(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6703941
(24)【登録日】2020年5月13日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】シェード構造
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20200525BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20200525BHJP
E06B 9/68 20060101ALI20200525BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
E06B9/42 A
E06B9/17 Z
E06B9/68 A
A61L2/10
【請求項の数】7
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-530445(P2016-530445)
(86)(22)【出願日】2014年7月24日
(65)【公表番号】特表2016-532028(P2016-532028A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】EP2014065967
(87)【国際公開番号】WO2015014720
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2017年5月24日
(31)【優先権主張番号】TV2013U000035
(32)【優先日】2013年8月1日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516031244
【氏名又は名称】アントニアッツィ,マルコ
【氏名又は名称原語表記】ANTONIAZZI, MARCO
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アントニアッツィ,マルコ
【審査官】
鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−038662(JP,A)
【文献】
特開2013−108238(JP,A)
【文献】
特開2002−227566(JP,A)
【文献】
特開平06−158963(JP,A)
【文献】
特開2008−106544(JP,A)
【文献】
特開2005−127107(JP,A)
【文献】
特開2002−038846(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/136917(WO,A1)
【文献】
中国実用新案第202582005(CN,U)
【文献】
米国特許第06168291(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00
E06B 9/02
E06B 9/06−9/18
E06B 9/24−9/388
E06B 9/40−9/50
E06B 9/56−9/92
A47H 1/00−23/14
A61L 2/00−2/28
A61L 11/00−12/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェード構造(1、101)であって、水平のボックス(2、102)を含み、前記ボックス(2、102)は下方領域において開口部(5、105)を有し、前記開口部(5、105)から出るシェード(8、108)が結合されたモータ駆動ローラ(9、109)と、前記ボックス(2、102)内に、1対の殺菌ランプ間を通された前記シェードを消毒するように、前記ボックス(2、102)の前記開口部(5、105)に隣接する領域において互いに対向して配置された1対の殺菌ランプ(13a、13b、113a、113b)とを内部に含み、
平面図において多角形の横断面を有する前記ボックス(2)は、カバー(4a、4b)によって閉鎖可能な開放された端(3a、3b)を有し、下側(6)の中央領域には前記開口部(5)があり、前記開口部(5)は1対のブラシ(7a、7b)によって部分的に閉鎖されており、前記1対のブラシ(7a、7b)は、前記シェード(8)がそれらの間を通ることを可能にするように互いに対向して配置され、または、
前記ボックス(102)は横断面図において、丸みを帯びて下方へ向けられた頂点(117)を有する涙の滴形または三角形であり、前記頂点(117)には前記開口部(105)が規定されていることを特徴とし、
前記ローラ(9、109)は前記ボックス(2、102)内にあり、モータを含み、前記1対のブラシ(7a、7b)または前記頂点(117)の上方にそれに対してずれて位置する領域に配置されており、前記ローラ(9、109)は管によって構成され、オプションで取外し可能な適合された軸方向モータによって動かされることを特徴とする、シェード構造。
【請求項2】
