(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記環状カルボナートエンドキャッピング基の前記第2のタイプのエンドキャッピング基に対する比が1:2と2:1との間である、請求項4に記載の電気光学アセンブリ。
前記ポリウレタンが、ジイソシアナート化合物と少なくとも1つのタイプのジオールとの反応、および環状カルボナートエンドキャッピング試薬との反応によって形成される、請求項1に記載の電気光学アセンブリ。
前記ポリウレタンが、ジイソシアナート化合物と少なくとも1つのタイプのジオールとの反応後に、環状カルボナートエンドキャッピング試薬およびピロリドンを含む第2のタイプのエンドキャッピング試薬と反応させることによって形成される、請求項5に記載の電気光学アセンブリ。
前記エンドキャッピング環状カルボナートが、いかなる溶媒も含まない全組成に対して2重量%と10重量%との間の重量百分率である、請求項1に記載の電気光学アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の他の態様、実施形態、および特徴は、添付の図面と併せて考慮した場合に、以下の詳細な説明から明らかとなる。
【0027】
詳細な説明
本発明は、電気光学アセンブリ(例えば、封入電気泳動ディスプレイ)に組み込むのに非常に適している新規のクラスのポリウレタン接着剤層を含む。ポリウレタン接着剤は、典型的には、少なくとも1つの環状カルボナート基を含むが、ポリウレタン接着剤は、さらなる機能的な要素および/または架橋剤を含み得る。いくつかの実施形態では、接着剤を、2つまたはそれを超える硬化工程によって形成する。各硬化工程は、接着剤が各硬化工程で少なくとも1回硬化されるような、例えば、接着剤の架橋、接着剤の熱可塑性乾燥、接着剤のエンドキャッピング、接着剤の鎖延長、および/またはその組み合わせを含み得る。
【0028】
接着剤は、少なくとも1つのタイプのエンドキャッピング試薬および/または少なくとも1つのタイプの鎖延長試薬を含み得る。特定の実施形態では、接着剤は、2つまたはそれを超える反応性官能基(例えば、2つまたはそれを超える反応性官能基のうちの少なくとも1つが架橋などの硬化部分を形成するように、1つまたはそれを超える硬化種と反応するように構成された反応性官能基)を含む。接着剤は、いくつかの場合、アクリルを含む。特定の実施形態では、接着剤は、2つまたはそれを超えるタイプの接着剤材料を含むハイブリッド接着剤(例えば、ポリウレタンおよびアクリルを含むハイブリッド接着剤)である。いくつかの実施形態では、接着剤を、2つの異なるセットの条件下での2つまたはそれを超える接着剤材料の硬化によって形成する。例えば、1つの例示的な実施形態では、接着剤は、熱可塑性乾燥によって硬化するアクリル、およびアクリルとの反応によって(例えば、アクリルとの架橋によって)硬化するポリウレタンを含む。
【0029】
接着剤および接着剤層を形成する方法も一般的に提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、1つまたはそれを超える反応性官能基を1つまたはそれを超える硬化種と反応させること(例えば、接着剤を第1の硬化種と反応させ、その後に接着剤を第2の硬化種と反応させること)によって接着剤を硬化させる工程を含む。例えば、接着剤の硬化は、1つまたはそれを超える反応性官能基を硬化種(架橋試薬など)と反応させることによって接着剤を架橋させることを含み得る。反応性官能基および硬化種のタイプを、本明細書中により詳細に記載している。いくつかの場合、接着剤の硬化は、接着剤の架橋、接着剤の熱可塑性乾燥、接着剤のエンドキャッピング、接着剤の鎖延長、および/またはその組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、接着剤の硬化は、第1の硬化工程および第2の硬化工程を含む(例えば、各硬化工程は、反応性官能基を1つまたはそれを超える硬化種と反応させることを含む)。いくつかの場合、第1の硬化工程後且つ第2の硬化工程前に基板(例えば、剥離層、電気光学層)を接着剤に接着する。
【0030】
接着剤は、いくつかの用途(電気光学アセンブリで(例えば、接着剤層として)用いる材料が含まれるが、これらに限定されない)で有用であり得る。電気光学アセンブリは、電気光学ディスプレイ(電気泳動ディスプレイなど)を形成することができる。上記のように、電気光学アセンブリは、一般に、複数の機能層(フロントプレーン電極(例えば、導電材料でコーティングした高分子薄膜を含み得る)、バックプレーン電極(例えば、電極、回路構成要素、および/または支持層を含み得る)、ならびに電気光学材料層が含まれるが、これらに限定されない)を含む。電気光学材料層は、少なくとも1つの光学特性(例えば、光伝送、反射率、発光)が異なる第1および第2の表示状態を有する電気光学材料を含むことができ、この材料は、電場を材料に印加することによってその第1の表示状態から第2の表示状態に変化する。例えば、いくつかの電気泳動ディスプレイでは、電気光学材料層は、バインダー中に分散された複数のカプセルを含み得る。カプセルは、帯電インク粒子(例えば、黒色および白色のインク粒子)が懸濁した透明な流体を含み得る。インク粒子は、電場に反応してカプセル内を移動し、画像を生成し、この画像が表示される。
【0031】
用語「電気光学的な」は、材料またはディスプレイに適用する場合、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する材料をいうために画像作成分野におけるその従来の意味で本明細書中において使用され、この材料は、電場を材料に印加することによってその第1の表示状態から第2の表示状態に変化する。光学特性は、典型的には、人間の眼が認識できる色相であるが、光学特性は、別の光学特性(光伝送、反射率、および発光など)または、機械読み取りを意図するディスプレイの場合、可視領域外の電磁波波長の反射率の変化という意味での疑似カラーであり得る。
【0032】
用語「グレー状態」は、画素の2つの光学的極限状態の中間の状態をいうために画像作成分野におけるその従来の意味で本明細書中において使用され、これら2つの極限状態の間の白−黒遷移を必ずしも意図しない。例えば、本明細書中で電気泳動ディスプレイ(EPID)を説明するために言及したいくつかのE Ink社の特許および公開された出願では、極限状態が白色および深青色であり、そのため、中間の「グレー状態」が実際には淡青色である。実際に、既に言及するように、光学的状態の変化は、色の変化では全くない可能性がある。用語「黒」および「白」を、以後、ディスプレイの2つの光学的極限状態をいうために使用する場合があり、厳密に黒および白ではない光学的極限状態(例えば、上述の白状態および濃青色状態)が通常は含まれると理解すべきである。用語「モノクローム」を、以後、画素がグレー状態を介在することなくその2つの光学的極限状態を単に駆動する駆動スキームを示すために使用する場合がある。
【0033】
用語「双安定性の」および「双安定性」とは、少なくとも1つの光学特性が異なる第1の表示状態および第2の表示状態を有するディスプレイ要素を含むディスプレイであって、任意の所定の要素が駆動された後、有限の継続時間のアドレス割り当てパルスによって、その第1の表示状態もしくは第2の表示状態のいずれかを呈するために、上記アドレス割り当てパルスが終了した後に、その状態が、上記ディスプレイ要素の状態を変化させるために必要とされる上記アドレス割り当てパルスの最小限の継続時間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍にわたって持続する、ディスプレイをいうために、当該分野でのそれらの従来の意味において本明細書で使用される。米国特許第7,170,670号において、グレースケールが可能ないくつかの粒子系電気泳動ディスプレイはその極限の黒状態および白状態だけでなく、その中間のグレー状態でも安定であり、同一のことがいくつかの他のタイプの電気光学ディスプレイにも当てはまることが示されている。このタイプのディスプレイは、適宜、双安定よりもむしろ「多安定性」と呼ばれるが、双安定性ディスプレイおよび多安定性ディスプレイの両方を対象とするために、便宜上、用語「双安定性の」を本明細書中で使用する場合がある。
【0034】
いくつかのタイプの電気光学ディスプレイが公知である。1つのタイプの電気光学ディスプレイは、例えば、米国特許第5,808,783号;同第5,777,782号;同第5,760,761号;同第6,054,071号;同第6,055,091号;同第6,097,531号;同第6,128,124号;同第6,137,467号;および同第6,147,791号に記載の回転二色性部材(rotating bichromal member)タイプである(このタイプのディスプレイは、しばしば、「回転二色性ボール」ディスプレイをいうが、前述の特許のいくつかにおいて、回転部材が球状ではないので、用語「回転二色性部材」がより正確で好ましい)。かかるディスプレイは、異なる光学特性を有する2つまたはそれを超える部分および内部双極子を有する多数の小体(典型的には、球状または円柱状)を使用する。これらの小体は、マトリックス内の液体充填小胞内に懸濁され、この小胞は、小体が自由に回転するように液体が充填されている。ディスプレイに電場を印加し、それにより、小体が種々の位置に回転することによってディスプレイの外観が変化し、画面を通してこの小体の部分の変動を見る。このタイプの電気光学媒体は、典型的に双安定性である。
【0035】
別のタイプの電気光学ディスプレイは、エレクトロクロミック媒体(例えば、少なくとも一部が金属酸化物半導体から形成された電極およびこの電極に取り付けられた可逆的に変色することができる複数の色素分子を含むナノクロミック薄膜(nanochromic film)の形態のエレクトロクロミック媒体)を使用する;例えば、O’Regan,B.ら,Nature 1991,353,737;およびWood,D.,Information Display,18(3),24(March 2002)を参照のこと。Bach,U.ら,Adv.Mater.,2002,14(11),845も参照のこと。このタイプのナノクロミック薄膜は、例えば、米国特許第6,301,038号;同第6,870,657号;および同第6,950,220号にも記載されている。このタイプの媒体も典型的に双安定性である。
【0036】
別のタイプの電気光学ディスプレイは、Philipsによって開発され、Hayes,R.A.ら,「Video−Speed Electronic Paper Based on Electrowetting」,Nature,425,383−385(2003)に記載のエレクトロウェッティングディスプレイである。米国特許第7,420,549号において、かかるエレクトロウェッティングディスプレイを双安定性にすることができることが示されている。
【0037】
ここ数年間における精力的な研究開発の主題である電気光学ディスプレイの1つのタイプは、複数の荷電した粒子が電場の影響下で流体中を移動する粒子系電気泳動ディスプレイである。電気泳動ディスプレイは、液晶ディスプレイと比較して良好な輝度およびコントラスト、広い視野角、状態双安定性、および低い消費電力に寄与し得る。にもかかわらず、これらのディスプレイの長期画像品質に関連する問題がその利用拡大の妨げとなっている。例えば、電気泳動ディスプレイを構成する粒子は沈降する傾向があり、それにより、これらのディスプレイの耐用年数が不適切となる。
【0038】
上述の通り、電気泳動媒体は、流体の存在を必要とする。ほとんどの先行技術の電気泳動媒体では、この流体は液体であるが、電気泳動媒体を、ガス状流体を使用して生成することができる;例えば、Kitamura,T.ら,「Electrical toner movement for electronic paper−like display」,IDW Japan,2001,Paper HCS1−1およびYamaguchi,Y.ら,「Toner display using insulative particles charged triboelectrically」,IDW Japan,2001,Paper AMD4−4)を参照のこと。米国特許第7,321,459号および同第7,236,291号も参照のこと。かかる気体系電気泳動媒体は、媒体をかかる沈降を引き起こす配向で(例えば、媒体を垂直面に配置する標識などで)使用する場合に、液体系電気泳動媒体と同型の粒子沈降に起因する問題を起こしやすいようである。実際に、粒子沈降は、液体系電気泳動媒体よりも気体系電気泳動媒体において深刻な問題のようである。なぜなら、ガス状懸濁流体は液体流体よりも粘度が低く、このことが電気泳動粒子の沈降をより速くしているからである。
【0039】
マサチューセッツ工科大学(MIT)およびE Ink社に譲渡されたか彼らを名義人とする多数の特許および特許出願には、封入電気泳動媒体および他の電気光学媒体で使用された種々のテクノロジーが記載されている。かかる封入媒体は多数の小カプセルを含み、その各小カプセル自体が流体媒体中に電気泳動移動性粒子を含む内相を含み、カプセル壁は内相に取り囲まれている。典型的には、カプセル自体が高分子バインダー内に保持されて、2電極間に配置されたコヒーレント層を形成している。これらの特許および特許出願に記載のテクノロジーには、以下が含まれる:
(a)電気泳動粒子、流体、および流体添加物;例えば、米国特許第7,002,728号;および同第7,679,814号を参照のこと;
(b)カプセル、バインダー、および封入プロセス;例えば、米国特許第6,922,276号;および同第7,411,719号を参照のこと;
(c)電気光学材料を含む薄膜およびサブアセンブリ;例えば、米国特許第6,982,178;および同第7,839,564号を参照のこと;
(d)ディスプレイで使用されるバックプレーン、接着剤層、および他の補助層、ならびに方法;例えば、米国特許第7,116,318号;および同第7,535,624号を参照のこと;
(e)色の形成および色の調整;例えば、米国特許第7,075,502号;および米国特許出願公開第2007/0109219号を参照のこと;
(f)ディスプレイの応用;例えば、米国特許第7,312,784号;および米国特許出願公開第2006/0279527号を参照のこと;ならびに
(g)米国特許第6,241,921号;同第6,950,220号;および同第7,420,549号;ならびに米国特許出願公開第2009/0046082号に記載の非電気泳動ディスプレイ。
【0040】
前述の特許および特許出願の多くは、封入電気泳動媒体中の個別のマイクロカプセルを取り囲む壁を連続相と置換し、それにより、電気泳動媒体が電気泳動流体の複数の個別の液滴および高分子材料の連続相を含むいわゆる高分子分散タイプ電気泳動ディスプレイ(PDEPID)を生成することができること、および、たとえ個別のカプセル膜が各液滴と会合していなくても、かかる高分子分散タイプ電気泳動ディスプレイ内の電気泳動流体の個別の液滴をカプセルまたはマイクロカプセルと見なすことができることを認識している;例えば、前述の米国特許第6,866,760号を参照のこと。したがって、本出願の目的のために、かかる高分子分散タイプ電気泳動媒体は、封入電気泳動媒体の亜種と見なされる。
【0041】
関連する電気泳動ディスプレイタイプは、いわゆる「マイクロセル電気泳動ディスプレイ」である。マイクロセル電気泳動ディスプレイでは、荷電した粒子および流体は、マイクロカプセル内に封入されないが、その代りに、キャリア媒体、典型的には高分子薄膜内に形成された複数の空洞内に保持される。例えば、米国特許第6,672,921号および同第6,788,449号(共に、Sipix Imaging,Inc.に譲渡)を参照のこと。
【0042】
電気泳動媒体は、しばしば、不透明であり(例えば、多くの電気泳動媒体では、粒子はディスプレイを通過する可視光透過を実質的に遮断するからである)、反射モードで動作するが、多くの電気泳動ディスプレイは、一方の表示状態が実質的に不透明であり、一方が光透過性を示す、いわゆる「シャッターモード」で動作するように作製することができる。例えば、米国特許第5,872,552号;同第6,130,774号;同第6,144,361号;同第6,172,798号;同第6,271,823号;同第6,225,971号;および同第6,184,856号を参照のこと。誘電泳動ディスプレイ(電気泳動ディスプレイに類似するが、電場強度の変動に依存する)は、類似のモードで動作することができる;米国特許第4,418,346号を参照のこと。他の電気光学ディスプレイタイプも、シャッターモードで動作することが可能であり得る。シャッターモードで動作する電気光学媒体は、フルカラーディスプレイ用多層構造体で有用であり得る;かかる構造体では、ディスプレイの画面に隣接する少なくとも1つの層は、シャッターモードで動作して、上記画面からより距離のある第2の層を露出するかもしくは隠す。
【0043】
封入電気泳動ディスプレイは、典型的には、伝統的な電気泳動デバイスのクラスター化および沈降といった障害機序を持たず、さらなる利点(広範な種々の可撓性基板および硬質基板上にディスプレイをプリントまたはコーティングすることが可能なことなど)が得られる(用語「プリント」の使用は、プリントおよびコーティングの全ての形態を含むことが意図され、予め測定されたコーティング(パッチダイコーティング、スロットコーティングまたは押し出しコーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティングなど);ロールコーティング(ロール式ナイフ塗布、フォワードおよびリバースロールコーティングなど);グラビアコーティング;ディップコーティング;スプレーコーティング;メニスカスコーティング;スピンコーティング;ブラシコーティング;エアナイフコーティング;シルクスクリーンプリントプロセス;静電プリントプロセス;サーマルプリントプロセス;インクジェットプリントプロセス;電気泳動塗装(米国特許第7,339,715号を参照のこと);および他の類似の技術が含まれるが、これらに限定されない)。したがって、得られたディスプレイは、可撓性であり得る。さらに、ディスプレイ媒体を(種々の方法を使用して)プリントすることができるので、ディスプレイ自体を安価に作製することができる。
【0044】
他の電気光学媒体タイプも本発明のディスプレイで使用することができる。粒子系電気泳動ディスプレイおよび類似の挙動を表示する他の電気光学ディスプレイ(かかるディスプレイを、以後、便宜上「インパルス駆動ディスプレイ」という場合がある)の双安定性または多安定性の挙動を、従来の液晶(「LC」)ディスプレイの挙動に対して示す。ツイステッドネマチック液晶は、双安定性または多安定性ではないが、電圧変換器として作動し、それにより、かかるディスプレイのピクセルに所与の電場を印加すると、それ以前に画素に存在しているグレーレベルと無関係に、画素に特定のグレーレベルが生成される。さらに、LCディスプレイは、一方向(非透過(すなわち「暗い」)から透過(すなわち「明るい」へ)でのみ駆動し、より明るい状態からより暗い状態への逆遷移は、電場の低下または消失の影響を受ける。最後に、LCディスプレイの画素のグレーレベルは、電場の極性に感受性がなく、その振幅のみに感受性があり、実際に、技術的な理由で、市販のLCディスプレイは、通常、駆動電場の極性は頻繁に逆になる。対照的に、双安定性電気光学ディスプレイは、第一近似としては衝撃変換器として作動し、その結果、画素の最終状態は、印加した電場およびこの電場を印加した時間だけでなく、電場の印加前の画素の状態にも依存する。
【0045】
使用した電気光学媒体が双安定性であることと無関係に、高解像度ディスプレイを得るためには、ディスプレイの各画素が隣接画素から干渉されることなくアドレス可能でなければならない。この目的を達成するための1つの方法は、非線形素子(トランジスタまたはダイオードなど)のアレイを提供し、少なくとも1つの非線形素子を各画素に配置して「アクティブマトリックス」ディスプレイを得ることである。1つの画素をアドレスするアドレス電極または画素電極を、配置した非線形素子を介して適切な電圧源に接続する。典型的には、非線形素子がトランジスタである場合、画素電極をトランジスタのドレインに接続し、この配置は以下の説明で想定されるであろうが、本質的に任意であり、画素電極をトランジスタの電源に接続することができる。慣習的に、高解像度アレイでは、任意の特定の画素が1つの指定した行と1つの指定した列との交点によって一意的に画定されるように、画素を行および列の二次元アレイに配列する。各列中の全てのトランジスタの電源を単一の列電極に接続する一方で、各行内の全トランジスタのゲートを単一の行電極に接続する;また、行電極への電源の割り当ておよび列電極へのゲートの割り当ては慣習的であるが、本質的に任意であり、必要に応じて逆にすることができる。行電極を行ドライバに接続し、いかなる瞬間もたった1つの行が選択され(すなわち、選択した行電極に電圧が印加される)(選択された行内の全てのトランジスタが導通状態であることを確認するためなど)、一方で、全ての他の行に電圧が印加される(これらの非選択行内の全てのトランジスタが非導通状態のままであることを確認するためなど)ことを本質的に確認する。列電極を列ドライバに接続し、種々のこの列電極に、選択された行内の画素をその所望の光学的状態に駆動するために選択された電圧を印加する。(前述の電圧は、非線形アレイから電気光学媒体の反対側に慣習的に提供され、ディスプレイ全体に広がる一般的なフロント電極に相対的である)。「ラインアドレス時間」として公知の予め選択した間隔後、選択した行を選択解除し、次の行を選択し、ディスプレイの次のラインが書き込まれるように列ドライバへの電圧を変化させる。ディスプレイ全体が行ごとの様式で書き込まれるようにこのプロセスを繰り返す。
【0046】
接着剤層を、ディスプレイの層を合わせるために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、フロントプレーン電極および/またはバックプレーン電極を、接着剤層を使用して電気光学材料層に接着する。本明細書中で使用する場合、電気光学材料層は、電気光学媒体、インク、またはインク層という場合もある。接着剤は、熱的、化学的、および/または光学的に硬化し得るポリマー(例えば、ポリウレタン)を含み得る。以下にさらに記載するように、いくつかの実施形態では、接着剤は、特定の性能向上が得られる選択されたエンドキャッピング試薬を含むポリウレタンを含む。いくつかの実施形態では、エンドキャッピング試薬は、環状カルボナートを含む。いくつかの実施形態では、エンドキャッピング試薬は、第1のタイプのエンドキャッピング試薬および第2のタイプのエンドキャッピング試薬を含む。
【0047】
