(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電気自動車は乗用車を中心に普及が進んでいるが、近年では、トラック等を含めた商用車においても開発及び研究が進められている。ここで
図5を参照して、走行用動力源としてモータを備えるトラック車両(電動トラック)1’の概略構成について説明する。
図5は典型的な電動トラック1’の概略構成を上方から示す模式図である。
電動トラック1’は、車両前後方向に延在した左右一対のサイドレール2と、サイドレール2間に配設される複数のクロスメンバ4と、を備える、ラダーフレーム3上に、キャブ5及び荷台(不図示)が搭載されてなる。一対のサイドレール2は、車幅方向に所定間隔を有するように設けられる。クロスメンバ4は、車幅方向に延在して両端が各サイドレール2に接続され、車両前後方向に所定間隔を有するように複数設けられている。
【0005】
このようなラダーフレーム3上には、動力源であるモータ6と、モータ6に連結されるギアボックス8と、ギアボックス8に連結されるプロペラシャフト10と、プロペラシャフト10に連結される差動装置12と、差動装置12に連結されるドライブシャフト14と、が設けられる。モータ6の出力はギアボックス8にて減速され、プロペラシャフト10を介して差動装置12に伝達される。差動装置12はプロペラシャフト10から伝達された動力を、ドライブシャフト14を介して、所定比率で左右の車輪16に伝達することにより、電動トラック1’の走行が実現される。尚、左右一対のドライブシャフト14は、それぞれ左右の懸架装置20によってラダーフレーム3に対して懸架されている。
【0006】
このような構成を有する電動トラック1’では、モータ6の出力は、ギアボックス8、プロペラシャフト10及び差動装置12を介して車輪側に伝達されるため、動力の伝達効率に少なからずロスが発生する。特にプロペラシャフト10はユニバーサルジョイントを備え、ロスが発生しやすい。このようなロスを軽減するための解決策として、例えば、ロス発生の大きな要因であるプロペラシャフト10を排除したパワートレイン構造を採用することが考えられる。しかしながら、プロペラシャフト10を排除した構成では、モータ6やギアボックス8が差動装置12に一体となるため、バネ下重量の増加による乗り心地の悪化や、路面から入力される振動がモータ6やギアボックス8に伝達しやすくなることで耐久性が低下するおそれがある。
【0007】
また電動トラックでは、航続距離を長く確保できるようにモータ6に供給する電力を蓄えるバッテリの容量増大が望まれる。このような要求に対応するために、バッテリの搭載スペースを拡大する必要があるが、
図5に示されるようなフレーム構造では、長尺のプロペラシャフト10によってパワートレインが大型となる傾向があり、十分な設置スペースの確保が難しい。
【0008】
加えて、トラックの場合、乗用車と比して車両重量が大きく、かつ貨物積載時にはよりその重量が増大する。よって、懸架装置に対して非常に大きな入力が生じることから、信頼性確保の観点から懸架装置の重量も増大する。そのため、乗用車の懸架装置に比してバネ下重量が増大する虞がある。
【0009】
本発明の少なくとも1実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、動力伝達効率を向上することで良好な燃費性能を達成するとともに、バッテリの搭載性を向上し、且つ、バネ下重量の増加を防ぐことができる電動トラックの駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の少なくとも1実施形態に係る電動トラックの駆動装置は上記課題を解決するために、上方にキャブが搭載され、前後方向に沿って延在するラダーフレームを備える電動トラックの駆動装置であって、動力源であるモータと、前記モータに連結されるギアボックスと、前記ギアボックスに連結される差動装置と、を収容する駆動ユニットと、前記駆動ユニットの前記差動装置にフレキシブルジョイントを介して連結し、前記モータで生じる動力を前記電動トラックの車輪に伝達する一対のドライブシャフトと、前記一対のドライブシャフトを収容する一対の中空部材と、前記一対の中空部材を連結することにより、前記一対の車輪を支持する連結部材と、前記駆動ユニットを、前記ラダーフレームに対して支持する第1支持手段と、前記中空部材を、前記ラダーフレームに対して弾性的に支持する第2支持手段と、を含む。
