、ゴミ浸出液濃縮液とアミノ化試薬との質量比が10:0.5〜0.9のアミノ化試薬を入れて3.5〜4.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
b)上記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁とを均一に混合させるとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0006】
さらに、前記ステップa)中のスルホン化剤は亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、アミノスルホン酸のうちの一種または一種以上を混合したものである。
【0007】
さらに、前記ステップa)中のアミノ化試薬はアンモニア水、重炭酸アンモニウム、尿素、トリエチルアミンのうちの一種または一種以上を混合したものである。
【0008】
さらに、前記ステップb)中の変性稲藁の変性方法としては、風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.5%〜1.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60〜70℃で混合溶液を加熱乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
【0009】
さらに、前記ステップb)中の変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1〜2:1の質量比で均一に混合する。
【0010】
練炭粘着剤、石炭粉、石油コークス、硫黄定着剤と水を比例によって均一に混合した後、圧出成型することによって、産業用練炭が作られる上記練炭粘着剤を利用した産業用練炭の生産方法。前記産業用練炭の原料成分およびその重量部は以下の通り:
石炭粉 45〜55部
石油コークス 12〜20部
練炭粘着剤 11〜18部
硫黄定着剤 4〜9部
水 8〜10部。
【0011】
さらに、前記原料成分中、石炭粉の粒径は2mm未満、石油コークスの粒径は5mm未満である。
【0012】
さらに、前記原料成分中、硫黄定着剤は生石灰、石灰石、酸化マグネシウム、ソーダのうちの一種または一種以上を混合したものである。
【0013】
さらに、前記製作された産業用練炭の落下強さは≧85%、圧縮強さは≧560N、防水時間は≧5h、カロリー値は≧5289Kcal/kgである。
【0014】
上記製作された産業用練炭の応用としては、ボイラー用石炭または冶金用石炭として使用がある。
【発明の効果】
【0015】
上記の技術的手段を採用することによって、本発明は以下の有益な効果を有する。ゴミ浸出液に対するスルホン化とアミノ化の変性処理を通じて、変性処理済み稲藁と混合して練炭粘着剤を製作することによって、ゴミ処理中に生じる産物を効果的に利用して、ゴミ処理中の2次経済的利益を実現することができ、練炭粘着剤を製作して産業用練炭を生産するとともに、産業用練炭をボイラー用石炭と冶金用石炭として石炭消耗量が多い用途に使用することによって、ゴミ浸出液の利用量を増やし、練炭粘着剤製作原価を低減し、経済的利益を上げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ゴミ浸出液を利用した練炭粘着剤の製作方法は以下ステップからなる。
a)固形分が30%〜40%であるゴミ浸出液濃縮液を反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を80〜120℃に上げ、ゴミ浸出液濃縮液とスルホン化剤との質量比が10:1〜1.5のスルホン化剤を入れて2〜3h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を30〜50℃に制御するとともに、ゴミ浸出液濃縮液とアミノ化試薬との質量比が10:0.5〜0.9のアミノ化試薬を入れて3.5〜4.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
b)上記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を均一に混合させるとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0017】
さらに、前記ステップa)中のスルホン化剤は亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、クロロスルホン酸、三酸化硫黄、アミノスルホン酸のうちの一種または一種以上を混合したものである。
【0018】
さらに、前記ステップa)中のアミノ化試薬はアンモニア水、重炭酸アンモニウム、尿素、トリエチルアミンのうちの一種または一種以上を混合したものである。
【0019】
さらに、前記ステップb)中の変性稲藁の変性方法としては、風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.5%〜1.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60〜70℃で混合溶液を加熱乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
【0020】
さらに、前記ステップb)中の変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1〜2:1の質量比で均一に混合する。
【0021】
練炭粘着剤、石炭粉、石油コークス、硫黄定着剤と水を比例によって均一に混合した後、圧出成型することによって、産業用練炭が作られる上記練炭粘着剤を利用した産業用練炭の生産方法。前記産業用練炭の原料成分およびその重量部は以下の通り:
石炭粉 45〜55部
石油コークス 12〜20部
練炭粘着剤 11〜18部
硫黄定着剤 4〜9部
水 8〜10部。
【0022】
さらに、前記原料成分中、石炭粉の粒径は2mm未満、石油コークスの粒径は5mm未満である。
【0023】
さらに、前記原料成分中、硫黄定着剤は生石灰、石灰石、酸化マグネシウム、ソーダのうちの一種または一種以上の混合したものである。
【0024】
さらに、前記製作された産業用練炭の落下強さは≧85%、圧縮強さは≧560N、防水時間は≧5h、カロリー値は≧5289Kcal/kgである。
【0025】
上記製作された産業用練炭の応用としては、ボイラー用石炭または冶金用石炭としての使用がある。
【0026】
実施例1
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が30%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を80℃に上げた後、亜硫酸ナトリウム20kgを入れて2h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を30℃に制御するとともに、尿素10kgを入れて3.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0027】
産業用練炭の製作
55部の粒径が2mm未満の石炭粉、15部の粒径が5mm未満の石油コークス、16部の上記製作された練炭粘着剤、4部の生石灰および8部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0028】
実施例2
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が30%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を120℃に上げた後、亜硫酸ナトリウム30kgを入れて2h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を30℃に制御するとともに、尿素10kgを入れて4.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0029】
産業用練炭の製作
45部の粒径が2mm未満の石炭粉、20部の粒径が5mm未満の石油コークス、16部の上記製作された練炭粘着剤、7部の生石灰および10部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0030】
実施例3
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が30%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を100℃に上げた後、亜硫酸ナトリウム25kgを入れて2h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を30℃に制御するとともに、アンモニア水10kgを入れて4h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0031】