接着剤の使用は、(2つまたはそれを超える硬化工程によって形成された)2つまたはそれを超える硬化部分を含み、この硬化部分は、伝統的な接着剤を超えるいくつかの利点を提供し得る。いくつかの実施形態では、接着剤系のレオロジーを改善することにより、層(例えば、電気光学層(滑らかな剥離側(「SSL」)と比較して相対的に粗い表面を有する風乾側など))上に接着剤をコーティングすることが可能であり、それにより、たった1つの硬化部分を有する接着剤を使用する場合と比較して、コート重量が減少し、インク−接着剤コーティングの厚さが減少し、ディスプレイの解像度が改善され、低温ダイナミックレンジが改善され、可撓性適用のためのコーティングをより薄くでき、空隙および/または欠陥の形成が減少する。特定の実施形態では、電気光学アセンブリを形成するための接着剤が二重硬化性である実施形態において、ホットメルトを適用した場合と比較して、電気光学アセンブリの性能の改善が認められ、この改善には、経時的な白状態L
*喪失の低下、ダイナミックレンジの増加、低温動作の改善(例えば、ダイナミックレンジの改善)、および体積抵抗率の増加が含まれるが、これらに限定されない。対照的に、伝統的な接着剤は、低温での性能が不十分であり、流動性が低いといった欠点があり得、電気光学材料層の機能が低下する(例えば、スイッチング効率の低下)電気特性(例えば、抵抗率)を有し得る。
【0048】
本明細書中で使用される用語「硬化部分」は、一般に、2つまたはそれを超えるポリマー骨格の間の物理的接続(例えば、共有結合、非共有結合など)をいう。骨格という用語は、当該分野の所与のその典型的な意味を有し、一般に、共に連続鎖を作製してポリマーを形成する共有結合した一連の原子をいい、一般に、いかなる側鎖(例えば、分枝鎖)や架橋基のことをいわない。硬化部分は、いくつかの場合、架橋(例えば、2つまたはそれを超える反応性官能基の架橋試薬との反応)を含み得る。1つの例示的な実施形態では、硬化部分は、第1の反応性官能基および第2の反応性官能基が硬化種によって連結されるように、反応性官能基、硬化種(架橋試薬など)、および第2の反応性官能基の反応によって形成される。特定の実施形態では、第1の反応性官能基および第2の反応性官能基は、同一のタイプの反応性官能基である。いくつかの場合、第1の反応性官能基および第2の反応性官能基は、異なるタイプの反応性官能基であり得る。いくつかの実施形態では、硬化種を、イオン結合、共有結合、水素結合、およびファンデルワールス相互作用などの結合の形成によって第1の反応性官能基および/または第2の反応性官能基に接続する。共有結合は、例えば、炭素−炭素、炭素−酸素、酸素−ケイ素、硫黄−硫黄、リン−窒素、炭素−窒素、金属−酸素、または他の共有結合であり得る。水素結合は、例えば、ヒドロキシル、アミン、カルボキシル、チオール、および/または類似の官能基の間であり得る。
【0049】
別の例示的な実施形態では、硬化部分は、(例えば、水素結合、双極子−双極子などの分子間力によって)2つまたはそれを超えるポリマー骨格が相互作用して結合を形成するように、接着剤材料の熱可塑性乾燥によって形成される。例えば、いくつかの場合、ポリマー骨格上の2つまたはそれを超える反応性官能基が熱可塑性反応(例えば、水の除去および接着剤材料(例えば、無定形接着剤材料について)のガラス転移温度(Tg)の増加および2つの反応性官能基の間の結合の形成による)を受け、それにより、元のポリマー骨格に接続した硬化部分を形成するように、アクリル(例えば、ポリアクリル)ポリマーを(例えば、接着剤材料への加熱によって)乾燥させることができる。
【0050】
さらに別の実施形態では、熱可塑性乾燥による第1の工程、その後のポリウレタンのポリマー骨格上の反応種とアクリル骨格上の反応種との間で架橋が起こる硬化において、ポリウレタン−アクリルハイブリッド接着剤が硬化する。
【0051】
2つまたはそれを超える硬化工程によって接着剤が形成されるいくつかの実施形態では、接着剤は、2つまたはそれを超えるタイプの硬化部分を含む。例えば、いくつかの実施形態では、接着剤は、第1の架橋(第1の架橋試薬の2つまたはそれを超える反応種との反応によって形成される)を含む第1のタイプの硬化部分および第2の架橋(第2の架橋試薬の2つまたはそれを超える反応種との反応によって形成される)を含む第2のタイプの硬化部分を含む。第1および第2の架橋試薬は、いくつかの場合、同一または異なり得る。別の実施形態では、接着剤は、第1の架橋を含む第1のタイプの硬化部分および熱可塑性連結を含む第2のタイプの硬化部分を含み得る。
【0052】
本明細書中で使用される用語「硬化種」は、一般に、反応性官能基が接続するように2つまたはそれを超える反応性官能基の間の反応を容易にする化合物をいう。硬化種は、いくつかの場合、架橋試薬であり得る。上記のように、硬化種の2つまたはそれを超える反応性官能基との反応によって硬化部分を形成することができる。
【0053】
図1Aに示すように、いくつかの実施形態では、電気光学アセンブリ100は、バックプレーン電極110、フロントプレーン電極130、および電気光学材料層120を含む。上述の通り、アセンブリの異なる層を、接着剤層140と合わせることができる。いくつかの実施形態では、
図1Aおよび1Bに示すように、バックプレーン電極110は、接着剤層140によって電気光学材料層に接着されている。いくつかの実施形態では、
図1Bに示すように、フロントプレーン電極130は、接着剤層142によって電気光学材料層120に接着しており、接着剤層142は、接着剤層140と同一または異なる接着剤を含み得る。
図1Cに示すように、電気光学材料層125は、以下により詳細に記載するように、カプセル150およびバインダー160を含み得る。カプセル150は、1つまたはそれを超える粒子を封入することができ、カプセルは、電場を印加すると電気光学材料層125の両端を移動することができる。いくつかのかかる実施形態では、フロントプレーン電極130は電気光学材料層125に直接隣接することができ、バックプレーン電極110は、接着剤層140によって電気光学材料層に接着されている。1つの例示的な実施形態では、
図1Dに示すように、バックプレーン電極110は接着剤層140によって電気光学材料層125に接着することができ、フロントプレーン電極130は、接着剤層142によって電気光学材料層125に接着することができる。別の例示的な実施形態では、
図1Eに示すように、フロントプレーン電極130は接着剤層140によって電気光学材料層125に接着することができ、バックプレーン電極110は接着剤層142によって電気光学材料層125に接着することができる。
【0054】
接着剤層を使用してアセンブリ内の任意のタイプおよび数の層を1つまたはそれを超える他の層を接着することができ、アセンブリは図中に示されていない1つまたはそれを超えるさらなる層を含むことができると理解すべきである。さらに、
図1C〜1Eが封入電気光学媒体を示している一方で、接着剤層は、種々の電気光学アセンブリ(液晶、減衰全内反射、および発光ダイオードのアセンブリなど)で有用である。
【0055】
本発明のポリウレタンに加えて、接着剤層はさらなる構成要素を含むことができる。適切な構成要素の非限定的な例には、他のポリウレタン、アクリル、アルキド、エポキシ、アミノ、およびシロキサンが含まれる。いくつかの場合、接着剤層は、2つまたはそれを超えるタイプの類似の接着剤材料(例えば、2つのタイプのアクリル、アクリルおよびアルキド、ポリウレタンおよびシロキサン、2つのタイプのポリウレタン、ポリウレタンおよびアクリル)を含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、接着剤を、分散液(例えば、水分散液)の形態で提供する。例えば、いくつかの場合、本明細書中に記載のように、接着剤分散液を、コーティングプロセスで直接使用し、そして/または反応性単量体溶液を接着剤の分散液または溶液に含めて接着剤層を形成することができる。いくつかの場合、水分散液は水を含み、この水を、1つまたはそれを超える表面への接着剤の堆積後に(例えば、加熱によって)除去することができる。
【0057】
一般に、ポリウレタンを、ジイソシアナート(diisocyante)を含む重付加プロセス(polyadditional process)によって調製する。ポリウレタンの非限定的な例には、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリ尿素、ポリ尿素、ポリエステルポリ尿素、ポリエステルポリ尿素、ポリイソシアナート(例えば、イソシアナート結合を含むポリウレタン)、およびポリカルボジイミド(例えば、カルボジイミド結合を含むポリウレタン)が含まれる。しかし、一般に、ポリウレタンは、ウレタン基を含む。本明細書中に記載のアセンブリおよび方法で利用されるポリウレタンを、当該分野で公知の方法を使用して調製することができる。一般に、イソシアナート末端ポリウレタンを、少なくとも1つのジイソシアナート化合物の、イソシアナート基と反応することができる少なくとも2つの基(例えば、ポリオール)を含む二次試薬との反応によって形成する。いくつかの実施形態では、ポリウレタンは、ジイソシアナート化合物と、イソシアナート基と反応することができる2つの基(例えば、ジオール)を含む二次試薬との反応によって形成された線状ポリマーである。イソシアナート末端ポリウレタンの調製後、(例えば、ポリウレタンおよび/または末端イソシアナート基がさらに反応しないように)末端イソシアナート基を、それぞれ末端化試薬との反応によって不活化し、それにより、末端化ポリウレタンを形成することができる。例えば、イソシアナート末端ポリウレタンの調製後、末端イソシアナート基を、1つまたはそれを超えるエンドキャッピング試薬との反応によってエンドキャッピングし、それにより、エンドキャッピングされたポリウレタンを形成することができる。いくつかの場合、イオン基によって安定化するときなどにポリウレタンを水に分散することができるようにイソシアナート末端ポリウレタンを中和試薬との反応によって中和することができる。いくつかの実施形態では、ポリウレタンの分子量を、少なくとも1つのタイプのエンドキャッピング試薬の添加によって調節することができる。エンドキャッピング試薬は、以下により詳細に記載されており、他の接着剤の調製で使用することもできる。ポリウレタン(例えば、イソシアナート末端ポリウレタン、エンドキャッピングされたポリウレタン、および/または中和ポリウレタン)を、任意選択的に、鎖延長試薬との反応によって鎖延長することもできる。前述の工程を上記の順序で行うことができるが、別の実施形態では、工程の順序を変えることができ、そして/または1つもしくはそれを超える工程を同時に行うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ポリウレタンを、少なくとも1つのジイソシアナート、イソシアナート基と反応することができる少なくとも2つの基を含む二次試薬、および1つまたはそれを超えるエンドキャッピング試薬の混合物を準備し、この混合物を実質的に同時に反応させることによって形成することができる。いくつかの場合、1つまたはそれを超えるエンドキャッピング試薬を、少なくとも1つのジイソシアナートおよびイソシアナート基と反応することができる少なくとも2つの基を含む二次試薬を含む混合物の反応後に添加する。エンドキャッピング試薬を、前述の混合物の反応中および/または前述の混合物の反応後に(例えば、本明細書中に記載のように、反応の中和後に)添加することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、イソシアナート末端ポリウレタンを、少なくとも1つのジイソシアナート化合物の、少なくとも1つの二官能性ポリオールまたは少なくとも1つの多官能性ポリオールとの反応によって形成する。いくつかの実施形態では、ポリオールはジオール(例えば、2つのアルコール末端基を有するオリゴマー、2つのアルコール末端基を有するポリマー)である。一般に、化学量論的過剰量の少なくともジイソシアナート化合物を使用し、それにより、イソシアナート末端ポリウレタンの形成を補助して反応させる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのジイソシアナート(diisocyante)化合物のジオールに対する比は、約2:1と約1:2との間、または約1.5:1と約1:1.5との間、または約1:1である。当業者は、2つを超える反応性−OH基を含むポリオールを使用した場合にこの比を調整することができる。1つを超えるタイプのジイソシアナート化合物(例えば、2つのタイプ、3つのタイプ、または4つのタイプのジイソシアナート化合物)を利用することができる。さらに、1つを超えるタイプのジオール(またはポリオール)(例えば、2つのタイプ、3つのタイプ、または4つのタイプのジオール)を利用することができる。いくつかの実施形態では、3つのタイプのジオールを利用する。
【0059】
ジイソシアナートという用語は、当該分野におけるその通常の意味を示し、直鎖、環状、または分枝鎖の炭化水素(2つの遊離イソシアナート基を有する芳香族、脂環族、および脂肪族の炭化水素が含まれる)を説明するために使用する。ジイソシアナート化合物の非限定的な例は、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(H12MDI)、α,α,α,α−テトラメチルキシレンジイソシアナート、3,5,5−トリメチル−1−イソシアナト−3−イソシアナトメチルシクロヘキサンイソホロンジイソシアナートおよびその誘導体、テトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)およびその誘導体、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート、ベンゼン1,3−ビス(1−イソシアナト(iscyanato)−1−メチルエチル、1−5ナフタレンジイソシアナート、フェニレンジイソシアナート、trans−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、ビトリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアナート、ジ−およびテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’−ジベンジルジイソシアナート、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナートの異性体、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,2,4−トリメチルヘキサン、1,6−ジイソシアナト−2,4,4−トリメチルヘキサン、1−イソシアナトメチル−3−イソシアナトメチル−3−イソシアナト−1,5,5−トリメチルシクロヘキサン、塩素化および臭素化されたジイソシアナート、リン含有ジイソシアナート、4,4’−ジイソシアナトフェニルペルフルオロエタン、テトラメトキシブタン−1,4−ジイソシアナート、ブタン−1,4−ジイソシアナート、ヘキサン−1,6−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアナート、エチレンジイソシアナート、フタル酸−ビス−イソシアナトエチルエステルが含まれ、反応性ハロゲン原子を含むポリイソシアナート(1−クロロメチルフェニル−2,4−ジイソシアナート、1−ブロモメチルフェニル−2,6−ジイソシアナート、3,3−ビス−クロロメチルエーテル−4,4’−ジフェニルジイソシアナートなど)を含む。いくつかの実施形態では、ジイソシアナート化合物は、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)である。
【0060】
本明細書中に記載のほとんどの実施形態がポリオールまたはジオールを含む二次試薬を利用するが、これは決して制限を意味せず、他のタイプの二次試薬を利用して接着剤(例えば、ポリウレタンを含む接着剤)を形成することができる。いくつかの実施形態では、二次試薬は、ポリアミンまたはジアミンを含む。特定の実施形態では、二次試薬は、チオール基を含む。当業者は、本明細書の教示に基づいて適切な二次試薬を選択することが可能である。ポリオールという用語を、当該分野におけるその通常の意味で示し、この用語は2つまたはそれを超えるヒドロキシル基を有する任意の有機化合物をいい、ここで、ヒドロキシル基はイソシアナート基と反応することができる。一般に、線状ポリウレタンを形成するために、利用されるポリオールはジオールである。いくつかの実施形態では、ジオールは二官能性ポリオールである。特定の実施形態では、ジオールは、2つの反応性アルコール基を有する二官能性オリゴマーである。二官能性ポリオールの非限定的な例には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPO)、ポリテトラメチレングリコールが含まれる。ポリオールの分子量は変動し得る。いくつかの実施形態では、分子量(Mn)は、約5000未満、または約3000未満、または約500と約5000との間、または約500と約4000との間、または約500と約3000との間である。
【0061】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのジオールは、イオン基(例えば、カルボン酸基)を含む。イオン基を使用して、ポリウレタンを安定化することができ(例えば、水に分散する場合)、そして/または架橋のために使用することができる。イオン基を含むジオールの非限定的な例には、ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジエチロールプロピオン酸、ジエチロールブタン酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ブタンスルホン酸、1,5−ジヒドロキシ−2−ペンタンスルホン酸、1,5−ジヒドロキシ−3−ペンタンスルホン酸、1,3−ジヒドロキシ−2−プロパンスルホン酸、ジメチロールエタンスルホン酸、N−メチルジエタノールアミン、N−エチル(ethyi)ジエタノールアミン、N−プロピル(propyi)ジエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−ジメチロールブチルアミン、N,N−ジエチル−2−ジメチロールブチルアミン、N,N−ジメチル−2−ジメチロールプロピルアミンが含まれる。いくつかの実施形態では、イオン基はカルボン酸基である。カルボン酸基を含むジオールの非限定的な例には、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールペンタン酸、ジエチロールプロピオン酸、およびジエチロールブタン酸、ポリエステルジオール、および他の高分子カルボン酸基が含まれる。いくつかの実施形態では、イオン基を含むジオールはジメチロールプロピオン酸である。
【0062】
上述の通り、いくつかの実施形態では、二次試薬は、第1のタイプの二次試薬(例えば、第1のタイプのジオール)および第2のタイプの二次試薬(例えば、第2のタイプのジオール)を含み得る。いくつかの実施形態では、二次試薬は、第1のタイプの二次試薬(例えば、第1のタイプのジオール)、第2のタイプの二次試薬(例えば、第2のタイプのジオール)、および第3のタイプの二次試薬(例えば、第3のタイプのジオール)を含み得る。いくつかの実施形態では、第1のタイプのジオールは二官能性ポリオール(例えば、ポリプロピレングリコール)であり、第2のタイプのジオールはイオン基(例えば、カルボン酸基(DMPAなど))を含み、第3のタイプのジオールは、非イオン性安定剤として機能し得る。
【0063】
上述の通り、ポリウレタンを例示的な接着剤材料として提供しているが、当業者は、他のタイプの接着剤を含む接着剤において本明細書中に記載の組成物および方法を利用することができる。いくつかの実施形態では、接着剤は、アクリルを含む。特定の実施形態では、接着剤は、2つまたはそれを超えるタイプの接着剤(例えば、ポリウレタンおよびアクリル)を含む。
【0064】
かかる接着剤混合物(すなわち、ハイブリッド接着剤)を、水性または溶媒系の媒体の溶液または分散材料の任意の組み合わせであり得る少なくとも2つの成分を物理的にブレンドすることによって形成することができる。いくつかの実施形態では、ハイブリッド接着剤を、1つの成分を第2の高分子成分の存在下で重合する合成重合プロセスによって形成することもできるか、両方の成分を同時に形成することができる。いくつかの場合、ハイブリッド接着剤を、コーティングプロセスで直接使用される接着剤分散液中で重合性単量体を乳化すること、および/または反応性単量体溶液を接着剤の懸濁液または溶液に含めることによって形成することができる。いくつかの場合、単量体の重合は、一次段階または二次段階で起こる(すなわち、硬化する)可能性があり、インク表面の空隙充填および粒子の癒着(例えば、分散液を使用する場合)で役立ち得る。
【0065】
上記のように、いくつかの実施形態では、接着剤材料は、2つまたはそれを超える反応性官能基を含む。反応性官能基を、骨格または骨格から延長した鎖に沿って、末端基として配置することができる。
【0066】
反応性官能基とは、一般に、1つまたはそれを超える硬化種(例えば、架橋試薬、鎖延長試薬)と反応するように構成された化学基(接着剤上に存在する)をいう。いくつかの実施形態では、反応性官能基は、硬化種と反応して硬化部分(架橋、熱可塑性連結、または2つのタイプの接着剤材料の間の結合など)を形成する。特定の実施形態では、反応性官能基は、架橋試薬などの硬化種と反応して架橋を形成することができる。いくつかの場合、反応性官能基を、特定の一連の条件下で(例えば、特定の温度範囲で)別の反応性官能基と反応するように構成することができる。いくつかの実施形態では、反応性官能基は、接着剤材料が熱可塑性乾燥するような特定の条件下で反応させることができる。反応性官能基の非限定的な例には、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、カルボキシラート、アミン、イミン、イミド、アジド、エーテル、エステル、スルフヒドリル(チオール)、シラン、ニトリル、カルバマート、イミダゾール、ピロリドン、カルボナート、アクリラート、アルケニル、およびアルキニルが含まれる。他の反応性官能基も可能であり、当業者は、本明細書の教示に基づいて二重硬化接着剤と共に使用するのに適切な反応性官能基を選択することが可能である。当業者はまた、本明細書中に記載の硬化工程が、一般に、接着剤材料の形成(例えば、ポリウレタン骨格などの接着剤骨格の重合)ではなく、接着剤材料が架橋を形成し、熱可塑性乾燥を受けるか、接着剤の機械的性質、粘度、および/または接着性が実質的に変化するような接着剤材料のさらなる反応をいうことも理解する。例えば、特定の実施形態では、硬化後の接着剤材料の弾性率、粘度、および接着性のうちの1つまたは複数が、硬化前の接着剤材料の弾性率、粘度、および/または接着性と比較して、約5%と約1000%との間で増加し得る。いくつかの実施形態では、硬化後の接着剤材料の弾性率、粘度、および接着性のうちの1つまたは複数が、硬化前の接着剤材料の弾性率、粘度、および/または接着性と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、または少なくとも約500%増加し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、反応性官能基は、接着剤の骨格上に存在する。例えば、接着剤がポリウレタンを含む実施形態では、反応性官能基は、ポリウレタンを形成するように反応するジイソシアナート(diisocyante)基および/またはポリオール基上に存在し得る。
