(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ナノ結晶性アルミナが、マグネシウム、ジルコニウム、カルシウム、ケイ素、鉄、イットリウム、ランタン、セリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む添加物を含む請求項1記載の研磨物品。
前記ナノ結晶性アルミナが、前記ナノ結晶性アルミナの粒子の総重量の約0.1重量%以上から約12重量%以下までの合計含有量の添加物を含む請求項4記載の研磨物品。
前記添加物が酸化カルシウム(CaO)を含み、前記ナノ結晶性アルミナが、前記ナノ結晶性アルミナの総重量の約0.01重量%以上から約5重量%以下までのCaOを含む請求項4記載の研磨物品。
前記添加物が酸化マグネシウム(MgO)及び酸化カルシウム(CaO)を含み、前記ナノ結晶性アルミナが、約0.01以上から1以下までの添加物比(CaO/MgO)を有する請求項4記載の研磨物品。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図と組み合わせた以下の説明は、本明細書において開示する教示の理解を助けるためになされるものである。以下の考察は、この教示の特定の実施及び実施形態に重点を置く。このように重点を置くことは教示の説明を助けるためになされるものであり、教示の範囲または適用範囲を限定するものとして解釈するべきではない。しかしながら、この適用においては他の教示を確かに使用することができる。
【0006】
本明細書において使用する場合、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」という用語またはそれらの他のいかなる変形も、非限定的包含を網羅することを意図するものである。例えば、列挙された特徴を含む方法、物品または装置は必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列挙されていない他の特徴、またはこれらの方法、物品もしくは装置に本来備わっている他の特徴を含んでもよい。さらに、明示的に反対のことが述べられていない限り、「または」は包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指すものではない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aが真であり(または存在し)かつBが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)かつBが真である(または存在する)、及び、AとBの両方が真である(または存在する)。
【0007】
また、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、本明細書において記載する要素及び成分の記載に使用する。これは単に利便性目的でなされ、本発明の範囲の一般的認識を示すためになされている。この記載は1つまたは少なくとも1つを含むと解釈されるべきであり、明らかに異なる意図でない限り、単数形は複数形も含み、または複数形は単数形も含む。例えば、本明細書において1個の実施形態が記載されている場合、1個の実施形態の代わりに、1個よりも多い実施形態を使用してもよい。同様に、本明細書において1個よりも多い実施形態が記載されている場合、その1個よりも多い実施形態を、1個の実施形態で置き換えてもよい。
【0008】
別段の定めがない限り、本明細書において使用する全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。材料、方法及び例は単に説明用のもので、限定することを意図するものではない。特定の材料及び処理行為に関する特定の詳細が記載されていない範囲では、そのような詳細は従来のアプローチを含んでもよく、従来のアプローチは製造技術分野の参照本及び他の情報源において見出されてもよい。
【0009】
本明細書において開示する実施形態は、結合材と、結合材に含有された研磨物品と、を含む本体部を含む研磨物品に関するものである。結合材は、有機材料を含むことができる。研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナを含むことができる。本明細書の実施形態のナノ結晶性アルミナを使用することにより、研磨物品の硬度及び微小破砕特性の改良を助けることができる。
【0010】
他の実施形態は、研磨物品を形成させる方法であって、結合材及び研磨物品を含む混合物を形成させること、ならびにその混合物を硬化させて研磨物品を形成させることを含む方法に関するものである。この方法により、G比及びビッカース硬度の増加など、性能が向上し、特性が改良した研磨物品の形成を可能にすることができる。
【0011】
図1は、一実施形態による研磨物品を形成させる方法のフローチャートを含んでいる。工程101では、結合材(または結合材の前駆体)と、ナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子と、を含む混合物を作製することができる。特定の例においては、好適な混合操作を使用して、混合物内で成分を均一に分散させることができる。
【0012】
混合物は、例えば2番目の研磨粒子、充填材などを含めた、1種または複数の添加物も任意選択で含んでもよい。非限定的な実施形態によれば、2番目の研磨粒子は、酸化アルミナ、炭化ケイ素、立方晶窒化ホウ素、ダイヤモンド、フリント、及びガーネット結晶粒、ならびにそれらの任意の組合せを含むことができる。充填材の例としては、粉末、顆粒、球体、繊維、造孔材、中空粒子、及びそれらの組合せが含まれ得る。充填材は、粉末、顆粒、球体、繊維、造孔材、ポリマー中空粒子、及びそれらの組合せからなる群から選択され得る。
【0013】
さらなる実施形態においては、充填材は、砂、発泡アルミナ、クロム鉄鉱、磁鉄鉱、ドロマイト、発泡ムライト、ホウ化物、二酸化チタン、炭素製品、炭化ケイ素、木粉、粘土、タルク、六方晶窒化ホウ素、二硫化モリブデン、長石、カスミ石閃長岩、ガラス球体、ガラス繊維、CaF
2、KBF
4、氷晶石(Na
3AlF
6)、カリウム氷晶石(K
3AlF
6)、黄鉄鉱、ZnS、硫化銅、鉱物油、フッ化物、炭酸塩、炭酸カルシウム、サラン、フェノキシ樹脂、CaO、K
2SO
4、鉱さい綿、MnCl
2、KCl、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含むことができる。
【0014】
別の実施形態によれば、充填材は、帯電防止剤、潤滑剤、増孔材、着色剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含むことができる。充填材は、約40ミクロン以下の平均粒径を有する鉄及び硫黄を含んでもよい。特定の実施形態においては、充填材は、本明細書に記載する材料のいずれか1種から本質的になることができる。別の特定の実施形態においては、充填材は、本明細書の実施形態に記載する材料の2種以上から本質的になることができる。
【0015】
少なくとも1つの実施形態によれば、結合材は、少なくとも1種の有機材料、例えば天然有機材料または合成有機材料を含むことができる。別の実施形態によれば、結合材は、熱硬化性物質または熱可塑性物質を含むことができる。さらに別の実施形態においては、有機材料は、樹脂、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ゴム、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、芳香族ポリアミド、変性フェノール樹脂(例えば、エポキシ変性樹脂及びゴム変性樹脂、または可塑剤とブレンドしたフェノール樹脂など)、ならびにそれらの任意の組合せを含むことができる。例示的なフェノール樹脂としては、レゾール及びノボラックが含まれ得る。さらなる実施形態によれば、結合材は、樹脂、熱硬化性物質、熱可塑性物質、フェノール樹脂、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含むことができる。例えば結合材は、フェノール類、エポキシ、ポリエステル、シアネートエステル、セラック、ポリウレタン、ゴム、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含むことができる。特定の実施形態においては、結合材は、本明細書に記載する有機材料のいずれか1種から本質的になることができる。別の実施形態においては、結合材は、本明細書に記載する有機材料の2種以上から本質的になることができる。
【0016】
別の実施形態においては、結合材は、硬化剤または架橋剤を含むことができる。硬化剤または架橋剤は、アミンを含むことができる。例示的なアミンとしては、エチレンジアミン、エチレントリアミン、またはメチルアミンなどが含まれ得る。特定の実施形態においては、硬化剤または架橋剤は、ヘキサメチレンテトラミンを含むことができる。別の実施形態によれば、結合材は、例えばヘキサメチレンテトラミンなどの硬化剤または架橋剤で変性させたフェノール樹脂を含むことができる。
【0017】
有機材料は、液体形態とすることができ、結合材の前駆物質として作用することができる。この前駆物質は、硬化させることによって、最終的に形成する結合材へと形成させてもよい。特定の実施形態においては、結合材は、ミクロン未満の平均サイズを有する架橋ドメインを有するフェノール樹脂を含むことができる。
【0018】
硬化は、工程101にて混合物を形成させた後に、工程102にて行うことができる。硬化は、熱存在下で生じさせることができる。例えば混合物は、例えば6時間〜48時間、10〜36時間などの時間、または混合物が架橋温度に達するまで、もしくは所望の密度が得られるまで、最終硬化温度で維持することができる。硬化温度の選択は、例えば使用する結合材の種類、所望の強度、所望の硬度、及び所望の研削性能などの因子に依存する。特定の実施形態によれば、硬化温度は、150℃以上から250℃以下までを含む範囲内とすることができる。有機結合剤を使用するより詳細な実施形態においては、硬化温度は、150℃以上から230℃以下までを含む範囲内とすることができる。フェノール系樹脂の重合は、110℃以上かつ225℃以下を含む範囲内の温度で生じてもよい。レゾール樹脂は、140℃以上かつ225℃以下を含む範囲内の温度で重合することができる。本明細書の実施形態に好適な特定のノボラック樹脂は、110℃以上かつ195℃以下を含む範囲内の温度で重合することができる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態によれば、研磨粒子は、特定の平均結晶子サイズを有するナノ結晶性アルミナを含むことができる。例えばナノ結晶性アルミナ粒子の平均結晶子サイズは、0.15ミクロン以下、例えば0.14ミクロン以下、0.13ミクロン以下、または0.12ミクロン以下、またはさらには0.11ミクロン以下としてもよい。別の実施形態においては、平均結晶子サイズは、0.01ミクロン以上、例えば0.02ミクロン以上、0.05ミクロン以上、0.06ミクロン以上、0.07ミクロン以上、0.08ミクロン以上、または0.09ミクロン以上とすることができる。平均結晶子サイズは、上述の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えば平均結晶子サイズは、0.01ミクロン〜0.15ミクロン、0.05ミクロン〜0.14ミクロン、または0.07ミクロン〜0.14ミクロンの範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、結晶子サイズは、0.08ミクロン〜0.14ミクロンの範囲内とすることができる。
