【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 JAPAN PACK 2015(2015 日本国際包装機械展)において平成27年10月13日、14日、15日、16日に発表した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記包装充填機は、製造される袋部の大きさ(特に、搬送方向の長さ)が一定で、充填材の量や種類に応じて袋部の大きさを変更することができなかった。そこで、本発明は、袋部の大きさを変更可能な充填包装機を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの形態は、連続的に供給される帯状の包装材(100)を二つ折りし、前記二つ折りされた包装材を円周搬送路に沿って搬送しながら、前記二つ折りされた包装材(100)を該包装材(100)の長手方向に所定の間隔をあけて複数のシール部(32)で挟持してヒートシールすることにより充填材収納用袋部(102)を連続的に形成し、上記袋部(102)に挿入されたシュート(48)を介して上記袋部(102)に充填材(103)を充填する充填包装機(1)であって、
前記円周搬送路の中心(26)の周りを回転する回転テーブル(31)と、
前記複数のシール部(32)を前記回転テーブル(31)に連結するとともに前記シール部(32)を前記円周搬送路(35)の中心(26)に対して進退可能に且つ固定可能支持する、機構(200)を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の一つの形態は、
(a) 前記シール部(32)は、
前記円周搬送路(35)の内側から前記包装材(100)を支持する固定シール部(33)と、
前記円周搬送路(35)の接線方向に伸びる軸(36)を中心に揺動可能に支持されており、前記固定シール部(33)に対向して前記包装材(100)を挟持するシール位置と、前記固定シール部(33)から離間した非シール位置とを取り得る可動シール部(34)と、
前記可動シール部(34)に設けられた被ガイド部(37)とを有し、
(b) 前記充填包装機(1)は、前記可動シール部(34)を非シール位置とシール位置との間で移動させるガイド機構(38)を有し、前記ガイド機構(38)は、
前記被ガイド部(37)に係合し、前記回転テーブル(31)の回転に基づいて、前記可動シール部(34)を前記非シール位置から前記シール位置に案内する第1のガイド部(240)と、
前記被ガイド部(37)に係合し、前記可動シール部(34)を前記シール位置に保持する第2のガイド部(241)と、
前記回転テーブル(31)の回転に基づいて、前記可動シール部を前記シール位置から前記非シール位置に案内する第3のガイド部(240a)とを有し、
(c)前記第1のガイド部(240)と前記第3のガイド部(240a)は、
前記被ガイド部(37)をガイドするガイド部材(242)と、
前記ガイド部材(242)を前記円周搬送路(35)の中心(26)に向けて進退可能に支持する構成(210)とを有することを特徴とする。
【0007】
本発明の他の形態は、前記包装材(100)を前記円周搬送路(35)に向けて送り出す包装材供給部(13)と、前記円周搬送路(35)の中心(26)から前記シール部(32)までの距離に応じて前記包装材供給部(13)の位置を調整することができる構成(260)を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一形態によれば、必要に応じて袋部の大きさを変更できるため、一つの充填包装機を複数種類の充填材の充填に利用できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明に係る充填包装機(以下、「包装機」という。)を説明する。
【0011】
1.包装機:
包装機1は、
図1〜
図4に示すように、帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を水平方向に搬送しながらその長手方向中央線に沿って二つ折りし、この二つ折りした包装材100を長手方向の所定間隔ごとに接着又はシール(縦シール101を形成)して袋部102を連続的に形成し、袋部102に充填材103を充填し、袋部102の上端開口を接着することによりトップシール104を形成して連続袋体105を形成するものである。連続袋体105は、例えば、隣接する袋部102の間の縦シール101に沿って切断されて個々の袋部102又は複数の連続した袋部102からなる袋体に分離されるか、または、隣接する袋部102の間の縦シール101に沿ってミシン目107を入れた袋体に加工される。