前記シェード(8、108)は前記ローラ(9、109)の周りに巻きつけられ、その一端(10、110)は釣り合いおもり(11、111)と結合され、前記シェード(8、108)の配置面に隣接する領域には1対のガイド(12a、12b、112a、112b)が配置され、前記シェード(8、108)はそれらの間を摺動するようにされることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記ガイド(112a、112b)は、前記シェード(108)が摺動する略S字形の迷路を規定するように、前記ボックス(102)の内部の方向において互いに平行に配置され、前記ガイド(112a、112b)は、前記シェード(108)を誘導するように、および光が前記ボックス(102)から出るのを防止するように適合されていることを特徴とする、請求項2に記載の構造。
【請求項4】
前記1対の殺菌ランプ(13a、13b)は、前記シェード(8)が前記1対のランプの軸に略垂直な状態で1対のガイド(12a、12b)間に位置付けられるように、前記1対のガイド(12a、12b)の下に位置する領域に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の構造。
【請求項5】
前記1対の殺菌ランプ(13a、13b、113a、113b)は、UV−C光線を用いたタイプであることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【請求項6】
前記1対の殺菌ランプ(13a、13b、113a、113b)は、前記ローラ(9、109)のモータが前記シェード(8、108)を昇降する間、前記モータとともに起動されることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【請求項7】
前記ボックス(2、102)の前面(15)上に、オン/オフインジケータ(16)と経過時間計測器(14)とが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シェード構造に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、たとえば窓を横切って摺動できるようになるためにたとえば一端でポールと摺動可能に結合され得るシェードを提供すること、またはシェードが自動昇降を可能にするモータ駆動ローラに巻きつけられ得ることは、公知である。
【0003】
公知技術で昨今見つかっている課題はシェードの不十分な衛生状態からなり、シェードは、洗浄されるために周期的に取外され、その後定位置に戻されなければならない。
【0004】
さらに、たとえば病院またはクリニックまたは医学研究室またはジムなどの特定の環境で従来のシェードを使用することは、それらにほこりが堆積することに加えて、それらがバクテリアの増殖のための肥沃な場所になることを考慮すると、不可能である、ということが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この出願の狙いはしたがって、引用された公知技術における欠点をなくし、それにより、高度の清潔な衛生状態が必要とされる特別な環境においても採用され得るシェードを提供することによって、上述の技術的課題を解決することである。
【0006】
この狙いにおいて、この発明の目的は、その使用が長期間延長可能であり、このためシェードの連続的および周期的な洗浄を適切に実行する必要性をなくす、シェードを提供することである。
【0007】
この発明の別の目的は、使用されない場合でもシェードを最高に清潔な衛生状態で維持することを可能にする発明を提供することである。
【0008】
別の目的は、構造的に単純で低コストであり、通常の従来の工場で作ることができる発明を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下により明らかになるであろう、この狙いならびにこれらのおよび他の目的は、シェード構造であって、水平のボックスを含み、ボックスは下方領域において開いており、オプションのガイドと協働する、シェードが結合されたモータ駆動ローラと、少なくとも1つの殺菌ランプとを内部に含むことを特徴とする、シェード構造によって達成される。
【0010】
この発明のさらなる特徴および利点は、添付図面に非限定的な例として示された、特定のものであるものの排他的ではない実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】シェードが部分的に降ろされた構造の斜視図である。
【
図3】ボックスが部分的に切り取られたシェード構造の斜視図である。
【
図5】この発明のさらなる一実施形態の、前の図と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図示された実施形態では、特定の例に関して示された個々の特徴は、実際には、他の実施形態に存在する他の異なる特徴と交換されてもよい。
【0013】
図を参照して、参照符号1は概してシェード構造を示し、それは、金属、またはプラスチック材料、または複合材料で作られた水平のボックス2によって構成されている。ボックス2は好ましくは、平面図において多角形、好ましくは正方形の横断面を有する。
【0014】