【0020】
平均結晶子サイズは、走査型電子顕微鏡(SEM)顕微鏡写真を使用して、無補正インターセプト法に基づいて測定することができる。研磨結晶粒の試料は、エポキシ樹脂中でベークライトマウントを作製後、Struers Tegramin 30ポリッシングユニットを使用してダイヤモンドポリッシングスラリーでポリッシングすることにより調製する。ポリッシング後、エポキシをホットプレート上で加熱し、次にポリッシングした面を焼結温度未満の150℃で5分間、熱エッチングする。別個の結晶粒(5〜10個の粗粒)をSEMマウント上にマウントし、次にSEMプレパラート用に金コーティングする。3個の別個の研磨粒子のSEM顕微鏡写真を約50,000倍の倍率で取得し、次に以下の工程を用いて無補正結晶子サイズを計算する。1)結晶構造図の1つの角から対角まで、写真下部の黒色データ帯状部分を除いて対角線を描く(例えば、
図7A及び7Bを参照のこと);2)対角線の長さをL1及びL2として0.01センチメートルの桁まで測定して四捨五入する;3)対角線の各々が交わる結晶粒界の数(すなわち、結晶粒界交差I1及びI2)を数え、対角線の各々について、この数を記録する;4)各顕微鏡写真または図画面の下部にあるミクロンバーの長さ(センチメートル単位)(すなわち「バーの長さ」)を測り、バーの長さ(ミクロン単位)をバーの長さ(センチメートル単位)で割ることによって、バーナンバーの計算値を決定する;5)顕微鏡写真に書いた対角線の合計センチメートルを足して(L1+L2)、対角線の長さの合計を得る;6)両方の対角線の結晶粒界交差の数を足して(I1+I2)、結晶粒界交差の合計を得る;7)センチメートル単位の対角線の長さの合計(L1+L2)を結晶粒界交差の合計(I1+I2)で割り、この数にバーナンバーの計算値をかける。このプロセスは、ランダムに選択した3つの異なる試料で3回以上別々に行って、平均結晶子サイズを得る。
【0021】
バーナンバーの計算の一例として、写真に示されているバーの長さが0.4ミクロンであることを仮定する。定規を使用して測定したセンチメートル単位のバーの長さは2cmである。バーの長さ0.4ミクロンを2cmで割ると、バーナンバーの計算値として0.2um/cmに等しい。平均結晶子サイズは、センチメートル単位の対角線の長さの合計(L1+L2)を、結晶粒界交差の合計(I1+I2)で割り、この数にバーナンバーの計算値をかける。
【0022】
一実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナは、研磨粒子の総重量に対して51重量%以上のアルミナを含むことができる。例えばナノ結晶性アルミナ内のアルミナの含有量は、約60重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、約85重量%以上、またはさらにはそれ以上、例えば90重量%以上、92重量%以上、93重量%以上、もしくは94重量%以上とすることができる。非限定的な一実施形態においては、アルミナの含有量は、99.9重量%以下、例えば99重量%以下、98.5重量%以下、98重量%以下、97.5重量%以下、97重量%以下、96.5重量%以下、または96重量%以下としてもよい。アルミナの含有量は、上述の最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えばその含有量は、60重量%〜99.9重量%の範囲内、70重量%〜99重量%の範囲内、85重量%〜98重量%の範囲内、または90重量%〜96.5重量%の範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、単結晶アルミナは、アルファアルミナなどの、本質的にアルミナからなるものとすることができる。
【0023】
本明細書において記載するように、ナノ結晶性アルミナは、多くの特定の特徴を有することができる。これらの特徴は、研磨粒子に同様に当てはまり得る。例えば研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナの総重量に対するアルミナの含有量と同様の、研磨粒子の総重量に対する重量パーセントのアルミナを含むことができる。例えば、研磨粒子における、研磨粒子の総重量に対するアルミナの含有量は、60重量%以上、例えば70重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、92重量%以上、93重量%以上、または94重量%以上とすることができる。別の例では、研磨粒子におけるアルミナの含有量は、99.9重量%以下、例えば99重量%以下、98.5重量%以下、98重量%以下、97.5重量%以下、97重量%以下、96.5重量%以下、または96重量%以下としてもよい。研磨粒子は、上述の最小のパーセントと最大のパーセントの範囲内の含有量のアルミナを含むことができることが理解されよう。例えばその含有量は、60重量%〜99.9重量%の範囲内、70重量%〜99重量%の範囲内、85重量%〜98重量%の範囲内、または90重量%〜96.5重量%の範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、研磨粒子は、アルファアルミナなどの、本質的にアルミナからなるものとすることができる。
【0024】
一実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナは、少なくとも1種の添加物を含むことができる。添加物は、遷移金属元素、希土類元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、ケイ素、またはそれらの組合せを含むことができる。さらなる実施形態においては、添加物は、遷移金属元素、希土類元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、ケイ素、及びそれらの組合せからなる群から選択することができる。ナノ結晶性アルミナに関する実施形態において記載する添加物は、研磨粒子に適用することができることが理解されよう。一実施形態においては、研磨粒子は、本明細書において記載する添加物の1種または複数を含むことができる。
【0025】
別の実施形態においては、添加物は、例えばマグネシウム、ジルコニウム、カルシウム、ケイ素、鉄、イットリウム、ランタン、セリウム、またはそれらの組合せを含む材料を含むことができる。さらなる実施形態においては、添加物は、マグネシウム、ジルコニウム、カルシウム、ケイ素、鉄、イットリウム、ランタン、及びセリウムからなる群から選択される2種以上の材料を含むことができる。ナノ結晶性アルミナは、アルミナと、1種または複数の上記の添加物と、から本質的になってもよいことが理解されよう。研磨粒子は、アルミナと、1種または複数の上記の添加物と、から本質的になることができることも理解されよう。
【0026】
一実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナ粒子の総重量に対する添加物の合計含有量は、12重量%以下、例えば11重量%以下、10重量%以下、9.5重量%以下、9重量%以下、8.5重量%以下、8重量%以下、7.5重量%以下、7重量%以下、6.5重量%以下、6重量%以下、5.8重量%以下、5.5重量%以下、または5.3重量%以下、または5重量%以下としてもよい。別の実施形態においては、添加物の合計含有量は、0.1重量%以上、例えば0.3重量%以上、0.5重量%以上、0.7重量%以上、1重量%以上、1.3重量%以上、1.5重量%以上、または1.7重量%以上、2重量%以上、2.3重量%以上、2.5重量%以上、2.7重量%以上、またはさらには3重量%以上とすることができる。ナノ結晶性アルミナ中の添加物の合計含有量は、上述の最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えばその合計含有量は、0.1重量%〜12重量%の範囲内、例えば0.7重量%〜9.5重量%の範囲内、または1.3重量%〜5.3重量%の範囲内とすることができる。研磨粒子の総重量に対する添加剤の合計含有量は、本明細書の実施形態の同様のパーセント、または同様の範囲内を含むことができることも理解されよう。
【0027】
一実施形態においては、添加物は、研磨物品の形成及び/または性能の改良を容易にすることができる含有量の酸化マグネシウム(MgO)を含むことができる。ナノ結晶性アルミナの総重量に対する酸化マグネシウムの含有量は、例えば0.1重量%以上、例えば0.3重量%以上、0.5重量%以上、0.7重量%以上、または0.8重量%以上とすることができる。別の例では、酸化マグネシウムの含有量は、5重量%以下、例えば4.5重量%以下、4重量%以下、3.5重量%以下、3重量%以下、または2.8重量%以下としてもよい。酸化マグネシウムの含有量は、上述の最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えばその含有量は、0.1重量%〜5重量%の範囲内、0.3重量%〜4.5重量%の範囲内、または0.7重量%〜2.8重量%の範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは、アルミナと、本明細書において開示する最小値のいずれかと最大値のいずれかの間の範囲内の酸化マグネシウムと、から本質的になってもよい。研磨物品の総重量に対する酸化マグネシウムの含有量は、本明細書において記載するパーセントのいずれか、または範囲のいずれかを含むことができることも理解されよう。別の特定の実施形態においては、研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナと、本明細書において開示する最小値のいずれかと最大値のいずれかの間の範囲内の酸化マグネシウムと、から本質的になってもよい。
【0028】
別の例では、添加物は酸化ジルコニウム(ZrO
2)を含むことができ、酸化ジルコニウムは研磨物品の形成及び/または性能の改良を容易にすることができる。ナノ結晶性アルミナの総重量に対する酸化ジルコニウムの含有量は、例えば0.1重量%以上、例えば0.3重量%以上、0.5重量%以上、0.7重量%以上、0.8重量%以上、1重量%以上、1.3重量%以上、1.5重量%以上、1.7重量%以上、または2重量%以上とすることができる。別の例では、酸化ジルコニウムの含有量は、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5.8重量%以下、5.5重量%以下、または5.2重量%以下としてもよい。酸化ジルコニウムの含有量は、上述の最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えばその含有量は、0.1重量%〜8重量%の範囲内、0.3重量%〜7重量%の範囲内、または0.5重量%〜5.8重量%の範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは、アルミナと、本明細書の実施形態の範囲内の酸化ジルコニウムと、から本質的になってもよい。研磨粒子の総重量に対する酸化ジルコニウムの含有量は、本明細書において記述するパーセントのいずれか、または範囲のいずれかを含むことができることも理解されよう。別の特定の実施形態においては、研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナと、上述の最小のパーセントのいずれかと最大のパーセントのいずれかの間の範囲内のZrO2と、から本質的になってもよい。
