(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る遊技機の実施の形態について、次の順序で説明する。なお、実施の形態ではパチンコ遊技機を例に挙げる。
<1.回胴遊技機の機構構成>
<2.回胴遊技機の制御構成>
<3.回胴モータ及び回転リール>
<4.主制御側起動処理><5.設定変更処理>
<6.メインループ処理>
<7.タイマ割込み処理>
<8.遊技メダル投入処理(演出制御基板への1ゲームごとの設定値の通知)>
<9.演出制御側メイン処理及び割込み処理>
<10.コマンドに応じた処理>
[10-1.メイン状態コマンド]
[10-2.投入コマンド]
[10-3.遊技開始コマンド、期待感演出コマンド]
<11.まとめ及び変形例>
【0011】
<1.回胴遊技機の機構構成>
先ず、
図1〜
図4により実施の形態のスロットマシンの外観構成を説明する。
図1はスロットマシンの正面図、
図2Aは平面図、
図2Bは右側面図、
図3は前面パネル2の背面図、
図4は本体ケース1の正面図である。
【0012】
本実施の形態のスロットマシンは、
図2から分かるように、矩形箱状の本体ケース1と、各種の遊技部材を装着した前面パネル2とが、図示しないヒンジ機構を介して連結され、前面パネル2が本体ケース1に対して開閉可能に構成されている。
【0013】
図4に示すように、本体ケース1の略中央には、3つの回転リール(回胴)4a、4b、4cを備える図柄回転ユニット3が配置されている。また、その下側に、メダル払出装置5が配置されている。
各回転リール4a、4b、4cには、後述する各種図柄、例えばBB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)用の図柄や、各種のフルーツ図柄、リプレイ図柄などが描かれている。
メダル払出装置5は、メダルを貯留するメダルタンク5aを有する。また払出ケース5b内に、
図5で後述する払出モータ75、払出接続基板73、ホッパー基板74、メダル払出センサ76等が収納されている。
メダルタンク5aに貯留されたメダルは、払出モータ75の回転に基づいて、払出口5cから図面手前方向に向けて導出される。尚、限界量を越えて貯留されたメダルは、超過メダル導出部5dを通して、補助タンク6に落下するよう構成されている。
【0014】
メダル払出装置5に隣接して電源基板41が配置される。また、図柄回転ユニット3の上方に主制御基板40が配置され、主制御基板40に隣接して回胴設定基板71が配置されている。
また図柄回転ユニット3の内部には、
図5に示す回胴用LED(Light Emitting Diode)中継基板56と回胴中継基板53とが設けられ、図柄回転ユニット3に隣接して外部集中端子板70が配置されている。
【0015】
さらに、本体ケース1においては、図柄回転ユニット3の側方に前面パネル2の開放(ドアの開放)を検知するためのドア開放センサ35が設けられている。
【0016】
図1に示すように、前面パネル2の上部にはLCD(Liquid Crystal Display)ユニット7が配置されている。このLCDユニット7には、遊技動作を盛り上げるためなどに各種のキャラクタが表示される。
またLCDユニット7の下部には、回転リール4a、4b、4cを表出させる表示窓8が形成されている。この表示窓8を通しては、回転リール4a、4b、4cごとに各々3個程度の図柄が視認可能とされている。この場合、各回転リール4a、4b、4cが停止した際に表示窓8内で図柄が停止する位置としての図柄停止位置は3×3=9箇所となる。そして、合計9個の図柄停止位置のうち水平方向に並ぶ三つの図柄停止位置を結ぶラインが三本と、対角線方向に並ぶ三つの図柄停止位置を結ぶラインの二本の合計五本が仮想的な図柄停止ラインとなる。
また、図柄停止ラインのうちで、当選図柄(当選役)が揃ったか否かの判定に用いられる図柄停止ラインは有効ラインとされ、それ以外の図柄停止ラインは無効ラインとされる。有効ラインと無効ラインは、BBやRB、または、AT(アシストタイム)やART(アシストリプレイタイム)などの各種遊技状態に応じて、適宜変更される。即ち、例えば、通常ゲーム中は中段の1ラインが有効ラインとされるが、ボーナスゲーム中は上段と中段の2ラインが有効ラインに変更される場合などである。
【0017】
尚、図柄回転ユニット3の内部には、回転リール4a、4b、4cが停止した状態において視認される9個の図柄それぞれを内側から照射可能な位置に回胴用LEDが配置されている(
図1では不図示)。それぞれの回胴用LEDはそれぞれの回転リール4a、4b、4cの回転状態や停止状態、或いは各種演出に応じて点灯・消灯される。
【0018】
表示窓8の下方には、遊技状態を示すLED群9や、遊技成果として払出されるメダル数を表示する払出表示部10や、貯留数表示部11が設けられている。
LED群9は、例えば、当ゲームに投入されたメダルの枚数を示すLED(ベット枚数表示LED)や再遊技状態を示すLED、回胴を回転させる準備が整ったことを示すLED(当ゲームの遊技に要する所定枚数のメダルの投入が完了したことを示すLED:遊技開始表示LED)、メダルの投入の受付状態を示すLEDなどで構成されている。
払出表示部10は、7セグメントLEDを2個連設して構成されており、払出メダル数を特定すると共に、何らかの異常事態の発生時には、異常内容を表示するエラー表示器としても機能する。
貯留数表示部11には、クレジット状態で貯留されているメダル数が表示される。
【0019】
表示窓8の上方、左、右には、LED演出部15a、15b、15cが設けられている。LED演出部15a、15b、15cは、所定の絵柄、意匠が施され、内側に配置されたLEDによって光による演出が実行されるように構成されている。LED演出部15a、15b、15cで実行される演出は、例えば、BBやRBに当選したことを示す演出や、ATやART等の状態を示す演出、AT中やART中のアシスト演出等である。
尚、個々の説明は省略するが、前面パネル2には、演出や動作状態を提示するためのLEDとして他のLEDが各種配置されている。
【0020】
前面パネル2の中央右側には、メダルを投入するメダル投入口12が設けられ、これに近接して、メダル投入口12に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン13が設けられている。返却ボタン13の右側には、専用のキーを差し込むための鍵穴が設けられている。前面パネル2が本体ケース1に対して閉じた状態において、鍵穴に差し込まれたキーを右へ回すことにより前面パネル2が解錠され(以下「解錠動作」と表記)、前面パネル2の本体ケース1に対する開閉が可能となる。また、鍵穴に差し込まれたキーを左へ回すことにより、打ち止めやエラーによる遊技の中止状態が解除される(以下「中止解除動作」と表記)。
また、前面パネル2の中央左側には、クレジット状態のメダルやベット状態のメダルを払出すクレジット精算ボタン14と、クレジット状態のメダルを擬似的に三枚投入するマックス投入ボタン16とが設けられている。
【0021】
また、前面パネル2には、回転リール4a、4b、4cの回転を開始させるためのスタートレバー17と、回転中の回転リール4a、4b、4cを停止させるための停止ボタン18a、18b、18cが設けられている。
遊技者がスタートレバー17を操作すると、通常は、3つの回転リール4a、4b、4cが正方向に回転を開始する。但し、内部当選状態を予告するために遊技中断状態を伴うリール演出(所謂フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、回転リール4の回転による演出という意味で「回転演出」と表記できる。リール演出では、例えば、回転リール4a、4b、4cの全部または一部が、変則的に回転(いわゆる「演出回転」)した上で正方向の回転を開始する演出などが実行される。
リール演出の具体的な例としては、例えば、
・極めてゆっくり正方向に回転(正回転)して静止するスロー演出
・正回転と逆回転を繰り返した後に、所定時間だけ逆回転して静止する逆回転演出
・第1の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第1の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止する第2の揺動演出
・第2の所定時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、極めてゆっくり正回転した後に静止するスロー揺動演出
・第2の時間だけ正回転と逆回転を繰り返した後に静止し、さらに、所定時間だけ逆回転した後に静止する揺動逆回転演出
・所定速度で正回転または逆回転した後に所定の図柄に揃えて静止する演出
・現状の回転状態(或いは停止状態)を維持する演出
などが用意されている。そして、このようなリール演出時には、LCDユニット7におけるキャラクタ演出や、LEDランプを点滅させるランプ演出や、スピーカを駆動する音演出の全部または一部が適宜に選択されて実行される。
【0022】
前面パネル2の下方には、メダルを蓄える横長の受け皿19と、払出装置5の払出口5cに連通するメダル導出口20とが設けられている。
また前面パネル2の上方左右、及び下方左右にはスピーカ30a、30b、30c、30dが配置されている。
【0023】
図3に示すように、前面パネル2の裏側は、
図1で示したメダル投入口12に投入されたメダルの選別を行うメダル選別装置21と、メダル選別装置21により不適正と判別されたメダルをメダル導出口20に案内する返却通路22とが設けられている。
また、前面パネル2の裏側上部には、基板ケース23が配置されている。この基板ケース23には、
図5で述べる演出制御基板42、演出インターフェース基板43、液晶制御基板44、液晶インターフェース基板45などが収容されている。
またメダル選別装置21の側方には、
図1に示す各種の遊技部材と主制御基板40との間の信号を中継する遊技中継基板60(
図5で後述する)が設けられている。
【0024】
<2.回胴遊技機の制御構成>
次に本実施の形態のスロットマシンの制御系の構成について説明する。
図5は、スロットマシンの内部の制御構成の概略的なブロック図である。本実施の形態のスロットマシンは、その制御構成が主制御基板40を中心に構成されている。
主制御基板40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路等が搭載され、スロットマシンの遊技動作全般に係る統括的な制御を行う。例えば主制御基板40が回転リール4a、4b、4cを含む各種の遊技部材の動作を制御するとともに、動作状況を把握する。また遊技動作に応じて演出を実行させる。
主制御基板40は、電源基板41、演出インターフェース基板43、回胴中継基板53、遊技中継基板60、外部集中端子板70、回胴設定基板71、払出接続基板73との間で各種信号(コマンドや検出信号等)のやりとりを行う。
【0025】
電源基板41は、AC24Vを受けて、これを整流・平滑して直流電圧を得る。そして電源基板41はコンバータ回路を備えて各部に必要な電源電圧を生成する。図では主制御基板40を介して各部に与えられる主制御電源電圧V1、及び演出インターフェース基板43を介して各部に与えられる演出制御電源電圧V2を示している。
また電源基板41には電源遮断状態を検出する電源監視回路や、主制御基板40にバックアップ電源電圧を供給するバックアップ電源回路なども設けられている。さらに、電源基板41は、電源電圧の降下に応じて電源異常信号Evを生成し、それぞれ主制御基板40、演出インターフェース基板43に出力する(図示は省略)。
【0026】
演出制御基板42は、CPU、ROM、RAM等を備えたマイクロコンピュータやインターフェースのための回路が搭載され、スロットマシンの演出動作に関する制御を行う。
また、演出制御基板42にはカウンタ回路やタイマ回路が搭載されており、それらを用いて、各種時間の計測も行っている。
演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して主制御基板40からのコマンドを受け取る。例えば主制御基板40は、演出制御基板42に対して、スピーカ30(30a〜30d)による音演出、LEDランプや冷陰極線管放電管によるランプ演出、LCDユニット7による図柄演出、役物による役物演出を実現するための制御コマンドを出力し、演出制御基板42はその制御コマンドに応じた演出制御処理を行う。
また演出制御基板42では、主制御基板40から内部抽選結果を特定する制御コマンド(遊技開始コマンド)受けると、内部抽選結果に対応してアシストタイム当選状態とするか否かのAT抽選を実行する。
尚、演出制御基板42は、AT抽選に当選した後の所定回数のゲーム(AT中)では、小役当選状態において、その図柄を所定の図柄停止ラインに整列できるよう、3つの回転リール4a、4b、4cの停止順序を遊技者に報知する制御を行う。
また演出制御基板42は、主制御基板40からのリール演出実行を示す制御コマンドを受けると、主制御基板40で実行するリール演出に対応する演出動作を開始する。
これらのような演出制御動作のため、演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を通して各部と必要な通信を行う。
【0027】
以下、演出制御基板42が備えるCPUを「CPU42a」、ROMを「ROM42b」、RAMを「RAM42c」とそれぞれ表記する。尚、RAM42cには、不揮発性のメモリが用いられている。
【0028】
演出制御基板42は、演出インターフェース基板43、及び液晶インターフェース基板45を介して液晶制御基板44に接続されている。
液晶制御基板44は、LCDユニット7における画像表示による演出の制御を行う。この液晶制御基板44には、VDP(Video Display Processor)、画像ROM、VRAM(Video RAM)、液晶制御CPU、液晶制御ROM、液晶制御RAM等が搭載される。
VDPは、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を行う。
画像ROMには、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)が格納されている。
VRAMは、VDPが展開した画像データを一時的に記憶する画像メモリ領域とされる。
液晶制御CPUは、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する。
液晶制御ROMには、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータが格納される。
液晶制御RAMは、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
このような液晶制御基板44は、演出制御基板42からの表示演出に関するコマンドを受け付け、それに応じて表示駆動信号を生成する。そして液晶インターフェース基板45を介してLCDユニット7に表示駆動信号を供給し、画像表示を実行させる。
【0029】
また、演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介してスピーカ中継基板47を制御し、スピーカ30a〜30dを用いた音演出を実行させる。
