(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート媒体に複数の切り込み部が一方向に配列して設けられ、前記複数の切り込み部が繋がることにより当該切り込み部を挟んだ2つの領域に前記シート媒体が分離される分離構造において、
前記複数の切り込み部のそれぞれは、
前記一方向に延びた主切り込み線と、
前記主切り込み線の一方の端部に丸みを帯びて繋がり、前記一方向に対して略垂直の方向に延びた第1の副切り込み線と、
前記第1の副切り込み線の前記主切り込み線とは反対側の端部に繋がり、当該端部から、前記主切り込み線が前記第1の副切り込み線から延びる方向とは反対方向に延びた第2の副切り込み線と、
前記主切り込み線の前記第1の副切り込み線とは反対側に配置された第3の副切り込み線とを有し、
前記第3の副切り込み線の前記主切り込み線とは反対側の端部が、隣接する切り込み部の前記第1の副切り込み線の直線部分のうち端部ではない領域に前記一方向にて対向している、分離構造。
【背景技術】
【0002】
従来、紙等のシート媒体を破断して複数の領域に分離する分離構造として、直線からなる複数の切り込み部が一方向に配列されたミシン目が用いられている。このようなミシン目は、複数の切り込み部がそれぞれ配列方向に延びた直線形状となっており、シート媒体のミシン目を挟んだ一方の領域を複数の切り込み部の配列方向に引っ張ることにより、複数の切り込み部が繋がり、シート媒体を複数の領域に分離することができる。
【0003】
近年、このような切り込み部の形状を工夫することにより、複数の切り込み部からなる分離構造を用いてシート媒体を複数の領域に分離した場合に、分離構造に沿わない領域にてシート媒体が切断されて紙むけ等が生じることを回避する構成が考えられている。
【0004】
例えば、特許文献1には、箱体に複数の切り込み部が一方向に配列された構成において、複数の切り込み部のそれぞれが、複数の切り込み部の配列方向に延びた直線部分と、その一端にこの直線部分に対して垂直となる短小切れ目とから構成されてなる分離構造が開示されている。この分離構造によれば、短小切れ目側から複数の切り込み部の配列方向に力を加えて箱体を分離していく際、切り込み部の直線部分からの破断部分が、複数の切り込み部の配列方向から若干ずれた場合でも、その破断部分が隣接する切り込み部の短小切れ目に繋がることになり、それにより、分離構造に沿わない領域にてシート媒体が切断されて紙むけ等が生じることを回避することができる。
【0005】
また、特許文献1には、上述した複数の切り込み部として、複数の切り込み部の配列方向に延びた直線部分の両端部を同一方向に斜めに屈曲させてなる分離構造が開示されている。この分離構造によれば、複数の切り込み部の配列方向の左右いずれの方向から力を加えて箱体を分離していく場合であっても、切り込み部の端部からの破断部分が、複数の切り込み部の配列方向から若干ずれた場合に、その破断部分が隣接する切り込み部に繋がることになり、それにより、分離構造に沿わない領域にてシート媒体が切断されて紙むけ等が生じることを回避することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したような複数の切り込みが一方向に配列されてなる分離構造を用いて分離されるシート媒体においては、特許文献1に開示された箱体のように、複数の切り込み部の配列方向に力を加えて分離するものに限らない。例えば、複数の切り込み部が配列してなる分離構造によって配達票が分離可能に区画形成された配送伝票においては、複数の切り込み部を繋げることで配達票を分離する際、例えば、配達票の角部に設けられたコーナーカット等を摘み代として、複数の切り込み部の配列方向に対して斜めの方向に力を加えて分離していくことになる。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示されたもののように、複数の切り込み部の配列方向に延びた直線部分の両端部を同一方向に斜めに屈曲させてなる分離構造においては、複数の切り込み部の配列方向の左右いずれの方向から、複数の切り込み部の配列方向に力を加えて箱体を分離していく場合にはシート媒体が分離構造に沿わない領域にて切断されて紙むけ等が生じることを回避することができるものの、複数の切り込み部の配列方向に対して斜めの方向に力を加えてシート媒体を分離しようとした場合、切り込み部の端部からの破断部分が、隣接する切り込み部に繋がらずに複数の切り込み部の配列方向からずれていき、それにより、分離構造に沿わない領域が破断して紙むけ等が生じてしまう虞がある。
