【実施例】
【0053】
以下、本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0054】
実施例及び比較例において用いた各成分及び材料は以下のとおりである。
[(A)成分:UV硬化型プレポリマー]
以下の合成例1〜7及び比較合成例1に従って、UV硬化型プレポリマー(a)〜(h)を作製した。
【0055】
[(B)成分:光重合開始剤]
(1)光重合開始剤(a)
2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド
BASF社製、商品名「Irgacure TPO」、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤
(2)光重合開始剤(b)
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
BASF社製、商品名「Irgacure 651」、アルキルフェノン系光重合開始剤
(3)光重合開始剤(c)
フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル
BASF社製、商品名「Irgacure MBF」、分子内水素引き抜き型光重合開
始剤
【0056】
[(C)成分:UV硬化型多官能モノマー]
(1)UV硬化型多官能モノマー(a)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
ダイセルオルネクス社製、製品名「DPHA」
(2)UV硬化型多官能モノマー(b)
トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
ダイセルオルネクス社製、製品名「IRR214−K」
(3)UV硬化型多官能モノマー(c)
トリメチロールプロパントリアクリレート
ダイセルオルネクス社製、製品名「TMPTA」
【0057】
[その他成分]
粘着剤
スリーエム社製、製品名「Optically Clear Adhesive 81
46」
【0058】
各物性の評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
【0059】
[リワーク性]
(1)サンプル作製手順
両面接着シートの接着剤層(A)側の離型PETフィルムを剥離し、パターニング位相差ガラス板(0.7t、19インチ)へラミネートにより貼り合わせ、オートクレーブ処理を行った。ラミネートはロールラミネートを用いて、ラミロール温度25〜40℃、ラミロール線圧1.0〜2.0kgf/cm、ラミロール速度0.3〜2.0m/分で実施し、オートクレーブは温度60℃、圧力0.6MPa、時間10分で実施した。次いで、接着剤層(B)側の離型PETフィルムを剥離し、LCDと真空ラミネートにより貼り合わせ、再度オートクレーブ処理を行った後、UV露光することにより試験サンプルを得た。真空ラミネートは、温度25〜50℃、圧力0.01〜0.05MPa、真空引き時間60秒、加圧時間30秒で実施した。オートクレーブは、温度60℃、圧力0.6MPa、時間1時間で実施した。UV露光は超高圧水銀ランプ光源を用いて、積算光量が3000mJ/cm
2となるように実施した。
(2)測定方法
試験サンプルを常温下で未処理PETフィルムと接着剤層(B)の界面にスクレイパーを差し込んでこじ開け、以下に従って評価した。
◎:被着体を破損せず、容易にリワークが可能であった
○:被着体を破損せずリワーク可能であった
×:被着体が破損してしまいリワーク困難であった
【0060】
[信頼性]
(1)サンプル作製手順
リワーク性と同様の手順により試験サンプルを作製した。
(2)測定方法
試験サンプルを湿熱器に立てた状態で放置した。条件は、温度50℃、湿度80%、時間240時間とした。その後、常温で24時間放置した。湿熱器への放置開始時と比較した場合のガラス貼合位置のズレや、浮き、発泡の有無を目視で観察し、以下に従って評価した。
○:ガラスの位置ズレ、浮き、発泡が発生しなかった
×:ガラスの位置ズレ、浮き、発泡が発生した
【0061】
[貼合性]
(1)サンプル作製手順
リワーク性と同様の手順により試験サンプルを作製した。
(2)測定方法
試験サンプルのディスプレイを点灯させ、以下に従って目視で評価した。
○:表示画像に貼合ムラ、3Dズレが発生しなかった(二重像の発生がなかった)
×:表示画像に貼合ムラ、3Dズレが発生した(二重像の発生があった)
【0062】
[光学特性]
(1)サンプル作製手順