また演出制御基板42は、演出インターフェース基板43を介して、LED基板48や回胴LED中継基板56を経由して各種のLEDによるランプ演出を実現している。
LED基板48には、例えば
図1に示したLED演出部15a、15b、15cとしてのLEDが配置されている。
回胴LED中継基板56は、第1回胴LED基板50a、第2回胴LED基板50b、第3回胴LED基板50cについて演出制御基板42からのLED駆動信号を中継する。
第1回胴LED基板50aには、回転リール4aの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。第2回胴LED基板50bには、回転リール4bの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。また、第3回胴LED基板50cには、回転リール4cの図柄を内側から照射する回胴用LEDが配置されている。
【0030】
主制御基板40は、遊技中継基板60を介して、
図5のようにスロットマシンの各種遊技部材に接続されている。
遊技表示基板61は、遊技状態を示すLED群9や、7セグメントLEDを有した払出表示部10や、同じく7セグメントLEDを有した貯留数表示部11を搭載している。主制御基板40は、遊技表示基板61に対して、遊技中継基板60を介して制御コマンドを送信し、遊技状態に応じた表示を実行させるように制御している。
【0031】
始動スイッチ基板62には、スタートレバー17による始動スイッチが搭載されている。
停止スイッチ基板63には停止ボタン18a、18b、18cによる停止スイッチが搭載されている。
貯留メダル投入スイッチ基板64には、マックス投入ボタン16の投入スイッチが搭載されている。
精算スイッチ基板65には清算ボタン14の清算スイッチが搭載されている。
主制御基板40は、これらの基板(61、62、63、64、65)のスイッチによる遊技者操作の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。
【0032】
ドアセンサ66は、前面パネル2の前述した鍵穴に対して設けられたセンサである。ドアセンサ66によって、前述した遊技の中止解除動作を認識可能とされている。
メダル通過センサ67及びレバー検出センサ68は、メダル選別装置21に設けられている。メダル通過センサ67は、メダルの通過経路に沿って配置されそれぞれが例えばフォトインタラプタで構成された第一センサと第二センサとを備えており、選別された正規のメダルの通過を検出する。レバー検知センサ68は、例えばフォトマイクロセンサで構成され、メダル投入口12から投入されたメダルの通過に応じて動作するセンサレバーにより遮蔽されるセンサである。つまり、メダル投入口12から投入されたメダルは、レバー検知センサ68を通過した後に正規のメダルだけが選別された後、メダル通過センサ67によりその通過が検出される。
主制御基板40は、これらのセンサ(66、67、68)の検出信号を、遊技中継基板60を介して受信する。さらに、主制御基板40は、受信したセンサの検出信号により投入されたメダルの投入時間や通過方向を検出し、所定の規定に合致した場合にのみ投入メダルとして受け付け、それ以外の場合には投入メダルエラーとして処理する。
ブロッカーソレノイド69は、不正メダルの通過を阻止するブロッカーをON/OFFに駆動する。主制御基板40は、遊技中継基板60を介してブロッカーソレノイドを制御する。尚、本例においては、ブロッカーソレノイド69をOFFすることで投入メダルが排出される。
【0033】
また、主制御基板40は、回胴中継基板53を経由して、回転リール4a、4b、4cを回転させる3つのステッピングモータ54(第1回胴ステッピングモータ54a、第2回胴ステッピングモータ54b、第3回胴ステッピングモータ54c)と接続されている。
さらに主制御基板40は、回胴中継基板53を経由して、回転リール4a、4b、4cの原点位置(後述する原点位置101)を検出するための3つのインデックスセンサ55(第1回胴インデックスセンサ55a、第2回胴インデックスセンサ55b、第3回胴インデックスセンサ55c)に接続されている。
主制御基板40は、ステッピングモータ54a、54b、54cを駆動または停止させることによって、回転リール4a、4b、4cの回転動作と、目的位置での停止動作を実現している。また主制御基板40は、インデックスセンサ55a、55b、55cの検出信号に基づき、回転リール4a、4b、4cの原点位置を検知できる。
【0034】
また、主制御基板40は、払出接続基板73を介してメダル払出のための装置部にも接続されている。メダル払出のための装置部として、メダル払出制御を行うホッパー基板74と、払出モータ75と、メダル払出センサ76が設けられている。
ホッパー基板74は、主制御基板40からの払出制御信号に基づいて払出モータ75を回転させて、所定量のメダルを払出しする。
メダル払出センサ76は、払出メダルの通過を検出する。メダル払出センサ76による検出信号は、払出メダル枚数の不足や払出動作が行われないなどの払出異常状態の検出に用いられる。
【0035】
また主制御基板40は、外部集中端子板70に接続されている。外部集中端子板70は、例えばホールコンピュータに接続されており、主制御基板40は、外部集中端子板70を通して、メダルの投入枚数やメダルの払出枚数などをホールコンピュータに出力している。
【0036】
また主制御基板40は、回胴設定基板71にも接続されている。回胴設定基板71に対しては設定キーの操作に応じてON/OFFされる設定キースイッチ72aとリセットボタンの操作に応じてON/OFFされるリセットスイッチ72bとが設けられている。回胴設定基板71は、係員が上記の設定キーやリセットボタンを用いて設定した設定値vdを示す信号などを出力している。
ここで、設定値vdとは、当該スロットマシンで実行される抽選処理の当選確率、換言すれば、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す値であり、遊技ホールの営業戦略に基づいて適宜に設定される。本例では、当選確率の段階は6段階とされ、設定値vdとしては設定「1」〜設定「6」までの6段階のうち任意の段階を表す値を設定可能とされている。この際、設定値vd自体の値としては、「0」〜「5」が割り当てられる。
本例では、設定「1」〜設定「6」の順で当選確率が高くされている。
【0037】
ホールの係員等は、所定の操作により設定値vdの変更を行うことができる。具体的に、設定値vdの変更を行うにあたっては、先ず、前面パネル2を開放し、設定キースイッチ72aをONにしたまま(本例では設定キーを右に回したまま)で電源をONにする。すると、回胴設定基板71に対して設けられた表示器に現在設定されている段階を表す設定の値(「1」〜「6」の何れか)が表示され、この状態でリセットボタンを押す(リセットスイッチ72bがONとなる)ごとに表示値が+1される(表示値「6」の次は「1」に戻る)。さらに、このようなリセットボタンによる値の選択後、スタートレバー17を操作することで、設定値vdが選択した値に応じた値に確定され、その後、設定キースイッチ72aをOFFする(本例では設定キーを左に回す)ことで、設定値vdの変更が終了する。
なお、このような設定値vdの変更を可能とするために主制御基板40(後述するCPU80a)が行う設定変更処理については
図12で後述する。
【0038】
続いて、
図6で主制御基板40の回路構成を説明する。
図示の通り、主制御基板40は、ワンチップマイコンによるコントローラ80と、8ビットパラレルデータを入出力するI/Oポート回路83と、カウンタ回路81と、各部とのインターフェース部を有して構成されている。
【0039】
コントローラ80は、CPU80a、ROM80b、RAM80cの他、割込コントローラ80dやCTC(Counter/Timer Circuit) 80e等を内蔵している。尚、RAM80cには、不揮発性のメモリが用いられている。
CTC80eは、8ビットのカウンタやタイマを集積した回路であり、CPU80aの処理における周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)、時間計測の機能を付与するものである。本例では、CTC80eを利用して、CPU80aに1.49msの時間間隔でタイマ割込み(後述の
図11)をかけている。
【0040】
カウンタ回路81はハードウェア的に乱数値を生成する回路である。コントローラ80(CPU80a)はカウンタ回路81で生成された乱数値を利用して抽選処理を行う。
【0041】
主制御基板40には、コントローラ80と
図5に示した各基板等とのインターフェースが設けられる。
電源インターフェース82は電源基板41の電源回路との間のインターフェースである。
遊技インターフェース84は遊技中継基板60との間のインターフェースである。コントローラ80は、遊技インターフェース84を介して各種スイッチ、センサの検出信号の入力や、LED制御、ブロッカーソレノイド制御のためのコマンド送信を行う。
回胴モータ駆動部85は回胴中継基板53との間のインターフェースである。コントローラ80は、回胴モータ駆動部85によりステッピングモータ54a、54b、54cに対するモータ駆動信号の出力を行うと共に、回胴モータ駆動部85を経由して入力されるインデックスセンサ55a、55b、55cからの検出信号を取得する。
演出制御インターフェース86は、コントローラ80が演出インターフェース基板43を介して演出制御基板42へのコマンド送信を行うためのインターフェースである。具体的には例えば8ビットパラレルポートである。
払出接続インターフェース87は払出接続基板73とのインターフェースである。
【0042】
外部インターフェース88は、外部集中端子板70を介したホールコンピュータとのインターフェースである。
回胴設定インターフェース89は、回胴設定基板71との間のインターフェースである。
【0043】
<3.回転リール及び回胴モータ>
続いて、回転リール4a、4b、4cについて説明する。
図7は、回転リール4a、4b、4cに対する原点検出に係る構成についての説明図である。原点検出とは、各回転リール4a、4b、4cに設けられた特定の位置、即ち、原点の検出である。
尚、原点検出に係る構成は、回転リール4a〜4cのそれぞれについて同様であるため、ここでは代表して一つの回転リールを回転リール4として図示している。
図7Aは原点検出に係る構成を斜視図により示し、
図7Bは回転リール4に形成された被検出部93dと原点位置101との関係を概略断面図により示している。
【0044】
図7Aには、ステッピングモータ54が備えるロータ54rの中心軸である回転軸Raを一点鎖線により示している。回転リール4は、回転軸Raの軸周りに回転駆動されるリールドラム90と、リールドラム90の内側に配置されたバックライト部91と、リールドラム90を直接的または間接的に支持するベース体92とを備えている。
【0045】
ベース体92は、例えば合成樹脂で構成され、略板状に形成されたベース板92bと、ベース板92bから回転軸Raに沿った方向に突出する突出部92tを有している。ベース板92bは、リールドラム90の左右方向の一方側(ここでは右側)に沿って配置されている。ステッピングモータ54は、ロータ54r(回転軸Ra)を左右方向の一方側(ここでは左側)に向けた状態で、ベース体92の一面側(ここでは左面側)に固定されている。
この場合、突出部92tは、ベース板92bから左側方向に突出している。
【0046】
リールドラム90は、二つのリールフレーム93、94と、これらリールフレーム930、94の外周に円筒状に装着される帯状のリールシート95とを有して構成されている。リールフレーム93、94は、例えば光透過性を有しないかまたは光透過率が極めて低い黒色の合成樹脂製で構成されており、それぞれ外周部がリム部93r、94rとして形成されている。リールフレーム93のリム部93r、リールフレーム94のリム部94rは、それぞれリールシート95の左右の縁部に沿う円環状に形成されている。
リールフレーム93は、ステッピングモータ54のロータ54rに着脱自在に固定されたハブ部93hと、リム部93rとハブ部93hとの間を半径方向に連結する複数のスポーク部93sとを有している。
【0047】
ここで、本例の場合、リールフレーム94は、リールフレーム94に対して直接的には連結されておらず、リールフレーム94のリム部94rはリールシート95を介してリールフレーム93のリム部93rに支持されている(勿論、リム部94rとリム部93rとの間を周方向の1または複数箇所で例えば一体に連結することもできる)。
【0048】
リールシート95は、例えば無色透明の合成樹脂製シートにより一定幅の帯状に形成され、リールフレーム93、94のリム部93r、94rに巻き付けられ、例えば接着剤により貼着されている。この図では図示を省略したが、リールシート95上には、複数の図柄が印刷により形成されている。
リールシート95における図柄形成領域は光透過率が比較的高くされており、バックライト部91におけるLEDが点灯したとき、その発光領域が明るく発光するようになっている。詳しくは
図8を用いて後述する。
【0049】
インデックスセンサ55は、例えば透過型フォトセンサにより構成され、図のように本例ではベース板92bからリールドラム90に突出する突出部92tの先端部分に装着されている。インデックスセンサ55は、発光面、受光面がリールフレーム93の半径方向において互いに対向するように配置された発光部551と受光部552を有している。
【0050】
本例の場合、リールドラム93の所定のスポーク部93sには、インデックスセンサ55と対向する向きに突出する被検出部93dが形成されている。この被検出部93dは、リールドラム90の回転に伴い、インデックスセンサ55の発光部551と受光部552との間の空間を通過する位置に形成されている。
【0051】
このような構成により、透過型フォトセンサとしてのインデックスセンサ55によっては、リールドラム90(回転リール4)の回転の一周回につき1回、発光部551と受光部552との間を被検出部93dが通過することに伴うONパルスの出現する検出信号が得られる。
【0052】
ここで、
図7Bに示すように、被検出部93dは、回転方向R(正回転方向)に平行な方向おける両エッジ(端部)のうち一方のエッジが原点位置101と同じ回転角度に位置するように位置決めされている。具体的に、本例の被検出部93dは、正回転方向(R)への回転進行方向側のエッジが原点位置101と同じ回転角度に位置するように位置決めされている。
【0053】
尚、原点検出のための構成は、上記で説明したものに限定されるべきものではない。例えば、突起状の被検出部93dに代えて、特開2014−33743号公報に開示されているような切欠部による被検出部を設けた構成とすることもできる。この場合、インデックスセンサ55の発光部551と受光部552は、回転リール4の回転に伴い切欠部が到来したときに発光部551の発した光が受光部552で受光されるように配置すればよい。
インデックスセンサ55としては、透過型のフォトセンサに限らず、反射型のフォトセンサを用いることもできる。
【0054】
図8は、バックライト部91とリールシート95を模式的に表した図である。