【0011】
上記(1)の構成によれば、モータ、ギアボックス、及び、差動装置は駆動ユニットとして一体的に構成される。そのため、モータの出力は、プロペラシャフトのような長尺部材を介することなく差動装置に伝達され、少ないロスで動力伝達が可能になっている。その結果、動力伝達効率が向上し、良好な燃費性能が得られる。また駆動ユニットは、プロペラシャフトのような長尺部材を含まないため、パワートレイン構成をコンパクト化できるため、車両搭載時に、バッテリ等の他の構成要素を搭載するためのスペースを、有効に確保できる。
【0012】
しかしながら、動力伝達効率を向上することで良好な燃費性能を達成するとともに、バッテリの搭載性の向上を目的とし、モータ、ギアボックス、及び、差動装置が一体的に構成される駆動ユニットを採用する場合、特にトラックのように重量が大きな車両では乗用車と異なり、十分なモータトルクを得るためにギアボックスを介してモータから差動装置12に動力を伝達する必要があるため、駆動ユニット自体の重量も増大し、バネ下重量が増加する虞がある。また、トラックのように重量が大きな車両においてハウジングによるリジッド式アクスルを採用した場合、バネ下重量がさらに大きくなる虞がある。
【0013】
これに対し、本発明に係る電動トラックの駆動装置によれば、駆動ユニットの差動装置はフレキシブルジョイントを介してドライブシャフトに連結され、かつ、ドライブシャフトを収容する中空部材と、中空部材を連結することにより、一対の車輪を連結支持する連結部材と、を備える。また、駆動ユニットをラダーフレームに対して支持する第1支持手段と、中空部材を、ラダーフレームに対して弾性的に支持する第2支持手段と、を更に含む。
【0014】
このような構成により、モータ、ギアボックス及び差動装置を含む駆動ユニットは第1支持手段によってラダーフレームに支持されることでバネ上支持とすることができる。また、差動装置より下流側において車輪に連結されるドライブシャフト、及び、ドライブシャフトを収容する一対の中空部材であるサドルは、アクスルパイプである連結部材によって互いに連結されることで所謂ドディオン式のリジッドアクスルを構成する。
【0015】
これにより、本実施形態に係る電気トラックにおいては、バネ下重量の増加の虞があるような、モータ、ギアボックス、及び差動装置が一体的に構成される駆動ユニットを電気トラックに採用する場合であっても、バネ下重量の増加を防ぐことができる。
【0016】
このようにして、動力伝達効率を向上することで良好な燃費性能を達成するとともに、バネ下重量の軽減による良好な乗り心地が得られ、且つ、バッテリの搭載性を向上可能な電動トラックの駆動装置を提供できる。特に、電気トラックの場合、乗用車に比して、走行中の振動から積荷を保護する必要がある。よって、電気トラックにおいて本発明を適用することにより、バネ下重量を効果的に低減し、積荷を振動より保護することができる。
【0017】
また、このような構成により、車輪側からの路面入力は低減され、駆動ユニットの使用寿命や信頼性を向上させることができる。また、駆動ユニットへの路面入力が低減することにより、駆動ユニットにおけるハウジング等の構造を簡素化し重量軽減を図ることもできる。
【0018】
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の構成において、前記第1支持手段は、前記駆動ユニットを弾性的に支持してもよい。
【0019】
上記(2)の構成によれば、駆動ユニット側も第1支持手段によって弾性的に支持される。これにより、ラダーフレーム側から振動入力が加えられた場合であっても、モータの信頼性を担保することができる。
【0020】
(3)幾つかの実施形態では上記(1)または(2)の構成において、前記第2支持手段は、リーフスプリングを介して前記中空部材を、前記ラダーフレームに対して弾性的に支持する。
【0021】
上記(3)の構成によれば、第2支持手段による中空部材のラダーフレームに対する弾性的な支持は、懸架装置を構成するリーフスプリングを利用して構成される。このようにトラック車両の既存構成である懸架装置を利用して第2支持手段を構成できるので、車両構造の複雑化を抑制しつつ、上記構成を実現できる。特に上記構成を有することにより、バネ下重量を増大することなく、良好な乗り心地が得られる。
【0022】
(4)幾つかの実施形態では上記(1)から(3)のいずれか1構成において、前記差動装置は、前記ギアボックスの最終ギアと係合するヘリカルギアを備える。