両面接着シートの接着剤層(A)側の離型PETフィルムを剥離し、光学ガラス(40mm角)へ真空ラミネートにより貼り合わせた。真空ラミネートは、温度25〜50℃、圧力0.01〜0.05MPa、真空引き時間60秒、加圧時間30秒で実施した。次いで、接着剤層(B)側の離型PETフィルムを剥離し光学ガラス(40mm角)に上記真空ラミネートの条件と同条件にて貼り合わせた後、オートクレーブ処理を行い、UV露光することにより試験サンプルを得た。オートクレーブは温度60℃、圧力0.6MPa、時間1時間にて実施した。UV露光は超高圧水銀ランプ光源を用いて、積算光量が3000mJ/cm
2となるように実施した。
分光光度計(日立ハイテクノロジー製 U−4100)を用いて試験サンプルのイエローインデックス(YI)を測定した。測定条件はC光源、透過、波長λ=380〜760nmとした。
◎:YI値1.5未満
○:YI値1.5値以上2未満
×:YI値2以上
【0063】
[溶融粘度]
(1)サンプル作製手順
樹脂組成物(A)及び(B)を、乾燥後の厚さが50μmとなるように25μmの離型PETの両側にそれぞれ塗布し、130℃で5分間乾燥させた後、反対面に25μmの離型PETを設置し両面接着シートを作製した。
上記で作製した接着シートの離型PETを剥離し、両面接着シート20枚を貼り合せて厚さ1.0mmの接着シートを作製した。この時、貼り合せはロールラミネートにて、ラミロール温度25〜40℃、ラミロール線圧1.0〜2.0kgf/cm、ラミロール速度0.3〜2.0m/minで実施した。
(2)測定方法
動的粘弾性測定装置(株式会社ユービーエム製 Rheosol−G3000)を用いて溶融粘度を測定した。測定条件は、昇温速度5.0℃/minにて温度範囲30〜130℃で実施し、基本周波数1Hz、歪み制御0.12deg、荷重制御300gとした。50℃及び100℃の溶融粘度を測定し、50℃から100℃に温度を上げた時の溶融粘度変化率を、50℃の時の溶融粘度を100とした値で算出した。
【0064】
[剥離強度]
(1)サンプル作製手順
(1−1)接着剤層Aとパターニング位相差ガラス板との間の剥離強度
両面接着シートの接着剤層A側の離型PETフィルムを剥離し、パターニング位相差ガラス板へラミネートにより貼り合わせ、オートクレーブ処理した後、UV露光にて硬化させた。ラミネートはロールラミネートにて、ラミロール温度25〜30℃、ラミロール線圧1.0〜2.0kgf/cm、ラミロール速度0.3〜2.0m/分、オートクレーブは温度60℃、圧力0.6MPa、時間1時間にて実施した。UV露光は超高圧水銀ランプ光源を用いて、積算光量が3000mJ/cm
2となるように実施した。
(1−2)接着剤層Aと透明フィルム基材との間の剥離強度
両面接着シートの接着剤層A側の離型PETフィルムを剥離し、易接着処理を施したPET(東洋紡製 PETA4300#100)へラミネートにより貼り合わせ、オートクレーブ処理した後、UV露光機にて硬化させた。ラミネートはロールラミネートにて、ラミロール温度25〜30℃、ラミロール線圧1.0〜2.0kgf/cm、ラミロール速度0.3〜2.0m/分、オートクレーブは温度60℃、圧力0.6MPa、時間1時間にて実施した。UV露光は超高圧水銀ランプ光源を用いて、積算光量が3000mJ/cm
2となるように実施した。
(1−3)接着剤層Bと透明フィルム基材との間の剥離強度
両面接着シートの接着剤層B側の離型PETフィルムを剥離し、易接着処理を施したPET(東洋紡製 PETA4300#100)へラミネートにより貼り合わせ、オートクレーブ処理した後、UV露光機にて硬化させた。ラミネートはロールラミネートにて、ラミロール温度25〜30℃、ラミロール線圧1.0〜2.0kgf/cm、ラミロール速度0.3〜2.0m/min、オートクレーブは温度60℃、圧力0.6MPa、時間1時間にて実施した。UV露光は超高圧水銀ランプ光源を用いて、積算光量が3000mJ/cm
2となるように実施した。
(1−4)接着剤層BとLCDとの間の剥離強度
両面接着シートの接着剤層B側の離型PETフィルムを剥離し、LCDパネルへ真空ラミネートにより貼り合わせ、オートクレーブ処理した後、UV露光機にて硬化させた。真空ラミネートは、温度25〜50℃、圧力0.01〜0.05MPa、真空引き時間60秒、加圧時間30秒で実施した。オートクレーブは温度60℃、圧力0.6MPa、時間1時間にて実施した。UV露光は超高圧水銀ランプ光源を用いて、積算光量が3000mJ/cm
2となるように実施した。
【0065】
(2)測定方法
(2−1)接着剤層Aとパターニング位相差ガラス板との間の剥離強度
上記(1−1)で作製したサンプルを25mm幅にカットし、両面接着シートを180°方向に引きはがした際の剥離強度を測定した。このとき、引きはがし速度は300m/minで測定した。
