(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。また、以下に説明する各実施形態、変形例、その他の例等の各構成は、本発明を実施可能な範囲において互いに組み合わせてもよい。
【0011】
《発明の実施形態1》
実施形態1は、1つの警告装置(10)と、該警告装置(10)に対応する1つのリモートコントローラ(50)とを備えた警報システム(S)である。
【0012】
〈警告装置の全体構成〉
駐車場(1)の駐車スペース(2)は、ユーザの車両(3)のみが駐車でき、他の車両(ユーザの車両以外の車両)が駐車できない契約がされている。警告装置(10)は、ユーザの車両(3)の駐車スペース(2)の周囲に設置される。例えば、警告装置(10)は、駐車スペース(2)の境界線上付近に1つ、又は、複数設置される。この警告装置(10)により、他の車両がこの駐車スペース(2)へ侵入することを抑制する。
【0013】
警告装置(10)は、持ち運び可能な可動式であることが好ましい。警告装置(10)は、例えば、駐車場(1)の地面の上に置かれる(設置される)ことで使用可能となる。例えば、
図1〜
図3に示すように、警告装置(10)は、駐車場(1)に設置される基部(11)と、該基部(11)の鉛直方向における上側に支持される伸縮部(20)と、該伸縮部(20)を伸張させる駆動機構(30)と、駆動機構(30)を駆動させることで伸縮部(20)の伸縮を制御する制御部(46)とを有する。
【0014】
〈基部〉
基部(11)は、例えば扁平な四角錐台形状に形成される。なお、基部(11)の形状はこれに限らず、平板状、台形円錐状、円柱状、角柱状等であってもよい。基部(11)の上面中央には、円形状の凹部(12)が形成される。凹部(12)の内部には、伸縮部(20)の下部が保持される。基部(11)の上端の高さ位置は、車両(3)のボディの下端の高さ位置よりも低く設定される。基部(11)の下端の位置、及び、伸縮部(20)の下部は、例えば、駐車場(1)の地面の上にある。基部(11)の下端の位置(伸縮部(20)の下部)が地面の中にないので容易に持ち運び(移動)をすることができる。
【0015】
基部(11)は、錘等を用いることで伸縮部(20)よりも重くするのが好ましい。これにより、警告装置(10)の重心が低くなり、警告装置(10)の転倒を抑制できる。
【0016】
図3に示すように、基部(11)の周縁には、アンカーが挿通される複数の挿通穴(13)が形成される。各挿通穴(13)を通じてアンカーを地面に打ち付けることで、警告装置(10)を地面に固定することも可能である。アンカーで固定することにより、強風でも警告装置(10)が倒れ難くなる。
【0017】
基部(11)は、伸縮部(20)よりも剛性の高い材料で構成するのが好ましい。これにより、万が一車両(3)が基部(11)に乗り上げたとしても、基部(11)が破損することを抑制できる。
【0018】
〈伸縮部〉
図1において、伸縮部(20)は、縦長の中空筒状に形成されている。伸縮部(20)の頂部(21)及び底部(22)は、円形状に形成されている。本実施形態の伸縮部(20)の形状は円柱状であるが、これに限らず角柱状、コーン状(円錐状ないし角錐状)等であってもよい。
【0019】
伸縮部(20)の底部(22)は、基部(11)の凹部(12)に固定される。伸縮部(20)の周壁(23)は、鉛直方向に伸縮ないし変形可能な可撓性を有する材料、あるいは蛇腹形状に形成される。これにより、伸縮部(20)は基部(11)の上側において、鉛直方向に伸縮可能に構成される。
【0020】
例えば、伸縮部(20)は、伸張した状態において、頂部(上端)が車両(3)のボディの下端の位置よりも高く設定され、収縮した状態において、頂部が車両(3)のボディの下端の位置よりも低く設定される。伸縮部(20)は、地面から伸縮部(20)の頂部までの長さを可変できるものであれば、可撓性を有する材料、蛇腹構造等に限定されるものではない。
【0021】
伸縮部(20)には、伸縮部(20)が伸張した状態において、他の車両(3)のドライバーに注意喚起をする文字、記号等の表示が付されていることが好ましい。例えば、伸縮部(20)が伸張した状態において、外面に「契約駐車場です。駐車禁止。」等の表示をすることが好ましい。
【0022】
伸縮部(20)は、基部(11)よりも剛性の低い材料で構成するのが好ましい。また、伸縮部(20)は、基部(11)よりも弾性が高い材料で構成するのが好ましい。これにより、万が一伸縮部(20)に車両(3)が当たった場合でも、伸縮部(20)や車両(3)の破損を抑制できる。
【0023】
