特許第6703769号(P6703769)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703769
(24)【登録日】2020年5月13日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】金型反転システム
(51)【国際特許分類】
   B21D 37/04 20060101AFI20200525BHJP
   B21D 37/14 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   B21D37/04 T
   B21D37/14 H
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-253704(P2016-253704)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-51623(P2018-51623A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年9月9日
(31)【優先権主張番号】特願2016-185757(P2016-185757)
(32)【優先日】2016年9月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596037194
【氏名又は名称】パスカルエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089004
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】北浦一郎
(72)【発明者】
【氏名】木村 清二
【審査官】 藤田 和英
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−229617(JP,A)
【文献】 特開2005−169840(JP,A)
【文献】 特開昭58−145316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 37/04
B21D 37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を受け入れて180°反転可能な金型反転装置と金型搬送台車とを有する金型反転システムにおいて、
前記金型反転装置は、
所定距離離隔した両端部に円弧状の1対の回転体支持部を有する基台と、
前記1対の回転体支持部に回転自在に夫々支持され且つ複数の連結材で連結された平行な1対の回転板を含む回転体と、
前記回転体を回転駆動可能な回転駆動機構と、
前記回転体の上部に固定的に設けられた水平な天板と、
前記天板の下側に昇降可能に配置されて金型を保持可能な金型保持手段と、
前記天板に装備されて金型保持手段を昇降駆動可能な金型昇降手段とを備え、
前記金型保持手段は、天板の下側に昇降可能に配置された保持板と、この保持板に固定されたマグネットクランプを備え、
前記金型昇降手段は、前記天板に装備されてピストンロッドが保持板に連結された鉛直姿勢の昇降用流体圧シリンダと、前記保持板に下端部が固定され且つ天板側の案内部で案内される複数のガイドロッドとを備え、
前記金型搬送台車は、1対の前記回転板の間の金型受入れ空間に前記回転体の回転軸心と直交する水平方向から進入可能に構成されたことを特徴とする金型反転システム。
【請求項2】
金型を受け入れて180°反転可能な金型反転装置と金型搬送台車とを有する金型反転システムにおいて、
前記金型反転装置は、
所定距離離隔した両端部に円弧状の1対の回転体支持部を有する基台と、
前記1対の回転体支持部に回転自在に夫々支持され且つ複数の連結材で連結された平行な1対の回転板を含む回転体と、
前記回転体を回転駆動可能な回転駆動機構と、
前記回転体の上部に固定的に設けられた水平な天板と、
前記天板の下面側に配置されて金型を保持可能な金型保持手段とを備え、
前記金型保持手段は天板の下面に固定されたマグネットクランプを備え、
前記金型搬送台車は、1対の前記回転板の間の金型受入れ空間に前記回転体の回転軸心と直交する水平方向から進入可能に構成され且つ金型搬送台車を金型と共に又は単独で昇降駆動可能な台車昇降手段とを有することを特徴とする金型反転システム。
【請求項3】
前記回転駆動機構は、一方の回転板の外面に固定され且つ所定隙間を空けて対向させた半円状の1対のピン保持板と、これらピン保持板の外周近傍部に周方向に所定小間隔おきに固定され且つ前記回転軸心と平行な複数のピンと、1対のピン保持板の外周側1個所に設けられて複数のピンに係合するスプロケットと、このスプロケットを回転駆動可能な駆動モータとを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の金型反転システム。
【請求項4】
前記回転体支持部は、複数の遊転ローラを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の金型反転システム。
【請求項5】
