【文献】
RTS/DSP/SSP,デジタルマーケティング年鑑 2015,株式会社宣伝会議,2015年 3月10日,第1版,p.16−21
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る選択装置、選択方法、及び選択プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る選択装置、選択方法、及び選択プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
〔1.選択処理〕
まず、実施形態に係る選択処理について説明する。
図1は、実施形態に係る選択処理の一例を示す図である。なお、以下においては、広告表示領域AR11(以下、「領域AR11」とする場合がある)を含む媒体の一例としてウェブページであるコンテンツCT11を説明するが、媒体は、ウェブページ以外の媒体であってもよい。例えば、媒体は、ゲームアプリケーション、書籍閲覧アプリケーション、音楽配信アプリケーション、動画配信アプリケーションによって表示される媒体などであってもよい。以下では、所定の広告配信プラットフォームで用いられる装置60(以下、「SSP装置60」とする)が、広告配信装置100等の各装置から入札された広告を端末装置10へ配信する場合を示す。また、
図1では、広告に関する評価値として、eCPM(effective Cost Per Mille)を用いる場合を示す。なお、広告に関する評価値は、eCPMの他にも、例えば、CTR(Click Through Rate)、CPC(Cost Per Click)、CVR(Conversion Rate)などであってもよい。また、
図1では、各広告の配信数(以下、「配信実績数」とする場合がある)に関する情報を、評価値であるeCPMの信頼度に関する情報として用いる場合を示す。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る配信システム1には、端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、SSP装置60と、広告配信装置100とが含まれる。端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、SSP装置60と、広告配信装置100とは、所定のネットワークを介して通信可能に接続される。また、配信システム1には、広告配信装置100以外にも広告の入札を行う複数の他の装置70−1、70−2等(以下、「第三者装置70−1」等とする)が含まれる。以下では、第三者装置70−1、70−2について、特に区別なく説明する場合には、第三者装置70と記載する。なお、
図1に示した配信システム1には、複数の端末装置10、複数のコンテンツ配信装置50、複数のSSP装置60、複数の広告配信装置100が含まれてもよい。
【0012】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0013】
コンテンツ配信装置50は、コンテンツを配信する情報処理装置である。
図1に示す例において、コンテンツ配信装置50は、端末装置10からの要求に応じて、端末装置10において起動されたブラウザに表示されるウェブページであるコンテンツを配信する。
【0014】
SSP装置60は、広告要求に応じて広告を配信する広告配信サービスを提供する。例えば、SSP装置60は、端末装置10からの広告要求に対して配信する広告の入札を、広告配信装置100や第三者装置70に要求する。
【0015】
広告配信装置100は、各広告の配信実績における評価値と評価値の信頼度に関する情報とに基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する選択装置である。また、
図1では、広告配信装置100は、配信実績数が所定の閾値未満の広告を除く各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
【0016】
以下、
図1を用いて、選択処理の一例を説明する。
図1に示す例においては、ユーザがユーザID「U1」により識別されるユーザ(以下、「ユーザU1」とする場合がある)である場合を示す。
【0017】
図1に示すように、端末装置10は、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する(ステップS11)。例えば、端末装置10は、ユーザU1による操作に応じて、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する。
【0018】
端末装置10から配信要求を受け付けたコンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツを配信する(ステップS12)。
図1に示す例においては、コンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツCT11を配信する。
図1に示す例において、コンテンツ配信装置50が配信するコンテンツCT11には、株式に関するニュース記事や領域AR11が含まれる。
【0019】
広告表示領域AR11を含むコンテンツCT11を受信した端末装置10は、受信したコンテンツCT11に含まれる広告表示領域AR11に表示する広告を要求する広告要求をSSP装置60に送信する(ステップS13)。
【0020】
端末装置10から広告要求を取得したSSP装置60は、広告配信装置100や第三者装置70等に広告の入札を要求する(ステップS14)。具体的には、SSP装置60は、広告配信装置100に広告の入札を要求し(ステップS14−1)、第三者装置70−1に広告の入札を要求し(ステップS14−2)、第三者装置70−2に広告の入札を要求する(ステップS14−3)。なお、ステップS14−1〜S14−3は、異なるタイミングであってもよい。
【0021】
SSP装置60から広告の入札要求を取得した広告配信装置100は、各広告の配信実績数と配信実績における評価値であるeCPMとに基づいて、入札する広告を選択する。具体的には、広告配信装置100は、配信実績数が所定の閾値未満の広告を除く広告群から入札する広告を選択する。すなわち、広告配信装置100は、配信実績数が所定の閾値に達していない、すなわち評価値であるeCPMの信頼度が低い広告を除いて、入札する広告を選択する。このように、広告配信装置100は、評価値の信頼度に基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。
【0022】
図1では、広告配信装置100は、広告ID「AC11」〜「AC14」により識別される広告等(以下、「広告AC11」等とする場合がある)から入札する広告を選択する。また、