【0068】
特定の実施形態では、反応性官能基は、エンドキャッピング試薬上に存在する。例示的なイソシアナート末端ポリウレタン接着剤について上に記載のように、イソシアナート末端ポリウレタンを、少なくとも1つのタイプのエンドキャッピング試薬との反応によってエンドキャッピングし、それにより、エンドキャッピングされた接着剤(例えば、エンドキャッピングされたポリウレタン)を形成することができる。上述の通り、エンドキャッピング試薬の使用は、接着剤の分子量の調節に役立ち得る。いくつかの実施形態では、1つを超えるタイプのエンドキャッピング試薬(例えば、2つのタイプ、3つのタイプ、または4つのタイプのエンドキャッピング試薬)を利用することができる。部分的または完全にエンドキャッピングされた接着剤を生成するために、エンドキャッピング剤の総量を調整することができる。
【0069】
例えば、接着剤(例えば、イソシアナート末端ポリウレタン)を100%未満の化学量論量のエンドキャッピング試薬と反応させることによって部分的にエンドキャッピングすることができる。いくつかの実施形態では、イソシアナート末端ポリウレタンのエンドキャッピング試薬との反応後、50〜100%のポリウレタンがエンドキャッピングされる。特定の実施形態では、イソシアナート末端ポリウレタンのエンドキャッピング試薬との反応後、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%のポリウレタンが、エンドキャップ基で末端化される。いくつかの場合、100%もしくはそれ未満、約90%もしくはそれ未満、約80%もしくはそれ未満、約75%もしくはそれ未満、または約60%もしくはそれ未満のポリウレタンがエンドキャップ基で末端化される。前述の範囲の組み合わせも可能である(例えば、約50%と100%との間、50%と75%との間、60%と90%との間、75%と100%との間)。当業者は、例えば、IRおよびイソシアナート滴定によるイソシアナート喪失の決定および/または残存末端基単量体のガスクロマトグラフィ−質量分析によってイソシアナート基の残存量を決定する方法を承知している。ポリウレタンなどのエンドキャッピングされた接着剤を、本明細書中により詳細に記載のように、中和し、そして/または鎖延長してもよい。
【0070】
特定の実施形態では、エンドキャッピング試薬は、反応性官能基を含む。適切なエンドキャッピング試薬(例えば、反応性官能基を含む)の非限定的な例を、
図2に示し、以下により詳細に記載する。
【0071】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは、式(I):
【化1】
(式中、R
1は、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたヘテロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリール、任意選択的に置換されたニトリル、任意選択的に置換されたカルバマート、任意選択的に置換されたイミダゾリウム、任意選択的に置換されたピロリドン、任意選択的に置換されたカルボナート、任意選択的に置換されたアクリラート、任意選択的に置換されたエーテル、任意選択的に置換されたエステル、任意選択的に置換されたハライド、任意選択的に置換された酸、任意選択的に置換されたシラン、任意選択的に置換されたチオールからなる群から選択され、Lは連結基であり、任意選択的に存在せず、
【化2】
はポリウレタンへの結合位置を示す)のような構造を有する化合物を含む。連結基の非限定的な例には、任意選択的に置換されたアルキレン、任意選択的に置換されたヘテロアルキレン、任意選択的に置換されたアリーレン、および任意選択的に置換されたヘテロアリーレンが含まれる。いくつかの実施形態では、R
1は水素である。特定の実施形態では、R
1は反応性官能基を含む。いくつかの実施形態では、Lは反応性官能基を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、式(I)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(II):
【化3】
(式中、LおよびR
1は、式(I)に関する上の記載の通りである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。いくつかの実施形態では、Qはヒドロキシル(HO−)またはアミノ(H
2N−)である。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬はn−ブタノールである。
【0073】
また、ポリウレタンを本明細書中で例示的な接着剤として使用しているが、当業者は、本明細書中に記載のように、1つまたはそれを超える適切なエンドキャッピング試薬と共に任意の適切な接着剤を利用することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは、ニトリルを含み、それにより、ニトリルを含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。用語「ニトリル」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、一般に、少なくとも1つのタイプのシアニド基を含む分子群をいう。いくつかの実施形態では、ニトリルを含むエンドキャッピング試薬は、式(III):
【化4】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りである)を含む。
いくつかの実施形態では、式(III)は、式(IV):
【化5】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、式(III)または(IV)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(V):
【化6】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は3−ヒドロキシプロピオニトリルである。
【0075】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つはカルバマートを含み、それにより、カルバマートを含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。用語「カルバマート」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、一般に、少なくとも1つのタイプの−OOCNH
2基を含む分子群をいう。いくつかの実施形態では、カルバマートを含むエンドキャッピング試薬は、式(VI):
【化7】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、各R
2は、同一であるか異なり、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたヘテロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリール、任意選択的に置換されたハライド、および任意選択的に置換されたヒドロキシルからなる群から選択される)を含む。特定の実施形態では、R
2は反応性官能基を含む。いくつかの実施形態では、Lは反応性官能基を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、式(VI)は、式(VII):
【化8】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、式(VI)または(VII)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(VIII):
【化9】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノであり、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬はヒドロキシエチルカルバマートである。
【0077】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つはイミダゾールを含み、それにより、イミダゾールを含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。いくつかの実施形態では、イミダゾールを含むエンドキャッピング試薬は、式(IX):
【化10】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りである)を含む。
いくつかの実施形態では、式(IX)は、式(X):
【化11】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、式(IX)または(X)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XI):
【化12】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノであり、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は2−ヒドロキシエチルメチルイミダゾリウムである。
【0078】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは環状カルボナートを含み、それにより、環状カルボナートを含むエンドキャッピング試薬を含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。用語「環状カルボナート」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、少なくとも1つのタイプの環状カルボナートオリゴマー(例えば、二量体、三量体、四量体など)を含む分子群をいう。いくつかの実施形態では、環状カルボナートを含むエンドキャッピング試薬は、式(XII):
【化13】
(式中、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りであり、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、nは1〜4であり、
【化14】
はポリウレタンへの結合位置を示す)を含む。いくつかの実施形態では、R
2は水素である。いくつかの実施形態では、nは1である。特定の実施形態では、nは2である。いくつかの実施形態では、Lは任意選択的に置換されたアルキレンである。いくつかの実施形態では、式(XII)は、式(XIII):
【化15】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、R
1は水素である。いくつかの実施形態では、式(II)または(III)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XIV):
【化16】
(式中、LおよびR
2は式(XII)に関する上の記載の通りであり、Qはヒドロキシルまたはアミノである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。いくつかの実施形態では、式(XIV)の化合物は、式(XV):
【化17】
(式中、mは式(XIII)に関する上の記載の通りである)を含む。いくつかの実施形態では、mは1である。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬はグリセリンカルボナートである。
【0079】
いくつかの実施形態では、エンドキャッピング試薬はピロリドンを含む。いくつかの実施形態では、ピロリドンを含むエンドキャッピング試薬は、式(XVI):
【化18】
(式中、各R
2は、同一であるか異なり、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたヘテロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリール、任意選択的に置換されたハライド、および任意選択的に置換されたヒドロキシルからなる群から選択され、Mは連結基であり、任意選択的に存在せず、−−はポリウレタンへの結合位置を示す)を含む。連結基の非限定的な例には、任意選択的に置換されたアルキレンおよび任意選択的に置換されたヘテロアルキレンが含まれる。いくつかの実施形態では、各R
2は水素である。いくつかの実施形態では、Mは任意選択的に置換されたアルキレンである。いくつかの実施形態では、式(XVI)は、式(XVII):
【化19】
(式中、rは1〜10である)を含む。特定の実施形態では、Mは反応性官能基を含む。いくつかの実施形態では、rは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、rは2である。いくつかの実施形態では、式(XVI)または(XVII)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XVIII):
【化20】
(式中、MおよびR
2は、式(XVI)に関する上の記載の通りであり、Qはヒドロキシルまたはアミノである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。いくつかの実施形態では、式(XVIII)の化合物は、式(XIX):
【化21】
(式中、rは、式(XVII)に関する上の記載の通りである)を含む。いくつかの実施形態では、rは2である。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は2−ヒドロキシエチルピロリドンである。
【0080】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは、アクリラートを含み、それにより、アクリラートを含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。いくつかの実施形態では、アクリラートを含むエンドキャッピング試薬は、式(XX):
【化22】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りである)を含む。
いくつかの実施形態では、式(XX)は、式(XXI):
【化23】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、式(XX)または(XXI)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XXII):
【化24】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノであり、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は、2−ヒドロキシエチルアクリラートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリラートである。
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは、エーテルを含み、それにより、エーテルを含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。いくつかの実施形態では、エーテルを含むエンドキャッピング試薬は、式(XXIII):
【化25】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りである)を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、式(XXIII)は、式(XXIV):
【化26】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、式(XXIII)または(XXIV)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XXV):
【化27】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノであり、R
2は、式(VI)に関する上の記載の通りである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は2−エトキシエタノールである。
【0082】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは、ハライドを含み、それにより、ハライドを含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。いくつかの実施形態では、ハライドを含むエンドキャッピング試薬は、式(XXVI):
【化28】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、Xはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)であり、Yは、任意選択的に置換されたアリーレン、任意選択的に置換されたC
1〜10アルキレン、または任意選択的に置換されたアルキレンオキシドである)を含む。いくつかの実施形態では、Yは反応性官能基を含む。特定の実施形態では、Xは反応性官能基を含む。
いくつかの実施形態では、式(XXVI)は、式(XXVII):
【化29】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、式(XXVI)または(XXVII)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XXVIII):
【化30】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は4−クロロベンジルアルコールである。
いくつかの実施形態では、式(XXVI)は、式(XXVII):
【化31】
(式中、mは1〜10である)を含む。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、mは1である。いくつかの実施形態では、式(XXVI)または(XXVII)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XXVIII):
【化32】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は4−クロロベンジルアルコールである。
【0083】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは酸を含み、それにより、酸を含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。いくつかの実施形態では、酸を含むエンドキャッピング試薬は、式(XXIX)または式(XXX):
【化33】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、Aは、硫黄、リン、またはホウ素である)を含む。いくつかのかかる実施形態では、Lは−(CH
2)
m−であり、mは1〜10である。いくつかの実施形態では、mは、1〜5、または1〜3、または1、または2、または3、または4、または5である。いくつかの実施形態では、式(XXIX)または(XXX)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと式(XXXI)または式(XXXII):
【化34】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は3−アミノプロパンスルホン酸である。
【0084】
エーテルおよび/または酸を含むさらなる適切なエンドキャッピング試薬は、例えば、米国特許出願公開第2011/0306724号(本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、複数のタイプのエンドキャッピング試薬のうちの少なくとも1つは、シランを含み、それにより、シランを含むエンドキャッピングされたポリウレタンが得られる。いくつかの実施形態では、シランを含むエンドキャッピング試薬は、式(XXXIII):
【化35】
(式中、Lは、式(I)に関する上の記載の通りであり、各R
3は同一であるか異なっており、且つ−(CH
2)
n−または−O−(CH
2)
nを含み、各nは同一であるか異なっており、且つ1〜4である)を含む。いくつかの実施形態では、各nは同一であるか異なっており、且つ1または2である。いくつかの実施形態では、R
3は反応性官能基を含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、式(XXXIII)を含むエンドキャッピング試薬を、イソシアナート末端ポリウレタンと、式(XXXIV):
【化36】
(式中、Qはヒドロキシルまたはアミノである)を含むエンドキャッピング試薬との反応によってポリウレタンと会合する。例えば、いくつかのかかる実施形態では、エンドキャッピング試薬は3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
【0087】
いくつかの実施形態では、第1のタイプおよび第2のタイプのエンドキャッピング試薬を使用する。例えば、いくつかの場合、第1のタイプのエンドキャッピング試薬は環状カルボナートを含み、第2のタイプのエンドキャッピング試薬はピロリドンを含む。第1のタイプのエンドキャッピング試薬の第2のタイプのエンドキャッピング試薬に対する任意の適切な比(例えば、約1:2と約2:1との間、約1:1.5と約1.5:1との間、または約1:1)を利用することができる。
【0088】
当業者は、他の適切なタイプのエンドキャッピング試薬および/または本明細書中に記載の試薬以外の試薬を承知している。例えば、いくつかの実施形態では、エンドキャッピング基および/または試薬は、アルキル基、アリール基、シアノ基、カルバマート基、および/またはアクリラート基を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、接着剤(例えば、エンドキャッピングされたかイソシアナート末端化されたポリウレタン)を、接着剤の鎖延長試薬との反応によって鎖延長することができる。標的にした接着剤のMnおよび/または標的にした接着剤の官能度を得るのに適切な条件下で鎖延長することができる。いくつかの実施形態では、接着剤の1つまたはそれを超える側基の反応によって鎖延長することができる。いくつかの実施形態では、反応性官能基は、鎖延長試薬上に存在する。
