特許第6703710号(P6703710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703710
(24)【登録日】2020年5月13日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】安全装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 7/02 20060101AFI20200525BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   B66F7/02 E
   E04G21/16
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-90373(P2016-90373)
(22)【出願日】2016年4月28日
(65)【公開番号】特開2017-197353(P2017-197353A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】598025511
【氏名又は名称】ユニパー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三井 紀雄
【審査官】 有賀 信
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−068246(JP,U)
【文献】 米国特許第06382358(US,B1)
【文献】 実開昭63−031099(JP,U)
【文献】 独国実用新案第202006001406(DE,U1)
【文献】 実開平03−091470(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 7/00─ 7/28
B66F 13/00─19/02
E04G 21/14─21/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステップを有するレールに沿って動く荷台に固定される固定部材と、
一端に取り付けられるワイヤロープの引張力により、前記固定部材に対し第1の方向に移動して前記固定部材の一部に係止し、前記ワイヤロープの引張力が解除されると、前記固定部材に対し第2の方向に移動する動部材と、
前記動部材の第1の方向への移動に連動して、前記荷台の移動方向から見て前記ステップと交差しないよう回転し、前記動部材の第2の方向への移動に連動して、前記荷台の移動方向から見て前記ステップと交差するよう回転する安全バーと、
を有し、
前記動部材は、一部が他の部分より細くなった括れ部を有し、
前記安全バーは、L字形状を有し、前記ステップと交差しない側の一端にピニオンギアを有し、
一端が前記括れ部と接触し、他端に前記ピニオンギアと噛み合うラックギアが形成された柱状の動伝部材、
をさらに有する
ことを特徴とする安全装置。
【請求項2】
請求項に記載の安全装置であって、
前記動伝部材の一端が前記動部材に常時接するように、前記動伝部材を前記動部材の方向へ付勢する弾性部材、
をさらに有することを特徴とする安全装置。
【請求項3】
請求項またはに記載の安全装置であって、
前記動伝部材の一端は、前記動部材が第2の方向に移動したとき、前記括れ部に接触し、
前記安全バーは、前記動伝部材の一端が前記括れ部に接触したとき、前記ステップと交差するように回転する、
ことを特徴とする安全装置。
【請求項4】
請求項またはに記載の安全装置であって、
前記動伝部材の一端は、前記動部材が第1の方向に移動したとき、前記括れ部に接触し、
前記安全バーは、前記動伝部材の一端が前記括れ部に接触したとき、前記ステップと平行となるように回転する、