【0009】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、シート媒体に一方向に配列された複数の切り込み部を用いてシート媒体を2つの領域に分離する分離構造において、複数の切り込み部の配列方向の左右いずれの方向から、複数の切り込み部の配列方向に対して斜めの方向に力を加えてシート媒体を分離する場合でも、シート媒体が予定しない領域にて切断されて紙むけ等が生じることを回避することができる分離構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
シート媒体に複数の切り込み部が一方向に配列して設けられ、前記複数の切り込み部が繋がることにより当該切り込み部を挟んだ2つの領域に前記シート媒体が分離される分離構造において、
前記複数の切り込み部のそれぞれは、
前記一方向に延びた主切り込み線と、
前記主切り込み線の一方の端部に丸みを帯びて繋がり、前記一方向に対して略垂直の方向に延びた第1の副切り込み線と、
前記第1の副切り込み線の前記主切り込み線とは反対側の端部に繋がり、当該端部から、前記主切り込み線が前記第1の副切り込み線から延びる方向とは反対方向に延びた第2の副切り込み線と
、
前記主切り込み線の前記第1の副切り込み線とは反対側に配置された第3の副切り込み線とを有し、
前記第3の副切り込み線の前記主切り込み線
とは反対側の端部が、隣接する切り込み部の前記第1の副切り込み線の直線部分
のうち端部ではない領域に前記一方向にて対向している。
【0011】
上記のように構成された本発明においては、複数の切り込み部が繋がることにより分離される2つの領域のうち第1の副切り込み線の主切り込み線と繋がる端部側の領域を、切り込み部の第2の副切り込み線側から、複数の切り込み部の配列方向に対して当該領域の方向に斜めに引っ張るようにして力を加えてシート媒体を2つの領域に分離していく場合は、分離部分が、まず、第2の副切り込み線、第1の副切り込み線及び主切り込み線を介して、主切り込み線側の端部に達することになる。そして、主切り込み線側の端部からシート媒体が破断していくことになるが、シート媒体には、複数の切り込み部の配列方向に対して、第1の副切り込み線の主切り込み線と繋がる端部側の領域の方向に斜めに力が加えられていることから、その破断部分は、複数の切り込み部の配列方向に対して当該領域側に斜めに向かっていく。ところが、主切り込み線側の端部が、隣接する切り込み部の第1の副切り込み線の直線部分に対向しており、かつ、第1の副切り込み線が、複数の切り込み部の配列方向に対して略垂直の方向に延びたものであるため、主切り込み線側の端部からのシート媒体の破断部分が、複数の切り込み部の配列方向に対して斜めに向かったとしても、隣接する切り込み部の第1の副切り込み線に繋がりやすくなっている。それにより、複数の切り込み部が繋がってシート媒体が分離することとなり、シート媒体が分離構造に沿わない領域にて切断されて紙むけ等が生じることが回避される。
【0012】
また、複数の切り込み部が繋がることにより分離される2つの領域のうち第1の副切り込み線の主切り込み線と繋がる端部側の領域を、切り込み部の主切り込み線側から、複数の切り込み部の配列方向に対して当該領域の方向に斜めに引っ張るようにして力を加えてシート媒体を2つの領域に分離していく場合は、分離部分が、まず、主切り込み線、第1の副切り込み線及び第2の副切り込み線を介して、第2の副切り込み線の端部に達することになる。そして、第2の副切り込み線の第1の副切り込み線とは反対側の端部からシート媒体が破断していくことになるが、シート媒体には、複数の切り込み部の配列方向に対して、第1の副切り込み線の主切り込み線と繋がる端部側の領域の方向に斜めに力が加えられていることから、その破断部分は、複数の切り込み部の配列方向に対して当該領域側に斜めに向かっていく。ところが、第2の副切り込み線が、第1の副切り込み線の主切り込み線とは反対側の端部に繋がり、その端部から、主切り込み線が第1の副切り込み線から延びる方向とは反対方向に延びたものであるとともに、切り込み部の主切り込み線側の端部が、隣接する切り込み部の第1の副切り込み線の直線部分に複数の切り込み部の配列方向にて対向していることにより、第2の副切り込み線の第1の副切り込み線とは反対側の端部から斜めに向かう方向には、隣接する切り込み部の主切り込み線が存在することになり、それにより、第2の切り込み線の端部からのシート媒体の破断部分が、隣接する切り込み部の主切り込み線に繋がる。