特許第6703923号(P6703923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703923
(24)【登録日】2020年5月13日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/12 20060101AFI20200525BHJP
   B65G 17/36 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   B65G17/12 E
   B65G17/36 A
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-195533(P2016-195533)
(22)【出願日】2016年10月3日
(65)【公開番号】特開2018-8821(P2018-8821A)
(43)【公開日】2018年1月18日
【審査請求日】2019年6月5日
(31)【優先権主張番号】特願2016-133574(P2016-133574)
(32)【優先日】2016年7月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 周平
(72)【発明者】
【氏名】中川 康一
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭56−158417(JP,U)
【文献】 実開昭55−002853(JP,U)
【文献】 米国特許第04333561(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向に沿って配置された環状部材と、
前記環状部材の外周面に装着された複数のバケットとを備え、
前記環状部材の走行により、前記バケットで粒体を掬い取り、掬い取った前記粒体を前記バケットに保持しつつ上方に搬送し、上方に搬送した前記粒体を前記バケットから放出するように構成された搬送装置において、
前記バケットは、主バケットと、前記主バケットよりも前記環状部材の走行方向の下流側に配置された副バケットであって、前記粒体を保持する保持部の少なくとも一部が、前記粒体が通過可能な複数の貫通孔が形成された網目状である副バケットとを含み、
前記環状部材の走行により前記副バケットが下方から上方に移動するときに、前記副バケットの前記保持部に保持された前記粒体の一部が、前記複数の貫通孔を通過して落下し、前記落下した粒体の少なくとも一部が、前記副バケットよりも前記走行方向の上流側に配置された前記主バケットに保持されるように構成されたことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記複数の貫通孔は、それぞれ、各辺の長さが5〜20mmの矩形状であることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記副バケットが前記主バケットよりも軽量であることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記副バケットの容量が前記主バケットの容量よりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記走行方向に互いに隣接する前記主バケット及び前記副バケットの組が前記走行方向に複数配置されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物乾燥機等においてバケットで粒体を掬い取り搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機等で用いられる搬送装置において、特許文献1及び特許文献2に示されたものが知られている。特許文献1及び特許文献2に記載の搬送装置は、共に、鉛直方向に沿って配置された環状部材(ベルト)と、環状部材の外周面に装着された複数のバケットとを備え、環状部材の走行により、バケットで粒体(穀物)を掬い取り、掬い取った粒体をバケットに保持しつつ上方に搬送し、上方に搬送した粒体をバケットから放出するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭56−151209号公報