図1では、広告配信装置100は、配信実績数として、広告が配信(表示)された回数を用いる。また、広告配信装置100は、配信実績数が100回未満の広告を除く広告群から入札する広告を選択する。
【0023】
すなわち、広告配信装置100は、実績不足の広告を除外する(ステップS15)。
図1では、広告AC13は配信実績数が100回未満であるため、広告配信装置100は、広告AC13を入札する広告の対象から除外する。そして、広告配信装置100は、実績不足の広告を除外した広告群CL11から入札する広告を選択する(ステップS16)。
図1では、広告配信装置100は、評価値であるeCPMが最も高い広告AC11を入札する広告として選択する。その後、広告配信装置100は、選択した広告AC11をSSP装置60に入札する(ステップS17−1(S17))。例えば、広告配信装置100は、選択した広告AC11に関する情報(例えば入札価格等)をSSP装置60に送信する。
【0024】
また、ステップS14において入札要求を取得した第三者装置70も広告をSSP装置60に入札する(ステップS17)。具体的には、第三者装置70−1は、広告AC71をSSP装置60に入札し(ステップS17−2)、第三者装置70−2は、広告AC72をSSP装置60に入札する(ステップS17−3)。
【0025】
ステップS17において広告配信装置100や第三者装置70から広告の入札を受け付けたSSP装置60は、受け付けた広告のうち、所定の基準により決定した広告を端末装置10へ配信する(ステップS18)。
図1では、SSP装置60は、入札価格が最も高い広告AC11を端末装置10へ配信する。
【0026】
SSP装置60から広告AC11を受信した端末装置10は、コンテンツCT11の領域AR11に広告AC11を表示する。なお、
図1では、説明の簡単化のために、SSP装置60が端末装置10へ広告を配信する例を示したが、端末装置10へ配信する広告として決定された広告を入札した広告配信装置100や第三者装置70が端末装置10へ広告を配信してもよい。すなわち、SSP装置60は、端末装置10に配信する広告を決定するのみで、広告の配信は他の装置が行ってもよい。例えば、端末装置10への広告配信は、SSP装置60は、SSP装置60以外の所定の広告配信プラットフォーム、例えばDSP(Demand-Side Platform)に配信する広告を通知してもよいし、通知を受けた所定の広告配信プラットフォームが広告の配信を行ってもよい。このように、SSP装置60は、端末装置10へ配信する広告の決定に用いられるのみで、端末装置10への広告配信は行わなくてもよい。すなわち、端末装置10への広告の配信は、どの装置が行ってもよい。
【0027】
上述したように、広告配信装置100は、各広告の配信実績数と配信実績における評価値とに基づいて、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。具体的には、広告配信装置100は、配信実績数が所定の閾値未満の広告を除外した広告群から、各広告の配信実績数と配信実績における評価値とに基づいて、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。これにより、広告配信装置100は、入札する広告を適切に選択することができる。例えば、広告配信装置100は、実績が不足する広告(
図1では広告AC13)を除外せずに入札する広告を選択した場合、eCPMが最も高い広告AC13が選択される場合がある。
図1では、広告AC13の配信実績数は2であり、eCPMの信頼度は低いため、広告AC13を配信してもeCPM通りの収益を上げられない可能性が高い。そのため、広告配信装置100は、予測する収益を上げられない可能性が高い。すなわち、広告配信装置100は、実績の不足する広告を除外することにより、eCPM通りの収益を上げる可能性を高くすることができる。また、上記例においては、各広告ACの配信数に関する情報を、評価値であるeCPMの信頼度に関する情報として用いる場合を示したが、eCPMの信頼度に関する情報には目的に応じて種々の情報が適宜選択されてもよい。例えば、広告配信装置100は、eCPMの信頼度に関する情報として、配信された各広告に対するクリック等のユーザ行動に関する情報や、各広告の配信が開始された日時に関する情報などを用いてもよい。
【0028】
〔2.広告配信装置の構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る広告配信装置100の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る広告配信装置100の構成例を示す図である。
図2に示すように、広告配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、広告配信装置100は、広告配信装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0029】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、端末装置10との間で情報の送受信を行う。
【0030】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、
図2に示すように、広告情報記憶部121を有する。
【0031】
(広告情報記憶部121)
実施形態に係る広告情報記憶部121は、広告に関する各種情報を記憶する。
図3に、実施形態に係る広告情報記憶部121の一例を示す。
図3に示す広告情報記憶部121は、「広告ID」、「入札価格」、「評価値(eCPM)」、「表示回数」、「クリック率」といった項目を有する。
【0032】
「広告ID」は、広告を識別するための識別情報を示す。また、「入札価格」は、広告主が広告を入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札価格」は、広告がユーザに1回クリックされた際に広告主から広告配信者(例えば、SSP装置60又は広告配信装置100の管理者)に支払われる単価に該当する。「評価値(eCPM)」は、広告に関する評価値を示す。「表示回数」は、広告が表示された回数を示す。例えば、「表示回数」は、広告が端末装置10に配信された回数を示す。「クリック率」は、CTRを示し、広告がクリックされた回数を広告の表示回数によって除算した値を示す。
【0033】
例えば、
図3に示す例において、広告AC11は、入札価格が「120円」であり、評価値であるeCPMが「240円」であり、表示回数が「1000」回であり、クリック率が「0.2%」であることを示す。また、例えば、
図3に示す例において、広告AC12は、入札価格が「50円」であり、評価値であるeCPMが「50円」であり、表示回数が「500」回であり、クリック率が「0.1%」であることを示す。