伸縮部(20)には、発光部(24)が設けられる。発光部(24)は、LED等の発光素子で構成される。発光部(24)が発光することで、他の車両のドライバーが警告装置(10)の存在を速やかに視認できる。本実施形態の発光部(24)は、伸縮部(20)の頂部に設けられる。このため、発光部(24)が高い位置から発光することが可能になり、遠くからの視認性が高くなる。
【0024】
〈駆動機構〉
図4及び
図5に示すように、本実施形態の駆動機構(30)は、駆動部であるモータ(31)と、該モータ(31)に駆動されることで鉛直方向に伸縮する伸縮機構(32)とを備える。
【0025】
伸縮機構(32)は、伸縮部(20)の内部に配置される。本実施形態の伸縮機構(32)は、複数のリンク(33)がパンタグラフ状に連結される。具体的には、伸縮機構(32)は、一対のリンク(33a,33b)からなる複数の連結ユニット(34)が、鉛直方向に連結されて構成される。各連結ユニット(34)では、一対のリンク(33a,33b)が交差するように配置され、該一対のリンク(33a,33b)の交差した部分がピン(35)によって回動可能に連結される。隣り合う一対の連結ユニット(34)では、下側の一対のリンク(33a,33b)の各上端と、上側の一対のリンク(33a,33b)の各下端とがピン(35)によって回動可能に連結される。
【0026】
最上段の連結ユニット(34)の一対のリンク(33a,33b)の各上端部(36)は、伸縮部(20)の頂部(21)に固定される。最下段の連結ユニット(34)の各下端部(37)は、伸縮部(20)の底部(22)に固定される。
【0027】
モータ(31)が回転すると、最下段の連結ユニット(34)の2つのリンク(33)の下端部(37)の間隔が変化する。これにより、各リンク(33)の傾斜角度が変化し、ひいては伸縮機構(32)の高さが変化する。より詳細には、2つの下端部(37)の間隔が拡がると、各リンク(33)の水平面に対する傾斜角度が小さくなる。これにより、伸縮機構(32)の高さが低くなり、伸縮部(20)が完全に収縮した収縮状態(
図2及び
図5(A)の状態)になる。この状態を、第2状態、ないし非警告状態ともいう。
【0028】
一方、2つの下端部(37)の間隔が狭まると、各リンク(33)の水平面に対する傾斜角度が大きくなる。これにより、伸縮機構(32)の高さが高くなり、伸縮部(20)が完全の伸びた伸張状態(
図1及び
図5(B)の状態)になる。この状態を、第1状態、ないし警告状態ともいう。
【0029】
〈その他の構成部品〉
図4に示すように、警告装置(10)は、電源(40)、第1送受信部(41)、伸縮位置検知部(42)、車両検知部(43)、異常検知部(44)、及び警報部(45)を備えている。
【0030】
電源(40)は、基部(11)の内部に設けられる。電源(40)は、充電式、あるいは使い捨て式の電池であってもよいし、商用電源から交流電力が供給される給電部であってもよい。電源(40)は、モータ(31)や発光部(24)に電力を供給する。電池、バッテリー等の電源に含まれる部品は、他の部材と比較して重い。このため、電源(40)を基部(11)の内部に設けることにより警告装置(10)の重心を地面に近く(低く)することができる。警告装置(10)の重心を低くすることにより、伸縮部(20)が伸張した状態でも警告装置(10)が風で転倒し難くなる。
【0031】
第1送受信部(41)は、無線式の通信部であり、信号の送受信を行う。第1送受信部(41)は、アンテナ等で構成され、基部(11)に取り付けられる(
図1を参照)。第1送受信部(41)は、送信部と受信部とが別部品で構成されていてもよい。第1送受信部(41)は、リモートコントローラ(50)から出力される制御信号を受信する。
【0032】
伸縮位置検知部(42)は、伸縮部(20)の近傍に配置され、伸縮部(20)がどの位置(どの状態)にあるかを検知する。伸縮位置検知部(42)で伸縮部(20)の位置を検知しながらモータ(31)を制御することで、伸縮部(20)を確実に第1状態(警告状態)や第2状態(非警告状態)の位置で静止できる。
【0033】
例えば、伸縮位置検知部(42)は、伸縮部(20)の頂部(21)近傍に備えられた頂部側装置(図示せず)と、伸縮部(20)の底部(22)近傍に備えられた底部側装置(図示せず)とを有し、頂部側装置及び底部側装置の一方から光を投光し、頂部側装置及び底部側装置の他方で投光された光を受光する。投光した時刻と受光した時刻との時間差から伸縮部(20)の高さ(伸縮部が伸張しているか、収縮しているか)を検知できる。また、頂部側装置及び底部側装置の一方と他方との静電容量、頂部側装置の気圧、磁場等を用いて伸縮部(20)の高さを検知することもできる。また、近接センサ等を用いて伸縮部(20)の高さを検知することもできる。
【0034】