それにより、複数の切り込み部が繋がってシート媒体が分離することとなり、シート媒体が分離構造に沿わない領域にて切断されて紙むけ等が生じることが回避される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の切り込み部が繋がることにより分離される2つの領域のうち第1の副切り込み線の主切り込み線と繋がる端部側の領域を、切り込み部の第2の副切り込み線側から、複数の切り込み部の配列方向に対して当該領域の方向に斜めに引っ張るようにして力を加えてシート媒体を分離していく場合は、分離部分が、第2の副切り込み線、第1の副切り込み線及び主切り込み線を介して、主切り込み線側の端部に達した後、切り込み部の主切り込み線側の端部からのシート媒体の破断部分が、隣接する切り込み部の第1の副切り込み線に繋がり、また、複数の切り込み部が繋がることにより分離される2つの領域のうち第1の副切り込み線の主切り込み線と繋がる端部側の領域を、切り込み部の主切り込み線側から、複数の切り込み部の配列方向に対して当該領域の方向に斜めに引っ張るようにして力を加えてシート媒体を分離していく場合は、分離部分が、主切り込み線、第1の副切り込み線及び第2の副切り込み線を介して、第2の副切り込み線の端部に達した後、第2の副切り込み線の端部からのシート媒体の破断部分が、隣接する切り込み部の主切り込み線に繋がることになるため、シート媒体に一方向に配列された複数の切り込み部を用いてシート媒体を2つの領域に分離する分離構造において、複数の切り込み部の配列方向の左右いずれの方向から斜めの方向に力を加えてシート媒体を分離する場合でも、シート媒体が予定しない領域にて切断されて紙むけ等が生じることを回避することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の分離構造の実施の一形態を適用した配送ラベルを示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA−A’断面図である。
【0017】
本形態は
図1に示すように、剥離台紙20上に、PP(ポリプロピレン)等からなるフィルムシート30と、インクジェット紙等からなる伝票用紙10とが積層されて構成されている。伝票用紙10とフィルムシート30とは、剥離台紙20よりも一回り小さな同一形状を有し、例えば押し出しラミネートによって剥離可能に接着されている。フィルムシート30の伝票用紙10との接着面とは反対側の面には、アクリルエマルジョン糊からなる粘着剤40が塗布されており、それにより、フィルムシート30は剥離台紙20に剥離可能に接着されている。
【0018】
伝票用紙10は、一方の長辺から他方の長辺に向かって並行する2本のスリット14a,14bと本発明の分離構造となる1本のジッパー15とが形成されており、このスリット14a,14bとジッパー15とにより、貼付票11、予備片13a、配達票12及び予備片13bの4つの領域に分離可能に構成されている。具体的には、貼付票11と予備片13aとが、スリット14aを介して分離可能に連接し、予備片13aと配達票12とが、スリット14bを介して分離可能に連接し、配達票12と予備片13bとが、ジッパー15を介して分離可能に連接している。
【0019】
貼付票11及び配達票12のそれぞれには、この配送ラベルが貼付されて配送される配送物の配送先の住所や氏名あるいは名称、品名等の配送情報を印字または記入するための配送情報表示領域11a,12aが設けられており、配達票12にはさらに、配送物の配送先にて受領印を押下するための押印領域12bが設けられている。
【0020】
図2は、
図1に示したジッパー15の一構成例を示す図である。
【0021】
図1に示したジッパー15は
図2に示すように、複数の切り込み部18が、ジッパー15が延びる方向に配列されて構成されている。なお、
図2においては、1つの切り込み部18についてしか符号を付していないが、複数の切り込み部18の構成は互いに同一のものである。
【0022】
複数の切り込み部18のそれぞれは、
図2に示すように、一対の切り込み構成部16,17から構成されている。切り込み構成部16は、複数の切り込み部18の配列方向に延びた主切り込み線16aと、主切り込み線16aの図中左側の端部に丸みを帯びて繋がり、複数の切り込み部18の配列方向に対して垂直の方向に予備片13bに向かって延びた第1の副切り込み線16bと、副切り込み線16bの主切り込み線16aとは反対側の端部に繋がり、この端部から、主切り込み線16aが副切り込み線16bから延びる方向とは反対方向となる図中左方向に延び、その端部が、隣接する切り込み部18の主切り込み線16aに向かって斜めに屈曲した第2の副切り込み線16cとから構成されている。切り込み構成部17は、主切り込み線16aの一部と配達票12側にて並行する切り込み線17bと、
本願発明にて第3の副切り込み線となるものであって、切り込み線17bの図中右側の端部から、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bに向かって斜めに延びた切り込み線17aとから構成されており、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部が、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bの直線部分に複数の切り込み部18の配列方向にて対向している。これにより、切り込み部18は、副切り込み線16b,16cよりも主切り込み線16a側の端部が、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bの直線部分に複数の切り込み部18の配列方向にて対向していることになる。なお、副切り込み線16bが延びる方向は、複数の切り込み部18の配列方向に対して垂直に限らず、垂直に対して若干ずれたものも含めて略垂直であればよい。