バックライト部91は、側壁部91a、91aと、天板部91bと、底板部91cと、仕切板91d、91dと、LED配置部91eを有している。
側壁部91a、91aと天板部91bと底板部91cは、それぞれが略平板の板状に形成され、組み付けられて略ロ字形状を構成する。
仕切板91d、91dは、略平板の板状に形成され、天板部91bや底板部91cと略同じ方向を向いて天板部91bと底板部91cの間に略等間隔に離隔して配置される。これにより、バックライト部91には、側壁部91a、91aと、天板部91bと、底板部91cと、仕切板91d、91dとによって、略同じ大きさとされた上段照射室96a、中段照射室96b、下段照射室96cが上下に並んで形成される。
上段照射室96a、中段照射室96b、下段照射室96cは、それぞれ前方及び後方に開口され、後方の全ての開口を閉塞するようにLED配置部91eが取り付けられている。
LED配置部91eにおける上段照射室96aを閉塞する部分の前面には、複数の上段LED97a、97a、・・・が左右に離隔して配置されている。
LED配置部91eにおける中段照射室96bを閉塞する部分の前面には、中段LED97b、97b、・・・が左右に離隔して配置されている。
同様に、LED配置部91eにおける下段照射室96cを閉塞する部分の前面には、下段LED97c、97c、・・・が左右に離隔して配置されている。
尚、
図8中では、上段LED97a、中段LED97b、下段LED97cは、三つずつそれぞれ左右に離隔して配置されている。
【0055】
天板部91b、仕切板91d、91d、底板部91cは、リールシート95に配置された図柄1個分の間隔だけそれぞれ離隔して配置されている。従って、遊技後においてリールドラム90が停止した場合、天板部91b、仕切板91d、91d、底板部91cは、リールシート95に配置された図柄と図柄の間に位置するようにされる。従って、リールドラム90が停止した状態において、上段LED97aから照射された光は、リールシート95に配置された図柄の中で、上段照射室96aの前方に停止した図柄のみを照射する。同様に、中段LED97bから照射された光は中段照射室96bの前方に停止した図柄を、下段LED97cから照射された光は下段照射室96cの前方に停止した図柄を、それぞれ照射する。
【0056】
それぞれの照射室に配置されたLEDから出射された光は、側壁部91aや仕切板91dに遮られて前方に位置する図柄以外を照射しないようにされているため、演出などで各図柄を任意に照射したい場合(例えば、上段の図柄停止ライン上だけを照射する場合)などに、照射する部分だけを明確に照射することができる。これにより、回胴用LEDを用いた様々な点消灯演出に適した回胴遊技機を提供することができる。
【0057】
尚、側壁部91a、91aと、天板部91bと、底板部91cと、仕切板91d、91dは、同じ部材で一体に形成されていてもよい。さらに、LED配置部91eの少なくとも一部が同様に一体に形成されていてもよい。
【0058】
続いて、回転リール4a、4b、4cを回転させる各ステッピングモータ54a、54b、54cの駆動方式と回転リール4a、4b、4cに形成された図柄との関係について、その一例を説明する。
本実施の形態において、ステッピングモータ54a、54b、54cはユニポーラ駆動のステッピングモータとされ、それぞれセンタータップされた2つの駆動巻線を有している。本実施の形態の場合、ステッピングモータ54a、54b、54cの駆動は、例えば、1相励磁と2相励磁とを交互に繰り返す1−2相励磁によって行われる。1−2相励磁による駆動方法は、1相励磁や2相励磁の駆動方法と比較して、ステップ角を半分にしたなめらかな駆動を実現できる。1−2相励磁の励磁パターン(励磁データ)の更新周期はタイマ割込み処理の周期である1.49msとされる。
【0059】
図9は、回転リール4a、4b、4cに形成された図柄についての説明図である。
本例において、回転リール4a、4b、4cの表面には、回転方向に沿って21コマ分の図柄が配置されている。回転リール4a、4b、4cのそれぞれにおいて、図柄の種類は10種類(赤7、白7、バー、キャラ、チェリー、すいか、ベル、リプレイ、はずれ1、はずれ2)とされ、それらが所定の順序で配列されている。図中では、回転リール4aに形成された21コマの図柄をそれぞれ図柄4a1、4a2、・・・、4a21と表している。同様に、回転リール4bに形成された21コマの図柄を図柄4b1、4b2、・・・、4b21、回転リール4cに形成された21コマの図柄を図柄4c1、4c2、・・・、4c21と表している。各図柄の符号の末尾に付した番号は、その図柄の番号を表している。
【0060】
回転リール4a、4b、4cにおいて、各図柄は等間隔で配置され、図中では図柄の切れ目位置を破線で表している。回転リール4a、4b、4cにおいては、所定の図柄切れ目位置が原点位置101とされている。本例における原点位置101は、それぞれ1番目の図柄である図柄4a1、4b1、4c1と、21番目の図柄である図柄4a21、4b21、4c21との間の図柄切れ目位置にそれぞれ設定されている。
【0061】
図中の矢印Rは、定常回転中(正方向回転中)における回転リール4a、4b、4cの回転方向を表している。このことから理解されるように、各図柄に付した番号は、原点位置101を起点として、定常回転中において図柄が遷移する順番を表している。
【0062】
ここで、本例においては、ステッピングモータ54a、54b、54cが1回転すると回転リール4a、4b、4cがそれぞれ1/63回転するようにステッピングモータ54a、54b、54cと回転リール4a、4b、4cとの間の回転比が設定されている。換言すれば、回転リール4a、4b、4cを1回転させるにはステッピングモータ54a、54b、54cを63回転させることを要する。
本例においては、ステッピングモータ54a、54b、54cを1回転させるために必要な駆動ステップ数は8ステップとなるため、回転リール4a、4b、4cを1回転させるために必要なステッピングモータ54a、54b、54cの駆動ステップ数は8×63=504とされている。
【0063】
本例における回転リール4a、4b、4cには21コマの図柄が等間隔で形成されているため、図柄1コマ当たりのステップ数は504÷21=24ステップである。
これに応じ、各図柄については、ステップ位置として計24の位置を検出可能とされている。ここで、図柄中のステップ位置は、後の
図11で説明するタイマ割込み処理ごとに図柄ステップ数がデクリメント(−1)されていくことで検出可能とされる。すなわち、各図柄中で検出可能なステップ位置は、24番(先頭ステップ位置)〜1番(最終ステップ位置)の24個である。その図柄の最終ステップ位置(1番)に到達した状態から図柄ステップ数が更にデクリメントされると、図柄ステップ数は24番(=0番)へと戻る。
【0064】
また、各図柄については、24(0)番〜1番のステップ位置のうち所定のステップ位置がその図柄の停止を許可すべき位置(停止許可ステップ位置)として定められている。具体的には、8番のステップ位置が図柄の停止許可ステップ位置として定められている。回転リール4の停止時には停止図柄が決定され、該停止図柄で回転リール4を停止させるが、この際、回転リール4を停止させる位置は停止図柄中のどのステップ位置でも良いわけではなく、8番のステップ位置に達したことに応じて停止を許可するように定められている。
【0065】
<4.主制御側起動処理>
図10のフローチャートを参照して、主制御基板40(コントローラ80)におけるCPU80aが実行する主制御側起動処理について説明する。
この主制御側起動処理は、電源投入時とコントローラ80におけるウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト時のそれぞれで発生するリセット信号に応じてCPU80aが実行するものである。すなわち、主制御側起動処理は、スロットマシンの電源投入に伴うコントローラ80の起動時と、コントローラ80の動作が何らかの不具合により所定時間以上停滞したことに伴う再起動時に実行されるものである。
【0066】
図10において、主制御基板40のCPU80aは、ステップS101の割込みモード設定処理として割込み処理のモードを初期モードに設定する処理を行い、続くステップS102でRAM80cのスタックポインタ先頭アドレスを所定のアドレス(例えば8000)にセット(初期化)する。
【0067】
次いで、CPU80aは、ステップS103の乱数設定処理として、使用乱数回路とラッチ方法の選択、及び乱数ラッチ割込みの禁止設定を行う。具体的には、4つの乱数回路(0〜3)のうちから一つの乱数回路(例えば0)を、またラッチ方向としてハードラッチを選択すると共に、乱数を取り込んだときの割込要求を禁止する設定を行う。
その上で、CPU80aはステップS104で割込み禁止設定、続くステップS105でRAM80cへのアクセス禁止設定、さらに続くステップS106でサブブートタイマの設定(本例では約1秒)をそれぞれ行った上で、ステップS107で電源異常か否かを判定する。なお、電源異常か否かの判定は、前述した電源基板41より電源異常信号Evが入力されているか否かを判別することで行う。
電源異常である場合、CPU80aは先のステップS101から処理をやり直し、電源異常でない場合、CPU80aはステップS108に進んでWDTをクリアした上で、ステップS109でサブブートタイマの値を確認する。サブブートタイマの値が0以外である場合、CPU80aはステップS107から処理をやり直し、サブブートタイマの値が0であればステップS110に進む。すなわち、ステップS107で電源異常と判定されない限り、ステップS106のサブブートタイマ設定処理で設定した時間が経過するまでステップS108のWDTのクリア処理を繰り返して待機するループが形成されている。
【0068】
ステップS110でCPU80aは、外部クロック異常か否かの判定処理として、外部より入力されるクロックが異常であるか否かを判定する。外部クロック異常である場合、CPU80aは後の
図11に示す動作停止エラー処理を実行する。
【0069】
外部クロック異常でない場合、CPU80aはステップS111に進んでRAMアクセス許可設定(RAM80cへのアクセスを許可)を行った上で、ステップS112で各種センサ、スイッチからの信号入力を行う。具体的には、前述したドア開放センサ35による検出信号と設定キースイッチ72aからの信号を入力する。
【0070】
続くステップS113でCPU80aは、ドア開放センサ35による検出信号に基づいてドア(前面パネル2)が開放状態であるか否かを判定する。
ドアが開放状態でない場合、CPU80aはステップS115に進む。
また、ドアが開放状態である場合、CPU80aはステップS114に進んで、設定キースイッチ72aがONか否かを判定する。設定キースイッチがONでない、即ちドアが開放されているものの設定キーON操作が行われていない場合、CPU80aはステップS115に進む。
尚、上記説明から理解されるように、ステップS113でドアが開放状態でなければ、ステップS114における設定キースイッチ72aのON/OFF判定が行われない。つまり、この場合における設定キー操作は無効扱いとされる。このようにドアが開放されていない場合の設定キー操作を無効扱いとすることで、設定値vdを改竄する不正行為の防止を図っている。
【0071】
ステップS115でCPU80aは、設定値vdが適正範囲内の値であるか否かを判定する。ここで、RAM80cにおいては、設定値vdを格納するための領域が予め設定されており、ステップS115では当該RAM80cの所定の領域に格納されている設定値vdを読み出し、該設定値vdが適正範囲内の値であるか否か(つまり本例では設定「1」〜設定「6」に対応した「0」〜「5」の範囲内か否か)を判定する。
【0072】
設定値vdが適正範囲内の値であれば、CPU80aはステップS116でチェックサムが正常か否かを判定する。
ここで、電源遮断時には、CPU80aは、RAM80cの所定の対象領域についてチェックサムを算出し、RAM80cにおける所定領域(上記の対象領域とは異なる領域)に格納する処理を行っている。ステップS116の処理では、RAM80cにおける上記対象領域について同様にチェックサムを算出し、算出したチェックサムが電源遮断時に上記の所定領域に格納したチェックサムと一致するか否かを判定する。
双方のチェックサムが一致している(チェックサムが正常である)場合、上記対象領域における格納データについて、電源遮断前との同一性が証明されたことになる。しかし、電源遮断時にチェックサム算出が実行できなかった場合や、実行できても、その後、ステップS116でのチェックサム算出の実行時までの間に上記対象領域のデータが破損又は改竄されている場合もある。このような場合には、ステップS116の判定結果は不一致となる。
【0073】
ステップS116において、双方のチェックサムが一致し正常と判定した場合、CPU80aはステップS117に進みスタックポインタが正常であるか否かを判定し、正常と判定した場合は電断復帰処理を実行する。
図示による説明は省略するが、電断復帰処理においては、RAM80cの格納情報に基づいて、電源遮断前の状態に復帰(いわゆるホットスタート)するための各種設定が行われる。CPU80aは、当該電断復帰処理を実行したことに応じ、後述するメインループ処理(
図13)に移行する。
【0074】
ここで、CPU80aは、先のステップS110で外部クロック異常と判定した場合、又はステップS115で設定値vdが適正範囲内の値でないと判定した場合、又はステップS116でチェックサムが正常でないと判定した場合、又はステップS117でスタックポインタが正常でないと判定した場合は、
図11に示す動作停止エラー処理を実行する。
【0075】
図11に示す動作停止エラー処理において、CPU80aは、ステップS201で割込み禁止設定を行い、続くステップS202でタイマ割込み禁止設定、INT割込み許可設定を行った上で、ステップS203でRAM80cへのアクセスを禁止する設定を行う。
そして、続くステップS204でCPU80aは割込み許可設定を行い、その後は、ステップS205のエラー表示処理を繰り返し実行する(無限ループ)。尚、当該エラー表示処理としては、例えば前述した払出表示部10に所定のエラーコードを表す値を表示させるための処理を行う。
【0076】
このように、
図10の起動処理において外部クロック、設定値vd、チェックサム、スタックポインタの異常がそれぞれ検知された場合には、エラー表示処理を無限に繰り返す動作停止エラー処理が実行される。
このような動作停止エラー処理が実行されると、スロットマシンにおけるゲームの進行はもはや不能となる。この意味で、当該動作停止エラー処理はゲームの進行を不能化する不能化処理と換言することができる。
【0077】
ここで、上記により説明した主制御側起動処理が実行されることで、例えば設定値vdの不正な書き替えが行われる等により起動時にRAM82cに不適正な設定値vdが保持(記憶)されていた場合には、動作停止エラー処理によりゲームの進行が不能化される。
但し、ステップS113及びS114の判定処理により設定変更操作が検知されて設定変更処理が実行された場合には、後の説明からも理解されるように、当該設定変更処理の終了後にはCPU80aはメインループ処理に移行するため、ゲームの進行が可能な状態になる。