車両検知部(43)は、基部(11)の上面に設置される。車両検知部(43)は、例えば近接センサで構成される。例えば、伸縮部(20)が収縮状態であるときや、伸縮部(20)が伸張動作をしているときに、基部(11)の上側に車両(3)が存在する場合、車両検知部(43)は近接物体である車両(3)を検知する。
【0035】
車両検知部(43)が車両(3)を検知した場合、伸縮部(20)が伸張動作を継続すると、車両(3)と伸縮部(20)とが衝突する可能性がある。このため、車両検知部(43)が車両(3)を検知した場合、制御部(46)は、駆動機構(30)を制御することにより伸縮部(20)の伸張動作を禁止する。これにより、警告装置(10)の上側にユーザの車両(3)が存在するときに、ユーザ(車両のドライバー)の操作ミス等により、伸縮部(20)が伸張してしまうことを回避できる。
【0036】
なお、車両検知部(43)が車両(3)を検知した場合、制御部(46)は、車両検知部(43)が車両(3)を検知したことをユーザ(車両のドライバー)に通知することが好ましい。通知に基づいてドライバーは不適切な駐車位置であることを認識し、駐車をやり直して適切な駐車位置に駐車できるからである。具体的には、例えば、制御部(46)は、車両検知部が車両を検知した旨の信号を生成し、第1送受信部(41)から送信することができる。車両検知部が車両を検知した旨の信号は、車両(3)の送受信部(図示せず)に受信される。車両(3)のカーナビゲーションシステム(図示せず)は、車両検知部が車両を検知した旨の情報を表示し、ドライバーの駐車のやり直しをアシストすることができる。
【0037】
異常検知部(44)は、警告装置(10)の周囲の異常状態を検知する。ここでいう異常状態とは、例えば他の車両が駐車用スペースに駐車することや、伸縮部(20)に何らかの物体が接触することを含む。
【0038】
警報部(45)は、異常検知部(44)が何らかの異常を検知した際に、光や音を発したり、ユーザの携帯端末に警報を示す信号を発信したりする。これにより、ユーザは警告装置(10)の周囲の異常状態を速やかに把握できる。
【0039】
警告装置(10)は、制御部(46)(制御回路)を備えている。制御部(46)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成されている。制御部(46)は、基部(11)の内部に設けられる(
図1を参照)。制御部(46)は、第1送受信部(41)(受信部)に受信された制御信号に基づいて駆動機構(30)を制御する。制御信号は、例えば、収縮状態の伸縮部(20)を伸張状態(車両の侵入を禁止する警告状態)に切り換えるための信号である第1制御信号と、伸張状態の伸縮部(20)を収縮状態(車両の侵入を禁止しない非警告状態)に切り換えるための信号である第2制御信号とを含む。
【0040】
具体的には、第1送受信部(41)に第1制御信号が入力されると、制御部(46)は、収縮状態の伸縮部(20)を伸張状態に切り換えるように駆動機構(30)を制御する。第1送受信部(41)に第2制御信号が入力されると、制御部(46)は、伸張状態の伸縮部(20)を収縮状態に切り換えるように駆動機構(30)を制御する。
【0041】
〈リモートコントローラ〉
図4に示すようにリモートコントローラ(50)は、操作部(51)及び第2送受信部(52)を備えている。操作部(51)は、リモートコントローラ(50)の第2送受信部(52)から第1制御信号及び第2制御信号を選択的に出力するためのスイッチ等を有する。操作部(51)は、第1制御信号を送信するための第1ボタンと、第2制御信号を送信するための第2ボタンとを備えていることが好ましい。操作部(51)は、例えば液晶画面に表示されるタッチパネル等であってもよい。リモートコントローラ(50)は、車両(3)のカーナビゲーションシステム等の機器と一体化していてもよいし、携帯電話、スマートフォン等の機器であってもよい。
【0042】
第2送受信部(52)は、無線式の通信部であり、信号の送受信を行う。第2送受信部(52)は、アンテナ等で構成され、リモートコントローラ(50)の本体に取り付けられる。第2送受信部(52)は、送信部と受信部とが別部品で構成されていてもよい。第2送受信部(52)は、操作部(51)の操作に応じて、第1制御信号及び第2制御信号を警告装置(10)へ発信する。
【0043】
−警報システムの動作−
ユーザの車両(3)が駐車スペース(2)に駐車されていないときは、駐車スペース(2)の周囲に設置された警告装置(10)の伸縮部(20)を伸張状態とする。これにより、他の車両が駐車スペース(2)に侵入することを抑制できる。ユーザの車両(3)が駐車スペース(2)に戻ってきた際には、ユーザが車内からリモートコントローラ(50)を操作し、第2制御信号(収縮状態に切り換えるための信号)を送信する(