前記台車昇降手段は、金型搬送台車に装備されてピストンロッドが台車走行用レールに当接可能な複数の昇降用流体圧シリンダを有することを特徴とする請求項2に記載の金型反転システム。
【請求項6】
前記マグネットクランプは、各列に複数のマグネットユニットを含む平行な複数列に配置した複数のマグネットユニットを有し、
前記複数列の方向は、前記回転体の回転軸心と平行な方向に対して交差する方向に向けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の金型反転システム。
【請求項7】
前記金型搬送台車と金型反転装置との間に、作業者が入って作業する為の作業スペースを形成可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の金型反転システム。
【請求項8】
前記回転体の回転板は複数の円板を積層して構成され、前記回転体の直径が規格幅の鋼板素材の幅よりも大きい場合に、前記円板は前記規格幅と同等の幅の主板とこの主板よりも小さい幅の端板とを突合線で突き合わせて構成され、複数の円板の複数の突合線は夫々異なる位相となるように設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の金型反転システム。
【請求項9】
前記台車昇降手段により金型搬送台車と金型とを上昇させて金型をマグネットクランプに密着させる際に、金型とマグネットクランプが密着したことを確認可能な密着確認手段を設けたことを特徴とする請求項2に記載の金型反転システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を受け入れてし180°反転可能な金型反転システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械等で用いる金型は、上型と下型を組み合わせた金型セットとして使用され、この金型を補修する際には、金型セットを所定の補修場所まで搬送し、天井クレーン等で上型を吊り上げることで上型と下型とを分離してから上型を180°反転し、上型と下型に対して補修を施す。この場合、多くの時間とを労力がかかる。
【0003】
そこで、種々の金型反転装置や金型分離反転装置が提案されている。
特許文献1に開示されたダイセット反転装置(図4図5)においては、1対のコラムに1対のラムを昇降可能に装備し、1対のラムに金型を取り付ける回転枠を回転自在に取り付け、回転枠に金型を取り付けた状態で、回転枠を上昇させてから回転させることで
金型を反転させることができる。
【0004】
特許文献2に開示された金型分離反転装置においては、4本の支柱のうち、2本ずつの各組の支柱に昇降可動体を昇降可能に設け、これら1対の昇降可動体に設けた回転軸に可動腕を連結し、1対の可動腕の先端に金型を固定可能な取付け基板を連結し、この取付け基板の下側に金型セットを搬入後、上型を固定装置により取付け基板を固定した状態で、1対の昇降可動体を上昇させてから、下型を搬出し、その後前記の回転軸を回転させることで、取付け基板及び上型を180°反転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−200455号公報
【特許文献2】特開平5−293632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の金型反転装置は、1つの金型(例えば、上型)を取り付けて反転させることが可能であるが、上型と下型を組み合わせた金型セットを上型と下型とに分離する機能を有するものではない。
【0007】
特許文献2の金型反転装置は、金型セットを上型と下型とに分離してから、上型を反転させることが可能である。しかし、この金型反転装置は、4本の支柱、1対の昇降可動体、取付け基板、固定装置、昇降可動体を昇降させる昇降手段などからなる複雑な構造のものであるから、製作費が高価になる。しかも、固定装置は手動操作で上型を固定する構造のものであるため、上型の固定を能率的に行うことができず、作業能率を高めることが困難である。
【0008】
以上のように、従来の金型反転装置は、外部から金型セットを受け入れて固定支持する手段を設けていたため、その分、金型反転装置が複雑化し大型化していた。
また、受け入れた金型を反転装置に固定するため、ネジ式クランプや流体圧シリンダ式クランプやホルダーを採用していたため、その構成が複雑化し、固定所要時間も長くなっていた。
【0009】
本発明の目的は、金型を搬入しして反転する金型反転システムであって、外部から受け入れた金型を簡単に能率的に固定可能で、能率的に金型の反転を行うことができ、製作費を低減可能な金型反転システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の金型反転システムは、金型を受け入れて180°反転可能な金型反転装置と金型搬送台車とを有する金型反転システムにおいて、前記金型反転装置は、所定距離離隔した両端部に円弧状の1対の回転体支持部を有する基台と、前記1対の回転体支持部に回転自在に夫々支持され且つ複数の連結材で連結された平行な1対の回転板を含む回転体と、前記回転体を回転駆動可能な回転駆動機構と、前記回転体の上部に固定的に設けられた水平な天板と、前記天板の下側に昇降可能に配置されて金型を保持可能な金型保持手段と、前記天板に装備されて金型保持手段を昇降駆動可能な金型昇降手段とを備え、
