特許第6703693号(P6703693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703693
(24)【登録日】2020年5月13日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】錠剤計数補助装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 65/08 20060101AFI20200525BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   B65B65/08
   A61J3/00 310F
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-155112(P2016-155112)
(22)【出願日】2016年8月6日
(65)【公開番号】特開2018-20835(P2018-20835A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】516166317
【氏名又は名称】株式会社サイレック
(74)【代理人】
【識別番号】100187296
【弁理士】
【氏名又は名称】桜井 重夫
(72)【発明者】
【氏名】横原 大
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−29702(JP,A)
【文献】 特開2000−186915(JP,A)
【文献】 特開2012−171784(JP,A)
【文献】 特開2015−57114(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B65/08
A61J 3/00
A61J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方にパソコンのキーボード収容部を有する基台と、該基台に固定される支柱と、上記基台の上方に位置させて上記支柱に固定される横杆とから成り、上記基台上には、錠剤を収容するトレーを上記基台上面に位置決めするガイドが設けられ、上記横杆には、上記基台上に載置される上記トレーに光を照射するLEDライトと、上記基台上の上記トレー面に収容された錠剤の画像処理用のカメラとが設けられていることを特徴とする錠剤計数補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤計数補助装置に関するもので、特に健康食品等の錠剤をトレーを用いて手動により容器に小分けする等、振り分けるに際して、トレー自体に特別な計数のための工夫を施さなくても、パソコンによる画像処理を容易に行い得るようにして、トレー上の錠剤を計数可能とし、もって、手動によるトレーを用いた錠剤の所定錠宛の振分を行い易くする錠剤計数補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、健康食品等の錠剤を手動により容器に小分け等、振り分けるに際しては、図11図12の如きトレー6が用いられている。この従来のトレーは、取っ手67を設けたトレー本体61上に、錠剤保持孔62を多数有する計数板63を付勢させた状態で重ね合わせ、付勢に抗して摘み64を摘まむことによりトレー本体61に対して計数板63を回動軸65を中心に矢印方向に回動させる構成となっており、錠剤の所定錠の振分は、計数板63上に錠剤を充分供給して全ての錠剤保持孔62に錠剤が保持されていることを視認し、余分な錠剤を計数板63上からトレー本体61の排出口66を介して排出して取り除いた後、トレー本体61の取っ手67を握持しながら摘み64を摘まんで計数板63の錠剤保持孔62にのみ錠剤を保持させ、しかる後トレー本体61を傾けて計数板63上の錠剤を上記排出口66から容器(図示せず)内に振り分けることにより行なわれている。従って、従来のトレー6では、計数板63の錠剤保持孔62に錠剤が全て保持されていることを視認して操作さえすれば、所定錠の錠剤を容器に振り分けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、扱う錠剤が異なる場合には、その大きさ、形状、振り分ける錠剤数が異なるため、それに対応する計数板63を有する異なるトレー6を用いなければならず、それぞれが衛生面を考慮して比較的高価なトレーを複数台用意することは、経済的に大きな負担となっていた。
【0004】
本発明者は、上記の問題を解決すべく、従来のトレーのようには取り扱う錠剤によってその構成を変えずに、単一のトレー、例えば従来のトレー本体だけを用いても、異なる錠剤に対応できないものかと鋭意研究を重ねた結果、画像処理技術を利用することによって、これが可能なことを知見し、この知見に基づき本発明に至ったものである。
【0005】