(2−2)接着剤層Aと透明フィルム基材との間の剥離強度
上記(1−2)で作製したサンプルを25mm幅にカットし、両面接着シートを180°方向に引きはがした際の剥離強度を測定した。このとき、引きはがし速度は300m/minで測定した。
(2−3)接着剤層Bと透明フィルム基材との間の剥離強度
上記(1−3)で作製したサンプルを25mm幅にカットし、両面接着シートを180°方向に引きはがした際の剥離強度を測定した。このとき、引きはがし速度は300m/minで測定した。
(2−4)接着剤層BとLCDとの間の剥離強度
上記(1−4)で作製したサンプルを25mm幅にカットし、両面接着シートを180°方向に引きはがした際の剥離強度を測定した。このとき、引きはがし速度は300m/minで測定した。
【0066】
(合成例1)UV硬化型プレポリマー(a)
温度計、冷却管、及び攪拌装置を備えた4つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー株式会社製、品名:HDI、略名:HDI)33.3質量部と、重量平均分子量400のポリカーボネートジオール59.4質量部と、ジメチロールブタン酸7.3質量部と、触媒としてジブチル錫ラウレート等の有機錫化合物1質量部と、有機溶媒としてメチルエチルケトン100質量部を反応容器に入れ、70℃で24時間反応させた。
得られた合成物の反応状況を確認するため、IR測定機器を用いて分析を行った。IRチャートにおいて当該合成物のNCO特性吸収(2270cm
-1)が消失していることを確認し、合成物がカルボキシル基を有するウレタンアクリレートであることを確認した。
次に得られたカルボキシル基を有するウレタンアクリレート100質量部と、グリシジルメタクリレート7.1質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.7質量部と、重合禁止剤としてハイドロキノン0.05重合部とを反応容器に入れ、75℃で12時間反応を行い、付加反応させることによりUV硬化型プレポリマー(a)を得た。
なお、付加反応は、以下の方法に従って測定した酸価が5mgKOH/g以下になった時点で終了させた。また、得られたUV硬化型プレポリマー(a)は、重量平均分子量50,000、固形分濃度50質量%、2重結合当量2,000g/eq、Tg5℃であった。
【0067】
(酸価測定方法)
樹脂の固形分1gを秤量し、混合溶剤(質量比:トルエン/メタノール=50/50)を加えて溶解後指示薬としてフェノールフタレイン溶液を適量添加し、0.1Nの水酸化カリウム水溶液で滴定し、下記式(α)により酸価を測定した。
x=10×Vf×56.1/(Wp×I)・・・(α)
(式(α)中、xは酸価(mgKOH/g)を示し、Vfは0.1NのKOH水溶液の滴定量(mL)を示し、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)を示し、Iは測定した樹脂溶液中の不揮発分の割合を(質量%)を示す。)
【0068】
(合成例2)UV硬化型プレポリマー(b)
ヘキサメチレンジイソシアネートと、ポリカーボネートジオール化合物とを、70℃で18時間反応させたこと以外は合成例1と同様の方法により反応を行い、UV硬化型プレポリマー(b)を得た。
得られたUV硬化型プレポリマー(b)は、重量平均分子量10,000、固形分濃度50質量%、2重結合当量2,000g/eq、Tg5℃であった。
【0069】
(合成例3)UV硬化型プレポリマー(c)
ヘキサメチレンジイソシアネートと、ポリカーボネートジオール化合物とを、70℃で48時間反応させたこと以外は合成例1と同様の方法により反応を行い、UV硬化型プレポリマー(c)を得た。
得られたUV硬化型プレポリマー(c)は、重量平均分子量120,000、固形分濃度50質量%、2重結合当量2,000g/eq、Tg5℃であった。
【0070】
(合成例4)UV硬化型プレポリマー(d)
ポリカーボネートジオールに代えてポリエーテルジオールを用いたこと以外は合成例1と同様の方法により、UV硬化型プレポリマー(d)を得た。
得られたUV硬化型プレポリマー(d)は、重量平均分子量50,000、固形分濃度質量50%、2重結合当量2,000g/eq、Tg0℃であった。
【0071】
(合成例5)UV硬化型プレポリマー(e)
ポリカーボネートジオールに代えてポリエステルジオールを用いたこと以外は合成例1と同様の方法により、UV硬化型プレポリマー(e)を得た。
得られたUV硬化型プレポリマー(b)は、重量平均分子量50,000、固形分濃度質量50%、2重結合当量2,000g/eq、Tg0℃であった。
【0072】