【0023】
以下に、上記のように構成された配送ラベルの使用方法及びその際の作用について説明する。
【0024】
図3は、
図1に示した配送ラベルの使用方法を説明するための図である。
【0025】
上記のように構成された配送ラベルは、配送情報表示領域11a,12aに配送物の配送先の住所や氏名あるいは名称、品名等の配送情報が印字または記入された後、配送物に貼付するために剥離台紙20が剥離される。すると、フィルムシート30に塗布された粘着剤40が表出し、
図3(a)に示すように、表出した粘着剤40によって配送ラベルが被着体である配送物2に貼付される。配送ラベルが貼付された配送物2は、配送情報表示領域11a,12aに印字または記入された配送情報11c,12cに従って配送先に配送されていく。
【0026】
配送物2が配送先に届けられると、
図3(b)に示すように、押印領域11bに受領印12dが押下され、その後、配達票12が配送ラベルから分離されていく。配達票12を配送ラベルから分離する場合は、配達票12の予備片13b側の左右いずれか一方の角部を分離開始端として摘み、この角部に対して対角方向となる角部に向かって斜めの方向に引っ張るようにして配達票12をフィルムシート30から剥離しながら配送ラベルから分離していく。その際、配達票12は、予備片13a側がスリット14bを介して予備片13aと分離可能に連接しているとともに、予備片13b側がジッパー15を介して予備片13bと連接しているため、ジッパー15を破断させていくことで、配送ラベルから分離していくことになる。
【0027】
図4は、
図1に示した配送ラベルにおいて配達票12の予備片13b側の一方の角部を分離開始端として配達票12を配送ラベルから分離していく際のジッパー15の破断の様子を示す図である。
【0028】
図1に示した配送ラベルにおいて、配達票12の予備片13b側の図中左側の角部を分離開始端として摘み、
図4中矢印で示すように、配達票12の分離開始端に対して対角方向となる角部に向かって斜めの方向に引っ張るようにして配達票12を配送ラベルから分離していくと、
図4(a)に示すように、ジッパー15を構成する複数の切り込み部18において、副切り込み線16c側からジッパー15が破断していくこととなる。
【0029】
まず、伝票用紙10が、配達票12と予備片13bとの間において、副切り込み線16c、副切り込み線16b及び主切り込み線16aによって分離し、その分離部分が、主切り込み線16aの副切り込み線16bとは反対側の端部に達する。この際、主切り込み線16aは、その延びる方向が副切り込み線16bの延びる方向に対して垂直となっているものの、丸みを帯びて副切り込み線16bに繋がっているため、副切り込み線16bと主切り込み線16aとが繋がる部分から、配達票12を引っ張る方向に伝票用紙1が破断してしまうことがなく、配達票12と予備片13bとの分離部分が、副切り込み線16bから主切り込み線16aにスムーズに繋がることになる。
【0030】
配達票12と予備片13bとの分離部分が、主切り込み線16aの副切り込み線16bとは反対側の端部に達すると、
図4(a)に示すように、伝票用紙10が、主切り込み線16aの副切り込み線16bとは反対側の端部から配達票12を引っ張る方向に破断していくことになるが、その方向には切り込み部18の切り込み線17aが存在するため、
図4(b)に示すように、その破断部分19aが切り込み線17aに繋がることになる。
【0031】
そして、伝票用紙10の配達票12と予備片13bとの分離部分が、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部に達する。
【0032】
配達票12と予備片13bとの分離部分が、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部に達すると、