【0023】
上記(4)の構成によれば、差動装置がギアボックスの最終ギアと係合するヘリカルギアを備えることで、長尺部材であるプロペラシャフトを用いることなく、差動装置をギアボックスに対して直接連結する構成を実現できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の少なくとも1実施形態によれば、動力伝達効率を向上することで良好な燃費性能を達成するとともに、バッテリの搭載性を向上し、且つ、バネ下重量の増加を防ぐことができる電動トラックの駆動装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0027】
図1は本発明の少なくとも1実施形態に係る電動トラック1の概略構成を上方から示す模式図であり、
図2は
図1の駆動ユニット15を含む動力伝達経路を簡略的に示す模式図であり、
図3は
図1の駆動ユニット15近傍を車両後方側から示す斜視図である。
【0028】
電動トラック1は、車両前後方向に延在した左右一対のサイドレール2と、サイドレール2間に配設される複数のクロスメンバ4と、を備えるラダーフレーム3上に、キャブ5及び荷台(不図示)が搭載されてなる。一対のサイドレール2は、車幅方向に所定間隔を有するように設けられる。クロスメンバ4は、車幅方向に延在して両端が各サイドレール2に接続され、車両前後方向に所定間隔を有するように複数設けられている。
【0029】
このようなラダーフレーム3上には、動力源であるモータ6と、モータ6に連結されるギアボックス8と、ギアボックス8に連結される差動装置12と、差動装置12にフレキシブルジョイント30を介して連結されるドライブシャフト14と、が設けられる。モータ6の出力はギアボックス8にて減速され、差動装置12に伝達される。差動装置12はギアボックス8から伝達された動力を、ドライブシャフト14を介して、所定比率で左右の車輪16に伝達することにより、電動トラック1の走行が実現される。
【0030】
尚、本実施形態では、後輪駆動のための走行用動力源としてモータ6のみを有する電動トラック1を例に説明するが、例えば、化石燃料を消費して動力を発生させるエンジンにより前輪駆動させることができ、かつ、後輪駆動用のモータ6を備えるハイブリッド方式の電動トラック1についても特段の記載がない限りにおいて同様である。
【0031】
モータ6は、電動トラック1に搭載されたバッテリ(不図示)から供給される電力によって駆動することにより、動力を発生させる。バッテリには予め直流電力が蓄積されており、インバータによって所定周波数を有する交流電力に変換されて、モータ6に供給される。
図1では、バッテリ及びインバータは省略されている。
【0032】
モータ6の回転軸は、ギアボックス8の入力側に連結されている。ギアボックス8は複数のギアを備える減速機構であり、
図2に示されるように、入力側から出力側にかけて5つのギア8a,8b,8c,8d及び8eを備える。これらのうちギア8b及び8c、並びに、ギア8d及び8eはそれぞれ同軸上に設けられており、ギア8a及び8b、及びギア8c及び8dが互いに係合するように構成されている。各ギアの径は、ギアボックス8に要求される減速比が実現可能なように設定されている。ギアボックス8では、モータ6側から入力される高回転低トルクを減速することで、低回転高トルクに変換して出力可能に構成されている。
【0033】
ギアボックス8で減速された出力は、下流側に設けられる差動装置12に入力される。差動装置12の入力側は、ギアボックス8の最終ギア8eと係合するヘリカルギア13が設けられている。ヘリカルギア13は、ギアボックス8の最終ギア8eからの入力を受け、デフピニオン9a及びサイドギア9bを介し、左右一対の出力軸から伝達された動力を所定比率で左右のドライブシャフト14に分配する。このように、ギアボックス8によって減速されたモータ6の出力は、プロペラシャフト10(
図5を参照)を介することなく、差動装置12に直接入力される。そのため、プロペラシャフト10による伝達ロスがなく、良好な動力伝達効率が得られる。またプロペラシャフト10のような長尺部材を排することにより、パワートレイン系をコンパクトな構成で実現できるため、例えばモータ6に供給される電力を蓄積するバッテリのような他の構成要素を搭載するためのスペースを、有効に確保できる。
尚、ヘリカルギア13を除く差動装置12の構成については公知例に準ずるものとし、ここでは詳細を割愛する。