前記金型保持手段は、天板の下側に昇降可能に配置された保持板と、この保持板に固定されたマグネットクランプを備え、前記金型昇降手段は、前記天板に装備されてピストンロッドが保持板に連結された鉛直姿勢の昇降用流体圧シリンダと、前記保持板に下端部が固定され且つ天板側の案内部で案内される複数のガイドロッドとを備え、前記金型搬送台車は、1対の前記回転板の間の金型受入れ空間に前記回転体の回転軸心と直交する水平方向から進入可能に構成されたことを特徴としている。
【0011】
請求項2の金型反転システムは、金型を受け入れて180°反転可能な金型反転装置と金型搬送台車とを有する金型反転システムにおいて、前記金型反転装置は、所定距離離隔した両端部に円弧状の1対の回転体支持部を有する基台と、前記1対の回転体支持部に回転自在に夫々支持され且つ複数の連結材で連結された平行な1対の回転板を含む回転体と、前記回転体を回転駆動可能な回転駆動機構と、前記回転体の上部に固定的に設けられた水平な天板と、前記天板の下面側に配置されて金型を保持可能な金型保持手段とを備え、
前記金型保持手段は天板の下面に固定されたマグネットクランプを備え、前記金型搬送台車は、1対の前記回転板の間の金型受入れ空間に前記回転体の回転軸心と直交する水平方向から進入可能に構成され且つ金型搬送台車を金型と共に又は単独で昇降駆動可能な台車昇降手段とを有することを特徴としている。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記回転駆動機構は、一方の回転板の外面に固定され且つ所定隙間を空けて対向させた半円状の1対のピン保持板と、これらピン保持板の外周近傍部に周方向に所定小間隔おきに固定され且つ前記回転軸心と平行な複数のピンと、1対のピン保持板の外周側1個所に設けられて複数のピンに係合するスプロケットと、このスプロケットを回転駆動可能な駆動モータとを備えたことを特徴としている。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1又は2において、前記回転体支持部は、複数の遊転ローラを有することを特徴としている。
【0014】
請求項5の発明は、請求項2において、前記台車昇降手段は、金型搬送台車に装備されてピストンロッドが台車走行用レールに当接可能な複数の昇降用流体圧シリンダを有する
ことを特徴としている。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1又は2の発明において、前記マグネットクランプは、各列に複数のマグネットユニットを含む平行な複数列に配置した複数のマグネットユニットを有し、前記複数列の方向は、前記回転体の回転軸心と平行な方向に対して交差する方向に向けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1又は2の発明において、前記金型搬送台車と金型反転装置との間に、作業者が入って作業する為の作業スペースを形成可能に構成したことを特徴としている。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1又は2の発明において、前記回転体は複数の回転板を積層して構成され、前記回転体の直径が規格幅の鋼板素材の幅よりも大きい場合に、前記回転板は前記規格幅と同等の幅の主板とこの主板よりも小さい幅の端板とを突合線で突き合わせて構成され、複数の回転板の複数の突合線は夫々異なる位相となるように設定されることを特徴としている。
【0018】
請求項9の金型反転システムは、請求項2の発明において、前記台車昇降手段により金型搬送台車と金型とを上昇させて金型をマグネットクランプに密着させる際に、金型とマグネットクランプが密着したことを確認可能な密着確認手段を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば、1対の回転板の間の金型受け入れ空間に金型搬送台車に載せた金型セットを搬入し、金型昇降手段で金型保持手段を下降させて上型を保持してから上型を上昇させ、その後金型搬送台車により下型を搬出し、回転体と上型とを180°回転させると、反転状態にした上型を金型受け入れ空間から外部へ搬出することができる。こうして、金型セットを上型と下型とに分離し、上型を反転することができる。但し、上型又は下型を単独で搬入して反転することも可能である。
【0020】
金型反転装置は、基台の1対の回転体支持部に回転自在に支持された回転体と、回転駆動機構を用いて回転体と金型を回転させる構造としたので、金型を回転するための構造を簡単化することができた。金型昇降手段で昇降可能な金型保持手段で金型を保持する構造にしたため、金型を保持する構造を簡単化することができた。それ故、金型反転システムの製作費を低減することができた。
【0021】