【0012】
図1に示すように、包装機1は、本体フレーム10と可動フレーム11を有する。本体フレーム10は建物の床等に固定される。可動フレーム11は、本体フレーム10の前面操作側に配置され、本体フレーム10の前後方向(
図2に矢印12で示す方向)に移動可能である。可動フレーム11は、包装材100を供給する包装材供給部13と、包装材供給部13から供給された包装材100をほぼ水平方向に案内しながら該包装材100の長手方向中央線を支点として略V字状に折り上げる包装材折り上げ部14を有する。本体フレーム10は、
図1〜
図4に示すように、包装材折り上げ部14で折り上げられた左右包装材片を長手方向に所定の間隔をあけて熱接着して縦シール101と隣接する縦シール101の間に位置する袋部102を連続的に形成するとともに各袋部102に充填材を充填する充填材充填部15と、充填材充填部15に充填材を供給する充填材供給部16と、充填材が充填された各袋部102の上端を熱接着してトップシール104を形成するトップシール部17と、隣接する袋部の間の縦シールにミシン目107を形成する切断部18が支持されている。
【0013】
2.包装材供給部13:
図1に示すように、包装材供給部13は、可動フレーム11の前下部に配置されており、所定の横幅を有する帯状のフィルム又はシートからなる包装材100を巻回したロール21を支持する支軸(シャフト)22を有する。包装材供給部13はまた、支軸22に装着されたロール21から繰り出される包装材100を折り上げ部14に案内する複数のローラ23を有する。
【0014】
3.折り上げ部14:
図3に示すように、折り上げ部14は、包装材供給部13の最後のローラ23からほぼ水平方向に向けて送られる包装材100の上面に接触する横断面が略V字形の折り上げガイド24を有する。折り上げガイド24の上方開き角(V字断面の上方開き角)は、包装材搬送方向111に沿って、最後のローラ23から離れるに従って徐々に小さくなるようにしてある。
【0015】
4.充填材充填部15:
図5を参照すると、充填材充填部15は、本体フレーム10に固定された固定円筒部25を有する。固定円筒部25は、軸(中心軸)26を中心とする外周円筒面を備えている。固定円筒部25には回転円筒部27が同心的に外装されている。固定円筒部25と回転円筒部27の間には軸受28が配置されており、図示しないモータの駆動に基づいて、回転円筒部27が軸26を中心に固定円筒部25の周囲を包装材搬送方向(上方から見たときの反時計回り方向)111(
図2参照)に回転するようにしてある。
【0016】
固定円筒部25は、その上部に円形の固定テーブル30を支持している。回転円筒部27は、その上部に環状の回転テーブル31を支持している。回転テーブル31には、複数(n個:nは整数。)のシール部32が軸26を中心とする円周上に所定の間隔(角度=360度/n)をあけて配置されている。各シール部32は、固定シール部(固定シールバー)33と、該固定シール部33の外側に配置された可動シール部(可動シールバー)34を有する。
図6に示すように、固定シール部33は、軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて配置されており、固定シール部33の加熱面33a(軸26を中心とする径方向の最外側面)が軸26を中心とする円周搬送路(シール基準円)35上に位置している。シール基準円35は、包装材搬送経路112(
図2参照)の一部を形成しており、折り上げられた包装材100が固定シール部33の加熱面33aに支持された状態で該円周搬送路35の一部(シール領域)に沿って搬送されるようにしてある。
【0017】
図5に戻り、可動シール部34は、円周搬送路35の接線方向(接線と平行な方向)に伸びる軸(シャフト)36を介して固定シール部33に連結されており、可動シール部34の加熱面34aが対応する固定シール部33の加熱面33aに包装材100を介して圧接するシール位置(
図5の右側に示す位置)と、可動シール部34がほぼ90°外側に倒れて該可動シール部34の加熱面34aが固定シール部33の加熱面33aから離間する非シール位置(
図5の左側に示す位置)との間を往復移動できるようにピボット回転可能に支持されている。
【0018】
可動シール部34の位置(シール位置又は非シール位置)は、可動シール部34に設けた被ガイド部(例えば、ベアリング)37と本体フレーム10に設けたガイド機構38(後に詳細に説明する。)との係合に基づいて決定されており、概ね、回転テーブル31の回転に基づいてシール領域39(
