(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
周波数および振幅スイングについての入力信号を受信するように結合され、かつ、前記周波数および前記振幅スイングについての前記入力信号に応答して前記第1の選択信号、前記第2の選択信号、およびコモンモード電圧コードを与えるように構成されたコントローラと、
前記コモンモード電圧コードを受信して前記制御電圧を与えるように構成された調整可能電圧回路とをさらに備え、
前記バイアス電流源−抵抗器ネットワークは、
それぞれの第1の端および第2の端を有する抵抗器を備え、前記第1の端は前記共通ノードに結合され、前記バイアス電流源−抵抗器ネットワークはさらに、
ゲートノード、ドレインノードおよびソースノードを有する電流源−抵抗器ネットワーク選択トランジスタを備え、
前記ドレインノードは前記抵抗器の前記第2の端にそれぞれ結合され、
前記ソースノードは互いにそれぞれ共通結合され、
前記電流源−抵抗器ネットワーク選択トランジスタの前記ゲートノードは前記複数の第1の選択信号を受信するようにそれぞれ結合される、請求項1に記載の電圧制御発振器。
前記プログラマブル電流源の前記第1の選択トランジスタおよび前記第2の選択トランジスタはそれぞれの第2のMuGFETである、請求項10に記載の電圧制御発振器。
周波数および振幅スイングについての入力信号を受信するように結合され、かつ、前記周波数および前記振幅スイングについての前記入力信号に応答して前記第1の選択信号、前記第2の選択信号、およびコモンモード電圧コードを与えるように構成されたコントローラをさらに備える、請求項1に記載の電圧制御発振器。
前記複数の第1の選択信号および前記複数の第2の選択信号を受信して前記第1の電流を選択するように結合された前記プログラマブル電流源を用いて前記第1の電流を選択することをさらに備え、
前記プログラマブル電流源は、前記第1の電流のソースとなるように供給ノードに結合され、
前記複数の第1の選択信号および前記複数の第2の選択信号は、それぞれ、プログラマブル電流源の複数の第1のトランジスタおよび複数の第2のトランジスタのためのものであり、前記複数の第1のトランジスタは、前記複数の第1のトランジスタのチャネル部の半導体の第1の極性を有し、前記複数の第2のトランジスタは、第1の極性とは反対である、前記複数の第2のトランジスタのチャネル部の半導体の第2の極性を有する、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
以下の説明では、本明細書に記載の具体的な例をより詳しく説明するために、数多くの具体的な詳細事項が記載されている。しかしながら、1つ以上の他の例および/またはこれらの例の変形例は下記すべての具体的な詳細事項がなくても実施され得ることが、当業者には明らかなはずである。それ以外の場合では、本明細書中の例の説明が不明瞭にならないよう、周知の特徴は詳細に記載されていない。説明し易くするために、異なる図面における同一項目は同一の番号ラベルを用いて示しているが、代替の例ではこれら項目が同一ではない場合がある。
【0029】
いくつかの図面に代表的に示されている例について説明する前に、理解が深まるよう概要を述べる。
【0030】
LC VCOは、その周波数が実効インダクタンス(「Leff」)および実効キャパシタンス(「Ceff」)に依存する共振発振器である。従来、LC発振器は固定インダクタンスを有するのに対して、キャパシタンスはFETバラクタを介して調整される。この調整は、比較的狭い周波数調整範囲を達成するために用いられ得る。
【0031】
これに対して、広帯域LC VCOは、粗コンデンサの切替えバンクを、固定インダクタンスを有する微調整可能なバラクタと組合せて用いて形成される。粗コンデンサ調整バンクは、金属−酸化物−金属(「MoM」)コンデンサ、すなわち「MoMコンデンサネットワーク」を直列FETスイッチと併用して形成され得る。LC VCOの調整範囲は、シリアライザ−デシリアライザ(「SERDES」)、無線周波数(「RF」)、または他のデータ通信アプリケーションにおけるデータレートの範囲を限定し得る。
【0032】
最大周波数調整範囲は、最大実効キャパシタンス(「Cmax」)−最小実効キャパシタンス(「Cmin」)比(「Cmax/Cmin」)によって決まり得る。この比は、そのようなMoMコンデンサネットワークのキャパシタンス、および微調整可能なバラクタの微細容量性ネットワークのキャパシタンスに影響され得る。このCmax/Cmin比におけるさらなる因子は、LCタンク回路の任意の寄生容量を含み得、これは、任意のバッファ負荷キャパシタンス、および/または交差結合トランジスタ負荷のトランスコンダクタンス(「gm」)を含むがこれらに限定されない。したがって、広帯域LC VCOを形成する際の課題は、SERDES、RF、または他のデータ通信アプリケーションについて所望のCmaxに対してCminを最小化することである。
【0033】
広帯域LC VCOの形成について、周波数依存性のバイアスされたLC VCOを説明する。「広帯域」とは、一般的に約少なくとも20%周波数調整範囲を意味する。たとえば、これは、約10GHz VCOの少なくとも約20%周波数調整範囲であり得る。しかし、これはアプリケーション毎に異なり得る。たとえば、互いにオーバーラップしている3つのVCOを用いて、たとえば約8GHzから17GHsなどの周波数範囲を提供してもよく、そのようなVCOの各々は周波数調整範囲の約20%から30%をカバーしている。たとえば、そのようなLC VCOは、周波数調整範囲を損なうことなく、および/またはLCタンク回路のQ値(quality factor)を劣化させることなく、SERDESアプリケーションに用いられ得る。そのようなLC VCOによって、低ジッタ位相同期ループ(「PLL」)を提供することが容易になり得る。
【0034】
以下により詳細に説明するように、信頼性のあるVCO動作を確実にするために、電流バイアシング包含周波数情報と同期した開ループプログラマブル抵抗器が用いられる。そのようなLC VCOでは、粗コンデンサの配置による戦略的レイアウトを用いて、分散したLおよびC効果が利用され得る。そのような配置を用いて、LC発振器の周波数調整範囲を最大化するかまたはそうでなければ増加させることによって、広帯域能力を提供することが容易になり得る。プログラマブル電流バイアシングは、周波数調整範囲全体にわたって最適なもしくは少なくとも向上したジッタパフォーマンスを提供するために、および/または、バイアス依存寄生容量を利用することによって周波数調整範囲を拡大するために用いられ得る。
【0035】
上記の一般的な理解を念頭に置いて、広帯域LC VCOについてのさまざまなコンフィギュレーションについて以下に一般的に説明する。
【0036】
図1は、例示的な広帯域LC VCO100を示す概略図である。LC VCO100はPMOS電流源(「トップベースの」)アーキテクチャであるが、別のコンフィギュレーションでは、バイアス電流およびプログラマブル抵抗の位置がNMOS電流源(「ボトムベースの」)アーキテクチャと交換されてもよい。LC VCO100は供給電圧ノード101と接地ノード102との間に結合され得る。LC VCO100は、プログラマブル電流源110、インダクタ120、粗粒度コンデンサ(「キャップ」)アレイ130、バラクタ140、交差結合トランスコンダクタンス(「gm」)セル150、および抵抗器ネットワーク160を含み得る。抵抗器ネットワーク160は、バイアス電流経路選択ネットワーク、すなわちトランジスタのアレイ(「トランジスタアレイ」)162、および抵抗器のアレイ(「抵抗器アレイ」)161を含む。
【0037】
1対の交差結合トランジスタ151および152が交差結合トランスコンダクタンスセル150を提供するので、マージンまたはヘッドルームは、20nmのFinFETおよびより小型の最小寸法トランジスタリソグラフィといった縮小技術に伴う典型的な変動に対処するのに十分であり得る。プログラマブル電流バイアスは、周波数スケーリングされるバイアス電流源、すなわちプログラマブル電流源110、および広範囲の調整可能周波数全体にわたってLCタンク発振器スイング変動を補償するために用いられ得る抵抗器ネットワーク160によって提供され得る。
【0038】
インダクタ120は、以下により詳細に説明するように、分散インダクタンスを有し得る。基準電流(「Iref」)103がプログラマブル電流源110への入力として与えられて、そこから出力電流(「Iout」)104のソースとなり得る。出力電流104はインダクタ120の制御ポートまたはタップに与えられ得る。
【0039】
プログラマブル電流源110からのそのようなプログラマブルバイアス電流Iout104は、たとえばセル131のバイアス依存寄生容量を利用することによって、LC VCO100の広帯域周波数調整範囲を提供することをさらに増大させ得る。言い換えると、寄生容量は、Iout104の値が大きくなるにつれて大きくなり得るかまたは及ぼす影響が大きくなり得る。また、Ibias電流163はIout104と関係していてもよい。
【0040】
電流Iout104はインダクタ120のタップに与えられ得る。LC VCO100についての広範な周波数調整範囲には、固定された単一のタップインダクタ120を含むがこれに限定されない固定タップインダクタ120が与えられ得る。言い換えると、LC VCO100のインダクタ120は、広帯域周波数調整範囲を提供するためにタップ切替え可能インダクタである必要はない。
【0041】