ことを特徴とする安全装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷揚げ装置の安全装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「サッシ等のパネル状物品を、建物の下層階と上層階との間で、安全かつ効率的に搬送しうるリフト装置」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−105553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、荷台を昇降するワイヤロープが切れると、荷台が落下してしまうという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、ワイヤロープが切れても、荷台が落下することを防止する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下の通りである。上記課題を解決すべく、本発明に係る安全装置は、複数のステップを有するレールに沿って動く荷台に固定される固定部材と、一端に取り付けられるワイヤロープの引張力により、前記固定部材に対し第1の方向に移動して前記固定部材の一部に係止し、前記ワイヤロープの引張力が解除されると、前記固定部材に対し第2の方向に移動する動部材と、前記動部材の第1の方向への移動に連動して、前記荷台の移動方向から見て前記ステップと交差しないよう回転し、前記動部材の第2の方向への移動に連動して、前記荷台の移動方向から見て前記ステップと交差するよう回転する安全バーと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ワイヤロープが切れても、荷台が落下するのを防止する。上記した以外の課題、構成、および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る安全装置を備えた荷揚げ装置の斜視図である。
図2図1の−y軸方向から見た荷台の斜視図である。
図3図2の荷台を−x軸方向から見た側面図である。
図4図3の安全バーとステップとを+z軸方向から見た図である。
図5】ワイヤロープが切れ、図2の安全バーが作動した様子を示した図である。
図6図5の荷台を−x軸方向から見た側面図である。
図7図6の安全バーとステップとを+z軸方向から見た図である。
図8】動部材と固定部材の斜視図である。
図9】動伝部材および安全バーの斜視図である。
図10】安全装置の動作を説明する図のその1である。
図11】安全装置の動作を説明する図のその2である。
図12】ワイヤロープが切れていないときの荷台の正面図である。
図13】ワイヤロープが切れたときの荷台の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る安全装置を備えた荷揚げ装置の斜視図である。図1には、荷揚げ装置の他に、建物に沿って設置される仮設足場A1も示してある。建物は、仮設足場A1に対し、+y軸方向側にある。
図1に示すように、荷揚げ装置は、レール1と、ウインチ2と、ワイヤロープ3と、滑車4と、荷台5とを有している。図1では、荷台5のレール1の上下で止まる位置を示すため、荷台5を2つ示しているが、実際は、1台しかレール1に取り付けられない。荷揚げ装置は、仮設足場A1に固定され、例えば、建物の屋上に設置する太陽光パネルや瓦などの資材を屋上へ運ぶ。または、荷揚げ装置は、例えば、建物の屋上の資材を地上へ運ぶ。
【0011】
レール1は、支柱1aと、ステップ1bとを有している。ステップ1bは、2本の支柱1aの間に複数設けられている。
【0012】
ウインチ2は、レール1の地上側の端の方に設けられている。ウインチ2は、ワイヤロープ3を巻き取り、また送り出す。ウインチ2から出たワイヤロープ3は、レール1の地上側とは反対側の端に設けられた滑車4によって方向が転換され、荷台5に接続されている。
【0013】
荷台5は、レール1に沿って移動する。荷台5は、ウインチ2がワイヤロープ3を巻き取ることによって、+z軸方向に移動し、建物の屋上方向へと移動する。また、荷台5は、ウインチ2がワイヤロープ3を送り出すことによって、−z軸方向に移動し、地上方向へと移動する。
【0014】
荷台5には、上記したように、建物の屋上に設置する太陽光パネルや瓦などが載せられる。そして、荷台5は、ウインチ2のワイヤロープ3の巻き取りおよび送り出しによって、地上および建物の屋上の間を移動する。これにより、荷揚げ装置は、荷台5に乗せられた太陽光パネルや瓦などを、建物の屋上に運ぶことができる。
【0015】
ワイヤロープ3は、例えば、他の物との接触や経年劣化等によって、切れる場合がある。ワイヤロープ3が切れると、荷台5は、レール1に沿って、地上方向(−z軸方向)へと落下する。このため、例えば、レール1の地上付近に人がいると危険である。そこで、図1に示す荷揚げ装置は、ワイヤロープ3が切れると、安全装置が働き、荷台5が地上へ落下しないようになっている。