【0029】
一実施形態においては、添加物は、研磨物品の形成及び/または性能の改良を容易にすることができる特定の添加物比の酸化マグネシウム(MgO)及び酸化ジルコニウム(ZrO
2)を含むことができる。添加物は、酸化マグネシウムと酸化ジルコニウムの間の重量パーセント比である、添加物比(MgO/ZrO
2)を有することもでき、MgOはナノ結晶性アルミナにおけるMgOの重量パーセントであり、ZrO
2はナノ結晶性アルミナにおけるZrO
2の重量パーセントである。例えばこの比は、1.5以下、例えば1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下、1以下、0.95以下、0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.7以下、0.65以下、0.6以下、または0.55以下とすることができる。別の例においては、添加物比(MgO/ZrO
2)は、約0.01以上、0.05以上、0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、または0.5以上とすることができる。添加物比(MgO/ZrO
2)は、上述の最小の比のいずれかから最大の比のいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えば添加物比(MgO/ZrO
2)は、0.01〜1.5の範囲内、0.1〜1.1の範囲内、または0.3〜0.95の範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは、アルミナと、本明細書において記載する最小の比のいずれかから最大の比のいずれかまでを含む範囲内の添加物比の酸化マグネシウム及び酸化ジルコニウムと、から本質的になることができる。研磨粒子は、本明細書において開示する重量パーセント比の酸化マグネシウム(MgO)及び酸化ジルコニウム(ZrO
2)を含むことができることも理解されよう。特定の実施形態においては、研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナと、本明細書において記載する最小の比のいずれかから最大の比のいずれかまでを含む範囲内の添加物比の酸化マグネシウム及び酸化ジルコニウムと、から本質的になってもよい。
【0030】
一実施形態によれば、添加物は、酸化カルシウム(CaO)を含むことができる。ナノ結晶性アルミナは、研磨物品の形成及び/または性能の改良を容易にすることができる、ナノ結晶性アルミナの総重量に対する特定の含有量の酸化カルシウムを含むことができる。例えば酸化カルシウムの含有量は、0.01重量%以上、例えば0.05重量%以上、約0.07重量%以上、0.1重量%以上、0.15重量%以上、0.2重量%以上、または0.25重量%以上とすることができる。別の例においては、含有量は、5重量%以下、例えば4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1重量%以下、0.7重量%以下、または0.5重量%以下としてもよい。酸化カルシウムの含有量は、上述の最小の比のいずれかから最大の比のいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えばその含有量は、0.01重量%〜5重量%の範囲内、0.07重量%〜3重量%の範囲内、または0.15重量%〜0.7重量%の範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは、アルミナと、本明細書において記載する最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内の含有量の酸化カルシウムと、から本質的になることができる。研磨粒子の総重量に対する酸化カルシウムの含有量は、本明細書において記述するパーセントのいずれか、または範囲のいずれかを含むことができることも理解されよう。別の特定の実施形態においては、研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナと、上述の最小のパーセントのいずれかと最大のパーセントのいずれかの間の範囲内のZrO
2と、から本質的になってもよい。
【0031】
別の実施形態によれば、添加物は、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化カルシウム(CaO)を含むことができる。ナノ結晶性アルミナは、添加物比(CaO/MgO)を有することができ、MgOはナノ結晶性アルミナにおけるMgOの重量パーセントであり、CaOはナノ結晶性アルミナにおけるCaOの重量パーセントである。その添加物比は、形成及び/または性能の改良を容易にすることができる。例えば添加物比は、1以下、例えば0.95以下、0.9以下、0.85以下、0.8以下、0.75以下、0.7以下、0.65以下、0.6以下、0.55以下、0.5以下、0.45以下、または0.4以下としてもよい。別の例では、その比は、0.01以上、例えば0.05以上、0.1以上、0.15以上、0.2以上、または0.25以上とすることができる。添加物比(CaO/MgO)は、上述の最小の比のいずれかから最大の比のいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えば添加物比は、0.01〜1の範囲内、0.05〜0.9の範囲内、または0.1〜0.75の範囲内とすることができる。特定の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは、アルミナと、本明細書において記載する最小の比のいずれかと最大の比のいずれかを含む範囲内の添加物比の酸化マグネシウム及び酸化カルシウムと、から本質的になることができる。酸化マグネシウムに対する酸化カルシウムの添加物比は、本明細書において記載する比のいずれか、または範囲のいずれかを含むことができることも理解されよう。別の特定の実施形態においては、研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナと、上述の最小の比のいずれかと最大の比のいずれかの間の範囲内の添加物比の酸化カルシウム及び酸化マグネシウムと、から本質的になってもよい。
【0032】
一実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナは、希土類酸化物を含むことができる。希土類酸化物の例としては、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ジスプロシウム、酸化エルビウム、またはそれらの前駆体などが含まれ得る。特定の実施形態においては、希土類酸化物は、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ジスプロシウム、酸化エルビウム、それらの前駆体、及びそれらの組合せからなる群から選択することができる。別の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは、希土類酸化物及び鉄を本質的に含まないものとすることができる。研磨粒子は、上述の希土類酸化物のいずれかを含むことができることが理解されよう。さらなる実施形態においては、研磨粒子は、希土類、2価陽イオン、及びアルミナを含有するする相であって、磁鉛鉱構造の形態としてもよい相を含むことができる。磁鉛鉱構造の例はMgLaAl
11O
19である。
【0033】
一実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナは、希土類アルミナ結晶子を含むことができる。別の実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナは、希土類アルミン酸塩相を含むことができる。さらに、別の実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナは、スピネル材料を含むことができる。研磨粒子は、希土類アルミナ結晶子、希土類アルミン酸塩相、またはスピネル材料を含むことができることが理解されよう。
【0034】
一実施形態によれば、ナノ結晶性アルミナは、ナノ結晶性粒子(例えば、結晶粒またはドメイン)を含むことができ、ナノ結晶性粒子は、研磨物品の形成及び/または性能の改良に好適であってもよい。特定の実施形態においては、各ナノ結晶性粒子は、各ナノ結晶性粒子の全体積の50体積%以上の結晶性材料、例えば単結晶材料または多結晶材料を含むことができる。例えば各粒子は、75体積%以上の結晶性材料、85体積%以上の結晶性材料、90体積%以上の結晶性材料、または95体積%以上の結晶性材料を含むことができる。特定の実施形態においては、ナノ結晶性粒子は、本質的に結晶性材料からなることができる。上記のナノ結晶性アルミナの特徴は、研磨粒子に適用することができることが理解されよう。例えば各研磨粒子は、各研磨粒子の全体積の50体積%以上の結晶性材料、例えば単結晶材料または多結晶材料を含むことができる。さらに、研磨粒子は、アルファアルミナと、本明細書の実施形態において記載する1種または複数の添加物と、を含む結晶性材料から本質的になるものとしてもよいことが理解されよう。より詳細には、少なくとも1つの実施形態においては、研磨粒子は、アルファアルミナと、本明細書の実施形態において記載する1種または複数の添加物と、からなる結晶性材料から本質的になるものとしてもよい。
【0035】
一実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは、ビッカース硬度及び密度を含めた特定の物理特性を有することができる。例えばナノ結晶性アルミナのビッカース硬度は、18GPa以上、18.5GPa以上、19GPa以上、またはさらには19.5GPa以上とすることができる。別の例においては、ナノ結晶性アルミナのビッカース硬度は、26.5GPa以下、例えば26GPa以下、25.5GPa以下、25GPa以下、またはさらには24.5GPa以下としてもよい。ナノ結晶性アルミナは、上述の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内のビッカース硬度を有することができることが理解されよう。例えばビッカース硬度は、18GPa〜24.5の範囲内、または19GPa〜24GPaの範囲内とすることができる。別の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナの物理特性は、同様にして研磨粒子に適用することができる。例えば研磨粒子は、上述のビッカース硬度を有することができる。
【0036】
ビッカース硬度は、研磨結晶粒のポリッシングした面でのダイヤモンド押込み法(当技術分野で周知である)に基づいて測定することが理解されよう。研磨結晶粒の試料は、エポキシ樹脂中でベークライトマウントを作製後、Struers Tegramin 30ポリッシングユニットを使用してダイヤモンドポリッシングスラリーでポリッシングすることにより調製する。Instron−Tukon 2100 Microhardnessテスターを使用し、500gmの負荷と50倍対物レンズを用いて、5つの異なる研磨粒子で、5回のダイヤモンド押込みを測定する。測定値はビッカース単位であり、ビッカース単位を100で割ることによってGPaに変換する。好適な試料サイズで硬度の平均及び範囲を報告し、統計学的に関連する計算を行う。