この例では、粗粒度キャップアレイ130は、1つのコンデンサユニットセル131から次のコンデンサユニットセル131への容量的段階における粗粒度を提供するために、0からN個のコンデンサユニットセル131で形成されており、Nは1より大きい正の整数である。それらに従うと、粗コンデンサユニットセル131は、ビットcrs<0>からcrs<N>に対応する最下位ビット(「LSB」)から最上位ビット(「MSB」)まで、2
0から2
Nに番号付けされ得る。ビットcrs<0>からcrs<N>は一種の選択信号または選択であり得、これらはコンデンサユニットセル131の制御ゲートにそれぞれ与えられ得る。
【0042】
この例では、各コンデンサユニットセル131は、以下により詳細に説明するように、MoMキャップおよびNMOSトランジスタMuGFETスイッチで構成されている。しかし、他の実現例では、たとえば、他の種類の導体−絶縁体−導体コンデンサ、他の極性トランジスタ、および/もしくは他の種類のトランジスタなどの、他の種類のコンデンサならびに/または他の種類のトランジスタが用いられてもよい。また、帯域オーバーラップ、すなわち帯域Xと帯域X+1との間のある割合の周波数オーバーラップが提供され得る。たとえば約20%より大きいなどの、一定の割合よりも高い帯域オーバーラップを有するために、コンデンサユニットセル131のコンデンササイズは異なり得る。たとえば、ビットcrs<0>はMoMキャップの130本のフィンガーを制御し得、ビットcrs<N>はMoMキャップの120本のフィンガーを制御し得る。これは明確にするための例に過ぎず、したがって他の例ではこれらおよび他の値が用いられてもよい。
【0043】
バラクタ40の調整可能コンデンサ(「キャップ」)141および142は、組合されて、蓄積モードNキャップバラクタを提供し得る。そのような調整可能キャップ141および142は、コンデンサユニットセル131同士の間の容量段階と比較して細粒度のキャパシタンス調整を提供し得る。バラクタ140は従来のものであってもよいので、バラクタ140については本明細書において不必要に詳細に説明しない。
【0044】
交差結合トランスコンダクタンスセル150は交差結合トランジスタ151および152で形成され得、これらはこの例ではそれぞれのNMOSトランジスタである。しかし、本明細書に記載の技術は、PMOS交差結合トランジスタを用いて実現されて交差結合トランスコンダクタンスセル150を提供し得る。さらに、他の実現例では、他の種類のトランジスタが用いられてもよい。NMOSトランジスタ151および152は、平面型トランジスタ、またはFinFETなどのMuGFETであってもよい。
【0045】
インダクタ120は、以下により詳細に説明するように、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106に結合され得るか、またはこれらのノードを有し得る。粗粒度キャップアレイ130のコンデンサユニットセル131の各々は、各セル131の一方の出力側において正極側出力ノード105に結合され、他方の出力側において負極側出力ノード106に結合され得る。
【0046】
それらに従うと、コンデンサユニットセル131の各々は、それぞれ正極側出力ノード105および負極側出力ノード106上のN個のインダクタ115および116によって一般的に示されるように、全実効インダクタンスへの寄与と関連付けられ得る。そのようなインダクタ115は実際の構成要素ではなく、むしろそのようなインダクタ115はノード105および106に沿った分散インダクタンスを表わしており、分散インダクタンスはインダクタ120のものであり得る。したがって、インダクタ115は、そのような分散インダクタンスを、コンデンサユニットセル131とそれぞれ関連して出力ノード105および106に沿って直列結合されたそれぞれのインダクタとしてモデル化または表現するために用いられ得る。
【0047】
バラクタ140は、バラクタ140の一方の出力側において正極側出力ノード105に結合され、他方の出力側において負極側出力ノード106に結合され得る。調整可能コンデンサ141および142の入力は、制御電圧143を受信するように共通結合され得る。単一の制御電圧143は、調整可能コンデンサ141および142の各々のキャパシタンスを調整してそのようなキャパシタンスを微調整するために用いられ得る。調整可能コンデンサ141および142は、FinFETなどのMuGFET、20nm以下の半導体プロセスノードなどの半導体プロセス技術を用いて形成され得る。
【0048】
交差結合トランスコンダクタンスセル150は、ノード105と106との間にトランスコンダクタンスを提供するように結合され得る。交差結合トランスコンダクタンスセル150のNMOSトランジスタ151のドレインノードおよびNMOSトランジスタ152のゲートノードは正極側出力ノード105に結合され得、交差結合トランスコンダクタンスセル150のNMOSトランジスタ152のドレインノードおよびNMOSトランジスタ151のゲートノードは負極側出力ノード106に結合され得る。NMOSトランジスタ151および152のソースノードは、周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160の抵抗負荷ノード107に共通結合され得る。
【0049】
抵抗器ネットワーク160は、抵抗負荷ノード107と接地ノード102との間に結合され得る。より特定的には、抵抗器アレイ161の抵抗器R0からRNの第1の端が抵抗負荷ノード107に共通結合され得る。抵抗器アレイ161のソース抵抗器(「RS」)の第1の端が抵抗負荷ノード107において抵抗器R0からRNの第1の端に共通結合され、そのようなソース抵抗器RSの第2の端が接地ノード102に結合されることによって、トランジスタアレイ162などのバイアス電流経路選択ネットワークのすべてのトランジスタT0からTNがオフ状態または実質的に非導通状態である場合でもそのようなソース抵抗が確実に存在するようになり得る。トランジスタアレイ162などのバイアス電流経路選択ネットワークのトランジスタT0からTNは、FinFETなどのMuGFET、20nm以下の半導体プロセスノードなどの半導体プロセス技術を用いて形成され得る。
【0050】
抵抗器アレイ161の抵抗器R0からRNの第2の端は、トランジスタアレイ162などのバイアス電流経路選択ネットワークのトランジスタT0からTNのドレインノードにそれぞれ結合され得る。トランジスタアレイ162などのバイアス電流経路選択ネットワークのトランジスタT0からTNのソースノードは、接地ノード102に共通結合され得る。抵抗器ネットワーク160は、抵抗負荷ノード107から接地ノード102へのIbias163として一般的に示されるバイアス電流の接地への経路を提供するために用いられ得る。周波数スケーラブルなバイアス電流がプログラマブル電流源110によって与えられ得、抵抗器ネットワーク160は負荷ノード107において周波数スケーラブルなバイアス電圧を与え得る。抵抗器ネットワーク160は、トランジスタアレイ162に与えられる選択信号crs<0>からcrs<N>を介していくらかの独立プログラム能力を有し得、これはプログラマブル電流源110のプログラミングから独立していてもよい。
【0051】
LCタンク発振器はLC VCO100の一部である。供給電圧と接地との間に結合されるLCタンク発振器は一般的に、この例ではインダクタ120によって与えられるようなインダクタンス;この例ではバラクタ140によって与えられるようなキャパシタンス;この例ではトランスコンダクタンスセル150によって与えられるようなトランスコンダクタンス;およびこの例では周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160によって与えられるような電流源を含む。この例では、インダクタンス、キャパシタンス、およびトランスコンダクタンスが並列結合されているが、別のコンフィギュレーションでは別々のRLCネットワークが供給電圧に共通結合され、かつトランスコンダクタンス回路にそれぞれ結合されてもよい。別のコンフィギュレーションでは、インダクタ120は中央タップまたはノードを有する2つの別個のインダクタであってもよい。そのようなLCタンク発振器の発振の周波数は、以下のように式(1)によって与えられる:
【0053】
式中、LeffはそのようなLCタンク発振器の実効インダクタンスであり、CeffはそのようなLCタンク発振器の実効キャパシタンスである。そのようなLCタンク発振器のアナログ出力の電圧発振スイング(「タンク電圧スイング」)は、そのようなLCタンク発振器のバイアス電流Ibias163と実効並列抵抗(「Rp」)の関数である。並列抵抗Rpは実際上、共振周波数におけるそのようなLCタンク発振器の並列抵抗である。それらに従うと、2セットの並列抵抗Rp、インダクタ120のインダクタンス、およびバラクタ140の調整可能キャパシタンスが、
図1の粗粒度キャップアレイ130、インダクタ120、およびバラクタ140の同等モデルとして、互いに並列に、すなわち1セットがノード105のために、1セットがノード106のために結合され得る。共振周波数において、gmセル150の負抵抗はRpと同等であってもよく、この並列抵抗RpはQloaded
*Wo
*Lに比例していてもよく、ここでWoはLeffにおけるそのようなLC VCOの共振周波数f、および共振時のそのようなLCタンク発振器のQ値についての2πfに等しい。そのようなバイアス電流Ibias163および実効並列抵抗Rpの双方は、LCタンク発振器電圧スイングに影響を与え得る。そのようなLCタンク発振器の動作のLCタンク発振器Q値(「Qloaded」)および周波数(ω)について、タンク電圧スイングは式(2)において以下のように数学的に表わされ得る:
