特許第6703886号(P6703886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703886
(24)【登録日】2020年5月13日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】間仕切体
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/48 20060101AFI20200525BHJP
   E05D 15/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   E06B3/48
   E05D15/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-81408(P2016-81408)
(22)【出願日】2016年4月14日
(65)【公開番号】特開2017-190632(P2017-190632A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2019年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】517165999
【氏名又は名称】三和システムウォール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森 暁
【審査官】 鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−180063(JP,A)
【文献】 特開2005−188273(JP,A)
【文献】 特開昭58−131287(JP,A)
【文献】 特開2006−161300(JP,A)
【文献】 特開2010−126890(JP,A)
【文献】 特開2002−161674(JP,A)
【文献】 実開昭56−063800(JP,U)
【文献】 特開2005−105562(JP,A)
【文献】 特開2004−324326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00−15/58
E06B 3/04− 3/46
E06B 3/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の移動式のパネルを有する間仕切体において、少なくとも一つの前記パネルが折戸であり、
前記折戸は、複数の折戸板が互いに蝶番で接続されて、幅方向に折り畳み可能に構成されており、
前記パネルを移動可能に支持するレールを有し、複数の前記折戸板のうち一つが前記レールに支持され、他が前記レールに支持されておらず
複数の前記折戸板のうち前記レールに支持された折戸板がバランスウェイトを有する間仕切体。
【請求項2】
平行に配置された複数の前記レールを有し、一方の側にのみ前記レールが隣接する外側レールに前記折戸が支持され、前記折戸は、前記外側レールからみて前記レールが配置される側と反対側に折り畳まれるよう構成されている請求項に記載の間仕切体。
【請求項3】
前記折戸の一方の面が掲示物を取り付ける掲示面とされており、前記折戸が前記掲示面を内側にして折り畳まれるよう構成されている請求項1又は2に記載の間仕切体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動式のパネルを有する間仕切体に関する。
【背景技術】
【0002】
学校の校舎を教室と廊下に仕切ったり、複数の教室に仕切ったりするために間仕切体が用いられる。
【0003】
近年、教室の間仕切体のすべてを建具とし、大開口を形成することができる多連引戸とする例が増加している(特許文献1の図4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−69559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開口を大きくするためには、引戸一枚あたりの幅を狭くすることが考えられる。しかし、引戸の枚数の増加に伴い、引戸をスライドさせるためのレールの本数が増加するため、枠見込寸法が大きくなり全体としてコストが上がってしまう。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、従来より小さな枠見込でありながら、大きな開口が得られる間仕切体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するための、本発明に係る間仕切体の特徴構成は、