図6を参照)。第2制御信号が警告装置(10)の第1送受信部(41)に受信されると、制御部(46)が駆動機構(30)を制御することによりモータ(31)が駆動され、伸縮機構(32)が
図5(B)の状態から
図5(A)の状態へと収縮する。これに伴い、伸縮部(20)は
図1の状態から
図2の状態へと収縮し、伸縮部(20)が基部(11)の凹部(12)内に収容される。なお、この状態では、伸縮部(20)の頂部(21)が凹部(12)の上側の開口面と一致する、あるいは開口面よりも低い位置となるのが好ましい(
図2を参照)。
【0044】
以上の動作により、
図7に示すように、ユーザが車内から容易に警告装置(10)の高さを低くすることができ、車両(3)は警告装置(10)の上側を通過できる。このように、ユーザが降車して警告装置の所まで行き警告装置を収縮させたり、ユーザが降車して警告装置の所まで行き警告装置を駐車スペース(2)の境界線上から他の場所に移動させたりすることなく、駐車スペース(2)に駐車することができる。駐車スペース(2)に駐車している間は、伸縮部(20)をそのまま収縮状態としておけばよい。
【0045】
一方、車両(3)を駐車スペース(2)から出す際には、駐車する際と同様にして、収縮状態の警告装置(10)の上側を車両(3)が通過する。その後、ユーザは車内からリモートコントローラ(50)を操作し、第1制御信号(伸張状態に切り換えるための信号)を送信する。第1制御信号が警告装置(10)の第1送受信部(41)で受信されると、制御部(46)が駆動機構(30)を制御することによりモータ(31)が制御され、伸縮機構(32)が
図5(A)の状態から
図5(B)の状態へと伸張する。これに伴い、伸縮部(20)も
図2の状態から
図1の状態へと伸張し、伸縮部(20)が基部(11)より上方に延出する。
【0046】
以上の動作により、
図6に示すように、ユーザが車内から容易に警告装置(10)の高さを高くすることができる。このように、ユーザが降車して警告装置の所まで行き警告装置を伸張させたり、ユーザが降車して警告装置の所まで行き警告装置を駐車スペース(2)の境界線上に移動させたりすることなく、他の車両が無断での駐車スペース(2)に侵入することを抑制できる。
【0047】
収縮状態の伸縮部(20)が伸張状態に至るまでの時間をt1、伸張状態の伸縮部(20)が収縮状態に至るまでの時間をt2とすると、制御部(46)は、時間t2が時間t1よりも短くなるように伸縮部(20)の伸縮を制御することが好ましい。例えばt2は5秒未満であり、t1は5秒以上に設定される。
【0048】
t2<t1とすることで、伸縮部(20)を速やかに収縮状態へ切り換えることができる。この結果、駐車する際のユーザの待ち時間(伸縮部(20)が収縮するまでの待ち時間)を短くできる。なお、t2<t1とすると、伸縮部(20)が伸張状態へ切り換わる時間は長くなるが、伸張状態への切り換わりは、ユーザが駐車スペース(2)を出た後に行われるため、時間t1が長くなってもユーザが不快感を覚えることはない。
【0049】
また、収縮状態の伸縮部(20)が伸張状態に至るまでの最高速度をv1、伸張状態の伸縮部(20)が収縮状態に至るまでの最高速度をv2とすると、制御部(46)は、最高速度v2が最高速度v1よりも速くなるように伸縮部(20)の伸縮を制御することが好ましい。最高速度v2を最高速度v1よりも速くすることにより、容易にt2<t1を実現できるからである。
【0050】
《発明の実施形態2》
実施形態2の警報システム(S)は、複数の警告装置(10)と、複数の警告装置(10)の少なくとも1つに対応するリモートコントローラ(50)とを備えた警報システム(S)である。本実施形態の警報システム(S)は、複数の警告装置(10)を用いた高度なネットワーク(例えば、マルチホップ無線式の通信ネットワーク)が構築されている。
【0051】
マルチホップ無線式の通信ネットワークとは、例えば、複数の無線通信装置を経由して、バケツリレーのようにデータを伝送する方法で構築したネットワークであり、自動的に経路を選択・迂回して通信を行うため、障害に強く信頼性に優れる。マルチホップ無線式の通信ネットワークでは、1台の親局で多数(例えば100台以上)の子局を収容できるため、広いエリアの無線ネットワークをローコストで構築できる。
【0052】
図8に示した警報システム(S)では、リモートコントローラ(50)から送信された制御信号が、他の警告装置(10)を介してユーザの警告装置(10)に転送可能となっている。
図8に示した実施形態では、例えば920MHz帯の電波が用いられる。なお、警告装置(10)及びリモートコントローラ(50)の基本的な構成は、上記実施形態1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0053】