特に、金型保持手段は、マグネットクランプで金型を吸着するように構成したため、構成が簡単化し、金型を能率的に保持可能になった。金型昇降手段は、流体圧シリンダと複数のガイドロッドとで構成したため、簡単な構成で円滑に作動する金型昇降手段を実現できた。
【0022】
また、金型搬送台車に載せたまま、金型受け入れ空間に導入して反転できるため、金型セットを金型反転装置に受け渡す必要がないため、金型反転装置の構造を簡単化小型化でき、金型反転を能率的に行うことができる。
【0023】
金型搬送台車に載せた金型セットを金型受け入れ空間に搬入後、金型保持手段の下降、保持、上型の上昇、下型の搬出、回転体と上型の180°回転、上型の搬出の一連の作業を能率的に行うことができるため、生産性に優れる金型反転システムが得られる。
【0024】
請求項2の発明においては、金型搬送台車が金型搬送台車を金型と共に又は単独で昇降駆動可能な台車昇降手段とを有するため、金型搬送台車に載せた金型セットを金型受け入れ空間に搬入後、台車昇降手段により金型搬送台車と共に金型セットを上昇させることで、金型を金型保持手段に受け渡し、その後、金型搬送台車により下型を搬出してから、請求項1と同様に金型反転装置により上型を180°反転することができる。
回転体に金型昇降手段を設けないため回転体を軽量化できた。その他、請求項1と同様の効果が得られる。
【0025】
請求項3の発明によれば、前記回転駆動機構が、半円状の1対のピン保持板と、これらの外周近傍部に固定された複数のピンと、これら一部のピンに係合するスプロケットと、このスプロケットを回転駆動可能な駆動モータとを有するもので、簡単に安価に製作可能である。
【0026】
請求項4の発明によれば、回転体支持部が複数の遊転ローラを有する簡単な構造のものとすることができる。
【0027】
請求項5の発明によれば、前記台車昇降手段は、金型搬送台車に装備されてピストンロッドが台車走行用レールに当接可能な複数の昇降用流体圧シリンダを有するため、ピストンロッドを伸長させて台車走行用レールに当接させる構成にしたので、金型搬送台車を水平姿勢を保持したまま安定的に昇降可能となるから、簡単な構造で信頼性に優れる台車板昇降手段とすることができる。
【0028】
請求項6の発明によれば、マグネットクランプで吸着される金型の被吸着面に格子状のリブが形成されている場合にも、マグネットクランプを構成する複数のマグネットユニットの一部のマグネットユニットが上記のリブを吸着することができる。
【0029】
請求項7の発明によれば、前記金型搬送台車と金型反転装置との間に、作業者が入って作業する為の作業スペースを形成可能に構成したため、作業スペースに入った作業者が反転した上型等をクレーンで吊持する際の玉掛け作業等を行うことができる。
【0030】
請求項8の発明によれば、回転体の回転板を規格幅の鋼板素材を用いて製作できるため、回転体の製作費を節減することができる。
【0031】
請求項9の発明によれば、金型搬送台車と金型を上昇させて金型をマグネットクランプに密着させる際にその密着を確認可能な密着確認手段を設けたため、密着を確認してからマグネットクランプを吸着作動させることで、衝突音や衝撃の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施例1に係る金型反転装置の斜視図である。
図2】金型反転システムの正面図である。
図3】金型反転システムの右側面図である。
図4】基板と遊転ローラの拡大正面図である。
図5】上型を下型から分離して反転する際の第1工程の動作説明図である。
図6】上型を下型から分離して反転する際の第2工程の動作説明図である。
図7】上型を下型から分離して反転する際の第3工程の動作説明図である。
図8】上型を下型から分離して反転する際の第4工程の動作説明図である。
図9】マグネットクランプの底面図である
図10】実施例2の金型反転システムの正面図である。
図11図9の金型反転システムの右側面図である。
図12】上型を下型から分離して反転する際の第1工程の動作説明図である。
図13】上型を下型から分離して反転する際の第2工程の動作説明図である。
図14】上型を下型から分離して反転する際の第3工程の動作説明図である。
図15】上型を下型から分離して反転する際の第4工程の動作説明図である。
図16】第4工程における金型反転システムの斜視図である。
図17】回転体の回転板を構成する円板の斜視図である。
図18】回転体の回転板の側面図である。
図19】実施例3に係る要部側面図である。
図20図19の近接スイッチとその周辺構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0034】
本実施例の金型反転システムSは、金型反転装置1と金型搬送台車70とで構成されている。最初に、図1図4に基づいて、金型反転装置1及び金型搬送台車70の構造について説明し、その後、図5図8に基づいて、金型反転システムSの動作について説明する。図1は金型反転装置1の斜視図、図2は金型反転システムSの正面図、図3は金型反転システムSの右側面図であり、符号Lは左方を示し、符号Rは右方を示す。
【0035】