【0090】
当業者は、ポリウレタンまたは他のポリマー(例えば、ポリウレタンを調製するために使用されるポリオール)の分子量を決定するための方法およびシステムを承知している。いくつかの実施形態では、分子量を、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を使用して決定することができる。いくつかの実施形態では、分子量(Mn)を、ポリスチレン標準を使用して較正したGPCを使用して決定する。
【0091】
当業者は、官能度(すなわち、架橋などの硬化部分が形成されるように硬化種と反応することができる接着剤中に存在する分子および/または反応性官能基画分あたりの平均数)を決定するための方法およびシステムを承知している。
【0092】
また、例示的な接着剤としてのポリウレタンに関して、いくつかの実施形態では、鎖延長試薬は、ジオールまたはジアミンを含み得る。例えば、鎖延長試薬は、ジアミノ化合物を含むことができる。ジアミノ化合物の非限定的な例には、構造H
2N−R
4−NH
2(式中、R
4は任意選択的に置換されたアリーレンまたは任意選択的に置換されたアルキレンである)を有する化合物が含まれる。いくつかの実施形態では、R
4は、−(CH
2)
p−(式中、pは、1〜10、または2〜8、または3〜7、または4〜6である)である。いくつかの実施形態では、鎖延長試薬はヘキサメチレンジアミンである。特定の実施形態では、R
4は反応性官能基を含む。1つの例示的な実施形態では、鎖延長試薬は、1,3−ジアミノ−2−プロパノール(例えば、ヒドロキシル基は反応性官能基である)である。
【0093】
いくつかの実施形態では、鎖延長試薬は、ジオール化合物(例えば、上記)を含む。ジオール化合物の非限定的な例には、構造HO−R
5−OH(式中、R
5は任意選択的に置換されたアリーレンまたは任意選択的に置換されたアルキレンである)を有する化合物が含まれる。いくつかの実施形態では、R
5は−(CH
2)
p−(式中、pは、1〜10、または2〜8、または3〜7、または4〜6である)である。特定の実施形態では、R
5は反応性官能基を含む。1つの例示的な実施形態では、鎖延長試薬は、式(XXXV):
【化37】
(式中、mは1〜100である)のような構造を含む。いくつかの実施形態では、mは、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも50、または少なくとも75である。特定の実施形態では、mは、100もしくはそれ未満、75もしくはそれ未満、50もしくはそれ未満、20もしくはそれ未満、10もしくはそれ未満、5もしくはそれ未満、または2もしくはそれ未満である。上記で言及した範囲の組み合わせも可能である(例えば、mは1〜100であり、mは1〜20であり、mは10〜50であり、mは20〜75であり、mは50〜100である)。他の範囲も可能である。1つまたはそれを超える官能基を含む鎖延長試薬のさらなる非限定的な例(例えば、ジアミノおよびジオール)を、
図3に示す。
【0094】
いくつかの実施形態では、重合後の残存する反応性イソシアナート基の少なくとも一部を、残存イソシアナート基が実質的に反応しないように1つまたはそれを超える末端化試薬の添加によって不活化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、末端化試薬は、イソシアナート基のさらなる反応が終結されるようなエンドキャッピング試薬であり得る。
【0095】
特定の実施形態では、ポリウレタン上に存在する酸基を、ポリウレタンが水に分散することができるように1つまたはそれを超える中和試薬の添加によって中和することができる。中和試薬の非限定的な例には、水酸化物(例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム)および第三級アミン(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エチルジプロピルアミン、エチルジブチルアミン、ジエチルプロピルアミン、ジエチルモノブチルアミン)が含まれる。いくつかの実施形態では、中和試薬はトリエチルアミンである。同様に、ポリウレタン上に存在する塩基性基を、ポリウレタンを水に分散することができるような1つまたはそれを超える酸性中和試薬(酢酸など)の添加によって中和することができる。中和試薬の使用量は、約10〜150%(例えば、ポリウレタン上の酸基の存在数と比較して)であり得る。上記のように、本明細書中に記載の接着剤(例えば、接着剤層中の水分散液として)は、一般に、1つまたはそれを超える反応性官能基の(例えば、1つまたはそれを超える硬化種との)反応(すなわち、硬化)によって形成された2つまたはそれを超える硬化部分を含む。例えば、いくつかの実施形態では、接着剤を、少なくとも1つの反応性官能基、少なくとも2つの反応性官能基、少なくとも3つの反応性官能基、または少なくとも4つの反応性官能基の反応によって形成する。各反応性官能基は同一であっても異なっていてもよく、一般に、以下により詳細に記載のように、1つまたはそれを超える硬化種と反応することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、反応性官能基は、特定の双極子モーメントを有する。いくつかの場合、比較的高い双極子モーメント(例えば、2デバイ(Debye)を超える双極子モーメント)を有する1つまたはそれを超える官能基の反応によって形成された接着剤の使用により、伝統的な接着剤と比較して電気光学ディスプレイの電気光学性能を改善することができる。当業者は、反応基の双極子モーメントの適切な決定方法を選択することができる。官能基の双極子モーメントは、約2デバイと約6デバイとの間の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、官能基の双極子モーメントは、少なくとも約2デバイ、少なくとも約2.5デバイ、少なくとも約3デバイ、少なくとも約4デバイ、または少なくとも約5デバイである。例えば、環状カルボナート基(例えば、式(XIV)のような構造を含む)の双極子モーメントは約5デバイであり得、ピロリドン(例えば、式(XVII)のような構造を含む)の双極子モーメントは約4デバイであり得、ニトリル(例えば、式(V)のような構造を含む)の双極子モーメントは約3.5デバイであり得る。
【0097】
反応性官能基は、一般に、接着剤の総組成に対して約5モル%と約25モル%との間の範囲の量で接着剤中に存在する。いくつかの実施形態では、反応性官能基は、少なくとも約5モル%、少なくとも約10モル%、少なくとも約15モル%、または少なくとも約20モル%の量で接着剤中に存在する。特定の実施形態では、反応性官能基は、約25モル%もしくはそれ未満、約20モル%もしくはそれ未満、約15モル%もしくはそれ未満、または約10モル%もしくはそれ未満の量で接着剤中に存在する。上記で言及した範囲の組み合わせも可能である(例えば、約5モル%と約25モル%との間)。
【0098】
いくつかの実施形態では、接着剤を、(例えば、接着剤の硬化中の間に)少なくとも1つの反応性官能基の少なくとも1つの硬化種との反応によって硬化する。1つの例示的な実施形態では、接着剤を、第1の反応性官能基の第1の硬化種との反応(例えば、第1の硬化部分を形成するための第1の硬化工程)および第2の反応性官能基の第2の硬化種との反応(例えば、第2の硬化部分を形成するための第2の硬化工程)によって硬化する。当業者は、本明細書の教示に基づいて、少なくとも1つの反応性官能基の少なくとも1つの硬化種との反応は、例えば、エンドキャッピング試薬および/または鎖延長試薬の添加前に接着剤の骨格を形成する反応(例えば、ジイソシアナートと二次試薬(ポリウレタンを形成するジオールなど)との反応)を包含することを意図しないことを理解する。換言すると、本明細書中に記載の少なくとも1つの反応性官能基の少なくとも1つの硬化種との反応は、一般に、(例えば、接着剤が機械的性質(例えば、ヤング弾性率の増加)、流体力学的性質(例えば、粘度)の増加などのうちの1つが変化するような)接着剤の硬化中に起こる。しかし、1つまたはそれを超える反応性官能基は、上記のように、接着剤の骨格内に存在し得、1つまたはそれを超える硬化種と反応し得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、接着剤を、反応性官能基の硬化種(鎖延長試薬、架橋試薬、またはその組み合わせなど)との反応によって硬化する。特定の実施形態では、接着剤を、第1の反応性官能基の、硬化種(骨格上またはエンドキャッピング試薬上に存在し得る第2の反応性官能基など)との反応によって硬化する。1つの例示的な実施形態では、接着剤を、接着剤材料上に存在する2つまたはそれを超える反応性官能基が反応するような接着剤材料の熱可塑性乾燥によって硬化することができる。
【0100】
いくつかの場合、硬化種は、上記のように、1つのタイプの反応性官能基を含む。例えば、硬化種は、接着剤材料骨格上またはエンドキャッピング試薬上に存在するヒドロキシル反応性官能基と反応するように構成されたカルボン酸基を含み得る。1つの例示的な実施形態では、反応性官能基は、チオレン(thiolene)反応によってスルフヒドリルなどの硬化種と反応する炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む。いくつかの実施形態では、反応性官能基は、架橋試薬(すなわち、架橋剤)と反応することができる。換言すると、いくつかの場合、硬化種は架橋剤を含む。適切な架橋剤の非限定的な例には、多官能性反応基(アミン、カルボジイミド、エポキシ、アルコール、チオール、またはイソシアナートなどが含まれる)を含む単量体、オリゴマー、およびポリマーが含まれる。当業者は、本明細書の教示に基づいて、適切な架橋剤を選択することができる。いくつかの実施形態では、硬化種は、上記の鎖延長試薬である。特定の実施形態では、反応性官能基は、モノ−、ジ−、またはトリ−アルコキシシランなどを自己架橋および/または自己鎖延長することができる。いくつかのかかる実施形態では、硬化種は、反応性官能基と反応することができる反応性官能基(例えば、シラン)と同一タイプの基を含み得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、接着剤を、接着剤(例えば、ポリウレタン)上に存在する1つまたはそれを超える反応性官能基の2つまたはそれを超える架橋剤との反応によって形成する。例えば、特定の実施形態では、接着剤を、第1の架橋剤(すなわち、第1の硬化)および第2の架橋剤(すなわち、第2の硬化)と反応させる。いくつかの実施形態では、接着剤骨格を、第1の硬化工程(接着剤の乾燥および/または積層など)中に第1の架橋剤と反応させる。特定の実施形態では、次いで、接着剤を、第2の硬化工程中に第2の架橋剤と反応させる。いくつかの実施形態では、第1の架橋剤および第2の架橋剤は、接着剤(例えば、接着剤骨格上の1つまたはそれを超える反応性官能基)との架橋率が異なる。特定の実施形態では、第1の架橋剤および第2の架橋剤は、接着剤上に存在する反応性官能基との架橋率が類似している。有利には、2つまたはそれを超える架橋剤の使用により、接着剤の積層および/または乾燥中に接着剤を有効に平坦化すること、および/または接着剤層コート重量の低下を可能にするのに望ましい流体力学的性質が得られる。いくつかの実施形態では、接着剤の機械的性質を、第2の架橋剤(すなわち、第2の硬化工程中)によって調節することができる。いくつかの実施形態では、接着剤の長期ストレス信頼性(stress reliability)を、第2の架橋剤によって調節することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、反応性官能基は、電磁放射線(例えば、可視光、UV光など)、電子ビーム、高温(例えば、溶媒抽出または縮合反応中などに利用される)、化合物(例えば、チオレン)、および/または架橋剤などの刺激の存在下で硬化種と反応する。複数のタイプの反応性官能基反応(例えば、硬化工程)のうちの例示的な実施形態(ジアミンまたはポリアミンの架橋、自己架橋、チオレン/UV架橋、およびUV架橋が含まれる)を、
図4に示す。
【0103】
上記説明は例示的なポリウレタン接着剤組成物に関するが、他のタイプの接着剤材料への反応性の官能性の組み込みは当業者に公知である。例えば、エポキシ含有アクリラート単量体の使用によってエポキシ官能性をポリアクリラート系接着剤に組み込むことができ、二重結合官能性をアルキド系材料に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、上記のように、接着剤は、2つまたはそれを超えるタイプの接着剤材料を含み得る(すなわち、接着剤ハイブリッド)。例えば、いくつかの場合、接着剤は、ポリアクリラート(アクリル(例えば、熱可塑性乾燥によって第1の硬化が起こるように構成された)など)およびポリウレタン(例えば、ポリウレタンの、アクリラート上に存在する反応性官能基との反応によって第2の硬化が起こるように構成された)を含み得る。
【0104】
上記のように、いくつかの実施形態では、接着剤層を、フロントプレーン電極とバックプレーン電極との間に配置し、電気光学材料の電気状態を変化させるために必要な電場を印加することができる。換言すると、接着剤の電気特性(例えば、抵抗率、伝導率)は、電気光学材料に印加される電場を変化させ得る。接着剤の抵抗率が高すぎる場合、接着剤層内で実質的な電圧降下が起こり得、電極を横切る電圧を増加させる必要がある。この様式で電極を横切る電圧を増加させることは望ましくない。なぜなら、ディスプレイの電力消費量が増大し得、関連する電圧増加を処理するために、より複雑且つ高価な制御回路の構成要素を使用する必要があり得るからである。対照的に、アクティブマトリックスディスプレイなどのように接着剤層(電気光学アセンブリを横切って連続的に広がり得る)が電極のマトリックスと接触している場合、接着剤の体積抵抗率は低くすぎるべきではなく、さもなければ、連続接着剤層を経由した電流の側方伝導によって隣接電極間で望ましくないクロストークが生じ得る。さらに、ほとんどの材料の体積抵抗率が温度上昇に伴って急速に減少し得るので、接着剤の体積抵抗率が低くすぎる場合、実質的に室温を超える温度でのアセンブリの性能は悪影響を受ける。したがって、いくつかの実施形態では、接着剤の体積抵抗率は、(例えば、およそ20℃のアセンブリ動作温度で)約108オーム・cmと約1012オームcmとの間、または約109オーム・cmと約1011オーム・cmとの間の範囲であり得る。他の体積抵抗率範囲も可能である。
【0105】
硬化後(例えば、第1の硬化および第2の硬化後)の接着剤層は、特定の平均コート重量を有し得る。例えば、接着剤層の平均コート重量は、約2g/m
2と約25g/m
2との間の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、接着剤層の平均コート重量は、少なくとも約2g/m
2、少なくとも約4g/m
2、少なくとも約5g/m
2、少なくとも約8g/m
2、少なくとも約10g/m
2、少なくとも約15g/m
2、または少なくとも約20g/m
2である。特定の実施形態では、接着剤層の平均コート重量は、約25g/m
2もしくはそれ未満、約20g/m
2もしくはそれ未満、約15g/m
2もしくはそれ未満、約10g/m
2もしくはそれ未満、約8g/m
2もしくはそれ未満、約5g/m
2もしくはそれ未満、または約4g/m
2もしくはそれ未満である。上記で言及した範囲の組み合わせも可能である(例えば、約2g/m
2と約25g/m
2との間、約4g/m
2と約10g/m
2との間、約5g/m
2と約20g/m
2との間、約8g/m
2と約25g/m
2との間)。他の範囲も可能である。
【0106】
硬化前の接着剤層は、(例えば、接着剤が電気光学アセンブリの電気的性質および/または光学的性質を有意に変化させないような)特定の平均ウェットコート厚さを有し得る。例えば、接着剤層の平均ウェットコート厚さは、約1ミクロンと約100ミクロンとの間、約1ミクロンと約50ミクロンとの間、または約5ミクロンと25ミクロンとの間の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、接着剤層の平均ウェットコート厚さは、約25ミクロン未満、約20ミクロン未満、約15ミクロン未満、または約12ミクロン未満、約10ミクロン未満、または約5ミクロン未満であり得る。いくつかの実施形態では(例えば、接着剤を電気光学材料に直接ウェットコーティングする実施形態では)、接着剤層の平均ウェットコート厚さは、約1ミクロンと約50ミクロンとの間、または約5ミクロンと25ミクロンとの間、または約5ミクロンと約15ミクロンとの間であり得る。いくつかの実施形態では(例えば、接着剤を層上にコーティングし、次いで、電気光学材料に積層する実施形態では)、接着剤層の平均ウェットコート厚さは、約15ミクロンと30ミクロンとの間、または20ミクロンと25ミクロンとの間であり得る。他のウェットコート厚さも可能である。
【0107】
接着剤層が下部の層全体を被覆することができるか、接着剤層が下部の層の一部のみを被覆することができると理解すべきである。
【0108】
さらに、接着剤層を積層体として適用することができるか(これは、通常、より厚い接着剤層を作製する)、接着剤層を、オーバーコートとして適用することができる(これは、通常、積層体よりも薄い層を作製する)。オーバーコート層は、接着剤を電気光学材料の表面上(または別の表面上)にコーティングすることができるようにオーバーコート前に第1の硬化が起こり、この材料に対して第2の硬化をオーバーコーティング後に設定する二重硬化系を利用することができる。オーバーコート層は、下部の表面が粗く、且つ薄層のみを適用する場合に粗い可能性があるか、オーバーコート層を使用して下部の粗面を平坦化することができる。粗面を平坦化する(例えば、任意の空隙を充填し、表面を平滑化し、全厚の増加を最小にするのに十分な接着剤を添加する)ためにオーバーコート層を適用する単一工程で平坦化することができる。あるいは、粗面を最小限コーティングするためにオーバーコート層を適用し、平坦化するために第2のコーティングを適用する2工程で平坦化することができる。別の実施形態では、オーバーコート層を平滑面に適用することができる。
【0109】
図1Cおよび1Dを再度参照すると、いくつかの実施形態では、電気光学アセンブリは、電気光学材料層125、カプセル150、およびバインダー160を含む。特定の実施形態では、上記のように、バインダーは接着剤でもあり得る。例えば、バインダーは、ポリウレタン(例えば、少なくとも1つのタイプの末端基を含む)であり得る。
【0110】
本発明の電気光学アセンブリは、完全な電気光学ディスプレイまたはかかるディスプレイのサブアセンブリ(例えば、電気泳動ディスプレイ)のみから構成され得る。代表的な電気泳動ディスプレイは、例えば、2006年3月14日に付与された米国特許第7,012,735号(その全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されている。完全な電気光学ディスプレイは、一般に、電気光学材料の光学的状態を変動させるのに必要な電場を生成するための少なくとも1つ、通常は2つの電極が存在するが、いくつかの場合、2つの電極のうちの1つのみがディスプレイの恒久的な部品であり得、他方の電極はディスプレイ上に書き込むためにディスプレイ上を移動することができる移動可能なスタイラスまたは類似の機器の形態である。例えば、いくつかの実施形態では、フロントプレーン電極130は電極を含む。特定の実施形態では、バックプレーン電極110は電極を含む。いくつかの場合、電極は、光透過性であり得る。例えば、アセンブリは、第1の層が複数の画素、典型的には、ディスプレイ全体にわたって広がる単一の連続的な光透過性電極を含むアクティブマトリックスディスプレイの形態を有し得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、フロントプレーン電極130および/またはバックプレーン電極110は、ディスプレイの画素を画定するようにパターン形成された1つまたはそれを超える電極層を含む。例えば、1つの電極層を細長い行電極にパターン形成することができ、第2の電極層を行電極に対して直交する細長い列電極にパターン形成することができ、画素は、行電極と列電極との交点によって画定されている。あるいは、いくつかの実施形態では、1つの電極層は単一の連続する電極の形態を有し、第2の電極層は画素電極のマトリックスにパターン形成されており、それぞれがディスプレイの1つの画素を画定している。スタイラス、印字ヘッド、またはディスプレイから離れた類似の可動性電極との使用を意図した別のタイプの電気光学ディスプレイでは、電気光学層に隣接する層の1つのみが電極を含み、電気光学層の反対側の層は、典型的には、可動性電極による電気光学層の損傷を防止することを意図する保護層である。
【0112】
図1A〜Dを再度参照すると、フロントプレーン電極130は、高分子薄膜または類似の支持層(例えば、比較的薄い光透過性電極を支持し、比較的脆弱な電極を機械的損傷から保護し得る)を含むことができ、バックプレーン電極110は支持部分および複数の画素電極(例えば、ディスプレイの各画素を画定する)を含む。いくつかの場合、バックプレーン電極は、非線形デバイス(例えば、薄膜トランジスタ)および/またはディスプレイを駆動するために(例えば、ディスプレイ上に所望の画像を提供するために必要な光学的状態に種々の画素を切り替えるために)必要な電位を画素電極に掛けるために使用される他の回路構成要素をさらに含み得る。
【0113】
電気光学アセンブリは、フロントプレーン積層体の形態を有し得る。かかるフロントプレーン積層体では、フロントプレーンは、最終ディスプレイのフロント電極を形成することを意図する光透過性導電性層を含み得る。フロントプレーンは、高分子薄膜または類似の支持層(例えば、比較的薄い導電性層を支持し、この層を機械的損傷から保護する)を含み得る。いくつかのかかる実施形態では、電気光学アセンブリは剥離シートを含むことができ、このシートの除去後にフロントプレーン積層体をバックプレーン電極に積層して最終ディスプレイを形成する。
【0114】
いくつかの実施形態では、電気光学材料層は封入電気泳動媒体を含む。