【0034】
なお、広告情報記憶部121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部121は、広告主から入稿された広告コンテンツ(単に「広告」と記載する場合がある)を記憶する。具体的には、広告情報記憶部121は、静止画像や動画像やテキストデータやURL、または、これらの格納場所を示すファイルパス名などを記憶する。例えば、広告情報記憶部121は、広告主を識別するための識別情報を記憶してもよい。なお、広告主は、入稿作業等を代理店に依頼する場合もあるため、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であるものとする。また、例えば、広告情報記憶部121は、各広告の対象となる商品名やサービス名を示す情報を記憶してもよい。なお、広告情報記憶部121は、各商品等を示す情報としては「商品名」に限らず、商品を識別するための「商品ID」等の情報を記憶してもよい。
【0035】
(制御部130)
図2の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(選択プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0036】
図2に示すように、制御部130は、取得部131と、選択部132と、送信部133とを有し、以下に説明する選択処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する選択処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0037】
(取得部131)
取得部131は、各広告の配信実績における評価値と評価値の信頼度に関する情報とを取得する。例えば、取得部131は、広告情報記憶部121からユーザの行動履歴を取得する。例えば、取得部131は、所定の外部装置や端末装置10から取得したユーザの行動履歴を広告情報記憶部121に格納してもよい。また、取得部131は、所定の外部装置から入札要求を取得する。例えば、取得部131は、SSP装置60から入札要求を取得する。
【0038】
また、取得部131は、広告主から広告の入稿を取得してもよい。なお、取得部131は、広告主から広告の入稿を依頼された代理店から広告の入稿を取得してもよい。この場合、例えば、取得部131は、広告主や代理店が利用する情報処理装置から広告の入稿を取得する。また、例えば、取得部131は、取得した広告を広告情報記憶部121に記憶する。
【0039】
(選択部132)
選択部132は、各広告の配信実績における評価値と評価値の信頼度に関する情報とに基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。例えば、選択部132は、各広告の配信実績数とeCPMとに基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。例えば、選択部132は、各広告の配信数に関する情報、配信された各広告に対するユーザ行動に関する情報、または、各広告の配信が開始された日時に関する情報を、評価値の信頼度に関する情報として、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。また、例えば、選択部132は、評価値の信頼度に関する情報が所定の閾値未満の広告を除く各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
図1では、選択部132は、配信実績数が所定の閾値未満の広告である広告AC13を除く各広告のうちSSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。
【0040】
(送信部133)
送信部133は、選択部132により選択された広告に関する情報をSSP装置60に送信する。例えば、送信部133は、選択部132により選択された広告や入札価格をSSP装置60に送信する。
図1では、送信部133は、選択部132により選択された広告AC11に関する情報をSSP装置60に送信する。なお、送信部133は、端末装置10に広告を送信してもよい。
【0041】
〔3.端末装置の構成〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る端末装置10の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る端末装置10の構成例を示す図である。
図4に示すように、端末装置10は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15とを有する。
【0042】
(通信部11)
通信部11は、例えば、通信回路等によって実現される。そして、通信部11は、図示しない所定のネットワークと有線または無線で接続され、SSP装置60やコンテンツ配信装置50との間で情報の送受信を行う。また、通信部11は、広告配信装置100との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0043】
(記憶部12)
記憶部12は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は、例えば、端末装置10にインストールされているアプリケーションに関する情報、例えばプログラム等を記憶する。
【0044】
(入力部13)
入力部13は、ユーザからの各種操作を受け付ける。例えば、入力部13は、タッチパネル機能により表示面(例えば表示部153)を介してユーザからの各種操作を受け付けてもよい。また、入力部13は、端末装置10に設けられたボタンや、端末装置10に接続されたキーボードやマウスからの各種操作を受け付けてもよい。
【0045】
(出力部14)
出力部14は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現されるタブレット端末等の表示画面であり、各種情報を表示するための表示装置である。
【0046】
(制御部15)
制御部15は、例えば、CPUやMPU等によって、端末装置10内部の記憶部12などの記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。例えば、この各種プログラムには、インストールされているアプリケーションのプログラムが含まれる。また、制御部15は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0047】