図7,8参照)を通過しているとき、可動シール部34はシール位置をとり、それ以外の非シール領域40(
図7,8参照)を通過しているとき、可動シール部34は非シール位置をとるようにしてある。図示するように、非シール領域40は、可動シール部34が固定シール部33に対してほぼ90度離間した完全開放状態をとる領域(完全開放領域)40aと、可動シール部34が完全開放状態から漸次固定シール部33に接近していく領域(漸次閉鎖領域)41と、可動シール部34が固定シール部33から漸次完全開放状態まで離れていく領域(漸次開放領域)42を含む。
【0019】
ガイド機構38は、漸次閉鎖領域41に配置されて可動シール部34を完全開放状態から固定シール部33に接触する完全閉鎖状態に移行させる第1のガイド部240(
図12,13,14参照)と、シール領域39に配置されて可動シール部34を完全閉鎖状態に保持する第2のガイド部241と、漸次開放領域42に配置されて可動シール部34を完全開放状態に移行させる第3のガイド部(240a)を有する。
【0020】
図5〜
図7に示すように、充填材充填部15は複数の昇降シャフト43を有する。昇降シャフト43は、複数のシール部32のそれぞれに対応して、軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて配置され、軸26と平行に垂直方向に伸びている。昇降シャフト43を軸26と平行な上下方向に昇降させるために、回転テーブル31にはシール部32の内側に軸26を中心とする円周上に一定の間隔をあけて複数のシャフト貫通孔44が形成されている。シャフト貫通孔44は軸26を中心とするシャフト基準円45(
図6参照)上に等間隔(360度/n)に形成されており、そこに挿通された昇降シャフト43がシャフト貫通孔44に沿って昇降自在に且つシャフト43の中心軸46を中心として回転可能としてある。
【0021】
回転テーブル31から上方に突出した昇降シャフト43の上部には、
図9に示すように、包装材搬送方向111の上流側に斜め外側に向けられたアーム47と、アーム47の先端に固定された充填シュート48が支持されている。充填シュート48は、横断面が楕円形の充填シュート筒状下部48aと該筒状下部48aの上端に連結された漏斗状上部48bを有する。
【0022】
図5に戻り、回転テーブル31から下方に突出した昇降シャフト43の下部は、該昇降シャフト43から側方に突出した被ガイド部(カムフォロア)49を有する。被ガイド部49に対応して、固定円筒部25の外側には昇降ガイド用筒体50が固定されている。昇降ガイド用筒体50は、軸26を中心とする外周円筒面51を有する。外周円筒面51は環状のガイド部(ガイド溝)52を有し、このガイド部52に被ガイド部49が係合している。図の左右に表されたガイド部52は異なる高さに設けられていることから分かるように、ガイド部52はその一部が他の部分よりも高い位置に形成されており、対応する充填シュート48がほぼシール領域39(
図7、8参照)にあるとき該充填シュート48が下降位置をとって該充填シュート筒状下部48aの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し、それ以外の非シール領域40にあるとき該充填シュート48が上昇位置をとって包装材100と干渉しないようにしてある。
【0023】
昇降シャフト43の下端は、該昇降シャフト43の下端から横方向に突出した連結部(アーム)53を有する。連結部53の先端側には、昇降シャフト43と平行に且つ該連結部53から下方に伸びる偏心シャフト54が連結されている。偏心シャフト54は、名称が意味するとおり、昇降シャフト43の中心軸46から水平方向に所定距離だけ偏心した別の中心軸(偏心軸)55に沿って下方に伸びている。偏心シャフト54は、その下端に被ガイド部56を有する。被ガイド部56に対応して、回転筒27の外側には環状のガイド部57が固定されている。ガイド部57は、特にこれを上方から見たときの形状が
図7に示されているように、軸26を中心とする円58に沿って伸びる円形円弧部分59と、円58から外側に逸れた非円形円弧部分60を有し、充填シュート48がほぼシール領域39にあるとき充填シュート48が円周搬送路35上にあってその筒状下部48aの下端が2つ折りされた包装材の両包装材片の間に位置し、それ以外の非シール領域40にあるとき該充填シュート48が円周搬送路35の外側に位置し、その後シール領域39に進入する直前で楕円形の充填シュート筒状下部48aの長軸が円周搬送路35(