【0037】
一実施形態においては、ナノ結晶性アルミナは比破砕性を有することができ、比破砕性は、同じ粗粒サイズを有する微結晶性アルミナの破壊と比較した、ナノ結晶性アルミナの破壊である。両方の破壊は、以下でより詳細に開示する方法と同じ方法で測定する。ナノ結晶性アルミナの比破砕性は、パーセントの形式で表すことができ、対応する微結晶性アルミナの破砕性を基準とみなして100%に設定する。一実施形態においては、ナノ結晶性アルミナの比破砕性は、100%超とすることができる。例えばナノ結晶性アルミナの比破砕性は、102%以上、例えば105%以上、108%以上、110%以上、112%以上、115%以上、120%以上、125%以上、または130%以上とすることができる。別の例においては、ナノ結晶性アルミナの比破砕性は、160%以下としてもよい。
【0038】
比破砕性は一般に、平均直径3/4インチの炭化タングステンボールを使用して、所定の時間、粒子試料を粉砕し、ボールミルから得られた材料をふるいにかけ、基準試料の破壊パーセントに対する試料の破壊パーセントを測定することによって測定する。本発明の実施形態においては、基準試料は、同じ粗粒サイズを有する微結晶性アルミナ試料であった。
【0039】
ボールミルの前に、基準試料(例えば、Saint−Gobain CorporationからCerpass(登録商標)HTBとして入手可能な微結晶性アルミナ)の結晶粒約300グラム〜350グラムを、WS Tyler Inc製のRo−Tap(登録商標)ふるい振とう機(型式RX−29)に置いた1セットのスクリーンを使用してふるいにかける。スクリーンの粗粒サイズは、標的粒径の上下の既定数及び既定種類のふるいを使用するよう、ANSIの表3に従って選択する。例えば粗粒の標的粒径が80の場合には、プロセスでは以下の米国標準ふるいサイズ、1)60、2)70;3)80;4)100;及び5)120を使用する。スクリーンは、スクリーンの粗粒サイズが上から下に大きくなるよう重ねて、底部のスクリーンの下に受け皿を置いて、全てのスクリーンを通過して落ちる結晶粒を収集する。Ro−Tap(登録商標)ふるい振とう機を、毎分287±10振動の速度、タップ数カウント150±10で10分間作動させ、標的粗粒サイズを有するスクリーン(以後、標的スクリーンと呼ぶ)上の粒子のみを標的粒径試料として収集する。他の材料の試験試料に対して同じプロセスを繰り返し、標的粒径試料を収集する。
【0040】
ふるいにかけた後、標的粒径試料の各々の一部分を粉砕に付す。
【0041】
きれいな空のミル容器をロールミルに設置する。ローラーのスピードを305rpmに設定し、ミル容器のスピードを95rpmに設定する。平均直径3/4インチの扁平球状の炭化タングステンボール約3500グラムを容器に入れる。基準材料試料の標的粒径試料100グラムを、ボールと共にミル容器に入れる。容器を閉じ、ボールミルに設置し、1分〜10分の間作動させる。ボールミルを停止し、Ro−Tap(登録商標)ふるい振とう機、及び標的粒径試料の作製において使用したものと同じスクリーンを使用して、ボールと結晶粒をふるいにかける。上述の条件と同じ条件を使用してロータリータッパーを5分間作動させ、標的粒径試料を得る。標的スクリーンを通過して落ちる粒子を全て収集して秤量する。基準試料の破壊パーセントは、標的スクリーンを通過した結晶粒の質量を、標的粒径試料の始めの質量(すなわち100グラム)で割ったものである。破壊パーセントが48%〜52%の範囲内である場合、2回目の標的粒径試料100グラムを、1回目の試料に使用した条件と全く同じ条件を使用して試験し、再現性を測定する。2回目の試料が48%〜52%の破壊パーセントを示す場合、値を記録する。2回目の試料が48%〜52%の破壊パーセントを示さない場合、粉砕時間を調節するか、または、別の試料を得て破壊パーセントが48%〜52%の範囲内になるまで粉砕時間を調節する。試験は、連続した2つの試料で48%〜52%の範囲内の破壊パーセントが示されるまで繰り返し、これらの結果を記録する。
【0042】
代表的な試料材料(例えば、ナノ結晶性アルミナ粒子)の破壊パーセントは、48%〜52%の破壊を有する基準試料を測定する方法と同じ方法で測定する。ナノ結晶性アルミナ試料の比破砕性は、基準微結晶性試料の破壊と比較したナノ結晶性試料の破壊である。
【0043】
別の例においては、ナノ結晶性アルミナは、3.85g/cc以上、例えば3.9g/cc以上、または3.94g/cc以上の密度を有することができる。別の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナの密度は、4.12g/cc以下、例えば4.08g/cc以下、4.02g/cc以下、またはさらには4.01g/cc以下としてもよい。ナノ結晶性アルミナは、本明細書において記載する最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内の密度を有することができることが理解されよう。例えば密度は、3.85g/cc〜4.12g/cc、または3.94g/cc〜4.01g/ccの範囲内とすることができる。研磨粒子の密度は、本明細書において記載する値のいずれか、または範囲のいずれかを含むことができることも理解されよう。
【0044】
一実施形態によれば、研磨粒子は、少なくとも1種類の研磨粒子を含むことができる。例えば研磨粒子は、第1の種類の研磨粒子と、第2の種類の研磨粒子と、を含むブレンドを含むことができる。第1の種類の研磨粒子は、本明細書の実施形態のいずれかによるナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子を含む。第2の種類の研磨粒子は、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、オキシ炭化物、オキシ窒化物、超砥粒、炭素系材料、凝集体、集合体、成形研磨粒子、希釈剤粒子、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の材料を含むことができる。特定の実施形態においては、研磨粒子は、本質的にナノ結晶性アルミナからなることができる。
【0045】
一実施形態においては、本明細書の実施形態の研磨物品の本体部は、固定研磨物品を含むことができる。別の実施形態においては、本体部は、砥石物品を含むことができる。砥石物品は、結合材の3次元マトリックスに含有された研磨結晶粒を含むことができる。砥石本体部は、当業者に公知の任意の好適な形状に形成させてもよい。好適な形状としては、研磨ホイール、円錐、ホーン、カップ、フランジ付きホイール、先細カップ、扇形、軸付先端ツール、円盤、薄型ホイール、及び大径切断ホイールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
一実施形態によれば、研磨物品の本体部は、研磨物品の形成及び/または性能の改良を容易にすることができる特定の含有量の研磨粒子を含むことができる。例えば研磨粒子の含有量は、本体部の全体積の2体積%以上、4体積%以上、6体積%以上、8体積%以上、10体積%以上、12体積%以上、14体積%以上、16体積%以上、18体積%以上、20体積%以上、25体積%以上、30体積%以上、またはさらには35体積%以上とすることができる。別の例においては、砥石本体部中の研磨粒子の含有量は、65体積%以下、例えば64体積%以下、62体積%以下、60体積%以下、58体積%以下、56体積%以下、約54体積%以下、52体積%以下、50体積%以下、48体積%以下、46体積%以下、44体積%以下、42体積%以下、40体積%以下、38体積%以下、36体積%以下、34体積%以下、32体積%以下、30体積%以下、または28体積%超、26体積%以下、24体積%以下、22体積%以下、または20体積%以下としてもよい。研磨粒子の含有量は、上述の最小のパーセントのいずれかと最大のパーセントのいずれかを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えば本体部における研磨粒子の含有量は、2体積%〜64体積%の範囲内、12体積%〜62体積%の範囲内、または20体積%〜58体積%の範囲内とすることができる。
【0047】
一実施形態においては、本体部の全体積に対するナノ結晶性アルミナの含有量は、研磨物品の形成及び/または性能の改良を容易にするよう制御してもよい。例えばナノ結晶性アルミナの含有量は、1体積%以上、例えば2体積%以上、4体積%以上、6体積%以上、8体積%以上、10体積%以上、12体積%以上、14体積%以上、16体積%以上、18体積%以上、20体積%以上、25体積%以上、30体積%以上、または35体積%以上とすることができる。別の実施形態においては、ナノ結晶性アルミナの含有量は、65体積%以下、例えば64体積%以下、62体積%以下、60体積%以下、58体積%以下、56体積%以下、約54体積%以下、52体積%以下、50体積%以下、48体積%以下、46体積%以下、44体積%以下、42体積%以下、40体積%以下、38体積%以下、36体積%以下、34体積%以下、32体積%以下、30体積%以下、または28体積%超、26体積%以下、24体積%以下、22体積%以下、または20体積%以下としてもよい。研磨粒子の含有量は、上述の最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えば本体部におけるナノ結晶性アルミナの含有量は、2体積%〜64体積%の範囲内、12体積%〜62体積%の範囲内、または20体積%〜58体積%の範囲内とすることができる。
【0048】
一実施形態によれば、本体部は、本明細書に実施形態において、特定の含有量の結合材を含むことができる。例えば本体部の全体積に対する結合材の含有量は、1体積%以上、例えば2体積%以上、5体積%以上、10体積%以上、20体積%以上、30体積%以上、35体積%以上、40体積%以上、または45体積%以上とすることができる。別の例では、結合材の含有量は、98体積%以下、例えば95体積%以下、90体積%以下、85体積%以下、80体積%以下、75体積%以下、70体積%以下、65体積%以下、または60体積%以下、55体積%以下、50体積%以下、または45体積%以下、40体積%以下、または35体積%以下、30体積%以下、または25体積%以下としてもよい。結合材の含有量は、上述の最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えば本体部における結合材の含有量は、1体積%〜98体積%の範囲内、5体積%〜85体積%の範囲内、または20体積%〜70体積%の範囲内とすることができる。
【0049】
研磨物品の本体部は、特定の気孔率を有するよう形成させることができる。一実施形態においては、気孔率は、本体部の全体積の1体積%以上とすることができる。例えば気孔率は、2体積%以上、4体積%以上、6体積%以上、8体積%以上、10体積%以上、12体積%以上、14体積%以上、16体積%以上、18体積%以上、20体積%以上、25体積%以上、30体積%以上、40体積%以上、45体積%以上、50体積%以上、または55体積%以上とすることができる。別の実施形態においては、本体部の気孔率は、80体積%以下としてもよい。例えば気孔率は、75体積%以下、70体積%以下、60体積%以下、55体積%以下、50体積%以下、45体積%以下、40体積%以下、35体積%以下、30体積%以下、25体積%以下、20体積%以下、15体積%以下、10体積%以下、5体積%以下、または2体積%以下としてもよい。本体部の気孔率は、上述の最小のパーセントのいずれかから最大のパーセントのいずれかまでを含む範囲内とすることができることが理解されよう。例えば本体部における結合材の含有量は、1体積%〜80体積%の範囲内、8体積%〜55体積%の範囲内、または14体積%〜30体積%の範囲内とすることができる。