図4に示すように、制御部15は、要求部151と、受信部152と、表示部153とを有し、以下に説明する表示処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部15の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する表示処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部15が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0048】
要求部151は、入力部13により受け付けたユーザ操作に従って、コンテンツ配信装置50へ配信要求を送信する。例えば、要求部151は、起動したブラウザ等のアプリからの配信要求をコンテンツ配信装置50へ送信する。また、要求部151は、入力部13により受け付けたユーザ操作に従って、広告配信装置100へ広告の配信を要求する。例えば、要求部151は、コンテンツ配信装置50から取得したコンテンツに広告表示領域が含まれる場合、SSP装置60へ広告の配信を要求する。例えば、要求部151は、コンテンツ配信装置50から取得したコンテンツCT11に広告表示領域AR11が含まれる場合、SSP装置60へ広告要求を送信する。
【0049】
受信部152は、コンテンツ配信装置50から配信されたコンテンツを受信する。例えば、受信部152は、コンテンツ配信装置50から広告表示領域AR11を含むコンテンツCT11を受信する。また、受信部152は、SSP装置60から配信された広告を受信する。また、例えば、受信部152は、SSP装置60から広告表示領域AR11に表示する広告を受信する。また、受信部152は、広告配信装置100や第三者装置70から広告を受信してもよい。
【0050】
表示部153は、受信部152により受信されたコンテンツや広告を表示する。例えば、表示部153は、コンテンツCT11や広告AC11等を表示する。
【0051】
なお、上述した制御部15による表示処理等の処理は、例えば、JavaScript(登録商標)などにより実現されてもよい。また、上述した表示処理が所定のアプリケーションにより行われる場合や表示処理が専用アプリにより行われる場合、制御部15は、例えば、所定のアプリや専用アプリを制御するアプリ制御部を有してもよい。
【0052】
〔4.処理フロー〕
次に、
図5を用いて、実施形態に係る配信システム1による選択処理の手順について説明する。
図5は、実施形態に係る選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図5に示すように、広告配信装置100の取得部131は、所定の広告配信プラットフォームから入札要求を取得する(ステップS101)。例えば、取得部131は、SSP装置60から入札要求を取得する。
【0054】
その後、広告配信装置100の選択部132は、配信実績不足の広告を除外する(ステップS102)。
図1では、選択部132は、配信実績不足の広告AC13を除外する。その後、選択部132は、評価値に基づいて広告を選択する(ステップS103)。
図1では、選択部132は、広告AC13を除く広告群CL11から、eCPMに基づいて広告AC11を選択する。
【0055】
その後、広告配信装置100の送信部133は、選択部132により選択された広告を入札する(ステップS104)。
図1では、送信部133は、選択部132により選択された広告AC11に関する情報(例えば入札価格等)をSSP装置60に送信する。
【0056】
次に、
図6を用いて配信システム1における広告表示の処理の流れを示す。
図6は、実施形態に係る広告を表示する処理の一例を示すシーケンス図である。なお、
図6に示すシーケンス図においては、端末装置10、コンテンツ配信装置50、SSP装置60、及び広告配信装置100に関する処理を示す。すなわち、
図6は、第三者装置70に関する処理を含まないシーケンス図を示す。
【0057】
図6に示すように、端末装置10は、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する(ステップS111)。端末装置10から配信要求を受け付けたコンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツを配信する(ステップS112)。
【0058】
コンテンツを受信した端末装置10は、受信したコンテンツに含まれる広告表示領域に表示する広告を要求する広告要求をSSP装置60に送信する(ステップS113)。端末装置10から広告要求を取得したSSP装置60は、広告配信装置100や第三者装置70等に広告の入札を要求する(ステップS114)。
【0059】
SSP装置60から広告の入札要求を取得した広告配信装置100は、各広告の配信実績数と配信実績における評価値であるeCPMとに基づいて、入札する広告を選択する(ステップS115)。その後、広告配信装置100は、選択した広告をSSP装置60に入札する(ステップS116)。例えば、広告配信装置100は、ステップS115において選択した広告に関する情報(例えば入札価格等)をSSP装置60に送信する。
【0060】
広告配信装置100や第三者装置70から広告の入札を受け付けたSSP装置60は、受け付けた広告から配信する広告を決定する(ステップS117)。その後、SSP装置60は、ステップS117において決定した広告を端末装置10へ配信する(ステップS118)。例えば、SSP装置60は、広告配信装置100が入札した広告を端末装置10へ配信する。
【0061】
SSP装置60から広告AC11を受信した端末装置10は、コンテンツCT11の領域AR11に広告AC11を表示する(ステップS119)。その後、端末装置10は、配信された広告が表示されたことをその広告を入札した広告配信装置100へ通知する(ステップS120)。
【0062】
〔5.変形例〕
入札する広告の選択は、上述した実施形態の選択処理に限らず、種々の情報や条件に基づいて選択処理を行ってもよい。そこで、以下では、広告配信装置による他の選択処理について説明する。なお、実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
(変形例1)
〔5−1.選択処理〕
まず、変形例1に係る選択処理について説明する。
図7は、変形例1に係る選択処理の一例を示す図である。広告配信装置200は、配信対象となるユーザのユーザ属性に関する各広告の配信実績数と配信実績における評価値とに基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。
【0064】
図7に示すように、変形例1に係る配信システム2には、端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、SSP装置60と、広告配信装置200とが含まれる。端末装置10と、コンテンツ配信装置50と、SSP装置60と、広告配信装置200とは、所定のネットワークを介して通信可能に接続される。また、配信システム2には、広告配信装置200以外にも広告の入札を行う複数の第三者装置70が含まれる。なお、