図8に示すように、各警告装置(10)のそれぞれにおいて、制御部(46)は、第1送受信部(41)を用いて、リモートコントローラ(50)、又は、他の警告装置(10)から送信された制御信号を受信する制御、及び、第1送受信部(41)を用いて、受信した制御信号をリモートコントローラ(50)、又は、他の警告装置(10)に送信する制御を行う。
【0054】
各警告装置(10)のそれぞれに設けられた制御部(46)には、第1記憶部(47)及び判定部(48)が備えられている。各警告装置(10)のそれぞれにおいて、第1記憶部(47)には、各警告装置(10)毎に個別に設定されたID情報(当該警告装置に個別に設定された識別情報)が記憶されている。
【0055】
リモートコントローラ(50)、又は、他の警告装置(10)から送信される制御信号(第1制御信号及び第2制御信号)には、複数の警告装置のうち何れかの警告装置に対応するID情報が含まれている。
【0056】
各警告装置(10)のそれぞれにおいて、判定部(48)は、第1記憶部(47)に記憶されたID情報と、第1送受信部(41)が受信した制御信号に含まれるID情報とを照合し、両者が一致していることを示す条件が成立するかを判定する。
【0057】
各警告装置(10)のそれぞれにおいて、制御部(46)は、判定部(48)により上記条件が成立すると判定された場合、駆動機構(30)を制御することにより、実施形態1と同様にして伸縮部(20)を伸縮させる。制御部(46)は、判定部(48)により上記条件が成立すると判定されない場合、駆動機構(30)を制御しない。
【0058】
−警報システムの動作の詳細−
図8に示した警報システム(S)の動作について、
図9を参照しながら更に具体的に説明する。
図9の例では、駐車場(1)に複数の駐車スペースが設定されている。複数の駐車スペースには、警告装置(10A〜10F)が設置されている駐車スペースと、警告装置(10)が設置されていない駐車スペースとがある。ハッチングが付された駐車スペース(2A)は、ユーザの駐車スペースであり、警告装置(10A)が設置されている。警告装置(10A〜10F)のそれぞれの第1記憶部(47)には、それぞれ別のID情報が記憶されている。
【0059】
ユーザが携帯しているリモートコントローラ(50A)には、予め警告装置(10A)に対応するID情報が記憶されており、ユーザが携帯しているリモートコントローラ(50A)から送信される制御信号(第1制御信号及び第2制御信号)には、警告装置(10A)に対応するID情報が含まれている。警告装置(10B〜10F)に対応するリモートコントローラ(50B〜50F)から送信される制御信号には、警告装置(10B〜10F)に対応するID情報が含まれている。
【0060】
なお、ユーザの駐車スペース(2A)に、そのユーザが使用する警告装置(10A)が複数設置されている場合、当該ユーザが使用する複数の警告装置のそれぞれには、同一のID情報が記憶されていることが好ましい。一つのリモートコントローラ(50A)で複数の警告装置を同時に制御できるからである。
【0061】
図8に示した警報システム(S)の動作を説明する。
図9において、ユーザの車両(3)が駐車場(1)に戻った際(車両(3)が
図9に示した位置にあるとき)、ユーザはリモートコントローラ(50)を操作し、リモートコントローラ(50)は第2制御信号(収縮状態に切り換えるための信号)を送信する。
【0062】
第2制御信号は、ユーザの車両(3)に近い他の警告装置(例えば警告装置(10B,10C))の第1送受信部(41)により受信される。なお、ユーザのリモートコントローラ(50)から送信された第2制御信号のID情報は、警告装置(10A)に対応し、警告装置(10B〜10F)に対応しない。
【0063】
警告装置(10B,10C)のそれぞれの判定部(48)は、第1記憶部(47)に記憶されたID情報と、受信した第2制御信号に含まれるID情報との照合を行い、条件が成立しないと判定する。ユーザのリモートコントローラ(50)から送信される第2制御信号のID情報は、警告装置(10A)に対応しているからである。
【0064】
警告装置(10B,10C)の制御部(46)は、判定部(48)により条件が成立しないと判定されたので、駆動機構(30)を制御せず、第1送受信部(41)を用いて、受信した第2制御信号を他の警告装置(10)に送信する。
警告装置(10B)から送信された第2制御信号は、警告装置(10B)に近い他の警告装置(例えば警告装置(10C,10D,10E))により受信され、警告装置(10C)から送信された第2制御信号は、警告装置(10C)に近い他の警告装置(例えば警告装置(10E,10F))により受信され、上記と同様の処理が施される。
【0065】