【0050】
本体部の気孔は、様々な形態とすることができる。例えば気孔は、閉気孔もしくは開気孔とすることができ、または閉気孔及び開気孔を含むことができる。一実施形態においては、気孔は、閉気孔、開気孔、及びそれらの組合せからなる群から選択される種類の気孔を含むことができる。別の実施形態においては、気孔の大部分は、開気孔を含むことができる。特定の実施形態においては、全ての気孔は、本質的に開気孔とすることができる。さらに、別の実施形態においては、気孔の大部分は、閉気孔を含むことができる。例えば全ての気孔は、本質的に閉気孔とすることができる。
【0051】
本体部は、特定の平均細孔径を有する細孔を含むことができる。一実施形態においては、平均細孔径は、500ミクロン以下、例えば450ミクロン以下、400ミクロン以下、350ミクロン以下、300ミクロン以下、250ミクロン以下、200ミクロン以下、150ミクロン以下、または100ミクロン以下としてもよい。別の実施形態においては、平均細孔径は、0.01ミクロン以上、0.1ミクロン以上、または1ミクロン以上とすることができる。本体部は、上述の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内の平均細孔径を有することができることが理解されよう。例えば本体部の平均細孔径は、0.01ミクロン〜500ミクロンの範囲内、0.1ミクロン〜350ミクロンの範囲内、または1ミクロン〜250ミクロンの範囲内とすることができる。
【0052】
一実施形態によれば、本明細書の実施形態の研磨粒子は非凝集化粒子を含むことができ、例えばナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子は、非凝集化粒子とすることができる。別の実施形態によれば、研磨粒子は凝集化粒子を含むことができ、例えばナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子は、凝集化粒子とすることができる。
【0053】
一実施形態においては、ナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子は、成形研磨粒子である。粒子は、2次元形状、3次元形状、またはそれらの組合せを有することができる。例示的な2次元形状としては、正多角形、非正多角形、不規則形状、三角形、部分的に凹んだ三角形、四辺形、長方形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、及びそれらの組合せが挙げられる。一実施形態によれば、研磨粒子は、上述の2次元形状物のいずれかからなることができる。例示的な3次元形状には、多面体、ピラミッド形、楕円体、球、角柱、円柱、円錐、四面体、立方体、直方体、菱面体、角錐台、頂部が切断された楕円体、頂部が切断された球、円錐台、五面体、六面体、七面体、八面体、九面体、十面体、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、漢字、複合多角形形状、不規則形状の輪郭、火山形状、モノスタティック形状、及びそれらの組合せが含まれ得る。モノスタティック形状は、単一の安定静止位置を有する形状とすることができる。別の実施形態によれば、研磨粒子は、上述の3次元形状物のいずれかからなることができる。特定の実施形態においては、成形研磨粒子は、三角形の2次元形状を有することができる。別の特定の実施形態においては、成形研磨粒子は、部分的に凹んだ三角形の2次元形状を有することができる。成形研磨粒子及び形成方法は、Doruk O. YenerらによるUS2013/0236725A1、及びDoruk O. YenerらによるUS2012/0167481において見出すことができ、これらは両方ともに、参照によってその全体を本明細書に組み入れる。
【0054】
図2は、例示的な成形研磨粒子200の斜視図を含む。成形研磨粒子は、3次元形状を有する本体部201を含むことができる。本体部201は概して、第1の端面202と第2の端面204とを有する角柱とすることができる。さらに、成形研磨粒子200は、第1の端面202と第2の端面204の間に延在する第1の側面210を含むことができる。第2の側面212は、第1の側面210に隣接して、第1の端面202と第2の端面204の間に延在してもよい。示すように、成形研磨粒子200は、第2の側面212及び第1の側面210に隣接して、第1の端面202と第2の端面204の間に延在する第3の側面214も含んでもよい。示すように、成形研磨粒子本体部201の各端面202、204は、概して三角形の形状としてもよい。各側面210、212、214は、概して長方形の形状としてもよい。さらに、端面202、204に平行な平面での成形研磨粒子本体部201の断面は、概して三角形である。
【0055】
図3は、別の研磨粒子300の斜視図を含む。示すように、研磨粒子300は、上面305と、上面305の反対側の底面306と、を有する本体部301を含む3次元形状を有することができる。さらに示すように、本体部301は、上面305と底面306の間に延在する側面302、303、307、及び308を有するよう形成させることができる。
【0056】
示すように、本体部301は、本体部の長さ(Lb)、本体部の幅(Wb)、及び本体部の厚さ(Tb)を有することができ、Lb≧Wb、Lb≧Tb、及びWb≧Tbである。さらなる実施形態においては、本体部は、1:1以上の第1のアスペクト比(Lb:Wb)を有することができる。例えばアスペクト比(Lb:Wb)は、2:1以上、3:1以上、5:1以上、または10:1以上とすることができる。別の例においては、アスペクト比(Lb:Wb)は、1000:1以下、または500:1以下としてもよい。アスペクト比(Lb:Wb)は、上述の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内、例えば1:1〜1000:1とすることができることが理解されよう。別の実施形態によれば、本体部は、1:1以上、2:1以上、3:1以上、5:1以上、または10:1以上の第2のアスペクト比(Lb:Tb)を有することができる。第2のアスペクト比は、約1000:1以下としてもよい。第2のアスペクト比(Lb:Tb)は、上述の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内、例えば1:1〜1000:1とすることができることが理解されよう。さらに、別の実施形態によれば、本体部は、1:1以上、2:1以上、3:1以上、5:1以上、または10:1以上の第3のアスペクト比(Wb:Tb)を有することができる。第3のアスペクト比は、約1000:1以下としてもよい。第3のアスペクト比(Wb:Tb)は、上述の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内、例えば1:1〜1000:1とすることができることが理解されよう。
【0057】
さらなる実施形態においては、本体部の長さ(Lb)、本体部の幅(Wb)、及び本体部の厚さ(Tb)のうちの少なくとも1つは、0.1ミクロン以上の平均寸法を有することができる。例えば平均寸法は、1ミクロン以上、10ミクロン以上、50ミクロン以上、100ミクロン以上、または150ミクロン以上、200ミクロン以上、400ミクロン以上、600ミクロン以上、800ミクロン以上、または1mm以上とすることができる。別の例では、平均寸法は、20mm以下、例えば18mm以下、16mm以下、14mm以下、12mm以下、10mm以下、8mm以下、6mm以下、または4mm以下としてもよい。平均寸法は、上述の最小値のいずれかから最大値のいずれかまでを含む範囲内、例えば1ミクロン〜20mm、10ミクロン〜18mm、50ミクロン〜14mm、または200ミクロン〜8mmとすることができることが理解されよう。
【0058】
一実施形態によれば、本体部は、本体部の長さと本体部の幅とによって画定される平面において、断面形状を有することができる。その断面形状には、三角形、四辺形、長方形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、及びそれらの組合せが含まれ得る。別の実施形態によれば、本体部は、本体部の長さと本体部の厚さとによって画定される平面において、断面形状を有することができる。その断面形状には、三角形、四辺形、長方形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、及びそれらの組合せが含まれ得る。本体部は、上述の形状のいずれかの断面形状を有することができる。例えば
図4は、幅と厚さとによって画定される面で見た場合に、概して四辺形形状、より詳細には長方形の2次元形状を有する研磨粒子400の断面図を含む。あるいは、
図5は、長さと幅とによって画定される平面で見た場合に、概して八角形の2次元形状を有することができる研磨粒子500の斜視図を含む。
【0059】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかは本明細書において記載されている。本明細書を読了後、当業者であれば、これらの態様及び実施形態が単に説明用であり、本発明の範囲を限定するものではないことを認識するであろう。さらに、当業者であれば、アナログ回路を含む一部の実施形態は、デジタル回路を使用して同様に実施することができ、逆の場合も同様であることを理解するであろう。実施形態は、以下に挙げる実施形態のいずれか1つまたは複数に従ってもよい。
【0060】
実施形態1。
有機材料を含む結合材;及び
結合材に含有された研磨粒子であって、ナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子
を含む本体部
を含む研磨物品。
【0061】
実施形態2。
有機材料を含む結合材;
ナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子;
を含む混合物を形成させること、及び
混合物を硬化させて、固定研磨物品を形成させること
を含む、研磨物品を形成させる方法。
【0062】
実施形態3。結合剤が、樹脂、熱硬化性物質、熱可塑性物質、フェノール樹脂、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0063】
実施形態4。結合材が本質的に有機材料からなる、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0064】
実施形態5。研磨粒子が、約0.18ミクロン以下、または約0.17ミクロン以下、または約0.16ミクロン以下、または約0.15ミクロン以下、または約0.14ミクロン以下、または約0.13ミクロン以下の平均結晶子サイズを有するナノ結晶性アルミナを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0065】
実施形態6。研磨粒子が、約0.01ミクロン以上、または約0.02ミクロン以上、または約0.05ミクロン以上、または約0.06ミクロン以上、または約0.07ミクロン以上、または約0.08ミクロン以上、または約0.09ミクロン以上の平均結晶子サイズを有するナノ結晶性アルミナを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0066】