【0055】
式中、インダクタンスLは実効インダクタンスLeffである。LCタンク発振器Q値は周波数依存変数であり、したがってLCタンク発振器並列抵抗Rpは周波数(ω)の非線形関数である。
【0056】
結果として得られるタンク電圧スイングは周波数毎に異なり得るので、結果として得られるタンク電圧スイングは、LC VCO100がカバーすべき広範な周波数範囲にわたって一定でない場合がある。結果として得られるタンク電圧スイングを一定にまたは少なくとも実質的に一定に保つために、Ibias163は、プログラマブル電流源110の選択トランジスタにそれぞれ与えられるような粗選択ビット(「crs<0>」から「crs<N>」)などの選択信号168を用いて、並列抵抗Rpに反比例してスケーリングされ得る。また、それぞれ与えられるビットcrs<0>からcrs<N>などの選択信号168は、2
0から2
Nのコンデンサユニットセル131の選択、すなわち粗コンデンサユニットセル131の2進法を制御するためにそれぞれ与えられ得る。さらに、ビットcrs<0>からcrs<N>などのそのような選択信号168は、トランジスタアレイ162のトランジスタT0からTNのゲートノードにそれぞれ与えられて、抵抗器アレイ161の、もしある場合はどの、またはすべての対応する抵抗器R0からRNを抵抗器RSと並列に用いてノード107において一定電圧を与えるべきかが選択され得る。
【0057】
一般的に、抵抗器ネットワーク160は、そのような抵抗器ネットワーク160がプログラマブル電流源110の周波数スケーラブルなバイアス電流によって乗算される場合に周波数スケーリングされる抵抗器と考えることができる。したがって、抵抗器ネットワーク160は負荷ノード107において一定の電圧を与え得る。
【0058】
抵抗器R0からRNは漸進的にまたは増分的にスケーリングされ得る。ゆえに、増分的にスケーリングされる抵抗器R0からRNについては、抵抗器R0からRNの各々は一般的に、温度計コーディングに従って抵抗が同一であり得る。漸進的にスケーリングされる抵抗器R0からRNについては、抵抗器R0の抵抗は抵抗器RNの抵抗よりも実質的に小さい場合がある。たとえば、抵抗器R0からRNの抵抗は、バイナリコーディングに従って2進的に増加され得る。なお、互いに並列に、かつ抵抗器RSと並列に抵抗器R0からRNの1つ以上を選択することによって並列抵抗Rpが与えられることが理解されるはずである。また、増分的スケーリングと漸進的スケーリングとの組合せが抵抗器R0からRNを提供する際に用いられてもよく、ここで抵抗器R0からRNの第1の部分は一般的に同一抵抗を有し、抵抗器R0からRNの第2の部分または残りの部分はそのような第1の部分におけるそのような個々の同一抵抗から2進的にスケールアップされる。
【0059】
随意に、トランジスタT0からTNは漸進的にまたは増分的にスケーリングされ得る。ゆえに、増分的にスケーリングされるトランジスタT0からTNについては、トランジスタT0からTNの各々は一般的に、温度計コーディングに従ってサイズが同一であり得る。漸進的にスケーリングされるトランジスタT0からTNについては、トランジスタT0のサイズはトランジスタTNのサイズよりも実質的に小さい場合がある。たとえば、トランジスタT0からTNのサイズは、バイナリコーディングに従って2進的に増加され得る。互いに並列に、かつ抵抗器RSを通る電流経路と並列にトランジスタT0からTNの1つ以上を選択することによって並列電流経路が与えられることが理解されるはずである。大型トランジスタは、小型トランジスタのトランジスタT0からTNよりも多くの電流を流すことができる。また、増分的スケーリングと漸進的スケーリングとの組合せがトランジスタT0からTNを提供する際に用いられてもよく、ここでトランジスタT0からTNの第1の部分は各々が一般的に同一サイズを有し、トランジスタT0からTNの第2の部分または残りの部分はそのような第1の部分におけるそのような個々の同一サイズから2進的にスケールアップされる。
【0060】
図2は、例示的なプログラマブル電流源110を示す概略図である。プログラマブル電流源110は、PMOS側電圧調整ネットワーク201およびNMOS側電圧調整ネットワーク202を含む。基準電流(「Iref」)203が、NMOS側電圧調整ネットワーク202への入力として与えられる。PMOS側電圧調整ネットワーク201は、バイアスノード204においてNMOS側電圧調整ネットワーク202に結合される。出力電流(「Iout」)205がPMOS側電圧調整ネットワーク201からソースされ得る。NMOS側電圧調整ネットワーク202は「MN」トランジスタ206Sおよび206C、ならびにMNトランジスタ206−1から206−8(「206」)を含み、PMOS側電圧調整ネットワーク201は「MP」トランジスタ207Sおよび207C、ならびにMPトランジスタ207−1から207−8(「207」)を含む。ネットワーク201および202のトランジスタはFinFETなどのMuGFET、または他の種類のトランジスタを含み得る。
【0061】
Iref203、およびそれと関連付けられているバイアス電圧は、トランジスタMNS206Sのドレインノードに、かつトランジスタMNC206C、MNS206S、MNSM206−1、およびMNCM206−5の共通ゲートノードに与えられ、ここで「MN」はNMOSトランジスタの略語である。トランジスタMNS206SのソースノードはトランジスタMNC206Cのドレインノードに共通結合され、トランジスタMNSM206−1のソースノードはトランジスタMNCM206−5のドレインノードに結合される。
【0062】
トランジスタMNC206C、MNCM206−5、MNS206S、およびMNSM206−1のゲートはNMOSバイアス電圧(「Vnon」)211でバイアスされる。NMOSバイアス電圧211は、トランジスタMNC206C、MNCM206−5、MNS206S、およびMNSM206−1をオン状態または少なくとも実質的に導電状態に保持するためのバイアス電圧である。
【0063】
トランジスタMNC206C、MNCM206−5、およびMNC0 206−6からMNC2 206−8のソースノードは接地ノード102に共通結合される。トランジスタMNSM206−1のドレインノードはバイアスノード204に結合される。したがって、トランジスタMNS206S、MNSM206−1、MNC206C、およびMNCM206−5は、少なくとも最小バイアスをバイアスノード204に与える最小バイアス回路を提供するために、かつ一般的に一定の電圧Vnon211を与えるために結合される。しかし、バイアスノード204に与えられるこのバイアスは、以下により詳細に説明するように、1対以上のトランジスタを選択することによって調整され得る。
【0064】
トランジスタMNC0 206−6からMNC2 206−8のドレインノードはトランジスタMNS0 206−2からMNS2 206−4のソースノードにそれぞれ結合され、トランジスタMNS0 206−2からMNS2 206−4のドレインノード、およびトランジスタMNSM206−1のドレインノードはバイアスノード204に共通結合される。トランジスタMNS0 260−2からMNS2 206−4のゲートノードはトランジスタMNC0 206−6からMNC2 206−8のゲートノードにそれぞれ共通結合される。トランジスタMNS0 260−2からMNS2 206−4およびMNC0 206−6からMNC2 206−8のそのような対のそのような共通ゲートノードはそれぞれ、選択ビットn<0>からn<2>などの選択信号268によってそれぞれ制御されるそれぞれのスイッチ288−1から288−3に応答してバイアスノード204にそれぞれ選択的に結合され得る。これらのスイッチ288は、パスゲートトランジスタ、コンフィギュレーションメモリセル、または選択的にもしくはプログラマブルに状態を設定するための他の回路であり得る。
【0065】
したがって、トランジスタ206−2から206−4は、トランジスタ206−6から206−8とともにNMOSトランジスタの対をそれぞれ形成する。ネットワーク201、および以下に詳細に説明するようなネットワーク202にはN個のトランジスタ対が存在し得、Nは0より大きい正の整数である。この例ではNは3に等しいが、他の例ではNは3より小さくても大きくてもよい。
【0066】
トランジスタMNS0 206−2からMNS2 206−4およびMNC0 206−6からMNC2 206−8の対はそれぞれ、バイアスノード204に印加されるバイアス電圧を漸進的に調整するために、漸進的なサイジングを用いるなどして重み付けされ得る。随意に、トランジスタMNS0 206−2からMNS2 206−4およびMNC0 206−6からMNC2 206−8の対はそれぞれ、バイアスノード204に印加されるバイアス電圧を漸進的に調整するために、一般的に同一サイズを有し得る。
【0067】
バイアスノード204からソースされるバイアス電圧は、トランジスタMPS207Sのドレインノードに、かつトランジスタMPS207S、MPC207C、MPCM207−1、およびMPSM207−5の共通ゲートノードに与えられ得る。トランジスタMPS207Sのソースノードは、トランジスタMPC207Cのドレインノードに共通結合される。
【0068】
トランジスタMPS207S、MPC207C、MPCM207−1、およびMPSM207−5のゲートは、PMOSバイアス電圧(「Vpon」)221で、すなわち、それらのトランジスタをオン状態または少なくとも実質的に導電状態に保持するためのバイアス電圧で共通にバイアスされる。