【特許文献2】実開昭59−043413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に記載の搬送装置では、粒体の掬い取り量がバケットの容量に満たない場合や、掬い取った粒体が搬送中に遠心力や振動でバケットからこぼれ落ちた場合、バケットの容量に余裕があるにも関わらずこれを有効に利用することができず、搬送能力が低下(粒体の放出量が減少)してしまう。また、搬送能力を向上させるため、単にバケットの数を増やすと、バケットの重量とバケットが保持する粒体の重量とで重量過多となり、環状部材の駆動部にかかる負荷が大きくなるという問題や、環状部材のスリップや振れ等が生じることで粒体がバケットからこぼれ落ちて搬送能力が低下するという問題が生じ得る。
【0005】
本発明の目的は、重量過多による上記のような問題を抑制しつつ搬送能力を向上させることが可能な搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によると、鉛直方向に沿って配置された環状部材と、前記環状部材の外周面に装着された複数のバケットとを備え、前記環状部材の走行により、前記バケットで粒体を掬い取り、掬い取った前記粒体を前記バケットに保持しつつ上方に搬送し、上方に搬送した前記粒体を前記バケットから放出するように構成された搬送装置において、前記バケットは、主バケットと、前記主バケットよりも前記環状部材の走行方向の下流側に配置された副バケットであって、前記粒体を保持する保持部の少なくとも一部が、前記粒体が通過可能な複数の貫通孔が形成された網目状である副バケットとを含み、前記環状部材の走行により前記副バケットが下方から上方に移動するときに、前記副バケットの前記保持部に保持された前記粒体の一部が、前記複数の貫通孔を通過して落下し、前記落下した粒体の少なくとも一部が、前記副バケットよりも前記走行方向の上流側に配置された前記主バケットに保持されるように構成されたことを特徴とする搬送装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、副バケットから落下した粒体を主バケットに保持させることで、主バケットの容量を有効に利用することができる。また、単にバケット(主バケット)の数を増やすのではなく、保持された粒体の一部又は全てが複数の貫通孔を通過して落下する構成の副バケットを追加することで、重量過多を回避し、環状部材の駆動部にかかる負荷が大きくなるという問題や、環状部材のスリップや振れ等が生じることで粒体がバケットからこぼれ落ちて搬送能力が低下するという問題を抑制することができる。つまり、本発明によれば、重量過多による上記のような問題を抑制しつつ搬送能力を向上させることが可能である。
【0008】
また、本発明は、前記環状部材の走行により前記副バケットが下方から上方に移動するときに、前記副バケットの前記保持部に保持された前記粒体の一部が、前記複数の貫通孔を通過して落下し、前記落下した粒体の少なくとも一部が、前記副バケットよりも前記走行方向の上流側に配置された前記主バケットに保持されるように構成されている。この場合、主バケットのみならず副バケットにも搬送機能を持たせることで、搬送能力をさらに向上させることができる。
なお、前記複数の貫通孔は、それぞれ、各辺の長さが5〜20mmの矩形状であってよい。
【0010】
前記副バケットが前記主バケットよりも軽量であってよい。この場合、副バケットの重量が主バケットの重量以上である場合に比べ、より確実に、重量過多による上記のような問題を抑制することが可能である。
【0011】
前記副バケットの容量が前記主バケットの容量よりも小さくてよい。この場合、副バケットの容量が主バケットの容量以上である場合に比べ、より確実に、重量過多による上記のような問題を抑制することが可能である。
【0012】
前記走行方向に互いに隣接する前記主バケット及び前記副バケットの組が前記走行方向に複数配置されてよい。この場合、より確実に搬送能力を向上させることが可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、重量過多による問題を抑制しつつ搬送能力を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る搬送装置を含む穀物乾燥機を示す側面図である。
図2図1のII−II線に沿った穀物乾燥機の内部を示す概略断面図である。
図3図1のIII−III線に沿った本発明の実施形態に係る搬送装置の概略断面図である。
図4図3に示す領域IVの斜視図である。