【0016】
なお、図1では、ウインチ2は、レール1の地上側の端の方に設けられているが、これに限られない。例えば、ウインチ2は、レール1の地上側とは反対側の端に設けられてもよい。この場合、滑車4は、不要である。
【0017】
また、以下では、各図面間で示す要素(部材)の形状等が多少異なったり、また、省略したりしている場合がある。しかし、同じ符号が付された要素は、同じ要素であるとする。
【0018】
図2は、図1の−y軸方向から見た荷台5の斜視図である。なお、図2には、図1に示したワイヤロープ3も示してある。
【0019】
図2に示すように、荷台5が有する安全装置は、板部材11と、動部材12と、固定部材13と、動伝部材14a、14bと、安全バー15a,15bと、ばね16,17とを有している。各部材は、例えば、鋼等の金属によって形成されている。
【0020】
ローラー18a,18bは、荷台5に取り付けられている。荷台5に取り付けられているローラー18a,18bは、レール1の支柱1aの外側(支柱1aのステップ1bが設けられていない側の面)に設けられている溝に挿入される。これにより、荷台5は、レール1に沿って移動する。
【0021】
安全バー15a,15bは、ワイヤロープ3が切れていない状態では、図2に示すように、その長手方向がx軸方向を向くようになっている。一方、安全バー15a,15bは、ワイヤロープ3が切れると、その長手方向がy軸方向を向くようになっている(図5の安全バー15a,15bを参照)。
【0022】
図3は、図2の荷台5を−x軸方向から見た側面図である。図3において、図2と同じものには同じ符号が付してある。なお、図3には、図1に示したステップ1bも示してある。
【0023】
ワイヤロープ3が切れていない場合、図3に示すように、安全バー15aは、その長手方向がx軸方向を向き、ステップ1bと交差しないようになっている。なお、図3では図示されていないが、安全バー15bもその長手方向がx軸方向を向いている。
【0024】
図4は、図3の安全バー15a,15bとステップ1bとを+z軸方向から見た図である。図4に示すように、安全バー15a,15bは、ワイヤロープ3が切れていない場合、その長手方向がステップ1bの長手方向と平行になっている。
【0025】
すなわち、安全バー15a,15bは、ワイヤロープ3が切れていない場合、荷台5の移動方向(z軸方向)から見て、ステップ1bと交差しないように位置(回転)している。これにより、安全バー15a,15bは、ステップ1bに掛かることがなく、荷台5は、レール1に沿って移動することができる。
【0026】
安全バー15a,15bは、ワイヤロープ3が切れると、z軸方向を回転軸として回転する。
【0027】
図5は、ワイヤロープ3が切れ、図2の安全バー15a,15bが作動した様子を示した図である。図5において、図2と同じものには同じ符号が付してある。
【0028】
ワイヤロープ3が切れると、安全バー15a,15bは、図5に示すように、z軸方向を回転軸として回転し、その長手方向がy軸方向を向く。
【0029】
図6は、図5の荷台5を−x軸方向から見た側面図である。図6において、図5と同じものには同じ符号が付してある。なお、図6には、図1に示したステップ1bも示してある。
【0030】
ワイヤロープ3が切れた場合、図6に示すように、安全バー15aは、その長手方向がy軸方向を向き、ステップ1bと交差するようになっている。なお、図6では図示されていないが、安全バー15bもその長手方向がy軸方向を向いている。
【0031】
図7は、図6の安全バー15a,15bとステップ1bとを+z軸方向から見た図である。図7に示す点線は、図4に示した安全バー15a,15bの状態を示している。すなわち、図7に示す点線は、ワイヤロープ3が切れていないときの安全バー15a,15bの状態を示している。
【0032】
ワイヤロープ3が切れた場合、安全バー15a,15bは、図7の矢印A2に示すように、z軸を回転軸として回転する。これにより、安全バー15a,15bは、その長手方向がステップ1bの長手方向に対し垂直となり、ステップ1bと交差する。
【0033】