従って、本発明の目的は、特に健康食品等の錠剤をトレーを用いて手動により容器に小分けする等、振り分けるに際して、トレー自体に特別な計数のための工夫を施さなくても、パソコンによる画像処理を容易に行い得るようにして、トレー上の錠剤を計数可能とし、もって、手動によるトレーを用いた錠剤の所定錠宛の振分を行い易くする新規な錠剤計数補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するため、下方にパソコンのキーボード収容部を有する基台と、該基台に固定される支柱と、上記基台の上方に位置させて上記支柱に固定される横杆とから成り、上記基台上には、錠剤を収容するトレーを上記基台上面に位置決めするガイドが設けられ、上記横杆には、上記基台上に載置される上記トレーに光を照射するLEDライトと、上記基台上の上記トレー面に収容された錠剤の画像処理用のカメラとが設けられていることを特徴とする錠剤計数補助装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の錠剤計数補助装置は、上記のように構成されているため、パソコンと有機的に組み合わせることができ、パソコンに画像処理ソフトをインストールしておき、パソコンとカメラ、LEDライトを接続しておけば、基台上にトレーを位置決めすることにより、トレー上の錠剤数等を、画像処理によりパソコンのディスプレー(画面)に適宜に計数結果として表示することができ、この表示に基づいて手動によりトレー上の錠剤数を所定錠となるように調整することができる。従って、本発明の錠剤計数補助装置によれば、トレー自体に従来のようには特別な計数のための工夫を施さなくても良く、単一のトレーを用いても、パソコンによる画像処理でトレー上の錠剤を計数可能であり、手動による所定錠宛の振分を容易に行うことができるという著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の錠剤計数補助装置の一実施例の斜め上方からの斜視図である。
図2】パソコンと共に示す本発明の錠剤計数補助装置の一実施例の前方上方からの斜視図である。
図3図2の縦断面である。
図4】本発明の錠剤計数補助装置の一実施例に用いられているLEDライトをその照明ケースと共に示す底面図である。
図5】本発明の錠剤計数補助装置の一実施例に用いられるトレーの斜視図である。
図6】本発明の錠剤計数補助装置の一実施例において用いられる画像処理のブロック図である。
図7】本発明の錠剤計数補助装置の一実施例において所定錠の錠剤が収容されている場合の平面図である。
図8】図の7の状態をパソコンのディスプレーに画像処理結果として表示した場合の模式図である。
図9】本発明の錠剤計数補助装置の一実施例において錠剤が一部重なり合って収容されている場合の平面図である。
図10】図の9の状態をパソコンのディスプレーに画像処理結果として表示した場合の模式図である。
図11】従来用いられていたトレーの平面図である。
図12】従来用いられていたトレーの左側面図である。
【実施例1】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図面に沿って説明する。
【0010】
図1図2図3において、1は、下方にパソコン2のキーボード収容部10を有する基台、3は、基台1に固定される支柱、4は、基台1の上方に位置させて支柱3に固定される横杆である。基台1上には、錠剤5を収容するトレー6を基1台上面に位置決めするガイド11が設けられている。そして、横杆4には、基台1上に載置されるトレー6に光を照射するLEDライト7(図4参照)を収納した照明ケース71と、基台1上のトレー6面に収容された錠剤5の画像処理用のカメラ8とが設けられている。
【0011】
実施例について更に詳述すると、基台1は板状体をその手前で下方に折り曲げた構造になっており、支柱3の下端部を基台1を貫通させてナット等で固定することにより、基台1下方に空間が形成されるようになっており、この空間でキーボード収容部10が形成しされている。キーボード収容部10には、本発明の錠剤計数補助装置の使用に際してパソコン2のキーボード部21が図3に示す如く基台1後方から収容される。ガイド11は基台1上面の中央右側と奥に2個固定されており、図5に示すトレー6を本発明の錠剤計数補助装置の使用に際して基台1上面中央部に位置決めできるようになっている。尚、トレ−6は、図5のように従来のトレー本体に相当する形状となっており、排出口66、取っ手67等が設けられている。
【0012】
支柱3は、実施例の場合、2本用いられており、それぞれ基台1の両側に固定されており、それぞれの上端部には横杆4が架設されている。支柱3と基台1との固定、支柱3と横杆4との固定はナット等を用いて適宜の方法で行えば良い。
【0013】
横杆4の下面には、図4にも示すように、照明ケース71に収納された状態で6連のLEDライト7が固定されている。LEDライト7は基台1上に位置決めされるトレ−6上に光を照射して画像処理による錠剤5の計数を容易にするものである。尚、白熱灯をLEDライト7に代えて用いても周波数が低いため目的とする画像処理を行うことが困難である。また、図4において、72はLEDライト7の電源コードであり、この実施例の場合、パソコン2に接続されている。カメラ8は横杆4の中央部に固定されており、基台1上に位置決めされるトレ−6に収容された錠剤5を撮影するものであり、このカメラ8もパソコン2に接続されている。
【0014】
パソコン2としては、この実施例の場合、ノート型パソコンが用いられており、本発明の錠剤計数補助装置の使用に際しては、そのキーボード部21が基台1のキーボード収容部10に後方から収容され、そのディスプレー部22が基台1上部後方に位置するようにセットされている。
【0015】
パソコン2には、画像処理ソフトとそれに連繋する計数処理ソフトがインストールされている。発明の錠剤計数補助装置の使用に際してそれらがどのように動作するかを図6のブロック図を参照しながら説明すると、カメラ8で撮影されたトレー6上の錠剤5は、画像処理され、計数処理されてその個数が計数される。一方、パソコン2乃至それに接続されたテンキー等の入力機器からは、振り分けるべき錠剤の数、また取り扱うべき錠剤の大きさ等が入力されており、計数処理にあっては、入力された錠剤の大きさに対応する画像及びそれ以上の大きさの画像を計数する。そして、所定の大きさ等以上の画像は、この実施例の場合は、注意喚起(ワーニング)のため赤色で画面に表示される。更に、この実施例の場合、所定の大きさ等に対応する画像は青色で画面に表示され、所定大きさ等以下の錠剤の画像はオミットして表示されないようになっている。更にまた、実施例の場合、入力された振り分けるべき錠剤数を画面上「分母」で表示し、画像処理され計数された錠剤数を画面上「分子」で表示するように制御されている。そして、パソコン2の画面には、カメラ8で撮影した錠剤5そのものの映像と、画像処理され計数処理された錠剤5の画像とが重ねて表示される(8図、10図参照)。