ボックス2は、適合されたカバー4a、4bによって閉鎖可能な開放された端3a、3bを有する。また、下側6の中央領域には開口部5もある。
【0015】
開口部5は1対のブラシ7a、7bによって部分的に閉鎖されており、1対のブラシ7a、7bは、シェード8がそれらの間を通ることを可能にするように互いに対向して配置されている。
【0016】
シェードは有利には難燃性の織物で作られており、それはまたオプションで、汚れが内部に浸透するのを防止するように繊維を閉鎖してそれに撥水性を持たせるように化学的に処理され得る。
【0017】
有利には、シェード8は、250〜300g/m
2間で可変である重量を有する。
1対のブラシ7a、7bの機能は、ほこりの侵入を防ぐことである。
【0018】
ボックス2内にはローラ9が設けられ、それはモータ駆動され、有利には、1対のブラシ7a、7bの上方にそれらに対してずれて位置する領域に配置されている。
【0019】
ローラ9は有利には、アルミニウム管によって構成され、オプションで取外し可能な適合された軸方向モータによって動かされる。
【0020】
シェード8はローラ9の周りに巻きつけられ、その一端10は有利には釣り合いおもり11と結合されている。
【0021】
ローラ9と1対のブラシ7a、7bとの間の中間領域には、1対のガイド12a、12bが有利に配置され、シェード8はそれらの間を摺動するようにされる。
【0022】
1対のガイド12a、12bの機能は、下に位置する開口部5でのシェード8の正確な位置付けを誘導することである。
【0023】
ボックス2内には1対の殺菌ランプ13a、13bが設けられ、それらは、ボックス2の下側6に隣接する領域において互いに対向して配置されている。
【0024】
有利には、1対の殺菌ランプ13a、13bは、シェード8が1対のランプの軸に略垂直な状態で1対のガイド12a、12b間に位置付けられるように、1対のガイド12a、12bの下に位置する領域に配置されている。
【0025】
1対の殺菌ランプ13a、13bは好ましくは、UV−C光線を用いたタイプであり、たとえば、ライトプログレス(Light Progress)社のUV DIRECT E75H−Hモデルで、それは織物を消毒する。
【0026】
有利には、1対の殺菌ランプ13a、13bは、ローラ9のモータがシェード8を昇降する間、モータとともに起動される。
【0027】
1対のブラシ7a、7bの別の機能は、ランプの光線がボックス2の外部に出るのを防止することである。
【0028】
同様に有利には、ボックス2の前面15上に配置された経過時間メータ14が存在する。
【0029】
同様に有利には、オン/オフインジケータ16も前面15上に存在しており、その機能は、ランプが運転中かどうかを表示することである。
【0030】
このように、この発明は意図された狙いおよび目的を十分に達成し、高度の清潔な衛生状態が必要とされる特別な環境においても使用され得るシェード構造が得られ、シェードは使用のたびに消毒され、使用されないときにはボックスに保存される、ということが分かっている。
【0031】
明らかに、この発明の個々の構成要素の寸法および使用される材料は、特定の要件に従ってより適切であってもよい。
【0032】
このため、たとえば、
図5は、シェード構造101が、横断面図において、丸みを帯びて下方へ向けられた頂点117を有する涙の滴形または三角形である水平のボックス102によって構成される解決策を示す。頂点117には開口部105が規定されている。
【0033】
ボックス102内にはローラ109が設けられ、それはモータ駆動され、有利には、頂点117の上方にそれに対してずれて位置する領域に配置されている。
【0034】
シェード108はローラ109の周りに巻きつけられ、その一端110は有利には、ボックス102内で開口部105と軸方向に整列して作用する釣り合いおもり111と結合されている。
【0035】
開口部105と隣接して、1対のガイド112a、112bが設けられ、それらは、シェード108が摺動する略S字形の迷路を規定するように、ボックス102の内部の方向において互いに平行に配置されている。
【0036】
1対のガイド112a、112bの機能は、下に位置する開口部105でのシェード108の正確な位置付けを誘導すること、および光がボックス102から出るのを防止することである。
【0037】
ボックス102内には1対の殺菌ランプ113a、113bが設けられ、それらは、ボックス102の頂点117に隣接する領域において互いに対向して配置されている。
【0038】
有利であり、便利であり、または同様であるとして上述された特徴はなくてもよく、もしくは同等の特徴によって置換えられてもよい。
【0039】
本願が優先権を主張する基となるイタリア実用新案出願第TV2013U000035号における開示が、ここに引用により援用される。
【0040】
請求項で述べられた技術的特徴には参照符号が続いているが、これらの参照符号は請求項の理解度を高めるという目的のためにのみ含まれたものであり、したがって、そのような参照符号は、そのような参照符号によって一例として識別された各要素の解釈に対して限定的な効果を何ら有さない。