この金型反転装置1は、上型D1と下型D2を含む金型セットDを受け入れて上型D1を分離後180°反転可能な装置である。この金型反転装置1は、基台10と、1対の回転板20a,20bを含む回転体20と、回転駆動機構30と、金型セットDを載せた金型搬送台車70を受け入れ可能な金型受け入れ空間40と、天板50と、マグネットクランプ61を含む金型保持手段60と、この金型保持手段60を昇降させる金型昇降手段61などを備えている。
【0036】
最初に、基台10について説明する。
基台10は、左右方向に所定距離離隔した両端部に円弧状の1対の回転体支持部11a,11bを有する。この基台10は、鉛直姿勢の左右1対の基板12a,12bをベース板13で連結したものである。ベース板13は、金型反転装置1の前方まで所定長さ延びている。回転体支持部11a,11bは、基板12a,12bの円弧状の上端近傍部に所定間隔おきに取り付けた複数の遊転ローラ14を備えている。
【0037】
基板12a,12bの各々は、2枚の板部材を遊転ローラ14の長さだけの間隔を空けて対向させ、ベース板13、複数のボルト15、複数のローラ軸で連結した構造である。複数の遊転ローラ14のローラ軸16は2枚の板部材で両端支持されている。回転板20a,20bがローラ14から脱落しないように、遊転ローラ14は両鍔付きのローラであり、基板12a,12bの上端部は遊転ローラ14の上面よりも所定高さ突出している。
【0038】
次に、回転体20について説明する。
回転体20は、1対の回転体支持部11a,11bに回転自在に夫々支持される平行な左右1対の回転板20a,20bを複数の連結材で連結した構造のものである。
【0039】
左側の回転板20aは、図4に示すように、例えば4枚の薄鋼板を密着状態に積層して複数のピン部材等で連結したものであり、右側の回転板20bも同様である。回転板20a,20bの外周部には、被支持部20pであって回転体支持部11a,11bで支持可能な被支持部20pが形成されている。
【0040】
上記の複数の連結材は、上部の6本の連結ロッド21と、上部連結板である天板50ととを含む。連結ロッド21はタイロッドであってその両端部に回転板20a,20bの外側でナット21aが螺合されている。金型受け入れ空間40に金型搬送台車70の進入を可能にするため、回転板20a,20bの中段部と下部には連結部材が設けられていない。天板50は回転体20の上部に水平姿勢に配設され、この天板50は所定の前後幅を有する厚板部材である。天板50の左端部は回転板20aに固着され、天板50の右端部は回転板20bに固着されている。
【0041】
1対の回転板20a,20bの間の金型受入れ空間40は、通常のサイズの金型セットDを載せた金型搬送台車70を収容し得るだけの幅と高さを有する。
回転体20の1対の回転板20a,20bが1対の回転体支持部11a,11bで回転自在に支持されているため、回転体20はその回転軸心X回りに回転自在であるが、図3の状態から反時計回り方向へ180°回転可能に構成されている。
【0042】
次に、回転体20を回転駆動可能な回転駆動機構30について説明する。
図1図3に示すように、回転駆動機構30は、1対のピン保持板31と、複数のピン32と、スプロケット33と、駆動モータ34とを備えている。1対のピン保持板31は、所定隙間を空けて対向させて複数のピン32により連結されると共に、これら1対のピン保持板31は右側の回転板20bの外面に所定間隔あけて複数のボルト35とナットで固定されている。尚、ピン保持板31は、半円状の形状であるが、半円よりも僅かに大きく形成されている。
【0043】
複数のピン32は、これらピン保持板31の外周近傍部に周方向に所定小間隔おきに固定され且つ前記回転軸心Xと平行に配設されている。
スプロケット33は、1対のピン保持板31の外周側1個所に設けられて複数のピン32に係合している。駆動モータ34(減速機付き電動モータ)はスプロケット33を回転駆動可能なものであり、スプロケット33を回転駆動することで、複数のピン32と1対のピン保持板31を介して回転体20を回転駆動するように構成してある。駆動モータ34は搭載台36の上に固定され、図示外の制御駆動部に接続されている。
【0044】
次に、金型保持手段60と金型昇降手段61について説明する。
図1図2に示すように、金型保持手段60は、天板50の下側に昇降可能に配設された保持板65とマグネットクランプ61を介して金型(上型D1)を保持可能なものであり、保持板65と、その下面に固定され且つ上型D1を吸着可能なマグネットクランプ61で構成されている。
【0045】
上記のマグネットクランプ61は、保持板65の下面に固定され保持板65と共に昇降可能に配置されている。このマグネットクランプ61は、上型D1を強力に吸着する状態と吸着解除状態とに切換え可能である。マグネットクランプ61は、制御駆動部に接続されている。
【0046】
次に、マグネットクランプ61における複数のマグネットユニット61aの配列形態について図9に基づいて説明する。マグネットクランプ61は、平行な複数列に近接状に配置された複数のマグネットユニット61aを有し、各列は複数のマグネットユニット61aを含む。