産業用練炭の製作
50部の粒径が2mm未満の石炭粉、18部の粒径が5mm未満の石油コークス、16部の上記製作された練炭粘着剤、8部の生石灰および9部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0032】
実施例4
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が40%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を80℃に上げた後、重亜硫酸ナトリウム20kgを入れて2.5h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を50℃に制御するとともに、アンモニア水14kgを入れて3.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が1.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1.5:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0033】
産業用練炭の製作
45部の粒径が2mm未満の石炭粉、20部の粒径が5mm未満の石油コークス、18部の上記製作された練炭粘着剤、4部の石灰石および10部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0034】
実施例5
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が40%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を120℃に上げた後、重亜硫酸ナトリウム30kgを入れて2.5h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を50℃に制御するとともに、重炭酸アンモニウム14kgを入れて4.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が1.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1.5:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0035】
産業用練炭の製作
50部の粒径が2mm未満の石炭粉、18部の粒径が5mm未満の石油コークス、18部の上記製作された練炭粘着剤、7部の酸化マグネシウムおよび9部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0036】
実施例6
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が40%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を100℃に上げた後、重亜硫酸ナトリウム25kgを入れて2.5h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を50℃に制御するとともに、重炭酸アンモニウム14kgを入れて4h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選んで、質量分率が1.5%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、60℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を1.5:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0037】
産業用練炭の製作
55部の粒径が2mm未満の石炭粉、12部の粒径が5mm未満の石油コークス、18部の上記製作された練炭粘着剤、9部の石灰石および8部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0038】
実施例7
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が30%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を80℃に上げた後、アミノスルホン酸20kgを入れて3h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を40℃に制御するとともに、トリエチルアミン18kgを入れて3.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.8%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、70℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を2:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0039】
産業用練炭の製作
45部の粒径が2mm未満の石炭粉、20部の粒径が5mm未満の石油コークス、11部の上記製作された練炭粘着剤、4部のソーダおよび10部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0040】
実施例8
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が35%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を120℃に上げた後、アミノスルホン酸30kgを入れて3h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を40℃に制御するとともに、トリエチルアミン18kgを入れて4.5h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.8%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、70℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を2:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0041】
産業用練炭の製作
50部の粒径が2mm未満の石炭粉、18部の粒径が5mm未満の石油コークス、11部の上記製作された練炭粘着剤、8部のソーダおよび9部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0042】
実施例9
練炭粘着剤の製作
ステップa)変性ゴミ浸出液の製作:固形分が35%であるゴミ浸出液濃縮液200kgを反応装置中に入れて撹拌するとともに、反応装置中の溶液温度を100℃に上げた後、アミノスルホン酸25kgを入れて3h反応させ、反応が終了した後、反応装置中の溶液の温度を40℃に制御するとともに、トリエチルアミン18kgを入れて4h反応させ、反応が終了した後、溶液を室温になるまで静置して冷やすことによって、変性済みゴミ浸出液が得られる。
ステップb)変性稲藁の製作:風乾後の稲藁を破砕且つ篩い分けて、3mm以下の部分を選び、質量分率が0.8%の水酸化ナトリウム溶液中に入れて撹拌して均一に混合し、その後、65℃で混合溶液を加熱・乾燥させることによって、所要の変性稲藁が得られる。
ステップc)練炭粘着剤の製作:前記変性済みゴミ浸出液と変性稲藁を2:1の質量比で均一に混合するとともに、持続的に撹拌しながら加熱・乾燥させることによって、所要の黄褐色の粉末状の練炭粘着剤が得られる。
【0043】
産業用練炭の製作
55部の粒径が2mm未満の石炭粉、12部の粒径が5mm未満の石油コークス、11部の上記製作された練炭粘着剤、9部のソーダおよび8部の水を取って、十分撹拌して均一に混合させた後、圧出成型することによって、所要の産業用練炭が得られる。
【0044】
性能試験
上記実施例1〜9により製作された産業用練炭を石炭業界の推奨規格MT/T748−2007に規定された産業用練炭の冷間圧縮強さ試験方法に従って、冷間圧縮強さ試験を行い、石炭業界の推奨規格MT/T749−1997に規定された産業用練炭の防水性能試験方法に従って防水性能試験を行い、国家の推奨規格GB/T213−2008に従って産業用練炭のカロリー値測定を行った。その測定結果は以下の表の通りである。
【表1】
【0045】
上記表の結果から見ると、本発明によって製作された練炭粘着剤を利用して製作された産業用練炭は成形工程の要件と関連産業使用規格の要件を満たしている。
【0046】
上記本発明の実施例において、本分野の一般技術者が本発明の教示の下で、本発明の原理と構想を離れず、本発明の特許請求の範囲に従って行った均等変化、修正、置換及び変形などは、いずれも本発明の保護範囲に属する。