【0069】
トランジスタMPC0 207−2からMPC2 207−4のゲートノードは、トランジスタMPS0 207−6からMPS2 207−8のゲートノードにそれぞれ共通結合されて、それらのPMOSトランジスタのそれぞれの対を形成する。トランジスタMPC0 207−2からMPC2 207−4およびMPS0 207−6からMPS2 207−8のそのような対のそのような共通ゲートノードはそれぞれ、選択ビットcrs<0>からcrs<2>などの選択信号168によってそれぞれ制御されるそれぞれのスイッチ278−1から278−3に応答してバイアスノード204にそれぞれ選択的に結合され得る。これらのスイッチ278は、パスゲートトランジスタ、コンフィギュレーションメモリセル、または選択的にもしくはプログラマブルに開状態もしくは閉状態を設定するための他の回路であり得る。
【0070】
トランジスタMPC207C、MPCM207−1、およびMPC0 207−2からMPC2 207−4のソースノードは、供給ノード101に共通結合される。トランジスタMPSM207−5のソースノードは、トランジスタMPCM207−1のドレインノードに共通結合される。トランジスタMPSM207−5のドレインノードは出力ノード224に結合されて、そこからIout205がソースされ得る。したがって、トランジスタMPS207S、MPSM207−5、MPC207C、およびMPCM207−1は、少なくとも最小バイアス電流Iout205を出力ノード204に与える最小バイアス回路を提供するために、かつ一般的に一定のバイアス電圧Vpon221を与えるために結合される。しかし、出力ノード224に与えられるこのバイアス出力電流Iout205は、以下により詳細に説明するように、NMOSトランジスタMPC0 207−2からMPC2 207−4およびMPS0 207−6からMPS2 207−8の対の1つ以上を選択することによってそれぞれ調整され得る。
【0071】
トランジスタMPC0 207−2からMPC2 207−4のドレインノードはトランジスタMPS0 207−6からMPS2 207−8のソースノードにそれぞれ結合され、トランジスタMPS0 207−6からMPS2 207−8のドレインノードは出力ノード224に共通結合される。NMOSトランジスタMPC0 207−2からMPC2 207−4およびMPS0 207−6からMPS2 207−8の対のゲートノードはそれぞれ、選択ビットcrs<0>からcrs<2>などの粗選択信号168によって制御されるそれぞれのスイッチ278に応答して選択的にそれぞれ結合され得る。したがって、N個の対のPMOSトランジスタのいずれか1つ以上が選択的に追加されてIout205が与えられ得る。この例ではNは3に等しいが、他の例ではNは3より大きくてもよい。したがって、N個の対のNMOSトランジスタおよびN個の対の対応するPMOSトランジスタが存在して、反対の極性によってそれぞれの対の電流源を提供し得る。ゆえに、この例における選択信号168および268は、反対極性のスイッチトランジスタ278および278のセットにそれぞれ与えられ得る。
【0072】
PMOSトランジスタMPC0 207−2からMPC2 207−4およびMPS0 207−6からMPS2 207−8の対はそれぞれ、バイアス電流Iout205を漸進的に調整するために、漸進的なサイジングを用いるなどして重み付けされ得る。随意に、PMOSトランジスタMPC0 207−2からMPC2 207−4およびMPS0 207−6からMPS2 207−8の対はそれぞれ、出力ノード224に印加されるバイアス電流Iout205を漸進的に調整するために、一般的に同一サイズを有し得る。
【0073】
図3は、例示的なコンデンサユニットセル131を示す概略図である。この例におけるコンデンサユニットセル131は、MSB crs<N>などの選択信号168−Nを受信するように結合される。しかし、そのようなコンデンサユニットセル131の各々は、コンデンサのサイズは同一であるかまたは異なるが同一の構成要素を含み得るので、以下の説明は
図1のコンデンサユニットセル131のいずれにも適用可能である。
【0074】
トランジスタ301から303は、この例ではFinFETなどのNMOS MuGFETのグループ分けまたはグループである。そのようなグループ内のトランジスタ301から303の各々のゲートノードは、選択信号168−Nとしてのビットcrs<N>を受信するように結合される。トランジスタ301から303のゲートは、そのような選択信号168−Nを受信するように共通結合され得る。ゆえに、トランジスタ301から303はすべて、同一の選択信号168−Nに応答してオン状態からオフ状態に移行してもよく、その逆であってもよい。
【0075】
トランジスタ302のドレインノードはトランジスタ301のソースノードまたはドレインノード311に結合され得、トランジスタ303のドレインノードはトランジスタ301のドレインノードまたはソースノード312に結合され得る。トランジスタ302および303のソースノードは接地ノード102に結合され得る。それぞれのコンデンサバンクを表わし得るコンデンサ306および307は、ノード311および312においてそれぞれ結合され得る。それらに従うと、第1の複数のMoMコンデンサが並列結合されてコンデンサ306を提供し得、第2の複数のMoMコンデンサが並列結合されてコンデンサ307を提供し得る。使用され得るコンデンサのバンクのコンフィギュレーションの例は「フィンガー」または「フィンガーコンデンサ」である。コンデンサ306の非負荷側ノードはノード311において結合され得、コンデンサ307の非負荷側ノードはノード312において結合され得る。
【0076】
トランジスタ301から303がすべてオフ状態にあるとき、コンデンサ306および307は一般的に、以下にさらに詳細に説明するように、寄生容量結合以外は、互いにかつ接地ノード102から分離される。トランジスタ301から303がすべてオン状態にあるとき、ノード311および312はその非負荷側で互いにパスゲート結合され、かつ接地ノード102にパスゲート結合される。コンデンサ306および307の負荷または出力ノードは、
図1に代表的に示したように、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106にそれぞれ結合され得る。基本的にトランジスタ301から303がすべてオン状態にあるとき、ノード311および312は接地ノード102に設定されるので、出力ノード106および105の各々はC
Nのコンデンサが接地されると見る。
【0077】
コンデンサユニットセル131は、MoMコンデンサと組合されたトランジスタ301から303と関連付けられているような、いくらかの寄生容量を有し得る。したがって、コンデンサ304はノード311と接地ノード102との間に結合された実際のコンデンサではない場合があり、同様に、コンデンサ305はノード312と接地ノード102との間に結合された実際のコンデンサではない場合がある。むしろ、コンデンサ304および305は、MoMコンデンサと組合されたトランジスタ301から303と関連付けられている寄生容量をモデル化するために用いられ得る。ゆえに、トランジスタ301から303がすべてオフ状態にあるときでも、それらのドレイン領域とソース領域との間のM2およびM3の小さい寄生容量は持続する。この小さい寄生容量は、コンデンサ306および307の実質的により大きいキャパシタンスC
Nと直列に現われる。小さいキャパシタンスが大きいキャパシタンスと直列に現われる場合、実効キャパシタンスはCminを形成する2つのキャパシタンスのうちの小さい方よりも小さい。
【0078】
MoMコンデンサ306および307は、MOMコンデンサと一般的と関連付けられている寄生容量を低下させ、Cminを低下させてCmax/Cmin比を最大化させてより大きい周波数調整範囲を得るために、深いNウェルを有して形成され得る。一般的に、深いNウェルは、その内側Nウェルの深さを超える深さまで埋込まれてそのような内側Nウェルをp型バルク基板から分離するNウェルである。深いNウェルは、同一のp型バルク基板を共有するアナログ回路の感度からデジタル回路のノイズをシールドするために用いられ得る。また、これらの粗MOMコンデンサ306および307は、LCタンク共振器の分散されたLCの性質を活用して、Cminを最小化することだけでなく、そのようなLCタンク発振器の実効インダクタンスLeffを調整することによって、そのような調整範囲をさらに増大するために戦略的に配置され得る。
【0079】
図1に戻って、バラクタ140は微細キャパシタンス調整ネットワークを提供するために用いられ得る。しかし、NMOS蓄積モードバラクタ140を形成するために用いられるFinFETまたは他のMuGFET半導体プロセス技術については、より高い閾値電圧が存在する場合があり、これによって従来、AC結合されたNMOSバラクタ140がLC VCO調整範囲を限定し得る。
【0080】
しかし、周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160は、周波数依存プログラマブル抵抗器を提供して、周波数依存バイアス電流とともにバラクタ140のためのバイアス電圧を調整して、NMOS LC VCO100に広範な調整範囲を提供する。そのような広帯域NMOS LC VCO100では、LCタンク発振器のQ値が劣化しなくて済む。そのような広帯域NMOS LC VCO100では、負荷Q値が向上し得る。
【0081】