【0016】
画像処理及び計数処理について詳述すると、実施例の場合、トレー6上の錠剤5の有無は、錠剤のない空トレーと、錠剤のあるトレーの差分で検知するようになっている。差分は色の三原色RGBのすべてで色の差分をとり、トレー6上に物体があることを理解できるようになっている。差分をとった後、収縮処理を行い、これによって小さな画像に相当する情報をなくし、つながった8の字状の物体の画像に相当する情報は切り離して2つの物体の画像に相当する情報として処理される。物体の画像に相当する情報が切り離された状態で、次にラベリング処理が行われ、個々の物体の画像に相当する情報に識別番号がふられるようになっている。識別番号ふられると同時に物体の情報の計数が可能になる。次に、個々の物体の画像情報を評価するにあったって、画像情報を物体の元の大きさに近づけるために拡大処理する。そして、極端に小さなものは無視し、大きなものは前述のワーニングとして、画像情報を処理して錠剤5に対応する画像情報とワーニングに関する画像情報を計数すると共に、前述の如く、パソコン2の画面に計数された錠剤の画像として、カメラ8で撮影した錠剤5そのものの映像とともに表示される。そして、錠剤が重なっているワーニング部分は赤色、錠剤が重なっていない部分は青色で画面表示されることは前述のとおりである。
【0017】
次に、上記の一実施例を用いて錠剤を所定錠宛容器に振り分ける操作について説明する。
まず、予めパソコン2を上述の如く図2図3の如く、本発明の錠剤計数補助装置に対してセットしておき、カメラ8とLEDライト7を動作状態としておく。そして、入力機器からは、振り分けるべき錠剤の数、また取り扱うべき錠剤の形状、大きさ等を入力しておく。例えば、振り分けるべき錠剤の数を70錠と入力しておく。
【0018】
以上の準備が整ったら、空のトレー6を基台1上にガイド11を利用して所定の位置に位置決めして載置し、空トレーの読み込みを行う。次いで、錠剤5をトレー6に撒くように供給し、パソコン2の画面を見ながら、必要に応じて取っ手67を握持しながらトレー6をゆすり、錠剤5の過不足を調整する。錠剤数が所定錠になったら、リターンキーを押して、トレー6を基台1から移動させ、その所定錠の錠剤5を容器(図示せず)に振り分ける。振分けが終了したら、再度、空トレーの読み込みを行い、上述の操作を繰り返せば良い。
【0019】
上述の振分け操作におけるパソコン2の画面について説明すると、図7は、トレー6上に錠剤が重ならないように70錠収容された状態を示すもので、ディスプレー部22のその画像は図8に太線で示すように前述の如く青色で表示される。そして、ディスプレー部22の画面には、入力された振り分けるべき錠剤数70が画面上「分母」で表示され、画像処理され計数された錠剤数70が画面上「分子」で表示される.図8の状態は、錠剤5の重なり合いがなく、しかも、所定錠70の錠剤5がトレー6上に収容されている状態を表示している。作業者は、ディスプレー部22の画面を見ながら、かかる「分母」と「分子」を比較して、「分子」の方が小さければ、錠剤5を不足数補充し、「分子」の方が大きければトレー6上から錠剤5を過剰数取り除けば良い。「分母」と「分子」が一致したら前述の如く振り分ければ良い。
【0020】
図9は、トレー6上に錠剤が重なった状態で供給された状態を示すもので、その画像は、前述の如く、図10に太線で示す面積の大きな赤色のものを含むことになる。従って、この場合は、作業者はトレー6をゆすりながらトレ−6上の錠剤5をほぐし、画面から赤色が消えるまでこのほぐし作業を行い、「分母」と「分子」を比較して、前述のように、トレー6上の錠剤5を補充又は取り去って、所定錠の錠剤5がトレー6上に存在するように錠剤数を手動で調整し、しかる後前述のように容器に振り分ければ良い。尚、パソコン2の画面には、図8、10図に示すように、錠剤5そのものの映像やトレー6の映像も表示するようにされている。
【0021】
本発明の実施例において、トレー6は衛生面等を考慮してアルミニウム等で形成するのが好ましいが、トレー6面に直に錠剤を収容すると反射光の悪影響により画像処理が精度良く行えない場合もあるので、トレー6にはブラウン系のカーキ色紙を敷いて、その上に錠剤を供給するのが好ましい。
【0022】
本発明において、周囲の環境によっては、トレー6上に別の光線の影響が及ぼされ、それが画像処理時のノイズとなるから、このようなノイズを防止するため、本発明の錠剤計数補助装置の左右及び上方に周囲の光線を遮断する囲いを設けることができる。
【0023】
また、本発明においては、錠剤5の画像エッジを明確にするため、基台1の上面部を半透明状とし、その内部又は下面に有機LE照明等の照明を配しても良い。この場合、トレー6としても半透明のものを用いるのが好ましい。
【符号の説明】
【0024】
1 基台
10 キーボード収容部
11 ガイド
2 パソコン
21 キーボード部21
22 ディスプレー部
3 支柱
4 横杆
5 錠剤
6 トレー
66 排出口
67 取っ手
7 LEDライト
71 照明ケース
8 カメラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12