図4(c)に示すように、伝票用紙10が、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部から配達票12を引っ張る方向に破断していくことになる。ここで、本形態における切り込み部18は、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部が、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bの直線部分に複数の切り込み部18の配列方向にて対向しており、副切り込み線16bが、複数の切り込み部18の配列方向に対して垂直の方向に延びたものとなっている。そのため、副切り込み線16bが複数の切り込み部18の配列方向に対して配達票12を引っ張る方向に斜めに延びたものに対して、伝票用紙10が、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部から配達票12を引っ張る方向に破断していった場合でも、
図4(d)に示すように、その破断部分19bが、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bに繋がりやすくなっており、それにより、切り込み線17aと副切り込み線16bとが破断部分19bによって繋がることになる。
【0033】
このようにして、複数の切り込み部18が繋がっていくことでジッパー15が破断されていき、配達票12と予備片13bとが分離するとともに、配達票12がスリット14bによって予備片13aから分離し、
図3(c)に示すように、配達票12が配送ラベルから分離されることになる。その際、上記のように、伝票用紙10の破断部分が複数の切り込み部18の配列方向に対して配達票12側に斜めに向かった場合でも複数の切り込み部18が繋がることで、伝票用紙10の破断部分がジッパー15から逸れてしまうことがなく、伝票用紙10がジッパー15に沿わない領域にて切断されて紙むけ等が生じることが回避される。
【0034】
図5は、
図1に示した配送ラベルにおいて配達票12の予備片13b側の他方の角部を分離開始端として配達票12を配送ラベルから分離していく際のジッパー15の破断の様子を示す図である。
【0035】
図1に示した配送ラベルにおいて、配達票12の予備片13b側の図中右側の角部を分離開始端として摘み、
図5中矢印で示すように、配達票12の分離開始端に対して対角方向となる角部に向かって斜めの方向に引っ張るようにして配達票12を配送ラベルから分離していくと、
図5(a)に示すように、ジッパー15を構成する複数の切り込み部18において、主切り込み線16a側からジッパー15が破断していくこととなる。
【0036】
まず、
図5(a)に示すように、伝票用紙10が、配達票12と予備片13bとの間において、主切り込み線16a、副切り込み線16b及び副切り込み線16cによって分離し、その分離部分が、副切り込み線16cの副切り込み線16bとは反対側の端部に達する。この際、副切り込み線16bは、その延びる方向が主切り込み線16aの延びる方向に対して垂直となっているものの、丸みを帯びて主切り込み線16aに繋がっているため、主切り込み線16aと副切り込み線16bとが繋がる部分から、配達票12を引っ張る方向に伝票用紙1が破断してしまうことがなく、配達票12と予備片13bとの分離部分が、主切り込み線16aから副切り込み線16bにスムーズに繋がることになる。
【0037】
配達票12と予備片13bとの分離部分が、副切り込み線16cの副切り込み線16bとは反対側の端部に達すると、
図5(b)に示すように、伝票用紙10が、副切り込み線16cの副切り込み線16bとは反対側の端部から配達票12を引っ張る方向に破断していくことになる。ところが、副切り込み線16cが、副切り込み線16bの主切り込み線16aとは反対側の端部に繋がり、その端部から、主切り込み線16aが副切り込み線16bから延びる方向とは反対方向に延びたものであるとともに、隣接する切り込み部18の主切り込み線16a側の端部となる切り込み線17aの端部が、副切り込み線16bの直線部分に複数の切り込み部18の配列方向にて対向していることにより、副切り込み線16cの端部から配達票12を引っ張る方向には、隣接する切り込み部18の主切り込み線16aが存在することになるため、
図5(c)に示すように、その破断部分19が主切り込み線16aに繋がることになる。この際、本形態の副切り込み線16cが、副切り込み線16bとは反対側の端部が、隣接する切り込み部18の主切り込み線16aに向かって斜めに屈曲していることにより、伝票用紙10の破断部分19が、隣接する切り込み部18の主切り込み線16aに向かいやすくなる。
【0038】
このようにして、配達票12の予備片13b側の図中右側の角部を分離開始端とした場合でも、複数の切り込み部18が繋がっていくことでジッパー15が破断されていき、配達票12と予備片13bとが分離するとともに、配達票12がスリット14bによって予備片13aから分離し、
図3(c)に示すように、配達票12が配送ラベルから分離されることになる。その際、上記のように、伝票用紙10の破断部分が複数の切り込み部18の配列方向に対して配達票12側に斜めに向かった場合でも複数の切り込み部18が繋がることで、伝票用紙10の破断部分がジッパー15から逸れてしまうことがなく、伝票用紙10がジッパー15に沿わない領域にて切断されて紙むけ等が生じることが回避される。