図6参照)の接線方向に向けられた状態で搬送経路112に沿って充填領域39に進入するようにしてある。
【0024】
6.充填材供給部:
図5を再び参照すると、充填材供給部16は袋部102に充填する充填材を充填シュート48に落下供給するもので、円周搬送路35(
図2,
図6参照)の内側に位置する軸61に沿って垂直に配置された回転軸62(シャフト)(
図5参照)を有する。図示するように、軸61は、軸26と平行で、軸26から離れている。回転軸62は固定テーブル30を貫通している。回転軸62はその下端が図示しないモータに駆動連結されており、該モータの駆動に基づいて、上方から見たときに反時計回り方向(包装材搬送方向111と同じ方向)に回転するようにしてある。
【0025】
回転軸62は計量板(計量部材)63を支持している。計量板63の上には、充填材供給ホッパ64が設けてある。計量板63は、軸61を中心とする円65(
図2参照)上に一定の間隔をあけて形成された複数の貫通孔からなる計量孔66を備えている。円65は、シール領域39の上流側領域80(
図7参照)で、円周搬送路35にほぼ重なり、計量孔66が充填シュート48の漏斗状上部48aの上方に位置するようにしてある。計量孔66の間隔は、充填シュート48の間隔とほぼ等しくしてある。これにより、シール領域39内の充填材供給領域67(
図7参照)において、計量孔66は対応する充填シュート48の漏斗状上部48bの上方に位置し、一定量の充填材が計量孔66から対応する充填シュート48に落下供給されるようになっている。充填材供給領域67以外の領域では、計量孔66はシャッタ機構68によってその下端開口が塞がれており、計量孔66から充填材が落下しないように構成されている。シャッタ機構68は、各計量孔66の下端開口を開閉するように計量板63の下面にピボット回転可能に支持された複数のシャッタ69と、充填材供給領域67にあるシャッタ69を開放位置に設定させるとともに充填材供給領域67以外の領域にあるシャッタ69を閉鎖位置に設定するシャッタ駆動部70を有する。
【0026】
7.トップシール部17:
図1に示すように、トップシール部17は、充填材103が充填された袋部102の上端に接して該上端開口を接着してトップシール104を形成するヒートシールローラ71を有する。
【0027】
8.切断部18:
図1に示すように、切断部18は、包装材搬送方向に関してトップシール部17の下流側に配置され、連続袋体105の縦シール101の中央で連続袋体105を切断して個々の袋体110に分離するカッター、又は幅広縦シール部101の中央にミシン目を入れるミシン目カッター72が設けてある。
【0028】
9.動作:
以上の構成を備えた包装機1の動作を説明する。図示しないモータの電源が投入されると、これに駆動連結された回転円筒部27、回転軸62(共に
図5を参照)が回転する。回転円筒部27の回転により、固定シールバー33を連結している回転テーブル31が回転する。これにより、可動フレーム11の下部にある包装材供給部13から繰り出された包装材100は、固定シール部33と可動シール部34から伝達される搬送力に基づいて、複数のローラ23により上方に案内され、最後のローラ23から送り出された包装材100はその主要面(表面、裏面)をほぼ水平面に平行に向けられる。ローラ23通過した包装材100は、V字状横断面の折り上げガイド24の下面に沿って搬送されながら、包装材100の長手方向中央線を境に二つ折りされる。
【0029】
充填材充填部15では、モータの駆動に基づいて回転円筒部27とこれに固定された回転テーブル31が軸26を中心に反時計回り方向に回転する。その結果、回転テーブル31に支持されている昇降シャフト43の被ガイド部49がガイド部52にガイドされ、
図8に示すように、充填シュート48はシール領域39において下降位置をとり、それ以外の非シール領域40で上昇位置をとる。
【0030】
偏心シャフト54の被ガイド部56は、ガイド部57にガイドされる。
図7に示すように、シール領域39直前の進入領域以外では、被ガイド部56はガイド部57の円形円弧部分59にガイドされ、充填シュート48は軸26を中心とする円形軌跡を移動する。しかし、シール領域39直前の進入領域では、被ガイド部56はガイド部57の非円形円弧部分60にガイドされ、充填シュート48はいったん円形軌跡の外側に振り出されたのち、包装材搬送経路112に沿って進入領域をほぼ直線状に前進する。この動作に同期して、