実施形態7。ナノ結晶性アルミナが、粒子の総重量の約51重量%以上、または約60重量%以上、または約70重量%以上、または約80重量%以上、または約85重量%以上、または約90重量%以上、または約92重量%以上、または約93重量%以上、または約94重量%以上のアルミナを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0067】
実施形態8。ナノ結晶性アルミナが、粒子の総重量の約99.9重量%以下、または約99重量%以下、または約98.5重量%以下、または約98重量%以下、または約97.5重量%以下、または約97重量%以下、または約96.5重量%以下、または約96重量%以下のアルミナを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0068】
実施形態9。ナノ結晶性アルミナが、遷移金属元素、希土類元素、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、ケイ素、及びそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の添加物を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0069】
実施形態10。添加物が、マグネシウム、ジルコニウム、カルシウム、ケイ素、鉄、イットリウム、ランタン、セリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0070】
実施形態11。添加物が、マグネシウム、ジルコニウム、カルシウム、ケイ素、鉄、イットリウム、ランタン、及びセリウムからなる群から選択される2種以上の材料を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0071】
実施形態12。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナ粒子の総重量の約12重量パーセント以下、または約11重量%以下、または約10重量%以下、または約9.5重量%以下、または約9重量%以下、または約8.5重量%以下、または約8重量%以下、または約7.5重量%以下、または約7重量%以下、または約6.5重量%以下、または約6重量%以下、または約5.8重量%以下、または約5.5重量%以下、または約5.3重量%以下、または約5重量%以下の合計含有量の添加物を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0072】
実施形態13。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナ粒子の総重量の約0.1重量%以上、または約0.3重量%以上、または約0.5重量%以上、または約0.7重量%以上、または約1重量%以上、または約1.3重量%以上、または約1.5重量%以上、または約1.7重量%以上、または約2重量%以上、または約2.3重量%以上、または約2.5重量%以上、または約2.7重量%、または約3重量%以上の合計含有量の添加物を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0073】
実施形態14。添加物が酸化マグネシウム(MgO)を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0074】
実施形態15。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナの総重量の約0.1重量%以上、または約0.3重量%以上、または約0.5重量%以上、または約0.7重量%以上、または約0.8重量%以上のMgOを含む、実施形態14に記載の研磨物品または方法。
【0075】
実施形態16。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナの総重量の約5重量%以下、または約4.5重量%以下、または約4重量%以下、または約3.5重量%以下、または約3重量%以下、または約2.8重量%以下のMgOを含む、実施形態14に記載の研磨物品または方法。
【0076】
実施形態17。添加物が酸化ジルコニウム(ZrO
2)を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0077】
実施形態18。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナの総重量の約0.1重量%以上、または約0.3重量%以上、または約0.5重量%以上、または約0.7重量%以上、または約0.8重量%以上、または約1重量%以上、または約1.3重量%以上、または約1.5重量%以上、または約1.7重量%以上、または約2重量%以上のZrO
2を含む、実施形態17に記載の研磨物品または方法。
【0078】
実施形態19。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナの総重量の約8重量%以下、または約7重量%以下、または約6重量%以下、または約5.8重量%以下、または約5.5重量%以下、または約5.2重量%以下のZrO
2を含む、実施形態17に記載の研磨物品または方法。
【0079】
実施形態20。添加物が、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化ジルコニウム(ZrO
2)を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0080】
実施形態21。ナノ結晶性アルミナが、1.5以下の添加物比(MgO/ZrO
2)を有し、MgOはナノ結晶性アルミナにおけるMgOの重量パーセントであり、ZrO
2はナノ結晶性アルミナにおけるZrO
2の重量パーセントであり、添加物比(MgO/ZrO
2)が約1.4以下、または約1.3以下、または約1.2以下、または約1.1以下、または約1以下、または約0.95以下、または約0.9以下、または約0.85以下、または約0.8以下、または約0.75以下、または約0.7以下、または約0.65以下、または約0.6以下、または約0.55以下である、実施形態20に記載の研磨物品または方法。
【0081】
実施形態22。ナノ結晶性アルミナが、約0.01以上の添加物比(MgO/ZrO
2)を有し、MgOはナノ結晶性アルミナにおけるMgOの重量パーセントであり、ZrO
2はナノ結晶性アルミナにおけるZrO
2の重量パーセントであり、添加物比(MgO/ZrO
2)が約0.05以上、または約0.1以上、または約0.2以上、または約0.3以上、または約0.4以上、または約0.5以上である、実施形態20に記載の研磨物品または方法。
【0082】
実施形態23。添加物が酸化カルシウム(CaO)を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0083】
実施形態24。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナの総重量の約0.01重量%以上、または約0.05重量%以上、または約0.07重量%以上、または約0.1重量%以上、または約0.15重量%以上、または約0.2重量%以上、または約0.25重量%以上のCaOを含む、実施形態23に記載の研磨物品または方法。
【0084】
実施形態25。ナノ結晶性アルミナが、ナノ結晶性アルミナの総重量の約5重量%以下、または約4重量%以下、または約3重量%以下、または約2重量%以下、または約1重量%以下、または約0.7重量%以下、または約0.5重量%以下のCaOを含む、実施形態23に記載の研磨物品または方法。
【0085】
実施形態26。添加物が、酸化マグネシウム(MgO)及び酸化カルシウム(CaO)を含む、実施形態9に記載の研磨物品または方法。
【0086】
実施形態27。ナノ結晶性アルミナが、1以下の添加物比(CaO/MgO)を有し、MgOはナノ結晶性アルミナにおけるMgOの重量パーセントであり、CaOはナノ結晶性アルミナにおけるCaOの重量パーセントであり、添加物比(CaO/MgO)が約0.95以下、または約0.9以下、または約0.85以下、または約0.8以下、または約0.75以下、または約0.7以下、または約0.65以下、または約0.6以下、または約0.55以下、または約0.5以下、または約0.45以下、または約0.4以下である、実施形態26に記載の研磨物品または方法。
【0087】
実施形態28。ナノ結晶性アルミナが、約0.01以上の添加物比(CaO/MgO)を有し、MgOはナノ結晶性アルミナにおけるMgOの重量パーセントであり、CaOはナノ結晶性アルミナにおけるCaOの重量パーセントであり、添加物比(CaO/MgO)が約0.05以上、または約0.1以上、または約0.15以上、または約0.2以上、または約0.25以上である、実施形態26に記載の研磨物品または方法。
【0088】
実施形態29。ナノ結晶性アルミナが、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化サマリウム、酸化イッテルビウム、酸化ネオジム、酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化ジスプロシウム、酸化エルビウム、それらの前駆体、及びそれらの組合せからなる群から選択される希土類酸化物を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0089】
実施形態30。ナノ結晶性アルミナが、希土類アルミナ結晶子を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0090】
実施形態31。ナノ結晶性アルミナが、スピネル材料を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0091】
実施形態32。ナノ結晶性材料がナノ結晶性粒子を含み、各粒子が、各粒子の全体積の約50体積%以上の結晶性材料もしくは多結晶材料、もしくは約75体積%以上の結晶性材料もしくは多結晶材料、もしくは約85体積%以上の結晶性材料もしくは多結晶材料、もしくは約90体積%以上の結晶性材料もしくは多結晶材料、もしくは約95体積%以上の結晶性材料もしくは多結晶材料を含むか、または各粒子が、結晶性材料もしくは多結晶材料から本質的になる、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0092】
実施形態33。ナノ結晶性アルミナが、希土類酸化物及び鉄を本質的に含まない、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0093】
実施形態34。ナノ結晶性アルミナが希土類アルミン酸塩相を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0094】
実施形態35。ナノ結晶性アルミナが、約18GPa以上、または約18.5GPa以上、または19GPa以上、または約19.5GPa以上のビッカース硬度を有する、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0095】
実施形態36。ナノ結晶性アルミナが、約3.85g/cc以上、または約3.9g/cc以上、または約3.94g/cc以上の密度を有する、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0096】