【0047】
金型(例えば、上型D1)の被吸着面(上面)には、通常の場合リブRが格子状に形成されている。仮に、リブRの方向とマグネットユニット61aの列とが平行又は直角になっている場合には、リブRを吸着できるマグネットユニット61aの吸着面積が非常に小さくなる可能がある。
【0048】
上記のリブRの方向は、矩形状の上型D1の外形線と平行又は直角に位置しており、金型受け入れ空間40に搬入された状態の上型D1の外形線の一部は回転体20の回転軸心Xと平行な軸線Xaと平行になる。そのため、このマグネットクランプ61においては、前記複数列の方向は、回転体20の回転軸心Xと平行な方向に対して交差する方向に向けられている。この交差する方向は、好ましくは30〜60°で交差する方向、より好ましくは約45°で交差する方向である。
【0049】
金型昇降手段62は、天板50に装備されて保持板65とマグネットクランプ61を昇降駆動可能である。この金型昇降手段62は、天板50に装備されてピストンロッド63aが保持板65に連結された鉛直姿勢の昇降用流体圧シリンダ63と、保持板65に下端部が固定されて天板50を貫通し且つ天板50側の案内部で昇降自在に案内される例えば4本のガイドロッド64とを備えている。尚、流体圧シリンダ63は流体圧供給源に接続されている。
【0050】
次に、金型搬送台車70について説明する。
図2図3に示すように、金型搬送台車70は、金型反転装置1の前側に配置された通常位置と、回転板20a,20bの回転軸心Xと直交する水平方向から金型受け入れ空間40に進入した進入位置との間で移動可能なものである。金型搬送台車70は、例えば4つの遊転輪71有し、ベース板13の上に付設された1対のレール72の上を前後方向に移動可能である。尚、レール72の間には縞鋼板製の踏板72aが設けられている。
【0051】
金型搬送台車70の金型載置面70aは、床面から所定の高さの位置にあり、この金型載置面70aに載置された金型セットDの上型D1を下降させた金型保持手段60で保持可能になっている。
【0052】
次に、以上説明した金型反転システムSを用いて金型セットDから上型D1を分離し、その上型D1を180°反転する反転方法について説明する。
第1工程において、図5に示すように、金型反転装置1を天板50が上側に位置する正規姿勢に保持し、マグネットクランプ61を上昇位置に保持し、金型搬送台車70を金型反転装置1の前側の通常位置に保持し、上型D1と下型D2とからなる金型セットDをクレーンで吊持して金型搬送台車70の金型載置面70a上に搬入する。
【0053】
第2工程において、図6に示すように、金型セットDを載せた金型搬送台車70を金型反転装置1内の金型受け入れ空間40に移動させ、上型D1をマグネットクランプ61に対向させる。次に、保持板65とマグネットクランプ61を金型昇降手段62により下降させて、マグネットクランプ61で上型D1を吸着する。
【0054】
第3工程において、図7に示すように、金型昇降手段62により保持板65とマグネットクランプ61と上型D1を上昇位置へ切換えて上型D1を下型D2から分離する。その後、下型D2を載置した金型搬送台車70を金型反転装置1から前方へ所定距離離隔させた退避位置へ復帰させて、金型搬送台車70と金型反転装置1との間に、玉掛け作業用の作業スペースSを形成する。
【0055】
第4工程において、図8に示すように、上型D1と回転体20を反時計回り方向へ180°回転させて反転状態にしてから、クレーンにより上型D1を吊持して金型反転装置1の上方へ吊り上げて搬出する。上記と並行して下型D2をクレーンにて吊持して外部へ移動させる。
【0056】
以上説明した金型反転システムSの作用、効果について説明する。
1対の回転板20a,20bの間の金型受け入れ空間40に金型搬送台車70に載せた状態の金型セットDを搬入し、金型昇降手段62でマグネットクランプ61を下降させて上型D1を吸着し、次に上型D1を上昇させて下型D2から分離し、その後金型搬送台車70により下型D2を前方へ搬出してから、回転体20と上型D1とを180°回転させると、反転状態にした上型D1を金型受け入れ空間40から外部へ搬出することができる。こうして、金型セットDを上型D1と下型D2とに分離し、上型D1を反転することができる。但し、上型又は下型を金型搬送台車70に載せて金型受け入れ空間40に搬入して、前記と同様にして反転可能である。
【0057】
基台10の1対の回転体支持部11a,11bに回転自在に支持された回転体20と、回転駆動機構30を用いて回転体20と上型D1を回転させるように構成したので、上型D1を反転するための構造を簡単化することができた。金型昇降手段62で昇降可能なマグネットクランプ61で上型D1を吸着する構造にしたため、上型D1をクランプし、昇降させる構造を簡単化し、能率的に金型を保持可能になった。
【0058】
マグネットクランプ61における複数のマグネットユニット61aの複数列の列方向を回転体20の回転軸心Xと平行な方向に対して交差する方向に向けたため、金型(上型D1)の被吸着面に格子状のリブRが形成されている場合にも、マグネットクランプ61により金型を確実に吸着することができる。