図8に示すように、昇降シャフト43が上昇位置から下降位置に移り、二つ折りされた包装材100の内側に充填シュート48の筒状下部48aが進入する。
【0031】
シール領域39に送られた包装材100は、固定シール部33の加熱面に支持された状態で、回転テーブル31の回転とともに移動する。このとき、包装材搬送方向111に関して、隣接する固定シール部33の中央に充填シュート48の筒状下部48aが位置する。
【0032】
可動シール部34は、該可動シール部34の被ガイド部37が3ブロックのガイド機構38にガイドされており、シール領域39の直前の漸次閉鎖領域41を通過する際に非シール位置(完全開放状態)からシール位置(完全閉鎖状態)に移動する。シール領域39において、可動シール部34はその被ガイド部37が第2のガイド部241に案内されてシール位置に保持され、固定シール部33に包装材100を介して接触する。これにより、固定シール部33と可動シール部34の加熱面に挟持された包装材部分が加熱されて縦シール101が形成される。
【0033】
次に、充填材供給領域67において、充填材供給部16の計量孔66から落下した充填材が充填シュート48を介して袋部102に充填される。
【0034】
シール領域39を通過して非シール領域40(特に、漸次開放領域42)に入ると、可動シール部34は第3のガイド部(240a)によってシール位置から非シール位置に案内される。これにより、包装材100はシール部32から解放される。そして、充填材が袋部102に充填された包装材100は、円周搬送路35から離れた後トップシール部17に供給され、そこで上端縁部が予熱部70(
図2参照)によって予熱され、さらに加圧部71によって加圧されてトップシール104が形成されて袋部102が封止され、連続袋体105が形成される。その後、連続装体105は、切断部18に搬送されてそこで縦シール101が切断されて袋体110ごとに分離される、または、隣接する袋体110の間の縦シール101にミシン目107が入れられる。
【0035】
10:調整機構
上述した包装機1では、袋部102の長さ(包装材搬送方向の長さ)を調整できるように、軸26を中心とする円周搬送路35の半径(すなわち、軸26からシール部32までの距離、さらに正確には、軸26から加熱面33a,34aまでの距離)を調整できるように構成されており、そのために以下に説明するシール位置の調整機構200が新たに設けられている。
【0036】
10.1:シール位置の調整機構200
実施形態において、
図10と
図11に示すように、シール位置の調整機構200は、シール部32(固定シール部33と可動シール部34)を、軸26(
図5参照)の径方向に移動させる構成210を有する。
図10(図面が複雑になるのを避けるために可動シール部34は削除されている。)を参照すると、固定シール部33を支持する回転テーブル31には、各固定シール部33に対応して、軸26の径方向又はそれに平行な方向に伸びる一つ又は複数の長孔212が形成されている。
図11に示すように、各固定シール部33の下面には、軸26の径方向に又はそれに平行な方向に伸びる線上に一つ又は複数のねじ孔213が形成されており、回転テーブル31の下方から長孔212に挿入された固定ねじ214がねじ孔213に螺合されている。したがって、固定ねじ214を緩めると、該固定ねじ214が長孔212に案内されながら、固定シール部33及びそれに連結された可動シール部34が、軸26の径方向又はそれに平行な方向に関して、軸26に接近した前進位置と軸26から後退した後退位置との間を移動し、その結果、隣接するシール部32の間隔が縮小又は拡大される。
【0037】
好ましくは、シール位置の調整機構200は、包装材の搬送方向に関する縦シールの間隔を正確に調整するための構成220を有する。
図10と
図11を参照すると、この構成220は、固定テーブル30に固定された駆動部221を有する。実施形態では、駆動部221はシリンダ222を有する。シリンダ222は、そのシリンダロッド223を軸26の径方向又はそれに平行な方向に向けて固定されている。シリンダロッド223には規制部材224,226が固定されている。実施形態では、規制部材224は、シリンダロッド223の先端に連結された垂直部と該垂直部の下部から前方に伸びる水平部を有し、シリンダロッド223と平行に向けられて固定テーブル30に固定されたレール227に水平部が支持されており、シリンダ222の駆動に基づいて、軸26の径方向又はそれに平行な方向に往復移動するようにしてある。規制部材224,226の移動量を制限するために、固定テーブル30には支持部228が固定されている。