すなわち、安全バー15a,15bは、ワイヤロープ3が切れた場合、荷台5の移動方向(z軸方向)から見て、ステップ1bと交差するように回転する。これにより、ワイヤロープ3が切れても、安全バー15a,15bがステップ1bに掛かるため、荷台5は、レール1に沿って、地上に落下しない。
【0034】
図2の説明に戻る。板部材11は、荷台5のフレームに固定されている。
【0035】
固定部材13は、断面がコの字形状であり、板部材11に固定されている。言い換えれば、固定部材13は、板部材11を介して、荷台5のフレームに固定されている。
【0036】
動部材12は、固定部材13に対し、±z軸方向において移動(可動)可能に取り付けられる。動部材12には、その一端にワイヤロープ3が取り付けられ、他端にばね17が取り付けられる。
【0037】
ばね17の他端は、荷台5のフレームに取り付けられる。ばね17は、動部材12を−z軸方向に引っ張るように収縮する。
【0038】
図8は、動部材12と固定部材13の斜視図である。図8において、図2と同じものには同じ符号が付してある。なお、図8には、荷台5のフレームに固定された板部材11の一部も示してある。
【0039】
動部材12は、ピン22が貫通する穴を有している。図8において、ピン22の端部は、ピン22の軸方向に対し、垂直に伸びているが回転可能となっている。すなわち、ピン22は、図8に示すピン22の端を、ピン22の軸方向に回転させることにより、動部材12に設けられた穴を通る。
【0040】
ピン22は、図8の一点鎖線矢印A11に示すように、動部材12の一方の穴を通って、ワイヤロープ3の一端に形成された輪を通り、動部材12の他方の穴を通る。これにより、ワイヤロープ3は、動部材12に取り付けられる。
【0041】
動部材12は、上部においてコの字形状を有し、下部において板状形状を有している。
【0042】
動部材12の上部のコの字部分は、板部材11と、コの字形状の固定部材13の内壁とで形成される角柱状の空間内に収まる形状を有している。動部材12は、図8の一点鎖線矢印A12に示すように、板部材11と固定部材13の内壁とで形成される角柱状の空間に通される。板部材11と固定部材13の内壁とで形成される角柱状の空間に通された動部材12は、±z軸方向において、移動(可動)可能となっている。
【0043】
動部材12の下部の板状部分は、他の部分より細くなった括れ部21を有している。また、動部材12の下部の板状部分は、ピン23を有している。ピン23には、図5に示したように、ばね17の一端が取り付けられる。
【0044】
固定部材13は、z軸方向に長く伸びた穴31a,31bを有している。ボルト24aは、図8の一点鎖線矢印A13に示すように、固定部材13の穴31aを通って、動部材12に設けられた穴を通り、固定部材13の穴31bを通る。そして、ボルト24aには、ナット24bが取り付けられる。
【0045】
ボルト24aは、固定部材13の穴31a,31bの長径方向(z軸方向)において移動可能である。ボルト24aは、上記したように、動部材12の穴を通り、ナット24bが固定される。これにより、ボルト24aおよびナット24bは、動部材12と一体化し、一体化したボルト24a、ナット24b、および動部材12は、固定部材13の穴31a,31bの長径方向(z軸方向)において移動可能となる。
【0046】
荷台5は、自重(重力)によって、−z方向軸へ移動するよう力が働く。ワイヤロープ3が切れていなければ、動部材12に固定されたボルト24aは、図8に示す固定部材13の穴31a,31bの端部32a,32bで係止する。これにより、荷台5には、動部材12の一端に取り付けられたワイヤロープ3の引張力が働き、荷台5は、−z軸方向に落下することなく、ワイヤロープ3の巻き取りおよび送り出しに応じて、レール1に沿って移動する。
【0047】
一方、ワイヤロープ3が切れると、動部材12は、ピン23に取り付けられたばね17の収縮力によって、−z軸方向に移動する。そして、動部材12に固定されたボルト24aは、図8に示す固定部材13の穴31a,31bの端部33a,33bで係止する。以下で説明するが、この動部材12の−z軸方向の移動によって、安全バー15a,15bは、図5に示したように、その長手方向がy軸方向を向くように回転する。
【0048】