【0059】
しかも、金型セットDを載せたまま、金型搬送台車70を金型受け入れ空間40に搬入し、金型セットDを金型反転装置1に受け渡すことなく、上型D1と下型D2を分離することができるから、金型反転装置1の構造を簡単化、小型化し、分離に要する時間も短縮できる。
【0060】
金型セットDを金型受け入れ空間40に搬入後、マグネットクランプ61の下降、吸着、上型D1の上昇、下型D2の搬出、回転体20と上型D1の180°回転の一連の動作を能率的に行うことができるため、生産性に優れる金型反転システムSが得られる。
【0061】
回転駆動機構30は、半円状の1対のピン保持板31と、これらピン保持板31の外周近傍部に設けた複数のピン32と、複数のピン32に係合するスプロケット33と、スプロケット33を回転駆動可能な駆動モータ34とで簡単な構造で安価に製作可能なものとすることができる。
【0062】
金型昇降手段62は、天板50に装備されてマグネットクランプ61を昇降させる昇降用流体圧シリンダ63と、4本のガイドロッド64を有するため、簡単な構造で円滑に作動する金型昇降手段62を実現することができる。
【実施例2】
【0063】
この実施例2に係る金型反転システムSAについて説明する。
前記の金型反転システムSと同様の部材に同様の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。金型反転システムSAは、金型反転装置1Aと金型搬送台車70Aとを備えている。
【0064】
図10図11に示すように、回転体20Aに装備した金型保持手段60Aは、天板50の下面に固定されたマグネットクランプ61で構成されている。この金型反転装置1Aでは金型昇降手段が省略されている。
【0065】
金型搬送台車70Aの台車昇降手段74は、金型搬送台車70Aの4つの角部に付設された鉛直姿勢の4つの流体圧シリンダ75であって、ピストンロッド75aがレール72に当接可能に構成された4つの流体圧シリンダ75で構成されている。この台車昇降手段74によって金型搬送台車70Aを金型(セットD又は上型D1又は下型D2)と共に又は単独で昇降可能である。
【0066】
次に、以上説明した金型反転システムSAを用いて金型セットDから上型D1を分離し、その上型D1を180°反転する反転方法について説明する。
第1工程において、図12に示すように、金型反転装置1Aを天板50が上側に位置する正規姿勢に保持し、金型搬送台車70Aを金型反転装置1Aの前側の通常位置に保持し、上型D1と下型D2とからなる金型セットDをクレーンで吊持して金型搬送台車70Aの支持板74上に搬入する。
【0067】
第2工程において、図13に示すように、金型セットDを載せた金型搬送台車70Aを金型反転装置1A内の金型受け入れ空間40に移動させ、上型D1をマグネットクランプ61に対向させる。次に、金型搬送台車70Aと金型セットDを台車昇降手段74により上昇させて、マグネットクランプ61で上型D1を吸着する。
【0068】
第3工程において、図14に示すように、台車昇降手段75により金型搬送台車70Aと下型D2を下降位置へ切換えて上型D1を下型D2から分離する。次に下型D2を載せた金型搬送台車70Aを金型反転装置1Aから所定距離前方へ離隔した退避位置へ復帰させる。
【0069】
第4工程において、図15に示すように、上型D1と回転体20を反時計回り方向へ180°回転させて反転状態にしてから、クレーンにより上型D1を吊持して金型反転装置1Aの上方へ吊り上げて搬出する。上記と並行して下型D2をクレーンにて吊持して外部へ移動させる。
【0070】
このとき、図16に示すように、金型搬送台車70Aを金型反転装置1Aから所定距離前方へ離隔させた退避位置にすると、金型搬送台車70Aと金型反転装置1Aとの間には、作業者が玉掛け作業する為の作業スペースSが形成されるため、この作業スペースSに作業者が入ってクレーンのワイヤ側のフックを上型D1の側部のフック掛具に掛ける玉掛け作業等を行うことができる。
【0071】
金型反転装置1Aの回転体20Aの回転板20a,20bの直径が、薄手の鋼板素材の規格幅(例えば、1500mm)より大きい場合には、図17に示すように、回転板20a,20bを構成する4枚の円板20cの各々を規格幅と同等の幅の主板20dと規格幅よりも小幅の端板20eとを突合線Lにて突き合わせて構成し、図18に示すように、4枚の円板20cを重ねる際に、4本の突合線Lの位相を例えば90°ずつ異ならせる。こうして、規格幅の鋼板素材を用いて、回転板20cを安価に製作することができる。
【0072】
以上説明した金型反転システムSAの作用、効果について説明する。
この金型反転システムSAの作用、効果は、基本的に実施例1と同様であるので、異なる作用、効果についてのみ説明する。
【0073】
金型反転装置1Aの金型保持手段60Aの保持板および金型昇降手段を省略したため、回転体20Aに流体圧を供給する必要がなくなり、しかも回転体20Aが軽量化された分、回転駆動機構30を小型化することができる。
【実施例3】
【0074】