実施形態37。本体部が固定研磨物品を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0097】
実施形態38。本体部が、結合材の3次元マトリックスに含有された研磨結晶粒を含む砥石物品を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0098】
実施形態39。本体部が、本体部の全体積の約1体積%以上、または約2体積%以上、または約4体積%以上、または約6体積%以上、または約8体積%以上、または約10体積%以上、または約12体積%以上、または約14体積%以上、または約16体積%以上、または約18体積%以上、または約20体積%以上、または約25体積%以上、または約30体積%以上、または約35体積%以上の研磨粒子を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0099】
実施形態40。本体部が、本体部の全体積の約65体積%以下、または約64体積%以下、または約62体積%以下、または約60体積%以下、または約58体積%以下、または約56体積%以下、または約54体積%以下、または約52体積%以下、または約50体積%以下、または約48体積%以下、または約46体積%以下、または約44体積%以下、または約42体積%以下、または約40体積%以下、または約38体積%以下、または約36体積%以下、または約34体積%以下、または約32体積%以下、または約30体積%以下、または約28体積%以下、または約26体積%以下、または約24体積%以下、または約22体積%以下、または約20体積%以下の研磨粒子を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0100】
実施形態41。本体部が、本体部の全体積の約1体積%以上、または約2体積%以上、または約4体積%以上、または約6体積%以上、または約8体積%以上、または約10体積%以上、または約12体積%以上、または約14体積%以上、または約16体積%以上、または約18体積%以上、または約20体積%以上、または約25体積%以上、または約30体積%以上、または約35体積%以上のナノ結晶性アルミナを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0101】
実施形態42。本体部が、本体部の全体積の約65体積%以下、または約64体積%以下、または約62体積%以下、または約60体積%以下、または約58体積%以下、または約56体積%以下、または約54体積%以下、または約52体積%以下、または約50体積%以下、または約48体積%以下、または約46体積%以下、または約44体積%以下、または約42体積%以下、または約40体積%以下、または約38体積%以下、または約36体積%以下、または約34体積%以下、または約32体積%以下、または約30体積%以下、または約28体積%以下、または約26体積%以下、または約24体積%以下、または約22体積%以下、または約20体積%以下のナノ結晶性アルミナを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0102】
実施形態43。研磨粒子が、ナノ結晶性アルミナを含む第1の種類の研磨粒子と、酸化物、炭化物、窒化物、ホウ化物、オキシ炭化物、オキシ窒化物、超砥粒、炭素系材料、凝集体、集合体、成形研磨粒子、及びそれらの組合せからなる群から選択される第2の種類の研磨粒子と、を含むブレンドを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0103】
実施形態44。研磨粒子が、本質的にナノ結晶性アルミナからなる、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0104】
実施形態45。本体部が、本体部の全体積の約1体積%以上、または約2体積%以上、または約5体積%以上、または約10体積%以上、または約20体積%以上、または約30体積%以上、または約35体積%以上、または約40体積%以上、または約45体積%以上の結合材を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0105】
実施形態46。本体部が、本体部の全体積の約98体積%以下、または約95体積%以下、または約90体積%以下、または約85体積%以下、または約80体積%以下、または約75体積%以下、または約70体積%以下、または約65体積%以下、または約60体積%以下、または約55体積%以下、または約50体積%以下、または約45体積%以下、または約40体積%以下、または約35体積%以下、または約30体積%以下、または約25体積%以下の結合材を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0106】
実施形態47。本体部が、本体部の全体積の約1体積%以上、または約2体積%以上、または約4体積%以上、または約6体積%以上、または約8体積%以上、または約10体積%以上、または約12体積%以上、または約14体積%以上、または約16体積%以上、または約18体積%以上、または約20体積%以上、または約25体積%以上、または約30体積%以上、または約40体積%以上、または約45体積%以上、または約50体積%以上、または約55体積%以上の気孔率を有する、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0107】
実施形態48。本体部が、本体部の全体積の約80体積%以下、または約75体積%以下、または約70体積%以下、または約65体積%以下、または約60体積%以下、または約55体積%以下、または約50体積%以下、または約45体積%以下、または約40体積%以下、または約35体積%以下、または約30体積%以下、または約25体積%以下、または約20体積%以下、または約15体積%以下、または約10体積%以下、または約5体積%以下、または約2体積%以下の気孔率を有する、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0108】
実施形態49。本体部が、閉気孔、開気孔、及びそれらの組合せからなる群から選択される種類の気孔を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0109】
実施形態50。本体部が気孔を含み、気孔の大部分が開気孔であり、本質的に全ての気孔が開気孔である、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0110】
実施形態51。本体部が気孔を含み、気孔の大部分が閉気孔であり、本質的に全ての気孔が閉気孔である、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0111】
実施形態52。本体部が、約0.01ミクロン以上、または約0.1ミクロン以上、または約1ミクロン以上の平均細孔径を有する気孔を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0112】
実施形態53。ナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子が非凝集化粒子である、実施形態1に記載の研磨物品または方法。
【0113】
実施形態54。ナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子が凝集化粒子である、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0114】
実施形態55。ナノ結晶性アルミナを含む研磨粒子が成形研磨粒子である、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0115】
実施形態56。成形研磨粒子が、正多角形、非正多角形、不規則形状、三角形、部分的に凹んだ三角形、四辺形、長方形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、及びそれらの組合せからなる群から選択される2次元形状を有する、実施形態55に記載の研磨物品または方法。
【0116】
実施形態57。成形研磨粒子が、多面体、ピラミッド形、楕円体、球、角柱、円柱、円錐、四面体、立方体、直方体、菱面体、角錐台、頂部が切断された楕円体、頂部が切断された球、円錐台、五面体、六面体、七面体、八面体、九面体、十面体、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、漢字、複合多角形形状、不規則形状の輪郭、火山形状、モノスタティック形状、及びそれらの組合せからなる群から選択される3次元形状を有し、モノスタティック形状は、単一の安定静止位置を有する形状である、実施形態55に記載の研磨物品または方法。
【0117】
実施形態58。成形研磨粒子が、三角形の2次元形状を有する、実施形態55に記載の研磨物品または方法。
【0118】
実施形態59。成形研磨粒子が、部分的に凹んだ三角形の2次元形状を有する、実施形態55に記載の研磨物品または方法。
【0119】
実施形態60。成形研磨粒子が、本体部の長さ(Lb)、本体部の幅(Wb)、及び本体部の厚さ(Tb)を有する本体部を含み、Lb>Wb、Lb>Tb、及びWb>Tbである、実施形態55に記載の研磨物品または方法。
【0120】
実施形態61。本体部が、約1:1以上、または約2:1以上、または約3:1以上、または約5:1以上、または約10:1以上、かつ約1000:1以下の第1のアスペクト比(Lb:Wb)を有する、実施形態60に記載の研磨物品または方法。
【0121】
実施形態62。本体部が、約1:1以上、または約2:1以上、または約3:1以上、または約5:1以上、または約10:1以上、かつ約1000:1以下の第2のアスペクト比(Lb:Tb)を有する、実施形態60に記載の研磨物品または方法。
【0122】
実施形態63。本体部が、約1:1以上、または約2:1以上、または約3:1以上、または約5:1以上、または約10:1以上、かつ約1000:1以下の第3のアスペクト比(Wb:Tb)を有する、実施形態60に記載の研磨物品または方法。
【0123】
実施形態64。本体部の長さ(Lb)、本体部の幅(Wb)、及び本体部の厚さ(Tb)のうちの少なくとも1つが、約0.1ミクロン以上、または約1ミクロン以上、または約10ミクロン以上、または約50ミクロン以上、または約100ミクロン以上、または約または150ミクロン以上、または約200ミクロン以上、または約400ミクロン以上、または約600ミクロン以上、または約800ミクロン以上、または約1mm以上、かつ、約20mm以下、または約18mm以下、または約16mm以下、または約14mm以下、または約12mm以下、または約10mm以下、または約8mm以下、または約6mm以下、または約4mm以下の平均寸法を有する、実施形態60に記載の研磨物品または方法。
【0124】
実施形態65。本体部が、本体部の長さと本体部の幅とによって画定される平面において、三角形、四辺形、長方形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、及びそれらの組合せからなる群から選択される断面形状を有する、実施形態60に記載の研磨物品または方法。
【0125】