図5】本発明の参考形態に係る搬送装置の図3に対応する概略断面図である。
図6図5に示す領域VIの斜視図である。
図7】(a)は副バケットの正面図、(b)は副バケットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施形態>
本発明の実施形態に係る搬送装置50は、図1に示すように、穀物乾燥機100に適用されている。
【0016】
穀物乾燥機100は、穀物(米、麦、粟、稗、豆、黍等)を乾燥させるための機械であって、ハウジング100xと、ハウジング100xの側方に配置された搬送装置50と、制御盤やバーナが収容されたケース60と、吸引ファン70とを有する。ハウジング100xにおける図1の紙面手前側の側面、及び、搬送装置50の下方には、それぞれ、穀物を張り込むための張込口81,82が設けられている。
【0017】
ハウジング100xの内部には、図2に示すように、上から順に、穀物を貯留する貯留部10と、貯留部10から受けた穀物を乾燥させる乾燥部20と、乾燥部20から受けた穀物を搬送装置50に搬送する集穀部30とが設けられている。
【0018】
乾燥部20は、それぞれ網板20a,20bによりV字状に形成された一対の穀物通路20x,20yと、各穀物通路20x,20yの下端に配置されたロータリーバルブ21x,21yとを有する。
【0019】
穀物通路20x,20yの間には、バーナから吸引ファン70に向かって熱風が通る熱風路25が形成されている。穀物通路20x,20yの外側には、それぞれ吸引ファン70に通じる排風路26が形成されている。ファンモータ70M(図1参照)の駆動により吸引ファン70が回転すると、熱風路25内の熱風が各穀物通路20x,20yを経てその外側の排風路26を通り、吸引ファン70を介して穀物乾燥機100の外部に排出される。穀物は、ロータリーバルブ21x,21yの間欠回転により、貯留部10から乾燥部20に移動し、穀物通路20x,20yを通って下方に移動する際に上記熱風を浴びて乾燥され、集穀部30に繰り出される。
【0020】
集穀部30は、水平方向(図1の左右方向)に延在する螺旋状の下部コンベア31を有する。乾燥部20から集穀部30に繰り出された穀物、及び、張込口81から張り込まれた穀物は、下部コンベア31によって水平方向(図1の右から左に向かう方向)に搬送装置50の下部に搬送される。
【0021】
集穀部30から搬送装置50に搬送された穀物は、後に詳述するように搬送装置50によって下方から上方に搬送されて上方で放出された後、水平方向(図1の左右方向)に延在する螺旋状の上部コンベア(図示略)によって水平方向(図1の左から右に向かう方向)に搬送され、上部コンベアから落下して貯留部10に戻される。即ち、穀物は、水分値が目標値まで低下するまで、貯留部10、乾燥部20、集穀部30、搬送装置50を経て再び貯留部10に戻るように、循環する(図1の白抜き矢印参照)。一方、水分値が目標値まで低下した穀物は、搬送装置50によって下方から上方に搬送された後、排出口90から排出される。
【0022】
搬送装置50は、図3に示すように、鉛直方向に互いに離隔して配置されたプーリ3a,3bと、プーリ3a,3bに巻回されることで鉛直方向に沿って配置されたベルト2と、ボルト・ナット、リベット等の固定部材(図示略)によりベルト2の外周面2xに装着された複数のバケット1x,1yとを有する。複数のバケット1x,1yは、ベルト2の周方向に等間隔(図4に示すように間隔L)で配置されている。搬送装置50は、ベルト2の走行により、バケット1x,1yで穀物を掬い取り、掬い取った穀物をバケット1x,1yに保持しつつ上方に搬送し、上方に搬送した穀物をバケット1x,1yから放出するように構成されている。
【0023】
プーリ3a,3bは、上側のプーリ3aが駆動プーリ、下側のプーリ3bが従動プーリであり、搬送モータ50M(図1参照)の駆動により回転する。
【0024】
ベルト2は、平ベルト、Vベルト、タイミングベルト等であり、例えば、未加硫のゴム組成物がフリクション処理により両面に付着した複数の布帛をそれぞれ未加硫のゴム組成物をコーチング処理により片面に形成した上で積層し互いに接着することで形成された布帛積層体を、未加硫のゴム組成物がフリクション処理により両面又は片面に付着した外被布で被覆し、これをフラットの熱プレス盤で順次送り焼き(加硫)して形成されたものである。
【0025】