そのような広範な調整範囲には単一のNMOS LC VCO100が与えられ得る。これは、調整範囲に対処してラインレートを補償するための2つの従来のLC VCOの使用と対比されるべきである。さらに、そのようなNMOS LC VCO100はバラクタ140のためのACバイパスキャップをまったく含んでおらず、かつ含む必要がない。当該ACバイパスキャップはLCタンク発振器のQ値を低下させ得、ならびに/または、大きいAC結合キャップの寄生容量および/もしくはバラクタ140内のキャパシタンス分割に起因して調整範囲を減少させ得る。また、そのようなNMOS LC VCO100は、バラクタ140のための固定された制御電圧143を使用せず、かつ使用する必要がない。
【0082】
図2を参照して説明したような重み付けされたPMOS電流源を有することによって、LCタンク発振器スイングは、LC VCO100が調整中であるか動作中である間を含むがこれに限定されないLC VCO100周波数範囲にわたってほぼ一定であり得る。可変のIbias163はLC VCO100のコモンモード電圧に影響し得、当該コモンモード電圧は交差結合NMOSトランジスタ151および152のゲート−ソース電圧(「Vgs」)に等しくてもよい。そのようなコモンモード電圧は(√(β
*Ibias)−Vt)にほぼ等しくてもよく、ここでβはトランジスタ151および152のサイジングと関連付けられたベータ比であり、Vtは一般的にトランジスタ151および152の平均閾値電圧である。
【0083】
一般的に、LC VCO100の低動作周波数について、すなわち抵抗Rpが低い場合、Ibias163電流は高くなり、したがってLCタンク発振器コモンモード電圧は高くなり、LCタンク発振器振幅は一定のままであり得る。一般的に、LC VCO100の高動作周波数について、すなわち抵抗Rpが高い場合、Ibias163電流は低くなり、したがってLCタンク発振器コモンモード電圧は高くなり、LCタンク発振器振幅は一定のままであり得る。
【0084】
図4は、NMOS蓄積バラクタの例示的なキャパシタンス−電圧(「CV」)曲線400を示すプロット図である。CV曲線401は、平面型トランジスタ技術を用いて実現される蓄積モードMOSバラクタのモデル曲線である。CV曲線402は、
図1のバラクタといった、FinFETなどのMuGFET技術を用いて実現される蓄積モードMOSバラクタのモデル曲線である。CV曲線403は所望のまたは理想のバラクタについてのモデル曲線である。蓄積モードMOSバラクタは周知であるので、本明細書では不必要に詳細に説明しない。
【0085】
CV曲線401から403は、ゲートバイアスまたは供給(「Vgg」)電圧をバラクタの電圧(V)で表わすx軸、およびゲート容量性負荷をそのようなバラクタのフェムトファラド(fF)で表わすy軸を用いてプロットされている。Vggは、バラクタゲートまたは制御電圧を差し引いた(Voutp/Voutn)に等しくてもよく、すなわち、負極側出力ノード106上の電圧によって除算された正極側出力ノード105から制御電圧143を引いたものに等しくてもよい。
【0086】
バラクタ140のVggは、LC VCO100のコモンモード電圧(「Vcm」)に設定され得る。言い換えると、Vcntrl143はLC VCO100のコモンモード電圧に調整され得る。Vcntrl143はVcmに設定されるので、LC VCO100の周波数調整範囲はVcntrl143に対する感度が高くてもよい。
【0087】
CV曲線402は、矢印404によって示されるように、FinFET半導体仕事関数に起因してシフトし得る。たとえば、NMOSバラクタ140は、そのようなバラクタのFinFETなどのMuGFET技術仕事関数に起因して高電圧側にシフトし得る。スケーリングに起因する高閾値電圧側へのシフトの結果、領域405においてCV曲線402の傾斜が高くなり得る。領域405はLC VCO100の発振器出力または発振信号412と関連付けられ得、発振器出力412は、中心軸420の両側の対向軸421および422と一般的と関連付けられた振幅まで中心軸420の周りを発振する正弦波信号である。さらに、低トランジスタ閾値電圧は、NMOS Vgsが同様に低く、したがって周波数調整範囲がそれに対応して制約され得ることを意味し得る。限界の調整範囲または過度に制約された(「狭い」)調整範囲では、半導体プロセス、電圧、および/または温度(「PVT」)変化に対する周波数オーバーラップがなくなり得る。言い換えると、かなりの周波数ギャップ、電圧変化に対処する限界能力、および/または温度変化に対処する限界能力があり得る。これらの問題の1つ以上に取組むために、
図1のプログラマブル電流源110の周波数スケーリングされるバイアス電流源および周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160を用いてもよく、抵抗器ネットワーク160はNMOS交差結合トランスコンダクタンスセル150のテールに結合され、すなわち、交差結合NMOSトランジスタ151および152のソースノードに結合される。
【0088】
周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160からの抵抗Rを用いて、バラクタ140のゲートノードにおいて印加される制御電圧143はVgs+Ibias
*Rとして表わされ得る。この式中のIbiasおよびRの双方は、周波数に応答して、LC VCO100の動作範囲にわたって広帯域調整範囲およびより少ない位相ノイズを提供するようにプログラムされ得る。
【0089】
交差結合トランスコンダクタンスセル150のテールノードにおいて抵抗Rを追加する別の利点は、LCタンク発振器の負荷時のQの改善であり得る。それらに従うと、LC VCO100などのLCタンク発振器から接地102に向かって「見ている(looking)」実効インピーダンスが抵抗Rによって増加され得る。
【0090】
広範な周波数調整範囲を提供するために、LC VCO100は、コンデンサユニットセル131の粗MoMコンデンサ306および307の戦略的配置の利益を享受し得る。それらに従うと、レイアウトにおけるコンデンサユニットセル131の粗MoMコンデンサ306および307の配置は、インダクタ120の分散性質を活用することによって周波数調整範囲を最大化するかまたはそうでなければ実質的に増加させて、LCタンク発振器周波数を最大化するかまたはそうでなければ実質的に増加させるために用いられ得、式1から、foscはLeffおよびCeffに反比例依存することが理解され得る。コンデンサユニットセル131のすべての粗MoMコンデンサ306および307を実際上スイッチアウトまたはスイッチオフした場合、最大LCタンク発振器周波数は式(3)において以下のように表わされ得る:
【0092】
式中、LC VCO100においてLおよびCは最小化される。コンデンサユニットセル131のすべての粗MoMコンデンサ306および307を実際上スイッチインまたはスイッチンオンした場合、最小LCタンク発振器周波数は式(4)において以下のように表わされ得る:
【0094】
図5は、LC VCO100の例示的なレイアウト500を示すレイアウト図である。この例では、インダクタ120は八角形コイルであるが、他の実現例では他のコンフィギュレーションのインダクタ120が用いられてもよい。以下により詳細に説明するように、レイアウトは、分散インダクタンスを利用して周波数調整範囲を増大させるために用いられる。
【0095】
プログラマブル電流源110は、インダクタ120のタップまたはノード501に結合されてそれにIout104を与え得る。たとえば、タップ501は中央タップであり得、すなわち、コイル510の中央巻線に結合され得る。正極側出力ノード105および負極側出力ノード106は、上部巻線および下部巻線などのコイル510のそれぞれの巻線のそれぞれの延長部であってもよく、その逆であってもよい。
【0096】
粗粒度キャップアレイ130のコンデンサユニットセル131の各々は、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106に結合され得る。コンデンサユニットセル131のノード105および106へのこれらの結合は、以下により詳細に説明するように、いくつかのキャパシタンスをコイル510に近づけるか遠ざけるように、それら同士の間に間隔502を有していてもよく、当該間隔は均一であってもよく均一でなくてもよい。しかし、一般的にセル131は互いに間隔を空けて配置され得、そのようなセル131はインダクタ120のコイル510から漸進的に離れるように間隔を空けて配置され得る。
【0097】
たとえば、粗粒度キャップアレイ130のコンデンサユニットセル131の各々のMoMコンデンサ306および307は、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106にそれぞれ結合され得る。しかし、粗粒度キャップアレイ130のコンデンサユニットセル131の各々のキャパシタンスは互いに異なり得る。ゆえに、たとえば、コンデンサユニットセル131−0から131−nのキャパシタンスはそれぞれC
0からC
nであり得、ここでC
0<C
1<C
2<C
3…<C
n-2<C
n-1<C
nである。言い換えると、コンデンサユニットセル131はそれぞれのキャパシタンスの連続した数列であり得、キャパシタンスはそのような数列内のより高位のコンデンサユニットセル131ごとに、そのような数列内の最後のコンデンサユニットセル131まで増加する。そのような行列のスケールは増分的、2進的、または他の種類のスケーリングであり得る。一例として限定せずに明確にする目的で、2進法を用いると仮定する。ここで、高位の隣接する各コンデンサユニットセル131のキャパシタンスは、低位の最近隣の隣接するコンデンサユニットセル131のキャパシタンスの2倍であり、または2C