図1Cおよび1Dを再度参照すると、いくつかの実施形態では、電気光学材料層125は、封入電気泳動媒体を含むカプセル150およびバインダー160を含む。いくつかの場合、カプセルは、多数の小カプセルを含む封入電気泳動媒体を含むことができ、その各小カプセル自体が液体懸濁媒体中に懸濁した電気泳動移動性粒子(例えば、インク粒子)を含む内相を含み、カプセル壁は内相を取り囲んでいる。いくつかのかかる実施形態では、カプセルが高分子バインダー(例えば、バインダー160)内に保持されて2電極間(例えば、フロントプレーン電極とバックプレーン電極との間)にコヒーレント層を形成している。いくつかの場合、封入電気泳動媒体中の個別のマイクロカプセルを取り囲む壁を連続相と置換し、それにより、電気泳動媒体が電気泳動流体の複数の個別の液滴および高分子材料の連続相を含むいわゆる高分子分散型電気泳動ディスプレイを生成することができ、たとえ個別のカプセル膜が各液滴と会合していなくても、かかる高分子分散型電気泳動ディスプレイ内の電気泳動流体の個別の液滴をカプセルまたはマイクロカプセルと見なすことができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、電気泳動媒体は、複数のカプセルを含み、このカプセルの各々がカプセル壁を含み、懸濁流体はカプセル壁内に封入されており、複数の帯電粒子は懸濁流体中に懸濁し、媒体への電場の印加の際に懸濁流体を移動することができ、媒体はさらにバインダーを含み、このバインダーはカプセルを取り囲んでいる。
【0116】
封入電気泳動ディスプレイは、典型的には、伝統的な電気泳動デバイスのクラスター化および沈降といった障害機序を持たず、さらなる利点(広範な種々の可撓性基板および硬質基板上にディスプレイをプリントまたはコーティングすることが可能なことなど)が得られる。用語「プリント」の使用は、プリントおよびコーティングの全ての形態を含むことが意図され、予め測定されたコーティング(パッチダイコーティング、スロットコーティングまたは押し出しコーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティングなど);ロールコーティング(ロール式ナイフ塗布、フォワードおよびリバースロールコーティングなど);グラビアコーティング;ディップコーティング;スプレーコーティング;メニスカスコーティング;スピンコーティング;ブラシコーティング;エアナイフコーティング;シルクスクリーンプリントプロセス;静電プリントプロセス;サーマルプリントプロセス;インクジェットプリントプロセス;電気泳動塗装;および他の類似の技術が含まれるが、これらに限定されない。したがって、いくつかの場合、得られたディスプレイは、可撓性であり得る。さらに、ディスプレイ媒体を(例えば、種々の方法を使用して)プリントすることができるので、ディスプレイ自体を安価に作製することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、電気光学ディスプレイは、「マイクロセル電気泳動ディスプレイ」である。マイクロセル電気泳動ディスプレイでは、荷電した粒子および流体は、マイクロカプセル内に封入されないが、その代りに、キャリア媒体(例えば、高分子薄膜)内に形成された複数の空洞内に保持することができる。
【0118】
電気泳動媒体は、しばしば、不透明であり(例えば、多くのタイプの電気泳動媒体では、粒子はディスプレイを通過する可視光透過を実質的に遮断するからである)、反射モードで動作するが、多くの電気泳動ディスプレイは、一方の表示状態が実質的に不透明であり、一方が光透過性を示す、いわゆる「シャッターモード」で動作するように作製することができる。
【0119】
上記の接着剤を、当該分野で公知の他の電気光学材料および電気光学ディスプレイで使用することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、電気光学材料は固体(例えば、固体電気光学ディスプレイ)である。いくつかのかかる実施形態では、電気光学材料は、内部を液体または気体で充填した空間を含み得る。したがって、用語「固体電気光学ディスプレイ」には、封入電気泳動ディスプレイ、封入液晶ディスプレイ、および他のディスプレイタイプが含まれる。
【0120】
いくつかの実施形態では、電気光学ディスプレイは、回転二色性部材(例えば、回転二色性ボールディスプレイ)である。いくつかのかかる実施形態では、ディスプレイは、異なる光学特性を有する2つまたはそれを超える部分および内部双極子を有する多数の小体(典型的には、球状または円柱状)を使用する。これらの小体は、マトリックス内の液体充填小胞内で懸濁することができ、この小胞は、小体が自由に回転するように液体が充填されている。ディスプレイに電場を印加し、それにより、小体が種々の位置に回転することによってディスプレイの外観を変化させることができ、画面を通してこの小体の部分の変動を見る。このタイプの電気光学媒体は、典型的に双安定性である。
【0121】
用語「双安定性の」とは、少なくとも1つの光学特性が異なる第1の表示状態および第2の表示状態を有するディスプレイ要素を含むディスプレイであって、任意の所定の要素が駆動された後、有限の継続時間のアドレス割り当てパルスによって、その第1の表示状態もしくは第2の表示状態のいずれかを呈するために、上記アドレス割り当てパルスが終了した後に、その状態が、上記ディスプレイ要素の状態を変化させるために必要とされる上記アドレス割り当てパルスの最小限の継続時間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍にわたって持続することができる、ディスプレイをいうために、当該分野でのそれらの従来の意味において本明細書で使用される。いくつかの場合、グレースケールが可能ないくつかの粒子系電気泳動ディスプレイはその極限の黒状態および白状態だけでなく、その中間のグレー状態でも安定である。このタイプのディスプレイは、一般に、双安定性というよりもむしろ「多安定性」と称されるが、双安定性ディスプレイおよび多安定性ディスプレイの両方を対象とするために、便宜上、用語「双安定性の」を本明細書中で使用することができる。
【0122】
他の電気光学ディスプレイが当該分野で公知であり、エレクトロクロミック媒体(例えば、少なくとも一部が金属酸化物半導体から形成された電極およびこの電極に取り付けられた可逆的に変色することができる複数の色素分子を含むナノクロミック薄膜の形態のエレクトロクロミック媒体)を使用する電気光学ディスプレイ;エレクトロウェッティングディスプレイ;および複数の荷電した粒子が電場の影響下で懸濁流体中を移動する粒子系電気泳動ディスプレイが含まれる。
【0123】
接着剤層を、当該分野で公知の適切な技術を使用して形成することができる。いくつかの実施形態では、接着剤層を薄膜として形成し、次いで、例えば、積層によってアセンブリに適用する。かかる実施形態では、接着剤(例えば、本明細書中に記載のエンドキャッピングされたポリウレタンを含む)を、剥離層または他の基板(例えば、フロントプレーン電極またはバックプレーン電極)上にコーティングし、当該分野で公知の技術を使用して(例えば、加熱および/または真空への曝露によって)乾燥させることができる。基板は、プラスチックフィルムまたは剥離層(例えば、可撓性ポリマーを含む)上にインジウムスズ酸化物(ITO)または類似の導電コーティング(例えば、最終ディスプレイの電極層として作用する)を含み得る。非限定的な具体例として、接着剤材料を、(例えば、ダイコーターまたはスロットコーターの使用によって)基板上に分散させることができる。材料の厚さを、材料の流動性または材料の正方形領域あたりの材料のポンプ吐出量によって調節することができる。別々に、バックプレーン電極(画素電極のアレイおよび回路構成要素を駆動するために画素電極に接続するのに適切な導体の配列を含む)を調製することができる。最終ディスプレイを形成するために、カプセル/カプセル上のバインダー層を有する基板を、(例えば、加熱およびロールラミネータを使用して)接着剤を使用してバックプレーン電極に積層することができる。
【0124】
別の実施形態では、類似のプロセスを使用して、バックプレーン電極を、スタイラスまたは他の可動性電極をスライドすることができる簡素な保護層(プラスチックフィルムなど)と置換することによってスタイラスまたは類似の可動性電極と使用可能な電気泳動ディスプレイを調製することができる。いくつかのかかる実施形態では、バックプレーン電極自体が可撓性であり、バックプレーン電極を、プラスチックフィルムまたは他の可撓性基板上に画素電極および導体をプリントすることによって調製する。
【0125】
当業者は、本明細書中に記載の合成方法での使用に適切な条件を承知している。例えば、接着剤材料(例えば、イソシアナート末端ポリウレタン)を、リアクター中で反応物(例えば、ジイソシアナート(diisocyante)化合物および二次試薬(ジオールなど))をそのまま、または溶媒中で組み合わせ、混合し、反応させ、ここで、リアクターを加熱するか熱源から離すことによって調製することができる。不活性雰囲気下で(例えば、水の不在下および不活性ガス(窒素および/またはアルゴンなど)の存在下で)接着剤を合成することができる。反応物を任意の特定の順序で添加することができる。接着剤を、1つまたはそれを超えるさらなる試薬(例えば、エンドキャッピング試薬、鎖延長試薬、中和試薬)と反応させることができる。いくつかの場合、適切な時間の経過後、水などの分散媒を反応混合物に添加する。接着剤材料の合成後、接着剤材料を水に分散させることができる(例えば、反応混合物への水の添加または水への反応混合物の添加による)。いくつかの実施形態では、接着剤(例えば、エンドキャッピングしたおよび/または中和した接着剤)を、水への分散後に鎖延長することができる。
【0126】
本明細書中に記載の接着剤材料を、硬化させることができる。硬化には、(例えば、接着剤が架橋すること、延長すること、絡まることなどが起こるような)本明細書中に記載の1つまたはそれを超える反応性官能基の1つまたはそれを超える硬化種との反応が含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの場合、接着剤は、2つまたはそれを超える硬化工程(例えば、第1の硬化および第2の硬化)を経得る。換言すると、接着剤を、第1の反応性官能基の第1の硬化種との反応(すなわち、第1の硬化)によって硬化することができ、第2の反応性官能基の第2の硬化種との反応(すなわち、第2の硬化)によってさらに硬化することができる。いくつかの実施形態では、接着剤層を、第1の反応性官能基が第1の硬化種と反応するように接着剤を硬化し、次いで、第2の反応性官能基が第2の硬化種と反応するように接着剤を硬化することによって形成する。第1および第2の硬化は、実質的に同時に起こり得るか、実質的に異なる時間に起こり得る。第1の反応性官能基は、第2の反応性官能基と同一または異なり得る。第1の硬化種は、第2の硬化種と同一または異なり得る。
【0127】
2つまたはそれを超える硬化(すなわち、硬化工程)を使用することにより、接着剤に所望の性質を付与することができる。例えば、2つまたはそれを超える硬化を有する接着剤は、他の接着剤と比較してコート重量および/または厚さが低いかもしれず、接着剤に所望の流体力学的性質を付与することができ(例えば、第1の硬化後および/または第2の硬化後)、そして/または第1の硬化後または第2の硬化後に接着剤層中に空隙および/または欠陥が実質的に存在しないように空隙および/または欠陥の形成を軽減または防止することができる。接着剤は、一般に、所望の層を相互に結合させるのに十分な接着剤強度を有するべきである。いくつかの場合、接着剤は、硬化後(例えば、第1の硬化後、第2の硬化後)に所望の層を相互に結合するのに十分な接着剤強度を有する。いくつかの実施形態では、電気光学アセンブリは可撓性であり、したがって、接着剤は、アセンブリを屈曲した場合にアセンブリに欠陥が生じないのに十分な可撓性を有し得る。
【0128】
当業者は、オレンジピール試験などの適切な接着剤の欠陥を測定する方法を選択することができる。例えば、オレンジピールを、試験片の表面に対して60°の角度で照射し、等しい角度であるが試験片と反対側の角度で回収した反射光強度を測定するためのウェーブスキャン装置を使用して決定することができる。
【0129】
接着剤は、硬化前または硬化後に特定の平均クロスオーバー温度(Tc、例えば、1Hzで損失正接(tan delta)=1.0のときの温度として測定)を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の硬化前および/または第2の硬化前の接着剤の平均クロスオーバー温度は、約0℃と約80℃との間である。特定の実施形態では、第1の硬化前および/または第2の硬化前の接着剤の平均クロスオーバー温度は、約80℃未満、約60℃未満、約40℃未満、約20℃未満、または約10℃未満である。平均クロスオーバー温度は、第1の硬化後に(第2の硬化前に)上昇し得るが、約0℃と約80℃との間(例えば、約20℃と約80℃との間)で保持される。上記の平均クロスオーバー温度を有する接着剤は、流動して1つまたはそれを超える層(例えば、電極層、剥離層)に容易に積層することができ、より高いクロスオーバー温度を有する接着剤と比較して実質的に欠陥が少ない。当業者は、接着剤の硬化(例えば、架橋)によって一般にクロスオーバー温度が上昇するであろうこと、例えば、第2の硬化ではクロスオーバー温度が80℃超に上昇し得ることを理解する。例えば、いくつかの実施形態では、第2の硬化後の接着剤の平均クロスオーバー温度は、約80℃と約250℃との間であり得る。特定の実施形態では、第2の硬化後の接着剤の平均クロスオーバー温度は、少なくとも約80℃、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、または少なくとも約200℃である。いくつかの場合、第2の硬化後の接着剤の平均クロスオーバー温度は、約250℃もしくはそれ未満、約200℃もしくはそれ未満、約150℃もしくはそれ未満、または約100℃もしくはそれ未満である。上記で言及した範囲の組み合わせも可能である。
【0130】
接着剤材料を、(例えば、ダイコーターまたはスロットコーターによって)電気泳動層または剥離層上に塗布することができる。他の実施形態では、接着剤を、(例えば、溶液法によって)電気光学材料(または他の下部層)に直接コーティングすることができる。次いで、接着剤を、当該分野で公知の技術を使用して(例えば、加熱および/または真空への曝露によって)乾燥させることができる。次いで、さらなる層を、接着剤の外面に適用することができる。
【0131】
具体例として、接着剤材料を含む分散液(例えば、水に分散させたポリウレタン)を、(例えば、ダイコーターまたはスロットコーターによって)電気光学材料層上に塗布する。液体材料の厚さを、例えば、ドクターブレードを使用して調節することができる。いくつかの実施形態では、接着剤が適用される電気光学材料の上面は平面でなくてよい。かかる実施形態では、接着剤の最終外面が平面または本質的に平面となるように接着剤を適用することができる。
【0132】
1つの例示的な実施形態では、接着剤材料(例えば、第1のタイプの反応性官能基および第2のタイプの反応性官能基を含む)を、第1の層(例えば、プラスチックフィルム、剥離層、電気光学材料層上のインジウムスズ酸化物(ITO)または類似の導電コーティング)の少なくとも一部にコーティングし、第1のタイプの反応性官能基が第1のタイプの硬化種と反応する(例えば、第1の硬化部分が形成される)ように硬化させる(すなわち、第1の硬化)ことができる。いくつかのかかる実施形態では、接着剤を、第2の層(例えば、プラスチックフィルム、剥離層、電気光学材料層上のインジウムスズ酸化物(ITO)または類似の導電コーティング)と接触させ、第2のタイプの反応性官能基が第2のタイプの硬化種と反応する(例えば、第2の硬化部分が形成される)ように硬化させる(すなわち、第2の硬化)ことができる。当業者は、接着剤の硬化(例えば、第1の硬化、第2の硬化)が、一般に、接着剤層を1つまたはそれを超える層に接着させると理解する。例えば、接着剤は、1つの層のみを接着することができる。いくつかの場合、接着剤は2つの層を相互に接着する。いくつかの場合、1つまたはそれを超える層(例えば、剥離層)を、第2の硬化前に除去することができ、第3の層(例えば、プラスチックフィルム、剥離層、電気光学材料層上のインジウムスズ酸化物(ITO)または類似の導電コーティング)を接着剤と接触させる(すなわち、除去した層と置換する)ことができる。いくつかのかかる実施形態では、層の除去により、第2の硬化前に、接着剤の粗さの軽減を容易にし、そして/または接着剤層を(例えば、物理的損傷、汚染から)保護し得る。1つまたはそれを超えるさらなる硬化(例えば、第3の硬化、第4の硬化など)も使用することができる。例えば、いくつかの場合、接着剤は、3つまたはそれを超える硬化工程を使用して硬化することができる3つまたはそれを超える反応性官能基を含む。
【0133】
任意の基板上の接着剤の薄膜を、当該分野で公知の技術を使用して形成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、接着剤(例えば、ポリウレタン)を、水(または他の溶媒)中に分散させ、層(例えば、プラスチックフィルム、剥離層、電気光学材料層上のインジウムスズ酸化物(ITO)または類似の導電コーティング)上にコーティングする。当業者は、表面上の溶液コーティングの形成技術(例えば、スピンコーティング、スプレー技術、プリント、ダイコーターまたはスロットコーターなど)を承知している。他の添加物が溶液中に存在し得る。次いで、溶液コーティングを、当該分野で公知の技術(例えば、熱および/または真空)を使用して乾燥させ、それにより、薄膜を形成することができる。
【0134】
本明細書中に記載の方法を、任意の適切な温度で行うことができる。いくつかの場合、各反応(例えば、各硬化段階)を、約室温(例えば、約25℃、約20℃、または約20℃と約25℃との間など)で行う。しかし、いくつかの場合、各反応を、室温未満または室温を超える温度で行う。いくつかの実施形態では、各反応を、約25℃と約140℃との間、約25℃と約75℃との間、または約50℃と約100℃との間で行う。
【0135】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれを超える反応を、溶媒の存在下で行うことができる。あるいは、溶媒不使用条件下で反応させることができる。溶媒の非限定的な例には、炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン)、ハロカーボン(例えば、クロロホルム、ジクロロメタン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メトキシエチルエーテル(ジグリム)、および芳香族化合物(例えば、ベンゼン、トルエン)が含まれる。本明細書中に記載のように、いくつかの実施形態では、水中で反応させることもできる。
【0136】
便宜上、明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用した特定の用語をここに列挙する。特定の官能基および化学用語の定義を、以下により詳細に記載する。本発明の目的のために、化学元素を、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.の内表紙にしたがって同定し、特定の官能基を、一般に、前述の書籍に記載のように定義する。さらに、有機化学の一般的原理ならびに特定の官能性部分および反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999に記載されている。
【0137】
用語「脂肪族」には、本明細書中で使用される場合、1つまたはそれを超える官能基と任意選択的に置換される、飽和および不飽和の両方で、非芳香族、直鎖(すなわち、非分枝鎖)、分枝鎖、非環式、および環式(すなわち、炭素環式)の炭化水素が含まれる。当業者に認識されるように、「脂肪族」には、本明細書中で、アルキル部分、アルケニル部分、アルキニル部分、シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分、およびシクロアルキニル部分が含まれるが、これらに限定されないことを意図する。したがって、本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」には、直鎖、分枝鎖、および環式のアルキル基が含まれる。類似の慣習を、他の総称(「アルケニル」、「アルキニル」など)に適用する。さらに、本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」などは、置換基および非置換基の両方を包含する。特定の実施形態では、本明細書中で使用される場合、「脂肪族」を、1〜20個の炭素原子を有する脂肪族基(環式、非環式、置換、非置換、分枝、非分枝の基)を示すために使用する。脂肪族置換基には、安定な部分を形成する本明細書中に記載の任意の置換基(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、およびアシルオキシ(それぞれさらに置換されていても置換されていなくてもよい)など)が含まれるが、これらに限定されない。
【0138】
本明細書中で使用される場合、用語「アルキル」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、飽和脂肪族基のラジカル(直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基が含まれる)をいう。いくつかの場合、アルキル基は、低級アルキル基(すなわち、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またはデシル))であり得る。いくつかの実施形態では、直鎖または分枝鎖のアルキルは、その骨格内に30個またはそれ未満の炭素原子、いくつかの場合、20個またはそれ未満の炭素原子を有し得る。いくつかの実施形態では、直鎖または分枝鎖のアルキルは、その骨格内に12個もしくはそれ未満の炭素原子(例えば、直鎖についてはC
1〜C
12、分枝鎖についてはC
3〜C
12)、6個もしくはそれ未満、または4個もしくはそれ未満の炭素原子を有し得る。同様に、シクロアルキルは、その環構造内に3〜10個の炭素原子、またはその環構造内に5、6、もしくは7個の炭素原子を有し得る。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロブチル、ヘキシル、およびシクロヘキシル(cyclochexyl)が含まれるが、これらに限定されない。
【0139】
本明細書中で使用される用語「アルキレン」は、二価アルキル基をいう。「アルキレン」基は、ポリメチレン基(すなわち、−(CH
2)z−、式中、zは、正の整数(例えば、1〜20、1〜10、1〜6、1〜4、1〜3、1〜2、または2〜3)である)である。置換アルキレン鎖は、1つまたはそれを超えるメチレン水素原子が置換基と置換されたポリメチレン基である。適切な置換基には、置換脂肪族基について本明細書中に記載の置換基が含まれる。
【0140】