布帛の材料、積層数、幅は、ベルト2の片側に装着されたバケット1x,1y及びこれに搬送される穀物の質量、張力安全率、固定部材の引き抜き力、引き抜き安全率、負荷張力、掬い込み抵抗、有効張力、最大張力、伝達効率と耐久性から最小プーリ径以下に合致した積層枚数、ベルト速度等から決められる。布帛は、合成繊維(ポリエステル、ポリアミド、アラミド、ビニロン等)、天然繊維(綿等)、又は、合成繊維と天然繊維との混紡繊維から構成されてよい。布帛を構成する繊維は、用途に応じて選択されるが、コスト、汎用性の面から、一般的には綿が最も好ましい。また、布帛は、経糸と緯糸とを90°又は90°を超える交差角度で織製された平織り、綾織り、朱子織り等の織物、経編又は緯編の編物、等であってよい。布帛が織布である場合、布帛の密度は、経糸が30〜60本/5cm、緯糸が30〜50本/5cmであることが好ましい。なお、布帛の材料として、外被布として汎用されている繊維材料を用いてもよい。ゴム組成物が付着した布帛の厚みの平均は、布帛の種類等にもよるが、例えば0.5〜3.0mm、好ましくは1.0〜2.5mm、さらに好ましくは1.5〜2.0mmであってよい。布帛の厚みが小さすぎると、固定部材の引き抜き力の低下、穀物搬送能力が低下する可能性がある。布帛の厚みが大きすぎると、プーリ3a,3bに対する巻回角度が小さくなり動力伝達効率が大きく低下して穀物搬送能力が大きく低下する可能性がある。
【0026】
各バケット1x,1yは、外周面2xに取り付けられる取付部1aと、穀物を保持する保持部1bとを有する。
【0027】
取付部1aは、外周面2xに沿うように延在している。取付部1aには、2つの貫通孔1ahが形成されている(図4照)。各バケット1x,1yは、当該2つの貫通孔1ahとベルト2に形成された各貫通孔1ahに対応する貫通孔とにそれぞれ固定部材を挿入することで、ベルト2に固定されている。
【0028】
保持部1bは、取付部1aにおけるベルト2の走行方向(以下、単に「走行方向」という。)の上流端から、当該上流端よりも走行方向の下流側でかつ外周面2xから離れた位置まで延在している。保持部1bは、ベルト2の幅方向から見て湾曲形状を有する。
【0029】
各バケット1x,1yにおけるベルト2の幅方向の両側部は、側板1s1,1s2によって閉鎖されている。
【0030】
バケットは、主バケット1xと、副バケット1yとを含む。搬送装置50においては、走行方向に互いに隣接する主バケット1x及び副バケット1yの組が走行方向に複数配置されている。各組において、副バケット1yは主バケット1xよりも走行方向の下流側に配置されている。
【0031】
副バケット1yの保持部1bには、穀物が通過可能な複数の貫通孔1bhが形成されている。本実施形態では、保持部1bの少なくとも一部が網目状(各貫通孔1bhが矩形状)であり、網目の寸法(各貫通孔1bhの各辺の長さ)は、籾長=7.33mm・籾幅=3.44mm(籾長×籾幅=25.2mm2)の場合、5〜20mm(好ましくは10〜18mm、より好ましくは12〜15mm)であってよい。
【0032】
副バケット1yは、主バケット1xよりも軽量である。
【0033】
各バケット1x,1yは、ベルト2の走行に伴って移動する過程において、上方から下方に移動してプーリ3bの外周に沿って回転するときに、穀物を掬い取る(図3の位置P1にあるバケット1y参照)。そして各バケット1x,1yは、穀物を保持部1bに保持しつつ、下方から上方に移動し、プーリ3aの外周に沿って回転するときに、穀物を放出する(図3の位置P2にあるバケット1y参照)。
【0034】
さらに本実施形態では、図3及び図4に示すように、ベルト2の走行により副バケット1yが下方から上方に移動するときに、保持部1bに保持された穀物の一部が、複数の貫通孔1bhを通過して落下し、当該落下した穀物の少なくとも一部が、副バケット1yよりも走行方向の上流側に配置された主バケット1xに保持される。このとき、副バケット1yの保持部1bに保持された穀物は、全てではなく一部のみが、副バケット1yの下方から上方への移動の過程で、徐々に落下する。落下せず保持部1bに残された穀物は、副バケット1yにより位置P2まで搬送されて位置P2にて放出される。
【0035】