0=C
1,2C
1=C
2,…,2C
n-2=C
n-1および2C
n-1=C
nである。
【0098】
この例では、LSB crs<0>がコンデンサユニットセル131−0に与えられ、次に最小のSB crs<1>がコンデンサユニットセル131−1に与えられ、MSB crs<n>がコンデンサユニットセル131−nに与えられるまでこのように続く。言い換えると、キャパシタンスの数列は、コンデンサユニットセル131−nの最大キャパシタンスC
nおよび関連のコンデンサビットcrs<n>(MSB)が、粗粒度キャップアレイ130のそのようなセル131のそのようなキャパシタンスのいずれよりも八角形コイル510から離れているようなものである。逆に言えば、キャパシタンスの数列は、コンデンサユニットセル131−0の最小キャパシタンスC
0および関連のコンデンサビットcrs<0>(LSB)が粗粒度キャップアレイ130のそのようなセル131のそのようなキャパシタンスのいずれよりも八角形コイル510に近いようなものである。
【0099】
この例では、LSBセル131−0がすべての他のセル131に関してコイル510に最も近い。他のコンフィギュレーションでは、インダクタ120のコイル510に関してアレイ130のセル131のキャパシタンスの近接の他の方位が用いられてもよいが、コイル510に関する上述のLSBからMSBの最も近くから最も遠い方位を有することによって、通信用のキャリア周波数が最低である場合に、すなわち、アレイ130のすべてのコンデンサを式(4)内のようなCmax、式(4)内のような最大実効インダクタンスLmaxを得るようにスイッチインまたはスイッチオンした場合に、実効インダクタンスLeffを得ることができる。実効インダクタンスLは、以下のように式(5)に従ってLC VCO100において最大化される:
【0101】
式中、Ldはインダクタ120のコイル510の自己のd位相またはd軸インダクタンスであり、式中、Leff
1+Leff
2+…+Leff
(n-1)は、
図1を参照して上述したように、正極側出力ノード105または負極側出力ノード106のいずれかに沿って加算される一連の実効インダクタンスである。この結果、式(4)に記載されるようなLC VCO100の最小LCタンク発振器周波数がもたらされ得る。
【0102】
コンデンサビットcrs<0>からcrs<n>のすべてが、コンデンサセル131−0から131−nのすべてをスイッチオフするようにアサートされていない場合、実効インダクタンスLはLC VCO100のLCタンク発振器について最小化される。LC VCO100についてのCminを有するためにそのようなビットがすべてオフにされると、大部分のRF電流の流れはインダクタコイル510の上半分を通り得る。それらに従うと、実効インダクタンスLは最小、すなわちLminであってもよく、LminはLd/2にほぼ等しくてもよい。この状態で、LC VCO100の最大LCタンク発振器周波数が式(3)に記載されるように設定され得る。
【0103】
したがって、Cmax
*LmaxからCmin
*Lminの範囲を得るためにキャパシタンスCおよび実効インダクタンスLの双方を変更することによって、対応する最小および最大周波数を得ることができる。さらに、コンデンサセル131−0から131−nの1つ以上を選択的にオンまたはオフにすることによって少なくとも1つであるがすべてではないそのようなコンデンサセル131−0から131−nをスイッチインまたはスイッチオンすることによって、Cmax
*LmaxからCmin
*Lminの間の粗値を得ることができる。ゆえに、LCタンク発振器のCmax
*LmaxからCmin
*Lminとそれぞれ関連付けられている最小および最大を有する周波数調整範囲についての粗周波数制御の範囲が大幅に増大され得る。そのような粗周波数制御は、crsビットまたは信号に応答してコンデンサセル131−0から131−nのうちのいくつか、すべて、またはゼロにおける選択的な切替えによって提供され得る。
【0104】
この例では、アレイ130、およびバラクタ140がノード105と106との間に結合される。さらに、バラクタ140は、ノード105および106を提供するために用いられるワイヤまたはトレースの端において結合される。ゆえに、バラクタ140はアレイ130のいずれのセル131よりもコイル510から離れて結合される。
【0105】
トランジスタ151のドレインノードおよびトランジスタ152のゲートノードは互いに共通結合され、かつノード105の端に結合され、トランジスタ152のドレインノードおよびトランジスタ151のゲートノードは互いに共通結合され、かつノード106の端に結合される。このレイアウトでは、交差結合トランスコンダクタンスセル150はバラクタ140よりもコイル510から離れて結合される。さらに、このレイアウトでは、交差結合トランスコンダクタンスセル150はノード105と106との間に結合されず、ノード105と106との間に規定されるそのような領域の外部にある。周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160は、交差結合トランスコンダクタンスセル150のトランジスタ151および152の共通ソースノードまたは抵抗負荷ノード107に結合され、このレイアウトでは、周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160は交差結合トランスコンダクタンスセル150よりもコイル510から離れている。
【0106】
スイングおよびコモンモード制御は、そのようなcrsビットまたは信号を用いて抵抗器R0からRNのいくつか、すべて、またはゼロを選択的に切替えることによって提供され得る。ゆえに、発振器振幅スイングおよびコモンモード電圧は、周波数依存バイアス電流および抵抗器バンクを用いる周波数でスケーリングされ得る。
【0107】
図6は、コントローラ600を示すブロック図である。コントローラ600は、プログラマブルリソコントローラースおよび/または専用ロジックにおいて実現され得る。一例として限定せずに明確にする目的で、コントローラ600、およびLC VCO100は、SoC(たとえばFPGA)、ASIC、マルチプロセッサチップ、メモリ、または1つ以上のPLLを有するその他の集積回路装置などの集積回路装置の位相同期ループ(「PLL」)においてそれぞれ実現されると仮定する。しかし、LC VCO100はPLL以外の回路においても実現され得ることが理解されるはずである。一例として限定せずに明確にする目的で、コントローラ600およびLC VCO100はFPGAにおいて実現されると仮定する。
【0108】
コントローラ600は、周波数および振幅スイング入力信号610を受信し得る。入力信号610は、コントローラ600の1つ以上のルックアップテーブル(「LUT」)609への少なくとも1つのベクトルであり得る。そのようなベクトルと関連付けられている、選択される周波数およびスイングのために、本明細書に記載のようなビットcrs<0>からcrs<N>のセットなどの第1のセットの選択信号168、本明細書に記載のようなプログラマブル電流源110についてのビットn<0>からn<N>のセットなどの第2のセットの選択信号268、およびコモンモード電圧コード607が、そのような選択信号610に応答してLUT609から出力され得る。
【0109】
スイッチ278および288のセットとそれぞれ関連付けられている選択信号168および268のセットが、入力信号160に応答して選択される周波数およびスイングを信号に与えるために、本明細書に記載のようにLC VCO100に与えられ得る。さらに、コモンモード電圧コード607がコントローラ600の調整可能電圧回路608に与えられ得る。調整可能電圧回路608は、そのようなコモンモード電圧コード607に応答して制御電圧143を与え得、LUT609に格納されるそのようなコモンモード電圧コード607はそのような選択される周波数およびスイングと関連付けられている。
【0110】
本明細書に記載の例の1つ以上はFPGAにおいて実現され得るので、そのようなICについて詳細に説明する。しかし、他の種類のICも本明細書に記載の技術の利益を享受し得ることが理解されるはずである。
【0111】
プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)は、指定された論理機能を果たすようにプログラムすることができる周知の種類の集積回路である。一種のPLDとしての、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)は典型的にプログラマブルタイルのアレイを含む。これらプログラマブルタイルは、例として、入出力ブロック(「IOB」)、コンフィギュラブルロジックブロック(「CLB」)、専用ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)、乗算器、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)、プロセッサ、クロックマネージャ、遅延ロックループ(「DLL」)等を含み得る。本明細書で使用する「含む」は、限定なしで含むことを意味する。
【0112】
各プログラマブルタイルは典型的に、プログラマブル相互接続とプログラマブルロジック双方を含む。プログラマブル相互接続は典型的に、プログラマブル相互接続ポイント(「PIP」)によって相互接続された可変長の多数の相互接続線を含む。プログラマブルロジックは、たとえば、関数発生器、レジスタ、算術ロジック等を含み得るプログラマブル素子を用いるユーザ設計のロジックを実装する。