一般に、接尾語「−エン」を、二価の基を記載するために使用する。したがって、本明細書中で定義した任意の用語を、基部分の二価のバージョンを記載するために接尾語「−エン」で修飾することができる。例えば、二価炭素環は「カルボシクリレン」であり、二価アリール環は「アリーレン」であり、二価ベンゼン環は「フェニレン」であり、二価ヘテロ環は「ヘテロシクリレン」であり、二価ヘテロアリール環は「ヘテロアリーレン」であり、二価アルキル鎖は「アルキレン」であり、二価アルケニル鎖は「アルケニレン」であり、二価アルキニル鎖は「アルキニレン」であり、二価ヘテロアルキル鎖は「ヘテロアルキレン」であり、二価ヘテロアルケニル鎖は「ヘテロアルケニレン」であり、二価ヘテロアルキニル鎖は「ヘテロアルキニレン」である。
【0141】
用語「アルケニル」および「アルキニル」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、上記のアルキルと長さおよび可能な置換が類似するが、少なくとも1つの二重結合または三重結合をそれぞれ含む不飽和脂肪族基をいう。
【0142】
特定の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜4個の炭素原子を含む。したがって、例示的な脂肪族基には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシルなどの部分(また、1つまたはそれを超える置換基を有することができる)が含まれるが、これらに限定されない。アルケニル基には、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、および1−メチル−2−ブテン−l−イルなどが含まれるが、これらに限定されない。代表的なアルキニル基には、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル(propargy1))、および1−プロピニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0143】
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用される場合、具体的には、3〜10個、好ましくは3〜7個の炭素原子を有する基をいう。適切なシクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチルなどが含まれるが、これらに限定されず、他の脂肪族部分、ヘテロ脂肪族部分、または複素環式部分の場合のように、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;−F;−Cl;−Br;−I;−OH;−NO2;−CN;−CF
3;−CH
2CF
3;−CHCl
2;−CH
2OH;−CH
2CH
2OH;−CH
2NH
2;−CH
2SO
2CH
3;−C(O)Rx;−CO
2(Rx);−CON(Rx)
2;−OC(O)Rx;−OCO
2Rx;−OCON(Rx)
2;−N(Rx)
2;−S(O)
2Rx;−NRx(CO)Rx(表示の各Rxには、独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルが含まれるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない置換基で任意選択的に置換されていてよく、ここで、上記および本明細書中に記載の任意の脂肪族置換基、ヘテロ脂肪族置換基、アリールアルキル置換基、またはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であってよく、ここで、上記および本明細書中に記載の任意のアリール置換基またはヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。一般的に適用可能な置換基のさらなる例を、本明細書中に記載の実施例に示す特定の実施形態によって例示する。
【0144】
用語「ヘテロ脂肪族」は、本明細書中で使用される場合、1つまたはそれを超える官能基と選択的に置換され、且つ、例えば、炭素原子の代わりに1つまたはそれを超える酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、またはケイ素原子を含む、本明細書中に定義の脂肪族部分(飽和および不飽和の両方で、非芳香族、直鎖(すなわち、非分枝鎖)、分枝鎖、非環式、および環式(すなわち、複素環式)、または多環式の炭化水素が含まれる)をいう。特定の実施形態では、ヘテロ脂肪族部分は、1つまたはそれを超える水素原子の、1つまたはそれを超える置換基との独立した置換によって置換されている。当業者に認識されるように、「ヘテロ脂肪族」は、本明細書中で、ヘテロアルキル部分、ヘテロアルケニル部分、ヘテロアルキニル部分、ヘテロシクロアルキル部分、ヘテロシクロアルケニル部分、およびヘテロシクロアルキニル部分が含まれるが、これらに限定されないことを意図する。したがって、用語「ヘテロ脂肪族」には、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および「ヘテロアルキニル」などが含まれる。さらに、本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および「ヘテロアルキニル」などは、置換基および非置換基の両方を包含する。特定の実施形態では、本明細書中で使用される場合、「ヘテロ脂肪族」を、1〜20個の炭素原子を有するヘテロ脂肪族基(環式、非環式、置換、非置換、分枝、または非分枝)を示すために使用する。ヘテロ脂肪族基置換基には、安定な部分を形成する本明細書中に記載の任意の置換基(例えば、脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、オキソ、イミノ、チオオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、およびアシルオキシ(それぞれさらに置換されていても置換されていなくてもよい)など)が含まれるが、これらに限定されない。
【0145】
用語「ヘテロアルキル」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、1つまたはそれを超える炭素原子がヘテロ原子と置換された本明細書中に記載のアルキル基をいう。適切なヘテロ原子には、酸素、硫黄、窒素、およびリンなどが含まれる。ヘテロアルキル基の例には、アルコキシ、アミノ、チオエステル、ポリ(エチレングリコール)、およびアルキル−置換アミノが含まれるが、これらに限定されない。
【0146】
用語「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、上記のヘテロアルキルと長さおよび可能な置換が類似するが、少なくとも1つの二重結合または三重結合をそれぞれ含む不飽和脂肪族基をいう。
【0147】
本発明の化合物の上記の脂肪族(および他の)部分の置換基のいくつかの例には、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;アルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO
2;−CN;−CF
3;−CHF
2;−CH
2F;−CH
2CF
3;−CHC1
2;−CH
2OH;−CH
2CH
2OH;−CH
2NH
2;−CH
2SO
2CH
3;−C(O)Rx;−CO
2(Rx);−CON(Rx)
2;−OC(O)Rx;−OCO
2Rx;−OCON(Rx)
2;−N(Rx)
2;−S(O)
2Rx;−NRx(CO)Rx(表示の各Rxには、独立して、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはアルキルヘテロアリールが含まれるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されず、ここで、上記および本明細書中に記載の任意の脂肪族置換基、ヘテロ脂肪族置換基、アルキルアリール置換基、またはアルキルヘテロアリール置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であってよく、ここで、上記および本明細書中に記載の任意のアリール置換基またはヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。一般的に適用可能な置換基のさらなる例を、本明細書中に記載の実施例に示す特定の実施形態によって例示する。
【0148】
用語「アリール」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、単一の環(例えば、フェニル)、複数の環(例えば、ビフェニル)、または少なくとも1つが芳香族である複数の縮合環(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、ナフチル、アントリル、またはフェナントリル)を有する、任意選択的に置換された芳香族炭素環式基をいう。すなわち、少なくとも1つの環は、π電子共役系を有し得るが、他の隣接する環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、および/またはヘテロシクリルであり得る。アリール基を、本明細書中に記載のように任意選択的に置換することができる。置換基には、任意の前述の置換基(すなわち、安定な化合物を形成する脂肪族部分または本明細書中に開示の他の部分について引用した置換基)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの場合、アリール基は、好ましくは3〜14個の炭素原子を有し、その各々が置換または非置換であり得る安定な単環式または多環式の不飽和部分である。「炭素環式アリール基」は、芳香環上の環原子が炭素原子であるアリール基をいう。炭素環式アリール基には、単環式炭素環式アリール基および多環式または縮合化合物(例えば、2個またはそれを超える隣接環原子が2つの隣接環で共有されている)(ナフチル基など)が含まれる。
【0149】
用語「ヘテロアリール」は、当該分野におけるその通常の意味を示し、環原子として少なくとも1つのヘテロ原子を含むアリール基をいう。「ヘテロアリール」は、好ましくは3〜14個の炭素原子を有し、その各々が置換または非置換であり得る安定な複素環式または多複素環式(polyheterocyclic)の不飽和部分である。置換基には、任意の前述の置換基(すなわち、安定な化合物を形成する脂肪族部分または本明細書中に開示の他の部分について引用した置換基)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの場合、ヘテロアリールは、5〜10個の環原子を有し、そのうちの1つの環原子が、S、O、およびNから選択され;0、1、または2個の環原子が、S、O、およびNから独立して選択されるさらなるヘテロ原子であり;残りの環原子が炭素である環式芳香族ラジカルであり、このラジカルは、任意の環原子を介して分子の残部に連結している(例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、およびイソキノリニルなど)。
【0150】
本明細書中に定義のアリール部分およびヘテロアリール部分を、アルキル部分またはヘテロアルキル部分を介して付着することができ、したがって、−(アルキル)アリール部分、−(ヘテロアルキル)アリール部分、−(ヘテロアルキル)ヘテロアリール部分、および−(ヘテロアルキル)ヘテロアリール部分も含まれることも認識される。したがって、本明細書中で使用される場合、句「アリール部分またはヘテロアリール部分」および「アリール、ヘテロアリール、−(アルキル)アリール、−(ヘテロアルキル)アリール、−(ヘテロアルキル)ヘテロアリール、および−(ヘテロアルキル)ヘテロアリール」は交換可能である。置換基には、任意の前述の置換基(すなわち、安定な化合物を形成する脂肪族部分または本明細書中に開示の他の部分について引用した置換基)が含まれるが、これらに限定されない。
【0151】
アリール基およびヘテロアリール基(二環式アリール基が含まれる)は置換または非置換であり得、ここで、置換には、1つまたはそれを超える水素原子の、1つまたはそれを超える以下の部分(以下が含まれるが、これらに限定されない)との独立した置換が含まれると認識される:脂肪族;脂環式;ヘテロ脂肪族;複素環式;芳香族;ヘテロ芳香族;アリール;ヘテロアリール;アルキルアリール;ヘテロアルキルアリール;アルキルヘテロアリール;ヘテロアルキルヘテロアリール;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO
2;−CN;−CF
3;−CHF
2;−CH
2F;−CH
2CF
3;−CHCl
2;−CH
2OH;−CH
2CH
2OH;−CH
2NH
2;−CH
2SO
2CH
3;−C(O)Rx;−CO
2(Rx);−CON(Rx)
2;−OC(O)Rx;−OCO
2Rx;−OCON(Rx)
2;−N(Rx)
2;−S(O)
2Rx;−NRx(CO)Rx(表示の各Rxには、独立して、脂肪族、脂環式、ヘテロ脂肪族、複素環式、芳香族、ヘテロ芳香族、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルキルヘテロアリール、ヘテロアルキルアリール、またはヘテロアルキルヘテロアリールが含まれるが、これらに限定されない)、ここで、上記および本明細書中に記載の任意の脂肪族置換基、脂環式置換基、ヘテロ脂肪族置換基、複素環式置換基、アルキルアリール置換基、またはアルキルヘテロアリール置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、飽和または不飽和であってよく、ここで、上記および本明細書中に記載の任意の芳香族置換基、ヘテロ芳香族置換基、アリール置換基、ヘテロアリール置換基、−(アルキル)アリール置換基、または−(アルキル)ヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。さらに、任意の2つの隣接する基が共に4、5、6、または7員の置換または非置換の脂環式部分または複素環式部分を示し得ると認識される。一般的に適用可能な置換基のさらなる例を、本明細書中に記載の特定の実施形態によって例示する。
【0152】
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書中で使用される場合、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択される原子をいう。
【0153】
上記の基および/または化合物を、本明細書中に記載のように、いくつかの置換基または官能性部分と任意選択的に置換することができると認識される。すなわち、任意の上記の基を任意選択的に置換することができる。本明細書中で使用される場合、用語「置換された」は、全ての許容できる有機化合物の置換基が含まれることを意図し、「許容できる」は、当業者に公知の原子価の化学規則に照らしている。一般に、用語「置換された」は、用語「任意選択的に」が先行するかどうか、および本発明の式中に含まれる置換基と無関係に、所与の構造内の水素ラジカルの特定の置換基のラジカルとの置換をいう。任意の所与の構造内の1つを超える位置を特定の基から選択される1つを超える置換基と置換することができる場合、置換基は、あらゆる位置で同一または異なり得る。「置換された」には、置換によって、例えば、転位、環化、脱離などによって自発的に変換されない安定な化合物が得られることも含まれると理解される。いくつかの場合、「置換された」は、一般に、水素の本明細書中に記載の置換基との置換をいうことができる。しかし、「置換された」は、本明細書中で使用される場合、例えば、「置換された」官能基が置換によって異なる官能基になるような、分子が同定される重要な官能基の置換および/または交代を包含しない。例えば、「置換フェニル基」は、フェニル部分を依然として含まなければならず、この定義における置換によって、例えば、ピリジン環になるように修飾することができない。広範な態様では、許容できる置換基には、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基が含まれる。例示的な置換基には、例えば、本明細書中に記載の置換基が含まれる。許容できる置換基は、適切な有機化合物について1つまたは複数であり得、且つ同一または異なり得る。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、ヘテロ原子の価数を満たす水素置換基および/または本明細書中に記載の有機化合物の任意の許容できる置換基を有し得る。さらに、本発明は、いかなる様式においても有機化合物の許容できる置換基に制限されることを意図しない。
【0154】
置換基の例には、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族部分またはヘテロ芳香族部分、−CF
3、−CN、アリール、アリールオキシ、ペルハロアルコキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアラルコキシ、アジド、アミノ、ハライド、アルキルチオ、オキソ、アシルアルキル、カルボキシエステル、カルボキサミド、アシルオキシ、アミノアルキル、アルキルアミノアリール、アルキルアリール、アルキルアミノアルキル、アルコキシアリール、アリールアミノ、アラルキルアミノ、アルキルスルホニル、カルボキサミドアルキルアリール、カルボキサミドアリール、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルキルアミノアルキルカルボキシ、アミノカルボキサミドアルキル、シアノ、アルコキシアルキル、ペルハロアルキル、およびアリールアルキルオキシアルキルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0155】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の実施例を考慮してさらに理解される。実施例は、本発明の特定の実施形態を例示することを意図するが、特許請求の範囲によって定義されるその範囲を制限することを意図しない。
【実施例】
【0156】
実施例
実施例1.非化学量論量の末端基単量体を使用して鎖延長し、低い溶媒含有量で、触媒を使用し、分散後に鎖延長したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート(CCARB)末端基(EG)を使用(接着剤A)
【0157】
1lの3つ口フラスコに、24.50gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)、3.29gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)、70.80gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、および7.58gのYmerN120を窒素雰囲気下で添加した。次いで、0.057gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を68〜71℃に加熱した。5.5時間後、4.61gのグリセリンカルボナートを、反応混合物に添加し、さらに2時間撹拌し、その時点で1.44gのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を添加して粘度を低下させた。さらに1時間後、トリエチルアミン(2.28g)を添加して15分間撹拌し、その時点でプレポリマーを39℃の167gの脱イオン水(DIW)に分散させた。プレポリマーを15分間にわたって添加した。HMDA(0.631g)のDIW(10.3g)溶液を、12分間にわたって分散液に滴下した。さらに60分後に、清澄でわずかに不透明な分散液を単離した。
【0158】
実施例2.末端基単量体の混合物を使用し、触媒を使用し、分散後に鎖延長したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート/3−アミノプロピルトリメトキシシラン(接着剤B)
【0159】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、76.12gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、8.806gのYmer N120(Perstorp)、および4.193gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。28.6gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)および0.060gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を75〜76℃に3.5時間加熱した。グリセリンカルボナート(2.946g)を添加し、反応物をさらに3時間加熱した。TEA(3.71g)を添加し、15分後、プレポリマーを202gのDIW中に約39℃で10分間にわたって分散させた。1000rpmでさらに5分間の混合後、HMDA(2.09g)を含むDIW(15.0g)および3−アミノプロピルトリメトキシシラン(2.216g)を、分散液に10分間にわたって個別に滴下した。さらに60分後に、清澄で半透明の分散液を単離した。
【0160】
実施例3.末端基単量体の混合物を使用し、触媒し、分散後に鎖延長したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート/3−アミノプロピルトリメトキシシラン(接着剤C)
【0161】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、65.56gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、7.866gのYmer N120(Perstorp)、および3.611gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。24.7gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)、および0.049gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を75〜76℃に3.5時間加熱した。グリセリンカルボナート(1.586g)を添加し、反応物をさらに2.5時間加熱した。TEA(3.03g)を添加し、15分後、プレポリマーを、175gのDIW中に約39℃で15分間にわたって分散させた。900rpmでさらに5分間の混合後、HMDA(1.26g)を含むDIW(15.3g)および3−アミノプロピルトリメトキシシラン(3.13g)を、分散液に20分間にわたって個別に滴下した。さらに100分後に、清澄で半透明の分散液を単離した。