支持部228は、規制部材垂直部224の前方に配置されており、垂直部224に向かってレール227と平行に伸びる丸孔229が形成されている。丸孔229にはねじ軸230(ねじ軸の非ねじ部)が回転可能にはめ込まれている。支持部228にはまた、ねじ軸230と平行に伸びるガイド板231が固定されている。ガイド板231は規制プレート232を支持している。規制プレート232は規制部材垂直部224の前方に位置する。実施形態では、ガイド板231にはレール227と平行に伸びるスロット233が形成されており、このスロット233に挿通された固定ねじ234によって規制プレート232がガイド板231に固定されるようになっている。また、規制プレート232にはねじ孔235が形成されており、このねじ孔235にねじ軸230(ねじ軸のねじ部)が螺合されている。
【0038】
この構成220によれば、シリンダ222の駆動に基づいて規制部材224,226がシール部32に向けて進退する。規制部材224,226の前進は、規制部材224が規制プレート232に当たることによって規制される。したがって、例えば、ねじ軸230を回転して規制プレート232をシール部32から遠ざけると規制部材224,226の前進量が減少し、逆に、ねじ軸230を回転して規制プレート232をシール部32に近づけると規制部材224,226の前進量が増加する。
【0039】
規制部材224,226の前進量を正確に計測するために、図示するように、ねじ軸230の回転量(これは、規制部材224,226の移動量に相当する)を検出する検出器236を設けてもよい。検出器236には、回転量をデジタル表示する機能を備えたものが好ましい。
【0040】
シール部32の位置を調整する場合、(a)ねじ234を緩めた状態でねじ軸230を回転して規制部材224,226の前進量を目的の値に設定する。この操作は、検出器236の表示を見ながら行う。前進量を調整後、ねじ234を締める。次に、(b)回転テーブル31を回転し、調整すべきシール部32の固定シール部33を規制部材224,226に対向させる。また、固定シール部33の固定ねじ214を緩める。また、(c)シリンダ222を駆動し、規制部材224,226をシール部32に向けて前進させる。作業(b)と(c)の作業は順序を逆にしてもよい。次に、(d)固定シール部33を規制部材224,226に当て、その状態で固定ねじ214を締めてシール部32の位置を固定する。以後、作業(b)〜(d)を繰り返し、すべてのシール部32の位置を調整する。
【0041】
必要であれば、図示するように、固定シール部33には規制部材226が当たる箇所に専用の部分(被接触部分237)を設けてもよい。
【0042】
このように、上述したシール位置の調整機構200によれば、各シール部32の位置を、前進位置と後退位置との間で移動させ、これにより、
図2に示すように、円周搬送路(シール基準円)35を「製品ピッチ大」の大径搬送路35aと「製品ピッチ小」の小径搬送路35bの間で調整し、縦シール101の間隔を調整できる。
【0043】
10.2:切換機構
上述のとおり、包装機1は、漸次閉鎖領域41において可動シール部34を非シール位置からシール位置に切り換える第1のガイド部(切換機構)240と、漸次開放領域42において可動シール部34をシール位置から非シール位置に切り換える第3のガイド部(切換機構)(240a)を有する。
【0044】
図12,
図13,
図14を参照して第1のガイド部240を具体的に説明すると、第1のガイド部240は、ガイド部材242を有する。ガイド部材242にはガイド溝243が形成されている。ガイド溝243は、非シール位置にある可動シール部34の被ガイド部37が係合する縦溝部分243aと、シール位置にある可動シール部34の被ガイド部37が係合する横溝部分243bと、これら縦溝部分243aと横溝部分243bを連結し、
図13に示すように被ガイド部37を縦溝部分243aから横溝部分243bまでスムーズに案内する曲線溝部分243cを有する。
【0045】