この実施例3は、実施例2の金型反転システムSAを部分的に変更したものであり、前記実施例1,2と同様のものに同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
前記の第2工程において、金型搬送台車70Aと金型セットDを台車昇降手段74により上昇させてマグネットクランプ61で上型D1を吸着する際に、マグネットクランプ61と上型D1の間に隙間がある状態で、マグネットクランプ61を吸着作動させると、大きな衝突音と衝撃が発生する。
【0076】
そこで、上記の衝突音と衝撃が発生を防ぐ為に、次のように、マグネットクランプ61と上型D1の密着を確認する密着確認手段80を設け、マグネットクランプ61と上型D1の密着を確認後にマグネットクランプ61を吸着作動させるように構成する。
【0077】
図19図20に示すように、密着確認手段80は、例えば回転体20Aの左側の回転板20bの最下部に下方から近接する近接スイッチ81と、金型反転システムSAの操作盤に設けた表示ランプ(図示略)とを備えている。近接スイッチ81と表示ランプは制御駆動部に電気的に接続されている。
【0078】
基台10の左側の基板12bの上端部であって回転体20Aの回転軸心Xの直下における上端部に、近接スイッチ81が上向きに付設されている。図19の2点鎖線で示すように、回転体20Aが基台10の複数の遊転ローラ14で支持されているときは、近接スイッチ81の検出信号がONを保持し、表示ランプは例えば赤色に点灯している。
【0079】
前記の第2工程において、金型搬送台車70Aと金型セットDを台車昇降手段74により上昇させ、上型D1がマグネットクランプ61に密着した状態を超えて更に2〜4mm程度金型搬送台車70Aと金型セットDを上昇させると、図19の実線で示すように、回転体20Aと回転板20bが上記の2〜4mm程度浮上した状態になるため、近接スイッチ81の検出信号がOFFとなり、表示ランプは例えば緑色に切り換えられるため、上型D1とマグネットクランプ61の密着状態を確認することができ、その密着状態を確認後に、マグネットクランプ61を吸着作動させる。こうして、上記の衝突音と衝撃が発生を防ぐことができる。尚、上記の近接スイッチ81の代わりに、リミットスイッチやフォトインタラプタを採用してもよい。
【0080】
次に、前記実施例を部分的に変更する例について説明する。
1)前記実施例では、金型セットDを上型D1と下型D2とに分離してから上型D1を反転する場合を例にして説明したが、上型D1や下型D2を単独で金型搬送台車70,70Aに載せて、金型反転装置1,1Aの金型受け入れ空間40に搬入して、前記実施例と同様に反転することも可能である。
【0081】
2)回転板20a,20b、板部材40a、ピン保持板31等を複数枚の薄鋼板ではなく、1枚の鋼板で構成してもよい。
3)回転駆動機構30について、1対のピン保持板31に代えて1つのギヤ部材を設け、スプロケット33の代わりにギヤ部材に噛合するピニオンを設けてもよい。
【0082】
4)金型保持手段60,60Aのマグネットクランプ61の代わりに電動又は流体圧駆動式の複数のクランプ装置を採用することも可能である。
【0083】
5)回転体20の回転板20a,20bを、回転駆動機構30のピン保持板31と同様に、1対の板部材を小間隔空けて対向状に配置し、それらの外周部を周方向に小間隔おきの複数のピン部材で連結し、その複数のピン部材に両鍔付きローラを夫々回転自在に外装した構成としてもよい。この場合、基台10の基板12a,12bの回転体支持部11a,11bの遊転ローラを省略し、円弧状の板端で回転板20a,20bを支持する。
【0084】
6)金型反転システムS,SAは、プレス機械用の金型セット以外に、鋳造用の金型セット、射出成形用金型セット等の種々の金型セットにも適用することができる。
7)その他、当業者ならば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態に種々の変更を付加した形態で実施可能で、本発明はそのような変更形態を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、種々の用途の金型セットを分離し反転する装置を提供するものである。
【符号の説明】
【0086】
D1 上型
D2 下型
D 金型セット
S,SA 金型反転システム
1,1A 金型反転装置
10 基台
11a,11b 回転体支持部
14 遊転ローラ
20,20A 回転体
20a,20b 回転板
20c 円板
20d 主板
20e 端板
L 突合線
21 連結部材
30 回転駆動機構
31 ピン保持板
32 ピン
33 スプロケット
34 駆動モータ
40 金型受け入れ空間
50 天板
60,60A 金型保持手段
61 マグネットクランプ
61a マグネットユニット
62 金型昇降手段
63 流体圧シリンダ
64 ガイドロッド
70,70A 金型搬送台車
74 台車昇降手段
75 流体圧シリンダ
75a ピストンロッド
S 作業スペース
80 密着確認手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20