図7に示した配信システム2には、複数の端末装置10、複数のコンテンツ配信装置50、複数のSSP装置60、複数の広告配信装置200が含まれてもよい。
【0065】
広告配信装置200は、各広告の配信実績数と配信実績における評価値とに基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する選択装置である。また、
図7では、広告配信装置200は、配信対象となるユーザのユーザ属性に関する各広告の配信実績数と配信実績における評価値とに基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。
【0066】
以下、
図7を用いて、選択処理の一例を説明する。
図7に示す例においては、ユーザがユーザID「U2」により識別されるユーザ(以下、「ユーザU2」とする場合がある)である場合を示す。
【0067】
図7に示すように、端末装置10は、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する(ステップS21)。例えば、端末装置10は、ユーザU2による操作に応じて、コンテンツ配信装置50にコンテンツの配信要求を送信する。
【0068】
端末装置10から配信要求を受け付けたコンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツを配信する(ステップS22)。
図7に示す例においては、コンテンツ配信装置50は、端末装置10にコンテンツCT11を配信する。
図7に示す例において、コンテンツ配信装置50が配信するコンテンツCT11には、株式に関するニュース記事や領域AR11が含まれる。
【0069】
広告表示領域AR11を含むコンテンツCT11を受信した端末装置10は、受信したコンテンツCT11に含まれる広告表示領域AR11に表示する広告を要求する広告要求をSSP装置60に送信する(ステップS23)。
図7の例では、端末装置10がSSP装置60に送信する広告要求にはユーザU2のユーザ属性が含まれる。例えば、端末装置10は、ユーザU2の年代や性別等のユーザ属性に関する情報を広告要求とともにSSP装置60に送信する。なお、SSP装置60は、ステップS23よりも前にユーザU2のユーザ属性に関する情報を取得してもよい。
【0070】
端末装置10から広告要求を取得したSSP装置60は、広告配信装置200や第三者装置70等に広告の入札を要求する(ステップS24)。具体的には、SSP装置60は、広告配信装置200に広告の入札を要求し(ステップS24−1)、第三者装置70−1に広告の入札を要求し(ステップS24−2)、第三者装置70−2に広告の入札を要求する(ステップS24−3)。なお、ステップS24−1〜S24−3は、異なるタイミングであってもよい。
【0071】
また、
図7の例では、SSP装置60が入札要求の際に、広告配信装置200や第三者装置70等に広告の配信対象であるユーザU2のユーザ属性に関する情報を送信する。例えば、SSP装置60は、ユーザU2の年代や性別等のユーザ属性に関する情報を広告配信装置200や第三者装置70等に送信する。なお、広告配信装置200や第三者装置70等は、ステップS24よりも前にユーザU2のユーザ属性に関する情報を取得してもよい。この場合、SSP装置60は、広告配信装置200や第三者装置70等に広告の配信対象であるユーザU2を特定する情報を送信する。
【0072】
SSP装置60から広告の入札要求を取得した広告配信装置200は、ユーザU2のユーザ属性に関する各広告の配信実績数と配信実績における評価値であるeCPMとに基づいて、入札する広告を選択する。具体的には、広告配信装置200は、広告情報記憶部221に記憶された情報のうち、ユーザU2のユーザ属性に関する情報に基づいて、入札する広告を選択する。
【0073】
図7では、広告配信装置200は、広告ID「AC21」〜「AC24」により識別される広告等(以下、「広告AC21」等とする場合がある)から入札する広告を選択する。また、
図7では、広告配信装置200は、配信実績数として、広告が配信(表示)された回数を用いる。また、広告配信装置200は、ユーザU2が属するユーザ属性である20代男性への配信実績数が100回未満の広告を除く広告群から入札する広告を選択する。
【0074】
すなわち、広告配信装置200は、実績不足の広告を除外する(ステップS25)。
図7では、広告AC22は配信実績数が100回未満であるため、広告配信装置200は、広告AC22を入札する広告の対象から除外する。そして、広告配信装置200は、実績不足の広告を除外した広告群CL21から入札する広告を選択する(ステップS26)。
図7では、広告配信装置200は、評価値であるeCPMが最も高い広告AC23を入札する広告として選択する。その後、広告配信装置200は、選択した広告AC23をSSP装置60に入札する(ステップS27−1(S27))。例えば、広告配信装置200は、選択した広告AC23に関する情報(例えば入札価格等)をSSP装置60に送信する。
【0075】
また、ステップS24において入札要求を取得した第三者装置70も広告をSSP装置60に入札する(ステップS27)。具体的には、第三者装置70−1は、広告AC71をSSP装置60に入札し(ステップS27−2)、第三者装置70−2は、広告AC72をSSP装置60に入札する(ステップS27−3)。
【0076】
ステップS27において広告配信装置200や第三者装置70から広告の入札を受け付けたSSP装置60は、受け付けた広告のうち、所定の基準により決定した広告を端末装置10へ配信する(ステップS28)。
図7では、SSP装置60は、入札価格が最も高い広告AC23を端末装置10へ配信する。
【0077】
SSP装置60から広告AC23を受信した端末装置10は、コンテンツCT11の領域AR11に広告AC23を表示する。なお、
図7では、SSP装置60が端末装置10へ広告を配信する例を示したが、端末装置10へ配信する広告として決定された広告を入札した広告配信装置200や第三者装置70が端末装置10へ広告を配信してもよい。
【0078】
〔5−2.広告配信装置の構成〕
次に、
図8を用いて、変形例1に係る広告配信装置200の構成について説明する。
図8は、変形例1に係る広告配信装置200の構成例を示す図である。
図8に示すように、広告配信装置200は、通信部110と、記憶部220と、制御部230とを有する。
【0079】
(記憶部220)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。変形例1に係る記憶部220は、
図8に示すように、広告情報記憶部221を有する。
