特許第6704002号(P6704002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704002
(24)【登録日】2020年5月13日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】胸骨柄を含む胸骨の補綴装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20200525BHJP
   A61B 17/82 20060101ALI20200525BHJP
   A61F 2/28 20060101ALI20200525BHJP
   A61F 2/30 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   A61B17/80
   A61B17/82
   A61F2/28
   A61F2/30
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-562134(P2017-562134)
(86)(22)【出願日】2016年2月17日
(65)【公表番号】特表2018-516676(P2018-516676A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】FR2016050362
(87)【国際公開番号】WO2016135395
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年11月21日
(31)【優先権主張番号】1551572
(32)【優先日】2015年2月24日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1650272
(32)【優先日】2016年1月13日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1650273
(32)【優先日】2016年1月13日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517295344
【氏名又は名称】ヌロ フランス アンプラン
【氏名又は名称原語表記】NEURO FRANCE IMPLANTS
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ファーブル,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ファデル,エリ
(72)【発明者】
【氏名】メルシエ,オラフ
(72)【発明者】
【氏名】モロー,パトリス
(72)【発明者】
【氏名】ミュッソ,サシャ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルネール,カラン
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−003913(JP,A)
【文献】 特開平08−280723(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0257291(US,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第03004337(FR,A1)
【文献】 中国実用新案第203662944(CN,U)
【文献】 中国実用新案第203898499(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56−17/92
A61F 2/28− 2/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胸骨柄を含む胸骨の補綴装置であって、プレート(1)、および肋骨への取付手段(2)を有し、ここで肋骨への前記取付手段(2)はそれぞれ、前記プレート(1)への連動用端部(20)、および肋骨への引っ掛け手段を備える端部(21)を含む補綴装置であって、前記プレート(1)がその上部位に、それぞれが一つのピン(3)のための二つの連動要素(10)をさらに有し、該連動要素はそれぞれ、前記ピン(3)の多角的な可動性を可能にするよう形作られた多軸性関節から成ることを特徴とし、二つのピン(3)をさらに有し、該ピンがそれぞれ一つの多軸性関節(10)に連動され、補綴物であるまたは補綴物でない鎖骨または鎖骨の一部を固定することを目的としていることを特徴とする、胸骨柄を含む胸骨の補綴装置。
【請求項2】
多軸性関節(10)が、玉継ぎ手から成ることを特徴とする、請求項1に記載の胸骨の補綴装置。
【請求項3】
各ピン(3)が、多軸性関節(10)の要素(30)がついた端部によってプレート(1)に連動されることを目的としていることを特徴とする、請求項またはに記載の胸骨の補綴装置。
【請求項4】
各ピン(3)が、一端部によってプレート(1)に連動されることを目的としており、該端部が、多軸性関節(10)の要素(30)から成ることを特徴とする、請求項またはに記載の胸骨の補綴装置。
【請求項5】
二つの多軸性関節(10)がそれぞれ、
−半球形状の空洞(12)を備えた、プレート(1)から突き出ている拡張部分(11)であって、前記空洞(12)が外側に向けて上方および側方に開くようにその軸は前記プレート(1)の平面を通り前記プレート(1)の主要な長手方向軸と角度を成すものである、拡張部分、
−前記空洞(12)の中に収容されることを目的とした球状頭部(30)、
−前記拡張部分(11)に連動可能な蓋(32)であって、前記球状頭部(30)を閉じ込めることにより前記空洞(12)を閉じることを目的とし、前記球状頭部(30)へピン(3)を結合することを可能にする開口部を有している蓋、
を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一つに記載の胸骨の補綴装置。
【請求項6】
拡張部分(11)がそれぞれ、空洞(12)を有するインサート(14)が入っている穴を有することを特徴とする、請求項に記載の胸骨補綴の装置。
【請求項7】
インサート(14)の外側壁が、球状であり、空洞(12)と同心であるが、一方拡張部分(11)の穴は、玉継ぎ手結合を生成するために、部分的に球状であり、前記インサート(14)と一致していることを特徴とする、請求項に記載の胸骨の補綴装置。