複数の移動式のパネルを有する間仕切体において、少なくとも一つの前記パネルが折戸であり、
前記折戸は、複数の折戸板が互いに蝶番で接続されて、幅方向に折り畳み可能に構成されており、
前記パネルを移動可能に支持するレールを有し、複数の前記折戸板のうち一つが前記レールに支持され、他が前記レールに支持されておらず
複数の前記折戸板のうち前記レールに支持された折戸板がバランスウェイトを有する点にある。
【0008】
上記の構成によれば、折戸であるパネルを折り畳むことにより、折戸でない場合より大きな開口を形成することができる。なお、本明細書において、折戸とは、折り畳むことができるパネルをいう。
【0009】
ここで、折戸とは蝶番で止められた部分を軸に弧を描き開き戸のように開閉するパネルであり、複数の移動式パネルのうち折戸を構成するパネルが折戸板である。蝶番で接続された折戸板を蝶番部分において折り畳むことにより折戸の幅が、折り畳んでいないときよりも狭くなるため、結果として開口は広くなる。
【0010】
従来の多連引戸においては、引戸一枚あたりに上下それぞれに一条のレール対が必要であった。これに対して、上述の構成によると、複数枚の折戸板に対して一条のレール対があればよいため、レールの総本数を少なくすることができる。従来の多連引戸と比較して、同じ開口幅であっても、レールの本数を減らすことができ、枠見込みが小さくなる。
【0011】
レールに支持されていない折戸板は、レールとの間に隙間を有する。したがって、折戸を開いた状態であるときには、レールに支持されていない折戸板の重みにより、折戸には、レールに支持されていな折戸板を下方に移動させ、レールに支持されている折戸板を上方に移動させるようなモーメントが発生する。レールに支持されている折戸板にバランスウェイトを有することにより、相対的にモーメントの影響を減らし、折戸が傾くことを抑制することができる。
【0013】
本発明においては、平行に配置された複数の前記レールを有し、一方の側にのみ前記レールが隣接する外側レールに前記折戸が支持され、前記折戸は、前記外側レールからみて前記レールが配置される側と反対側に折り畳まれるよう構成されていると好適である。
【0014】
上述の構成により、折戸を折り畳んだときに、折り畳まれた折戸板が、他のレールに支持されている引戸と干渉することがない。
【0017】
本発明においては、前記折戸の一方の面が掲示物を取り付ける掲示面とされており、前記折戸が前記掲示面を内側にして折り畳まれるよう構成されていると好適である。
【0018】
折戸を学習者の作品や連絡事項等の掲示物を掲示するための掲示板として利用することにより、普段は多くの掲示物を掲示することができる掲示板でありながら、間仕切体の利用目的に応じて、折り畳むことにより大開口を確保することができる。また、掲示物の掲示面を内側にして折り畳むことにより、掲示物の保護を図ることもできる。なお、折り畳まれた折戸板の対向面間の隙間は10mm程度であることが好ましい。
【0019】
従来の多連引戸を掲示板として利用すると、掲示板一枚当たり掲示物の取付可能面積が狭くなる。開口形成時に折り畳むことができる折戸を一枚の大きな掲示板とみなすことにより、掲示板一枚当たり掲示物の取付可能面積を十分に確保しながらも、開口形成時には折り畳む構成としたことにより多連引戸の本来の機能目的である有効開口幅を確保することができる。
また、隣り合う引戸は隣り合うレールに支持されるため、隣り合う掲示板に段差ができてしまう。上述のように折戸に掲示面を構成することにより、段差を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の間仕切体の正面図であって閉鎖時の説明図である。
図2】本発明の間仕切体の平断面図であって閉鎖時の説明図である。
図3】本発明の間仕切体の正面図であって開放時の説明図である。
図4】本発明の間仕切体の平断面図であって開放時の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、間仕切体の一例として、例えば学校の校舎に設けられる間仕切体10を示している。間仕切体10は、中央の二枚の壁板部1,2の左右にそれぞれ引き違い戸3,4を有し、図1において、手前の空間と奥の空間とを間仕切るとともに、引き違い戸3,4を介して人(例えば、学習者や教員等)の往来が可能となっている。中央の壁板部1,2は、図1における紙面手前側が、学習者の作品や、各種連絡事項等の掲示物を掲示するための掲示面を有し、掲示板として利用される。