上述した第2制御信号の転送等の処理が繰り返されることで、警告装置(10A)は、他の警告装置(10E,10F)から送信された第2制御信号を受信する。
【0066】
警告装置(10A)の判定部(48)は、第1記憶部(47)に記憶されたID情報と、受信した第2制御信号に含まれるID情報との照合を行い、条件が成立すると判定する。ユーザのリモートコントローラ(50)から送信される第2制御信号のID情報は、警告装置(10A)に対応しているからである。
【0067】
警告装置(10A)の制御部(46)は、判定部(48)により条件が成立すると判定されたので、駆動機構(30)を制御することにより、ユーザの警告装置(10A)の伸縮部(20)を収縮状態に切り換えることができる。
【0068】
以上のように、実施形態2では、ユーザのリモートコントローラ(50)から発信された制御信号を、複数の警告装置(10B〜10F)を介してユーザの警告装置(10A)へ送ることができる。このため、
図9の例で示すように、車両(3)の位置とユーザの警告装置(10A)とが比較的離れている状況や、車両(3)と警告装置(10A)との間に壁、車両等の電波の遮蔽物がある状況であっても、ユーザの警告装置(10A)を確実に制御できる。
【0069】
上述した実施形態2の変形形態について説明する。上述した実施形態2では、ユーザが携帯しているリモートコントローラ(50A)には、予め警告装置(10A)に対応するID情報が記憶されており、警告装置(10B〜10F)に対応するID情報が含まれていなかった。
【0070】
本実施形態において、ユーザは、例えば、複数の車両を所有する企業(宅配業者等)の従業員である。当該企業は、駐車場(1)の複数の駐車スペースについて、当該企業の車両のみが駐車できる契約をしている。当該企業の車両を運転する従業員(ユーザ)は、当該企業が契約している複数の駐車スペースのうち、空いている駐車スペースに車両を駐車できる。当該企業が契約している複数の駐車スペースのそれぞれには、警告装置(10A〜10F)のそれぞれが設置されている。
【0071】
車両(3)を運転しているユーザ(従業員)が携帯しているリモートコントローラ(50A)には、予め警告装置(10A〜10F)に対応するID情報が記憶されている。リモートコントローラ(50A)の操作部(51)には、例えば、操作する警告装置(10A〜10F)の何れかを選択するための選択ボタン、及び、第1制御信号を送信するための第1ボタンと、第2制御信号を送信するための第2ボタンとを備えていることが好ましい。
【0072】
ユーザが携帯しているリモートコントローラ(50A)には、警告装置(10A〜10F)に対応するID情報が記憶されているので、リモートコントローラ(50A)は、警告装置(10A〜10F)の何れかに対応する制御信号(警告装置(10A〜10F)に対応するID情報が含まれている制御信号)を送信することができる。
【0073】
本実施形態において、ユーザの車両(3)が駐車場(1)に戻った際、ユーザは当該企業が契約している複数の駐車スペースのうち空いている駐車スペースを確認する。次に、操作部(51)の選択ボタンを操作することにより、空いている駐車スペースに設置されている警告装置(例えば、10A)を選択する。次に、操作部(51)の第2ボタンを操作することにより、警告装置(10A)に対応するID情報が含まれている第2制御信号を送信する。
【0074】
第2制御信号は、ユーザの車両(3)に近い他の警告装置(例えば警告装置(10B,10C))により受信される。その後、上述した実施形態2で説明した処理が施されることにより、警告装置(10A)は、他の警告装置(例えば10E,10F)から送信された第2制御信号を受信し、伸縮部(20)を収縮状態に切り換えることができる。
【0075】
以上のように、実施形態2の変形形態では、ユーザのリモートコントローラ(50)から発信された制御信号を、複数の警告装置(10A〜10F)を介して任意の警告装置(10A〜10F)へ送ることができる。また、ユーザのリモートコントローラ(50)から発信された制御信号に基づいて、任意の警告装置(10A〜10F)を制御することができる。このため、複数の警告装置(10A〜10F)を所有している場合でも、複数の警告装置(10A〜10F)のそれぞれを好適に制御できる。
【0076】
《発明の実施形態3》
実施形態3の警報システム(S)は、出力装置(60)を備えている。出力装置(60)は、ユーザの車両(3)に搭載された機器であり、例えば、車両(3)のカーナビゲーションシステム、運転アシストシステム等の一部である。なお、警告装置(10)の基本的な構成は、上記実施形態1及び上記実施形態2と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0077】