【0162】
実施例4.化学量論量の末端基単量体を使用した鎖延長を行わず、溶媒中で触媒を使用し、試薬を段階的に添加したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート(接着剤D)
【0163】
1lの3つ口フラスコに、33.20gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)、および91.70gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)を窒素雰囲気下で添加した。0.097gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を68〜70℃に加熱した。4.5時間後、18.36gの6.985gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)および14.75gのNMPのミックスを、反応器に直接添加してさらに1.5時間撹拌し、その後に反応器を冷却し、一晩撹拌を中断した。翌日に、ミックスを75〜77℃に5時間再加熱後、8.704gのグリセリンカルボナートを添加した。さらに3時間後、加熱および撹拌を終了した。
【0164】
114.7gの上記プレポリマーミックスを第2の反応器に移し、70℃に加熱した。2.7gのTEA(トリエチルアミン)を添加し、45分間撹拌し、その後にプレポリマーを163.5gのDIW中に45℃で30分間にわたって分散させた。さらに30分後に、半不透明の分散液を単離した。
【0165】
実施例5.化学量論量の末端基単量体を使用した鎖延長を行わないポリウレタン分散液の合成−触媒を使用し、DIWを逆に添加する−グリセリンカルボナート(接着剤E)
【0166】
500mlの3つ口フラスコに、35.76gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)、6.31gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)、および98.36gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)を窒素雰囲気下で添加した。0.076gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を最初に72℃に2時間加熱し、次いで、80℃に4時間加熱した。9.33gのグリセリンカルボナートを添加し、1.5時間加熱し、その後に加熱および撹拌を終了した。15時間後、ミックスを70〜75℃で1.5時間再加熱し、その後に3.54gのTEA(トリエチルアミン)を添加した。45分間の混合後、266.0gのDIWを45分間にわたって750rpmで撹拌しながら添加し、38〜40℃に冷却した。乳白色分散液をさらに1.5時間混合し、その後に単離した。
【0167】
実施例6.溶媒中で非化学量論量の末端基単量体を使用した分散後に鎖延長し、触媒を使用したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナートEG(接着剤F)
【0168】
1lの3つ口フラスコに、31.82gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)、5.79gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)、87.20gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、および2.11gのNMPを窒素雰囲気下で添加した。次いで、0.064gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を78〜80℃に加熱した。4.5時間後、4.56gのグリセリンカルボナートおよび0.93gのNMPを反応混合物に添加してさらに4時間撹拌し、その時点で、反応物を70℃に冷却した。TEA(4.08g)およびNMP(1.9g)を添加して20分間撹拌し、その時点でプレポリマーを197gのDIW中に約42℃で分散させた。プレポリマーを10分間にわたって添加し、その後に1000rpmでさらに5分間混合した。35.4%HMDAのDIW溶液(4.61g)を、さらなる10.02gのDIWで希釈し、15分間にわたって分散液に滴下した。さらに30分後に、清澄でわずかに不透明な分散液を単離した。
【0169】
実施例7.末端基単量体の混合物を使用し、触媒を使用し、分散後に鎖延長したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート/2−ヒドロキシエチルピロリドン(HEP)EG(接着剤G)
【0170】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、76.40gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、9.284gのYmer N120(Perstorp)、および4.433gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。次いで、31.2gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)、および0.060gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を75〜76℃に5時間加熱し、その後に4.828gのグリセリンカルボナート(3.35g)および2−ヒドロキシエチルピロリドン(3.653g)のミックスを添加し、さらに3.5時間撹拌した。TEA(3.61g)を添加し、15分後、プレポリマーを202gのDIW中に約39℃で15分間にわたって分散させ、その後に750rpmでさらに5分間混合した。HMDA(2.09g)を含む水(10.0g)DIWを、分散液に10分間にわたって滴下した。さらに60分後に、清澄で半透明の分散液を単離した。
【0171】
実施例8.末端基単量体の化学量論混合物を使用したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート/2−ヒドロキシエチルピロリドン(接着剤H)
【0172】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、95.50gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約1,000)、9.99gのYmer N120(Perstorp)、および7.77gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。次いで、54.4gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)を添加し、混合物を75〜80℃に5時間加熱し、その後に10.71gのグリセリンカルボナート(4.43g)および2−ヒドロキシエチルピロリドン(10.23g)のミックスを添加し、さらに2時間撹拌した。温度を55℃に低下させ、さらに20時間混合した。反応温度を75℃に上昇させ、その時点でTEA(4.58g)を添加した。30分後、プレポリマーを310gのDIW中に約39℃で分散させた。プレポリマーを30分間にわたって添加し、その後に周囲温度で一晩混合した。清澄で半透明の分散液を単離した。
【0173】
実施例9.末端基単量体の化学量論混合物を使用したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート/2−ヒドロキシエチルピロリドンEG(接着剤J)
【0174】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、158.3gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、10.60gのYmer N120(Perstorp)、および10.19gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を30℃で添加した。次いで、58.13gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)を添加し、混合物を100℃に5.5時間加熱した。温度を80℃に低下させ、10.60gのグリセリンカルボナート(4.378g)および2−ヒドロキシエチルピロリドン(9.552g)のミックスを添加し、さらに1時間撹拌した。温度を55℃に低下させ、さらに20時間混合した。反応物の温度を70℃に低下させ、一晩(さらに21時間)混合した。TEA(7.15g)を添加し、15分後、プレポリマーを462gのDIW中に50℃で分散させた。プレポリマーを70分間にわたって添加し、その時点で温度を1.5時間にわたって65℃に上昇させた。周囲温度で一晩の混合後、清澄で半透明の分散液を単離した。
【0175】
実施例10.末端基単量体の非化学量論混合物を使用し、触媒を使用し、分散後に鎖延長したポリウレタン分散液の合成−2−ヒドロキシエチルピロリドン/3−アミノプロピルトリメトキシシラン(接着剤L)
【0176】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、74.818gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、8.515gのYmer N120(Perstorp)、および4.054gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。27.435gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)および0.057gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を76〜78℃に3.5時間加熱した。2−ヒドロキシエチルピロリドン(3.034g)を添加し、反応物をさらに3時間加熱した。TEA(3.628g)を添加し、10分後、プレポリマーを、178gのDIW中に約39℃で15分間にわたって分散させた。900rpmでさらに5分間の混合後、HMDA(2.824g)を含むDIW(12.557g)および3−アミノプロピルトリメトキシシラン(1.206g)を、分散液に25分間にわたって個別に滴下した。さらに90分後に、分散液を単離した。
【0177】
実施例11.末端基単量体の非化学量論混合物を使用し、触媒を使用し、分散後に鎖延長したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート/3−ヒドロキシプロピオニトリル(接着剤M)
【0178】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、76.532gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、9.148gのYmer N120(Perstorp)、および4.129gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。30.024gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)および0.062gのジブチルスズジラウラートを添加し、混合物を75〜77℃に3.5時間加熱した。3.97gのグリセリンカルボナート(5.006g)および3−ヒドロキシプロピオニトリル(1.656g)の混合物を添加し、反応物をさらに2.5時間加熱した。TEA(2.75g)を添加し、15分後、プレポリマーを、176gのDIW中に約39℃で10分間にわたって分散させた。750rpmで混合しながら、HMDA(1.773g)を含むDIW(10.0g)を10分間にわたって分散液に滴下した。64.5gのさらなるDIWを添加し、さらに30分後に分散液を単離した。
【0179】
実施例12.末端基単量体の非化学量論混合物を使用し、触媒を使用せず、分散後に鎖延長したポリウレタン分散液の合成−グリセリンカルボナート/2−ヒドロキシエチルピロリドンEG(接着剤O)
【0180】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、200.3gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、13.86gのYmer N120(Perstorp)、および14.72gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を30℃で添加した。次いで、95.1gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)を添加し、混合物を100℃に3.5時間加熱し、その後に重合は本質的に完了していた(中赤外分光法による測定)。温度を80℃に低下させ、16.84gのグリセリンカルボナート(6.656g)および2−ヒドロキシエチルピロリドン(14.419g)のミックスを添加し、さらに16時間撹拌した。温度を78℃に低下させ、TEA(10.54g)を添加した。75分後、プレポリマーを625gのDIW中に40℃で30分間にわたって分散させ、その後にHMDAのミックス(5.51g)を含むDIW(10.8g)を使用してさらに10分間にわたって鎖延長を行った。反応温度を55℃に1時間上昇させ、その後に加熱を終了し、分散液を周囲条件下で一晩混合して清澄で半不透明な生成物を得た。
【0181】
実施例13.ポリウレタンの合成−アクリルハイブリッド接着剤A
【0182】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、120.0gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約1,000)、12.90gのYmer N120(Perstorp)、および9.72gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。次いで、68.37gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)を添加し、混合物を100℃に4.5時間加熱した。80℃に冷却後、11.98gのグリセリンカルボナート(4.24g)および2−ヒドロキシエチルピロリドン(9.71g)のミックスを添加し、1時間撹拌した。温度を70℃に低下させ、さらに16.5時間混合した。加熱オイルの温度を77℃に上昇させ、その時点でTEA(6.28g)を添加した。40分後、プレポリマーを433gのDIW中に約45℃で35分間にわたって分散させ、その後に約50℃に1時間加熱した。清澄な半透明のポリウレタン分散液を単離した。
【0183】
1lの3つ口フラスコに、265.0gの半透明ポリウレタン分散液(35.0%固体)、10.7gのブチルアクリラート、4.3gのグリシジルメタクリラート、および0.42gの4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を添加した。ミックスを500rpmで90分間撹拌し、その時点でミックスを窒素雰囲気下で70℃に加熱した。さらなる54グラムのDIWを添加し、合計で21時間加熱を継続した。周囲温度への冷却後、希薄な白っぽい分散液を回収した。
【0184】
実施例14.ポリウレタンの合成−アクリルハイブリッド接着剤B
【0185】
窒素雰囲気下の1lの3つ口フラスコに、179.4gのポリ(プロピレングリコール)(Mn約2,000)、6.54gのYmer N120(Perstorp)、および15.02gのDMPA(ジメチロールプロピオン酸)を添加した。次いで、72.91gのH12MDI(4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、水添MDI)を添加し、混合物を100℃に4.5時間加熱した。80℃に冷却後、15.71gのグリセリンカルボナート(6.36g)および2−ヒドロキシエチルピロリドン(13.79g)のミックスを添加し、21時間撹拌した。9.65gのTEAを添加し、2.5時間撹拌し、その後にプレポリマーを548gのDIW中に約50℃で30分間にわたって分散させた。分散液を60℃に1時間加熱し、その後に周囲温度で一晩撹拌した。清澄で希薄なポリウレタン分散液を単離した。
【0186】
1lの3つ口フラスコに、251.5gの希薄なポリウレタン分散液(33%固体)、12.7gのブチルアクリラート、4.7gのグリシジルメタクリラート、6.3gの2−エチルヘキシルメタクリラート、32.8gのDIW、および0.28gの4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)を添加した。ミックスを400rpmで25分間撹拌し、その時点でミックスを窒素雰囲気にて70〜80℃に7.5時間加熱した。0.12グラムのAIBNを添加し、68〜70℃で19時間混合し続けた。周囲温度に冷却後、希薄で白っぽい分散液を回収した。
【0187】
実施例15.一般的なオーバーコーティングプロセスおよび試験ディスプレイ構造体
【0188】
別段の指示がない限り、本実施例は、以下の実施例で使用した一般的なオーバーコーティングプロセスおよび試験ディスプレイ構造体を示す。
【0189】
第1の剥離基板(
図1Dなどに示す3層用)または電極基板(
図1Cなどに示す2層用)のいずれかの上に予めコーティングして乾燥させたインクに、スロット−ダイコーターまたは線形バーコーターのいずれかを使用して特定の乾燥コート重量まで接着剤流体(対応するポリウレタン分散液の特定量の架橋剤との混合によって調製))をコーティングした。次いで、インク−接着剤コーティングを特定の温度および滞留時間にてオーブンで乾燥させ、その後に、電極基板(3層用)または剥離基板(2層用)のいずれかに積層した。3層系のために、第1の剥離基板をインク表面から除去し、次いで、平滑側積層体(smooth side laminate)(SSL)接着剤(例えば、
図1D中の接着剤層140)に積層する。2層構造体は、試験構造体の構築前にさらなる積層工程は必要なかった。次いで、中間構造体(2層および3層)の両方を、適切なサイズの切片に切断し、残存する剥離バッキングを除去し、適切なバックプレーン電極に積層することによって試験ディスプレイ構造体に加工する。試験ディスプレイの調湿を、典型的には、別の条件が必要とされない限り、25℃および50%相対湿度(RH)の調湿後に行った。
【0190】
実施例16.ポリウレタン接着剤の電気光学性能
【0191】
表1は、3層構造体中のインク層に積層した比較対照積層体(ポリウレタン水分散液)と比較した1つまたはそれを超えるタイプのインク層にオーバーコーティングした環状カルボナート修飾ポリウレタンのt
0EO状態を示す。オーバーコート未乾燥薄膜の膜厚は約4milであり、これは約25g/m
2のコート重量に相当していた。3層画素を、25℃および50%RHで調湿した。接着剤Cの環状カルボナート官能性レベルは接着剤Bより低い。比較積層体画素と比較した場合に実験接着剤において白状態(WS)、暗状態(DS)、およびダイナミックレンジ(DR)L
*値が有意に改善されたことが認められた。示すように、表1中の接着剤および対照接着剤で達成された総ダイナミックレンジが比較的類似していた一方で、環状カルボナートレベルの変化によってWSおよびDSを操作することが可能である。接着剤A中の環状カルボナート官能性レベルは、接着剤Bよりわずかに高く、このことは、WS画像安定性がわずかに劣る理由を説明している(以下の節を参照のこと)。接着剤Aに例示されるように、環状カルボナート官能性により、DS L
*値も非常に低くなる。
【0192】
【表1】
【0193】
図5A〜5Bは、インク層に積層した対照接着剤と比較したインク層にオーバーコーティングした実験ポリウレタンの調整された30秒間画像安定性の軌跡を示す。3層画素を、25℃および50%RHで調湿した。
図5A〜5Bは、WSおよびDSの30秒間画像安定性に及ぼす環状カルボナート官能性レベルの影響を示す。両方の接着剤において、WSキックバックは最小であり、安定なWS L
*(
図5B)または最小のWS L
*改善のいずれかが認められ、同時に、L
*値が改善された。DS L
*安定性について挙動の類似の改善が認められたが、WSで認められたものよりわずかに改善の増加が大きかった。
【0194】
WS L
*ドリフトの規模および配向の両方を、環状カルボナート官能性の組み込みレベルによって調節することができる。
図6〜7は、この影響を示す。低レベルの環状カルボナートは経時的にWS L
*を増加させるのに対して、非常に高レベルでは30秒間にわたってWS L
*は減少する。
図8に示すように、環状カルボナート官能性の組み込みmol%レベルとWS L
*ドリフト度との間に相関が認められる。環状カルボナート官能性の最適レベルはおよそ10mol%であった。
【0195】
実施例17.末端基タイプの影響
【0196】
図8は、環状カルボナートエンドキャッピング基に対するピロリドンの影響を示す。両官能基は、1個または2個の炭素原子のいずれかを有し、環とポリウレタン鎖に結合した酸素が離れている5員ヘテロ環である。ポリウレタン骨格への等モルの組み込みレベルで、環状カルボナート含有ポリウレタンにおいて有意により良好な画像安定性が認められ、これは、官能性タイプの影響を明確に示していた。
【0197】
t
0状態に及ぼすこの影響を、表2に示す。接着剤Bシリーズでは、比較積層体(対照)を積層した画素は初期状態から30秒間までの全WSが損失し、ピロリドン含有接着剤でオーバーコーティングした画素では全WSが改善される。示すように、3層画素を25℃および50%RHで調湿し、これらの画素は2つの個別の実験に由来する。環状カルボナート含有接着剤でオーバーコーティングした画素は安定なWSを有すると同時に、積層体系のWS L
*をわずかに改善する。接着剤Aシリーズで類似の所見が認められたが、この場合、積層体画素のWS L
*オフセットはより低かった。対照と比較した環状カルボナート官能性を含む全てのオーバーコーティングした画素のDR L
*値の改善は、DS L
*値のわずかな改善に起因していた。
【0198】
【表2】
【0199】
図9は、インク層にオーバーコーティングした接着剤Mの、同一のインクに積層した比較積層体と比較した240ミリ秒間WS L
*パルス軌跡を示す。接着剤Mは、環状カルボナート官能性および硬化のための酸官能性を組み込んでいる。5mil厚さの電極を利用して、両接着剤を約25g/m
2までコーティングした。オーバーコーティングしたインクについてWSの3L
*ブーストが認められた(等しいDS L
*軌跡を有する)。
【0200】
【0201】
実施例18.ITOインク構造体への誘導
【0202】