【0080】
(広告情報記憶部221)
変形例1に係る広告情報記憶部221は、広告に関する各種情報を記憶する。
図9に、変形例1に係る広告情報記憶部221の一例を示す。
図9に示す広告情報記憶部221は、「広告ID」や、「20代、男性」や「20代、女性」といったユーザ属性毎に「入札価格」、「評価値(eCPM)」、「表示回数」、「クリック率」といった項目を有する。
【0081】
「広告ID」は、広告を識別するための識別情報を示す。また、「入札価格」は、広告主が広告を入稿する際に指定する広告料金を示す。例えば、「入札価格」は、広告がユーザに1回クリックされた際に広告主から広告配信者(例えば、SSP装置60又は広告配信装置200の管理者)に支払われる単価に該当する。「表示回数」は、広告が表示された回数を示す。例えば、「表示回数」は、広告が端末装置10に配信された回数を示す。「クリック率」は、CTRを示し、広告がクリックされた回数を広告の表示回数によって除算した値を示す。
【0082】
例えば、
図9に示す例において、広告AC21は、ユーザ属性が「20代男性」の場合、入札価格が「80円」であり、評価値であるeCPMが「80円」であり、表示回数が「1000」回であり、クリック率が「0.1%」であることを示す。また、例えば、
図9に示す例において、広告AC22は、ユーザ属性が「20代男性」の場合、入札価格が「20円」であり、評価値であるeCPMが「10000円」であり、表示回数が「2」回であり、クリック率が「50%」であることを示す。
【0083】
なお、広告情報記憶部221は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、広告情報記憶部221は、広告主を識別するための識別情報を記憶してもよい。なお、広告主は、入稿作業等を代理店に依頼する場合もあるため、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であるものとする。また、例えば、広告情報記憶部221は、各広告の対象となる商品名やサービス名を示す情報を記憶してもよい。なお、広告情報記憶部221は、各商品等を示す情報としては「商品名」に限らず、商品を識別するための「商品ID」等の情報を記憶してもよい。
【0084】
(制御部230)
図8の説明に戻って、制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、広告配信装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(選択プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0085】
図8に示すように、制御部230は、取得部131と、選択部232と、送信部133とを有し、以下に説明する選択処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部230の内部構成は、
図8に示した構成に限られず、後述する選択処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、
図8に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0086】
(選択部232)
選択部232は、広告の配信対象となるユーザのユーザ属性に対応する情報を広告情報記憶部221から選択する。また、選択部232は、広告の配信対象となるユーザのユーザ属性に関する各広告の配信実績数と配信実績における評価値とに基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。例えば、選択部232は、ユーザのユーザ属性に関する各広告の配信実績数とeCPMとに基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。また、例えば、選択部232は、広告の配信対象となるユーザが属するユーザ属性への配信実績数が所定の閾値未満の広告を除く各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
図7では、選択部232は、広告の配信対象となるユーザが属するユーザ属性への配信実績数が所定の閾値未満の広告である広告AC22を除く各広告のうちSSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。
【0087】
〔5−3.処理フロー〕
次に、
図10を用いて、変形例1に係る配信システム1による選択処理の手順について説明する。
図10は、変形例1に係る選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0088】
図10に示すように、広告配信装置200の取得部131は、所定の広告配信プラットフォームから入札要求を取得する(ステップS201)。また、取得部131は、広告の配信対象となるユーザのユーザ情報を取得する。例えば、取得部131は、SSP装置60から入札要求を取得する。また、例えば、取得部131は、SSP装置60から広告の配信対象となるユーザのユーザ属性に関する情報を取得する。
【0089】
その後、広告配信装置200の選択部232は、ユーザ情報に対応する配信実績を選択する(ステップS202)。例えば、選択部232は、ユーザ属性に対応する配信実績を選択する。その後、選択部232は、配信実績不足の広告を除外する(ステップS203)。
図7では、選択部232は、配信実績不足の広告AC22を除外する。その後、選択部232は、評価値に基づいて広告を選択する(ステップS204)。
図7では、選択部232は、広告AC22を除く広告群CL21から、eCPMに基づいて広告AC23を選択する。
【0090】
その後、広告配信装置200の送信部133は、選択部232により選択された広告を入札する(ステップS205)。
図7では、送信部133は、選択部232により選択された広告AC23に関する情報(例えば入札価格等)をSP装置60に送信する。
【0091】
(変形例2)
次に、配信実績不足の広告を除外しない場合について
図11〜
図14を用いて説明する。以下では、広告配信装置300が各広告のクリック率における信頼区間の下限値を用いて算出されるeCPMを用いる場合を示す。
【0092】
〔5−4−1.広告配信装置の構成〕
まず、
図11を用いて、変形例2に係る広告配信装置300の構成について説明する。
図11は、変形例2に係る広告配信装置300の構成例を示す図である。
図11に示すように、広告配信装置300は、通信部110と、記憶部120と、制御部330とを有する。
【0093】
(制御部330)