このことから理解されるように、本例のスロットマシンにおいては、設定値vdを変更する操作が行われることを条件に、ゲーム進行の不能化状態が解除される。
【0078】
<5.設定変更処理>
CPU80aは、
図10に示すステップS114で設定キースイッチ72aがONであると判定した場合(ドアが開放状態で且つ設定キーON操作が行われている場合)には、
図12に示す設定変更処理を実行する。
【0079】
図12に示す設定変更処理において、CPU80aは、先ずステップS301で設定変更時RAMクリア処理を実行する。即ち、RAM80cにおける設定変更時に対応して定められた領域(設定値vdの格納領域は含まれていない)をクリアする処理を行う。
そして、次のステップS302でCPU80aは、割込み設定処理として、設定変更処理時に対応した割込みモードの設定を行う。
【0080】
続くステップS303でCPU80aは、RAM80cに格納されている設定値vdを読み出した上で、ステップS304で設定値vdがMAX(本例では設定「6」に対応した「5」)以上なら0クリアする処理を行う。これは、後述するステップS311でリセットボタン操作に応じて設定値vdが+1されたことに伴い設定値vdが「5」以上なったときに、設定値vdが「0」(設定「1」に対応する値)に戻されるようにするためである。
【0081】
続くステップS305でCPU80aは、設定値コマンドをセットする。設定値コマンドとは、RAM80cに格納されている設定値vdを演出制御基板42のCPU42aに対して通知するためのコマンドである。
【0082】
ここで、本例の場合、設定値コマンドは、スロットマシンの電源投入時に対応して主制御基板40(CPU80a)が演出制御基板42(CPU42a)に対して送信する「メイン状態コマンド」の一態様として送信するコマンドとされている。具体的に、「メイン状態コマンド」は、主制御基板40が自らの状態に応じて以下の三種のモードを可変的に設定可能なコマンドとされている。
・メイン基本状態送信時
・電断復帰時状態送信時
・遊技開始受付前状態送信時
CPU80aは、「メイン状態コマンド」における所定のビット位置(第一所定ビット位置)に対しこれら三種のモードのうち何れかに対応した値を格納することで、当該メイン状態コマンドのモードを指定できる。
【0083】
「メイン基本状態送信時」モードのメイン状態コマンドにおいては、上記の第一所定ビット位置とは異なる所定のビット位置(第二所定ビット位置)の値により、以下の情報を指定可能とされている。
・設定変更情報(設定1)
・設定変更情報(設定2)
・設定変更情報(設定3)
・設定変更情報(設定4)
・設定変更情報(設定5)
・設定変更情報(設定6)
・設定変更終了情報:設定変更が終了した旨を表す情報
・デモ状態情報:客待ちデモ状態に関する通知情報
なお、設定変更情報(設定1)〜設定変更情報(設定6)は、ステップS303でRAM82cから読み出した値、又は後述するステップS311のインクリメント処理を経た値(ステップS304で0クリアされた場合は0である)を表す情報である。
【0084】
また、「電断復帰時状態送信時」モードのメイン状態コマンドにおいては、第二所定ビット位置の値により、
・ARTモード通知情報:例えば、ARTモード0〜3の何れかを通知する情報
・電断復帰時初期化情報:前述した電断復帰処理で初期化を行った旨を表す情報
を指定可能とされ、「遊技開始受付前状態送信時」モードのメイン状態コマンドにおいては、第二所定ビット位置の値により、
・ARTモード通知情報
を指定可能とされている。
【0085】
ステップS305でCPU80aは、「設定値コマンド」として、上記の第一所定ビット位置に「メイン基本状態送信時」モードに対応した値を格納し、また第二所定ビット位置にステップS303でRAM82cから読み出した値、又は後述するステップS311のインクリメント処理を経た場合はインクリメント後の値(ステップS304で0クリアされた場合は0である)を格納した「メイン状態コマンド」を演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする。
なお、このように送信バッファにセットされたコマンドは、後述するタイマ割込み処理(
図14)のコマンド出力処理(S505)において演出制御基板42側に送信される。
【0086】
ステップS305のコマンドセット処理を実行したことに応じ、CPU80aは、ステップS306の設定値表示処理として、前述した回胴設定基板71に対して設けられた表示器に現在の設定値vdに応じた値を表示させるための処理を行う。尚、ここで言う現在の設定値vdとは、ステップS305でセットしたコマンドにおいて指定した設定値vdを意味する。
そして、CPU80aは、続くステップS307の乱数更新処理として、先のステップS103で0ラッチした乱数についての更新処理を行い、次のステップS308で1タイマ割込み分の待機処理を行った上で、ステップS309に処理を進める。
【0087】
ステップS309でCPU80aは、スタートレバー17(始動スイッチ)のON/OFFを確認する。これは、設定値vdの確定操作の有無を確認していることに相当する。
スタートレバー17がOFFであれば、CPU80aはステップS310に進んでリセットボタン(リセットスイッチ72b)のON/OFF、即ち設定値vdの送り操作の有無を確認し、リセットボタンがOFFであればステップS307の乱数更新処理に戻る。
これにより、スタートレバー17による設定値vdの確定操作、又はリセットボタンによる設定値vdの送り操作の何れかが行われるまで、乱数更新(S307)と1タイマ割込み分の待機処理(S308)とが繰り返し行われる。
【0088】
ステップS310において、リセットボタンがONであれば、CPU80aはステップS311に進んで設定値vdをインクリメント(+1)した上で、先のステップS304に戻る。
【0089】
また、ステップS311において、スタートレバー17がONであれば、CPU80aはステップS312に進み、現在の設定値vd(つまり直近のステップS306で表示させた設定値vd)をRAM82cの所定領域にセットする(記憶させる)。
【0090】
ステップS312で設定値vdをRAM82cにセットすると、CPU80aはステップS313で設定値確定ドットの表示、即ち回胴設定基板71に設けられた表示器に設定値vdが確定した旨を表す表示を行わせる(例えば、当該表示器に表示中の数値情報を点滅表示させる、或いは表示輝度を上昇させるなど)。
【0091】
そして、CPU80aは、続くステップS314及びステップS315により、設定値vdの変更終了操作を待機する処理を実行する。即ち、ステップS314で1タイマ割込み分待機する処理を実行した上で、ステップS315で設定キースイッチ72aのON/OFFを確認し、ONである場合にはステップS314に戻る。
【0092】
設定キースイッチ72aがOFFであれば、CPU80aはステップS316に進み、先のステップS313で確定表示を実行させた表示器における数値表示をクリアさせた上で、ステップS317で設定変更終了コマンドをセットする。この設定変更終了コマンドは、演出制御基板42側に対して設定値vdの変更処理が終了した旨を通知するためのコマンドであり、本例においては前述した「メイン状態コマンド」の一態様としてセットされる。具体的に、ステップS317のコマンドセット処理では、前述した第一所定ビット位置に「メイン基本状態送信時」モードを表す値を格納し、また第二所定ビット位置に前述した「設定変更終了情報」を表す値を格納した「メイン状態コマンド」を演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする。
【0093】
ステップS317のコマンドセット処理を実行したことに応じ、この図に示す設定変更処理は終了となる。
CPU80aは、設定変更処理を終了したことに応じて、
図13に示すメインループ処理に移行する。
【0094】
<6.メインループ処理>
図13は、主制御基板40のCPU80aが実行するメインループ処理のフローチャートである。
CPU80aは、メインループ処理として、ステップS401〜S417で表す一連の処理を繰返す。メインループ処理は、1ゲームごとに繰り返し実行されるものである。
尚、1ゲームの期間は、スタートレバー17の操作受け付けが可能となる契機の発生から停止ボタン18a,18b,18cの操作に応じて回転中の回転リール4a,4b,4cが全て停止されるまでの期間である。後の説明から理解されるように、本例の場合、スタートレバー17の操作受け付けが可能となる契機は、1枚目のメダルがベット(マックス投入ボタン16や再遊技時の疑似投入によるベットも含む)されたタイミングである。
【0095】
メインループ処理において、CPU80aは、先ずステップS401で、RAM初期化処理を実行する。すなわち、RAM80cのワークエリアにおける所定領域(1ゲームごとにクリアするものとして定められた領域)を0クリアする。
【0096】
続くステップS402でCPU80aは、現在のゲームにおける遊技状態フラグを生成する。遊技状態フラグとは、現在のゲームの遊技状態を特定するフラグである。遊技状態は、「ボーナスゲーム中」や「ボーナス内部当選中」や「通常ゲーム中」などの遊技の各種状態を示す。さらに、ステップS402では、現在のゲームの直前のゲームでリプレイに当選したか否かを表す再遊技作動フラグを生成する。再遊技作動フラグの値は、リプレイ当選を表す「1」(ON)、又はリプレイ非当選を表す「0」(OFF)の何れかを設定する。
【0097】
さらに、CPU80aは次のステップS403で遊技メダル投入処理を実行する。即ち、メダル投入口12から実際に投入されるメダル、或いは、マックス投入ボタン16の押下や再遊技の当選により擬似的に投入されるメダルについての管理やクレジット(貯留メダル)の管理を行う処理である。
ステップS403の遊技メダル投入処理の詳細については
図15〜
図19により改めて説明する。
尚、当該遊技メダル投入処理は、スタートレバー17がON操作されたか否かの判定処理(
図15のステップS613)を含んでおり、スタートレバー17がON操作されたことを条件として処理が終了する。
【0098】
ステップS403の遊技メダル投入処理が終了すると、CPU80aはステップS404で内部抽選用乱数抽出処理を実行する。具体的には、カウンタ回路81に保持されているカウンタ値を取得する。取得したカウンタ値は、乱数値としてRAM80cの所定の番地に保持される。
【0099】
そして、続くステップS405でCPU80aは、設定値vdが適正範囲内の値であるか否かを判定する。具体的には、RAM82cに格納されている設定値vdが設定「1」〜設定「6」の何れかに対応した値であるか、つまりは「0」〜「5」の範囲内の値であるか否かを判定する。
【0100】
設定値vdが適正範囲内の値でなければ、CPU80aは先の
図11により説明した動作停止エラー処理を実行する。
即ち、CPU80aは、上記のステップS405の処理によって1ゲームごとにRAM82aに記憶されている設定値vdが適正範囲内の値か否かを判定し、適正範囲内の値でない場合には、遊技動作の進行を停止してゲーム進行を不能化している。
【0101】
一方、設定値vdが適正範囲内の値であれば、CPU80aはステップS406に進み、記憶された乱数値に基づいて内部抽選処理(図柄抽選処理)を実行する。図柄抽選処理では、ボーナス図柄への当選か否か、小役図柄への当選か否か、再遊技を示すリプレイ図柄への当選か否かが決定され、決定された抽選結果を示す制御コマンド(「遊技開始コマンド」)が演出制御インターフェース86における送信バッファにセットされ、タイマ割込み処理のコマンド出力処理(S505)によって演出制御基板42側に送信される。即ち、各図柄に当選したか否かが演出制御基板42側に通知される。
尚、小役図柄としては、例えば、「チェリー図柄」(4a10、4b3、4c9)、「ベル図柄」(4a4、4b5、4c3等)、「すいか図柄」(4a9、4b12、4c1等)などを例示することができる。
また、当該図柄抽選処理では、抽選結果に基づいて、「期待感演出コマンド」が上記送信バッファにセットされる。期待感演出コマンドとは、例えば、遊技開始時など1ゲーム中の所定タイミングで実行される期待感演出の内容を指示するためのコマンドである。
【0102】
ステップS406の内部抽選処理を実行したことに応じて、CPU80aはステップS407でリール演出を実行するか否かを決定するリール演出抽選処理を実行する。尚、リール演出抽選処理において選出可能な演出は、内部抽選処理の結果に対応して定められている。例えば、「すいか図柄」等の所定の図柄に内部当選状態であれば、所定の当選確率に基づいて「極めてゆっくり正方向に回転して静止するスロー演出」等の所定のリール演出が選出可能とされている。
【0103】
ステップS407のリール演出抽選処理を実行したことに応じて、CPU80aはステップS408で停止図柄決定初期化処理を実行し、停止操作が行われた回転リール4についての停止位置を決定(算出)する際に用いられる各種データの初期化を実行した上で、次のステップS409で回転リール4a〜4cの回転を開始させるべく回胴回転開始設定処理を実行する。
【0104】
ステップS409の回胴回転開始設定処理は、リール演出抽選に当選しているか否かによって処理内容が異なっている。
ここで、リール演出は様々なタイミングで実行され、例えば、スタートレバー17の操作に応じて実行される。スタートレバー17の操作のタイミングで実行されるリール演出に当選している場合には、スタートレバー17の操作に応じてリール演出が実行された上で回転リール4a、4b、4cが一旦停止し、その後に改めて回転リール4a、4b、4cが起動(加速回転)されて一定速度による定常回転状態に遷移する。
リール演出抽選に当選している場合、ステップS409の回胴回転開始設定処理においては、回転リール4a、4b、4cを演出回転させた後に改めて定常回転状態に向けて起動させるための各種の設定処理が実行される。
一方、リール演出抽選に当選していない場合、ステップS409の回胴回転開始設定処理では回転リール4a、4b、4cを定常回転状態に向けて起動させるための各種の設定処理が実行される。
【0105】
ところで、遊技者は、スタートレバー17の操作に応じて或るリール演出が実行された場合には、そのリール演出の種類に応じた所定の図柄に内部当選していることを推理できる。遊技者は、このような推理から目標とした図柄が図柄停止ライン上に揃うように停止操作を行う。推理が当った場合であって、且つ、停止タイミングが適切な場合に限り、内部当選状態が実効化されて所定のメダルが払出される。
【0106】
CPU80aは、ステップS409の回胴回転開始設定処理を実行したことに応じ、ステップS410で回胴停止処理を実行する。
回胴停止処理では、停止ボタン18a、18b、18cの操作に応じて、回転リール4a、4b、4cの停止図柄を決定するための処理や、回転リール4a、4b、4cを停止図柄で停止させるための各種データの設定処理が行われる。また、回胴停止処理では、図柄停止ライン上に停止された図柄の照合処理も行われる。
【0107】