【0113】
このプログラマブル相互接続およびプログラマブルロジックは典型的に、コンフィギュレーションデータのストリームを、プログラマブル素子を如何にして構成するかを定める内部コンフィギュレーションメモリセルにロードすることによって、プログラムされる。コンフィギュレーションデータは、メモリから(たとえば外部PROMから)読取ってもよく、外部装置によってFPGAに書込んでもよい。そうすると、個々のメモリセルの集合状態が、FPGAの機能を決定する。
【0114】
別の種類のPLDは、複合プログラマブルロジックデバイスまたはCPLDである。CPLDは、相互に接続されるとともに相互接続スイッチマトリクスによって入出力(「I/O」)リソースに接続された2つ以上の「機能ブロック」を含む。CPLDの各機能ブロックは、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)およびプログラマブルアレイロジック(「PAL」)装置で使用されるものと同様の2レベルのAND/OR構造を含む。CPLDでは、コンフィギュレーションデータは典型的にオンチップで不揮発性メモリに格納される。CPLDの中には、コンフィギュレーションデータがオンチップで不揮発性メモリに格納されその後初期コンフィギュレーション(プログラミング)シーケンスの一部として揮発性メモリにダウンロードされるCPLDがある。
【0115】
これらプログラマブルロジックデバイス(「PLD」)すべてについて、デバイスの機能はデータビットによって制御される。このデータビットはこの目的のためにデバイスに与えられる。データビットは、揮発性メモリ(たとえばFPGAおよびいくつかのCPLDにあるようなスタティックメモリセル)、不揮発性メモリ(たとえばいくつかのCPLDにあるようなフラッシュメモリ)、またはその他の種類のメモリセルに格納することができる。
【0116】
これ以外のPLDは、デバイス上のさまざまな素子をプログラマブルに相互接続する金属層等の処理層を適用することによってプログラムされる。これらPLDは、マスクプログラマグルデバイスとして知られている。PLDは、たとえばヒューズまたはアンチヒューズ技術を用いるなど、他のやり方で実装することもできる。「PLD」および「プログラマブルロジックデバイス」という用語は、上記例示的なデバイスを含むがこれに限定される訳ではなく、部分的にのみプログラマブルなデバイスも包含する。たとえば、ある種のPLDは、ハードコーディングされたトランジスタロジックと、ハードコーディングされたトランジスタロジックをプログラマブルに相互接続するプログラマブルスイッチファブリックとを組合わせたものを含む。
【0117】
上記のように、進化したFPGAは、アレイ内に、数種類のプログラマブルロジックブロックを含み得る。たとえば、
図7は、マルチギガビットトランシーバ(「MGT」)701、コンフィギュラブルロジックブロック(「CLB」)702、ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)703、入出力ブロック(「IOB」)704、コンフィギュレーションおよびクロッキングロジック(「CONFIG/CLOCKS」)705、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)706、特化された入出力ブロック(「I/O」)707(たとえばコンフィギュレーションポートおよびクロックポート)、ならびに、デジタルクロックマネージャ、アナログデジタル変換器、システムモニタリングロジック等のその他のプログラマブルロジック708を含む、多数の異なるプログラマブルタイルを備える、FPGAアーキテクチャ700を示す。いくつかのFPGAは、専用プロセッサブロック(「PROC」)710も含む。
【0118】
いくつかのFPGAにおいて、各プログラマブルタイルは、隣接する各タイルの対応する相互接続素子へのおよびこの素子からの標準化された接続を有するプログラマブル相互接続素子(「INT」)711を含む。したがって、プログラマブル相互接続素子を合わせて、示されているFPGAのプログラマブル相互接続構造を実装する。プログラマブル相互接続素子711はまた、
図7の上部に含まれる例によって示される、同一タイル内のプログラマブルロジック素子へのおよびこの素子からの接続を含む。
【0119】
たとえば、CLB702は、ユーザロジックを実装するようにプログラムすることができるコンフィギュラブルロジック素子(「CLE」)712と、1つのプログラマブル相互接続素子(「INT」)711とを含み得る。BRAM703は、1つ以上のプログラマブル相互接続素子に加えてBRAMロジック素子(「BRL」)713を含み得る。典型的に、1つのタイルに含まれる相互接続素子の数は、このタイルの高さによって決まる。描かれている実施形態では、1つのBRAMタイルは、5つのCLBの高さと同一の高さを有するが、他の数(たとえば4)を用いることもできる。DSPタイル706は、適切な数のプログラマブル相互接続素子に加えてDSPロジック素子(「DSPL」)714を含み得る。IOB704は、たとえば、プログラマブル相互接続素子711の1つのインスタンスに加えて、入出力ロジック素子(「IOL」)715の2つのインスタンスを含み得る。当業者にとっては明らかであるように、たとえばI/Oロジック素子715に接続される実際のI/Oパッドは、典型的に、入出力ロジック素子715の領域に限られない。
【0120】
描かれている実施形態において、(
図7に示される)ダイの中心近くの水平方向の領域は、コンフィギュレーション、クロック、およびその他の制御ロジックのために使用される。この水平方向の領域または列から延びる垂直方向の列709は、FPGAの幅全体にわたってクロックおよびコンフィギュレーション信号を分配するために使用される。
【0121】
図7に示されるアーキテクチャを使用するいくつかのFPGAは、FPGAのかなりの部分を構成している規則的な列状構造を壊しているその他のロジックブロックを含む。その他のロジックブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用ロジックであってもよい。たとえば、プロセッサブロック710は、CLBおよびBRAMの数個の列に跨っている。
【0122】
なお、
図7は、例示的なFPGAアーキテクチャのみを示すことを意図している。たとえば、1行のロジックブロックの数、行の相対的な幅、行の数および順序、行に含まれるロジックブロックの種類、ロジックブロックの相対的なサイズ、ならびに
図7の最上部に含まれている相互接続/ロジックの実装は、例示的なものにすぎない。たとえば、実際のFPGAでは典型的に、CLBがどこにあっても隣接する2行以上のCLBを含むことによってユーザロジックを効率的に実装し易くしているが、隣接するCLB行の数はFPGAの全体のサイズに応じて変化する。
【0123】
図8は、例示的な電圧制御発振プロセス800を示すフロー図である。電圧制御発振プロセス800はLC VCO100が発振信号412出力を与えるためのものであってもよく、したがって、
図1〜
図6および
図8を同時に参照しながら電圧制御発振プロセス800についてさらに説明する。
【0124】
そのようなプロセス800の801において、Iout104などの第1の電流が、インダクタ120のタップ501などのインダクタのタップに受信され得る。ここでも、インダクタ120は、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106に結合され得るか、またはこれらのノードを有し得る。801の一部として、811において、選択信号168および268は、そのような選択信号を受信してそのような第1の電流を選択するように結合されたプログラマブル電流源110を用いてそのような第1の電流を選択するために用いられるオプションであり得る。プログラマブル電流源110は、そのような第1の電流のソースとなるように、供給電圧ノードであり得る供給ノード101に結合され得る。ここでも、選択信号168および268は、プログラマブル電流源110の反対の極性のトランジスタのためのものであり得る。
【0125】
802において、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106に結合された粗粒度コンデンサアレイ130からキャパシタンスが選択され得る。ここでも、粗粒度コンデンサアレイ130のセル131は、選択信号168を受信してそのようなキャパシタンスを選択するようにそれぞれ結合され得る。
【0126】
803において、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106に結合されたバラクタ140について、制御電圧143がコントローラ600によってなどで設定され得る。804において、正極側出力ノード105および負極側出力ノード106に結合された交差結合トランスコンダクタンスセル150などのトランスコンダクタンスセルを介してトランスコンダクタンスが提供され得る。そのような交差結合トランスコンダクタンスセル150は、共通ソースノード107などの共通ノードを有し得る。
【0127】