制御部330は、例えば、CPUやMPU等によって、広告配信装置300内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(選択プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部330は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0094】
図11に示すように、制御部330は、取得部131と、算出部334と、選択部332と、送信部133とを有し、以下に説明する選択処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部330の内部構成は、
図11に示した構成に限られず、後述する選択処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部330が有する各処理部の接続関係は、
図11に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0095】
(算出部334)
算出部334は、各広告の配信実績に関する情報に基づいて信頼区間に関する情報を算出する。例えば、算出部334は、各広告の配信実績に関する情報に基づいて95%信頼区間に関する情報を算出する。なお、算出部334は、所定の従来技術を適宜用いて各広告の95%信頼区間(以下、単に「信頼区間」とする)に関する情報を算出する。また、算出部334は、95%に限らず、99%など目的に応じた数値を適宜用いて、信頼区間に関する情報を算出してもよい。
【0096】
ここで、
図12は、変形例2に係る下限値の一例を示す図である。
図12中の(A)は、配信実績数が十分な広告における信頼区間ZN11を示す。また、
図12中の(A)に示すグラフの横軸はクリック率を示し、グラフの縦軸は確率を示す。また、
図12中の(A)に示す基準値CR11は、広告がクリックされた回数を広告の表示回数によって除算した値(クリック率)を示す。また、
図12中の(A)に示す上限値UV11は信頼区間ZN11における上限値を示し、下限値LV11は信頼区間ZN11における下限値を示す。なお、
図12では、評価値であるeCPMの算出するために用いるクリック率(CTR)の信頼区間を示すが、評価値であるeCPMの信頼区間であってもよい。例えば、算出部334は、クリック率(CTR)の信頼区間からeCPMの信頼区間を算出してもよい。
【0097】
また、
図12中の(B)は、配信実績数が不足する広告における信頼区間ZN12を示す。また、
図12中の(B)に示すグラフの横軸はクリック率を示し、グラフの縦軸は確率を示す。また、
図12中の(B)に示す基準値CR12は、広告がクリックされた回数を広告の表示回数によって除算した値(クリック率)を示す。また、
図12中の(B)に示す上限値UV12は信頼区間ZN12における上限値を示し、下限値LV12は信頼区間ZN12における下限値を示す。このように、実績が不足する広告の場合、実績が十分ある広告に比べて下限値が小さくなるため、下限値を用いて評価値を算出することで、評価値はその信頼度を加味した値となる。
【0098】
また、
図13は、変形例2に係る下限値の算出の一例を示す図である。
図13において、広告配信装置300の算出部334は、広告情報記憶部121に記憶された情報を用いて各広告のクリック率の下限値を算出する(ステップS31)。また、
図13において、算出部334は、広告群CL31に示す下限値を用いて、各広告の評価値を算出する。具体的には、算出部334は、広告群CL31に示す下限値を用いて、各広告の評価値であるeCPMを算出する。
【0099】
例えば、算出部334は、広告AC11のクリック率の下限値「0.19%」を用いて、広告AC11のeCPMを「228円」と算出する。すなわち、算出部334は、広告AC11のクリック率の下限値を用いることで、広告AC11の信頼区間の下限におけるeCPMを「228円」と算出する。また、例えば、算出部334は、広告AC13のクリック率の下限値「0.00・・・1%」を用いて、広告AC13のeCPMを「1円」と算出する。すなわち、算出部334は、広告AC13のクリック率の下限値を用いることで、広告AC13の信頼区間の下限におけるeCPMを「1円」と算出する。このように、広告AC13のように実績が不足している場合、下限値が小さくなることで適切でない広告が入札する広告として選択されにくくなる。
【0100】
(選択部332)
選択部332は、各広告の配信実績数と配信実績における評価値とに基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。例えば、選択部332は、各広告の配信実績数とeCPMとに基づいて、各広告のうち、SSP装置60からの要求に対して入札する広告を選択する。例えば、選択部332は、評価値の信頼度に基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
【0101】
選択部332は、配信実績数と評価値の信頼度とにより導出される各広告における評価値の信頼区間に基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。例えば、選択部332は、各広告における信頼区間の下限値に基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
図13では、選択部332は、各広告におけるクリック率の下限値に基づいて算出された評価値であるeCPMに基づいて、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
図13では、選択部332は、評価値であるeCPMが最も高い広告AC11を入札する広告として選択する。このように、変形例2に係る広告配信装置300においては、配信実績が不足する広告を除外することなく、入札する広告を選択することができる。これにより、広告配信装置300は、配信実績が不足する広告が配信実績を増加させる可能性を高めることができる。
【0102】
〔5−4−2.処理フロー〕
次に、
図14を用いて、変形例2に係る配信システム1による選択処理の手順について説明する。
図14は、変形例2に係る選択処理の一例を示すフローチャートである。
【0103】
図14に示すように、広告配信装置300の取得部131は、所定の広告配信プラットフォームから入札要求を取得する(ステップS301)。例えば、取得部131は、SSP装置60から入札要求を取得する。
【0104】
その後、広告配信装置300の算出部334は、各広告のクリック率の下限値を算出する(ステップS302)。例えば、算出部334は、各広告のクリック率における95%信頼区間の下限値を算出する。その後、算出部334は、算出したクリック率の下限値に基づいて評価値を算出する(ステップS303)。例えば、算出部334は、算出したクリック率の下限値に基づいてeCPMを算出する。