実施形態66。本体部が、本体部の長さと本体部の厚さとによって画定される平面において、三角形、四辺形、長方形、台形、五角形、六角形、七角形、八角形、楕円、ギリシャ語アルファベット文字、ラテン語アルファベット文字、ロシア語アルファベット文字、及びそれらの組合せからなる群から選択される断面形状を有する、実施形態60に記載の研磨物品または方法。
【0126】
実施形態67。本体部が、粉末、顆粒、球体、繊維、チョップドストランド繊維(CSF)、中空粒子、ポリマー中空球体、及びそれらの組合せからなる群から選択される充填材を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0127】
実施形態68。充填材が、砂、発泡アルミナ、クロム鉄鉱、磁鉄鉱、ドロマイト、発泡ムライト、ホウ化物、二酸化チタン、炭素製品、炭化ケイ素、木粉、粘土、タルク、六方晶窒化ホウ素、二硫化モリブデン、長石、カスミ石閃長岩、ガラス球体、ガラス繊維、CaF
2、KBF4、氷晶石(Na
3AlF
6)、カリウム氷晶石(K
3AlF
6)、黄鉄鉱、ZnS、硫化銅、鉱物油、フッ化物、炭酸塩、炭酸カルシウム、サラン、フェノキシ樹脂、CaO、K
2SO
4、鉱さい綿、MnCl
2、KCl、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施形態67に記載の研磨物品または方法。
【0128】
実施形態69。充填材が、帯電防止剤、潤滑剤、増孔材、着色剤、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施形態67に記載の研磨物品または方法。充填材は、約40ミクロン以下の平均粒径を有する鉄及び硫黄を含んでもよい。
【0129】
実施形態70。結合剤が、1種または複数の天然有機材料、合成有機材料、及びそれらの組合せを含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0130】
実施形態71。結合剤が、フェノール類、エポキシ、ポリエステル、シアネートエステル、セラック、ポリウレタン、ゴム、及びそれらの組合せからなる群から選択される材料を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0131】
実施形態72。結合剤が、ヘキサメチレンテトラミンを含む硬化剤または架橋剤で変性させたフェノール樹脂を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0132】
実施形態73。結合剤が、ミクロン未満の平均サイズを有する架橋ドメインを有するフェノール樹脂を含む、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【0133】
実施形態74。本体部が、ホイール、ホーン、円錐、カップ、フランジ付きホイール、先細カップ、円盤、扇形、軸付先端部、及びそれらの組合せからなる群から選択される形状を有する、実施形態1または2に記載の研磨物品または方法。
【実施例】
【0134】
実施例1
図6A及び6Bは、従来の微結晶性アルミナ結晶粒(
図6A)と、本明細書の実施形態を代表するナノ結晶性アルミナ結晶粒(
図6B)のポリッシングした部分の走査型電子顕微鏡(SEM)像を含む。示されているように、微結晶性アルミナ(MCA)の平均結晶子サイズは約0.2ミクロンであり、ナノ結晶性アルミナ(NCA)の平均結晶子サイズは約0.1ミクロンである。
【0135】
実施例2
代表的なMCA結晶粒試料及びNCA結晶粒試料のビッカース硬度を、本明細書において開示する実施形態に従って測定した。MCA結晶粒及びNCA結晶粒は、Saint−Gobain Corporationから入手した。MCA結晶粒はCerpass(登録商標)HTBとして入手可能である。ナノ結晶性アルミナ及び微結晶性アルミナの結晶子サイズは、それぞれ約0.1ミクロン及び0.2ミクロンである。MCA結晶粒及びNCA結晶粒の試料は同じ方法で調製した。MCA結晶粒及びNCA結晶粒の5つの試料のビッカース硬度を試験した。MCA結晶粒及びNCA結晶粒の平均ビッカース硬度を表1に開示する。
【0136】
NCA結晶粒の比破砕性は、本明細書において開示した手順に従って測定した。MCA及びNCA試料は粗粒子サイズ80を有し、MCA結晶粒を基準試料として使用した。ボールミリング時間は6分であった。表1に開示するように、MCA結晶粒の比破砕性を100%として設定する。NCA結晶粒は、MCA結晶粒のビッカース硬度と非常に類似したビッカース硬度を示したが、123%の比破砕性を有した。
【0137】
【表1】
【0138】
実施例3
2つの異なる種類の試料を、MCA結晶粒及びNCA結晶粒から作製した。MCA結晶粒及びNCA結晶粒の両方は、Saint−Gobain Corporationから入手した。MCA結晶粒はCerpass(登録商標)HTBとして入手可能である。研磨結晶粒47体積%を含む、第1の従来の研削ホイール試料(CS1)を作製した。研磨結晶粒は、微結晶性アルミナ粒子約25体積%と、溶融アランダム38体積%と、SiC38体積%の混合物を含んだ。試料CS1は、樹脂結合剤約20体積%、及び気孔約32体積%も含んだ。研磨粒子約47体積%を含む、第2の研削ホイール試料(S2)を作製した。研磨粒子は、ナノ結晶性アルミナ(NCA)約25体積%と、溶融アランダム38体積%と、SiC38体積%の混合物を含む。試料S2は、試料CS1と同じ種類及び含有量の結合剤及び気孔を含み、有する。粗粒サイズ36の研磨粒子と、粗粒サイズ54の研磨粒子とを用いて、試料CS1及びS2の各々で2バージョンを作製した。NCA及びMCAの結晶サイズは、それぞれ約0.1ミクロン及び0.2ミクロンであった。
【0139】
ホイール試料の作製に使用したNCA及びMCA結晶粒の比破砕性は、本明細書において開示した手順に従って測定した。MCA結晶粒は、基準試料として使用した。粗粒サイズ36を有する結晶粒では、ボールミリング時間は3分であった。粗粒サイズ54では、ボールミリング時間は3分15秒であった。NCA結晶粒の非破砕性を表3に開示する。CS1及びCS2のMCAの非破砕性を100%として設定する。
【0140】
【表3】
【0141】
試料の研削比(G比)は、低い材料除去速度(MRR)の操作と、高い材料除去速度(MRR)の操作の両方を使用して試験し、様々な研削条件をシミュレーションした。
図7Aに示すように、試料の粗粒サイズ36のバージョンでは、試料S2は、試料CS1と比較して、低MRR条件と高MRR条件の両方において有意に高いG比を示した。
図7Bに示すように、試料の粗粒サイズ54のバージョンでは、S2は、CS1と比較して、低MRR操作で顕著に高いG比を有した。さらに、高MRR条件ではS2はCS2からの改良も示した。
【0142】
本発明の実施形態は、現況技術からの発展を表している。いくつかの特許公報では、微結晶性アルミナは、ミクロン未満の平均結晶子サイズを有するよう作製することができることが述べられているが、当業者であれば、市販形態の微結晶性アルミナは、約0.18〜0.25ミクロンの平均結晶子サイズを有することを認識する。出願人らの知る限りでは、より細かい平均結晶子サイズを有するアルミナ系研磨材は市販されていない。さらに、NCAを含む研磨物品の結果は、特に、MCA及びNCA結晶粒のビッカース硬度で本質的に違いがないという発見を考慮すると、非凡かつ意外な結果を示し、当業者は、NCA結晶粒を使用した砥石の性能に有意な差異を予想しない可能性がある。しかしながら、意外かつ非凡なことに、NCA結晶粒を含む研磨物品では、従来のMCA結晶粒を含む研磨物品と比較して、高材料除去速度及び低材料除去速度の両方で、G比(研削ホイールから除かれた材料と比較した、試料から除かれた材料の度合い、ゆえに、研磨物品の有効性の度合い)が有意に改良された。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、MCA結晶粒と比較したNCA結晶粒の非破砕性(例えば100%超)が、NCA結晶粒を用いて形成させた研削ホイールのG比の改良に貢献している可能性がある。
【0143】
全般的な説明または実施例における前述の作業の全てが必要とされるわけではなく、特定の作業の一部は必要とされなくてもよく、また1つ以上のさらなる作業が記載の作業に加えて行われてもよいことに留意されたい。さらにまた、行動の列挙順序は、必ずしも行われる順序であるわけではない。
【0144】
特定の実施形態に関して、利益、他の利点及び問題の解決法を上に記載している。しかしながら、利益、利点、問題の解決法、及び、任意の利益、利点もしくは解決法を生じさせるかまたはそれらをより顕著にし得るいずれの特徴も、特許請求の範囲の請求項のいずれかまたは全ての不可欠な特徴、必須な特徴または本質的な特徴として解釈すべきではない。多くの異なる態様及び実施形態が可能である。これらの態様及び実施形態のいくつかは本明細書において記載されている。本明細書を読了後、当業者であれば、これらの態様及び実施形態が単に説明用であり、本発明の範囲を限定するものではないことを認識するであろう。さらに、当業者であれば、アナログ回路を含む一部の実施形態は、デジタル回路を使用して同様に実施することができ、逆の場合も同様であることを理解するであろう。
【0145】
本明細書において記載される実施形態の詳細及び説明は、様々な実施形態の構成の一般的な理解を提供することを意図するものである。詳細及び説明は、本明細書において記載される構造物または方法を使用する装置及びシステムの全要素及び全特徴を完全且つ包括的に記載するものとしての役割を果たすことを意図していない。別個の実施形態は、1つの実施形態において組合せで提供されてもよく、反対に、簡潔のため1つの実施形態の文脈に記載された様々な特徴は、別個で提供されるかまたは任意の部分組合せで提供されてもよい。さらに、範囲で述べた値について言うことは、その範囲内の全ての値を含む。単に本明細書を読了すれば、他の多くの実施形態が当業者に明らかとなってもよい。本開示の範囲から逸脱することなく構造的置換、論理的置換または別の変化がなされてもよいように、他の実施形態が使用されてもよく、他の実施形態が本開示から派生してもよい。したがって本開示は、限定するものというよりもむしろ説明するものであるとみなされるべきである。特定の実施形態に関して、利益、他の利点及び問題の解決法を上に記載している。しかしながら、利益、利点、問題の解決法、及び、任意の利益、利点もしくは解決法を生じさせるかまたはそれらをより顕著にし得るいずれの特徴も、特許請求の範囲の請求項のいずれかまたは全ての不可欠な特徴、必須な特徴または本質的な特徴として解釈すべきではない。
【0146】
本開示の要約書は、特許法を遵守するために提供するものであり、特許請求の範囲または意味を、解釈または限定するために使用するものではないという理解の下で提出する。加えて、前述の図面の詳細な説明においては、本開示の簡素化の目的で、様々な特徴を一緒にグループ化するか、または単一の実施形態において記載することがある。本開示は、特許請求する実施形態が各請求項において明示的に記載されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映しているとして解釈するべきではない。そうではなく、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、開示する実施形態のいずれかの全ての特徴よりも少ないものを対象としてもよい。よって、以下の特許請求の範囲は、各請求項が特許請求する主題を別々に規定するものとして独立している状態で、図面の詳細な説明に組み入れられる。