(合成例6)UV硬化型プレポリマー(f)
ヘキサメチレンジイソシアネートと、ポリカーボネートジオール化合物とを、70℃で12時間反応させたこと以外は合成例1と同様の方法により反応を行い、UV硬化型プレポリマー(f)を得た。
得られたUV硬化型プレポリマー(f)は、重量平均分子量5,000、固形分濃度50質量%、2重結合当量2,000g/eq、Tg5℃であった。
【0073】
(合成例7)UV硬化型プレポリマー(g)
ヘキサメチレンジイソシアネートと、ポリカーボネートジオール化合物とを、70℃で56時間反応させたこと以外は合成例1と同様の方法により反応を行い、UV硬化型プレポリマー(g)を得た。
得られたUV硬化型プレポリマー(g)は、重量平均分子量150,000、固形分濃度50質量%、2重結合当量2,000g/eq、Tg5℃であった。
【0074】
(比較合成例1)UV硬化型プレポリマー(h)
攪拌機、温度計、滴下漏斗、および窒素導入管を備えた反応容器に、重合溶媒としてメトキシプロパノールプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)100.0gを仕込み、窒素気流下で攪拌しながら80度まで昇温した。これに室温で予め混合しておいたスチレン13.5質量部、アクリル酸エチル67質量部、アクリル酸11.5質量部、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5gを80℃に保温した状態で3時間かけて滴下漏斗から滴下した。滴下終了後、反応溶液を攪拌しながら90℃まで昇温し、反応溶液の温度を90度に保ちながら更に2時間攪拌し共重合物を得た。
次に得られた共重合物100質量部と、グリシジルメタクリレート7.8質量部と、触媒としてトリエチルアミン0.8質量部と、重合禁止剤としてハイドロキノン0.05重合部とを反応容器に入れ、100℃で12時間反応を行い、付加反応させることによりUV硬化型プレポリマー(h)を得た。
なお、付加反応は、酸価が5mgKOH/g以下になった時点で終了させた。また、得られたUV硬化型プレポリマー(h)は、重量平均分子量45,000、固形分濃度47質量%、Tg3℃であった。
【0075】
(実施例1)
(1)UV硬化型樹脂組成物の調製
反応容器の中に、UV硬化型プレポリマー(a)100質量部を加え、さらに、光重合開始剤(a)0.5質量部、及び溶剤としてメチルエチルケトン140質量部を加えて撹拌し、樹脂組成物(A)を得た。
反応容器の中に、UV硬化型プレポリマー(a)100質量部を加え、さらに、UV硬化型多官能モノマー(a)25質量部、光重合開始剤(a)1.5質量部、及び溶剤としてメチルエチルケトン140質量部を加えて撹拌し、樹脂組成物(B)を得た。
(2)両面接着シートの作製
上記(1)で得られた樹脂組成物(A)を、乾燥後の厚さが50μm以上となるように25μmの未処理PETフィルム上に塗布し、130℃で5分間乾燥して接着剤層(A)を形成した後、反対面に50μmの離型PETフィルムを設置し、片面接着シートを得た。
上記(1)で得られた樹脂組成物(B)を、乾燥後の厚さが50μm以上となるように上記で作製した片面接着シートの未処理PETフィルム上に塗布し、130℃で5分間乾燥させて接着剤層(B)を形成した後、75μmの離型PETフィルムを設置し、両面接着シートを得た。
得られた両面接着シートを用いて、リワーク性、信頼性、貼合性、光学特性、溶融粘度及び剥離強度の評価を行った。
【0076】
(実施例2〜6)及び(比較例1〜5)
接着剤層(B)を固定し、表1及び2に記載されたとおりに各成分の種類および含有量を変更して得られた樹脂組成物を用いて接着剤層(A)を形成したこと以外は実施例1と同様の方法により、両面接着シートを得た。
得られた接着シートを用いて、リワーク性、信頼性、貼合性、光学特性、溶融粘度及び剥離強度の評価を行った。
【0077】
(実施例7〜20)、(比較例6〜11)
接着剤層(A)を固定し、表3〜5に記載されたとおりに各成分の種類および含有量を変更して得られた樹脂組成物を用いて接着剤層(B)を形成したこと以外は実施例1と同様の方法により、両面接着シートを得た。
得られた接着シートを用いて、リワーク性、信頼性、貼合性、光学特性、溶融粘度及び剥離強度の評価を行った。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【表4】
【0082】
【表5】
【0083】
上記結果に示すとおり、本実施形態における両面接着シートは、常温でも被着体からLCDを容易に引き剥がしてリワークすることができ、且つ、良好な信頼性及び貼合性を付与することが可能であった。