すなわち、動部材12は、一端に取り付けられるワイヤロープ3の引張力により、固定部材13に対し第1の方向(+z軸方向)に移動して、固定部材13の一部(端部32a,32b)に係止する。一方、動部材12は、ワイヤロープ3が切れ、ワイヤロープ3の引張力が解除されると、ばね17の収縮力によって、固定部材13に対し第2の方向(−z軸方向)に移動する。そして、安全バー15a,15bは、動部材12の第2の方向の移動によって、その長手方向がy軸方向を向くように回転する。
【0049】
なお、固定部材13の穴31a,31bを通る、動部材12に固定される部材は、ボルト24aおよびナット24bに限られない。例えば、穴31a,31bの長径方向に対して可動可能な状態で、固定部材13の穴31a,31bを通り、動部材12に固定される(一体化される)部材であれば何でもよい。具体的には、固定部材13の穴31aと、31bとの間隔より長い柱状の部材を、固定部材13の穴31a,31bおよび動部材12の穴に通し、柱状の部材を、動部材12に溶接等で固定してもよい。
【0050】
また、動部材12の上部は、コの字形状であるとしたがこれに限られない。動部材12の上部は、例えば、角柱や円柱の柱状形状であってもよい。また、動部材12の下部は、板状であるとしたがこれに限られない。動部材12の下部は、例えば、括れを有した角柱や円柱の柱状形状であってもよい。
【0051】
また、固定部材13は、コの字形状であるとしたがこれに限られない。固定部材13は、中空の角柱や円柱の筒状の部材であってもよい。
【0052】
図2の説明に戻る。動伝部材14a,14bは、柱状の形状を有している。動伝部材14a,14bは、その長手方向がx軸方向を向き、x軸方向に移動(可動)可能に板部材11に取り付けられる。
【0053】
安全バー15a,15bは、柱状のL字形状を有している。安全バー15a,15bは、動伝部材14a,14bのx軸方向の動きに応じて、z軸方向を回転軸として回転する。
【0054】
図9は、動伝部材14aおよび安全バー15aの斜視図である。なお、図9には、板部材11に固定された筒部材61の斜視図も示している。
【0055】
図9に示すように、動伝部材14aは、柱状形状を有している。動伝部材14aは、一端にローラー53を有し、他端にラックギア51を有している。また、動伝部材14aは、ピン52を有し、ピン52には、図2および図5に示したばね16が取り付けられる。
【0056】
動伝部材14aは、図9の一点鎖線矢印A21に示すように、板部材11と筒部材61の内壁とで形成される角柱状の空間に通される。これにより、動伝部材14aは、x軸方向において移動(可動)可能となる。
【0057】
なお、筒部材61は、図9に示すように、穴62を有し、穴62には、動伝部材14aのピン52が通される。穴62を通されたピン52には、図2および図5に示したばね16が取り付けられる。
【0058】
安全バー15aは、L字形状を有し、ステップ1bと交差しない側の一端にピニオンギア41を有している。ピニオンギア41は、動伝部材14aのラックギア51に噛み合うようになっている。これにより、安全バー15aは、動伝部材14aが+x軸方向および−x軸方向に移動することにより、図9の両矢印A22に示すように、z軸方向を回転軸として回転する。
【0059】
なお、図2および図5に示した動伝部材14bおよび安全バー15bも、図9と同様の形状および構成を有している。
【0060】
図10は、安全装置の動作を説明する図のその1である。図10は、ワイヤロープ3が切れていないときの安全装置の正面図である。図10において、図2図8および図9と同じものには同じ符号が付してある。
【0061】
図10に示すように、動伝部材14bは、図9で説明した動伝部材14aと同様に、ラックギア51aと、ピン52aと、ローラー53aとを有している。安全バー15bは、図9で説明した安全バー15aと同様に、ピニオンギア41aを有している。
【0062】
なお、ばね16は、両端が動伝部材14a,14bのピン52,52aに取り付けられている。図10では、ローラー53,53aを図示するために、ばね16の一部(中央部分)の図示を省略している(図2のばね16を参照)。
【0063】
ばね16は、動伝部材14a,14bを互いに引き付け、ローラー53,53aが、動部材12に常時接するように収縮する。すなわち、ばね16によって、動伝部材14aには、+x軸方向の力が働き、動伝部材14bには、−x軸方向の力が働いている。