尚、上記の回胴停止処理においては、内部抽選処理(S406)の当否結果に沿うように、回転リール4a、4b、4cのうち対応する回転リール4を停止制御する。すなわち、内部抽選処理の結果、何らかの内部当選状態であれば、遊技者の適切な停止操作を条件として、当選結果に合うよう回転リール4a、4b、4cの図柄を整列させる。但し、遊技者が停止ボタン18を押すタイミングや、停止操作の順番が不適切である場合には、ハズレ状態の図柄で停止される。この結果、折角の小役当選も無駄になるが、ボーナス当選については、次回のゲーム以降も持ち越される。
【0108】
CPU80aは、続くステップS411で入賞判定処理を実行する。すなわち、ステップS410の回胴停止処理における上記の照合処理の結果に基づき、図柄停止ライン上に当選図柄(当選役)が揃ったか否かを判定すると共に、当該判定結果に応じたメダルの払出枚数を算出する。
尚、入賞判定処理では、図柄停止ライン上に当選図柄が揃ったか否かの判定結果を示す制御コマンド(入賞情報コマンド)を演出制御基板42に送信するべく、入賞情報コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする処理も行われる。
また、入賞判定処理では、当該ゲームの入賞情報に応じた払出数をRAM82cの所定領域にセットする処理も行われる。
【0109】
さらに、続くステップS412でCPU80aは、メダル払出枚数監視処理として、メダル払出センサ76の検出信号に基づき払出メダル枚数をカウントすると共に、メダル払出に応じてクレジット枚数の値を更新する処理を行う。この際、RAM82cに上記の払出数がセットされている場合には、クレジット枚数の値を1ずつインクリメントし、クレジットがオーバーフローする場合は払出制御信号をONにしてメダル払出装置5にメダルを払い出させる。払い出しが完了すると払出制御信号をOFFとしてメダル払出枚数監視処理を終える。
尚、メダル払出枚数監視処理では、メダル払出やクレジット枚数のインクリメントを示す制御コマンド(払出コマンド)を演出制御基板42に送信するべく、払出コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする処理も行われる。払出コマンドのセットは、クレジット枚数の値をインクリメントするごと、及びホッパーからメダルが1枚払い出されるごとに行う。
【0110】
ステップS412に続くステップS413でCPU80aは、再遊技設定処理を実行する。再遊技設定処理では、リプレイ当選状態か否かを判定し、リプレイ当選状態であれば、再遊技動作の開始処理として、少なくとも再遊技動作フラグをセットする処理を実行し、ステップS414に進む。リプレイ当選状態でない場合には、再遊技動作の開始処理は実行せず(つまり再遊技動作フラグをセットせず)にステップS414に進む。尚、再遊技動作フラグは、後述する
図15におけるステップS602の判定処理に用いられる。
【0111】
ステップS414でCPU80aは、現在がボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中であれば、CPU80aはステップS416のボーナス作動中処理としてボーナス作動中である場合に対応した所定処理を実行した上で、先のステップS401に戻る。
【0112】
一方、現在がボーナスゲーム中でなかった場合、CPU80aはステップS415でボーナス図柄が揃っているか否かを判定し、ボーナス図柄が揃っている場合には、ステップS417のボーナス作動開始処理としてボーナス開始時に対応した各種の設定処理を実行した上で、ステップS401に戻る。
ボーナス図柄が揃っていなかった場合、CPU80aはステップS417のボーナス作動開始処理をパスしてステップS401に戻る。
【0113】
<7.タイマ割込み処理>
図14は、主制御基板40のCPU80aが実行するタイマ割込み処理のフローチャートである。当該タイマ割込み処理は1.49msごとに起動される。
図14において、先ずCPU80aは、ステップS501でレジスタの値を退避させた上で(レジスタ退避処理)、ステップS502で各種スイッチ信号やセンサ信号を受ける入力ポートのデータを取得し、例えばRAM80cの所定領域に記憶させる(ポート入力処理)。尚、センサ信号には、メダル通過センサ67やメダル払出センサ76、第1回胴インデックスセンサ55a、第2回胴インデックスセンサ55b及び第3回胴インデックスセンサ55cの各インデックスセンサ55、及びドアセンサ66等からの検出信号が含まれる。また、ポート入力処理では、カウンタ回路81からの乱数値の取り込みも行われる。
【0114】
次に、CPU80aはステップS503で回胴回転制御処理を実行する。回胴回転制御処理は、
図13のメインループ処理における回胴回転開始設定処理(S409)や回胴停止処理(S410)での設定データに基づいて、起動回転から停止までの回転リール4の駆動を実現するためにステッピングモータ54a、54b、54cに出力すべき励磁データを出力バッファにセットする処理となる。
【0115】
続くステップS504でCPU80aは、定期更新処理として各種の対象タイマについての更新処理を実行する。特に、本例の場合、当該定期更新処理では、後の
図17により説明するクレジット投入検出処理(S605)でセットされるクレジット投入間隔タイマ(S810)、及び
図18により説明する再遊技メダル投入処理(S610)でセットされる投入間隔タイマ(S904)などの更新が行われる。
【0116】
ステップS504の定期更新処理を実行したことに応じ、CPU80aはステップS505でコマンド出力処理を実行する。すなわち、演出制御インターフェース86における送信バッファにセットされている制御コマンドを1バイト毎に演出制御基板42に出力する。
【0117】
続くステップS506でCPU80aは、表示・モータ出力処理として各種ランプの表示動作を更新すると共に、回胴モータ駆動部85を介して、ステップS503でセットした励磁データをステッピングモータ54a、54b、54cに出力させる。ステッピングモータ54に励磁データが出力されると、各ステッピングモータは励磁データに応じた所定の励磁状態となり、励磁データが更新されていくことで回転リール4の回転や停止が行われる。
【0118】
さらに、CPU80aは、次のステップS507で異常監視処理を実行し、ステップS508で外部情報信号出力処理を実行する。ステップS507の異常監視処理では、前述したレバー検知センサ68やメダル払出センサ76、ドア開放センサ35の検出信号に基づく異常の有無の判定と判定結果に応じた処理を実行する。また、ステップS508の外部情報信号出力処理は、前述した外部集中端子板70を介した情報出力に係る処理であり、具体的には、払出したメダルなどの情報をホールコンピュータに出力する処理を実行する。
【0119】
続くステップS509でCPU80aは、先のステップS501の処理で退避したレジスタの値を復帰させる。ステップS509のレジスタ復帰処理を実行したことに応じ、CPU80aはタイマ割込み処理を終える。
【0120】
<8.遊技メダル投入処理(演出制御基板への1ゲームごとの設定値の通知)>
続いて、
図15〜
図19を参照して、主制御基板40のCPU80aがメインループ処理の過程で実行する遊技メダル投入処理(S403)について説明する。
図15は、遊技メダル投入処理の全体的な流れを示したフローチャートである。
先ず、CPU80aはステップS601で、リールLED消灯デモタイマセット処理を実行する。即ち、回転リール4a、4b、4cごとに三つずつ設けられた計9個の回胴用LEDの消灯が行われるデモ状態へ移行するためのタイマを所定値(本例では60sec)にセットする。
【0121】
続くステップS602でCPU80aは、再遊技作動フラグ(ステップS402で生成される)を確認し、再遊技作動フラグがON(「1」)であればステップS610の再遊技自動メダル投入処理を実行した上でステップS611に進む。
尚、ステップS610の再遊技自動メダル投入処理は、直前のゲームでリプレイ図柄に当選したことに応じたメダルの擬似的な投入処理となるが、詳細は
図18により改めて説明する。
【0122】
再遊技作動フラグがOFF(「0」)であった場合、CPU80aはステップS603に進み、メダル精算処理として、前述したクレジット精算ボタン14の操作有無に応じクレジット状態のメダルを払い出すための処理を実行した上で、ステップS604のメダル投入検出処理、次いでステップS605のクレジット投入検出処理を実行する。
【0123】
ステップS604のメダル投入検出処理では、遊技者により適正にメダルが投入されたか否かの判定処理や、メダル投入が不適正であった場合のエラー処理、メダル投入が適正であった場合のベット枚数の管理処理又はクレジット枚数の管理処理が行われる。
【0124】
図16は、メダル投入検出処理のフローチャートである。
メダル投入検出処理において、CPU80aは、先ずステップS701で現在のベット枚数が規定枚数(3枚)であるか否かを判定する。ベット枚数は、後述するメダル投入時設定処理(S716、S812、S903:
図19を参照)におけるステップS1001の処理や前述したステップS603のメダル精算処理によってCPU80aによりカウントアップ/ダウンされる値である。
ベット枚数が規定枚数であれば、CPU80aはステップS702に進んでクレジット枚数が最大(50)であるか否かを判定する。クレジット枚数は、
図16において後述するステップS717の処理や
図17において後述するステップS811の処理、さらには前述したステップS603のメダル精算処理によってCPU80aによりカウントアップ/ダウンされる値である。
【0125】
クレジット枚数が最大であれば、CPU80aはステップS703に進んでメダル投入禁止処理を実行し、この図に示すメダル投入検出処理を終了する。メダル投入禁止処理では、前述したLED群9におけるメダルの投入の受付状態を示すLED(メダル投入表示LED)、ブロッカーソレノイド69、及びマックス投入ボタン16に設けられてマックス投入操作の受け付け可否を表すマックス投入ボタンLEDをそれぞれOFFとするための処理を実行する。
なお、前述のようにブロッカーソレノイド69はOFF状態とされることでブロッカーが有効となり、メダルが投入されても排出される。
【0126】
ステップS701でベット枚数が規定枚数でなかった場合、又はステップS702でクレジット枚数が最大でなかった場合、CPU80aはステップS704に進み、メダル投入を許可するための処理として上記したメダル投入表示LED、及びブロッカーソレノイド69をONするための処理を実行する。
【0127】
その上で、CPU80aはステップS705以降の処理により、遊技者により適正にメダルが投入されたか否かの判定処理(S705〜S714)や、メダル投入が不適正であった場合のエラー処理(S718)、メダル投入が適正であった場合のベット枚数の管理処理(S716)又はクレジット枚数の管理処理(S717)を実行する。
【0128】
先ず、ステップS705でCPU80aは、メダル通過センサ67のチェック処理として、前述した第一センサ、第二センサの検出信号を確認する。具体的には、これら第一センサ、第二センサのON/OFF状態を確認する。
そして、CPU80aは続くステップS706で、前回のセンサ状態と一致しているか否か、即ち第一センサ、第二センサのON/OFF状態が前回と一致しているか否かを判定する。これは、第一センサ、第二センサの何れにもOFF→ON又はON→OFFの変化が無かったか否かを判定していることに相当する。
【0129】
ここで、適正なメダル投入が行われたか否かの判定は、メダルが適正方向に適正時間内で投入されたことを判定条件として行われる。メダル通過センサ67において、第一センサ、第二センサは投入口側から同順に配置されており、従ってこれら第一センサ、第二センサの検出信号の推移を観察することでメダルが適正方向に適正時間内で投入されたか否かを判定できる。
具体的に、本例においては、メダル投入時の推移状態として、投入前(第一推移状態)、第一センサを通過開始〜第二センサを通過開始直前(第二推移状態)、第二センサを通過開始〜第一センサを通過終了直前(第三推移状態)、第一センサを通過終了〜第二センサを通過終了直前(第四推移状態)、第二センサを通過終了(第五推移状態)の五つの推移状態を規定して、適正なメダル投入か否かを判定する。
メダル投入が適正であれば、第一推移状態→第二推移状態→第三推移状態→第四推移状態→第五推移状態の順で、第一センサの検出信号、第二センサの検出信号は以下のように推移する。
・第一センサ:OFF→ ON → ON →OFF→OFF
・第二センサ:OFF→OFF→ ON → ON →OFF
【0130】
本例では、第一センサ、第二センサのON/OFF状態の推移が上記の推移と一致しているか、及び推移状態の変化に要した時間が所定時間内であるかをそれぞれ判定して、適正なメダル投入が行われたか否かの判定を行う。
【0131】
具体的に、CPU80aは、ステップS706で前回のセンサ状態と一致していると判定した場合、換言すれば第一センサ、第二センサの何れにもOFF→ON又はON→OFFの変化が無かった場合には、ステップS707に進んで第一センサ、第二センサが共にOFFであるか否かを判定する。ステップS707において、第一センサ、第二センサが共にOFFである場合とは、現在の推移状態が上記した第一推移状態又は第五推移状態にあることを意味する。この場合、CPU80aはメダル投入検出処理を終了する。
尚、メダル投入検出処理は、先の
図15を参照して分かるように、ステップS715でベット枚数が規定枚数に達したと判定されるまでは繰り返し実行されるものである。
【0132】
一方、ステップS707において、第一センサ、第二センサが共にOFFでない場合は、ステップS708に処理を進めるが、当該ステップS708以降の処理については後述する。
【0133】
上記したステップS706において、前回のセンサ状態と一致していないと判定した場合、換言すれば、第一センサ、第二センサの何れかにOFF→ON又はON→OFFの変化があったとされた場合、CPU80aはステップS710に進み、センサ検出信号の変化の推移をチェックし、続くステップS711で正常に変化したか否かを判定する。即ち、現在の推移状態を識別するための推移状態識別値に基づき、第一センサ、第二センサのON/OFF状態の変化が現在の推移状態に応じた適正な変化であるか否かを判別する。具体的には、現在が第一推移状態であれば、第一センサの変化がOFF→ON且つ第二センサは変化無しか否かを判定し、現在が第二推移状態であれば第一センサは変化無し且つ第二センサの変化がOFF→ONであるか否かを判定する。また、現在が第三推移状態であれば第一センサの変化がON→OFF且つ第二センサは変化無し、現在が第四推移状態であれば第一センサが変化無し且つ第二センサの変化がON→OFFか否かをそれぞれ判定する。
ここで、ステップS711の判定で用いる推移状態識別値は、初期値が0(第一推移状態を表す)とされ、後述するステップS713で順次更新(+1)される値である。
【0134】
ステップS711において、センサ検出信号が正常に変化していないと判定した場合、CPU80aはステップS718に進み、エラー処理としてメダル投入エラー時に対応した処理(例えば、前述した払出表示部10の7セグメントLEDにメダル投入エラーを表すエラー表示を実行させる処理等)を行った上で、ステップS719でメダル通過センサ67の状態をクリア(前回分の第一センサ、第二センサのON/OFF状態情報のクリア及び推移状態識別値の0クリア)する処理を行い、メダル投入検出処理を終了する。