【0022】
間仕切体10は、一対のたて枠5,6と、一対のたて枠5,6間に配設された無目8及び下枠9からなる引戸枠部材のうち、無目8に配設された複数条の並列した案内レール11a〜11cと、案内レール11a〜11cに対応するように下枠9に配設された複数条の並列した走行レール12a〜12cとに沿って移動可能に配設された多連引戸構造となっている。一対のたて枠5,6の間にたて枠及び壁部を設けずに、間仕切体10を必要に応じて移動可能に構成することにより、図3及び図4に示すように、手前の空間と奥の空間とを連ねて広い開口面積を取ることができるように構成されている。なお、上枠7及び無目8との間において、一対のたて枠5,6の間には適宜たて枠が配設され、それらたて枠と上枠7及び無目8とからなる窓枠部材には、明り取りの窓13が配設されている。
【0023】
案内レール11a〜11c及び走行レール12a〜12cはそれぞれ金属材料を曲げ加工や押し出し加工することにより形成された直線状のレール部材である。
壁板部1,2及び引き違い戸3,4は、それぞれの下部に適宜配設された戸車を介して走行レール12a〜12c上をスライド可能となっている。その際、壁板部1,2及び引き違い戸3,4は、それぞれの上部に適宜配設された滑車が案内レール11a〜11c内をスライドする。
【0024】
なお、壁板部1,2及び引き違い戸3,4は、上部に配設された滑車を介して案内レール11a〜11cに吊設される構成であってもよい。この場合、走行レール12a〜12cは必ずしも必要ない。
【0025】
引き違い戸3は、左開きの戸体3aと右開きの戸体3bとから構成され、戸体3a及び3bには窓14が配設されている。
【0026】
引き違い戸4は、右開きの戸体4aと左開きの戸体4bとから構成され、戸体4a及び4bには窓15が配設されている。
【0027】
引き違い戸3,4のうち、戸体3a,4aは案内レール11a及び走行レール12a間に配設され、無目8及び下枠9に沿ってスライド可能となっている。また、戸体3b,4bは案内レール11b及び走行レール12bの間に配設され、無目8及び下枠9に沿ってスライド可能となっている。
【0028】
壁板部1,2はそれぞれ案内レール11c及び走行レール12cの間に配設されている。
【0029】
壁板部1は二枚の折戸板1a,1bをそれらの扉小口面に取り付けた蝶番16によって接続した折戸となっている。これにより、壁板部1は蝶番16により止められた部分を軸に弧を描き開き戸のように幅方向に折り畳みが可能である。
【0030】
壁板部2は二枚の折戸板2a,2bをそれらの扉小口面に取り付けた蝶番17によって接続した折戸となっている。これにより、壁板部2も蝶番17により止められた部分を軸に弧を描き開き戸のように幅方向に折り畳みが可能である。
【0031】
折戸板1b,2bの重量と開き角の確保を考慮し、蝶番16,17には折戸板1b,2bの高さ寸法と同じ長さの長蝶番を採用している。なお、折り畳まれた折戸板1a,1b及び折戸板2a,2bの対向面間の隙間は10mm程度に設定されている。
【0032】
各折戸板1a,1b、2a、2bには、折り畳んだときに対向する箇所に、ボールキャッチ機構を構成するボール部18,19とキャッチ部20,21とがそれぞれ割り振られて複数取り付けられており、壁板部1,2を折り畳んだときにボールキャッチ機構により折り畳み状態が固定される。
【0033】
本実施形態においては、折戸板1a,2aが案内レール11c及び走行レール12cに支持され、折戸板1b,2bは、案内レール11c及び走行レール12cに支持されていない。壁板部1,2のうち少なくとも折戸板1b,2bにはそれぞれ上げ落とし式の棒状の金具を、案内レール11cないし無目8に配設された受金に係合させる構成の係合部材、いわゆるフランス落とし22,23が適宜配設され、金具と受金とを係合させることにより壁板部1,2は案内レール11c及び走行レール12cに対してスライド不可能に固定され、金具と受金との係合を解除することにより壁板部1,2は、それぞれ図1の紙面手前側、すなわち掲示面を内側にして折り畳むことができ、かつ、無目8及び下枠9に沿ってスライド可能となっている(図3及び図4参照)。
【0034】