以上に述べたように、本実施形態によれば、副バケット1yから落下した穀物を主バケット1xに保持させることで、主バケット1xの容量を有効に利用することができる。また、単にバケット(主バケット1x)の数を増やすのではなく、保持された穀物の一部が複数の貫通孔1bhを通過して落下する構成の副バケット1yを追加することで、重量過多を回避し、ベルト2の駆動部にかかる負荷が大きくなるという問題や、ベルト2のスリップや振れ等が生じることで穀物がバケット1x,1yからこぼれ落ちて搬送能力が低下するという問題を抑制することができる。つまり、本実施形態によれば、重量過多による上記のような問題を抑制しつつ搬送能力を向上させることが可能である。
【0036】
本実施形態に係る搬送装置50は、ベルト2の走行により副バケット1yが下方から上方に移動するときに、保持部1bに保持された穀物の一部が、複数の貫通孔1bhを通過して落下し、当該落下した穀物の少なくとも一部が、副バケット1yよりも走行方向の上流側に配置された主バケット1xに保持されるように構成されている。この場合、主バケット1xのみならず副バケット1yにも搬送機能を持たせることで、搬送能力をさらに向上させることができる。
【0037】
副バケット1yが主バケット1xよりも軽量である。この場合、副バケット1yの重量が主バケット1xの重量以上である場合に比べ、より確実に、重量過多による上記のような問題を抑制することが可能である。
【0038】
走行方向に互いに隣接する主バケット1x及び副バケット1yの組が走行方向に複数配置されている。この場合、より確実に搬送能力を向上させることが可能である。
【0039】
参考形態>
続いて、図5及び図6を参照し、本発明の参考形態について説明する。
【0040】
本参考形態は、副バケット1yの構成が上述の実施形態と異なり、それ以外は上述の実施形態と同じである。本参考形態の副バケット1yは、上述の実施形態の副バケット1yよりも、サイズが小さく、かつ、網目の寸法が大きい。
【0041】
本参考形態の副バケット1yの容量は、主バケット1xの容量よりも小さい。
【0042】
本参考形態の副バケット1yにおいて、網目の寸法(各貫通孔1bhの各辺の長さ)は、籾長=7.33mm・籾幅=3.44mm(籾長×籾幅=25.2mm2)の場合、10〜25mm(好ましくは13〜23mm、より好ましくは15〜20mm)であってよい。
【0043】
なお、本参考形態の副バケット1yは、上述の実施形態の副バケット1yと同様、主バケット1xよりも軽量である。
【0044】
本参考形態では、ベルト2の走行により副バケット1yが下方から上方に移動するときに、保持部1bに保持された穀物の全てが、複数の貫通孔1bhを通過して落下し、当該落下した穀物の少なくとも一部が、副バケット1yよりも走行方向の上流側に配置された主バケット1xに保持される。このとき、副バケット1yの保持部1bに保持された穀物は、全て、副バケット1yの下方から上方への移動の過程で、徐々に落下する。副バケット1yから落下した穀物は、当該副バケット1yよりも走行方向の上流側に配置された主バケット1xに、当該主バケット1xの容量の範囲内において、保持される。主バケット1xから溢れ出た穀物は、落下し、上部コンベアには搬送されない。
【0045】
以上に述べたように、本参考形態によれば、上述の実施形態と同様の構成により同様の効果を得ることができると共に、以下のような効果を得ることができる。
【0046】
即ち、本参考形態に係る搬送装置50は、ベルト2の走行により副バケット1yが下方から上方に移動するときに、保持部1bに保持された穀物の全てが、複数の貫通孔1bhを通過して落下し、当該落下した穀物の少なくとも一部が、副バケット1yよりも走行方向の上流側に配置された主バケット1xに保持されるように構成されている。この場合、副バケット1yに搬送機能を持たせず、副バケット1yに保持される穀物分の荷重をなくすことで、重量過多をより確実に回避し、ベルト2の駆動部にかかる負荷が大きくなるという問題や、ベルト2のスリップや振れ等が生じることで穀物がバケット1x,1yからこぼれ落ちて搬送能力が低下するという問題を、より確実に抑制することができる。
【0047】
副バケット1yの容量が主バケット1xの容量よりも小さい。この場合、副バケット1yの容量が主バケット1xの容量以上である場合に比べ、より確実に、重量過多による上記のような問題を抑制することが可能である。
【実施例】
【0048】
本願発明者等は、比較例実施例及び参考例に係る搬送装置における搬送能力(穀物の放出量)を評価する実験を行った。
【0049】