【0064】
ワイヤロープ3が切れていないとき、荷台5には、自重によって、−z軸方向に力が働く。そのため、荷台5は、−z軸方向に移動しようとする。これにより、ワイヤロープ3に吊られた動部材12(動部材12と一体化したボルト24a)は、固定部材13に対して、+z軸方向に移動し、図8に示した固定部材13の端部32a,32bに接触して係止する。
【0065】
動部材12が、図8に示した固定部材13の端部32a,32bに接触して係止している状態では、動伝部材14a,14bのローラー53,53aは、図10に示すように、動部材12の括れ部21より幅の広い部分に接触している。
【0066】
図11は、安全装置の動作を説明する図のその2である。図11は、ワイヤロープ3が切れたときの安全装置の正面図である。図11において、図10と同じものには同じ符号が付してある。
【0067】
ばね17は、一端が図8に示した動部材12のピン23に固定され、他端が荷台5のフレームに固定される。ばね17の他端は、板部材11にピンを設け、そのピンに取り付けられてもよい。
【0068】
ばね17は、動部材12を−z軸方向に引き付けるように収縮する。このため、ワイヤロープ3が切れると、動部材12は、−z軸方向に移動する。動部材12が−z軸方向に移動すると、動部材12に固定されているボルト24a(図8を参照)は、固定部材13の穴31a,31bの端部33a,33bで係止される。そして、動部材12の括れ部21は、図11に示すように、動伝部材14a,14bのローラー53,53aの位置に移動する。なお、括れ部21は、ローラー53,53aの回転によって、スムーズにローラー53,53aの位置へと移動する。
【0069】
動部材12の括れ部21が、ローラー53,53aの位置に移動すると、動伝部材14aは、+x軸方向に移動する。動伝部材14aの+x軸方向の移動は、動伝部材14aのラックギア51によって、安全バー15aのピニオンギア41に伝達され、安全バー15aは、図11に示すように、長手方向がy軸方向を向くように回転する。
【0070】
同様に、動部材12の括れ部21が、ローラー53,53aの位置に移動すると、動伝部材14bは、−x軸方向に移動する。動伝部材14aの−x軸方向の移動は、動伝部材14bのラックギア51aによって、安全バー15bのピニオンギア41aに伝達され、安全バー15bは、図11に示すように、長手方向がy軸方向を向くように回転する。
【0071】
なお、切れたワイヤロープ3が、例えば、交換等によって修繕され、修繕されたワイヤロープ3が動部材12に取り付けられると、動部材12は、+z軸方向に移動する。これにより、ローラー53,53aは、図10に示したように、動部材12の括れ部21より幅の広い位置に配置され、動伝部材14aは、−x軸方向に移動する。また、動伝部材14bは、+x軸方向に移動する。そして、安全バー15a,15bは、図10に示したように、長手方向がx軸方向を向く。
【0072】
図12は、ワイヤロープ3が切れていないときの荷台5の正面図である。図12において、図2および図10と同じものには同じ符号が付してある。
【0073】
図12に示すように、荷台5は、ローラー18c,18dを有している。ローラー18c,18dは、図2で説明したローラー18a,18bと同様に、レール1の支柱1aに設けられた溝に挿入される。これにより、荷台5は、レール1に沿って移動する。
【0074】
図12では、ワイヤロープ3は切れていないので、動伝部材14a,14bのローラー53,53aは、動部材12の括れ部21より幅の広い部分に位置している。これにより、安全バー15a,15bの長手方向は、図12に示すように、x軸方向を向いている。
【0075】
図13は、ワイヤロープ3が切れたときの荷台5の正面図である。図13において、図12と同じものには同じ符号が付してある。
【0076】
図13では、ワイヤロープ3は切れているので、動部材12は、−z軸方向に移動し、動伝部材14a,14bのローラー53,53aは、動部材12の括れ部21に位置している。これにより、安全バー15a,15bの長手方向は、図13に示すようにy軸方向を向いている。
【0077】