このように、壁板部1,2を折戸とし、必要に応じて折り畳む構成であるため、折戸でない構成である場合より大きな開口を形成することができる。その際、折戸板1b、2bを蝶番16,17部分において折り畳むことにより壁板部1,2の幅が、折り畳んでいないときよりも狭くなるため、結果として開口は広くなる。
【0035】
従来の多連引戸においては、引戸一枚あたりに一条のレール対が必要であったため四枚の折戸板1a,1b、2a,2bに対して二条のレール対が必要であった。これに対して、本発明による間仕切体10によると、四枚の折戸板1a,1b、2a,2bに対して一条の案内レール11c及び走行レール12cがあればよいため、レールの総本数を少なくすることができる。従来の多連引戸と比較して、同じ開口幅であっても、レールの本数を減らすことができ、枠見込みが小さくなる。
【0036】
なお、折戸である壁板部1,2を構成する折戸板1a,1b、2a,2bのうち、レールに支持されていない折戸板1b,2bの幅は、案内レール11c及び走行レール12cに支持された折戸板1a,2aの幅以下であると好ましい。
【0037】
壁板部1,2を折り畳んだときに、折り畳まれた折戸板1b,2bが、他の案内レール11a,11b及び走行レール12a,12bに支持されている引き違い戸3,4と干渉することがない。
【0038】
なお、折戸板1a,2aは、内部の下方にはバランスウェイト24,25が配設されている。バランスウェイト24,25は金属板等から構成され、折戸板1a,2aの内部に配設可能な厚みでありながらも、折戸板1a,2aに対してバランスウェイトとして機能するだけの重みがあるものが採用される。
【0039】
折戸板1a,1b、2a,2bを開いた状態であるときには、案内レール11c及び走行レール12cに支持されている折戸板1a,2aには、案内レール11c及び走行レール12cに支持されていない折戸板1b,2bの荷重により、折戸板1a,2aのうち折戸板1b,2bから遠い方の戸車が走行レール12cから浮き上がり、かつ、折戸板1b,2bのうち折戸板1a,2aから遠い方の角が走行レール12cに接触するような方向に、折戸板1a,1b、2a,2bを傾けるモーメントが発生する。折戸板1a,2aの、内部にバランスウェイト24,25を配設することにより、相対的にモーメントの影響を減らし、折戸板1a,1b、2a,2bが傾くことを抑制することができる。
【0040】
折戸を壁板部1,2として利用することにより、普段は多くの掲示物を掲示することができる掲示板でありながら、間仕切体10の利用目的に応じて、折り畳むことにより大開口を確保することができる。掲示物の掲示面を内側にして折り畳むことにより、掲示物の保護を図ることもできる。
【0041】
従来の多連引戸を掲示板として利用すると、掲示板一枚当たり掲示物の取付可能面積が狭くなる。開口形成時に折り畳むことができる折戸を一枚の大きな掲示板とみなすことにより、掲示板一枚当たり掲示物の取付可能面積を十分に確保しながらも、開口形成時には折り畳む構成としたことにより多連引戸の本来の機能目的である有効開口幅を確保することができる。
【0042】
また、隣り合う引戸は隣り合うレールに支持されるため、隣り合う掲示板に段差ができてしまう。上述のように折戸に掲示面を構成することにより、段差を無くすことができる。
【0043】
上述の実施形態においては、間仕切体10は、中央の二枚の壁板部1,2の左右にそれぞれ引き違い戸3,4を有する構成について説明したが、これに限らない。
間仕切体10に引き違い戸を備えず、間仕切体10を構成するパネルのすべてが折戸である壁板部であってもよい。
【0044】
また、間仕切体10は、壁板部と引き違い戸とを一つずつ備えた構成であってもよいし、三以上の複数ずつ備えた構成であってもよい。例えば、引き違い戸を一つ備え、壁板部を五つ備えた構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、壁板部は掲示板として利用されない、通常のパネルにも適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 :壁板部(パネル,折戸)
1a :折戸板
1b :折戸板
2 :壁板部(パネル,折戸)
2a :折戸板
2b :折戸板
3 :引き違い戸(パネル)
4 :引き違い戸(パネル)
10 :間仕切体
11 :案内レール(レール)
12 :走行レール(レール)
16 :蝶番
17 :蝶番
24 :バランスウェイト
25 :バランスウェイト
図1
図2
図3
図4