【0039】
このように、本形態のジッパー15を用いることにより、切り込み部18の副切り込み線16c側から、複数の切り込み部18の配列方向に対して斜めの方向に配達票12を引っ張るようにして力を加えて伝票用紙10を配達票12と予備片13bとの間にて分離していく場合は、伝票用紙10の分離部分が、副切り込み線16c、副切り込み線16b及び主切り込み線16aを介して、主切り込み線16aの副切り込み線16bとは反対側の端部に達した後、その端部からの破断部分が切り込み線17aに繋がり、その後、この切り込み線17aの端部からの破断部分が、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bに繋がることとなり、また、切り込み部18の主切り込み線16a側から、複数の切り込み部18の配列方向に対して斜めの方向に配達票12を引っ張るようにして力を加えて伝票用紙10を配達票12と予備片13bとの間にて分離していく場合は、伝票用紙10の分離部分が、主切り込み線16a、副切り込み線16b及び副切り込み線16cを介して、副切り込み線16cの端部に達した後、副切り込み線16cの端部からの伝票用紙10の破断部分が、隣接する切り込み部18の主切り込み線16aに繋がることになるため、伝票用紙10に一方向に配列された複数の切り込み部18を用いて伝票用紙10を複数の領域に分離するジッパー15において、複数の切り込み部18の配列方向の左右いずれの方向から、複数の切り込み部18の配列方向に対して斜めの方向に力を加えて伝票用紙10を分離する場合でも、伝票用紙10が予定しない領域にて切断されて紙むけ等が生じることを回避することができる。またその際、上述したように、副切り込み線16bが、複数の切り込み部18の配列方向に対して垂直の方向に延びたものとなっていることにより、副切り込み線16bが複数の切り込み部18の配列方向に対して
図3中左下側から配達票12を引っ張る方向に斜めに延びたものに対して、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部からの破断部分が、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bに繋がりやすくなっている。そのため、副切り込み線16bが複数の切り込み部18の配列方向に対して配達票12を引っ張る方向に斜めに延びたものに対して、切り込み部10の主切り込み線16a側の端部となる、切り込み線17aの切り込み線17bとは反対側の端部と、隣接する切り込み部18の副切り込み線16bとの間隔を広く、かつ、主切り込み線16aの長さを短くすることができ、それにより、ジッパー15を複数の切り込み部18を繋げて破断しやすくしながらも、ジッパー部15が不用意に破断してしまうことを回避できる。
【0040】
なお、
図1に示したジッパー15としては、ジッパー15を構成し、互いに繋がることでシート媒体を2つの領域に分離する複数の切り込み部が、ジッパー15が延びる方向に配列して設けられ、複数の切り込み部のそれぞれが、複数の切り込み部の配列方向に延びた主切り込み線と、主切り込み線の一方の端部に丸みを帯びて繋がり、複数の切り込み部の配列方向に対して略垂直の方向に延びた第1の副切り込み線と、第1の副切り込み線の主切り込み線とは反対側の端部に繋がり、この端部から、主切り込み線が第1の副切り込み線から延びる方向とは反対方向に延びた第2の副切り込み線とを有し、切り込み部の主切り込み線側の端部が、隣接する切り込み部の第1の副切り込み線の直線部分に、複数の切り込み部の配列方向にて対向しているものであれば、
図2に示したものに限らない。
【0041】
図6は、
図1に示したジッパー15の変形例を示す図である。
【0042】
例えば
図6(a)に示すように、
図2に示した主切り込み線16aと切り込み線17bとが一体化して主切り込み線116aを構成したものであってもよい。
【0043】
また、
図6(b)に示すように、
図6(a)に示した構成においてさらに、第2の副切り込み線216cが、第1の副切り込み線216bと繋がった端部から、主切り込み線116aが副切り込み線116bから延びる方向とは反対方向に延びているものの、その端部が、隣接する切り込み部118の主切り込み線116aに向かって斜めに屈曲していないものであってもよい。
【0044】
また、
図6(c)に示すように、
図6(a)に示した構成においてさらに、第2の副切り込み線216cが、第1の副切り込み線216bと繋がった端部から、主切り込み線216aが副切り込み線216bから延びる方向とは反対方向において、隣接する切り込み部218の主切り込み線216aに向かって屈曲せずに斜めに向かっているものであってもよい。