【0135】
一方、ステップS711においてセンサ検出信号が正常に変化していると判定した場合、CPU80aはステップS712に進んで通過時間タイマをセットし、続くステップS713でメダル通過センサ推移状態を更新する。すなわち、上記した推移状態識別値をインクリメント(+1)する。
【0136】
さらに、CPU80aは次のステップS714で、推移上限か否か、即ち推移状態識別値が上限値である「4」に達したか(つまり第五推移状態に移行したか否か)を判定する。
推移状態識別値が「4」に達しておらず推移上限ではないと判定した場合、CPU80aは前述したステップS705におけるセンサ検出信号のチェック処理から処理をやり直す。つまり、ステップS714で推移上限に達したと判定するまでの間は、ステップS706の処理で第一センサ、第二センサの何れかにOFF→ON又はON→OFFの変化があったと検出されるごとに、ステップS705→S706→S710〜S714→S705の処理を繰り返すループが形成されている。
【0137】
このようなループ処理により、第一センサ、第二センサの何れかにOFF→ON又はON→OFFの変化があるごとに、つまりは前述した遷移状態が別の遷移状態に切り換わるごとに、第一センサ、第二センサのON/OFFの推移が適正であるか否かが逐次判定される。これは、メダル投入が適正方向に行われているか否かを逐次判定していることに相当する。
【0138】
メダル投入が所定時間内で行われているか否かは、前述したステップS707以降の処理で判定される。
ステップS707において、第一センサ、第二センサが共にOFFでない場合は、現在の推移状態としては、第二、第三、第四推移状態の何れかである。この場合、CPU80aはステップS708に進んで通過時間タイマの値をチェックし、続くステップS709でタイムアウトか否か、つまりは通過時間タイマの値が予め定められた所定値以上であるか否かを判定する。
なお、ステップS709の判定処理では、現在の推移状態識別値の別に応じてタイムアウト時間を可変的に設定しても良い。即ち、例えば現在が第二推移状態である場合、第三推移状態である場合、第四推移状態である場合のそれぞれでタイムアウト時間を可変的に設定するなど、現在の推移状態に応じて異なるタイムアウト時間を設定しても良い。
【0139】
ステップS709において、タイムアウトであると判定した場合、CPU80aは前述したステップS718のエラー処理に進む。
一方、タイムアウトではないと判定した場合、CPU80aはステップS705に戻る。即ち、ステップS706の処理で第一センサ、第二センサの何れかにOFF→ON又はON→OFFの変化があったことが検出されず、且つステップS709でタイムアウトと判定されない限り、ステップS705〜S709→S705の処理を繰り返すループが形成されている。
このようなループ処理により、第二推移状態の開始から第三推移状態の開始までの間、第三推移状態の開始から第四推移状態の開始までの間、及び第四推移状態の開始から第五推移状態の開始までの間のそれぞれの時間長についてタイムアウトであるか否かが判定され、タイムアウトと判定された時点でメダル投入エラーとなり、投入メダルは無効として扱われる。
【0140】
上記のループ処理により一度もタイムアウトと判定されず、且つ各遷移状態の切り換わりタイミングでの第一センサ、第二センサのON/OFF状態の変化が全て正常と判定された場合には、前述したステップS714で推移上限であるとの判定が行われる。
ステップS714で推移上限であると判定した場合、CPU80aはステップS715に処理を進める。
尚、図示は省略したが、CPU80aは、このようにステップS714で推移上限であると判定してステップS715に処理を進める間において、推移状態識別値を0クリアする処理を実行する。
【0141】
ステップS715でCPU80aは、現在のベット枚数が規定枚数(3枚)であるか否かを判定し、ベット枚数が規定枚数であればステップS717でクレジット枚数をインクリメント(+1)してメダル投入検出処理を終了し、ベット枚数が規定枚数でなければ、ステップS716に進んでメダル投入時設定処理を実行し、メダル投入検出処理を終了する。
【0142】
図19は、メダル投入時設定処理のフローチャートである。尚、当該メダル投入時設定処理は、ステップS716、及び
図17に示すクレジット投入検出処理におけるステップS812、及び
図18に示す再遊技自動メダル投入処理におけるステップS903と共通の処理とされている。
【0143】
図19に示すメダル投入時設定処理において、CPU80aはステップS1001で、ベット枚数をインクリメント(+1)する。
そして、続くステップS1002でCPU80aは、前述したLED群9におけるベット枚数表示LEDをOFFさせるための処理を実行した上で、ステップS1003でベット枚数に応じたベット枚数表示LEDをONさせるための処理を実行する。
【0144】
さらに、CPU80aは続くステップS1004で、投入コマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする処理を行った上で、この図に示すメダル投入時設定処理を終了する。
投入コマンドは、メダルがベットされた旨を演出制御基板42に通知するためのコマンドとされている。本例において、CPU80aは、当該投入コマンドにRAM82cに格納されている設定値vdの情報を格納して、演出制御インターフェース86における送信バッファにセットする。
【0145】
次に、
図17のフローチャートにより、前述したステップS604のメダル投入検出処理に続けて実行されるステップS605のクレジット投入検出処理について説明する。
当該クレジット投入検出処理は、主としてマックス投入ボタン16の操作に応じてクレジット状態のメダルを擬似的に投入するための処理である。
【0146】
図17において、CPU80aは、ステップS801でクレジット枚数を確認し、クレジット枚数が0以外(つまり0より大)であればステップS802に進んでベット枚数が規定枚数(3枚)か否かを判定する。
【0147】
ここで、クレジット枚数が0である場合、及びクレジット枚数が0以外であってもベット枚数が規定枚数に達している場合には、マックス投入ボタン16によるメダル投入は不可である。
このため、ステップS801でクレジット枚数が0であると判定した場合、ステップS802でベット枚数が規定枚数であると判定した場合のそれぞれにおいて、CPU80aはステップS803に進んでマックス投入ボタンLEDをOFFとするための処理を実行した上で、ステップS804でマックス投入フラグをOFF(「0」)として、この図に示すクレジット投入検出処理を終了する。
ここで、マックス投入フラグは、マックス投入ボタン16がONとされたことに応じて後述するステップS808でON(「1」)とされ、またクレジット枚数が0、或いはクレジット枚数が0以外であってもベット枚数が規定枚数に達している場合には上記のステップS804でOFFとされるフラグである。即ち、マックス投入フラグは、マックス投入ボタン16がONとされてクレジットをマックス投入中の状態ではON、それ以外の状態ではOFFとされるフラグである。
【0148】
先のステップS802において、ベット枚数が規定枚数でないと判定した場合、CPU80aはステップS805に進んでマックス投入ボタンLEDをONとするための処理を行った上で、ステップS806でマックス投入フラグを確認する。
マックス投入フラグがOFFであれば、CPU80aはステップS807に進んでマックス投入ボタン16がONであるか否かを判定する。マックス投入ボタン16がONでなければ、CPU80aはクレジット投入検出処理を終了する。
尚、後の説明から理解されるように、クレジット投入検出処理の終了後は、
図15に示すステップS606、S607、S609、S611の処理により、ベット枚数が規定枚数に達するまでは処理がステップS602に戻され、これに応じてステップS605のクレジット投入検出処理が再び実行される。
【0149】
一方、ステップS807でマックス投入ボタン16がONであれば、CPU80aはステップS808でマックス投入フラグをONとした上で、ステップS809に処理を進める。
【0150】
また、CPU80aは、先のステップS806でマックス投入フラグがONであった場合には、ステップS809に処理を進める。
【0151】
ステップS809でCPU80aは、クレジット投入間隔タイマが0となったか否かを判定する。クレジット投入間隔タイマは、クレジットの投入間隔を所定時間に規定するためのタイマであり、CPU80aが後述するステップS810で値を設定する。クレジット投入間隔タイマの値は、前述したタイマ割込み処理(
図14)の定期更新処理(S504)で1.49msごとにデクリメント(カウントダウン)される。
【0152】
ステップS809において、クレジット投入間隔タイマが0でなければ、CPU80aはクレジット投入検出処理を終える。
一方、クレジット投入間隔タイマが0である場合、CPU80aはステップS810に進んでクレジット投入間隔タイマの値を所定値(本例では「40」:約60ms)に設定した上で、ステップS811でクレジット枚数をデクリメント(−1)する。
さらに、続くステップS812でCPU80aは、先の
図19で説明したメダル投入時設定処理を実行し、クレジット投入検出処理を終了する。前述のように
図19のメダル投入時設定処理では、ベット枚数のインクリメント処理、ベット枚数表示LEDの表示制御処理、及び設定値vdを含む投入コマンドのセット処理が実行される。
【0153】
尚、クレジット投入検出処理の終了後は、以下で説明する
図15のステップS606→S609の処理により、ベット枚数が0以外で且つマックス投入フラグがONであれば、処理がステップS602に戻されて、再びステップS605のクレジット投入検出処理が実行される。
従って、上記のステップS801〜S812の一連の処理として説明したクレジット投入検出処理によれば、マックス投入ボタン16の押下に応じてマックス投入フラグがONとされた後は、クレジット枚数が0となる(つまりクレジットが使い切られる:S801)か、或いはベット枚数が規定枚数に達する(S802)まで、クレジット投入間隔タイマにより設定した時間間隔でメダルの疑似投入が繰り返される。
【0154】
図18は、ステップS610の再遊技自動メダル投入処理のフローチャートである。
図18において、CPU80aはステップS901で、再遊技メダル枚数を確認する。再遊技メダル枚数は、本例ではベットの規定枚数と同数の「3」とされている。
再遊技メダル枚数が0以外であれば、CPU80aはステップS902に進んで再遊技自動メダル枚数をデクリメント(−1)し、続くステップS903で
図19に示したメダル投入時設定処理を実行する。これにより、メダル1枚分の疑似投入が行われて、ベット枚数がインクリメントされる。
【0155】
ステップS903のメダル投入時設定処理を実行したことに応じ、CPU80aはステップS904で投入間隔タイマの値を所定値(40)に設定し、続くステップS905で投入間隔タイマの値が0となるまで待機した上で、ステップS901に戻る。
【0156】
ステップS901において、再遊技メダル枚数が0以外であれば、CPU80aは上記で説明したステップS902〜S905の処理を再度実行する。
一方、再遊技メダル枚数が0であれば、CPU80aはこの図に示す再遊技自動メダル投入処理を終了する。即ち、
図15におけるステップS611に処理を進める。再遊技メダル枚数が0ということは、ステップS903(
図19)のメダル投入時設定処理がベットの規定枚数(3)と同数だけ実行されていることと同義であるため、ステップS611ではベット枚数が規定枚数と判定され、処理はステップS612以下に移行する。
【0157】
説明を
図15の遊技メダル投入処理に戻す。
CPU80aは、
図17で説明したステップS605のクレジット投入検出処理を実行したことに応じて、ステップS606でベット枚数を確認する。
ベット枚数が0であれば、CPU80aはステップS607に進んでデモタイマ(S601でセットしたタイマ)の値を確認し、デモタイマが0でなければステップS602に戻り、デモタイマが0であればステップS608でデモ演出の実行を指示するためのデモコマンドを演出制御インターフェース86における送信バッファにセットした上で、ステップS602に戻る。
これにより、ベット枚数が0である状態が所定時間以上経過した場合、即ち、直前ゲームでリプレイ図柄に非当選の場合であってメダルが非投入且つマックス投入ボタン16も非押下の状態が所定時間以上経過した場合には、スロットマシンは客待ちデモ演出実行状態に遷移する。そして、この状態の下で、CPU80aは、ステップS602〜S609の処理を繰り返し、新たなメダル投入やマックス投入ボタン16の押下を待機する。
【0158】
一方、ステップS608でベット枚数が0でなかった場合、CPU80aはステップS609に進んでマックス投入フラグを確認し、マックス投入フラグがONであればステップS602に戻る。これにより、
図17のクレジット投入検出処理でマックス投入ボタン16の押下が検知されてマックス投入フラグがONとされた後は、クレジット枚数が0となる(S801)か、或いはベット枚数が規定枚数に達する(S802)まで、クレジット投入間隔タイマにより設定した時間間隔でメダルの疑似投入が繰り返される。
【0159】
また、ステップS609でマックス投入フラグがOFFであれば、CPU80aはステップS611に進んでベット枚数が規定枚数(3枚)であるか否かを判定し、ベット枚数が規定枚数でなければステップS602に戻る。このようなステップS611→S602の経路が形成されていることで、ステップS604のメダル投入検出処理(遊技者によるメダルの投入検出)やステップS610の再遊技自動メダル投入処理をベット枚数が規定枚数に達するまで繰り返し実行することが可能とされている。
【0160】
ステップS611において、ベット枚数が規定枚数であれば、CPU80aはステップS612に進んで前述したLED群9における遊技開始表示LEDをONとするための処理を実行した上で、続くステップS613でスタートレバー17がONであるか否かを判定する。
スタートレバー17がONでなければ、CPU80aはステップS602に戻る。即ち、これによりCPU80aは再度ステップS613のレバーON判定を実行することになる。
【0161】
一方、スタートレバー17がONであれば、CPU80aはステップS614で遊技開始表示LED、メダル投入表示LED、ブロッカーソレノイド69、及びマックス投入ボタンLEDをそれぞれOFFとさせる処理を実行し、遊技メダル投入処理を終了する。
【0162】
ここで、上記説明から理解されるように、本例のスロットマシンにおいては、遊技者によるメダル投入やマックス投入ボタン16の押下による自動投入、或いはリプレイ当選に応じた自動投入が行われるごとに、
図19に示したメダル投入時設定処理が実行される。
当該メダル投入時設定処理では、上記で説明した通り、ステップS1004の投入コマンドセット処理に伴いRAM82cに記憶されている設定値vdが演出制御基板42側に送信される。この結果、本例のスロットマシンにおいては、メダルが1枚ベットされるごとに、主制御基板40のRAM82cに記憶されている設定値vdが演出制御基板42側に通知される。換言すれば、主制御基板40のRAM82cに記憶されている設定値vdは、1ゲームごとに演出制御基板42側に通知される。