以上説明したように、荷台5の安全装置の固定部材13は、板部材11を介して、複数のステップ1bを有するレール1に沿って動く荷台5に固定される。動部材12は、一端に取り付けられるワイヤロープ3の引張力により、固定部材13に対し第1の方向(+z軸方向)に移動して固定部材13の一部(穴31a,31bの端部32a,32b)に係止する。また、動部材12は、ワイヤロープ3が切れ、ワイヤロープ3の引張力が解除されると、固定部材13に対し第2の方向(−z軸方向)に移動して固定部材13の一部(穴31a,31bの端部33a,33b)に係止する。そして、安全バー15a,15bは、動部材12の第1の方向への移動に連動して、荷台5の移動方向(z軸方向)から見てステップ1bと交差しないよう回転し、動部材12の第2の方向への移動に連動して、荷台5の移動方向から見てステップ1bと交差するよう回転する。
【0078】
これにより、ワイヤロープ3が切れると、安全バー15a,15bがレール1のステップ1bと交差するので、荷台5がレール1に沿って落下するのを防止することができる。また、ワイヤロープ3が切れても、荷台5は、レール1に沿って地上等に落下しないので、レール1の地上付近にいる人に対し、危険が及ばない。
【0079】
また、安全装置は、安全装置を備えていない荷台に対し、容易に取り付けられることができる。例えば、動部材12と、固定部材13と、動伝部材14a、14bと、安全バー15a,15bと、ばね16,17とを備えた板部材11を、荷台に取り付ければ、容易に安全装置を備えた荷台にすることができる。
【0080】
なお、上記では、動伝部材14a,14bの一端(ローラー53,53a)は、動部材12が第2の方向(−z軸方向)に移動したとき、括れ部21に接触し、安全バー15a,15bは、動伝部材14a,14bの一端が括れ部21に接触したとき、ステップ1bと交差するように回転したが、これに限られない。例えば、動伝部材14a、14bの一端は、動部材12が第1の方向(+z軸方向)に移動したとき、括れ部21に接触し、安全バー15a,15bは、動伝部材14a,14bの一端が括れ部21に接触したとき、ステップ1bと平行となるようにしてもよい。
【0081】
より具体的には、ワイヤロープ3が切れていないとき、括れ部21と動伝部材14a,14bのローラー53,53aは、図11に示す位置関係にあるようにする。すなわち、ワイヤロープ3が切れていないとき、ローラー53,53aは、括れ部21に接触するようにする。そして、安全バー15aのピニオンギア41が設けられていない側の端が、−x軸方向を向き、安全バー15bのピニオンギア41aが設けられていない側の端が、+x軸方向を向くようにする。
【0082】
この場合において、ワイヤロープ3が切れ、動部材12がばね17の収縮力によって−z軸方向に移動すると、動伝部材14a,14bのローラー53,53aは、動部材12の括れ部21より太い部分に接触(例えば、図8に示す括れ部21より上部分に接触)する。これにより、安全バー15a,15bは、長手方向がy軸方向に向くように回転する。
【0083】
また、上記では、安全装置は、動伝部材14a,14bおよび安全バー15a,15bをそれぞれ2つずつ備えているが、1つずつ備えてもよい。例えば、安全装置は、動伝部材14aおよび安全バー15aを備えてもよいし、動伝部材14bおよび安全バー15bを備えてもよい。
【0084】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者には明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0085】
1…レール、1a…支柱、1b…ステップ、2…ウインチ、3…ワイヤロープ、4…滑車、5…荷台、A1…仮設足場、11…板部材、12…動部材、13…固定部材、14a,14b…動伝部材、15a,15b…安全バー、16,17…ばね、18a,18b,18c,18d…ローラー、21…括れ部、22,23…ピン、24a…ボルト、24b…ナット、31a,31b…穴、32a,32b,33a,33b…端部、41…ピニオンギア、51,51a…ラックギア、52,52a…ピン、53,53a…ローラー、61…筒部材、62…穴。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13