【0105】
その後、選択部332は、算出部334により算出された評価値に基づいて広告を選択する(ステップS304)。その後、広告配信装置300の送信部133は、選択部332により選択された広告を入札する(ステップS305)。
【0106】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告配信装置100、変形例1に係る広告配信装置200、及び変形例2に係る広告配信装置300は、取得部131と、選択部132、232、332とを有する。取得部131は、各広告の配信実績における評価値と評価値の信頼度に関する情報とを取得する。選択部132、232、332は、各広告の配信実績における評価値と評価値の信頼度に関する情報とに基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォーム(実施形態においては「SSP装置60」。以下同じ)からの要求に対して入札する広告を選択する。
【0107】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100、変形例1に係る広告配信装置200、及び変形例2に係る広告配信装置300は、各広告の配信実績における評価値と評価値の信頼度に関する情報とに基づくことにより、入札する広告を適切に選択することができる。したがって、広告配信装置100、200、300は、期待する収益を上げる可能性を高めることができる。
【0108】
また、実施形態に係る広告配信装置100、変形例1に係る広告配信装置200、及び変形例2に係る広告配信装置300において、選択部132、232、332は、各広告の配信数に関する情報、配信された各広告に対するユーザ行動に関する情報、または、各広告の配信が開始された日時に関する情報を、評価値の信頼度に関する情報として、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
【0109】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100、変形例1に係る広告配信装置200、及び変形例2に係る広告配信装置300は、各広告の配信数に関する情報、配信された各広告に対するユーザ行動に関する情報、または、各広告の配信が開始された日時に関する情報を、評価値の信頼度に関する情報とすることにより、入札する広告を適切に選択することができる。したがって、広告配信装置100、200、300は、期待する収益を上げる可能性を高めることができる。
【0110】
また、変形例2に係る広告配信装置300において、選択部332は、評価値の信頼度に関する情報により導出される各広告における評価値の信頼区間に基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
【0111】
これにより、変形例2に係る広告配信装置300は、評価値の信頼区間に基づくことにより、入札する広告を適切に選択することができる。したがって、広告配信装置300は、期待する収益を上げる可能性を高めることができる。このように、変形例2に係る広告配信装置300においては、配信実績が不足する広告を除外することなく、入札する広告を選択することができる。
【0112】
また、変形例2に係る広告配信装置300において、選択部332は、各広告における信頼区間の下限値に基づいて、各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
【0113】
これにより、変形例2に係る広告配信装置300は、各広告における信頼区間の下限値に基づくことにより、入札する広告を適切に選択することができる。したがって、広告配信装置300は、期待する収益を上げる可能性を高めることができる。このように、変形例2に係る広告配信装置300においては、配信実績が不足する広告を除外することなく、入札する広告を選択することができる。
【0114】
また、実施形態に係る広告配信装置100、及び変形例1に係る広告配信装置200において、選択部132、232は、評価値の信頼度に関する情報が所定の閾値未満の広告を除く各広告のうち、所定の広告配信プラットフォームからの要求に対して入札する広告を選択する。
【0115】
これにより、実施形態に係る広告配信装置100、及び変形例1に係る広告配信装置200は、実績が不足する広告を入札候補の広告から除外することにより、入札する広告を適切に選択することができる。したがって、広告配信装置100、200は、期待する収益を上げる可能性を高めることができる。
【0116】
〔7.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る広告配信装置100、変形例1に係る広告配信装置200、及び変形例2に係る広告配信装置300は、例えば
図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図15は、広告配信装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0117】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0118】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0119】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0120】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0121】
例えば、コンピュータ1000が広告配信装置100、200、300として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130、230、330の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0122】
以上、本願の実施形態及び変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の行に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0123】
〔8.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0124】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0125】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0126】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。