【0034】
差動装置12は、電動トラック1の走行状態に応じて、ギアボックス8側から入力される動力を、左右一対のドライブシャフト14に伝達する。ドライブシャフト14の両端部はブーツに覆われたフレキシブルジョイント30からなる。差動装置12は、一方のフレキシブルジョイント30を介して、左右一対のドライブシャフト14に対して回動可能に連結されている。そのため、駆動ユニット15をバネ下支持から切り離すことができるほか、車輪16側から入力される路面入力は、フレキシブルジョイント30にて緩和され、差動装置12に伝達される振動を軽減することができるようになっている。そして、差動装置12からドライブシャフト14に入力された動力は、ドライブシャフト14に他方のフレキシブルジョイント30を介して連結された左右の車輪16に伝達され、電動トラック1の走行が実現される。
【0035】
ここでモータ6、ギアボックス8及び差動装置12は、駆動ユニット15として一体的に構成されている。特にトラック車両のような商用車量では、車輪16に対して大きな走行用動力を出力する必要があるため、良好な信頼性を得るためにモータ6、ギアボックス8及び差動装置12が大型になり、その結果、駆動ユニット15全体としてもサイズが大きくなる傾向がある。また乗用車では比較的駆動トルクが小さく済むためモータの出力をギアボックスを介することなく、直接、差動装置に入力する構成が一般的であるが、商用車では大きな駆動トルクを得るためにギアボックス8が必要となるため、この観点からも駆動ユニット15は大型になる傾向がある。このような駆動ユニット15は、以下に説明する支持手段によって、ラダーフレーム3に対して支持されている。
【0036】
ここで上述の
図1乃至
図3に加えて
図4を参照して、駆動ユニット15のラダーフレーム3に対する支持構造について説明する。
図4は
図1の駆動ユニット15のうちドライブシャフト14を通る平断面図である。
【0037】
本実施形態では、
図1に示すように、駆動ユニット15のラダーフレーム3に対する支持構造として、第1支持手段22及び第2支持手段24を備える。
【0038】
第1支持手段22は駆動ユニット15をラダーフレーム3に対して支持し、第2支持手段24はドライブシャフト14を支持する中空部材19(
図3を参照)をラダーフレーム3に対して弾性的に支持する。
【0039】
第1支持手段22の具体的構成は、駆動ユニット15をラダーフレーム3に対して支持することができる限り特に限定されない。例えば、駆動ユニット15とラダーフレーム3のフレームとを連結してもよいし、駆動ユニット15とラダーフレーム3のクロスメンバとを連結してもよい。本実施形態では、第1支持手段は駆動ユニット15の前方近傍に位置するクロスメンバ4に対して、駆動ユニット15を支持している。
【0040】
また、第1支持手段22は駆動ユニット15の少なくとも一部をラダーフレーム3に対して弾性的に支持してもよい。ここで第1支持手段22の弾性は、例えばラバーマウントとして構成される。
【0041】
第2支持手段24は、連結部材21によって互いに接続される一対の中空部材19を、ラダーフレーム3に対して弾性的に支持する。このような第2支持手段24の弾性的な支持は、例えば、リーフスプリング式懸架装置20を構成するリーフスプリング20aに中空部材19をマウントすることにより構成してもよい。リーフスプリング20aは、一対の車輪16に対応するように左右に一対設けられており、連結部材21によって接続される一対の中空部材19がそれぞれマウントされている。
【0042】
尚、本実施形態では、リーフスプリングに対して中空部材19が上方からマウントされた場合を例示しているが、リーフスプリングに対して中空部材19が下方からマウントされていてもよい。また本実施形態では、車両にリーフスプリング式懸架装置が適用された場合を例示しているが、これに代えて、公知の各種懸架装置を用いてもよい。
【0043】
図2に示すように、ドライブシャフト14は、その両端においてブーツに覆われたフレキシブルジョイント30を備える。一方のフレキシブルジョイント30は、差動装置12に連結されるとともに、他方のフレキシブルジョイント30は、車輪16に連結されたドライブシャフトに連結されている。これにより、バネ上側に支持される駆動ユニット15とバネ下側に支持される車輪16との間に相対的変位が生じる場合であっても、フレキシブルジョイント30によって回転自在に連結されたドライブシャフト14を介して、駆動ユニット15からの動力を車輪16に伝達できるように構成されている。