図10に示すように、出力装置(60)は、位置情報取得部(61)、第2記憶部(62)、位置関係判定部(63)、及び第3送受信部(64)を備えている。
【0078】
位置情報取得部(61)は、ユーザの車両(3)の現在位置を特定するものであり、例えばカーナビゲーションシステムのGPS(Global Positioning System)に兼用されている。第2記憶部(62)には、予め設定されたユーザの駐車スペース(2)の位置情報が記憶される。位置関係判定部(63)は、位置情報取得部(61)で取得した車両(3)の現在位置に関する情報と、設定した駐車スペース(2)の位置情報との距離を判定する。出力装置(60)は、この距離に応じて、第3送受信部(64)から警告装置(10)に制御信号を送信する。
【0079】
具体的には、例えば警告装置(10)の伸縮部(20)が伸張状態であるときに、車両(3)が駐車スペース(2)の近くに戻ってきたとする。これに伴い、位置関係判定部(63)で判定される距離が第1所定値(例えば、100m)より小さくなると、出力装置(60)から警告装置(10)へ自動的に第2制御信号(伸縮部を収縮状態に切り換えるための信号)が送信される。この結果、車両(3)が駐車スペース(2)の手前(例えば、車両の現在位置情報と、駐車スペースの位置情報との距離が5m以内)に戻る前に、伸縮部(20)を収縮状態に切り換えることができる。
【0080】
本実施形態によれば、ユーザがリモートコントローラ(50)を操作する手間を省くことができ、より使い勝手のよいシステムを提供することができる。また、第1所定値を適切に設定することで、車両(3)が駐車スペース(2)に到着する前に確実に警告装置(10)を収縮状態にすることができ、ユーザの待ち時間(警告装置が収縮状態になるまでの待ち時間)を確実に短縮できる。
【0081】
他の実施形態として、出力装置(60)から警告装置(10)へ自動的に第1制御信号(伸縮部を伸張状態に切り換えるための信号)を送信することもできる。
【0082】
この場合、出力装置(60)には、予め第2所定値(例えば、1km)を設定しておく。車両(3)が駐車スペース(2)から出て、位置関係判定部(63)で判定される距離が第2所定値(例えば、1km)より大きくなると、出力装置(60)から警告装置(10)へ自動的に第1制御信号(伸縮部を伸張状態に切り換えるための信号)が送信される。
【0083】
本実施形態によれば、外出時に伸縮部(20)が伸張状態に切り換わったことを確認する必要が無いので、その分だけユーザの待ち時間(警告装置が伸張状態になるまでの待ち時間)を確実に短縮できる。なお、伸縮部(20)を無駄に伸縮させることを防ぐため、第2所定値は、第1所定値よりも大きいことが好ましい。
【0084】
《駆動機構の変形例》
上述した各実施形態においては、駆動機構(30)を次のような変形例の構成としてもよい。
【0085】
〈駆動機構の変形例1〉
図11に示す変形例1の駆動機構(30)は、モータ(31)と、モータ(31)によって巻回されるワイヤー(70)と、該ワイヤー(70)が連結されるスプリング(71)と、スプリング(71)を収縮状態において保持するロック機構(72)とを備えている。
【0086】
スプリング(71)は、伸縮部(20)の内部に収容される。スプリング(71)の上端が伸縮部(20)の頂部(21)に固定され、スプリング(71)の下端が伸縮部(20)の底部(22)に固定される。スプリング(71)は、外力を加えない状態で所定の長さを有し、鉛直方向に圧縮することにより弾性変形しバネの長さが短くなる圧縮バネである。
【0087】
ワイヤー(70)は、プーリー(73)を介してモータ(31)とスプリング(71)との間に張架される。ワイヤー(70)の一端(下側端部)は、モータ(31)の軸部(31a)に巻回される。ワイヤー(70)の他端(上側端部)は、スプリング(71)の上端に連結される。
【0088】
収縮状態(
図11(A)の状態)の伸縮部(20)を伸張状態(
図11(B)の状態)に切り換える際には、ロック機構(72)のラッチ部(72a)によるスプリング(71)の規制を解除する。すると、スプリング(71)は、その弾性力により上方へ伸張し、これに伴い伸縮部(20)も伸張状態になる。
【0089】
伸張状態の伸縮部(20)を収縮状態に切り換える際には、モータ(31)を駆動し、ワイヤー(70)を軸部(31a)に巻き取る。すると、スプリング(71)は弾性力に抗して下方へ収縮する。この状態でロック機構(72)のラッチ部(72a)によりスプリング(71)の上方への変形を規制することで、伸縮部(20)が収縮状態に保持される。
【0090】
〈駆動機構の変形例2〉