【0163】
<9.演出制御側メイン処理及び割込み処理>
続いて、演出制御基板42のCPU42aが実行する各種の処理を説明する。
先ずは、CPU42aが実行する演出制御側メイン処理を
図20のフローチャートを参照して説明する。
図20において、スロットマシンの電源が投入されると、CPU42aはステップS1101〜S1107の一連の処理で表す演出初期設定処理を実行する。そして、当該演出初期設定処理の実行後、CPU42aはステップS1108〜S1118の処理として示す、第一の周期(本例では16msの周期)による周期的ループ処理(演出制御側のメインループ処理)に移行する。
【0164】
先ず、演出初期設定処理において、CPU42aは、先ずステップS1101で割込み禁止設定を行った上で、ステップS1102で自らの設定を初期設定とし、続くステップS1103でWDTの値を0クリアし、さらに続くステップS1104で音、モータ、入出力、シナリオデータの各種データの初期化処理を行う。当該初期化処理では、LCDユニット7におけるキャラクタ演出や、LEDランプを点滅させるランプ演出や、スピーカを駆動する音演出などの各種の演出を行うためにRAM42cに記憶された値を初期化する処理を実行する。
【0165】
次に、CPU42aはステップS1105でバックアップ復帰処理を実行し、続くステップS1106でWDTの値を0クリアした上で、ステップS1107で割込み許可設定を行う。これにより、演出初期設定処理が終了する。
【0166】
図21は、ステップS1105のバックアップ復帰処理のフローチャートである。
バックアップ復帰処理において、CPU42aは、先ずステップS1201のチェックサム、電断フラグ確認処理として、RAM42cの所定の対象領域におけるデータ内容に基づき生成したチェックサムと電源遮断時にRAM42cの上記対象領域におけるデータ内容に基づき算出・記憶されたチェックサムとの確認処理、及び電源遮断時にチェックサムを算出しRAM82cの所定領域に記憶したか否かを表す電断フラグについての確認処理を実行する。
そして、CPU80aは、上記の確認処理の結果に基づき、続くステップS1202でバックアップ復帰可能か否かを判定する。具体的には、電断フラグがチェックサムを算出・記憶した旨を表しており、且つRAM42cの上記対象領域について算出したチェックサムと電源遮断時に算出・記憶されたチェックサムとが一致する場合はバックアップ復帰可能と判定し、それ以外の場合はバックアップ復帰可能でないと判定する。
【0167】
ステップS1202において、バックアップ復帰可能であると判定した場合、CPU42aはステップS1203に進んで電断前の演出状態に対応した演出シナリオをRAM42aのワーク領域にセットし、この図に示すバックアップ復帰処理を終了する。
【0168】
一方、バックアップ復帰可能でないと判定した場合、CPU42aはステップS1204に進んでRAM42cの値を初期化する。
この初期化処理にあたり、CPU42aは、RAM42cに対して例えばROM42bに記憶されている所定の初期値vrを記憶させるが、当該初期値vrには、設定値vdの初期値も含まれている。本例では、ROM42bに記憶された初期値vrには、設定値vdの値として設定「1」、即ち当選確率の最も低い段階を表す値が記憶されている。つまり、ステップS1204の初期化処理が実行されることに伴い、RAM42cの設定値vdとして当該設定「1」を表す値が格納される。
【0169】
このように、本例のスロットマシンは、起動時に演出制御基板42のRAM42cの異常が検出された場合には、RAM42cに所定の初期値vrを記憶させて起動を行っており、さらに、このように起動時にRAM42cに初期値が記憶されることに伴い、RAM42cにおける設定値vdとして予め定められた所定の値(本例では設定「1」を表す値)が記憶される。
【0170】
CPU42aは、ステップS1204の初期化処理を実行したことに応じ、ステップS1205でデモ状態の演出シナリオをRAM42cのワーク領域にセットし、バックアップ復帰処理を終了する。
【0171】
説明を
図20に戻す。
上述したステップS1101〜S1107の演出初期設定処理が終了したことに応じ、CPU42aはステップS1108〜S1118の処理として示す16ms周期のメインループ処理に移行する。
先ず、ステップS1108でCPU42aは、割込みカウンタの値が15より大であるか否かを判定する。割込みカウンタは、以下で説明するステップS1109で0リセットされると共に、
図23で後述する第二の周期(本例では1ms周囲)のタイマ割込み処理で逐次インクリメント(+1)される値である。
割込みカウンタの値が15より大でなければ、CPU42aはステップS1118に進み、演出抽選に係る乱数の更新を行った上で、ステップS1108に戻る。
【0172】
一方、割込みカウンタの値が15より大であれば、CPU42aはステップS1109に進んで割込みカウンタの値を0リセットした上で、ステップS1110のWDTのクリア処理を実行し、続くステップS1111で演出制御基板42に対する各種入力を検知する処理を実行する。
さらに、CPU42aは続くステップS1112のエラー処理、さらに続くステップS1113のデモ処理としてそれぞれ所定の処理を実行し、ステップS1114に進む。
【0173】
ステップS1114でCPU42aは、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、主制御基板40のCPU80から受信した制御コマンドの解析を行うと共に、解析したコマンドの内容に応じた処理を実行する。
尚、当該コマンド解析処理において、コマンドの内容ごとに実行すべき処理については
図24〜
図29を参照して改めて説明する。
【0174】
ここで、CPU42aは、
図20に示す演出側メイン処理とは別途に、
図22に示すコマンド受信割込み処理を実行する。
図22に示すコマンド受信割込み処理において、CPU42aは、コマンドが正常受信されたか否かを判定し(ステップS1301)、コマンドが正常受信された場合のみ、受信されたコマンドデータをコマンドバッファに格納する(ステップS1302)。
【0175】
CPU42aは、このようなコマンド受信割込み処理でコマンドバッファに格納したコマンドデータを対象として、先のステップS1114のコマンド解析処理を実行する。
【0176】
図20において、CPU42aは、ステップS1114のコマンド解析処理を実行したことに応じ、ステップS1115で演出シナリオ更新処理を実行する。演出シナリオ更新処理では、ステップS1114のコマンド解析処理で解析したコマンドの内容に基づき、CPU42aが実行する処理内容(演出内容)を決定する。さらに、演出シナリオ更新処理では、CPU42aが実行すべき処理内容に基づいて、演出シナリオ番号の更新を実行する。演出シナリオ番号は、CPU42aが実行する演出を一意に特定可能な数値とされる。
尚、一つの演出シナリオ番号から特定される一つの演出を複数繋げて一連の演出を実現する場合には、ステップS1115の演出シナリオ更新処理において、演出ごとに設定された演出継続時間と経過時間を比較し、所定のタイミングで次の演出シナリオ番号に更新する処理が行われる。
【0177】
尚、スロットマシンとしては、演出制御基板42のCPU42aがATモードやARTモードに移行するか否かの抽選を行う構成であってもよい。
この場合、ATモードやARTモードに移行するか否かの抽選処理は、例えば、ステップS1114のコマンド解析処理とステップS1115のシナリオ更新処理との間において実行すればよい。この抽選処理では、主制御基板40側から受信しRAM42cに記憶させた設定値vdに基づいてATモードやARTモードに移行させるか否かの抽選を行うことで、ATモードやARTモードの当選確率が設定値vdに対応した確率となるようにされる。
【0178】
続いて、CPU42aは、ステップS1116の音・モータ処理、及びテップS1117の液晶・LED処理を実行する。これら音・モータ処理、液晶・LED処理では、スピーカ30a〜30dや役物駆動部102、液晶制御基板44やLED基板48及び第1回胴LED基板50a〜第3回胴LED基板50cにそれぞれ演出シナリオ番号に応じた所定の動作を実行させるための制御値をRAM42cのワーク領域にセットする処理を実行する。
尚、本例において、音・モータ処理では、音に関する制御値については、ワーク領域にセットした値をスピーカ中継基板47に対する出力バッファにセット・出力する処理を実行する。また、液晶・LED処理では、液晶、LEDのそれぞれの制御値について、ワーク領域にセットした値を液晶IF基板45に対する出力バッファや、LED基板48、回胴LED中継基板56に対応する出力バッファにそれぞれセット・出力する処理も実行する。
【0179】
ステップS1116の音・モータ処理でワーク領域にセットされた役物駆動部102の制御値については、当該制御値に基づくモータ出力データ(モータの励磁データ)が
図23に示す1ms周期のタイマ割込み処理で逐次出力される。
図23のタイマ割込み処理において、CPU42aは、ステップS1401でRAM42cのワーク領域にセットされた制御値に基づくモータ出力データを作成し、作成したモータ出力データを続くステップS1403で役物駆動部102に対して出力する。
【0180】
また、
図23のタイマ割込み処理において、CPU42aは、ステップS1402の出力処理を実行したことに応じ、ステップS1403で前述した割込みカウンタの値をインクリメント(+1)する処理を実行する。
【0181】
図20に戻り、CPU42aは、ステップS1117の液晶・LED処理を実行したことに応じ、先に説明したステップS1118の乱数更新処理を実行してステップS1108に戻る。
【0182】
上記で説明したステップS1108〜S1118の処理により、割込みカウンタの値が15より大となるごと、即ち16msの周期でステップS1109〜S1117の処理が逐次実行される。
【0183】
<10.コマンドに応じた処理>
[10-1.メイン状態コマンド]
図24は、受信したコマンドが前述したメイン状態コマンド(
図12のS305、S307を参照)であった場合に対応してCPU42aが実行する処理のフローチャートである。
図24において、CPU42aはステップS1501で、当該メイン状態コマンドが設定値vdを指定するコマンドであるか否か(つまり前述した「設定値コマンド」か否か)
を判定する。具体的には、当該メイン状態コマンドにおける前述した第一所定ビット位置の値が「メイン基本状態送信時」モードに対応した値であり、且つ第二所定ビット位置の値が設定変更情報(設定1)〜設定変更情報(設定6)の何れかを表す値であるか否かを判定する。
【0184】
当該メイン状態コマンドが設定値を指定するコマンドであれば、CPU42aはステップS1502に進み、コマンドデータから設定値vdを取得して保存する。即ち、上記の第二所定ビット位置の値から対応する設定値vdを取得し、RAM42cの所定領域に記憶させる。
尚、先の
図12の説明から理解されるように、メイン状態コマンドとして設定値コマンドが演出制御基板42側に受信されるのは、リセットボタンが操作されるごと(即ち設定値vdの送り操作が行われるごと)である。
【0185】
続いて、CPU42aはステップS1503で、実行中の演出シナリオをクリアして、設定変更中に対応した演出シナリオをRAM42cのワーク領域にセットし、この図に示す処理を終える。
尚、設定変更中に対応した演出としては、例えば所定音を出力する演出、所定画像をLCDユニット7に表示させる演出等が考えられる。
【0186】
また、ステップS1501において、メイン状態コマンドが設定値vdを指定するコマンドでなければ、CPU42aはステップS1504で当該メイン状態コマンドが設定変更終了を通知するコマンドであるか否かを判定する。具体的には、当該メイン状態コマンドの第一所定ビット位置の値が「メイン基本状態送信時」モードに対応した値であり、且つ第二所定ビット位置の値が前述した「設定変更終了情報」に対応した値であるか否かを判定する。
【0187】
メイン状態コマンドが設定変更終了を通知するコマンドであった場合、CPU42aはステップS1505に進み、設定変更時のRAMクリアとして、RAM42cにおける少なくとも設定値vdの格納領域を除いた所定領域をクリアする処理を実行した上で、ステップS1506で役物駆動部102にモータイニシャライズ動作を実行させるためのシナリオ(モータイニシャライズ動作シナリオ)をセットする。
【0188】
さらに、CPU42aは続くステップS1507で、RAM42cの設定値vdに応じて演出モードを初期設定する処理を実行し、次のステップS1508でデモ状態の演出シナリオをセットしてこの図に示す処理を終了する。
【0189】
尚、CPU42aがATモードやARTモードの抽選を行う構成を採る場合には、ステップS1507の初期設定処理において、RAM42cの設定値vdに応じてAT抽選状態やART抽選状態を初期設定する処理を実行することができる。
【0190】
また、ステップS1504において、メイン状態コマンドが設定変更終了を通知するコマンドでなければ、CPU42aはステップS1509に進み、メイン状態コマンドが電断復帰時のコマンドであるか否かを判定する。即ち、当該メイン状態コマンドにおける第一所定ビット位置の値が前述した「電断復帰時状態送信時」モードに対応した値であるか否かを判定する。
【0191】
メイン状態コマンドが電断復帰時のコマンドであれば、CPU42aはステップS1510に進み、モータイニシャライズ動作シナリオをセットしてこの図に示す処理を終える。
一方、メイン状態コマンドが電断復帰時のコマンドでなければ、CPU42aはステップS1510をパスしてこの図に示す処理を終える。
【0192】
このような
図24の処理が実行されることで、主制御基板40側から設定変更操作に応じて通知された設定値vdが演出制御基板42側で逐次受信されてRAM42cに保持される。
【0193】
[10-2.投入コマンド]
図25は、受信したコマンドが前述したメダル投入時設定処理(
図19)でセットされた投入コマンドであった場合に対応してCPU42aが実行する処理のフローチャートである。
図25において、CPU42aはステップS1601で、コマンドデータから設定値vdを取得し、続くステップS1602で設定値vdが適正範囲内の値か否かを判定する。設定値vdが適正範囲内の値である場合、CPU42aはステップS1603に進み、取得した設定値vdを保存する処理、即ち当該設定値vdをRAM42cの所定領域(設定値vdを記憶すべき領域)に記憶させる処理を実行し、ステップS1605に処理を進める。
【0194】
一方、設定値vdが適正範囲内の値でない場合、CPU42aはステップS1604に進み、設定「1」に対応する設定値vd(つまり本例では「0」)の保存処理として、当該設定値vdをRAM42cの上記所定領域に記憶させる処理を実行し、ステップS1605に処理を進める。
【0195】
ステップS1605でCPU42aは、メダル投入時の演出処理を実行し、この図に示す処理を終える。尚、メダル投入時の演出処理としては、少なくともメダル投入時に対応して予め設定された演出シナリオをRAM42cのワーク領域にセットする処理を実行する。