ガイド部材242は可動部244に固定されている。可動部244は、本体フレーム10に固定された固定部245に支持されている。固定部245には、軸26の径方向又はこれに平行な方向(以下、この方向を「前進(後退)方向」という。)に伸びるガイド用の開口246が形成されている。開口246には、被ガイド板247が前進(後退)方向に移動可能に収容されている。被ガイド板247の上端は可動部244に連結されている。被ガイド板247には、前進(後退)方向にねじ孔248が形成されている。他方、固定部245には、被ガイド板247から前進(後退)方向に所定の間隔をあけて、支持部材249が固定されている。支持部材249には、ねじ孔248の中心軸上に円形の丸孔250が形成されている。ねじ軸248と丸孔250はねじ軸251を支持している。具体的に、ねじ軸251は、一端側(図の左側)にねじ部、他端側(図の右側)に非ねじ部(円筒外周面)を有し、非ねじ部を丸孔250に収容するとともにねじ部をねじ孔248に螺合している。支持部材249にはねじ軸251の回転量(これは、可動部244の移動量に相当する)を検出する検出器252を設けることが好ましい。検出器252には、回転量をデジタル表示する機能を備えたものが好ましい。
【0046】
実施形態では、
図13に示すように、固定部245には、開口246の両側に、前進(後退)方向に伸びるスロット253が形成されている。また、可動部244にはねじ孔254が形成されている。したがって、固定部245の下方からスロット253に挿入した固定ボルト255をねじ孔254に螺合することによって、固定部245に対して可動部244を固定できる。
【0047】
以上の構成を備えたガイド部240によれば、上述のようにしてシール部32の位置が調整されると、それに併せてガイド部材242の位置が前進(後退)方向に調整される。この調整作業では、(a)固定ボルト255を緩める。(b)次に、ねじ軸251を回転し、可動部244を前進(後退)方向に移動させる。このとき、可動部244及びガイド部材242の前進量又は後退量は、検出器252の表示を見ながら調整される。(c)調整後、固定ボルト255を締めて、可動部244を固定部245に固定する。
【0048】
図示しないが、可動シール部34をシール位置から非シール位置に切り換える第3のガイド部(240a)は、上述した第1のガイド部240とほぼ同様に構成される。異なる点は、第1のガイド部240では、非シール位置にある可動シール部34をシール位置に切り換えるために、ガイド溝243の縦溝部分243aが回転テーブル回転方向の上流側に位置する一方でガイド溝243の横溝部分243bが回転テーブル回転方向の下流側に配置されるのに対し、第3のガイド部(240a)では、シール位置にある可動シール部を非シール位置に切り換えるため、ガイド溝の横溝部分が回転テーブル回転方向の上流側に位置する一方でガイド溝の縦溝部分が回転テーブル回転方向の下流側に配置される点である。
【0049】
実施形態では、第2のガイド部241は、
図13に示すように、第1のガイド部240から第3のガイド部(240a)の間に配置されており、可動シール部34をシール位置に保持するために、可動シール部34の被ガイド部37を案内するガイドテーブル256を有する。当然のことであるが、ガイドテーブル256の上面は、第1のガイド部240の最下流側における横溝部分243bの下面及び第3のガイド部(240a)の最上流側における横溝部分の下面と実質的に同一レベルにある。
【0050】
10.3:包装材の調整機構
上述したシール位置の調整機構200及びガイド部の切換機構240に加えて、シール部32の位置に応じて包装材の位置(特に、包装材幅方向の位置)を調整するための構成、すなわち包装材の位置調整機構260を設けることが好ましい。
【0051】
包装材の位置調整機構260は、包装材供給部13を支持する可動フレーム11を本体フレーム10に対してその前後方向(
図2の矢印12方向)に移動させる機構である。具体的に、実施形態では、調整機構260は可動フレーム11を進退させるためのねじ軸261を有する。図示するように、ねじ軸261は、
図16の左側に表れる部分に非ねじ部(262、263)を有し、
図16の右側に表れる端部分にねじ部264を有する。このように構成されたねじ軸261は、その中心軸を前後方向に向けて配置されており、一端側と他端側の非ねじ部分262,263が本体フレーム10又は床に固定された柱265,266に回転可能に支持され、ねじ部264が可動フレーム11に固定したねじ部267に螺合されている。また、可動フレーム11の前面側に表れたねじ軸261の端部に、操作ハンドル269が着脱できるようにしてある。さらに、可動フレーム11の前面側に設けた柱265には、ねじ軸261の回転量(これは可動フレームの移動量に相当する)を検知して表示する検出器270を設けることが好ましい。
【0052】
このような構成の調整機構260によれば、シール部32の調整に併せて、ハンドル269を操作することによって、可動フレーム11とそれに支持された複数の部材(例えば、包装材折り上げ部14)の位置を調整することができる。