図12に示す変形例2の駆動機構(30)は、エアシリンダ式に構成される。つまり、駆動機構(30)は、密閉中空状のエアシリンダ(75)と、該エアシリンダ(75)の内部の空気の量を調節する空気調節部(76)とを備えている。エアシリンダ(75)は、その内部の空気の量に応じて鉛直方向に伸縮する。空気調節部(76)は、例えばエアポンプ(77)と、エアポンプ(77)で搬送する空気をエアシリンダ(75)内に供給する空気流路(78)とを含んでいる。
【0091】
変形例2では、エアポンプ(77)や空気抜き弁等により、エアシリンダ(75)の内部の空気の量と調節することで、エアシリンダ(75)が伸縮し、ひいては伸縮部(20)が伸縮する。
【0092】
〈駆動機構の変形例3〉
図13に示す変形例3の駆動機構(30)は、変形例2の構成において、エアシリンダ(75)を収縮方向に付勢するスプリング(74)が設けられている。スプリング(74)は、鉛直方向に引張ることにより弾性変形しバネの長さが長くなる引張バネである。この構成では、スプリング(74)の弾性変形を利用してエアシリンダ(75)を速やかに収縮できる。従って、上述したt2<t1の関係を容易に実現できる。
【0093】
具体的には、収縮状態の伸縮部(20)を伸張状態にする場合、エアシリンダ(75)の内部に空気を満たし、スプリング(74)の張力に抗しながら伸縮部(20)を伸張する。このとき、伸張状態に至るまでの最高速度がv1、伸張状態に至るまでの時間がt1となる。
【0094】
伸張状態の伸縮部(20)を収縮状態にする場合、スプリング(74)の付勢力にアシストされながらエアシリンダ(75)の内部の空気を排出することにより、伸縮部(20)を収縮する。このとき、収縮状態に至るまでの最高速度がv2、伸張状態に至るまでの時間がt2となる。
【0095】
《その他の実施形態》
図14に示すように、伸縮部(20)は、上方に向かうにつれて外径が小さくなる、複数のシリンダ(79)を組み合わせた構成であってもよい。伸縮部(20)の伸張状態(
図14(B)の状態)では、外径の大きなシリンダ(79)から外径の小さなシリンダ(79)が上方へ突出する状態になる。伸縮部(20)の収縮状態(
図14(A)の状態)では、外径の小さなシリンダ(79)が外径の大きなシリンダ(79)の内部に収容される。
【0096】
図15に示すように、警告装置(10)は、バー(80)などの警告部材を有し、他の車両の駐車スペース(2)への侵入を抑制する構成であってもよい。この例では、基部(11)の上部に棒状のバー(80)の一端が回動可能に支持される。警告装置(10)は、バー(80)の傾斜角度を切り換えるモータ等の駆動機構(図示省略)を備えている。
【0097】
バー(80)を基部(11)に対して起立させる状態とすると、警告装置(10)の全体の高さが大きくなり、このバー(80)が車両の侵入を禁止する第1状態(
図15(B)の状態)となる。バー(80)を基部(11)に沿って寝かす状態とすると、警告装置(10)の全体の高さが低くなり、このバー(80)が車両(3)の侵入を許容する第2状態(
図15(A)の状態)となる。この構成においても、上述した各形態と同様、制御信号に応じて第1状態と第2状態とを切り換えることができる。
【0098】
上述した実施例では、複数のリンクがパンタグラフ状に連結された伸縮機構、モータとワイヤーとスプリングとを用いた駆動機構、エアシリンダを用いた駆動機構等を用いて詳細に説明したが本発明の警告装置は、上述した実施例に限定されるものではない。例えば、リードスクリューを用いた伸縮機構、円筒状のカム溝、カムピン等を組み合わせてモータの回転運動を直線運動に変換する伸縮機構、磁石を用いた伸縮機構等であってもよい。
【0099】
上述した実施例では、駐車場(1)で利用される警告装置(10)を用いて詳細に説明したが、本発明の警告装置は、駐車場で利用される警告装置に限定されるものではない。本発明の警告装置は、例えば、道路、高速道路等に設置することにより、道路、高速道路用の警告装置としても利用可能である。また、公園等に設置することにより、スポーツ用、その他の用途としても利用可能である。
【0100】
上述した実施例では、警告装置に制御信号を送信するリモートコントローラを用いて詳細に説明した。警告装置に制御信号を送信する機器(リモートコントローラ)は、携帯電話、スマートフォン等の人が携帯可能な小型無線機器であってもよいし、車両に搭載された無線通信が可能なカーナビゲーションシステム等であってもよい。
【0101】
上述した実施例では、送信部と受信部とが一体に形成された例を用いて説明したがこれに限定されるものではなく、送信部と受信部とが別体に構成されていてもよい。
【0102】
上述した実施例において、制御信号は伸縮部の伸縮を制御できるものであれば、上述した実施例に限定されない。例えば、各種制御信号、センサ信号等が制御信号と一体的にコード化された信号などであってもよい。