インジウムスズ酸化物をコーティングした透明な可撓性基板にインクをコーティングした。その後、分散ポリウレタンおよびカルボジイミド架橋剤(ポリウレタン中のカルボキシル官能性と反応させるため)を含む水性接着剤配合物をバーコーティングし、高温の水平吸込式オーブン内で乾燥させた。酸/カルボジイミド官能性が約1:1であるように、カルボジイミド架橋剤のレベルを、ポリウレタン内の酸官能性存在レベルに適合させた。
【0203】
表3は、末端基修飾によって変動する初期ダイナミックレンジδL
*(比較積層体と比較)を示す。比較(対照)積層インクと比較してカルボナート修飾ポリウレタンにおいて類似の初期特性が得られたことが認められた。
【0204】
【表3】
【0205】
図10は、マシンコーティングしたDTIオープンインク(open ink)上のオーバーコーティングした接着剤の25℃電気的ストレス試験中の経時的なWS L
*損失を証明している。各接着剤について、データをt=0と比較した。全てのオーバーコーティングした接着剤を、カルボジイミド架橋剤と1:1の酸:カルボジイミド当量で架橋させた。比較積層体(対照)を架橋させず、この積層体は、180ppmのイオンドーパントを含んでいた。懸垂環状カルボナート官能性の組み込みにより、25℃ストレス劣化耐性が増強され、これは比較積層インクに匹敵することが予想外に見出された。この挙動は、研究した他の末端基修飾ポリウレタンでは認められなかった。
【0206】
実施例19.低温性能の改善
【0207】
カルボナート修飾ポリウレタンを使用して観察した別の性能改善は、低温性能の改善(すなわち、挙動の切り替えおよび得られたL
*値)であった。表4は、0℃で蓄積したEOデータを列挙している。カルボナート修飾接着剤は、0℃で最良の切り替え挙動を示した。
【0208】
【表4】
【0209】
実施例20〜23は、一般に、低コート重量接着剤薄膜に関する。
【0210】
実施例20.低コート重量オーバーコーティング
【0211】
驚いたことに、ポリウレタンのレオロジーおよび硬化プロセスのタイプおよび比率を操作することにより、比較的低い接着剤コート重量を使用してインクのオーバーコーティングおよびその後の電極基板への無空隙積層を行うことができる。一般に、市販のディスプレイおよび開発中のプロトタイプのディスプレイで利用される接着剤について、コート重量が減少するにつれて積層空隙およびオレンジピールなどの欠陥は増加し、許容され得る性能を達成するために少なくとも約25g/m2の材料が必要である。本明細書中に記載の接着剤により、無空隙積層およびオレンジピールの減少に必要な材料の量が実質的に減少する。
【0212】
表5は、線形バーコーターを使用してカルボン酸、環状カルボナート、およびアクリラート官能性を含む接着剤Nを剥離基板上のインク層にオーバーコーティングしたインク−接着剤−電極構造体についてのコート重量、空隙数、およびオレンジピールを列挙している。30%固体の水性接着剤配合物を使用して6g/m2(およそ1milウェットコート厚さ)の乾燥コート重量を得た。データが示すように、ほぼ空隙を生じることなく電極がインク表面に積層される。さらに、オレンジピール値は、接着剤コート重量が25g/m2である現行の市販品で典型的に認められる範囲内である。接着剤の特徴を、接着剤Tc(例えば、より薄い薄膜で接着剤量を減少させる必要がある場合に、インク表面への材料の流れ方に影響を及ぼし、一般に、硬化前に電気光学層を平坦化するためにより低い接着剤Tc値が必要である)、架橋範囲(酸−カルボジイミド)、ならびに接着剤が流れてインク粗面を充填し、その後に(例えば、第2の硬化後)5milおよび1milの電極基板に無空隙で積層することができるような第1の硬化中の溶媒蒸発を調和させるように選択した。
【0213】
【表5】
【0214】
表5は、剥離基板上にオープンインクを含むインク層にオーバーコーティングした接着剤Nへの5milおよび1milの電極の積層についてのコート重量、空隙数、およびオレンジピール値を示す。
【0215】
電気光学的状態を改善する官能性と低コート重量を達成する二重硬化プロセスとの組み合わせの利点を示すさらなる例を、表6に示す。この場合、接着剤Mを、剥離基板上のプロトタイプインクに低いおよび高い未乾燥薄膜塗り厚(4mil未乾燥は約20〜25g/m2に相当し、1.5mil未乾燥は約8〜10g/m2に相当する)でオーバーコーティングし、その後に5mil電極基板に積層し、3層グラファイト画素に構築する。データおよび
図11中の添付の画像安定性軌跡から認められるように、接着剤Mを使用してWS L
*値およびDR L
*値の改善が得られた:オーバーコーティングした材料のコート重量がより低いことにより、WS画像安定性がより良好になり、キックバックレベルがより低下し、電気光学的状態が改善される。初期DS L
*値が比較積層体対照で認められた値より高いにもかかわらず、より低いDS SEレベルでほぼ等しい30秒間DS L
*値が得られる。
【0216】
【表6】
【0217】
表6は、電気光学的に活性な官能性および低コート重量の接着剤の影響を示す、剥離基板上のプロトタイプインクに低いおよび高い未乾燥薄膜塗り厚でオーバーコーティングした接着剤Mの25℃電気光学データを示す。3層について、画素を50℃/50%RHで硬化させ、測定前に25℃/50%RHに再度調湿した。
【0218】
実施例21.オープンインクへの積層
【0219】
本実施例では、接着剤を、電極基板(例えば、3層構造体)または剥離基板(例えば、2層構造体)のいずれかに適用し、その後にインク表面に積層した。次いで、両方のインターフェースに最終的に機械特性および電気光学特性を持たせるために、二次硬化を行った。
【0220】
接着剤B(酸、環状カルボナート、シラン官能性)および接着剤L(酸、ピロリドン、シラン官能性)(共に、カルボジイミド架橋剤と混合(段階I硬化(第1の硬化)のため))を、1.5mil未乾燥薄膜塗り厚(およそ7〜9g/m2乾燥接着剤)で剥離基板にコーティングし、水平吸込式オーブンで乾燥させ、1mil電極基板上のプロトタイプインクに積層した。接着剤表面を、カーボンバックプレーンに直接積層したか、市販のSSLに積層し、次いで、カーボンバックプレーンに積層した。縮合機構を介して組み込まれたトリメトキシシラン官能性によって段階II硬化(第2の硬化)が起こる。比較例として、1mil電極基板上のオープンインクを、SSL(2層、各接着剤重量5g/m2;総コート重量10g/m2)に積層した。SSLの架橋が最小であることにより、接着剤のレオロジーおよび積層の品質に及ぼす二重硬化の影響を直接比較可能である。比較例においていくらかの空隙形成が明白であったのに対して(切り替えによる影響を介して間接的に認められた)、接着剤Bを使用した画素は切り替え時に積層空隙の証拠は認められなかった。さらに、表8に示すように、接着剤Bを使用してWS L
*値が改善された。
【0221】
【表7】
【0222】
表7は、1mil電極上のプロトタイプインクに積層した2層の市販のSSL(接着剤重量5g/m2;総接着剤コート重量10g/m2)を使用して作製した2層画素と比較した、1mil電極基板上のプロトタイプインクに積層した接着剤Bおよび接着剤Lの2層または3層DTI画素についての初期および30秒間のL
*値を示す。実験接着剤を、1mil電極上に約1.5mil未乾燥バー高さ(wet bar height)(約7〜9g/m2乾燥接着剤に相当する)までコーティングした。
【0223】
接着剤の積層によって得ることができる電気光学的改善のさらなる例を、表8に示す。この場合、接着剤を3.5milウェットコート厚さで5mil電極基板にコーティングし、乾燥させ、剥離基板上のプロトタイプインクに積層した。比較ポリウレタン水分散液(対照)を比較のために利用した。接着剤について30秒間でWS L
*は76であり、DS L
*は18である。
【0224】
【表8】
【0225】
表8は、プロトタイプオープンインクに積層した接着剤Mについての、同一のインクに積層した比較対照と比較した25℃でt=0の電気光学データを示す。画素は、25℃および50%RHで調湿した3層グラファイトである。
【0226】
実施例22.ハイブリッド接着剤の硬化
【0227】
ハイブリッド接着剤Aのレオロジープロフィールを、
図12に示す。硬化前および硬化後の曲線を示す。
図12では、剪断貯蔵弾性率(G’)および剪断損失弾性率(G’’)を、段階I(熱可塑性乾燥)および段階II(酸−エポキシ共有結合性架橋)で硬化した接着剤の温度の関数としてプロットする。架橋した(段階IIによって硬化した)材料の比較的低い損失正接と組み合わせたG’中の高温プラトーは、硬化効率を示す。ポリウレタンのクロスオーバー温度(Tc)(すなわち、損失正接(損失弾性率の貯蔵弾性率に対する比)が1に等しく、材料がより高い粘性流を示し始める温度)を、乾燥および積層時に接着剤がインク表面を平坦化する相対的容易さを評価するために利用する。損失正接のプロットで認められるように(示さず)、段階I硬化(熱可塑性乾燥)において、ハイブリッド接着剤AのTcは未修飾の親ポリウレタンよりおよそ10〜15℃高く、このことは、一般に、低コート重量での平坦化接着剤として使用することが適切である。ハイブリッド接着剤を使用してレオロジーが改善されたのに対して、市販の接着剤を使用してインク表面を効率的に平坦化するには有意により高いコート重量の接着剤層が必要であった。
【0228】
オープンインクに接着剤流体をオーバーコーティングし、加熱したオーブンで乾燥させ(段階I硬化)、剥離基板に積層することによってハイブリッド接着剤Aを適用し、その後に段階II硬化(化学的架橋)を行うことによって比較的非常に薄く(総インク−接着剤厚さは約23〜24ミクロンであった)、空隙欠陥レベルが非常に低いインク−接着剤コーティング層を形成することができる。対応する市販のインク−接着剤コーティングの厚さは、およそ40ミクロンであった。
図13〜14は、8g/m2(乾燥コート重量)にコーティングしたハイブリッド接着剤Aを使用した2層インク−接着剤積層物の断面のSEM顕微鏡写真であり、この写真は、平坦化されており、且つ比較的欠陥(空隙)の無い接着剤−インク界面を実証し、インク−接着剤コーティング層の全厚を示している。このフロントプレーン積層体(FPL)から作製した試験ガラスディスプレイの高温ストレス試験では、いかなる欠陥も形成されず、段階II硬化後に十分な機械的性質が得られたことが確認された。
【0229】
実施例23.複数の架橋試薬を使用したポリウレタン接着剤
【0230】
本実施例では、比較的低Tcのポリウレタンを、ポリウレタン骨格上の反応性官能性との相対架橋率が異なる2つの異なる架橋試薬と組み合わせる。段階I架橋は、接着剤を乾燥および積層に適用している間に起こり、それにより、その後の処理工程を可能にするのに望ましいレオロジーが得られる。段階II架橋の大部分は、FPLの硬化調湿サイクル中に起こった。例えば、
図15は、カルボジイミドおよびエポキシ架橋剤の架橋率が有意に異なるポリウレタン(PU)との使用を示す。
【0231】
ポリウレタン分散液を、2重量%エポキシおよび4.8重量%カルボジイミドと混合し、PET−ITO上のオープンインクにオーバーコーティングし、乾燥させ、低表面エネルギー剥離基板に積層した。カルボジイミド架橋剤の硬化は乾燥/積層段階後に比較的完全であり、エポキシ架橋剤の硬化はその後に60℃で5日間にわたって起こった。接着剤系(接着剤J)のレオロジープロフィールを、
図16にプロットしている。硬化前および硬化後の(段階IIによる)曲線を示す。
図16では、剪断貯蔵弾性率(G’)および剪断損失弾性率(G’’)を、温度の関数としてプロットしている。硬化した材料の比較的低い損失正接と組み合わせたG’中の高温プラトーは、架橋効率を示す。
図17A〜17Bは、7g/m
2でコーティングした接着剤Jを使用した2層インク−接着剤積層物の断面のSEM顕微鏡写真であり、この写真は、平坦化されており、且つ比較的欠陥(空隙)の無い接着剤−インク界面を実証し、インク−接着剤コーティング層の全厚を示している。このFPLから作製した試験ガラスディスプレイの高温ストレス試験では、いかなる欠陥も形成されず、架橋後に十分な機械的性質が得られたことが確認された。
【0232】
実施例24.2つの架橋試薬を使用した二重硬化接着剤
【0233】
以下の実施例は、2架橋系硬化を組み込んだ二重硬化を実証する。
【0234】
接着剤は、末端基単量体の混合物−グリセリンカルボナート/2−ヒドロキシエチルピロリドンを使用したポリウレタン分散液の合成を使用した(接着剤Jなど)。二重(共有結合性)架橋硬化は、カルボジイミドおよびエポキシ架橋剤と反応させるためにポリウレタン上のカルボン酸官能性を利用した。以下の量の架橋剤を、接着剤Jと共に使用した:
試料I:試料I:4.8重量%カルボジイミド架橋剤(単一硬化)
試料II:8.0重量%カルボジイミド架橋剤(単一硬化)
試料III:4.8重量%カルボジイミド架橋剤+2.1重量%エポキシ架橋剤(二重硬化)
試料IV:8.0重量%カルボジイミド架橋剤+1.0重量%エポキシ架橋剤(二重硬化)
【0235】
上記の方法を使用して、架橋剤消費を段階I硬化(オーブン乾燥+雰囲気下での保持+加熱積層)中にモニタリングした。コーティングした接着剤流体のオーブン乾燥後の試料IおよびIIについての周囲温度でのカルボジイミド官能性の損失を、時間の関数としてプロットした。次いで、カルボジイミドピーク領域のCHピーク領域に対する比を使用して、カルボジイミドの損失を定量した。2時間後のカルボジイミドの残存レベルは、カルボジイミドの初期レベルの関数であるが、両サンプルにおいて比較的低かった。これは、段階II硬化前の2つのカルボジイミドレベルがより高い場合でさえも、段階I硬化(オーブン乾燥+雰囲気下での保持+加熱積層)の終了までにカルボジイミド架橋剤が本質的に完全に消費されていたことを示す。
【0236】
本発明のいくつかの実施形態を本明細書中に記載および例示しているが、当業者は、本明細書中に記載の機能を実施し、そして/または結果および/または1つまたはそれを超える利点を得るための種々の他の手段および/または構造を容易に予想する。かかる変形形態および/または修正形態の各々は、本発明の範囲内と見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書中に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、および配置が例示を意味すること、そして、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または配置が本発明の教示を使用する特定の適用に依存し得ることを容易に認識する。当業者は、日常的な実験しか使用せずに、本明細書中に記載の特定の実施形態に対する多数の均等物を認識するか、確認することができる。したがって、前述の実施形態は例示のみを目的として示され、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内で、具体的に記載され、且つ特許請求の範囲に記載されたものとは異なる態様で本発明を実施することができると理解すべきである。本発明は、本明細書中に記載の個別の特徴、系、物品、材料、キット、および/または方法に関する。さらに、かかる特徴、系、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、2つまたはそれを超えるかかる特徴、系、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせは、本発明の範囲内に含まれる。
【0237】
本明細書中で参考として援用された全ての特許出願および特許は、その全体が本明細書中で参考として援用される。矛盾する場合、本明細書(定義が含まれる)が優先される。参考として援用された本明細書および書類が本開示との矛盾および/または不一致を含む場合、本明細書が優先されるものとする。参考として援用した2つまたはそれを超える書類が相互に開示の矛盾および/または不一致を含む場合、後の発効日を有する書類が優先されるものとする。
【0238】
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書中で使用される場合、明らかにそうでないと指示しない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解すべきである。
【0239】
句「および/または」は、本明細書中で使用される場合、この句で繋げられた要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解すべきである(すなわち、要素は、共同で存在する場合と、個別に存在する場合がある)。明らかにそうでないと指示しない限り、具体的に定義した要素との関連の有無と無関係に、「および/または」節によって具体的に定義された要素以外の他の要素が任意選択的に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」は、「〜を含む」などのオープンエンドの言語と併せて使用する場合、1つの実施形態では、Bを含まないA(任意選択的にB以外の要素が含まれる);別の実施形態では、Aを含まないB(任意選択的にA以外の要素が含まれる);さらに別の実施形態では、AおよびBの両方(任意選択的に他の要素が含まれる)などをいうことができる。
【0240】
本明細書中で使用される場合、「または」は、上記定義の「および/または」と同一の意味を有すると理解すべきである。例えば、リスト中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は、包含を意味すると解釈するものとする(すなわち、要素の数またはリスト、および、任意選択的に、さらなる列挙していない項目の少なくとも1つを含むだけでなく、1つを超えるそれらも含む)。「たった1つの」もしくは「正確に1つの」、または特許請求の範囲で使用される場合の「〜からなる」などの前述と明らかに異なることを示す用語のみが、正確に1つの要素または要素のリストを包含することをいう。一般に、本明細書中で使用される用語「または」は、「いずれか」、「1つの〜」、「たった1つの」、または「正確に1つの」などの排他を意味する用語が先行する場合、排他的代替物のみを示すと解釈するものとする(すなわち、「一方または他方であるが、両方ではない」)。「〜から本質的になる」は、特許請求の範囲で使用する場合、特許法分野で使用されている通常の意味を有するものとする。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
ポリウレタン層を含む電気光学アセンブリであって、前記ポリウレタン層が、式(XII):
【化38】
(式中、
R1は、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたヘテロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリール、任意選択的に置換されたハライド、および任意選択的に置換されたヒドロキシルからなる群から選択され;
Lは連結基であり、任意選択的に存在せず;
nは1から4であり;
【化39】
は前記ポリウレタンへの結合位置を示す)のエンドキャッピング環状カルボナートを含む、電気光学アセンブリ。
(項目2)
Lが、任意選択的に置換されたアルキレンまたは任意選択的に置換されたヘテロアルキレンである、項目1に記載の電気光学アセンブリ。
(項目3)
R1が水素である、項目1に記載の電気光学アセンブリ。
(項目4)
前記ポリウレタン層が第2のタイプのエンドキャッピング基をさらに含む、項目1に記載の電気光学アセンブリ。
(項目5)
前記第2のタイプのエンドキャッピング基がピロリドンを含む、項目4に記載の電気光学アセンブリ。
(項目6)
前記ピロリドンが、式(XVI):
【化40】
(式中、
各R2は、同一であるか異なり、水素、任意選択的に置換されたアルキル、任意選択的に置換されたヘテロアルキル、任意選択的に置換されたアリール、任意選択的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され;
Mは連結基であり、任意選択的に存在せず;
【化41】
は前記ポリウレタンへの結合位置を示す)を含む、項目5に記載の電気光学アセンブリ。
(項目7)
Mが、任意選択的に置換されたアルキレンまたは任意選択的に置換されたヘテロアルキレンである、項目6に記載の電気光学アセンブリ。
(項目8)
前記第2のタイプのエンドキャッピング基が、式(XXXIII):
【化42】
(式中、
Lは連結基であり、任意選択的に存在せず;
各R3は同一であるか異なり、−(CH2)n−または−O−(CH2)nを含み;
各nは同一であるか異なり、1〜4であり;
【化43】
は前記ポリウレタンへの結合位置を示す)のシランを含む、項目4に記載の電気光学アセンブリ。
(項目9)
Lが、任意選択的に置換されたアルキレンまたは任意選択的に置換されたヘテロアルキレンである、項目8に記載の電気光学アセンブリ。
(項目10)
前記環状カルボナートエンドキャッピング基の前記第2のタイプのエンドキャッピング基に対する比が1:2と2:1との間である、項目4に記載の電気光学アセンブリ。
(項目11)
前記ポリウレタンが、ジイソシアナート化合物と少なくとも1つのタイプのジオールとの反応、および環状カルボナートエンドキャッピング試薬との反応によって形成される、項目1に記載の電気光学アセンブリ。
(項目12)
前記ジイソシアナートが4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)である、項目11に記載の電気光学アセンブリ。
(項目13)
前記ポリウレタンが、ジイソシアナート化合物と少なくとも1つのタイプのジオールとの反応後に、環状カルボナートエンドキャッピング試薬およびピロリドンを含む第2のタイプのエンドキャッピング試薬と反応させることによって形成される、項目5に記載の電気光学アセンブリ。
(項目14)
前記ジイソシアナートが4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)である、項目13に記載の電気光学アセンブリ。
(項目15)
前記エンドキャッピング環状カルボナートが、いかなる溶媒も含まない全組成に対して約2重量%と約10重量%との間の重量百分率である、項目1に記載の電気光学アセンブリ。
(項目16)
前記エンドキャッピング環状カルボナートがポリウレタンの約5〜15モル%で提供される、項目1に記載の電気光学アセンブリ。
(項目17)
前記エンドキャッピング試薬が、いかなる溶媒も含まない全組成に対して約2重量%と約10重量%との間の重量百分率の量である、項目4に記載の電気光学アセンブリ。
(項目18)
項目1に記載の電気光学アセンブリを含む電気光学ディスプレイ。
(項目19)
前記電気光学媒体が封入電気泳動媒体を含む、項目18に記載の電気光学ディスプレイ。
(項目20)
項目4に記載の電気光学アセンブリを含む電気光学ディスプレイ。
(項目21)
前記電気光学媒体が封入電気泳動媒体を含む、項目20に記載の電気光学ディスプレイ。