【0044】
また、このようなドライブシャフト14を備えることで、走行時に車輪16側で生じた振動は、フレキシブルジョイント30によって吸収されることにより、駆動ユニット15へ直接入力されることを防ぐことができる。その結果、駆動ユニット15の故障リスクを低減できる。
【0045】
差動装置12の出力側に接続されるドライブシャフト14は、その外周側を覆うように配置された中空部材(サドル)19によって収容される。中空部材19は、その内部にドライブシャフト14が挿入可能な空間を有しており、当該空間においてドライブシャフト14が連結される車輪側のドライブシャフト(図示せず)をベアリング等により回転及び揺動可能に支持している。
【0046】
このような中空部材19は、リーフスプリング20aを介して、サイドレール2に対して弾性的に支持される。また中空部材19は、車両後方側にて、互いに連結部材(アクスルパイプ)21を介して接続されることにより、所謂ドディオン式のリジッドアクスルを構成している。
【0047】
以上説明したように本実施形態によれば、モータ6、ギアボックス8及び差動装置12は駆動ユニット15として一体的に構成される。そのため、モータ6の出力は、プロペラシャフトのような長尺部材を介することなく差動装置に伝達され、少ないロスで動力伝達が可能になっている。その結果、動力伝達効率が向上し、良好な燃費性能が得られる。また駆動ユニット15は、プロペラシャフトのような長尺部材を含まないため、パワートレイン構成をコンパクト化できるため、車両搭載時に、バッテリ等の他の構成要素を搭載するためのスペースを、有効に確保できる。
【0048】
しかしながら、動力伝達効率を向上することで良好な燃費性能を達成するとともに、バッテリの搭載性の向上を目的とし、モータ6、ギアボックス8、及び、差動装置12が一体的に構成される駆動ユニット15を採用する場合、特にトラックのように重量が大きな車両では乗用車と異なり、十分なモータトルクを得るためにギアボックス8を介してモータ6から差動装置12に動力を伝達する必要があるため、駆動ユニット15自体の重量も大きくなり、バネ下重量が増加する虞がある。また、トラックのように重量が大きな車両においてハウジングによるリジッド式アクスルを採用した場合、バネ下重量がさらに大きくなる虞がある。
【0049】
これに対し、本実施形態に係る電動トラックの駆動装置によれば、駆動ユニット15の差動装置12はフレキシブルジョイント30を介してドライブシャフト14に連結され、かつ、ドライブシャフト14を収容する中空部材19と、中空部材19を連結することにより、一対の車輪16を連結支持する連結部材21と、を備える。また、駆動ユニット15をラダーフレームに対して支持する第1支持手段22と、中空部材19を、ラダーフレームに対して弾性的に支持する第2支持手段24と、を更に含む。
【0050】
このような構成により、モータ6、ギアボックス8及び差動装置12を含む駆動ユニット15は第1支持手段22によってラダーフレーム2に支持されることでバネ上支持とすることができる。また、差動装置12より下流側において車輪16に連結されるドライブシャフト14、及び、ドライブシャフトを収容する一対の中空部材であるサドル19は、アクスルパイプである連結部材21によって互いに連結されることで所謂ドディオン式のリジッドアクスルを構成する。
【0051】
これにより、本実施形態に係る電気トラックにおいては、バネ下重量の増加の虞があるような、モータ6、ギアボックス8、及び差動装置12が一体的に構成される駆動ユニット15を電気トラックに採用する場合であっても、バネ下重量の増加を防ぐことができる。
【0052】
このようにして、動力伝達効率を向上することで良好な燃費性能を達成するとともに、バネ下重量の軽減による良好な乗り心地が得られ、且つ、バッテリの搭載性を向上可能な電動トラックの駆動装置を提供できる。
【0053】
尚、本実施形態では電動トラック1として後1軸車を例示しているが、後2軸車の場合には、懸架装置20としてトラニオン式サスペンション、4バックエアサスペンション及びレイコサスペンションが用いられてもよい。また本実施形態では単一の差動装置12を備える、いわゆるワンデフの電動トラック1が例示されているが、ツーデフのように複数の差動装置12を備える場合においても本願と同様の技術的思想を適用可能である。