805において、Ibias電流163などの第2の電流のための経路について、そのような共通ノード107に結合された周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160から抵抗が選択され得る。周波数スケーリングされる抵抗器ネットワーク160は、選択信号168を受信して、接地ノード102へのそのような経路のそのような抵抗を選択するように結合され得る。上記に従うと、806において、発振信号412が、上述のように選択および制御電圧設定に従った周波数および振幅スイングを有してLC VCO100から出力され得る。そのような周波数は、LC VCO100の広帯域周波数調整範囲を含む範囲内にあり得る。
【0128】
要約すると、電圧制御発振器が、インダクタのタップへの第1の電流を受信するように結合され、かつ正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合されるかまたはこれらのノードを有するインダクタを有するとして記載された。粗粒度コンデンサアレイが正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合され、かつ、選択信号をそれぞれ受信するように結合される。バラクタが正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合され、かつ、制御電圧を受信するように結合され、バラクタは第1のMuGFETを含む。トランスコンダクタンスセルが正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合され、かつ、共通ノードを有する。周波数スケーリングされる抵抗器ネットワークが共通ノードに結合され、かつ、第2の電流のための経路の抵抗についての選択信号を受信するように結合される。
【0129】
直前の段落におけるような電圧制御発振器において、周波数スケーリングされる抵抗器ネットワークは、そのそれぞれの第1の端において共通ノードに結合された抵抗器と、選択トランジスタとを含み得、選択トランジスタのドレインノードはそれぞれ抵抗器の第2の端に結合され、選択トランジスタのソースノードはそれぞれ互いにそれぞれ共通結合され、選択トランジスタのゲートノードは選択信号を受信するようにそれぞれ結合される。第2の電流のための経路の抵抗は、電圧制御発振器の周波数範囲内の周波数でスケーラブルであり得る。選択トランジスタは第2のMuGFETを含み得る。第2の電流は電圧制御発振器のためのバイアス電流であり得る。粗粒度コンデンサアレイのセルは、正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合された状態で互いに間隔を空けて配置され得る。セルは、インダクタのコイルから漸進的に離れるように間隔を空けて配置され得る。セルは選択信号をそれぞれ受信するように結合され得る。セルは、選択信号を基準として最下位ビットから最上位ビットまで結合され得る。最下位ビットはコイルに最も近くてもよい。セルの各々は、第1のコンデンサおよび第2のコンデンサ;選択信号のうちの1つの選択信号を受信するように結合された第1のゲート、第1のコンデンサの第1の近接導体に結合された第1のソース−ドレインノード、および第2のコンデンサの第2の近接導体に結合された第2のソース−ドレインノードを有する第1のトランジスタを含み得る。セルの各々は、選択信号のうちの1つの選択信号を受信するように共通結合された第2のゲートおよび第3のゲートをそれぞれ有する第2のトランジスタおよび第3のトランジスタ;第1のトランジスタの第1のソース−ドレインノードに結合された第2のトランジスタの第1のドレインノード;第1のトランジスタの第2のソース−ドレインノードに結合された第3のトランジスタの第2のドレインノード;および接地ノードに共通結合された第2のトランジスタおよび第3のトランジスタのそれぞれのソースノードを含み得る。第1のトランジスタ、第2のトランジスタ、および第3のトランジスタは第2のMuGFETを含み得る。プログラマブル電流源が第1の電流を与えるように供給ノードに結合され得、プログラマブル電流源は、そのそれぞれの選択トランジスタへの選択信号を受信して周波数スケーリングされる電流源を提供するように結合され得る。選択トランジスタは第1の極性と関連付けられた第1の選択トランジスタであり得る。プログラマブル電流源は、その第2の選択トランジスタへの第2の選択信号をそれぞれ受信するように結合され得る。第2の選択トランジスタは、第1の極性と反対の第2の極性と関連付けられ得る。プログラマブル電流源の第1の選択トランジスタおよび第2の選択トランジスタはそれぞれの第2のMuGFETであり得る。
【0130】
さらに要約すると、集積回路装置のためのシステムが、周波数および振幅スイング入力信号を受信するように結合されたコントローラを有するとして記載された。電圧制御発振器が、選択信号および制御電圧を受信するようにコントローラに結合される。電圧制御発振器は、インダクタのタップへの第1の電流を受信するように結合され、かつ、正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合されるかまたはこれらのノードを有するインダクタと;正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合され、かつ、選択信号をそれぞれ受信するように結合された粗粒度コンデンサアレイと;正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合され、かつ、制御電圧を受信するように結合されたバラクタとを含み、バラクタは第1のMuGFETを含み;電圧制御発振器はさらに、正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合され、かつ、共通ノードを有するトランスコンダクタンスセルと;共通ノードに結合され、かつ、第2の電流のための経路の抵抗についての選択信号を受信するように結合された周波数スケーリングされる抵抗器ネットワークとを含む。
【0131】
直前の段落におけるようなシステムにおいて、プログラマブル電流源が第1の電流を与えるように供給ノードに結合され得、プログラマブル電流源はそのそれぞれの第1の選択トランジスタへの選択信号を受信するように結合され得る。周波数スケーリングされる抵抗器ネットワークは、そのそれぞれの第1の端において共通ノードに結合された抵抗器と;そのそれぞれのドレインノードが抵抗器の第2の端に結合され、そのそれぞれのソースノードが互いに共通結合された第2の選択抵抗器とを含み得る。第2の選択抵抗器のゲートノードは選択信号を受信するようにそれぞれ結合され得る。粗粒度コンデンサアレイのセルは、正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合された状態で互いに間隔を空けて配置され得る。セルは、インダクタのコイルから漸進的に離れるように間隔を空けて配置され得る。セルの第3の選択トランジスタのグループは選択信号をそれぞれ受信するように結合され得る。第2の電流のための経路の抵抗は、周波数スケーリングされる抵抗器ネットワークに与えられる選択信号を介して、電圧制御発振器の周波数範囲内の周波数にスケーラブルであり得る。第1の選択トランジスタは第1の極性と関連付けられ得;選択信号は第1の選択信号であり得;プログラマブル電流源は、その第4の選択トランジスタへの第2の選択信号をそれぞれ受信するように結合され得;第4の選択トランジスタは第1の極性と反対の第2の極性と関連付けられ得る。第1の選択トランジスタ、第2の選択トランジスタ、第3の選択トランジスタ、および第4の選択トランジスタは各々がそれぞれ第2のMuGFETを含み得る。
【0132】
そしてさらに要約すると、電圧制御発振のための方法が、インダクタのタップへの第1の電流を受信することを有しており、インダクタは正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合されるかまたはこれらのノードを有するとして記載された。正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合された粗粒度コンデンサアレイからキャパシタンスが選択され、粗粒度コンデンサアレイは、選択信号をそれぞれ受信してキャパシタンスを選択するように結合される。正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合されたバラクタのための制御電圧が設定され、バラクタはMuGFETを含む。正極側出力ノードおよび負極側出力ノードに結合されたトランスコンダクタンスセルを介してトランスコンダクタンスが提供され、トランスコンダクタンスセルは共通ノードを有する。共通ノードに結合された周波数スケーリングされる抵抗器ネットワークから、第2の電流のための経路の抵抗が選択される。周波数スケーリングされるバイアス電流源−抵抗器ネットワークは、選択信号を受信して経路の抵抗を選択するように結合される。発振信号が出力される。
【0133】
直前の段落におけるような方法において、選択信号は第1の選択信号であり得、第1の電流は、第1の選択信号および第2の選択信号を受信して第1の電流を選択するように結合されたプログラマブル電流源を用いて選択され得る。プログラマブル電流源は、第1の電流のソースとなるように供給ノードに結合され得る。第1の選択信号および第2の選択信号は、プログラマブル電流源の反対の極性のトランジスタのためのものであり得る。
【0134】
上記では例示的な装置および/または方法を記載したが、本明細書に記載の1つ以上の局面に従う他のおよびさらなる例が、以下の請求項およびその均等物によって定められる本発明の範囲から逸脱することなく考案され得る。ステップを列挙している請求項はそれらステップのいずれの順序も含意するものではない。商標はその所有者の財産である。