比較例実施例及び参考例に係る搬送装置は、共に、上述の実施形態に係る穀物乾燥機100と同様の構成の穀物乾燥機に適用された搬送装置50において、径200mm・幅170mm・軸間距離2416mmのプーリ3a,3bを用い、ベルト2として平ベルト(幅140mm、長さ5460mm、厚み8.0mm)を用いたものである。比較例では平ベルトに対してバケット(主バケットのみ)を420mmのピッチで13個取り付け、実施例及び参考例では平ベルトに対して主バケット及び副バケットを210mmのピッチで交互に計26個取り付けた。
【0050】
比較例に係る主バケットは、上述の実施形態に係る主バケット1xと同様の構成である。実施例に係る主バケット及び副バケットは、上述の実施形態に係るバケット1x,1yと同様の構成である。参考例に係る主バケット及び副バケットは、上述の参考形態に係るバケット1x,1yと同様の構成である。
【0051】
比較例実施例及び参考例において、各部の寸法A〜F,a〜c(図7(a),(b)参照)は、下記表1のとおりである。なお、寸法a〜cは、副バケットにのみ適用される。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
表2では、比較例の各主バケット、実施例の各主バケット及び各副バケット、並びに、参考例の各主バケットの容量を「10」としている。比較例及び実施例において、各バケットによる掬い取り量は「8」であった。参考例において、各主バケットによる掬い取り量は「8」、各副バケットによる掬い取り量は「4」であった。比較例では、各主バケットによる穀物の放出量も「8」であった。これに対し、実施例では、各副バケットは、下方から上方に移動するときに穀物の一部(容量「5」)が落下して、穀物の放出量が「3(=8−5)」となり、各主バケットは、副バケットから落下した穀物を受けると共に容量を超過した分が当該主バケットから溢れ出し、穀物の放出量が「10(=8+5−3)」となった。参考例では、各副バケットは、下方から上方に移動するときに穀物の全て(掬い取り量「4」)が落下し、各主バケットは、副バケットから落下した穀物を受けると共に容量を超過した分が当該主バケットから溢れ出し、穀物の放出量が「10(=8+4−2)」となった。
【0055】
つまり、表2に示すとおり、実施例及び参考例の主バケットは、容量の上限の穀物を放出することができた。これにより、参考例では、比較例よりも穀物の放出量(合計)が3割ほど多くなった。実施例では、副バケットにも搬送機能を持たせたことで、比較例よりも穀物の放出量(合計)が6割ほど多くなった。
【0056】
さらに、時間当たりの穀物の水分値の減少率(乾減率)が0.8%/h以上にならないように熱風の温度等を調節したところ、実施例では、比較例に比べ、穀物の水分値が目標値まで低下するのに要する時間が2割ほど短縮された。参考例では、比較例に比べ、穀物の水分値が目標値まで低下するのに要する時間が1割ほど短縮された。
【0057】
以上、本発明の好適な実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0058】
・本発明に係る搬送装置は、穀物乾燥機に適用されることに限定されず、穀物乾燥機以外の農業機械に適用されてもよく、また、農業機械以外の機械(例えば土木機械)に適用されてもよい。
・粒体は、穀物に限定されず、例えば土砂等であってもよい。
・ベルトは、布帛を含まずゴム組成物のみから構成されてもよい。
・環状部材は、ベルトに限定されず、例えばチェーン等であってもよい。
・各バケットにおける環状部材に対する固定部は、2箇所に限定されず、1箇所又は3箇所以上であってもよい。また、各バケットに固定部が複数ある場合に、複数の固定部は、環状部材の幅方向に沿って配置されることに限定されず、環状部材の長手方向に沿って配置されてもよい。
・各バケットのサイズや形状は、任意に変更可能である。
・副バケットは、主バケットよりも軽量であることに限定されず、例えば主バケットと同じ重量であってもよい。
・副バケットの容量は、主バケットの容量以上であってもよい。また、上述の実施形態において、副バケットの容量が主バケットの容量より小さくもてよい。
【符号の説明】
【0059】
1x 主バケット(バケット)
1y 副バケット(バケット)
1b 保持部
1bh 貫通孔
2 ベルト(環状部材)
2x 外周面
50 搬送装置
100 穀物乾燥機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7