【請求項8】
インサート(14)および球状頭部(30)が、PEEKで作製されることを特徴とする、請求項またはに記載の胸骨の補綴装置。
【請求項9】
プレート(1)への連動が、長手方向軸の両側に長手方向に配置される二つのレール(18)を有し、該レール内で、それぞれ一つの取付手段(2)が連動されるスライド用要素(17)が移動したり動きを止められたりすることができることを特徴とする、請求項1からのいずれか一つに記載の胸骨の補綴装置。
【請求項10】
プレート(1)が、連動させるべき取付手段(2)の数よりも多い数の取付手段(2)の固定用の孔(15)を有することを特徴とする、請求項1からのいずれか一つに記載の胸骨の補綴装置。
【請求項11】
各ピン(3)が、骨幹部釘(33)ならびに小プレート(34)を含み、該小プレートが、鎖骨内への前記骨幹部釘(33)の挿入後この鎖骨と外側から接触するのを可能にするために、前記骨幹部釘(33)に平行して、該骨幹部釘の正面に、距離を置いて延在するものであり、前記小プレート(34)には、骨材料内にビス留めされることを目的としたビス(36)の通過を可能にする孔(35)が少なくとも一つあけられていることを特徴とする、請求項から10のいずれか一つに記載の胸骨の補綴装置。
【請求項12】
骨幹部釘(33)が、中心軸の周りに三角形に配置された三本の平行な棒(38)から成ることを特徴とする、請求項11に記載の胸骨の補綴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胸骨および胸骨柄、すなわち鎖骨がつながる胸骨上部の代替物として移植されることを目的とした、胸骨柄を含む胸骨の補綴装置を目的とする。
【背景技術】
【0002】
仏国特許発明第3004337号明細書によって、プレート、および肋骨への取付手段を有する胸骨の補綴装置が既に知られており、ここで肋骨への前記取付手段はそれぞれ、前記プレートへの連動用端部、および肋骨への引っ掛け手段を備える端部を含み、前記プレートは、正中領域の両側の周囲に分配された、前記取付手段のうちの一つの固定領域を有する。
【0003】
そのような胸骨の補綴装置は、胸骨の代替時には先行技術と比べて進歩を遂げてはいるが、しかしながら、胸骨の切除時には、胸骨柄もまた取り除かれてしまっているので鎖骨をつなぎ合わせることができないという理由により、不都合を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】仏国特許発明第3004337号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、仏国特許発明第3004337号明細書の対象になる胸骨の補綴装置を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置は、プレート、および肋骨への取付手段を有し、ここで肋骨への前記取付手段はそれぞれ、前記プレートへの連動用端部、および肋骨への引っ掛け手段を備える端部を含み、また該補綴装置は、前記プレートがその上部位にそれぞれが一つのピンのための二つの連動要素をさらに有するものであり、該連動要素はそれぞれ、前記ピンの多角的な可動性を可能にするよう形作られた多軸性関節から成ることを特徴とする。
【0007】
本発明による補綴装置の付加的特徴によると、該補綴装置はさらに二つのピンを有し、該ピンはそれぞれ一つの多軸性関節に連動され、補綴物であるまたは補綴物でない鎖骨または鎖骨の一部を固定することを目的としている。
【0008】
本発明による補綴装置の別の付加的特徴によると、多軸性関節は玉継ぎ手から成る。
【0009】
本発明による補綴装置の特定の実施形態によると、各ピンは、多軸性関節の要素がついた端部によってプレートに連動されることを目的としている。
【0010】
本発明による補綴装置の別の特定の実施形態によると、各ピンは、多軸性関節の要素から成る端部によってプレートに連動されることを目的としている。
【0011】
本発明による補綴装置の付加的特徴によると、二つの多軸性関節はそれぞれ、
−半球形状の空洞を備えた、プレートから突き出ている拡張部分であって、前記空洞が外側に向けて上方および側方に開くようにその軸は前記プレートの平面を通り前記プレートの主要な長手方向軸と角度を成すものである、拡張部分、
−前記空洞の中に収容されることを目的とした球状頭部、
−前記拡張部分と連動可能な蓋であって、前記球状頭部を閉じ込めることにより前記空洞を閉じることを目的とし、前記球状頭部へピンを結合することを可能にする開口部を有している蓋、
を含む。
【0012】
本発明による補綴装置の付加的特徴によると、拡張部分はそれぞれ、空洞を有するインサートが入っている穴を有する。
【0013】
本発明による補綴装置の付加的特徴によると、インサートの外側壁は、球状であり、空洞と同心であるが、一方拡張部分の穴は、玉継ぎ手結合を生成するために、部分的に球状であり、前記インサートと一致している。
【0014】
本発明による補綴装置の別の付加的特徴によると、インサートおよび球状頭部は、PEEKで作製される。
【0015】
本発明による補綴装置の別の付加的特徴によると、各ピンは骨幹部釘ならびに小プレートを有し、該小プレートは、鎖骨内への前記骨幹部釘の挿入後この鎖骨と外側から接触するのを可能にするために、前記骨幹部釘に平行して、該骨幹部釘の正面に、距離を置いて延在するものであり、前記小プレートには、骨材料内にビス留めされることを目的としたビスの通過を可能にする孔が少なくとも一つあいている。
【0016】
本発明による補綴装置の別の付加的特徴によると、骨幹部釘は、中心軸の周りに三角形に配置された三本の平行な棒から構成される。
【0017】
本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置の利点および特徴は、以下に続く、非制限的実施形態を示す添付の図面に関連する説明から、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置の部分的分解平面図を示している。
図2】同じ装置の一部の概略的斜視図を示している。
図3】同じ装置の分解斜視図を示している。
図4】本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置の変形例の概略的平面図を示している。