【0196】
上記のような投入コマンドに応じた処理により、演出制御基板42のCPU42aは、主制御基板40側から1ゲームごとに通知される設定値vdが適正範囲内の値か否かを判定し、適正範囲内の値である場合は、RAM42cに記憶されている設定値vdを通知された設定値vdにより上書きし、適正範囲内の値でない場合は、RAM42cに記憶されている設定値vdを所定の値に書き替えている。
【0197】
なお、上記では、演出制御基板42側は、主制御基板40側から設定値vdの通知を受けたタイミングで設定値vdが適正範囲内の値か否かの判定、及び判定結果に応じた設定値vdのRAM42cへの記憶処理を行う場合を例示したが、これら判定、及び判定結果に応じた設定値vdの記憶処理は、例えば以下で説明する遊技開始コマンドや期待感演出コマンドを受けたタイミング等の演出の抽選契機発生に応じて実行するなど、1ゲーム中における所定のタイミングで実行すればよい。
【0198】
[10-3.遊技開始コマンド、期待感演出コマンド]
図26、
図27は、それぞれ受信したコマンドが前述した内部抽選処理(
図13のステップS406)でセットされた遊技開始コマンド、期待感演出コマンドであった場合に対応してCPU42aが実行する処理のフローチャートである。
受信したコマンドが遊技開始コマンドであった場合、CPU42aは、
図26に示すように当該遊技開始コマンドに含まれる当選役情報の保存処理(RAM42cの所定領域に記憶させる処理)を実行(S1701)して処理を終える。
【0199】
また、受信したコマンドが期待感演出コマンドであった場合、CPU42aは、
図27に示す一連の処理を実行する。
図27において、CPU42aは、ステップS1801でリール演出に当選しているか否かを判定する。リール演出に当選しているか否かの情報、及び当選したリール演出の別を表す情報(リール演出情報)は、先のステップS407によるリール演出抽選処理の結果を表すコマンドとして主制御基板40側から演出制御基板42側に通知されており、ステップS1801では当該コマンドの情報を用いて判定を行う。
【0200】
ステップS1801において、リール演出に当選していないと判定した場合、CPU42aはステップS1802とこれに続くステップS1803の処理により、設定値vdに基づいた演出ステージの移行抽選と当該ゲームの演出決定とを行う。
具体的に、先ずステップS1802でCPU42aは、当選役情報と、現在の演出ステージと、設定値vdとに基づいて演出ステージの移行抽選を行う。この際、当選役情報については、先の
図17の処理でRAM42cに保存した情報を用い、設定値vdについてはRAM42cに記憶されている値を用いる。演出ステージとは、例えばLCDユニット7に表示する背景画像の別等によって遊技者に期待感を段階的に表すものであり、本例では、「朝」「昼」「夜」の3段階の演出ステージが用意され、同順で期待感が高いことを表す。
【0201】
ここで、演出制御基板42のRAM42cには、ステップS1802の演出ステージ移行抽選で用いる情報として、設定「1」〜設定「6」ごとに当選役と「朝」「昼」「夜」のそれぞれの演出ステージに移行する確率との対応関係を示した移行ステージ確率情報が保持されている。
【0202】
図28は、このような移行ステージ確率情報の例として、現在の演出ステージが「朝」である場合に対応した移行ステージ確率情報を示している。
本例の移行ステージ確率情報では、「リプレイ」「ベル」の当選役については「朝」「昼」「夜」への移行確率が設定「1」〜設定「6」で変化しない設定としているが、「スイカ」「チェリー」「ボーナス」の当選役については、設定「6」に近づくほど最も期待感の高い「夜」への移行確率が高くなる設定としている。
【0203】
図示は省略したが、RAM42cには、現在の演出ステージが「昼」である場合、「夜」である場合にそれぞれ対応した移行ステージ確率情報も保持されている。
尚、現在の演出ステージが「昼」「夜」にそれぞれ対応した移行ステージ確率情報としても、同様に「リプレイ」「ベル」の当選役については「朝」「昼」「夜」への移行確率が設定「1」〜設定「6」で変化しない設定とし、「スイカ」「チェリー」「ボーナス」の当選役については設定「6」に近づくほど「夜」への移行確率が高くなる設定とする。その上で、現在の演出ステージ=「昼」に対応した移行ステージ確率情報としては、例えば、現在の演出ステージ=「朝」に対応した移行ステージ確率情報よりも「スイカ」「チェリー」「ボーナス」の設定「1」〜設定「6」ごとの「夜」への移行確率が高くなる設定とし、現在の演出ステージ=「夜」に対応した移行ステージ確率情報としては、例えば、現在の演出ステージ=「昼」に対応した移行ステージ確率情報よりも「スイカ」「チェリー」「ボーナス」の設定「1」〜設定「6」ごとの「夜」への移行確率が高くなる設定とする。
これにより、設定値vdについての期待感を演出しつつ、上記した演出ステージ「朝」「昼」「夜」の期待感の定義に沿った期待感のコントロールを行うことができる。
【0204】
ステップS1802において、CPU42aは、上記のような移行ステージ確率情報から当選役情報と現在の演出ステージと設定値vdとの組み合わせに応じて取得される「朝」「昼」「夜」への移行確率情報に基づき、移行すべき演出ステージを抽選により決定する。
【0205】
また、ステップS1803でCPU42aは、当選役情報と設定値vdとに基づいて当該ゲームの演出を決定する処理を行う。
【0206】
図29は、ステップS1803の演出決定処理(演出抽選処理)で用いる確率情報の一例を示した図である。
この確率情報は、LCDユニット7を用いた画像演出として、「猫」「犬」「猿」の何れを表示する画像演出を行うかの決定に用いる確率情報を例示したものである。本例では、「猫」「犬」「猿」の順で期待感が高いことを前提としており、設定「6」の場合に期待感が高い「犬」や「猿」への当選確率が最も高くなる設定としている。具体的に、「犬」については設定「1」〜設定「6」の順で当選確率が徐々に高くなる設定とし、「猿」については、設定「1」〜設定「3」の場合の当選確率を同じとし、設定「4」〜設定「6」にかけて当選確率が徐々に高くなる設定としている。
【0207】
本例のスロットマシンにおいては、このような確率情報が当選役ごとに用意されており、CPU42aは、ステップS1803の処理で用いる情報として、これら当選役ごとの確率情報をRAM42cに保持させている。
【0208】
図27に戻り、CPU42aはステップS1803の演出決定処理として、上記のような当選役ごとの確率情報から当選役情報と設定値vdとの組み合わせに応じて取得される「猫」「犬」「猿」ごとの当選確率の情報基づき、何れの演出を行うかを抽選により決定する。
【0209】
ステップS1803の演出決定処理を実行したことに応じ、CPU42aはステップS1805に進み、決定した演出のシナリオをRAM42cのワーク領域にセットする処理を実行し、この図に示す処理を終える。
【0210】
また、CPU42aは、先のステップS1801でリール演出に当選していると判定した場合は、ステップS1804でリール演出情報に基づいて当該ゲームの演出を決定する処理を行った上で、ステップS1805に進んで決定したシナリオをRAM42cのワーク領域にセットする処理を実行し、この図に示す処理を終える。
【0211】
<11.まとめ及び変形例>
上記のように実施の形態の遊技機(スロットマシン)は、図柄を変位させる表示が可能な可変表示手段(回転リール4a〜4c、第1回胴ステッピングモータ54a〜第3回胴ステッピングモータ54c)と、図柄の変位開始を指示するための開始操作手段(スタートレバー17)と、図柄の変位の停止を指示するための停止操作手段(停止ボタン18a〜18c)とを備え、開始操作手段の操作受け付けが可能となる契機の発生(本例では1枚目のメダルベット)から停止操作手段の操作に応じて変位中の図柄が停止されるまでの一連の流れを1ゲームとして遊技動作が進行する遊技機であって、開始操作手段と停止操作手段とに基づく図柄の変位/停止制御を含む、遊技動作の進行制御を行う第一制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、第一制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされた第一記憶手段(RAM80c)とを備える。
また、遊技に関連する演出について制御を行う第二制御手段(演出制御基板42のCPU42a)と、第二制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされた第二記憶手段(RAM42c)とを備えている。
そして、第一制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(vd)を操作に基づき選択して第一記憶手段に記憶させる設定変更手段と、1ゲームごとに、第一記憶手段に記憶されている設定値を第二制御手段に通知する設定値通知手段と、1ゲームごとに、第一記憶手段に記憶されている設定値が適正範囲内の値か否かを判定し、適正範囲内の値でない場合に、遊技動作の進行を停止してゲーム進行を不能化する不能化手段とを有する。
さらに、第二制御手段は、設定値通知手段により通知された設定値が適正範囲内の値か否かを判定し、適正範囲内の値である場合は、第二記憶手段に記憶されている設定値を通知された設定値により上書きし、適正範囲内の値でない場合は、第二記憶手段に記憶されている設定値を所定の値に書き替える設定値対応処理手段と、所定の抽選契機の発生時(本例では期待感演出コマンドの受信)に、第二記憶手段に記憶されている設定値に基づいて演出に係る抽選を行う演出抽選手段とを有している。
【0212】
これにより、不正な書き替え等により第二記憶手段に記憶された設定値が不適正な値となった場合には、当該設定値が所定の値に書き替えられる。
従って、設定値に基づく演出抽選が適正に行われるようにすることができる。
【0213】
また、実施の形態の遊技機においては、第一制御手段は、所定の操作が行われることを条件にゲーム進行の不能化状態を解除する不能化解除手段を有している。
これにより、遊技機がゲーム進行不能化状態に陥っても、係員等が所定の操作を行うことで当該不能化状態が解除される。
不能化状態の解除条件としては、例えば基板への不能化解除信号の入力を行うことなどが考えられるが、その場合には基板への信号入力を行うための特別な機器を用いることを要し、不能化状態の解除が手間となる。これに対し、上記のように所定の操作を条件とすれば、特別な機器を要することなく比較的簡易に不能化状態の解除を行うことができ、係員の負担軽減を図ることができる。
【0214】
さらに、実施の形態の遊技機においては、不能化状態を解除する条件である所定の操作が設定値を変更する操作とされている。
これにより、設定値が適正範囲内の値に設定されたことを条件に、不能化状態が解除される。
従って、不能化状態の解除を設定値の適正性を担保しつつ実現できる。
【0215】
さらにまた、実施の形態の遊技機においては、設定値対応処理手段は、設定値が適正範囲内の値でない場合は、第二記憶手段に記憶されている設定値を確率の最も低い段階を表す値に書き替えている。
これにより、第二記憶手段における設定値が不正に書き替えられたとしても、当該書き替えられた設定値は確率の最も低い段階を表す値に書き換えられる。
従って、第二記憶手段における設定値の不正な書き替えに対する抑止効果を得ることができる。
【0216】
また、実施の形態の別の遊技機(スロットマシン)は、図柄を変位させる表示が可能な可変表示手段(回転リール4a〜4c、第1回胴ステッピングモータ54a〜第3回胴ステッピングモータ54c)と、図柄の変位開始を指示するための開始操作手段(スタートレバー17)と、図柄の変位の停止を指示するための停止操作手段(停止ボタン18a〜18c)とを備え、開始操作手段の操作受け付けが可能となる契機の発生(本例では1枚目のメダルベット)から停止操作手段の操作に応じて変位中の図柄が停止されるまでの一連の流れを1ゲームとして遊技動作が進行する遊技機であって、上記した第一制御手段(主制御基板40のCPU80a)と、第一記憶手段(RAM80c)と、第二制御手段(演出制御基板42のCPU42a)と、第二記憶手段(RAM42c)とを備えている。
そして、第一制御手段は、当該遊技機の電源投入に伴う起動時に第一記憶手段の異常が検出された場合に、遊技動作の進行を停止してゲーム進行を不能化する不能化手段を有している。
また、第二制御手段は、電源投入に伴う起動時に第二記憶手段の異常が検出された場合に、第二記憶手段に所定の初期値を記憶させて起動する初期化起動手段を有している。
さらに、第二記憶手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(vd)を記憶可能とされ、初期化起動手段が起動時において第二記憶手段に所定の初期値を記憶させることに伴い、第二記憶手段における設定値として予め定められた所定の値が記憶される。
【0217】
これにより、第二記憶手段における設定値が不正に書き替えられたとしても、電源投入に伴う起動時に異常が検出されて、当該書き替えられた設定値が予め定められた所定の値に書き替えられる。
従って、設定値に基づく演出抽選が適正に行われるようにすることができる。
【0218】
また、上記別の遊技機においては、第一制御手段は、所定の操作が行われることを条件にゲーム進行の不能化状態を解除する不能化解除手段を有している。
これにより、遊技機がゲーム進行不能化状態に陥っても、係員等が所定の操作を行うことで当該不能化状態が解除され、例えば基板への不能化解除信号の入力を行うための特別な機器を要することなく、比較的簡易に不能化状態の解除を行うことができ、係員の負担軽減を図ることができる。
【0219】
さらに、上記別の遊技機においては、第一制御手段は、設定値を操作に基づき選択して第一記憶手段に記憶させる設定変更手段を有し、不能化状態を解除する条件である所定の操作が設定値を変更する操作とされている。
これにより、設定値が適正範囲内の値に設定されたことを条件に、不能化状態が解除され、不能化状態の解除を設定値の適正性を担保しつつ実現できる。
【0220】
さらにまた、上記別の遊技機においては、初期化起動手段により第二記憶手段に記憶される設定値が、確率の最も低い段階を表す設定値とされている。
これにより、第二記憶手段における設定値が不正に書き替えられたとしても、当該書き替えられた設定値は確率の最も低い段階を表す値に書き換えられ、第二記憶手段における設定値の不正な書き替えに対する抑止効果を得ることができる。
【0221】
以上で説明したCPU80aやCPU42aの処理により、遊技動作の進行や各種演出を制御負荷の低減を図りつつ効率的に実現できる。また、遊技動作の進行や各種演出に要するメモリ容量も削減することができる。
【0222】
なお、本発明は実施の形態で挙げた例に限らず多様な変形例や適用例が考えられる。
例えば上記では、本発明がスロットマシンに適用される例を示したが、本発明は図柄を変位させる表示が可能な可変表示手段を備える遊技機に広く好適に適用できる。
可変表示手段としては、上記した回転リール4を備えたものに限らず、液晶ディスプレイなどの表示画面上で図柄としての画像を変位可能に表示するように構成されたものであってもよい。