図5】本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置の別の変形例の部分的概略平面図を示している。
図6】本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置と協働することを目的としたピンの変形例の斜視図を示している。
図7】本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置と協働することを目的としたピンの特定実施形態の斜視図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図2図3を参照すると、本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置が、この実施形態において、プレート1と、プレート1の両側に側面に沿って広がる、肋骨への四つの取付手段2とを、仏国特許発明第3004337号明細書にしたがってそれ自体が知られている方法で含むことを理解することができる。
【0020】
仏国特許発明第3004337号明細書にしたがって、取付手段のそれぞれが、プレート1への連動用端部20と、肋骨への引っ掛け手段を備える端部21とを有することが注目されるであろう。端部20は、これらの図面では見えない一つの孔を有し、該孔には、プレート1が有するねじ孔15のうちの一つの中にビス留めされるビス22が貫通している。また、割出し手段が、各取付手段2を角度固定することを可能にするが、該割出し手段は、一方では、ねじ孔のそれぞれのところで、ねじ孔15と同心の円弧に配置されるラック16から成り、また他方では、取付手段2のそれぞれの端部20が有する一つの爪23から成り、該爪は、ビス22の通過用孔に半径方向に広がり、またラック16の刻み目のうちの一つと協働することを目的としている。
【0021】
本発明によると、プレート1はさらに、その上部位に、すなわち取付手段2を支える部分と反対側にある先端部に、一つのピン3をそれぞれに挿入するための二つの場所10を有し、該ピンは、切除術の後に非表示の鎖骨内に骨幹部釘33を挿入することによって接続されることを目的としたものであり、該鎖骨もまた補綴物であってもよい。
【0022】
場所10はそれぞれ、半球形状の空洞12を備えた拡張部分11として示されており、外側に向けて上方および側方に開くように、その軸は、プレート1の平面を通りプレート1の主要な長手方向軸と角度を成すものである。拡張部分は、その遠位縁の周囲にねじ山13を備える。
【0023】
空洞12は、球状頭部30を受けることを目的としたものであり、該球状頭部は、ねじ山13にねじ留めされるナット32によってそこに保持され、全体として、玉継ぎ手タイプの多軸性関節を形成する。
【0024】
ピン3は、多軸性関節に連動されることを目的としたものであり、このために、プレート1に連動されることを目的としたその端部および球状頭部30は、組み立てられ、ビス31によって保持される。
【0025】
示される実施形態において、ピン3は、拡張部分11、球状空洞12、ナット32、および球状頭部30が構成する多軸性関節に連動されるが、しかし、球状頭部30がピン3の不可欠な一部を成すこと、したがってピン3が多軸性関節の一部分を有することが、当然考えられる。
【0026】
好ましくは、各拡張部分11の内側に、空洞12を有するインサート14が入っていることに注目すべきである。有利には、インサート14の外側壁は球状であり、また拡張部分11の中に作製される非表示のインサート用の穴は、インサート14と拡張部分11との間の補足の玉継ぎ手結合を生み出すために、インサートと一致している。
【0027】
インサート14ならびに球状玉継ぎ手30が、非制限的にPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)で作製されることもまた注目されるであろう。
【0028】
今度は図4を参照すると、本発明による補綴装置の変形例を見ることができるが、該変形例は、取付手段2のプレート1への連動がスライド用要素17を介して実現されるという点で、図1図2、および図3で示される補綴装置とは異なっており、該スライド用要素にはそれぞれ一つの取付手段2が連動され、プレート1が有する長手方向軸XX’の両側に長手方向に配置される二つのレール18のうちの一つの中で、移動したり動きを止められたりすることができる。
【0029】
プレート1上の取付手段2の位置の調整と、ピン3の多角的な方向づけとの組合せにより、本発明による胸骨柄を含む胸骨の補綴装置の非常に正確な位置づけを見出すことが可能になる。
【0030】
今度は図5を参照すると、本発明による補綴装置の変形例を見ることができるが、ここでプレート1は、患者の解剖学的構造に最も適合したねじ孔15を選択することを可能にするために、連動させるべき取付手段2の数よりも多い数の取付手段2の固定用ねじ孔15を有する。
【0031】
図6を参照すると、骨幹部釘33、球状頭部30、およびナット32、ならびに小プレート34を含むピン3を見ることができるが、該小プレートは、鎖骨内への骨幹部釘33の挿入後この鎖骨と外側から接触するのを可能にするために、骨幹部釘33に平行して、該骨幹部釘の正面に、距離を置いて延在するものである。小プレート34には、骨材料内にビス留めされることを目的としたビス36の通過を可能にする孔35があけられており、該ビスのうちのただ一つだけが表示されている。
【0032】
図7を参照すると、ピン3の変形例の一部36を見ることができるが、該変形例の一部は、非表示の球状頭部内にビス留めされることを目的とするねじ切りされた円筒部分37を有し、該ねじ切りされた円筒部分は、中心軸の周りに三角形に分配され鎖骨内に挿入されることを目的とする三本の平行な棒38で延長されており、該三つの平行な棒は、骨幹部釘となる。
【符号の説明】
【0033】
1 プレート
2 取付手段
3 ピン
11 拡張部分
12 空洞
13 ねじ山
14 インサート
15 ねじ孔
16 ラック
17 スライド用要素
18 レール
20 連動用端部
21 引っ掛け手段を備える端部
22 ビス
30 球状頭部
31 ビス
32 ナット
33 骨幹部釘
34 小プレート
35 孔
36 ビス
37 ねじ切りされた円筒部分
38 棒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7